にこ「え?来ないの?」 (69)

にこ「はあ…」

凛「にこちゃん。元気出すにゃ」

穂乃果「そうだよ。生きていれば良いことあるよ!」

にこ「そうだけどさぁ」

穂乃果「元気出しなって」

にこ「そりゃあ、あんたは他人事だから簡単に言えるけどさ。結構ショックなのよ?」

穂乃果「いや、他人事だとは思ってないよ。友達じゃん」

にこ「じゃあ、代われるって言ったら代わってくれる?」

穂乃果「それはやだ」

凛「凛も」


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にこ「はあ?友達なのに?」

穂乃果「それとこれとは違うもん。実際代われる訳ではないし。ね?」

凛「うん」

にこ「何よ。友達がいのない」

穂乃果「まあまあ、そう言わずにさ。今日はファミレスでも行ってドリンクバーでパーっとやろうよ?愚痴ぐらい聞くからさ」

にこ「そう?」

穂乃果「うん。それくらいは。ね、凛ちゃん?」

凛「え?凛も?」

穂乃果「いや、うん」

凛「凛はちょっと…」

穂乃果「用事でもあるの?」

凛「金曜ロードショー見なきゃいけないし」

にこ「は?金曜ロードショー?にこより金曜ロードショーを優先するの?」

凛「いや、だって…楽しみにしてたし」

にこ「録画すれば良いじゃない」

凛「今日見たいし」

穂乃果「え?何やるの?」

凛「カリオストロ…」

にこ「毎年やってんじゃない!」

凛「毎年はやってないよ!2年に一回くらいだよ!」

にこ「だとしてもよ!」

穂乃果「それズラせないの?」

凛「テレビ番組だからね」

にこ「あ~もう良いわよ。凛は私よりテレビを優先するのよ。二人で行きましょうよ」

穂乃果「え~」

にこ「なんでよ!嫌なの?」

穂乃果「嫌じゃないけど。一人で愚痴聞くのかぁ」

にこ「だったらいいわよ!一人で落ち込んでるから」

穂乃果「冗談だってば」

凛「凛にはにこちゃん元気に見えるけど…」

にこ「全然元気じゃないわよ。これ以上ないくらい落ち込んでるから!」

穂乃果「じゃあ、二人で行こうか?」

にこ「そうしましょう。凛はせいぜい一人で金曜ロードショーでも鑑賞して感想文でも書いてなさいよ」







凛「も~分かったよ。行くよ~」

にこ「何?来るの?」

凛「来いって言ってる様なもんじゃん。ご飯いらないってお母さんに電話して来るにゃ~」バタン

穂乃果「良かったね、にこちゃん?」

にこ「別に~」

穂乃果「と言いつつ嬉しそうだね。っと穂乃果もお母さんにご飯いらないって連絡しなきゃ」

にこ「うん」

穂乃果「えっと…お母さん…お母さんっと…なんで履歴にお母さん残ってないのかな?」

にこ「電話帳開けばいいじゃない」


穂乃果「面倒くさくない?」

にこ「履歴から辿る方が面倒よ」

穂乃果「あったあったと…」

プルルルル

穂乃果「あっ、もしもし?お母さん?うん。今日ご飯いらないよ~。え?もっと早く?ごめん~。え?焼肉?え?家で?そうなの?なんで?早く行ってよ…。うん…うん。やっぱり家で食べる。うん、大丈夫。それじゃあ」

ガチャ

穂乃果「ごめん、にこちゃん。ちょっと用事が…」

にこ「焼肉でしょ!!!」

穂乃果「え?」

にこ「聞こえてるから!思いっきり!そりゃあそうよ。隣で電話してんだから」

穂乃果「いや、違うの。連絡するのが遅かったみたいでさ。穂乃果の分ももう作っちゃったって言うから…」

にこ「焼肉を?」

穂乃果「無理がある?」

にこ「かなり」

穂乃果「この埋め合わせは…」

にこ「はあ…あんたはそう言うやつよ」

穂乃果「そうなの」

にこ「否定しなさいよ!そこは!!!!!」

穂乃果「ごめん…」

にこ「もういいわよ。にこもよっぽどじゃなければ焼肉を取るもの」

穂乃果「だよね?」

にこ「あんたねぇ」

ガチャ

凛「電話して来たにゃ」

にこ「ご飯いらないって?」

凛「うん」

にこ「ついでに録画もして貰ったの?」

凛「録画はずっと前したのがあるから」

にこ「はあ?あんの?」

凛「うん」

にこ「いよいよ意味がわからないんだけど」

凛「分からなくてもいいよ。さあ、早く行こうよ。行くとなったらお腹空いて来たにゃ~」

にこ「そうね。それじゃあ、行きましょうか」

凛「うん」

にこ「それじゃあ、また明日ね」

穂乃果「うん」

凛「え?」

穂乃果「うん?」

凛「また明日?」

穂乃果「何かな?」

凛「また明日って?バイバイする時に言う台詞だよ?」

穂乃果「殆どの場合そうだね」

凛「でしょ?なんでこのタイミングで言うの?」

穂乃果「えっとね~…」

にこ「穂乃果は家でやき…」

穂乃果「いやぁ…あれだよねえ?」

凛「え?何?」

穂乃果「いや…うん。ほら?」

凛「ほら?」

穂乃果「うん。急用がね?」

凛「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「うん。急にね…なんか…家がね…家が…そんな事ってあるんだね」

凛「え?何?何があったの?」

穂乃果「いや…本当にさ…」

凛「どうしたの?大変な事?大丈夫?」

穂乃果「うん。なんとか」

にこ「全然大丈夫でしょ!焼肉食べるんだから」

凛「え?ファミレスやめて焼肉にするの?凛そんなにお金ないよ?」

にこ「違うわよ!穂乃果が家族で焼肉行くから来ないって言うのよ」

凛「え?そうなの?」

穂乃果「違うよ!家でやるんだよ!」

にこ「そこは今は良いのよ!」

凛「え?凛は金曜ロードショーよりにこちゃんを優先したのに?穂乃果ちゃんはにこちゃんを見捨てるの?」

穂乃果「いや…金曜ロードショーと焼肉を一緒にしないでよ。映画は逃したってまた見れるじゃん?」

凛「焼肉だってまた食べれるじゃん」

穂乃果「食べれないの。そんなに滅多には食べれないの」

凛「え~…凛に散々言ったのに…」

穂乃果「言ってないよ凛ちゃん。よく思い出して?言ってたのはにこちゃんだよ?」

にこ「何にこを悪者にしようとしてんのよ!」

凛「そうだよ。にこちゃんは今日可哀想な人なんだから」

穂乃果「その可哀想な人より金曜ロードショーを優先しようとしたじゃん」

凛「でも最終的には諦めたにゃ。にこちゃんが可哀想な人だから」

にこ「その可哀想な人ってやめてくれない?」

穂乃果「取り敢えずさ…写真送るから。お肉の」

にこ「いらないわよ、そんなもん」

凛「そうだよ。希ちゃんでも送りなよ」

穂乃果「やだよ。怒られるよ」

にこ「にこも怒るわよ!はあ…もういいわよ。暗くなっちゃう。二人で行きましょうよ」

凛「そうだね。お腹空いたにゃ~」

穂乃果「この埋め合わせは絶対するからさ」

凛「ラーメン奢ってよ?」

穂乃果「せめてジュース」

にこ「なんでもいいけど…」

プルルルル

にこ「ん?電話?花陽からだ。もしもし?え?そうなの?うん。マジで?うん、行く!それじゃあ」

ガチャ

にこ「ごめん。用事が…」

凛「なんでにゃー」

穂乃果「花陽ちゃん家なら二人で行けばいいじゃん」

「デッサン」

千歌「あの…まだ動いちゃダメ?」

梨子「ん~待って。動かないで」

果南「何してるの?」

梨子「わっ、果南ちゃん!?」

果南「そんなにビックリしなくても」

千歌「梨子ちゃんがデッサンしたいからって」

果南「へ~千歌がモデル?」

千歌「何がおかしいの?」

果南「別におかしくないよ。へ~水着にならなくていいの?」

千歌「そういうのはいいの!別に」

梨子「千歌ちゃん動かないで」

千歌「あっ、ごめん。も~果南ちゃんのせいだよ」

果南「ごめん、ごめん。それにしても真剣だね~」

梨子「うん」

果南「どれどれ~?お~…なるほど…」

千歌「どうしたの?」

果南「いやぁ」

千歌「梨子ちゃんの絵どんな感じ?」

果南「何が?」

千歌「絵だよ!絵!」

梨子「千歌ちゃん動かないで!上手く描けないから」

果南「関係ないんじゃないかな?」

梨子「え?何か言った?」

果南「ううん。何でもないよ」

千歌「ね~どんな感じなの?」

果南「私からは何ともなぁ。ほら?あんまり絵の事は分からないし」

千歌「それでも感想くらい言えるじゃん」

果南「でもなぁ…二人傷付く人が出る…」

千歌「え?何で?」

梨子「どう言う事?」

果南「いや…ごめん。なんでもないんだけど…なんて言えば良いのかな?」

千歌「見たままの感想を言えばいいじゃん」

果南「見たままの事を言える程私ももう子供じゃないよ」

千歌「どう言う事?」

果南「いや、でも…私に見る目がないのかもしれないど」

千歌「どう言う事なの?似てないの?」

果南「似てないと言うか何と言うか…大きな枠組みで言えば似てるかもしれないけど…」

千歌「え?どう言う事?って言うか梨子ちゃん集中し過ぎじゃない?果南ちゃんの声全然耳に入ってないでしょ?」

梨子「千歌ちゃん!じっとして」

千歌「えぇ…。なんか凄い気にならんだけど」

果南「やめた方がいいよ。終わったら真っ直ぐ帰りな。そうすれば誰も傷つかないから」

千歌「それもう言ってる様なもんじゃない?」

果南「いやぁ…」

千歌「だいたい真っ直ぐ帰った所で梨子ちゃんと一緒だからね。家隣だからさ」

果南「ん~でもねぇ。千歌って顔に出やすいし」

千歌「果南ちゃんに言われたくないよ!」

梨子「出来た!」

千歌「出来た?」

果南「出来たんだ…これ…」

梨子「どうかしら?これ?」

千歌「うん…え?これ…私?私ってこんな?」

梨子「うん」

果南「千歌…顔に出てるよ。でも、少し絵に近づいたかも…」

「本」

海未「今日はいい天気ですね。スポーツ日和です。ん?」

本ーーー!

海未「本が…全く。こんな道端に本を捨てるなんて…ちゃんと然るべき日に然るべき手順で捨てないと。仕方ありませんね。私の家に…むっ…これは………破廉恥な本…なななななんて物を…こんな…人が通る様な…こんな…破廉恥な…」ペラペラ

ことり「あれ?海未ちゃんだ?海未ちゃーーーん!!」

海未「え?ことり?」

ことり「海未ちゃん?何してるの?」

海未「え?いえ…あの…違うんです。これは私のではなくて…本当に…」

ことり「まだ何も聴いてないけど…」

海未「違うんです。ここに捨ててあったから…捨ててあったからぁ」

ことり「う、海未ちゃん落ち着いて?声大きいよ」

海未「だって、本当に違うんです。別に物色していた訳でもないんです。こんな破廉恥な物をこんな場所に放置しておくのはと思って」

ことり「破廉恥?もしかして…Hな本なの?」

海未「言わないで下さい」

ことり「どれ?」

海未「どうして見ようとするのですか?ことり…ことり!」

ことり「海未ちゃん…あの…これ全然Hな本じゃないよ?」

海未「え?」

ことり「これ…青年誌だよね?漫画だよ?」

海未「だって…水着の女性が載ってますし…それに…もっと中を見てください。破廉恥な漫画が載ってますから」

ことり「さっき見るなって言ったのに」

海未「それはことりが…」

ことり「海未ちゃん?あのね、これくらいは別に全然Hじゃないんだよ?」

海未「そんな事ありません。だいたい人前でこんな際どい水着など」

ことり「それを言っちゃうと…」

海未「だいたい漫画の内容だって…こんなの…」

ことり「いや…このページはそんなに…キスしてるだけだし…」

海未「ですけど…この次のページなんて…あぁぁ…」

ことり「ん~…確かにちょっとエッチかもしれないけど…別にこれくらいは…」

海未「何故ですか!こんなの許されないでしょ!100歩譲って個人的に楽しむだけなら良いですがそれをこの様な誰の目につくかも分からない場所に捨てるなんて…」

ことり「まあ…捨てるのはダメだよね?」

海未「そうです。最悪です。最悪の最低です」

ことり「わっ、海未ちゃん見て?」

海未「へ?」

ことり「このページのグラビア。凄いね…」

海未「やめて下さい。見せないで下さい」

絵里「あの子達…何やってるのよ…あんな所で騒いで…」

にこ「無視よ、無視。知り合いだと思われるわ」

希「それが懸命な判断やな」

「黙ってるやつ」

穂乃果「で、ここをこう通すと…ほら!東京タワー!」

絵里「ハラショー」

穂乃果「凄いでしょ!」

真姫「高校生にもなってあやとりって…」

にこ「何よ。東京タワーくらいで。にこなんて…見てみなさい!にこが試行錯誤して考案した…ふふん、エッフェル塔からの…凱旋門からの…通天閣!凄いでしょ?」

絵里「にこって一日中こんな事考えてるの?」

真姫「にこちゃんって暇なのね」

にこ「なんでよ!素直に褒めなさいよ!」

穂乃果「いや~まあ凄いけどね」

絵里「そうね。私なんて何にも出来ないし」

穂乃果「え?絵里ちゃんあやとり出来ないの?」

絵里「ええ…そうだけど?」

にこ「嘘でしょ?あやとり出来ない子とか居るんだ?」

絵里「いや…別にいるでしょ」

穂乃果「うん。それはにこちゃんが大袈裟だと思うよ」

にこ「なっ…あんたはどっちの味方なのよ?って言うかあんたが最初に言ったんじゃない」

穂乃果「いや…味方とか言われても。まあ、でも女の子ってわりかしあやとりは通る道だとは思うけど」

にこ「でしょ?」

絵里「女の子だからとかそう言うのはどうなのかしら?男の子だってあやとり好きな子もいるかもしれないし」

にこ「いやいい。面倒くさい。絵里のそう言う所面倒くさいから」

絵里「なんでよ…」

にこ「何?本当に何も出来ないの?簡単なのも?」

絵里「出来ないわよ」

穂乃果「ホウキとかも出来ない?」

絵里「だから出来ないって」

にこ「あんたもうあれね?今日から賢いあやとり出来ないエリーチカね」

絵里「勝手にしてくれていいけど語呂が凄い悪くない?」

にこ「それはあやとり出来ないあんたが悪いわよ」

絵里「なんでそうなるのよ」

穂乃果「星も作れない?」

絵里「だから出来ないって。何も」

にこ「うっそ~。あんな簡単なのも出来ないんだ」

絵里「なんであやとりが出来ないくらいでそんなに言われなきゃならないのよ」

にこ「だってさ~」

絵里「だって何よ?」

穂乃果「二人とも仲良いね~。ねえ?真姫ちゃんは何が出来るの?」

真姫「何が?」

穂乃果「あやとりだよ」

真姫「出来ないけど?」

穂乃果「え?出来ないの?何も?」

真姫「

真姫「え?出来ないわよ」

にこ「え?何?あんた出来ないの?」

真姫「いけないの?」

にこ「別にいけないとは言ってないわよ」

穂乃果「ホウキも?」

真姫「だから出来ないってば」

絵里「穂乃果はホウキなら誰でも出来ると思ってるの?」

にこ「へ~そうなの。真姫もおやとり出来ないの。へ~」

真姫「何よ?何が言いたいのよ?別にあやとりくらい出来なくても困らないし」

にこ「なんで出来ない癖に偉そうなのよ」

絵里「あやとりが出来るからって偉そうにするのもどうかと思うけど」

穂乃果「まあね」

絵里「ただね、真姫!一ついい?」

真姫「何?」

絵里「私があやとり出来なくて責められてた時ずっと黙ってたわよね?」

真姫「うん」

絵里「言ってくれれば良かったのに」

真姫「何が?」

絵里「あやとり出来ない事!なんで黙ってたの?」

真姫「別に言う必要あった?」

絵里「たぶんね?たぶんあったと思う」

真姫「別に私が言った所で絵里があやとり出来ない事実が変わるか訳でもないし」

穂乃果「確かに」

絵里「そうだけど。私達仲間じゃない?」

真姫「まあ…仲間だけど…」

絵里「仲間ってあれよ?μ'sのとかじゃなくてあやとりが出来ない仲間って事よ?」

真姫「なによそれ」

絵里「あなたが名乗り出る事で何かが変わるかもしれないじゃない?」

真姫「馬鹿にされるのが分散されるだけでしょ?」

絵里「悪い言い方するとね?重いものは一人で持つより二人で持った方がいいじゃない」

真姫「だって絵里全然気にしてない様子だったじゃない」

絵里「気にしてない。あやとりが出来ない事を馬鹿にされるのは気にしてないけども」

真姫「じゃあいいじゃない」

穂乃果「少しイラっとはしてたよね」

絵里「あのね、私が気にしてるのは真姫が庇ってくれなかった事なの」

真姫「じゃあ、もし逆の立場だったら言ってくれた?」

絵里「もちろん。真姫が窮地に立たされたらいつだって名乗り出るわよ。ね?」

にこ「いや…時と場合によるけど」

穂乃果「うん。TKGって大事だよね」

真姫「TPOよ」

穂乃果「それね!」

真姫「はあ…もう分かったわよ。次からはちゃんと名乗り出るわよ。それでいいでしょ?」

絵里「うん」

ガチャ

希「ほれほれ~かよちん。怖い?」

花陽「や、やめてよ~希ちゃん」

穂乃果「あっ、希ちゃん、花陽ちゃん」

にこ「何してんのよ?」

花陽「希ちゃんが心霊動画を見せてくるのぉ。誰か助けて」

希「いや~反応が可愛くってついね。おっ!えりちもおるやん」

にこ「ほら、花陽が窮地に立たされてるわよ?助けてあげなさいよ」

絵里「え?」

「映画」

海未「あの…面白かったですね?」

ことり「う、うん」

海未「やっぱり、あの映画にして…正解でしたね」

ことり「そう…だね」

海未「面白かったですね?」

穂乃果「え?本当に面白かった?」

海未「え?」

穂乃果「いや…だってなってるじゃん?」

海未「何がですか?」

穂乃果「あの空気にさ!映画が面白くなかった時の独特の雰囲気になってるじゃん」

海未「なってますか?」

穂乃果「なってるよ。ことりちゃんなんて喋らないじゃん」

ことり「え?そんな事は…」

穂乃果「認めよう!私達は失敗したんだよ」

海未「そんな事は…」

穂乃果「あるよ。ガラガラだったじゃん?私達の他にお客さん居なかったしさ。やっぱり失敗したんだよ」

海未「でも、穂乃果が絶対面白いから見たいって」

穂乃果「そうだよ。だから認めて楽になりたいの。なんか気を遣われてる感じがして嫌だったんだよ。お願い。認めて。穂乃果が失敗した事を認めて責めて」

海未「私は何をお願いされているのですか」

穂乃果「楽にして欲しいんだよ」

海未「そんな事言っても本当に面白かったんですもん」

穂乃果「いや、気を遣わなくていいから」

海未「いや、本当です。本当に面白かったんです」

穂乃果「え?本当?」

海未「ですから本当だと何度も言ってるでしょ?」

穂乃果「ことりちゃん面白かった?」

ことり「えっと…」

海未「面白かったでしょ?」

穂乃果「いや…この反応どう見たってつまらなかったんだよ」

海未「つまらなかったですか?」

ことり「ごめんね。正直…」

海未「いえ…選んだのは穂乃果なので私に謝られても」

穂乃果「それを海未ちゃんは面白いって言ってるんだよ」

海未「感性は人それぞれでしょう?だいたい選んだのは穂乃果なのですから」

穂乃果「だからごめんって言ってるじゃん。私のミスでした」

海未「ですから私は面白かったので」



穂乃果「え?じゃあ何?何であの独特な空気になってたの?面白くない映画を友達と見終わった後の独特な空気に」

海未「いや…あなたが勝手に出してただけでしょ?その独特な空気を」

穂乃果「え?そうなの?ことりちゃん、そうなの?」

ことり「えっと…」

穂乃果「今この空気は何?」

海未「いや…穂乃果が一人で勝手に騒いでるだけでしょ?」

穂乃果「そうなの?」

海未「そうなんです」

穂乃果「え?そうなの?」

ことり「私?」

穂乃果「うん」

ことり「えっと…ちょっと気まずかった…」

穂乃果「でしょ!ほら!勝った!」

海未「何で嬉しそうなんですか」

「服」

にこ「あのさ」

絵里「何?」

にこ「こないだ皆んなで買い物行ったの覚えてる?」

絵里「行ったわね~。希ったらあの時買った靴よりもう一足悩んでた方にすれば良かった~って後悔してたわよ」

にこ「それなのよ」

絵里「え?何が?」

にこ「家に帰って買った服を見てたらね…私、なんでこの服買ったんだろうって思ってさ」

絵里「うん。よくあるわよね。なんなのかしらね、あれ?お店だと良く見えるのにね」

にこ「分かるでしょ?」

絵里「分かる。試着してみるんだけど亜里沙が微妙な顔してるのよ。あの子すぐ顔に出るから。で、何?にこも失敗したの?」

にこ「失敗したのよ」

絵里「あはは。それはドンマイね」

にこ「何笑ってんのよ」

絵里「え?笑うところじゃなかった?」

にこ「笑うところじゃないの」

絵里「そうなの?てっきり自虐ネタを披露したのかと」

にこ「違うわよ」

絵里「じゃあ何なの?」

にこ「あの日…勧めなかったっけ?」

絵里「何が?」

にこ「服。にこが勝手に失敗した服って絵里が勧めたんじゃなかった?」

絵里「え?そうだっけ?」

にこ「そうよ」

絵里「ごめん。記憶にないわ」

にこ「いや、あんたよ。あんたが勧めたのよ。にこに凄く似合うって」

絵里「ああ、そう」

にこ「ああ、そうって」

絵里「え?何?」

にこ「いや…それだけ?」

絵里「え?何?」

にこ「べつに何でもないんだけどね」

絵里「え?じゃあ何なの?」

にこ「取り敢えず…ハッキリさせたかったのよ」

絵里「何が?」

にこ「絵里が勧めたかどうかを」

絵里「ハッキリも何も…にこが勝手にそうだって納得しただけだし。私記憶にないし…」

にこ「待って。この写メ撮ってあんのよ」

絵里「写メ?」

にこ「うん。写メ撮って来たから」

絵里「そうじゃなくて。写メって久しぶり聞いたと思って」

にこ「そっち?そっちは今どうでもいいんだけど」

絵里「え?でも今言わないでしょ?写メって写メールの略よ?写メールって言うのはJ-PHONEって言う…」

にこ「だからそれは今はいいのよ。この写メ…この画像見なさいよ。記憶にない?」

絵里「どれ?え?この服買ったの?これはちょっと…」

にこ「あんたが勧めたのよ」

絵里「本当に私?」

にこ「絵里のはずよ」

絵里「え~…そうだっけ?」

真姫「絵里よ」

絵里「え?」

にこ「あんた居たの?」

真姫「一番最初から居たんだけど」

にこ「ああそう。でも、やっぱり絵里でしょ?」

真姫「うん」

にこ「ほらね!言ったじゃない」

絵里「本当?何で勧めたのかしら?ごめんね、にこ」

真姫「でも私は止めたわよ?」

にこ「へ?」

真姫「私はやめた方がいいって言ったわよ」

にこ「え?何で?」

真姫「いや……ダサいから」

にこ「うん。だろうけど…だったらさ、何でにこはやめなかったの?」

真姫「知らないわよ。にこちゃんが人の言う事を聞かなかったんじゃない」

にこ「え?そうだっけ?」

真姫「そうよ」

絵里「何よ。じゃあ、にこも納得して買ったんだし私だけのせいじゃないじゃない」

にこ「でも勧めたのはあんたでしょ?」

真姫「言う事聞かなかったのはにこちゃんよ?」

絵里「そうよ」

にこ「じゃあ、もっと強く止めなさいよ!ダサいと思ったんなら止めなさいよ」

真姫「なんで私が責められなきゃいけないのよ」

絵里「確かに…」

真姫「絵里が勧めたとしても私が強く止めなかったとしても納得して買ったのはにこちゃんなんだから責任はにこちゃんにあるでしょ!」

にこ「うっ、まあ…わかったわよ。にこが悪かったわよ」

絵里「なんだったのよ…この時間は…」

「初めての電話」

理亞「あの時…ルビィ達と連絡先を交換したけど…まだ一回もやり取りしてない。別にしなくてもいいんだけど…聞いて来たんだから一回くらい連絡して来たって…」

ガチャ

聖良「理亞?」

理亞「え?な、何?」

聖良「いえ、先にお風呂頂いたわよ?」

理亞「え?う、うん。それだけ?」

聖良「ええ」

理亞「そう」

聖良「理亞も早く入っちゃいなさい」バタン

理亞「ふう。姉様…急に開けるんだから。そんな事より…どうしよ。メール…でも別に用事がある訳でもないし…。でも…でも、そう、一回も連絡しないのも失礼だし。うん!」

ガチャ

聖良「理亞?」

理亞「わ、わあ!?」

聖良「な、何?」

理亞「そ、それはこっちの台詞…どうしたの?」

聖良「いや…今何か隠さなかった?」

理亞「え?あっ…これ?携帯…」

聖良「どうして携帯を隠したの?」

理亞「いや…別に…」

聖良「何してたの?」

理亞「何もしてない」

聖良「そう?」

理亞「うん」

聖良「そう。ならいいけど」バタン

理亞「ふう。別に隠す事もなかったんだけど。さてと…なんて送ればいいかな…。元気?とか…」

ガチャ

聖良「理亞?」

理亞「ひゃあ」

聖良「…何してるの?」

理亞「な、何でも?」

聖良「何か隠したでしょ?」

理亞「だから…携帯を…」

聖良「どうして携帯を隠す?別に覗いて見ようなんて思ってないわよ?」

理亞「あの…姉様が急に開けるから。条件反射でつい」

聖良「携帯を隠してしまうの?」

理亞「うん」

聖良「やましい事がある訳じゃないわよね?」

理亞「誓って」

聖良「そう。ならいいけど」バタン

理亞「姉様…何だったんだろう?まあ、いいか」

聖良「ごめん理亞」ガチャ

理亞「ノックしてよ姉様!」

聖良「やっぱりまた隠した!何してるの?」

理亞「何もしてない」

聖良「だったら何で隠すの?」

理亞「だから条件反射で…」

聖良「正直に」

理亞「Aqoursの黒澤ルビィに…連絡先を交換したから…メールを…」

聖良「メールを?送ろうとしたの?」

理亞「うん」

聖良「なるほど。友達に初めてメールを送る時って緊張するわよね?」

理亞「姉様も?」

聖良「そうよ。誰だって最初はそう。ワクワクしたりドキドキしたり」

理亞「そっか。そうなんだ」

聖良「何度もメールを見直したりね」

理亞「それは面倒くさいかも…だったら電話の方が…」
ピッピッピッ

聖良「それも醍醐味なんだけどね」

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