――その日、私は他の事務所とのお仕事を頼まれた
ありす「876……プロですか?」
「そうだ」
――既に決定事項だが、お前ならやれるな的口調で言ってきたのは私のプロデューサーだ
ありす「……わかりました。とりあえず脚本とかは」
「あぁ、ここだ」
パサッ
――少し薄めの辞書ぐらいある束を置かれる
――なるほど、これは相当に期待されているというわけですね
ペラペラ
ありす「電脳世界……ウイルス……ボクカワイイ……なるほど、興味がありますね」
「気に入ってもらえたようで何よりだ。4日後からでもレッスン開始だ」
ありす「4日後ですか?」
――別に明日からでもいいのに……と疑問が顔に出ていたのだろうか
「中高生は期末テストの時期でな……まぁ理解してやってくれ」
――そういうことでしたか
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――とは言ったものの、初めて会う人達だ
――気心の知れたL.M.B.Gのみんな
――互いが切磋琢磨し認め会うアインフェリア
――反発しあうようで、実はわかりあっていたCAERULA
――お互い歌に真剣に取り組んだレッドベリイズ
――まぁ、クローネみたいに途中であのような感じになってしまったのもありますが……
――概ね私にとって充実したと思える時を過ごしたユニットばかり思い浮かびます
――なら、876プロの方々を予め知っておくべきですね
――少なくとも……
ヘレン「ヘーイ!このメンバーで世界を目指すのに相応しいユニットかどうか、ダンスで見せてあげるわ!」
瑛梨華「いける、このユニットならお笑いの頂点を目指すメンバーでいられるYO・NE!」
乃々「も、もりくぼは壁にひっそりと佇んでますので、必要以外は静かに……やっぱり、むーりぃ!」
ゆかり「やはり、私もフルート以外にチャレンジすべきでしたでしょうか?」
――あの悲劇……うぅ頭痛が……
――過去のトラウマが……
――それから数日、彼女達の情報集めに動いていた
ペラペラ
ありす「愛さんは……ウチのあいさんと違い、熱血キャラですね」
ありす「……茜さんみたいな方でしょうか?」
カタカタカタ
ありす「絵里さんは……」
ありす「あきらさんと似てるようで違うパターンですね。少し注意した方がいいかもしれませんね」
ピロン
――メール?誰からでしょうか?
【秋月涼の情報が知りたいのね?いちごパスタを舞台開催の期間中作らないなら教えてあげるわ】
――これは……マキノさんでしょうか?泉さんならもっと……こうラフな
――ふふっ。こうやって皆さんのことを知っているって昔の少し意地っ張りな私からでは想像できませんでした
――そういう場を与えて、皆と交流する機会を作ったプロデューサーさんに感謝ですね
――そうだ。私の誕生日にはいちごプリンを乗せて、フローズンいちごを乗せた冷やしいちごパスタをご馳走しないと
――……じゃなかった。マキノさんに送信っと
ピロン
………………
…………
……
ありす「う、嘘……ホント……まさか……本当に存在していたなんて……」
ありす「で、でもご本人も気にしているようですし、間違っても追求してはいけませんね」
ありす「気をつけないと……」
カタカタカタ
ありす「あとは……この間は参加された夢子さんはいないみたいですから……」
カタン
つ【サイネリア(鈴木彩音)】
ありす「……」
ありす「蘭子さんの傷ついた悪姫/ブリュンヒルデとかみたいなものでしょうか?」
ありす「今はともかく、アイドルに対して良い印象がなかったのですか」
ありす「……何か親近感を覚えます」
エリーチカがいるぞ
カタン
ありす「ふぅ……」
――今はここまででしょうか……
――まだイメージは完全ではありません……でも
――プロデューサーが作ってくれたこの舞台……是非皆さんと完璧なものにしてみせます
――そういえば何かの本にありましたね
「一人一人が、裸の人に還って胸襟を開き、いつも余裕を持ち、一日一日を大切に暮らしていく」
「丸っこいやわらかいしっとりとした雰囲気で、人間同士思いやりと親しみのこもった空気の中」
「誰も馬鹿にせず、だれも自らバカにならず、お互い大事にしあって、みんなのために働き紳士道を貫く」
――と
――大丈夫です。こうやって絆を繋いだ皆さんからいろいろ協力してもらい、あちらの人達のことを一部でも知ることができました
――なら、こちらも私を……橘ありすをわかってもらうだけです
――簡単です。私には柚さんを唸らせる秘密兵器がありますから
―その頃
ブルルッ
愛「な、なんか」
絵理「寒気が……」
涼「大丈夫……といいたいけど」
鈴木「……みんなも?」
涼「でも、今度共演するありすちゃんって……」
絵理「たしか、いちごパスタって……そのかつて食べ物だったものを使って各プロダクションを制覇しているって」
鈴木「あ、それ、聞いたことがありマス。なんでも有無を言わさず食べさせることで相手の戦意をくじくトカ」
愛「大丈夫ですよ!いざとなったら私が全部」
絵理「そう言って撃沈されたアイドルは765プロや283プロ等だけでなく、自プロダクションにもいるらしいわね」
鈴木「せ、センパイ……」ガタガタ
涼「だ、大丈夫だよ……きっと」
涼(あとでねーちゃんに聞かないと……)
―なお、悪夢が現実になるまであと数日
おわり……かな?
無理にいちごパスタを食べさせる流れはまずかったかな?
ではありがとうございました
夢子の飴をピリ辛キャンディー扱いしたやよいさんならイチゴパスタにも勝てる・・・はず
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