【シャニマス】めぐる「ドラマのヒロイン役のオファー!?」 (13)

シャニマスの八宮めぐるちゃんのSSです。
少しシリアスな展開が有ります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1568041962

P「あぁ、最近最新9巻が発売されて、出版社も推したがってる少女漫画だ。めぐるも名前は知ってるんじゃないか?」

めぐる「わー!これ、お友達に貸してもらったこともあるよ!たしか今2章で新しい恋のライバルが出てきたところで、続きが気になってたんだ」

P「どうだ?受けてみるか?」

めぐる「もちろんだよ!」

▽▼▽▼▽▼▽▼


めぐる「『あたしなんて、目にとまるはずないよ……』」

めぐる「うーん……」

P「役作り順調か?めぐる」

めぐる「あ、プロデューサー!……ここの恵ちゃん、漫画では情けなくてちょっと笑ってるんだけど、この次の、顔が描かれてないコマではどんな顔してたんだと思う?」

P「そ、れはまた……難しいなぁ」

めぐる「難しいよね。わたしは……泣きそうになってるんだと思うなぁ」

P「あぁ。この子、他のシーンでたまに泣いてる描写が有るもんな」

めぐる「うん!……台本に書き込んでおこう。撮影の時、監督に質問してみるね!」

めぐる「言い方も……『目にとまるはずないよ……。』うーん、『目にとまるはず、ないよ……!』……こうかな?」

P「俺は後者の方が恵っぽいと思ったぞ」

めぐる「そうかな?えへへ、ありがとうプロデューサー!」

めぐる「読んでるだけの時は、描かれてないところでどんな顔してるかとか、喋り方とか、考えもしなかったの。だから、このお仕事が貰えて楽しい!」

▽▼▽▼▽▼▽▼







P「1話、無事に放映されたな」

めぐる「うん!キャストさんとか、演出とか、音楽とか、ぜーんぶ凄かったね!!」

P「良い出来だったな。めぐる、よく頑張った。Twitterのハッシュタグキャンペーンで感想募集とかもしてくれてるらしいぞ」

めぐる「集中するためになるべくネットとかも見ないようにしてたけど、見てみようかな!」





『まーた漫画原作にアイドル使ってる。絶対見ない』

『このマンガ大好きだったのに……ガッガリ。私がイメージしてた恵ちゃんじゃない』





P(まずい…。)

P「……めぐる、ここの感想見てみろ、好評みたいだな」

めぐる「プロデューサー……」

P「……どうした?めぐる」

めぐる「気を遣わせちゃって、ごめんね。ちょっとびっくりしちゃった」

P「いや、俺の方こそ嫌なもの見せてしまってごめん。でもこんな無責任な批評に耳を貸すことないぞ」


めぐる「……わたしたちのお仕事って、全員(みんな)に歓迎されるものじゃないんだね」

P「めぐるの役作りへの真摯な向き合い方は俺が一番よく見てきた。こんなことでくじけるな」

めぐる「ありがとう、プロデューサー。この人たちは、わたしの頑張ったところを悪く言ってるわけじゃないの、わかってる…。」


めぐる「この人たちは、きっと誰よりもあのマンガのドラマ化を楽しみにしてたと思うの」

めぐる「わたしも同じ立場なら、何の気兼ねもなく楽しみたかったと思う」

めぐる「……わたしは、この人たちにも笑顔でドラマを見て欲しかったなぁ」

P「めぐる……」



めぐる「“アイドル八宮めぐるを起用!”って宣伝して貰って、うれしかったの」

めぐる「わたしがこれまでやってきたことが、そのキャッチフレーズで見て貰える人が増えるくらい、“正解”だったんだって」


めぐる「頑張ってきたから、大勢の人に必要としてもらえたのかなって」


めぐる「でも、なにが正解だったのかな。わたしがアイドルとして頑張ったから、その結果この人たちはこんなに怒ったり、悲しんでる」


めぐる「わからないよ…」



P(めぐるは他の人のためにいろいろ考えてしまうよな…)


P「世の中には色んな人がいて、中には心ない言葉を吐く人、他のキャスティングを望んだ人だって、居るんだろうな」

めぐる「そう、だよね」

P「だからって、めぐるを必要としてくれる人の言葉を聞き流しちゃいけないよ」

めぐる「……うん、良い方に考えないとね、プロデューサー!」


P(笑顔にはなったけど、やっぱり今回のことがつっかえているみたいだ)

P「明日は朝9時に事務所だったな。今日は夜遅くまでレッスンお疲れ様。車で送っていくよ」

▽▼▽▼▽▼▽▼




めぐる「おっはよー、プロデューサー!……その袋は?」

P「おはよう、待ってたぞめぐる。それ、開けてみてくれ」

めぐる「うん、わかった……!」




『めぐるちゃん、まだ高校生のアイドルなのに演技もすごく頑張ってて、本当に恵ちゃんが喋ってるみたいだった!』


『恵ちゃん役が女優さんじゃなくてちょっと不安だったけど、めぐるちゃんは想像以上にはまり役だった』


『ドラマオリジナルの部分の恵ちゃんが恵ちゃんそのもので、原作ファンからしても2倍楽しめました。2話も楽しみ!』


『恵ちゃん役のめぐるちゃんがアイドルだって知らなかったけど、興味が沸いてきた。』





めぐる「これ……全部手書き、ファンレター?……でも、ぜんぶ同じ書き方…」

P「昨日放映されたばかりだから、流石に局にもファンレターは届いてないだろうと思って。ネットの掲示板とか、ブログ記事を書き起こしてみたんだ」

めぐる「わたしのために夜なべしてくれたんだ……」

P「その方が読みやすいだろ?」

めぐる「プロデューサー……!」

めぐる「あ、れ……えへへ、嬉しくて、ごめんね、涙が出ちゃった」



P「昨日も言ったけど、めぐるを見てくれてる人はたくさん居る。その袋の重みが“正解”でいいじゃないか」

めぐる「……!」

めぐる「うん、もうクヨクヨしないよ!」 

めぐる「恵ちゃんに『演じてもらえて良かったー!』って思ってもらえるくらい、頑張るねプロデューサー!」

短いSSですが、読んでくださってありがとうございました!

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