【Fate】アイリ「聖杯大喜利戦争」 切嗣「座布団八枚目だね」【大喜利】 (97)

・ Fateのメンバーに大喜利をしてもらうSSの八スレ目です。

・大喜利回答者のサーヴァントは五次鯖です。

・全編Fateネタバレ&キャラ・世界観・設定崩壊、オリ設定ありですが、「あくまで洒落」です。華麗にスルーしてください。

 前回、歴代回答者の名前にギルガメッシュが抜けていると指摘されたのですが、あれは丸ごとネタみたいなものなので、正式にカウントはされていないという扱いです。

 ま、素で忘れてただけなんだけどね!(前スレの72さん、教えていただいてありがとうございます)


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10月初旬 アインツベルン城

ガウェイン「城の周辺には、マーリンによる結界を張り巡らせましたし、周囲は我ら円卓の騎士が囲んでいます。これで英雄王もおいそれとは近寄れないでしょう」

アイリ「ありがとうガウェイン。これでみんな安心して眠れるわ、太陽の騎士のおかげでね。フフッ」

ガウェイン「礼には及びません。主君を守るのは騎士の務めですから」

アイリ「こういう時は遠慮しなくていいの。ほら、切嗣も」

切嗣「……」フイッ

アイリ「まったくこの人ったら……ごめんなさいね、ガウェイン」

ガウェイン「構いませんよ、ご婦人。我々の中にも、似たような輩がいますから」

アイリ「ランスロット、まだ私や舞弥さんのこと気にしているの? あれは別世界の話だから気にしなくていいって言っているのに……」

ガウェイン「いくら狂気に侵されていたとはいえ、あれは潔癖ですからね。なかなか自分を許すことはできないでしょう」


ガウェイン「それでは、我が王に報告がありますので、これにて失礼」

アイリ「えぇ、それじゃあね、ガウェイン」

アイリ「……行ったわよ。まったく、いい加減サーヴァントたちとお話しできるようにならないと」

切嗣「それはそうなんだが……どうにもね」

アイリ「まぁいいわ。セラ、荷解きはどう?」

セラ「ほどなく終わります。大きい荷物は、後でリーゼリットと共に取りに戻ります」

アイリ「よろしくお願いするわ」

アイリ「……お城かぁ。きちんと住むのはずいぶん久しぶりね」

切嗣「そうだね……」


切嗣「……」

アイリ「しんみり?」

切嗣「たいていのことは身に覚えのない、知っているだけの知識だ。あまり落ち込んでいてはランスロットを笑えない」

アイリ「じゃ、元気ださなきゃね。ほら、久しぶりにイリヤとクルミの新芽探しをするのはどう?」

切嗣「おいおい、クルミが芽吹くのはずっと先だよ。それに残念ながら、今のイリヤは僕よりも士郎と一緒にやりたがるだろうからね」


ガウェイン「警備には万全を期しています。どうぞご安心を」

セイバー「そういうのをこの時代では"ふらぐ"と言うのですよ。相手はあの英雄王、どれだけの手を打とうとも、彼奴がその気になれば、造作も無く飛び越えてくるでしょう。些細な慢心も命とりです」

ガウェイン「作用でございますか……申し訳ございません」

士郎「いいってそんな落ち込まなくて。いくらギルガメッシュでも、たかがのぞきのために円卓の騎士と一戦やりあおうなんて、そうそう思わないよ」

セイバー「楽観的過ぎます、シロウ。英雄王は常識の通用しない相手です。一体何を仕掛けてくるか。あぁ、もう下がってよろしいですよ、ガウェイン卿。警戒、抜かりなきよう……信頼していますよ」

士郎「あ、あぁ。よろしく頼む」

ガウェイン「御意」


士郎「……」

セイバー「シロウ、どうかされましたか」

士郎「いや、やっぱ王様なんだなって思ってさ」

セイバー「むっ、失礼ですよシロウ。どのような日々を送っていようと、私は王としての責務を忘れたことなどありません」

士郎「悪い悪い。確かに、こういう時のセイバーは、出会った頃から変わらないよ」

セイバー「――」

セイバー「そうなのでしょうか……」

士郎「……セイバー?」

セイバー「なんでもありません。さて、引っ越しもひと段落しましたし、とりあえず休憩しましょうか」

士郎「そうだな。少し待っててくれ、お茶いれるから」

セイバー「そういう意味ではありません。シロウもあんなにたくさん荷物を運んだのですから、ゆっくり身体を休めてください」

士郎「うん……まぁ、そう言ってくれるのは嬉しいんだけど」

士郎「やっぱりここに来ると、引き取られたばかりのこととか、いろいろと思い出しちまってさ……身体動かしてる方が、気が楽なんだ」

セイバー「……」


セイバー「シロウ、あなたは――」

イリヤ「あっ、いたいた。 見てシロウ! 物置を見てたら、こんなの見つけたわ!」

セイバー(あれはシロウが昔あそんでいた玩具……今、過去を思い出させるものを見せるのはよくない!)

セイバー「イリヤスフィール、シロウは疲れているのです。そういうお話はまた後に――」

士郎「うわっ、それあったのか! 懐かしー。すっかり失くしたと思ってたけど、そうかここにあったんだな」

イリヤ「えへへー、誉めてくれてもいいのよ?」

セイバー「」

セイバー(……まぁいいか)

イリヤ「これって、確か拳が飛んでパンチするのよね」

士郎「そうそう。昔はセイバーにロケットパンチして、叱られたっけ。"その程度の攻撃で私を倒そうなど、十年早いです!"って」

イリヤ「そこじゃないって話よねー」

パチン ピュ-ン

セイバー「」ペチン

セイバー「……」ハッ

セイバー「ぐ、ぐはーーっ!」バタ-ン!

セイバー「強くなりましたね………シロウ」ガクッ

イリヤ(セイバー変わったなぁ……)

士郎(……)


10月下旬
※()の中は着物の色

カレン(白)「お待ちどうさまでした、聖杯大喜利戦争の時間です。司会は私、カレン・オルテンシアです。よろしくお願いいたします」

カレン「それでは、課金のし過ぎで、ガチャではなく目がまわりそうな皆さんのご挨拶からどうぞ」


槍流亭 犬之介(紺)「バイトで二人分食い扶持稼いで、課金してる余裕なんざねーよ!」

犬之介「この国の秋つったら、やっぱサンマかね。バゼットも最近じゃ、俺が釣りから帰ってくると、「ランサー、サンマは釣れましたか? えっ、釣れない? 貴方ほどの釣り師がですか。では、早く釣れるようになってください!」 って、お前は自分で買えるようになってくれよ。ランサーだぜ」

弓屋 贋作(黒)「スペース・イシュタル…………頭痛がしてくる」

贋作「頭が痛いから、今回は以上。アーチャーだ」


騎乗亭 蛇薔薇(桃)「秋といえば食欲の秋という方が多いサーヴァント界隈ですけれども、私としてはやはり読書の秋ですね。先日「ジョニーは戦場へ行った」を拝読しました。何と悲痛な物語でしょうか。しかし、国際情勢のきな臭い今日、大勢の方に読んでいただきたいと感じました。とりあえず、ナイチンゲールの机にそっと置いておこうかと思います。ライダーです」 

投魔亭 呪々(紫)「すっかり秋になったわね。枯れ葉の舞う季節がよく似合う宗一郎様。ひと昔前のトレンチコートとか着ていただいたら、ほんっとうに格好いいと思わない?
      あぁ、宗一郎様、風に吹かれながら、落ち葉舞う並木道を歩きましょー!」

呪々「キャスターよ」



刀剣亭 竜征(水色)「私の宝具であり代名詞とも言えるエクスカリバー。これは正に伝家の宝刀とも言うべき代物ですから、おいそれと放つわけにはいかないのですが、長い間撃たないせいで腕が鈍るというのが一番避けたい事態です。それになんだかこう、撃ちたくてうずうずしてくるのですよね。そのため年に何度かシロウに協力してもらい、夕焼けの海に向かって叫ぶがごとく、海へ足を運んでは水平線の向こうへとエクスカリバーを放ちます。この宝具放ちたい欲の定期的な高まりのことを、業界用語でカリバリズムと言います。規則正しい、セイバーです!」

英雄王 切我滅狩(金)「エルメロイⅡ世のアニメなど作って何をしていると言っていた矢先、我のアニメが始まっているではないか。そう"我の"アニメだ。貴様らも見たであろう、我が真摯に国政と向かい合う様を。これでセイバーも我に惚れ直したに違いない! なに、尻しか思い出せない? たわけがぁ! もう一度見直してこい!]

切我滅狩「真面目に政を司る男の名は、英雄王だ」


カレン「続いては、先日のシトナイピックアップに大爆死して、腰巻一枚の素寒貧になってしまったバーサーカーのご挨拶です」

暴走舎 打阿須(赤)「■■■■ーー!(泣)」

イリヤ(白桃色)「このあいだ、何人かのサーヴァントが集まってひそひそ話をしているところに出くわしたの。聞き耳を立てたら、そいつら私の悪口を言ってたの! 酷いでしょ!? 怒って詰め寄ったら、そいつらの一人はこう答えたわ」

「誤解なのでおじゃる! 我ら「イリヤたんに突き飛ばされ隊」は、いざ大喜利に参加できたとき、イリヤたんに突き飛ばしてもらうための練習をしていただけで、悪意はなかったのですぞ!?」

イリヤ「キモッ!」

イリヤ「そんな奴らを突き飛ばしに行く、バーサーカーをよろしくね♪」


カレン「座布団が十枚貯まると、(笑)聖杯が掲示した聖句(キーワード)に則った願い事が叶います。貯まらずとも最後に一番多く座布団を獲得した方には、すーばらしー賞品が待っていますので、せいぜい頑張ってください」

カレン「では今回のキーワード  「一寸先は闇」  これを目指して励んでください」

現在の座布団の状況

ランサー 2枚

アーチャー 1枚

ライダー 3枚

キャスター 4枚

セイバー 0枚

ギルガメッシュ 0枚

※ここから先は普通にクラス名で表記します。



カレン「まずは一問目。歴史や伝説上には、数々の名勝負と呼ばれるものが伝わっています。古にはアキレウスとヘクトール、この国では宮本武蔵と佐々木小次郎のような戦いですね」

<ワタシハ……カンケイナイカ

カレン「しかし中には、二度と見たくない名勝負というものもあるかもしれません。そこで、二度と見たくない名勝負とはいったいどのような戦いか。大喜利流に考えるのです」

ライダー「それは"迷"のほうなのでは?」

カレン「いいえ、あくまで名勝負です」

ランサー「だが二度と見たくないのかww」


カレン「まずはライダーからいきましょうか」

ライダー「はい」

ライダー『二度と見たくはない名勝負』

ライダー『ガネーシャ 対 刑部姫、引きこもり対決』

カレン「フフッ……ww」

キャスター「それどうやって勝敗決めるのよ」

ランサー「どっちが長いあいだ風呂に入らなかったとかじゃねーの」

イリヤ「きたなっ!」

カレン「女捨て対決でもいいかもしれませんね。一枚あげましょう」


カレン「はい、アーチャー」

アーチャー「では風呂でひとついこうか」

アーチャー『二度と見たくない名勝負』

アーチャー『ヘラクレス、アステリオス、レオニダス、ロムルス、スパルタカスによる、長時間サウナ耐久対決』

キャスター「いやあぁぁぁぁぁぁっ!?」ゾゾゾゾゾゾゾ

バーサーカー「■■■■ーー!」ソンナ ヒメイトカ アゲアクテモ!

カレン「見ている方は気持ちのいい汗は流せそうもないですね。これも一枚あげましょう」


カレン「はい、キャスター」

キャスター『二度と見たくない名勝負』

キャスター『ジャック・ザ・リッパー 対 エリザベート・バートリーの、あんこう吊るし切り対決』

ライダー「エグい絵になりそうですね……」

カレン「ライバルになりそうな方が多い対決ですね。キャスターのジル・ド・レェとか不夜城のアサシンとか」

セイバー「下ろしたあんこうは是非とも鍋に!」

ライダー「ちょっと黙っててください」


カレン「はい、ランサー」

ランサー『二度と見たくない名勝負』

ランサー『イスカンダル 対 ダレイオス三世、バリチッチ対決!』

カレン「クフッ……wwwwww」

カレン「みみっちぃですね……一枚あげておきましょう」


カレン「では、ライダー」

ライダー『バーサーカーたちによる、フリーハグ対決』

カレン「犠牲者の数を競うんですか……静謐のハサンとか参加させてもいいかもしれませんね」

ランサー「無差別テロじゃねーか」


カレン「次、ギルガメッシュ」

ギルガメッシュ『では、セイバーことアルトリア・ペンドラゴン 対 ネロ・クラウディウス――』

ギルガメッシュ『泰山の麻婆豆腐大食い対決!』

セイバー「[ピーーー]気か!?」

カレン「同じ顔wwwwww……一枚あげましょうww」プルプル

ギルガメッシュ「口から延々と涎を垂らして悶えながら、しかして生真面目ゆえに「残すわけにはっ!」などと言って、端正な顔が涙と鼻水にまみれて……」ゾクゾク

キャスター「あぁ、ちょっとわかるわそれ……」ゾクゾク

セイバー「カレン! 並び順! 並び順を変えてください!」

カレン「いいですねぇ、いつか是非ともやらせましょう……」ゾクゾク

セイバー「」


カレン「はい、ライダー」

ライダー『二度と見たくない名勝負』

ライダー『マタ・ハリ 対 殺生院キアラの、男性甘やかし対決』

セイバー「見たくないというより、見てはいけないという感じですね……」

ランサー「見てみたいかもわかんねェけどな」


カレン「では、セイバー」

セイバー『二度と見たくない名勝負』

セイバー『エミヤ 対 フェルグスによる、カラドボルグで虫歯治療対決!』

アーチャー「……」

ランサー「そりゃあ、この世の悪夢だww」

カレン「いえいえ、その治療中の写真を学校に張り出せば、虫歯予防には効果抜群ですよ」

ライダー「みんなのトラウマじゃないですか……」


カレン「はい、ギルガメッシュ」

ギルガメッシュ『二度とは見たくない名勝負』

ギルガメッシュ『アーラシュ 対 虞美人、爆散バラバラ対決!』

カレン「ンッ……ww そんなのどっちも負けですよ。一枚あげましょう」


カレン「次、ランサー」

ランサー『メディア 対 セミラミス、一分間でたくさん耳ピコピコ対決!』

キャスター「やってどうなるのよそれ!?」

カレン「……面白いですね」

カレン「キャスター、ちょっと次に指されるまで耳を動かしていなさいな。でないと座布団を取ります」

キャスター「!? ちょ、ちょ――」

カレン「はい、スタート。次はアーチャーです」

キャスター「イジメ! イジメだわ!?」ピコピコピコ……

<オォ-、ホントニピコピコシテル


アーチャー『二度と見たくはない名勝負』

アーチャー『ゲオルギウス 対 アルテラ、罪悪認定対決』

カレン「ムフッ……wwwwww」

セイバー「酷い擦り付け合いです……」

カレン「いいですね、気に入りました。一枚あげてください」

イリヤ「そういえばセイバーって竜種よね?」

セイバー「ええ。高座名の由来でもありますから」ムフ-

イリヤ「罪ありきー!」

バーサーカー「■■■■■ーー!」ツミアリキ-!

セイバー「」ガガ-ン

キャスター「…………っ!」ピコピコピコピコ……


カレン「次は……」

キャスター「」ビシッ

カレン「はいランサー」

キャスター「チッ!」

ランサー『二度と見たくねぇ名勝負』

ランサー『キルケー 対 エリザベート、ペット可愛がり対決!』

カレン「ンフフフッ……ペットなんですかそれ……ww」

ギルガメッシュ「貴様も可愛がってもらったらどうだ、犬」

ランサー「てめぇ!」

カレン「ま、セタンタさんを"可愛がる"のはスカサハと相場が決まっていますからね。とりあえず一枚あげましょう」

ランサー「」

キャスター「」ピコピコピコピコ……


カレン「さて――」

キャスター「はい!」ピコピコピコ

カレン「セイバー」

キャスター「ちょっと!」

セイバー『二度とは見たくない名勝負』

セイバー『始皇帝 対 荊軻、叩いてかぶってじゃんけんぽん対決』

カレン「矮小化しすぎではないですかね……」

キャスター(早く……早く……!)ピコピコピコピコ……


カレン「だーれーにーしーよーうーかーなー……」

キャスター「あ、あなたねぇ――」

ピキ-ン

キャスター「い、いったあぁぁぁぁぁぁっ!? 耳介筋がぁぁぁっ!?」ビクビクンッ!

カレン「なんです騒々しい。一枚持っていきなさい」

キャスター「わ、私に何の恨みが……」ピクピク

ギルガメッシュ「おぉー、教会が魔女を迫害しておる」


カレン「はい、ランサー」

ランサー『二度と見たくねぇ名勝負』

ランサー『フランシス・ドレイク 対 エドワード・ティーチ、四つ葉のクローバー探し対決!」

全員「うわぁ……」

カレン「あっ、見つけたでおじゃるー♪」

カレン「みたいな感じですか」

イリヤ「止めてよ! 想像しちゃうじゃない!?」

カレン「はい、アーチャー」

アーチャー『エジソン 対 ニコラ・テスラ、鳥人間対決』

カレン「普通に世紀の名勝負になりそうな字面ですが……何でしょうかね、このロクなことにならないという予感は。一枚あげましょう」

キャスター「無駄に宇宙とか目指しちゃいそうよね~」

アーチャー「よさないか、放送を見ていないとは限らんぞ」

――――――――――――――――――――――――

「なるほど! よし、そうと決まれば早速実験だ!」

――――――――――――――――――――――――

「なるほど! よし、そうと決まれば早速検証だ!」

――――――――――――――――――――――――


カレン「はい、キャスター」

キャスター『二度と見たくない名勝負』

キャスター『メドゥーサ 対 ゴ●ラ』

ライダー「!?」

カレン「ンッフ…………wwwwww」

ランサー「そりゃあ大スペクタクルだwwwwww」

アーチャー「●ジラ映画の新機軸だな」

ライダー「ゴルゴーンの状態でもけっこうな(身長)差があると思うのですが!」

キャスター「あら不満? それじゃえーと」

キャスター『メドゥーサ 対 メカ●ジラ』

ライダー「一緒です!」

カレン「バーサーカー、ライダーに五枚あげてください」

ライダー「!?」

槍弓魔剣金「えええぇぇぇぇっ!?」

ライダー「あ、ありがとうございます……しかし何故……」

バーサーカー「■■■■ーーー!」

ライダー(あぁ、そういえば九枚たまるとバーサーカーの顔がずいぶん近づくのでしたね……)


現状

      騎
       ―
       ―
      ―
       ―
    弓 ― 魔
 槍 ― ― ―

 ― ― ― ―    金
 ― ― ― ―    ―
 ― ― ― ― 剣 ―



ライダー「」

セイバー「これは……大きいですね」

ランサー「見上げるほかねーな」

ライダー「取って! 取ってください!」

※五枚自主返却


カレン「はい、ギルガメッシュ」

ギルガメッシュ「シスター、これは必ずしも英霊でなければならぬのか」

カレン「まぁゴ●ラも出てきてしまいましたし、そのあたりはご自由に」

ギルガメッシュ「そうか」

ギルガメッシュ『では、二度と見たくはない名勝負』

ギルガメッシュ『衛宮切嗣 対 言峰綺礼―――』

ギルガメッシュ『娘自慢対決!』

カレン「」

槍弓騎魔剣「wwwwwwwwwwww」

イリヤ「そんなの、カレンに勝ち目なんかあるわけないじゃない!」エッヘン!

バーサーカー「■■■■ーー!」

ランサー「そりゃ、あの親バカと言峰じゃハナっから勝負はついてるわな」

ライダー「言峰神父に可能性があるとすれば……もう、ニッチな方向に振り切るしかないのではないですかね」

キャスター「踏んでくださいとか?」

セイバー「踏んでくださいって……ww」

ライダー『(声マネ)さぁ、ダニ神父。この可愛いカレンちゃんが足ふみマッサージをしてあげますから、今すぐ床に腹ばいで寝そべりなさい』

ギルガメッシュ『(声マネ)ふははははははは! どうだ衛宮切嗣。貴様の娘は、このように父親のことを踏んではくれまい!』

ライダー『あ、それ。ふーみふーみ』

アーチャー『(声マネ)なんてことだ……僕はイリヤにスカートを履いていない衣装で踏んでくれだなんて、とても言えない……っ!』

セイバー『キリツグ! 貴方は戦わずして勝利を捨てる気ですか!? まだ勝機はあるはずです!』

セイバー『さぁイリヤスフィール。急ぎスカートを脱いで、キリツグを踏むのです!』

イリヤ「死んでも嫌よ!?」

アーチャー『あぁ……やはり僕は、愛する娘に踏んでもらうこともできないまま、奴に敗北するしかないのかっ!』

ギルガメッシュ『ハハハハハハハハ! いいぞ! 娘から足蹴にされる私の姿を見て、苦痛に悶えるがいい衛宮切嗣!』

ギルガメッシュ『これが! 私の! 愉悦だぁぁぁぁぁぁぁっ!』

ライダー『ぐーりぐーり』


槍弓騎魔剣金「あははははははははははははははwwwwwwwwwwwwww!」

カレン「……」ピキピキピキッ


カレン「……感謝しますよ。これをやりたいがために司会者を引き受けたようなものですからね」

カレン「本当は三問目までとっておくつもりですが、構いません」

カレン「バーサーカー、全員から全部もっていきなさい」

槍弓騎魔金「あぁ~~……wwwwww」

セイバ―(私だけ変わらない……)


カレン「二問目です。セイバー、代表的な秋の味覚と言えば、何ですか」

セイバー「な、何と。この国の豊かな秋の味覚の中から、わずか一つを選べというのですか!」

セイバー「どうしたものか……やはりランサーの言う通りサンマか? あぁ、だからといって、熟れて口の中にまったりと広がる柿の甘さや、清涼感あふれる梨を無視するわけには……」

セイバー「……」

セイバー「やはり優劣はつけ難い。だが、それでも私が一つだけを、例えるなら一つだけアヴァロンへ持っていくものを選べと言われたならば――」

セイバー「そう、焼き芋です!」

カレン「はいその通り。きのこですね」

セイバー「しろぉ……」ウルッ

<セイバ-……

カレン「では、イリヤスフィール、皆にパターンを配ってください」

イリヤ「はいはい」

「 き

  の
  こ 」

カレン「皆さんには、この「きのこ」の三文字を頭につけた、短い文章を考えてもらいます」


カレン「はい、セイバー」

セイバー『シロウ、シロウ。今晩の夕食はこれがいいです』

セイバー『き:き
      の:の
      こ:こ
        ご飯』

全員「」ズコ-

カレン「簡単ですねぇ……ま、そろそろ一枚あげておきましょう」

セイバー「シロウ、やりました!」

<コノジカンカラ タキコミゴハンハ チョットムリダナ……

セイバー「」ズ-ン


カレン「はい、アーチャー」

アーチャー『こういう人物に大事を任せてはいけないな』

アーチャー『き:詭弁を垂れ

       の:のうのうとしている
       こ:行動はしない 』

カレン「まさにその通りですね。一枚あげてください」


カレン「はい、ライダー。やりなさい」

ライダー『私のペガサスです』

ライダー『き:気軽に
      の:乗りたいと言われても
      こ:困ります 』

カレン「 ケ チ ですねぇ……」

ライダー「宝具なんですよ!?」

カレン「ま、いいでしょう。私はここぞとばかりに懐の深さを見せて、一枚あげます」

ライダー「釈然としない……」

<ソウイエバノセテモラッタコトナイナァ

<ペガサスカァ イワレテミレバ チョット ノッテミタイカモナ

<ジャア,コンドレイジュデ ライダ-ヲセットクシテミマス

<ソレハ オドシヨ!?


カレン「はい、キャスター」

キャスター『ままいる、ダメ男です』

キャスター『き:金策に行って
       の:残らずスッてきた
       こ:小遣いをせびる』

カレン「俗人の業の権化のようですね。一枚差し上げてください」


カレン「はい、ランサー」

ランサー『異世界に行って無双ォ? んな簡単にいくかってんだ』

ランサー『き:斬られて
      の:野ざらし
      こ:こんなもんよ』

カレン「そんなもんでしょうね。野良犬が言うんだから間違いありません」

ランサー「おぉぉい!?」


カレン「はい、セイバー」

セイバー『ガチャを回しているときです』

セイバー『き:キィィィィィィィッ!
      の:ノォォォォォォォッ!?
      こ:コォォォォォォォッ! 』

全員「」ズコ-

カレン「まぁ……真実かもしれませんね」

バーサーカー「■■……」

イリヤ「いいじゃない、アルテラ引けたんだし」


カレン「では、アーチャー」

アーチャー『私の投影技術であれば造作もない』

アーチャー 『き:金の
        の:のこぎり
        こ:こしらえた!』

カレン「ッ……ww」

カレン「~~ッww」

カレン「一枚あげます……ww」

カレン「はい、キャスター」

キャスター『掃除とk』

カレン「ンッフwwwwww」

キャスター「!?」

カレン「失礼、なんでもないです……ちょっとあの丘の剣が全部のこぎりだったらと想像してしまっただけで」

アーチャー「!?」

槍騎魔剣金「wwwwww」

アーチャー「おい! おかしなイメージを流布するのは止さないか!?」

ランサー「Unlimited Nokogiri Works!」

アーチャー「止めろと言っている!」

カレン「はい、ではキャスター改めてどうぞ」

キャスター「何なのよまったく……」

キャスター「……」

キャスター「忘れちゃったじゃないのよォ!?」

全員「」ガク-

キャスター「……あぁ、でもさっきからのこぎりのこぎり言ってるから、一つ思いついたわ」

カレン「では、そちらを」

キャスター『浮気な男にしてやりたいことです』

キャスター『き:切り刻みます
       の:のこぎりで
       こ:細切れよ   』

全員「……」

<シ-ン

キャスター「」

キャスター「え……な、何よこの空気。ほら、いつもみたいに"きゃー、こわ~い"って……」

ライダー「いえ、怖いのは確かですが……」

ランサー「アンタ、前科あるし……」

セイバー「怖いというより」

ギルガメッシュ「引く」

キャスター「」ガ-ン


カレン「はい、セイバー」

セイバー『シロウ、シロウ。明日の朝食はこれでお願いします』

セイバー『き:きんぴらごぼう
      の:海苔の佃煮
      こ:こふきいも   』

カレン「なるほど、今度は上手くまとまっていますね。一枚あげましょう」

セイバー「シロウ、期待しています!」

<マカセロ,セイバ-!


ライダー「士郎、あまり居候を甘やかさないでください」

セイバー「何ですって」

カレン「ではライダー」

ライダー『セイバーの食事です』

ライダー『き:昨日の
      の:残り物
      こ:これで十分です』

セイバー「」

カレン「バーサーカー、セイバーから一枚取って、ライダーに渡してください」

セイバー「」ガ-ン


カレン「次、ライダー」

ライダー『二人っきりのとき、です』

ライダー『き:キスします
      の:乗ります
      こ:こう…… 』

カレン「バーサーカー、全部持っていきなさい」

ランサー「どエロー!」

キャスター「どエロー!」

カレン「そういう話ならせめて鞭とかロウソクが出る話くらい聞かせてくださいな……あぁ、貴女は受けるほうでしたね」

ライダー「」ガクガクガクガク……


カレン「はい、ギルガメッシュ」

ギルガメッシュ「我のことだ」

ギルガメッシュ『き:貴様らが

          の:望んだところで届かぬ高みにいるのは
          こ:この我よ! ハッハッハッハッハ! 』

全員「……」

ギルガメッシュ「ハッハッハッハッハッハ!」

<……

ギルガメッシュ「ハッハッハッハッハッハ!」

カレン「フィーバータイムです。次の答えでギルガメッシュを罵倒した方には無条件で座布団をあげます」

槍弓騎魔剣「!」

ギルガメッシュ「!?」


槍弓騎魔剣「ハイハイハイハイハハイハイ!」

ギルガメッシュ「こっ、この不敬者どもがぁぁぁぁぁっ!」

カレン「では……ランサー、あなたです」

ランサー「うっし!」

弓騎魔剣「クソッ!」

ランサー「おーし、なんていってやろうかね~」

『 き
 の
 こ』

ランサー「……あーと……」

ランサー『き:

       の:バーーカ!
       こ:     』


ギルガメッシュ「答えが無いなら手を挙げるでないわ、この犬めがぁぁぁっ!」

カレン「三枚あげます」

ランサー「オッシャア!」

ギルガメッシュ「おのれおのれおのれっ!」


カレン「はい、セイバー」

セイバー『イリヤスフィールです』

セイバー『き:キリツグ

       の:の
       こ:子供   』

<wwwwwwwwww

イリヤ「…………で?」

セイバー「いや、"で?"と言われましても……」

セイバー「あぁ、もう一つ思いつきました」

セイバー『カレン・オルテンシアはき:綺礼 
                    の:の
                    こ:子供』

カレン「」

カレン「……ランサー、そちらのパターンをこちらへ」

ランサー「あん?」

カレン「き:

     の:バーーカ!
     こ:        」

セイバー「」ガガ-ン


カレン「三問目です。まずはこちらを聞きなさい」

桜『もし私が悪い人になったら許せませんか?』

<コレッテ……

<ナニカ イヤナヨカンガ……

カレン「聞いていただいたのはHFにおける間桐桜の重要なセリフです。これを踏まえてイリヤスフィール、皆に例の物を配りなさい」

イリヤ「へーい」

今回の例の物:桜のカツラ

カレン「今回、あなたがたは間桐桜になりました。そうして、先の台詞にならって「●●したら、許せませんか?」と先輩こと衛宮士郎に対して問いかけてください。対して私は
衛宮士郎になり、「ああ、怒る」と返しますので、続けて何か一言。最後の文は"叱ってくれますか?"や"怒りますか?"など、バリエーションを持たせていただいて結構」

カレン「私は士郎です」スチャ

※士郎のカツラ

<カレンガカブルト エミヤクンノ ヤバメノブブンガ ヒョウメンカシタミタイナカンジネ

<ヤメテクレヨ……

<ソレヨリモ……


槍弓騎魔剣金「」サクラ-ン

<wwwwwwwwwwwwwwwwwwww

ライダー「な、なんておぞましい光景……そうだ、こういう時こそバイザーです」スチャ

<マタ ソウヤッテ ミンナデワタシヲ ワライモノニシテ……

<サクラ オチツイテ! ナンカクロイノモレテル!


カレン「はい、アーチャー」

アーチャー「あのガキを先輩と呼ぶなど情けなくて泣きたくなる……」

<ウルサイ!

アーチャー『先輩、私が悪い人になったら叱ってくれますか?』

カレン『あぁ、怒る』

アーチャー『よかった、先輩が自分の子供も叱れないような人じゃなさそうで』

カレン「ふむ、いい答えですね。一枚あげましょう」


カレン「はい、ランサー」

ランサー『……センパイ///』

カレン「バーサーカー、一枚持っていきなさい」

ランサー「オイ、何も言ってねーぞ!?」

カレン「その放送禁止レベルの芝居ぶりでは何を言っても良い結果にはなりません。これは救済です」


カレン「はい、キャスター」

キャスター「貴方みたいな筋肉マッチョが「センパイ///」だなんて迫ってきたら、誰だって裸足で逃げ出すわよ。こういうのは桜さんみたいな健気な女の子がやるから美しいの」

キャスター『……セン……パイ……///』ポッ

カレン「バーサーカー、全部持っていきなさい」

キャスター「なんでよォ!?」


カレン「次はセイバーにしましょう」

セイバー『先輩、私がセイバーさんに、一緒にダイエットに付き合ってほしいってお願いしたら、叱ってくれますか?』

カレン『ああ、怒る』

セイバー『あぁ良かった。好きにしろと言われていたらどうしようかと思いましたよ』

全員「」ガク-

キャスター「素で喋ってるだけじゃない!」

カレン「正直でよろしいじゃないですか。一枚あげましょう」

セイバー「シロウ、今日は大盛りでお願いします!」

<フダンドオリナダケデハ……


カレン「次は……ライダー」

ライダー『先輩、私が姉さんやセイバーさんと喧嘩したら、許せませんか?』

カレン『あぁ、怒る』

ライダー『ほら、先輩が心を痛めているじゃないですか。姉さんもセイバーさんも、ここは清く身を引いてください』

セイバー「何ッ、挑戦のつもりか」

<ナンデスッテェ!

<ヤメテヨ ライダ-!?


カレン「はい、ランサー」

ランサー『先輩、私が万引きをしたら、許せませんか?』

カレン『ああ、怒る』

ランサー『そうですか。じゃあ、ポ●引きだけにしておこうかなぁ』

カレン「バーサーカー、一枚持っていきなさい」


カレン「はい、アーチャー」

アーチャー『先輩、私がセイバーさんにライダーをけしかけたら、許せませんか』

カレン『ああ、怒る』

アーチャー『そうですか……じゃあ、兄さんでもけしかけよっと』

セイバー「止めてください!?」


カレン「次は……キャスターにしましょうか」

キャスター『もし私が浮気したら、先輩は叱ってくれますか』

カレン『ああ、怒る』

キャスター『……私は三号なのにですか』

<ウオォォォォォイィィィィィッ!?

<ソ,ソンナッ!

カレン「キャスター、常に真実が必要とされているわけではないのですよ」

ライダー「真実なわけないでしょう!」

イリヤ「そうよ! サクラは三号なんかじゃないわ!」

<イ,イリヤサン……

イリヤ「私がいるから、四号よ!」

セイバー「言われてみれば、イリヤスフィールのルートは桜の前に設定されていたそうですね」

<ヨ,ヨンゴウ……ワタシハ ヨンゴウ……

<HF デハ メインヒロインダカラ!


カレン「はい、セイバー」

セイバー『先輩、私が髷を結ったら許せませんか?』

<wwwwwwwwwwwwww

カレン『……』

セイバー『……』

カレン『……』

セイバー『……』

セイバー「」アレッ?

カレン「もう馬鹿馬鹿しくて言わせたくないのですけれど……」

カレン「まぁ、お客様方が言ってほしそうにしていますから、一応やってもらいましょうか」

セイバー『そ、それでは皆様まいりましょう!』

セイバー『許してちょんまげ!』

<wwwwwwwwwwwwwwwwww

カレン「……むこうの子供が喜んでいるので、一枚あげましょう」

セイバー「シロウ、勝利です!」

カレン「イリヤスフィール、では、小道具さんから髷のカツラを借りてきなさい」

イリヤ「おっけー♪」

セイバー「いりません!」


カレン「はい、ライダー」

ライダー『サクラ――あっ……』

全員「」ズコ-

ランサー「呼んだ? ライダーww」

キャスター「どうしたのライダーww」

セイバー「私はここよライダーww」

ライダー「~~~~~~~~~~っ///」プルプル

カレン「バイザーなんかつけて、まわりを見ないからそうなるんですよ」


カレン「次、ランサー」

ランサー『先輩、私が先輩よりアーチャーさんが好きって言ったら、許せませんか?』

<オコルニキマッテルダロ!

<<!?

全員「!?」

カレン「……バーサーカー、アーチャーから二枚持っていきなさい」

アーチャー「何故!? ええい、貴様のせいだぞ!」

ランサー「俺じゃねーよ、坊主が悪ィんだよww」

アーチャー「くそっ、衛宮士郎め!」

<ウン……サスガニ,スマン


カレン「はいセイバー」

セイバー『先輩、私が答えも出来ていないのに手を挙げたら、怒りますか?』

カレン『あぁ、そりゃあもう怒るぞ』

セイバー『』

セイバー『……えぇと』

カレン「バーサーカー、一枚持っていきなさい」


カレン「ではキャスター」

キャスター『先輩、私が先輩の寝顔を隠し撮りしたら、許せませんか?』

カレン『あぁ、怒る』

キャスター『そうですか……じゃあ、今度からは枕元で寝顔を見るだけにしておきますね』

<ヤメテクレヨ!?

<ヤッテナイデスヨ!?

カレン「まぁまぁ、いじらしい乙女心ではないですか。夜中にこっそり忍び込んで、耳元で「先輩は桜を好きになーる、好きになーる」ってささやきながら……」

アーチャー「それはいじらしいとは言わん!」

<ダカラ ヤッテナイデスッテ!

<ヤリソウデハアルケドネ

<ネエサン…… ゴゴゴゴゴゴゴゴ

セイバー「やはり引っ越して正解でしたね、イリヤスフィール」

イリヤ「そうね。私も夜中にシロウの部屋に忍び込む障害がずいぶんと減って助かってるわ」

セイバー「!?」

セラ「!?」

<<<!?

※何度も言いますが、座布団運びのお手伝いにセラ&リズが控えています。


カレン「はい、ライダー」

ライダー『私が先輩のお料理を残しちゃったら、先輩は許せませんか?」

カレン『ああ、怒る』

ライダー『ごめんなさい……私、先輩と一緒に毎日お食事が出来るだけで、胸がいっぱいで……!』

<オォ……

<ラ,ライダ-……

カレン「……それって"お腹いっぱい"じゃないと成立していなくないですか?」

ライダー「」

ライダー「そ、それは……その……たくさん食べたら胸やけしてしまったみたいな……」

ランサー「しっかり食ってんじゃねーか!」

<ソンナニ タベテナイデス!


カレン「はい、ギルガメッシュ」

ギルガメッシュ『先輩、私が道行く人をむしゃむしゃ食べちゃったら、叱ってくれますか?』

カレン『ああ、怒る』

ギルガメッシュ『よく言った小僧! では全力を持って、半身食われかけている我を助けよーーーーーッ!』

カレン「ンフフフフフフッwwwwww」

カレン「誇りを失って平民に救いを求める英雄の王ですか……二枚あげましょう」

ギルガメッシュ「オイ! 余計な解説を入れるのではないわァ!」


カレン「はい、セイバー」

セイバー『先輩、私が先輩のお金で勝手にガチャを回したら、怒りますか?』

カレン『そりゃ怒らないわけがない』

セイバー『』

セイバー『……えぇーと』

カレン「バーサーカー、全部持っていきなさい」

<セイバ-!?

セイバー「ネタ! ネタですから!」アセアセ


カレン「はい、ランサー」

ランサー『先輩、私が何日もお風呂に入らなかったら、許せませんか?』

カレン『ああ、怒る』

ランサー『だって――先輩とセイバーさんが、しょっちゅう風呂場で乳繰り合っているから……っ!」

セイバー「!?」

カレン「あらあらまぁまぁ。良いことを聞きました。バーサーカー、ランサーに二枚あげてくださいな」

セイバー「ちょっと待ちなさい! 何故あなたがそのことを――あっ///」

<……セ-ン-パ-イ?

<セイバァァァァァァッ!

<ワタシハ ミズギデコンヨクイベントクライデダキョウスルツモリガ,ソレスラ スル-サレタッテイウノニ……

<ウ,ウワァ……

<ア-,ハヤクオワラナイカシラ…… ゲンナリ


カレン「はい、ギルガメッシュ」

ギルガメッシュ『先輩、私が処●じゃなかったら、許せませんか?』

<<<!?

カレン『ああ、怒る』

ギルガメッシュ『だそうだ』

カレン「ププ……ッww」プルプル

<ブクブクブク……

<<サクラァ!

ライダー「いい加減にしなさい英雄王! 悪ふざけが過ぎます!」

キャスター「サイテーな話になっちゃったじゃないの!」

ギルガメッシュ「ハッハッハッハッハ! 名台詞を足して二で割っただけではないか!」

アーチャー「少し変えただけでこうも変わるものか……」

カレン「内容的にはアレですが、気に入りました。一枚あげましょう」

ライダー「そんなっ!」

ギルガメッシュ「フハハハハ! シスター、貴様もワルよな!」


イリヤ「はーい、私もできたわ!」テテテテテ-

※カツラ着用済

<カワイイ……

<ゲキカワデスゾ,デュフフ……

カレン「ではイリヤスフィール、やりなさい」

イリヤ『先輩、私がカレンのスカート履いてないどスケベなコスプレをして人前に出たら、叱ってくれますか?」

カレン「」

<オコルゾ-

イリヤ『だ よ ね ー !』

イリヤ「」ダッ

カレン「」ブチブチブチッ

カレン「ランサー。今何枚持っていますか」

ランサー「あ? 三枚だが……」

カレン「ではバーサーカー。 二枚持っていきなさい」

ランサー「!?」

ランサー「いやちょっと待てよ! マジで意味わかんねーだろ!? ざけんなよオイ!」


結    果


ランサー 1枚

アーチャー 1枚

ライダー 0枚

キャスター 0枚

セイバー 0枚

ギルガメッシュ 3枚 ←WIN


カレン「今回の勝者は――」

ギルガメッシュ「フハハハハハハハ! いうまでもなくこの我だ!」

キャスター「全体的に少ないから勝っちゃっただけでしょ」

アーチャー「女性陣が見事に更地になっているな」

カレン「たまたまですよ……たまたま……」


ギルガメッシュ「さぁ、別に全然ちっとも欲しくないが、それはそれとして捧げられた供物は受け取ってやろうではないか。早くその「一寸先は闇」とやらを寄越すのだ!」

カレン「やれやれ強欲な方……では、(笑)聖杯。「一寸先は闇」をここへ」

ピカーーーーッ!

ボトン!

ギルガメッシュ「……何だこれは」

ランサー「また箱だぜ」

セイバー「ですが、真ん中に穴が開いていますね」

キャスター「あっ、これ見たことあるわ。この穴から手を入れて、中の物を当てるのよね」

ギルガメッシュ「ええい予想以上に下らん――いいや、これでは予想以下だ! このようなものは火にでもくべてしまえ!」

セイバー「何と。貴方は得体が知れぬからと言って、それを確かめることも無く闇に葬ろうというのですか」

ギルガメッシュ「"君子危うきに近寄らず"というやつだ。闇雲に手を伸ばせば良いというものではないわ」

セイバー「否! 王とは時として危うき道を選び、その責を民に代わって背負うものだ。それが出来ぬのなら、臆病と呼ばれる他ないと知れ」

ギルガメッシュ「何ッ!」

セイバー「その程度の度胸も無くして私を妃にしようなど、笑止千万。出直してきなさい、英雄王!」

ギルガメッシュ「ぐぬぬぬぬ……」

イリヤ(なんかセイバー変じゃない?)

アーチャー(あれは煽ってるんだ)

ランサー(つーか、よくもまぁ箱一つで王道を語れるよな)


ギルガメッシュ「ええぃ、よかろう! 王の御前で箱に隠れる不敬の輩を、白昼に引きずり出してやろうではないか!」ズボッ

ランサー「おぉ、いったいった」

ギルガメッシュ「ム……フォッ!? な、なんドゥオォ!? おい! 生き物だぞこれは!?」ガサガサ

槍弓騎魔剣「フ……フフッ……ww」

ギルガメッシュ「クソッ! ちょこざいな! 我にこのような声をあげさウォッホ!? ただで済むと思うなよ!」

カレン「~~~~ッww」プルプル

ギルガメッシュ「とっとと我にファ!? おのれ! 捕まらぬっヒ!? 手からすり抜けるとはどういうつもりだ!」

<wwwwwwwwwwwwwwww

ギルガメッシュ「ヒッッフ!? えぇいちょこまかと動きおっったぁぁぁぁぁ!? ひ、ひっかきおったぞ!? ええいもはや許さん! 断じて許さんぞォォォッ!」

ギルガメッシュ「このっ! このっ! このっ!」


ガサゴソガサゴソ……

<ニャ……ニャニャニャニャニャニャニャ――

ネコアルク「ニャーーーーーーッ!!!」ビリビリビリーッ!

ギルガメッシュ「」

全員「……」

イリヤ「イヤーーッ! ネコーーッ!」ピュ-ッ

ネコアルク「にゃ、にゃんにゃのですかコリはーーっ!? あたし、こんなヒドイ扱いを受けるなんて聞いてにゃかったのにゃーっ!」

全員「……」

ネコアルク「あたしは"シュレディンガーの猫"っていう箱に入ってるだけの超楽で稼ぎの良いバイトがあるよ"って言われてホイホイついてきただけにゃのに!」

ライダー「だいぶ前ですよそれ!」

ギルガメッシュ「」ゴゴゴゴゴゴゴ

ネコアルク「ニャ、ニャ……?」

ギルガメッシュ「おい猫……よくもこの我に恥をかかせた挙句、血まで流させたな……その代償、末代までかけても償いきれぬと知れ」

ネコアルク「ニャーッ!? ひっかいたのは、窮鼠猫を噛む的な理由で正当防衛にゃ! お前ネズミじゃなくてネコじゃーん、みたいなツッコミは受け付けてにゃいのにゃ!」

ギルガメッシュ「どこぞの言い伝えでは猫は九つ魂を持つというそうだな。では、実際に試すとしようか……」

ネコアルク「ニャニャニャーーーッ!? あ、ありのまま今起こったことを話すにゃ! あたしは日雇いのバイトに出たと思ったら、気が付いたら命の危機に晒されていたのにゃ!?」

ネコアルク「プリーーズ! プリーーズ! ヘルプミーーーッ!!!」


カレン「さて、ギルガメッシュの伝説に化け猫退治が加わったところで、今回はお開きのようですね。また次回、お会いいたしましょう。ありがとうございました」


舞台袖

アサシン「此度も終了か……」

アサシン『先輩、HFで無理矢理アサシンさんの出番を増やしたら、許せませんか?』

アサシン「などと……」

キャスター「」

アサシン「」

魔暗「……」

キャスター「たまにはお酒に付き合ってあげるわよ……」

アサシン「むぅ、かたじけない……」



しばらく中断します。


遅くなりましたが続きを投下します。


あと、スレ立て時に何か忘れてると思ったら、過去作を貼り忘れてた。

前作
【Fate】アサシン「聖杯大喜利戦争 座布団七枚目」【大喜利】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1569766703/)

一作目
【Fate】士郎「聖杯大喜利戦争?」【大喜利】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1551535083/)


更に言うとギルを抜かしたのは歴代回答者じゃなくて司会者だっつうのね。
ここまでどうにもならないと、もはや諦めに入りつつある。



アインツベルン城

アイリスフィール「いらっしゃい。やっと呼べたわね」

桜「お邪魔します、アイリさん」

凛「ほえー、初めてじゃないけど、やっぱり豪勢なお城ですね」

イリヤ「掃除するだけで一苦労よ。ま、本来の家の格を考えれば税金みたいなものよね」

凛「ぐぬぬぬ……」

桜「ね、姉さん……」

アイリ「さ、立ち話もなんだし、客間へ行きましょう。お茶の用意は出来ているわ」

桜「あ、あの先輩は……」

イリヤ「今はバイト中よ。全く、別にお金に困ってるわけでもないって言うのに……」

凛「じっとてしていられない性分だものね」

アイリ「セイバーも自分の部屋で休んでいるみたいだし……そうだ。今日はちょっとセイバーの昔話とか、こっそり教えちゃおうかしら」

凛「あら、それは興味をそそられますね」

桜「そ、それって先輩の幼い頃のこととかも……」

アイリ「うふふ、もちろんよ」

セイバーの自室

セイバー(三年……いや、二年ほどだろうか。皆でここに住んでいたのは)

セイバー(シロウは私をあの頃と変わらないと言った。王としての私を)

セイバー(王である姿が変わらないということは……結局、私が行ってきたことはその程度だったということなのか……?)

―――――――――――――――――――

 その少年が笑わない子供だということは一目で気づいた。そういう子供は故郷にもままいたから。けれども、ふるさとのそういう子供たちの殆どが、もはや笑う気力も余裕も無い貧民の子だったのに対し、彼は、自ら笑うことを押さえているということを見抜くには、少し時間がかかった。押さえる、というか、罰するとでも言った方が相応しいような。

 実のところ士郎という少年のことを私はよく「知って」いた。彼が異なる歴史を辿った世界の私にとって、どのような存在なのかも。
けれども、聖杯から知識として与えられただけで、彼という存在を理解した気になるのは傲慢が過ぎるし、それに、恐らくこの出逢い方は、どの私もしていないに違いない。

 そもそも聖杯戦争が起こらなかった以上、出会う必要もないはずだったというのに。

 冬木を訪れた魔術師たちが諍いを起こし、一般市民にも被害が出ているということを知ったとき、言いようのない不安が胸を襲った。その後、ただ一人生存者となり、現場へ向かった切継に保護された少年が士郎に他ならないと知ったとき、その見知らぬはずの少年のためにアイリスフィールは泣き崩れた。どうして彼が、なにが彼をこちら側に招いているのか、と。
 けれども、その問いはもはや無意味だ。

「酷いことを言うようですが、泣いてばかりいてもどうにもなりません、アイリスフィール。今はキリツグだけではなく、貴女も、イリヤスフィールも、舞弥も、それに私もいます。守ってあげられなかったのであれば、今からでも救ってあげなければいけない。そうではありませんか」

 アイリスフィ―ルは涙を拭うと、泣きはらした目でありながらも、微笑んで私を見る。

「そうね……子供が一人増えるんだもの。お母さんがメソメソしてちゃ、ダメよね」

 思えば、なぜ二人とも士郎を引き取る前提で話していたのか。実際、士郎が病院にいるあいだ、切継は彼を孤児院に預けるべきだと主張した。
 士郎を思えばこそ、魔術の世界にこれ以上引き込むべきでは無いと彼は言った。けれどもアイリスフィールは――私との会話がきっかけになったのかは定かで無いが――それに異議を唱えた。
 一つには、原因となった魔術師連中で逃げおおせた輩が、生き残った士郎に危害を加えないとは限らないため、自分たちが守るべきだということ。

「それに……もし彼が天涯孤独になるのが運命だというのなら、そんなの変えてやりたいじゃない。他の誰でも無く、私たちが」

 そうして、士郎は衛宮士郎として、アインツベルンの城へとやって来た。


「士郎くん、この子はセイバー。キリツグのサーヴァント……英霊……そう、えっと……」

「――そう、セイバーは私たちを守ってくれる、とっても強い剣の妖精さんなのよ」
 
 アイリスフィールによる紹介で卒倒しかける私に対し、幼い士郎は終始不審そうな顔をしていた。つい先日まで魔術と無縁の生活をしていた子供なのだから無理も無い。けれども、そこには、子供らしい好奇心も、突如目の前に現れた未知の物に対する恐怖も感じられず、ただ何かを値踏みするような、そんな目で私を見つめていた。


 大喜利に来る人々は優しい。殆どは魔術関係者らしいが、どんな答えでもそれなりに拍手をしてくれる。中でも、私が答えると皆、感心したように頷いて手を叩く。

 誰もがそれを退屈していると理解したのは、出演者の中で私が一番最後だったらしい。他のサーヴァントたちが少しずつくだけていくのに、私だけが取り残されたように、知恵を絞って、聞いた者が感心するような答えを言わなければならないと躍起になっていた。回答自体に自信はあった。司会者の璃正も私の回答を、まさに英霊の金言と称えてくれた。けれども、例え拍手で迎えられようとも、それがまるで響いていないと気づいたとき、私は自分がほとほと愚者のように思えて、途端に何か消え失せたような、床にぶちまけてもはや戻らない水を見るような気持ちで、この問題に合理的な結論を出した。
 これは私には向いていない。

 璃正が司会者として降板を迫られたのも同様の理由だったのだろう。その後任がアイリスフィールと決まったとき、私は彼女がマスターの妻であることを理由に、自ら任を降りた。
 


「汝は、何があろうと揺らぐ事なき王と見た。ブリタニアでは、さぞ憧憬を集めたことであろう」

 その華やかな赤い装束に身を包んだ小柄な少女は、私に向かってそう告げた。

「私が治めたのは貴女がたのブリタニアではなく、あくまで我々のブリテンです。なにが言いたいのだ、ローマの皇帝よ。褒めてはいないと受け取りましたが」

「ふむ、そこに気づける辺り、愚かというわけではないようだ。なに、余もそなたの大喜利を見ておったが、どうにも堅苦しくて適わなかったからな」

「冗談を言い合うのは苦手です。その点においては、私よりも貴女のほうが洒落っ気はあるでしょうね」

「無論であるとも! 芸術を愛でるには、柔軟な心と頭でなくてはならぬからな」

 私の後任――ネロ・クラウディウスは胸に手を当て、私の評価をさも当然に、しかし、ふふんと得意そうに受け止める。

「さて、時に騎士王よ。一つ聞いてみたいことがある。たとえば、騎士でも王でも倒せぬ魔物が現れて暴れたとして、そなたはどうする」

「それは頓智でもって答えろということですか」

「そこは好きにすれば良い。余はそなたを知ることを欲しているのだからな」


「……騎士でも王でも倒せぬのであれば、魔術師を頼るでしょうか。幸い、我々にはマーリンがいてくれましたから」

「それでも駄目なら?」

「ならば魔物の行動範囲から、人や財を遠ざけることでしょう。移住が無理ならば、防壁や堤防のようなものを作らせるか……」

 そう答えると、ネロは露骨に退屈そうな顔をした。君主がこうも内面を露わに出来るということは、よほど有無を言わさぬ権力を持っていたのだろう。でなければ、自分の立場を理解していない愚者のように私には映る。

「不満がおありのようですね」

「ま、先に行っておくと判断は正しいと思うぞ。大抵の君主はそうするだろう」

「自分は違うと。では、貴女はどうするのです」

「知りたいか、知りたいか? 余はな、余が騎士でも王でもない勇者になって、魔物を仕留めてしまうのだ」

 薔薇の皇帝はその細い腕を、えいえいと振り回した。


「ずいぶんと勇ましい答えですね。子供が聞けば喜ぶでしょう」

「おとぎ話だと聞き流すか、アルトリア・ペンドラゴン。余がそなたを見て物足りぬのはそこなのだ。騎士でも王でも倒せぬと言われただけで、なぜ自分を思考の枠から外してしまった?」

「それそうでしょう。貴女のように特異な能力を持っているならばともかく、選定の剣を抜いたときより、私の在り方は定められたのです。今更どうしようもない」

「在り方とは、生涯のことか」 

「英霊としての存在理由です。かつては民が、今はサーヴァントとして私を必要とする者が、この剣を求めて私を呼ぶ」

「ならばとっとと座に戻ったほうが身のためだぞ、騎士王様。此度の戦はその手に余る。おっと、そなたはまた違う場所に戻るのだったか」

 そういわれて、自分でも意外なほど不快な気持ちを覚える。結論なら自分で出したはずで、それは変わらない。だが、彼女の問いに対する私の答えが、大喜利から降りる件に結びつけられたとき、漠然とだが、心のどこか触れてほしくない部分に触れられたような気がした。

「愚弄も大概にしていただきたい。確かに私は機知に富んでいるわけでも、"粋"でもないかもしれないが、決して――」

「いいや無理だろう」

 ネロは静かに、けれどもピシャリと私の言葉を遮った。聞く価値が無いと言いたげに。

「そなたは己が在り方は定まっていると言った。ならば、どれだけの問いかけがあったところで、そなたの答えは基本的に一つでしかない。「正しき王、正しき騎士」のありがたいお言葉、と。今はそんなもの、誰も望んでおらぬのだ」

 予測できた最後の言葉を聞き取ったとき、ほんのわずか、だが確かに、足が震えた。

「笑い、笑わせるという行為にはな、多かれ少なかれ嘲笑の要素があるのだ。宴で場が湧くときの話を思い返してみよ。人の愚かさ、間抜けさ、大恥の応酬だったであろう。そこで乱闘にならず、互いに腹を抱えて笑い合えるのはなぜか。そこに信頼があるからだ。肩の強張った格式ではなく、その人となりに対するな。
 そこに王が毅然とした様子で入ってくれば場がしらけるは必定よ。そなたには誰も彼も気を許せない。口元を綻ばせられない。なぜならば、完璧な王だからな」

 反論ならばある。女であることを隠して即位した自分は、その素性を隠す必要があった。私にとっては、王の務めを果たすことと、王という殻を着ることはほとんど同義だった。
 それならば、今はどうなのだ?
 
「そなたを見ていると不安になる。その騎士王の器から溢れてくるものが見えぬからだ。よもや、その器をのぞき込めば、中にはなにも入ってはおらぬのではないかという気がして、こうして話しておっても一向に落ち着かぬ。なぁ、アルトリアよ。余はあらゆることを為しえてみせるが、それは余が皇帝だからではなく、万事をこなしてみせんとする己自身が確固としてあるからだ。そなたはどうだ。その身が玉座を追われたならば、如何に生きる? 何を望む?」

 望むもの。ブリテンの救済を。選定のやり直しを。 

 そうではない。そうではないけれども。
 私の人生は王として落命したところで、その幕を引いている。そうではない自分など、それこそおとぎ話ではないか……

 大喜利から身を引いた私の仕事は、第一には同じく召還されている円卓の騎士たちを纏め上げることだった。一人一人がきわめて強力なサーヴァントである彼らを統率するのは私ともう一人の"彼"しかいないということは明白で、おかげでカムランの丘に叩き返されずに済んだ。こうして奇しくも私は今なお「王」だった。モードレッドの処遇など一筋縄ではいかなかったが、その役目を果たすことに違和感は無かった。だからこそ、余計にネロから言われた言葉が頭を離れなかった。 

 第二の務めは、マスターの二人の子息の遊び相手だった。
 最初、切継は私がイリヤスフィールや士郎に近づくのを禁止していた。それをアイリスフィールがどうにか説得して――イリヤ自身が私に関心を持ったこともあり――許可を取り付けることができた。が、それが私にとっては自信を失うばかりの役目であるということはすぐに明らかになった。
 イリヤスフィールは、悪戯や我が儘には手を焼かされたが、曲がりなりにも貴人であり、彼女自身、私と一緒にいることを楽しんでくれていたので、面目が立つ程度には役目を果たせた。
 問題は士郎だった。傍目には、とても手のかからない、よく出来た子に見えた。ぐずりもしないし、我が儘も言わない。代わりに、こちらから誘っても遊ばない、話しかけてもくれない。そうして時折、人目を盗んでは山を下りて元の家に帰ろうとする。私がそれに気づいて彼を抱きかかえるときだけ、士郎は感情を露わに暴れるのだ。
 それを抑え込むのは容易いことではあるけれども、根本的に彼に対して何を言ってやるべきなのか、私には皆目見当が付かなかった。
 
 私は士郎の心を覆っているものの正体を知っている。その末路の一つを知っている。哀しい生き様だったと思う。
 けれども、士郎が正義の味方を目指すということと、それが悲劇的な結末を迎えるということとが必ずしもイコールでない以上、彼の夢を否定することは、まだ幼い心をいたずらに苦しめるだけのような気がして憚られた。それこそ、どこかの私が惹かれたのは、そういう彼だったのだから。
 
 せめて、その重荷を少しでも軽く出来れば……
 そんなことばかり考えながら、日々を過ごしていた。
 


「ほらシロウ! セイバーも! お母様がテレビに映るわよ! 早く早く!」
 
 イリヤスフィールがテレビの前に私たちを呼ぶ。イリヤスフィールの年で大喜利が解るかというと疑問だが、自分の母親がテレビに映っているのだから、はしゃがないわけがない。
 今日はアイリスフィールが司会者になって最初の放送だった。本当はイリヤのみお付きのホムンクルスを伴って会場へ赴くはずだったのだが、けっきょく最後の最後でやっぱり行かないと言い出した。

だって、セイバーもシロウも付いてきてくれないんだもん。 
 
私は心苦しくとも、付き添いくらいは果たすと申し出たのだが、アイリスフィールから無理しないで欲しいと言われていた。実際、ほんの少し前までの出演者が客席に平然と座っているというわけにもいかないだろう。

何より、シロウが行きたがらなかった。会場に来るのは魔術師ばかりだし、シロウとしても笑いたい気持ちになれないのは当然だった。

 賑やかな音楽と共に、つい先日までの対戦相手たちが入場して、各々の座布団に座る。私がいたポジションには、艶やかな赤い着物姿のネロが見るからに自信満々といった顔で腰を下ろす。そうして皆が座ったところで、白い着物に身を包んだアイリスフィールが現れる。
「ほら、お母様。お母様よ」
 画面を指さしてイリヤがぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「そうですね。改めてみると、本当に美しい方だ」
「もちろんよ、私のお母様だもん。ね、シロウもそう思うわよね?」
「うん」
 シロウはコクリと頷き、それだけ呟くと、あとは黙ってしまう。



 一通り挨拶を終え、アイリスフィールが問題を読み上げる。

『まず一問目ね。サーヴァントの召喚は、その個人に由来する聖遺物だったり、はたまた個人とは縁もゆかりもないけれども、その性質において繋がりを持った物だったりと様々です。だから、もしかすると思ってもみないような英霊が召喚されるなんていう場合があるかもしれません。そこで今回は、まず皆さんには短くヒントを言って貰います。そこで私が誰ですかって聞くから、自分が何者なのか答えて欲しいのね』

「ねぇ、セイバーなら、なんて答える?」

イリヤスフィールから急に振られて、戸惑ってしまう。

「そうですね、円卓の騎士の誰かでひとつこしらえるところでしょうか……」

 私が頭を抱えているところで、画面の向こうでは最初の一人が答えようとしていた。アイリスフィールはネロを指名した。

『はい、じゃあさっそくネロ……じゃなくて、セイバーにお願いしようかしら』

『あいわかった!』

 ネロがそう応じて得意げに答えようとしたとき、アイリスフィールは堂々と言い放った。

『誰ですか?』


 その一言で全てが止まってしまった。
 私は考えていた答えがすっかり吹き飛んでしまい、画面を見ればネロはもちろん、他の回答者も全員、目が点になっている。

『……婦人よ、それは我々が何か言った後に言うのです』
 
 横からディルムッドがおずおずと申し出る。

『あ、あら、そうだったのね……』

『自分で読み上げた問題ではないかーっ!』

『おいおい、大丈夫か新しい司会者は!』

 照れて口元を押さえるアイリスフィールに回答者たちは非難囂々、会場は大爆笑だ。
 これは先が思いやられると内心で頭を抱えているときだった。

 士郎が漏らした吐息を聞いたとき、泣き出すのでは無いかと思ってしまった。けれども、士郎はそのままテレビの向こうの笑い声に合わせて、くすくすと、そのうちに身を捩ってゲラゲラと笑い出した。
 
 年相応に。


「アイリさん、なにやってんだろ。へんなのー」
 
 そうやって笑い転げる士郎の姿に、私とイリヤスフィールは少しのあいだ呆然とした。先にイリヤが我に返り、士郎に怒る。

「あーっ、シロウったらヒドいわ! お母様のこと、そんな風に笑っちゃだめなんだから! だめだめだめーっ!」

「だって、自分で問題読んだのに……」

 その微笑ましい姉弟喧嘩の様子を私は諫めるでも無く、ただぼんやりと見続けて、そのうち再びテレビに映るアイリスフィールに向き直った。

 もともとそういう女性だ。おっとりしているというか、ふわふわしているというか。私とは真逆の女性。それが、シロウからこんなにも笑顔を引き出した。ごく自然に。

――その身が玉座を追われたならば、如何に生きる? 何を望む?
 
 常に気高くあろうとしてきた。人に誇れる己でなければならぬと信じてきた。そうでないものは、全て選定の剣を抜いたときに捨て去った。もう戻らない。
 
 ならば、この空の器に何を注ごうか。

「シロウ」

 テレビから士郎へと向き直る。急に深刻な調子で話しかけられて驚いたのか、士郎とイリヤは笑うのを止めて、戸惑ったような表情になる。

「楽しいですか」

 予想外の質問に、士郎は戸惑いを大きくしながらも、やがて小さな声で、うんと呟いた。

 それが彼のためになるのかはわからないが、せめて笑っていて欲しい。

 思えば、その時に初めて心の底から、人を笑わせてみたいと思ったのかもしれない。


 城の大きな重たい扉が開く音がし、中から冷たい風が吹き込む。切継とアイリスフィールが帰ってくる。顔は見えない。

「なんのつもりだ、セイバー」
 
 恐らく、初めて掛けてもらえたマスターからの言葉。けれども、私はそれに答えない。
正座の体制で床に手をついて、頭を垂れる。それがこの国において、物を頼むときにする格好らしいのだとアイリスフィールが語ってくれた姿勢。

「セイバー……?」 
 
 戸惑いを隠せない彼女の声に、ようやく私は面を上げて、自分のマスターなど視界に入っていないかのように、まっすぐアイリスフィールだけを見つめて、言った。


「弟子にしてください」


―――――――――――――――――――

凛「へーえ、そんなことがあったんですね」

桜「でも弟子ってつまり、どのような修行をつけてあげたんですか?」

アイリ「うーん、改めて聞かれると……あんまりこれっていう稽古をつけたりした覚えはないのよね。実際にやってもらったのは鞄持ちみたいなことだけだったのだけれど」

凛・桜(アーサー王が鞄持ち……)

アイリ「で、私の言動をよく観察する、みたいな感じかしら。あとは、お互いが思ったことや感じたことを素直に話し合うこと。やったことと言えばそのくらいね」

アイリ(それがあのおバカキャラの元になってるっていうのは釈然としないんだけど……)

凛「で、新しい芸風でセイバーが大喜利に復帰するわけですね」

イリヤ「けっこうあっさり戻ったわ。セイバー、答えはイマイチだったけど最初のメンバーの中では紅一点だったし、けっこう人気はあったから」

凛「で、ネロと対面すると……ま、すんなり和解とはいかないわよね」

アイリ「そうでもなかったわよ? "挑んでくるなら、受けて立つ!"ってね。そもそも、今の仲が悪いネタも二人で始めたことだし」

凛「えっ、そうなの」

アイリ「セイバーも与太郎が馴染むまで時間がかかったし、番組に似た顔が二人いるわけだから、じゃあ喧嘩でもしようかってことでね。あーでも、ニ-トキャラにされちゃったことは根に持ってるみたいね」

桜「あぁ、あれってネロさんが言い出したんですね」

アイリ「セイバーが復帰する前までは"あやつは大喜利を引退した後、アインツベルンの城で優雅に食っちゃ寝生活を満喫しておる!"って挨拶の定番ネタだったわねー」

イリヤ「お母様もけっこう乗っかってたじゃない。"そろそろバイトでもしてもらおうかしらねー"とか言って」

アイリ「しょうがないでしょ、司会者と回答者でお互いに盛り上げなきゃいけないんだから。あの頃は十年引っ張られるネタになるとは思わなかったの!」

イリヤ「ていうか、今のウチの収入って、シロウのバイト代とセイバーの大喜利出演料と、サーヴァントを聖杯大喜利戦争に参加させているマスターに魔術協会から支給される助成金だけだから……」

<ヘックシュン! ダレカ ボクノウワサヲ シテイルノカナ……

アイリ「……」フイッ

凛・桜「あ、あはは……」


桜「あれ、そういえばセイバーさんはアイリさんの弟子、になるんですよね」

アイリ「えぇ、一応ね」

凛「あ。ていうことは……」

イリヤ「そうそう、セイバーってお母様の"弟子一号"なのよ。だから――」

「そのとーーり! 何故か誰も触れてくれないが、実はセイバーちゃんは私の妹弟子なのだーーーーっ!」

全員「!?」



没ネタ 

本編前の会話

ガレス「山の周辺にはマーリンによる結界を張り巡らせましたし、その中には我ら円卓勢が守りを固めています。これで英雄王もおいそれとは我が王に近づけないでしょう」

士郎「ありがとうガレス。恩に着るよ」

ガレス「いえいえ、王を守るのは騎士の本懐ですから」

ガレス「……」

士郎「? どうしたんだ、ガレス」

ガレス「す、すみません。その、立派なお城だなと、つい見惚れて……」

士郎「そうか? いや、立派には違いないけどさ。みんなが生前住んでいたキャメロットに比べたら、やっぱり見劣りすると思うんだけど」

ガレス「とんでもない! 我々の時代の城塞というのはもっと素朴というか貧弱で、土を盛ってこしらえた丘の上に木造の館が建っていて、その周辺に木の柵と堀を巡らせたみたいな代物です。我がキャメロットは、当時の中では確かに大仰でしたが、あくまでその延長線上でしたし」

士郎「え……じゃあ、時々見るあの石造りのキャメロットは……」

ガレス「それはあれ、いわゆるイメージ映像というものですよ」

士郎「」

 Fateのキャメロットはそんなんじゃないらしいので没。

 かなり遅くなりましたが終了です。
 SS内では触れていませんが、聖杯大喜利戦争はスターティングメンバーはZero勢で、その後、何度もメンバーチェンジを経て現在に至るという設定。
終わりの方で書いたセイバーの解釈はおかしな点もあるかもしれませんが、そもそも最初からあらゆることの辻褄があわない内容なので、お目こぼしいただければ幸いです。
 


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