男「ぐぅ、ぐぅ……」
男「……ん」
男「おおっ、目覚ましが鳴る前に起きれた! 珍しい!」
男「――って、もう7時じゃあねーか! 遅刻しちゃうよ!」
男「目覚ましは6時半にセットしてあるのに、どうして鳴らなかったんだよぉっ!」
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男「……そうか、分かった!」
男「これは『スタンド攻撃』だッ!」
男「目覚まし時計を止めるスタンド使いが俺を攻撃してきたに違いないッ!」
男「なめやがってェ~、遅刻してたまっかよォ~」
男「すぐ会社に向かうしかないッ! 朝食やヒゲ剃りなんかは抜きだッ!」
駅
男「よし、間に合う!」タタタッ
『ドアが閉まります、ご注意ください』
プシュー…
男「ええー……絶対間に合うと思ったのに……」
男「分かったッ! これも『スタンド攻撃』だなッ!」
会社
男「うーん……」
男(どうにか遅刻せずに済んだのに、仕事がはかどらない)
男(イマイチ集中できない……)
男(そうかッ! これもまさかスタンド攻撃……!?)
男「どこだ、本体ッ! 隠れてないで姿を見せやがれェ!」
同僚「ど、どうした?」
定食屋
男(ここは早いのがウリなのに、20分以上待ってるのに定食が来ない……)
男「すみませーん、唐揚げ定食まだですか?」
店員「あっ、すぐお持ちします!」
男「忘れてたの? 頼むよ~」
男「……」
男「スタンド攻撃かッ!」
男(こんな嫌がらせをしてくるとは恐ろしい奴……!)
会社
男「ううう……」
上司「風邪かね?」
男「はい、急に体がだるくなって……。熱もあるみたいで……」
上司「今はインフルエンザが流行ってるし、無理はせず早退した方がいい」
男「そうですね、そうします……」
男(いや、これはきっと風邪をひかせるスタンド攻撃ッ!)
自宅
男「早退して病院行ったけど結局インフルエンザじゃあなかった……」
男「それにしても、平日のこの時間に家でテレビ見るなんて久しぶりだな」
男「下らないワイドショーだけど、やたら面白く感じる……」
男「ハッ!」
男「これもスタンド攻撃かッ! 精神を操る系の!」
男「うっ!」ギュルルル
男「急に腹が痛くなってきた……」
ピーゴロゴロ
男「ふぅ……風邪が腹にきちゃったのかな? ……いや、違う! これもスタンドだ!」
男「下痢を引き起こすとは、なんという恐ろしいスタンド攻撃ッ!」
男「もうとっとと寝よう……」
男(いい夢見られるといいなぁ……)
男(あーでも夢の中でもスタンド攻撃されたらどうしよ)
男(あるいは起きたら誰かと精神が入れ替わってたりして……)
男(色んなこと考えてたら眠れなくなってきた!)
男「くそっ、これもスタンド攻撃だな! 眠れなくするなんて陰険すぎるぞッ!」
男「うおおおおおおおっ! どこにいやがるんだ、スタンド使い!」
男「射程が長いのか? それとも近くで見てやがるのか?」
男「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
男「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」
ドガシャーンッ バシャーンッ ドガーンッ バリーンッ グワシャーンッ
男「出てきやがれェェェェェッ!!!」
目覚まし時計を故障させるスタンド使い「こいつ、まだスタンド使いではないのに全て我々の攻撃であると見抜いたぞ」
電車のドアを閉めるスタンド使い「流石ですね」
集中力を低下させるスタンド使い「ああ、『矢』が選んだだけのことはある」
飲食店で食事が出てくる順番を遅くするスタンド使い「スタンド能力に目覚めれば、きっと戦力になってくれるに違いない」
風邪をひかせるスタンド使い「『奴ら』と戦うためには一人でも多くのスタンド使いが必要だからな」
テレビ番組を面白く感じさせるスタンド使い「ではさっそく『矢』で射るとしよう」
下痢を引き起こすスタンド使い「どんなスタンドに目覚めるか楽しみだねえ」
眠れなくするスタンド使い「うむ、新たなスタンド使いの誕生だ!」
―完―
男「スキツォイド・マンッ!」 ドドドドド
男「このスタンドで攻撃された者はッ!」ドドドドド
男「『本当に必要としているもの』を何も手に入れることができないッ!」ドドドドド
男「微妙な上にろくでもねえ」
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