高坂京介「俺のバッドエンドに救いがあるとは思えない」 (289)

どうもです。

俺の妹がこんなにかわいいわけがない
の原作完結後のSSです。

最終完までのネタバレを前提として書いているので、
くれぐれもご注意ください。

最初は若干重たくてジメジメウジウジとしていますので、
それがお嫌いな方もご注意ください。

前書いたのがインバリアントさんに転載されて今若干イキってるので、
失言等ありましたらご容赦ください。

(『八幡「やはり俺の青春ラブコメは腐っている」』
 http://invariant0.blog130.fc2.com/blog-entry-4440.html)

では次から投下します。完結してないのでどうなるか不安ですが、がんばります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371982235


京介「俺のバッドエンドに救いがあるとは思えない」



 ―――ああ、そろそろ、一年が立つなぁ。

タバコの煙を目で追いかけていたら、窓の外にちらつく雪が見えて、そんなことをふと思い出した。

大学に入ってすぐに、そこで知り合った友達にタバコの味を教えられた。

周りがみんな吸っている、なんていう軽い気持ちだったが、すっかり依存するようになってしまった。

 吸いたくて吸ってるんじゃない。
 嫌なもんを吐き出すために吸ってるんだ。

なんてかっこつけたことを少しだけ思い浮かべた。


連続で吸いすぎたのか、部屋が真っ白になっていた。
軽く窓を開けると、12月の鋭い冷気が滑り込んできた。



一年ぶりの雪を見て、少しだけあのころを思い返す。

桐乃がいて、黒猫がいて、沙織がいて、あやせがいて、まなみがいて、加奈子がいて、他にもいろんな、クラスのみんな、部活のみんな……


たくさんの人に囲まれていた。

たくさんの人に助けられていた。

たくさんの人と笑っていた。



妹の人生相談から始まった騒動の中で、色々ぶつかったり、悩んだり、苦しんだり、辛いこともあった。
でもそれ以上に毎日が楽しかった。

充実なんてもんじゃなく、周りに見えるものがキラキラと輝いていた。

でもそれは決して俺も一緒に輝いていたわけではなく、あいつらが俺にとって眩しすぎただけだったんだ。
眩しかったからついふらふらと近づいてしまった。
身の程も知らないで、近づきすぎてしまった。

そうして最後には地面に叩き落された。

窓の外の街灯に、季節はずれの虫が吸い寄せられていき、ぶつかって、落ちた。
地面でもがく羽虫に、今の自分を重ねていた。



去年の今頃に桐乃に告白をして、
3ヶ月限定の恋人になって、
形だけだけど結婚式まで挙げて、

キスをして、


別れて、



そして……




独りになった。

イキってるってどういう意味?

>>7 関西弁です。「調子に乗っている」と近いニュアンスです。

**********************


別れてからもしばらくはそれなりに桐乃とは良好な関係を築けていたと思う。

二人でアキバに行ったり、休みの日にはちょっとゲームをしたり、黒猫や沙織とも一緒に遊んだり、まぁ、ぎこちないながらもそれなりに普通にやっていれたと思う。


でも、一度歪んでしまった心は、元には戻らなかった。


ふとした時に桐乃の事が愛おしくて、つい頭を撫でてしまった。

たまたま桐乃の部屋で一緒にゲームをしていたときだったと思う。
何だったかも思い出せないほど些細なきっかけだったが、
本当に無意識のうちに指先は桐乃の細くて柔らかい髪に触れていた。



「ハァ? あんた何急にアタシに触ってんの? マジキモ!」

「あっ、いや、すまん……。」

「マジ何考えてんの!? ありえないんだけど!!」

「悪かったって、そんなに嫌がるとは思わなかった」

「嫌がるとかそういう問題じゃないっしょ! なんかチョーシ乗ってんじゃないの!?」

「いや、そういうのじゃないって。マジでごめん」


そんな感じの口論だったと思う。
いや、口論じゃねぇな、ただ一方的に罵られて、一方的に謝り倒した。それだけのことだった。



桐乃の部屋に行くことは二度となかった。



別に桐乃の言葉に腹を立てたわけではない。今までにあの程度の言葉は腐るほどぶつけられている。

桐乃としても本気であんなことを行ったわけではないのは分かっている。
頭では分かっていたのに、心の隅で本気だったらどうしよう、という恐怖が燻っていた。

深く傷ついてしまった自分がいて、それを桐乃にはどうしても気づかれたくなくて、あわてて部屋を飛び出した。
桐乃のほんのわずかな拒絶も受け入れられない自分が嫌になった。


そうやって些細なことの積み重ねをしているうちに、だんだんと桐乃に近づくのが怖くなっていった。

ようやく普通の兄妹に戻れたのに、また嫌われてしまうかもしれない。
その考えに頭が支配されてしまって、心も体もずっしりと重くなり、何もかもが億劫になっていった。

桐乃の言葉は俺に深く刺さりすぎる。
桐乃のちょっとした一言に身体を貫かれていくうちに、全身が地面に縫いとめられてしまっていて、もう一歩も動けないことに気がついたときには手遅れだった。
一歩も歩けない人間は、100mを12秒台で駆け抜ける奴には追いつけない。

そんなことは当たり前のことだった。



桐乃に嫌われることに怯えて、少しづつ少しづつ距離をとる。
離れていれば、桐乃の中で俺は「良い兄貴」のままでいられる。
桐乃の恋人になることは出来ないけど、せめて兄貴のままではいたかった。

臆病な俺はもう桐乃に馴れ馴れしく近づくことは出来なかった。

桐乃にはまだ先がある。あいつの人生はこれから先も輝かしいものになるだろう。
間違いない、あいつほどの人間の未来は明るいに決まっている。
いや……明るくあってくれないと困るんだ。

その桐乃の人生に邪魔になるものがあってはならない。
俺の存在が枷になっちゃならないんだ。

まとめのことは書かないほうがいいよ
インバリアント自身がその部分見てもいい気分にはならないと思う

>>13,14
すいません、まとめサイトはあまり言わないほうがいいんですね。知らなかったこととはいえ、配慮が足りませんでした。というかほんとにはしゃぎ過ぎてましたね……。
あと、ここってスレ落ちても保存されるんですね。勉強になりました。

**********************


俺がどんなに望んでも願っても祈っても、桐乃は将来俺の知らない男と恋に落ちる。

俺がどう思うかは関係ないし、俺が文句を言う義理ではない。
いや、違うな。義理ではなくなってしまったんだ。
そういう気持ちを清算してお互いに前を向くために、俺たちは恋人になったんだから。
そして、きちんと別れたんだ。


だから俺はもう諦めなければならないし、桐乃にも諦めさせなければならない。
いつまでも中途半端に桐乃と関わって、あいつの心の楔になってはならない。

嫌われず、怒らせず、静かに自然に、桐乃の中から消えていく。

それが俺の責任のとり方だと、そう思った。



両親に独り暮らしをさせてくれ、と頼んだ。
母親から何か言われたわけではない。今度は俺のほうからだ。

 ―――前期が終わって分かったが、通うには少し遠い。
 ―――ちょうど試験も終わって部屋探しや引越しの余裕もある。
 ―――やはり少しは自立自活をすべきじゃないだろうか。
 ―――大学の友達とちょっとは遊びたいんだ。

手を変え品を変え、色々な理由を並べ立てたと思う。
真面目な理由、不真面目な理由、感情的だったり、合理的だったり。でもすべて、本当の理由を隠すためのものでしかなかった。

 ―――桐乃から離れさせてくれ。

……このまま家にいたら駄目になる。

桐乃に嫌われることにおびえて、
情けない俺の背中を押してくれる人間ももういなくて、
桐乃を悲しませたら殺しますよなんて言ってくる怖い女もいなくて、
困ったことがあったら何でも言ってきなさいなんて支えてくれる幼馴染もいなくて……

……そうやって『誰か』の助けを求め続けて、きっと、俺は壊れてしまう。

俺はもうとっくに限界だった。



お袋は俺の異変に気がついていたのかもしれない。すんなりと了承してくれた。

以前受験勉強のために1ヶ月ほど独り暮らしした部屋ではなく、家から2時間かかる大学のそばの学生用の安アパートをさっと決めて、1週間もしないうちに引っ越してしまった。

狭い部屋だったので、布団と衣類といくつかの電化製品だけ。ベッドもデスクも持っていかないお手軽引越し。
親父はちゃんと勉強するんだぞ、なんて言っていたが、まぁ大学生の勉強は自宅に持って帰るようなものでもない。図書館やファミレスで友達とやるもんだ。1年前期で唯一学んだことだった。

桐乃にはほとんど何も伝えなかった。親父とお袋も、桐乃には伝えないと思う。
なんだかんだで両親は相変わらず俺らの仲を疑っていたようだったしな。
……ったく、勘がいいんだか悪いんだか。

もちろん桐乃の友人達には伝えなかった。あいつらにも新生活はあるし、なんて言い訳もあるけど、そもそもどの面下げてって感じだしな。伝えたら「遊びに来てくれ」って暗にお願いしてることになりそうで嫌だった。
そんなこんなで俺の部屋がエロゲーや萌えフィギュアで溢れることは無く、代わりに空っぽな部屋はタバコの煙で満たされた。

前のやつ、面白かったわ
まだこの板に慣れていないのだったら、
一度 ↓ のスレを見た方がいいと思う

■ SS速報VIPに初めて来た方へ
■ SS速報VIPに初めて来た方へ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364178825/)



……今になって思い返してみると、あのころが人生のピークだったんだろう。

俺は勘違いしてしまった。
輝かしいあいつらに囲まれていることで、自分も輝かしい何かだと勘違いしてしまった。

俺には誇れるものも、打ち込むようなことも、何も無かった。
桐乃の妹だったから、あの輪の中に「入れてもらっていた」。ただそれだけに過ぎない。
俺には何も無い。空っぽの部屋を見るたびに、そのことを思い知らされた。

桐乃と恋人になったことで俺のちっぽけな人生の全てを使い果たして、俺は、終わった。

あとは他の人間の邪魔をしないように生きていくだけだった。

 ―――ああ、昔いたね、あんな奴。
 ―――うん、楽しかった楽しかった。
 ―――ね、懐かしいね。元気にしてるかな?

あいつらにとってそういう思い出の人間に、なってしまいたかった。



ダメだな、こりゃ。自分の下らない思考を打ち切るために頭を軽く振った。

キャスターマイルドの甘い香りをかいでいると、どうしても桐乃の事を思い出しちまう。


 ―――バニラの匂いが、桐乃の甘ったるい香水のにおいに少し似ているから



その発想の気持ち悪さに自嘲しそうになるが、




表情を動かすのが億劫になって、やめた。

不甲斐ない1です。
とりあえず今日はここまでです。

色々とご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
>>19のスレは前回目を通したつもりだったんですが、飛ばし読みすぎたみたいです。本当にすみませんでした。
あ、あと前回の感想ありがとうございます。

とりあえずここまでで何分の一かも分かりません。
最短ならこれが折り返しですが、うまく話が転がればいくらでも書ける題材だと思うので……。

ともかけ中途半端で逃亡するくらいなら強引にでも終わらせるつもりなので、完結だけは果たします。

それではお付き合い頂きありがとうございました。
感想・ご意見等くださいましたら励みにします。


……ていうか原作感想で京介disられてるのが、自分の文章がdisられてるようではらはらしますwwwwww
原作京介そんなにきもいかな……?

昼休みですが、うちは45分しかないクソ企業なので続きがかけません。申し訳ありません。

なんか原作京介の評価分かれますね。実際に妹のいる人はやっぱり生理的に受け付けないんでしょうか。
私は創作物なら近親ロリグロなんでもOKなので、割と気楽です。
書くときは余り無茶苦茶はしないようにしますが…。ましてや他人の褌ですから。弁えます。

支援、感想等ありがとうございます。前スレの感想でボロクソに書かれてるのを見つけたんでちょっとへこんでましたが、がんばります。

今夜も少しだけですが投下します。
また後ほどお時間あればよろしくお願い致します。

好きなように書けばいいと思う

評価は完結した時に決まるし
逆に完結したものだけが評価してもらえる

こんばんわ、1です。遅くなりました。すみません。

>>32
おっしゃるとおりです。とりあえずこれを完結させることに集中します。


まだ先が未定なのであれですが、
ひとまず大丈夫そうなところまで投下します。


そういえば言い忘れていましたが、少なくとも桐乃は登場しません。
話題には上りまくりますが、予定では一切登場しません。


それでは投下します。お時間ございましたらお付き合いください。



ぐぅ。腹を鳴らすような奴はこの部屋には一人しかいない。

そういえば起きてから何も食ってないんだったっけ。大学も半分冬休み見たいな感じで休講だらけになり、今日は出席の無い一コマだけだったので自主休講にしてしまった。

「なんか買いに行くか……」


アパートの一回にコンビニがあるのは便利だな、と毎日感じている。いやほんと、自炊なんか出来ないんだし、コンビニは近ければ近いほうがいい。半年前の俺、ナイスだぜ。

コートを羽織り、4階の自分の部屋からコンビニまで歩いて降りる。エレベータも無いボロアパートだから、家賃も激安。ああ、本当にいい部屋だ……。

しかし昼過ぎに起きて、タバコを吸いながらあの頃を思い出すだけで、一日が終わってしまった。

それでも腹は減るのだ……。



思い出の残りカスだけを食べて生きていけたらいいのに。


もうずいぶん減っちゃったけど。

味も麻痺してて分からないけど。

ところどころ都合よく塗り固めてあるせいで、
どこまでが現実かわからないけど。
どこまでが空想か分からないけど。


それでも、そうしていられるなら、そのほうがずっといい。




冬の夜はとても静かで、アパートの階段は俺の靴音だけが響いていた。



手元にある携帯電話が震えて目が覚めた。
コンビニの弁当と缶チューハイで腹いっぱいになったらいつの間にか眠っていたようだ。

「あっぶね、寝タバコじゃねぇか……」

指先で燻っていたタバコを灰皿に押し付けて、携帯の画面を確認する。
人生が終わったといっても、さすがに火だるまになるのはゴメンだっての。

「どうせ飲みか合コンか麻雀か……ん?」

知らないアドレスからのメールだった。

「何だ迷惑メールか?」



独り暮らしをはじめてから携帯を変えた。アドレスも番号もその時に変えた。電話帳も丸ごと消してしまった。
自分でもよくわからないのだけれど、いろんな奴の中から消えてしまいたかったのかもしれない。

ともあれ変えたアドレスを高校までの知り合いはほとんど知らないはずだった。
せいぜい同じ高校で言えば赤城くらいなもんか。
あとは親父とお袋。
そのほかは大学で知り合った奴だけだ。

御鏡とか、ゲー研のやつらとかにも伝えるべきかと考えたが、どうしても手が動かなかった。
あいつらと友達になれたのは、桐乃たちのおかげだ。それがなんだか、ズルをして友達になった気がしたから。

多分、そんな感じだと思う。やっぱり自分でもよくわからねぇや。


とりあえずメールの本文を確認。




 『わたし黒猫さん。今新宿駅にいるの……』

ちょっと短いですが、いったんここまででご勘弁ください。

もう少し書き溜めはあるのですが、そこから先がマジでノープランなので、
少しでも手直しできる範囲を手元においておきたいのです。


ところで質問なのですが、ここってエロ可ですよね?
かなり高い確率でそうなりそうなので、あらかじめ確認しておきたいのですが…・・・。



はぁ?


え、いや、マジで黒猫なのか?
あいつ今俺のアドレス知らないはずだよな?
さっき自分の頭ん中で思い浮かべたメンバーに黒猫は入っていなかったはずだ。
ていうか当たり前だろ。

んで次に新宿駅。なんだ、遊び行ってる報告か?
アキバとか、池袋じゃないのか?

そんでそもそも本文。あれだよな、やっぱり。メリーさん。
確かにお人形みたいな見た目だったけど、いくらなんでも捨てられた人形の幽霊になることねぇじゃねぇか。


……1分ほどごにゃごにゃと考えた結果の結論。

「わけわからん」

気にしないことにした。

すいません、一個投下し忘れてました。

今日は40までということで、改めて申し話ありませんでした。

感想等ありがとうございます。

エロ、書くか確定したわけではないですが、歓迎していただいて恐縮です。


今日は所用で有休を取っているので、昼間書けるだけ書こうと思います。
夜帰ったらまた少しですが投下します。よろしければお付き合いください。

ていうか昨日気づいたんですが、何でスレタイが
京介「〜〜」
ではなく
高坂京介「〜〜」
にしたのか自分でも分からない。気づいたらものすごい違和感。

帰宅しました。遅くなって申し訳ありません。

ちょっとへとへとに疲れてますので今日はもう書かずに書き溜め文を消費してしまいます。
モッシュってやつはあんなに疲れるんですね……ついていくことが出来ませんでした。

では投下します。よろしければ、お付き合いください。



しばらくしてたら、また携帯が震えた。

「また黒猫か……?」

携帯を確認してみると、さっきとは別の未登録アドレスが表示されていた。

「何だ今度は沙織か?」



 『わたし麻奈実さん。今南大沢駅にいるの……』

おい。ここから最寄り駅じゃねぇか。まてまてまてまて!!!

ちょ、ちょ、ちょっと待とうか。
まず黒猫に続き麻奈実からもメリーさんメールが来たって事は、あいつら一緒にいるって事だよな?

単にあいつらの中でメリーさん風メールを送るのが流行ってて、たまたま俺のアドレスが知れ渡ったから一斉にいたずらが始まった、ってわけじゃないよな……?

ていうか新宿→南大沢って言ったら、完全に千葉からうちまで来るルートばっちりだ。
こりゃ本格的にメリーさんだぞ。


ばあさんしばらく連絡取らないうちに妖怪になっちまったか……。



そこから間髪いれずにまたメールが届いた。

今度は黒猫か、麻奈実か……



 『あたし加奈子!今南大沢のアウトレットだぜー!!』

……キャラが早くも崩壊しとる……。
いや、そして加奈子が出てきたせいで急激にこのメールのイタズラ感が大爆発だ。

あいつ、単にアウトレットに買い物行ってるだけだろ……。

まぁ、どちらにしても大学くらいは知られててもおかしくないだろう。
大学がばれてりゃ、一人暮らしの最寄り駅も予想がつく。
単に俺のアドレスをどっかから知ってイタズラしてるだけだ。

アホくさ。そうつぶやいて新しいタバコに火を付ける。

……いまさらあいつらが俺に会いに来るなんて想像、虫が良すぎるってもんだ。
あいつらが俺に会いに来る理由なんてないし、俺だって会いたくなんてない。


こんな風になってる俺を見せたくない。
そう思っている自分が何よりも不愉快だった。



タバコを2本吸ったくらいでまた携帯が震えた。

「なんだようっとうしい……」

思わず舌打ちをしてしまった。思った以上にイラついている理由が自分でも分からない。

「はいはい、今度は誰ですか……」



 『あたし秋美さん。今キミのアパート下のセブンにいるよー。』



…………は?

一気に血の気が引いた。タバコの灰がカーペットに落ちたことに気づくのに、数秒かかった。

秋美って、あの櫻井だよな……? そりゃ麻奈実と櫻井は面識あるけど、決して友達とかではなかったはずだ。
しかもアパートの下のセブンって、さっき俺が弁当買ってきたセブンじゃねぇか……!

おい、マジか。マジなのか、これ。なんなんだよいったい!



また携帯が震える。明らかにメールが来るまでの周期が短くなっている。

恐る恐る携帯を開く。


 『わたし闇猫さん。今アパートの階弾の前にいるの……』

なにクラスチェンジしてんだよ!普通にアパート侵入してんな!!
オートロックもないセキュリティゼロのアパートにしたことを今だけは心の底から後悔するぜ!


 『わたし麻奈美さん。2階まで着いたよ……』

怖い怖い怖い怖い!!!!

と、とにかく戸締りだ! 窓を閉めよう!
鍵もしっかり2つ掛ける!! カーテンも引いて閉め切ってしまえ!!!



 『かなかなちゃんだよ♪ 今3階だよっ♪』

おい急にキャラ変えるな! やめろアイドルモード! うっとうしい!!!!

 『秋美ちゃんだよー。お兄ちゃん今どんなパンツ履いてんの……?
                         あ、今4階ね。』

さくらいいいいいい!!!!! この状況で何言ってんだお前!!!!
……っておい。俺さっき帰ってきてから鍵閉めたか……?

ヤ、ヤバイ……なんか分からんがとてつもなくヤバイ気がする……!

季節はずれの汗をぬぐうこともなく、
右手のタバコを灰皿にねじ込んで、
慌てて玄関に駆け寄ったところで、

左手の携帯がまた震えた。


鍵を閉めろ。

鍵をとりあえず掛けろ。

頭ではそう命令しているのに。

手は俺の命令を無視して


携帯を



開く。







 『 私 あやせ さん。

   いま お兄さんの 後 ろ に い る の 』


「ぎにゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

どうも、お疲れ様です。
短いですが、切りがいいので今日はここまでです。

ぶっちゃけ>>57が書きたかったようなもんですが、このあとも気を抜かずがんばります。


関係ないですが、「ぎにゃあ」ってA先生が考えだした名悲鳴だと思います。

ではまた明日、お暇でしたら、お付き合いください。
ありがとうございました。



「ここかぁー!」

俺が恐怖で腰を抜かすのと同時にドアが開く。

「……やぁ、高坂。久しぶりだねぇ。
 ―――みんな!この部屋!!」

ドアから顔を出したのは殺しのラブリーエンジェルではなく、意外なことに櫻井だった。

「田村先輩、あっち!」

「わっ、るりちゃん、引っ張らないでっ」

「オラ京介でてこいやー!」

「ふふふ……お、に、い、さ、ん……」

 バン!!

扉が全開に開かれて、メリーさん全員の顔が見える。

櫻井秋美、俺の中学時代の友達で、引きこもり不登校児
来栖加奈子、桐乃の友達で、スーパーアイドルの卵
五更瑠璃、桐乃の裏親友で、俺の元彼女
田村麻奈実、俺の一番大切だった幼なじみ
新垣あやせ、桐乃表親友で、俺のラブリーエンジェル

みんな、俺に告白してくれて、
そして俺が振った女の子達だった。



目に入った情報が頭で処理できずに、そのまま手付かずで流れていく。

「うわっ、何この部屋、くっさ!」

「しかもきたないー。あたしの部屋よりやばいよー!」

加奈子が鼻をつまみ、櫻井の後ろに隠れた。
櫻井は加奈子と抱き合うように俺の部屋の悪口を言っている。

「全く……呆れた雄ね。1人では何もできないのかしら」

「お兄さん……覚悟はできていますね……ふふ」

黒猫は心底軽蔑するような眼差しでこちらを見ている。
あやせはなにか鞄をごそごそしながら光彩の無い眼で笑っている。シンプルにこわい。

「きょうちゃん。もう、めっ、だよ?」


そして麻奈実は……麻奈実は昔と何も変わらない様子で、俺のことを、叱りつけてくれた。



……これは夢か?

色々とおかしいことだらけだ。

まずこいつらがこんなに仲良いわけがない。そもそも、接点がほとんどないんだから。
仲が良い悪い以前の問題じゃねーか。特に櫻井とか何でここにいる?

そんでこいつらが俺のメアドと住所を知ってるのもおかしい。
メアドは、麻奈実がいるってことは赤城から聞き出したのか? でもあいつにも『誰にも言わないでくれ』って伝えたはずだ……。
住所にいたっては俺の両親しか知らねーはずだ。千葉県内ならまだしも、こんなトコロまで……。

……そして、何よりも、どんなことよりも俺が信じられないのは。
こいつらがあの頃とまるで変わらない様子で俺の前に現れたことだ。

俺はこいつらの気持ちに応えなかった。
とても受け入れられないような『気持ち悪い』理由で酷いことをした。

そんな俺に対して彼女たちが何も感じていないわけがない。怒りとか憎しみとか軽蔑とかそういう感情でいっぱいになっているはずなんだ。

……なのに、なんで、なんでこいつらは……



「おい京介! オメーどんだけタバコ吸ってんだ、部屋が煙だらけじゃねーか」

「と、とりあえず窓を開けましょう。けほ」

「ねぇ電気のスイッチどれー? ったく何で明かりつけてないのさ」

「きょうちゃん、ちょっと聞きたいんだけどね…」

みんなが色々言っていた気はするのだが、頭にはまるで入ってこなかった。

「……お兄さん。お兄さん!聞いていますか!!」

「お、おう…」

目の前でとてもカワイイ女の子が何やらぷんすかしているのにハッとして少し意識が戻ってきた。
いつの間にか5人は俺を通り過ぎて部屋に侵入していたようだ。頭が全然現実に付いていけてない。

「おうじゃないですよ。いつまでそんな所で座ってるんですか。ちょっとこっちへ来てください」

「お、おう……」

ただただ同じ言葉を繰り返し、あやせに言われるがままに部屋の中へ連れ込まれる。いや、俺の部屋なんだけどね?



部屋の入り口の所で立ち尽くしていると、連中も落ち着きなくそわそわと歩き回っていた。

「だめだねぇ、5人が座るところもないよ〜」

おばあちゃんがやれやれ顔で部屋を見回してひとこと。うっせぇ、男一人暮らしのアパートなんてみんなこんなもんだろ。

「こりゃいっちょあたしらで片付けようじゃないの!」

「さんせー! 加奈子こんなキタネー部屋座りたくねーよ!」

「とかいって加奈子片付ける気ないんでしょ?」

「ひひっ、そりゃねー。ってか秋美だっておんなじだろがよ。にひっ」

「そりゃああたしはもともと汚部屋の住人だしねぇー。にひひっ」

櫻井と加奈子はどうやら気が合うようだが……本当にいつの間に知り合って、いつの間に仲良くなってるんだよ……。



「……あなたたち、言い出したのだから責任を取りなさいよ」

「ダメですよ、加奈子、櫻井さん。ちゃんとしましょう」

まぁ、このメンバーだと自然に黒猫とあやせがまとめ役になるよな。しかし黒猫は成長したなぁ…。ちゃんと会話できとる……。

「なんだよあやせぇー! そーんなこわい顔してさぁ!」

「そうだよあやせたん! そーんな顔してたら大好きなお兄ちゃんにまた悲鳴上げられちゃうゾッ♪」

「……二人とも、ここのゴミと一緒に捨てられたいみたいね……うふふ……」

「……ま、まちなさい。あなたまた堕天しかけているわよ……と、止まりなさいって」

二人の命を刈り取るためにゆらゆら歩み寄ろうとするあやせを黒猫が後ろから抱きしめて必死に食い止める。
……そもそも見た目とか喋り方がアレなだけで、根っこの所ではあやせよりよっぽど黒猫のほうが常識人なんだよな。

「はぁーい、みんな。遊んでないで片付けちゃおうねー。みんなで早く片付けて、いっぱい大事なお話しなくちゃ」


ばあさんの掛け声の元、なんか知らん間に、俺の部屋の掃除が始まったらしい。

どうも、こんばんわ。

うとうとしながら投下してたら小一時間空白が出来たりしてしまいました。大変申し訳ありません。

推敲がまだですが8割くらいは書き終わっているので、おそらくは無事完結させられそうです。
皆様の感想や応援のおかげです。ありがとうございます。
エロは多分ないまま完結しそうです。
おまけ的に書こうかなとも考えていますが、人の褌で相撲を取ったあとそのまま褌[田島「チ○コ破裂するっ!」]ってどうなんだろう、って思わなくもないので、あくまで未定ということでご容赦ください。

では今日はこのあたりで。
お付き合い頂きありがとうございました。
よろしければ明日も同じくらいの時間に、お付き合いください。失礼しました。

あ、オナニーってNGなんですね。

sageとsagaって併用できるのかな……

死ねとか殺すがダメだったのは記憶にあったんですが、 オ ナ ニ ー は忘れていました。

では今度こそ失礼しました。おやすみなさい。



「かぁーっ、ったく、灰皿山盛りじゃねーか」

「高坂ぁー、キミまさかこれ一日で吸ったのかい? そりゃちょっといくらなんでも……」

「ていうかきょうちゃん。きょうちゃんまだ19歳だよね? たばこはまだだめだよ?」

「全く、本当に莫迦な先輩ね。臓腑を地獄の闇に支配されるがいいわ」

「ふふふ……お兄さん、に、おしおき……」

俺の部屋が着々と片付けられていくのを、部屋の入り口で三角座りで見守る俺。
最初は手伝おうとしたんだが、加奈子に

「どぉーせまたオメェそこらじゅうにエロいもん隠してんだろ? あたしが全部引っ張り出してやっからよ、大人しくそこでじっとしてな!」

と言われてしまい動けずにいた。
ちなみにそんなもん今はどこにもねぇぞ!!



ちゃかちゃかと部屋が片付けられてしまい、山ほどあったごみは今となってはベランダで山盛りのオブジェになっている。
買い置きのタバコも、灰皿も、冷蔵庫の発泡酒も、黒猫と麻奈実がぷんすかしながら全部処分してしまった。
タバコをパクろうとした加奈子はあやせに腕をねじ上げられて半泣きになっていて、それを見て櫻井が爆笑していた。

部屋の空気もすっかり入れ替えられて、俺が溜め込んでいた紫煙は全て冬空に解き放たれていった。
それを部屋の隅から眺めながら、今度こそ俺の部屋は空っぽになったんだな、とぼんやり考えた。

「ふぅ、やあっと片付いたね〜。みんなおつかれさま」

「相変わらず田村ちゃん掃除スキルはんぱねー! うちに嫁にこいやー!!」

「もう、ダメですよ櫻井さん。お部屋の掃除いっつもお姉さん任せじゃないですか」

「ノンノン、あやせちゃん! 『私の部屋の掃除』ってのはね、あたしらにとって大事な思い出なのだよ……」

「そんなこと云って自分が怠けているだけでしょう……あとその鬱陶しい遠い目をやめなさい」



「さて、じゃあ、きょうちゃん、そこへ座ってください」

「ん、おう」

さすがにもう頭もだいぶ状況に適応してきた。こいつらに確認しなくちゃならないことは山積みになっている。

「ていうかさ、お前ら。ちょっといいか。聞きたいことが山ほどある」

「うん、いいよ。そりゃびっくりしてるよね」

麻奈実がへらへらと笑っていることにまだ慣れない。
卒業式のときに別れて以来だから、あいつがこうして普通にしていることに違和感がある。


……だめだ、麻奈実の顔をまともに見れない。
他の奴も他の奴で問題はあるが、麻奈実だけはやっぱ別格だ。



とりあえず麻奈実から目を少し逸らすようにして、気になっていたことを聞いていく。何から聞くべきか……。

「あー、えとさ……お前ら、さっきのあのメール何?」

よし、ひとまずメリーさんメールだ。マジで怖かったんだからな。

「ククク……愚かなあなたに闇猫の新たな呪力の一端を魅せてあげたのよ」

「はっはっは! あれはこの秋美ちゃんが考えたのだよ!! どうだびびったか!!!!」

「いや、びびったって言うか……」

「最後のオチは加奈子が考えてやったんだぜ? オメーあやせなら死ぬほどびびるだろうと思ってよっ。にひひっ♪」

「わたしあんな悲鳴上げられるようなことお兄さんにしましたか……?」

なんでこいつ自覚ねぇんだよ……。



「ったく、趣味の悪いイタズラしやがって……」

「ううん、ただのいたずらじゃないんだよ?」

俺の非難めいた呟きを麻奈実が否定する。え、櫻井の嫌がらせじゃないの?

「いやさー、オメーのメアドと住んでるアパートまでは分かったんだけどよー」

「4階の何号室かが分からなかったのよ。だから、ああやってみっともない悲鳴を上げさせて、おびき出そうとしたというわけ。わかるかしら?」

「わっ、私は絶対うまくいかないって反対したんですよっ! なのにお兄さんはあっさり引っかかっちゃってー……うぅー……」

「キミは相変わらず主人公向きの単純熱血バカだよねぇ。もうチョロいチョロい♪」

うっせぇ、お前に言われたくはねぇよ!

……あと、俺は主人公なんかじゃねぇよ。



いちいち感傷に浸ってる場合でもない。さっさと話を進めないと時間がいくらあっても足りん。

「んで、何で俺のメアドとか家とか知ってんの?」

次はここだ。ここまでの自体はさすがに予想外だけど、誰にも会いたくないからわざわざあんなまねをしたのだ。そう簡単に見つけられては困る。

「……『必死に見つからないようにしてたのに、何で漏れているんだ』とでも思っていそうな顔ね」

んぎくぅっ!! あまりに図星過ぎて昭和のアニメみたいなリアクションをしてしまう。

「え、あ、いや、何を言ってるんだ黒猫。単に俺は携帯を壊しちゃってさ、だから「―――オニイサン?」 いえ、なんでもありません」

さっきからずっとあやせのスイッチが入ったりはいらなかったりでとても危うい会話が続いている気がする。切れかけの電球みたいだ。

「そうなんだよなー。てめぇマジで桐乃にも言わなかったし、親にも口止めしてやがっただろ? 桐乃がオメーの親に聞いたらシラ切られたとか言ってたぞ」

桐乃もやっぱ親父やお袋に聞いたんだな。二人ともちゃんと俺の意図を汲み取っていてくれてたみたいだ。そこは素直に感謝だ。



「うん、きょうちゃんならそうすると思ってたよ。だからね、赤城君に聞いてみたんだ」

「赤城!? あんのや―――」

「ううん、ちがうよ。赤城君に直接聞いたら知らない、って言われたの。でもね、きょうちゃんが赤城君に伝えないわけないって思ったから、

 赤城君の携帯を勝手に覗き見てアドレスを確認しちゃった」

「え、は、赤城の携帯を? お前が?」

「ううん、違う違うわたしじゃないよ。お願いしたの」

「まさか……」

「決まっているでしょう。赤城瀬奈、彼女に頼んだのよ」

あのクソホモ女が……。赤城が風呂かなんか入ってる間に勝手に携帯盗み見たんだな……ていうかロックぐらい掛けとけよ!! あのアホシスコン!!

「『携帯のロック番号が私の誕生日でちょっと引きました』と言っていたわ」

「あんのクソシスコンやろうが!!!!」

「キミどの面下げて言ってるんだい!!?」

ですよねー。

今日はここまでです。皆さんお疲れ様でした。

毎日更新の量が少なくて申し訳ありません。

今夜はきょう届いた俺ガイルのブルーレイ1巻を満喫しなければならないのです。


一向に見てくれる人が増えている様子がないのは、何が問題なのでしょうか。
もっと書き溜めて一気に更新したほうがいいのか、単純に面白くないのか……
何か助言等ありましたらよろしくお願いします。

ともかく書き溜めはもうすぐ終わりそうなので、気を抜かずがんばります。

引き続きよろしくお願いいたします。
また明日、お時間ございましたらお付き合いください。
ありがとうございました。

いやいや、日々めっちゃ楽しみにしてるってばよ

乙です

塞ぎ込んだ京介と言うのも面白いですがそれを櫻井が迎えに行くというのも「わぁお・・・」と思わされますね

続き楽しみにしております

応援している。

ROMってるだけぜよ

最初はどっかの小説みたいに、京介が救済(?)なく過ごしていくのが
淡々と綴られるのかと思ってたけど、びっくりしたよwww

乙ー
読者は結構いるんじゃないかな、独自色と情報の小出しは引きが強いし
ワタシキニナリマス!

増えないような印象を持ったなら、その一因は「桐乃まったく出さない宣言」じゃねーかと邪推
先に断っておいたのは書き手としてとてもフェアだと思ったけど

内容は面白いけど投下数の割に話の進みが遅いのも少なからず影響してるかも
黒猫たちが部屋に到着するまでや部屋の片付けが完了するまでをダラダラやってると感じて区切りがつくまでROMってる人間とかいるかもしれないし

皆さん、コメントありがとうございます。
応援やお褒めの言葉がこんなにもやる気につながるということに驚いております。


よそ様を見ているとどうもにぎわっている気がして、つい弱気になってしまいました。
結果的にレス乞食のような発言になってしまいました。
申し訳ありませんでした。


嬉しかったので調子にのって全員に返信を。

>>90
ありがとうございます。通勤の往復が計2時間もあるのでどうにか毎日ストックを増やせています。

>>91
それもやりたかったことのひとつです。というかあそこであやせが出てきたら本当のホラーかと。
そもそも原作での櫻井さんは仕方がないこととはいえ扱いが少なすぎると思います。

>>92
ありがとうございます。
その一言のためにがんばっているといっても過言ではありません。

>>93
あのまま京介が一人ぼっちですごしていたら、京介の名前を借りたただの私小説になってしまいますので。
逆にこんなハーレムを期待してたんじゃねぇ、とお考えになられていましたなら、期待はずれで申し訳ありません……。

>>94
桐乃出さない宣言は色々理由があるのですが、一番は桐乃が激戦区だと思ったからです。
俺妹SSは人気が高く種類も多いので、少しくらいニッチな方に行かなければ勝ち目がないと考えました。

>>95
進み、遅いですよね。少し自覚していました。人数が多すぎて自分でも若干コントロールできなくなってる感はありますので……
だらだらと意味のないことを書かないように注意していましたが、もう少し思い切ってスパッと切れるように心がけます。


痛々しい勘違い野郎にならないようにあまり本文以外の書き込みはしないように気をつけていましたが、ちょっと抑えきれずに書き込んでしまいました。
お見苦しいところをお見せしました。

では今度こそまた明日。

どうも、1です。

昨日ははしゃぎすぎたようです。今になってみると充分痛々しいですね。
お恥ずかしい限りです。

推敲前ですが、一応無事完結しました。
明日か明後日には最後まで投下できると思います。


それでは今日の分を投下いたします。

よろしければお付き合いください。
よろしくお願いいたします。



「はぁ……。んで、家は? 赤城も家まではしらんだろうよ」

「ハァ? そんなもん調べたに決まってんだろうよ」

「いやだから、どうやって―――」


「きょうちゃん。きょうちゃんは何か勘違いしてるみたいだけど」


加奈子の大雑把な説明に補足を求めようとして、麻奈実に阻まれた。

「今ここに来てる5人、この5人だけがきょうちゃんを探してたんじゃないんだよ?」

「そうよ、この私がひとたび封印されし左目を解き放てば、魔界の眷属総勢1万が瞬く間に先輩を……」

「あーあー、今師匠がしゃべってっからちょっと黙ってろクソネコ」

「くっ!く、そっ……!?」

あわあわしている黒猫を横目に見ながらも、意識は麻奈実から外せない。

「もういちいちきょうちゃんの質問に答えてられないから、ちゃんといちから説明するね」


今日一番の真剣な眼差し。
その眼差しで俺は現実に引き戻される。

ああ、くそ。やめてくれ。
そんなまっすぐに俺を見ないでくれ。

俺はお前に見てもらえるような人間じゃないんだ。
もともと大したものでもなかった上に、この一年ですっかり腐っちまった。


さっきまで自分の中で有耶無耶にしていたそのことを、嫌が応でも思い出してしまった。



麻奈実は俺の様子が変わったことに気づいたんだろうか、少しだけ視線を緩めてくれた。

「あのね、最初は桐乃ちゃんから連絡があったの。『京介のことを助けてください』って」

そうか、桐乃がそんなことを……。

「桐乃ちゃんが声を掛けたのは私達5人。きょうちゃんは、この5人って意味、分かるよね?」

当たり前だろ。この一年で相当なクズになった自覚はあるが、ここでしらばっくれるほどじゃねーよ。

「……ああ、ちゃんとわかってるよ」

『俺なんかに告白してくれた奴ら』と言いそうになったのを必死でこらえた。
それはこいつらに不快感を与えて、俺一人自己嫌悪のぬるま湯に浸る卑怯な言葉だ。

「ふむん……ならいいんだよ」

満足そう、というか、少し安心したような表情だった。
何に、かは、俺には分からない。
俺にはきっと一生分からないんだろう。



「桐乃ちゃんもきょうちゃんの様子がおかしいことにはすぐ気づいたみたいなの。でももう自分があれこれ世話しちゃいけない。でもほっとけない。って、すごい悩んだらしくて……」

結局桐乃に心配かけてるじゃねーか、ダメな兄貴だぜまったく……。

「そんなときにきょうちゃんが急に一人暮らしを始めて、しかもめーるも電話も繋がらなくなったから、このままじゃきょうちゃんがダメになっちゃうー、って思ったんだって」

桐乃は気づいてた上で、我慢して、俺をそっとしておいてくれたのか。
ありがとうな、桐乃。お前はやっぱり立派だよな。

……ん、あれ?

「ちょっと待ってくれ、それいつの話だ?」

俺が一人暮らしを始めてすぐに桐乃に相談されたんだろ?
今はもう冬だ、半年近くも空いてるじゃねえか。



「ん?去年の夏頃、かな? 去年の夏休みは毎日のように会ってたもんねえ」

なん……だと……!
おまえ、せっかくの大学1回の夏を無駄遣いしやがって!!
俺も人のことは言えないけどさあ!!

「そーそー、こいつらみーんなムキんなっちゃってよぉ、マジ必死ってカンジ?」

「な、何言ってるの加奈子! か、加奈子だってそんなこと言いながら毎日来てたじゃない!」

「そりゃオメーあたしは来るに決まってんじゃーん? ある意味あたしが?主役みたいなもんだし?」

「……その自信は一体どこから来るのかしら」

お前らもお前らだ……せっかく高校生になったのに、一体何をしてるんだ……。
ま何にせよ、半年間しょっちゅう顔を突き合わせてるうちに仲良くなったってことなんだな。
団結する理由もあるだろうし、そりゃ話題は尽きないだろう。


……女子会って、男の悪口が大半と聞いたんですが本当なんでしょうか……?



「それでね、きょうちゃんのめーるあどれすはすぐにわかったんだけど、家まではなかなかわからなくて……」

「メールだけでもした方がいいんじゃないかしら、って話も出たのよ。少なくとも私はそう言ったのだけれど……」

「突然高坂ん家行ってビビらせてあげようと思ったのさ! しっかしまさか家見つけるまでこんなにかかるとはねー」

やっぱり分からない。いい加減ネタばらししてくれないか?
表情に出ていたのか、黒猫がため息をひとつ吐いて答えた。

「はぁ、相変わらず察しの悪い先輩ね。本当にただ『探した』のよ。この辺りを。徹底的に。虱潰しに」

探したって、お前、まさか……



「大学はさすがに隠しようがないっしょ? 高坂ならどうせ大学のすぐ近くに住むと思ってね。あとはごり押しよ!!」

「一件一件表札を見て、街の人に聞いて、大学生に聞き込みして、お兄さんを探したんですよ……ふふ、ふふふ……」

「だからあなた最近すぐ堕天すると言っているでしょう……お、落ち着きなさい……」

「もちろんこれはわたしたちだけじゃないよ。事情を話したら、みんな忙しい合間を縫ってきてくれたの」

「みんなって……?」

「みんなは、みんなだよ。きょうちゃんのことを大切に思ってる人、みんな」

「お、おいおいなんだよそれ、俺なんかにそんな……」



「『俺なんか』? きょうちゃん、まだそんなこと言ってるの?」

麻奈実がニコニコ笑いながらこっちを見ている。
やばい、一番怒ってるときの顔だ。



麻奈実の視線の圧力に押されていると、あやせが助け舟を出してくれた。

「お兄さん、わたしたちはそもそも手伝いを頼んでなんかいないんですよ?」

は? 何言ってんだ、お前らさっき―――

「そーそ、あたしらはただお前の居場所を知らないかって聞いて回っただけなんだけどよー」

「ただ『高坂京介が行方をくらませた』という事実だけで、たくさんの人が集まってくれたのよ」

「みんなみんな君の事心配して、すぐに駆けつけてくれたんだよ。まったく、キミはかっこいいね」

……なんだよ、それ。それじゃあまるで、まるで、みんなが俺のために―――
ダメだ、やめろ、それ以上考えちゃダメだ。勘違いすんな。お前はそんな人間じゃない。



「そこから先はみんなで少しずつ少しずつ担当を作ってマンションの表札を調べて行ったり、コンビニに聞き込んだりして、半年かけてようやく、下のコンビニの店員さんにたどり着いたの」

「店員さんはたまたまきょうちゃんが4階に住んでるって知ってたから、あとはさっき言ったあやせちゃん作戦で行こう、って決めたんだよ」

「いや、おかしいって。なんで、なんで俺のために……半年もそんな、桐乃のことでもなくて、俺なんかの、俺みたいな奴のために…」

期待と不安と自己嫌悪とうぬぼれとが腹ん中でぐるぐる回って気分が悪い。気持ちが纏まらなくて、うまく言葉にならない。感情だけが走り抜ける。

「違うってお前ら、そんな、桐乃に言われたからってそこまでしなくていいんだって。俺なんか忘れちまえよ、俺のことなんか最初からいなかったものとしてさ、だから―――」

「いい加減にしなさい」

ぐちゃぐちゃと喋る俺を黙らせる強い声が響いた。声の発信源はうつむいて歯を食いしばってる黒猫だった。



「いや、黒猫、いい加減も何も、そもそも俺が本当にどうにかなっても、何を気にすることがあるんだよ。な、いいんだってお前らは」

「何がいいのよ。あなたに何かあってそれで私たちにとって何がいいと言うのよ」

「だからさ、黒猫は、もうすぐ受験だし、他のみんなは進学したばっかじゃねーか。俺のことなんかいいからさ、新しい場所で新しい友だちをだな……」

「……どうして、どうしてそんなことを言うの……ぐすっ……あんなに楽しかったじゃないの。4人で遊んでたあの頃は、あんなに毎日が楽しかったじゃないの!!」

黒猫の涙声で自分の中の堰が切れた。あふれ出す感情が止められない。この1年間煙に巻いてごまかしてきた気持ちがいっぺんにあふれ出す。

「だ、だから!それは桐乃がいたからなんだよ!俺のことはもういいんだ! 俺だって楽しかった!! 桐乃の人生相談から始まって、高校を卒業するまでの一年半! 無茶苦茶楽しかったんだよ!!幸せだったんだよ!!」

「じゃあなぜその頃を否定するの!」

何で泣いてんだよ、おまえ!!
何で……なんでそんな必死なんだよ!!!



「否定なんかしてねぇ!俺の人生のピークなんだよあの頃は! 俺は、俺はもうあんな場所には二度と立てない。二度と立つ資格なんてない!! だったらもう中途半端に関わらないほうがいい!」

「なぜそんなことを決め付けるの!! 私たちから逃げてあなたは何を得られるの!!」

「何も得られなくても良い!! これ以上失いたくないだけだ!!!
 ……俺は今のままだって平気だ、今の腐ったままでもあの頃の最高の思い出があるから、それでもう十分なんだ! だからもうこれ以上汚したくないんだ! だから!!
 ……だからっ………………」

肺の空気をお互いに全て吐ききって、部屋には俺の呼吸音と、黒猫の泣き声だけが響いていた。
そのせいで、麻奈実の大声でもない次の一言が、胸に深く突き刺さった。

「―――だったら、何でそんなに苦しそうなの?」

苦しくなんか―――その一言が、出なかった。

「……きょうちゃん、わたしはきょうちゃんがそう考えてるんだろうなって分かってたよ」

全て見透かしたような、母親のような、麻奈実の優しい優しい声。
昔から知ってる、麻奈実の優しい声。
大好きだった、麻奈実の声。


「だから、わからずやのきょうちゃんには、ちょっとこれを見てもらおうかな」

お疲れ様です、1です。

いつもよりは少し多めに投下できたかと思います。
お楽しみいただけましたでしょうか。

明日は夜は不在ですので、昼頃か真夜中に投下して、ひとまず完結を目論んでおります。


だらだらとお待たせして申し訳ありません。
それでは今夜もありがとうございました。
また明日、よろしくお願いいたします。

乙ー
聞き込みするより大学で出待ちすれば早かったんじゃ……

おはようございます、1です。

>>114,116,117
京介があまり熱心に学校に行ってなかったというのと、
大学で講義のある平日は高校生チームにも学校があったりしますので、
麻奈実が一人で待ち伏せをしてもあまり発揮しなかった、
ということでここはひとつ穏便に……(ぶっちゃけ盲点でした)

では朝からですが投下します。
ようやく完結しましたので一気に行こうかと思います。

よろしければお付き合いください。よろしくお願いいたします。



麻奈実がそう言うと、泣きながらうつむいていた黒猫がすっとスマホの画面をこちらに向けた。

『あー、あー、お、これもう撮ってんのか?』
『ほら三浦さん、ちゃんとしてくださいって!』

……画面の中には俺が一年間だけ所属したゲー研の元部長である三浦と、現部長の真壁くんと、赤城の妹の瀬菜が映っていた。あいつら、一体……?

『じゃ、ここは現ゲー研部長の真壁からだな!』

『なんで僕なんですか!』

『ほらもう二人はすぐいちゃつくんですからァ……あたし嫉妬しちゃう〜♪』

『あの、早くしてもらえるかしら……?』

『ああっ、すみません五更さん。え、えーと、お久しぶりです、高坂先輩。真壁です。お元気でしたか?
 詳しい事情を僕らは聞いていないのですが、えと、とにかく、卒業してから一度も会っていないので少し寂しいです。よかったら今度またみんなで集まりましょう。三浦さんなんか卒業してからもしょっちゅう……って、赤城さん!? どうしたの鼻血出して!!?』

『い、いいえ……お、お気になさらずに……ぐへ、ぐへへへ……』

『あなたも大変なのと付き合っているのね……』

『自覚はあります……。ほら、次赤城さんの番だよ?』

『く、くぅっ、これくらいでやられる私じゃないんですよ……!』



『ごほん! えー、高坂せんぱい、お久しぶりです。元気ですか? 大学生活はうまくいってますか? 彼氏はもう出来ましたか? お兄ちゃんともたまには遊んであげないと、寂しがっちゃいますよ? いろんな男と遊ぶのもいいけど、最後はお兄ちゃんのところに戻って来ないと……あっ、でも嫉妬に狂ったお兄ちゃんに監禁されるせんぱいもそれはそれでぐふふふふふふふふふ!』

『も、もう、いいわ。赤城さん、お願いだから黙ってちょうだい』

『えーっ、まだまだいくらでも語れるんですよー!』

『瀬菜、そろそろ黙ろうか』

『やァん、真壁せんぱい♪ なんかBLゲーのドSショタキャラみたい! すてきっ!!』

『(´・ω・`)…………』

『あー、もういいか。最後は俺だな。
 よぅ兄弟!調子はどうだ? こっちはこんな感じでうまくやってるぜ。今日は来れなかったが、他の部員もなんだかんだお前のことは気になってたみたいでよ、真壁の言うとおりまた暇なときにでも遊びに行ってやれや。』

『……聞いたところによると、なんかあったらしいじゃねぇか。まぁ男にゃあいろいろあるってやつだ。そんなこともあるだろうよ。だけどよ、そんな時はこの俺を思い出してくれ! こんなダメ人間でも、俺は毎日楽しくやってるぜ!
 ……つうこったからよ、まぁなんだ。また飲みにでも行こうじゃねーか! またな!!』

その一言で動画が終わった。
あいつら、元気みたいだな……瀬菜は相変わらずだから、真壁くんも大変だなぁ。部長、じゃねえな三浦も全然変わってねぇ。
はは、なんかすげー懐かしい……。



「お兄さん、まだありますよ」

そう言うとあやせもスマホの画面を向けてきた。

『おにいちゃーん!』

『高坂くん!見てるかー!!』

『たまきです!』

『日向でーす!!』

ワーワー キャーキャー

『はいっ、じゃあ珠希ちゃんからどうぞ』

『はいです、あやせねえさま!
 えと、おにいちゃん、おげんきですか。たまきはげんきです。今日はひなたおねえちゃんとるりねえさまと、あやせねえさまとおでかけです。とってもたのしいので、こんどはおにいちゃんともいっしょにあそびに行きたいですっ』

『はい珠希ちゃん、よく言えましたねー。よしよしよしよし。じゃあ、次、日向ちゃん!』



『はーいっ! 高坂くん、久しぶりだね!!元気してる?
 いやー、こうしてるとあの時のことを思い出すねー。高坂くんが一人暮らしの部屋にこっそりアヤ姉を連れ込んで"先にシャワー浴びとけよ"ってやってた事件―――』

『ちょ、ちょっと日向ちゃん!! あの時のはそういうことじゃないって!』

『そういえば、そんなことも、あったわねぇ……?』

『く、黒猫さぁん……違うんですってばぁ……』

『うふふ、高坂くんモテモテだねぇ。ま、とにかくこの二人をあんま困らせたらダメだぜ?
 ……あとキリ姉も、あんまり困らせんなよな?
 ……とばっちりであたしらへのセクハラが悪化すんだからさ……』

『あの獣は……』
『キリノ……』

今度は黒猫の妹二人だった。しかし、二人とも大きくなったなぁ……一年たつと大きくなるのもあっという間なんだな……。

「安心なさい、性欲に溺れたあなたの妹はあのあと私とあやせでキツい灸を据えておいたわ」

「徹底的に叱っておきましたから、お兄さんは安心してくださいねっ!!」

この二人が仲良くなったことは桐乃にとって良いことなのか悪いことなのか、微妙な感じだった。



「おら、まだあるぜ!」

『こんにちは、マネージャーさん。ブリジットです、お久しぶりです。かなかなちゃんからお話を聞いて、私も来ちゃいました。えとっ、かなかなちゃんも寂しがってるので、また私たちのマネージャーさんになってください。よろしくお願いします。ぺこりっ』

『へ、変なこと言ってんじゃねーよこのタコ! オラ!次、さっさと喋れロリコン!!』

『いたっ、け、蹴らないでよ……。やあ、京介くん。御鏡です。新垣さんに事情を聞いて、いてもたってもいられなくて駆けつけました』

『えと、念のため言わせてもらうと、ブリジットさんと一緒にいるのはたまたまです。本当にたまたまなんです。たまたまなのに新垣さんもかなかなさんも凄い顔で僕のことを睨んでくるので困ってます。京介くんからなんとか言っといてくれないかな? あっ、ごめんなさい、防犯ブザーはやめてください。余計なこと言いませんから』

『ていうか、君アドレスと番号変えたのに教えてくれてないよね!! ひどいよ、友だちじゃないの僕ら!!』



『……ま、とにかく、また君はなにか悩みを抱えてるみたいだね。君は人に頼るのを嫌うことは知ってるけど、頼られる喜びも知ってるはずだよ。
 僕は君と出会えてよかったと思ってるし、これからだって仲良くしたい。だから、いつでも頼ってくれ。僕から言えるのはそれだけさ。じゃあ、またね』

『はい、オッケーです』

『じゃあ光輝おにいさん、行きましょう!』

『あっ、ちょっと引っ張らないでブリジットさん!』

『なァに手ェ繋いでんだこのクソロリコンがァー!!!』

『通報しました』

『ブビ――――――ッ!!』

ははっ、御鏡の奴、なんだかんだでブリジットに気に入られてやがる。あいつも元気そうでよかったぜ。
……また、連絡しねぇとな……。

「ったく、たまたま手伝いに来た日が被るなんてよぉ、あのロリコンは……」

「安心してください、お兄さん。あの女装ロリコンはきちんと懲らしめておきましたから♪」

あやせさんさっきから誰かを懲らしめてばっかりじゃないすか……。

「はい次あたしー! 赤城君、高坂の親友? なんだよね?」



次は櫻井が首をかしげながらスマホを向けてきた。

『よう、高坂。久しぶりだな』

『いやーわりぃ、俺のうっかりで番号漏らしちまってよ。まぁ多分覗き見なんかされなくも、瀬菜ちゃんに「お兄ちゃん携帯見せてっ♪」って言われたら言われるがままだったから、どっちにしても一緒だな。ハハッ。』

『えと、あとよ、もうひとつ謝っておくぜ。実はさ、お前がなんかおかしくなったのは気づいてたんだけどよ………………俺はやっぱなんも言えねーよ』

『お前とは3年間同じクラスでつるんでて、割と仲良かったけどよ、やっぱお前の悩みは俺にはわかんねぇ。お前がそんなに苦しんでる理由がわかんねぇ。お前がどれだけいい奴かは俺は知ってるつもりだから、お前が悩んで苦しんでるのが納得いかねぇんだよ! 理屈じゃなくてよ! なんか気に入らねぇんだ!!』



『……あー、クソ、なんか何言いてぇのかわかんなくなってきたぜ。んー、ま、とにかくよ、またそのうち俺も会いに行くよ。どんだけお前がかくれんぼしても、こんだけの人数で探してんだぜ? あきらめて見つかっとけや。そしたら俺も久しぶりにあの御鏡でも連れてよ、お前んち遊びに行くわ。……じゃ、またな』

ああ、くそ。あいつ、こんなときに真面目なセリフ吐きやがって……。

「そしてこれがこのビデオレターを見た赤城君の妹の反応」

『んはっ!! ……あかん……これは、[ピーーー]る……!……萌え[ピーーー]る……ッ!!んぐふ、ぐふふ、ぐはぁ……!!』

なぜ見せた。なぜ撮った。なぜ俺に見せた。

「なんかこの妹ちゃんって見覚えあるんだけどなぁ……どっかで会ったかな……」

すいません、saga入れ忘れていました。

***************************************


『……あー、クソ、なんか何言いてぇのかわかんなくなってきたぜ。んー、ま、とにかくよ、またそのうち俺も会いに行くよ。どんだけお前がかくれんぼしても、こんだけの人数で探してんだぜ? あきらめて見つかっとけや。そしたら俺も久しぶりにあの御鏡でも連れてよ、お前んち遊びに行くわ。……じゃ、またな』

ああ、くそ。あいつ、こんなときに真面目なセリフ吐きやがって……。

「そしてこれがこのビデオレターを見た赤城君の妹の反応」

『んはっ!! ……あかん……これは、死ねる……!……萌え死ねる……ッ!!んぐふ、ぐふふ、ぐはぁ……!!』

なぜ見せた。なぜ撮った。なぜ俺に見せた。

「なんかこの妹ちゃんって見覚えあるんだけどなぁ……どっかで会ったかな……」



「……じゃあ、最後に、これ」

黒猫がもう一度スマホを向けてくる。

『えー、ごほん。京介氏、お久しぶりでござる』

画面の中には、ぐるぐる眼鏡にイブニングドレスのちぐはぐお嬢様が映っていた。

『お元気ですかな? 大学で何かサークルには入られましたかな? このサークルクラッシャー殿は?』

『いやー、まさか女性3人のうち2人に手を出して姿を消すとは、その名に恥じぬクラッシャーぶりでござるな? 手を出されなかった方の身にもなるでござる!!』

『ふふっ、まぁそれは冗談でござるよ。にん♪ ……京介氏、拙者は今そちらに行っていないことを少々悔しく思っております。ただ同時に、拙者にはその場にいる資格などないことも理解しているでござる』

『拙者も京介氏のことが大好きだったでござるが、それは他の皆様のそれとは……少々違ったものだったのです』

そう言うと沙織はぐるぐる眼鏡をそっと外し、バジーナの仮面を外して喋りだした。



『京介さん、私にとってあなたは憧れでした。きりりんさんのことや、黒猫さんのことや、色んなことを次々に解決していくあなたはとても素敵でした』

『なんの変哲もない、特別でも何でもない京介さんが、悩んだり苦しんだり傷ついたりしながらも、決して諦めることなく、何度倒れても立ち上がる姿にどれだけ胸を打たれたでしょうか』

『だから私はあなたに憧れたのです。あなたを尊敬したのです。私はあなたの隣に立つことよりも、あなたと同じ高さに立てる人間になりたいのです。』

『京介さん、高坂京介さん。私は、あなたのことを誇りに思います。あなたと出会えた全てに感謝します。あなたのおかげで、私の人生も変わりました。ありがとうございます……ありがとうございます……ぐすっ……』

沙織は、最後には両眼からボロボロと涙を流しながら画面の向こうの俺に訴えていた。
……やめろよ、やめてくれ。お前がそんなふうに言うほどの男じゃないんだ。お前のほうがよっぽど立派じゃないか。何言ってんだよ、何を……。

「動画は撮れなかったけど、他にも来てくれた人はいっぱいいたんだよ。クラスの皆だったり、フェイトさんとか香織さんとか私の知らない人もいっぱい、数え切れないくらい。……それできょうちゃん、どう思った?」

どうって、そんな、俺には何がなんだか……。

「わかんねぇよ……なんで、なんでみんなそんな……」

わかんねぇ……全然わかんねぇ……もうやめてくれ、放っといてくれ……今更あの時のことを思い出させないでくれる……。

「ねぇ、きょうちゃん…………どうして泣いているの?」

何言って―――
そこで初めて、自分の頬を伝って落ちる大量の涙に気がついた。



「えっ、お、俺、泣いて……!」

「やっぱり、気がついてなかったみたいだね。きょうちゃんは、自分のことはいつも気が付かないよね。途中からずっと泣いてたよ?」

そんな、うそだ。だって、俺には泣く理由も資格も……!

「きょうちゃん、いいよ泣いても。辛かったんだよね。苦しかったんだよね。誰にも頼れなかったんだよね」

麻奈実がそっと抱きしめてくれた。昔のように、優しく。

「きょうちゃんがどれだけダメになっても、ひどいことしても、わたしは……ううん、わたしたちはずっときょうちゃんの味方だよ」

気がつくと全員に囲まれていた。頭を撫でられて、抱きしめられて、手を握られて……

「……あっ……うあっ、あ、あっ、うわああああああああああああああっっ!!!」

俺は一年ぶりに涙を流した。



どれだけ泣いていたのか自分でもわからない。

この一年間の事も、心のうちも、全て打ち明けた。

俺がどれだけバカなことを考えていたのかも、

俺がどれだけ小さくてダメな人間だったかも

全て洗いざらい打ち明けた。


声は枯れたのに涙はいつまでも枯れなかった。




ただ、みんなのぬくもりが、嬉しかった。



「この度は、真に申し訳ありませんでした……」

たっぷり泣いて、泣きわめいて、思っていたことを全部吐き出して、そのすべてを受け止めてもらって、その結果俺は……

「ったく手間かけさせやがってよー!このタコ!」
「そうだそうだ! 高坂のバーカ! バーーカ! ヴァーーーカッ!!!」
「ふふ……うふふふふ………オシオキ……えへへっ……」

土下座で謝罪していた。加奈子にはその小さい足でぐいっと頭を踏んづけられていて、櫻井は耳元でバカバカうるさい。うぜぇ……。

……あとあやせさん、さっきから首の後ろにぴたぴた冷たいものがあたってるんですけどなんですかそれ……。

「まったく、本当に底なしの莫迦ね。その踏みつけられてる頭の中は空っぽなのね、きっと。櫻井先輩が耳元で叫んでも空洞の頭の中で響くだけでなのでしょう。まるで始末に負えないわ。どれだけ手間をかけさせれば気が済むのかしら」

く、黒猫め……いや、今の俺は何も言い返せる立場にない。ぐぬぬ。

「……愚かな愚かな先輩にあなたがなぜこんな状態になったのか教えてあげましょうか?」

へっ? なにそれ、どういうこと……?



「先輩が病んでいったのは去年の春頃からだったのでしょう? その頃に何があったのかしら?」

「その頃にって……」

えと、大学入ったり、なんだりで色々あったけど……?

「決まってるじゃないの。桐乃と別れたことよ」

「いや、お前それは……」

だって別れるって元々決めてたんだし、大体そりゃ3月の話で……

「元々別れると決めていても、いざ別れた直後は実感できなくても、だんだんと精神的に来ることはあるでしょう? ましてあなたは別れた相手とその後も暮らしていたのよ? 辛くなって当然よ」

そこで一息つくと、黒猫は顔に心底馬鹿にしたような笑みを貼り付けてこう言った。



「つまりあなたは、単に女に振られたショックで一年間病みつづけていただけなのよ」



…………。

……………………。

………………………………………。

な、なんだってー!!!?

え、だって、いや、そりゃ一言で行っちまえばそうかも知んないけどさぁ!
そんなさらっとあっけなく言っちまうと、俺のこの一年の葛藤と独白は一体……。


―――地面でもがく羽虫に、自分を重ねていた(笑)

―――俺の存在が枷になっちゃいけないんだ(笑)

―――空っぽな部屋はタバコの煙で満たされた(笑)


はっ、は、は、恥ずかしいいいいいいっ!!!!

わー! わー、死にたい!! 恥ずかしさで死んでしまいたい!!!
いたたたたたた!!! 痛い! 黒猫のことを今後一切笑えなくなるくらい痛い!!!

……はっ! こ、こいつらみんな俺を見てニヤニヤしてやがる!!
まるで俺が今何を考えているか見透かしたかのように!!!
んぎゃああああああああああああああああ!!!!!
やめてー!! みないでぇー!!! らめええええええ!!!


「ふん、せいぜいもがき苦しむがいいわ」



「さて、それじゃあ本題に入らないとね」

「本題、って?」

しばらく悶絶したあと、恥ずかし地獄から命からがら抜け出したタイミングで、麻奈実が気になることを言った。

「うん、今日はこのために来たんだから……」

「このためにって……」

その、俺を助けに……自分で言ってて恥ずかしいなクソ!……来たんじゃないのか?

「きょうちゃん、今日はね」

気づけば他のみんなも俺の方にまっすぐ視線を向けていた。

「もう一度きょうちゃんに告白しに来ました」


……はい?



「えっと……お前が?」

「ううん、『わたしたち』が」

「……5人とも?」

「うん、5人とも」

「マジすか……」

「まじだよ〜」

とってもとっても気まずいことになってきた……

「あっ、いや、あのさ」

「黙りなさい。もうあなたには何も言わせないわ」

「もう桐乃を口実にはさせねーぜ?」

「3度目の正直っ!!」

「お兄さん、逃がしませんよ?」

なんてこった……俺の天使と幼馴染と元カノと妹の友達と引きこもりが修羅場すぎる!!



「そもそもきょうちゃんが悪いんだよ?桐乃ちゃんと付き合うのが期間限定なら最初からそう言えばよかったのに」

「そうですよ! だったらわたしたちも納得して卒業まで待ったんですから! ……そりゃちょっとはもやもやすると思いますけどっ」

「そうしてたならあなたの周りから人がいなくなることはなかったでしょうし、結果的にこんなふうに腐ってしまうこともなかったでしょうね」

いやでも、それはいくらなんでも不誠実っていうかさぁ!

「どーせオメェはクソつまんねえクソ真面目なことクソみたいな頭で考えてたんだろうけどよ! んなもんどーでもイイんだよ、ノリだよノリ!」

「わざわざ全員律儀にフっていくことないでしょ! ったく、こういう時にキープの一つもできないようじゃ、君もまだまだお子様だね。ひひっ」

「きょうちゃん、年貢の納め時、だよ?」

なんだよお前ら……そんな寄ってくんなよ……。
座ったままケツで後ろにじりじりと下がると、その分みんなも前へ出る。



「京介ぇ、そんな逃げるなよぉ……。アタシだってー、初めて好きになった相手にー、そんな風に避けられるとー、ちょぉっとキズついちゃうなぁ……」

うっせぇぞ加奈子、急にそんなにしおらしくしやがって……。

「ほら見て、先輩。『新約・"運命の記述"(ディスティニーレコード)』……この預言書に逆らうことは人の身では不可能よ。一緒に運命の渦に飲み込まれましょう……」

この邪気眼電波女め……一回別れてめんどくささが確実にパワーアップしてやがる……!

「高坂。キミが素敵なおぱんつであたしを外の世界に連れ出したんだよ? せ・き・に・ん、とってよねっ?」

おい櫻井! ややこしい言い方するんじゃねぇ!! おぱんつのことはもう時効にしてくれよ……。

「お兄さん、どうしてセクハラしてくれないんですか? わたしのことなんかもうどうでも良いんですか? そんなお兄さんなんか……オニイサンナンカ……」

あ、あの、あやせさん……? 何ゆえあなたは僕からのセクハラを求めているんですか……どういう性癖なんですか……?

「きょうちゃん……んっ……10年以上待ったんだよ。でももうだめぇ、待ちきれないよ。我慢できないのぉ……」

麻奈実……お前がそんな顔してそんなこと言うなんて……お前、おばあちゃんじゃなかったのかよ……!



どんどん包囲網が狭まっていく……。やばい、とりあえず、逃げないとやばそうな感じが……。さっきのメリーさんの時と同じ気配を感じる……。

頭ではそう考えているものの、逃げ道を塞がれて着々と後ろに追い詰められていく……。

トンッ。

背中が、壁とぶつかった。やばっ―――!

「ヒャッハー!」
「すっきありー!」

その一瞬で両腕を櫻井と加奈子には掴み取られてしまった。

「今よっ」
「えいーっ!」

それに気を取られた俺の隙をついて、左右の膝の上に黒猫と麻奈実がまたがる

尻餅をついたまま両腕は絡めとられ、脚の上にも一人ずつ乗っかってて、後ろは壁。
そして正面には―――

 ―――ガチャガチャガチャガチャチャガガチャガチャガチャガチャガチャチャガガチャ

鞄から夥しい数の手錠を取り出したあやせがいた。



「さ、お兄さん……わたしたちとアソビマショウ?」

「ぎにゃあああああああああああああああああああ!!!!!」



 ―――こうやって、俺のバッドエンドは終わり、第2部が始まった。

 結局そのあとどうなったかって?
 あんま言いたくないんだけどさ……


 結論から言うと、

 『妹と恋人になったダメ男』から、

 『5股ハーレムのクズ野郎』にクラスチェンジしただけだ。


 ……まったく、救えねぇ大馬鹿野郎だよな、俺ってやつは。


 エロゲーじゃねえんだぞちくしょう!!!

どうも、1です。

とりあえずここで完結です。
長々とだらだら書いてしまいご迷惑をおかけしたかと思います。
大変申し訳ありませんでした。

ハーレム好きなのでハーレムエンドにしました。
ハーレムラノベは全部ハーレムエンドになればいいと考えています。
はがないもISもアリアも俺修羅もおにあいもバカテスもニャル子も禁書も
ハーレムエンドになる余地はまだあると信じています。


このあとは時間が空いたら、程度で番外編をいくつか書こうかと考えております。
主に「京介の部屋に来ていちゃいちゃしていくハーレムの皆さん」を書く予定です。
そういうものがお嫌いな方はご注意ください。
俺ガイルで思いついたネタがあるので、そちらでもスレを立てて、並行でやることになると思いますが。

ではひとまずここで一区切りです。
ご覧いただいて本当にありがとうございました。
失礼いたします。

1です。
皆さんお褒めのお言葉ありがとうございます。
いま番外編も少し書き始めたところです。
時系列も、順番もばらばらですし、一つ一つのボリュームも減らしますので(数レス程度の短編)、
そのつもりでご覧になっていただくと幸いです。

数日中に一つ目(あやせ編)は投下いたしますので、その際はまたよろしくお願いいたします。


で、もうひとつスレ立ていたしましたので、よろしければそちらのほうもご覧くださいませ。
俺の青春ラブコメはやはり間違っている、のショートショートです。

『雪ノ下「だめのん?」』
雪ノ下「だめのん?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1372520881/)

です。お題募集しておりますので、ぜひともお越しください。

では改めましてありがとうございました。
失礼いたします。

『あやせ×おしおき』


すりすりすりすり、すりすりすりすり……

「えへへっ、おにいさーん……」

「あっ、あやせさん、ちょっとどいてくれないかな……?」

「だめですよ、お兄さん。これはおしおきなんです。お兄さんには拒否権はないんですよー。えへへへへ。すりすりすりすり……」

どうも、高坂京介です。皆さんお元気ですか?

年も明けてまだ冬休みのある日、俺は自分の部屋であやせに「おしおき」されていた。



あのメリーさん事件(命名、俺)のあと、結局あやせに全身ガッチャガチャに拘束されて、決死の懇願で決定的な行為(チーズと同じ名前のあれです)は勘弁してもらい、とにかく5人と恋人になる、という言質を取らされた。

5人は元々どうせ俺が誰か一人を選べるわけがないと踏んでいたようで、折衷案として事前にハーレムルートにすると打ち合わせしてたらしい。なんと強靭なメンタル……。

俺は何度も何度もそれで良いのかと確認したが、5人の意志は硬かった。脅され、詰られ、誘惑され、説教され、ありとあらゆる方法で説得された結果、俺も受け入れてしまった。俺、弱いなぁ……。



その晩はそれでも酷いもんだった。……あ、あまり具体的に思い出すのはちょっとまだ怖いというか、若干トラウマ気味になっているので、あれなんだが、簡潔に言うと―――

 ひん剥かれたりー
 見られたりー
 見せつけられたりー
 抱きしめられたりー
 囁かれたりー
 撫で回されたりー
 吸われたりー
 舐め回されたりー
 ねぶられたりー

……とにかく思いつくありとあらゆる辱めと愛撫と奉仕を5人から同時に受けた。
あたしもうお嫁いけないっ!!

んで、翌朝ひとしきり満足した5人から
「最後までするのは誰からがいいか決められる? 無理だよね? もうこっちで勝手に決めておいたから」
とひどくバカにした風に言われ、その翌日から向こうが決めた順番でつつがなくコトを致してしまった。

ほんっとに最低だ俺……5日連続で違う女の子と寝るとか……最低すぎて言葉も出ない……。



ともあれ今日は「あやせ2回目」の日だった。ちなみに2回目以降は早い者勝ちの争奪戦、というか複数人が来たらえこひいきせずに可愛がってあげてね、とのこと。この間まで童貞だったのにハードルたけぇよ……。

そういえば1回目のあやせはそれはもう凄かったぜ……余計なことを言うとまたあやせにとっちめられるから言わないけど、「こいつこんなに俺のこと好きなのか」と調子に乗るくらいには凄かった。
それはもう目のハイライト消えっぱなし、よだれ垂らしっぱなし、手錠ガチャガチャしっぱなしの、ヤンデレルートまっしぐらの愛されっぷりだった。

うーん、愛が重い……。



そして、今日のあやせは前回のヤン子さんとはうって変わって、デレデレ甘えたモードで、あやせの言う「おしおき」を食らい続けていた。



「うへへ……えへへ……おにいさーん……」

すりすりすりすり……

「ちょ、ちょっとくすぐったいって、マジで」

「おにいさん、おしおきなんです〜♪」

すーりすりすりすり……

「お兄さんいいにおい……すんすん……くんかくんか」

あ、あやせさん、くすぐったい……あとちょっとさすがに重いです……

「オニイサン、今何考えましたか…………?」

「イイエナニモ……」

やだよー、こわいよー。でもかわいいよー。


……あやせの言うおしおきとは「のしかかってギュッとして首元にすりすり」なのだ。うーん、黒猫よりねこっぽい……。いや、黒猫も似たようなもんか。あー、えっと、黒猫の話はまた今度ってことで。

そんなこんなであやせを部屋に招いてから小一時間近くも「おしおき」をされ続けているのだった。



「ねぇ、お兄さん」

ひとしきりすりすりに満足したあやせが、耳元でささやいてきた。

「わたしのことなんでそんなに怖がるんですか?」

なんで、ってあんた…………

「あのね、お兄さん。私そんな変な子ですか? 私みたいな子はいやですか?」

「……別にいやとかじゃねぇよ」

「本当ですか? わたし、その、今までお兄さんにひどいこといっぱいしちゃってますから……」

首元でもにょもにょしながら喋られるからむずむずしてしまう。
あーあ、手錠で拘束されて無けりゃあ頭撫でてあげれるのになぁ……

「わたしどうも周りが見えなくなる時があるというか、つい感情が暴走しちゃう時があるというか……」

さらにキュッと腕に力をこめて、しがみついてくるあやせ。



「……お兄さんにセクハラされて、それでわたしがおしおきして、ってやり取りがなんだかお兄さんといちゃいちゃしてるみたいな気になっちゃって……」

「まぁありゃあ俺が悪いって。気にすんなよ。……俺だって、嬉しかったしよ」

「嬉しかったって……お兄さんって、その、やっぱりヘンタイなんですか?」

違う! と言いたかったのだが、自分の事を省みるとどの口が言ってんだって感じだったので、

「……そのヘンタイを好きになったお前もヘンタイだよ」

とだけ言っておいた。

「わ、わたしもヘンタイ……? へへ、えへへ……お兄さんといっしょ……」

まぁ、嬉しそうだったのでよしとしよう。



「ねぇ、お兄さん。わたしのこと、好きですか?」

「あ、ああ……す、好きだよ……?」

「んもう、なんですかその言い方っ。前はあんなに好きとか愛してるとか言ってくれたのにっ」

がりっ。耳元で不満げに言われてそのまま耳を噛まれた。ひぃぃぃっ!!

「んふっ、お兄さんたらそんなに怯えちゃって、かわいいー……」

そのまま耳を舌でなぞられる……んんっ、そ、それっ、はっ、あぁんっ!
……俺のあえぎ声なんか誰が得するってんだよ……。

「ああだめっ、かわいい……大好き……きょうすけさん……!!!」

「ちょ、ちょっとあやせっ!! 服破かないでっ!!!」

「えへへー、びりびりびりー♪ ……これはかばんに入れて、っと」

おい! 破いた俺のTシャツ持って帰ってんじゃねぇ!!

「……お兄さん、じゃあ、愛してもらえます?」


服を脱ぎながらあやせが歩み寄ってくる……

ああ、やっぱり、こいつは、俺の天使だ……


……愛してるよ、あやせ。

どうも1です。
取り急ぎあやせ編でひとつ書き上げましたので投下いたしました。

今日はこのあと合コン誘われているので更新することが出来ません。
あやせ似の女の子が来てくれることだけに一縷の望みをかけています。
「気持ち悪いです死んでくださいヘンタイ!そんなあなたのことが好きです」
とか言われたいです。がんばります。

でれっでれあやせの次は誰で書くかは未定です。
噛み猫さんも、性欲魔人麻奈実も、意外とシャイ加奈子も、拗ね櫻井さんも
あるいは誰かと誰かという組み合わせもいくつかは考えています。
ただ次の投下は少し先になるかと思われます。申し訳ありません。

リクエストがおありでしたらぜひともよろしくお願いいたします。
可能な限りは書かせていただきたいと思います。

では、ご覧いただきましてありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。

どうも、お昼休みの1です。

無意味にややこしい書き方をして申し訳ありませんでした。

答えは「6P」でした。

京介にあまり具体的で生々しいことを言わせたくなかった、という意図がありまして……大変ご迷惑をおかけいたしました。

ちなみにこちらの更新はもう数日かかります。もう少々お待ちください。

どうも1です。ご無沙汰しておりました。

お待たせして申し訳ありませんでした。櫻井編を書き上げましたので投下いたします。

あとひとつどうでもよい訂正なのですが、
あやせ編のラストは

『……愛してるぜ、あやせ!!』

のほうがいいと思いました。なんだか非常に気持ち悪かったので、よろしければ脳内で置き換えいただけると幸いです。


では早速ですが投下いたします。お時間よろしければ、お付き合いください。


『櫻井×おしおき』



「あたたたたたたっ、あー、だめー、力はいらんー……」

「お、おい、無理すんなって」

「いや、『初めて』の後は大変だ、って話には聞いていたけど、ほんとにダメー。腰抜けたみたいになってるよ。ごめん、高坂、水取ってくれない?」

「いやいや、それくらい最初から言ってくれよ……」

布団から這い出て、冷蔵庫を開ける。全裸で。

……いや、まぁ、いまさらですが、事後です。

「いやー、わるいねー……ぶふっ!」

「な、なんだよ急に笑って……」

「くくっ……ぶっ……い、いや……そのぶらぶらさせながら歩いてんのがなんか面白くて……ぶはっ……!」

そう言われて自分の姿を確認する。
……確かにぶらぶらしてるな、まぁ。男の子だもん。



「うっせ! しょうがねーだろ!! ―――ほら、水飲めよ」

「はいはい、ありがと。んっぐっぐっ……かぁーっ! 染み渡るー!! もう喉からっからだわ……」

「そりゃあんだけ声だしゃあな……」

それはもうすごい声だった。うっせえのなんの、もし実家だったら桐乃の壁ドン乱れ打ち食らってただろうな
……ぶるっ、想像したら身震いしてきた……

「わー!わー!な、なんてこと言うのさキミは!! そ、そういうのはね、言うならその最中に責めるように言うんだよ!! 後で言うのはなし!!」

「お前も何言ってんだよ……」

こいつ、もしかしてMなんか……?



「ねぇ、高坂……お腹さすって?」

「何でだよ意味深なこと言うなよこえぇよ……」

次は酸っぱいものを欲したりしねーだろーな。

「ちっ、ち、ちがうって! 単にまだじんじんするだけ! 大体ちゃんと付けてたでしょーが……」

「あぁ、悪かったって。あー、あれだな。俺のがでか過ぎたんだよな。しょうがないよな。やー、でっかいとこまるなー」

「あたしが他の人の見たこと無いからって調子にのりおって……」

お腹を擦られながらぐぬぬ顔をする櫻井。うーん、やっぱりこいつは表情がコロコロ変わって面白い。



「……なぁ、櫻井」

「ん、どしたん?」

「その……お前は、良かったのか?」

「……何が? って聞くのは意地悪かな。うーん、良かったかって言われると難しいところだよね。あたしらから持ちかけたことだしさ」

「特にお前は三年前にちょっと喋っただけの相手だろうが。その相手に―――」

「高坂。それは、だめ。そんなふうに言わないでよ……泣いちゃうよ?」

櫻井のこんな真剣な声を聞いたのは初めてだった。

「あたしの三年間の想いをさ、そんなふうに言われたらやっぱり悲しいよ」

だから、何で俺なんか。俺は、お前に、迷惑しか。

「あたしにはね、キミしかいなかったんだよ。誰も見ようとしなかったあたしのことをまっすぐに見てくれて、まっすぐの言葉をくれて、まっすぐにここから連れ出してくれたのは……キミなんだよ、高坂」



「言ったでしょ、『責任とって』って」

じっと俺を見つめて、3年間の想いをぶつけてくる櫻井から、俺は目を離せずにいた。

「あっ、もちろんそうしてくれたら誰でも良い、ってわけじゃないんだよ? キミのバカなところとか、優しいところとか、ちょっとだけカッコいい顔とか、そういうのももちろん好きだから……あ、照れてる」

「照れてねぇ!!」

「顔真っ赤じゃんか。案外カワイイところもあるもんだねぇ♪ うえっへっへ……」

てめっ、調子にのんなよ……

「おらおら! もっとそのきゅーとなお顔見せ―――ひゃっ!」

おらおら! おしおきのじかんだぜ! ひゃっはー!

「ちょ、ちょっと、どこ触ってんのさ……ひゃんっ! あ、ちょっと、だめだって。まだ敏感なんだから……あっ、だめっ、だめぇ……」

「あー? なんだ急におとなしくなって? さっきまでの威勢はどこいったんだ?」

もうすっかりオラオラ系。ノリノリのオラオラでウリウリする。



「んーっ! ご、ごめんっ、謝る、あやまるから…っ、ゆるし…ひゃあああんっ!!」

体がまだうまく動かないせいで逃げることもできない櫻井は、逆にもぞもぞと擦り寄ってくる。ていうかやっぱこの反応……

「なぁ、櫻井。お前ってさ……マゾ?」

びくーん! 一旦手を止めたにもかかわらず櫻井の身体が大きく跳ねてから、凍りついた。

「や、やだなぁ……急に女の子に向かって何言ってるの高坂ってば……。ぜ、ぜんぜん、そんなことは―――んにゃっ!」

おしおき再開。そして今の反応で確信した。こいつやっぱどMだ。



「はぁはぁはぁ……んっ、だめっ、こうさかだめだってば。あっ、あたしMじゃないよ? あっ、あっ、んんんんっ」

責めれば責めるほど逆にひっついてくる櫻井。しょうがないからそっと首に腕を回して頭を撫でてやる。ぐっと抱き寄せる。耳元で囁く。

「そっか……櫻井はMなんだな……。虐められて喜んじゃうんだな……」

「やっ、耳やめてっ……んんっ、首くすぐらないでよー……あー、だめ……ゆるして……」

「何をやめんだよ? おまえ、すっげえ嬉しそうにしてるぞ?」

「しってっないってばぁ……! ばかばか、ばか高坂……! なんで嫌がってるのに―――んあああああああああああっ!!」

文句ばっかりうるさいから耳に思いっきり息を吹きかけてやった。びくびく身体を震わせると、目がとろんとなって、ろれつが回らなくなって、くてんとしてしまった。



一旦いじめるのは中断して、優しく頭と背中を撫でる。よしよし。

「あっ…………ん…………こうさかぁ……らめ……」

「お前、今自分がどんな顔してるかわかるか?」

「………かおぉ……?」

「すんごい嬉しそうだぞ。よろこびすぎ」

「ふぇ……しょっかぁ……あたしよろこんでるんだ……」

よし、あと一歩だな(桐乃のエロゲーによると)。
最後にもうひと押し、さっきよりも優し目に耳元で囁く。



「……言ってみろよ、『わたしはいじめられて喜ぶ変態です』って」

「……んぇ……言ったら、もっと、してくえう……?」

「……あぁ、いっぱいいじめてやるぞ」

「えへへ……じゃあ、いう……」

力の入らない腕で俺の体に抱きつき、顔を見上げて櫻井は嬉しそうに言った。

「……あきみはぁ……こうさかにぃ……いじめられてぇ……よろこんじゃうぅ……へんたいでぇす……」

「……よく言えたな、えらいぞ櫻井」

よしよしよしよし……。

「えへへへー……じゃあぁ……お、おしおきぃ……してくえゆ……?」

期待に満ちた顔で媚びるように言ってきた櫻井に勝てず、俺は野獣になってしまった。
ごめんなさいしか言えない体にしてやる!!!



……結局その日は最終的に櫻井は号泣しながら『だいすき』を繰り返す体になってしまった。


いや、まぁ、そんな無茶はしてないっすよ……。

というわけで櫻井調教編でした。

私が櫻井の出るSSをまだ読んだことはないので、自分が書いたものの評価が出来ないでいますが、
お楽しみいただけたなら幸いです。どなたか櫻井メインのSSをご存知の方おられましたらお教えください。

また数日はだめのんの方を更新する予定ですので、しばらくこちらは期間が空くかと思われます。
ほったらかしにするつもりはございませんので、よろしければ気長にお待ちください。

次はどうしようか検討中です。黒猫が最も書きやすく、加奈子がおそらく一番難関かと。
リクエスト等ございましたらお待ちしております。

ちなみに全員分書くか、番外編5まで書いたらこのスレは落とそうかと考えております。
終わった後であまりだらだらと引っ張るのもどうかと思いますので。


では今夜もお付き合いいただいてありがとうございました。失礼いたします。

読み始めたところだけど、京介は未成年飲酒喫煙はしないだろ
親父にきっちりしつけられてるだろうし、バレたら親父がヤバイし

大学生はそんなもんよ


 『加奈子×いいところ』


「おっす、京介ー来てやったぞー!」

「来てやった、って誰も頼んでねーよ」

「はぁ? それヒドくね? チョーシのってんじゃ―――ねぇっての!」

俺の暴言に顔をしかめたメルルそっくりのスーパーアイドル(予定)は、ブーツを玄関に脱ぎ捨てると俺の胸元にタックルをぶちこんできた。

「げふっ……てっめぇ、いくらチビだからっていてぇもんはいてぇんだぞ!!」

「ふざけんじゃねーっての、せっかくカワイイカワイイ加奈子様が来てやったんだぞ? それ相応のタイドってもんがあるだろーがよー」

俺のみぞおちに頭を突っ込んだままぐりぐりしてくる加奈子。くるしいくるしい!



「おいっ、くるしっ、ちょっ……あー、わかったって、わかったよ!」

「ん〜? なにがわかったってーのー?」

みぞおちから頭を離したと思うと、にたにたといやらしい表情を向けてきやがった。こいっつ、おっさんみたいな顔しやがって……!

「あー、もう、くそ……う、うれしいよ、お前が来てくれて……」

「『お前』が? ……『お前』ってだれ? だーれーに言ってんのカナー?」

ぐっ、こいつ……完っ全に調子のってやがる!
なめんなよ……こうなったら……!!

あごに手をやりくっと持ち上げ、真正面から目を合わせて―――

「来てくれて嬉しいぜ、加奈子」

「…………………………………………っ!!」

ぼんっ、という効果音が聞こえてきそうなほど一瞬で真っ赤になった加奈子は、顔をとろけさせるて俺にしなだれかかってきた。


「あー、うー……きょおすけぇー……」

ったく、なんでこんな見かけと違って純情なんだよお前は……。よしよし、頭を撫でてやるから、またそんなにぐりぐりすんなって。



結構な時間ぐりぐりされた俺が自分のあばらの疲労骨折を心配しだした頃に、ポツリと加奈子がつぶやいた。

「……あんさー。加奈子ってさ、可愛いじゃん?」

……何言ってんのお前?

「ちょーぜつ可愛いけどさぁ……可愛いだけじゃん?」

「お前、マジ何言ってんだ?」

「いやだってさー、間違いなく一番可愛いのはこの加奈子サマだけど……それ以外はちょぉーっと負けてるかなーって……」

「……負けてるって?」

言いにくそうに加奈子がぽつぽつと口を開く。

「いやー、ししょーもデンパ猫も料理うまいしさー、秋実ってああ見えてむっちゃ頭良いんしょ? そのてんアタシって可愛い以外にあんま取り得ないかもなーって……」

なんだよ、お前そんなこと考えるタイプじゃないだろうが……ん、ていうか、

「あやせは?」

「あー、あやせは、ほら、SMプレイとかうまいんだろ?」

あやせをなんだと思ってるんだ……。今度告げ口してやろう。
お前もギッチギチに縛られて「ほらァ、こういう痛いのがイイんでしょう……? こっのヘンタイが!!」とか言われてしまえ。

お、俺が言わせてるんじゃないんだからな!!



「なんかさー、みんな顔は"そこそこ"レベルだけど……そういう色々他にもいいところあってさ、なんか、なんてーか……」

ったく、つまんねー心配しやがって……らしくねーな、オイ。
俺は断りなくそっと加奈子の身体を抱きしめてやる。

「加奈子、そんなこと言うなよ」

抱きしめられた加奈子がびくっと震えて俺に弱々しくしがみつく。

「他の奴と比べんなよ。お前にだって他にもいいところいっぱいあるよ。自分のことだから気づかなかったか?」

「ほんと……?」

こいつ、不安げな表情をするとすげぇ幼く見えるなぁ……。

「ああ、ほんとだって」

「じゃあ…………あたしのいいところ言ってみて?」

「ああいいぜ。たとえばな―――」

「100個な」

「ひゃっこぉっ!!?」



ふと見ると加奈子はさっきまでのしおらしい顔はどこへやら、いつものにたにた笑いに戻っていた。

「ほーらぁー、はやくいーえよぉー?」

「ったく、……さっきまでのお前はどこいっちまったんだよ!!」

「あー? あんだよ、オラ、いいとこいっぱいあんだろぉ? はーやーくー10個いーえーよー? あっ、100個以上言ってもいいんだぜ?」

だめだ、こいつ、かんっぜんに調子のってやがる……!

「そうだな…………まずは、ひとつめは……」

「なんだよー、もったいぶんなよー」



「…………意外と可愛い声で喘ぐとことかじゃねぇか?」



「ふえっ? ―――きゃっ、ちょっ、あぁんっ!!」

というわけでお仕置きタイム開始だ。ぐえへへへへへへ!!

「あぁっ、ちょ、だめ京介っ。来たばっかじゃんかっ! まだシャワーも浴びてなっ!!」

「ふたつめー。シャワー浴びなくてもいい匂いするところー」

くんかくんか!くんかくんか!!

「あっ、ちょだめだってんだろ!! んもー、どこ嗅いでんだよー、ばかー……んんっ、あー、あーー……」



そんなこんなで、やってる間ずっと加奈子の"いいところ"を言い続けてやった。
途中から数えるのをやめたけど、なんだかんだ2時間かけて羅列してやったんだから、100個くらいはいってたんじゃねーかな。

終わった後の加奈子は文句たらたらだったけど、表情が緩みきってたから、きっと満足してもらえたことだろう。




「ていうかお前そこまで可愛いわけじゃないからな?」

「にゃんだとてめー!!」

どうも、1です。いつもお世話になっております。

更新がとても遅れてしまい申し訳ありませんでした。
だめのんの方をきっちりと終わらせたので、ようやくこっちをきちんと終わらせられると思います。
明日と、来週中で黒猫と麻奈実を書いてしまう予定です。残りは少ないですが、よろしければお付き合いください。


>>194
本来の京介はそういう違法行為はあまりしないかと思われますが、あれが京介なりの「精一杯の堕落」だったんだと考えています。
ナンパ即ヤリや、風俗狂いといった方向の堕落のしかたも考えましたが、女性陣が不憫すぎて遠慮しました。
そもそも>>195さんと同様に、飲酒喫煙をする大学生は1年生から当たり前にしていると思ってもいますが。


宣伝の件ですが、非常に嬉しく思っております。
しかし同時に、普段から秀逸なSSを読んでおられる本スレの方に見せするのも心苦しい、という気持ちもありまして……。
おそるおそるそのスレを覗いてみたのですが、いくつかお褒めの言葉を頂いていたようで、ホッとしました。
作者は痛いといわれていましたが……自覚はありませんでした。反省します。


桐乃は出ません。ハーレムにも参加しません。期待しておられる方にはお詫び申し上げます。
私個人がアンチなわけではなく、もはや収拾がつかなくなるからです。もうしわけありません。


というわけで今後ともよろしくお願いいたします。お付き合いいただきありがとうございました。

乙乙

でもアレのリバウンドでたがが外れたか、いま一番調子のってるのって他でもない京介だよなwwww

桐乃も今頃「信じて送り出した〜以下略状態だろう
出ないだけじゃなく描写さえないのも納得せざるおえない


 『麻奈実×ばけもの』


「んっ……あっ……はぁ、はぁ……」

「ひょうひゃぁん、ひもひいい?」

俺のモノを口にほおばりながら麻奈実が聞いてくる。その口の動きでまた下腹部が刺激される。

「くあっ……あ、ああ……気持ちいいよ、麻奈実」

そう言いながら頭を撫でてやると麻奈実は嬉しそうに目を細めて、一旦口を離した。

「じゃあ、もっともっと気持ちよくさせてあげるね?」



「あ、おい、まだ……ああっ!」

口を離したのも一瞬のこと、再びぱくっと咥えると猛烈な勢いで頭と舌を動かし始めた。

「……あっ、ちょ、麻奈実、まてって……あ、だめだ、だめ……っ!」

ぬちゃぬちゃと卑猥な音が部屋に響き渡り、足の先の痺れが太腿を経由してどんどん腰へ集まってくる。

「あっ、あ、ちょっと……おい、まじで……でる、でるからっ……」

麻奈実は口の動きをどんどん早めてくる。あっ、これ、マジでだめだって……

「ひょうひゃん……んっ、ひってもひーよぉ?」

その口の動きで限界だった。全身の痺れが先端に集まり、弾けて飛び出した。

「あっ、あ、あ、あっ、あっ、あーっっ!!」



………………いや、まぁ、その、なんといいますか……
………………野郎の喘ぎ声ばっかり聞いててもしょうがないって話だよな。

しかし、あのメリーさん事件以降麻奈実はすっかり変わってしまった。
本来の性格が変わった、ってほどではないんだけど、なんてーか、その、積極的になってしまった。

お弁当を持ってきてくれたり、部屋の掃除してくれたり、といった諸々は以前の通りだし、本来の性格も激変したとかそういうことではないのだが……。


このことを他の皆に聞いてみたら

「ししょーなぁ……まぁ、いいことだとおもうケドよぉ……」
「あはは、えっと、まぁ、田村ちゃんも昔から溜まってたって感じかなぁ……」
「お姉さん、は、その……んもう、お兄さんが悪いんです!!」
「あ、あれは……性欲の化け物よ……ぶるぶる……」

とまぁ皆さん口を濁してらっしゃいました。いや、黒猫は全く濁してないか。


性欲の化け物て……何があったんだよ……。



「んくっ、くっ……んはぁ。きょうちゃん、いっぱいでたねえ」

俺が吐き出したものを嬉しそうに飲み込むと、麻奈実が嬉しそうな顔をこっちに向けた。

「いや……無理して飲まなくても……」

「きょうちゃん4発目なのにすっごい濃いんだもん……ふふっ」

うるせぇ……自分の元気な身体が恨めしい……。

「さ、しよっか、きょうちゃん」

「ほえっ!!?」

え、もう!? はやくねーか!!? っていうか、まだやんの!!?



「ん〜? きょうちゃん、なに変な顔してるの?」

「いや、だって、おまえ、もう4発も……?」

もう部屋来るやいなやの4連発なんすけど……?
ちょっと休憩とかさ、お菓子とか食べようぜ、な? なっ?

「ええ〜、だって全部お口でだったから、わたしぜんぜんものたりないよ?」

「物足りないって……」

お前気づかれてないつもりかもしんねーけど、口でしてる間もずっと指で自分のシてたろーが!! ハァハァ言ってっからバレバレだぞ!! ひとまずそれで満足しててくれよ!!

そんな風に心の中で文句を言っていると、麻奈実がのそのそとにじり寄ってきた。ひ、ひいいっ!!



「あれっ、きょうちゃん? しぼんだままだよ? はやく、早くおっきくして?」

ばっか、おまえ、30分で4連発搾り取るからだろっ!!

「うーん、はやくぅー……」

不満そうに言いながら小さくなっちまったマイサンを指でつんつんいじいじしてくる。こ、こらっ、やめんさいっ!

「お、おい。だ、だからさ、一旦休憩とか、さ。な、麻奈実?」

「うーん、どうしよっかなぁ……。あ、そうだぁ!」

「うわっ! ―――お、おい、麻奈実、お前なにを……ひぎいいいいいぃぃぃぃぃっ!!!」

ゆ、ゆびが、け、け、け、けつっ………………ひぎいいいいいいいいい!!!!



「うふふふふー。あやせちゃんと黒猫さんで練習したんだよぉ?」

「ひっ!! お、おまえ! お前なにをっ!!!」

異物。
異物、異物。
異物、異物、異物、異物異物異物異物異物異物異物!!

異物感!!!


「黒猫さんをあやせちゃんがしばってぇ、その後二人でぐりぐりしたの。最初は痛がってたんだけど、最後には黒猫さんもにゃあにゃあいって喜んでたし、きっときょうちゃんも喜んでくれるよね?」

「おまっ、なんってことを、―――ぎいっ!!!」

黒猫があんなに怯えてた理由が分かったぞ!!



「ほぉーら、ぐりぐりぐりー♪」

「あっ! あっ、あっ、あひっ、ひっ、ひぃぃっ!!!」

「あっ、ちょっとおっきくなってきたよ? きょうちゃんも気持ちいいんだね?」

きっ、気持ちいいとかそういうことじゃなくてっ! か、身体がかってにっ!!!

「このままおっきしちゃいましょうねー♪」

「あっ、あひっ、ひいいぃっ!! あっ、あっ、だめ、だめっ、らめっ、らめぇぇぇぇぇっ!!!!!!」



………………いや、まぁ、その、なんといいますか……
………………野郎の喘ぎ声ばっかりお聞かせしてほんと申し訳ない……。

あの後もちろん強制的にガチガチにされて、そのまま抜かずの6連発……。

へっとへとになるまで搾り取られ、げっそげそになった俺は、
つっやつやになった麻奈実が、うっきうきで部屋を出るのを倒れたまま見送った。





けついたい…………。

お疲れ様です、1です。
いつもお世話になっております。

というわけで麻奈実さんSB(性欲の化け物)編でした。
ラストは黒猫編です。明日か明後日か、は不明ですが、
平日の通勤時間に書いてしまうつもりなので、今週中にはどうにかできると思います。
可能な限り早く書けるよう心がけますので、どうかご容赦ください。

>>212
間違いなく調子には乗っているつもりで書いていますが、もともと原作でも割とすぐ調子乗る子、という描写もありますので、ギリギリ許容範囲かと思っています。
桐乃の心境等は本文中に書いていない以上どうこう言うのは野暮かと思われますので、口にはしないでおきます。

あと女性人は5人以外は一切出ません。ハーレムの加入条件は「京介に自分から告白した人」なので。

というわけで本日もお付き合いいただきありがとうございました。失礼いたします。

どうも、1です。
大変お待たせして申し訳ありませんでした。

おおよそ書き終わりましたので、今夜中に投下しようかと思います。後ほどお付き合い頂けましたら幸いです。

感想レスたくさんありがとうございます。
櫻井さんを出すと最優先で決めたので、自然とハーレムメンバーが決定しました。これ以外のくくりでは櫻井さんを入れるとどうやっても入れることが出来ませんでした。

麻奈実さんは「そこしれない怖さ」が一番の魅力だと考えていますので、結果的にああなってしまいました。不快に思われた方がおられましたらお詫びいたします。


ではまた後ほど。日付が変わる頃かと。失礼いたしました。




ところで原作はもうおまけの短篇集とかでないのでしょうかね……。
作品として十全に完結しているとはいえ、書ける余地はいくらでもあるように思うのですが。(○○ルート、過去編や、9巻のような視点変更であったり)
商業的にもまだまだ搾り取れるコンテンツでしょうし、電撃としても出せば出すほど金になると思うのですが……。

このままでは櫻井さんが浮かばれません。


 『黒猫×ゆるキャラ』


「くんかくんか……くんかくんか……」

「よしよし……」

他の四人に比べてめっきりおとなしい黒猫さん。最近のマイブームはクンカクンカのようで、来るたびに小一時間は匂いを嗅いでくる。

そしてくんか中に頭を撫でると黒猫はすっかり機嫌がよくなるのだ。

「よぉーしよしよしよし……」

なでなでなでなでなでなで……

「くんかくんか……ふにゃぁー……」

べたべたくんかくんかすりすりくんかくんか……



たっぷり時間を取ったくんかで満足したのか、黒猫が人間に戻って話しかけてきた。


「ふふっ、先輩、今日もいい匂いね」

「そうかぁ……? 自分ではよくわかんのだが……」

自分の右脇をふんふん嗅いでいると、左側の首筋に黒猫が噛み付いてきた。

「いたっ……って、おい、お前なに噛みついてんだよ」

「ふふん、あなたが無防備にその弱点を晒すのがいけないんじゃないの」

弱点を晒すってお前……ここは闇の眷属が命を遣り取りする場所か何かなのか?


「莫迦な先輩はすっかり忘れているようだけれど、今の私は"噛み猫"よ。混沌の魔獣(カオスビースト)との激しい交戦の結果、その魔獣が事切れる前に溢れ出た精神体が一時的に私の肉体を支配し、混沌による精神汚染の影響 ‐Taste of Chaos‐ が抜けきらずに、普段は平常心を保っていられるけれども、ふとした瞬間に血と肉を求めてしまうの。―――努々忘れないで頂戴」


「お、おぉ……よくもまぁ一息でそんだけ喋ったな……よしよし」

ややこしいセリフを一息で言い切った黒猫によしよししてやると、黒猫は顔を真っ赤にしながらまた首元をがじがじしてきた。照れんなよ。

あとさ、『混沌の魔獣(カオスビースト)』って、あやせか麻奈実なんだよな、きっと。
お前も苦労してるんだな……。

「がぶ……先輩の癖に生意気よ……がぶがぶ……」



「ていうか、"噛み猫"って"聖天使・神猫"と発音一緒だよな」

「ぎくっ」

ビクン、と黒猫の身体が凍りついた。あ、あれ、そういうジョークじゃ……?

「しかもひらがなにしたら"かみねこ"ってかなりよわっちい感じだよな」

かみねこ、のところを舌足らずのアホっぽい感じで言ってみる。

「かみねこさんー。……ゆるキャラみたいだな」

「なんだと貴様!!!!!」

黒猫が突然ぶち切れた。あれ、ゆるキャラだめか?



「言うに事欠いてゆっるキャラですって……? この気高き闇の末裔たる私に向かって、ゆ、ゆ、る、キャ、ラ、呼ばわりとは、い、い、いい度胸しているじゃない……」

かみねこさん激おこぷんぷん丸。怒りで震えてんじゃねーか。うーん、怒ってもかわいいなぁ……。
などと下らないことを考えていたら、また噛み付かれた。今度は結構強めに。がぶりと。



「あだだだだだっ!! い、いてぇって、おい! 黒猫!」

「ふんぐっ、がっ、がっ、がじがじがじ! ぐるるるる……ふーっ、ふーっ……!」

「おー、どうどう。あー、えっと……そ、そうだよな、凶暴な獣の一面を見せてるんだよな。ゆるくなんかないよな。よしよし……」

「がっ、がぶ……ぐるる、ぐるるる……」

おっ、治まってきた治まってきた。……ったく、頭撫でたら一発じゃねーか。ちょろいなぁかみねこさん……。よぉーしよしよし。

「おら、落ち着いたか?」

「ま、まだよ……まだ私の中の獣は……完全に沈黙したとは言えないわ……がぶ」

「いてて。じゃあ、どうしたらいい?」

とはいえもう噛み付きもすっかり甘噛みになってるし、合間合間で舌でぺろぺろしてっからすっかり魔獣も飼いならされちゃった感じだけどな。



「わ……わたしのことも……か、噛みなさい」

「ファッ!?」

噛みなさいっつったってあんた……



「ほ、ほら……はやく噛みなさいっ……」

そう言うと黒猫は真っ赤に染まった白い首筋を俺に晒してくる。

お……おいしそうだ……



―――がぶっ!

「ふああぁぁぁんっ!!」

我慢できずに白桃のような首筋に喰らいつくと、黒猫が突然大声を上げた。

「あっ……だめ、京介……も、もっとやさしく……」

「……そんな強く噛んでないぜ?」

「んぅっ! だ、だめっ、その噛んだまま喋るのだめっ!」

「ほーいうはんじ?」

「ふああぁぁぁっ!」

どうやら首があからさまに弱点みたいだ。へっへっへ、こりゃ面白い。



噛んだり、
「あうっ!」
舐めたり、
「ひあっ」
吸ったり、
「んふぁ……」
吹いたり、
「んあぁっ!!」



―――してると、だんだん黒猫と様子がおかしくなってきた。

「んぁ……ちゅっ、ちう……んちゅ、ちゅううぅ……」

強烈な快楽を堪えるためだろうか、必死に俺の首筋に赤ちゃんみたいにむしゃぶりついてくる黒猫。
首筋に甘えるようなキスを何度もされているうちに、だんだん俺もその気になってきた。



「ちゅぅ……ちゅっ、ちゅっ……―――あっ、だめっ、ちゅっ、そ、そんなはげしくっ……ちゅぅぅっ」

繰り返し繰り返し、黒猫の首筋に噛み付いて、舌でなぞって、吸い付いて、強く息を吹きかける。
強めたり、弱めたり、一点に集中して貪ったかと思えば、広範囲に渡って優しく焦らす。

そのたびに、黒猫が俺の首筋に吸い付いてくる。自分の痕を残そうとしているようにも見えるし、なんなら俺ごと吸い込もうとしてるんじゃねえかとすら思えるほど必死に。


そんな黒猫が愛おしくて、俺に出来る限りのテクを費やして、黒猫の首筋を責め続けた。



優しく、甘やかすように。

「んあっ、あっ、きょうすけぇ……へんなの、なんかへんなのぉ……」



激しく、躾けるように。

「だめだめだめだめ、それだめっ! ……つよいのだめぇ……ああっ!!」



意地悪したあとは強く抱きしめてあげる。

「あっ、なんでいまぎゅっとするの……んっ、だめなの、それだめなの……んんっ!」



黒猫の頭も耳も目も、俺の手と肩で押さえ込み、黒猫の全身を内側に丸めてしまう。
身体全部を包み込むように抱きしめて、真っ暗な世界に閉じ込めてしまう。



「やめてきょうすけっ……はぁっ、おねがい、へんになるの……まっくらで、きょうすけのことしかかんじられなくなっちゃうのっ……」

嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか。よし、もう小細工はなしだ。
―――この状態から一気に攻め落としてやるぜ!!


「あっ! あっ、あっ、あっ、ああっ、ああああっ!!!」

「だめっ、お、おかしくなっちゃう! だめになっちゃう! やだ、やだ、やだっ、やらっ……」

「……ごめんなさい、きらわないで、きらわないでっ! おねがいっ! だいすきっ、だいすきなのっ!! ―――きらいにならないでっ!!」



「んあっ、ああああああああああっ!!!」

全身を大きく震わせて、黒猫が絶叫した。



やがて静かになった部屋には、黒猫の嗚咽混じりの「嫌いにならないで」という微かな呟きだけが響いていた。







「わ、忘れなさい……」

「いや、忘れろっつわれたって……」

「わ、す、れ、な、さ、い。……いいわね?」

「あい……」

生半可ではない圧力を受けて、俺は頷かざるを得なかった。

「でも、ごめんな、黒猫」

「まったく、あなたという人は本当に無茶苦茶なんだから……」

「でもなんであんな泣いてたんだ? 俺なんかしちゃったのか?」

「忘れろと……まったく、どうせあなたは言っても聞かないわね」

諦めたようにため息をつくと、黒猫はこちらに擦り寄ってきて、顔を背けながら抱きついてきた。



「……だって、おかしいでしょう? ……首だけで気を遣ってしまう女なんて……」

「そんなおかしな女だと知れたら、そ、その、嫌われてしまわないかと思って……」

「そ、それで、あ、あなたに嫌われてしまうことを想像したらもう怖くて怖くて……」

それで泣いちまったのか……まったく、おかしな心配するやつだな。
首元に強くしがみつく黒猫の背中を優しく叩いてやった。

「なぁ、俺がいまさらそんなことでお前のこと嫌いになったりするわけ無いだろ? そんな風に不安になられちまうと、こっちが傷つくぜ」

「……ほんとう?」



「ああ、何なら『魂に誓っても』いいぜ。俺は、お前を、嫌いになったりしない。大好きだぜ、瑠璃」

「私もよ、京介……」




軽い気持ちで『魂の契約』ってやつをしちまったけど、後悔は微塵もなかった。
だって当たり前だろ? こんな可愛い奴のこと、嫌いになんかなるわけねぇ!!






「ていうかさぁ、黒猫……」

「なにかしら?」

「そもそも普段の言動のほうがよっぽどおかしな女なんじゃ……」

「……………………」

「……………………」






「今日のことあやせに言いつけるわ」

「待って! やめて! 死んじゃう!!」

どうも、こんばんわ、1です。
投下が遅くなって申し訳ありませんでした。

大変お待たせいたしました。黒猫編でした。
一応これで自分に課したノルマは達成したのですが、あと1本だけおまけがありますので、投下させていただいてもよろしいでしょうか。
ついさっき書きあがりはしたのですが、推敲等がまだですので、明日の夜に投下いたします。
あまり遅い時間にならないようにいたしますので、よろしければお付き合いください。

では今晩もありがとうございました。



 『あやせ×黒猫』


「ふぁーーーーーぁあ」

あくび交じりにアパートの階段を登っていると、自然と愚痴が転げ落ちてきた。

「ふぁーあ、ったく二限休講かよ……出席取るくせに当日休講とかなめてんだろー……」

本日の活動記録。
朝の10時、大学へ行って帰るだけの無意味な往復の後、帰宅。
なんてくそったれなイベントだ……あの先生、絶対ゆるさねぇ……!

「よりによって2限だけの日に休講とは……あーあ、寝直すか」

独り言をつぶやきながら自分の部屋のドアを開けると―――



「んあっ! やめ、やめなさ、ああっ!!! だめ、だめ……ばかになっちゃう! おしり馬鹿になっちゃう!!!」

「ほらほら、また前みたいに喜んで見なさいよこのヘンタイ!!! 大声で言いなさい! 私はぁ! おしりの穴でぇ! 感じちゃうぅ! 変態泥棒猫ですっ! ―――って、ええええええっ!!?」

「んはぁ……はっ、はっ、はぁっ……あ、あやせ、どうかした…………………………せ、せんぱ……い……」

黒猫とあやせがハードなプレイに勤しんでいた。

「…………よ、よお…………おはよう…………」

「……………………」
「……………………」

沈黙。

ガッチガチに拘束された黒猫のおしりに突き刺さったバイブの音だけがウィンウィン鳴り響いていた。

「…………………………………………」
「…………………………………………」
「…………………………………………」


ウィンウィンウィンウィンウィンウィン……。



「ぎゃああああああ!!! お、お前ら、人の部屋で何やってんの!!?」

「ち! 違うんですお兄さん! わたしじゃないんです!!」

「何をどうやってその言い訳が通用すると思ったんだお前は!!」

「ちょ、ちょっとまちなさいよ! あ、あやせあなたがっ―――」

「う、うるさいです! あ、あなたはこれで1人で気持ちよくなってなさい!」

突然の絶叫で黒猫の言葉を遮ったあやせは、黒猫のおしりに刺さりっぱなしだったバイブをガッと蹴っ飛ばしてしまった。
お、おい、この鬼畜!!

「ひいいいぃぃぃぃぃぃあああんっっ!!」

急な衝撃で黒猫が体をビクビク痙攣させながら悲鳴を上げる。

……せめて痛みじゃなくて快感によるものであってくれ……。



「あっ、あなたはっ、余計なことを言わずにっ、ここでアヘってればいいんです! このっ、このぉっ!!」

「あっ! がっ、だ、めぇ!! やめっ、そんなむちゃくちゃ……んあぁっ!!」

「ほら、気持ちいいんでしょ、ほら! ほらほらほらほら!!!」

「あっ、あっ、あっ、あーっ!! ……ちょっ、あなた、本当にやめなさい!! これ以上ひどいことしたら許さ―――ぎいぃっ!!?」

「許さない? 何言ってるんですかこのヘンタイは! 今の自分の格好わかってますか? ほら、写真とってあげましょうか? 変態、変態、変態、変態!」

「あひっ、ひっ、ま、まって、やめっ、おねがいっ……い、今ならまだ許すから、ね、お願いっ、ああぁぁぁっ」

「許す? あはっ、面白いことを言いますねこの変態猫は! お兄さんに妙なこと吹き込もうとしといて、まだ許すとか言ってるんですか?」

「えっ、だって、あ、あなたがやろうって―――あぎゃ!? や、やめて、激しくしないで!!」



「……もうだめですね、絶対に許しません。泣いても喚いても、あなたが二度と余計なこと言えなくなるまでいじめてあげますから。ほら、気持ちいいんでしょう? 気持ちいいと言いなさい……ほら! 気持ちいいんでしょ!!?」

「気持ちいいです! 気持ちいいです! だからもう許して! おねがい!! やだ! もうやだ!!」

「あはぁ……今の黒猫さんとっても可愛いですよ……もっと可愛い黒猫さん見せてくださいね……? うふふふふふふふ……」

「……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい! ごめんなさい!! ごめんなさいぃぃっ!!」

「あー、身体が痙攣しだしちゃいましたねー? そろそろですか、黒猫さん? ―――ほらさっさとイっちゃえよ!!!」

「んんんんっ! らめぇ、らめぇ、あっ、あっ、んっ、んんあぁぁっ! い、いっちゃ、あっ、ぁぁぁああああああああっ!!」

「お兄さんに見られながらだらしなくイッちゃいなさい、ほらぁっっ!!!!」

「やっ、みなっ、みないでっ―――ひぃやああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

―――びくびくびくびくんっ



心配になるほど激しく体を痙攣させて、黒猫は絶頂してしまった……あーあー、大量に漏らしちゃって……


「黒猫さん、とっても可愛いですよ……ほら、こっち見て笑って……?」

「んぇ……あへぇ……あやせぇ、しゃしんとっちゃらめぇ……にゃぁ……」

眼のハイライトが完全に消えた二人は、そのまま黒猫の失禁が終わるまで撮影会を続けていた。



……アヘ顔ダブルピースとか桐乃に渡されたエロゲー以外で初めて見たわ……。



しばらくして、俺、あやせの順に正気を取り戻し、最優先で拘束を解いてやった頃には、黒猫も多少意識が戻ってきた。そしておもらしの後始末などを済ました今、黒猫は―――

「…………………………………………」

部屋の隅っこで涙目で三角座りしていた。
あやせがはびくびくと怯えながら覗き込むように様子を伺っていた。

「あ、あの……黒猫さん……」

「ぷいっ……」

完全に拗ねてらっしゃった。自分でぷいとか言うな。

「く、黒猫さん、怒ってます……?」

「別に怒ってなどいないわ。わたしなんて所詮おしりで感じて失禁してしまう変態猫に過ぎないのだから…………ぷいっ」

「絶対怒ってるじゃないですかぁー ><」


><(こんな顔)してもさすがに今回はごまかせないだろ……。



「いやそりゃ怒るだろ……黒猫、身体大丈夫か?」

「ええ、幸いなことになんともないわ。なんっともないんだから、これくらい。……引いたでしょう? きらいになったでしょう? …………ぷい……」

「だから、引いたり嫌ったりとかしないってば……。ていうかさ、お前ら人の部屋で何してんの?」

このままでは埒が明かないので、黒猫の頭を撫でながら話を進めることにした。
少しだけ黒猫の頬に赤みが差したのを見て一安心。大丈夫、心壊れてなかった。

「なにって……今日は試験休みだったのでお兄さんのところへ行こうって黒猫さんに誘われて……」

「……学校帰りに驚かせようとしたのよ。まさかこんなことになるとは思ってなかったけど」

「いや、十分驚いたわ」

「……だまりなさい……」

うーん、さすがに黒猫の悪態もこの状況ではいつものキレがない。



「ていうかさ、そもそもなんだけど、鍵どうしたの?」

渡した覚えはねぇぞ。あやせに非難めいた視線を向けると、

「……?」

小首を傾げて、人差し指をあごに当てて、「あやせお兄さんが何言ってるかわかんなーい」みたいな表情をされた。
可愛いけどさぁ……可愛いんだけどさぁ…………。

もういいや。諦めよう。いろいろ。こわいし。


「そもそもあなたはなんでこんなに早く帰ってきたのよ……今日は授業ある日でしょう?」

「知らずに行ったら全部休講だったんだよ。ついてねーわ」

黒猫が「お前さえ帰って来なければ!」みたいな目で見てくるが、ぶっちゃけ俺なんも悪くないしなぁ……。ついてないのはお前もだろうけどさぁ……。



「…………で、本題に入るけどさ」

その一言に反応して2人が肩を震わせる。

「お前ら、俺の部屋で何してたの?」

………………ど真ん中ど直球。
いや、オブラートに包みようがないって、これ。
帰宅したらアナルバイブがウィンウィンしてる光景って、カリビアンでも早々見れねーぞ。

「えっと……ち、違うんですよ、お兄さん。けっ、けして私がそういう趣味があるとかではなくてですね、その―――」

「SM変態プレイよ。なにか問題がある?」

あやせの言い訳を遮って黒猫が見事なピッチャーライナーを打ち返してきた。

「く、黒猫さん! ななななんてこと言うんですか!!」

「事実じゃない」

「そうかもしれませんけどだからってそんな言い方!」

あ、あやせ認めちゃった。本人気付いてないけど。



「はぁ……この男に引かれるとか嫌われるとかそんなこと考えているのだとしたら全くの無意味よ。……ねぇ、そうでしょう、京介?」

こいつは多分この間のことを言っているんだろう。
何つっても俺は、『魂の契約』をしちまったわけだからな。もし破りでもしたら……えーと、あれかな、地獄で未来永劫彷徨うことになったりするのかな?

ともかく、今俺にできる返事といえば―――


「当たり前だろ。なんで俺がお前らを嫌いになったりしなきゃならねーんだよ。当たり前のこと聞くな」

ってところだろう。

「……だ、そうよ。あやせ、よかったわね」

「うう……なんでわたしが慰められてるんですか…………黒猫さん、ありがとうございます」

さすがのあやせもちょっとは反省したのか、素直に黒猫にごめんなさい。うんうん、仲良しが一番だ。

「―――あら、まだ礼を言うには早いわよ」

かしゃん。
黒猫の言葉と同時にそんな音が聞こえた。



「ふえっ? ……えっ、なっ、なんですかこれっ!!?」

音の正体はあやせの手錠だった。
あやせの両手首にぶら下がった、手錠。かけたのはもちろん黒猫だ。

「確かに普段から二人でじゃれてる時もわたしがされてばっかりで、あなたは攻めるばかりだけれど、たまには逆転するのもいいわよね?」

その言葉を聞いてあやせの顔から血の気がみるみる引いていった。
……ていうか、お前ら普段からそんなことしてんのかよ……。な、仲良しはいいことだよな。うん。自分の発言には責任を持とう。

「……くろねこさん、ちょ、ちょっと、おちつきましょう? わたし謝りますから、ねっ?」

かしゃん。かしゃん。かしゃん。
テンパるあやせの隙を突くように黒猫は手錠を追加していく。そして、最後に一言呟いた。

「安心して、あやせ。たとえどれだけあなたが惨めな姿を晒しても、この男は少しも引いたりしないのよ」

「ひにゃああああああっ!!」

あぁ、さっきの俺への確認ってここへの伏線だったんだ……。

拘束されたまま裸にひん剥かれて悲鳴を上げるあやせを横目に、ぼんやりとそんなことを考えた。




「ちょっと先輩、ぼーっとしてないで手伝いなさい」

「あっ、はい」





―――黒猫によるあやせへのおしおきが始まって一時間。

「どうかしら、満足いただけたかしら……?」

「じぇ、じぇんじぇんきもちよくにゃんか、にゃいんでしゅよー……えへへ、うへ、だ、だかぁ……もっとやっていいでしゅよぉ……? ……あは、あはははは……」

あやせ、完堕ちでした。


いやまぁ、たしかにあんなことされたらそりゃこんなふうにもなっちゃうよな……。

さっきまでのあやせの様子を思い返してみる。




『あなたも素直にアヘってしまえばいいのよ……! ねぇ……ねぇ……!』

『あっ! がっ、だ、め、ですぅ!! あぁっ、いたい、いたいの……んあぁっ!!』

『嘘よ。どうせ気持ちいいんでしょ、ほら……ほらほらほらほら』

『あっ、あっ、あっ、あーっ!! ……ちょっ、黒猫さん、本当にやめて! これ以上したらぶちこ―――ひぎいぃっ!!?』

『ぶちころす? 何言っているのかしらね、この淫乱は。調子に乗るのもいい加減にしなさい。あなたの写真を撮って社会的に殺してあげようかしら……ねぇ、淫乱、淫乱、淫乱』

『あひっ、ひっ、ま、まって、やめっ、おねがいっ……い、今ならまだ許しますから、ね、お願いっ、ああぁぁぁっ』

『許す? はっ、面白いことを言うのねこの淫乱女狐は! 闇の眷属たるこのわたしにあれだけの屈辱を与えておいて、まだ許すだとか笑いが止まらないわ』

『えっ、だって、い、いつものことじゃ―――あぎゃ!? や、やめて、激しくしないで!!』



『……もうだめよ、絶対に許しはしないわ。泣いても喚いても、あなたが二度と余計なこと言えなくなるまでいじめてあげるわ。ほら、気持ちいいんでしょう? 気持ちいいと言いなさい……ほら! 気持ちいいんでしょ!!?』

『気持ちいいです! 気持ちいいです! だからもう許して! おねがい!! やだ! もうやだ!!』

『あらぁ……あやせもいじめられてるときのほうがとっても可愛いわよ……ふふ、こんな可愛らしいあやせ初めて……うふふふふふふふ……』

『……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい! ごめんなさい!! ごめんなさいぃぃっ!!』

『あら、身体が痙攣してきたわね? そろそろかしらね、あやせ? ―――ほらさっさとイきなさい!!!』

『んんんんっ! らめぇ、らめぇ、あっ、あっ、んっ、んんあぁぁっ! い、いっちゃ、あっ、ぁぁぁああああああああっ!!』

『京介に見られながらだらしなくイッてしまいなさい、ほらぁっっ!!!!』

『やっ、みなっ、みないでっ―――ひぃやああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!』

―――びくびくびくびくんっ






……………とまぁきっちりきっかり自分がされたことの仕返しをした黒猫さんでした。


黒猫ああ見えて相当怒ってたんだろうなぁ……。
自分が言われたこともきっちり言い返してたもんなぁ……。

そんなこんなの受け攻め逆転プレイが終わり、あやせも人として若干終わってしまったのであった。
……く、黒猫もしばらくしたら正気に戻ったし、だ、大丈夫だよな、あやせも。多分。



「あはぁ……くろねこしゃん、しゃしんとっちゃらめぇ……わたしモデルなんだからぁ……」

「あら、いつものあなたよりよっぽど綺麗よ。ほら、モデルなんでしょう、笑ってピースなさい」

「えへへへへぇ……かわいくとってくださいねぇ……ぴぃーす……あは、あはははははは」



当然あやせも尻にバイブを突っ込んだまま盛大におもらしをし、その片付けは俺がすることになった。


二人ともさっきお互いに撮った写メくれねぇかなぁ……。
あ、後で聞いてみようかなっ。



色々と片付けていると、部屋の隅で寄り添った二人のひそひそ話が聞こえてきた。


「ううぅ……黒猫さんひどいです……おしりいたい……」

「あのね、わたしだって若干慣れてるからマシだというわけで、まだずきずきしてるのだからね?」

「黒猫さんなんか嫌いです……ぷいっ」

「ちょ、ちょっと、冗談でもそういうこと言うのはやめなさい」

「んー? わたしが嫌いって言ったら嫌なんですかー?」

「……だまりなさい……」

「ふふっ、"るりちゃん"可愛いー♪ ちゅうー」

「ちょ、何を急に―――むぐっ、んっ」


お、おう……人が今日2回目のおもらし掃除してる間になに女同士で抱き合ってキスしてんだよ……。



「―――ていうかさ、あんま無茶すんなよ。その、怪我とかしないようにさ」

片づけが完了したのでとりあえず二人の身体の心配をしてみる。
いや、本当に、傍で見てると血の気が引くくらい無茶苦茶なことしてたし。

「ああ、それなら心配要らないわ。大丈夫よ、これが初めてじゃないわけだし」

「ふふっ、お兄さんったら心配性ですねっ。あれくらいぜんぜん平気ですよっ」



……なんか、やだなぁ……。

「いや、何でお前らそんなに手馴れてるんだよ……そんな欲求不満なのかよ……」

怖いって、マジで。自信なくしちゃうぜ……。

「え、何言ってるんですか、お兄さん?」

「あなたのために決まっているでしょう?」

……へ? 俺?



「決まっているでしょう? あなたの異常性欲に応えるためにわたしとあやせはこういうことを練習していたのよ?」

「まぁ、途中からお互いにだんだん楽しくなった、ってのもありますけど……」

「……余計なことを言わないで頂戴」

「いや、俺は、一言も、そんなことは……」

愛が重い……。



「先輩、引いてないかしら?」

「えっ、いや、そんなことはっ!!」

「……こんなにがんばってるわたしたちに対してその態度はどうなの?」

「い、いいいや、誰もそんなこと言ってないだろ? あのー、えっと、あのさ、無理にあんなことしなくたって」

「―――お兄さん、どういうことですか?」

あやせの目の色が変わった。
これあかんやつや。



「あやせ、困ったわね。先輩はあんなプレイはお好みじゃないそうよ? 引いちゃったみたい。……嘘つきだわ」

「嘘、吐いたんですか……ワタシも黒猫サンもこんなにオ兄サンのことヲ想っているのにどうして……ドウシテ、ドウシテ、ドウシテドウシテ……」

ちがっ、引いてなんかないって!! ちょっとどうしていいかわかんなかっただけでっ!!

「ええ、そうね。ひどい先輩だわ。本当に、ひどい先輩。―――これはお仕置きが必要よね?」

「オ、シ、オキ……オシオキ、オシオキ、オシオキ……クケッ、クケケケケケケケッ」

おいあやせ!! 混沌の魔獣(カオス・ビースト)に戻ってるぞ! 帰ってこい!! お願いだから!!
黒猫も煽んじゃねぇよ!! マジで勘弁してくださいマジで!!



「あやせ……あやせの大好きなお兄さんにはどんなお仕置きがいいかしら」

「うふ、オシオキ、オシオキ、オシオキィィィィィィッ!!」

奇声を上げながら飛びついてきたあやせにねじ伏せられた。
何なのこの子まじで……どうなりたいの……。



「そうね、それがいいわね。―――わたしたちと同じ痛みを味わってもらいましょう」

「なっ、え、ちょっと、おいっ!!」

かしゃん。すっかり聞きなれた絶望の音が耳に届いた。

「あら先輩、とても似合ってるわね、そのシルバーのブレスレット」

手首にずっしりと重みを感じる。
やばい、やばいやばいやばいやばいっ!!!



お前この一瞬で何個つけたんだよ!!



あっという間に動きを封じられて、二人に両側から抱きしめられて。


ケツの辺りを10本の指が這い回るのを感じる。


麻奈実の恐怖がフラッシュバックする。


いやだ、おれは、もう、いやだ、あれは、もう、だめだってば……!!




遠くでモーターの動作音が聞こえる。




二人の吐息を、耳元で感じる。



「オニイサン、オニイサン……ダイスキ、ダイスキ……!!」

「京介……3人で一緒に堕ちましょう……」





「ぎにゃあああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」





―――というわけで、同じ展開を3回も見せるわけにもいかないので、ここは省略だ。

とにかく言えることは、『全く同じ展開がもう一度繰り返された』ということだけだ。

……それだけだ……もう、何も喋りたくない……。


……おしりいたい……。



「京介、さっき撮った写メ送ってあげるわ」

「あ、お兄さん、私も送ってあげますね♪」

「マジかよ! サンキュ―――ってこれ二人とも俺の写メじゃねーか!!」

いるか!! 消してください!!!


「てへっ♪」
「ぺろっ♪」

お疲れ様です。1です。


最後におまけのおまけとしてあやせ+黒猫編でした。
ハーレムエンドなのに複数人プレイが一度も出ないのはさすがにどうかと思いどうにか書き足しました。
粗い造りになっておりますので、雰囲気だけを楽しんでいただけましたら幸いです。

3週間ほどの間でしたが、非常に楽しく書かせていただきました。
加えてご覧になってくださった皆さんが少しでもお楽しみいただけましたなら、こんなに嬉しいことはありません。

おまけパートに入ってからは遅い進行と雑な内容でご迷惑をおかけしました。大変申し訳ありません。


途中の感想レス本当にありがとうございました。仕事中もトイレに行く振りをして何度も眺めていました。
今後の向上のためにもぜひともアドバイス等いただけましたら励みにいたします。
よろしくお願いいたします。


次に何を書くかは一応未定です。
俺ガイルの掌編集の続きを書く予定でしたが、思ったよりネタが浮かびませんでしたので、これから考えるつもりをしています。
もしまた何か書きましたらぜひともよろしくお願いいたします。


それではご覧頂きまして本当にありがとうございました。またお付き合いくださいませ。

ご感想ありがとうございます。

次は俺妹ではないので、このスレはしばらくしたら落とすつもりをしています。
それまでの間この場は雑談なり何なりとご自由にお使いください。

新境地、なのでしょうか?
自分では凡庸なものを書いてしまったな、と反省していたので、多少意外です。
よろしければどういう点が他と違ったのかお教えいただけましたら幸いです。

某スレみたくまとめたtxt.zipをうpしてくれると嬉しかったり。

>>276
光栄です。喜んでアップロードさせていただきます。

ただ某スレとはどのスレのことをおっしゃっているのでしょうか?うpは初めてですので、よろしければ一般的なやり方を教えていただければ助かるのですが……。

ちなみにうpする以上最低限誤字と段落の修正くらいは致しますので、1,2日お待ちください。
ご迷惑おかけします。

京桐の最終巻後ifのとこだろ
URL貼っていいものかどうか知らんけど本スレ見るか京介「ただいま」とかで検索すれば出るんじゃね

>>278
ありがとうございます。言われてみれば、そのスレなら見ていました。
帰宅し次第確認させて頂きます。ありがとうございます。

こうも方向性の真逆なSSを同時期に読めて
作者には感服せざるおえない。

>>275
原作12巻後設定の京介が、押し掛けとはいえハーレムルートを受け入れた点
その有り様が多少は耳に届いてるだろう桐乃の反応が、間接的にすら一切描写ない点
これだけオリジナリティ盛り盛りで凡庸ってことはないっしょ

中身についてもう少し感想するなら
現状にひとまずの安心や満足感をおぼえてるヒロインと
いかに出し抜くかを画策するヒロインとで
思惑のずれや軋轢なんかが見え隠れしてくると
また違った一波乱になりそうで妄想が捗りまる

>>280
ありがとうございます。感服だなんて身に余る言葉です。

ここまでお褒めいただいて本当に嬉しい限りです。皆さんのおっしゃっているスレは僕もいつも更新を楽しみに読んでいましたので、比較対象として挙げられるだけでも恐縮することしか出来ません。並べるのも恐れ多いことです。



女性陣の抜け駆け云々を書くかどうかは多少迷いましたが、それだと原作から女性陣が成長していないように見えると判断して、諦めました。ハーレム物は女性陣が仲良しでこそ、という考えもありましたが。

あやせ抜け駆け→バレて全員からおしおき、というのも定番ですが、5人同時プレイを書く力が無いだろうと予想して、これも断念しました。
申し訳ありません。




お恥ずかしながら自分の書いた文章を読んで素直に「面白い」と感じてしまうタイプでして、自分の文章の妥当な評価が出来ていません。
ですので皆さんからの感想やアドバイスには非常に感謝しております。しつこいようですが、本当にありがとうございます。

どうも、1です。

txtで挙げるとなると些細な言い回しや言葉選びが非常に気になって、大幅に加筆修正をしております。
お待たせして大変申し訳ありません。推敲はスマホでは少し困難でして……。

可能な限り急ぎますので、よろしければもう少々お待ちいただけると幸いです。

ゆっくりでいいさ、気長に待っている
ちょっと名前出てた某スレの1もこっちのスレ見てたみたい。向こうのスレの方で挨拶してたよww

>>284
忙しくて数日あちらのスレをみていなかったのですが、確かに書かれていました。
お知らせしていただいてありがとうございます。


そしてまさか読んでていただいていたとは……本当にお恥ずかしい限りです。
……どれだけ向こうのスレに「全身から砂糖吐いたわ」みたいな感想レスを書き込んだことか。
本当に本当にありがとうございます。恐縮することしか出来ません。

向こうでお礼を書くと売名の上スレ汚しになるので、こちらで述べざるを得ませんが、
いつも楽しく読ませていただいております。本当にありがとうございます。

お待たせして申し訳ありません。

大方修正が終わりましたので、今日の夜遅くか、明日中にtxtをアップできるかと思われます。
誤字脱字・明らかに内容のおかしいところなどは直したつもりですので、
こちらで読み直していただけましたら幸いです。

以上です。また後ほどよろしくお願いいたします。

どうも、1です。
いつもお世話になっております。

大変お待たせいたしました。
テキストでのアップロードが完了いたしましたのでご報告いたします。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4373302.zip.html
に場所にアップロードしております。

本編のほうは色々と修正いたしましたので、ぜひとも再読いただきましたら幸いです。

パスワードは
badend
です。

ご確認よろしくお願いいたします。

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