【安価】オレ ゴブリン コノセカイ イキノコリタイ (92)



ゴブリン……非常に脆弱で知能の低い生物。小さい子供の様な体躯であるが、生き物を殺す事に躊躇いなど無い。

特徴1……自分勝手で我侭であり、同族が殺されるよりも自分に危害を加える相手に執着する。
特徴2……世代を重ねる毎に突然変異と呼ばれる進化した個体が生まれる可能性が上がる。
特徴3……皮膚は緑や紫色だったり、筋力にも個体差がある。別の種族との交配でしかゴブリンは生まれない。


ヒューマン……この世界で最も数の多い種族。繁栄の為なら他種族を排斥する事も厭わない。

特徴1……柔軟性に長けており、生き残る術を言語化して次の世代へと残す。
特徴2……基本的に小規模での生活を営む。大規模な集団に至っては高度な技術を有している。
特徴3……皮膚は白や黒に茶と細かい差がある。別の種族との交配を禁忌と考えている。

 

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今この場所には【幸運なゴブリン】、【憐れなゴブリン】、【愚かなゴブリン】の3体が居ます。

あなたはどれが気になりますか?

まずは幾つか示すのでそれを参考にして下さい。

 



【幸運なゴブリン】

戦士「このっ! 村の外に出て行けゴブリン!」

ゴブリン「グゲッ……」

村人「そのままとっちめてくれ!」


このゴブリンは村を襲おうとして失敗したようです。

彼が生き残るのはあまりにも細い道にも思えますが……



【憐れなゴブリン】

ゴブリン「グギッギギ……ユ、ユルシテ…くダサイ」

騎士長「ゴブリン風情が人の言葉を話すだと?」

ゴブリン「モウ、シマセン……ヒト。オそイマセン」


このゴブリンの巣は討伐隊を編成される程の規模だったようです。

人の言葉を使ってどうにか命乞いをしているようですが……



【愚かなゴブリン】

ゴブリン「ゲゲーッ!!」

商人「なんでこの街道にゴブリンが沢山居るんだ!?」

ゴブリン「「「キキッ、キキキッ!」」」ゲラゲラゲラ


このゴブリン達は物資を沢山積んでいた商隊に目を付けたようです。

彼等は集団でかかれば何も怖くないと思っているようですが……


安価↓3

人が居ないようなので夕方以降に更新するとしましょう
(このレスは範囲に含めず)

【憐れなゴブリン】が選ばれました。
このゴブリンはこの先生き残れるでしょうか……



ゴブリン「キキッ」

ゴブリン「キーッ!」

ゴブリン「キャッキャッ」


騎士長「ゴブリンの巣はここか……」

ゴブリン「キ?」キョロキョロ

女騎士「奴等、耳は悪くないようですね」ボソボソ

騎士長「そのようだな」


騎士長「……ではこれより、ゴブリン共を殲滅する。私に続け!」

騎士長「「うおぉぉ!!」」ガサササッ

ゴブリン「キーキー!」

騎士長「ふんっ!」

ゴブリン「」ドクドク

ゴブリン「ゲゲーッ!?」ビクゥ

ゴブリン「ギー!」ダダッ


オレ ゴブリン イツモドオリ ソト アソブ ニンゲン タクサン イタ。

コンナニ タクサン イル マズイ。

ニ、ニゲ ナイト マズイ。

 

 

女騎士「ねぐらは粗方片付きました」

騎士長「ご苦労。弱いとはいえゴブリンの繁殖力は侮れんからな」

女騎士「ゴブリン共が娯楽にしていた者達は……」

騎士長「まったく汚らわしい。後でまとめて焼き払ってしまえ」

女騎士「……はっ」

騎士「騎士長!」

騎士長「む? どうした」

騎士「ゴ、ゴブリンの生き残りが!」

騎士長「その様子ではただのゴブリンが居た訳では無いな? 何があった?」

騎士「狭路に追い詰めたゴブリンの一匹が、どうにも人語を解しているようでして……」

騎士長「奇妙だな…よし。案内せよ」

 



騎士「こちらです」

ゴブリン「グギッギギ……ユ、ユルシテ…くダサイ」

女騎士「!?」

ゴブリン「モウ、シマセン……ヒト。オそイマセン」

騎士長「ゴブリン風情が人の言葉を話す……だと?」


アタラシク キタ コンドハ ギラギラ。

デモ オンナ イル。

オレ ヤッパリ ココデ シヌ?

イ、イヤ シニタクナイ!  トニカク イキノコリタイ!

 



ゴブリン「ニ…ニンゲン、コトバ……スコしワかル」

女騎士「だ、黙れ! 化物に私達の言葉が解るものか!」

ゴブリン「オコル。ナニカ、シタ。オレたチ。ワルイ」

騎士長「人間が怒るのは自分達が原因だと思っている……?」

女騎士「騎士長! ゴブリン共の言葉に耳を傾けてはいけません!」

女騎士「あの邪悪な顔を見て下さいよ! あれに善良な心があるとは思えません!」

ゴブリン「キキッ……キ」ニタニタ

騎士長「質問をしよう。お前はどうやって人の言葉を覚えた?」

ゴブリン「………」パクパク


①イッショ イタ ニンゲン カラ オそワッタ
②オマエタチ マネ シタ
③イツノマニカ ワカル……ワカル? よウニ  ナッテタ


安価↓3



ゴブリン「イツノマニカ ワカル……ワカル? よウニ  ナッテタ」

騎士「そんな事がありえるのでしょうか」

騎士長「ゴブリンの生態にはいまだ不明な部分も多い。コイツは他より知能があるようだな」

騎士「どうされますか?」

女騎士「殺しましょう騎士長!私達と同じ言葉を使う化物なんて気持ち悪いです!」

騎士長「待て。もしかすると、使いようによっては役に立つかもしれんぞ?」

女騎士「それはどういう……」

騎士長「ゴブリン。お前を助けるとこちらにどんなメリットがある?」

ゴブリン「メ、りッ……ト?」ポカーン

騎士長「面倒だな」

騎士長「オマエ、タスケテ、ワレワレ、ドウナル? タノシク、ナルカ?」

ゴブリン「!」



①オレ、オ おレ ホカノヤツ マトメル モウオそウ ニドト シナイ
②ナ ナニモナイ でも タスケて ホシい
③タスケテ クレタラ シタが、シタガウ マス?


安価↓2



ゴブリン「ナ ナニモナイ でも タスケて ホシい」

騎士長「くくっ……」

女騎士「騎士長?」

騎士長「何も提供出来ないのに助けて欲しいだと? ふざけてるのか!」ダンッ

ゴブリン「グギッ!?」

ゴブリン「ギギ、イキ…イキタイ……シヌ……イヤ!」ジタバタ

騎士長「踏みつけられてなお喋ろうとする根性は認めてやる」

騎士長「だからもう一度聞いてやろう。お前は何を出せる?」

ゴブリン「ギ~ッ!」

騎士長「こちらの意図が汲み取れないならこのまま死ね」

 

 

ドウスル オレ ナニモナイ。

コトば ワカッテモ ドウシヨウモ ナイ。

ニンゲン ナニが スキ?

クイもノ……オレタちノ タベナイ。 デモ エサハ アル。

たカラ……キョウミ ゼンゼン モタナイ。 デモ コノマエ ヒロッタ。

ヘんナヤツ……ホカイナイ デモ イマは オレ?


①クク……クイもノ! ヤル!
②タブン ニンゲン ガラクタ? デモ たカラ アル
③デキレバ イタクナイ おネガイ マス


安価↓2



ゴブリン「タブン ニンゲン ガラクタ? デモ たカラ アル」

騎士長「ほう。どんな宝か言ってみろ」

ゴブリン「ア…イ…ミズ タクサン デテ…クる」

女騎士「水?」

ゴブリン「ソレ コノマエ ヒロッタ。オレタチ……ソレデヨク、アソンデタ」

女騎士「失われた技術が込められた道具でしょうか?」

騎士長「恐らく。薄汚いゴブリンにしては臭いがマシなのはそういう事か」

ゴブリン「クレル…クレテやル?」

騎士長「あ?」ギロッ

ゴブリン「……ア、アゲま、ス?」ビクビク

騎士長「良いだろう。それを寄越せ」

 



ゴブリン「コッチ たカラアル」

女騎士「騎士長。ほんとに受け取るつもりなんですか?」ボソボソ

騎士長「失われた技術を国に献上出来れば我々の評価も天に昇る」

女騎士「だからとはいえ……」

騎士長「他言無用だぞ。手に入れた品が薄汚いゴブリンが使っていた物だとは」

女騎士「…承知しました」


ゴブリン「コレ……」

騎士長「ほうほう、これは面白い。湯が湧き出る壺か」

女騎士「底に刻まれた文字は……読めませんね」

ゴブリン「コレデ オレ、タスケテ クレる カ?」

騎士長「………」


1~2 「いや、助けるわけ無いだろう?」
3~6 「他にもあるなら考えてやってもいい」
7~9 「いいぞ」
0 「お前を特別に見逃してやろう。これは餞別だ受け取れ」

↓2 コンマ



騎士長「いや、助けるわけ無いだろう?」

ゴブリン「エ?」

騎士長「聞こえなかったのか? お前を助ける気は無いと言ったんだ」

ゴブリン「オ、おカシイ! オレ おマえタチ シたガッタ!」

騎士長「女騎士。私はそんな約束をしたか?」

女騎士「しておりません」

ゴブリン「ッギ、ギ……」フルフル

女騎士「………」スッ

ゴブリン「ギギィ~~!!」バッ

騎士長「フゥ……所詮はゴブリンか。やれ」

女騎士「はっ」チャキッ


コンナ ハナシ キイテナイ! モウ オレ オコッタ!

コイツ、コイツハ ギラギラシタコイツ ゼッタイ ユルサナイ!

ナグッテ! ツブシテ! コロシテヤル!

 



女騎士「消えろ」ズバッ

ゴブリン「ゲッ……!?」プシャー

ゴブリン「ッギィィィー!!」ジタバタ

ゴブリン「…ギ、ギギ……キィ」バタッ

騎士長「しぶとい個体なら、もう一度襲い掛かって来そうなものだがな」

騎士長「もうここに用は無い。帰るぞ」

女騎士「……」チラッ


ゴブリン「」ピクッピクッ

 



こうして【憐れなゴブリン】は死にました。

賢い個体が生き残れなかったのは、種族にとって大きな痛手となるかもしれません。

脆弱なゴブリン達に未来はあるのでしょうか……

 



まだこの場所には【幸運なゴブリン】、【愚かなゴブリン】の2体が……

おっと、【巨体のゴブリン】も入れて合計3体ですね。


あなたはどれが気になりますか?

彼等の事を幾つか示すのでそれを参考にして下さい。

 



【幸運なゴブリン】

戦士「このっ! 村の外に出て行けゴブリン!」

ゴブリン「グゲッ……」

村人「そのままとっちめてくれ!」


このゴブリンは村を襲おうとして失敗したようです。

彼が生き残るのはあまりにも細い道にも思えますが……



【愚かなゴブリン】

ゴブリン「ゲゲーッ!!」

商人「なんでこの街道にゴブリンが沢山居るんだ!?」

ゴブリン「「「キキッ、キキキッ!」」」ゲラゲラゲラ


このゴブリン達は物資を沢山積んでいた商隊に目を付けたようです。

彼等は集団でかかれば何も怖くないと思っているようですが……



【巨体のゴブリン】


ゴブリン「ゲフーッ」ポンポン

狩人「!? なんだあのゴブリンは……」

ゴブリン「……グィア~ア」ボリボリ


このゴブリンは同種族と比べ大きな身体を持っているようです。

今まで脅威に晒される事も無く、のんびりとした生活を送っていたようですが……


安価↓3

今日も夕方以降に更新しますねー
このレスは安価範囲に含めず



ゴブリン「……zzZ」

狩人「あんな個体は今まで見た事が無い。村へ早急に報告しなければ」ダッ


自分を危険視されている事も露知らず。

ゴブリンは腕を枕にして気持ちよさそうに寝ています。

 



狩人「みんな!」

女「どうしたんです? そんなに慌てて」

狩人「みんな聞いてくれ。森にゴブリンが居た」

女「えっ」

男「……またゴブリンか」

狩人「しかもそいつは並のデカさじゃ無かった」

男「なに?」

女「じょ、冗談でしょ? ただのゴブリンでさえ私達じゃ……」

村長「それは本当か?」

狩人「はい。自分が見た時は一匹だけでしたが」

村長「そいつが万が一にでもこの村を攻めてきたら不味い。今のうちに討伐依頼を出しておこう」

狩人「それまで見張っておきます」

村長「……くれぐれもゴブリンを刺激しないでくれよ」

狩人「ええ、もちろんです」

 



狩人「起きている間は寝るか食うかだけで特に何もしない。見れば見るほど奇妙な奴だ……」

ゴブリン「」ピクッ

狩人「勘付かれたか?」ササッ

ゴブリン「……」


①寝返りを打つ
②手近な石を掴んで音がした方向に投げる
③起き上がって火を起こす

安価↓2



ゴブリン「……」ゴソゴソ

狩人「なんだ…? 手を動かしてる様に見え――」

ゴブリン「ムッ」ブォン

――ドガッ!!

狩人「!?」


化物の呻き声に一瞬遅れて周囲に大きな音が響く。

何が起きたのか視線を漂わせると、なんと自分の隣にあった樹木に石がめり込んでいるではないか。

これほどの礫を自分の身体に命中させられていたら。

そう考えると思わず身が竦んだ。

 


 
狩人(次は当てるぞと脅しをかけているつもりなのか……)

ゴブリン「……」

狩人(た、ただの偶然だ。狙ってやったと確証も無い)

ゴブリン「zzz」ポリポリ

狩人「次からは遮蔽物にしっかり身を隠そう……」ボソッ

 



――1週間後


戦士「……ここか」ガシャッ

男「おや。アンタは?」

戦士「俺か? 俺は人の厄介事で日銭稼ぎをしてるもんさ」

男「あー……ああ! 依頼した冒険者さんか。ちょっと待っててくれ」

 



村長「ようやく来たか! 待ちかねたぞ!」

戦士「前置きはいい。村長、例のゴブリンは何処に?」

村長「森を少し進んだところに開けた場所がある。奴はそこを塒にしとる」

戦士「そうか」ガタッ

村長「と、ところで――」

戦士「…なんだ?」チラリ

村長「アンタ一人で戦うとか言わんじゃろうな」

戦士「そうだが?」

村長「……倒せるのか?」

戦士「なに、茶でも啜って待ってるといい」バタム


男「村長。アレ大丈夫なんですかね……」

村長「金を支払っている以上信用するしかあるまい」

男「……」

 



戦士「さーて、ゴブリンは何処だ」ザッザッザ

狩人「……! あなたは依頼を受けた方ですね?」

戦士「ああ。その通りだ」

狩人「気を付けて下さい。アイツは普通じゃない」

狩人「人の気配に敏感で、物音を立てるとすごい勢いで石を投げてくる」

戦士「そうか。そりゃ怖い」

狩人「……舐めてかかると死にますよ」

戦士「忠告は受け取っておく。それでいいだろ」

狩人「それなら、いいですが……」

 



ゴブリン「……」パチパチ

戦士「ハッ。ゴブリンがいっちょ前に暖を取ってやがる」

ゴブリン「…ァグァグ」ムシャァ

戦士「焼きリンゴと肉か。贅沢だな」

ゴブリン「……」


①外敵が居そうなので片方だけ火のついた薪を掴む
②火を囲んでいる石の一つを掴んで音がした方向に投げる
③焼けた肉を葉っぱで包む。そしてその辺に投げる

安価↓2



ゴブリン「……」スック

戦士(座った状態じゃそこまで解らなかったが、デカい……!)

ゴブリン「…フ、ゥーウ……! ォ”オ”ア”ァァ!」ブォン


――ビュォッ!! ドガァッ!!


戦士「うわっ!?」

戦士「…の、ノーコンか。びびらせやが――ッ!?」


ゴブリン「コォォ……」ギロッ


背筋を襲う恐怖感。

それは今までに倒してきたゴブリンとは明らかに違う異質な眼光だった。


ヤツは殺意を隠す事無くこちらに向けてきている……!

 



戦士「ゴ、ゴブリンが!」ジャキッ

ゴブリン「グゥルル……」

戦士「先手必勝!」ブン

ゴブリン「……」グググ

戦士「なっ――」


これは正当防衛だ。

ヤツはそう言わんばかりに大きく拳を振りかぶっている。

眼前に迫る拳を前に、俺は頭の中で依頼をこなす過去の自分を思い出していた。

 



戦士「ずあっ!」

ゴブリン「ゲギ……」

ゴブリン「キー!」

ゴブリン「ギギィー!!」


戦士「……ふう。割とちょろいもんだな」

ゴブリン「」

戦士「案外、この仕事は俺に向いてるのかもしれねぇ!」


俺は子供のような体躯の化物を狩る依頼を好んで受けていた。

楽に始末出来て割が良い。そして危険もそんなに無い。

そう、危険はそんなに無かった筈なんだ――

 



戦士(こんな、こんなことなら……)

戦士(ぶっきらぼうな言い方も、格好よく見せる為に振舞ったりも)

戦士(そもそもゴブリンの依頼なんか受けるんじゃなか――)

ゴブリン「ガァッ!」ブゥン


骨がボキリと折れる音を最期に、俺の意識はぷつりと切れた。

 



ゴブリン「フーッ、フーッ!」ポタポタ

戦士「」ドロッ

ゴブリン「グッ…フー」

ゴブリン「……フゥ」チラッ

戦士「」

ゴブリン「ウッ、ウぅ……」ザッザッ



度重なる人の来訪に我慢出来なかったのか、巨体のゴブリンは戦士を手にかけました。

静寂を好む彼からすれば、突然斬りかかって来るような相手ですから当然の帰結ともいえるかもしれません。

戦士の亡骸を土の中へと放り込み、何も見なかった事にしています。


その後、様子を見に来た狩人が、森の凄惨な状況を見て不干渉を村に訴えかけるのですが――

……ひとまず、この個体が生き残った事を覚えておきましょう。

 



この場所には沢山のゴブリンが居ます。


ゴブリンそのものである【幸運なゴブリン】、【愚かなゴブリン】の2体。

比較的賢い【先を見るゴブリン】、【自制するゴブリン】の2体。

唯一の生き残りである【巨体のゴブリン】。


あなたはどれが気になりますか?

彼等の事を幾つか示すのでそれを参考にして下さい。

 



【先を見るゴブリン】


ゴブリン「……」ジーッ

小さい果物「」

ゴブリン「……」チラッ

少女「お母さーん! 待ってー!」

少女の母「あらあら。はしゃぐと危ないわよ」

ゴブリン「マダ…マダ。……モット」


このゴブリンは、目の前の獲物に手を付けないで監視しているようです。

彼は何故このような行動をしているのでしょうか……



【自制するゴブリン】


少年「こんな弱っちいの? ゴブリンって」ゲシゲシ

ゴブリン「キキッ」

少年「なんか可哀想だし、逃がしてやろっかな」


このゴブリンは、人間から侮られている事に激昂していないようです。

彼が取る行動によっては、生き残る事自体は難しくありません……



【巨体のゴブリン】


ゴブリン「ガァッ!」バキィ

狩人「……木に傷跡、自分の縄張りを主張しているのか?」

ゴブリン「フーッフーッ……」


騎士長「ここか。妙なゴブリンとやらが居るのは」

女騎士「そのようで」

村長「ぞろぞろと……あなた方は都の騎士様で?」



あれからゴブリンは連日に亘って暴れています。

狩人の訴えかけにより、村からゴブリンへの干渉は無くなる筈だったのですが……


幸運、愚か >>3
 

安価指定忘れ  ここから↓2



その日は雲一つない快晴でした。

快晴は旅人にとって良い天気であり、化物にとって良い転機でもあります。

彼等は何か面白い事は無いかと見回していた所、偶然目に移った商隊を襲おうと決断しました。


ゴブリン「ゲゲーッ!!」

商人「なんでこの街道にゴブリンが沢山居るんだ!?」

ゴブリン「「「キキッ、キキキッ!」」」ゲラゲラゲラ

 



商人「不味い、不味いぞ……今日の荷物は高価な薬もある」

ゴブリン「「キャッキャキャッ!」」

商人「くそっ、背に腹は代えられんな」ゴソゴソ

ゴブリン「……?」


さっきまで喚いていた人間が馬車の奥に引っ込んで何かをしているようです。

他のゴブリン達はけらけらと笑うばかりで何もしようとしません。


①商人が居た馬車に乗り込めー^^
②後ろの方にある豪華な馬車に突撃する
③明らかに他よりボロい馬車があるのでそれを狙う

安価↓2



ゴブリン「ゲゲッ!」

ゴブリン「「キィ?」」

ゴブリン「ギー! ギギィー!」

ゴブリン「「キキッ! キー!」」ダダッ


ゴブリンは仲間に向かって耳障りな声で叫びました。

ボロの馬車なら簡単に漁れるだろうからそれを狙うぞと。

号令というには些かお粗末な言葉ですが、彼等は馬車に向かって行きます。



商人(流石にあっちには行かないよな……?)

商人(ゴブリンの事だ。判り易いモノを真っ先に狙う筈だろうし……)

 



――やめ、やめろー!!



ボロい馬車の中


赤い粉末「」

黒い粉末「」

白い粉末「」

蒼い粉末「」


ゴブリン「……スンスン、ペロッ」

ゴブリン「?」

ゴブリン「ゲ、ゲヘヘ」ラリラリ

ゴブリン「ギッ……」パタリ

ゴブリン「ウッ、ゲゲッ」パパッ

ゴブリン「……」


この馬車に乗り込もうとした時に邪魔をした人間は非力でした。

抵抗むなしく彼等に首を掻き切られ、そのまま外に放置されています。



白い粉末を吸ったゴブリンは、ふらふらと足取りが覚束ない様子です。

蒼い粉末を舐めたゴブリンは、何も起きない事に首を傾げています

黒い粉末を嗅いだゴブリンは、顔を顰めて粉を遠ざけました。

赤青を混ぜて飲んだゴブリンは、倒れたっきり起き上がる気配はありません。

さて、その様子を観察していたゴブリンは何をするのでしょう。


①粉末を混ぜて使う(吸う、舐めるなどの用途を併記)
②赤い粉末が入った袋を持ち去る
③白い粉末が入った袋を持ち去る
④黒い粉末を身体に振り撒く
⑤全部混ぜて鼻から吸い込む

安価↓3



ゴブリン「キーキー!」

ゴブリン「……」

ゴブリン「ゲへッ、ゲへへ」

ゴブリン「ギギィ……ギッ!」シュバッ


ゴブリン達は色の付いた粉末に夢中です。

しかし他を観察していたゴブリンだけは、粉末が入った袋の幾つかを持って馬車から飛び出しました。

おそらく赤い粉末は他と違うと思ったのでしょう。そのゴブリンは大事そうに袋を抱えています。

 



商人「何処だ!? 何処にある!」ガサゴソ

商人「こっちか? それともこっちだったか?」ブン

商人「……やっと見つけた!」


――ヤメロー! ギャーギャー!


商人「……とはいえ、もう試しに使う時間と余裕も無い」

商人「効果が無かったら……」


彼が右手に握りしめた”それ”は魔物の皮を利用した巻物でした。

中心から薄く発光しているようにも見えるそれは、見えざる何かの力を感じさせます。

 



馬「ヒヒーン!!」

ゴブリン「「ギャギャー!」」ドスッドスッ

馬「……」

商人「めちゃくちゃにしやがって……」

商人「忌まわしいゴブリン共め! これでも喰らえ!」バッ

ゴブリン「ギ…?」クルッ


――カッ、シュゴォォ!!


ゴブリン「ゲヒィ!」

ゴブリン「ギギー! ギー!?」

ゴブリン「キッ、キキ……」バタ

ゴブリン「」


眩い光がゴブリン達を包み込む。

光は一瞬で毒々しい霧に変わり、中に居るゴブリンは苦しみ悶えています。

商人が翳した巻物は、ボロボロと宙に崩れさって行きました……。

 



古代の真言を書き記された物は不思議な効果を持つ。

ゴブリン達に使われた巻物もそういった道具だったのでしょう。

絶望に満ちた呪いは全身に回り、対象を確実な死へと至らしめる。


――さて、ゴブリンは本当に全滅したのでしょうか?


1~2 襲撃したゴブリン全てに呪いが降りかかった
3~6 中途半端に呪われた者が居る
7~9 その場をさっさと離れていたゴブリンに効果は無かった
0 呪いは商人達にも返り、物資は街道に放置される結果となった

↓2 コンマ



商人「どうだ見たか!」

ゴブリン「ギ、ギッ」ガサガサ バサァ

商人「まだ息が!?」


皆が死に絶えて行く中、他とは違う様子を見せる者が居ました。

そう、あの赤い粉末が入った袋を持ち去ろうとしたゴブリンです。

ゴブリンはどうせもう死ぬのならと、袋の中身を浴びる様にぶちまけました。

 



商人「あ、あの薬は」

ゴブリン「キキッ、キ……」プルプル

ゴブリン「a…aa……ガッ」バタリ

商人「…死んだな」

商人(あんな量を一気に使いやがって、ゴブリンめ!)


ゴブリンが浴びた赤の粉末は、人が使うと少量で全身の筋肉が弛緩する非合法な薬でした。

人よりも小さいゴブリンがそれを過剰に摂取して無事な筈もありません。

加えて呪いにより死に体だったのです。奇跡でも起きなければ生き延びられる筈は無い。


商人は無事な荷物を検めるべく、悪態をつきながら他の馬車を見に行きました。

 



商人「怪我は無いか!」ガバッ

傭兵「生きてて何よりだぜ。商人のオッサン」

商人「無事か! 大丈夫なんだろうな!?」

傭兵「おわっ、詰め寄らないでくれ。……傷に響きやがる」

商人「お前達がどうなろうと構わん! 私の商品は無事かと聞いている!」

傭兵「ああ…誰にも触らせちゃいねぇ。奥を見れば一目瞭然だろ?」


紫髪の女「ぐぅぐぅ……」

紫髪の女「もう食べれないよぉ」


商人「ふぅーーっ」ドッ

傭兵「近くで轟音が鳴っても起きやしねえ。まったく呑気なもんだぜ」

傭兵「ところで、上乗せはしてくれるよな? 危険報酬ってヤツをよ」

商人「……仕方あるまい。後で支払ってやろう」

傭兵「当然だ」

商人「まったく、今日はとんだ厄日だな」


騒ぎも沈静化した今、商人達が留まる理由はありません。

ゴブリンの死体をそのままに、この場から逃げる様に離れていきした。

 



ゴブリン「」

ゴブリン「」

ゴブリン「」


これはこうだという経験則、それによる判断の誤り。

彼等にとって、ゴブリン達はもう死に絶えたという都合の良い想像で終っています。

 



ゴブリン「」

ゴブリン「」ピクッ

ゴブリン「」ピクピク

ゴブリン「……」ムクリ

ゴブリン「…?」キョロキョロ

ゴブリン「!」

ゴブリン「~~!」ジタバタ


これは幸運か。それとも天運か。

愚かにも特定の薬物を大量摂取したゴブリンだけが生き残る。

 



人間達がもう少し注意深ければ彼も死んでいました。

人間が確認を怠った事によって彼は生き残ったのです。


彼は自分が生きている事が不思議なのか、両手を交互に見ています。

そして彼は気付きました。

もう自分の口から音が出ない事に。

 



この場所には沢山のゴブリンが居ます。


ゴブリンそのものである【幸運なゴブリン】。

比較的賢い【先を見るゴブリン】、【自制するゴブリン】。

ゴブリンという種を疑う【思慮深きゴブリン】

生き残りである【巨体のゴブリン】。


あなたはどれが気になりますか?

彼等の事を幾つか示すのでそれを参考にして下さい。

 



【思慮深きゴブリン】


ゴブリン(ワレハナゼ、ウケイレラレナイ?)

ゴブリン(ワレハナゼ、ヒトニモウケイレラレナイ?)

ゴブリン(ナゼ、ワレワレハ、ニンゲンノソバデイキテイルノカ)

ゴブリン(ワレワレハ、ナゼ、ワレワレダケデイキラレナイ)

ゴブリン(ドウシテ、ナゼ……)

ゴブリン(ワレハドチラトモ、オナジデハナイノカ……?)


このゴブリンは己の存在を問い続けています。

人間達から迫害され、同じ種族であるゴブリンからも爪弾きにされる自分を。

彼はまるで、ゴブリンの皮を被った何かの様です……



先見、自制、巨体、幸運 >>63


↓2

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