サトシ「アローラ地方…久しぶりだな」 (70)

空港

サトシ「みんな元気にしてるかなぁ」

ピカチュウ「ピカァ」

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サトシがポケモンスクールから卒業して10年の月日が経った…

だが10年の月日が流れようともスクールメンバーの友情は変わらず…

卒業してからも年に三回

サトシとポケモンスクールのメンバーは定期的に会い、食事会をひらいていた

去年の食事会は三回ともカントー地方で行った

今年はアローラ地方で食事会。サトシにとっては一年ぶりのアローラだ

いつもアローラで食事会を開く時は当日に合わせアローラ地方に来ていたサトシだったが…

今年は仕事の都合もつき、食事会の三日前にアローラ地方に来ていた

サトシ「一年ぶりに来たけど…やっぱりいいなー!アローラは!」

サトシ「俺の第二の故郷だよ!な?ピカチュウ!」ニッ

ピカチュウ「ピカピカァ!」ニコッ

サトシ「……えっと、スマホスマホ…」ゴソゴソ


サトシはスクールメンバーともLINEで時々連絡をとっていた

特に、スイレンとは頻繁にLINEをしていた


~LINE~

スイレン:サトシ!今年のお食事会、もうすぐだね!

サトシ:おう!楽しみだよ!早くみんなに会いたいな

スイレン:うん!私もすっごく楽しみ!

スイレン:早く会いたいな。サトシに

サトシ:俺もだよ。スイレンに会いたい

スイレン:えへへ♪

スイレン:サトシ!アローラに来る時は連絡してね!

サトシ:うん。必ず連絡するよ


サトシ「へへへ」

ピカチュウ「ピカァ!」

サトシ(スイレンにはLINEでアローラ行くときは連絡するって言ったけど……今回はサプライズ!誰にも連絡してない…)

サトシ「へへへ、いっつも当日ギリギリにアローラに来る俺が三日前に来てるなんて誰も想像してないだろうな」シシシ

ピカチュウ「ピカァ!」

サトシ「へへっ、いきなり現れてみんなをビックリさせてやろうぜ!ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

…………

サトシ「いやぁ、この辺も変わってないなぁ」キョロキョロ

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「なぁピカチュウ!まず誰んとこ行く?」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「……つってもー……今日は平日だし、みんな仕事中かな?」

サトシ「……確か………前の飲み会ではカキは実家の仕事を手伝いながら島キングやってるって言ってたな」

ピカチュウ「ピカピカ!」

サトシ「マーマネは宇宙飛行士、マオは今やアローラ全土にチェーン店を持つ、アイナ食堂のウルトラ料理長、リーリエはエーテル財団の名誉会長だっけ?みんなすっげーよなー」

ピカチュウ「ピカァ!」

サトシ「スイレンもこの前LINEでアローラ海底調査班の班長に選ばれたって言ってたっけ……」

ピカチュウ「ピカピカ!」

サトシ「ん~……やっぱり事前の連絡無しじゃあ、みんなに会えそうにないな。ここはやっぱりカキ……」

ピカチュウ「! ピカピ!」クイクイ

サトシ「……ん?どうしたピカチュ………」

サトシ「! あれは!!」

スイレンママ「後頼まれてる物は…」ゴソゴソ

アシレーヌ「シレーヌ」


サトシ「! スイレンのママだ!」

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「すみませーーん!!」タッタッタ

ピカチュウ「ピカァ!」タッタッタ

スイレンママ「! あら?あなたは……」

サトシ「へへへっ!アローラ!お久しぶりです。ポケモンスクール時代にスイレンさんのクラスメイトだったサトシです!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スイレンママ「サトシくん!?アローラ、久しぶりね」ニコッ

スイレンママ「スイレンからいっつも話は聞いてるわ?立派になっちゃって…」

サトシ「へへへ////」テレッ

ピカチュウ「ピカァ///」テレッ

スイレンママ「それにしても……どうしたの?確か、いっつもみんなで集まってるお食事会は三日後じゃなかったっけ?」

サトシ「はい!今回は都合がついたんで、少し早めに来たんです!」

スイレンママ「そうなの?でも……スイレン、サトシくんが早めにアローラに来るなんて一言も言ってなかったわよ?」

サトシ「へへへ、みんなにはナイショで来てビックリさせようと思って!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スイレンママ「……ふふっ、そういうところ……昔と変わってないのね?」クスッ

サトシ「へへへ////」テレッ

アシレーヌ「シレーヌ♪」

サトシ「おっ!久しぶりだなアシレーヌ!スイレンママの買い物の手伝いか?偉いな」ナデナデ

アシレーヌ「シレーヌ!」

スイレンママ「そうなのよ!アシレーヌ、いっつも私の手伝いをしてくれて……」

サトシ「…………ん?」ピタッ

スイレンママ「? どうしたの?」

サトシ「……あ、いや……アシレーヌがここにいるってことは……今日、スイレン仕事休みですか?」

スイレンママ「……仕事?」

サトシ「はい!アローラ海底調査班の仕事です!スイレン、アシレーヌと一緒にゼンリョクで頑張ってるって言ってたから……」

スイレンママ「……アローラ海底調査班……?」

サトシ「スイレン、この前LINEでそこの班長に選ばれたって言ってすっげー喜んでて……」

スイレンママ「……………」

アシレーヌ「ウァ………」

スイレンママ「サトシくん」

サトシ「?」

スイレンママ「……もし予定がないのなら……今から家に来てもらってもいい?」

サトシ「え?」

ピカチュウ「ピカァ?」

スイレンの家

サトシ「スイレンのママ……家まで来てくれって言ったわりには、今度は家の前で待っててくれって……どういうことだろうな?ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカァ?」



スイレンママ「……スイレン!起きなさい!頼まれてた物買ってきたわよ!」ガンガン

アシレーヌ「シレーヌ!」

シーン……

スイレンママ「……いい加減にしなさいスイレン!!いつまで寝てるつもり!?もうお昼よ!!」ガンガンガン

「あー……もううるさいなぁ」ガチャッ

スイレンママ「!」

スイレン「………せっかく見てたのに。いい夢……」ボサッ

ナギサ「………ブイッ」ボサッ

スイレンママ「スイレン!!お母さんにむかってそのクチの聞き方はなんなの!?」

スイレン「あーうるさいうるさい。鬼ババ」ボソッ

ナギサ「イッブイ」

スイレンママ「なっ…!?お、鬼ババ!?」ムカッ

スイレン「それより…買ってきてくれた?頼んだもの」

スイレンママ「スイレン!まだお母さんの話は終わってないわよ!」

スイレン「なぁに?もぅ」イラッ

スイレンママ「なにじゃありません!あなた……恥ずかしくないの?いい歳して仕事もしないで家でゴロゴロと…しかも起きてくるのもお昼!!」

スイレン「……またその話?」イラッ



サトシ(えっ……?スイレンが仕事してない…!?海底調査班は!?ど、どういうことだ……?)コソッ

ピカチュウ「チャア……」

スイレンママ「どうせまた夜遅くまでパソコンしてたんでしょ!?」

スイレン「……就職サイト見てたの」

スイレンママ「あらそう。だったらいい仕事は見つかった?」

スイレン「……ま、まだ!その……私に合った仕事は無かった!…その……じっくり選びたいから!」アセアセ

ナギサ「ブイッ!ブイッ!」

スイレンママ「スイレン!あなたそう言って何年ニートするつもり!?」

スイレンママ「あなたと同じ歳くらいの、マオちゃんやカキくんやマーマネくん、アセロラちゃんだって立派に働いてるのよ!」

スイレン「お母さん、人は人。私は私、比べるのはよくない!私には私のペースがある!」ビシッ

スイレン「それと……マオちゃんやカキやマーマネはともかく、アセロラなんかと……」

スイレンママ「ハァ……あんたはそうやってヘリクツばっかり……」

スイレンママ「そんなんじゃサトシくんにも嫌われるわよ?」ジトー

スイレン「!? さ、サトシは関係ない!!////」

スイレンママ「……このさいだから言わせてもらうけど……スイレン、あなた夜な夜なサトシサトシうるさいのよ。年頃だから仕方ないけど……少しはお母さんたちのことも考えて……」

スイレン「う、うるさいうるさーい!!////」

スイレンママ「」ビクッ

スイレン「お、お母さん!!それ、プライバシーの侵害!い、いくら家族だって、踏み込んでいいことと悪いことが……!!」

スイレンママ「………………」

スイレン「……そ、それに!!お母さんには言ってなかったけど……私、付き合ってるから!!サトシと////」ポッ

ナギサ「ブイッ!」

スイレンママ「えっ?そうなの?」

アシレーヌ「ウァ……」



サトシ(は?俺と付き合ってる……?初耳だよスイレン……)ハァ

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

スイレン「うん!サトシとずっとLINEしてる!遠距離だけど……ラブラブ!私たち////」

ナギサ「イッブイ!」

スイレンママ「………………」

スイレン「三日後……いつもの食事会あるし、私……そこでサトシに私と結婚する気があるか聞いてみるつもり!」

スイレンママ「……は?結婚……?」

スイレン「そう!お母さんには今のうちに言っとく!」

スイレンママ「結婚って……」

スイレン「……あっ、よく考えたら…サトシと結婚ってなったら、私、する必要ない!就職!」

スイレンママ「…スイレン、百歩譲ってあなたがサトシくんのお嫁さんになるとして……」

スイレン「百歩譲ってってなに!?サトシと私……ラブラブだし、絶対に結婚できる!」

スイレンママ「……スイレン、主婦はあなたが思ってる程甘い物じゃないのよ?料理にお洗濯、掃除……お買い物に、旦那さんのサポート……その他諸々」

スイレンママ「子供ができたら子供の世話もしなくちゃいけないわ?とてもじゃないけど……ニートな上に、ウ◯コを製造することしかできない今のスイレンには……」

スイレン「私、小さい頃のホウとスイのお世話してたし、それくらい楽勝!……足りない分は……サトシとの愛のパワーで補えば…////」

スイレンママ「………………」

スイレン「あっ、お母さん!私、お腹空いた!ご飯まだ?」グー

ナギサ「イッブイ」グー

スイレンママ「……………ハァ……」

スイレンママ「……入ってきていいわよ?サトシくん」チラッ

アシレーヌ「……………」

スイレン「……………へ?」

ナギサ「ブイ?」


ガチャッ

サトシ「あ、アローラスイレン。久しぶり…」ハハハ

ピカチュウ「ピカ!」

スイレン「……うぇ……?さ、サトシ……?」

ナギサ「ブイ…」

スイレンママ「……………」

スイレン「な、なんでサトシが……」

サトシ「い、いや……そのー……今回、仕事の都合がついたから、少し早く来てみんなを驚かそうと……」ハハハ

スイレン「……ゆ、夢……?これ、さっきの夢の続き??そ、そうだ!そうに違いない!」ポンッ

サトシ「スイレン!?」

ピカチュウ「アッチャー……」

スイレン「は、早く行かなきゃ!!海底調査のお仕事!!アシレーヌ!ナギサ!支度して!」アセアセ

アシレーヌ「シレーヌ!?」

ナギサ「ブイー?」

サトシ「お、おい!スイレン……?」

スイレン「だ、だって!私、班長だし!班長が遅刻は厳禁!急がなきゃ!」ハハハ

サトシ「スイレン!落ち着けよ!」ガシッ

サトシ(……う、うわっ……スイレンなんか臭うな……風呂入ってないのか……?)

スイレン「うわぁぁぁぁん!!はなしてサトシー!私、ニートじゃないっ!!」ビエーン

ピカチュウ「ピカァ…」

アシレーヌ「シレーヌ…」グスッ

ウワァァァァン……

スイレンママ「………ハァ…」

ナギサ「イッブイ……」

…………

スイレン「うぇっ……!…ヒッグ…」グスッ

サトシ「……泣くなよスイレン…」

スイレン「だ、だっで…」グスッ

サトシ「……その……いつからニー……仕事してないの?」

スイレン「……ずっと……」

サトシ「……ずっとって……今までの食事会の時だってスイレン……オシャレな格好とかしてきてたじゃん。全然無職っぽくなかったよ」

サトシ「それに……カキたちだってスイレンが仕事してない何て一言も言ってなかったし…」

スイレン「……マオちゃんたちには私が海底調査の仕事してるって設定で話を合わせてもらってたの…」

スイレン「……食事会に着てきた服はその……お母さんから貰ったお金で、マオちゃんやリーリエに服を選んでもらって……」

サトシ「……じゃあ知らなかったのは俺だけか……」ハァ

スイレン「」ビクッ

サトシ「……なぁスイレーン!何でそこまでして俺に嘘ついてたんだよ」ジトー

スイレン「……だ、だって……私が無職のニートだって知ったらサトシ…嫌いになるだろうし…私のこと」モジモジ

スイレンママ「そう思うなら働きなさい!」

スイレン「い、今は関係ない!それ!お母さんは黙ってて!」

サトシ「…なぁスイレン。スイレンが無職だからって、別に嫌いになんかならないよ」

スイレン「え!?ホント?」パァァ

サトシ「うん。それより今まで嘘をつかれてた方がショックだよ」

スイレン「うぅ……じ、実は!」

サトシ「?」

スイレン「……海底調査班班長じゃなくって、自宅警備隊隊長でしたー!」テヘッ

サトシ、スイレンママ「は?」

スイレン「ゴメンナサイ」

ピカチュウ「ピカァ…」

ナギサ「ブイッ」

サトシ(にしても…あの頑張りやだったスイレンがニートだなんて…何かあったのかな?)

ピカチュウ「ピカァ」

サトシ「……あのさスイレン、何かあ……」

スイレン「なに?サトシ!」プーン

サトシ「うっ……(な、何だスイレン…すっげー臭う…)」

スイレンママ「スイレン!臭うわよ!お風呂ちゃんと入ってるの!?」

スイレン「ちょ、ちょっとお母さん!サトシの前!変なこと言わないで!////」アセアセ

スイレン「お風呂なら入った!1週間前に!」ドーン

サトシ、スイレンママ「ハァ?1週間前!?」

スイレン「うっそでーす♪本当は三日前でした!」

ナギサ「イッブイー♪」

スイレンママ「………この子は…」シクシク

アシレーヌ「シレヌ」ポンッ

サトシ「……スイレン、とりあえずお風呂入ってきなよ」

スイレン「えっ?お風呂って……」ドキッ

サトシ「?」

スイレン「サトシ、積極的!でも…今はお母さんの前だし////」キャッ

ナギサ「ブイッ!」キャッ

サトシ「……………」

スイレンママ「いいからお風呂に入ってきなさいスイレン!!」

…………

シャワワワワワ…


サトシ「あのー、すみません…スイレンがシャワー浴びてる間に聞いておきたいんですけど…」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレンママ「わかってるわサトシくん。スイレンがニートになった理由ね」

サトシ「はい…」コクッ

サトシ「何て言うか…こんなこと言っちゃ悪いかもしれませんが…俺、スイレンがニートだなんて、未だに信じられません!」

スイレンママ「………」

サトシ「俺の知ってるスイレンは……夢やポケモンに対して一生懸命で…何にでも積極的で純粋で…面倒見もいいし、頼りになるし…それで…」

ピカチュウ「ピカピ…」

サトシ「スイレンのいいとこあげたらキリがないよ!そのスイレンが…あんな……」

スイレンママ「ふふっ、ありがとう。サトシくん!さすがスイレンが夢中になる子なだけあるわね?」ニコッ

サトシ「いや……えーと…」

スイレンママ「あの子、五年前くらいまでは、サトシくんの言う通りなんにでも一生懸命だったの」

サトシ「!」

スイレンママ「辛いことや苦しいことがあっても…サトシくんとのLINEのやりとりを励みにして何にでもゼンリョクで頑張ってたの」

アシレーヌ「シレーヌ」

サトシ「スイレン…」

スイレンママ「でも……五年前のあの日…ある出会いがあの子の運命を変えたの…」

サトシ「! 出会い!?五年前、スイレンに何があったんですか!?」ガタッ

スイレンママ「スイレンの運命を変えた出会い…それは…」

サトシ、ピカチュウ「」ゴクリ

スイレンママ「アニメよ」

サトシ「……アニメ……」ゴクリ

ピカチュウ「ピカ……」ゴクリ

サトシ、ピカチュウ「………………」

サトシ「………え?アニメ……?」

ピカチュウ「ピカァ…」

サトシ「へ?いや、アニメって……」

スイレンママ「サトシくん、五年前からやってるレッツゴーピカチュウ&イーブイってアニメ知ってる?」

サトシ「えっと、はい…そこまで詳しくはないけど…」

スイレンママ「スイレン……その…スクールの頃からずっとサトシくんに気があったみたいで…」

サトシ「えっと…」

スイレンママ「……やっぱり…LINEじゃあ限界があったみたいであの子…寂しかったみたいなの。あの頃のスイレンは毎日のようにサトシに会いたい会いたいって言ってたわ」

サトシ「それならLINEで言ってくれれば…」

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

スイレンママ「そんなスイレンの心の隙間を埋めたのがアニメピカブイよ!」ビシッ

サトシ「すみません。ちょっと意味が……」

スイレンママ「あの子曰く……アニメピカブイの主人公がサトシくんの子供の頃そっくりみたいなの」

スイレンママ「その日以来、あの子はその主人公をサトシくんに重ねてもう夢中!最初はアニメを何があってもリアタイで見るくらいだったけど…」

サトシ「…………」

スイレンママ「だんだんエスカレートして言って…アニメの実況から関連サイトの徘徊、ついには1日中掲示板に貼りつくまで至ったわ」

サトシ「えぇ…」

ピカチュウ「ピカ…」

スイレンママ「あのアニメに出会って以来、スイレンはそのアニメと主人公が何においても第一!私が何を言っても"明日からゼンリョク出す"の一点張り」ハァ

アシレーヌ「シレーヌ……」

サトシ「スイレン……」

スイレンママ「……でもね、サトシくん。今日はスイレンをもう一度昔のスイレンに戻すチャンスなのよ!」

サトシ「へ?」

スイレンママ「サトシくん!元々スイレンがああなった理由はアニメの主人公をサトシくんに重ねてたからなのよ!」ズイッ

サトシ「えっと……」

スイレンママ「……つまり、リアルサトシくんがいる今、あの子がアニメに現実逃避をする理由もなくなった!」

スイレンママ「サトシくん!お願い、スイレンを助けて!!」ズイッ

アシレーヌ「シレーヌ!」ズイッ

サトシ「………………」

サトシ(……えっ?これ、遠回しにスイレンがああなったのは、俺のせいだって言いたいのかな!?)

ピカチュウ「ピカ!?」

ガチャッ

サトシ、スイレンママ「!」

スイレン「ふぅ…久しぶりのお風呂!いい湯加減だった!」スッキリ

ナギサ「イッブイ♪」サッパリ

スイレンママ「スイレン」チョイチョイ

スイレン「? なに?」

スイレンママ「はい、これ」スッ

スイレン「! こ、これは……一万円!!」ギョッ

スイレン「ど、どうしたのお母さん!ま、まさか……これあげるからハロワ行ってこいとか…」ジトー

ナギサ「ブイー?」

スイレンママ「なに言ってるのよ!久しぶりにサトシくんが来てるんだもん!」

スイレンママ「……それはお母さんからの餞別よ?それでサトシくんとデートしてきなさい?」ヒソヒソ

スイレン「で、デートって////」モジモジ

サトシ「……………」

サトシ(……ま、理由はどうあれ……俺もスイレンには昔みたいに戻ってほしいしな……)スクッ

サトシ「へへっ!行こうぜ!スイレン!」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「うん!////」ニコッ

ナギサ「イッブイ!」

…………

サトシ「こうやってスイレンと歩いてるとスクール通ってた頃のこと思い出すなー」

ピカチュウ「ピカー!」

スイレン「うん!よくスクール行く前にサトシとバルーンの練習を……」

ナギサ「イッブイ!」

サトシ(話してみたらスイレンはやっぱりスイレンだよ!あの頃と変わんない)ヘヘッ

スイレン「? どうしたのサトシ?何か笑ってる」ジトー

サトシ「へへっ!何でもないよ!それよりさ?これからどうする?」

サトシ「久しぶりに釣りでもー……」

スイレン「あっ!」

サトシ「?」

スイレン「サトシ!私、あそこよりたい!」スッ

サトシ「!」


『アニメショップアローラ店』

>>18
訂正
『アニメショップアローラ店』

『アニメショップメレメレ店』

サトシ「アニメショップかぁ……いいよ!よろうぜ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「やった!」

ナギサ「ブイッ!」

サトシ「ピカブイのグッズでも買うの?」

スイレン「! サトシ、ピカブイ知ってるの!」キラキラ

サトシ「うん、あんまり詳しくはないけどな?」ハハハ

サトシ「スイレンのママからスイレンがピカブイにハマってるって聞いたからさ!よかったら色々教えてよ」

スイレン「うん!いいよ!」ニコッ

サトシ「へへっ」ニッ

スイレン「……よーし!そうと決まったら善はいそげ!アニメショップにレッツゴー!」ダッ

ナギサ「ブイッ!」ダッ

サトシ「ははは、スイレン!ナギサ!走ったら危な……」

ゴチン☆

サトシ「……って、言った先から……」ハハハ

ピカチュウ「ピカァ…」


ナギサ「ブイー」ヒリヒリ

「いたた……」

スイレン「大丈夫!ナギサ!」タッタッタ

ナギサ「イッブイ…」

スイレン「ナギサ!ちゃんと前見て走らなきゃ危ない!ほらっ、ぶつかっちゃった人に謝って!」プンプン

ナギサ「ブイ……」ペコッ

スイレン「あの……大丈夫です……」

「あーっ!!」

スイレン、ナギサ「」ビクッ

「お、俺の妹たちが……」ワナワナ

カキ「おい!俺の妹(フィギュア)たちに何してくれんだ!!」クワッ

スイレン「……って、なんだ。カキか」ヤレヤレ

ナギサ「イッブイ」ヤレヤレ

カキ「! スイレン!ナギサ!」

カキ「って、おいスイレン!人にぶつかっておいて何だとは何だ!」

スイレン「ハイハイ、ごめんごめん」

ナギサ「ブイー」

カキ「……ったく!これだから三次の女は…」ブツブツ

カキ「……はっ!そんなことより!妹(フィギュア)たち!ケガはないか!」アセアセ

スイレン「カキ、ぶつかったり怒ったり慌てたり忙しい」ヤレヤレ

ナギサ「ブイッ」ハァ

カキ「年中暇な奴に言われたくないんだよ!」ヤレヤレ

カキ「っと、今はスイレンなんかより……」ゴソゴソ

カキ「ケガはないか?ミヅキ(フィギュア)!メイ(フィギュア)!コトネ(フィギュア)!」

メイ(カキ裏声)「全然へーきだよ!お兄ちゃんが守ってくれたから!」

コトネ(カキ裏声)「おにーちゃんだ~いすき♪」

ミヅキ(カキ裏声)「ウ◯コ製造機ぶっ飛ばす!」

カキ「おにーちゃんも大好きだぞ~妹たち~////」デレーン

スイレン「うわっ……カキ、相変わらずキモっ…」サーッ

ナギサ「イッブイ」オエッ

「おーい!」タッタッタ

スイレン、カキ「!」

サトシ「スイレーン!ナギサー!大丈夫かー!」タッタッタ

ピカチュウ「ピカー!」タッタッタ

カキ「サトシ!?」

サトシ「! カキ!」

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「ははっ!久しぶりだな!カキー!」

カキ「な、なんでサトシがアローラに…確か食事会は三日後のハズ……」

スイレン「サプライズで早めに来たんだって」

カキ「サプライズ!?」

スイレン「あっ、ちなみに私!今、サトシとデート中♪」

カキ「スイレン……嘘つきだけじゃなく、とうとう妄想癖まで…」

スイレン「お人形と話すカキにだけは言われたくない」

ナギサ「ブイブイ!」プンプン

サトシ「へへっ!会いたかったよ!カキ!」

ピカチュウ「ピカー!」

カキ「あ、ああ……お、俺もだよサトシ!」ハハハ

カキ「で、でもサトシー!来るなら来るって連絡くらいは……」

サトシ「……ん?カキ、その女の子の人形なに?ホシちゃんにプレゼント?」

カキ「! い、いや……!これは……」ササッ

サトシ「?」

スイレン「カキの可愛い妹たちだって。そのお人形」プププ

ナギサ「イブブ」プププ

サトシ「妹?」

ピカチュウ「ピカー?」

カキ「お、おいスイレン!何でサトシにバラすんだ!」

スイレン「カキ、そのお人形たちはカキの可愛い妹なんだし隠すことない!胸はって!」グッ

カキ「ふ、ふざけるなよ!お前がニートなのをサトシに隠すのに、今までみんなで散々協力してやっただろ!」ワナワナ

カキ「……こうなったら、サトシにスイレンがニートなのをバラして……」

スイレン「もうバレてま~す♪」

ナギサ「イッブイー♪」

カキ「えぇ……」

…………

カキ「………てな訳でー…」

カキ「サトシ!紹介するぜ!俺の妹たちだ!」

ミヅキフィギュア、コトネフィギュア、メイフィギュア「」ズラッ

サトシ、ピカチュウ「………………」

サトシ「な、なぁスイレン……カキが妹って言ってるあの子たち……俺にはどう見ても人形にしかみえないんだけど…」ヒソヒソ

ピカチュウ「ピカー…」

スイレン「サトシ!安心して!私にもお人形にしか見えない」ニコッ

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「……ね、ねぇカキ……何かあった……」

カキ「みんな!こいつは俺のスクール時代からのライバルで親友のサトシだ!」

メイ(カキ裏声)「アローラ!よろしくね!サトシくん!」

コトネ(カキ裏声)「カキおにーちゃんだ~いすき♪」

ミヅキ(カキ裏声)「カキおにーちゃんの方がイケメンだしバトル強いよ」

カキ「こらこら~////」デレーン

サトシ「…………」

スイレン「う~ん……これは重症…」

ピカチュウ「カッ」

サトシ「そ、そうだカキ!カキ、この間島キングに任命されたんだろ!」

カキ「!」

サトシ「なぁ!バトルしようぜ!カキ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

カキ「い、いや……それがその~…」ハハハ

サトシ「?」

スイレン「サトシ!それ、カキが見栄はっただけ!ライチさんはまだ現役!」

サトシ「……見栄……?」

カキ「ち、違う!そのー……だったらいいなぁ……と言うか……近い内にキングは俺かなぁ?って言う、希望的観測と言うか~…」ハハハ

カキ「で、でも!実家の手伝いをしてるのは本当だぞ!スイレンと違って俺はちゃんと働いてる!」

サトシ「そ、そっか……」

スイレン「サトシ!私はまだ自分に合った仕事に出会ってないだけ!今はじゅうでん期間!」

スイレン「明日からゼンリョク出す!」

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「そう…」

ピカチュウ「チャア…」

サトシ「ねぇカキ……この人形のことなんだけど…」

カキ「あ?人形?」ギロッ

サトシ「……妹たちのことなんだけど…何で俺にはナイショにしてたの?」

カキ「それは…」

サトシ、ピカチュウ「」ゴクリ

カキ「だって……恥ずかしいだろ?////」テレッ

サトシ「そ、そう…」

スイレン「カキが人形に話しかけるのはアローラの島中の人たちが知ってる事実!今さら恥ずかしいも何もないと思う」ジトー

ナギサ「イッブイ」ジトー

カキ「う、うるさいなー!お前は人に文句言ってる暇があるなら働け!親父さんの手伝いでもしろ!」

スイレン「やだ。船の上じゃアニメ見れない」

サトシ「スイレン……」

カキ「これだから三次の女は……」ハァ

カキ「サトシ!親友として忠告しておく!三次の女はやめとけ!口うるさいだけだ!」

カキ「その点フィギュアは~……」

サトシ「……………」

サトシ(カキ……あんなにホシちゃん大好きだったのに……人形を妹扱いなんて…いったいどうしちゃったんだよ…)

「おいくそ兄貴!!」

カキ「」ビクッ

サトシ、スイレン「!」

ホシ「ま~た仕事サボってお人形さんごっこかよ!キメェんだよ!!」チャラチャラー

サトシ「……ねぇ、スイレン。あのすっげーギャルギャルした女の人だれ?」

スイレン「サトシ、あれは………」

カキ「ホシ……」

サトシ「えっ!?ホシちゃん?」ビクッ

ピカチュウ「ピカ……」

カキ「こ、こらホシ!お兄ちゃんにむかってそのクチの聞き方はなんだ!」

ホシ「あぁん?」

カキ「……お兄ちゃんはな!ホシをそんな風に育てた覚えは……」

ホシ「うっせぇんだよキモオタ!テメェに育ててもらった覚えなんかねぇんだよ!!」ペッ

カキ「な……?」ガーン

ギャー ギャー

サトシ「…あれがあのちっちゃくて可愛かったホシちゃん……?うっそだろ?」

ピカチュウ「ピカァ…」

サトシ「…ホシちゃんにいったい何が……」

スイレン「実は……カキにあるの。ホシちゃんがああなった理由」

サトシ「えっ?」

スイレン「あれは三年くらい前。カキ…マオちゃんと色々あったみたいで、それからカキ、現実の女の人が嫌になっちゃったみたい」

スイレン「そして今のカキが完成」

ナギサ「ブイッ!」

サトシ「色々って?」

スイレン「詳しくは私も知らない。マオちゃんもカキも聞いても教えてくれないから」

サトシ「マオがスイレンに言わないってことは、カキとマオの間で相当なことがあったんだな…」

ピカチュウ「ピカ」

スイレン「思春期にお人形と話す兄!サトシがホシちゃんの立場ならどう思う?こんな兄」

サトシ「嫌だな……」

スイレン「うん、その通り!それでホシちゃんはグレてあの通り!」

ホシ「おいキモオタ!外で会っても他人のフリしろよ!こんなキモイ兄貴がいると思われねぇし」

スイレン「それが更に追い討ちをかけて、カキはとうとうお人形を妹呼ばわり、あの通り!」ビシッ

カキ「お、お兄ちゃんはキモくないぞ~ホシぃ」アハハ

サトシ「カキ………」

ピカチュウ「ピカ…」

サトシ「……………」

サトシ(そういえばホウとスイもホシちゃんくらいの歳だよな?)

サトシ(思春期にニートの姉がいるホウとスイはどうしてんだ?)チラッ

スイレン「ど、どうしたのサトシ?じっと見つめて…私の顔!////」ドキドキ

ホシ「ん?」チラッ

サトシ、スイレン「!」

ホシ「ホウとスイの姉貴じゃん」

スイレン「アローラ!ホシちゃん」

ナギサ「イッフイブイー!」

ホシ「昼間っからブラブラと…相変わらずニートかよ!いいご身分なこって」ヤレヤレ

スイレン「うぅ……ほ、ホシちゃんには関係ない!」

ホシ「……つーかアンタ、ニートのクセに男連れかよ…いったいどんな手使って………って、ん?」チラッ

サトシ「あ、アローラホシちゃん……」ハハハ

ホシ「……アンタ……どっかで見たことあんな?」ジーッ

サトシ「ホシちゃん!俺、サトシだよ!覚えてない?ホシちゃんが小さい頃よく遊びに行ってた!」

ピカチュウ「ピカピカー!」

ホシ「サトシ…あー…ホウとスイがよく話してる…」ポンッ

スイレン「サトシはボーイフレンド!私の!ホウとスイもそう言ってるでしょ?ホシちゃん!」

カキ「そして俺のライバルであり親友だ!」

サトシ「へへへ、ホシちゃん!大きくなったなぁ」ナデナデ

ホシ「さ、触んな!セクハラで訴えるよ!」バッ

サトシ「えぇ……」ガーン

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

ホシ「つーかウ◯コ製造機のカレシかよ。どおりで……お似合いだわアンタら」ハンッ

スイレン(やっぱり………他の人から見ても私とサトシってラブラブ////)ドキドキ

スイレン「ありがとう!ホシちゃん」ニコッ

ナギサ「イッブイ♪」

ホシ「あ?」

サトシ「おいスイレン!バカにされてるんだぞ?何でお礼言ってんだよ!」

ピカチュウ「ピカァ…」ハァ

ホシ「ハァ…こんな人生の負け組どもと話してても時間の無駄だわ。帰る」クルッ

サトシ「負け組!?」ガーン

カキ「お、おい待ってくれホシ!」

ホシ「……なによ?キモオタクソ兄貴」

カキ「お、送ってくよ!リザードン!」

リザードン「ザァドン!」

ホシ「いや、いいわ。キモオタと一緒にいるとこ見られたくないし」

カキ「そ、そんなこと言うなよホシぃ」

ホシ「うわっ!ホントキモっ!アンタには私なんかより、フィギュアの妹たちがいるじゃん!ついてこないでよ!」プイッ

カキ「ま、待ってくれー!ホシー!」

リザードン「ザァ……」

ギャー ギャー


サトシ「…………カキも大変だな…」

ピカチュウ「ピカ」

スイレン(サトシとお似合い////)ウフフ

ナギサ「ブイ」

>>25
訂正
ホシ「おいキモオタ!外で会っても他人のフリしろよ!こんなキモイ兄貴がいると思われねぇし」

ホシ「おいキモオタ!外で会っても他人のフリしろよ!こんなキモイ兄貴がいると思われたくねぇし」

………

ウィーン

店員「ありがとうございましたーっ!」

スイレン「えへへ、いっぱい買っちゃった♪ピカブイグッズ!」ジャラッジャラッ

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「よかったな、スイレン。荷物持つよ」スッ

スイレン「ありがとうサトシ♪」スッ

サトシ(にしても……スイレンといい、カキとホシちゃんといい……サプライズのつもりが、こっちがビックリさせられっぱなしだよ)ハァ

ピカチュウ「ピカ」

スイレン「? どうしたのサトシ?なんか元気ない」ジーッ

ナギサ「ブイー?」ジーッ

サトシ「ハハハ、なんでもないよ。それより…お腹すかない?スイレン?」

スイレン「そういえば……!お母さんがお昼作ってくれなかったせいでお昼ご飯食べそこねてたし」グー

サトシ「へへっ、だったら何か食べに行くか?」

スイレン「うん!じゃあ…まだお金残ってるし、お昼は私の奢り!荷物持ってくれたお礼!」ニコッ

サトシ「いいよスイレン。お昼は俺がスイレンの分も出すよ」ニッ

スイレン「……で、でも…」

サトシ「友達のシゲルが言ってたんだ!女の子と二人で食事に行くときは男が全額出すのがマナーだって!」

サトシ「だからさ、今回は俺にカッコつけさせてくれよスイレン」ニッ

スイレン「サトシ……」

スイレン「……うん、じゃあ……任せた!」ニコッ

サトシ「おう!」

スイレン(さっきの荷物もそうだけど……サトシ、やっぱり優しい!昔から!)

スイレン(大好き)ニコッ

サトシ(スイレン…ニートだし、さすがにお金出さす訳にはいかないよな~)

ピカチュウ「ピカ!」

スイレン「サトシ!なに食べにいく?お昼!」ワクワク

サトシ「ん~……………」

サトシ「! そうだ!」ポンッ

スイレン「サトシ!私、オススメの店知ってるの!そこにしよ!」

スイレン(いずれサトシとこんな日がくるであろうと思って、ネットで調べておいたカップルオススメの店!行くなら今しかない…!)

スイレン(無駄じゃなかった、私の長年のニート生活)ウンウン

ナギサ「イッブイ」

サトシ「なーに言ってんだよスイレン!昼ごはんって言ったらあそこしかないじゃん!」

スイレン「へ?」

サトシ「アイナ食堂だよ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

アイナ食堂前

サトシ「へへへ、マオ…いきなり俺がご飯食べにきたらビックリするだろうな!」シシシ

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「マオ……今やアローラ中にチェーン店を持つ料理店のウルトラ料理長だもんな!楽しみだよ!」ガチャガチャ

スイレン「………………」

サトシ「……ん?アイナ食堂のドアが開かない…どうしたんだろ」ガチャガチャ

ピカチュウ「ピカァ?」

サトシ「おーい!マオー!サトシだよー!ご飯食べにきたんだ!開けてよー!」コンコン

ピカチュウ「ピカァ!」コンコン

シーン……

サトシ「………どうしたんだろ?今日、アイナ食堂休みなのかな……?」

スイレン「……サトシ、そこの張り紙見てみて」チョイチョイ

サトシ「………ん?張り紙……?」ピラッ

『営業時間-18:00~3:00まで barアイナ』

サトシ「……………barアイナ……?」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「……え?barってどういうこと??営業時間が夜限定??」

スイレン「……サトシ、とりあえず他で食事しよ。長くなるから……説明すると」

ナギサ「ブイ」

サトシ「……あ、あーっ!わかったぞー!これあれだろ!つまりこのbarアイナとかいう元アイナ食堂は、ウルトラ料理長のマオがいるアイナ食堂本店のチェーン店ってことだな!」

ピカチュウ「ピカピ……」

サトシ「たくーっ!そういうことなら一言くらい教えてくれてもいいのになマオー!」ハハハ

スイレン「……………」

サトシ「……って、ハハハ……この間の食事会からもう3ヶ月も経ってるもんな!きっとその間に本店がどっかに移って、教える暇ないくらい忙しかったんだな!マオ!」ウンウン

サトシ「ねぇスイレン!新アイナ食堂の本店ってどこ?ウラウラ島?」ハハハ

スイレン「サトシ、ここ三年の間のポケモンスクール食事会にアイナ食堂使ったことあった?一度でも」

サトシ「………ナイナ…」

ピカチュウ「ピカピカ」

スイレン「……ついてきて、私に」クルッ

ナギサ「イッブイ!」クルッ

サトシ「お、おいスイレン!どこいくの!?」

ピカチュウ「ピカ……」

ファミレス

ワイワイ

サトシ「へー……メレメレにファミレスなんかできたんだー」

ピカチュウ「ピカー!」

スイレン「うん!ここ、五年前にオープンしたの!」

スイレン「うまい!やすい!店員の接客態度も◎!で、アローラ中で大人気!」

スイレン「今度、ウラウラやメレメレにもチェーン店を出す予定!らしい」

ナギサ「ブイブイー!」

サトシ「へー、すっげーんだなー」キョロキョロ

ピカチュウ「ピカー」

スイレン「はい、サトシ!これ、メニュー」スッ

サトシ「サンキュー!おっ、結構種類あんな!」

ピカチュウ「ピカァ!」

スイレン「サトシ、決まったら教えてね!料理!」

サトシ「うん、じゃあ……俺はこのメレメレゼンリョクハンバーグセットにしようかな?」

スイレン「わかった!じゃあ…」ポチッ

ピンポーン

「はーい!」タッタッタ

サトシ、ピカチュウ「!」

マオ「アローラ!お客様!お呼びですか?」ニコッ

アマージョ「ッジョ♪」

マオ「………って、なんだ…スイレンか」

アマージョ「ッジョ」

スイレン「マオちゃん!お客様にその態度はよくない!お客様は神さま!これ、商売人の常識!」ビシッ

ナギサ「イッブイー!」

マオ「働いてないスイレンに商売人の常識を説かれてもなぁ…」ハァ

スイレン「わ、私はその……明日からゼンリョクだす!」

マオ「だいたい……お客様って言ってもスイレン、いっつもタダの水しか頼まないじゃん!」

スイレン「わ、私は……マオちゃんがしっかり働いてるのか見にきてるだけ!親友として!」

ナギサ「イッブイ!」

マオ「なぁにがしっかり働いてるか見にきてるー、よ!一人でスマホポチポチして時間潰したり、私にちょっかいかけたり愚痴言ったりして仕事の邪魔してるだけじゃーん」ジトー

アマージョ「ッジョ!」

スイレン「……うっ……」

マオ「それに……スイレンがここに来るときってお母さんとケンカした時でしょ?」ジトー

スイレン「そ、それは……」

マオ「隠したってダメだよ!スイレンのお母さんから聞いてるんだからねっ!」プクー

スイレン「あの鬼ババ」ボソッ

マオ「スイレン!私は仕事してるんだから、ここを避難場所にしないで!それと……あんまりお母さんに心配かけちゃダメだよ!」

スイレン「………マオちゃんには関係ない」

マオ「関係あるよ!親友だもん!」

スイレン「……マオちゃん……」

マオ「だ~か~ら!スイレンも早く仕事見つけて、お母さんやお父さんを安心させてあげなきゃ!」

スイレン「もぅ!マオちゃんまでお母さんやアセロラと同じようなこと言うのはやめて!」

マオ「スイレン……」

マオ「……ハァ…わかったよ。で、スイレン。ご注文は?水?」

スイレン「じゃあ……ゼンリョクポニ大根カレー大盛とメレメレゼンリョクハンバーグセット1つで!」

ナギサ「イッブイ!」

マオ「? どうしたのスイレン?今日はずいぶん贅沢するねー?」

マオ「まさか……またお母さんに就職用のスーツ買ってくるとか嘘言ってお金をー……」ジトー

スイレン「マオちゃん、いくら私でもこんなには食べない。ハンバーグはカレの分」クイクイ

マオ「……は?カレシ……?あのスイレンに……?」チラッ

サトシ「アローラ!マオ!久しぶり!」ニッ

ピカチュウ「ピカァ!」

マオ「……うげっ!サトシ、ピカチュウ!?」

アマージョ「ッジョ!?」

マオ「な、なんでサトシがアローラに……」

サトシ「いやぁ、それがさ?仕事の都合がついてちょっと早めにアローラにこれることになって~」

マオ「そ、そうなんだ……」ハハハ

サトシ「……にしてもー……驚かすなよマオ!」

マオ「………へ?」

サトシ「さっきアイナ食堂に言ったんだけどさ?なんかbar?になっててビックリしたよ!」

マオ「そ、それは……その………ハハハ…」

サトシ「この大人気のファミレスが新アイナ食堂の本店ってことなんだろ?今度チェーン店出すってスイレンから聞いたし」

マオ「い、いや………その……」ダラダラ

サトシ「にしてもすっげーよなー!マオ!この大人気の店のウルトラ料理長なんだもんな!」キラキラ

ピカチュウ「ピカー!」キラキラ

マオ「いや、アハハ……」ダラダラ

スイレン(サトシ……真実を知らないとはいえ、かなりえげつない…)

ナギサ「ブイ……」

サトシ「マオってやっぱすっげー………」

マオ「……え、えーっと……!注文はゼンリョクポニ大根カレー大盛とメレメレゼンリョクハンバーグセットだったね?すぐ持ってくるから!」アセアセ

マオ「スイレン!サトシとデート良かったね!」

スイレン「うん////」

マオ「じゃ、じゃあ二人とも!デートごゆっくり~!私は仕事に戻りま~す!」ササッ

アマージョ「ッジョ!」ササッ

サトシ「お、おい!マオ!?」

ピカチュウ「ピカ!?」

>>32
訂正
スイレン「今度、ウラウラやメレメレにもチェーン店を出す予定!らしい」

スイレン「今度、ウラウラやアーカラにもチェーン店を出す予定!らしい」

「マオちゃん。あんまりお客さんと長話してると店長に引かれるよ?時給」

マオ「す、すみません!」ビクッ

アマージョ「ッジョ!」ビクッ

サトシ「……へ?店長?時給?」

ピカチュウ「ピカ?」

マオ「ぁ……いや……」

マツリカ「…って、あれ?キミたちは……」

サトシ「マツリカさん!?」

マツリカ「おーおーキミはサトシくん!アローラアローラ、久しぶりだね」ニコッ

サトシ「な、なんでマツリカさんがここに……」

マツリカ「なんでって……私はここでバイトしてるからだよ」クスッ

サトシ「バイト?マツリカさんが?」

マツリカ「うん、そうそう!ここ、時給がいいからねー。絵描きの旅も資金が必要!って訳で私はここでバイトしながらお金を貯めてるんだ」

サトシ「なるほどー…マツリカさん、偉いなぁ」チラッ

ピカチュウ「ピカァ」チラッ

スイレン「な、なんで見るの!私の方!」

ナギサ「イッブイブイ」

サトシ「にしてもー…マツリカさんがマオの店でバイトしてるって、ちょっと変なカンジだな?」ヘヘヘ

マツリカ「………マオの店?」チラッ

マオ「え、えーっと……アハハ…(余計なこと言わないでよサトシ!!)」

マツリカ「………あー、なるほどなるほど。なんとなくわかったよ、事情」ウンウン

マオ、アマージョ「…………………」

サトシ、ピカチュウ「?」

マツリカ「マオちゃん、久しぶりにあった友達とつもる話もあるだろうし……店長には私から言っておくから、ゆっくりお話しなよ」ヒソッ

マオ「うぇっ!?い、いや……その……」

マツリカ「サトシくん、スイレンちゃん!ごゆっくり~」ニコッ

サトシ「ありがとう!マツリカさん!」

ピカチュウ「ピカピカー!」

マオ(マツリカさん……いらない気遣いだよもぅ~)ハァ

アマージョ「ジョ……」

スイレン「ドンマイ、マオちゃん」

…………

サトシ「えぇー!?ここってマオのお店じゃないの!?」

ピカチュウ「ピカァ!?」

マオ「う、うん…そうなんだよ…」ショボン

アマージョ「ッジョォ…」ショボン

スイレン「てゆーかサトシ、普通に考えればわかる。それくらい」

サトシ「じゃ、じゃあ……ここにくる前に見たbarアイナって……」

マオ「……あれが今のアイナ食堂の姿だよ」

サトシ「……アイナ食堂のチェーン店とかじゃないの……?」

マオ「あそこが正真正銘サトシの知ってたアイナ食堂の本店だよ」

サトシ「……なんでそんなことに……」

マオ「……サトシ、ここのファミレスどう思う?」

サトシ「どうって……すっげー人がいっぱいだし、料理も美味し……」

マオ「………………」

サトシ「い、いや!もちろんアイナ食堂の料理の方が美味いけどさっ!」アセアセ

マオ「いいんだよサトシ。本当のことなんだから」

マオ「ここのファミレスってさ?サトシの言うように料理も美味しいし種類も多い、お店や店員の対応や雰囲気もいいし…オマケに娯楽施設やクーラーも完備で大繁盛してるんだよ」

サトシ「マオ……」

マオ「……五年前にここがオープンしてから……すっかりアイナ食堂のお客さんがとられちゃって……それでもって常連さんたちは食べにきてくれてたんだけど……」

マオ「……やっぱりそれだけじゃやっていけなくってさ?それでもアイナ食堂は潰したくないから……ここで料理を食べたお客さんや仕事帰りの人を狙ってbarって形でなんとか存続していってるんだ……」

サトシ「で、でも!料理の味ならアイナ食堂だってここに負けてないよ!」

スイレン「そうそう!アイナ食堂の料理はアローラ……いや、世界一!!」

ピカチュウ「ピッカー!」

マオ「ありがとう。サトシ、スイレン……でもさ?」

マオ「もう…"味"だけじゃやっていけない世の中なんだよ……」

サトシ、スイレン「…………………」

サトシ「な、なぁマオ……こんなこと聞いちゃうのは悪いとは思うんだけど……」

マオ「……なんで私がアイナ食堂の敵みたいなこのお店で働いてるの?……でしょ?」

サトシ「う、うん……」

マオ「……マツリカさんと同じだよ。barだけじゃやっていけないから……ここで少しでも働いてお店のお金の足しにしてるんだよ」

サトシ「でも……それなら……」

マオ「……私、やっぱり料理作るのが好きだからさ」

サトシ、スイレン「!」

マオ「……確かに……最初ここで働くのは抵抗あったよ。でも……」

マオ「ここなら大好きな料理の腕をゼンリョクで奮える!それに……やっぱりここって評判いいだけあって料理人もすごい人が多いんだ!」

マオ「だから……いつかアイナ食堂を復活させる為にも、少しでもここで技術を盗んでやるんだ!ってね?」ニコッ

アマージョ「ッジョ!」

サトシ「マオ……」

スイレン「マオちゃん……」

マオ「サトシ、今までウルトラ料理長だなんて嘘ついててゴメンね……?」ペコッ

アマージョ「ッジョ」ペコッ

サトシ「!」

マオ「その……アイナ食堂をアローラ1の食堂にするとか言ってたのに……実は潰れかけでしかも敵の店でパートしてるなんてカッコ悪くて言い出せなくて……」

サトシ「……なぁに言ってるんだよ!マオ!」

マオ「!」

サトシ「カッコ悪くなんかないよ!今のマオはすっげーカッコいいし、尊敬するよ!」

ピカチュウ「ピカピカー!」

スイレン「私も!マオちゃんみたいな親友を持って誇らしい!」

ナギサ「イッブイ♪」

マオ「サトシ……スイレン……」ウルッ

アマージョ「ッジョ」ウルッ

サトシ「スイレンも少しはマオを見習えよ~?」ニヤニヤ

スイレン「そ、それとこれとは話が別です!」

スイレン「わ、私だって!ゼンリョクだす!その内」ボソッ

サトシ「それっていつ?」

スイレン「……い、いつかは……」

ピカチュウ「ピカァ」ハァ

マオ「ふふっ」クスッ

アマージョ「ッジョ」ニコッ

スイレン「あっ、そうだマオちゃん。この際だからある、聞いておきたいこと!」

マオ「なに?」

スイレン「カキとのこと!」

マオ「!」

サトシ「あー、そういえばそうだな!俺さ、ここに来る前にカキと会ったんだよ!」

ピカチュウ「ピカァ!」

マオ「……カキ、私のこと何か言ってた……?」

サトシ「マオのことは何も……でもさ、カキ……人形のこと妹とか言って話しかけてて……少しビックリしちゃったよ」

ピカチュウ「ピカー!」

マオ「そう……」

スイレン「そのことについては、マオちゃんもカキも詳しく聞いても教えてくれなかった…」

スイレン「でも……教えてほしい!マオちゃんが悩んでるなら、力になりたいの!」

ナギサ「イッブイ!」

マオ「スイレン……」ウルウル

マオ「……うん、そうだね。サトシもニートのスイレンを受け入れたみたいだし……そろそろ話してもいいかな?」

アマージョ「ッジョ!」

スイレン「マオちゃん!」

サトシ(…俺、ニートのスイレンを受け入れたつもりはないんだけど…)

ピカチュウ「ピカピ」ポン

マオ「実は……私、カキと付き合ってたんだよね////」モジモジ

サトシ「マジ!?」

スイレン「やっぱり」ニヤニヤ

サトシ「え?スイレンは知ってたの?」

スイレン「んー……知ってたというかー……二人を見てたら何となくそうかなーって思ってた」

マオ「アハハ、スイレンに隠し事はできないね////」

マオ「それでさ……あの頃…私、この店のお陰でアイナ食堂が大変で…ちょっと荒れてたんだ」

サトシ「そうなの?」

スイレン「うん、三年前くらいのマオちゃんは怖かった。ちょっとだけ」

マオ「そんな私でも…カキは支えてくれたんだけどさ?私、その優しさに甘えてカキに辛くあたっちゃって…」

マオ「……別れたんだよ…三年前に……」グスッ

アマージョ「ッジョ…」ナデナデ

スイレン「マオちゃん……」

サトシ「で、でも……いっつもの食事会の時はカキとマオ、昔みたいに普通にしてたじゃん」

マオ「うん、みんなに余計な心配はかけたくないし…今まで通り友達でいようってことで別れたから……」

マオ「でも……カキが現実の女の子が怖くなっちゃったのは私のせいだと思うんだ…」グスッ

サトシ「マオ……(いったいどんだけキツくカキに八つ当たりしたんだろ…)」

スイレン「マオちゃん!カキのことといい、アイナ食堂のことといい、何で私に相談してくれなかったの!?水くさい!!」

サトシ「スイレン……」

マオ「ごめんねスイレン。あの頃…スイレンもサトシとの遠距離恋愛で悩んでたから、私のことなんかで心配かけたくないと思って…」

サトシ「遠距離恋愛!?」

ピカチュウ「ピカ!?」

スイレン「マオちゃん……」ウルッ

スイレン「マオちゃん、本当は今でも好きなんでしょ?カキのこと」

マオ「えっ…」ドキッ

スイレン「隠さなくてもわかる!私はマオちゃんの親友!それに……」

スイレン「女の子だから!一度好きになったらとことん!たとえ五年でも……十年でも!」ニコッ

ナギサ「ブイッ!」

サトシ「………………」

マオ「スイレン……」

マオ「……でも、私にそんな資格はないよ……私は…カキの人生を狂わせちゃったんだ…」

スイレン「マオちゃん……」

マオ「大切なものってなくしちゃってからわかるんだね…?後悔してももう遅いんだよ…」

サトシ「……あのさマオ、恋愛って俺にはよくわかんないけどさ?カキだって……」

マオ「……ごめんね、スイレン……サトシ……私、もう仕事に戻るよ」スクッ

サトシ、スイレン「!」

マオ「……また三日後の食事会でね。いこっ、アマージョ」クルッ

アマージョ「ッジョ」クルッ

サトシ「マオ…」

スイレン「マオちゃん…」

ピカチュウ「ピカ……」

…………

サトシ「マオとカキにそんなことがあったなんてな~」

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン「マオちゃん…まだ好きなんだ。カキのこと…」

サトシ「!」

スイレン「私たちももう子供じゃない。子供の頃みたいに…いっつも一緒にいるのが当たり前で…ケンカしたってすぐ仲直りって訳にはいかない」

スイレン「私…わかる、マオちゃんのキモチ」

スイレン「……好きな人と一緒にいられない辛さも…それでもずっと好きってキモチも…痛いほど」

サトシ「……………」

スイレン「……何とかしてあげたいな。マオちゃんとカキ…」

ナギサ「イッブイ」

サトシ「………スイレン…」

ピカチュウ「ピカァ…」

「あれ?サトシとスイレンじゃない?」

サトシ、スイレン「!」

マーマネ「えへへ、アローラー」フリフリ

トゲデマル「マキュキュー!」

サトシ「ははっ!マーマネ!トゲデマル!」

ピカチュウ「ピカァ!」

マーマネ「久しぶりだね!サトシ、ピカチュウ!」ニコッ

サトシ「うん!マーマネこそ!元気にしてた?」

マーマネ「もちろん!僕さ、とうとう宇宙ポケモン探索隊に選ばれたんだよ!」

サトシ「マジ!?すっげーじゃんマーマネー!」

マーマネ「ま、まぁね////」テレッ

トゲデマル「マキュキュ!」

サトシ「つーかマーマネ!本当に宇宙飛行士だったんだな!」ウルウル

ピカチュウ「ピカー!」ウルウル

マーマネ「? 何言ってるのサトシ?何度もそう言ったじゃん」

トゲデマル「マキュ?」

マーマネ「それにしても……いつもは食事会当日に来るのに、今回は早いねサトシ?」

サトシ「へへっ、まぁな!」ニッ

マーマネ「それでスイレンとデートかぁ?ま、サトシとスイレンは子供の頃から何かいいカンジだったしね~」ニヤニヤ

スイレン「////」テレッ

マーマネ「……って、ん?こんな平日からデートって……」

マーマネ「……もしかしてスイレン、サトシにニートだってバレたの?」ヒソヒソ

スイレン「うん、バッチリ!ついでにカキのフィギュアオタとマオちゃんがパートしてるってのもバレた」

マーマネ「……みんなで必死に隠してあげてたのに……何やってんのさー」ハァ

スイレン「でも……サトシは受け入れてくれた!そんな私たちでも!」ニコッ

ナギサ「イッブイ!」

マーマネ「そっか、やっぱり大人になっても…サトシは僕たちの知ってるサトシのまんまなんだね?」ニコッ

スイレン「うん!」

サトシ「へへへ、何かホメられてるぜ!ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「そういやマーマネ!さっきから大事そうに持ってる、その箱と花束はなに?」

ピカチュウ「ピカ?」

マーマネ「あ……いや、これは……」ササッ

スイレン「マーマネ、隠さなくてもわかる!」フッフッフ

マーマネ「」ギクッ

スイレン「これから行くんでしょ?リーリエのとこ!」ニヤニヤ

ナギサ「イッブイ!」ニヤニヤ

マーマネ「アハハ、まぁね?////」テレッ

サトシ「リーリエだって!?マーマネ、俺も一緒に行っていい!?」ワクワク

マーマネ「……え?い、いや……いいけど……」

スイレン「そういうところ、空気よめないところもやっぱりサトシはサトシ」ヤレヤレ

ナギサ「ブイブイ…」ヤレヤレ

リーリエの家

サトシ「ひっさしぶりだなー!リーリエの家!」

ピカチュウ「ピカー!」

サトシ「………ん?つーか、リーリエに会うのに家でいいのか?リーリエ、今仕事中なんじゃ………」

マーマネ「………サトシ、まだリーリエの知らないの?」ヒソヒソ

スイレン「うん、言ってないから」ヒソヒソ

ナギサ「ブイー」

ガラッ

サトシ、スイレン、マーマネ「!」

ジェイムズ「おぉ…!これはこれはマーマネ様」

マーマネ「アローラ!ジェイムズさん!」

ジェイムズ「それにスイレン様」

スイレン「アローラ!」ニコッ

ジェイムズ「それに……」チラッ

サトシ「アローラ!久しぶり!ジェイムズさん!」

ピカチュウ「ピカー!」

ジェイムズ「お久しぶりでございますサトシ様!」

ジェイムズ「いやぁ……立派になられて……」

サトシ「へへへっ」ニッ

ジェイムズ「さぁさぁ、みなさんどうぞ中へ。お嬢様はお部屋にございます」ニコニコ

リーリエの部屋の前

サトシ(リーリエ……今日は仕事休みなのかな?)

ピカチュウ「ピカ」

マーマネ「リーリエー!マーマネだよ!」コンコン

ガチャッ

「あ~……マーマネですか」

サトシ「…………え?」

リーリエ「丁度暇してたとこなんですよ~」ボサッ

シロン「コ~ン」ボサッ

サトシ「……いっ!?リーリエ!?」

ピカチュウ「ピカ!?」

リーリエ「? なんでサトシが?」

サトシ「い、いや……その………仕事の都合がついて早めにアローラに……」

リーリエ「あーソウデスカイ」ポリポリ

サトシ(……う、うっそだろ??これがあの清楚なお嬢様だったリーリエ……?)タラッ

リーリエ「?」ポリポリ

サトシ(髪の毛はボサボサだし……ジャージ姿だし……オマケに何か臭う…)

ピカチュウ「ピカッ」オエッ

リーリエ「? 何ですかサトシ?人をジロジロと見て……」

サトシ「ぁ……いや……」

スイレン「サトシ!浮気は許さない!」プクー

サトシ「……浮気ってなんだよ…」

ピカチュウ「ピカァ」

サトシ「な、なぁ!リーリエ!その……仕事は?」

リーリエ「仕事……?ああ、今丁度していたところです」ニコッ

サトシ「だよな!」ホッ

サトシ(そういやー…女の人って自分の家じゃあ結構だらしない格好してる人が多いって言うもんな!)

サトシ(リーリエ…食事会の時もビシッとカッコいいスーツ着てキメてるし……きっと風呂に入る暇がないくらい忙しいんだな)

リーリエ「マーマネ、スイレン、サトシ!どうぞ中へ」ニコッ

シロン「コーン」

リーリエの部屋

リーリエ「どうぞ、汚いところですが」ニコッ

シロン「コーン!」

ゴチャッ

サトシ(うげっ……本当に汚い……そして臭い…)

ピカチュウ「ビガァ!!」オエッ

サトシ(昔のリーリエの部屋の面影もないよ……これじゃあまるでゴミ屋敷…リーリエ…部屋を片付ける暇もないくらい忙しいのかな?)

リーリエ「テキトーに座ってください」ニコッ

サトシ(テキトーって……どこに座ればいいんだ??)キョロキョロ

スイレン「やっぱりリーリエの部屋はいい!実家のような居心地!」ボスッ

ナギサ「ブイッ」ボスッ

サトシ(おいおい嘘だろスイレン)

サトシ「ね、ねぇ…リーリエ……その……リーリエってエーテル財団の名誉会長なんだよな……?」

リーリエ「はい!そうですよ?」ニコッ

サトシ「だ、だよな?(やっぱり……部屋を片付ける暇もないくらい忙しいんだな…リーリエ)」ハハハ

スイレン「て言っても、名前だけ」

サトシ「へ?」

スイレン「リーリエママ、家のお母さんと違って激アマ!リーリエの仕事はお部屋で部屋でネトゲやったり、ポケちゃんねるでクソスレ立てやレスバすること!」

サトシ「………どういうこと……?」

スイレン「つまり、実質ニート!」ビシッ

ナギサ「ブイッ!」ビシッ

サトシ「……リーリエがニー……」

リーリエ「スイレンと一緒にしないでください!」

サトシ、スイレン「!」

リーリエ「論理的結論から言いますと、私はちゃんとお母様からお給料をもらっています!」

シロン「コーン!」グルル

スイレン「給料って……それ、リーリエが何かほしい時にねだったら貰える、ただのお小遣い!」

リーリエ「ち、違います!お母様は私にお金をくれるとき、ちゃんと"リーリエ、お給料よ?"っていいますもん!」プクー

スイレン「そ、それなら私だって!立派に自宅芸備線隊の隊長やってる!ボランティアで!」

リーリエ「スイレン。論理的結論からいいますと、それはただのニートです」ニコッ

ギャー ギャー

サトシ「……………」ポカーン

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

>>47
訂正
スイレン「リーリエママ、家のお母さんと違って激アマ!リーリエの仕事はお部屋で部屋でネトゲやったり、ポケちゃんねるでクソスレ立てやレスバすること!」


スイレン「リーリエママ、家のお母さんと違って激アマ!リーリエの仕事はお部屋でネトゲやったり、ポケちゃんねるでクソスレ立てやレスバすること!」

マーマネ「リーリエ!はい、これ!」スッ

リーリエ「いつもありがとうございますマーマネ!キレイな花束と……これは……?」パカッ

マーマネ「この間宇宙に行った時に見つけた宝石だよ!リーリエに似合うと思ってさ?」ニコッ

リーリエ「そうですか……ありがとうございます!その辺に置いておいてください」ニコッ

マーマネ「うん!(やった!リーリエが喜んでくれた……!)」

サトシ「リーリエ……せっかくマーマネが頑張って宝石と花束持ってきてくれたのに…ちょっとそっけなくないか?」

スイレン「リーリエに悪気はないと思う。でもリーリエ……今はネトゲとポケちゃんねるに夢中。たぶん一分一秒でも惜しい状態だと思うから…」

サトシ「そ、そうなの……?」

マーマネ(リーリエが喜んでくれるなら……たとえ火の中水の中草の中さ!)

マーマネ「次は……何をプレゼントしようかな?」ニコニコ

トゲデマル「マキュキュ」

スイレン「それに、喜んでるみたいだし。マーマネも」

サトシ「マーマネ……」

ピカチュウ「ピカァ……」

リーリエ「スイレン!ちょっと見てください!」チョイチョイ

スイレン「リーリエ……またポケちゃんねるにクソスレ立てたんだ……」ハァ

リーリエ「それがですね?私が立てたこのスレの……」プププ

スイレン「! おぉ!早朝から今まで顔真っ赤怒涛の書き込み!この人、確実にニート!」プププ

リーリエ「スイレンもそう思いますか?スイレン!スマホの準備を!」

リーリエ「論理的結論からいいますと、二人でニート煽りしてやりましょう!」プププ

スイレン「オッケー!」スッ

ワイワイ

サトシ「……………」

サトシ「……………」チラッ

マーマネ「次は………思いきって宝石を指輪に加工しちゃおっかなー?」ホワーン

トゲデマル「マキュキュ♪」

サトシ「ハァ……」

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

サトシ「……ん?」チラッ

ペットボトル「」

サトシ「なんだこれ?ラベルが貼ってないペットボトルに黄色い液体……エーテル財団で新作のジュースでも開発したのかな?」

ピカチュウ「ピガッ!?」ギョッ

サトシ「ねぇリーリエー!このペットボトルなに……」

リーリエ「!? ちょ、ちょっとサトシ!!」ガタッ

サトシ「」ビクッ

リーリエ「な、何を持っているんですか!!この変態!!最低です!最低すぎです!!」

シロン「ゴォン!!」グルル

サトシ「いっ!?」ビクッ

マーマネ「サトシ!サトシがそんな人だったなんて……見損なったよ!!」

マーマネ「リーリエ、安心して!僕がサトシからリーリエを守るから!」キリッ

トゲデマル「マキュキュ!」プンプン

サトシ「ちょ、ちょっと待ってよ!何がなんだか……」

スイレン「………………」ギリリ

サトシ「……………いだっ!!」ビクッ

サトシ「な、なにすんだよスイレ……」チラッ

スイレン「……サトシ、言ったよね……?浮気は絶対に許さない!!」ギロッ

ナギサ「イッブイブイ!!」

サトシ「ヒイッ」ゾクッ

ピカチュウ「ピカァ……」



ショッピングモール

ワイワイ

サトシ「……………」トボトボ

スイレン「…………」トボトボ

ピカチュウ「ピカ」トボトボ

ナギサ「ブイッ」トボトボ

スイレン(うぅ……夜…どうしよう…そろそろかな?)

サトシ「……………」トボトボ

スイレン(ネットに書いてあった……カップルは夜が勝負時!)グッ

サトシ「……………」トボトボ

スイレン(………このサトシの沈黙…きっとサトシは待ってるんだ……私の答を!)

サトシ「……………」トボトボ

スイレン(何度もシミュレートはしてきた!サトシとのこのシチュエーション!)

スイレン(あとは……シミュレーションどおりに……!勇気を出して!私!)グッ

スイレン「……あ、あの!サト…」

サトシ「ねぇスイレン」

スイレン「!」

スイレン(え!?う、嘘……?サトシから…?予想外)ドキドキ

サトシ「もう夜だし……」

スイレン(………え?そ、それって……まさか…)ドキドキ

スイレン(で、でも……私もサトシももう大人……私たち、10年も付き合ってるんだしそろそろ……)ドキドキ

サトシ「帰るか」

ピカチュウ「ピカ」

スイレン「なんで!?」

サトシ「」ビクッ

サトシ「い、いや……だから、もう夜だし……」

スイレン「サトシの意気地無し!」プクー

サトシ「なんでだよ!」

ピカチュウ「ピカァ……」

スイレン「なんでも!サトシのバカ!」

サトシ「………なんなんだよ…」ハァ

サトシ「………ピカチュウ、ホテル行くぞ」クルッ

ピカチュウ「ピカ」

スイレン「! え……ホテル……?」ドキッ

サトシ「………? そうだよ、ホテルに帰るんだよ。急なアローラ行きだったから博士たちの家に泊まる訳にもいかないし……博士たちには明日挨……」

スイレン(カップル……夜……ホテル……それって……////)ドキドキドキドキ

サトシ「? スイレ……」

スイレン「そ、その……!サトシ!私、ハジメテだけど……!」クワッ

サトシ「な、なにが!?」ビクッ

スイレン「で、でも!その……さ、サトシもハジメテだろうし……サトシが相手なら……////」ドキドキ

サトシ「………スイレン、さっきから何言って……」

「あれー?スイレンだー!」

サトシ、スイレン「!」

アセロラ「めずらしいねー?スイレンがこんな時間にショッピングモールにいるなんて!」トテトテ

ミミたん「キュー」

スイレン「アセロラ……」

スイレン(うぅ…いいところだったのに…!最悪!)

アセロラ「どうしたのスイレン?お母さんにお買い物頼まれたの?」

スイレン「違う」プイッ

ナギサ「ブイッ」プイッ

アセロラ「! もしかしてスイレン…」

スイレン「な、なに…?」

アセロラ「わかった!ハロワの帰りなんだね!」

スイレン「……は?」

アセロラ「うんうん!ようやくスイレンも働く気になってくれたんだね!アセロラ、嬉しいよ!」ニコニコ

スイレン「…………」

アセロラ「えへへ、スイレン!アセロラ、心配してたんだよー?スイレンがこのままニートだったらどうしようって………」

スイレン「…………」

「アセロラ?」

アセロラ「へ?」クルッ

サトシ「ははっ、やっぱりアセロラだー!久しぶりだなー!」

ピカチュウ「ピカー!」

アセロラ「サトシ!!」

アセロラ「な、なんでサトシが………」

サトシ「へへへっ、ほらっ!ポケモンスクールの食事会!あれで帰ってきたんだ!」

アセロラ「そうなんだぁ…もぅ、だったらアセロラにもアローラに来るよって連絡してよー!」プクー

ミミたん「キュー!」プクー

サトシ「ははは、悪い悪い」

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン「…………」イライラ

アセロラ「それにしてもサトシー」ジーッ

サトシ「なに?」

アセロラ「………うん!まぁまぁ…カッコよくなったかなー?」エヘヘ

サトシ「まぁまぁってなんだよ?」ハハッ

アセロラ「まぁまぁはまぁまぁだよ!」ニシシ

サトシ「そういうアセロラはー……」ジーッ

アセロラ「」ドキドキ

サトシ「……あんま昔と変わんないな?」

アセロラ「もぅー!」プクー

ミミたん「キュー!」プクー

ワイワイ

スイレン「…………」イライラ

ナギサ「ブイブイー……」ハラハラ

アセロラ「あー、そうそう!そういえばサトシー……」ニコニコ

サトシ「? なに?」

アセロラ「なんでスイレンと一緒にいるの?」

サトシ「え?いや、なんでって…」

スイレン「…………」

アセロラ「………みんなに会いに来たらスイレンだけ暇だったからとかそんなカンジ?」

サトシ「ん~……なんて言うか……」

スイレン「それはご想像にお任せ」ズイッ

ナギサ「イッブイ」ズイッ

アセロラ「!」

サトシ「スイレン……」

スイレン「私とサトシは男女の関係。わかるよね?アセロラももう子供じゃないし」ニコッ

ナギサ「イッブイ!」

アセロラ「………なによそれ。全然意味わかんないよ」プルプル

ミミたん「キュー」

サトシ(うわっ……何か険悪な雰囲気だな……この二人、いつからこんな仲悪くなったんだ……?)

ピカチュウ「ピカッ」

スイレン「サトシ!早くホテルいこっ!」ギュッ

サトシ「い、いや……ホテルには俺一人で……」

アセロラ「ほ、ホテル………?」ワナワナ

サトシ「」ビクッ

アセロラ「な、なによそれ……サトシ!」

サトシ「な、なにって……今日俺ホテル予約して……」

スイレン「そういうこと!アセロラ、男女の関係に詮索は不粋!」ズイッ

アセロラ「………す、スイレンには…聞いてないでしょ!!」グスッ

サトシ(うわぁ……アセロラ、泣きそうだよ……)

サトシ「な、なぁ!スイレン、アセロラ!ケンカは……」

ザワザワ

オイオイナンダ…? オトコガオンナノコヲナカセテルゾ? シュラバダ……

サトシ(! やっべ!人が集まってきた!)ビクッ

スイレン「…………」ニコニコ

アセロラ「…………」グスッ

ピカチュウ「ピカピ……」

ナギサ「イッブイ……」

ミミたん「キュー……」

ウラウラ島

アセロラの家

アセロラ「え?サトシが泊まってるホテルにスイレンがついて行こうとした?」

サトシ「そうなんだよ」

ピカチュウ「ピカァ」

アセロラ「なるほどねー?ま、そんなとこじゃなかとは思ってたけどねー?」

ミミたん「キュー」

スイレン「嘘ばっか。アセロラ、半ベだった」ビシッ

アセロラ「………あれは目にゴミが入ってたんだよ」

スイレン「……それに、ついて行こうとしたんじゃなくて、一緒に行こうとしたの」

アセロラ「あーハイハイ」

スイレン「」イラッ

サトシ「やめろよスイレン」

スイレン「だ、だって……」

アセロラ「サトシ、スイレン!今晩ごはん作ってくるから待っててね♪」

サトシ「サンキュー!アセロラ!」

アセロラ「うふふ、今日はー……サトシとの再会記念にすっごいご馳走作るからね!」

サトシ「わーい!やったー!」

ピカチュウ「ピカー!」

スイレン「…………」

ナギサ「ブイッ…」

サトシ「………ねぇスイレン」

スイレン「?」

サトシ「………俺の勘違いだったらいいんだけどさ?その……アセロラと何かあった?」

スイレン「……なんで?」

サトシ「いや…なんか……スイレンのアセロラに対する態度がちょっとキツいかなって………」

スイレン「…………」

サトシ「子供の頃は仲良かったじゃん。……まぁ、俺の勘違いならごめ……」

スイレン「…………だってアセロラ。私に会うたび会うたび就職しろうるさいし……」

サトシ「………それはアセロラもスイレンのことを思ってだろ?」

スイレン「違う、絶対に違う。そうだったとしても…アセロラに言われるのだけはイヤ」プイッ

サトシ「………あのさスイレン、そんな言い方……」

スイレン「なにサトシ?サトシは味方するの?アセロラの」ムカッ

サトシ「………味方ってなんだよ……」

スイレン「……それに……私がアセロラと仲悪いのはサトシのせい!!」

サトシ「な、なんだよそれ!俺のせいにすんなよ!」

スイレン「私たちはもう子供じゃない!サトシ、全然わかってない!!」

サトシ「………何言って……」

スイレン「……じゃあ選んで」

サトシ「選ぶ……?」

スイレン「私とアセロラ、どっちがいいの!?選んでサトシ!」バンッ

サトシ「お、おいスイレン!落ち着……」アセアセ

ピカチュウ「ピ……」

ナギサ「ブイ…」

アセロラ「サトシ、スイレン!ケンカしちゃダメだよー!」プンプン

ミミたん「キュー」

サトシ「アセロラ……」

スイレン「……………」

アセロラ「はいっ!お料理できたよ」コト

アセロラ「みんなで仲良く食べようよ♪」ニコッ

ミミたん「キュー」

ワイワイ

アセロラ「サトシ!どぉ?アセロラの料理は?」

サトシ「うん!すっげー美味いよアセロラ!」モグモグ

ピカチュウ「ピカー!」モグモグ

アセロラ「へっへー!やったねミミたん!」

ミミたん「キュー」グッ

スイレン「…………」モグモグ

アセロラ「スイレン、お味の方はどう?」

スイレン「…………」モグモグ

スイレン(悔しいけど……美味しい……)クッ

スイレン(………こんなことなら……お母さんやマオちゃんの言うとおり、しとけば良かった。料理の練習)モグモグ

ナギサ「イッブイブイ」モグモグ

スイレン(料理はアセロラに完敗……うぅ…私は……何て無駄な日々を………せめて、花嫁修業くらいはしてサトシを……)モグモグ

スイレン(悔やんでも…悔やみきれない…!)ガクッ

スイレン「うぅ………悔しい……!」グスグス

サトシ「………スイレン、そんな泣くほど美味かったのか…?」

ピカチュウ「ピカー……」

アセロラ「えへへ、やったね!」グッ

ミミたん「キュー」

スイレン「………………」ガタッ

サトシ、アセロラ「」ビクッ

サトシ「ど、どうしたのスイレン……?」

スイレン「………トイレ」クルッ

ナギサ「イッブイ」クルッ

サトシ「そ、そっか……(スイレン…ずっと機嫌悪いな…)」

アセロラ「いっといれ~♪」フリフリ

ピカチュウ「チャア…」

トイレ

スイレン(さっきの料理を食べてわかった……)

スイレン(アセロラ……クチだけじゃない。ゼンリョクで努力してるんだ…私よりもずっと)

スイレン(私がサトシの立場なら…こんな私より、アセロラを選ぶ…絶対)

スイレン(それなのに私は……アセロラを僻んで…勝手にライバル視して……)

スイレン「………ライバルどころか…私はアセロラと同じバトルステージにすら立ててない…」ウルッ

スイレン「明日からゼンリョク出すって言い訳して……甘えて……これじゃ、みんなが言うとおり、本当にウ◯コ製造機……サトシだってアセロラを選ぶに決まってる……」グスッ

スイレン「………悔しい……!悔しいよぉ……!」グスグス




サトシ「スイレン……トイレ遅いなぁ」

ピカチュウ「ピッカ」

アセロラ「サトシ!女の子にトイレ遅い~とか言っちゃダメだよ!」プンプン

サトシ「あっ、悪い……」ハハハ

アセロラ「もぅ!サトシは…」ハァ

ミミたん「キュー」

サトシ「ハハハ……」

アセロラ「………ところで……サトシ?」

サトシ「ん?なに?」

アセロラ「………サトシって……か、彼女とかいる……?」ドキドキ

>>47
訂正
スイレン「そ、それなら私だって!立派に自宅芸備線隊の隊長やってる!ボランティアで!」


スイレン「そ、それなら私だって!立派に自宅警備隊の隊長やってる!ボランティアで!」

サトシ「彼女?」

アセロラ「う、うん…」

サトシ「いないよ。今は仕事忙しくてそんな余裕ないっていうか~……旅してた頃と違って出会いとかも少ないし……」

サトシ「まぁ……しいて言えばポケモンが恋人かな?」ハハハ

アセロラ「ポケモンが恋人……ふふっ、何それ?」クスッ

アセロラ「サトシがそれ言うと冗談に聞こえないよー」クスクス

サトシ「ど、どういう意味だよ……」

ピカチュウ「ピカァ」

サトシ「そういうアセロラはどうなの?」

アセロラ「う~ん……アセロラもサトシと同じようにかな?そういう色っぽい話はないよ」

サトシ「へぇ、意外だな。アセロラ、モテそうなのに」

アセロラ「………でも………いつでもお嫁さんに行ける準備はしてるよー♪」

ミミたん「キュー」

サトシ「うん、そうだな!アセロラならいつでもお嫁さんにいけるよ」ニッ

ピカチュウ「ピカァ」

アセロラ「うふふ、でもビックリだよね?」

サトシ「? なにが?」

アセロラ「サトシのクチから恋人なんて言葉が出てくるなんて…子供の頃には想像もつかなかったよ!」クスッ

サトシ「ははは、まぁ……俺も大人になったんだよ」

ピカチュウ「ピッカー!」

アセロラ「………ねぇ、サトシ」

サトシ「? なに?」

アセロラ「………今日、泊まっていきなよ」

>>62
訂正
アセロラ「う~ん……アセロラもサトシと同じようにかな?そういう色っぽい話はないよ」

アセロラ「う~ん……アセロラもサトシと同じかな?そういう色っぽい話はないよ」

サトシ「……い、いや…俺、ホテルの予約とってあるし…それにスイレンだってそろそろ帰んなきゃスイレンのママが心配しちゃう……」ハハハ

アセロラ「……アセロラはスイレンのことじゃなくてサトシに聞いてるんだよ」

アセロラ「もしホテルのキャンセル料とかがかかるんならアセロラも払うよ」ニコッ

サトシ「そこまでしなくっても…」

アセロラ「アセロラはそこまでしてもサトシともっとお話したいの!」ズイッ

ミミたん「キュー」

サトシ「……………」

ピカチュウ「ピカピ…」

サトシ「アセロラ……俺やっぱり帰……」

アセロラ「………そういうことじゃなくてなに?サトシはアセロラのこと嫌いなの」ズイズイ

サトシ「そ、そういうことじゃなくって………あ、アセロラ!近いよ!」

アセロラ「サトシ……子供の頃はアセロラの家に一人で泊まったりしてたよね?」

アセロラ「それともなに?サトシがアセロラの家にお泊まりすると……何かマズイことでもあるのかな?」ニコッ

サトシ「……なんていうかその……もう子供じゃな…」

アセロラ「そうだね。サトシもアセロラももう子供じゃないの」

アセロラ「……もう一回言うね?………サトシ」

サトシ「!」ビクッ

アセロラ「今日……アセロラのお家にお泊まりしていきなよ」ニコッ

ミミたん「キュー」

サトシ「…………」

ピカチュウ「ピカピ…」

サトシ「アセロラ……俺……」

「サトシ!!」ガチャッ

サトシ、アセロラ「!」

スイレン「………………」

ナギサ「イッブイ!」

サトシ「スイレン……」

アセロラ「……………」

スイレン「私……就職することにした!!」

サトシ「……え?」

アセロラ「え?」

ピカチュウ「ピカ」

…………………

………

三日後

barアイナ

ワイワイ

マオ「はいみんなー!barアイナ特製の料理とマオちゃんスペシャルカクテルだよ~」

アマージョ「ッジョ」

サトシ「うぉー!barになってもアイナ食堂の料理はアイナ食堂の料理だな!」

ピカチュウ「ピッカ!」

マオ「アハハ、何言ってるかわかんないよサトシー!」

マーマネ「それにしてもマオ……あんだけ隠してたbarアイナで食事会なんて思いきったねー」

マオ「まぁ……もうみんな隠すものなんて無いしね?せっかくだからさ!」

リーリエ「そうです!ありのままの姿を受け入れてこその友達です!」

シロン「コーン!」

カキ「にしてもリーリエ……さすがにジャージで来るのはないだろ…」

リーリエ「こんなところまでお人形さんを持ってきているカキに言われたくはありません」

カキ「な!?これは人形じゃなくて俺の妹……」ガタッ

スイレン「まぁまぁ!久しぶりの全員集合!みんな仲良く!」

ナギサ「イッブイ!」

リーリエ「そ、そうですね…ごめんなさいカキ……」

カキ「い、いや……俺の方こそ悪かったリーリエ…」

スイレン「うんうん!仲良しが一番!」

ワイワイ

カキ「ほらっ、お前たちはここに座りなさい」スト

メイ(カキ裏声)「ありがとうお兄ちゃん!」

コトネ(カキ裏声)「おにーちゃんだーいすき♪」

ミヅキ(カキ裏声)「しょうがないからお兄ちゃんの隣に座ってあげる」

カキ「ハハハ、まったく!俺の妹たちは可愛い……」

マオ「……………」ジトー

カキ「……あ……いや……何でもな……」ビクッ

マオ「……はい」コト

カキ「! マオ……この料理は……」

マオ「カキの妹ちゃんたちの分だよ。それ、食べさせてあげなよ」

マオ「可愛い妹たちなんでしょ?」ニコッ

カキ「マオ………」


マーマネ「ねぇリーリエ!今ほしいものってある!?」

トゲデマル「マキュキュ!」

リーリエ「今ですか……?そうですねー…………」

リーリエ「あっ!そうだ!これ見てくださいマーマネ!」ササッ

マーマネ「! これって……確か今流行りのスマホアプリの……」

リーリエ「そうなんですよ!これのウルトラSRの新モンスター!これが次のイベで重要な役割をするんです!」

リーリエ「私……このモンスターが次のイベまで欲しくて……ゼンリョクでガチャを回しているんですが、なかなか出なくって……」ウーン

マーマネ(なになに……?一回300円ガチャで出現率10%のウルトラSRモンスターか……)フムフム

リーリエ「……既に30万ほど課金を……」

マーマネ「僕に任せてよリーリエ!」

リーリエ「ほ、本当ですかマーマネ!?」キラキラ

マーマネ「うん!(一回300円くらいなら……最悪1万円くらい回せば出るでしょ)」

マーマネ(スマホゲームに1万なんてもったいない気はするけど……これでリーリエのハートをゲットできるんなら安いもんだね!)

リーリエ「で、ではマーマネ!早速ゲームに登録を!」

シロン「コーン!」

マーマネ「アハハ、急かさないでよリーリエー!」

トゲデマル「マキュキュ」

スイレン「はいサトシ、あーん」スッ

サトシ「う、うん…」アーン

サトシ「……」モグモグ

スイレン「……おいしい?」

サトシ「うん……美味しいよ…」

スイレン「やった!」ガッツ

ナギサ「イッブイ!」ガッツ

サトシ(つってもこれ……スイレンが作った料理じゃなくってマオが作った料理だけど…)モグモグ

ピカチュウ「ピカピカ」

サトシ「ねぇスイレン。そういえばさ?就職の方どうなった?いい仕事見つかった?」

スイレン「うん!バッチリ!」

スイレン「もう面接も受けて……来週から仕事!」

サトシ「マジ!?すっげーじゃんスイレン!嘘じゃないよな?」

スイレン「うん、嘘じゃない」ニコッ

サトシ「どんな仕事するの!?やっぱ海のポケモン関係?」

スイレン「うん!みずポケモン関係の仕事!詳しくは仕事はじまってから話す!」

サトシ「そっか~……ま、スイレンならどんな仕事だって大丈夫だよ!おめでとう、スイレン!」ニッ

ピカチュウ「ピカァ」

スイレン「えへへ、ありがとう!」ニコッ

ナギサ「イッブイブイ!」

スイレン「サトシは……予定通り明日帰るの?マサラタウン」

サトシ「うん、明日の午後の飛行機で帰るよ。明後日からまた仕事だしな」

スイレン「そっか……」

サトシ「俺さ、スイレン。落ち着いたら……今の仕事やめてまた旅に出ようと思うんだ」

スイレン「旅……?」

サトシ「うん!ポケモンマスター目指してさ!子供の頃みたいに!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

サトシ「……スイレンやみんなには偉そうなこと言っちゃったけど……やっぱり夢は諦めきれないよ……前々から悩んではいたんだけど……今回アローラに来て決意したんだ」

スイレン「旅……うん!サトシらしくていいと思う!」ニコッ

サトシ「へへへ、そっかな?」

スイレン「サトシ、私……ゼンリョクでサポートする!サトシの夢!」

サトシ「ハハハ、サンキュー!スイレン!」

スイレン「よ~し……そうと決まったらサトシ!」ドンッ

サトシ「! スイレン!その酒は……!?」

スイレン「今日は私とサトシが大人として新しい一歩を踏み出す記念日!飲みあかそう!酔い潰れるまで!」

ナギサ「イッブイー!」

サトシ「ハハハ、俺……酒弱いからお手柔らかにしてくれよスイレン?」

スイレン「そう言わずに!いっき!いっき!」ズボッ

サトシ「ガボボ!?」

ピカチュウ「ピカピ!」

………………

……

チュンチュン……

翌日

サトシが宿泊してるホテル

サトシ「…………う~ん……」ムクリ

サトシ「……うわぁー…頭イテー……完全に飲みすぎた……」

ピカチュウ「zzz」

サトシ「……つーか後半の記憶全然ないな……見たところ俺が予約したホテルの部屋だし……カキかマーマネあたりが連れて来てくれたのかな……?」キョロキョロ

サトシ「……ま、いーや!シャワー浴びて飛行機に乗る準備を……」ウーン

サトシ「……………」

サトシ「……え?な、なんで俺裸なの??」

サトシ「……つーか、何か赤いシミが……」ジーッ

「う~ん……」

サトシ「」ビクッ

スイレン「……あ、おはよ。サトシ」ゴシゴシ

サトシ「す、スイレン………」

スイレン「? どうしたの?サトシ」

サトシ「ぁ……いや……なんでスイレン……てか、スイレンも裸……」

スイレン「え?」

サトシ「」ゴクリ

スイレン「えへへ////昨日は最高の夜だったね!サトシ♪」

サトシ「……あ……そ、その………ごめ……俺、何にも覚えてなくて……」

スイレン「あっ!サトシ!早くしなきゃ飛行機に乗り遅れちゃう!シャワー浴びよ////」グイッ

サトシ「い、いや……その……」チラッ

荷物「」

サトシ「………その……スイレン、あの荷物は……」

スイレン「それ、私の荷物!」ニコッ

サトシ「へ?スイレンの……?なんで?」

スイレン「なんでって私……就職することになったから!」

スイレン「ハナダジムに!!」ニコッ

サトシ「」

ピカチュウ「zzz」

ナギサ「zzz」



一年後、サトシとスイレンはデキ婚した




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