新訳 桃太郎【安価】 (186)

昔、昔あるところにおじいさんとおばあさんがいました

おじいさんは山へ大麻狩りに

おばあさんは川へ洗濯に行きました

そこへどんぶらこどんぶらこと桃が流れてきました

その時、ふと桃は思いました

安価↓

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おい、そこのババア。俺を育てろと

しかし桃の声はおばあさんへ届きません

だっておばあさんは常人ですよ?エスパーでもないのに桃の声など聞こえるはずがありません

困った桃はある行動にでました

安価↓

桃(フンッ!!)ニョキッ

足をはやした桃。しかし桃は足をはやした瞬間、あることに気づきました

桃(水に浸かってる時点で気づかれなくね?)

重大事実です!しかもおばあさんは頭がアッパッパーなので桃のことなど眼中にありません

さすがに危機感を感じた桃はとうとう最終手段にでました

安価↓

桃(あきらめるか)

桃はおばあさんの近くへ流れたことを後悔しました

しかし時として人生にあきらめは必要なのです

桃は新たなる可能性を求めどんぶらこどんぶらこと川の流れに身を任せることにしました

その頃、鬼ヶ島では鬼たちが桃太郎の到着を今か今かと待ちわびていました

なぜなら鬼達には桃太郎を倒す秘策があったのです

そう、鬼達は打倒桃太郎を目標に修行を積み重ねついにある能力を身につけていたのです

安価↓

~鬼ヶ島~

赤鬼「ハァァァァ!!!」ピカァァァ

チュドオオオオオン

赤鬼「ふぅ・・・」

長老「随分と成長したな赤鬼」

赤鬼「長老様!!」バッ

長老「それだけの実力があればいつ桃太郎一行が攻めてきても大丈夫じゃな」

赤鬼「いえ、私はまだ未熟な身」

赤鬼「長老や皆の期待に応えるためにもさらなる目ビームを研究しなければ・・・」

長老「フォッフォッフォ、勤勉なことは感心するがあまり気負いすぎるなよ」

赤鬼「はい!!」

長老「それはそうと赤鬼よ。お主にプレゼントがあるのじゃ」

赤鬼「私に・・・ですか?」

戸惑いを隠せない赤鬼。そんな赤鬼に長老はそっとある物を渡しました

赤鬼「これは・・・」

安価↓

赤鬼「桃ですか?」

長老の意図が読めない赤鬼。長老が自分に何かを伝えたいのは分かってはいました

しかしそれがなんなのか今の赤鬼には理解できませんでした

長老「まあ、深く考えないことじゃな。時期にわかる時がくる」

赤鬼「はあ・・・」

心にわだかまりを感じながらも赤鬼は手の生えた桃を受け取ることにしました

しかし受け取られた桃はいい迷惑です

誰か良い人に拾われることを期待していたのに拾った相手は仇である鬼

せっかくわかりやすいように手までふって流れていたのになんだこの仕打ちは

だんだん自分の境遇に苛立ち始めた桃はついにとんでもない暴挙へでました

安価↓

桃(この鬼を反乱の尖兵にして悲惨な運命を辿らせてやる)ニヤリ

綺麗な桃色をしているのに腹の中は真っ黒でした

桃「おい、そこの鬼」

赤鬼(も、桃が喋った!?)

赤鬼「な、なんだ!」

桃は見えないが不敵な笑みを浮かべると赤鬼に告げました

桃「おまえ気づかねえのか?他の奴らに騙されてることに・・・」

赤鬼「どういう意味だ」ギロリ

信じてきた仲間が自分を騙している?情が深い赤鬼は桃に対して怒りを露わにしました

桃「信じないならそれでいいが、あんたの身のためだぜ・・・」

桃は赤鬼にある話をしました

安価↓

赤鬼「嘘だ!!!」

赤鬼は叫びました。声を張り上げ必死に否定しました

桃「まあ落ち着けよ」

赤鬼「そんなはずない!全部貴様の戯言だ!!!」

桃「そう思うなら確かめてみろよ」

桃はふところからスマホをとり出しました

桃「コイツはあんたが最も信頼している長老のスマホだ。これで全てがわかる」

赤鬼「茶番だ!付き合ってられるか!」

桃「逃げんのかよ・・・」

赤鬼「」

桃「そうやって都合が悪くなればすぐ逃げ出す」

桃「だからいつまでたっても赤鬼なんだよ」

そういった瞬間、赤鬼は桃から勢いよくスマホを取り上げました

赤鬼「そこまでいうならこの目で確かめてやる」

赤鬼「だが、もし貴様のいったことが全て嘘ならただでは済まさんぞ」ギロリ

桃「へっ!好きにしな・・・」

赤鬼はすぐさまlineを確認しました

しかしそれは桃が仕組んだ罠だったのです

赤鬼が取り上げたスマホも赤鬼が侮辱されているlineも全て桃が用意した物

桃は絶望に顔を歪める赤鬼を見て確信しました

桃(コイツ、おちたな・・・)

計画の第一段階が成功したのを見計らい桃は次のステップへ移行しました

安価↓

桃「安心しろ。騙されているのはあんただけじゃない」

桃「何人もの仲間がうす汚え鬼によって騙され続けている」

赤鬼「そんな・・・」

桃「だが俺とあんたが手を組めばそんな奴らを救うことができる」

桃「どうだ俺と一緒にこの濁りきった世の中を変えないか」

赤鬼「俺にできるのか・・・」

桃「できるかじゃねえ!やるんだよ!!」ガッ

赤鬼「・・・」ゴクリ

桃「大丈夫・・・。仲間を増やせば怖い者なんて何もない・・・」コソ

桃「それに全ては鬼の未来の為だ・・・」ボソッ

赤鬼「鬼の未来の為・・・」

桃「ああ」

赤鬼「・・・わかった!協力しよう」

桃「へへっ、悪いな」

桃(バァァァカ!鬼の未来のためぇ?)

桃(誰がてめえらみたいな下等種族の為に働くかよ)

桃(まっ、せいぜい俺の手駒として頑張ってくれや)

鬼同士が結託しているからこそつけ入る隙がある

桃は鬼達の弱点を知り尽くしていました

所詮は上辺だけの付き合い、つけ入る隙などいくらでもあるのです

桃「それじゃ早速で悪いんだが協力してくれそうな仲間を集めてくれないか」

桃「おまえの人望だったらある程度は集まられるだろ」

赤鬼「ああ!任せてくれ」

こうして桃による鬼ヶ島侵略計画が少しづつ侵攻していったのです

月日は流れ桃が鬼ヶ島に上陸してから数か月が経ちました

反乱の尖兵たちは着々と水面下で増えていきました

それはまさにねずみ算のように

しかしそれと同時に桃の体にある異変が起こり始めていました

桃(体がうずく・・・)

桃(桃太郎の野郎、俺をぶち破り自分から這いでる魂胆か)

桃の役目はあくまで桃太郎が生まれるまでの器

その器がいつまでも割られないため桃太郎自身が自ら殻を破り生まれようとしていました

しかしそうなれば今まで順調に遂行していた計画が全て水の泡になってしまう

桃太郎の誕生を危惧した桃はある手段を考えました

安価↓

それは桃から竹への転移

桃は桃太郎を竹へ移すことで桃太郎の誕生を未然に防ぐことに思いついたのです

そして深夜、桃は仲間と共に竹林へ出向きました

桃「さてとこのぶっとい竹にするかな」

桃は立派な竹をさすりながら満面の笑みを浮かべました

しかし立派な竹を見つけたところで桃はあることに気づきました

桃(転移ってどうやってするん?)

桃はあくまでただの桃、人智を超える力は扱えません

そんな桃をかわいそうに思った仲間の鬼はあることを提案しました

安価↓

テニ鬼「桃先輩、陰陽師に頼んでみたら」

桃「陰陽師?」

テニ鬼「ちょうどこの山のふもとに陰陽師の知り合いがいるからそいつに頼んでみようよ」

桃「あ、ああ・・・」

正直、桃は陰陽師なんていう胡散臭い奴に頼むなんてご免でした

しかしかわいい仲間の提案を無下にもできず渋々山を下りることにしました

ふもとの寺に着いた桃たちは早速陰陽師に会うことにしました

桃「たのも~」

桃は大きな声で陰陽師を呼びかけました

すると大きな門がゆっくりと開き、中から誰か出てきました

桃・テニ鬼「えっ・・・」

なんと寺から出てきたのは陰陽師ではなくある意外な人物だったのです

安価↓

おばあさん「寺へようこそ」

桃(ババア、なぜこんな所に・・・)

テニ鬼「ばあちゃん、陰陽師はいないの?」

おばあさん「生憎ですが今日は留守にしておるのじゃ」

テニ鬼「なんだ。いないのかよ・・・」

おばあさん「遠渡遥々来てもらったのに申し訳ないのぅ」

おばあさん「そうじゃ、お詫びといってもなんじゃが茶でも飲んでいかないかい」

桃「悪いがババア、俺達は忙しんだ。用を済ませられないなら帰らせてもらう」

おばあさん「まあ、そうおっしゃらずに」

そういうとおばあさんは強引に二人を客間へとおしました

桃(時間がねえっていうのに・・・)

桃はこの状況に焦りといら立ちを覚えていました

テニ鬼「少し落ち着いたら桃先輩」

桃「てめぇ、今がどんな状況かわかってるのか」

テニ鬼「わかってるからこそここにいるんだよ」

桃「なに!?」

お茶を置くとテニ鬼は静かに話し始めました

テニ鬼「あの婆さん、桃先輩を使って何か企んでる」

テニ鬼「俺達をここに招いたのもそのためだよ」

桃「じゃあ俺達は敵の罠にまんまと引っ掛かったってわけか!」

テニ鬼「表向きわね」

桃「表向き?」

テニ鬼「婆さんの計画を逆手にとって利用するんだよ」

テニ鬼「婆さんは桃先輩の体について何か知ってる。だからうまく婆さんを利用して桃先輩の体から桃太郎を取り除くんだよ」

桃「なるほど。でもどうやってあのババアを出し抜くんだ」

テニ鬼「簡単なことさ」

そういうとテニ鬼は桃に作戦をひっそりと伝えました

安価↓

桃「つまりタヌキに協力してもらうってことか」

テニ鬼「化けるのが得意な奴だったら確実だと思うよ」

桃「そうだな。だがひとつ問題がある・・・」

テニ鬼「問題?」

桃「ああ」

完璧なまでの変化(へんげ)とそれを鼻にかける傲慢さが売りのタヌキたち

人一倍プライドの高い彼らに頼んだところで掛け合ってもらえるはずがありません

しかし残された時間もない

桃は悩んだ末、賭けにでることにしました

安価↓

桃「うさぎの肉だ。アレを契約の証として差出し交渉にでる」

テニ鬼「桃先輩、いくら因縁があるとはいえうさぎの肉ごときで動く連中じゃない」

テニ鬼「悪いけど他の物で交渉しないと」

桃「ただのうさぎ肉では・・・だろ」

テニ鬼「まさか・・・」

桃「俺はカチカチ山へ行く」

テニ鬼「無茶だ!相手はあのタヌキを倒した化け物!そんな簡単に殺せるわけ」

桃「時間がないんだ!!」

桃「もうウサギ肉に賭けるしか方法はない」

テニ鬼「桃先輩・・・」

桃「テニ鬼、悪いが少しの間ババアの気を逸らしておいてくれないか」

テニ鬼「・・・わかったよ」

桃「悪いな」

決意を胸に秘めた桃

かつて利用することだけを目的としていた鬼達に対し桃は情愛という感情を芽生えさせていました

自分を待つ仲間の為にも必ず桃太郎誕生を食い止めなければならない

そう胸に誓った桃はカチカチ山へと赴いたのです


険しい山道を乗り越え切り立った崖を渡り桃は山頂を目指します

生ける伝説と呼ばれたうさぎの肉を持ちかえらなければ明日はない

桃は疲れを忘れひたすら歩きつづけていました

そのとき遥か上空から桃めがけて槍が降り注ぎました

槍の気配を素早く察知した桃は間一髪で槍をかわしました

「さすが桃。桃太郎の器だけのことはある」

桃「誰だ!?」

桃は即座に構えました

すると雑木林から怪しげな影が現れました

それはおばあさんが桃を暗[ピーーー]るために送り込んだ刺客だったのです

安価↓

>>52訂正

険しい山道を乗り越え切り立った崖を渡り桃は山頂を目指します

生ける伝説と呼ばれたうさぎの肉を持ちかえらなければ明日はない

桃は疲れを忘れひたすら歩きつづけていました

そのとき遥か上空から桃めがけて槍が降り注ぎました

槍の気配を素早く察知した桃は間一髪で槍をかわしました

「さすがは桃。桃太郎の器だけのことはある」

桃「誰だ!?」

桃は即座に構えました

すると雑木林から怪しげな影が現れました

その影はおばあさんが桃を暗殺するために送り込んだ刺客だったのです

安価↓

桃「おまえは伝説の・・・」

うさぎ「伝説の戦士の器から伝説呼ばわりされるなんて実に光栄だ」

桃「なぜだ、なぜ俺を狙う。目的はなんだ!」

うさぎ「ある御方からご命令を受けてな・・・」

うさぎ「悪いが桃太郎と貴様の肉体はこの私がもらい受ける」

桃「やはりあのババアか」

うさぎ「フフフ、貴様が鬼ヶ島に流れ着きこの状況に至るまで全てあの御方の計画通り」

うさぎ「あとは貴様の肉体を奪い鬼達を味方につけ桃太郎と共に世界を征服するだけ」

うさぎ「つまり貴様はずっとあの御方に踊らされていたピエロというわけだ」

桃「うぐっ・・・」

突如、桃に今まで感じたことのないような激痛が走りました

桃(なんだこの体の疼きは・・・。まさか生まれようというのか)

うさぎ「残念だったなぁ桃!おまえの体もはや限界のようだ」

桃「くそっ!」

痛みを堪えながら桃は果敢にうさぎへ挑みました

疾風のごとくうさぎの槍が桃を襲います

次から次へと繰り出されるうさぎの猛攻を掻い潜りながら桃は反撃の機会を窺います

そして一瞬の隙をつき桃は正拳突きを放ちます

正拳突きと槍が重なり合いが静かな山に轟音が木霊しました

驚いた鳥たちは真っ先に空へ飛び立ちほんの一瞬、静寂が立ち込めました

息を整えるようにそっと距離を離す二人

両者とも隙を見せぬよう視線をあわせ攻撃の機会を窺います

その時、沈黙を破るがごとく桃の体に異変が起きました

桃「な、なんだこれは・・・」

うさぎ「ついに生まれるか!」

桃の体から肉を破るような鈍い音が鳴りはじめました

うさぎ「あきらめろ!貴様の負けだ!桃!」

桃「ぬうぅぅ!!!」

必死に誕生を拒む桃、しかし肉は徐々に破けようとしています

桃「こうなったらアレをやるしかない・・・」

追い詰められた桃は最後の望みとしてついに禁じ手を使いました

安価↓

うさぎ「打ち出の小槌で桃太郎を小さくするつもりか」

うさぎ「だが打ち出の小槌の効果範囲は触れた対象のみ、内部の桃太郎を小さくすることなど不可能だ」

桃「それでも・・・この一撃にかける!」

桃は打ち出の小槌を自らの体内に差し込みました

桃(頼む!届いてくれ・・・)

体を突き破りはじめた桃太郎に桃は最後の力を振り絞り打ち出の小槌を振るいました

その時、桃の体に変化が起こり始めたのです

安価↓

うさぎ「まさか・・・」

打ち出の小槌を体内で振った桃はどんどん小さくなっていきました

そして桃が小さくなったことで桃太郎も収縮しうまく体に収まったのです

しかし桃はあることに気づきました

桃(俺の背中から半分だけ顔でてないか・・・)

桃が急に小さくなってしまったので桃太郎は頭半分だけ桃の背中を突き破った状態でした

桃「どうしよう」

困った桃はうさぎに目で助けを求めてみましたが目を逸らされました

桃「こ、この野郎・・・」

うさぎも状況が状況なのでどうするべきか迷っていたのです

とりあえず桃太郎を押し込もうと桃は背中に手を伸ばしてみました

しかし微妙な位置のため手が届きません

そこで桃は仕方なくうさぎに頼みました

安価↓

桃「頼むうさぎ!三千個のニンジンを渡すからこの場だけ手を貸して欲しい」

うさぎ「いや手を貸せっていわれても・・・」

桃「マジで頼む!!」

うさぎ「わ、わかったよ」

桃「じゃあ背中の桃太郎を押し込んでくれ」

うさぎ「こ、こうか」

うさぎは桃太郎をめいいっぱい押し込みました

桃「おお、いい感じだ」

桃太郎の体は徐々に押し込まれ頭が見えなくなっていきました

桃「これで一件落着だな」

桃が安堵のため息をついたその瞬間 何かが破けるような音がしました

二人は顔を見合わせそぉっと下を覗きました

すると桃の股から足が飛び出していたのです

桃「おぃぃぃぃ!!!」

うさぎ「俺じゃねえよ!」

桃「どうすんだよこれぇ!」

うさぎ「知るかァァァ」

対処に困ったうさぎは脱兎のごとく逃げてしまいました

一人取り残された桃

股から桃太郎の足をぶら下げ途方に暮れていると誰かが声を掛けてきました

安価↓

金太郎「どうしましたか」

桃「いや、ちょっと股から内容物が出てしまって・・・」

金太郎「ああ・・・」

どうリアクションをしていいか分からない金太郎

そんな金太郎を見て桃はますますふさぎ込んでしまいました

金太郎(なにか彼を元気づけられないだろうか)

桃を気の毒の思った金太郎はない頭を振り絞り必死で考えました

金太郎「・・・そうだ!」

金太郎「桃さん、桃さん!この近くに心を癒せるオススメの場所があるんですよ」

桃「心を癒せる場所ですか」

金太郎「ええ!そこに行けばきっとあなたの悩みも解決できるはずです」

そういうと金太郎は桃を強引に引っ張りある場所へ連れて行きました

安価↓

金太郎「さあ着きましたよ」

桃「ここは・・・」

桃の目の前には煌びやかに装飾された大きなお城が立っていました

金太郎「竜宮城です!桃さんも聞いたことぐらいはあるでしょ」

桃「まあ。だけど俺みたいな奴がこんな所に来ていいんですか」

金太郎「大丈夫大丈夫!ようは会員制のキャバみたいなもんですよ!」

金太郎「それに自分ここの常連なんで顔パスで入れますし」

桃「でも・・・」

金太郎「ほらほら細かいことは気にしないで今日は酒と美人の姉ちゃんに囲まれて嫌なことを忘れましょう!!」

金太郎は桃の腕を引っ張り竜宮城へ連れて行きました

美女「いらっしゃいませぇ」

乙姫「あらぁ!もしかして金ちゃん!いらっしゃ~い」

金太郎「乙ちゃ~ん///またきちゃったよ~ん///」

乙姫「ウフフ、いつもありがとう金ちゃん」

金太郎「乙ちゃんの為ならいくらだって来てあげるよ」

乙姫「やだもう!金ちゃんってばぁ♪」

乙姫「あら、そちらの方は・・・」

桃「初めまして桃です」

乙姫「ごていねいにどうも♪私は乙姫、この竜宮城の社長兼ナンバーワンホステスよ♪」

桃「そ、そうなんですか///」

乙姫「もしかして緊張してるの?見かけによらずシャイなのね♪」

乙姫「ほらっ、そんな所でいつまでも突っ立てないで今日は思う存分遊びましょう♪」

乙姫は桃の手を取るとすぐさま大広間へ案内しました

美女「どんどん食べてくださいねえ」

次々と出される豪華な食事やお酒の数々に桃は圧倒されていました

乙姫「どう、楽しんでくれてるかしら」

桃「いやぁ、なんというか圧倒されちゃって」

乙姫「あらあら、若いのにだらしないのね♪」

桃「いやぁ///」

金太郎「どうしたんですか桃さん♪そんなんじゃ二次会まで持ちませんよ♪」

桃「に、二次会まであるんですか!?」

金太郎「あったり前だのクラッカ―!ほらほらもっと飲んで」

次々とお酒を勧める金太郎に戸惑いながらも桃は勧められるままお酒を飲んでいきました

「イェェェェ!もっと盛り上がっていこうぜぇ!!」

するとどこからともなくハイテンションな雄たけびが聞こえてきます

途端さっきまでにこやかだった金太郎が表情を変えました

実はその雄たけびの主は金太郎の天敵であり最大の宿敵だったのです

安価↓

桃「おまえさっきの!?」

うさぎ「のわっ!なぜ貴様がここに」

金太郎「久しぶりだなうさぎ・・・」

拳を鳴らしながら金太郎はウサギに近づきます

その鬼のような形相に場の空気は一気に凍りました

うさぎ「誰かと思えば金太郎か」

金太郎「覚えていてくれて嬉しいよ。君には借りを返えさなければいけなかったからねぇ」

不敵な笑いを浮かべうさぎを挑発する金太郎

うさぎ「上等だ・・・」

挑発を受けたうさぎは静か立つと全身にオーラを纏わせ戦闘態勢に入りました

金太郎「いくぞッッ!!!」

うさぎ「こいッッ!!!」

二人の拳が交わろうとしたその時です

ふと何かが握りつぶされるような音が部屋全体に響きました

乙姫「喧嘩なら余所でしてもらえるかしら・・・」

優しい口調とは裏腹に乙姫の周りには異様な殺気が漂っていました

金太郎・うさぎ「はい」

乙姫に怯えた二人は喧嘩をやめ仲良くお酒を楽しむことにしました

こうして桃達は朝方まで飲み明かしました

その頃、お寺では・・・

おばあさん「所詮はその程度か・・・」

テニ鬼「くっ」

おばあさんと対峙していたテニ鬼はその圧倒的な力の前に危機を感じていました

テニ鬼(このままだと確実に殺られる)

テニ鬼(だけど桃先輩が帰ってくるまでここを離れる訳には)

おばあさん「中々の忠義心だ」

おばあさん「だが・・・圧倒的な力の前では無力だ」

ゆっくりと全身に力を込めるおばあさん

今まで感じたことのない霊力にテニ鬼はただ怯える事しかできません

おばあさん「教えてやろう・・・絶対的強者とはどういうものか!!!」

そう言い放つとおばあさんは溜めていた力を一気に解放させました

安価↓

おばあさん「ふんっ!!!」

おならを放つおばあさん

そのおならに大地は揺れ寺やその周りの樹木は一瞬にして吹き飛びました

テニ鬼「ぐわああああああ」

豪風ともいうべきおならに煽られたテニ鬼は数キロ離れた裏山に叩きつけられました

とてつもない衝撃が全身を走りテニ鬼は思わず血反吐を吐き出しました

体中のありとあらゆる骨が砕け次第に意識が遠のいてゆくテニ鬼

その脳裏には走馬灯のようなものが浮かび上がりました

周りとなじむことができず一人だけ浮いていたテニ鬼

そんな自分を救ってくれた桃

彼のおかげたくさんの仲間ができいくつもの思い出が生まれた

そしていつかから自分を救ってくれた桃の為に何かをしたいと思うようになった桃

テニ鬼(そうだよ・・・あの人為に最後まで戦わなきゃ)

薄れゆく意識の中、テニ鬼は桃に最後のメッセージを残すことにしました

安価↓



自らの血で最終奥義の出し方を書きだしたテニ鬼

これがテニ鬼にできる唯一のおんがえしだったのです

テニ鬼「桃先輩・・・あとは頼みまし・・・た・・・・・・」

最終奥義の出し方を書き終えたテニ鬼はそう言い残すと静かに息を引き取りました

桃「頭いてぇ・・・」

目的を忘れ朝まで飲み明かしてしまった桃

昨晩のことを少し後悔しつつもとりあえず寺へ向かっていました

桃(あの後、桃太郎の成長は止まったみたいだし解決したといえばしたけどアイツになんて説明しよう)

必死で言い訳を考えながら歩いていると桃はあることに気づきました

桃(あれ?この辺ってこんなに広かったか)

よく確認してみると昨日まであった木々や建物がどこにもありません

異様な光景に不安を感じた桃は急いで寺に戻りました

全速力で階段を駆けあがり桃は本堂へ向かいます

しかしそこにあったのは粉々にばら撒かれた木の破片や瓦だけ

桃「どうなってるんだよ・・・」

変わり果てた寺を見て桃は愕然としました

桃「そうだ!テニ鬼は!!」

我に返った桃は必至で木の破片をかき分けました

しかしいくら探せどテニ鬼はみつかりません

そこへある人物が姿を現しました

安価↓

おじいさん「随分と派手にやらかしてくれたもんじゃ・・・」

桃「誰だ!?」

おじいさん「初対面の相手にいきなり誰だとは失礼な奴じゃのう」

おじいさん「わしの名はおじいさん。おばあさんの夫じゃよ」

おじいさん「しっかしここまで派手に吹き飛ばすとは・・・」

おじいさん「これじゃ助からなくて当然じゃ」

意味深につぶやくおじいさんに桃は掴み掛りました

桃「・・・・・・どういう意味だ」

おじいさん「君の仲間は昨日殺されたんじゃよ。おばあさんによってな・・・」

桃「なん・・・だと・・・」

おじいさん「ちょうど君が出かけている時じゃった。おばあさんと対峙した君の仲間は見事に惨敗しあの裏山まで吹き飛ばされたんじゃ」

桃「なぜだ・・・。なぜそんなことを貴様が知っている!」

おじいさん「いちおうこれでも夫婦だからのう。妻の行動や企みくらいはある程度把握しておるわ」

おじいさん「それにここへ来たのもおばあさんに寺の修繕を頼まれたからじゃ」

桃「ぐっ・・・」

おじいさん「嘘だと思うなら裏山に行ってみるかい」

そういうとおじいさんは桃を裏山へ案内しました

おじいさん「ここじゃ」

倒れた木々の中を進んでみるとそこには変わり果てたテニ鬼の姿がありました

桃「テニ鬼・・・」

桃は冷たくなったテニ鬼をそっと抱きかかえました

桃「どうしてだ・・・。どうして逃げなかったんだ・・・」

おじいさん「その死体の様子だときっと最後まで君の為に戦おうとしたのだろう」

桃「バカ・・・野郎・・・・・・」

悔し涙に目を滲ませながら桃は必死に歯を食い縛りました

おじいさん「桃よ。わしが憎いか」

桃「憎いさ、おまえもババアもコイツを救えなかった自分も・・・」

桃はそっとテニ鬼を地面に置くと立ち上がりました

桃「ババアは今どこにいる」

おじいさん「聞いてどうするんじゃ」

桃「ババアを倒す・・・」

おじいさん「無駄じゃ。今の君程度の実力では無駄死にするだけじゃ」

桃「それでも俺は・・・」

おじいさん「一時の感情に流され仲間の死を無駄にするつもりか」

桃「じゃあどうすれば!!!」

おじいさん「多くはないがまだ時間はある」

おじいさん「彼の仇をとり鬼の未来を守るため修行するのじゃ」

おじいさん「おばあさんの手先であるわしがいうのもなんじゃが君ならおばあさんを倒すことができるはずじゃ・・・」

桃「なぜだ・・・なぜ敵であるあんたが俺にそんなことを・・・」

おじいさん「強いていうならわずかながらの罪滅ぼしじゃな」

おじいさん「わしは今までおばあさんの手先としてたくさんの人を殺し後悔してきた」

おじいさん「だからもう終わりにしたいんじゃよ。誰かを殺め苦しみ続けるのは」

桃「じいさん・・・」

おじいさん「どうじゃ?ここでわしを殺すのも一つの手じゃが逆にわしを利用しておばあさんを倒してみるのは」

おじいさん「信用できんかもしれんが君がわしは奴の弱点を知りつくておる」

おじいさん「君がわしを利用するというならできるかぎり協力するぞ」

桃「まったく、変なじじいだな・・・。あんた」

おじいさん「最高の褒め言葉じゃ」

おじいさんは金歯を見せニコリと笑いました

桃「わかったよ。それじゃあババアを倒すのに協力してくれるか」

桃「じいさん」

おじいさん「勿論じゃ桃よ」

照れくさそうにしながらも握手を交わす桃とおじいさん

こうして二人はおばあさんを倒すため協力関係となったのです

しかしその裏ではおばあさんによる新たな計画が動き始めていました

おばあさん「準備はできているかうさぎ」

うさぎ「御意・・・」

虚空を眺めるおばあさん、その目は野望に満ち溢れていました

おばあさん「桃が鬼ヶ島を離れている今、誰もあの島を守る者はいない・・・」

おばあさん(私の真の目的は鬼ヶ島にある超古代兵器を起動させること)

おばあさん「これでこの世界は私の物となる・・・」

拳を強く握りしめ喜びをかみしめたおばあさんは鬼ヶ島の方角を指差しいいます

おばあさん「これより鬼ヶ島を制圧する!異論があるものいないな」

おばあさんに賛同するように歓喜の声を上げる部下達

その声を確認するとおばあさんは叫びました

おばあさん「よし!帆を上げろ!出航だぁ!!!」

そしておばあさんの号令と共に艦隊は鬼ヶ島へ出航しました

一方、山奥でおじいさんと修行に励む桃

野山を走っているとあるものを見つけました

桃「これは・・・」

そこにはテニ鬼の字でなにか書き記されていました

桃「アイツ・・・・・・」

最期の時まで自分を想ってくれたテニ鬼に感謝しながら桃はメッセージを読むことにしました

安価↓

桃「桃は・・・この場所で・・・・・・切られる?」

桃「なんだこれ」

桃は謎のメッセージに困惑しました

しかしテニ鬼がただ意味不明なメッセージを残すはずがありません

そこで桃はテニ鬼がこのメッセージで自分に伝えたかった事を考えてみました

桃「・・・・・・わからん」

桃「やっぱり俺の頭じゃ理解できないな・・・」

必死に考えてはみましたが桃の果汁だらけの脳みそでは答えが出るはずもなくあきらめて帰ることにしました

しかしその時、桃の頭上に巨大な物体が突如降ってきたのです

安価↓

桃「なんじゃこりゃァァァァ!!」

次から次へと降ってくるボロボロのタヌキたちに桃は困惑しました

桃「お前ら一体・・・」

どうすべきか迷った桃はとりあえず事情を聴くことにしました

タヌキ「まったく、やられたぜ・・・」

大将らしきタヌキは体を少し起こすと事の顛末を話し始めました

安価↓

タヌキ「うちの若い連中がおばあさんとかいうババアに無残に殺されてな・・・」

タヌキ「幹部と一緒に敵討ちに行ったらこの有り様だ」

タヌキは唇を噛みながらたいそう悔しそうにしました

タヌキ「こんなんじゃあいつ等に顔見せできねぇぜ!!」

桃「タヌキ・・・」

タヌキ「ところでお前、困ってるみたいだな」

桃「なんだよいきなり」

タヌキ「顔にそう書いてあるぜ」

タヌキ「それにこちとら裏社会でずっと生きてきたんだ。それくらいは見抜けるさ」

タヌキ「なにがあったが知らねえがまあこの際だ、話してみろよ」

桃は少し強引なタヌキに少し嫌悪感を感じましたが話してみることにしました

桃「実はかくかく云々で・・・」

タヌキ「ふぅん、ていうとてめぇも俺らと同じような境遇ってわけか」

桃「まあそういうとだな」

タヌキ「・・・・・・そのババア退治とやら手伝ってやってもいいぜ」

桃「本当か!!」

タヌキ「ただしひとつ条件がある」

そういうとタヌキはふところからある物を取り出しました

安価↓

桃「光る竹?」

まばゆい黄金の光を灯し続ける竹

まるでそれは漆黒の闇夜を照らしだす満月のようにこの世の物とは思えないほどの美しさでした

タヌキ「そいつはパッカーン継承者だけが開くことのできる伝説の神器だ」

桃「パッカーン継承者?神器?」

タヌキ「おまえ桃のくせにパッカーン継承者も知らねえのか・・・」

タヌキ「まあいい。とにかくこの光る竹のことで頼みたいことがあるんだ」

不安そうな表情を浮かべながらもタヌキは桃に光る竹を託しました

安価↓

タヌキ「コレを持って竹取の翁という爺に会いに行け」

タヌキ「そして月のパッカーン継承者を連れてこい」

桃「なんで俺が・・・。それにさっきからいってるパッカーン継承者ってなんだよ」

タヌキは嘆息しながら桃にいいました

タヌキ「行けばわかる」

タヌキ「それに竹取の翁と会うことはおまえにとっても重要なことだと思うがな・・・」

桃「なんだよそれ・・・・・・」

タヌキ「とにかくご託はいいから行け。話はそれからだ」

タヌキ「それと竹林の場所はわかるよな」

桃「あ、ああ・・・・・・」

強引に話を進めるタヌキに不満を覚えながらも戦力を確保するため仕方なく桃はタヌキに従うことにしました

タヌキ「なら話は早い。まず竹林に入ったらここに行け」

タヌキは地図を取り出すと竹林にある印のついた場所を指差しました

安価↓

タヌキ「通称おむすび穴。ここに竹取の翁はいる」

タヌキ「竹取の翁に会ったらその竹を渡せ」

桃「了解。そのじいさんに竹を渡してパッカーン継承者を連れて帰ればいいんだな」

タヌキ「そういうことだ。まあそう簡単にいくとは思わないが・・・」

タヌキ「ほら、わかったならとっとと行け」

桃「へいへい。わかりましたよ」

桃はブツブツ文句をいいながらも竹林へ向かいました

タヌキ「やれやれ…。骨が折れるぜ」

桃が竹林へ向かっていくのを確かめるとタヌキは近くの岩によりかかり体を休めました

するとそこへおじいさんがやってきました

おじいさん「ご苦労じゃったのうタヌキ」

タヌキ「なんだ、見てたのか」

おじいさん「いちおうな・・・」

タヌキ「盗み聞きとはあまりいい趣味じゃねえな・・・」

少し呆れ気味なタヌキにおじいさんは苦笑いで応じました

タヌキ「なあ、じいさんよ」

おじいさん「なんじゃ」

タヌキ「なんでアイツにパッカーン継承者のことを教えなかった」

タヌキ「あの桃、パッカーン継承者だろ」

タヌキが横目でそう尋ねるとおじいさんは静かに答えました

おじいさん「桃はまだ継承者として不十分じゃ。例え今それを知った所で桃太郎の肉体に魂を定着させることなできやせん」

おじいさん「それに奴に重要なのは自ら己を知ることじゃ」

おじいさん「ぬしもそれをわかってて竹取の翁に会わせようとしたんじゃないのか」

タヌキ「さあな。ただ、継承の儀を行えるのは継承者かそれに準ずる者のみ」

タヌキ「俺はあくまでアイツがパッカーン継承者だから行かせただけだ」

おじいさん「素直じゃないのぉ」

タヌキ「あんたもな、クソじじい」

桃の旅路を見つめるタヌキとおじいさん

そんな二人を夕日はいつまでも照らし続けました

桃「ここ、どこ・・・」

おむすび穴を目指し竹林を進む桃

しかし次第にあたりは暗くなり桃は道に迷っていました

慣れない場所もあってか竹の灯りを頼りにしつつ進むも同じような場所を行ったり来たりするばかり

桃「この感じじゃ今日の探索は無理そうだな」

仕方なく探索を断念した桃は明日に備え寝床を作ることにしました

その時、どこからか奇妙な音楽が聞こえてきます

桃「もしかして例のおむすび穴から流れているのか」

気になった桃は音楽が聞こえる方へ行ってみることにしました

安価↓

再安価↓

桃は気づかれないようにそっと様子を覗きこむとネズミ達が宴会をしていたのです

ネズミ「初めてぇ~のチュ~」

ネズミB「ギャハハハハ!キモイ顔でチュ~」

桃「な、なにこれ・・・」

まさに飲めや歌えやのドンチャン騒ぎ、さすがの桃もひとまず帰ることにしました

すると、桃に気づいた一匹のネズミが近づいてきました

安価↓

ネズミ「やらないか」

桃「へっ?」

そういうとネズミはおもむろの股に手を伸ばし自分の[デザートイーグル]を差し出しました

ネズミ「ハァハァ、やらないか・・・」

息を荒げながら距離を詰めてくるネズミ

その野獣のような目に恐怖を感じた桃はどんどん追い詰められていきました

そしてついに桃は壁際まで追い込まれてしまった桃

桃「ヤバい・・・」

自らの身に最大の危機を感じた桃はネズミを倒すため作戦を考えることにしました

安価↓

桃(なぜか知らないけどポケットにチーズがあった)

桃(とりあえずこのチーズでネズミの気をひきうまく逃げよう)

ネズミ「さあ、やらないか・・・」

桃「そんなにいうならくれてやるよ・・・。ただし俺の童貞じゃないけどな!!」

そう叫ぶと桃は勢いよくチーズをばらまきました

ネズミ「ちゅーーー!!!チィーズ!!!」

血眼になったネズミはすぐさまチーズに飛びつきました

桃「今のうちに・・・」

桃はネズミがチーズに夢中になっているうちに素早く逃げ出しました

桃「ハァハァ、ここまでくればもう追ってこないだろ・・・」

なんとか逃げ切った桃は息を切らしながらその場に座り込みました

桃「まったくとんだ災難だったぜ」

全身の冷汗をぬぐいながら桃は少し息を整えることにしました

そして呼吸を落ち着かせると位置を確認するため周りを見渡しました

すると近くに奇妙な穴がありました

桃「あれがおむすび穴なのか」

桃はそっと穴の中を覗き込みましたが暗くて何も見えません

そこで中を確認するためにある物を転がしてみました

安価↓

閃光弾コロリンスットントン 閃光弾コロリンスットントン

閃光弾は穴へ吸い込まれるように落ちていきました

すると穴から爆発音共に人の悲鳴が聞こえます

そして少し遅れるように閃光弾から漏れた光が穴から放たれました

桃「あれっ・・・」

さすがにまずいと思った桃は様子を確認するため穴へ入ることにしました

しばらく転がったのち桃は少し開けた場所へ落ちました

あたりは無数の蝋燭が灯されており奥には小さな祭壇が一つ

そして祭壇の目の前には見知らぬおじいさんが泡を吹いて倒れていました

桃「お、おじいさん!!」

桃はすぐさま駆け寄りおじいさんの首元に手を当てました

桃「ダメだ・・・死んでる」

きっとさっきの閃光弾でショック死してしまったのでしょう

桃は状況を把握すると慌てることなく証拠隠滅を図ることにしました

安価↓

桃「とりあえず埋めるか」

そうつぶやいた桃は持っていた竹を使い穴を掘り進めました

しかし竹程度では人を埋めれそうな穴を掘れそうにありません

そこで桃はあることを思いつきました

安価↓

桃「このじいさんに竹をかざせばなんか起こるんじゃね」

物は試しと桃はおじいさんの額に竹をかざしてみました

するとどうでしょう 竹が光りだしピキピキと音を立て割れていきます

桃「アレ?もしかして正解」

割れた隙間から光が漏れ出しついに竹から何かが生まれました

安価↓

かぐや姫「ほえ・・・」

そこには黒髪の長髪に透き通った白い肌、そして整った顔立ちの美少女が立っていました

桃「わお・・・」

そのあまりの美しさに目を奪われた桃はその場に立ち尽くしてしまいました

かぐや姫「もしかして私を呼び覚ましてくれた方はあなたですか?」

かぐや姫にそう尋ねらると桃はふと我に返り返事をしました

しかし緊張のあまりうまく喋ることができません

桃「ほっほい!お、俺がた、竹を割りました!!!」

かぐや姫「ほい?」

桃「あっ、いや~///」

そんな桃の反応にかぐや姫は思わず笑ってしまいました

かぐや姫「確かに初対面ではありますけどそんなに緊張しないでくださいww」

桃「す、すいませんなんか///」

少し照れながらかぐや姫に応じる桃

しかしその時、桃はかぐや姫のあることに気づきました

安価↓

桃(この人、俺と同じ力を感じる!)

桃(でも俺はただの桃、なのにどうして・・・)

かぐや姫「その様子ですとあなたも私と同じくパッカーン継承者のようですね」

桃「えっ・・・」

かぐや姫「しかしまだ殻の状態ということは発達が遅れているか何かの拍子で目覚めを妨げてしまったのですね」

桃「ど、どういうこと」

桃はかぐや姫のいっていることがさっぱり理解できません

そこで桃はとりあえずパッカーン継承者についてかぐや姫に聞くことにしました

桃「そのパッカーン継承者ってなんですか?」

かぐや姫「そ、そこからですか!?」

とても驚くかぐや姫に桃は自らの事情を知ってもらうため今までの経緯を説明しました

かぐや姫「・・・そうでしたか」

説明を終えるとかぐや姫は少し納得したようにうなずきました

かぐや姫「勝手に知っているものだと思い話を進めてしまってすいません」

桃「いえ、こちらこそなんかすいません」

かぐや姫「でもそういうことであれば説明するより実際に体験した方がいいですね」

桃「はい?」

そういうとかぐや姫は手の平に光を呼び寄せ何かを始めました

安価↓

そして呼び寄せられた光は次第に球体状になっていき岩へと変わったのです

かぐや姫「では、見ててくださいね」

かぐや姫は桃にそう指示すると手刀で一気に巨大な岩を切断しました

すると、割れた岩の中から猿の妖(あやかし)が現れたのです

孫悟空「ウキィー」

かぐや姫「わかりましたか?これがパッカーン継承者です」

桃「わかるわけ・・・・・・あるかぁぁぁぁ!!!」

笑顔でボケるかぐや姫に桃は鋭いツッコミを入れました

かぐや姫「おかしいですね?主旨は伝えたはずなんですが・・・」

桃「まず、どの辺が主旨か教えてくれ」

かぐや姫「え~と・・・岩を手刀でパッカーンする辺り?」

桃「それは主旨っていわないよね。なに、岩を手刀で切断するのがパッカーン継承者なの?」

かぐや姫「まあ、あらかた間違っているわけではないですが・・・」

桃「なにそれ?俺に北斗〇拳使いになれと?北斗〇烈拳でも会得しろと?」

悪態をつきながらその後も桃は別におもしろくもないツッコミをクドクドつづけました

かぐや姫「まあ、落ち着いてください」

止まらない桃を見かねたかぐや姫はなだめる様に説得しました

かぐや姫「言葉で説明するとパッカーン継承者というのは器をパッカーンすることで目覚める伝説の戦士です」

かぐや姫「例としてあげれば私や私が出した孫悟空のことですね。まあ、この孫悟空はあくまで私が造ったレプリカですが・・・」

かぐや姫「なんとなくわかりましたか」

桃「まあ・・・」

かぐや姫「よかった・・・」

桃「つまり俺はまだ器が割れてないパッカーン継承者ってわけか」

かぐや姫「桃さんのお話ですと多分、そうなりますね」

桃「じゃあ体に異変が起こったの時に無理矢理でもいいから中身をだしておけばよかったのか」

かぐや姫「それは違います」

かぐや姫「パッカーン継承者は自らの意思でパッカーンを望まないと目覚めません」

かぐや姫「推測ですが桃さんの体に異変が起きたのは肉体が桃さんの体に収まりきらなかったためだと考えられます」

かぐや姫「だから自らを収縮することで解決することができたんだと思います」

桃「じゃあ俺がパッカーン継承者に目覚めるためには・・・」

かぐや姫「自らパッカーンされることを望んでください。そうすれば運命は必ず桃さんをパッカーンするでしょう」

桃(そうか・・・。テニ鬼の残した謎のメッセージの意味もこれで繋がった)

桃「でもパッカーンってなんか痛そうだな」

かぐや姫「はい、結構痛いです」

桃「ち、ちなみにどれくらい・・・」

かぐや姫「そうですね・・・」

かぐや姫は少し考えると桃に痛みのレベルをわかりやすく教えてあげました

安価↓


かぐや姫「足の指をタンスにぶつけるくらいですかね」

桃「それかなり痛いじゃん」

かぐや姫「大丈夫ですよ。その痛みが頭から股にかけて5分くらい続くだけですから」

桃「全然大丈夫じゃないじゃん!死ぬわ!そんなに続いたら痛すぎて別の世界で目覚めるわ!」

かぐや姫「でもこのまま目覚めないと桃さんの体が危険なんですよ」

桃「どういうことだよ」

かぐや姫「器は脆い物でいつまでもかぶり続けると腐ってしまうんです」

かぐや姫「そしてもしも腐ったら・・・」

桃「腐ったら?」

桃の問いに対しかぐや姫は一旦唾を飲み込むと恐る恐る口を開きました

安価↓

かぐや姫「中身が異臭を放つ邪悪なものになります」

桃「マジか・・・」

かぐや姫「聞いた話では過去にその状態になった戦士は歩くラフレシアと呼ばれ恐れられたそうです」

桃「絶対嫌だわ」

かぐや姫「なら5分間タンスに足の小指をぶつける痛みに耐えますか」

桃「それも無理」

かぐや姫「時間はないんですよ!腐るのがやなら5分間耐えてください」

桃「そんなのドMじゃないと無理だろ!いっておくが俺はノーマルだからな!そんな痛みに耐えられないからな」

かぐや姫「じゃあ腐るしかないですね」

桃「それも嫌だ・・・」

かぐや姫「まったくどんだけわがままなんですか・・・」

かぐや姫は身勝手すぎる桃にあきれ果ていたところ異様な気配を感じとりました

桃「どうしたかぐや姫」

かぐや姫「なにかきます・・・構えて!!」

その瞬間、おむすび穴が突然崩落を始め巨大な物体が姿を現しました

安価↓

かぐや姫「あ、あれは!?」

なんと巨大な物体の正体はネズミ達の大王でした

ネズミ大王「ついに追い詰めたチュよ!パッカーン継承者共!!」

ネズミ大王「竹取の翁が月のパッカーン継承者をかくまってるのは知ってたがまさか我々の巣に偽装して身を潜めていたとは・・・」

ネズミ大王「だがそれも今日までだチュー!今すぐ貴様らを踏み潰してトイレマットにしてやるでチュー!!」

ネズミ大王は大きな声でそう叫ぶと巨大な拳を桃達めがけて振り下ろしました

かぐや姫「させません!!」

かぐや姫はネズミ王の攻撃に即座に反応し素早く結界をはりめぐらせました

ネズミ大王「こしゃくなマネを!」

怒ったネズミ大王はさらに激しく拳を叩きつけます

ネズミ大王の猛攻に必死で耐えるかぐや姫

しかし目覚めたばかりのかぐや姫ではネズミ大王の猛攻に耐え続けられそうにありません

かぐや姫「ぐっ…これ以上は結界がもちません・・・・・・」

ネズミ大王「そらそらどうしたっチュー!」

勢いに乗ったネズミ大王はさらに速度を上げ拳による乱打を繰り出します

桃「くそっ!俺がパッカーンに踏み込めないばっかりに!!」

悪化してゆく状況に桃は何もできずただ見ていることしかできません

ネズミ大王「チュー――!もはや風前の灯火っチュ!!!」

かぐや姫「ダメ・・・本当にこれ以上は・・・・・・」

桃「このまま死んじまうのか俺達・・・」

桃達はこの絶体絶命の状況にあきらめかけていました

しかしその時、桃の脳裏にかつてテニ鬼と約束したある記憶が蘇りました

安価↓

桃『なあ、テニ鬼』

テニ鬼『なんすか桃先輩』

桃『黒人のションベンって黒いのかな』

テニ鬼『どうなんでしょうね?』

テニ鬼『でもさすがにションベンまで黒ってことはないんじゃないですか』

桃『わからねえぞ!もしかした真黒通り越して少し透明感がある黒かも!!』

テニ鬼『ありえないですよそれは・・・』

桃『はあ?確かめていないのになんでわかるんだよ!!』

テニ鬼『いや、確かめなくてもわかるでしょ普通』

桃『はあ!?確かめないでわかるわけねえだろ!!』

テニ鬼『いやいや、どう考えても黒はないでしょ・・・』

桃『じゃあ二人で今度確かめるぞ!黒人のションベンが黒か黄色か』

テニ鬼『嫌ですよ・・・』

桃『これは先輩命令だ!おまえ先輩の命令は絶対だかんな!!』

テニ鬼『はいはい・・・』

桃「そうだったなテニ鬼・・・」

かぐや姫「桃さん?」

それまで弱弱しく座り込んでいた桃

しかしテニ鬼との約束を思い出し力強く立ち上がりました

桃「俺は絶望のあまりお前との大切な約束まで忘れるところだった・・・」

桃「今となってはおまえはもういないかもしれない。だが、俺はお前を失った時からお前の気持ちを背負い最後まで戦うって決めたんだ」

強く拳を握りしめる桃

その目は決意に満ち溢れていました

桃「俺はもう逃げない!お前が俺に託した想いを無駄にしないために・・・」

桃「そしてお前と約束した黒人のションベンは本当に黄色いか確かめる為に!」

桃「天よ!俺に力を!!!!」

空高く拳を振り上げる桃

そしてそれに答えるようについにパッカーンの奇跡が起こったのです

安価↓

ネズミ大王「なんでチュか!この光は!?」

かぐや姫「これは伝説を超えた英雄に与えられる究極の光・・・」

稲妻のごとく降り注いだ閃光はまたたくまに桃を貫きました

桃「いっだぁァァァァ!!!」

絶叫を上げる桃

しかしその痛みを越えた時、桃は新たなる力に目覚めたのです

桃「うおおおおおおおお!パッカーーーーン!!!!!」

桃の唸りに大地は鼓動し天には朝焼けの光が差し込みました

桃太郎「桃太郎・・・ここに見参!!!」

ついに桃太郎として覚醒を果たした桃

全身から溢れだす光のオーラはまさに究極の戦士と呼ぶにふさわしい姿です

ネズミ大王「チュー―――!しかし所詮は目覚めたての戦士チューー!!」

ネズミ大王「吾輩の鉄拳ですぐに沈めてやるチュー―――!!!」

ネズミ大王は素早く桃太郎との距離を潰すと高速の鉄拳を放ちました

その圧倒的なパワーは地面をえぐり拳から放たれる波動は周りの岩を一瞬で砕きました

ネズミ大王「チュー――!吾輩の最高火力の前では伝説の戦士などとるに足りないでチュー――!!!」

勝利を確信し高笑うネズミ大王

しかし、その時です

桃太郎「ただの伝説の戦士だったらな・・・」

ネズミ大王「チュ・・・チュー――――!?これはどういうことチュー――!!!」

ネズミ大王の鉄拳を受けていたはずの桃太郎、しかしその体は全くの無傷だったのです

ネズミ大王「嘘でチュー!吾輩の最高火力をくらって生きていたものなど!!!」

信じられない出来事に驚愕するネズミ大王に桃太郎は言い放ちました

安価↓

桃太郎「さぁ、ショータイムだ!」

ネズミ大王「チュァァァァァ!人間ごときがァァァァ!!!!」

激情に駆りたてられたネズミ大王は我を忘れ桃太郎に飛びかかります

桃太郎もそれに合わせ地面を蹴り上げ飛び込みます

真正面から交差する桃太郎とネズミ大王

その一瞬をついた桃太郎はふところの剣を取り出し渾身の一撃を放ちました

安価↓

桃太郎「魔神斬り!!」

鬼神の如く放たれたその一撃にネズミ大王の右腕が宙を舞います

ネズミ大王「ヒギャアアアアアアア!腕がァァァァ!!」

悲痛の叫びをあげるネズミ大王に桃太郎は剣を突きつけました

桃太郎「降伏しろネズミ野郎。お前の負けだ・・・」

ネズミ大王「降伏だと?調子に乗るなよォォォォ!人間風情がァァァァ!!!!」

ネズミ大王は勢いに任せ剛力を叩きつけました

刹那、桃太郎の剣が光を放ち始めます

桃太郎「いったはずだ、お前の負けだと」

光り輝く剣は閃光にのように走りネズミ大王を貫きました

安価↓

ネズミ大王「吾輩が・・・哺乳類最強の吾輩が負けるなんてぇぇぇ!!」

ネズミ大王の体は光と共にはじけ消滅していきます

さらにその威力はとどまることを知らず、鬼ヶ島へ向かっていた軍勢に被弾し壊滅的な被害を与えました

かぐや姫「すごい・・・」

目の前で繰り広げられていた光景に圧巻していたかぐや姫がようやく口を開きました

そして桃太郎は剣を鞘に戻すと安堵の表情を浮かべます

威勢を張っていたものの未知数である自らの力にまだ自信を持てていなかったのです

緊張が解けた桃太郎は力が抜けたようにそのまま地面に座り込みました

かぐや姫「大丈夫ですか桃さん」

桃太郎「あ、ああ・・・」

かぐや姫「それにしてもすごい技でした。まさか桃さんにあんな力が隠されてたなんて」

桃太郎「俺もびっくりだよ・・・」

そう言うと桃太郎は気だるそうに立ち上がりました

桃太郎「なんていうか激戦が終わった直後に話すのもなんだけど…」

少しためらいながらおずおずと本題に入ろうとしました

かぐや姫「わかっています。鬼ヶ島のことですよね」

かぐや姫「心配いりません♪私も伝説の戦士としておばあさん討伐に参加させていただきます」

桃太郎「かぐや姫さん!」

かぐや姫「そもそも私がこの世に生まれてきたのも全てこの世の悪を成敗するためですし」

かぐや姫「こうして危機を救ってくれた桃さんの頼みとあらば断わるわけにもいきません」

かぐや姫は手を差し出すと桃太郎に笑顔を向けました

かぐや姫「不束者ですがこれから一緒に頑張りましょう!桃太郎さん!!」

桃太郎「こちらこそよろしく!かぐや姫」

握手を交わす二人、そこには見えることは無くても確かに感じる熱い絆が芽生えていました

その頃、鬼ヶ島上陸を目指すおばあさん一行は突然の攻撃によって大混乱となっていました

部下A「うさぎ様!我が艦隊も大半がやられ連絡をとれない状況です!!」

うさぎ「増援を呼んでなんとかしろ!損傷がひどい艦隊はすべて捨て無事な艦隊だけで上陸を目指す!!」

部下A「しかしそれだとこちらの兵力が足りません!!」

うさぎ「ええい!それを貴様らがなんとかするんだろ!!」

事態を一刻も早く収拾させるためうさぎは部下達に指示を仰いでいきます

そんな中、うさぎ艦隊の増援を聞きつけた一人の幹部がやってきました

安価↓

猫「お困りのようですニャー!うさぎ殿」

うさぎ「貴様か猫・・・」

猫「ニャハハハハ!そっちの艦隊は随分とやられたようじゃニャいか」

うさぎ「冷やかしより先にやることがあるだろ…」

猫「ニャハハハハ!そうだった!そうだった!」

猫「おばあ様からの命令ニャ!動けなくなった艦隊をいったん放棄し上陸を目指せとのことニャ」

猫「どうやらあの一撃は覚醒した桃太郎によるものらしいニャ・・・」

うさぎ「まさか!?こんなに早く覚醒するとは…」

うさぎ「しかしそれならば増援を呼び奴らが来るのを待っていた方が・・・」

猫「安心するニャ、奴らの足止めならこっちの方で用意してある」

うさぎ「どういうことだ?」

猫「ニャハハハハ!それは後のお楽しみニャ・・・」

かぐや姫と共に帰還を果たした桃太郎、早速タヌキとおじいさんに会いに行きました

桃太郎「帰ったぞ~」

おじいさん「おお!その姿は」

タヌキ「どうやら覚醒したみたいだな」

桃太郎「おかげさまで」

桃太郎「ほらっ、約束してた月のパッカーン継承者だ」

かぐや姫「初めましてかぐや姫と申します」

タヌキ「タヌキだよろしく」

おじいさん「儂はおじいさん、まあ見ての通りじゃなw」

自己紹介を終え揃った全員の顔を眺めるとおじいさんはいいました

おじいさん「さて役者も揃ったことだしそろそろ出発するかのう」

タヌキ「待ちわびたぜ…」

かぐや姫「ついに始まるんですね」

桃太郎「でも待てよ。船もないのにどうやって断崖絶壁の鬼ヶ島に行くんだよ」

おじいさん「まあまあ、そういうと思ってこんなものを用意しておいたのじゃ!!」

おじいさんは自信たっぷりに丘の方を指差しました

安価↓

桃太郎・かぐや姫・タヌキ「…はっ?」

桃太郎「なにアレ…」

おじいさん「何って巨大竹とんぼじゃよ」

桃太郎「そういうことをいってるんじゃねえよ!どうやってアレで鬼ヶ島に行くんだよ」

かぐや姫「そうですよおじいさん、だいいちこの風向きでは竹とんぼを飛ばせませんよ」

桃太郎「いやいや、かぐや姫さんそういう問題じゃねえから」

おじいさん「安心せい!風なら大丈夫じゃ!!」

そう言うとおじいさんは誰かを呼んできました

安価↓

クシャルダオラ 「ガアアアアアア!!!!」

桃太郎「ほえっ?」

おじいさん「みんな竹とんぼに捕まるのじゃ!!」

桃太郎「えええええええ!?」

凄まじい勢いで襲いかかってくるクシャルダオラに追われながら一同は竹とんぼに飛び乗りました

クシャルダオラは予備動作を行うと咆哮共に放つ風のブレスを放ちます

風圧により竹とんぼは空高く舞い上がりあっという間に地を離れました

おじいさん「どうじゃ!うまくいったじゃろ?」

桃太郎「ひぃぃ!?落ちる落ちる!!」

桃太郎の絶叫を尻目にどんどん高度を上げ始める竹とんぼ

その横を謎の影がさえぎりました

桃太郎「なんだ今の!?」

タヌキ「まさか」

その影こそ、猫によって送り込まれた刺客だったのです

安価↓

鎌鼬「ミャーーン!俺様は鎌鼬!猫様からの刺客として貴様らを抹殺にしに参上したミャーーーン!!」

鎌鼬「手始めにこの鎌でそのみすぼらしい竹とんぼを切断してやるミャーーーン!」

風を纏った鎌鼬は疾風の如く竹とんぼに襲い掛かります

桃太郎「まずい!このままじゃ全員アイツの餌食だ!!」

危機に焦りを感じる桃太郎

しかしその時、ある人物が鎌鼬へ反撃に出たのです

安価↓

鎌鼬「な…」

桃太郎「きょ、巨人…」

それは魔法の薬によって巨大化してしまったアリスでした

アリス「おんどりゃあああああ!なに晒しとんじゃァァァァァ!!!」

怒り狂ったアリスによる渾身の一撃が鎌鼬に襲います

鎌鼬「ひぎぃぃ」

つぶれるような鈍い音が空に響き渡ると鎌鼬は遥か地上へまっさかさまに落ちていきました

巨大化したアリスに呆然とする一同

その時、桃はあることを思いつきました

安価↓

桃太郎「あの金髪の巨人さん?」

アリス「あっ?」

桃太郎「よ、よかったら俺達の仲間に…」

アリス「じゃかしいわボケェェェェ!こちとらなりたくて巨人化したわけじゃねえんだよ!!」

怒り狂うアリスは竹とんぼを掴み凄まじい怒号を浴びせ続けました

その迫力に圧倒される桃太郎、このままでは埒があきません

そこで桃太郎は必殺の説得法を試みました

安価↓

桃太郎「俺は打ち出の小槌を持っている!」

アリス「打ち出の小槌?」

桃太郎「そうだ!それで元の大きさに戻す代わりに仲間にならないか」

アリス「本当に元に戻れるの」

桃太郎「絶対戻れる!」

アリス「…わかった。それじゃあ頼んだわ」

桃太郎「よし。交渉成立……」

その時、桃太郎は大事なことに気づきました

小槌で元に戻す→空から落下→BADEND

アリス「どうしたのよ!早く戻しなさいよ!!」

アリスは竹とんぼを掴むと巨大な顔を近づけます

アリス「死ぬか戻るか…どっちがいい?」

桃太郎「近い近い……」

不思議の国からやってきた巨人の少女に追い詰められる桃太郎一行

苦渋の決断の末、桃太郎はひとつの答えを出しました

安価↓

桃太郎(一旦地上に降りよう)

桃太郎(そうすれば万が一落ちたとしてもキャッチできる)

桃太郎「よし!これでいこう…」

桃太郎「悪いんだけど一旦地上に下ろしてくれるか?」

アリス「なんでよ?」

桃太郎「実はこの場で使うと君が落下死しかねないことが発覚したんだ」

桃太郎「だから万が一の為に地上に降りて打ち出の小槌を使いたいんだよ」

アリス「なるほどね……」

桃太郎「わかってくれたか」

アリス「でもこの真下…海よ」

桃太郎「」

なんと風に飛ばされ鬼ヶ島を目指していた桃太郎一行は断崖絶壁の鬼ヶ島のすぐ近くまで来ていたのです

桃太郎「…ごめんちゃい」

桃太郎の謝罪と共にアリスは海面へ竹とんぼを叩きつけました

風圧によるGで顔面を歪ませる桃太郎に走馬灯が浮かび上がります

そう、思い返せば色々なことがありました

おばあさんにスルーされ、鬼を騙そうとするも結局仲間になり

体から体がでそうになったので寺に行ったと思ったら仲間を殺されたり

その復讐で竹林に行ったらネズミ大王に会って覚醒を遂げ、なんやかんやで今に至ります

とても短い人生ではありましたが桃太郎にはこの人生学んだことがありました

桃太郎(俺達は一人じゃ生きていけない)

桃太郎(この世界に生きる全ての生命がどこかで繋がり支えあうことで生きてるんだ)

桃太郎(だから生き物に優劣なんて関係ない。だってみんな・・・)

桃太郎(この地球という母なる星に生まれた子供達なんだから!!!)

そんな名言っぽいこと残した桃太郎は勢い良く海面に叩きつけられその一生終える事となりました

その後、おばあさんの艦隊は巨大化したアリスによってひと踏みで全滅しアリスは鬼ヶ島を守った英雄として永遠に称え続けられましたとさ

~おしまい~

皆様お疲れ様でした。この物語はこれにて終了となります
昔話風にしたおかげで駄文に拍車をかける形になってしまいましたが無事に終わらせることができてよかったです
機会があればまたこのような昔話シリーズを書けたらなと思います

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