【超能力バトル】女「女子校戦争…?」【安価】 (606)

女「……あれ」

 いきなりで申し訳ないと思うけど。

 ふと目が覚めたら私には記憶が無かった。
 もっと正確に言えば『思い出』が無かった。

女「え」

 言葉は話せる。
 日本語は解せる。
 体が動かせる。
 呼吸も出来る。

 私は人間。
 私は女性。

 でも、私はだれ?
 でも、ここはどこ?

 ……これは俗にいう記憶喪失、という奴なのだろうか。
 あまりにも唐突すぎて、実感がわかない。

女「ええー……痛ッ……」

 後頭部に頭痛が走る。
 何事か、と痛む部分を触ってみると、何やら大きなたんこぶが出来ていた。

女「……頭を打って、記憶が無くなったってこと……?」

 そんな馬鹿な。衝撃を与えたらセーブデータが飛んでしまう昔のカセットゲームじゃあるまいし。

女「……なんか、身分証明書みたいなのないかな……」

 とりあえず、自分に関する手がかりでもないかとポケットをまさぐると、手帳のようなものを発見。
 どうやらそれは学生手帳のようだ。顔写真と共に名前が記入されている。

 そこに記されていた名前は…。

 >>2 苗字

 >>3 名前

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420632174

猿宇宙

流郷 りゅうごう


  さるぞら  りゅうごう
『 猿 宇 宙  流 郷 』

 それが私の名前なのだろうか?
 何やら凄まじい名前だ。もうなんというか、凄まじいという言葉以外見当たらない。

 およそ女性につける名前ではない。
 どことなく小宇宙を燃やしそう。

琉郷「……まあいいや。とりあえず、私は猿宇宙琉郷ってことにしよう」

 顔写真があるので、鏡か何かで私の顔を確認すれば私がこの生徒手帳の持ち主であると証明出来るだろう。
 ……少しだけ、私の顔がこの顔写真と同じ顔でないことを祈る。猿宇宙琉郷は、女としてちょっとな……。

 さて、手がかりも得たことだし、一先ず私のやることは鏡を探すことだ。
 私の顔が反射すればいっそガラスでもいい。

琉郷「……ここには、ガラスも鏡もないか」

 くるり、と辺りを見渡すが、目的の物は確認できない。

琉郷「それにしてもここ……『屋上』なのかな?」

 上を仰げば広大なる空が広がって。
 地面は無機質なコンクリートの塊で。
 周囲には落下防止らしきフェンス。

 おそらく、屋上に違いない。

 何かの巨大な施設の、屋上だ。

 フェンスの近くに擦り寄って、下を覗く。
 大きなグラウンドがあった。楽しそうなプールがあった。
 偉そうな銅像があった。新しそうなコートがあった。

 他にも何やら、色々あった。

琉郷「……ここ、学校?」

 私の空っぽの頭にかすかに残る知識が、その大きな施設が学校であるということを導きだした。
 私がこの学生手帳の持ち主だとしたら、おそらくここは私の母校ということになるのだろうか。

琉郷「でも誰もいないな」

 まだ日は落ちていないというのに人の気配がしない。
 もしかしたら今日は休校なのかも知れない。

 だとしたら、休校中の学校の屋上で記憶喪失になっている私は一体、何?

琉郷「……とりあえず鏡探そ」

 私は屋上の出口に足を向ける。
 そしてとある違和感に気づき、足を止めた。

琉郷「……ガラス、割れてる」

 出入口の扉に備え付けられている小さなガラスが、粉々に割れていた。
 これでは、私の顔を反射することは難しいだろう。

琉郷「うーん」

 どことなく作為的な何かを感じつつも仕方ないので扉を開けた。
 中には下に続く階段。電灯がついていないのか、薄暗く不気味だ。

琉郷「……」

 普通の女の子ならここで恐怖の1つや2つでも感じるのだろうが、何故か私は怖くなかった。
 記憶を失っているからか、それとも――。

琉郷「……鏡よ、鏡よ、鏡さん。世界で一番美しいのはだぁ~れ」

 鼻歌混じりで階段を降る。
 これから私はどうなるのだろうか。
 せめて、少しでも記憶が戻るといいのだが。

 ↓2 琉郷が向かった場所は?(学校に関する場所限定)

理科室

 階段を降りた先には、当然というべきだが廊下があった。
 さらに当然だが、廊下にはいくつもの連なる教室が。

 間取りから考えて、やっぱりここは学校らしい。
 教室のドアの上にあるネームプレートには『理科室』や『図工室』と記されていた。



 そして、やっぱりというべきか窓ガラスは全て粉々に割れていた。


 ガラスのない枠だけが残った窓から入り込んでくる風が少し冷たい。

琉郷「変な学校だなぁ……おっ、トイレ発見」

 私の眼前に『女子トイレ』、そして『男性トイレ』と記されたネームプレート。
 トイレならば鏡の一枚や二枚あって然るべきだろう。ここまでガラスが粉々だったら、鏡も割れている気がしないでもないけど。

琉郷「さて、どっちにいくかな~」

 しばし迷って、私は男性トイレに足を踏み入れる。

 断っておくが、私は女だ。股間に余計なものはついていない。

 それでも男性トイレを選択したのは……。

 一度、男子トイレに入ってみたかったという好奇心。
 ただそれだけ。それ以外の他意はない――きっと。

 しかし、『男性トイレ』……?
 女子の方は『女子トイレ』なのに、なぜ男子のトイレは『男性トイレ』なんだ……?
 ……まあ、どうでもいいか。



 ※舞台は女子校なので男性教員用のトイレしかありません。なので少し安価変更させていただきました。

琉郷「あっ! 鏡だ!」

 男性トイレに入った瞬間、私の目に飛び込んで来たのは手洗い場にある大きな鏡。しかも割れていない。
 早速私は私の顔を確認し――。

琉郷「……ふぅ、顔写真と同じか……」

 凹んだ。

 やはり私は猿宇宙琉郷という名前のようだ。
 それは、変えようのない事実らしい。

 ……仕方ない。こればっかりは、どうしようもうない。
 親がどういうつもりでこんな名前をつけたのか今すぐとっ捕まえて聞きたいところだが、親が誰かもわからない現状ではそれも無理だ。

 猿宇宙琉郷……猿宇宙琉郷かぁ……。

琉郷「……イェーイ、猿宇宙琉郷ちゃんでーす」

 なんとなく鏡に向かってダブルピース。

 心中に雪崩れ込む虚無感。

 はぁ……名前も分かったし、次はどうするべきか……。

 と、考えた瞬間だった。

「……おーい、そこに誰かいるのかー」

 トイレの外から声がする。
 人の声だ。わりと甲高い声なので、女性だろうか。
 私はすぐにトイレを出て、声の主を確認する――。

↓1 声の主は? 次のテンプレートを使ってください。

【一人目の女生徒】
名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

名前『山璽 照美』
容姿『 赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名透明化 』

名前『新田 朝日』
容姿『黒髪長髪 身長高め 』
性格『責任感が強い 』
能力名『千里眼 』

 声の主は、やっぱり女の子だった。
 髪の毛が血のように赤く、羨ましくなるようなスレンダーな体型の女の子。結構――いや、かなり可愛い。

琉郷「あっ、あの……こんにちは」

 とりあえず、挨拶をしてみた。

照美「――琉……郷……?」

 すると彼女はぷるぷると小さく震えだし、絞りだすように私の名前を言う。

照美「琉郷じゃない! わぁ! 無事だったんだ! 琉郷――!」

琉郷「わわっ、ちょっと――!? だ、誰ですかあなた?」

照美「酷っ!? 忘れちゃったの、私のことを!? 照美だよ! 山璽(さんじ)照美(てるみ)!」

 山璽? 私の苗字ほどでもないが、この子も珍しい名字だ。
 まあ名前は私と違ってまともだが。

照美「うわー傷つくなー。冗談だとしても傷つくなー。私達親友だったのになー」

 ぶつぶつと嫌味を言われてジド目で睨まれた。
 しかしその仕草は可愛いもので、可愛い子は何をしても可愛いのだろう。

琉郷「あー……ごめんね? 私ちょっと記憶喪失でさー」

 一方的に彼女のことを忘れてしまった罪悪感をちょっぴり感じつつ、そうフランクに返してみる。
 少し、いやかなり頭がおかしい人みたいになってしまった。

 私ちょっとカゼ気味でさー、みたいな感じのノリにしてみたのだが。
 けれども実際に記憶喪失なのだから仕方ない。こうして私の親友だという彼女と相対してみても、私は彼女のことを欠片も思いだせないのだから。

照美「そっか、記憶喪失か! なら仕方ないねー」

 と、さらっとその衝撃の事実を受け止める彼女。
 嘘ォ? どんだけさっぱりした子なんだ、この子。

照美「それにしても記憶喪失かー。まっ、あれだけのことがあったんだから、記憶喪失になってもおかしくないかぁ」

琉郷「……あれだけのこと?」

照美「――ねぇ、冗談じゃないの? まさか、本当に記憶がない?」

 ジッ、と急に真剣な眼差しで照美は私を見つめる。
 その眼に、何か冷たいものを感じながら、私は答えた。

琉郷「う、うん。照美には悪いんだけどさ……何も思い出せないの」

照美「――そっか」

琉郷「ねぇ、照美が私に関して知ってること、教えてくれない? 私、このままだと家にも帰れないし病院にも行けないからさ」

照美「……うーん」

 なぜ悩む、親友(自称)よ。

照美「……そんこと聞いても、意味ないと思うんだよねぇー」

琉郷「え、なんで?」

照美「それはね」





照美「琉郷は今から私に殺されるからだよ」




 ぺろっ、と可愛く舌を出しながら。
 彼女は何かをスローイングするような仕草をする。
 彼女の手には何もない。何かを掴んでいるような仕草はしているが、何も持っていないのに。

 それでも彼女はなにかを投げる真似をした。
 大きく振りかぶり、私に向かってスローイング。





 ザクッ、と響く鈍い音。





琉郷「――ぇ」

 ゆっくりと、下をみる。
 私の胸には、何故か包丁が生えていた。
 一般家庭でもよく使われる、尖った万能包丁。

 じわり、私の服が赤く染まっていく――。

琉郷「――ぅ、うあああああああああああああああああああああぁ!?」

 叫ぶ。

 とっさに包丁を手ではねのける。

 痛い。

 焼けつくような痛みが胸に走る。
 痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い! 痛いいいぃ!

照美「あれー? おかしいなぁー。結構思いっきり投げたんだけど、刺さりが浅い……」

 その時は痛みで気づく余地もなかったけれど、私の胸には生徒手帳が入っていた。
 偶然にもそれなりの厚みがある生徒手帳が緩和剤の役目を果たし、包丁の投擲から致命傷を避けたのだということに気づくのは、大分あとに生徒手帳の傷を見てからだ。

照美「んー……まっ、いっか」

 こんな時でも彼女はさっぱりしていた。
 さながら新聞紙で叩いたゴキブリが、奇跡的にも潰れず必死で逃げ出そうとしているのを眺めるように。

照美「別に、死ぬまでやればいいしね」

 再び彼女はなにかを振りかぶる。
 やっぱり手には何も持ってない。何かを持っている仕草はしていても、私には何も持っていないようにしか『見えない』。

琉郷「ひっ――!」

 咄嗟に、私は身を翻す。
 私は運動神経が良かったのか悪かったのか、記憶がないのでなんとも言えないが、その場に限っては素晴らしい動きができたといえよう。

 ザクザクザク、と私の元居た場所に、先ほどと同じく唐突に出現する万能包丁。
 逃げるのがあと一歩でも遅かったら、私の体は穴だらけだらけになるところだった。

照美「もう! 逃げないでよ琉郷! ちゃんと当たって」

 冗談じゃない――!

 なにこれ?

 なんかの手品?

 それとも変な悪夢?

 でも痛みは現実だ。

 胸に流れる血潮はリアルだ。

 ぐるぐると頭の中が混乱する。

 息が粗い。

 上手く呼吸が出来ない。

 どうする、どうする私――!?

 決まっている。

 逃げろ。

 逃げろ、逃げろ、逃げろ!

 ↓1 どこへ逃げる? (学校内限定) 

 私は逃げた。

 脱兎のごとく逃げた。

照美「待てー! 逃げないでよ琉郷ー!」

 それでも彼女は追ってくる。

 時折、風切音と共に見えない何かが私を狙う。

 飛んでくるのは包丁だけじゃない。

 鋭利なカッターが飛んでくることもあれば、コンパスだって飛んでくる。
 とにかく、当たれば痛そうな物が次々と間髪入れず飛んでくる。

 肩を裂く。
 太ももが切れる。
 頬を掠める。

 それでも私は生きていた。
 胸に手を押し当てて流れ出る血を止めながら。

 死にたくないから、生き延びた。

 怖い、痛い。助けて、誰か助けて――!
 すると私の眼に飛び込んできたのは『職員室』とネームプレートが書かれていた扉が。

 職員室……職員室なら、誰か居るかも知れない!

 ドアを開ける、そして叫んだ。

「誰か! 誰か居ませんかああああぁ!」

 しかし、現実は無情。
 職員室には誰もいない。
 この悪夢から私を救ってくれる人は、誰もいない。

琉郷「そん……なっ……っ!?」

 そして私は気づく。
 自ら墓穴を掘ったことを。

照美「琉ぅー郷ぉー……もう逃げられないぞー」

 そう、私は自ら袋小路に入ってしまったのだ。
 今の職員室は逃げ場のない、絶好の狩場。

 ――殺される。

 間違いなく――殺される。

 恐怖でガチガチと歯が震える。
 きっと涙も流れていただろう。

照美「あはっ、琉郷ったらそんなに怯えて……可愛いー」

琉郷「う、うう……」

 もう、駄目なの……?

琉郷「↓1」

↓2 琉郷はなんと言った?

負けない!

いや、やめて、殺さないで…

すいませんミスです。
↓2が正しいので>>28となります

琉郷「いや、やめて、殺さないで…」

 絶望の縁に追いやられた私が必死で絞り出した言葉は、命乞いだった。
 命乞い。心の底から、死にたくない。そう思ったからこそ、不様でも、醜くても。

 私は、私を殺そうとしている相手に助けを求めた。

照美「……」

琉郷「助けて……」

照美「ぷっ……ふふっ! あはははは! い、命乞いって! あはっ! あはははは!」

照美「あ、あのりゅ、琉郷が『殺さないで』!? 『助けて』!? あははははははははは!」

 笑う。照美は笑う。
 不様な私を、嘲笑う。

 別に笑われても構わなかった。
 死にたくない。死にたくないから。殺されたくない……。

 自分が何者かもわからないまま……死にたくないよ……。

照美「はっー。記憶喪失になると性格までこんなに変わるものなの?」

照美「……ぷぷっ。いいよ」

琉郷「――え?」

照美「だから、助けてあげるね」

琉郷「ほ、本当!?」

 命乞いが通じたのか、照美は私のことを殺すのを諦めてくれたらしい。
 くすくすと目元に涙を流すほど、私の醜態は彼女の機嫌をよくしたようだ。

 助かる……?

 本当に、助かるの……?

照美「たーだーし、↓2をしてくれたらね」

↓2 照美は琉郷に何を要求した?

強敵討伐の協力

照美「他の『生徒』を殺してくれたらね」

 ……今、照美はなんと言ったのだろうか。
 殺してくれたら? 他の生徒を……?

 私を殺さない代わりに、私が他の人間を。



 殺す?



照美「あっ、別にみんな殺せなんてさすがに言わないよ?」

照美「私と能力の相性が1人すこぶる悪い奴がいてさー」

照美「そいつを殺してくれたら、琉郷を殺さないであげる」

 にこり、と照美は微笑んだ。
 客観的にみれば、まるで天使の笑顔と言わぬばかりの微笑みだっただろう。

 でも私には、悪魔の笑みにしか思えなかった。
 交換条件が悪魔そのものだ。

照美「どうする? ここで私に殺されるか、他の人間を殺してでも生き延びるか」

照美「選ばせてあげるね」

琉郷「……」

照美「……ねぇ琉郷。私達が親友だったって言ったけど、あれ、嘘じゃないんだよ?」

 嘘だよ。

照美「一緒にプリクラ取るし、カラオケに行くし、マックで駄弁ったりもするし」

 そんな記憶ないよ。

照美「――琉郷を殺さなくて済むなら、本当は殺したくないんだよ?」

 だったら最初から殺そうなんてしないでよ。

照美「でも、琉郷がこの『戦争』で誰かに殺されるくらいなら、私が殺してあげたかっただけでさ」

 怖いよ。

照美「一緒にあいつ殺そ? 大丈夫、私も手伝うし、うまく行ったら琉郷の記憶のことなんとかしてあげるし」

 ……。

照美「――ねっ。お願い、琉郷」

琉郷「……↓2」


 ↓2 どうする?

了承したふりをして後でこいつが殺そうとしてる人と手を組もう

断る

琉郷「……わかった。殺すよ」

照美「本当!? やったー!」

琉郷「その代わり、助けてね……? 私の、命だけは……」

照美「うん、うん! 大丈夫、約束するよ! いやぁ、琉郷が一緒だと心強いなー」

照美「これからよろしくね、琉郷っ!」

琉郷「……うん」

 勿論、それは嘘。
 照美は、危険過ぎる。
 最初に私を問答無用で殺そうとした相手をどう信じろというんだ。

 とりあえずここは取引に応じた振りをして、照美が殺そうとしてる相手に接触する。
 そしてあわよくば手を組むんだ。こんな状況でその相手も手を組むぬ足りる人なのかはわからないけど。

 それでも、照美よりははるかにましなはずだ。

 嘘をついてでも、私は生き延びたい――。

照美「あっ、でもね琉郷」











照美「裏切ったら、殺すから」







 


 体の芯から、怖気が走った。
 少しだけ収まっていた体の震えが再び大きく動き出す。

琉郷「……うん」

照美「あはっ。じゃ、早速その殺す相手なんだけど……」

↓2

【2人目の女生徒】
名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

名前『本堂綾乃』
容姿『長い黒髪 鋭い目つき』
性格『冷静 やや辛辣』 能力名『自分に触れた物質の形状を変えれる』

名前 『天野聡子』
容姿 『紫の短髪 女騎士の格好をしている』
性格 『正義感が強く、優しい』
能力名 『戦乙女(ヴァルキリー) 銀の鎧 光の剣 天使の翼を持つヴァルキリーに変身出来る』

照美「鷹司琴音(たかつかさ ことね)、それが殺して欲しい相手」

照美「おっとり系の腹黒美人って感じの子なんだけねー、記憶ある?」

琉郷「……ううん、ないよ」

照美「あははっ、そりゃそうだよね。むしろ私の記憶がないのにあいつの記憶があったらショックだよ!」

琉郷「……」

照美「あいつの能力は『幻覚』。これがちょぃっと厄介なんだよねぇ」

琉郷「幻覚……?」

照美「あっ、それともうわかってると思うけど私のは『透明にする』って能力だから」

 幻覚に透明?
 なんだそれ……まるで出来の悪いアニメかなにかだ。
 一体、この学校で何が起きてるっていうの……?

照美「じゃ、早速殺しにいこー! ……っていいたいところだけど、今のままじゃ100%琉郷があいつに殺されるだけだし」

照美「その前に、琉郷の能力を思い出させなきゃね」

琉郷「私の……能力?」

照美「そ。琉郷の能力――その名も↓1」

↓1 琉郷の能力名(強力すぎる能力には少し制約がかかります)

照美「リミッター解除!」

琉郷「……りみったー、かいじょ……?」

照美「うん、まさに琉郷にぴったりの能力だよねー」

 リミッター解除?
 リミッター解除って、なに?
 どこかで聞いたことがある気がするけれど…。

照美「さっ、ここじゃ誰かが来るかも知れないし、私の隠れ家で早速特訓だ」

照美「琉郷の傷の手当もしないといけないしね」

照美「いこっ、琉郷」

 すっと照美が手を私に差し出す。
 恐る恐る私はその手をとって、立ち上がった。

照美「ふんふふ~ん」

琉郷「……」

 これから何が起こるのかはわからない。
 それでも、私の願いは1つだ。

 殺されかけて、死にかけて。

 心の底から願ったこと。

 『死にたくない』

 それだけが、記憶すらなくした今の私に残る最後の理念だった。





照美(……それにしても、琉郷が琴音を殺すことを選択するなんてねぇ)

照美(さっきの命乞いといい、記憶がなくなるとここまで変わるんだねぇ)

照美(だって琴音は、琉郷の――)


↓1 鷹司琴音は琉郷とどんな関係?

姉妹


照美(血をわけた姉妹、なんだけどねぇー……あははっ!)

照美(あー、あの仲睦まじい姉妹が殺しあうなんて)






照美(――超最高っ)







  

本日ここまでです。
能力に関しては能力名から感じ取れる能力を自分のさじ加減で扱っていくので「考えてたのと違う!」ってこともあると思いますがご了承ください。ありがとうございました

乙でした
もう一人は普通の名前なのに…

照美「――あとは包帯で固めてっと……はい、完成」

 あれから私達は照美の隠れ家とやらへ移動し、手当を受けた。
 手当と言っても消毒液をかけた湿布を張り包帯でキツく巻かれただけだけど。

琉郷「ありがとう……」

照美「どういたしまして」

琉郷「でもここ、家庭科室だよね? なんでこんなとろこに包帯が……」

 そう、彼女の隠れ家というのはなんと家庭科室だったのだ。
 家庭科室の中は生活臭溢れるものからよくわからないたくさんのもので散乱としていて、グチャグチャだ。

照美「そりゃ、保健室からかっぱらって来たからだよ」

琉郷「保健室から……?」

照美「でも、すでに保健室は他の生徒の隠れ家になってるからさ」

照美「もう傷の手当が出来るのはこれが最後。もしも次に怪我をしたら保健室の生徒を殺して手に入れるしかないねー」

琉郷「……」

 頭が痛い。なんで照美は思考が誰かを[ピーーー]ことに全振りされているのだろうか。
 この子には善悪の区別がないのか? 命を奪うことの罪悪感がないのか?

 ……何か、聞いてみるか。
 私のこととか、照美のこととか、今のあまりにも物騒な状況とか……。

↓1~3 照美に質問する内容は?

何人ぐらい校内にいるのか?

琉郷「ねぇ、なんで私って記憶喪失になってるの? 最初に会ったとき、何か知ってる素振りだったけど」

照美「……琉郷は戦ったんだよ。『生徒会長』とね」

照美「私も実際に見たわけじゃないから、詳しくはわかんないんだけど」

琉郷「生徒会長と、私が戦った…?」

 つまりそれは、私と生徒会長が超能力で殺しあった、ということだろうか。

照美「なんでも凄い戦いだったらしいから、その時のショックで記憶が無くなったんじゃないかな?」

琉郷「……その時の戦いで負けたの? 私」

照美「だから私は見てないからわかんないんだって。人づてで聞いただけだから」

照美「でも凄いよ、あの生徒会長と戦って生き残ってるんだから」

照美「さすが琉郷だねー」

 どうやら私の記憶喪失は生徒会長という人が関連しているようだ。
 いずれ出会う時が来たら、話を聞いてみなきゃ……。
 

琉郷「……私達っていつ以来会ってなかったの? その生徒会長との戦い以来? それっていつ?」

照美「3日くらいかな? 今この学校で3日も音沙汰がないのなんて死んでるのと同じことだから」

照美「てっきり生徒会長に殺されたものだとばっかり思っててさ」

照美「男子トイレで琉郷を見つけた時、本当にびっくりしたよ。真っ先に足が透けてないか確認したもん」

琉郷「3日……」

 短いようで長い時間だ。
 ということは、私は三日間も屋上で気絶していたのだろうか。
 照美のような危険人物がうろついてるこの学校で、3日も?
 ……それはあまりに不自然だろう。

琉郷「……照美、私達はいったい何をしているの? この学校で何が起きたの?」

琉郷「……この学校に、あと何人いるの?」

照美「私達は戦争をしているのよ。この学校で何が起きたか、それは話すと長くなるわねー」

照美「あと残ってるのは十数人くらいじゃないかな? 正確な数はちょっとわかんない」

照美「酷いもんよねー。当初は500人近く居た生徒が、もう400人以上死んでるんだからさ」

 あいも変わらず、さらっと照美は恐ろしいことを私に告げる。

琉郷「……し、死んだの? 殺しあって? 400人が?」

照美「殺しあって死んだのはもっと少ないよ。400人の半分以上は、初日に最初から『死んでた』もん」

琉郷「……」

 絶句。

 それ以外の反応が出来なかった。

 それ以外にどう反応しろというのか。

照美「正直、私にも何がなんだかわかんないよね」

照美「なんでこの間まで意気揚々と普通の青春を謳歌してた私達女子高生がこんな殺し合いしてるかなんて」

照美「でもね、琉郷。あなたが記憶を失う前にも言ったけど……」



照美「私は殺されるくらいなら殺す方を選ぶ」


照美「それだけだよ」

琉郷「そ、それだけって……そんなの、そんなのおかしいよ」

照美「別に、何もおかしくないでしょ? ここではそれがルールだよ」

照美「殺られる前に殺れ。郷に入っては郷に従えってね」

照美「日本じゃ馴染みがないけど、戦地で生きている人達にとっては当然じゃん」

琉郷「……教えて、照美。私は、記憶を失う前の私は……選んだの?」

琉郷「私も……殺されるくらいなら、殺す方を……選んだの?」

照美「それは――」



 リンリンリンリン――。



照美「っ!? ちっ、来たか――!」

 突如、家庭科室に鳴り響いたのは鈴の音だった。
 リンリンリンと激しく、耳に届く綺麗な音。

照美「琉郷! この音は他の生徒がトラップに引っかかった音なの! 誰かがここへ攻めてきたんだ!」

琉郷「て、敵ってこと――!?」

照美「もうっ、タイミング最悪! 琉郷はまだ能力の使い方も知らないのにっ……!」

 そういいながら、照美は焦りの混じった不機嫌な表情を浮かべ、家庭科室のドアへ手をかけた。
 そのまま顔の半分を廊下へ覗かせて――。

照美「――嘘でしょ? よりによって>>↓1っ」

 敵の正体を、認識する――。

 ↓1 襲撃を仕掛けて来た生徒は?

 【3人目の女生徒】
名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

名前『安藤 幸子』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『(おっぱいミサイル)

名前『黒峰 透子』
容姿『長身痩躰で眼光鋭い。長い黒髪を後ろで三つ編みにしている』
性格『無口かつ冷静。実は人見知りな陸上部』
能力名『身体強化』

名前『赤崎 寝子』
容姿『縦ロールの金髪とぐるぐる眼』
性格『超ビビリのお調子者』
能力名『幽体化』

申し訳ありませんが能力名『(おっぱいミサイル)』の能力が全く想像出来なかったので能力だけ最安価でお願いします。
↓1

>>75

おっぱいミサイルは駄目か、

3人目を下3と間違えたがまたチャンスが来たと思ったら最安価が能力だけだった
もうダメだ

おっぱいからミサイルが飛ぶはず無いから…。
おっぱいビームなら良かったな!

照美「琉郷! 逃げるわよ! 急いで!」

琉郷「えっ。逃げるの……?」

 知り合って間もないが、てっきり照美なら迷わず『殺すわよ!』とでもいいそうなのに。

照美「殺せるものなら殺したいけどねっ……!」

照美「今のあいつは殺せない! なんたって――!」

 照美に手を引かれて、私達は廊下へと飛び出て、一目散に逃げ出した。
 逃げ出す前に、照美が見ていた方向をチラリと覗き見る。



 そして私は、本日何度目かもわからない絶句を経験する。



幸子『――見つけましたよ、照美さん』



 巨乳の長い黒髪を靡かせる可憐な少女が、半透明で空を翔んでいたのだから。



照美「今のあいつは、幽体なんだから!」

 ゆ、幽霊――!?

照美「はっはっはっ……」

琉郷「はぁ、はぁ、はぁ……」

 あれからどれだけ走っただろうか。
 私達は校舍を出て、グラウンドの傍にある用具室の近くへ逃げ延びていた。
 途中まで安藤幸子の幽体とやらが追いかけていたが、動きはそれなりに遅く、なんとか巻くことが出来たのだが……。

照美「最近大人しかったから死んだと思ってたけど、まだ生きていたとはね……」

照美「さすが『ゴースト』とアダ名をつけられた女だけのことはあるわ」

照美「いつまでも現世を彷徨ってんじゃねーっての」

琉郷「な、なんなのあれ? 空を飛んでたよ? 半透明だったよ? 幽体ってなに? 幽霊ってこと――!?」

照美「落ち着いて、琉郷。幽霊と幽体は違うから。幽霊は完全に死んだ奴のお化けで、幽体は生きてる奴の幽霊……生霊ってやつかな」

琉郷「い、生霊……」

 あれが生霊という奴なのか。
 知識としては知っていたけど、見たのは生まれてはじめてだ。
 絶賛記憶喪失中だから、本当は目撃したことがあったのかも知れないけれど。

照美「幸子とはちょっとした縁があってねー。前から殺したい奴筆頭候補だったんだけど……」

照美「幽体をいくら潰しても、本体に全くダメージがないみたいなの」

照美「あいつを殺すには、本体を直接仕留めないと駄目らしい……本体がどこにあるかわからない以上、逃げるしかないってのが面倒くさいたらありゃしない」

 いったいどんな縁があるのか聞いてみたい所だけど、聞いたら聞いたで後悔しそうだから、止めた。

琉郷「……で、でも生霊ってそこまで強そうなイメージないんだけど? 半透明だったし」

照美「半透明でも私達の首を締めることくらいは出来るのよ?」

照美「さっき私のトラップがなってたでしょ? うざいことにあの幽体って質量があるのよ」

照美「だから一応、幽体は物理で倒せるわ」

 物理法則もあったもんじゃねーな。

照美「……でも、あの幽体の一番厄介なところは――」



『いくらでも増やせる、ということですよ』



照美「っ!?」

 耳に直接語りかけてくるように、安藤幸子の声がする。
 はっと気付いた時には、すでに私達は囲まれていた。



 無数の、安藤幸子に。



 数十にも及ぶ同じ作りをした顔が、地面からにょっきりと生えていた。

 数十にも及ぶ半透明の人間が、悠々と空を泳いでいた。

 合計で何人いるのかも数え切れない安藤幸子が、私達を完全に包囲している――。


照美「……ちょっと幸子、いつのまにこんなに増やせるようになったのよ」

照美「私、あんたとはしょっちゅ殺し合う仲だけど、こんな大人数の幽体を生み出せるなんて知らなかったよ?」

幸子『人は成長するものでしょう、照美さん?』

幸子『たとえ歩くような速さでも、人は前に進むのですよ』

照美「……半分死んでるような人間がほざいてんじゃねー……」

 ギリリッ、と照美が歯を喰いしめた。
 彼女の涼しい口ぶりとは裏腹に、その表情は重く硬い。
 あの照美が……明らかに危機を感じているのだ。

幸子『ところで――照美さんの横にいる方は……ひょっとして猿宇宙さんでは?』

琉郷「あっ。初めまして、安藤さん」

 完全に蚊帳の外だった私に、安藤幸子は語りかけた。
 どうやら彼女もまた私の知り合いだったらしい。

幸子『初めまして、ではないのですが……ご無事でいらしたんですね』

幸子『最近、お見かけしなかったものですからもうてっきり死ん……私の上位互換になったものとばかり』

 そこまで言ったらもう素直に死んでたと思ってましたでいいだろう。
 なんだ、上位互換って。幽霊ってことか。

照美「ところがどっこいよ。琉郷がそんな簡単に死ぬわけないじゃない?」

照美「琉郷は私と組んで、もう一度この戦争の覇者になる為に動き出したってことよ」

 確かに照美と取引はしたが、決してそんな内容ではなかったはずだ。
 勝手に取引が捏造されている……。

幸子『あらあらまあまあ……猿宇宙さん、照美さんと組んでも最後は裏切られて捨てられるだけですよ?』

 きっぱり安藤さんはそう断言した。
 確かに私もそう思う。今はこうして私を助けてはくれているが、最後には確実に裏切る予感しかしない。

照美「酷くない!?」

幸子『あっ、そうだ! 照美さんなんかと組むよりも、私と組みませんか?』

 ――え?

幸子『私と猿宇宙さんが組めば無敵です!』

幸子『きっとこの戦争を勝ち抜けますわ』

幸子『そうですそれがいいですそうしましょう!』

 キャッキャッと手を豊満な胸元の前で合わせながら、安藤さんはぴょんぴょんと嬉しそうに体を揺らす。
 そこにいた無数の安藤さん全員が同じ仕草をするので、1人を見る分には可愛らしい仕草ではあるのだが、これだけ大軍だとちょっと気持ち悪かった。

照美「はぁ!? ちょっ、何を琉郷に吹き込んでるわけ!?」

照美「琉郷は私の親友なんだけど!?」

 自称、ではあるが。

照美「琉郷! 騙されちゃ駄目だよ! こいつ言葉使いは丁寧だけど本当は悪どい奴なんだから!」

照美「かなりわがままなんだよ、こいつ!」

幸子『御無体な。仮に私が悪どかったとしても、照美さんよりは遥に遥に遥にまともですわ』

照美「琉郷! 私と組むよね!?」

幸子「猿宇宙さん、是非私と照美さんをやっつけましょう!」

 ――ど、どうする?

 仮に照美とこのまま関係を継続して安藤さんを退けても、私は人を1人殺さねばならない。
 そうしなければ照美に裏切り者と判断されて殺されるのだ。

 でも安藤さんと組むのもどうなのだ?
 一見、確かに第一印象としては安藤さんと組んだ方がマシに思えるが……。

ま、まともな奴がいない気が…
多少はマシかなぁ?


 でも、ここで安藤さんと組むと言ったら私は照美に殺されるだろう。
 そもそも、組むといっても本当に安藤さんが私と組みたいと思っている確証はない。
 ここで強力して照美を倒したとしても、そのあとで裏切られるかもしれない。

 ――というか、ここで照美を倒せたとしても……。



 安藤さんは、照美をそのまま殺すのではないか?



 照美は確かに危険人物だ。

 私が用済みになったらら私はあっけなく照美に殺されるかもしれない。

 でも――。

 初対面で殺されかけたからって。

 命乞いまでした相手だからって……。



照美『だから、助けてあげるね』

照美『これからよろしくね、琉郷っ!』

照美『――あとは包帯で固めてっと……はい、完成』

照美『琉郷! 逃げるわよ! 急いで!』




照美『――琉郷を殺さなくて済むなら、本当は殺したくないんだよ?』



 助けて、貰った。


 私は……私は……。


↓2 琉郷はどうする?

琉郷「……ごめん、安藤さん」

琉郷「私と最初に出会ってたのが安藤さんだったら、私は安藤さんと組んだのかも知れないけど」

琉郷「……最初に出会ったのは、照美だったから」

琉郷「照美を……裏切れないよ」

幸子『――』

照美「……琉、郷……」

 それに、裏切ったら今すぐ、真っ先に殺されそうだしね……。
 あははは、という私の乾いた笑いが口から漏れる。

幸子『残念、ですわ……猿宇宙さん』

幸子『ならばこの場にて、お二人とも葬らせていただくとしましょう』



幸子『――お悔やみ申し上げます』

巨乳よりスレンダー派ゆえ…!


 瞬時、安藤さんが動き出す。

 空から無数の安藤さんが。

 地面から無数の安藤さんが。

 360度、全方位から無数の安藤さんが私達に向かって、突撃し――。



 まるで風船のように、『弾けた』。



幸子『っ!』

琉郷「!?」

 驚愕の表情を浮かべた私と安藤さん。

照美「……記憶なくして性格がまるっきり変わっても、そういうところは琉郷らしいよね」

 そんな私達を尻目に、ニィっと唇を釣り上げたのは照美だった。

照美「やっぱ私、あんたのそういうとこ好きだわ」


照美「殺したいくらいに、大好きってねー」

 いっ、いったい……。

幸子『何が起きて――!?』

照美「まさか私を追い詰めた、とか思ってたの? 幸子ちゃ~ん?」

 笑う。

照美「この私がさ……何の考えも無しに逃げてたと思ったの?」

 照美が嘲笑う。

照美「なわけないでしょ」

 ぱちん、と照美が指を滑らし、フィンガースナップを鳴らすと――。

幸子『……透明化、能力っ!』

 私と照美の周囲に、無数のワイヤーらしきものが張り巡らされていた。
 まるで蜘蛛の巣のようでありながら、私達を守る要塞のようだった。

かっこいい

照美「勿論、用意してるのはこれだけじゃない」

 ぱちん、と再び逆手でフィンガースナップ。
 再び無色透明の虚空の中から現れたのは――。

琉郷「ぴ――ピッチングマシン?」

 数基のピッチングマシンだ。
 多くの人がご存知だとは思う。機械で自動にボールを飛ばすあれだ。
 そのピッチングマシンはいずれもかなり大型で、見るからに力強い投球を吐き出しそうで――。

照美「これ、ちょっと中身いじってあって、市販のものよりかなりの速度で打ち出せるのよねー」

照美「まっ、とはいえ球速はたかだか200キロくらいよ」

照美「人間にあたっても、当たりどころが悪かったら精々死ぬくらいで済む程度ね」

幸子『――!』

照美「ふぁいやー」

 バスンッ――バスン、バスンバスンバスンバスンバスンバスン!

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!

 モーターが狂ったような唸り声を上げる。
 ベルトが狂ったように高速で回転し球を打ち出す。


幸子『くっ!』

 いくつかの球はワイヤーで跳ね上がり、不規則に飛んで行く。
 その不規則に飛んだ球に球が当たって、軌道がはちゃめちゃに乱れ狂う。

 直撃する。直撃する。直撃する。
 割れる、割れる、割れる。幽体が次々と消えていく。

幸子『……ふっ、ふんっ。それがどうしましたか?』

幸子『確かに、この用意周到さには多少面くらいましたが、それだけです』

幸子『こんなもの、いづれ球が尽きますし、ワイヤーの結界もこうして透明化が晴れた今、落ち着いて掻い潜れば済むことなのですよ』

照美「そりゃ、そうでしょうよ」

照美「こうしていくら幽体を潰したところで、あんたにダメージはないんだからね」

幸子『ええ、その通りですよ。私の本体が無事な限り、私の勝利は揺るがない――』

照美「でもさー……あんたの体」

照美「近くなんでしょ? ここの」

幸子『――――』

照美「おかしいんだよね。いくら人は成長するっていっても、いきなり能力がここまで強化されるなんて」

幸子『――』

照美「で、ふと思い出したんだけど。私達の能力って『距離』で力の強弱が変わるものがあるらしいわ」

幸子『――』

照美「標的が近ければ近いほど、使える能力が強くなる」

照美「あんたの幽体化は、そのタイプってわけだ」

幸子『――』

照美「そもそもあんたって誰かと組みたがる性格じゃないでしょ? むしろ1人の方が気楽って感じだったし」

幸子『――』

照美「琉郷を誘ったのも、本当は『逆』だったからでしょ? 私達は一見、追い詰められているように見えて――」

幸子『――』

照美「あんたの唯一の弱点である本体に接近していた。そう、追い詰められていたのは私達ではなく」

幸子『――』

照美『あんたでしょ、安藤幸子』



幸子『え? なにいってるかぜんぜんわかんないんですけど?』



 あからさまに、狼狽している……。

照美「覚悟しなさい、幸子。私から琉郷を奪おうとした罪は重いわ」

照美「――必ず、ぶち殺す」

 ビシッ、と中指をおったてながら、照美はこれでもかというしたり顔で宣言した。

 そして私は心の中で、心の底から思った。



 裏切らなくて、本当に良かったと――。

照美姉さんかっけー!!

本日おしまいです。
あそこで幸子を選んでいたらすかさずDEAD ENDでした。次回はいよいよ主人公が戦うかもしれませんのでよろしくお願いします。

乙 危ねぇ…セーフ

おっつ

現在の状況キャラ一覧

【主人公】
名前『猿宇宙 琉郷(さるそら りゅうごう)』
能力名『リミッター解除』

【1人目の女生徒】
名前『山璽 照美(さんじ てるみ)』
容姿『赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名『透明化』
主人公との関係『元親友?』

【2人目の女生徒】
名前『鷹司 琴音(たかつかさ ことね)』
容姿『ウェーブのかかった茶髪で常に笑顔』
性格『おっとりしているがたまに毒舌』
能力名『幻覚』
主人公との関係『姉妹』

【3人目の女生徒】
名前『安藤 幸子(あんどう さちこ)』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『幽体化』


※今回から好感度を導入したいと思います。
 好感度で味方になったり裏切られたりする確率変化。
 場合によっては百合百合な関係になることも…?

 コンマで初期値を決定。
 「50」が平均値で主人公との関係性は『普通』。
 50より下から嫌われ始め、50より上で好かれます。

↓1 のコンマが照美の初期好感度

↓2 のコンマが琴音の初期好感度

↓3 のコンマが幸子の初期好感度

照美
好感度75

琴音
好感度47

幸子
好感度57

照美を裏切らなかった展開の為、照美の好感度↓1アップ

↓1 01~30 +5 31~70 +10 71~98 +15 ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

幸子の提案に乗らなかった展開の為、幸子の好感度↓2ダウン

↓2 01~30 -5 31~70 -10 71~98 -15 ゾロ目 変化なし 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

照美
好感度90 『琉郷が誰かに殺されるくらいなら私が殺す、それが私の友情』

琴音
好感度47 『昔は仲睦まじい姉妹だったらしいが戦争中に何かがあった?』

幸子
好感度47 『私より照美さんを選ぶなんて酷いです』

 以上、再開。

照美好感度高いな!


 安藤さんの本体がこの近くにある……?
 照美はそう推理していたが、いったいどこにいるのだろうか。

 ここはグラウンドのすぐ近くにある用具室の傍だ。
 この近くに隠れられる場所といえば、用具室かすぐ傍の茂みが生い茂っ得いるところしかない。

照美「この場所にトラップがあることを知らなかったから、用具室って線は薄いかも知れないわねぇ?」

 となれば、どこ……?

照美「ぼやぼやしてる暇はないわよ! 一発で当てなさい!」

 え!? 私が決めるの!?


↓2 幸子の本体がありそうな場所は?

1 「用具室に違いない」

2 「茂みの中にだ!」

3 「まさかと思うけど、グラウンドの地面の中……?」


 用具室の線が薄いとなれば、答えは1つ。茂みの中だ!

照美「OK、茂みね!」

幸子『っ! させません!』

 茂みに向かって走る私達に安藤さんの幽体が迫る。
 ワイヤーを無理やり掻い潜り、ピッチングマシンの弾幕に被弾しながら、強引に。

 その内の一体が私に詰めより、半透明の青白い手が私の首を掴んだ。

琉郷「ぐぅっ――!?」

 ギチギチと締め付けられる。
 潰れたカエルのような声が漏れる。
 動脈が閉まる。意識が遠くなる――。

照美「うらぁ!」

 ザンッ、と私の首を絞めていた安藤さんの幽体に、何かが突き刺さった。

幸子『ぶっ!?』

 これは……や、槍ィ!?

照美「女子投げ槍部自慢の逸品よ――行きなさい、琉郷!」

琉郷「う、うんっ!」


 照美の助けを受けて私は茂みの中に突入し――。




 安藤さんの姿は、見つからなかった。




 嘘っ……ここじゃない!?

琉郷「て、照美! ここじゃない! 安藤さんはここにいない!」

照美「ええええええぇ!? 外してんじゃないわよ琉郷ー!」

 そんなこと言われても――!

幸子『ふふふっ、引っかかりましたね! 私の迫真の演技に!』

照美「うるさい!」

幸子『あふんっ!』

 グサッと照美の投げた万能包丁が安藤さんにぶち刺さる。
 もの凄く痛いんだよね、あれ。安藤さんにとってはノーダメージだろうけど。

照美「くっ、もう私の暗器もトラップも少ないわ! 次間違えたら終わりよ!」

 これがラストチャンスってこと――!?
 安藤さんの本体はどこにあるんだ――!



↓1 幸子の本体がありそうな場所は?

1 「用具室に違いない」

2 「まさかと思うけど、グラウンドの地面の中……?」

2


琉郷「まさかとは思うけど、グラウンドの地面の中……?」

照美「!?」

 私の発言に、照美が一瞬だけ驚いた。
 そりゃそうだよね。まさかグラウンドの地面の中にいるなんてことが。

照美「……なるほど。『そこ』にいたってことね。通りで探しても探しても見つからないわけだ」

琉郷「ご、ごめん。そんなところにいるわけ……え?」

照美「ナイス琉郷! そのぶっ飛んだ発想は大好きよ」

琉郷「……」

 何故か照美は安藤さんがグラウンドの地面の中にいると確信しだした。
 嘘ぉ。考えた本人ですらまさかのつもりで言ったのに。

照美「となればグラウンドごと掘り返す必要があるわね!」


 掘り返すってどうやって?
 ショベルカーでも透明化して隠し持ってる、ってわけでもないだろうに。

照美「琉郷! あんたがやるのよ!」

照美「このグラウンドを粉砕しなさい!」

 ――はぁ!? 無理に決まってんだろ!?

照美「『出来る』」

琉郷「……!?」

照美「琉郷なら、出来る。記憶を失う前のあんたなら、平然とやれたことだもん」

照美「今は殺れなきゃ死ぬ時だよ? 琉郷、あんた、死にたくないんでしょ?」

琉郷「……」

照美「あんたの能力は『リミッター解除』なの」

照美「体のリミッターを外すの。想像しなさい、あんたの拳がこのグラウンドを粉砕する場面を」

琉郷「この、拳で――?」

 マジマジと私は自分の手を見つめる。
 わりと華奢で、いかにも頼りないこの右手。
 この手で、こんなに広いグラウンドを……?



幸子『まずい……! 行けっ、私の幽体達!』

幸子『あの2人を呪い殺してください!』



照美「ちっ――家庭科室での話」

琉郷「っ!」

照美「私に聞いたよね? あんたは殺されるくらいなら殺す方を選んだのか」

琉郷「……」

照美「――選んだ。琉郷は、戦うことを選んだ」

照美「生き残こる為にね……さぁ、もう一度よ!」

照美「戦え! 琉郷おおおおぉ!」


 ――――。



 私は拳を振り上げる。

 想像する。

 この拳が、このグラウンドを粉砕する、その光景を。



 ――――。



 拳が熱い。
 
 体が熱い。



 ――――。




 私には――出来る。




琉郷「すぅー、はぁー」





 ――リミッター、解除。





 
 

琉郷「いっけええええええええええええええぇ!」

 自分でも信じられないくらいの力が出た。

 自分でも信じられないくらいの激痛が私の体に走った。

 それでも構わず、私は地面に拳を振り下ろし――。






 大地が、割れた。

 轟音と共に亀裂が走り。

 爆音と共に土埃が巻き上がり。


 隕石でも落ちたかのようなクレーターが出来る。

 爆弾でも爆発したかのような爆風が走る。


幸子『きゃぁ!?』

 粉塵と共に安藤さんの幽体が弾き飛ばされた。

照美「うひゃぁ!」

 照美が嬉しそうに目元を腕でガードしながら笑う。



 そして、私の中心からそれなりに近い場所、粉々になった地面の中から現れたのは。

 ブルーシートに包まれた何かと、やけに太く長い塩ビパイプ。

 まさか、あれが……。



照美「――幸子ちゃん、みぃーつけた」

幸子『そ、そんな馬鹿な――!?』

照美「なるほどなるほどー。あのパイプが呼吸管ってことか。幽体を使って埋めたわけね、わざわざブルーシートに包めてさー」

 あれが安藤さんの唯一の弱点である、本体。

幸子『ぐぅぅ……まだです! まだ私は負けてなんか……!』

照美「負けよ、あんたの」

幸子『……』

 照美の手に握られていたのは、先ほど使っていた槍なげ用の槍。
 い、いつの間に回収していたんだろう。

照美「あんたも知ってると思うけど、私は女子ソフトボール部のエース」

照美「この距離で的をまさか外すなんて、気楽なこと思わないでねぇ?」

 どうも照美はソフトボール部のエースだったらしい。
 通りであんなに物を投げるのが上手いわけだ。

幸子『こ、降参します……私の負けです』

照美「聞こえない」

幸子『私の負けです! 私の負けですぅ!』

照美「聞こえない」

幸子『お願いします! 助けてっ、やめて!』

照美「聞こえないっていってるの」

 照美が槍を構える。
 ぐっと力を込めるのが私にもわかる。

幸子『助けてっ……嫌ぁ! 死ぬのは……!』

照美「バイバイ、幸子」

幸子『嫌ああああああああああぁ!』



琉郷「……!」



↓2 琉郷はどうする?


 ――これで、いいのか?

 いくら安藤さんに殺されかけたからって。

 いくら私達が戦争をしているからって。

 ……良くない。

 人の命をこんな風に奪い合うなんて。

 絶対に間違ってる――!

琉郷「待って! 照美!」

照美「むっ?」

琉郷「待って……私が命乞いをしたら照美は助けてくれたじゃない……」

琉郷「安藤さんだって……死にたくないって……」

照美「……」

幸子『さ、猿宇宙さんっ……!』

琉郷「お願い、やめて……」

照美「……」



↓1 コンマ偶数なら幸子死亡 奇数なら幸子生存

ほい

照美「……甘い」

照美「砂糖菓子のように甘い、琉郷は」

琉郷「……」

照美「でも、その甘さが嫌いじゃないわ」

琉郷「な、ならっ!」

照美「幸子、幽体化を解きなさい」

照美「そしてブルーシートから這い出て、手を後ろで組み、地面に伏せなさい」

照美「そしたら、助けてあげる」

幸子『は、はいっ! いますぐ!』

照美「はぁ、甘い甘い」

照美「……私も、甘い」

幸子「これでいいでしょうか!」

 デーン、という擬音が背景につきそうなくらいに堂々と。
 安藤さんは後ろで手を組み、地面に伏せていた。

琉郷「……よかったね、安藤さん」

幸子「さ、猿宇宙さん、本当にありがとう……!」

幸子「私を助けてくれて……!」

照美「ちょっと! 助けたのは私なんだけど?」

幸子「照美さんもです!」

 あはは……。


 ↓1 照美の好感度変化

↓1 01~30 変わらず 31~70 +5 71~98 +10 ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

 ↓2 幸子の好感度変化

↓1 01~30 +20 31~70 +30 71~98 +40 ゾロ目 +60 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

ほい

99

ゾロ目の二連続か

チョロインだなあ…
普通に両方好感度100突破しやがった

照美
好感度90→110 『琉郷は甘いから私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね』

幸子
好感度47→107 『猿……琉郷さんは命の恩人です! 琉郷さんマジ天使!』



幸子「琉郷さん琉郷さん」ハァハァ

 な、何か安藤さんが息を上げながら私の名前を連呼している……。
 いつの間にか苗字呼びから名前呼びになってるし。

照美「たくっ……命を助けたのはいいけど、こいつどうするの?」

 どうしよう?
 幸子さんの能力は本体が無事ならほとんど無敵といっていい強力な能力の持ち主だ。
 仲間になってくれたら心強いけれど……。

琉郷「……」

 よし、仲間になって貰おう。
 味方は多い方がいいもんね。

琉郷「安藤さん、もし良かったら私達と……」





?「やっほー、なに楽しいことやってんのさ。私も混ぜてよ」





琉郷「っ!?」




 ↓2 突如現れたのは誰?

 【4人目の女生徒】
名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

とーう

名前『剣崎 結』
容姿『ちびっ子のロリ巨乳』
性格『腹黒だが小悪党っぽい』
能力名『小型化(質量は変わらない)』

名前『青木 理子』
容姿『長髪の赤髪 赤マントを付けている』
性格『お嬢様言葉を使う 記憶喪失になる前の琉郷と戦った事がありライバル視している』
能力名『パイロキネシス(発火能力)』

名前『静道院 鉄咲』
容姿『銀髪ロングのツリ目』
性格『傲慢で他人に絶対に跪かない』
能力名『鉄人』

猿……琉郷さんでふいたww

※お嬢様言葉の為台詞変更

理子「ご機嫌よう。何やらお楽しみのご様子で――私もご一緒させて頂いてよろしいでしょうか?」

照子「り、理子――!?」

幸子「青木さんっ!? な、なんで――!」

 突如現れた新手の人物。
 長髪の炎のように赤い髪。
 背中に見えるのは、まるで貴族のような高貴さ溢れでる赤マント。

理子「これはこれは。山璽様に安藤様……そして」

理子「……え? 琉、郷……様……?」

琉郷「……こんにちは……」

 この展開は、もしやまた私の知り合い……?


↓1 コンマ初期好感度

おら

ハーレム築けるな

理子
好感度73『琉郷様は良きライバルですわ』


理子「……やはり、ご存命でしたのね琉郷様」

 ぷるぷると青木理子と呼ばれた彼女の肩が震えていた。
 どうも私が生きていたのが嬉しかった様子だ。

 もしかしたら、記憶を失う前に友達だったり――。

理子「ここで会ったが100年目! やはり私達は雌雄を決する運命でしたのね!」

 しなかった。
 


 瞬時、ボウッと青木さんの周囲が燃え盛る。

 空気が、燃えている――!?

 なにこれ!? まさか彼女は炎を操る能力を――!?

照美「ぐっ! 連戦は、まずいっ――もう武器が……!」

幸子「あわわわ……!」


 2人はあからさまに弱気になっていた。
 照美はもう武器やトラップがなく、幸子さんは本体が丸見えな以上、致命的な弱点をさらけだしている。

 そして、この中で一番まずいのはむしろ私。
 さきほどのリミッター解除の後遺症がまだ残っているのか、体中が悲鳴を上げているのだ。

 実はさっきから考えないようにして、痛みから現実逃避していたが。
 実は地面を殴った拳は皮膚が避けて血まみれ。

 ああ、もう。
 ピンチの次にまたピンチで、なんとかなったと思ったらまたピンチ。

 地獄か、この学校は――!

琉郷「あ、あの……青木さん。実は私達、かーなーり、満身創痍だったりするんだけど……」

理子「それは残念でございますね、琉郷様」

理子「あなたとは万全の状況で雌雄を決したいと思いました」

琉郷「だったら――」

理子「ですが戦場においてそのような甘えは通じません」

理子「例え四肢が砕かれていようが血反吐を吐いていようが、戦場において今その瞬間こそが常にベストコンディションである」

理子「それが、この青木家次期当主――青木理子の理念ですわ」

 なんだこのバトルジャンキー。

理子「ご覚悟を、お三方」

理子「私は、誰であろうとどのような状況であろうと」

理子「手は、抜きません」

理子「この業火で――焼きつくす」

 さらに周囲の火が温度をあげる。
 ジリジリと周囲一帯の空気が焼けて、呼吸するのですら苦しくなってきた。


 どうする? どうするどうするどうする……!

照美「……琉郷、幸子。私が合図したら一斉に逃げるわよ」

幸子「え?」

琉郷「て、照美?」

照美「3人でバラバラに逃げれば、まあ2人は確実に助かるでしょ」

照美「運がよければ全員逃げ延びられる……それがこの状況で一番生存率の高い選択肢よ」

 た、確かにそうかも知れないけど……そしたら皆バラバラに……。

照美「あんたら、2人とも私に命乞いしてまで生きたいと思ってる人間でしょうが」

照美「だから……」

琉郷「……」

幸子「……」




照美「生きなさい!!!」

てるみんマジかっけー

照美姉貴まじイケメン


 迷ってる暇は無かった。
 考えてる暇も無かった。

 それでも、死にたくないと心の底から思っていることは確かだった。

 だから、私は走った。

 その言葉を合図に。

理子「逃しません!」

照美「ていっ!」

 照美が見えない何かを投げつける。
 それがなんだったのか……?

 ぼん、と破裂する音がして、一瞬で真っ赤な煙が周囲を覆い込む。
 これって、煙幕――!? そうか、発煙筒か!

理子「ごほっ、ごほっ! くっ、面妖な!」

 これなら、全員逃げられるかも知れない。

 走った。

 走った。

 全力で、走った――。




 ↓1 偶数で『照美』  奇数で『幸子』 ゾロ目で『琉郷』

どうなる


理子「この程度の煙幕――!」

 理子は、周囲の炎を爆発させた。
 温度を操作することにより、空気が高速で延焼したことによる爆破だった。

 一瞬で、煙幕が張れる。
 理子の目に写ったのは、全力で別の方向へ逃げる琉郷と幸子の姿。

 こちらを振り向くこともなく、前へ前へと全力で走っていた。
 距離はわりかし離れてしまっている。

 でも追いつけない距離じゃない。
 私の『発火能力』は距離が離れれば弱くなるタイプの能力だが、この距離ならば、二兎を追うようなことをしなければ確実に1人は――。

理子「――」

 そう、理子が考えたところで。

 ふと、気づく。

 照美が……いない?

照美「――うっらあああああぁ!」

 まさに、それは奇襲といえた。

理子「――!?」

 限界まで姿勢を低くし、視覚外からの奇襲だった。


 理子の眼前を目掛けて、槍が高速で伸び――。

理子「ぐっ――!」

 その一撃を躱せたのは、まさに奇跡的だった。
 避ける方向が違えば、間違いなく貫かれていた。

照美「外した――!」

 姿勢を崩し、地面に倒れ込む理子。
 だが理子は鮮やかな動きで受け身をとり、ぐるぐると地面を転がり、即座に立ち上がる。

理子「……驚きました」

理子「逃げたと見せかけての奇襲とは」

照美「……おしかったわねぇ。もう少しで殺せたんだけど」

理子「……にわかに、信じられませんわ」

照美「ふん、そりゃそうでしょう。この私の大胆不敵な作戦が常人に理解出来るわけがない」

理子「……そうではありません。私が驚いたのは」

理子「あなたが、自ら犠牲になることを選んだ……その一点です」

自分は透明化出来ないとは地味に不便な能力だった

照美「……」

理子「私が知っているあなたは、こういう場合、まず逃げていたでしょう」

理子「絶対的優位が確証されていない場所では戦わない」

理子「あなたはそういうスタイルの戦士です」

理子「この状況だったら、その槍を私にぶつけるのではなく仲間にぶつけて行動不能にした挙句、囮にする」

理子「そう、私が知っている山璽照美様は、そういう人間でした」

照美「あらやだ。何か誤解されてる? 私」

照美「私が逃げなかったのは、あんたごときに背を向ける必要性を感じなかったからよ」

照美「仲間を逃がす? 自ら犠牲になる?」

照美「冗談じゃない。私はそういう人間じゃない」

照美「私は――殺す側の人間だもの」

理子「……そういうことに、しておきますわ」

理子「ご安心遊ばせ。琉郷様にはこう伝えて起きましょう」

理子「山璽様は、勇敢に戦って死んでいったと」

照美「なら私は琉郷達にこう言うわ」

照美「私は勇敢に戦って、高飛車お嬢様をぶち殺したって」

理子「――さようなら、山璽様」

照美「バイバイ、理子」







照美(……おかしいなぁ)

照美(私、こういうキャラじゃなかったんだけどなー)

照美(確かに幸子辺りを囮にして逃げればよかったかなぁ)

照美(……まぁ、いっか)








 照美(琉郷は甘いから……私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね……)







  

 走って。

 走って。

 走って。

 走って――。

琉郷「もっ、もう……限っ界……」

 再び校舍の中に逃げ込んだ。
 もはや体力の限界。私はどうしようもなくなって、廊下に倒れこむ。

琉郷「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

 青木さんは、追ってきては居ないようだ。
 どうやら私は逃げ切れたらしい。

 目覚めてから、逃げてばっかりだ……。

 ……照美は逃げ切れたのだろうか?
 ……安藤さんも逃げ切れただろうか?

 2人は、無事だろうか……。

琉郷「……どうしよっか、これから」

 ……1人って、寂しいな……。




↓2 琉郷はどうする?

身を隠しつつ武器になりそうなものを探す

安藤を探す


 ……私の能力、リミッター解除はどうやらとてつもない能力のようだ。
 でも、自分の身体のリミッターを外すのは不可が大きすぎる。

 あの体がバラバラになりそうな痛みは出来るだけ味わいたくない。
 何か、武器になりそうなものを探そう。

 当然、隠れながら。

琉郷「……そういえば、リミッター解除ってどこまで出来るんだろう」

 ふと思いついたそんな疑問。
 例えば照美なら透明にしたワイヤーとかでトラップを作ったりなんかしてたし。
 安藤さんなら照美の予想が正しければ幽体で自分を地面の中に埋めたりしていた。

 二人共自分の能力を最大限に活用していたのだ。
 私の能力は、どこまで汎用性があるのだろうか……。

 例えばピッチングマシンのリミッターを解除すれば、とんでもない速度で球を打ち出せるのだろうか。
 例えばポットのリミッターを解除すれば、瞬間湯沸かし器と化すのだろうか。

琉郷「……うーん、やってみないことにはいくら考えても机上の空論か」

 そんなことを考えつつ、こそこそと私は校舍を探検する。
 照美か安藤さん、どこかで会えないかな……。

 ん、あの場所は……。



↓1 琉郷がたどり着いた場所は? 学校内限定 

中庭

体育館


 私の目の前には中庭へと続く入り口が。
 中庭か、なんか目立ちそうで危険な気もするけど……。

 いや、一応ベンチの影とか、花壇の影とか、銅像の影とか。
 そういう場所を隠れながら進めばそこまで目立たないかな?

 よし、いってみよう……。




 そそくさと私は中庭を進む。
 気分は忍者。無論、遊んでいるつもりはないが。

琉郷「おっ? これは……」

↓2 琉郷は何を見つけた? (あまりに現実離れしたものは安価下)

金属バット

メガホン

防災リュック

超能力パワーアップする薬


 私が見つけたものは『メガホン』だった。
 しかもスポーツの試合とかで応援団や観客が使っているプラスチックの安価なものではなく。
 トランジスタメガホンと呼ばれる電気で音声を増幅させる電動式のものだ。

 カチカチとスイッチを操作してみると、ちゃんと動いた。
 電池はかなり残っているらしい。

琉郷「……メガホンかー」

 武器になるのか、これ?
 どう使えばいいのだろう……。

琉郷「はぁ、他にもっといいものが――!?」

 コツコツ、という足音が風に乗って聞こえてくる。

 誰か、いる。

 一瞬で高鳴った心臓を抑えつつ、私は銅像の裏に隠れながら、そっと向こうを覗く――。




↓3 誰が来た?

 【6人目の女生徒】

名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

48

名前『鈴鳴 文架(すずなり ふみか)』
容姿『へらへら笑いを浮かべた三つ編みメガネっ娘』
性格『刹那主義なドS』
能力名『劣化』

安価下

名前『槇納 祈』
容姿『暗い緑髪の左サイドテール、同色の瞳、ちっちゃい』
性格『めんどくさがり』
能力名『ゴーレム遣い』

名前『飯田 ミナ』
容姿『青髪 触覚ヘア』
性格『食いしん坊』
能力名『動物操作』

名前 『水鏡華南ミカガミカナン』
容姿 『黒髪パッツンでお子様体型。眼鏡っこ』
性格 『妄想癖があり粘着質なストーカー気質』
能力名 『精神汚染』

文架「うじゅじゅじゅじゅー」

 へらへらと笑っているかのような表情で。
 奇妙な声……笑い声? を発しながら歩く少女がいた。
 三つ編みに眼鏡という、わりかし優等生にも見えなくもないが、だらしのない表情で台無しだ。

 この学校にいるということは、彼女も何かしらの現実離れした能力を持っているのだろうか。
 そして彼女もまた、殺し合いという戦争を容認した人間なのか……。

 どうしよう、彼女が常識人であるという僅かな可能性を信じてコンタクトをとるか。
 それとも逃げようか……。

↓1 どうする?

闘争

逃げようか


 ……常識人?
 この学校で、常識人がいるか?

 照美からの会話で、この学校で何日も戦いが続いていることはわかっている。

 そして何人も死んでいる。

 そんな状況下で、戦っていない人間いるとでも?


 ――いるわけがない。


 また、逃げるのも難しいだろう。
 この中庭に隠れる場所は多いが、今私がいるのは銅像の後ろだ。

 逃げるにはここから動かなければならない。
 物陰から物陰を移動する間を見られる可能性は高い。

 なら、どうする?

 なら、どうする。

 私の手には、先ほど見つけたれたメガホン。

 ……そうだ、この方法なら。

 私はスイッチをいれ、ぎゅっとメガホンを握りしめた。



 ――戦おう。


 闘争だ。

 この学校において、生き延びるにはそれしかない。 

琉郷「すぅー、はぁー」

 深く、深呼吸。

 覚悟を決めろ。

 殺られる前に、殺る覚悟。




 さあ、戦いだ――!



 私は銅像の影から飛び出した。

文架「うじゅ?」

 眼鏡っ娘がこちらに気づく。
 だが、もう遅い。

 リミッター解除。

 対象は私の声帯とメガホン。




 ――くらえ!




         ???
         ???                                ????
     ???????????????                        ????
     ????????????????    ??????????         ???
        ??????   ???? ?????????????         ??? 
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琉郷「  ??????      ????           ???        ???  」
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         ???




 

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琉郷「  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;      ,,,;;;;;;;;;;;;;'            ,;;;;;;;;;;;;          ''''''''''''' 」
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         ;;;;;;;;;;;


 それはまさしく音の爆弾だった。

 空気の破裂、どころではない。

 なんせ中庭の土がはじけ飛び。

 銅像はメキメキと罅が入り。

 花壇に咲いた花の花びらが全て散った。



 この爆音の中心にいるあの子はただではすまない。

 これなら、一撃のはず――!



↓1 コンマ偶数なら瞬殺 こんま奇数なら無事

えい

ッチ

すまん


 ――しかし。

文架「……びっ、びっくりしたー」

琉郷「えっ――!?」

 彼女は、健在。

 なんの外傷すらない。

 なぜあの爆音の中心で、こんなことが――!?

文架「もぅ、急に驚いたよー。っていうか普通なら死んじゃってるよー」

 へらへらと、相変わらず彼女は笑っていた。
 何がおかしいのか、笑っていた。

文架「えっと、君は――」



↓1 コンマで初期好感度

えい

今のところ極端に嫌われてた子はいないか

文架
好感度48『あんな子クラスメイトにいたったけなーあははは』


文架「……誰だっけ、君?」

琉郷「は、はじめまして……」

 どうやら彼女は私の知り合いではなかったようだ。
 まるで品定めをするように、私を見つめて――。

文架「はじめましてー」

文架「……うじゅじゅ」

文架「うじゅー」

文架「うーん」

 ぐねぐねと彼女は頭を左右にふり、何かを考えている。
 へらへら笑いながらだから、その仕草は相当に不気味だ。

文架「……じゃ、殺すね?」

 そして、殺害予告。
 しかけたのはこっちだから、むしろ当たり前といえる反応なのかも知れなかった。

琉郷「くっ――!」

 私はすぐさまメガホンを口の前に構え、再び音の爆弾を放とうとし。

琉郷「……っ!?」

 ボロっと、メガホンの取ってが崩れ落ちたことに気がついた。

琉郷「なっ、なんでメガホンが……!?」

 メガホンが壊れていた。
 しかもただの故障ではない。

 先ほどまで新品同様だった綺麗なメガホンが。
 まるで何年も野ざらしにされていたようにボロボロになっている。

 そんなっ。
 さっきまで、なんともなかったのに……!?

文架「あら不思議ー。君のメガホンがボロボロに劣化しちゃったねー」

文架「何故か私が念じるとねー、物がボロボロになっていくんだよねー」

文架「さっきもねー、私の前の音だけ……つまり周波数を劣化させたから、無事だったんだよねー」

 劣化させる――!?
 それが彼女の能力なのか……!?

文架「さー殺すよーじゃんじゃん殺すよー」

文架「でもすぐに楽にはしてあげないよー」

文架「ボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにして
    ボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにして
    ボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにして
    ボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにして
    ボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにしてボロボロにして」

文架「たっくさん、いたぶってあげるねー」

 ニヤリ、と彼女は笑う。
 先ほどまでのヘラヘラとした笑みなんかじゃなくて。

 もっとおぞましい、残酷な笑顔で――。

現在の状況キャラ一覧
【主人公】
名前『猿宇宙 琉郷(さるそら りゅうごう)』
能力名『リミッター解除』

【1人目の女生徒】
名前『山璽 照美(さんじ てるみ)』
容姿『赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名『透明化』
主人公との関係『元親友?』
好感度110 『琉郷は甘いから私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね』

【2人目の女生徒】
名前『鷹司 琴音(たかつかさ ことね)』
容姿『ウェーブのかかった茶髪で常に笑顔』
性格『おっとりしているがたまに毒舌』
能力名『幻覚』
主人公との関係『姉妹』
好感度47 『昔は仲睦まじい姉妹だったらしいが戦争中に何かがあった?』

【3人目の女生徒】
名前『安藤 幸子(あんどう さちこ)』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『幽体化』
好感度107 『猿……琉郷さんは命の恩人です! 琉郷さんマジ天使!』
主人公との関係『命の恩人』

【4人目の女生徒】
名前『青木 理子(あおき さちこ)』
容姿『長髪の赤髪 赤マントを付けている』
性格『お嬢様言葉を使う 記憶喪失になる前の琉郷と戦った事がありライバル視している』
能力名『パイロキネシス(発火能力)』
好感度73『琉郷様は良きライバルですわ』
主人公との関係『ライバル』

【5人目の女生徒】
名前『鈴鳴 文架(すずなり ふみか)』
容姿『へらへら笑いを浮かべた三つ編みメガネっ娘』
性格『刹那主義なドS』
能力名『劣化』
好感度48『あんな子クラスメイトにいたったけなーあははは』



本日おしまいです。
書いてる内に照美がなんか姐御肌なキャラになってる…。

おつとう
流石に次回あたり誰か死ぬかな


照美株どんどん上がっていくな
生きていてほしいが

四人目の女子生徒の名前はさちこじゃなくて、リこ、ですよ

>>225
すいません間違えました。次から直して起きます。

文架「ぎゅーん」フラッ

文架「ぶらーん」フラッ

 奇妙なオノマトペを口ずさみ、名前も知らない彼女が歩いてくる。

 フラフラと左右に体と三つ編みを揺すりながら。
 ヘラヘラと卑下た笑みを浮かべて、眼鏡がきらりと反射する。

文架「私、文架っていうんだー。鈴鳴文架ー」

文架「君の名前も教えてくれたら嬉しいなー」

琉郷「……↓1」

 ↓1 琉郷の台詞

死に行く者に名乗る名前など無い!

琉郷「死に行く者に名乗る名前など無い!」

 キリッ、とキメ顔で私は言った。

文架「……」

琉郷「……」

 しん、とした静寂の後。
 段々と赤くなっていく私の顔。
 まずい、思わず強がってみたが、何かそうとう恥ずかしい――!



 ↓1コンマ 文架の好感度変化
 01~30 -5 31~70 +5 71~98 +10 ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

とう

文架 好感度43『なんか嫌いなタイプかもーあははは』

文架「面白くなーいつまんなーい」フラフラ

 別にギャグで言ったつもりはなかったのだが。
 どうやら鈴鳴さんは私の言葉がお気に召さなかったらしい。

文架「……もしも、これ以上私を不機嫌にさせたらさー」

文架「簡単に、殺しちゃうかもよー?」

琉郷「痛くされるよりは、いいかもね……」

 無論、死にたくもないけれど。

文架「じゃー」フラッ…

文架「――行くよ」


 ↓1 コンマ偶数で琉郷優勢 奇数で文架

文架「――」

 鈴鳴さんが、飛ぶ。
 無論比喩ではなく、全身のバネを総動員した華麗な跳躍だ。

琉郷「――っ!?」

 そのまま即座に繰り出して来たのは飛び蹴りだった。
 一切の容赦を感じさせない、顔面目掛けて飛んでくる鈴鳴さんの右足。

琉郷(リミッター、解除っ!)

 能力の発動はほんの一瞬。
 刹那の時間だけ、リミッターが外された私の体は超人へと変貌する。

文架「うじゅ?」

 スカッと空を切る鈴鳴さんの飛び蹴り。
 限界を超えた動体視力は鈴鳴さんの動きを完全に見きっていた。

琉郷(そのまま掴んで――)

 空中で身動きが捕れない鈴鳴さんの足を掴み、流れるままに背後の石像へ。

 叩きつける――!

文架「ぶぇっ」

 鈴鳴さんの体を、さもハンマーのように石像へ放り投げた。

 耳に届くのは奇妙な嗚咽。

 そして数秒後に鈴鳴さんと石像の衝突。

 少しだけ、目を伏せる。
 そして聞こえてくるであろう、グロテスクな音に備えた――が。

 聞こえて来たのは、ボフッ、という軽い音。
 コンクリートで作られた石像に叩きつけられたにしては、あまりにも素っ気なさすぎる。

文架「いてて……やるねー。でも私もやるよー」

 鈴鳴さん、健在。
 どういう、こと……?

 銅像に目をやる。そして気づく。
 崩れた銅像が、サラサラとまるで砂のように風化していることに。

琉郷「石像を……!」

文架「劣化させた、風化寸前までボロボロにねー」

 そんなことをあの一瞬で……!?



 ↓1 00~70で文架のターン 71~98でずっと琉郷のターン ゾロ目なら……

文架「今度は、こっちの番だよー」

 左右に上体を振り子のように動かし、鈴鳴さんが迫る。

 まずいっ!
 先ほどのリミッター解除で、元々かなりボロボロだった体が更に傷んでいる。
 これ以上、リミッター解除をこの体に使ったら取り返しのつかないことになるかも知れない。

琉郷(でも、そんなこと言ってられないよ――!)

 鈴鳴さんの攻撃は容赦がない。
 確実に、別に私がそれで死んでもいいという殺意が篭っている。

 悠長してたら殺される。
 殺されない為には――戦うしかない!

琉郷(もう一回、リミッター解――!?)

 再びリミッターを外そうとしたその瞬間。
 『ズボッ』と足が地面にめり込んだ。
 さながらサラサラの砂場にでも足を突っ込んだように。

琉郷(わ、私の足元の――!?)

文架「地面を、劣化させた」

 私の体制が崩れる。
 無論、それを鈴鳴さんは見逃さない。

文架「まずは」フラッ

文架「一発」グンッ

 それはまさにバネのようだった。
 鈴鳴さんの体が反対方向を向いたかと思うと、一瞬で私の前へ拳が飛んでくる。

 全身の収縮運動。
 武芸だのスポーツだのに全く精通していない私ですら、芸術的とすら思えるほどの動きで。

 グシャ。

 私の顔に、拳がめり込んだ。

琉郷「ぶっ――!?」

 記憶喪失になってから刃物で切られたこともあったし。
 首を絞められたこともあった、炎で焼かれそうになったこともあった。

 でも、本気で殴られたことは、一度も無い。
 刃物で裂かれるのとはまた違う、鈍く、潰れたかのような痛みが顔面を覆い込む――。

文架「二発」

 次に鈴鳴さんの拳が貫いたのは、私のお腹。
 肋骨と肋骨の間の丁度真下。つまりは『みぞおち』。

琉郷「ごぇ」

 一瞬、全身の感覚がなくなり、五感が消滅したような錯覚に襲われる。
 そして次の瞬間にやってくる、地獄のような極上の痛み――!

琉郷「カッ……ハッ……!」

 呼吸が出来ない。
 目の前が真っ白になる。

 痛すぎて。
 痛すぎて。

 もはやどう痛いのかもわからない――。



文架「――」ゾクゾク



 ↓1コンマ 文架の好感度変化(ドS補正)
 01~30 10 31~70 +20 71~98 +30 ゾロ目 +50 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

っp

文架 好感度53『結構歪んだ顔は良いかもーあははは』


文架「マウント、とったー」

 次に意識がはっきりした時には。
 私は仰向けで地面に寝っ転がっていて。

 その上に、鈴鳴さんが乗っかっていた。



 拳を、天高く振り上げながら。



文架「良い声で鳴いてねー」

 そして、隕石のように拳が落ちてくる――!

 ドゴッ!

琉郷「うああああああぁ!?」

文架「――アハ」

 ドゴッ。

琉郷「ぎぃ!?」

文架「アハハ」

 ゴッ! ゴッ! ゴッ!

琉郷「げぼっ!? がっ!?」

文架「アハハハハハハハ!」



 ↓1コンマ 文架の好感度変化(ドS補正)
 01~30 +10 31~70 +20 71~98 +30 ゾロ目 +50 00、99 ジャックポット(何かが起こる

こいつやべぇ

文架 好感度83『凄く綺麗な声で鳴いてくれるんだねーあははは』


 痛い。

 痛い。  痛い。  痛い。 怖い。  痛い。  怖い。

 怖い。  怖い。  怖い。  痛い。 痛い。  怖い。



 死ぬ。



文架「アハハハハハ」

琉郷「ぐっ……ぇっ……」ピクピク

 体が痙攣する。

 嗚咽が止まらない。

 涙が溢れる。

 殺される――!

文架「凄いっ。凄い良い声……」

文架「かわいい、かわいい」

文架「ねぇ、ねぇ……もう一度名前教えてよ、名無しさん」

文架「素敵な声の、貴方の名前が知りたいなー」ニコッ

琉郷「っ……! ッ――! ………」


 ↓3 琉郷の台詞

た……けて…、てる……み……

ksk

>>249


 素直に名前をいうのでもなく。

 命を乞うでもなく。

 意識も朦朧とする、私の口から漏れたのは――。



琉郷「た……けて…、てる……み……」

文架「…………?」





 私の親友を名乗る、赤い髪をした少女の名前だった。





 ↓1 コンマ61以上で――。

文架「……残念」

文架「教えて、くれないんだねー」

 鈴鳴さんの顔が曇る。

 眼鏡の奥に潜む眼が濁る。

文架「よっと」

 照美の名前を呼んでも、どうやら助けは来ないらしい。

 そして、その時点で私の命運は決定した。

文架「首四の字固めー」

 鈴鳴さんが2つの太ももを私の首を挟むようにして固定する。

 首、四の字固め……?



文架「見守ってあげるねー」



文架「ずっとずっとずっとずっとずっとずっと」



文架「名無しさんが死ぬまで、ね」



 その言葉と共に、鈴鳴さんは足に力を込め。



 ゴギッ、と私の首が締った。


 呼吸が、一切出来ない。


琉郷「――――」


 動脈が、潰される。


琉郷「――――」


 意識が遠のく。


琉郷「………」


 そして、目の前が真っ暗になって――。


文架「お休み、かわいい名無しさん」




 ――――。





↓1 コンマ偶数なら……。

n


 不思議と、もう痛みは無かった。

 むしろ空を飛んでいるかのような清々しいくらいの開放感があったくらいだ。

 これが、死ぬということなのだろうか。




 最後に私の脳裏に浮かんだのは。



 
 小生意気な笑顔で私を見つめる、照美の……。













文架「やっぱり、やーめた」

を?


 ドゴン、と凄まじい音が響く。

 陥没しそうなくらいの勢いで、鈴鳴さんの拳が私の心臓部分を殴っていた。


文架「心臓マッサージ心臓マッサージー」


 ゴンッ、ゴンッ、ゴンッ!


琉郷「げふっ、げほっ!?」

文架「おーけー。呼吸回復ー」

琉郷「……?」


 な、なんで……?

 鈴鳴さんは私を殺す気で攻めて来て。

 もう少しで、殺せたのに。


琉郷「なん、で……助け……て?」

文架「……それはね」

死んだらいじめられないからね!

ドS怖い
というか怖い女ばっかり…









文架「名無しさんの苦しむ顔がかわいいから、もっと楽しむ為だよ」ニコッ









 そういって、鈴鳴さんが懐から取り出したのは。



 錆びれた鋏。


 に。


 傷んだトンカチ。


 



文架「まだまだ終わらせないよー。もっともっともっともっと楽しもうね」





文架「私のかわいい名無しさん」ヘラヘラ







DEAD END

死んだー!!

照美が助けてくれなかったのが悪い(責任転嫁)

てるみん姉貴来てくれー

うわあああ
名乗っても大筋は変わらなかったのかな

 りゅうごう の ぼうけんは これで おわってしまった!!

 名乗った場合には一部変化ですが大筋は変わりません。
 ただ好感度ダウンが無くなったり、ドS補正で好感度が100突破したら無条件で生存ルートとかも考えてたんですが、それも駄目でしたね。

 続けるなら文架を見つけた中庭からになりますが、文架の好感度をこのままにするかそれとも初期値に戻すか選べます。
 好感度が高ければ有利な展開になったりしますが、どうしますか?

 ↓1~3の多数決で。

初期値
こんどはにげよう

では好感度このまま再開で。

>>274
見つけた時に戻るので戻さなくても逃げれるます(安価次第ですが)

文架 好感度83『凄く綺麗な声で鳴いてくれそうだねーあははは』


 私が見つけたものは『メガホン』だった。
 しかもスポーツの試合とかで応援団や観客が使っているプラスチックの安価なものではなく。
 トランジスタメガホンと呼ばれる電気で音声を増幅させる電動式のものだ。

 カチカチとスイッチを操作してみると、ちゃんと動いた。
 電池はかなり残っているらしい。

琉郷「……メガホンかー」

 武器になるのか、これ?
 どう使えばいいのだろう……。

琉郷「はぁ、他にもっといいものが――!?」

 コツコツ、という足音が風に乗って聞こえてくる。

 誰か、いる。

 一瞬で高鳴った心臓を抑えつつ、私は銅像の裏に隠れながら、そっと向こうを覗く――。

文架「うじゅじゅじゅじゅー」

 へらへらと笑っているかのような表情で。
 奇妙な声……笑い声? を発しながら歩く少女がいた。
 三つ編みに眼鏡という、わりかし優等生にも見えなくもないが、だらしのない表情で台無しだ。

 この学校にいるということは、彼女も何かしらの現実離れした能力を持っているのだろうか。
 そして彼女もまた、殺し合いという戦争を容認した人間なのか……。

 どうしよう、彼女が常識人であるという僅かな可能性を信じてコンタクトをとるか。
 それとも逃げようか……。

↓2 どうする?

逃げるんだよおおおおお

逃げるか

よし、逃げよう。

 私の本能が告げている。
 アレは『ヤバイ』と。

 決して関わってはいけない、と。
 確実にR指定になりそうな予感しかしない、と……。



 じっと、逃げ出すタイミングを見計らう。
 下手に動いては見つけられる可能性がある。

 慎重に慎重に……。

文架「う~う~」

 っと……。
 逃げ出すタイミンを見計らっていたら、彼女の方からどこかへ行ってしまった。
 よかった、これで安全に逃げ出せる。

 さて、どこへ逃げようか……。

 ↓1 学校内限定

図書室

屋上


 私は廊下へ戻り、恐る恐る学校内を探索する。

 時には勇気をだして廊下を進み。

 時には不屈の闘志で階段を登る。

 そして着いた先には――。

琉郷「図書館……」

 図書館とネームプレートが書かれた場所があった。
 うーむ、図書館か。武器になりそうなものは見つけられない気が……。

琉郷「……っ」フラッ

 唐突な立ちくらみ。
 どうやら私は自分でも気付かなかったくらい疲弊しているらしい。

琉郷「……誰もいなかったらあそこで休もう」

 私はそっと図書館のドアを開ける――。



「……ん? 誰かそこにいるのか?」



 うわぁい、やっぱり誰かいたー!


↓3

【6人目の女生徒】
名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』
初期好感度『 ↓3コンマ 』

kskst


名前『飯田 ミナ』
容姿『青髪 触覚ヘア』
性格『食いしん坊』
能力名『体形変化』

名前『烏丸 四季 カラスマ シキ』
容姿『ジャージを着て、濡羽色の長髪を後ろでテキトーに結んでいる』
性格『うっかり者な残念美人』
能力名『強運』

岡田栞 (おかだしおり)
やや小柄な体型で肩までの長さの青髪
通称「図書室の主」で無口、そして騒々しい人間を嫌う
能力は本の世界に一定時間閉じ込めること

名前『瀬峰 江奈』
容姿『銀髪ショートのメガネ いつも本を持っている』
性格『口下手で無口のぼっち』
能力名『障壁』

名前 『水鏡華南ミカガミカナン』
容姿 『黒髪パッツンでお子様体型。眼鏡っこ』
性格 『妄想癖があり粘着質なストーカー気質』
能力名 『精神汚染』

ちょっと低いね>好感度

俺が来るといつもキャラ安価が終わってて悲しい

四季 好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』


四季「……あなたは、猿宇宙?」

 そしてお約束の知り合い設定である。
 図書館にいた彼女は、ジャージ姿の黒髪……。

 いや、もはや濡羽色とでも表現した方が適切なくらいの艷やかな長髪を、後ろでテキトーに結んでいる少女だった。

 それも、かなりの美人。

琉郷「こ、こんにちは」

四季「こんにちは。帰って」

 いきなりの無碍な扱いが染みる。

四季「前にも言ったと思うけど? 私、あなたのことが好きじゃないって」

四季「私はこのくだらない戦いに興味がないから、猿宇宙と戦う気はないけど」

四季「やるっていうなら相手になるよ」

 キッ、と鋭い目つきで彼女は私を睨む。
 どうやら、記憶を失う前の私達はあまり仲がよろしくはなかったようだ。
 しかし、彼女は私がいままで出会ってきた戦争を容認した人達と違い、戦うことを否定している新しいタイプ。

 上手くいけば、かくまって貰えたり話を聞けるかもしれない……。
 でも嫌われてそうだし……どうしよう。


↓2 琉郷はどうする?

記憶喪失であることを話し、状況説明を求める

私もあなたと戦うつもりはない。一人で休める場所を探しているだけ
人気のない場所を教えてくれない?

記憶を失っている事と、戦う気が無い事を話してみる


 ……駄目だ。
 彼女は唯一まともそうな人物だもん。

 この狂った学園で、1人でうろうろしているのは危険過ぎる。
 ここはせめて、せめて今がどういう状況だけかだけは確認して起きたい。

琉郷「えっと、あの……その」

四季「……なるほど」

 彼女は読んいた本をテーブルにおいて、立ち上がる。

四季「やるってことね、猿宇宙」

琉郷「え!? 違っ!?」

 なぜいきなりそうなるんだよ!?

四季「問答無用! はあああぁ!」

 彼女は妙な構えをとって、雄叫びをあげながらこちらに向かって――。

四季「へぶっ!」

 思いっきり、ずっこけた。
 みれば彼女の足元にはカバーの外れた文庫本が。
 どうやら、あれを思いっきり踏んづけてしまったらしい。

四季「痛たたた……もう! なんでこんなところに本が落ちてるの!」

四季「……あっ、そういえばさっきあまりにもオチが酷かったから私が投げ捨てたんだった」

四季「くっ! うっかりしてた……!」

 ばんばんと床を叩いて悔しさを滲み出させる彼女。
 なんだ、この残念な美人は……。

琉郷「……」

四季「ぐっ!? な、なにその可哀想な生き物を哀れむかのような眼は!? 笑いたければ笑えばいいじゃない!」

琉郷「……」


↓1 琉郷の台詞

そ…そうやって油断を誘う作戦ね…
私だまされるところだった。 あはははは…

琉郷「不様な」

四季「」

 ――ハッ!?

 あまりにも残念すぎて、ついこんなことを口にしてしまった――!

 や、やばっ……!


  ↓1コンマ 四季の好感度変化
 01~30 -10 31~70 変化なし 71~98 +10 ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

四季「ぐぬぬぬぬ…!」プクー

 さも餌を頬袋に詰め込んだシマリス。
 もしくは敵を威嚇するかのようなとらふぐ。

 ぷくーと頬をふくらませて、彼女は微妙に涙目になっていた。

四季「うるさいうるさいうるさいうるさい! そんなこと猿宇宙に言われずともわかってるもんー!」

四季「昔からいつもそうねっ! 猿宇宙は!」

 ……うむ。

 どうやら、ギッリギリでまだ話し合える余地はあるらしい。
 しかし、次に怒らせてしまったらもう話し合うことは出来なくなるだろう。

 最悪戦わなければならなくなるかも知れない。

 入念に考えねば……。


↓3 琉郷はどうする? 

状況説明を求める

もっかい>>297

本当にごめんなさい。
ただ、話だけでも聞いて欲しいの。

で、記憶喪失やらの事と休ませて欲しい事を伝えてお願いする。

 よし、ここは失言を撤回して正々堂々謝罪しよう。
 誠心誠意謝れば、きっと許してくれるはずだ。

琉郷「ごめんなさいっ!」ペコッ

琉郷「本っ当にごめんさない! 失礼なこといってすみませんでしたっ!」ペコペコ

四季「」

四季「さ、猿宇宙が、謝った……? あの猿宇宙が、私に……?」

四季「え?」



 ↓1コンマ 四季の好感度変化

 01~20 変化無し 「そ、そう言って油断させる気でしょ!? 騙されないから!」

 21~70 +10   「あ、あんた誰……?」

 71~98 +20   「ふふふっ、ついに猿宇宙も私にひれ伏したってことね!」

 ゾロ目 +30 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

ほい

さzz

ガード堅い

琉郷「心の底からごめんなさ――」

四季「そ、そう言って油断させる気でしょ!? 騙されないから!」

琉郷「えぇ……」

四季「もう出てってよー!」ブンブン






 追い出されてしまった……。

 これからどうしよう……。


↓3 どうする?

1 諦めない、もう一度彼女と話してみよう(この選択肢の場合、好感度プラスマイナス50以上のハイリスクハイリターン展開となります)

2 他をあたろう……(この場合学校内の敷地内も添えてお願いします)

2 家庭科室


 ……嫌だ。

 諦めたくない。

 もう一度、もう一度だけ。

 もう一度だけ、彼女と話す。

 一度追い出されてしまった以上、次は下手をすれば戦うことになるのかも知れない。

 だけど、だけど――!

 どれだけ残念でもっ!

 あんなにまともな人、他にいないもの!






四季「もう、猿宇宙ったら……」



琉郷「たのもー!」

四季「」

琉郷「お願いします! 私の話を聞いてください!」

琉郷「他に頼れる人がいないんですっ!」

琉郷「お願いしますっ!」


↓1 コンマ

 01~50 好感度 -50
 51~98 好感度 +50
 ゾロ目 +80
 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

残念

残念

下手に戦ってもどうせ死ぬからとっとと逃走しよう!
幸運VS不幸で勝てるわけがない

四季 好感度-13 『お前は私の嫌いな琉郷ですらない他の誰かだ』



四季「――違う」

琉郷「っ!?」

四季「あなたは、琉郷じゃない。あなたは誰? あなたは私の嫌いなタイプの琉郷ですらない」



四季「誰だ、お前は」ゴッ



琉郷「いっ、いや!? 私、実は記憶が――!」

 殺気。

 彼女から発せられるものは、そうとしか言いようが無かった。

 怒気。

 彼女の怒りが、私の背筋を凍らせる――。

四季「偽物は」



四季「死んで」


 殺害予告。

 そして、すかさずテーブルの下から彼女は何かを取り出し。

 天井に向かって投げつけた。

 あれは、なに?



 くるくると回る、光を反射する何か。



 時間にして、ほんの一瞬だけだけど。


 はっきりとその正体が見えた。


 ――コカコーラの……中身の入った、瓶?


 コーラ瓶が天井にぶつかった。

 そして、当たり前のように割れる。

 割れた破片が私に向かって降り注ぎ――。

琉郷「っ――!?」

 とっさに頭と顔を私は両手で覆う。

 次の瞬間には――。

琉郷「うああああああぁ!?」

 大型の破片が、幾つも私の体に刺さっていた。
 肉が裂ける、血が噴き出る。苦痛が体に充満していく。

 だが、そんなことは問題じゃなかった。

 コーラ瓶の『中身』に比べれば。

 ガラスの破片なんて取るに足らない『危険』でしかない。

 ツン、と思わず鼻を覆いたくなるような刺激臭。

 コーラにあるまじき粘着性。

琉郷「がっ――ガソリン!?」

 中身は炭酸飲料水などではなく。

 ガソリンだった!


 この次の展開を脳が勝手に予測する。

 でも、そんなふざけた真似を彼女が果たしてするのだろうか?

 私だけじゃない。
 この場所にいる彼女だって、『そんなこと』をしたらただでは済まない――!



四季「私は、死なない」

四季「私は、誰にも傷つけられない」

四季「私を傷つけられるのは、私だけ」



 彼女は、静かに告げる。

 手に持ったライターを着火しながら。



 あれだけ派手に飛び散った瓶の破片が一切当たらず。

 あれだけ派手に飛び散ったガソリンが一滴すら付着してない。

 
 そんな彼女が――。



四季「死んで、偽物」




 ライターを、投げた。



↓1 コンマ偶数で琉郷生存 コンマ奇数で…… 

つん

強運に勝てるわけないだろ1

 爆発した。

 延焼などという生易しいレベルでもなく。

 それは爆発だった。

 燃える。

 私が燃えていた。

 私だけではなく、図書館全てが燃えていた。



 そんな、業火の中――。

 平然とこの業火の中を歩く彼女の姿を見た。

 不可思議な、そして異常な光景だった。

 『火が彼女を避けている』。

 そうとしか言いようのない、光景。

 なんだ、あれ?

 火を操っているようにも見えない。
 それどころか何かをしているようにすら見えない。



四季「はぁ、あっつい」



 ……それが、私が最後に聞いた彼女の呟きだった。

 ああ、確かに。

 これは、ちょっと熱すぎるな――。

 ――――。

 ――。

 ―。





 DEAD END

好感度下がりそうな発言は死につながるな

まさか一日で2回も死ぬとは思わなかった(絶句)
ハイリスクハイリターン展開でなければもう少しまともな戦いになっていたのですが、残念ながらこのルートでは二分の一を外すと即死です。

好感度戻して学校内探検から再開しますか?
↓1~3

戻してやり直す

四季 好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』




 よし、逃げよう。

 私の本能が告げている。
 アレは『ヤバイ』と。

 決して関わってはいけない、と。
 確実にR指定になりそうな予感しかしない、と……。



 じっと、逃げ出すタイミングを見計らう。
 下手に動いては見つけられる可能性がある。

 慎重に慎重に……。

文架「う~う~」

 っと……。
 逃げ出すタイミンを見計らっていたら、彼女の方からどこかへ行ってしまった。
 よかった、これで安全に逃げ出せる。

 さて、どこへ逃げようか……。

 ↓2 学校内限定

屋上


琉郷「保健室、かぁ」

 あれから隠れつつ探索を続けている内に、辿り着いたのがこの場所だった。
 保健室、と刻まれたネームプレート。そして何故かボロボロになっているドア。

 いや、ボロボロになっているのはドアだけではない。
 何故か保健室の周囲全てがボロボロだった。

 まるで、ここで戦いがあったみたいな……。

琉郷「保健室は、すでに誰かの隠れ家になってるって、照美が言ってたよね」

 となれば、この中にはすでに誰かがいるのかも知れない。

琉郷「……照美が、次は殺して奪い取るしかない、って……」

 あの言葉から察するに、保健室の主は白衣の天使ではなく、黒い翼を生やした悪魔、ということになる。

琉郷「……どうしよう?」


 ↓3どうする? (入る場合は7人目の女生徒キャラメイクあり)

入ろう

入る

幸子との合流判定はまだですかね…?


 ……よし、入って見よう。

 照美は性格があん子だから、この学校全ての人間が敵だと思ってるからの発言だったのかも知れないし。

 それに……。

琉郷「……」フラフラ 血ガポタポタ

 休むか手当を受けないとどっちみちこのまま死にかねない。

琉郷「……っ」

 ごくり、と私は喉を鳴らして、保健室のドアを開いた、



「……誰だ?」




 ↓4 

【7人目の女生徒】
名前『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

名前 『真神麻梨亜 まかみまりあ』
容姿 『金髪三つ編みで垂れ目太眉。貧乳』
性格 『善良を絵に描いたような性格。自己犠牲精神の強いドM。熱心なクリスチャン』
能力名 『悪意吸収』

名前『瀬峰 江奈』
容姿『銀髪ショートのメガネ』
性格『口下手で無口のぼっち』
能力名『障壁』

名前『眠井 枕』
容姿『眠そうな半開きの目 金髪ツインテール』
性格『面倒くさがり 他力本願 座右の銘は「逃げるが勝ち」』
能力名『睡眠術』

清水心 (しみずこころ)
傷んだ黒髪で痩せた体つき目に生気がない
人間不信で相手の弱点を探ろうとしてくる
能力は読心

名前『升 桃華』
容姿『ピンク髪のすげー長い三つ編み、ばくにゅー』
性格『おどおど小動物系』
能力名『植物支配』

初期好感度判定忘れてました。
初期好感度↓1

高いな

江奈 好感度85 『琉郷はぼっちな私の唯一友達』


江奈「……」

琉郷「……こ、こんにちは」

江奈「……」

琉郷「……」

江奈「……」

 む、無口だ! 凄い無口だ、この子!
 まるで、人が踏み入ったこともないような雪山の頂銀のように銀色に輝くショートの髪。
 そして眼鏡。中庭で見かけた人に続いてまた眼鏡。

江奈「……」

琉郷「あ、あの」

江奈「……」

 ヤバイ、全然コミュニケーションがとれないんだけど。
 あれ、さっき『誰だ』っていってなかった?

境遇から考えてこの子が記憶喪失知ると絶望しそう

江奈「……」ゴソゴソ

 不意に、彼女はポケットを弄り、何かを探し始めた。
 まずい、何か武器でも取り出すつもりじゃ――!?

江奈「……」デーン

 と不安になったのもつかの間、彼女が取り出したのはぬいぐるみだった。
 それもただのぬいぐるみではない。中が繰り抜かれていて、手を入れられるタイプのぬいぐるみだ。

 元となった生き物が何なのか造形が独自でちょっとわからない。
 多分、犬な気がする。

江奈(犬のぬいぐるみ)「やあ、琉郷。久しぶりだな。会いたかった」

琉郷「……」

 ふっ、腹話術してる!
 しかも口元がほとんど動いていない、完璧なほどの腹話術!

江奈(犬のぬいぐるみ)「最近、来てくれなかったから寂しかったよ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「琉郷があんな生徒会長にやられるとは思ってなかったけれど」

江奈(犬のぬいぐるみ)「不安でたまらなくて探し歩いたくらいさ」

かわいい

きゃわわ

 ああ、腹話術なら普通に喋れるみたいな、そういう子なんだ。

 う、うん。まあ、そういうシャイな子も、いるよね……。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……はっ!? 怪我をしているじゃないか琉郷!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「大変だ、すぐに治療をしないと!」

江奈(犬のぬいぐるみ)「この私に任せなさい、これでも保健委員だからね」

江奈(犬のぬいぐるみ)「さ、ここに腰掛けて」

 ……。

 ……。

 ……やばい。

 初めて。

 初めて。

 初めて。

 ほんっっっとうにまともな子に、会えた気がする……!
 思わず私の眼から涙がこぼれ落ちるのも、無理はなかった。

江奈(犬のぬいぐるみ)「っ!? な、泣いてる……!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「あの琉郷が……!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……よしよし、何があったかわからないけれど」

江奈(犬のぬいぐるみ)「お姉ちゃんが守ってあげるから、泣かないで、琉郷」

 ぎゅっ、と、私は彼女に抱きしめられた。
 不思議と不安は無かった。不思議と恐怖は無かった。

 ……そして、人のぬくもりが、とても暖かった……。

おうテルミンネキ早く来ないと琉郷取られるぞ(笑)

 彼女の治療は完璧だった。
 医療道具があったからかも知れないが、照美の応急処置とは比べ物にならないくらいだ。

江奈(犬のぬいぐるみ)「はい、おしまい」

琉郷「ありがとう……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「それにしたって、琉郷が泣くなんてそうとうのことだよ?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「いったい、何があったんだい? お姉ちゃんに話してごらん」

琉郷「う、うん。あのね……」




琉郷「私……記憶喪失になっちゃって」




江奈「――」

琉郷「その、何も思い出せないんだ」

琉郷「それで、不安で怖くて、しょうがなくて……」

琉郷「友達とか、知り合いとか……」

琉郷「あなたのことも、全然思い出せなくて……」



 ぽろっ、と。
 彼女の手からぬいぐるみが滑り落ちた。

 どうしたことかと、彼女の顔を見れば。

 まるでこの世の終わりでもみたかのような。



 そんな、絶望(かお)をしていた――。

現在の状況キャラ一覧
【主人公】
名前『猿宇宙 琉郷(さるそら りゅうごう)』
能力名『リミッター解除』

【1人目の女生徒】
名前『山璽 照美(さんじ てるみ)』
容姿『赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名『透明化』
主人公との関係『元親友?』
好感度110 『琉郷は甘いから私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね』

【2人目の女生徒】
名前『鷹司 琴音(たかつかさ ことね)』
容姿『ウェーブのかかった茶髪で常に笑顔』
性格『おっとりしているがたまに毒舌』
能力名『幻覚』
主人公との関係『姉妹』
好感度47 『昔は仲睦まじい姉妹だったらしいが戦争中に何かがあった?』

【3人目の女生徒】
名前『安藤 幸子(あんどう さちこ)』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『幽体化』
好感度107 『猿……琉郷さんは命の恩人です! 琉郷さんマジ天使!』
主人公との関係『命の恩人』

【4人目の女生徒】
名前『青木 理子(あおき りこ)』
容姿『長髪の赤髪 赤マントを付けている』
性格『お嬢様言葉を使う 記憶喪失になる前の琉郷と戦った事がありライバル視している』
能力名『パイロキネシス(発火能力)』
好感度73『琉郷様は良きライバルですわ』
主人公との関係『ライバル』

【5人目の女生徒】
名前『鈴鳴 文架(すずなり ふみか)』
容姿『へらへら笑いを浮かべた三つ編みメガネっ娘』
性格『刹那主義なドS』
能力名『劣化』
文架 好感度83『凄く綺麗な声で鳴いてくれそうだねーあははは』

【6人目の女生徒】
名前『烏丸 四季(からすま しき)』
容姿『ジャージを着て、濡羽色の長髪を後ろでテキトーに結んでいる』
性格『うっかり者な残念美人』
能力名『強運』
四季 好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』
主人公との関係『仲悪い?』

【7人目の女生徒】
名前『瀬峰 江奈(せみね えな)』
容姿『銀髪ショートのメガネ』
性格『口下手で無口のぼっち』
能力名『障壁』
江奈 好感度85 『琉郷はぼっちな私の唯一友達』
主人公との関係『友達?』



本日は終わりです
ありがとうございました。


そろそろ安寧が欲しいがはたして


台詞安価うまく決めればまだ大丈夫(震え声)
しかし仲がうまくいっても照美の嫉妬が怖いな



四季ちゃんはコンマさえ良ければな…

再開前にまたちょっと設定安価追加で

↓2 この女子高の名前は?

黒百合女学園

百榮華乃杜学園

>>400 すいません、調べたのですがわかりませんでした。これなんて読むんでしょうか?
     『ひゃくえいかのもりがくえん』?
     

>>401
それです

>>403 了解です。

次に登場キャラクターの学年を決めてください。
琉郷、照美は二年生設定と決めていますので他のキャラクターの学年をお願いします。一年生~三年生で。

琴音の学年↓1

幸子の学年↓2

理子の学年↓3

文架の学年↓4

四季の学年↓5

江奈の学年↓6

 あと出来るだけ連投はお控えください。

今日は死にたくないな(白目)

ごめん、1
無効なら安価下

3

ありがとうございます。学年は以下のようになりました。
次からはキャラクリエイトに学年を追加します。

【主人公】
名前『猿宇宙 琉郷(さるそら りゅうごう)』
学年『二年生』
能力名『リミッター解除』

【1人目の女生徒】
名前『山璽 照美(さんじ てるみ)』
学年『二年生』
容姿『赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名『透明化』
主人公との関係『元親友?』
好感度110 『琉郷は甘いから私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね』

【2人目の女生徒】
名前『鷹司 琴音(たかつかさ ことね)』
学年『一年生』
容姿『ウェーブのかかった茶髪で常に笑顔』
性格『おっとりしているがたまに毒舌』
能力名『幻覚』
主人公との関係『姉妹』
好感度47 『昔は仲睦まじい姉妹だったらしいが戦争中に何かがあった?』

【3人目の女生徒】
名前『安藤 幸子(あんどう さちこ)』
学年『三年生』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『幽体化』
好感度107 『猿……琉郷さんは命の恩人です! 琉郷さんマジ天使!』
主人公との関係『命の恩人』

【4人目の女生徒】
名前『青木 理子(あおき りこ)』
学年『三年生』
容姿『長髪の赤髪 赤マントを付けている』
性格『お嬢様言葉を使う 記憶喪失になる前の琉郷と戦った事がありライバル視している』
能力名『パイロキネシス(発火能力)』
好感度73『琉郷様は良きライバルですわ』
主人公との関係『ライバル』

【5人目の女生徒】
名前『鈴鳴 文架(すずなり ふみか)』
学年『二年生』
容姿『へらへら笑いを浮かべた三つ編みメガネっ娘』
性格『刹那主義なドS』
能力名『劣化』
文架 好感度83『凄く綺麗な声で鳴いてくれそうだねーあははは』

【6人目の女生徒】
名前『烏丸 四季(からすま しき)』
学年『三年生』
容姿『ジャージを着て、濡羽色の長髪を後ろでテキトーに結んでいる』
性格『うっかり者な残念美人』
能力名『強運』
四季 好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』
主人公との関係『仲悪い?』

【7人目の女生徒】
名前『瀬峰 江奈(せみね えな)』
学年『三年生』
容姿『銀髪ショートのメガネ』
性格『口下手で無口のぼっち』
能力名『障壁』
江奈 好感度85 『琉郷はぼっちな私の唯一友達』
主人公との関係『友達?』

江奈「……うっ……嘘っ……」

 見る見るうちに、彼女の目元に涙がたまっていくのがわかる。

江奈「……わ、わたっ……私、の……名っ、前……」

琉郷「ご、ごめん。どうしても思い出せなくて……」

江奈「……や、やだ……」

江奈「そん、なの……や、やだ……」

江奈「りゅ、う……琉郷は……」

江奈「わ、わたしの……たっ……たった、1人、の……」

江奈「と……ともだち、なの……」ポロポロ

江奈「わすっ……忘れ、られたく……ないっ……よっ……!」

 ついに、大粒の涙がこぼれ始めた。
 ぽたぽたと頬を伝い落ちる透明な雫。

 ズキズキと痛む私の良心。



 どうしよう……


 ↓3 台詞or行動(もしくは両方)

ごめんね、思い出せなくて。
でもあなたはこんな戦争の中なのに何も聞かずに私の手当をしてくれて、すごく嬉しかった。
図々しいかもしれないけど、私はもうあなたのこと友達だと思ってるよ。
よかったらもう一度私と友達になってください。


琉郷「……」ギュッ

江奈「っ……!」

琉郷「ごめん、なさい」

琉郷「あなたのことを、忘れてしまって」

琉郷「……ごめん」

 私は、彼女を抱きしめて頭を撫でた。
 さっき、彼女がしてくれたように。

 今度は私が、彼女に人のぬくもりを与えたかったから。

琉郷「……」ナデナデ

 小さな頭を、そっと手の平で撫でる。
 ……あったかい。

江奈「……」


 ↓1コンマ 江奈の好感度変化

 01~20 +10  21~70 +20   71~98 +30  ゾロ目 +50 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

それゆけ

元々の好感度が肝だな


江奈「……」ゴソゴソ

 彼女は私に抱きしめられたまま、床に落ちた犬のぬいぐるみを拾って右手につけた。
 胸の中にすぽっと顔が収まっているので表情は見えないが、どうやら泣き止んではくれたらしい。

江奈(犬のぬいぐるみ)「全く、君は仕方のない子だな」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私のことを忘れてしまうなんて」

琉郷「ご、ごめんね。許して……」ナデナデ

江奈(犬のぬいぐるみ)「……駄目だな」

琉郷「え!? そんなっ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……許して欲しかったら」

江奈(犬のぬいぐるみ)「このままもっと――」

江奈(犬のぬいぐるみ)「抱いてくれたまえ」ギュッ 




江奈 好感度115 『琉郷はぼっちな私の唯一大好きな友達』


 あれからどれだけの時がたったのだろうか。
 多分、数時間単位で抱きしめて頭を撫で続けていた気がする。

江奈「……えへへ」ツヤツヤ

琉郷「えっと……そろそろ、自己紹介とかいいかな?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「うん、まあいいだろう」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私は瀬峰江奈。君に名前を教えるのは二度目になる」

琉郷「瀬峰さん、か」

江奈(犬のぬいぐるみ)「江奈」

琉郷「え?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「江奈、だ」

 ……名前で呼べ、ということだろうか。

琉郷「あっと……じゃ、江奈」

琉郷「さっきもいった通り、私は記憶を失ってるんだ」

琉郷「色々、この学校のこととか教えて欲しいんだけど」

江奈(犬のぬいぐるみ)「なんでも聞いてくれたまえ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私の知る限りならば」

琉郷「なら……」


 ↓1~3 聞きたいことは?

妹のこと

 ※琉郷はまだ琴音が妹とは知らないので>>435は「琴音のこと」に変換します。



琉郷「なぜ、こんな殺し合いが起こっているの?」

 それも、学園の女子生徒が超能力のような超常現象を使いながら。
 自分自身、リミッター解除などという力を使っていても、未だに出来の悪い悪夢を見ている気分だもの。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……正確なことは、私にもわからない」

江奈(犬のぬいぐるみ)「いや、少なくとも実際に殺し合いをさせられている私達さえ、この事態を把握している生徒なんてきっといない」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……生徒会長を、除いてね」

 ……また生徒会長か。

江奈(犬のぬいぐるみ)「ただ、概要は説明出来る」

江奈(犬のぬいぐるみ)「なんでもこの戦争は、『教育の一環』らしいんだ」

琉郷「はぁ!? 教育の一環!? この殺し合いが!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……あれは、突然だった。私達、百榮華乃杜学園の生徒はいつも通り学園に登校し、いつも通りの日常を送るはずだった」

江奈(犬のぬいぐるみ)「いつもと変わっていたのは、学校のグラウンドに大型のボックスカーが何台も止まっていたことだ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……その日、緊急の全校朝礼が開かれ、私達は説明を受けた」

江奈(犬のぬいぐるみ)「危険性の高いウイルスがこの付近で感染報告があった為、私達には予防接種を受けて貰うと」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私を含めた何人かは、その状況に違和感を感じて拒否しようとしたが無理やり強制されたよ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……見たこともない形をした、新型の注射をね」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……それでも、午前中までは何事もなかった。平々凡々だった。いつも通りだった」

江奈(犬のぬいぐるみ)「だが、昼時を迎えたとき――事態は急展した」

江奈(犬のぬいぐるみ)「ほとんどの生徒が一斉に頭痛や吐き気を訴え始めた」

江奈(犬のぬいぐるみ)「注射を受けた生徒全員が一人残らずだ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「あるものはのた打ち回り、あるものは悲鳴をあげ、あるものは嘔吐を繰り返し倒れこんだ……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私も例に漏れず、あまりの痛みに耐えかねて気絶したよ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……そして目が覚めたら、私は何故か体育館に羅列された椅子の上に座っていた」

江奈(犬のぬいぐるみ)「いや、私だけはなく、全校生徒が椅子に座っていたんだ。そして過半数を遥に超える大勢の生徒が」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……その場で、死んでいた」

江奈(犬のぬいぐるみ)「そこで生き残っていたのは100人ほどさ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「500人以上も在学生がいたのに、4分の3が死んでしまっていた」

琉郷「――――」

 頭が、痛い。

 当事者から話を聞けば聞くほど、事態の異常性が明らかになればなるほど。

 どんどん、頭が痛くなってくる。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……私達は絶句し、一言も言葉を話せなかった」

江奈(犬のぬいぐるみ)「そしていつのまにか、私達の前の台座に1人の女が立っていたんだ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「奴は、言った」

江奈(犬のぬいぐるみ)「『今からあなた方には、本日付で高等教育における必修科目となりました』」

江奈(犬のぬいぐるみ)「『戦争を、してもらいます』――と」

琉郷「……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……此処から先は、君が自らの記憶を思い出した時に、自分で確認するといい」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私も、ここから先のことはあまり思い出したくもないし、語りたくもないからな……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……確実なのは、私達の殺し合いには」

江奈(犬のぬいぐるみ)「何か、巨大な力が動いているということだろう」

琉郷「……うん。わかったよ」

 これ以上、その時のことを聞くのは悪い気がして、私はそれ以上踏み込まなかった。
 江奈のいうように、そこから先は自らの記憶を便りにするとしよう。

 次は、何を聞こうか……。

琉郷「……そういえば、鷹司琴音って、どんな子か知ってる?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「琴音? 琉郷は記憶を失ってから琴音に会っていたのか?」

琉郷「ううん。会ってはいないんだけど」

琉郷「ちょっと、ね……」

 まさか、その子を殺す約束をさせられていますなんて言えない。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……? まあ、いい。琴音のことは知っている」

江奈(犬のぬいぐるみ)「記憶を失う前の君が、琴音のことを良く話していたからな」

琉郷「私が?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「ああ、琴音は何せ――」




江奈(犬のぬいぐるみ)「君の妹だ」








 は?

琉郷「え、ちょっと待って……妹?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「そうだ」

琉郷「……こう、ロザリオ渡してお姉さま、的な……?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「血の繋がった妹だ」

琉郷「で、でも苗字が!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「なんでも、両親が離婚して君たちはそれぞれ別の親に引き取られたようでな」

江奈(犬のぬいぐるみ)「苗字が違うのはその為らしい。君から聞いた限りではね」


 ……妹?

 ……家族?

 血の繋がった?



 それを――殺さないと行けないの? 私。






 てえええええええええええええええええええええええるううううううううううううううううううううううううううううううみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!


 やばい、どうしよう。
 照美って物騒だけどちょっと良い子なのかな、と思ったりもしたけどさ。

 やっぱり物騒じゃない!
 おかしいよ! こんなのおかしいよ!?

 そりゃ、私には琴音って子の記憶なんて無いし思い出もないよ!
 だからって、妹を殺せるわけないじゃない!

 ……ねぇ、照美は知ってたんでしょ? 私と琴音が姉妹だって。
 だって私達親友だったんでしょ? 江奈だって知ってるんだから照美だって知ってたんでしょ?



 ごめん、照美。



 たくさん、助けて貰ったけど。



 これから照美のこと。



 もう、信じられないかも知れない……。

照美終了のお知らせ
もうダメですわ

妹のキャラと照美の思惑によるわな

江奈(犬のぬいぐるみ)「……琉郷? どうしたんだ? 何やら顔色が悪いようだが」

琉郷「……ううん、大丈夫、何でも、ないよ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……そうか」

 ……まだ、江奈には話せない。
 この話は、胸にしまって置かなければ……。

琉郷「……ねぇ、この学校から脱出できないの?」

琉郷「わざわざ、同じ学校の生徒同士で殺しあうことなんて……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「それが出来たら、みんなもうこの学園を去っている」

江奈(犬のぬいぐるみ)「何人かは殺し合いなんてごめんだと言って脱出したさ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「だが、この学校の敷地を出てすぐ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「死体になって、帰って来たよ。見せしめように、死体を晒されてね」

琉郷「っ……!」

琉郷「だっ、だったら警察とかは来なかったの!? 自衛隊は!? 誰かが、私達を助けて……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「それも、ない。私もしばらくは誰かが助けに来てくることを願っていたけど」

江奈(犬のぬいぐるみ)「戦争が始まってから、もう2ヶ月も立っているんだ。もう、諦めたよ」

 2ヶ月……も?
 こんなところに閉じ込められて、戦わされているっていうのに。

 誰も、来てくれなかった――。


 そんなの、頭がおかしくなっちゃうよ。

 照美だって、安藤さんだって、青木さんだって。

 2ヶ月も、こんな状態が続いたら。

琉郷「……この戦いを、終わらせることは出来ないの?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……奴らがいうには」

江奈(犬のぬいぐるみ)「この学園の生徒が『数名になるまで』続けるそうだ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「それが2人なのか3人なのか4人なのかはわからないが――全く、狂ってるな」

 数名? 照美はあと十数人はこの学校にいると言っていたのに。
 ということは、あと10人は確実に殺さなければ、私達は開放されない……。

琉郷「……」ガタガタ

 思わず、体が震える。
 得体の知れない恐怖が、背中を撫でている。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……」スッ

江奈「……だっ……大丈、夫……きっ、きっと……大丈夫、だから」ギュッ

琉郷「……うん。あ、あはは。江奈って、ぬいぐるみがないと口下手なんだね」

江奈「りゅ、琉郷だから、これで……すんで、る……他の、人は……む、無理」

 ……救われる。
 ただ、こうやって抱きしめられているだけで、今はただ……救われるような、気がする。




 ――キーン、コーン、カーン、コーン。



 ふと、校内にお馴染みのチャイムが鳴り響いた。
 こんな状況でも、チャイムだけはなるらしい。


『午後6時になりました。今から2時間、一切の戦闘行動は禁止されます』

『食堂に食料が、購買に私生活及び戦闘に関する支給品が届いています。必要な生徒は受け取りに来てください』

『繰り返します――』


 ……え? 今の、何?
 戦闘行動の、禁止って。

江奈「……」スッ

江奈(犬のぬいぐるみ)「やれやれ、もうそんな時間か」

江奈(犬のぬいぐるみ)「いつもは時が止まったように感じるほど長いのに、琉郷といると一瞬だな」

江奈(犬のぬいぐるみ)「一緒に食料を取りに行こう。今の時間帯はある程度無事が約束されているが」

江奈(犬のぬいぐるみ)「『もしも』がないとは限らない。今の琉郷を1人にはさせられないからね」


 ――私は江奈に手を引かれ。
 薄暗い、蛍光灯と日没の光を頼りに廊下を歩く。
 びくびくとした私とは裏腹に、江奈はやけに堂々と歩いていた。

江奈(犬のぬいぐるみ)「どうやら、奴らは私達を餓死させる気はないようでな」

江奈(犬のぬいぐるみ)「この制度は初日から続いているんだ」

 なるほど。確かに食料もなしで2ヶ月もここで生きてはいられない。
 つまり江奈がいうところの奴らとは、どうやっても私達に殺し合いで死んで欲しいらしい。

琉郷「もしも、今禁止を破ったらどうなるの?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「瞬時に粛清される。それで数人は死んだかな」

 ……聞かなきゃよかったという後悔と、聞いて安心したという安堵が同時に心に突き刺さる。

琉郷「みんな、食堂にくるの?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「何人かは堂々と食堂で食べているものもいるが、多くは自分の隠れ家に持って帰っている」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……戦争をさせられているんだ。仲良しこよしは出来ないさ」

琉郷「そうなんだ……」


 ……もしかしたら。
 無事に逃げ延びた照美や安藤さんと再開出来るかもしれない。

 でも、実際に照美と会ったら私はどうするのだろうか。
 照美が私に殺させようとしたのが、実の妹だと知った今、前と同じ振る舞いが出来るだろうか。

 ……でも。

 生きていて欲しい。

 それだけは、どのような感情を抜きにしても。

 心の底から、思っている。


四季「あっ」

琉郷「ん?」


 ばったり、廊下で誰かと出くわした。
 見たことない顔だ。濡羽色の長髪を後ろでテキトーに結んでいるかなりの美人。

 そして何故かジャージ。

四季「……生きてたのね、アンタ」

 ……え、もしかして知り合い?


 ↓3 琉郷はどうする? 台詞or行動(もしくは両方)

まあなんとかね。あなたも生きていてよかった

>>458

>>458

四季さんに厳しいな…
また残念にキレるぞ…

四季ちゃん初対面だから吹き出すのおかしくない?

琉郷「――ぶふっ」

 思わず、吹き出してしまった。

 物凄い美少女なのに、ジャージ。

 まるで窓際で図書でも読むのが似合うほどの美少女なのに、ジャージ。

 それがあまりにもミスマッチすぎて、笑いのツボに入ってしまった。

四季「」

 ハッ――!?


 ↓1コンマ 四季の好感度変化

 01~30 -10  21~70 変化なし   71~98 +10  ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

四季「な、何がおかしいのよ!?」

琉郷「え!? いや、その……!」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……四季、琉郷はむせただけだ」

四季「えっ?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「先ほど飲み物を飲んでいたからな」

江奈(犬のぬいぐるみ)「そのせいでむせたんだ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「そうだな? 琉郷」

琉郷「……う、うん。そう! そうなんだ!」

四季「……」ジー

四季「なんだ、そっかぁ……って、紛らわしいのよ!」

四季「ふんっ!」スタスタ

 プリプリと機嫌を損ねながら四季と呼ばれた彼女は去っていく。
 よかった、江奈のおかげで無事ことなきを得ることが出来た。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……気をつけて、琉郷」

江奈(犬のぬいぐるみ)「彼女は烏丸四季。残っている生徒の中では非戦派だけど」

江奈(犬のぬいぐるみ)「怒らせると手がつけられないから」

琉郷「ごめんね、次は気をつけるよ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「なにより、君は彼女に結構嫌われているしな」

 ……え、なんで?



好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』


 烏丸さんとわかれて、再び私達は歩き出す。
 そして食堂と書かれた場所を発見。

江奈(犬のぬいぐるみ)「入るぞ」

琉郷「……うん」

 少し、緊張する。

 江奈が扉を開ける。

 ――食堂の明かりが漏れる。

 そして中に居たのは。



文架「……」モグモグ



 ……三つ編みの、眼鏡ちゃんだった。


江奈(犬のぬいぐるみ)「……文架か」

江奈(犬のぬいぐるみ)「琉郷、あまり彼女とは関わらない方がい――」


 と、江奈が何かを言いかけたその瞬間。


文架「うじゅー」

琉郷「っ!?」


 文架というらしい彼女が、私の目の前に一瞬にして『跳んできた』。

 な、なに今の脚力!? いや、跳躍力!?

文架「……」ジー

 そして、私を舐めまわすようにじっと見つめる……。

江奈(犬のぬいぐるみ)「文架! 今は戦闘が禁止されているっ!」

文架「……かわいい」

琉郷「え」

文架「……」ジー

 え。



 ↓3 琉郷はどうする? 台詞or行動(もしくは両方)

ありがとう。
あなたも可愛い…と思うよ。

ありがとう。でもあなたの方がかわいいよ(イケメンスマイル)

>>470

気に入られると、死亡フラグが立つような気もしてきた


 ……かわいい?

 私が?

 記憶がないのでなんとも言えないのだけど、そんなこと初めて言われた気がする。

琉郷「――ありがとう。でもあなたの方がかわいいよ」

 そのせいなのか、何故かこっ恥ずかしくなってしまって。
 自然と、私は精一杯の笑顔でそう返していた。

 どう考えても私より彼女の方がかわいいし。

文架「……」ヘラヘラ

 そのだらしのない表情はどうかと思うけれど。



 ↓1コンマ 文架の好感度変化

 01~30 変化なし  30~70 +10   71~98 +20  ゾロ目 +30 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

とーう

文架「……」ヘラヘラ

文架「ぐうかわいい」

文架「うじゅ」

 それだけ告げて、彼女はフラフラと先程まで座って食事をしていた席につく。

 ぐうかわいいと言われてしまった。

 いったい、なんだったのだろうか。

江奈「……」ムスッ

江奈(犬のぬいぐるみ)「彼女は鈴鳴文架。言っておくけれど、彼女は相当な危険人物だ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「死にたくなければ関わらない方がいい」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……」ムスッ

 そして横で何故か江奈がむくれている。

 なんで?

江奈「……浮気……者……」ムスッ




文架 好感度93『凄くかわいいからとっても痛めつけたいかもーあははは』

生き残るためには惚れさせるしかない


 ……しかし。

 結局食堂には、烏丸さんと鈴鳴さんしか居なかった。

 烏丸さんは自分の隠れ家で食べるようですぐに帰ってしまったし。
 鈴鳴さんはもう私に興味をなくしたのか、黙々とご飯を頬張っている。


 生徒会長という人もいなければ。

 私の妹という鷹司琴音も。

 私に戦いを挑んで来た炎使い、青木理子も。

 あのちょっとわがままな安藤幸子も。



 照美も、来なかった。


「――む、生きていたのか」


 しかし、新たに食堂に現れた人影。


江奈(犬のぬいぐるみ)「君は……」


 彼女はいったい――。




【8人目の女生徒】
名前『 』
学年『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』
初期好感度 『 ↓6 』


↓5

名前『黛 昏愛(まゆずみ くれあ)』
容姿『金髪のウェーブヘアにギャルメイク、吊り目で高身長』
性格『見た目に反して気弱でおどおど、強くなりたいと思ってる』
能力名『感情操作』

名前『静堂院 鉄咲』
学年『三年生』
容姿『鉛色のセミロングに全身武装』
性格『戦闘狂でレズだが非常に武人気質』
能力名『機械人』

名前『獅童 静』
学年『三年生』
容姿『目の下にクマがある、猫背の長身。白衣を着ている。』
性格『口が悪いチンピラ、の振りをしたクレバーな策士。非戦派では無いが、黒幕ぶっ[ピーーー]派』
能力名『倍返し』

名前『眼龍依弥里 がんりゅうえみり』
学年『一年生』
容姿『くせのある暗髪セミロング 通常無表情だが積極的な時は表情豊かになる』
性格『関心事があるかどうかで変わり、通常は脱力系だが何かに関心を持つとハイで饒舌になる』
能力名『衝撃波』

名前 『真神麻梨亜まかみまりあ』
容姿 『金髪三つ編みで垂れ目太眉。貧乳』
性格 『善良を絵に描いたような性格。自己犠牲精神の強いドM。熱心なクリスチャン』
能力名 『悪意吸収』

くっ早まったか

レズか…!(ガタッ

>>488 再びすみません 鉄咲の読みは「てっしょう」でしょうか。それとも「かねざき」?

>>495
(せいどういん てつさき のつもりでした)

>>496ありがとうございます

鉄咲 好感度49「女としては好みではないが敵としては相応しい」




鉄咲「久々だな、琉郷」

鉄咲「といっても、3日ほどだが」

 まず眼を引かれたのは髪色だった。
 珍しい鉛とでもいうべきか。そんな鉛色をしたセミロング。

 顔は、綺麗というよりも凛々しさを感じる。
 しかし、次に瞬間には全てがぶっとんだ。


 全身武器。


 まさにその言葉こそが相応しい。

 腰にはこの学校のどこにあっというのか3本の日本刀。

 穏やかではない鉛色のグローブ、ブーツ。

 その他もろもろ名称こそはわからないがそれが武器だということだけはわかる、危険極まりないもので固められていた。

鉄咲「まっ、私としてはよかったよ。生徒会長も、お前も」

鉄咲「私が狩る手筈なのだから」

 凛、とした視線が私を穿つ。

鉄咲「お前が死んでも会長が死んでも、困るんだ」ニッ


 悪意のない、笑顔だった。

 けれども敵意はあった。

 けれども殺意はなかった。

 いったい、彼女はどういう人物なんだ。

江奈(犬のぬいぐるみ)「全く、まだそんなことを言っているのか鉄咲」

鉄咲「ふん、戦を放棄した子犬に興味はない」

江奈(犬のぬいぐるみ)「誰かが子犬か」

鉄咲「お前だ、子犬」

江奈(犬のぬいぐるみ)「……」イラッ

 うっ、何やらよろしくない雰囲気だ。


 ↓3 琉郷はどうする? 台詞or行動(もしくは両方) 

この子をいじめるのはやめてくれる?
この子はこんな状況でも怪我した私を迷わず助けてくれた。戦うことを選ばなくても、その優しさは十分強さだと私は思うよ

>>501


 ……でも、イラッときたのは私も同じだった。

琉郷「この子をいじめるのはやめてくれる?」

鉄咲「ふん?」

琉郷「この子はこんな状況でも怪我した私を迷わず助けてくれた。戦うことを選ばなくても、その優しさは十分強さだと私は思うよ」

 少なくとも、私なんかより、よっぽど江奈の方が強いことは確かだ。
 友達と思っていた人が記憶を失って、名前すら思い出して貰えない状況でも、それでも抱きしめてくれた。

 江奈は、強いよ。
 子犬なんかじゃ、ない。

江奈「……りゅ、う……ごう」



 ↓1コンマ 鉄咲の好感度変化

 01~30 -10  31~70 変わらず   71~98 +10  ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

 ↓2コンマ 江奈の好感度変化

 01~30 +10  30~70 +15   71~98 +20  ゾロ目 +30 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

鉄咲「くくっ。相も変わらずだ、お前は」

鉄咲「死ぬなよ、琉郷」

鉄咲「私が殺す、その日まではな」

 それだけ告げて、彼女は去る。

鉄咲「……それだけが、この学園での唯一の『喜び』だ」

 ちゃっかりとご飯だけは持って。

琉郷「……」

 彼女は、どうやら酷く好戦的な人物のようだ。

 ……どうしたら、元はただの女子高生だったであろう彼女がああなってしまうというのか。

 殺し合いという狂気を2ヶ月も続ければ。

 ああいう風になってしまうのだろうが。

 悲しかった。

 ただ、無償に。

 悲しかった……。


江奈「……りゅう、ごう」

江奈「……あり、がと」ギュッ


琉郷「……どういたしまして」ナデナデ






江奈「……大、好き」




鉄咲 好感度49 『女としては好みではないが敵としては相応しい』

江奈 好感度130 『琉郷はぼっちな私の唯一大好きな親友』

【主人公】
名前『猿宇宙 琉郷(さるそら りゅうごう)』
学年『二年生』
能力名『リミッター解除』

【1人目の女生徒】
名前『山璽 照美(さんじ てるみ)』
学年『二年生』
容姿『赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名『透明化』
好感度110 『琉郷は甘いから私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね』
主人公との関係『元親友?』

【2人目の女生徒】
名前『鷹司 琴音(たかつかさ ことね)』
学年『一年生』
容姿『ウェーブのかかった茶髪で常に笑顔』
性格『おっとりしているがたまに毒舌』
能力名『幻覚』
好感度47 『昔は仲睦まじい姉妹だったらしいが戦争中に何かがあった?』
主人公との関係『姉妹』

【3人目の女生徒】
名前『安藤 幸子(あんどう さちこ)』
学年『三年生』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『幽体化』
好感度107 『猿……琉郷さんは命の恩人です! 琉郷さんマジ天使!』
主人公との関係『命の恩人』

【4人目の女生徒】
名前『青木 理子(あおき りこ)』
学年『三年生』
容姿『長髪の赤髪 赤マントを付けている』
性格『お嬢様言葉を使う 記憶喪失になる前の琉郷と戦った事がありライバル視している』
能力名『パイロキネシス(発火能力)』
好感度73『琉郷様は良きライバルですわ』
主人公との関係『ライバル』

【5人目の女生徒】
名前『鈴鳴 文架(すずなり ふみか)』
学年『二年生』
容姿『へらへら笑いを浮かべた三つ編みメガネっ娘』
性格『刹那主義なドS』
能力名『劣化』
文架 好感度93『凄くかわいいからとっても痛めつけたいかもーあははは』

【6人目の女生徒】
名前『烏丸 四季(からすま しき)』
学年『三年生』
容姿『ジャージを着て、濡羽色の長髪を後ろでテキトーに結んでいる』
性格『うっかり者な残念美人』
能力名『強運』
好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』
主人公との関係『仲悪い?』

【7人目の女生徒】
名前『瀬峰 江奈(せみね えな)』
学年『三年生』
容姿『銀髪ショートのメガネ』
性格『口下手で無口のぼっち』
能力名『障壁』
江奈 好感度130 『琉郷はぼっちな私の唯一大好きな親友』
主人公との関係『友達?』

【8人目の女生徒】
名前『静堂院 鉄咲(せいどういん てつさき)』
学年『三年生』
容姿『鉛色のセミロングに全身武装』
性格『戦闘狂でレズだが非常に武人気質』
能力名『機械人』
鉄咲 好感度49 『女としては好みではないが敵としては相応しい』
主人公との関係『敵?』

※このSSは一応バトル系のSSです。こういうの大好きですけど。
 本日は終了です、ありがとうございました。というか驚愕の三年生率ですね。1、2年は生き残れなかったのか

おつー!

三年で生き残ってるのは流石に年の功か。
というか、二年で生き残ってる奴等はやっぱ癖が強い…。

乙ー


ヤンデレズハーレムを作ろう(錯乱)
そろそろ照美姐さんに会いたいな、修羅場になりそうだが

ごめんなさい来週まで忙しくて時間取れません

二週間目か…

遅くなってすいません 今日の5時頃から再開します

よっしゃ!

 静堂院さんとの衝撃的な邂逅のあと、私達は食料を手に入れ保健室に戻っていた。
 その間は特に誰とも出会わず、静かで、暗くて、不気味な夜の校舍特有の景観だけが残っていた。

琉郷「……」モグモグ

江奈「……」モグモグ

 私と江奈は静かに具だくさんのサンドイッチを頬張る。
 江奈はぬいぐるみを持つと途端に饒舌になるが、無ければ別人のように静かだ。

 不思議な人である。
 やはりこの学校で生き残っている以上、彼女もまたどこかおかしくなってしまっているのだろうか。

江奈「…?」

江奈「……」スッ

江奈(犬のぬいぐるみ)「どうしたんだい? じっとこっちを見つめて」

江奈(犬のぬいぐるみ)「君が私を想ってくれるのは嬉しいけれど、そんなに見つめられては照れてしまうな」

 ほんのりと頬を赤くしながら、彼女はそういう。

 かわいい。

琉郷「それにしても、いまさらだけど江奈は凄いよね、こんな学校で、ずっと一人で戦って来たんでしょ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「戦ってきた、というのは正しくないかな。私は最初期からずっと隠れていただけだからね」

江奈(犬のぬいぐるみ)「性格的にも能力的にも、私は戦いに向いていないから」

琉郷「能力……?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「私の能力は好きな場所に『障壁』を発生させることが出来るというものなんだ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「こんな風にね」

 そう言いながら、江奈はぬいぐるみを嵌めていない左側の手を差し出す。
 すると、その手の平から波紋のような物が広がっていた。

 これが、障壁なのか。

江奈(犬のぬいぐるみ)「とても頑丈でね、強制的に与えられたものとはいえ、これが無ければ私は今日まで生きてはこれなかった」

琉郷「へー……」

 思わず触ってみる。
 おお、硬い。まるで半透明のガラスを触っているかのようだ。
 彼女のいうことを信じるなら、ここで思いっきりこの波紋を殴ってみてもびくともしないのだろう。

江奈(犬のぬいぐるみ)「そこそこの汎用性は効くけれど、これで戦おうという気にはならないのもわかるだろう?」

琉郷「そっか……」

 かなり凄い能力だと私は思うが、確かにこれは戦闘向きではないかも知れない。
 いっそ護衛向きとも言える能力だろう。

琉郷「でも、江奈と一緒にいると心強いな」

琉郷「江奈が守ってくれたら、私はとっても安心していられるよ」

江奈「……」

江奈「……」テレッ

 再び顔を赤くして、江奈は俯いてしまう。
 何か変なことを言ってしまっただろうか…?



 ふと、ちらりと時計を見る。
 現在7時、戦闘禁止制限が解かれるまであと1時間だ。

 先ほどの食堂のやりとりを見ても、規則はきっちり守られているようだし。
 あと一時間だけは、安全が保証されている。

 ……どうするべきか。

↓1 琉郷はどうする?

幸子と、一応照美を探しに行く

生き残ってる人の中でも特に注意すべき人はいるか聞いてみる

 安藤さんと……一応だけれど、照美を探しにいってみよう。
 安藤さんとは、最初こそ敵対したけれど最終的には私を好意的に受けいれてくれたように思える。

 照美は色々と不安だが……それでも、何度も助けてくれた恩人だ。
 2人に会いたい。2人の安全を確かめたい。



 私はそのことを江奈に告げる。

江奈「……」

江奈「……」プクー

 何故か、頬をふくらませ、渋い顔をされた。

江奈(犬のぬいぐるみ)「正直言って、その2人を私は信用出来ない」

江奈(犬のぬいぐるみ)「幸子はわがままだし、照美は危険人物」

江奈(犬のぬいぐるみ)「それに戦闘は禁止されているとはいえ、絶対に安全が保証されているわけでもないんだよ?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「その提案に私は反対だ。なにより――」



江奈(犬のぬいぐるみ)「君の仲間は、私だけでいいと思うけれど?」



 ……えー。


↓2 琉郷の行動 or 台詞

心配してくれてありがとう
でもあの二人なら大丈夫だと思うよ
それに私もあなたに守られるだけじゃなくて守りたい
未だに能力が使いこなせない私じゃ仲間を集めるくらいしか力になれないから……


 なるほど、確かに江奈のいうことも一理どころか最もだろう。
 照美は言わずもがな、安藤さんもこう言ったら悪いけどなんかアレだし。

 江奈は私のことを第一に考えてくれている。
 それはありがたいことだ、とっても嬉しいことだ。

 でも、それでも。

琉郷「心配してくれてありがとう。でもあの二人なら大丈夫だと思うよ」

琉郷「それに私もあなたに守られるだけじゃなくて守りたい」

江奈「っ」

琉郷「未だに能力が使いこなせない私じゃ仲間を集めるくらいしか力になれないから……」

 今の私ではただの足手まといになるだけだろう。
 でも、今この学校に生き残っている生徒が十数人というなら、私と江奈と安藤さんと照美で全体の3分の1を締める大勢力になれるはずだ。

琉郷「私だって殺し合いなんてしたくない。みんなで集まって協力すれば、きっと生きてここから出られる方法が見つかるよ。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……論理無き根拠は関心出来ない、な」


↓1コンマ 江奈の好感度変化

 01~30 -10  31~60 +5   61~98 +10  ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

惚れろ惚れろ

うーんどこまでも上がる

江奈(犬のぬいぐるみ)「……はぁ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「わかった、君の意思を尊重しよう」

琉郷「やった!」

江奈(犬のぬいぐるみ)「確かに、戦力が多いにこしたことはないか。裏切られなければね……」

江奈(犬のぬいぐるみ)「ただし期限は45分までだ。それ以上の探索は認めない」

琉郷「大丈夫、45分までだね!」

江奈(犬のぬいぐるみ)「なら、行こうか。片時も私から離れてはいけないからね」

琉郷「ありがとう、江奈」

江奈(犬のぬいぐるみ)「親友の頼みは断れないよ」




江奈(犬のぬいぐるみ)「私の、ただ一人の大事な親友だもの……」



江奈 好感度140

琉郷「よーし、早速探索を始めよう」

江奈(犬のぬいぐるみ)「さて、手始めにどこにいこうか?」


↓2 探索する場所は? (学校施設限定)

体育館

二人とはぐれた場所近辺

 2人とはぐれた場所近辺を探索しよう。

江奈(犬のぬいぐるみ)「なるほど、つまりはグラウンド付近ということだね」

琉郷「うん、何か手がかりでも見つかればいいんだけど」




 私達は校舍を出て、グラウンドに出向く。

 もう空は完全に日が沈み、代わりに星と月が浮かんでいる。
 けれども、グラウンドは複数のナイター照明で照らされていて、暗いと思うことはなかった。むしろ眩しいくらいだった。

琉郷「……誰もいないし、何もないか」

江奈(犬のぬいぐるみ)「そのようだね――むっ!?」

 
↓1 偶数で誰かと遭遇 奇数で変化なし

どれ

待機

琉郷「どうしたの?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「あそこの影に誰かいる――!」

琉郷「えっ!」

 江奈が指を刺す。

 すぐさまにその方向を見つめて――。

琉郷「あれは……」


↓1コンマ グラウンドにいたのは?


鷹司 琴音00~10

安藤 幸子11~20

青木 理子21~31

鈴鳴 文架31~40

烏丸 四季41~51

静堂院 鉄咲61~70

新たな生徒 71~99

はい

江奈(犬のぬいぐるみ)「……奴は!」

琉郷「え、え?」

 少なくとも、私はその人影に見覚えはなかった。聞き覚えだってなかった。

 彼女もまた、この学園の生徒なのか――!?




?「やあ、こんばんは.。今日も月が綺麗だね」




【9人目の女生徒】
名前『 』
学年『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』
初期好感度 『 ↓6 』


↓5

照美、コンマ選択肢にないか…
やはり死亡なのかな

あ、ksk

ksk

名前『明日真 霧(あすま きり)』
学年『一年生』
容姿『黒髪、ボロボロで血まみれな学生服と学生帽、貧乳』
性格『元々は心優しい性格であったが、何度も殺され続けたため人間不信に陥った
飢饉状態のため少々狂気にも犯されている』
能力名『不死身』

名前 『真神麻梨亜 まかみまりあ』
学年 『三年生』
容姿 『金髪三つ編みで垂れ目太眉。貧乳』
性格 『善良を絵に描いたような性格。自己犠牲精神の強いドM。熱心なクリスチャン』
能力名 『悪意吸収』

名前『箱園 優美(はこぞの ゆみ)』
学年『1年』
容姿『色っぽく制服を着崩した、セクシーな雰囲気を漂わせるグラマーな美女』
性格『自分の容姿に無頓着なのんき者。妖艶に振る舞っているように見えるが、実は頭の中では晩ご飯の事とか考えてる素朴な性格』
能力名『融和』

名前『千堂 赤江(せんどう あかえ)』
学年『一年生』
容姿『ヘルメットにマフラー、拡声器を所持』
性格『堂々とした扇動者』
能力名『音操作』

また3年生か

好感度低すぎ無い

名前 『真神麻梨亜 まかみまりあ』
学年 『三年生』
容姿 『金髪三つ編みで垂れ目太眉。貧乳』
性格 『善良を絵に描いたような性格。自己犠牲精神の強いドM。熱心なクリスチャン』


好感度7ww
それと申し訳ありませんが能力名『悪意吸収』による戦闘が全く思い浮かばないので能力だけ最安価でお願いします

↓3

ちょくちょく見たキャラ名だと思ったら、三度目の正直で安価取れたのな。
おめでとう。

衝撃操作

麻莉亜「やあ、こんにちは。今日も月が綺麗ですね」

江奈(犬のぬいぐるみ)「真神、麻莉亜――!」

琉郷「真神、さん……?」

 月に照らされ、麗しく輝く金髪の三つ編み。
 おっとりとした垂れ目と太眉は優しげな彼女の性格を現すかのようだ。

 そして貧乳である。

麻莉亜「あら、琉郷さんじゃないですか。なんだか久しぶりですね」

麻莉亜「てっきり、生徒会長によって天へと召されたかと思っていましたよ」

麻莉亜「生きていたんですねぇ、例え貴女のような方でも、神は生きることを望まれているということでしょうかね」

 なぜか、言葉が刺々しい。

 なぜか、若干の敵意を感じる。

麻莉亜「“敵を愛し、迫害するもののために祈れ”……マタイによる福音書から引用」

麻莉亜「故に、私は貴女の無事を祈りましょう」

 すっ、と両手を眼前で組み、彼女は祈るような仕草をする。
 …・・敵かよ、私は。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……まだ琉郷を恨んでいるのか、麻莉亜」

琉郷「!?」

 なんか江奈がとんでもないことを口にしたような気がする。

麻莉亜「まさか。他人を恨むなど神は許しませんから」

麻莉亜「“あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい”……マタイによる福音書から引用」

麻莉亜「私は、琉郷さんがいかなる極悪人であっても、許しましょう」

 え、え? なんか恨まれてるの、私?
 真神さんには許されているみたいだけれど。

江奈(犬のぬいぐるみ)「……だったら、なぜ」

                        ・ ・ ・ ・ ・ ・
江奈(犬のぬいぐるみ)「お前の背後の棺桶が動いてる」


 言われて、気づく。
 真神さんの後ろに、丁度人が入りそうな2つの大きな箱があることに。
 江奈がいうように、それは確かに棺桶のようだった。

 随分と、手作り感に溢れる死者の寝床だ。

 そして、その棺桶が――ゴトゴトと音を立てて動いていた。

誰が死体で出てくるのかね…

麻莉亜「――私、ではありませんよ」

麻莉亜「私のような一介の信者に、すでに魂無きこの方達を動かせる力などありません」

麻莉亜「……もしも、死者であるこの方々が貴女方を襲おうとしても」



麻莉亜「それは、神のご意思でしょう?」ニコッ



 その笑顔は、全く悪意がない。
 静堂院さんとも違い、敵意すらない。
 本当に、ただ優しげな笑顔だった。綺麗な笑顔だった。

 だというのに何故だろう。

 私にはその笑顔が――とても恐ろしいもののようにしか感じないのだ。

江奈(犬のぬいぐるみ)「待て、麻莉亜! 今はまだ7時を超えて間もない!」

江奈(犬のぬいぐるみ)「今、戦闘を行えばお前が粛清されるぞ!」

麻莉亜「だから、私ではないといっていますのに」

麻莉亜「まあ、仮にこの神の奇跡が私の仕業と認識され、よくもわからない教師の方々に粛清されようとも」

麻莉亜「私は、甘んじてそれを受け入れましょう。それが私の天命なのです」


麻莉亜「嗚呼、ハレルヤ」



右の棺桶が、開いた。

左の棺桶が、開いた。


そしてその中から出てきたのは―ー。



【麻莉亜の使役する女生徒の死体】
名前『 』
学年『 』
容姿『 』
性格『 』
能力名『 』

↓3 右の棺桶 ↓4左の棺桶

kskst

名前『明日真 霧(あすま きり)』
学年『一年生』
容姿『黒髪、ボロボロで血まみれな学生服と学生帽、貧乳、ガムテープで塞がれた口』
性格『元々は心優しい性格であったが、何度も殺され続けたため人間不信
死体とみなされたので死体操作能力の対象になってしまった』
能力名『不死身』

四季

名前『藤原 みやこ』
学年『1年』
容姿『ショートヘアのスクール水着』
性格『ややナルシストで自己中な俺っ娘』
能力名『衝撃操作』

ちょうど状況にマッチした能力の人がいたんだなぁ。

そして四季さんがうっかり死んでおられる。
残念すぎる…。

ごめんなさい、新キャラのクリエイトの安価なんです。といってもすでに死んでますが。
>>573>>574

戦闘禁止時間帯だけど四季死んだことにしていいのか?

ああ、そういえば時系列で言えばついさっき別れたいばっかりなのか…


 ドゴン、と乱暴に棺桶の蓋が開いた。

 右の棺桶から出て来たのは、一人の女性だ。
 全身交通事故にでも巻き込まれたのか、とでも思わざるを得ないほどにボロボロだった。

 そして何故か口をガムテープで塞がれている。


霧「むぐむぐ」モゴモゴ

麻莉亜「彼女は明日真霧さん、学年は一年生。死因は数えきれないほどございます」

 左の棺桶から出てきたのは、やはり一人の女性。
 なんとスクール水着だ。驚くことにスクール水着だ! なんでスクール水着を着ているんだ!?

みやこ「あー、死人やってると肩がこるわー。んん? アレが俺の敵かい、ご主人」

麻莉亜「彼女は藤原みやこ。学年は一年生。死因はプールでの戦闘による溺死」



麻莉亜「この2人は私の可愛い後輩であり、すでに天へと召されたとはいえ、頼もしいお仲間ですよ」
 

死体操作キャラ入れば生存者の数以上にキャラ出せるから便利だな

琉郷「な、何あれ……!? し、死体って……!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「奴は真神麻莉亜っ。能力は『死体操作』! ネクロマンサーとでも言おうか」

江奈(犬のぬいぐるみ)「クリスチャンがネクロマンサーとは、とんだ皮肉だなっ」

琉郷「死体操作……!? 彼女達は、死人なの……!?」

江奈(犬のぬいぐるみ)「ああ。ある意味でこの学園で一番イッてる奴だ」

江奈(犬のぬいぐるみ)「規則を破ろうとも、奴は本気で戦うつもりらしい――!」

琉郷「なにそれ!? 意味わかんないんだけど!?」

 真神さんはわかっているのか?
 今、この時間で戦闘を行ったら謎の組織に処刑されるのだ。

 江奈がいうには、それですでに何人か死んでいるはず。
 ここで2ヶ月も生き残っている彼女が知らないはずないのに。


霧「むぎーむぎー」モゴモゴ

みやこ「あはは、何言ってっか全然わっかんねーよ霧!」

麻莉亜「少し静かにしていてください霧さん、みやこさん。今は真面目なお話の最中なのですから」


 これから血みどろの戦いが始まるのに、ちっとも緊張感が感じられない――!


 どうしよう、そうすればいいんだ……。

江奈(犬のぬいぐるみ)「どうする琉郷? あいつに説得は難しい」

 そんなこと言ったって……。


↓2 琉郷はどうする? 行動or台詞

逃げる


 もう逃げるしかないじゃん!
 あんなのに付き合ってられないよ!

琉郷「江奈、逃げよう。江奈の手当のおかげで傷は治ったし、リミッター解除で江奈を担いで一気にここから立ち去るから」

江奈(犬のぬいぐるみ)「了解だ。頼んだぞ、琉郷」



 ふぅ、と息を吐く。

 ぐっ、と拳に力を入れる。

 リミッター……解除!

 江奈を担いで、ダッシュ!







霧「……もご?」モゴモゴ

みやこ「ん? どったの霧? ……あ」

麻莉亜「……逃げられた」




↓1コンマ 麻莉亜 好感度変化
01~30 -10  31~60 変化なし   61~98 +5  ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

↓2コンマ 江奈 好感度変化
01~30 変化なし  31~60 +5   61~98 +10  ゾロ目 +20 00、99 ジャックポット(何かが起こる)

江奈ちゃんの好感度はどこまでいくのか

好感度天井知らず

麻莉亜「……ふぅ、なるほど、これが神の試練というわけですか」

麻莉亜「“神は、その人が耐えることのできない試練を与えない”……新約聖書より引用」

みやこ「出た出た、ご主人の引用病」

霧「もご」モゴモゴ

麻莉亜「やはり、私は彼女と決着を付けなければなりませんね」

麻莉亜「――ふふっ」




真神麻莉亜 好感度12『いずれあの方は神の捌きを受けるでしょう』





 ドドドドと土埃を上げて、私は走る。江奈を担いで全速力で。
 軽く軽自動車くらいの速度は出ているかも知れない。

琉郷「江奈、大丈夫?」

 ふと腕の中にすっぽりと収まっている小柄な江奈が心配になって、そう問いかけた。

江奈「……う、ん。大丈夫」

琉郷「そっか、しっかり捕まっててね!」

江奈「……うん」

江奈「……あった、かい」ムギュ




江奈 好感度150 『琉郷はぼっちな私の将来の伴侶』

【主人公】
名前『猿宇宙 琉郷(さるそら りゅうごう)』
学年『二年生』
能力名『リミッター解除』

【1人目の女生徒】
名前『山璽 照美(さんじ てるみ)』
学年『二年生』
容姿『赤髪ショート、スレンダー』
性格『さっぱり』
能力名『透明化』
好感度110 『琉郷は甘いから私が守ってあげないとすぐ死んじゃうもんね』
主人公との関係『元親友?』

【2人目の女生徒】
名前『鷹司 琴音(たかつかさ ことね)』
学年『一年生』
容姿『ウェーブのかかった茶髪で常に笑顔』
性格『おっとりしているがたまに毒舌』
能力名『幻覚』
好感度47 『昔は仲睦まじい姉妹だったらしいが戦争中に何かがあった?』
主人公との関係『姉妹』

【3人目の女生徒】
名前『安藤 幸子(あんどう さちこ)』
学年『三年生』
容姿『巨乳、黒髪のロング』
性格『丁寧な言葉使うが少し我がままである』
能力名『幽体化』
好感度107 『猿……琉郷さんは命の恩人です! 琉郷さんマジ天使!』
主人公との関係『命の恩人』

【4人目の女生徒】
名前『青木 理子(あおき りこ)』
学年『三年生』
容姿『長髪の赤髪 赤マントを付けている』
性格『お嬢様言葉を使う 記憶喪失になる前の琉郷と戦った事がありライバル視している』
能力名『パイロキネシス(発火能力)』
好感度73『琉郷様は良きライバルですわ』
主人公との関係『ライバル』

【5人目の女生徒】
名前『鈴鳴 文架(すずなり ふみか)』
学年『二年生』
容姿『へらへら笑いを浮かべた三つ編みメガネっ娘』
性格『刹那主義なドS』
能力名『劣化』
文架 好感度93『凄くかわいいからとっても痛めつけたいかもーあははは』

【6人目の女生徒】
名前『烏丸 四季(からすま しき)』
学年『三年生』
容姿『ジャージを着て、濡羽色の長髪を後ろでテキトーに結んでいる』
性格『うっかり者な残念美人』
能力名『強運』
好感度37『あなたは私の嫌いなタイプ』
主人公との関係『仲悪い?』

【7人目の女生徒】
名前『瀬峰 江奈(せみね えな)』
学年『三年生』
容姿『銀髪ショートのメガネ』
性格『口下手で無口のぼっち』
能力名『障壁』
江奈 好感度150 『琉郷はぼっちな私の将来の伴侶』
主人公との関係『友達?』

【8人目の女生徒】
名前『静堂院 鉄咲(せいどういん てつさき)』
学年『三年生』
容姿『鉛色のセミロングに全身武装』
性格『戦闘狂でレズだが非常に武人気質』
能力名『機械人』
鉄咲 好感度49 『女としては好みではないが敵としては相応しい』
主人公との関係『敵?』

【9人目の女生徒】
名前 『真神麻梨亜 まかみまりあ』
学年 『三年生』
容姿 『金髪三つ編みで垂れ目太眉。貧乳』
性格 『善良を絵に描いたような性格。自己犠牲精神の強いドM。熱心なクリスチャン』
能力名『死体操作』
好感度12『いずれあの方は神の捌きを受けるでしょう』
主人公との関係『敵?』

【麻莉亜の使役する女生徒の死体】
名前『明日真 霧(あすま きり)』
学年『一年生』
容姿『黒髪、ボロボロで血まみれな学生服と学生帽、貧乳、ガムテープで塞がれた口』
性格『元々は心優しい性格であったが、何度も殺され続けたため人間不信
死体とみなされたので死体操作能力の対象になってしまった』
能力名『不死身』

名前『藤原 みやこ』
学年『1年』
容姿『ショートヘアのスクール水着』
性格『ややナルシストで自己中な俺っ娘』
能力名『衝撃操作』

本日これで終わりです。
これからも不定期更新が増えると思いますが時間を見てちょっとでも更新出来たらと思います。ありがとうございました

ついに伴侶までのぼりつめたか……


まったり待ってます

乙でした。
面白かったー。

乙ー

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