提督「やっぱオカダ・カズチカだよな」 (15)


提督「レインメーカー!」

提督「新日本プロレスに! 金の雨が降るぞ!」

大淀「……?」

明石「……?」キョトン

提督「あれ? オカダ知らない? オカダカズチカ」

大淀「誰ですか」

夕張「初めて聞きました」

提督「マジで!?」


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提督「メチャクチャ強いプロレスラーなんだけど」

明石「有名な人なんですか」

提督「むしろ知らないのが驚きだ」

大淀「プロレス見ませんし」

夕張「興味もあんまり」

提督「えー、そんな知名度なのか」

明石「どんな人なんです」

提督「これだ、この背の高い選手」スッ

夕張「あっ、カッコいい」

明石「イケメンですね」

大淀「スタイルもいいです」

提督「だろ、だろ? しかもすげー強い」

夕張「そうなんですか」

提督「チャンピオンだからな」


夕張「プロレスラーって、もっとゴツい人かと思ってました」

明石「そうそう、ゴリラみたいな」

提督「ああ、長門みたいなのも勿論いるぞ」

大淀「いや、別に長門さんとは……」

提督「これだ、真壁刀義」スッ

夕張「わっ、怖そう」

明石「鎖持ってますね」

提督「キングコングだからな」

提督「見ての通りゴリラだけど、甘いものが大好きなんだ」

大淀「長門さんみたいですね」


提督「あとこれ、中西学」

夕張「おー、ゴリラ」

大淀「大きな人ですね」

提督「ゴリラ度が更にアップ」

提督「さっきの真壁が1長門だとしたら、3長門くらいだ」

明石「三倍!」

提督「野人だからな」

提督「飯だってメチャクチャ食う」

明石「へー」

提督「朝食の画像がネットに……これだ」

夕張「何これ? すごーい」

大淀「満漢全席じゃないですか」

提督「これを全部一人で食う」

夕張「すごーい」

明石「長門さんだ、これ」


提督「他にはこれ」

提督「トランキーロ! 内藤哲也だ」

明石「トランキーロ! って」

提督「決めゼリフだな」

提督「オイオイ、おめーら焦んなよ! って意味だな」

大淀「チャラそうな兄ちゃんですね」

夕張「いや、これ絶対いい人だよ」

明石「優しそうですもんね」

提督「こいつはヒールだ」

明石「ヒールって何ですか」

提督「悪役だ」

大淀「悪い人なんですか」

提督「制御不能だ。 唾吐いたり乱闘したりする」

夕張「えー、やだー」

提督「でも、メチャクチャ人気がある」

提督「昔はヒーローだったけど、途中で闇落ちしたんだ」

大淀「えっ、そうなんですか」

提督「後輩にな、まあさっきのオカダになんだけど」

提督「実力でも人気でも追い抜かれて、挫折したんだ」


大淀「生々しい話になってきました」

明石「後輩に追いやられて表舞台から追放とか」

大淀「身に覚えがありすぎてキツいですね」

夕張「やめてあげてください」

夕張「その話題は五月雨ちゃんに効きます」

五月雨「他の艦娘はみんな改二や乙改に……」ボソボソボソ

夕張「五月雨ちゃんしっかり! 気を確かに!」

五月雨「季節の限定グラやお店とのコラボも他の娘ばかり……」ブツブツブツ

夕張「五月雨ちゃん! 大丈夫だから! 遅れてるだけだから!」

五月雨「もう……疲れました」(闇堕ち)

夕張「五月雨ちゃーーんっ!!」






明石「女の選手っていないんですか」

提督「女子プロか。 団体は違うが勿論いるぞ」

提督「ただ、男子ほど盛り上がってはないな」

大淀「あら、それは残念」

提督「昔はすごい人気だったんだが」

提督「闘うだけじゃなく、リングで歌ったり踊ったりしてな」

夕張「アイドルみたいですね」

提督「そう、那珂ちゃんみたいなのが沢山いたんだ」

明石「闘うアイドルですかー」

大淀「そういえば提督も 『那珂』 じゃなくて、 『那珂ちゃん』 って呼ぶんですね」

提督「あいつは那珂ちゃんが名字だからな」

夕張「名字なんですか」

提督「初対面の時に言われた」

提督「名字が那珂ちゃんで、名前がカワイイ!らしい」

大淀「ああ……ハイ」

提督「呼び捨てでいいから、なるべくフルネームで呼んで下さいって言われた」

明石「アホの子ですね」

大淀「筋金が入っています」

夕張「ウチの鎮守府って、こんなのばかりですね」


大淀「今はそういう人はいないんですか」

提督「今はほとんどが普通にプロレスしてるな」

提督「アスカとかカイリ・セインみたいに、海外で活躍してる選手もいる」

明石「へー、すごーい」

大淀「じゃあ、もし長門さんがプロレスラーになったら」

夕張「チャンピオンになれるかな」

提督「どうだろうな」

提督「実力はともかく、人気は出るだろう」

大淀「カッコいいですもんね」

提督「あいつはゴリラ界一の美女だからな」

夕張「また、酷いこと言ってますね」

提督「美女界一のゴリラと言ってもいい」

明石「怒られても知りませんからね」

提督「リングネームはナガト・ナガトだな」

大淀「ゴリラ・ゴリラみたいに言うの止めて下さい」






夕張「それで、結局誰が一番なんですか」

提督「一番か……う~ん」

提督「三沢か武藤か……鶴田が最強って意見もあるな」

提督「ライガーもすごかったし、中邑も捨て難い」

大淀「そんなに難しいんですか」

提督「一番ってのは単純な強さだけじゃないんだ」

提督「もちろん強いのは確かに大事なんだが、勝ち負けはそれほど重要じゃなくてな」

提督「その選手の生き様というか、闘いぶりがどれほど魅力的だったか」

提督「どれだけ人を惹きつけられたか、ってのが大切なんだ」

明石「ふむふむ」


提督「お前たちもそうだぞ」

大淀「えっ」

提督「魅力ってのは、単純に速さや強さだけで測れるものじゃない」

提督「それぞれが異なって、それぞれが輝ける、色の違う星なんだ」

提督「個々の個性や価値ってやつは皆違うんだから」

提督「順位を付けるようなものではないさ」

明石「なるほどー」

提督「でもまあ……そうだな」

提督「そんな中で、それでも一人だけ挙げるとすれば」

夕張「おおっ!?」

明石「挙げるとすれば?!」

提督「長門だな」

大淀「長門さん!?」

明石「長門さんかー」

夕張「やっぱり長門さんなんだ!」


大淀「り、理由は何故ですか」

提督「理由か、まず強い。 メチャクチャ強い」

明石「それは確かに」

提督「そして美しい。 絶世の美女だ」

夕張「おおっ!」

提督「他にもリーダーシップにカリスマ性にと、良い所がたくさんある」

提督「しかしそれ以上に特筆すべきは、その優しさだ」

大淀「優しさですか」

提督「ああ。 上司の軽口を真に受けず、さらりと流す心の余裕」

提督「そして全てを愛し全てを許す、その器の大きさこそが素晴らしいんだ」

明石「おお~」

提督「まあ、俺も長門の事をゴリラだの何だの言ってみたが、あれは全部嘘だ」

夕張「嘘だったんですか」

提督「勿論だ。 場を和ませる海軍ジョークだ」

明石「わー、そうだったんだー」

提督「そう、長門こそが全ての艦娘の中で最高で最強で最萌な天使……」

提督「いや、大天使ナガトエルさ」

夕張「長門さんすごい」

明石「長門さんベタ褒め」

大淀「最高評価ですね、長門さん」

長門「……」

提督「……」


提督「聞いていてくれたかな、長門くん」

長門「ああ、聞かせてもらったよ。 ありがとう」

提督「いつからそこに」

長門「最初からだが」

提督「最初からというのは」

長門「金の雨がどうこう辺りかな」

提督「そうか」

長門「……」

提督「……」

長門「プロレス、好きなんだって?」

提督「いや、まあ、ハイ」

長門「奇遇だな。 私もだよ」

提督「あっ、ハイ」

長門「私もな、得意なんだ」

長門「レインメーカー」

長門「まあ、降らすのは金じゃないがな」

提督「な、何が降るんだろうね」

長門「すぐに分かるさ」

提督「」

長門「さあ、行こうか」ニッコリ

提督「トランキーロ」(小声)




おしまい

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