【神様になった日】阿修羅「夏の甲子園」【Angel Beats!】 (60)

阿修羅「お、もしもーし陽太。今暇か?もし良かったら一緒に甲子園見に行かね?」

陽太『ごめん僕今からラーメン屋を再建するのに忙しくなるから行けない!』

阿修羅「え?あ、おう…」

陽太『じゃあね!』

ツー…ツー…

伊座並「成神君はどうだった?」

阿修羅「断られたよ。なんかラーメン屋がどうのって」

伊座並「…バイト?」

阿修羅「まあ多分そうなんだろうな」

伊座並「じゃあ仕方ないわね」

先生「お前ら、乗らないのか?」

阿修羅「あ、今行きまーす」

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ワイワイガヤガヤ…

モブA「今年はどこが優勝すると思う?」

モブB「やっぱ東京だろ!」

モブC「神奈川も捨て難いぜ」

モブD「いやいや本命はそらやっぱ大阪よ!」

モブ女子A「天上学園の音無君かっこいいのよね!」

モブ女子B「ねー!あのルックスで野球上手いとかもう最強!」

阿修羅「はー、やっぱいつ来ても熱気凄えな甲子園は」

カキーン!

音無「っ!」

パシッ!

モブ女子A「きゃー!音無君素敵!」

モブ女子B「こっち向いてー!」

一般生徒A「音無ー!今日も投げ抜いてくれよ!」

一般生徒B「暑さに負けるな!」

直井「ぅ音無さーん!」

初音「お兄ちゃん頑張れー!」

ユイ「オラァひなっち先輩打てよ!打たなかったら卍固めだからな!」

日向「なんで俺だけ罵声浴びせられてんのホワーイ!?」

遊佐「それ流行らせたいんですか?全然流行ってませんよ」

日向「単なる口癖だよ!」

阿修羅「球場の中はもっと暑い…この暑さだけは何回来ても慣れねえぜ……」

伊座並「じゃあ私球場飯買ってくるから荷物番お願い」

阿修羅「あいよ」

伊座並「はい。国宝君の分のお茶」

阿修羅「サンキュー」

伊座並「あーん」

阿修羅「んっ」

パクッ!

阿修羅「んー、うめえ!ジューシ!」

伊座並「んっ」

パクッ!

生徒A(い、伊座並さんからあーんだと!?)

生徒B(間接キスとか羨まし過ぎるだろ国宝!)

生徒C(俺も伊座並さんからジャージなからあげをあーんして貰いたいいいいいいいっ!!!)

ズバッ!

審判「ストライーク!バッターアウト!」

『空振り三振!御厨高校、まずは初回を0でスタート!1アウト2塁のピンチでしたが3番4番と連続三振で凌いでいます!』

生徒A「ナイピッチー!」

生徒B「ほっ…」

阿修羅「いやーしっかし、まさかウチの学校が甲子園行けるなんて思ってなかったな」

伊座並「そうね。いい意味で予想外だったわ」

カーン…

『セカンドゴロでスリーアウトチェンジ。天上学園エース音無、立ち上がりを三者凡退に打ち取るピッチング』

阿修羅「なあ杏子ちゃん。相手の天上学園ってどんなチームなんだ?」

伊座並「天上学園は私立の学校で今年初めて甲子園出場を決めた学校で、野球部が作られたのは一昨年、今年が創部3年目の若いチームよ」

阿修羅「たった3年で甲子園か。凄えな…どんな鍛え方したんだ?」

ゆり「ナイスピッチングよ、音無君」

音無「ああ、サンキュー」

阿修羅「はー、向こうのベンチ可愛い女の子が何人か居るな」

伊座並「今エースの力投を労ったのが、マネージャーだけど実質監督の仲村ゆりさん」

阿修羅「実質監督?どういうこと?」

伊座並「監督に顧問となる男の先生を置くだけ置いて、采配は全部マネージャーの彼女がやってるのよ。表向きの監督、顧問の先生は選手交代を伝えるくらいしかやってないわ」

阿修羅「へぇ…」

カキーン!

一般生徒A「わああああああ!」

一般生徒B「ナイバッチー!」

女子生徒A「日向くーん!」

女子生徒B「きゃー!」

ユイ「むぅ…さっきまでひなっち先輩のこと話題にもしなかった癖に…」プク-

ぱーらーらー!ぱららぱっぱぱー!

阿修羅「うお、あいつまたヒット打ったよ」

伊座並「2番の日向秀樹君ね。ホームランはなかったけど、神奈川の地方大会ではチームで1番打率が高かったバッターよ。そのバットコントールはプロも注目しているって」

阿修羅「プロ注目かよ。そりゃ凄え…」

カーン…

『スリーアウトチェンジ!御厨高校、ノーアウトから先頭日向にヒットを打たれましたがクリーンナップを見事に打ち取りこの回も無失点!0更新が続いております!』

ゆり「お前らまた凡退かー!出塁が日向君のヒット2本だけとか淡白すぎだろおおおお!」

「「「「すんません…」」」」

ゆり「…音無君、もう少し辛抱して貰える?」

音無「ああ。任せろ」

ズバッ!

審判「ストライーク!バッターアウト!」

日向「ナイピッチー!」

音無「ワンナウトー!」

「「「「ワンナウトー!」」」」

阿修羅「全然打てねぇな…なあ杏子ちゃん。あの音無ってどういうピッチャーなんだ?」

伊座並「音無君は右のサイドハンド、球種はストレートとチェンジアップの2種類。球速は平均130半ば、マックスは142キロ。コントロールを武器に打たせて取るピッチャーよ」

阿修羅「高校生でサイドスロー140出るのかよ!?しかもそれでコントロールもいいとか…そりゃ打てねぇわな…」

伊座並「そうね。でも今日の気温で体力はかなり消耗される筈だから…」

阿修羅「勝負は後半、か…」

伊座並「…」コクッ

ポスッ!

審判「ストライーク!バッターアウト!」

『空振り三振!最後はチェンジアップが決まりました!』

日向「ナイス音無!今日絶好調じゃねえか!ボールキレてるぜ!」

音無「ありがとう。俺がこの舞台に立てるのは日向、お前がチェンジアップを教えてくれたおかげだ」

日向「俺は投げ方を教えただけだぜ。甲子園でも空振り取りまくれるようないいボールに仕上がったのはお前の努力の賜物だよ」

音無「そういうボールに仕上がるまで毎日一緒に付き合ってくれたのも、投げ方を教えてくれたのも日向だろ。お前がいなきゃ俺はチェンジアップって単語すら知らないまま、いや、野球部にすら入部してなかった。だから日向、お前は凄い奴だよ」

日向「いやいや!甲子園で4回を1安打に抑えてる音無の方が凄えって!」

音無「いや日向の方が!」

日向「いやいや音無の方が!」

キャッキャウフフ

ゆり「…はよ帰って来んかああああ!暑苦しいんじゃああああ!」

カキーン!

ゆり「よっし出た!この試合初の日向君以外のヒットよ!」

ぱーらーらー!ぱららぱっぱぱー!

『天上学園、この回も先頭バッターがヒットで出塁します!』

遊佐「送りますか?」

ゆり「ええ。ランナー進めて、8.9で終わっても6回は音無君から、1人出ればこの回にチャンスで音無君に回せる」

遊佐「了解しました」スッスッ

コツン…

ポスッ

審判「ボール!フォア!」

阿修羅「うわ…9番にフォアボールって…なにやってんだ…」

伊座並「ワンナウト満塁…ゲッツー取らないと日向君に回ってくるわね…」

阿修羅「ここまでなんとか0で抑えてるけど、ピンチ多いよな。凌げるのかこれ?」

『1番、ピッチャー、音無君』

日向「決めていいぞ音無ー!」

音無(日向、必ず繋ぐからな!)

ピッチャー「っ!」

ヒュッ!

音無(初球!)

カキーン!

サード「っ!」

パシッ!

音無「なっ…!?」

サード「っ!」

ポスッ

サードランナー「げっ!」

審判「……アウトー!」

『あっと!ここはサードの正面!ランナーも戻りきれずダブルプレーです!』

音無(なんてこった…日向に繋ぐどころか、日向の前にチャンスを潰してしまった…)

日向「音無ー!まず先頭切ろうな!」

音無「…」

ヒュッ

カキーン!

音無「しまった!」

阿修羅「うお!?もしかしてこれこっち来るんじゃね!?」ガタッ!

伊座並「っ!」ガタッ!

ヒュルルルルル

ポスッ

伊座並「は、入った…////」

『入ったあああああ!先制ホームラン!広い甲子園のライトスタンドにギリギリ届きました!』

伊座並「ほ、ホームランボール…取れちゃった////」

阿修羅「ナイスキャッチ杏子ちゃん!ずっとグラブ持参してきた甲斐あったな!」

伊座並「………うん////」

阿修羅「どうする?やっぱ持って帰るか?」

伊座並「…出来たらそうしたいけど、でもこのボールは打った選手に渡さないといけないの」

阿修羅「あ、そうなんだ…」

伊座並「でも後で未使用の公式球が代わりに貰えるから、私はそっち貰うわ。このボールは、取れただけで十分よ///」

阿修羅「そっか…」

阿修羅「結局5回はあの一発だけか。5回2安打で1失点と5回を4安打と1四球で無失点。内容は相手の方が上でも結果としてウチがリードしてんだよな。わっかんねえもんだよ野球って」

伊座並「そういうところもまた野球の面白さよ」

阿修羅「…まあ確かにな」

伊座並「どこ行くの?」

阿修羅「トイレ」

伊座並「あ、じゃあ帰りにダッツ買ってきて。これからどんどん気温上がると思うから」

阿修羅「あいよ」

生徒A(グラウンド整備の真っ最中にもイチャついてんじゃねえよ!)

生徒B(妬ましい!妬ましい!)

阿修羅「!?」ブルッ

阿修羅(ううっ…寒気が…そんなに我慢してたっけかな?)

阿修羅「おまったさん。どう?試合動いた?」

伊座並「6回は両エースとも3者凡退で切ったわ」

阿修羅「2安打許してた日向をようやく討ち取ったか。あ、ほいダッツ」

伊座並「ありがとう」

阿修羅「バニラとチョコあるけどどっちがいい?」

伊座並「じゃあバニラ」

カーン…

阿修羅「すっかり動かなくなったな」

伊座並「ええ。後半にどちらか崩れると思ってたけど、気温が上がるにつれてむしろエンジン上げて来たわね。あ、1口貰っていい?」

阿修羅「だな。ほれ」

伊座並「んっ」

パクッ!

生徒A「後アウト3つ…」

生徒B「後少しだ頑張れ!」

阿修羅「…とうとう9回を迎えたな」

伊座並「ええ。でも天上学園はまた日向君が先頭打者…」

阿修羅「こいつを打ち取れるかどうかで流れ変わるよな…」

『2番、セカンド、日向君』

日向「あっす」ペコリ

日向(…このまま完封されたら、またゆりっぺに罰でも与えられるかな?)

ポスッ

審判「ストライーク!」

日向(いや、案外自分の力不足だとか言って悔し泣きするかもな)

ポスッ

審判「ストライク!ツー!」

日向(…見たくねえんだよな。ゆりっぺが悔し泣きするところなんて)

ポスッ

審判「ボール!」

一般生徒A「日向振れよ!」

一般生徒B「ビビんな!振っていこう!」

女子生徒A「固くならないで!」

女子生徒B「あわわわわ…ま、負けるのかな…」

ゆりっぺ「…ったく、うるさいわね。焦らずとも日向君はこういう場面でちゃんと打つわよ」

音無「キャッチボール付き合ってくれ」

後輩「は、はい!」

音無(信じてるぞ日向、お前なら、俺を絶対9回のマウンドに上げてくれるって!)

ピッチャー(終わりだ!)

ヒュッ!

日向「っ!」

カキーン!

一般生徒A「うおおおお!」

一般生徒B「マジか!凄え!」

女子生徒A「日向くーん!」

女子生徒B「きゃー!」

『ヒットです!先頭の日向が出塁します!天上学園同点のチャンスです!』

ユイ「ひなっち先輩…////」

ゆりっぺ「…1点差くらいで焦りすぎよ全く」

遊佐「送りますか?」

ゆりっぺ「ええ。サイン出して頂戴」

遊佐「了解しました」スッスッ

コツン…

阿修羅「1アウト貰った。後2つ…」

伊座並「だけど得点圏にランナーは進んだわ。厳しい状況に変わりはない…」

カキーン!

阿修羅「うおおっ!?」

『レフト前ヒット!天上学園、これで1アウト1.3塁にチャンス拡大です!』

伊座並「外野が前進守備を敷いていたおかげで、ホームにはランナー返って来なかったわね」

阿修羅「ああ。このピンチに4番をシングルで止められたのは大きい…」

伊座並「引っかけさせれば、ゲッツーで試合終了を狙える筈…」

遊佐「…」スッスッ

阿修羅「っと、天上ベンチサイン出してるな。なんのサインだ?」

伊座並「1アウト1.3塁だから、色んな選択肢がある。思いっきり振れって伝えただけかもしれない。スクイズ仕掛けるのかもしれない。打球を転がすか上げるかの指示とかも考えられるわ…」

日向(ぜってーホーム返ってやる!1点取って、音無を9回のマウンドに!)

カーン…

日向(転がった!)

ゆり「突っ込めー!」

日向「っ!」

ダッ!!

ショート(よしゲッツーコースっ!)

ポロッ…

ショート「あっ!?」

日向「っ!」

タン!

日向「おっしゃああああっ!」

ゆり「来たああああああっ!」

一般生徒A「同点!」

一般生徒B「甲子園の魔物来たああああああっ!」

日向「うっしゃ!帰って来たぜゆりっぺ!」

ゆり「よくやったわ日向君!」

パン!

阿修羅「うわ、マジか…あれ取ってたらゲッツーで試合終了だったのに…」

伊座並「やはり簡単には勝たせて貰えないわね…」

カーン…

『御厨高校この回エラーで同点に追いつかれましたが、後続を断ち切り逆転は許しませんでした!』

阿修羅「…まあ起こったもんはしゃーねえ。延長入る前にサヨナラで決まることに期待しよう」

音無「……ふぅ」

日向「音無、ガンガン打たせてくれよ」

音無「ああ。打球の処理は皆に任せるよ」

ザッ!ザッ!

音無(日向に出会えたのは幸運だった)





音無(俺には両親が居ない。家族は妹だけだった)

音無(妹と2人で生きていく為に、俺は毎日バイトしていた。学校は、バイトで忙しくてあまり行かなかったが留年はしない範囲内でギリギリ通い続けた)

音無(そんな少ない学校生活の中で、ある日体育の授業で何故かピッチャーをやることになった。そこで好投した授業の後で、俺は日向に声を掛けられた)

日向「ナイピッチ音無君」

音無「あ、ああ…えっと…」

日向「俺日向。気楽にひなっちって呼んでくれていいぜ☆」

音無「…ありがとう日向君」

日向「音無君ピッチングの筋良かったぜ。中学の時とか野球やってた?」

音無「…いや。野球どころか、スポーツは授業以外やったことない」

日向「マジで!?それであんないいボール投げれるのかよ凄え!」

音無「そ、そりゃどうも…」

日向「あ、なあだったらさ!野球部入らないか?音無君の実力なら即レギュラー!ピッチングを磨けばもっといい投手になれるぜ!」

音無「悪いな。俺、家庭の事情で部活やってる余裕ないから…」

日向「…そっか。じゃあしょうがないか。あ、でも気が向いたら俺に声かけてよ。あくまでも音無君の気が向いたらでいいからさ」

音無「はは…まあ、考えとくよ……」

音無(その時は、深い意味もなく適当に相槌を打っただけだった)

音無(高校2年生になった頃、親戚のおばさんから一緒に暮らさないかと聞かれた)

音無(正直、今まで助けてくれなかった癖に何で今更、とは思った。けど、初音のことを考えると断る理由なんてなかった)

音無(俺と初音は、おばさんの誘いに応じた。それからもバイトは続けていたが、家賃とか電気代とかは全部払うから、結弦はバイト代を貯めておきなさいと言って貰って…経済的な余裕が出来たから学校へ通う日が1年の頃よりも多くなった)

日向「おはよ、音無君」

日向「音無君、一緒に小テスト対策しようぜ!」

日向「お昼にしようぜ、音無君☆」

音無(あまり学校に来ない俺に対して、日向はいつも気さくに話しかけてくれていた。おかげで、学校では孤立しなかった)

音無(安っぽい同情とかじゃなくて、本当の友達のように接してくれる日向に対して、俺も何かを返したいって思えるようになった。だから…)

音無「あのさ、日向君…その、1年の時野球部に誘ってくれたよな?」

日向「…もしかして、入部してくれるの!?」パァァァ

音無「っ!」ドキッ////

音無「あ、ああ…その、もう随分前の約束なのに今更で迷惑じゃなかったらだけど…」

日向「迷惑なもんかよ!俺ずっと音無君と野球したいなーって思ってたんだぜ!」

音無「そ、そうだったのか…////」

日向「早速入部届け貰って来ようぜ!」

音無(こうして俺は野球部に入った。それからは…)

ゆり「ほら1000本ノック行くわよ!馬鹿ども起きなさい!」

カキーン!

ゆり「グラウンドをうさぎ跳びで10周!」

「「「「ええええっ!?」」」」

ゆり「完封負けしたわね?なら罰を与えないと、ね…」ニヤリ

「「「「どえええええっ!?」」」」

音無(…野球部に入ってからは、ほとんどゆりの怖い思い出ばかりが思い出されるな)

ゆり「ふーん。音無君にチェンジアップ教えたのね。なら早速日向君に投げて頂戴」

音無「…何故、日向に?」

ゆり「日向君はバットに当てるのだけはやたらと上手いからね」

日向「やたらってなんだよ!」

ゆり「そんな日向君から狙って空振り取れるようになれば、大抵のバッターから空振り取れる大きな武器になるわ」

音無「…なるほど」

音無(でもまあ、ただ怖いだけじゃなかったな。日向から教わった変化球を実戦で使えるようになったのは、日向との特訓をセッティングしたゆりのおかげだったし…球速を上げるためのメニューとかも個別で作ってくれたり…本当、いい監督だったな)





音無「ふぅ…」

音無(野球部に入るきっかけをくれた日向、ピッチャーとして育ててくれたゆり…いつも援護をくれた仲間たち…そんな皆と、まだ野球をやっていたい!)

音無「っ!」

ヒュッ!

ポスッ

審判「ストライーク!バッターアウト!」

音無「しゃあっ!」

音無(この試合負けらんねえ!勝つのは俺達だ!)

ズバッ!

審判「ストライーク!バッターアウト!」

モブ女子A「きゃー!音無くーん!」

モブ女子B「しびれるー!」

一般生徒A「おおおおっ!」

一般生徒B「おおおおっ!」

直井「流石は音無さん。愚民どものバットにかすらせもしないピッチング、まさに気高き貴族のピッチング!」

初音「お兄ちゃん格好いい!」

阿修羅「さ、三者三振…」

伊座並「さらにエンジン上げて来たわね…」

阿修羅「嫌な予感して来たぜ。前の回結構捉えられてたからな…」

カキーン!

ぱーらーらー!ぱららぱっぱぱー!

阿修羅「…案の定」

伊座並「また先頭出した…」

遊佐「…」スッスッ

ゆり「……小細工はいらないわ。音無君日向君、お膳立てするから決めて来なさい」

音無「ああ!」

日向「了解☆」

カキーン!

阿修羅「これでノーアウト1.2塁…」

伊座並「ここまでランナー出たら手堅く送ってたのにここに来て強行なんて…」

『1番、ピッチャー、音無君』

音無「お願いします」ペコリ

日向「持ってけー!音無!」

音無「…ああ!任せろ!」

音無(さっきは日向に繋ごうとしてダブられた。なら、この打席は俺で決めに行く!)

音無(内野はゲッツーシフト、外野は前進…なら外野の頭を超す打球を心がけて…)

ピッチャー「っ!」

ヒュッ!

音無(振り切る!)

カキーン!

ピッチャー「あっ!?」

一般生徒A「来たー!満塁!」

女子生徒A「音無君ナイスバッティング!」

ぱーらーらー!ぱららぱっぱぱー!

音無(低めに決まった分打球は上がらなかったが、内野抜いて満塁で日向に回したんだ。十分だろ)

『天上学園、ノーアウト満塁の大チャンス!そしてこのチャンスに迎えるバッターは!』

『2番、セカンド、日向君』

ユイ「ひなっち先輩…」ギュッ!!

ゆり「…行って来い!」

日向「ああ!」

日向「あっす!」ペコリ

ザッ!ザッ!

日向「ふぅ…」

日向(…この回1点取っても、サヨナラにはならないんだよな。相手は裏の攻撃が残ってる)

審判「…プレイ!」

ピッチャー「っ!」

ズバッ!

審判「ボール!」

日向(音無は走らせたくない。なら、狙いは1つか)

ピッチャー「っ!」

ポスッ

審判「ストライク!」

伊座並(あれ?この攻め方…)

阿修羅「2球目にカーブかよ。終盤のランナー居る場面で緩い変化球とか相当度胸あんなバッテリー…」

伊座並「…3球目はストレート。内いっぱいに決まるわ」

阿修羅「え?」

ズバッ

審判「ストライクツー!」

阿修羅「マジか!よく当てたな」

伊座並「前に同じ配球を見たことがあったの。次はアウトロー、スライダーで決めに来るわ」

ピッチャー(追い込んだ!)

ピッチャー「ふぅ…」

キャッチャー(…決めるぞ!スライダーだ)

ピッチャー「っ!」

ヒュッ!

伊座並「来た!スライダー!」

キャッチャー(よし!外角いっぱ…)

日向「っ!」

カキーン!

「「!?」」

阿修羅「ちょ、マジかよまさかまた!?」ガタッ!

伊座並「っ!」ガタッ!

ヒュルルルルル

ポスッ

『は、入ったあああああ!逆方向への満塁アーチ!これが試合を決定付ける一発となるか!?』

阿修羅「今日ホームラン、2つともキャッチしたな。おめでと…」

伊座並「……こんなこと、あるんだ////」

カーン…

日向「っと」

ポスッ

審判「アウト!ゲームセット!」

『試合終了!御厨高校対天上学園の試合は1-5で天上学園の勝利です!』

生徒A「負けたか…」

生徒B「けどよくやったよ野球部」

生徒C「最後までよく頑張った!」

阿修羅「いい試合だったぜ!」

伊座並「観てて楽しかった!感動をありがとう!」

パチパチパチパチ!





伊座並「御厨高校は負けちゃったけど、今日は最高の思い出が出来たわ」

阿修羅「良かったな杏子ちゃん」

先生「おーい、伊座並」

伊座並「あ、はい…」

日向「こんにちは!えっと…イザナミさん?」

伊座並「ひ、日向君!?」

日向「そ。俺のことは気楽に、ひなっちって呼んでくれていいんだぜ☆」

阿修羅「…なんか、チャラいな」

伊座並(それ国宝君が言うんだ…)

阿修羅「それで、天上の日向君が杏子ちゃんに何の用なんだ?」

日向「はい、これ」

伊座並「…これ、今日のホームランボール!?」

日向「やるよ」

伊座並「!?」

日向「あ、それともあんまり興味ない?」

伊座並「そ、そんなことない!欲しい!めっちゃ欲しいです!でも、いいの…?」

日向「ああ!その代わり、今後とも俺のこと応援してくれよな☆」(^_-)-☆

伊座並「……はい///」

日向「じゃあなイザナミさん!今後とも応援よろしく!」

タッタッタッ

伊座並「…ホームランボール、譲って貰っちゃった///私今日から日向君のファンになる」

阿修羅「なら次は天上学園の応援に来ようぜ」

伊座並「うん!」

帰りのバスにて…

伊座並「…」ウトウト

阿修羅「眠い?」

伊座並「うん…」

阿修羅「着いたら起こすぜ?」

伊座並「……ありがとう」ストン…

阿修羅「今日は特にはしゃいでたもんな。ゆっくりお休み」

伊座並「zzz」ス-ス-

阿修羅「夏の甲子園」






>>11
キャッキャウフフ

>>30
音無「っ!」ドキッ////

ホモ無やんけ!(歓喜

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