俺「とかなんとか言っていたら美少女になっちまった。感想求ム」
友「すごいなお前」
俺「だろう」
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友「くそかわいい。なに食べたらそんなことになった?」
俺「砂糖とスパイス、あと素敵なものを何もかも」
友「おお、メルヘン! ……いや、うーん……」
俺「なんだ」
友「顔はいい。スタイルもいい。でもお前からは雌のニオイがしない」
俺「失礼な奴だ。永年の夢が叶った気分なんだぞ。水をさすなよ」
友「そんな気持ちの悪い夢を持ってる女の子はいないわ。あったとしてそこに水を向けたくない」
俺「女はいつだって可愛くなりたいと言うだろう」
友「そうだけどさぁ。この際だから聞くけど、そもそもその喋り方はなんだよ」
俺「物書きに見えるだろう?」
友「あぁ、とことん形から入るのか。徹底してんのな」
俺「わかりやすくていいだろう」
友「まぁ、うん。でもどうせなら美少女になりきれよ」
俺「しかし俺も、はれて美少女になったんだな」
友「さも願いが叶ったように言うけど。ここまでの会話の中で美少女要素はどこにあったよ。男子高校生の会話でしかなかったろ」
俺「砂糖とスパイス」
友「マザーグースはもういいよ」
俺「いや、今の俺は正真正銘美少女だ。美少女が喋っているのだぞ。甘い匂いがするはずだろう」
友「しないかなぁ。顔はかわいいけど、目をつむったら今一つ伝わらないというか……」
私「では、こうしよう。私に一人称を変える。どうだ?」
友「おっ」
私「よし」
友「ただなんだかなぁ。いやあわよくばスケベしてえとは思うけど、かわいいかどうかはわかんないな」
俺「……そうか。難しいな。俺にはわからん」
友「あれ? 私は?」
俺「わからん、かわいいとはなんだ?」
友「いやぁ、それはほら。己にある乙女を解放するんだよ」
俺「えー? それってむずかしい! 俺くんわかんないよ!」
友「ああ、うん。お前が飼ってるのは乙女じゃないみたいだからな。特別に譲ってやるよ」
俺「いらん」
友「……そりゃまぁ確かに女の子はちょっと馬鹿な方がかわいいとは思うけどさぁ。馬鹿を内に秘めてどうするよ」
俺「女はこんなもんだろう」
友「ははーんなるほど、性別以前の問題だったか」
俺「わからんやつだな」
友「わかんないのはお前だよ。コンプレックスをこじらせ過ぎだよ」
俺「まさか。少々苦手意識があるだけだ」
友「少々じゃないし苦手意識でもない。敵意だよそこまでいくと。女の子になりたかったんじゃないのか」
俺「ああ、女になれば女の気持ちがわかって創作に有効だろうと思っていた」
友「わかってないよ。そしてわかりあえてもいなかったよ。お前に創作は無理だよ。そもそもお前が無理だよ」
俺「ひどーい!」
友「やめろ」
俺「しかし難しいな」
友「そりゃお前、美少女ですと器に乗っけられたものがゲテモノなら文句も言うよ」
俺「ゲテモノときたか。しかしかわいいなら料理下手な方がいいだろう」
友「良くはねえよ。美味しい方がいいわ。そもそもかわいい子がメシマズだからギリギリ萌えなんであって、ゲテモノが自分をトッピングしたらそれは悲劇だろうが。せめて食えるものを出せよ」
俺「そうか。……ああ、それはそうと美少女が料理下手というのにも、すでに新鮮味はないな」
友「ある種お約束ではあるかもなぁ。極端な話かわいいならなんでもオッケーなんだよ」
俺「なら」
友「お前はいらんわい」
俺「存外、食ったら美味いかもしれんぞ」
友「かわいい女の子ならな。でもお前男じゃん」
俺「?」
友「そんな顔されたってなぁ」
俺「なるほど、女として見れない」
友「違う。女に見えない」
俺「それは違うのか?」
友「全然違うだろ」
俺「ではお前にとってのかわいいとはなんだ」
友「いやだ」
俺「なにがだ」
友「お前に理想の美少女像を汚されたくない」
俺「なんとかならんか」
友「なら、一人称は私」
私「……わかった。一人称は私」
友「ソートして全部置換したいくらいだよ」
私「それで、どうする」
友「その喋り方もフィクションなら悪くないと思うけど、歳相応になんない? できる?」
私「できる。腐っても物書きだもん」
友「おー、……おぉ気持ち悪い。お前ほんと恨むからな……」
私「はっ倒すわよ」
友「かわいい女の子」
私「プンプン!」
友「やりすぎ」
私「これが可愛いのに」
友「おとなしく味付けは任せてちょうだいよ」
私「わかった」
友「……たぶん、毒が雑味になってたんだな。たいした毒でもないのが余計に邪魔くさい」
私「というと?」
友「素直が一番ってことなんだろうな」
私「なるほど、気持ち悪い。下心が透けて見える」
友「お前マジふざけんなよ」
私「そうは言っても、気になる」
友「精神は肉体に引っ張られるって言うけど、そういうことかいな」
私「そうかもしれない。お前が下半身に引っ張られてるようなもの」
友「いや、言葉が痛いんだけど。え、なに? なんかそういうトラウマでもあんの?」
私「あるわけない。ただ、私の中の女が警鐘を鳴らした」
友「中にいる人の誤解を解いてもらえるよう頼んでいい?」
私「精神は肉体に引っ張られるから」
友「じゃあ訂正する。誤解を解け」
私「わかった」
友「あーあ、もうお前には期待しないから素敵なものが何なのかだけ教えてくれよ。自分で美少女になってやる」
私「素敵なものは素敵なものだ。こう、キラキラしてて楽しいもの」
友「うわぁメルヘン……」
私「そうでもない。誰しもが持ってるもので私はできている」
友「うーん……。しかし、そこまでメルヘンだとなんだ。ピュアピュア過ぎて直視できないわ。心の童貞は飼っていたんだなぁ」
私「ほっとけ」
友「というかそういう女の子を書けよ」
私「私が書きたいのはかわいい女の子であってかわいらしい女の子ではない」
友「まぁまぁ、わからんでもないか」
私「不思議の国の住人は、日常ラブコメを演じない」
友「ああ、メンヘルだもんぬぇそれって」
私「よくわかったよ。自分に無いものは書けないのだな」
友「漫画やアニメを見て真似るしかないんじゃないの。……どこ行くんだよ」
私「少し食べてくる」
友「何を」
私「カエルとカタツムリと」
友「トカゲの尻尾?」
私「ああ」
友「美少女は?」
私「しばらくはいい。戻れなくなる」
友「あっそ、ふーん」
私「どうした」
友「美少女になりたい」
私「そんな夢は視ないと言っただろう」
友「美少女にはなってみたいわい」
おしまい
かわいいってなんだ
書いてて一番びっくらこいたのは台本で俺とあるとおちんちんがちっとも反応しなかったことですね
勉強になりました
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