書き溜めなし。スレ立て初めて。亀更新。
酒場
魔法使い「僧侶さーん、学者さーん、遅くなりました~」
僧侶「おう来たか魔法使い。先に始めてるぞ」グビグビ
学者「おや?戦士は一緒じゃないのか?」
魔法使い「お姉さまは……実は先生方に呼び出されてしまって……今日は来れそうにないのです」シュン
僧侶「何!?それだと前衛が足りないぞ!?そもそもアイツがメインのパーティーじゃないか!!」
学者「まぁ仕方がないさ。前回の事件はいつにも増して酷かったし。中~大規模の迷宮に一番乗りで入って収穫なしのまま爆破したんだ……」
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魔法使い「どうしましょう、そろそろ迷宮で成果をあげませんと単位が……お姉さまがまた留年していまいます!」
学者「僕とてこのままでは本国からの奨学金が打ち切られかねないから困る。そもそも今日迷宮に潜る届けは出してしまっているしね。僧侶、今日は君が前衛で行こう」
僧侶「俺がぁ?オイオイ今日はもう呑んじまってるぞ」
学者「獣人の君がそんな量で酒が回るはずないだろ。装備の入れ替えも必要だしもう出よう」
僧侶「ま、待て!もう一杯!もう一杯だけ!」
魔法使い「それじゃ先にパーティーメンバーの変更届け出してきますね!リーダーは僧侶さんで!最年長ですし!」
学者「ほら僕らもさっさと行くぞ」
僧侶「そんな!俺はダラダラ後衛をやりたかったのに!」
竜の迷宮前
学者「それじゃリーダー、メンバーの点呼と今回の目的の確認よろしく」
僧侶「面倒な、3人じゃ点呼もクソもないだろ……学者!」
学者「迷宮に入る時のルールだからね。はい」
僧侶「魔法使い!」
魔法使い「はい!」
僧侶「で俺ね……何の意味があるんだこれ。え~今回の目標はこの『竜の迷宮』の踏破と最深部の秘宝の奪取です。初心者から潜れる竜種の多い迷宮ですが最深部への入り口は長らく見つかっていませんでした……それを、こないだ魔法使いがネクロマンスでゾンビドラゴンを作った影響で……」
魔法使い「ネクロマンスじゃありません!!精霊魔術です!!神聖なんです!!」
僧侶「……邪法の影響で最深部への扉が開放されたので今回俺たちがその探索をすることになりました。迷宮の中身も変動している可能性があるので気合いれていきましょう。以上」
学者「本当に今更って感じの迷宮だよね。探索され尽くして竜との戦いを学ぶ実習先ってレベルだったし。邪法が使えるレベルの術師は来なかったから扉の仕掛けは盲点だった」
魔法使い「邪法じゃないもん……竜の死体を呼び出したら扉の中の骨が反応しただけだもん……」
僧侶「よーしそれじゃ入るぞ。俺、魔法使い、学者の順番でついてこい」
学者「弩(いしゆみ)の矢は温存したいから二人で頑張ってね」
魔法使い「リザード2体ぐらい作っておけば中層までは楽ですよね、この辺りの骨で作っておきましょう」
僧侶&学者(邪法なんだよな……)
迷宮浅層
魔法使い「なんと言うかこう……」
僧侶「拍子抜けだな。いやいつもと変わらない訳だが」
学者「最深部の扉が開いて何か変化があると思ったんだけどね、いつも通りの魔物ばかりだ」
僧侶「こりゃあ大した発見もないかもな」
魔法使い「せっかく扉開いたのになぁ」
僧侶「これじゃ功績不十分で単位認定おりねぇかもな、また新しい迷宮探さんとだぜ」
学者「僕らが新しい迷宮入るとまた色々言われるけどね」
魔法使い「あはは皆さん何個壊滅させたんでしたっけ、私はまだ1個だけですけど」
僧侶「普通は1個も迷宮なんて破壊しねぇんだよ……俺はあれだな前のパーティーで1回やったけど、まぁあいつらが悪かったな」
学者「それでその仲間は全員迷宮に生き埋めになって失踪したんでしたっけ、本当に僧侶ですか貴方」
僧侶「このペースだと最下層の手前までは一気にいけちまいそうだな。行程表では本来泉で休憩とる筈だったが……ただでさえ人数少ねえし一気に行っちまいたいな」
学者「人数が少ないからこそ休憩をしっかりとるべきなのでは?とは言え休む必要すらなさそうですが」
魔法使い「私の魔翌力も全然持ちますし、とりあえず例の扉の前まで行ってしまいましょう」
僧侶「よし、それじゃ一気に行くとするか!」
迷宮深層
僧侶「よーし、こっからが今回の本番だな。準備は良いか?」
学者「矢も十分ですし、魔力も上々。疲れもありませんよ」
魔法使い「いや〜私達優秀すぎて困っちゃいますね。なんで卒業できないんだろ!」
僧侶「まぁそれを言っても仕方ねぇ。それじゃ現時刻より竜の迷宮、未知のフロアへの侵入を開始する!魔法使い!」
魔法使い「はい!<<長虫ノ 骨ニ命ズル 仮初ノ 命ヲ燃ヤシ 我ニ仕エヨ>>」
扉『グロロロロ………』ギィイイ
学者「ふーん、扉に鋳れこまれた竜の骨の意思でしか開かない扉か。聞いたこともない仕掛けだ。古の竜人達の秘法……でもなさそうだね。彼らの趣味じゃない」
僧侶「まぁ良い趣味じゃねぇよなぁ……この竜吠も不気味だし。お宝があったとしてもろくでもない代物何じゃねぇか?」
魔法使い「いやでもこれ凄い技術ですよ。普通こうなった骨が魔法に反応して命を持つなんてあり得ないですし。余程凄いものが眠ってるんだと思います!」
学者「ま、何であれ取ってこなきゃ僕らの生活に響くんだ。ほら僧侶、今日は君が先陣だよ。未知の世界への第一歩の権利をあげよう」
僧侶「参ったなぁ……戦士ほど罠に敏感じゃねぇんだけど」
迷宮最深層
僧侶「なんだぁ……?罠どころかモンスターすらでやしねぇ」
魔法使い「魔力の乱れもありませんね……」
学者「ふーむ、あそこの扉が最終関門でその後に備えは残していなかったのかな
」
魔法使い「その割にはポチ(竜の死骸)がこの先に進むのをイヤイヤするんですよね」
僧侶「死骸も嫌がる怪物が待ってるってか………ムッ、ちょっと止まれ。この匂いは……」
魔法使い「うーん?魔法的な反応はありませんけど」
僧侶「こいつは……魔法で作られた生き物の匂いじゃねぇ。マジの生物、それもバカでけえ……それと硫黄の匂いだ」
学者「なっ!?つまり龍の原種がいるってのか!?踏破何度は桁違いだぞ!?」
僧侶「ああ、戦士もいないしここは引き返した方がいいかもな」
魔法使い「えー!龍ぐらい別に良いじゃないですかー!せっかくここまで来たし、倒しちゃいましょうよー」
僧侶「馬鹿言うな、お前は魔法で龍と撃ち合えても俺のフィジカルじゃ太刀打ち出来ん。学園に帰って報告だ、こりゃ」
学者「しかしそれだと単位が出ませんね」
僧侶「は?」
学者「やりましょうよ龍討伐。僕らは経験だってあるんですし。とりあえず龍の強さを測るだけでも」
魔法使い「賛成でーす!こんなところに閉じ込められてる龍なんてそんなに強いことないですよ。野山で伸び伸び育ってる子のほうが強い筈です!」
僧侶「お前ら後衛だからって勝手なことを……」
学者「いえ、僕も前衛に立ちますよ。弓で撹乱して飛んでくる攻撃は魔法でしのぎます」
魔法使い「じゃあ私は後ろから火力担当ね!」
僧侶「で、俺がステゴロで横から龍を殴るってか?獣人を買いかぶり過ぎだろ」
学者「甘く見ると獣人差別って怒るじゃないですか。手ぶらで帰っても何にもならないんです。やるだけやりましょう」
僧侶「は〜しょうがねぇなぁ」
僧侶「どんな龍かもわからねぇんだ、静かに近づくぞ」ソロリソロリ
学者「気配を消す魔法をかけましょう」ソロリソロリ
魔法使い「ポチはここでお別れかな」
ポチ「キャイン(骨に戻る)」カラカラ
僧侶&学者(無慈悲だなぁ)
学者「初撃の奇襲でなるべくダメージを与えたいですね……獣人さんが逆鱗を殴るのがベストですか」
獣人「小型種ってこともないだろうし、届かねぇな。いつもならアイツが跳んでいくところだが近接で逆鱗狙いはダメだ」
魔法使い「なら弓矢じゃダメージにならないですし、私の魔法ですね。魔翌力を直接感知できれば適切な攻撃を選べます」
学者「じゃあ接敵したら僕が頭上に鳴矢を撃つ、上向いたところを魔法攻撃、次いで近接打撃……ですかね」
獣人「俺がかなりでたとこ勝負だなぁ」
獣人「この一歩先だな、これ以上近づいたらもうバレる」
学者「せーの、で行きますよ」
魔法使い「せーの!」
3人「」バッ
学者(標的、目視……って)
獣人(でっか!?しかも黒い鱗……)
魔法使い(黒龍!?魔法防御はトップクラスじゃ)
獣人「俺が殴る!!爆破で俺を飛ばせ!!」
龍「!」
学者「これで上を向いてくれよ」パシュ
龍「ガボッ……」ズドーン
獣人「ハァ……ハァ……うーゲボ吐きそう、何時間戦ってたんだコレ」
学者「体感は1日レベルですけど3時間ってとこじゃないですか、前衛なんて慣れないことしたから……死にそう……」
魔法使い「(魔翌力切れ気絶)」
獣人「へへッ、でもこれだけのドラゴンを仕留めたんだ、それだけでもう業績はたんまり稼げたろ」
学者「何言ってるんですか、お楽しみはこれからでしょ。龍がいたならこここそがダンジョンの最奥。そして龍の格が高い分、隠されている宝も……価値がある」
魔法使い「(魔翌力切れ気絶)」
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