奈緒「晶葉がシャーペン片手に悩んでる」 (11)


独自の設定となっております。
短いです。


続きものです。

奈緒「晶葉がぼんやりしてる」
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奈緒「晶葉がコーヒー飲んでる」
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奈緒「よう晶葉。珍しいな、宿題か?」

晶葉「いや違う、というわけでもないか。ある意味宿題とも言える」

奈緒「なんだよ歯切れが悪いじゃないか」

晶葉「学校のものではないということだよ」

奈緒「仕事関係ってことか。忙しいのはいいことだな」

晶葉「ふふん、嬉しい悲鳴だよ。研究時間が削られてしまうのは一長一短だがね」

奈緒「いやまあ話は聞いてたけどさ、実際にイタズラ組をテレビで見てびっくりしたよ」

晶葉「とはいえ奈緒さんの功績でもあるじゃないか」

奈緒「テキトーに呼んだ名称が正式採用されてしまったことを功績と呼ばないでくれ」

晶葉「わはは、奈緒さんは照れ屋だな」

奈緒「で、ノート開いて何を悩んでたんだ?」

晶葉「いやあ、その、堂々と口にするのはちょっと恥ずかしいのだよ」

奈緒「なんだなんだ本当に珍しいじゃないか」

晶葉「実はだね、歌詞を書いていたんだ」

奈緒「歌詞ィ!?」

晶葉「うむ。いいリアクションをありがとう」

奈緒「なんだよCDデビュー決まったのか! よかったじゃん!」

晶葉「いや?」

奈緒「えっ?」


奈緒「ちょっと待て、じゃあお前なんで歌詞書いてんの?」

晶葉「麗奈の立案によるものだ」

奈緒「説明をくれ、過程がわからん」

晶葉「うまく行けばいずれ曲を出せるからな、ならば先に作詞をしようということになったのだ」

奈緒「“ならば” の部分がよくわかんないけど、いずれ来るCDデビューに向けて頑張ってるわけだ」

晶葉「そして我々がいくら仲良しとはいっても作詞なんて照れくさくて話し合ってできるはずもない」

奈緒「あー、だからそれぞれに分かれて一人で考えてるってことな」

晶葉「もちろんこれもイタズラの一環として捉えてもらって構わないぞ」

奈緒「その必要なくないか?」

晶葉「そんなことはないぞ、助手がびっくりするだろうからな」

奈緒「そりゃ匂わせてもいないところにいきなり新曲の歌詞もってこられたら驚くわ。しかも三つ」

晶葉「さらにはどれもタイプが違っているだろうからな。より取り見取りというやつだ」

奈緒「麗奈とほたると、晶葉かぁ……」

晶葉「ん? どうしたんだ?」

奈緒「いやどんな歌詞書いてんのかなと思って。晶葉は?」

晶葉「え、あ、気になる、気になるか? わはは、まあ奈緒さんならやぶさかではないが」

奈緒「微妙にテンション上がってんの気になるけど、たとえばタイトルとか決まってんの?」

晶葉「螺子式狂詩曲、だ。全部漢字だぞ」

奈緒「怖ぇよ」

晶葉「そんな!? ネジはあんなに優秀なのに!」

奈緒「晶葉、アイドルで中学生のお前がつけていいタイトルじゃないんだよそれ」

晶葉「なんということだ……、完全に想定外だ……」

奈緒「こりゃ考えなおしだな、止められてよかった」

晶葉「待ってほしい、奈緒さん。実は第二候補も考えてはいたんだ」

奈緒「すでに不安だよ、第一候補があれだったからな」


奈緒「その “えっ不安なの?” って顔をやめろ。で、第二候補は?」

晶葉「空飛ぶ電気信号、だ!」

奈緒「元気が良くてよろしい。うーん、まあ第一候補よりはアリか」

晶葉「こっちはセーフなのか……。むしろ私は奈緒さんの感覚がわからないよ」

奈緒「いやどっちも内容次第だとは思うけどよ、あっちは字面がやばいって」

晶葉「むう、やはりこういうのは難しいな」

奈緒「さてこうなると一気にあの二人の不安が増してきたぞ」

晶葉「つまりそれは奈緒さんが私に期待していたということかな?」

奈緒「単純にあいつらお前より年下だろ、年齢がすべてとは言わないけど」

晶葉「麗奈は、まあおそらく世界征服の歌だろう」

奈緒「上手くアイドルの歌として転換できてればいいんだけどな」

晶葉「悪とかそういう単語ばんばん出てくると思うぞ」

奈緒「だろうなぁ。まあそういうイメージで売ってくならアリになるのかもしれないけど」

晶葉「イタズラ組という名前には荷が重い」

奈緒「いっそそういうアニメとかとタイアップしてもいいのかもな」

晶葉「世界征服を目論む悪の組織を描いた作品か、悪くない」

奈緒「コメディ作品の匂いがするけど気にしないことにするぞ」

晶葉「それは私たちの印象ということかな?」

奈緒「話は変わってほたるだけどさ、普段どうなんだ? 意外と自由人って聞いたけど」

晶葉「む? ああ、奈緒さんの心配しているようなことはないと考えていい。楽しそうに笑って過ごしているぞ」

奈緒「それを聞いて安心した。精神面って作詞に影響するってよく耳にするからさ」

晶葉「それを踏まえた上でほたるの書く歌か……」

奈緒「あたしも本当に想像がつかないんだよ。いちばん詞っぽくはなりそうなイメージはあるんだけど」

晶葉「そこは私に期待していると言ってくれてもいいんじゃないか?」


奈緒「そういやさ、イタズラ組って決まったたまり場とかあんの?」

晶葉「あるぞ。寮だと麗奈の部屋が多いな。もちろん互いに行き来はするが」

奈緒「その言い方だと他にもあるのか」

晶葉「事務所に秘密基地があるんだ。段ボール製のね」

奈緒「そんなんあったんだ!?」

晶葉「ちなみに秘密基地はなぜか大人衆からも人気があってね、予約が入っていて使えないこともある」

奈緒「予約制の秘密基地」

晶葉「そういう時はソファのところとかで集まっているよ」

奈緒「参考までにその秘密基地ってどこにあるんだ?」

晶葉「西棟のあそこだが、ひょっとして奈緒さんも興味があるのか?」

奈緒「お前らを探すときの候補地として知っておきたいだけだ」

晶葉「まあ奈緒さんも黒幕だしな、たしかに知っておく必要はあるだろう」

奈緒「ちょっとずつその認識が事務所内に広まってるんだよ、イタズラ組の姿が見えなきゃとりあえずあたしに聞けみたいな空気ができてる」

晶葉「わはは、完全に保護者の扱いだな」

奈緒「あたしまだ高校生だぞ?」

晶葉「そうだ奈緒さん、別件ですこし聞いておきたいんだが」

奈緒「ん、なんだ?」

晶葉「奈緒さんは今後わたしたちをどう売り出していくつもりなのだろう?」

奈緒「は?」

晶葉「いやだからどういうプロデュース方針なのかな、と」

奈緒「待て待て、たしかにこのあいだお前らの路線の話はしたけどその場の雑談だったよな?」

晶葉「あのあと助手にそのことを話したら “いっそ任せてみるか、黒幕だし” って」

奈緒「わかった。あの人馬鹿なんだ」

晶葉「言うまでもないがイタズラ組でも承認が下りている」

奈緒「お前らもかよ! あたしだってプロデュースされる側なんだよ、本当ならなァ!」


奈緒「ていうか待て、イタズラ組でどういうふうに活動したいとかないのか?」

晶葉「明確なビジョンはないんだ。派手に行きたいっていうのは大まかにあるんだが」

奈緒「それだけでもあるならマシだな。前に話した三つの路線でじゅうぶん詰めていけるだろ」

晶葉「頼んでおいて言うのもなんだが順応性高過ぎないか」

奈緒「うるせえ。…………テレビに出るぶんには可愛い路線で通用するな、問題は……」ブツブツ

晶葉「おお、集中モード」

奈緒「待てよ、そもそものキャラ考えれば……、じゃあステージも踏まえて……」ブツブツ

晶葉「何なんだろうなこの置いてけぼり感」

奈緒「うん、イメージは湧くな。つーことはあとは曲次第で……」ブツブツ

晶葉「おーい奈緒さん、そろそろ帰ってきてほしい」

奈緒「あ、ああ悪い。どうした?」

晶葉「わりと進んでいたように見えたしあまり潜り過ぎるのも良くないだろうと思って」

奈緒「心配かけたな。でも構想は出来てきたぞ」

晶葉「今の短時間でそこまで行くのか」

奈緒「まずベースとして三人とも可愛いのがあるから、普段はイタズラ組のノリでいいと思う」

晶葉「真正面から言われるとなんだかムズムズするな」

奈緒「麗奈に自由にやらせればそれでいいだろ。あいつは本当にやっちゃいけないラインは超えないし」

晶葉「まあ説教食らってる回数はダントツだがね」

奈緒「ほたるはちょっと外した感じでそれに合わせるように頑張ればさらに可愛い。晶葉はフォロー入れてやれ」

晶葉「ノリとしては私は麗奈に近い部分もあるからな、やれるだろう」

奈緒「でも参考程度にしてくれよ? マジで」


奈緒「で、そのノリがライブで生きる」

晶葉「どういうことだろう?」

奈緒「ド派手にやっても受け入れてもらえるってことだよ。そういう面子なんだからな」

晶葉「単純に盛り上がりやすいというのはありがたいな、こっちも気分が乗りそうだ」

奈緒「それで上手くいけばアルバムに一曲だけカッコイイ路線を混ぜられる」

晶葉「それはさすがに私でもわかるぞ、ギャップ狙いだ」

奈緒「正解だ。たとえばライブの休憩明け一発目に空気を変えたりもできるんじゃないかと思う」

晶葉「緩急も重要になってくるわけだな」

奈緒「もしソロライブなんてことになるなら他にも考える必要が出てくるけど、まあこんなところだろ」

晶葉「さすがプロデューサー系アイドル……」

奈緒「それ言い方変えると自作自演になるよな、たぶん」

晶葉「でもその手腕は讃えないわけには」

奈緒「手腕も何もお前らに関しちゃここで話しただけだっつーの」

晶葉「ネネのところのプロデュースもしてるじゃないか」

奈緒「……あれは成り行きというかだな。人気が出てるのもあいつらの努力があるからであって」

晶葉「それを言うなら我々も成り行きだし、人気だって頑張って博してみせようじゃないか」

奈緒「売れるといいなとは本当に思ってるけど猛烈に複雑な気分だよ」

晶葉「ところでなんだが」

奈緒「どうした」

晶葉「今の奈緒さんの案ならいけるんじゃないか、螺子式狂詩曲」

奈緒「それはない」


おしまい。

読んでくださった方、ありがとうございました。
また何か思いついたら書くと思います。

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