森久保乃々「キ、キラキラの舞台(ステージ)へ.......」 (114)













注意
・某作品を平気でパクリます(複数)。
・どの作品のパクリかバレたら喜びます。
・過去のSSと世界観を一部共有します。
・過去の作品がバレたら喜びます。


前作
乙倉悠貴「キラキラの舞台(ステージ)へっ!」
乙倉悠貴「キラキラの舞台(ステージ)へっ!」 - SSまとめ速報
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?「......そうか。アイドルになってみんなを幸せにしたいか」


?「........お前が生まれた時」


?「わたしが初めて見た赤ん坊は、太陽のようにキラキラ輝いていたよ」


?「母さんが隣で抱きかかえていてね、私がいくら宥めても泣き止まないのに、母さんがちょっと宥めるとすぐに泣き止むんだ」


幸子父「悔しい......けれど幸せな気持ちでいっぱいだった」


?「ああ、この子を沢山幸せにしよう」


?「涙の数の倍は幸せの数をつくってやろう」


?「泣きながら何度も心に誓ったんだ。今でも覚えている」


?「そして、その子が誰よりも幸せになるように願いを込めて名前を授けた」


?「そんな子が、その思いを超えて『皆を幸せにしたい』と言い出すなんて......こんなに嬉しいことは無いよ」















幸子父「頑張ってきなさい......幸子」


























━ トップアイドル


━ それは、アイドルを志すもの。アイドルであるものが目指して已まない頂点。





















ワアアアアアアアアアアッ!!



実況「なんとっ!とんでもない番狂わせです!」


実況「A級確実と言われた輿水幸子がF級アイドルに敗れました!輿水幸子!まさかの初戦敗退です!」


解説「これは、凄いことになりましたねぇ......。」























































ガシャーン!!















幸子「小梅さん!目を覚ましてください!小梅さん!」


幸子「こ う め さ ん !!」


医師「.........残念ですが。」


医師「脳がダメージを負っています。次にいつ目を覚ますか.....」


幸子「そ、そんな......」


?「........フ、フフフッ」


?「フヒ、フヒヒヒヒ....」


?「ヒヒヒヒャヒャヒャヒャ......」


看護師「おっ!落ち着いて!?」


?「アヒャッアヒャッヒャッヒヤッヒャッヒャッヒャッ」















━ 群雄割拠の「アイドル戦国時代」にトップアイドルを目指し邁進する乙女達の生き様は.....





























?「ヒャーッハハハハハハハハハハ!」




























━ 冷酷だ。




























森久保乃々「キ、キラキラの舞台(ステージ)へ.......」
















ガバッ


幸子「ハアッ.....!!ハアッ.....!!」


幸子「ハアッ......夢......ですか」


スクッ


幸子(2年前のあの思い出が)スタスタ


ジャーッ、コポコポ)


幸子「.......もう何回目だかわからなくなってきましたね」ゴクゴク


プハッ


幸子「何度もアイドル時代の夢を見せて......」


幸子「『私』をどうしたいんですか........神様」




【873プロ】


マスター「.........よく決心がついたね」


幸子「..........」


マスター「返事を、君の口から聞かせてはもらえないかい」


幸子「....................」


幸子「アイドルになることはお断りします」


幸子「アイドルの世界はもう、私にとっては苦痛でしかありません」


マスター「.......そうかい」


幸子「ですが」


マスター「?」


幸子「三顧の礼というのですか?」


幸子「何度も家に来ていただいて、説いてくださって熱意は伝わりました」


幸子「アイドルではなくコーチの役目なら協力してもいいでしょう」


マスター「本当かい! ありがとう!」


幸子「......ただし」



幸子「このプロダクションのアイドルに、私がトラウマに耐えてまで協力する価値があるのか....」


幸子「見極めさせてもらいますね」


マスター「.......なるほど」


幸子「貴方のアイドルたちが私の期待に応えられなかった場合.....この話は無かったことにさせてもらいます」


マスター「ああ、わかったよ」


マスター「だけど、前も言ったように私のアイドル達は君を惚れこませる甲斐性があると思っているよ.....」


幸子「............そうでしたね」スッ


幸子「なら、期待していますね。今日はこれで失礼します」


マスター「......ありがとう」


マスター「部屋は分かるかい?」


幸子「ええ、なんたってボク」


幸子「..........『私』は、カンペキでしたから」


ガチャ.....











マスター「......さすが、元B級アイドルともなれば躱し方も上手だ」


マスター「私のメンツを立てながら、プロダクション入りを断るのにこういう立ち回りをするのか」


マスター「だけれど、あの時も言ったよ。私のアイドルたちは必ず君を惚れさせてみせる」


マスター「あいくん、朋くん、乙倉くん。そして......」


マスター「乃々くん......頼んだよ」










バタン


幸子「.......ふぅ」スッ


バタバタ


幸子「?」


朋「ホラ!乃々ちゃん!本人は目の前よ!」


乃々「あ、あわあわ」


幸子(右にいるポニーテールの人は確か、D級アイドルの藤居朋さん)


幸子(左がE級アイドルの森久保乃々さんですか........)


乃々「あ、あの幸子ちゃ.....さん。は....初めまして。その......」


幸子「.......どうも、初めまして」スッ!



乃々「えっ......」ポカーン


朋「ちょっ、ちょっと!それが先輩に対する挨拶なの.....!」


ピタッ!


幸子「先輩への挨拶ですか......フフフッ」


朋「なっ!何がおかしいのよ!」


幸子「勘違いしないでください。.....別に私はアイドルに戻った訳じゃありません」


幸子「.........むしろ、私はあなた達の先生になるかもしれませんよ。口には気をつけてください」


朋「何おう.....」ムムム


乃々「と.....朋さんおちついて......」


幸子「.....と、いうか」スタスタ


「この子本当にアイドルですか?」ズイッ


乃々「えっ、あっ......」


幸子「」ジロジロ


乃々「あうぅ....」


幸子「ずいぶん陰湿な方ですねぇ。そんなんじゃアイドルやっていけませんよ」


乃々「えっ......」


朋「ハァッ!? 何よあんた!?」



幸子「.....まぁ、今の私が何を言ったって説得力ないですけどねぇ」


乃々「うぅ.....」ショボン


朋(乃々ちゃん........)


朋「.......なによ」


朋「マスターA級に近いなんていうからどんな人かと思ってたら」


朋「とんだ腰抜けじゃない。期待して損した」


幸子「...........。」ムッ


スタスタ


幸子「誰が......腰抜けですか」ズイ


朋「アイドルじゃないってことはマスターの誘い断ったのよね? アイドルの世界が怖くなって逃げて」


朋「乃々ちゃんの悪口までいって......」


乃々「あ、あの.......」アセアセ


乃々「も、もりくぼは.....」



幸子「.......あなた、たしかランクはD級でしたよね?」


朋「!?........D級だけど」


朋「そっ、それがなんなの」


幸子「そう.....ですか......フフッ」


朋「なっ!何がおかしいのっ!」


幸子「.......いいえ、ある意味幸せなのかも知れませんね」スタスタ


朋「ちょっとまちな.....」


キィー


バタン!




朋「.......け、結構声のトーンが暗かったわ....ね......」


乃々「」シュン.....


朋「あー、そっか。そうよね....乃々ちゃんあの人に憧れてるって言ってたのにね.」


朋「.....辛いけど表と裏を上手く使い分けてる人ってよくいるんだよねぇ」


乃々「.........」ショボン


朋「乃々ちゃん......」






朋「.........」






朋「.......でも、あたしのランク知ってたわよね」


乃々「えっ」


乃々「あっ.....そういえば.....」


朋「D級アイドルなんて、フーッとしたらビューってなるようなアイドルなのに」


朋「さっき、あたしたちの先生になるかもっていってた.......」


乃々「も、もしかしたらそのためにもりくぼ達のことを......」


朋「調べた.....だったら」


朋「........信じても良いのかもしれないけど」


乃々「パアッ」


朋(確証ないけど言ってよかった.......)ホッ


ガチャッ


マスター「おっ、乃々くん。無事に挨拶できたかな?」


朋「マスター! ダメだったわよ!」


朋「何あの子!! 大丈夫なの?」



マスター「フフッ、まぁそう言わないであげなさい」


マスター「それだけ、あのライブの敗北っていうのは深い傷なんだろうね」


朋「あのライブの.......敗け?」


朋「乃々ちゃん、それってなんだったの?」


乃々「あの人は.....」








幸子(前の事務所ほどとはいきませんが、立派な寮ですね)


幸子(ふかふかのベッドにテレビ、冷蔵庫。生活に必要な大体のものはあります)


幸子(...........今日は寝ますか)ゴロン


ピッ!


テレビ[はーい! こちらはB級ライブ会場.......]


幸子(しまったっ! 誤って電源をッ!!)


テレビ[今日も全員全勝! 大躍進がとまらない961プロダクションのみなさんです!]


?「はーい!」


幸子「!?」


幸子「うっ!!」ウプッ


ダッ!


【トイレ】


幸子「ウエッ!! ウエッ!」





幸子「ゲホッ!! ゲホッ!! ウエエッ!!」


幸子「も、もう少し......」


幸子「もう少し我慢すれば私は......」










朋「そんなことがあったの........」


乃々「はい、だからあの人が今この事務所にいるのが不思議で」


乃々「だけどうれしくて」


朋「さすがねぇ、マスター」


朋「一体どんな手を使ったのよ」


マスター「フフ、それは企業秘密だよ」







【オーディション会場】


悠貴「~♪」


乃々「~♪」


幸子(.......。)


悠貴「~♪」


幸子(張り上げているだけで歌声ではないですね。)


乃々「」アワアワ


幸子(.......どこ向いて何をアピールしたいんでしょうか。)




幸子(.......)


?「.....おや、来てくれたのかい。」


幸子「.......あなたは。」スッ


?「フフッ、そんな警戒しないでおくれ。」


あい「私は東郷あい。873プロに所属している。」


幸子「.......知っていますよ。それくらい。」


あい「おや、有名アイドルに名前を覚えて貰っているとは光栄だ。」


幸子「まぁ、社長と約束しましたから.....ボクが協力するに足るアイドルなのか見極めるって。」


幸子「だから、皆さんの事はある程度調べさせてもらいっています......」


あい「ほほう......」


幸子「ですが.......」


幸子「.......森久保乃々さん。E級の実力とは到底思えませんが。」


あい「......CDが当たったんだ」


幸子「.......へぇ、珍しいですね」


幸子「たしかにE級ならCDの売上での昇格ありますしね。........だからですか」


あい「........? 」


あい「だから? 」


幸子「ええ、随分現場慣れしていないアイドルだなって思いながらみていました。」チラッ



乃々「あうぅ.....人が.....いっぱいで......」


悠貴「のっ!乃々ちゃん先輩もっと明るくしないとっ!」


乃々「ううっ、も....もりくぼにはむりぃ.....。」


面接官「それでは次はダンスをお願いします」


悠貴「あっ、はいっ!」
乃々「は、はい.........」


あい「.........初々しいんだよ。あの子たちは。」


幸子「.......にしては、あのショートカットの子は随分場馴れしているといいますか.....」


あい「陸上出身で、どうやらジュニアモデルもしていたらしいよ。」


幸子「.......なるほど、道理で。」


幸子「立ち振る舞いは初心者そのものでしたが、今後が期待できそうな方ではあったので。」


あい「フフッ、流石幸子くん程にもなるとそれだけで分かるんだね......。」


幸子「.........そんな大層なものでは無いですよ。」


幸子(ですが.......)



幸子(悲しいかな、モデル上がりのアイドルなんて星の数ほどいる.....)


幸子(その多くがモデルでもアイドルでも大成せずに失意の中この業界を去っていく.....)


幸子(.....そんなアイドルを、私は何度も見ている。)


タッ.....タッ....


幸子(彼女もまた.......)


クルッ!!


幸子(そのひと.........)


悠貴「パッッ!」


幸子(り..................)



━ 輿水幸子は無意識にその脳裏に


━ B級アイドル・我那覇響


━ ダンスアイドル筆頭の姿を浮かべていた。


幸子()ブルッ


幸子(わ......私はなんてバカなことを。)フルフル


幸子(幾らなんでも、おこがましすぎますよ。)





【藤居朋 ライブバトル会場】


朋「~♪」


ライバル(ううっ!やりづらいッ!!)


朋(ん~、ダンスアピールときたか)


朋(それじゃあここはビジュアルで!)


ライバル(っ!?)



幸子(........)


幸子(相手の行動を見てから柔軟に対応を変えている?)


幸子(い、いえ。これは直感や本能で最適解を導き出してる?)


幸子(レッスンを垣間見ていたときもそうでしたが)


幸子(VBD(ボイス・ビジュアル・ダンス)のレベルが全体的に高い......。)


朋「やったーっ!大勝利!」


幸子(確かにアイドルの世界は冷酷......)


幸子(A級やB級と比べるとまだまだ実力不足..........とはいえっ。)


幸子(どうして、これほどのアイドルがD級中位なんかで燻っているんですか......)


.


【東郷あい 演劇ステージ】


あい「戦うがいい、お前の運命と。」


あい「私はおまえを一生守り続けよう。」


モブ「キャアアアアッ! かっこいい!!」


幸子(類稀な美貌(ビジュアル)で人々を魅了する.....。)


幸子(その姿はさながら.......。)


?《A級確実と言われた輿水幸子がF級アイドルに敗れました!》


幸子(!?)


ウッ......


あい「...?」チラッ


幸子(おっと........い....いけませんね。)


幸子(また、思い出さなくていいことも思い出しちゃいました.......。)


幸子(元シンデレラプロダクション......前の事務所の便乗かと思っていましたがとんでもない。)

.



幸子(......社長さんに乗せられたようで少し悔しいですが)


幸子(確かに彼女たちの行く末を応援してみたくなるような......)


幸子(そんな魅力ありますね。)











幸子(ただ一人を除いて........。)








.



【ライブ会場】


朋「頑張れ乃々ちゃん!」


悠貴「乃々ちゃんせんぱいっ!」


乃々「ハアッ....ハアッ....。」


乃々(む、むりぃ....スコアが追いつきません...)


あい「あきらめるな!!」


乃々「ゼエッ......ゼエッ......」


朋「ああっ、せっかくのアピールをかき消されたっ!!」


あい「アピール方法を変えるんだ乃々っ!!」


乃々「ハアッ......ハアッ.」



司会「勝者、モブアイドル!」


モブアイドル「やったあっ!!」


悠貴「ああ......負けた。」


幸子「.........。」


朋「アタシ、飲み物持ってくるっ!」ダッ


観客「あーあ、アイツこれで全敗じゃん。」


観客「森久保乃々......だっけ?」


観客「CD売れただけの一発屋だよな。」


観客「いやいやwwあんなの一発当てた内にも入んねえよww」


幸子「なんですかコレ........。」


幸子「私は一体何を見せられてるんですか......。」



コツコツ


乃々「ハアッ.....ハアッ.....」


乃々「.....ゆうきちゃん、あいさん」


悠貴「惜しかったですよっ、乃々ちゃん先輩」


あい「なに、次は勝てるさ.....」


幸子「........」コッコッ....


乃々「さ、幸子さ....」ガシッ


乃々「えっ?」


幸子「........」















幸子「............アイドル、やめたらどうですか?」
















乃々「へっ.....」


あい「ッ!?」


乃々「そっ......そんなっ....もりくぼは」


幸子「」ジロッ


乃々「ヒッ.....」ビクッ


幸子「あなたは、アイドルに向いていない.....」


幸子「あなたじゃ、E級以上上がることはないです」


乃々「あ、あの.......幸子さ.....」パシッ


あい「........流石にそれは看過できないねぇ」



悠貴「あ、あいさん?」ビクッ


あい「君は私たちのコーチになるんだろう。なら、そう早計に判断するんじゃないよ」


幸子「い、いいんですか。この子に構ってたら成長なんて」


あい「.......そこら辺にしたまえ」


あい「大切な後輩にそんなことをいわれて」


あい「いつまでも言葉をオブラートで包むとでもおもっているのか」ゴゴゴゴゴ


乃々「あ、あの......あいさん.....ケンカは.......」ビクビク


?「うわっ!」ガシャーン


あい・幸子「!?」


朋「あ、あいたたた」


あい「朋ッ! 大丈夫かい!」


朋「あいさーん! こけて飲み物こぼしちゃったー!」ウワーン!!


あい「全く、子供じゃないんだら.........。」



あい「......ともかく、乃々はやめさせないよ」


幸子「.........わかりましたよ」スタスタ


あい「.......朋。大丈夫かい」


朋「...........珍しいね。あいさんが、あんな怒るなんて」ボソッ


あい「朋、見てたのかい? というか、演技.......」


朋「さすがのあたしでもマズイってわかるわよ.......」ハアッ


乃々「」ショボン


朋「........ねぇ、乃々ちゃん」


乃々「は、はい」


朋「ライブの中盤でさ、ブワーッってきた相手のアピールをクンッて対応してたじゃない?」


乃々「えっ、はっはい」


朋「あれって、前にあたしが乃々ちゃんにいった事だよね」


朋「上手にできてたよ。だから、中盤の相手のアピールについていけてた」


乃々「朋さん......みてくれて.....」ジワッ



頭ポンッ


朋「本当に......上手になったね乃々ちゃん」ナデナデ


朋「大丈夫。.乃々ちゃんは大丈夫だから」


朋「これからも一緒に頑張って、あんなやつ見返してやりましょう!」グッ!


あい(全く.....朋ってやつは)


あい(普段はお茶らけて危なっかしいのに)


あい(時折、こんなに頼れる姿を見せるもんだから、堪らないよ)


乃々「は、はい.......」ウルッ


あい(.......なあ、乃々)


乃々「もっともっと....もりくぼはがんばります」ポロポロ


【BONANZA】


乃々「た、ただ今戻りました.....」


マスター「乃々くんお疲れ様。今日は残念だったね」


マスター「何か美味しいものを作ってあげよう」


乃々「は、はい.....」


朋「マスター! あたしハンバーグ!!」パアッ!!


マスター「全く、乃々君への労いだよ?」


乃々「あ、あの....じゃあもりくぼもそれで......」


マスター「おっと、乙倉君」


悠貴「はいっ!」


マスター「後で話できるかな?」


悠貴「話?」










朋「ムグムグウマウマ」ガツガツ


あい「朋、食べ物は逃げないから落ち着いて食べなさい」


朋「ふぁ~い」ムグムグ


朋「はれ、マフハーは?(あれ、マスターは?)」ムグムグ


あい「おや、乙倉くんもいないね」


乃々「も、もりくぼ探してきます.....」スッ


朋「ひっへらっはーい!(いってらっしゃーい!)」ムグムグ


あい「食べながらしゃべらない」




乃々「マスターどこへいったのかなぁ.......」


悠貴「.............ですか?」


乃々(マスターの部屋に明かり。それに悠貴ちゃんの声.....)


マスター「そうだ、乙倉くんにオーディションの合格通知だ」


マスター「さっそく今度顔合わせがあるから出席してほしい」


乃々「!?」


悠貴「あのっ!それじゃあ乃々ちゃん先輩は......」


マスター「.........不合格だったよ」


乃々(!?)


悠貴「あ、あの.....私はどうしたら.....」


マスター「.......毅然としているんだ」





マスター「残酷だけど、オーディションは小さなパイの取り合いだよ」


マスター「誰かを蹴落とさなければ這い上がれない」


マスター「それは、陸上をやってきた君ならよくわかるんじゃないかい?」


悠貴「そっ、それは......」


クラッ


乃々(も、もりくぼはまた負けた.......)ヨロッ


乃々(今度は......自分の後輩にまで.....)


乃々「う、ううっ!!」ダッ


悠貴「!?」クルッ


マスター「どうしたんだい?」


悠貴「い、いえっ!」


悠貴「なんか、気配がしたのでっ......」



ガチャッ


あい「おや、早かったね。みつかったか......」


ダッ!!


あい「乃々ッ!!」


ダッ


乃々「グスッ.....」ポロッ


幸子《アイドル、やめたらどうですか?》


乃々「うっ......ううっ.....!」ポロポロ


マスター《乙倉くんにオーディションの合格通知がきたよ》


乃々「ヒグッッ.......グスッ......」


幸子《あなたはアイドルに向いていない》


乃々「もりくぼッ....グズッ....もりぐぼは......うわああああああああ!」




【翌日】


幸子「乃々さんの姿が見当たりませんが........」


あい「..........レッスン室にいるよ」


あい「随分早い時間から事務所にきてね」


幸子「聞きましたよ。乃々さんオーディションに落ちたらしいですね」


あい「ああ、乙倉君が合格したことがなによりこたえたようだね」


幸子「............だから、いったのに」ボソッ


幸子「.............様子を見てきます」


あい「...............お願いだから」


幸子「分かってます」


幸子「.............もう、言いませんから」



幸子「レッスン室は確か.....この先ですか」


【レッスン室】


幸子「」チラッ


キュッキュッ


乃々「1・2・1・2」ハァハァ


幸子「乃々さん.......。」




ガチャッ


乃々「!?」ビクッ


幸子「」


乃々「幸子.....さん」


乃々「見ていたんですか.......」


幸子「......あなたに、聞きたいことがあります」


乃々「.......はい」


幸子「貴女は、明らかにアイドルには向いていない」


幸子「......それでも、確固な意思で立ち向かおうとする」


幸子「教えてください。なにが、貴女をそこまでさせるんですか」


乃々「..................」




【2年前】







叔父くぼ「なぁ、頼むよ社長!」


マスター「ああ、私は構わないよ。だけれど、それはこの子はちゃんと同意したのかい?」


叔父くぼ「いやぁ、していないよ」ケロッ


mスター「お、おやおやいいのかい?」


叔父くぼ「良くないよ」


叔父くぼ「良くないけれど.....このままあの子が自分の殻にこもってしまうよりマシだよ」


叔父くぼ「あの子の明るい未来のためなら、僕はどんな謗りだっておそれないよ」


マスター「........そうかい」





マスター「やあ、君が森久保乃々くんだね」


乃々「あぅぅ.......」


━ もりくぼは、叔父さんに半ば騙されてこの事務所へ来ました。


マスター「よろしくね、森久保くん」


乃々「あ、あうう」


乃々「あ、あの。もりくぼもう帰ってもいいですか?」


ガチャッ


朋「社長ー!! 新入りが来てるってホントッ!!」バタン


乃々「ヒイッ!!」


あい「朋、あの子おびえてるよ。落ち着くんだ」


朋「ほほう、この子が......」ジロジロ


乃々(あうう.......か、帰りたい...........)




━ もりくぼは昔から変わらず引っ込み思案で


━ こんなところ逃げてしまいたい。そう思っていました。


━ そんなもりくぼにとっては、昔から机の下が居場所。


━ 暗く.....静かで.....。


乃々(はぁ.....やっぱり机の下は落ち着きます.......)


ドタドタ


アレー、ドコイッター!


乃々(あ、あの声は藤居先輩......)


乃々(み、見つかりませんように......)


朋「乃々ちゃんいたーっ!!」ヒョイ!


乃々「ヒイッ!」


━ でも、そんな空間はまやかしのものでしかなくて


━ 朋さんが光のあるところに連れてくれたのです。


朋「こんなところで何してるの! ホラ、レッスン!」


乃々「む、むりぃ.......」


━ 今だから言えますが、朋さんも最初は苦手でした。


━ もりくぼの安寧の地を荒らす......獣のような。








トレーナー「はい1・2!」


乃々「ゼエッ....ゼエッ.....」


朋「乃々ちゃん!あと1セット!」ハァハァ


乃々「む、むりぃ.......」


━ もりくぼの事なんてほっといて下さればいいのに.....


━ 何時逃げ出そうか、気が付けばそんな事ばかり考えていました。








━ そうやって、アイドルとして何となく生きていたある日。


【イベント会場】


ワイワイガヤガヤ


乃々(き、今日のイベントはひ、人がいっぱいで......)


乃々(やっぱり、もりくぼはみんなに比べてちっちゃくて、スタイルもよくないから)


乃々(やっぱりアイドルにはむいてな.......)


幸子「おはようございます!」


乃々「!?」


━ そこには、もりくぼよりもちっちゃな女の子がいました。


━ だけど、会場にいた誰よりも大きな輝きをしていて。



乃々「しゃ......社長。あの人は...........。」


マスター「346プロダクションの『輿水幸子』ちゃんだよ。」


~~~~~


幸子「皆さん!ありがとうございます!」


乃々「...........ステージが輝いてる」


━ 思えばもりくぼが自分を変えたいとおもったのは.....


━ ステージさえキラキラと輝き照らすあなたをみたから......


幸子「フフーン! ボクは完璧ですから何でもカンペキにできるんです!」


小梅「実はね、本番ギリギリまで....幸子ちゃんは練習してたんだ」


幸子「あっ!ちょっと小梅さん!それは言わないでくださいよぉ.......」


ワハハハハハ


小梅「えへへ......」


━ キラキラと輝くその裏で、必死に頑張っている姿をテレビで知ったから.....


━ 幸子「ちょっと!だめです!ダメですって!ボクはアイドルだからそういうの......バシャーン!!  アツいアツい!!!!」バシャバシャ


芸人「もうアイドルってより芸人やん!」


ワハハハハハハ


乃々(もりくぼも、あの人みたいにキラキラ輝きたい.....)


━ そう、それがもりくぼがアイドルを志し続けた理由......。


~~~~~~~



乃々「わ、わたしは辞めたくありません......」


乃々「憧れの幸子ちゃんが、キラキラの幸子ちゃんが瞼から離れないから.....」


乃々「憧れ(アナタ)を目の前にして逃げ出してしまったら、わ、私はもう何も無くなっちゃうからっ......」


幸子(ああ、私は知っている)


幸子(この目は、立ち向かっていく者の目だ)


幸子(でも、残酷な現実はあなたに七難八苦を与え続ける......)


幸子(強い才能があなたの行く末を阻み、より強い才能があなたをどんどん追い抜いていく)


幸子(ですが、それで抗おうというのですね。)





幸子(残酷に.........現実に.......)





幸子「........アイソレーション」ボソ


乃々「えっ......?」


幸子「ダンスの基礎です」スッ


幸子「首から肩、胸から腰」クイックイッ


クルッ


幸子「前後左右に動かして可動域を上げることでダンスの表現力が増します」ピタ


乃々「わぁ.......あのレッスンの振付を........一度見ただけで.......」ゾクッ....


幸子「.......ほら、見ていないで一緒にやりましょう」

.



【夕方】


幸子「だいぶ形になってきましたね」


幸子「.........これをずっと続けることが大事です」


幸子「また、柔軟も合わせて怠らないように。柔軟性は可動域に直結しますから」


幸子「今のあなたはとにかく基礎を固めてください。柔軟も体幹も何もかも足りてません」


幸子「そんなあなたが他のアイドルに勝とうなんて、烏滸がましいにも程があります」


幸子「明日はライブバトルが終われば、ボイスレッスンです」


乃々「あ、あのもう少しだけ.......」


幸子「無理しても何も変わりません。体を休めてください」


バタン


乃々「あっ........」


乃々「で、でも、もう少しだけ......」


乃々「もうすこし......だけ......」






キュッ......キュッ..........




幸子《今のあなたはとにかく基礎を固めてください。柔軟も体幹も何もかも足りてません》


幸子《そんなあなたが他のアイドルに勝とうなんて、烏滸がましいにも程があります》





乃々「もう少し.......」





キュッ......キュッ..........




マスター《残酷だけど、オーディションは小さなパイの取り合いだよ》


マスター《誰かを蹴落とさなければ這い上がれない》


マスター《それは、陸上をやってきた君ならよくわかるんじゃないかい?》


乃々「もう少し.......」


ツルッ


乃々(!? バランスをッ.....)


バタン!!


乃々(痛い.....む、むりぃ.....)


朋《これからも一緒に頑張って、あんなやつ見返してやりましょう》


乃々「で、でも、あともう少し.......」


スクッ




キュッ......キュッ..........



乃々「もう少し........」



キュッ......キュッ..........




キュッ......キュッ..........




キュッ......キュッ..........




キュッ......キュッ..........









キュッ......キュッ..........





.




































【翌日】



朋「Zzzzzz」グゴー


?「乃々くんっ!!」


朋「フゴッ!?」ガバッ!!


 ドタドタドタドタ!!


朋「なになになになに!!」


朋「マスターどうしたの....って、ああッ!!」


━ 予兆はあった。


━ それは危機感からの焦り。焦りからの頑張りだって見守るつもりでいた.....。


幸子「そんな.....違うんです......違うんです.....」


━ だけれど、高熱を出してレッスン室で倒れている乃々ちゃん......。


━ そして狼狽える、幸子ちゃんとマスター。


━ Tシャツに白い線が走っていることがどういう事か.......あたしは知っている。



乃々「けほっ......けほっ」


マスター「乃々.....」デコピタッ


マスター「熱っ!」


マスター「........参った。今日もランク戦だというのに」


乃々「マスター」


朋「乃々ちゃん.....」


乃々「お願いします.......ケホッ.......お願いします.....も、もりくぼをステージに立たせてください。」


マスター「..........。」


乃々「もりくぼはいけます.......やらせてくださいっ、これ以上負けたらもりくぼは......もりくぼはっ!」


マスター「乃々くん」


乃々「お願いします」


乃々「お願いします」


マスター「乃々くん」


乃々「次のライブバトル....もりくぼは勝ってみせます.....絶対に勝ってみせます.....ゲホッ...だから....っ!」


朋「乃々ちゃん落ち着いて! そんな体調で」



乃々「F級に......F級に落ちたくない!!だから、だから....」


マスター「ダメだ、乃々くん」


乃々「お願いします.....お願いします」


乃々「お願゛いしま゛す....お願....ケホッケホッ」


マスター「乃々くん!!」


乃々「お願゛いしま゛す....お願゛いしま゛す!!」


朋「乃々ちゃん......。」


乃々「お願゛いしま゛す....お願゛いしま゛す!!」


幸子「乃々さん......」


乃々「お願゛いしま゛す....お願゛いしま゛す!!」


マスター「乃々......くん......」


マスター「」ググッ!




乃々「お願い.......」


マスター「乃々くん!!」


乃々「!?」ビクッ


マスター「...........お休みだ」コクリ


乃々「それじゃあ、もりくぼは.....もりくぼは.....」ジワッ


乃々「う゛う゛っ゛.....」ノロノロ.....


朋「乃々ちゃんっ!!」


朋「...........」


朋「」ギリッ




【別室】


朋「.........事情は大体わかったわ」


幸子「.........」


朋「正直今ここでアンタをひっぱたいてやりたい......でも、それじゃあアンタを信じた乃々ちゃんをバカにすることになる....」


幸子「.............」


朋「...................」ギリッ!!


バッ!!


バチン!


幸子「!?」ヒリヒリ


朋「.........なんてあたしはそんな物分りいい人間じゃない!!!」


マスター「朋くん!なにをするんだっ!」


朋「マスターは黙っててッ!」


マスター「!?」ビクッ!!


マスター「と.....朋くん.....」



朋「なんで......なんであの子を最後まで見てあげなかったのよ......。」


朋「あの子は........あの子はまだ公式戦で勝ってないからあんなに必死だったの.....分かってたでしょ!」


朋「一度も勝ってないってことの意味が分からないアンタじゃない.......そのはずなのに.....」


幸子「..........」


朋「なんでよぉ.......なんでなのよぉ....」


乃々《幸子ちゃんと一緒にアイドルができるんですか!》


朋「頑張っても報われない残酷な世界だってわかってる」


朋「でも、それでもアタシは頑張ってる乃々ちゃんをみて報われるべきだと思った」


朋「その頑張りが、憧れを連れてきた.......なのにっ!」


幸子《あなたはアイドルに向いていない》


朋「なんでよ!」


朋「なんでなのよぉ........」ジワッ


朋「なんで? ........なんであんなに頑張ってる乃々ちゃんが報われないのよぉ!」ポロポロ


マスター「朋くん..........」


朋「アンタの......アンタのせいじゃないのっ!!」


幸子「!?」








?《テメエが!!!!テメェのせいで小梅ちゃんがあんな事になっちまったんじゃねえか!!!》








幸子「ヒッ!」シャガミ


マスター「!?」


マスター「どうしたんだい!?」




《輿水幸子!まさかの敗退!!》


《お前にはガッカリだ!》


《B級の面汚し!》












《大変だっ! 鉄骨がくずれてアイドルが下敷きにっ!!》









小梅《えへへ..........幸子ちゃん》


小梅《無事で........よかっ.........》










.



幸子「あ......あああああああ!」ブルッ


朋「えっ!」


幸子「ち.....ちが....ちがう!違うんです!」ガタガタガタガタ


マスター「どうしたんだい!輿水くん!」ガシッ


幸子「いや、イヤ!いや!嫌!いやあっ!!!!」バシッ!!


幸子「やめて!私は....私は.....」


幸子「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさ.....ウエッ!」


マスター(急に取り乱して......これはダメだ)


幸子「オエッ!オエッ.....!」


マスター「輿水くんっ!!」


朋「ち、違うのマスターっ!あたしはっ....そんなつもりじゃっ!」


マスター「ああ、わかっているさ!」


幸子「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」


マスター「........わかっているとも。」


マスター「だけど、とりあえず朋くんは外で頭を冷やしてくるんだ。」


朋「そ........そうね。乃々ちゃんの所へいくわ。」アセアセ


マスター「.......ああ、乃々くんをたのむよ。」




幸子「.........」


マスター「やっと落ち着いたかい?」


幸子「.......貴方はなにも言わないんですか。」


マスター「...........言いたいことは全部朋くんが言ってくれたさ。」


マスター「だけど、それは同時にあそこまで追い詰められていた乃々くんに気付けなかった私たちのせいでもある。」


マスター「それに、君が来るまでは私が指導する立場だった」


マスター「プロデューサーの時代はそればかりしていたこともあったよ」


マスター「人にモノを教えるというのは難しいものだ」


幸子「...........」


マスター「誰が思うものかい」


マスター「夜通し、基礎練習を続けて、汗だくのまま倒れ込んで風邪をひく」


マスター「当たり前さ、普通なら何処かで区切りつけてやめるものだ」


マスター「......初めてだよ。あんな乃々くんを見るのは。そこまでして、何かに縋りたかったんだろうね」


マスター「それを見抜くことができなかった......私の責任だ」



【休憩室】


朋「乃々ちゃん.....どう?」


乃々「あ、ありがとうございます.....ケホッ....だいぶ楽に、なりました。」


朋「......なんかさ、乃々ちゃん見ていると昔を思い出すわね。」


乃々「ケホッ........昔で.....すか?」


朋「あれ、乃々ちゃん覚えてない?昔あたし1年くらいずっとアイドル見習いだったの。」


乃々「も、もりくぼが入ったころにはもう、ケホッ....F級だった気が。」


朋「そうだったっけ、入ってきてすぐだったのかな。」


朋「あの時は、結果出せなくて辛かったなぁ........」ウンウン


乃々(朋さんにも....そんな頃があったんですね)


朋「..........ねえっ、乃々ちゃん知ってる?」


乃々「は、はい......」ゴホッゴホッ


朋「辛いときとか、しんどい時ってウソでも笑えばいいんだって!」


朋「声とか出しちゃってもいいの!」


乃々「!?」


朋「とびきりの笑顔を向ける子に.......」


乃々「勝利の女神も惹かれていく」


乃々「.............マスターが昔いっていましたね。」


朋「えっ! 乃々ちゃん知ってるのっ!?」



乃々「はい、昔もりくぼにも言ってくれました」


朋「なあんだ......」ショボン


乃々「......アハハッ」


朋「あっ、笑った!」


乃々「ゲホッ....!! ゲホッ......!!」


朋「ああっ、乃々ちゃん大丈夫!?」サスリサスリ


乃々「すっ、すみません」


乃々「でもなんだか、朋さんみていると元気になります」


乃々(そう、この人みたいな人がアイドルなんだろうなぁ)


乃々(それに比べてやっぱりもりくぼは..........)


朋「ちょっとまってて! おかゆ作ってくるから!」


乃々(.........ううん。ダメなんていいません。)




あい「フフッ...、面と向かって言えないのなら。背中で語るのもひとつだよ。」




乃々(朋さん....あいさん.....幸子ちゃん)


乃々(今はまだ背中を追いかけることしかできませんが。でもいつかは.......)


乃々(もりくぼも、あなたたちの隣に.........)




ガタン!


朋「あっつ!!!!」


バタン!ゴトン!


朋「ぎゃーっ!! おかゆこぼしたーっ!!」


ガチャッ


あい「おはようございまー........って、どうしたんだい朋!」


朋「あいざーん!」


あい「あーあー、おかゆをこんなにこぼして........」





乃々「...........あははっ、もう、朋さん」




【次の日】


幸子「明後日のライブに出場するんですかっ!」


幸子「なんで......次で最後じゃないですか! いまから再出場しても残留出来ないじゃないですかっ!」


マスター「.......そうだね。」


マスター「だけど、例えそうだとしてもキミは見ないといけない。」


マスター「キミは見届ける義務があるんだ。」


朋「あの子に対して少しでも罪悪感があるなら。」


朋「見届けなさいよ。この戦いを」



幸子「..........」



幸子「乃々さんのところへ行きます」


朋「大丈夫よ、あいさんとマスターがレッスンしてる」


幸子「でも........」


朋「........あんたが、現役の時に何があったか乃々ちゃんに聞いた」


朋「だけど、だからこそ今のあんたを乃々ちゃんのところには行かせられない」


幸子「..........」


朋「あんたが、あたしよりも、皆よりすごいアイドルだったって関係ない」


幸子「............」



【会場】


ザワザワ


観客23「おいおい、森久保乃々ってこれまで全敗の奴だろ?」ザワザワ


観客485「今から頑張ったってランク落ちなのに無駄に足掻いてさ。」


観客19「っていうか休場してたんだからそのままずっと休んでろよ。」


観客789「しかも今回って......」


観客1073「ああ、E級1位の全勝アイドルだぜ。」


観客87635「経った数日休んだくらいで変わんねえのに」


朋「........変わるわよ。」


幸子「!?」


朋「アイドルを.......乃々ちゃんを舐めないで。」

.



E級アイドル(最後のライブがE級全敗の最下位?)


E級アイドル(......私をなめてるでしょ)


乃々(...........心臓が跳ねてる)ドクンドクン


乃々(体調が戻ってから、みんなと対策を練りました)


乃々(なんだろう....そのおかげか気持ちが変わってきたような気がします)


ドクン


観客「ガヤガヤガヤガヤ」


ドクン


乃々(会場にはいっぱい観客のみなさんがいて)


ドクン


乃々(相手は、E級トップ)


ドクン


乃々(.......もりくぼは知りたいです。)


ドクン


乃々(たった数日、だけどいまのもりくぼは......)


ドクン


乃々(どこまで成長したのかを)


森久保乃々         ×         E級アイドル
0                                  0





朋「アイドルは、自分の体一つで舞台に立って」


朋「2分3分ずっと歌って踊る。勝敗はそれだけで決まる。」


マスター「そんな単純さゆえに、凝縮された時間を幾度となく経験している」


マスター「『男子三日経てば括目して見よ』」


マスター「呑気なものでいいねぇっ、男子はっ!」


マスター「アイドルにそんな時間はいらないっ!」


朋「はじまるわっ!!」


マスター「いくんだっ!乃々くんっ!」



森久保乃々         ×         E級アイドル
10589                            18985



朋「しょっぱなから、大きいアピールッ!!」


幸子「ほぼ同時ですっ!!」


E級アイドル(アハハ、何このアピールしょぼすぎ!)


朋「同時というよりも相手の対応が早すぎたわね」


朋「乃々ちゃんの戦法をよんでたってことになるじゃない」


幸子「実際そうなのでしょう」


幸子「地力の差が今ので露呈したってだけの話です」







マスター「地力の差.......か」


幸子「そうですね、乃々さんは一般的なE級アイドルと違ってCDの売り上げで昇格したアイドルです」


幸子「やはりライブ経験は他のE級に比べても乏しいのが見てわかります」


幸子「相手のアピールの向きが的確です。アピールは会場の盛り上がりが偏らないようにするのが定石」


朋「えっ、でもアタシそんなこと意識していないわよ」


幸子「あなたは、ほとんど自分の感覚でアピールして通用する特殊例です。乃々さんとはタイプが全然違うんですよ」


幸子「あなたが一番近くにいたから、歯車の合わないやり方でこれまで戦っていた」


幸子「だから、これまでうまくいっていなかったということでもあるんですけどね」


朋「そんなぁ.......」


幸子「..........ですが」



乃々(こ、ここでビジュアルアピールを........)


森久保乃々         ×         E級アイドル
18325                            27793



幸子「時間がかかったようですが、少しずつ自分の戦い方に組み込めているんでしょう」


幸子「私が初めて見た乃々さんとは違って、善戦できています」


幸子「とはいえ、完敗から前進しているだけなんですけどね」


朋「あたしの.......せい......」


マスター「......何をそんな顔をしているんだい」


朋「えっ」


マスター「ステージはグワッとあふれ出る位に、自分をブワッとさらけ出す」


マスター「朋君が前に乃々君い言っていたことじゃないか」


マスター「その言葉を信じて、乃々君は成長した」


朋「マスター」




マスター「それなら、輿水君に見届けなさいといったように、朋君も見届けないといけないんじゃないのかい」


朋「..........うんっ!!」


朋「スウッ.............ハアッ...........」


幸子「?」


マスター「フフッ」


朋「 乃 々 ち ゃ ん !! が ん ば れ ぇ っ ! ! 」


幸子「!!」


乃々「!?」


朋「フウッ.....フウッ......」


朋「」ニイッ!!


乃々(朋.....さん.....)




乃々(成長したかを知りたい........違う)


乃々(もりくぼは......勝ちますっ!)


乃々(皆のために......いやっ)


乃々(自分のためにっ!)ニイッ


森久保乃々         ×         E級アイドル
24645                            37991


E級アイドル(なによ、その顔.....)


E級アイドル(勝つつもりなの?)


E級アイドル(ふざけんな!)


幸子「いえ、だけど、それだけでは.......」


森久保乃々         ×         E級アイドル
26955                            40385


幸子「勝てません.......」ギュッ





森久保乃々         ×         E級アイドル
27896                            42377



幸子「........」



ググッ



幸子「ファンのみなさんをよく見てください!?」


朋「えっ!!」


乃々「!?」


乃々(幸子ちゃんの......声.....?)


朋・マスター「!?」


幸子「今ファンの皆さんが今何を望んでいるのかを見極めるんです!」


マスター「輿水くん......」


乃々(何を望んでいるか.....見極める.....)チラッ


乃々(曲に合わせて体を動かしてる人が多い.......。)


乃々(なら、もりくぼは.....『ダンス』で.....もっと盛り上げます.......。)




観客211「おお!意外にダンスが上手い!?」


観客80「表現力高い!」


森久保乃々         ×         E級アイドル
29996                            43457


マスター「乃々くんダンスが上手くなったね。」


マスター「輿水くんがダンスの基礎を教えてくれたからじゃないかい?」


幸子「アハハッ...... まだまだ。全然足りてないですね.....」


マスター「だけど、それが早くも効果を発揮してくれた」


マスター「体の動きが全然違うよ」


マスター「小さな少女の大きな表現は観客を驚かせるのには十分だ」


森久保乃々         ×         E級アイドル
31008                            45101

ライバル(スコアが縮められてっ!)


ライバル「させないっ!」


幸子「ライバルも焦ってダンスアピールをしてきます。そこですかさず.....」


乃々「~♪」


幸子「ボイスアピールに切り替えるっ!」


幸子「そうですっ!!」


森久保乃々         ×         E級アイドル
34858                            47224


朋「.............」


マスター「どうしのかな朋くん。輿水くんをじっと見つめて。」


朋「あっ、いや......ね。」





朋「『なんだ、まだ立派なアイドルなんだな』って。」


幸子「.......えっ」


森久保乃々         ×         E級アイドル
36901                            49001


マスター「」チラ


乃々「~♪」


マスター「.......なるほどね。」


マスター「乃々くんがいっていたよ。痛切に憧れているとね。意気込んでいたよ」


マスター「自分がこの世界に引き込んでもらったぶん、今度は自分が.....,」


マスター「『輿水君の心に火をつける』ってね」


幸子「!?」


乃々「ハアッ.....ハアッ.....」


森久保乃々         ×         E級アイドル
40101                            52198


━ 肺が痛い........苦しい.....


幸子《あきらめたらどうですか.......》


幸子《E級以上になることはないでしょう》


━ いいえっ! まだです!




E級アイドル(なによっ! なによなによなによっ!)


E級アイドル(どうしてそんなに、キラキラ輝いているのよ!)


E級アイドル(あんたはただの全敗アイドルのくせにっ!)


森久保乃々         ×         E級アイドル
54393                           58797


E級アイドル(どうしてこんなに食らいついてくるのよっ!)



乃々(!?)


乃々(ここっ!)


森久保乃々         ×         E級アイドル
60424                           61325


E級アイドル(くうっ!)




朋「マスターっ!!」


マスター「おおっ! 逆転しそうだよっ!!」


幸子「................」


朋「.........ねえっ」


朋「最後の一押し、あんたがしなさいよ」


朋「たった一言だけでも、『頑張れ』って」


幸子「そんな.....私は......」


朋「頑張れなんて軽々しくいえないって?」


朋「確かに、あの言葉の重さは誰よりもしっているのかもしれない」


幸子「..............」


朋「だからこそ、乃々ちゃんがずっと憧れてる.......輿水幸子の応援が最後の力を貸すんじゃないの」


幸子「最後の........」



乃々「ハアッ.......ハアッ........」


E級アイドル(ぐぬぅ........!!)


森久保乃々         ×         E級アイドル
73028                           73358


観客「逆転は目の前だぞおおおおおおおおおおおおおっ!!!」


観客「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


幸子「!?」


━ 顔が熱くなる。


幸子「ハハハッ、やっぱりダメですって。」


乃々《ここであきらめたら、私は》


━ 唇も声も震えてる。


幸子「私は大切な友達を傷つけたのに逃げ出して」


━ 握った手は汗だらけ


幸子「あまつさえ、必死なあの人を降格させたんですよ」


幸子「そんな私に、『頑張れ』なんていう資格ありませんよ」


━ なのに.......


━ 涙が止まらない。


乃々(あれ、幸子ちゃんが....泣いてる....)


乃々(笑顔、ですよ.....幸子ちゃん。マスターが言ってました.....)







乃々「や、やっぱりも、もりくぼにアイドルは似合わないんです」シクシク


社長「大丈夫だよ、森久保君」


社長「辛いとき、苦しくなったくなった時こそ思いっきり笑おう。声を出してしまってもいいんだ」


乃々「グスッ....えっ....」


マスター「とびきりの笑顔を向ける子に」





乃々(勝利の女神も惹かれていく......)ニカッ


幸子「!?」ドキッ


朋「満点の笑顔よ....乃々ちゃん」


観客810「お、おい.......」


観客42「あ、ああ....」


観客7「森久保乃々.....化けるぞこいつは.....」




幸子「綺麗.......」


幸子「.........アハッ」


幸子「アハハッ!」


幸子「.....ごめんなさい、小梅さん」


━ 罪悪感もある。


━ だけどそれ以上にいま切実に、痛烈に思う。


━ どうしようもなく要領が悪くて、ただただ愚直なこの人が......


━ 小さくて陰湿だったこの人が、大きな舞台でキラキラ輝く。


━そんな姿を....















ゴシゴシ


スウウッ

























幸子「勝ってっ!!乃々さんッ!!!!」



























━ 『ボク』はこの目でみたい......
















乃々(はいっ!)


朋「乃々ちゃんっ!!」


マスター「ラストスパートだあっ!!」


観客「乃々!! 乃々!!」


観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


乃々「!!」


乃々(も、もっと──)


乃々(もっと!もっと!!)


朋「ねぇ、マスター」


マスター「?」


朋「なんだかね、あの時のライブを思いだすわ」


乃々「ハアッ.......ハアッ..........」ニイッ


朋「みんなの声援が胸を叩いて」


E級アイドル「ハアッ.....ハアッ.......」


朋「ステージが、声援でおっきく揺れて」


朋「多分乃々ちゃんもこんな気持ちじゃないかな─」


朋  「ああ、どうして」
乃々(ああ、どうして!)


朋「ただ歌っているだけなのに──」


乃々(ただ踊っているだけなのに)














ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!


乃々(どうしてこんなに、胸がドキドキするんだろう!)
















朋「──ってね。」







乃々(音楽が──止まった──)



幸子「スコアはっ!!」



























森久保乃々         ×         E級アイドル
79554                            79502
















幸子「か、勝った.........。」


 乃々(もりくぼが....もりくぼが......)



乃々「」ググッ



━ それは


乃々「わあああああああああああああっ!!」


━ 小さな少女の体からは到底想像もつかない


━ 大きな勝鬨であった。


幸子「まったく──アイドルが出していい声ではないですよ」ボソ


マスター「だけど、どうか責めないでおくれ」


マスター「乃々くんにとっては、それほど重い一勝だったんだ」


朋「やったわね、乃々ちゃん。」


マスター「帰ってくるよ!」



乃々「ハァッ......ハアッ.......」


朋「ホラ」クイッ


幸子「もうぅ、分かってますよ。押さないでください。」


乃々「ハアッ....ハァッ.....幸子....さん」


幸子「........おめでとうございます」


乃々「!?」


乃々「あ、ありがとう.......ございます」


幸子「ホラ、勝者が笑顔じゃなくてどうするんですか」手スッ


乃々「はッ、はいっ!」手スッ















幸子「」ニコッ


乃々「」ニコッ




























パシッ!!













.


【BONANZA】


悠貴「はぁ......負けたぁ......」


朋「だっ大丈夫よ悠貴ちゃん!!」ペロッ


朋「ホ、ホラッ!タロットも【戦車】だし......って、うげっ!これ逆位置じゃない!」


悠貴「はぁぁぁぁぁぁぁ」ショボン


朋「あああ、悠貴ちゃん.........」


チョイチョイ


悠貴「」クルッ


乃々「あ、あの.......。」


悠貴「あっ、はいっ!」


乃々「良かったら、一緒にここに入ってもいいんですけど.......」


あい「おや?乃々いいのかい?なんたってそこは.....」


乃々「もっ、もりくぼは先輩だからっ.....でもあいさんとか朋さんみたいなこと出来ないし....」


乃々「だから、せめてここで一緒にいてあげたいんですけど......」


あい「........フフッ」


朋「乃々ちゃんらしいね。」


悠貴「......えっえっ。」ポカーン


乃々「ホ....ホラッ、き....きてください。もりくぼは先に....入ってますから.....」


悠貴「い、いや......でもそこは。」


?「入らないんですか? それじゃあお先に『ボク』が入らせてもらいますからねー!」



乃々「!?」


?「よいしょ!」


乃々「幸子......ちゃん。」


幸子「フフーン!カワイイ『ボク』が入ると机の下も楽園ですよねー!」


乃々「ボ.....『ボク』.....」ウルッ


あい「........」


あい「フフッ......二人とも、少し席を外そうか。」


乃々「あ、あの......」


幸子「」ニコッ


幸子「ボクはまだアイドルを再開しようというつもりはありません」


幸子「だけど、元先輩アイドルとして.........だけじゃなくて、1人のファンとして乃々さんを応援したくなりました」


乃々「フ....ファン.....」ポロッ


幸子「.......ボクは乃々ちゃんのランクを下げてしまいました。指導者としては失格です」


幸子「だけど、もしもう一度ボクにチャンスを下さるのなら.......」


幸子「今度こそ、乃々ちゃんをボクがすごいアイドルにしてみせます。」


幸子「.......どうでしょうか」


乃々「...........」


幸子「..............」


乃々「...........です」



幸子「えっ?」


乃々「もりくぼは....アイドルが好きです」ポロポロ


乃々「最初は、アイドルが嫌でした。だけど、幸子ちゃんに出会って私はあなたみたいになりたいと今日まで続けてきました」


幸子「.......はい。」


乃々「だけど、もりくぼは......あいさんみたいに優雅じゃない.....。朋さん......みたいに要領もよくない......。悠貴ちゃんみたいに運動神経もない.....。」


乃々「ダンスも歌もポーズも.....下手で.....グスッ」


乃々「こんなもりくぼがこのままアイドルを続けていいのか迷う時もあります」


幸子「.........はい」


乃々「でもっ!」


乃々「やっぱり立ちたいっ......立ちたいですっ......!....私はキラキラの舞台(ステージ)に立ちたい!」


乃々「どんなに辛くても、どんだけ弱音を吐いても、もうもりくぼは逃げません....たがら....」


幸子「......大丈夫です。」ギュッ


幸子「肩肘張らなくてもいいです。どんだけ弱音を吐いて逃げたって受け止めてみせます........。」


幸子「大船に乗ったつもりでいて下さい。」


乃々「はいっ......!はいっ.......!グスッ.....よろしく......お願いします。」ポロポロ


幸子(小梅ちゃんごめんなさい.....)


幸子(アイドル、まだ辞められそうにないです)ニコッ


朋「.......」


朋「まぁ、これからに期待するわよ」


朋「幸子ちゃん」


幸子「誰にものを言ってるんですか立派に役目を務めますよ」
















幸子「なんたって、ボクはカンペキですから!」



























東郷あい(C級アイドル)
藤居朋(D級アイドル)
森久保乃々(E級アイドル)
乙倉悠貴(アイドル見習い)

























東郷あい(C級アイドル)
藤居朋(D級アイドル)
森久保乃々(::::::::::::::::::
乙倉悠貴(アイドル見習い)

























東郷あい(C級アイドル)
藤居朋(D級アイドル)
森久保乃々(F級アイドル)
乙倉悠貴(アイドル見習い)

















続きます。
輿水幸子さんお誕生日おめでとうございます。

一部シーンが誕生日までに間に合わなかったので
ピクシブ版で加筆します。

修正>>3



?「......そうか。アイドルになってみんなを幸せにしたいか」


?「........お前が生まれた時」


?「わたしが初めて見た赤ん坊は、太陽のようにキラキラ輝いていたよ」


?「母さんが隣で抱きかかえていてね、私がいくら宥めても泣き止まないのに、母さんがちょっと宥めるとすぐに泣き止むんだ」


?「悔しい......けれど幸せな気持ちでいっぱいだった」


?「ああ、この子を沢山幸せにしよう」


?「涙の数の倍は幸せの数をつくってやろう」


?「泣きながら何度も心に誓ったんだ。今でも覚えている」


?「そして、その子が誰よりも幸せになるように願いを込めて名前を授けた」


?「そんな子が、その思いを超えて『皆を幸せにしたい』と言い出すなんて......こんなに嬉しいことは無いよ」

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月20日 (水) 01:02:56   ID: S:gUKr66

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2 :  MilitaryGirl   2022年04月20日 (水) 02:47:55   ID: S:S1C26F

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3 :  MilitaryGirl   2022年04月20日 (水) 23:03:55   ID: S:ZsbkGk

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4 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 01:19:18   ID: S:YxSn6r

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