奈緒「晶葉がコーヒー飲んでる」 (9)


独自の設定となっております。
短いです。

奈緒「晶葉がぼんやりしてる」の続きとなります。
奈緒「晶葉がぼんやりしてる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1543319645/)

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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1543636416


奈緒「よう晶葉。午後のカフェテラスでひなたぼっことは優雅な時間の使い方だな」

晶葉「そうでもないよ。事実いまは罰を受けているところだ」

奈緒「罰? ただコーヒー飲んでるだけだろ?」

晶葉「それがね、これ泣きたくなるほど不味いんだ」

奈緒「なるほど、ブラックが飲めないとかそういうことか」

晶葉「いや違うんだ。それほど得意ではないとはいえブラックもいちおう飲める」

奈緒「じゃあそれ何だ? コーヒーじゃないのか?」

晶葉「コーヒーにスタドリを混ぜたものだ」

奈緒「経緯の説明をしてくれ、晶葉」

晶葉「いやなに、助手がどちらもよく飲んでいるだろう。じゃあいっそまとめてしまえばと思ってね」

奈緒「説明が端的なのは立派だけどやってることは比較的アホだからな?」

晶葉「いま身に染みているところだ」

奈緒「ちなみにそれどういう不味さなんだ?」

晶葉「味もさることながら触感がひどいな、本当に後に引きずる」

奈緒「コーヒーに対して触感って言葉が使われるのを初めて聞いたぞあたしは」

晶葉「奈緒さんも試しにちょっとだけ飲んでみてくれないか。私の言っている意味がわかると思う」

奈緒「まあちょっとならいいけど……」チビ…

晶葉「意外と躊躇なくいくよな、奈緒さんは」

奈緒「オ"ォゥ"エッ、まっず」ブッバ

晶葉「奈緒さんダメだ、たぶんそれ女子としてアウトだ」


奈緒「よう晶葉。午後のカフェテラスでひなたぼっことは優雅な時間の使い方だな」

晶葉「そうでもないよ。事実いまは罰を受けているところだ」

奈緒「罰? ただコーヒー飲んでるだけだろ?」

晶葉「それがね、これ泣きたくなるほど不味いんだ」

奈緒「なるほど、ブラックが飲めないとかそういうことか」

晶葉「いや違うんだ。それほど得意ではないとはいえブラックもいちおう飲める」

奈緒「じゃあそれ何だ? コーヒーじゃないのか?」

晶葉「コーヒーにスタドリを混ぜたものだ」

奈緒「経緯の説明をしてくれ、晶葉」

晶葉「いやなに、助手がどちらもよく飲んでいるだろう。じゃあいっそまとめてしまえばと思ってね」

奈緒「説明が端的なのは立派だけどやってることは比較的アホだからな?」

晶葉「いま身に染みているところだ」

奈緒「ちなみにそれどういう不味さなんだ?」

晶葉「味もさることながら触感がひどいな、本当に後に引きずる」

奈緒「コーヒーに対して触感って言葉が使われるのを初めて聞いたぞあたしは」

晶葉「奈緒さんも試しにちょっとだけ飲んでみてくれないか。私の言っている意味がわかると思う」

奈緒「まあちょっとならいいけど……」チビ…

晶葉「意外と躊躇なくいくよな、奈緒さんは」

奈緒「オ"ォゥ"エッ、まっず」ブッバ

晶葉「奈緒さんダメだ、たぶんそれ女子としてアウトだ」


晶葉「さて、すごかったろう?」

奈緒「うっわまっず何だアレ、とろみどころか粘り気あるじゃねえかそもそもが不味いのに」

晶葉「それなんだよ、口に残るんだよ最悪の風味が」

奈緒「何十枚か一気に水に浸したオブラートみたいな感触がする……」

晶葉「そのたとえがすっと出てくるのもどうなんだろうな」

奈緒「これは作ったやつが責任もって処理しなきゃダメだ、うん」

晶葉「よしこの話は終わりにしよう。そうだ、ちょうど今日は奈緒さんを探していてね」

奈緒「あたしを?」

晶葉「うむ。ちょっとした報告があるのだ」

奈緒「ん、報告って、……あ! まさか!」

晶葉「その通りだ。なんとイタズラ組が本当にユニットを組むことになったのだよ」

奈緒「いや、まさかとは言ったけどあれ三日前だろ。ちょっと早すぎやしないか」

晶葉「そういうものなのか?」

奈緒「企画練ったりとかもそうだし、あたしたちの知らない下準備とかあると思うんだけどな」

晶葉「そのへん助手はオモテに出さないものだからいまいちピンと来ないが」

奈緒「そういうもんなんだよ。あれやりたい、よしやろう、って世界じゃないのはわかるだろ?」

晶葉「そう言われれば、……まあそうだな。となると私たちは異例ということになりそうだ」

奈緒「あの人の決断のスピード感がおかしいのもあるけどな」


奈緒「で、どういう方向性でやっていくつもりなんだ?」

晶葉「それが悩ましいところでね。これについては助手も時間が欲しいと言っている」

奈緒「じゃあせっかくだから二人で簡単に考えてみるか?」

晶葉「奈緒さんはこういう時ホント欲しい言葉をくれるよな」

奈緒「うるせえ。大雑把なイメージで分けると可愛い路線、カッコいい路線、クソ自由の三つか」

晶葉「クソ自由」

奈緒「まずは可愛い路線でいくか」

晶葉「議題に上がってるのが自分だとちょっと照れくさいものだな」

奈緒「正直あたしはこれ意外とイケると思う」

晶葉「そのこころは?」

奈緒「全員が可愛いの中で別系統のポジションを持てると思うんだよな。だからこそというか」

晶葉「個性の細分化というやつかな」

奈緒「細分化ってよりはもっと大枠のイメージだな。麗奈は騒がしくてほたるは本当に花みたいな感じでさ」

晶葉「すると私は?」

奈緒「トラブルメーカー」

晶葉「そうなるよなぁ」

奈緒「歌なんかもガチのキュートなやつから電波まで幅広くやれそうな気がする」

晶葉「その辺りは私たちの意向の問題も出てきそうだな」


奈緒「次はカッコいい路線か」

晶葉「個人的にはいちばん縁遠いものに思えるが」

奈緒「いやはじめはあたしもそのつもりで言ったんだけどな、でも考えれば考えるほどアリな気がしてきた」

晶葉「こればかりは聞いてみないと何とも言えんな」

奈緒「この路線のキモは晶葉になると思うんだよ」

晶葉「む?」

奈緒「髪だよ。髪をいじればかなり雰囲気が変わるんじゃないか? 長さもあるし解けばだいぶ、いやハーフアップも面白そうだな……」ブツブツ

晶葉「おーい、帰ってきてくれ奈緒さん」

奈緒「ああ悪い悪い。とにかく晶葉はキリッとした表情も似合うしいいんじゃないか?」

晶葉「自分のことはわからないが、まあ麗奈もほたるもこなすだろう」

奈緒「ただこの路線に行くと今後の活動イメージが一変する可能性があるんだよな」

晶葉「いわゆるキメ顔の自分が世間に知れ渡るのは想像つかないね」

奈緒「さて最後にクソ自由路線か。三つのうちどれかって言えば、まあこれが本線だよな」

晶葉「なんだか知らないがすごく不思議な気持ちだ」

奈緒「自由なエネルギーっていうのはそれだけで魅力だからな、三人がファンを楽しませたいように楽しませればそれで最高なんだと思うぜ」

晶葉「こう、奈緒さんは急角度でくるよな」

奈緒「何がだ?」

晶葉「いやいい、気にしないでくれ。しかし実際考えてみると実現可能性が高そうなのはやはりクソ自由路線か」

奈緒「正直どれも見たくはあるけどな」

晶葉「おそらく麗奈による企画発案のもとでいろいろ詰めていくのが収まりがいいのだろう」

奈緒「まあ今回は簡単に考えただけだから他のアイデアも出るかもとは思うよ」


奈緒「あ、そうだ聞き忘れてた。ユニット名って決まったのか?」

晶葉「言ってなかったか? イタズラ組だよ」

奈緒「……は?」

晶葉「いやだからイタズラ組だと」

奈緒「なんであたしがテキトーに呼んだ名前が正式採用されてんだよ!?」

晶葉「シンプルで覚えやすいし、何より活動内容を端的に表しているからだな」

奈緒「もうちょっと、こう、凝ったりとかすればいいじゃないか」

晶葉「そうは言っても助手も含め満場一致だったのだぞ?」

奈緒「プロデューサーさんも噛んでんのかーい」

晶葉「そこで投げやりになるのは良くないね?」

奈緒「まあいい。ユニット名はあたしが気にするところじゃないしな」

晶葉「いやいやそんなことはないぞ」

奈緒「なんでだよ」

晶葉「奈緒さんは名付け親ということでイタズラ組の黒幕に認定されたのだ」

奈緒「よりによって一番上じゃねえか……」

晶葉「安心してくれ奈緒さん、そっちはユニット活動には関わらないプライベートなほうだからな」

奈緒「あ、ああ、……って待て! お前らのイタズラの責任あたしに飛んでくるとかじゃないだろうな!?」

晶葉「…………」

奈緒「目を逸らすなァ!」

晶葉「そこはほら、麗奈も含めて話をしようじゃないか」

奈緒「これからすぐ行くぞ。ほら晶葉、そのコーヒー的なものさっさと飲め」

晶葉「……これか」ジワ

奈緒「あーもう泣くな泣くな。わかった、ゆっくりでいいから。終わったら麗奈んとこ行こうな」


おしまい。

読んでくださった方、ありがとうございました。
続きは何か思いついたら書きます。

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