にこ「お邪魔するよー」絵里「どうしたの、にこ?」 (29)

にこ「無茶で無謀で馬鹿な絵里ちゃんが風邪引いたから見舞いにきた」

絵里「……ひどい言い様ね」

にこ「へぇ?これがライブ前でも同じことが言えるのかなー?」

絵里「ごめんなさい」

にこ「それでいいのー」

絵里「そしてありがとねー……こほっ…こほっ」

にこ「感謝なら全快してから聞くから大人しく寝てて」

絵里「……はぁーい」

にこ「絵里ちゃん、お昼は?」

絵里「軽く食べたー」

にこ「まだ夕方だけど食べれる?」

絵里「食べたの11時くらいだから今の方がいいかも」

にこ「どうせ朝起きれなかったんでしょ?」

絵里「……その通りです」

にこ「よぉし!にこの特製卵粥をご馳走したげる!」

絵里「楽しみにしてるわー」

トントントントン


絵里「……にこ、食材ある?」

にこ「へーき。買ってきたから」

絵里「じゃあ今度お金を」

にこ「大丈夫大丈夫。みんなからのカンパだから」

絵里「……みんなが?」

にこ「そうそう」

絵里「あー……悪いことしたなー」

にこ「……ねぇ、絵里ちゃん」

絵里「……な、何?」

にこ「昨日も言ったけど風邪引いたときくらい周りを頼って」

絵里「あ………うん」

にこ「ただでさえいろいろ頑張りすぎなんだから」

絵里「……ごめん」

にこ「てか嫌々カンパした子なんていないんだから悪いとか言っちゃダメ」

絵里「………」

にこ「絵里ちゃんだって誰かが風邪引いたりしたら似たようなことするでしょ?」

絵里「むー……」

絵里「にこのおっしゃる通りです」

にこ「分かればいいの」

絵里「…ねぇ、にこー?」

にこ「何よ?」

絵里「いやぁ……ホントに頼りになるなーって」

にこ「分かったから寝てろー」

絵里「はーい、にこお姉ちゃん」

にこ「っ!バーカバーカ!」

絵里「……そう恥ずかしがらなくても」

にこ「うっさい!」

絵里「そういえば…にこ一人?」

にこ「うん。ひとまず一人」

絵里「ひとまず?」

にこ「まだ部室であーだこーだ言ってるんじゃない?」

絵里「……?」

にこ「誰が絵里ちゃんのお見舞いに行くかって話で」

絵里「……あぁ」

にこ「みんなして自分が自分がーって」

絵里「……容易に想像出来るわ」

にこ「それで終わりそうになかったからカンパだけ奪って先に来たってわけよ」

絵里「じゃあもしかしてみんながここに来るって展開も…」

にこ「あるかもねー。はい、完成したよー」

絵里「……いいにおい」クンクン

にこ「矢澤家特製卵粥!とくとご賞味あれ!!」

絵里「……いただきまーす」

にこ「あーんしたげようか?」

絵里「……じゃあお願いしようかしら」

にこ「……本気?」

絵里「たまには頼れって言われたばかりだしなー」

にこ「………穂乃果ちゃんがうるさいんじゃない?」

絵里「あーんくらいで怒られるなら私だって穂乃果に言いたいことたくさんあるわよー」

絵里「穂乃果ったら平気であーんもするわ抱きついたりとか他にも……」

にこ「のろけ聞きに来たわけじゃないから」

絵里「というわけで、にこお姉ちゃんがあーんしてくれるならあーんしてもらう」

にこ「むー……まぁ言い出したのはにこだしなー」

絵里「ほらほら。早く早く」

にこ「でもまだ熱いかもよ?」

絵里「ふーふーもしてくれると?頼んだわ」

にこ「絵里ちゃん、そんな性格だっけー?」

絵里「頼り甲斐のあるにこお姉ちゃんが相手だからねー」

にこ「はいはい」

にこ「ふー……ふー……」

絵里「……でもホントにありがとねー」

にこ「だから気にしないのー。はい、あーん」

絵里「あーん」パクッ

にこ「どうよ、矢澤家特製卵粥の味は?」

絵里「はふっ……はふいっ……!」

にこ「もう少し待ってもよかったか」

絵里「んぐっ………はぁ……はぁ…」

にこ「水あるよー?」

絵里「大丈夫……うん、美味しいわね」

にこ「そうでしょうとも!」

絵里「もう一口」

にこ「もうしませんよーだっ!」

絵里「えー?ケチー」

にこ「ケチで結構!」

絵里「まぁいいか」

にこ「ところで絵里ちゃん、今熱は?見たところ大分回復したみたいだけど」

絵里「昨日は9度近くあったけど今は7度くらいかなー」

にこ「まぁなんにせよ、ゆっくり休みなよー?」

絵里「うーん……でも家で一人だと寂しくて」

にこ「ぶふっ!!」

絵里「な、何よ……?」

にこ「絵里ちゃんが寂しいって……っ!」プププ

絵里「なななっ!///」

にこ「ぷぷっ……!あはははー♪」

絵里「ちょっと、にこっ!///」

にこ「寂しがり屋さんの絵里ちゃんにはにこが付いててあげるからねー♪」

絵里「もうっ!」

絵里「ごちそうさまでした」

にこ「はい、お粗末さまー」


カチャカチャ


絵里「私も……」

にこ「なんで風邪引きが頑張ろうとしてんの。寝てろ」

絵里「うぅ……はい」

にこ「それでいいの」

絵里「じゃあ任せたよ、にこお姉ちゃん」

にこ「バーカ!!」

ピンポーン


にこ「はいはい。今開けますよー」


ガチャ


希「おぉ。やっぱりここやった」

にこ「……あれ?一人だけ?」

希「せやでー。にこっちがもう行っとると思ったからなー」

にこ「ふーん?それで無理矢理来たと」

希「あの様子じゃあ、そうでもせんと話が収まらんかったしな」

にこ「でも残念ながら絵里ちゃん、さっき寝たとこだよ」

希「ほうなん?」

希「やったらプリンは冷蔵庫に入れとこかー」

にこ「何個あんのー?」

希「もち三個」

にこ「じゃあ食べちゃおうよ。もちろん絵里ちゃんのは残しといて」

希「やなー」



めでたしめでたし

明日寒いってー
温かくしませう

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