桃「シャミ子が自分のおパンツをメル〇リに出品してる…」 (51)

※メル〇リで使用済みの下着類を出品することは禁止されています。
 それをご承知の上でフィクションとしてお楽しみ下さい。

〜とある休日の午前中〜

桃「こ、これは…」

桃「清子さんから『シャミ子がスマホを悪用しないよう見張ってて下さいね』と頼まれて…」

桃「ツールを使って監視していたら、大変なものを見つけてしまった…」

桃「このおパンツ…シャミ子のおパンツだよね?」

桃「シャミ子がベランダで干していたのと同じ柄だし、色褪せ具合がそっくりだ…」

桃「商品の説明は…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1664975932

--------------------------


『こんにちは.:*゚..:。:ヽ(○´3`)ノ.:*゚..:。:.

 ☆★☆ピチピチJKのゆうこだよ☆★☆

 ちょっと恥ずかしいけど…(*´艸`*)キャッ

 私が愛用してた下着を出品しちゃうよ ♫(*´ω`*)♫ルンルン

 みんなよろしくね ♬♪♩ v(*‘∀‘)v ♬♪♩』


--------------------------

桃「うっ…なんだ…この頭がクラクラする文章は…まさかシャミ子が自分で書いたの?」

桃「値段はいくらなんだろう…いっ、一万五千円っ!?」

桃「高いっ、高過ぎるっ!!」
 
桃「これはいわゆる、ウラ若き乙女のアレを売りにして金銭を得る活動なのではっ!?」

桃「幸いまだ、誰にも買われていないようだ…」

桃「シャミ子のおパンツが見知らぬ魔の手に渡るくらいなら、いっそ私が…」

桃「いやいや、シャミ子に詳細を聞いて出品をキャンセルさせよう」

桃「ふぅ危ない、あとワンクリックで買う所だった…」

ミカン「桃ー、入るわよー」ガチャッ

桃「うわぁっ!!」ポチッ

桃「」

ミカン「あら、どうしたの?」

桃「なんでもない、なんでもないからっ!」

桃「それよりミカン、いきなり人の部屋に入って来るなんて感心しないな!」

ミカン「だってぇ…
    中から声がするから沢山ノックしたのに、うんともすんとも言わないんですもの…」

桃「え…?」

桃(嘘…私そんなにシャミ子のおパンツに夢中だったの…?)

ミカン「桃、それよりさっきまで何をしていたの?」

桃「いや…その…」

桃(…待てよ)

桃(ミカンに詳細を説明して仲間にした方が、シャミ子を説得するのに役立つかも…)

桃「ミカン、実は―」

(桃色魔法少女説明中)

ミカン「えぇっ! シャミ子が自分のおパンツをメ〇カリにっ!?」

ミカン「しかもコレ、売れちゃってるじゃないっ!!」

桃「!!」

ミカン「桃どうしましょうっ!
    このままだとシャミ子のおパンツが見知らぬ魔の手に渡っちゃうわ!」

桃「落ち着いてミカン、シャミ子が発送しなければ大丈夫だから…」

ミカン「そ、それもそうね…」

桃「それと、どちらかと言うと魔の手じゃなくて光の手に渡るかも…」ボソッ

ミカン「え?」

桃「いや何でもない、とりあえずシャミ子に話をしてみよう」

ミカン「分かったわ」

ミカン「…あら?」
    
ミカン「そういえば、桃は何でこれがシャミ子のおパンツだって分か…

桃「さぁ、シャミ子の部屋に行こうかっ!!」

~シャミ子のお部屋(吉田家)~

シャミ子「…ふぅ、お昼の準備が終わりました」

シャミ子「良とごせんぞは一緒に図書館、おかーさんはお買い物で留守です」

シャミ子「誰もいない今なら、前から練習しようと思っていた決めポーズの練習ができるのでは…」ワクワク

シャミ子「危機管理ーっ!」シャラリーン

シャミ子「こうですかね…いや、こうでしょうか?」クネッ クネクネッ

シャミ子「…む、これはっ! とんでもないポーズを生み出してしまいました!!」

シャミ子「ククク…これなら桃もイチコロですね」クネクネクネ…

桃「シャミ子ー、いるー?」ドカーッ!!

シャミ子「わひゃあっ!!!」

ミカン「ちょっと桃、ドア壊しちゃったわよっ!!」

桃「最近どうも力加減がうまくいかな…」

桃「あっ…」

ミカン「あら…」

シャミ子「」

ミカン「…シャミ子、どうしてお家でその恰好なのかしら?」

桃「何をしていたのかは分からないけど、どうぞ続けて」

シャミ子「続けられるかぁっ!!!」

~数分後~

私服に戻ったシャミ子「お茶だぞ…」コトッ

桃「ありがとう」ゴキュゴキュ

みかん「私もいただくわね」ゴキュ

シャミ子「…」ツーン

ミカン(シャミ子怒ってるわね…おこシャミだわ…)

シャミ子「…それで、何しに来たんだ?」

桃「ふぅ…やっぱりシャミ子の入れてくれたお茶は美味しいな」

シャミ子「え…?」

桃「振舞ってくれる料理はいつも美味しいし、シャミ子はきっと清子さんみたいな、いいお母さんになるね」

シャミ子「そ、そうですかねぇ…」テレテレ

ミカン(…)

桃「それでさ、シャミ子にちょっと聞きたいことがあるんだけど…」

シャミ子「ハイ、何でしょうか! 何でも聞いて下さいっ!!」

ミカン(シャミ子チョロ過ぎだわ…チョロシャミね!)

桃「…シャミ子さ」

シャミ子「ハイ!」

桃「最近悩んでいること、ない?」

シャミ子「へ? 悩んでいることですか?」

桃「うん」

シャミ子「え、えーと…」

シャミ子「特には…ないですけど?」

桃「そ、そっか…」

シャミ子「はい、そうです」

桃「ふーん…そうなんだ…」

シャミ子「はい…」

桃・ミカン・シャミ子「………」シーン

ミカン(桃、その聞き方はちょっと下手くそカーニバルじゃないかしらっ!?)ヒソヒソ

桃(うるさいな、それならミカンが聞いてみなよ!)ヒソヒソ

ミカン(わ、分かったわ…)ヒソヒソ

ミカン「ゴ…ゴホン、その…シャミ子…」

シャミ子「は、ハイ!」

ミカン「さ、最近なにか困っていることはないかしら?」

シャミ子「ん? …んんっ?」

シャミ子「それって、さっきの桃の質問と何が違うんですか?」

ミカン「ふぇ!?
    あぁ、それもそうね…今のはなかったことにして…」

シャミ子「はぁ…」

桃(何してるのミカン、シャミ子の言う通りだよ!)ヒソヒソ

ミカン(ごめんなさい、なんか思っていたよりも難しかったわ!)ヒソヒソ

『ぐきゅるるる~』

桃(ん?)

ミカン(今の音は?)

シャミ子「…あ、あははは、おなか鳴っちゃいました////」

シャミ子「そろそろいい時間ですし、皆さんでお昼にしませんか?」

シャミ子「お話は食べながらでも出来るでしょうし」

桃&ミカン「………」

桃「まぁ、シャミ子がそう言うなら…」

ミカン「そうね、そうしましょう」

シャミ子「用意するから、ちょっと待ってて下さいね」

ミカン「ウガルルもご相伴にあずかっていいかしら?」

シャミ子「いいですよー」

ミカン「桃、わたしウガルル呼んでくるわね」

桃「うん、分かった」

『パタン』(扉の閉まる音)

桃(…さて、どうやってシャミ子に話を切り出そうか…)

準備中シャミ子「フンフンフ~ン♪」

桃(出来れば確証が持てるまでは穏便に事を進めたいな…)

シャミ子「お待たせしましたー」

桃「ああシャミ子、ありがとう」

シャミ子「ふふふ、今日のご飯はスゴイですよ! じゃーん、見て下さいコレ!!」

桃「!!!」

シャミ子「吉田家特製の牛丼です!!」

桃「な、なんだって…まさかシャミ子の家で牛肉が出るなんて…」

『ガチャ』

ミカン「戻ったわよ…あら、桃どうしたの?」

ウガルル「ンガ…固まってるゾ」

桃「み、ミカン…これ…」

ミカン「ぎゅ、牛肉っ!!?」

ウガルル「肉ダッ!!!」

シャミ子「…皆さん、ちょっと大ゲサ過ぎませんか?」

ミカン「これは確定ね…」

桃「うん、私もそう思う…」

シャミ子「ん? 二人して何を言ってるんですか?」

桃「シャミ子…それ程までに牛肉が食べたかったんだね…」

シャミ子「は?」

ミカン「いいかしらシャミ子…いくら牛肉が食べたいからって、自分のおパンツを売ってはダメよ…」

シャミ子「えぇっ!?」

シャミ「ミカンさんまで、一体何を言っているんですか?」

桃&ミカン「えっ?」

ウガルル「???」

(桃色魔法少女説明中…)

ウガルル「うまいウマイッ!!」ガツガツ

桃「ほらシャミ子、これだよ…」モグモグ

シャミ子「はわあーーっ! これは私のおパンツさんじゃないですかっ!?」

シャミ子「価格は…?」

シャミ子「ほあぁぁぁ、いちまんごせんえん!?!!?」

シャミ子「そーるど・あうとっ!? 売り切れっ!?」

シャミ子「なんでですか、これは一体どういうことですかぁっ!!!?」

シャミ子「あぁっ!?
     タンスにあったハズのおパンツさんもなくなってるぅっ!!!」

ミカン「怖いわね…んぐ…一体誰がシャミ子のおパンツを売って…そして、どんな変態が買ったのかしら…」モグモグ

桃「………」モグモグ

桃「シャミ子…頂いておいて文句を言うつもりではないんだけど、牛スジで作ったら牛丼とは言わないよ」モグモグ

ミカン「そうね、強いて言うなら牛すじ丼よね」モグモグ

シャミ子「ほえっ、そうなのですか!?」モグモグ

桃「…ごちそうさま、でも味はとても美味しかった」

ミカン「私もごちそうさま、右に同じくだわー」

ウガルル「オレはおかわりダッ!」

シャミ子「はい、今盛りますね」モリモリ

桃「さて、シャミ子…もう一度聞くけど、これはシャミ子が自分で出品した訳じゃないんだね?」

シャミ子「いくらなんでもお金がないからって、自分の下着なんか売りません!」

シャミ子「魔族にもそれくらいの良識はありますっ!!」

シャミ子「それはそうと…桃もミカンさんも、私が牛肉の為におパンツを売る女だと思っていたんですね…
     魔族はショックを受けました…」

ミカン「悪かったわよ…冷静になればシャミ子がそんなことする子じゃないってすぐに分かるのにね…」

桃(えっ、ミカンもすごく疑ってたのに!?)

ウガルル「おなか一杯ダー、ゴチソウサマッ!!」

シャミ子「お粗末様です」

桃「…まぁとにかく、下着はシャミ子が出品した訳じゃないと判明したんだけど、謎は深まったね…」

シャミ子「そうですよ、一体誰が私のおパンツを勝手に出品してるんですか!?
     とっても怖いんですけどっ!!」ガクガク

ミカン「泥棒にでも入られたのかしら? それともストーカーとか?」

桃「泥棒はこんな廃k…金目の物がなさそうな所には入らないだろうし、
  ストーカーだったら売らずに保存するんじゃないかな?」

シャミ子「…桃、いま廃墟って言いかけませんでした?」

桃「言ってないよ、空耳だよ」

『ガチャッ』

良「ただいま」

ご先祖「今帰ったぞー」

シャミ子「おかえりなさい、みなさんご一緒だったんですね」トコトコ

清子「丁度そこで鉢合わせたんです」

ミカン「良ちゃんにご先祖様にお母さま、こんにちは」ペコッ

桃「お邪魔してます」ペコッ

ウガルル「ンガッ!」ペコッ

清子「こんにちは、皆さんお揃いで…何かお出しできる物あったかしら?」ゴソゴソ

シャミ子「おかーさん、みんなで牛すじ丼食べたから大丈夫ですよ」

良「…お姉ぇ、ドアノブ壊れてるよ」

シャミ子「ああ、それは…」

桃「ごめんなさい、それをやったのは私です…清子さん、後で業者を呼んでおきます」

清子「あら、そうなんですか? まぁ、特に取られる物もないですから、気にしないで下さい」

桃「いや、それがですね…」

桃「……!」

良「?」

桃「…」クイッ

ミカン「…」コクン

ミカン「…良ちゃん、ウガルル、私の部屋で一緒に遊んでいてくれないかしら?」

ウガルル「ン、今からカ?」

良「………!」ピコーン

良「分かった、良はウガルルちゃんと遊ぶね、行こう、ウガルルちゃん」

ウガルル「分かった! オレ、良と遊ブ!」

桃(さすが良ちゃん…察しがいいな…)

桃「それでですね…」

(桃色魔法少女説明中…)

ご先祖「なんだと!!」

清子「まぁ、優子の下着が…める〇りに?」

シャミ子「そうなんです、誰かが私のおパンツを勝手に売り捌いてるみたいなんです…」ブルブル

ミカン「怖いわよね…」

桃「清子さんに心当たりはありませんか?」

清子「私はインターネットに疎いですから、さっぱり分かりませんね…」

桃「あとは…」チラッ

ご先祖「!!」

ご先祖「何だ、我を疑っているのか!?」

ご先祖「我は文字通り手も足も出ないぞ!!
    依り代を使ったとしても発送なんて出来ないだろう?」

ミカン「そうね、ご先祖様に出品は無理ね」

桃「…本当ですか? シャミ子に誓って『やってない』って言えますか?」

ご先祖「ち、誓うぞ!」

桃「………」ジィーーーー

ご先祖「な、何だその目は! 卑しいブタを見るような目で見るのはヤメローッ!!」

シャミ子「…ん?」\ティローン/

シャミ子「はわわぁーーーっ!!」

桃「シャミ子、うるさいよ」

シャミ子「ももも、桃っ! ミカンさんっ! これっ、見て下さい!!」

ミカン「どうしたのかしら?」

ご先祖「そんなに慌ててどうしたんだ?」

シャミ子「また私のおパンツが出品されてますっ!!」

桃「なんだってっ!?」

ミカン「えぇっ!?」

ご先祖「本当かっ!?」

清子「あらあら…」

シャミ子「これは確か昨日履いて洗濯カゴにっ…!」タタタッ

シャミ子「…ないっ、ないぞ!!
     洗濯カゴに入れたハズのおパンツさんがなくなってるぅっ!!!」

清子「これは…私達以外の誰かが持ち出して、める〇りに出品している、ということでしょうか?」

桃「そうなるんでしょうね…」

ご先祖「ほーら見ろ、我は無罪だっただろう?」

ミカン「確かに…今のタイミングでご先祖様が出品をするのは無理だったわね…」

ご先祖「桃よ謝れ! 地に額を擦りつけ、『偉大なる闇の眷属リリス様を疑った恥知らずな私をお許し下さい』と謝れっ!!」

シャミ子(ご、ご先祖、生き生きしてますっ!)

桃「……」

桃「申し訳ありませんでした…」ボソッ

ご先祖「あぁんっ!? 声が小さいなぁっ! 聞こえぬぞぉっ!?」ニヤニヤ

桃「ぐぬぬ…」

『ガタッ』(天井裏が開く音)

小倉「ふぁぁ、騒がしいなぁ…おかげですっかり目が覚めちゃったよ」ニョキッ

シャミ子「小倉さん!」

清子「おはようございます天井の方、ごはん食べられますか?」

小倉「いただきます、お気遣い感謝ぁ~」

みかん(シャミ子のママ、小倉さんに対して慣れ過ぎじゃないかしら…)

(清子給仕中)

小倉「話は天井裏で大体聞かせて貰ったよー」モグモグ

小倉「千代田さん、証拠もなしに疑っちゃご先祖が可哀そうだよ~」モグモグ

ご先祖「全くだ! こやつは人権…もとい像権という物を理解しておらぬっ!」

桃「………」

ミカン(…像権って何かしら、突っ込んじゃダメなのかしら?)

小倉「御馳走様、牛すじ丼おいしかったよぉ」

シャミ子「どういたしましてー」

桃「…そういう小倉はどうなの? 犯人じゃないという証拠でもあるの?」

小倉「これは手厳しいね、千代田さんは光の者なのに悪魔の証明を求めるなんて…もしかして闇落ちしちゃってるのかなぁ?」

桃(イラァッ)

シャミ子(…はっ、桃がヤバイ顔しています!)

小倉「まぁ、私だったらシャミ子ちゃんのおパンツを売ったりしないよ、もしかしたら魔翌力の残滓があるかも知れないからね、細く刻んでコトコト煮込んで抽出した液体をさらに…」(超早口)

シャミ子「小倉さん、分かりましたから、もういいです…」ウプッ

しおん「えぇ、これからが話の肝なのにぃ…」

ミカン(キモはキモでも、どちらかと言うとキモイ方のキモね…)

清子「それで小倉さん、どうでしょうか? 優子の下着を盗んだ犯人、お分かりになりませんか?」

ご先祖「そうだぞ小倉よ、犯人は分かるのか?」

小倉「吉田家の皆さんには屋根裏に住まわせて貰っている恩があるから、この灰色の脳細胞を貸すのはやぶさかじゃないんですけどぉ…」

桃「恩って…小倉が勝手に無許可で住んでるだけだよね?」

小倉「ちょおぉ~っと、現状で犯人を特定するのは厳しいかなぁ~」

ミカン(桃…スルーされているわ…)

小倉「とりあえず一旦場所を移したいなぁー、このままだと吉田さん家にも迷惑だろうから、ね?」

桃「屋根裏に無許可で住んでいる人がそれを言う?」

ミカン(スルーされてもへこたれない…流石モモね!)

~喫茶アスラ~

シャミ子「こんにちは~」カランカラン

ご先祖「邪魔するぞー」

リコ「あら、シャミ子はんと柑橘の巫女はん、いらっしゃーい」

マスター「おお優子くん、今日はバイトが休みなのにどうしたんだね?」

シャミ子「普通にお客さんとして来ました、後から2名来ますけど、席空いてますか?」

マスター「大丈夫だ、案内するよ」

リコ「シャミ子はんにはお世話になってるから、腕によりをかけて御馳走するの」

シャミ子「さっき食べてきたのでお気持ちだけ…飲み物のメニューありますか?」

リコ「はいなのー」

桃「こんにちは」カランカラン

シャミ子「あ、桃ー、小倉さーん、こっちですー」

ミカン「二人して遅れて来て、何していたのかしら?」

桃「ちょっと小倉と話があって…」

小倉「二人で愛を語り合ってたんだぁ…」

桃「…殴るよ?」

小倉「シャミ子ちゃん、千代田さんが怖いよぉ~」

シャミ子「今のは小倉さんが悪いと思います」スン…

ミカン「…それで、場所を変えてまで一体どんな話があるのかしら?」

小倉「ズバリ、犯人を探す方法をみんなに授けようと思ってぇ」

シャミ子&ミカン&ご先祖「えぇっ!!?」

桃「………」

シャミ子「そ、そんな…方法あるんですかっ!?」

ご先祖「インターネット上の犯人を探すのはスゴく難しいハズだぞっ!?」

ミカン「そうよね、だって顔も名前も住所も分からないんですもの…」

小倉「ふふふ、名探偵しおんちゃんにお任せあれ」

桃「 ”迷” 探偵の間違えじゃないの?」

リコ「お待ちどーさまー、お料理できたのー」コトコトッ

シャミ子&桃&ミカン「………」

桃「…いや、頼んでないですけど?」

リコ「気にせんといてー、マスターの奢りやー」

マスター「リコくぅんっ!? 僕はすごく気にするぞっ!!」

マスター「いや、優子くんに奢らないと言っている訳ではないぞっ! 今日は元々奢りのつもりだった!!」

シャミ子「あ、はい…ありがとうございます…」

桃「レバニラ、回鍋肉、油淋鶏、エビチリ…」

ミカン「見事にガッツリ系ね…」

シャミ子「ちょっとだけ頂いて、残りはパックに詰めて持ち帰りましょう」

ご先祖「おぉ、このエビチリ美味いな! それで小倉よ、その方法とは一体どんなやり方なのだ?」ングング

小倉「それはぁ~…」

シャミ子「そ、それは…」

小倉「聞き込みだよっ! 古今東西、犯人捜しと言えば聞き込みが基本っ!!」

シャミ子「き、聞き込みですか?」

小倉「そう、聞き込み! ローマは一日にして成らず、千里の道も一歩から、地道に探して行こう!!」

ご先祖「小倉の言うことは、もっともだが…」

ミカン「何かと思えば普通すぎるわね」

シャミ子「それで犯人が分かるんですか?」

小倉「まぁ、物は試しだよぉ、とりあえず学校で聞き込みして来るといいよぉ~」

桃「よし分かった、それじゃあ早速行こうか」

小倉「私は胸やけして無理ぃ…魔の者達に任せたよぉ…」ウプッ

桃「食べてたんかい!」

シャミ子「小鳥さんが食べる程度の量しか減ってないです…」

ミカン「胃が弱いのねぇ…そんな時はこの柑橘を…」

小倉「ひぃっ」

ご先祖「…胃が弱っている時に柑橘は御法度じゃないのか?」

~学校〜

シャミ子「杏里ちゃーん」

杏里「お、シャミ子じゃーん! おや、ちよモモとミカンも…どしたの? 魔の者達で暇してる系?」

桃「杏里、実は聞きたいことが…」

(魔法少女説明中)

杏里「…なにそれ、やべーやつじゃん」

シャミ子「そうなんです、それで犯人を探してまして…」

ミカン「杏里に心当たりはないかしら?」

杏里「うーん、私にはちょっとないかなぁ…折角だから他のみんなにも聞いてみよう、おーい!」

モブA「なに、杏里どうしたの?」
モブB「あ、魔の者達だよ!」
モブC「休みの日にいるなんて珍しいね」
モブD「シャミ子ちゃんだ!」

杏里「実はシャミ子がさぁ…」カクカクシカジカ

モブA「えぇっ!」
モブB「シャミ子ちゃんの下着がっ!?」
モブC「なんということ…」
モブD「シャミ子ちゃん分の補給助かる!」

杏里「それでさ、いま犯人を捜索中なんだけど、怪しいヒト見なかった?」

モブA「えー…」
モブB「私達はちょっと」
モブC「分からないなぁ…」
モブD「ふあぁぁぁー…」クンカクンカ

杏里「分かった、ありがとー」

杏里「みんな心当たりないってさー」

ご先祖「おい、今、怪しい奴いなかったか?」

杏里「え、そうだった?」

桃「アイツが犯人だったりしないだろうな…」

シャミ子「はっ!!」ピコーン

桃「どうしたのシャミ子?」

シャミ子「私、気付いたことがあります」

ミカン「何かしら?」

シャミ子「今更ですけど、学校の皆さんに私のおパンツのことを聞くのは、すごく恥ずかしいことでは…?」

桃「本当に今更だな…」

『その後、必死の聞き込みは続いたが結局犯人の手がかりは得られなかった…』

シャミ子「ぜぇぜぇ、何だか学校の皆さんと一生分のお話をした気がします…」

桃「徒労に終わったね」

ミカン「こんなことして、本当に意味があったのかしら? 小倉さんの目的は一体何だったのかしらね…」

桃「これもみんな犯人が悪いよ、許せない…見つけたらただじゃおけないな…」

ご先祖「………」

シャミ子「ご先祖、難しい顔してどうしたんですか?」

ご先祖「ああ、いや、何でもない…少し考え事をしていただけだ」

シャミ子「とりあえず、そろそろ日も暮れますし、一旦家に戻りましょうか」

(シャミ子宅)

シャミ子「ただいまぁ~…」 

ご先祖「我、二度目の帰宅ぅー」

清子「あら、おかえりなさい」

小倉「おかえりぃ〜…あれ、陽夏木さんはぁ?」

桃「ウガルルと良ちゃんを迎えに行ったよ」

小倉「それでぇ、どうだった?」

桃「完全に空振りだった…」

小倉「そっかぁ~」

桃「小倉のことは信用していない訳じゃないけど、これで犯人が捕まるとは到底思えないんだが…」

小倉「まぁまぁ…あすらでも言ったけど、こういうのは地道な作業だよぉ~明日も頑張っていこう」

シャミ子「えぇ、明日もやるんですか!?」

小倉「うん、もちろん!」

小倉「明日は今日より範囲を広げよう、シャミ子ちゃんはバイト中にお客さんに聞いてみて」

シャミ子「は、はい…」

小倉「千代田さんは陽夏木さんと一緒に魔法少女のネットワークを利用してみてね」

桃「まだやらされるのか、ますます犯人が憎くなってきたな…」

ご先祖「小倉よ…他に何かいい方法はないのか?」

小倉「なくもないけどぉ~、もっと大掛かりになるしぃ~」

シャミ子「それじゃあ仕方ないですね…」

清子「優子、今日はもうお疲れでしょう?」

シャミ子「はい、もうクタクタです…」

清子「それでは、ご飯を食べてゆっくりしてはいかがですか?」

清子「幸い、優子があすらさんで頂いてきたお惣菜もありますし…」

シャミ子「おかーさん、助かります…」

清子「千代田さんも今日は優子に一日付き合って頂いて、ありがとうございました」

桃「そんな、とんでもないです」

清子「良かったら陽夏木さんと一緒にゴハン召し上がっていきませんか?」

桃「ありがとうございます、そうします」

みかん「お邪魔します」
ウガルル「お邪魔するゾ」
良「ただいまー」

清子「皆さんお揃いですね、それじゃあ夕餉にしましょうか」

『こうして、その日の捜索は終わった―』

(桃の(高い方の)お家)

桃「それで…」

桃「食事中に急に『千代田さん家で作戦会議しよう!』って言い出して…一体どういうこと?」

小倉「まぁまぁ~」

シャミ子「おじゃましますっ」シュタッ

メタ子「時は来た」

シャミ子「メタ子、久しぶりですね、うりゃうりゃ」ナデナデ

メタ子「来てる…時来てるぞ…」ゴロゴロ

シャミ子「それにしても、おかーさんと良は大丈夫でしょうか…」ナデナデナデ

メタ子「あああ…来るぞ…時が来る…」ゴロゴロゴロ

桃「護衛としてミカンを置いてきたから大丈夫、リリスさんも一緒だし、何かあれば連絡してくると思うよ」

シャミ子「それもそうですね」

小倉「さて、それじゃあ作戦会議と洒落こもうか」

シャミ子「そうでした…ううう…明日もまた聞き込みなんですね、魔族は憂鬱です…」

小倉「ああ、それなんだけど、聞き込みはもう必要ないと思うよぉ?」

シャミ子「そうですよね、明日も頑張…って、えぇっ?」

桃「…」

シャミ子「な、何でですか!?」

小倉「何故って、それは―」

~その日の深夜、シャミ子のお家~

清子「…」スヤスヤ

???「ちゃんと寝ているか?」

???「うん…」

???「起こさないようにそっとな…」

???「うん…わかった…」

『ピカッ!』(照明がつく音)

???「!!」

桃「…そこまでだよ」

小倉「やっぱり、私の読み通りだったねぇ~」

ミカン「小倉さんの目的はこれだったのね」

清子「…んん、なにごとですかぁ?」ムクリ

シャミ子「そ、そんな…」

シャミ子「そのおパンツは洗濯カゴにあったハズの、私のおパンツですよね…」

良「………」

ご先祖「あ、あわわわ…」

シャミ子「どうして良がそのおパンツを持っているんですか?」

良「どうして、って…」

良「良は頼まれておねえのパンツをタンスに戻していただけだよ?」

シャミ子「………ほへぇ? 良は犯人じゃないんですか?」

良「はんにん? 何のこと?」

桃「まぁ、良ちゃんは犯人じゃないだろうね…」

ミカン「それじゃあ良ちゃん、それは誰から頼まれていたのかしら?」

良「ん? ご先祖様だよ?」

桃「やっぱり…」

ご先祖「ひぇっ!!!」

シャミ子「えええぇぇぇっ!?」

小倉「リリスさんが依り代を使ってこっそりシャミ子ちゃんのスマホで出品してぇ…」

小倉「発送は良ちゃんが代わりに行っていた、ってトコかなぁ~」

シャミ子「な、なんですってーーー!?」

(回想 ~桃の(高い方の)お家~ )

小倉「今夜、恐らく犯人がシャミ子ちゃんのおパンツを返しに来るから」

シャミ子「!!!」

シャミ子「えぇっ!? 一体全体どういうことですかっ!?」

小倉「考えたら簡単なことだよぉ~」

小倉「千代田さんが言ってた通り、金目の物がなさそうなシャミ子ちゃん家にわざわざ侵入する泥棒はいないよねぇ~」

シャミ子「それはそうですけど…複雑な心境です…」

桃「十中八九、これは身内の仕業だと思う」

桃(っていうか、多分リリスさんの仕業だと思うけど…)

桃「ただ、身内の仕業だって証拠はない」

小倉「まぁ、ないなら作ればいいよねぇ~」

シャミ子「作る? …あっ!」

シャミ子「それで、わざわざ学校で聞き込みをしたんですね!」

小倉「ご名答!」

小倉「犯人が身内なら『事を大きくしたら何とか穏便に済ませようとするんじゃないか』って、思ったんだよねぇ~」

桃「穏便に済ませるには盗んだ物を返すしかない」

シャミ子「なるほど! それで今夜、犯人がおパンツを返しに来る、という訳ですねっ!」

シャミ子「それじゃあ、桃と小倉さんがあすらに来る前に話していたことは…」

小倉「あらかじめ作戦を伝えてぇ、『できるだけ犯人を煽るように騒いで』って、千代田さんにお願いしていたんだぁ~」

桃「愛は語り合っていない」

シャミ子「そうだったんですねー」

シャミ子「………」

シャミ子「…あれ? そうすると小倉さんは桃が犯人じゃないって、分かっていたってことですか?」

小倉「うん、そうだよ」

小倉「なんて言ったって、千代田さんがシャミ子ちゃんのおパ…ぐぇっ!」

シャミ子「小倉さんっ!?」

桃「ああー、大変だぁ―、小倉が急に倒れたぁー」(棒)

小倉「んぅん…ふぐ…ひぐっ…」ピクピク

シャミ子「どうしたんですか!? 何があったんですか!?」

メタ子(早すぎる手刀、我でなければ見逃していた…)

桃(何で知っているのかは置いておいて…その件については後で話そう、いいね?)ヒソヒソ

小倉(りょ…りょおかいぃ~…)ヒソヒソ

小倉「ちょ、ちょっと持病の猫アレルギーが急に…」

シャミ子「そうなんですか!? ちょっとメタ子を隔離してきます!」シュバッ

桃「ふぅ、何とか誤魔化せたか…」

小倉「ううう…千代田さぁ~ん、私の首の痛みも誤魔化して欲しいなぁ~」

桃「気を失わせればいい?」

小倉「やめて」

( 回想終わり ~再びシャミ子の家~ )

良「良、おねぇの下着を発送すると、それより高いお洋服と交換して貰えるって聞いて、ご先祖のことを手伝っていた」

良「でも、それでおねぇに迷惑をかけていたみたい、ごめんなさい…」

シャミ子「そんな、いいんですよ…良はいつも私の為に何かしてくれます、これもその一環だったんですよね?」

良(コクリ)

シャミ子「じゃあ、悪いことなんて何もありません」

良「おねぇ…」ウルッ

ミカン「ふぅん、おパンツを売って出来たお金で新しいお洋服を買おうとしていたのね…」

桃「さて、何か言い残しはあるかな、偉大なる闇の眷属のリリスさん?」

ご先祖「ち、違うのだ! わ、我はシャミ子のことを思って…」

ご先祖「シャミ子はいつもみすぼらしい服を着ているから、いい服を買ってやりたいと思って…」

シャミ子「ごせんぞ…」

桃「………」

桃「シャミ子、ちょっとスマホ貸して」

シャミ子「え、ハイ」ヒョイ

桃「履歴を検索して…これか?」

ご先祖「あ…」

ミカン「シャミ子、このお洋服に見覚えは?」

シャミ子「え? ないですけど…」

桃「じゃあ、リリスさんが買おうとしていた洋服はこれだね…」

ご先祖「あ、あわわわ…」

ミカン「あら? このお洋服、前にご先祖がカワイイ×2って、大騒ぎしていた服よね?」

ご先祖「ギックーーン!」

桃「着てみたい×2とも騒いでいたよね?」

ご先祖「ギクギックゥーーン!」

シャミ子「ご、ごせんぞ…」

清子「ふふふ…うふふふ…あはははは…」

清子「とっても可笑しいですね…ねぇ、ご先祖様?」

ご先祖「はわ…はわわわわ…清子、目が笑っておりゃぬぞ…」

シャミ子(お、おかーさん、とっても怖いです!)

清子「私、前に言いましたよね…

  『 こ う い う こ と し た ら 売 り 飛 ば し ま す よ 』 って?」

ご先祖「ひぃぃぃっ!!!」

清子「このサイト、メル〇リって言うんですね…丁度いいと思いませんか? ご先祖様を売り飛ばすのに?」

『その後、ご先祖はメル〇リに出品されたが、結局10円まで値下げされても売れず、三日前からずっと梅酒瓶の底に溺れているのであった』

ご先祖(がぼがぼ…うめ…われはうめ…がぼごぼ…ぐぼっ…)

シャミ子「…う~ん」

小倉「シャミ子ちゃん、どうしたのぉ?」

シャミ子「犯人は分かりましたけど…私のおパンツは結局、どこのどなたに買われたんでしょう? ちょっと心配です…」

小倉「あぁ…うん…まぁ、とりあえず悪用される心配はないと思うよ、多分…」

シャミ子「え?」

~その頃、桃のお部屋~

桃(…これは持っているだけ! 持っているだけだから!!)

桃(たまたまタイミングが合わなくて、返し損ねているだけだから!!!)

桃(やましいことには使わないし、そのうち返すから!!!)

桃(………)

桃(でも、ちょっとだけなら…)


--------------------------


シャミ子(ブルブルッ!)

良「おねぇ、どうしたの?」

シャミ子「なんか寒気が…」



~ fin ~

ネタバレ回避のためにカキコします。

補足:二度目のパンツ出品の謎を解き明かすのを忘れてました
   二度目は良ちゃんがウガルルと遊んでいる時、ノートPCからWi-Fi経由で出品をしています

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom