サトシはソファーに腰を下ろし、セレナが焼いたマカロンを口に放り込んだ。
サトシ「...美味しいなこのマカロン」
甘いイチゴ味のマカロンを味わうサトシは感想をセレナに告げた。
照れ臭そうにセレナは頬を掻くとサトシの隣に座った。
セレナ「喜んで貰えて嬉しい...あなたの喜ぶ顔が見たくて研究に研究を重ねて作ったのよ」
サトシ「よく出来てる...。甘」
セレナ「私みたいでしょ?マカロンの甘い味」
サトシ「そうかもな」
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セレナ「(付き合って半年...///この幸せな日々が永遠に続くと嬉しい...)」
セレナ「サトシ!今度の日曜日にピクニックに行かない?ポケモン達をユリーカに預けて2人きりで///」
サトシ「2人きり?...ごめん日曜日は予定があるから無理だ」
セレナ「そ、そう...残念。じゃあ日を改めて2人で...」
サトシ「...」
その時だった。リビングに掛けられた鳩時計が鳴き声を上げた。12時を知らせるためのものだ。
サトシは時計が12時になった事を確認するとソファーから立ち上がった。
サトシ「そろそろ時間ですね」
セレナ「えっ...サトシ?」
サトシ「これで契約は終了とさせて貰います」
セレナ「契約...?」
サトシ「はい。あなたのお母様からの依頼で半年間、彼氏を演じていました」
セレナ「う、嘘...」
サトシ「本当です。私はあなたの理想の恋人を演じていただけです」
セレナ「私を騙していたの...!?」
サトシ「ビジネスですから」
セレナ「許さない...ッ!!このビジネスは無効ぅ!!」
テーブルに置かれたハサミを取り、憎悪を燃やしサトシに向かって駆け出した。
サトシを殺して自分も死ぬ覚悟で愛しい命を摘み取ろうと行動に移そうとする。
だが、次の瞬間...鳩時計の窓が開き中から鳩ではなく糸目の男が飛び出し、セレナを蹴りで吹っ飛ばした。
壁に叩きつけられたセレナはその男を見据える。...黒コートを着たニヒルなタケシだった。
サトシ「ダーリン///」
タケシ「遅くなったなハニー」
サトシ「うん!会いたかった!」
タケシ「甘えん坊だなサトシは...仕事は終わったのか?」
サトシ「うん!やっと...ダーリンのとこに帰れる!」
タケシ「なら行こうか。俺たちの家に」
2人は手を繋ぎ、鳩時計の前に立つ。
鳩時計の窓が開き、2人はその中へと吸い込まれて行った。
朦朧とする意識の中でセレナはサトシの名前を呟き続けていた。
セレナ「サトシ...」
ーENDー
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