カレン「なにやってんのよ」 C.C「見てわかるだろう?」(39)

カレン「…アンタ、此処が墓地なの分かってる?」

C.C「あぁ、知ってるさ。墓参りに来たからな」

カレン「だったら、今アンタが持ってる物はおかしいと思わない?」

C.C「……そうか?」

カレン「そうよ、よりにもよってシャベルなんて…、墓荒らしじゃあるまいし…」

C.C「」 ビクッ

カレン「……何よその反応は……、まさかアンタ本気で――」

「すまぬ」 スッ

カレン「っ!?」 サッ

ガッ

カレン「っ!?誰!?」

「衰えてはいないようだな、しかしっ!」 スッ

C.C「止めろ」

「しかし……!」

C.C「計画が破綻するか?もう既にしているだろう、私が見つかった時点でな」

「それは…、そうだが…」
C.C「人手が足りないんだよ、このままでは朝になるぞ?」

「くっ…、仕方無いか…」

「紅月カレン、先程はすまなかった」 スッ

カレン「ジェレミア、貴方も来ていたの……、さっきの借りはこれで………チャラよ!」スッ

ドゴォ

ジェレミア「ぐっ……やはり強いな…」

カレン「ふぅ、スッキリした」パンパンッ

カレン「――で、アンタ達の計画って何よ、本当に墓荒らしをするつもり?」

C.C「あぁ、そうだ」

カレン「何、今更このタイミングでこんな事をするって事は余程の事情があるって事?」

C.C「そうだな…、それは掘りながら話すさ」スッ

カレン「何よ、シャベルなんか取り出して…まだやるとは決めていないわよ」

C.C「カレン、ルルーシュが生きているかもしれないと言ったらどうする?」

カレン「は?………はぁっ!?」

ジェレミア「声がでかいぞ」

カレン「あっ…、ね、ねぇ?それって本当?」

C.C「どうだろうな、噂でルルーシュを見掛けたとの話をきいたんだ。真偽は棺を開ければ分かるぞ?お前はどうするんだ?やるのか?やらないのか?」

カレン「私は…」

カレン「――やるわ」

C.C「」 ニヤリ

カレン「この数年間ずっとモヤモヤしたまま過ごしてた…、最近それがアイツがいなくなった喪失感だって気付いた」

カレン「もし本当に生きているのなら、もう一度だけでも会いたい…!」

C.C「棺の中にいても後悔するなよ?」

カレン「しないわよ、立ち直る切っ掛けにはなるし」

C.C「強いな、お前は」クスッ

カレン「さぁ、早く掘るわよ!」

ジェレミア「いざ参る!」
C.C「元気なのは良いが、静かにしろ捕まりたいのか」

カレン ジェレミア「……」

C.C「それでいい」

ザッザッザッ

ザッザッザッ
ザッザッザッ
ザッザッキンッ

カレン「!」

C.C「来たか」

カレン「でかい棺ね~、流石皇族」

ジェレミア「私がデザインしたからな」

カレン「へぇ~、良いセンスしてるじゃない」

C.C「話は後だ、さっさと開けるぞ」 スッ

ジェレミア「!」 バッ

C.C「なんの真似だ、オレンジ」

ジェレミア「言っただろう?私がデザインしたと」

ジェレミア「過去に皇族の墓荒らしをする輩が居たのでな、対策として特殊な鍵を着けたのだ」

ジェレミア「ピッキングなぞしようものなら、爆発する仕掛けになっている」

C.C「面倒な事を…、で?どうやって開けるんだ、鍵は何処にある?」

ジェレミア「待て、今持ち主を呼ぼう」 スッ



パチンッ



カレン「何よ、誰も来ないじゃない」

「皆様お久し振りでございます」 ペコ

カレン「わっ!?咲世子さん!?」

C.C「久し振りだな」

ジェレミア「音もなく紅月の背後に忍びよるとは流石だ、急な呼び出しに来てもらってすまない」

咲世子「いえ、構いません。これが必要なのですよね?」 スッ

カレン「咲世子さんが鍵を持っていたんだ…」

ジェレミア「私と同程度の忠誠心をもつ彼女ならば、信用出来ると思ってな」

咲世子「これは何方にお渡しすれば…?」

ジェレミア「そうだな、C.C君が受け取りたまえ」

C.C「ふん、元よりそのつもりだよ」 スッ

咲世子「私はこれからどうすれば…?」

ジェレミア「君も見届けてくれないか?この際証言者は多い方が良いからな」

咲世子「分かりました…」


C.C「……いくぞ」

カレン「……」 ゴクッ

スッ カチャカチャ  ガキンッ

ギィィィィィィ

寝る

C.C「……!」

カレン「ね、ねぇC.C…?どうなのよ…?」 ソロー チラッ

カレン「!!」

カレン「嘘……」ポロポロ

ジェレミア「失礼…」 スッ
ジェレミア「……くっ」プルプル

咲世子(この様子ですと、中にルルーシュ様がいらっしゃったようですね)

咲世子(この数年で大分腐敗が進んだようで…、腐敗臭が凄い…)フイッ

ジェレミア「…もう良いだろう、閉めたまえ」

C.C「……」

ジェレミア「どうした、何を躊躇っている?」

C.C「いや…、躊躇ってなんかいないさ、ただお前達の忠誠心とやらもこの程度なのかと思ってな」クスッ

ジェレミア「何?それは聞き捨てならぬな」

C.C「気付かないのか?」




C.C「こいつはルルーシュじゃない」

カレン「うっうっ…………ん?」

カレン「今なんて言ったのよ……C.Cぅ……」グスッグスッ

C.C「偽物だと言ったんだよ」

ジェレミア「偽物だと…?馬鹿な…!?」

C.C「お前達はあの時、あの場所に居ただろう?なら、知っている筈だ、ルルーシュは何処を刺された?」

カレン「ルルーシュがあの時刺されたのは…」

ジェレミア「心臓だ」

C.C「そうだな、だがこの遺体にはそれらしき損傷は見られない」

ジェレミア「そう言われればそう見えるが…」

C.C「ある程度腐敗は進んでいるから一目では分からないだろうな」

ジェレミア「ふむ…、にわかには信じ難いが…、一度DNA鑑定をするべきか…?」

カレン「そんな事が出来るの…?」

ジェレミア「昔の知り合いを当たってみる。報告は後日、何らかの形で伝えよう」

C.C「ふっ…、結果は変わらないと思うがな…」

カレン(偉い自信満々ね…)

このあと滅茶苦茶埋葬し直した

蜃気楼よりガウェインのが好き
仕事なんで明日

―数日後―
キィー バタン

カレン「ただいま~」

「お帰りなさい、カレンちゃーん、貴女に小包が届いてたから、部屋に置いてるわよ~」

カレン「!」

カレン「ありがとう、お母さん!」

タッタッタッ

「急いで見に行くなんて、余程欲しかった物が届いたみたいね…」ニコッ

バタン

カレン「えーっと、何処に置いたのかな…」キョロキョロ

カレン「!」

カレン「あった!」

カレン「オレンジ農園…?ジェレミアからよね…」

ゴソゴソ

カレン「中身は…オレンジに…手紙?」 スッ

ジェレミア『紅月カレンへ、そのオレンジは我が農園で育てた物だ、食べてくれ』

ジェレミア『さて、本題だが、DNA鑑定の結果、ルルーシュ様とあの遺体はDNAが一致しなかった』

ジェレミア『ルルーシュ様では無い』

ジェレミア『ルルーシュ様が生きていると言う可能性が出てきた以上、私は暫く此方へ留まり、C.Cの言っていた噂を調査しようと思う。何かわかり次第追って連絡する』

カレン「……」

カレン(ルルーシュが生きている…かもしれないだけど……今はそれでも)

C.C「良かったな」

カレン「うん…」 ニコッ

C.C「……」
カレン「……?」

カレン「なんで、アンタが私の部屋にいるのよ!?」

C.C「なんでって、お前の母親が入れてくれたからに決まっているだろう?」

カレン「んもぅ、お母さん…知らない人は入れないようにって言ってるのに…」

C.C「知らない人とは失礼だな、私はC.Cだぞ」

カレン「知ってるわよ、そう言う意味で言ったんじゃないわよ」

C.C「そうか」

カレン「……で、アンタの言った通り、あそこに入ってたのはルルーシュじゃなかった訳だけど…」

C.C「私はルルーシュの居場所は知らないぞ」

カレン「そうよね…、行きそうな場所とかは?」

C.C「そうだな……」

C.C「アイツは顔が割れているからな、単独行動は難しい」

C.C「現にルルーシュを見たなんて噂が立つ位には有名人だからな」

C.C「他に協力者がいる筈だ、軍関係者あるいは黒の騎士団のどちらかに」

カレン「私達の知り合いがルルーシュを匿ってる可能性があるって事ね」

C.C「そうだ、あくまでもかもしれないだが」

カレン「一番怪しいのは?」

C.C「ナナリーやスザク、咲世子はないとして…、神楽耶が怪しいな」

カレン「ふーん、咲世子さんは何で?」

C.C「ルルーシュを匿っているならば、咲世子を通じて私に生存を伝えてくる筈だ」 フフンッ

カレン「は?」

C.C「私とルルーシュは共犯者だからな」

カレン「はいはい…」

カレン「で、ナナリーやスザクは何で無いって言い切れるのよ」

C.C「あの二人が匿っているとしたら、今頃ゼロはルルーシュにすり替わっているはずだ」

カレン「へぇ…」

C.C「ナナリーは支えていて欲しいだろうし、ルルーシュが生きている以上スザクがゼロを演じる必要は無いからな」

カレン「そうよね…」

仮にコード継承してたら以前のままの外見なんだろうか
C.Cは変わらなかったし
また明日 寝る

カレン「でも、ナナリーってしっかりしているし、今更ルルーシュに頼るかな…?」

C.C「お前にはそう見えたのか?」

カレン「え?うん…」

C.C「外面は良くても、アイツは度を越したブラコンだからな」

カレン「へぇ、そうなんだ」

C.C「咲世子がいない日は酷かったな、1日べったりで普段は見せない駄々っ子になっていたな」


カレン「ふーん」

C.C「羨ましくないのか?食事はあーんだぞ?風呂は一緒だぞ?寝るのは一緒のベットだぞ?」

カレン「そんな事まで…、アンタは羨ましくないの?」

C.C「少し羨ましいな、私との扱いの差が違い過ぎる」

カレン「普段グータラなんだから当たり前よ」

C.C「うるさい、とにかくナナリーは無いぞ!」

カレン「そうみたいね」クスクス
カレン(ナナリー良いなぁ…、私ももしかしたらそんな事をしてもらえる関係になれたのかな…)

C.C「おい」

カレン「え?」

C.C「何を呆けているんだ、これからどうするのか考えてるのか?」

カレン「え?えぇ、当たり前よ!」

カレン「私は黒の騎士団の知り合いを当たって見る」

C.C「ほう、藤堂や扇か?」

カレン「そ、あの人達なら事情を話せなくても力にはなってくれるはずよ」


C.C「……」

カレン「アンタやルルーシュにとっては信用出来ない人達かもしれないけど、私はそうじゃないから…」

C.C「…余計な情報は与えるなよ?扇はともかく藤堂はやっかいだ」

カレン「分かってるわよ、アンタはどうするの?」

アーニャはいつ出て来るのかね~
寝る

C.C「私は……そうだな……」

カレン「何を悩んでるのよ」

C.C「お前と違って知り合いが少ないんだよ、察しろ」

カレン「そんな正直に言われても…、そうだ!」

C.C「断る」

カレン「まだ何も言って無いじゃないのよ!」

C.C「どうせ新型KMFのテストパイロットでもしてくれとかじゃ無いのか?」

カレン「何で分かるのよ…、もしかして…」

C.C「私にもその話は来ていたからな、面倒なんで断ったが」

カレン「なんでよ、折角の話を断るなんて勿体無い」

C.C「私にメリットが無かったからな、新型に興味なんて無いしな」

カレン「新型よ?、新型」

C.C「だからなんだと言うんだ、あの二人が造ったものだ、ろくなもんじゃないぞ」

カレン「言い過ぎよ、自信作って言ってたから大丈夫!」

C.C「だから不安なんだぞ」

カレン「良いから行ってみなさいよ、お礼に情報提供でもしてもらえるかもしれないし」

C.C「………はぁ、仕方無い行ってやろう」

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