モバマスより小日向美穂(たぬき)の事務所のSSです。
独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。
前作です↓
【たぬき】成宮由愛「たぬき事務所の絵日記」
【たぬき】成宮由愛「たぬき事務所の絵日記」 - SSまとめ速報
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最初のです↓
小日向美穂「こひなたぬき」
小日向美穂「こひなたぬき」 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1574089785
―― ある土曜日 女子寮
響子「うんしょ、うんしょ……っと」ヨタヨタ
響子「はぁ、今日特売だからって買いすぎちゃったなぁ。お、重い……」
響子「でも、お野菜もお肉も安かったしっ。これでみんなにおいしいカレーを作れると思えばっ」フンス
ポトッ
コロコロ~……
響子「あ、タマネギが……!」
コロコロコロ…………
響子「わっとっと、待って~……!」
響子「……あれ? この部屋、いつもは閉まってるはずじゃ……」
響子「開いてる……よね」
響子「う~ん。タマネギが入っていっちゃったし、放っておくわけにも……」
響子「えと、きっと物置か何かですよね。ちょっと拾いに入るだけなら大丈夫大丈夫っ」
響子「お邪魔しま~す……」キィ
◆◆◆◆
~ しばらくして ~
美穂「響子ちゃんがいない……」
みく「あれぇ? みく達が戻る頃には、お買い物済ませてるって言ってたのに」
美穂「何か用事でもあったのかなぁ?」
みく「でも靴は置いてなかった?」
美穂「あ、そうだったね。おトイレかなぁ……?」
美穂「――って、あれ?」
美穂「ね、ねぇみくちゃん! これ見て!」
【廊下に置きっぱの買い物袋】デーン
みく「これって……」
美穂「響子ちゃんの……だよね?」
みく「おかしい……おかしいにゃ。響子チャンが買ったばっかの食材を冷蔵庫にも入れずにほったらかしにしてるわけないにゃっ」
美穂「なんだか急に何かがあって、慌ててどこか行っちゃった感じ……だよね」
みく「ちょっと待ってて、みく電話かけてみるから」
プルルルルルルルル
プルルルルルルルル
プッ
オカケニナッタデンワバンゴウハ デンゲンカハイッテイナイカ デンパノトドカナイトコロニ……
みく「繋がんない……そんなことって……」
美穂「わ、私においを辿ってみる!」
ポンッ!
美穂「くん、くんくんっ。ふすふす、ぽこぽこっ……」タヌキ
美穂「ぽこ?」
美穂「ぽ、ぽこ……!」
みく「何かわかった?」
ポンッ!
美穂「響子ちゃんと、それからタマネギのにおいが、こっちからあっちに続いてるの」
みく「廊下の突き当たり?」
美穂「うん。それで多分、ドアの向こうまで……」
みく「あのドアの向こうって、つまり……」
美穂・みく「女子寮の、開かずの間……!!」
◆◆◆◆
『開かずの間』については、みくもほんとのとこはよく知らない。
だってみくが来た頃からそこは開かずの間だったし、ってことは、みくが入る以前の入寮者……つまり芳乃チャン一人の頃からそうだったわけで。
芳乃チャンが言うには……
「お気になさることはありませぬー。悪しきものではありませぬゆえー」
……とのこと、だったの。
実際に開けようとしてみても、何かがつっかえてるのか、それともくっついてるのかで扉はビクともしなかった。
まあでも、開かなくて困ることはなかったし……。
芳乃チャンが言うなら大丈夫なんだろうってことで、そこは「開かずの間」として、後から入るみんなにも説明しといたんだ。
……中に何があるかは、知らないまんま。
〇
~ 女子寮 リビング ~
美穂「まだ電話繋がらない?」
みく「……うん」プルルル……
美穂「私、見てくる。放っておけないよ!」
みく「ま、待って! 待って美穂チャン!」
みく「一人や二人で行くのは危ないと思うにゃ。何があるかはわからないけど、でも、今までずっと開かなかったわけだし……」
みく「それが今になって開いたってことは……芳乃チャンや茄子さん案件じゃないかな、って……」
美穂「それはそうかもしれないけど、確かみんなは――」
楓&茄子 : 大分で温泉ロケ
芳乃&紗枝 : 都内某所の神社でイベント
智絵里&まゆ : 同じく都内某所で握手会
美玲&小梅 : バラエティ番組出演中
LiPPS : フェスイベント中
イヴ&菜帆 : 日本全国お菓子めぐり企画
こずえ : 謎
……etc : みんな仕事中
P : フェス限紗枝が引けなかった
みく「……他の主力が誰もいねーにゃ!!!」クワッ
美穂「うん……私、やっぱりあの中に入って確かめてみるよ」
美穂「みくちゃんはここでみんなの連絡を待っててくれる?」
みく「ここで……って、美穂チャン一人であの中に入るの!?」
美穂「大丈夫っ。私だって、色んなピンチを乗り越えてきたんだから!」
美穂「それに響子ちゃんがあの中にいるかもって思うと、いてもたってもいられないよ!」
みく「だけど……!」
美穂「心配しないで。それにみくちゃんが残ってくれないと、外に連絡を取る子がいなくなっちゃう」
美穂「ここは私に任せて欲しいなっ。ねっ、寮長!」
みく「……!」
みく「……わかったにゃ。でも一つ条件があるの」
みく「みくの仕事用の携帯に、ずっと通話繋げっぱなしにしててくれる?」
美穂「そっか。そっちで状況を確かめて、自分用のスマホで外に連絡を取ればいいもんね!」
〇
美穂『みくちゃん、聞こえる? 今扉の前にいるよ』
みく「感度良好にゃ。こっちはL〇NEでPチャンにメッセ送ってるとこ」
みく「既読はまだつかないけど……仕事中だもんね」
美穂『私はこのまま入ってみるね……!』
『キッ…… キィィイ……』
美穂『わ、ほんとに開いた……!!』
みく「気を付けてね! 何があるかわかんないにゃ!」
美穂『うん! わぁ……中、暗いなぁ』
美穂『あ。これ……階段?』
みく「階段?」
美穂『たぶん、地下に繋がると思うんだけど……ここって地下室あったんだ……』
『トン トン トン……』
美穂『どこまで降りるんだろう。暗い……ほとんどなんにも見えないよ』
みく「美穂チャン、大丈夫?」
美穂『うん(ザザッ)まだ(ザッ)何(ザザーッ)……(ザ)あ(ザザザザザ)……れ?』
みく「え? よく聞こえないにゃ! 今どこにいるの? 何か見える? 響子チャンは?」
美穂『(ザザーーーッッ)(ザ)(ザザザッ)ぁ!(ザザザ)れって、もしか(ザザザ……)』
みく「美穂チャン!? どうしたの!? 返事して!!」
美穂『(ザザザザザザ――――)ぽこ(ザザッ) (ザ) (ザッ…………)』
プツン…………
みく「美穂チャン!! 美穂チャーーーーンッ!!!」
――通話が、切れて。
――美穂チャンまで、帰ってこなくなった。
みく「響子チャンだけじゃなくて、美穂チャンまで……」
みく「あそこには何があるの? 美穂チャンは何を見たのにゃ……!?」
みく「……しっかり、しっかりしなきゃ」
みく「みくは寮長……ここの寮長なんだから……っ!」
みく「……うぅ」
みく「どうしよぉ……芳乃チャン……Pチャぁン……っ」
◆◆◆◆
~ 回想 ~
みく「みくが、寮長?」
P「そう。この寮も人が増えてきたし、まとめ役がいないとな」
みく「でも芳乃チャンの方が先輩だし、年長ならイヴチャンだって……」
芳乃「みなで話し合い、決めたのでしてー」
イヴ「私たちはちょっとぼんやりしてますから~」
みく「二人とも……いやぼんやりしてるって自分で言う?」
響子「この中でふさわしいのは、みくちゃんだなぁって♪」
美穂「うんっ。みくちゃんならしっかりしてるし、責任感も強いから!」
こずえ「みくー……えらいー……」
輝子「フヒ……頼っても、いい……?」
小梅「あの子も……一番、それがいいって……」
P「ということなんだ。みくさえ良ければ、頼みたいんだが……どうだ?」
みく「…………しょ」
みく「しょぉ~~がないにゃあ! そこまで言われたら、引き受けるもやぶさかでないにゃっ!」
P「おお、やってくれるか!」
芳乃「ふふー。頼もしい限りでしてー」
みく「みんなの期待に応えなきゃね! みく、寮長やるにゃ!」
一同『よろしく、寮長!』
パチパチパチ……
~ 回想おわり ~
◆◆◆◆
みく「…………」メルメル
『Pチャン、お疲れ様』
『お仕事中何度もごめんなさい。実は今、ちょっと大変なことになってます』
『美穂チャンと響子チャンが、行方不明になりました』
『今、女子寮です。女子寮の開かずの間が開いてて、二人ともそこに入っていきました』
『みくも、今から様子を見に行こうと思います』
『でも、危ないとも思います』
『だけど、二人に何かあったら大変だから』
『もしみくも戻らなかったら、その時は、』
『その時は、 』
みく「…………あーもーーーっ!! こんなのみくらしくないにゃあっ!!」ポーイッ
みく「こんなとこでメソメソしてらんないもん! みくは寮長なんだからっ!」
みく「開かずだかナマズだか知らないけど、大事な大事な寮生に手を出したらどうなるか!」
みく「前川寮長が、教えてやるのにゃーっ!!」
ドタンバタン ガチャガチャ…
みく「……完成! フルアーマーみくにゃん!!」
フルアーマーみくにゃん:
領内の掃除用具・虫取り網・各種ホビーや猫グッズで固めた前川みく最終形態だ!
寮の緊急事態にのみ解禁される! 強い! そして可愛い!
みく「待ってて美穂チャン、響子チャン! とつげきーーーーーーっ!!!」
みく「…………っと、確か階段があるっていうから慎重にいくのにゃ」ソローリソローリ
◆◆◆◆
ちょっとびっくりするほど長い階段を降りて。
みくが床? を踏んだのは、5分も下ってからのことだったの。
「ほ、ほんとに真っ暗にゃ……」
持ってきた懐中電灯の光が、暗闇のずっと奥まで伸びてる。
こういう時、ネコチャンだったら見えたのかもしれないけど。
「美穂チャーーーーーンっ!! 響子チャーーーーーーーーンっっ!?」
思いっきり声を張り上げてみたけど、声は遠く遠く反響して、消えた。
かなり広い空間みたい。ちょっとした講堂というか、体育館くらいはあるかもしれない。女子寮の地下にこんな場所があったなんて……。
「聞こえてたら返事してーーーーっ!! 誰かいないにゃーーーーーーっ!!?」
はぁ、はぁ…………なーんにも返ってこない。
仕方ないにゃ。とにかく進むだけ進んで、この空間の全容を確かめなきゃ……ていうか電気のスイッチとか無いにゃ?
「えと、こういう時はとにかく壁を探して、壁伝いに移動するのがいいって……」
何かの本で読んだ、ような。
そろーり、そろーりと手を突き出して、探り探り進む。
懐中電灯は足元を照らしているはずなのに、やっぱり真っ暗。というか黒くて、床があるとしても木目さえ見えない。
かつーん……がちゃん。かつーん……がちゃん。
足音が響いて、フルアーマーみくにゃんの装備が揺れる音も響く。
な……何がいるのかわからないけど、どっからでもかかってこいにゃ。
みく達の寮で好き勝手するヤツなんて、寮長パワーでネコミミまみれにしてやるのにゃ……!
――ぴとっ。
と、手先が何かに触れて。
「にゃっ!?」
一瞬びっくりしちゃったけど、多分それが壁なんだと思う。
硬くも柔らかくもなくて、冷たいんだか温かいんだかわからない感触……。
とにかくこれで外周には着いたんだと思って、ちょっとだけホッとした。
待っててね、美穂チャン、響子チャン……。
ぽちっ。
「…………『ぽちっ』?」
指先が、なんか押した。
次の瞬間。
ばかんっ!!
「うにゃっ!!?」
足元が開いて、まるでクイズ番組のボッ〇ュートみたいに……
「に゙ゃーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
みくは、落っこちちゃった。
◆◆◆◆
???「――――すか?」
???「――――あのー、生きてマス?」
みく「うにゃ……ぁ……」
???「動いた。生きてはいるんだ」
???「起きてください、みくサン。――前川みくサン」
みく「にゃっ!!?」ビクーン
???「あ、どもデス。やっと起きた」
みく「え、え!? ここどこ!? ひょっとして天国!? みく死んじゃった!?」
???「いや、死後の世界じゃないんで」
みく「い、嫌にゃーっ! 天国がこんなに真っ暗なんてぇ! せめてもっとかわいくてネコチャンいっぱいの空間が良かったにゃあーっ!!」
???「#パニックなっとる #おちつけ」
みく「え? あれ? ……えっ?」
みく「…………誰?」
???「えっと。とりあえずここは天国じゃないのと、自分怪しい者じゃないってのだけ把握してくれれば」
みく「そ、そんなこと言われても……???」
???「……あ、そっか。そっちは知らないんだっけ」
あきら「砂塚あきらデス。#基本ROM専 #やっと出番? #予想外だけど」
一旦切ります。
〇
~ 謎空間 ~
あきら「へー。そういうこともあるんデスね」
みく「そういうこともって……この変なとこ、あきらチャンが関係してるんじゃないの?」
あきら「まあ知らないではないけど。通りすがりみたいな感じかな」
あきら「てか、友達探してるんで。知りません? こんくらいちっちゃくて髪が長い、妖精みたいなヒト」
みく「えぇえ……それって人類なのにゃ……?」
あきら「#人外説 #だいたいあってる」
みく「実はみくも友達探してるのにゃ。一人はサイドポニーの子で、もう一人はアホ毛のたぬきっぽい子――」
あきら「五十嵐響子サンと、小日向美穂サン?」
みく「知ってるの!?」
あきら「あ、いや今どこかは知らないケド」
あきら「いちおーずっと見てたんで。大体の登場人物は知ってるつもり」
みく「むむむ……あきらチャン、言ってること難しいにゃあ……!」
あきら「……まあ、ちょうどいいでしょ。探すんだったら自分も付き合うよ #COOPで #パーティー結成?」
みく「ほんと!? た、助かるにゃあ……! みく、どうなってるか全然わかんなくて……!」
あきら「#それな #慣れが必要」
あきら「とりあえず進もっか。パターン的には多分こっちかな」ヴォンッ
みく「にゅあ゙っ!? きゅ、急に道が出てきたにゃ!?」
あきら「乱数調整とかテーブルとか色々あるケド、まあ #あとはwiki嫁」
みく「んにゃあぁあ……!」
テク テク…
〇
あきらチャンの足取りは、ふつーにスムーズだったにゃ。
ほんとに慣れてるみたいだった。
右に進んだかと思えば左に曲がって、急に引き返したかと思ったら壁をコンコン叩いたり、変なとこでジャンプしたり。
ひっぺがしたり、裏返したり、歩数を調整? したり、時間を計ったり……。
おかしいのは、進む先進む先の景色の変化。
あきらチャンが何かするたびに、真っ暗だった地下空間はびっくりするほど様変わりして。
「ここでワープゾーン入れば短縮できるから」
「ワープ? にゃあっ何この光ーっ!?」
「この床踏んだら始まるんで、向こうのゲートにあるスイッチを青赤黄の順に押してもらえマス?」
「何そのめんどくさい仕掛け!?」
「その後は石像が持ってる燭台に宝石嵌めたら鍵が落ちるんで、それを鷹のマークの扉に……」
「そこバグってマス」
「にゃ!? なんかイガイガしたノイズみたいなのがーっ!?」
「巻き込まれたらゲッダンみたいなのになるんで」
「こっから先、ヤバいエネミーいるから引き返しましょ」
「ヤバいエネミーって何!?」
「あ、見ない方が。たぶん茄子サンやこずえサンとかのレベルでないと瞬殺されるやつなんで」
「ジャンルが変わってるにゃ!?」
〇
みく「はぁ……はぁ……死ぬかと思ったにゃ……」
あきら「いやでも、けっこーついて来られてマスよ。自分ペース緩めたつもり無いのに #さすみく」
みく「結局ここ何なの? もはや女子寮の地下ってレベルじゃないにゃ」
あきら「……んー……」
あきら「イースターエッグって知ってマス?」
みく「イース……何?」
あきら「イースターエッグ。語源はキリスト教のお祭りかなんからしいけど」
あきら「ゲームとかコンピュータのあっちこっちに仕込まれた、隠し要素デスね」
あきら「あるところで特定の動きをするとか、特殊なアイテムを使うとか。あるタイミングでどっかのポイントに入るとか……」
あきら「そういうことで解禁される、『見ても見なくてもいいお遊び要素』って感じ」
あきら「ひらたく言えばマ〇オの裏面みたいなもんデス。最初にそれやったのはATARIのなんかのゲームって話だったかな」
みく「でもそれ……ゲームの話でしょ?」
あきら「ゲームだけじゃないデスよ。この世界のそこかしこにイースターエッグがあるんだって」
あきら「女子寮の開かずの間? ってのも、たまたまその一つに繋がっちゃってたんじゃないデス?」
みく「そんなことある!?」
あきら「そういうシリーズでしょ」
みく「メタ発言やめーにゃ!!」
〇
あきら「やっと見つけた。この家デス」
みく「……マンション? すごい普通っぽいけど」
あきら「目的地、ここだったんで。美穂サンと響子サンのことはわかりませんけど、中の人が少しは知ってるかも」
ピンポン
ピンポーン
………………
みく「……出ねーにゃ」
あきら「家主、出不精なんで」
ピポピポピポピポーーン
??「はいはーい」トタタタタタタ ガチャ
??「あぁ、あきら。遅いよー」
あきら「道迷ってた。杏サンは?」
??「今ポケモン中。手が離せないんだってさ」
??「……あれ? そっちの子、前川みくちゃん?」
みく「みくのこと知ってるの?」
??「知ってるよー、いつも見てるし」
紗南「あ、自己紹介まだだった。あたし三好紗南。あきらとはゲーム仲間なんだ」
紗南「で、この部屋の主が……あーまあいいや。中で話そっか!」
〇
?「あれ? あきらと……またお客さん?」
みく「ほ」
?「ほ?」
みく「ほ、ほんとにちっさいにゃあ! 妖精!?」
杏「よく言われるなぁそれ。17なんだけどね」
みく「年上っ!?」
杏「前川みく、だったよね? 弟子から私の話聞いてない?」
みく「弟子? 弟子、って……」
みく「……あっ!! Pチャンが幽体離脱した時に戻り方教えてくれた子!!?」
(白坂小梅「幽霊だって休みたい」/白坂小梅「幽霊だって休みたい」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523604908/) より)
杏「まあそうなんだけど、改めて聞くとワケわかんない事態だよね」
杏「話はだいたい把握してるよー。あれ、紗南、ジュースどこやったっけ」
紗南「さっき杏さんが自分で冷蔵庫に片付けてなかった?」
杏「あ、そっか。ちょっと待っててね取ってくるから」
みく「あ、お構いなく……」
トテトテトテトテトテ
トテトテトテト……テ……
………………
ドルルンッ
ブゥゥーーーーーーーーー…………ン
みく「………………」
…………ゥゥウーーーンッ
キキーッ
……トテテテテテテ
トテトテトテトテトテ……
杏「……はぁ~~~~っ、お待たせ」トンッ
みく「今どこまで行ってきたの!!!!?」
紗南「あはは、どこってキッチンでしょ?」
みく「いや明らかに途中車かなんか乗ったにゃあ!!!」
杏「まあいいじゃん細かいことはさ。てきとーにやってこーよ」
〇
~ かくかくしかじか ~
杏「あー、裏面入っちゃったのか。まあここ色んなとこと繋がってるからねー」
みく「……ていうか、三人は結局何者なの?」
杏「一応、他のみんなからはだらけ仙人って呼ばれてるけど」
紗南「あたしピコピコ仙人!」
あきら「まあ自分も似たようなもんデス #ていうか #ただのゲーマー勢」
みく「仙人って何、っていうのは聞いてもよくわかんないんだろうけど……」
みく「それより、みくの友達見てない!? 美穂チャンと響子チャン!」
杏「響子って子だったら……」
ガララッ!!
響子「全然片付きませんっ!!」
みく「響子チャン!!!」
響子「あれ、みくちゃん? どうしてみくちゃんまで――」
みく「きょ、きょーこチャ~~~~~ンっっ!!」ガバー
響子「きゃあっ!? ど、どうしたんですかっ!?」
みく「心配したんだから! もう帰ってこないのかって思ったんだからぁ~~~~!」ワーン
杏「その子うちに迷い込んできて、部屋見るなりお掃除に没頭しちゃったんだよねー」
あきら「いや杏サン散らかしすぎでしょ」
紗南「よくわかんないアイテムとか無限に湧いてくるよね」
響子「はっ……私お掃除に夢中になってて……。みくちゃん、どうやってここに?」
みく「響子チャンを追ってきたのっ!!」
~ かくかくしかじか二回目 ~
響子「ええっ!? も、もうそんなに時間が経ってたんですか!?」
みく「もぉ~……響子チャン散らかった部屋見つけたら我を忘れちゃうんだから……」
みく「……でも……無事で良かったぁ」
響子「みくちゃん……」
響子「ちょっと待っててくださいね。片付け終わったらすぐ帰りますからっ」フンス
みく「いや片付けは続けるんかい!!」
あきら「#お掃除ガチ勢」
〇
響子「これはこっちに、この変なのはこの箱に……」テキパキ
紗南「あ、これまだあったんだ」
みく「何それ?」
紗南「『世界レベルの腰ミノ』。ヘレンワールドダンシング3ハワイ編のヘレンさんの最終装備」
みく「どういう装備にゃあ!?」
あきら「あ、これ『真・名刀竹男』。杏サンこんなの持ってたんデスか」
杏「あー、ビルドに合わないレジェンダリって一応取っとくだけは取っとくよね」
紗南「こっちは『ときめきの刻』? 純魔の最強魔法のスクロールじゃん!」
響子「本とか紙はこっち、大きいものはこっち、棒状のものはこっちっ」ヒョイヒョイ
杏「掘れば結構出るものだなぁ」
紗南「『サバオリくんの輝く鱗』だ! このレイドイベントかなりヤバかったよね~」
あきら「『最終強化型Pヘッド零式』なんて専用装備なんだから杏サン持ってても意味ないでしょ」
杏「キーアイテムとかも結構インベントリ突っ込んで放置しがちだよね」
紗南「うわホントだ、『仙人手形』ここにあったんじゃん。ぞんざいな扱いしてたらまた叱られちゃうよ」
あきら「てか、これ漁ってるだけで面白いかも。仙tubeに動画配信していい?」
みく「それで、美穂チャンの行方なんだけど」
杏「たぬきの方でしょ? うちには来てないなー」
みく「そっか……。じゃあ、また外に探しに行かなきゃ」
みく「ていうかここに落ちてる変な道具、そんな強いの? 外危ないし、みくたちも何か使えたりしない?」
杏「持ってく分にはいいけど、レベル足りてないと装備できないんじゃないかなー」
みく「いっこくらいなら使えるのある筈にゃあ! ほら、例えばこれとか――」パッ
みく「……って何コレ。写真? 誰が映って……」
ズ シ ン ッ ッ !
響子「きゃあ!?」
杏「うわっと!?」
紗南「な、なになに!? 地震!?」
あきら「……あー……ちょっとマズいかも」
みく「どういうことにゃ!?」
あきら「さっきヤバいエネミー見かけたって言ったじゃないデスか。エンカしないように避けて進んだけど……」
あきら「アレ見つかってたかも。追って来られたっぽい」
紗南「トレインしちゃったかー」
杏「うわーどうしよ全然準備してないよ、もー面倒だなーこの辺何かあったっけ」ゴソゴソ
響子「あっ、そこ整理したばっかりのとこですよっ!」プンプン
みく「そんなこと言ってる場合じゃないにゃあ!」
杏「えーっとすぐ使えるものすぐ使えるもの、あ、これ装備できないやつだしこれは、」
ド
ガ
ン
ッ
!!!
みく「に゙ゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!?」
いきなり、強い光が窓から差し込んで。
みく達は、建物ごと吹っ飛ばされちゃった。
〇
みく「うにゃにゃ…………はっ!? 今度こそ天国!?」
杏「じゃないよ。あー間に合った、死ぬかと思ったよ」
響子「こ、このモフモフした大きなクッションは一体……?」
杏「『巨大アッキーのおまもり』。一回だけどんな攻撃からもパーティーを守ってくれる、毛皮のバリアだよ」
巨大アッキー(なんとも言えない顔)
みく「……も、もの言いたげだけど」
巨大アッキー(シュンッ)
みく「あ、消えちゃった」
杏「効果切れだね」
紗南「てか部屋、マンションごと吹っ飛んじゃったよ?」
杏「セーブしてたから多分そっちは大丈夫だと思う、けど……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・
あきら「完全に捕捉されてマスねこっち #ヤバみ」
響子「えっと、話せばわかる感じではないんでしょうか……?」
杏「ボスだからなぁ。どーしよ、ろくにアイテム無いし勝負にもなんないよこれ」
みく「だけど、そんなにヤバいって一体どんな…………」
芳乃Ω「滅びよ」
みく「芳乃チャンじゃん!!!!!!」
あきら「より正確には、一番ヤバいルート進んだ時の芳乃サンというか」
あきら「wikiによると、芳乃サンのZルート最終話『終わりなき輪廻の果てに』に入った時点で芳乃サンのPサンへの好感度が1000超えてて、最後の選択肢で『それでも、俺は芳乃を諦めない』を選んだ後の戦闘でPサンをキャラロストすると二周目以降に出てくる隠しボスみたいデスね。発見から初の撃破報告までだいぶかかって、よく人〇羅とかダイア〇ンドドレ〇クに比べられてマス」
みく「そのwiki何なの!!?」
芳乃Ω「天地万物一切無用」ペカー
みく「なんか光った!!」
杏「あ、ヤバい、撃つ気だ」
紗南「あれはキツいよ! おせんべい百億枚相当の一撃だから! 内部データによれば攻撃力は表芳乃さんの最終奥義『よしのんみらくる』をも軽く上回るんだって!」
みく「もうツッコミが追いつかないにゃーーーっ!!」
芳乃Ω「……」カッ
??「ぽこっ!!」ペニョッ
バシュウウゥゥ…………ゥゥン……
チュドーン
あきら「攻撃を……」
杏「逸らした……?」
響子「あ、あの姿……!」
美穂「みくちゃん、響子ちゃん。大丈夫?」
みく「美穂チャン!? 無事だったのにゃ!? 良かったぁ!!」
美穂「うん、久しぶり。――千年ぶりだね」
みく「ほんとに心配したんだか……うん? 千年???」
美穂「詳しい話は後でしよう。まずは、芳乃ちゃんを止めなくちゃ」
みく「な……なんか美穂チャンがそこはかとなくカッコいいにゃ! ガルフロの時みたい!」
響子「声の感じがイケメンの時の津〇美波さんになってます!」
紗南「あ……あれは、千年狸モードの小日向美穂!」
紗南「キャラセレ画面で美穂さんにカーソルをあわせて隠しコマンドを入力することで解禁される、強力な裏キャラ!」
杏「けどそのコマンドがなかなか難しくて、結局しくじってただの茶色カラーの美穂になっちゃいがちだよね」
紗南「あるあるだねー」
みく「ゲームのジャンルがさっぱりわからんにゃあ!!」
杏「アイドルプロデュースゲーだよ?」
みく「今までの話にアイドル要素ある!!?」
美穂「――あとは、任せて。みんなは私が守ってみせるから」
芳乃Ω「…………」
美穂「はぁぁぁぁぁ…………!!!」
紗南「おお! 美穂さんの『気』が高まって……!!」
ポコンポコンポコンポコンポコン
みく「『気』の効果音それでええんか?」
ポコココココココ
カッ!
ポコポーン!!
美穂「いくよ!!」
〇
~ やたらはげしいたたかい ~
みく「このシリーズ、バトルモノじゃなかった筈なんにゃけど……」
響子「美穂ちゃーんっ! がんばってくださーいっ!」
あきら「撮っとこ」
ポコポコポコ ドガーン ポコポーン ブオオー
ポコポコーーーッ モフモフーッ バリバリバリ デーシーテーーー
紗南「う~ん……杏さん、あれどう思う?」
杏「かなり食らい付いてるけど、やっぱりスペック差はいかんともしがたいんじゃないかなぁ」
杏「それに美穂ちゃんの方はあくまで止めるつもりなのに対して、芳乃Ωの方は完全にお構いなしだからねー」
みく「つ、つまり……?」
杏「美穂ちゃん、結構不利くさいってこと」
ドガンッ!!
美穂「ぽこっ!」ズサー
響子「美穂ちゃん!!」
美穂「大丈夫、心配いらないよ……!」
美穂「芳乃ちゃんっ、目を覚ましてっ! プロデューサーさんはもういないの! あの第七次元での戦いで、ギャラガの大艦隊に特攻して……っ!」
美穂「あの人はこんなこと望んでないよ! 最後の、『全てのおしりには平等に価値がある。セガ万歳』って言葉を忘れたのっ!!?」
みく「どういうストーリーが展開されてるのかさっぱりわからんにゃ」
紗南「こっちナムコのゲームなんだけどね」
芳乃Ω「全て、戯言なればー……」シュオオオオ
あきら「あ、チャージ始めた。#終了のお知らせ? #逃げた方が」
みく「で、でもこのままじゃ美穂チャンが……っ!」
みく(みくに、みくに何かできることはないのっ!? ほんのちょっと注意を逸らすだけでも……!)
みく(そうにゃ! さっき響子チャンのお片付け中に拾った、よくわかんないアイテムが……!)
みく(なんのアイテムか全然わかんなかったけど、なんにもしないよりマシにゃあ!!)
みく「こ、こ、これでも喰らうにゃあーっ!!」ブンッ!!
ヒラ ヒラ ヒラ…
芳乃Ω「!」
響子「あれは!」
あきら「写真……?」
芳乃Ω「――そなた?」
紗南「ああっ! あれはキーアイテム『幼少時のPの写真』っ!」
紗南「中盤のサブクエスト『そなたよい子だねんねしな』で過去の世界にタイムスリップして、特定の条件を満たせば手に入るキーアイテム!」
紗南「アイテムとしては全然使えないけど、特定の局面で重要な役割を果たすってこのwikiに書いてあった!」
杏「パスワードにRARAじゃなくてLALAって入れなきゃいけないやつ?」
紗南「それ別のやつ!」
杏「うーん。にしても、そんなの取ってたっけ」
芳乃Ω「そなた……そなた……」フワ…
響子「あ……芳乃ちゃんが浮き上がって……」
芳乃Ω「……そなたー……」フッ…
あきら「写真持ったまま、消えちゃった」
紗南「なるほどー……あれは芳乃Ωとの戦闘を避けるためのアイテムだったんだね」
杏「wiki編集しとこっか」
美穂「ぽこ」
響子「美穂ちゃん?」
美穂「ぽここ……ぽこっ!? ぽ#%&×〇k*>>?こぽっ‘%$&”ぽこ!”!」
みく「にゃあっ!? み、美穂チャン大丈夫!? なんかピカソみたいになってるけど!?」
美穂「ぽこっ!!」
ポンッ!!!
美穂「きゅぅ~…………」プシュー
響子「美穂ちゃん!?」ダキッ
みく「あ、あれ? 心なしかさっきのクールな感じが無くなったような……」
響子「美穂ちゃん、大丈夫ですか美穂ちゃんっ!」ユサユサ
美穂「う~ん……うぇへへぇ……もっともふもふしてくらしゃい~……」ムニャムニャ
みく「めっちゃ健やかな寝顔にゃ」
紗南「戻ったんだ。これも一種のバグみたいなもんなのかなー」
美穂「はっ!? ふぇえ……? みくちゃん、響子ちゃん……?」
美穂「……と、だ、誰ですかーっ!?」ポコーッ
あきら「説明しときマス?」
杏「しといてもいいけど、その前に家なんとかなるかな……。えっとデータデータ」
【NOW LOADING・・・・】
マンション「戻った」テテーン
みく「うそぉ!?」
杏「あ~~~~~良かったぁこまめにセーブしといて……杏の引きこもりパラダイスが無くなったら大変だったよー」
美穂「???」
杏「攻撃される直前くらいにセーブしてたはずだから、まあすっかり元通りだと思うよ。上がってく?」
みく「んー……でももう帰らなきゃ……」
??『みくさんー……美穂さんー……響子さんー……』
みく「うにゃっ!?」
響子「あれ? この声って……」
芳乃『今、寮から念話を繋げておりますー。三人とも、ご無事でしてー?』
みく「念話が何かはともかく、この声の調子……みく達の知ってる芳乃チャンにゃ! 来てくれたの!?」
芳乃『かの者のすまひょに、みくさんから気になるめっせーじが届いていたとの由ー……。急遽お仕事を切り上げ、寮へと戻ったのでしてー』
芳乃『すみませぬー。まさか扉が開くとは、露ほどにも思わずー……そちらには、他にどなたかいらっしゃるのでしてー?』
杏「ゲームしてたら迷い込んできたよ」
芳乃『これは仙人様ー。そなたらがお助けくださったのですねー。感謝いたしまするー』
紗南「まあ、実際一番頑張ったのは美穂さんなんじゃないかな」
あきら「けっこー映える画像取れたんで満足デス。上げていい?」
美穂「う、う~ん……私、途中の記憶があんまり無いんだけど……」
みく「だいじょーぶにゃ。美穂チャン、かっこよかったよ!」
◆◆◆◆
そんなこんなで、みく達は女子寮へと戻っていった。
あきらチャン達の道案内もあるし、芳乃チャンのナビもあって帰りはびっくりするくらい楽だったの。
響子チャンは片付けに没頭しちゃってたことを反省してたけど、あれが結果的に大事なアイテム発見に繋がったわけだから、みく的にもオールオーケー。
美穂チャンは最初に通話が切れて以降のことをほとんど覚えていなくて、「いつの間にかこうなってた」感じなんだって。
たぬきの裏モードはよくわかんないけど、無事合流できたんだから結果オーライにゃ。
それに、こんな色んなものがごちゃごちゃになってる「裏面?」だと、細かいこと気にしてたらキリがなさそうだし……。
みくだって、スチャラカな事態には結構慣れてるつもりなのにゃ。
◆◆◆◆
~ 女子寮 ~
P「みく! 美穂に響子も!」
芳乃「おかえりなさいませー」
みく「Pチャン! 芳乃チャン!」
P「LI〇Eを見てから急いで来たんだが、どうしても遅くなっちゃったな」
みく「……ほ、ほんとにゃあ! Pチャン遅すぎ! みく、変なとこで大冒険しちゃったんだからね!」
P「いや本当にすまん。でも、三人とも無事で本当に良かった」
みく「トーゼンっにゃ! みくは寮長だからね! 寮生がピンチになったら、絶対に助けるのにゃ!」
みく「だから今回だって、寮長として二人の安全を保護したまでにゃっ! だから、だから――」
みく「ぶ……無事に、帰っでっ」ポロッ
P「!?」
みく「ど、どうしようって、このまま戻ってこなかったら、取り返しのつかないことになったら、どうしようって思っ、思っでぇっ」ポロポロ
響子「みくちゃん……!」
みく「みく、みぐっ、がんばったよ。怖っ、こわかったけどっ、すっごい、がんばっでっ」ポロポロポロ
美穂「わわわ、みくちゃん泣かないでぇ……!」
芳乃「……二人のため、勇気を出して飛び込まれたのですねー。それは素晴らしき行いなのでしてー」
P「ああ。やっぱりみくを選んで正解だったよ。流石だな、寮長」
みく「ぶええぇええぇ~~~~ん! Pチャぁぁ~~~~ンっ!!」ヒシッ
P「おおよしよし、頑張ったなぁ」ナデナデ
芳乃「よいこー、よいこー」ナデナデ
響子「みくちゃん……本当にありがとうございます。私、みくちゃんの気持ちも知らないで……」
美穂「私こそ、途中でよくわかんないことになっちゃって、ごめんね……!」
みく「ん~ん゙~……二人は悪くないのぉ゙……」ズビズビ
響子「そんなこと……! そうだ、お礼に今日は、みくちゃんの好きなもの作りますねっ!」
響子「メインはカレーの予定でしたけど、もう一品なんでも足しちゃいますっ!」
みく「うぅ~……ハンバーグ……おっきいハンバーグカレー……」ズビビ
響子「はいっ♪」
P「俺は最後に来ただけだが……一応、一件落着ってことでいいのかな」
美穂「そう、みたいです。ごめんなさいプロデューサーさん、心配かけちゃって……」
P「いいんだ。とにかく良かった。美穂もありがとうな、色々がんばってくれたんだろ」
美穂「いえっ、私はなんか、途中で記憶失っちゃってたくらいで……!」
みく「ひぐっ、ふぐっ……ずびっ。ずず……ふー……」
P「お、落ち着いたか」
みく「ぅん、ありがと……ねぇPチャン? ひとつだけ、言っておきたいことがあるの……」
P「なんだ?」
みく「アイドル女子寮に大人の男のヒトが入ってくるの、たぶん普通にアウトにゃ……」
P「今それ言う!!!??」
芳乃「既に幾度か入っておられますがー」
響子「あ、私普通にご飯食べてってもらうつもりでしたっ!」
◆◆◆◆
~ 後日 土曜日 ~
みく「…………」
紗南「で、ここをこうやって歩きで通り抜けると、リッカーはスルーできるってわけ」
小梅「わぁぁ……リッカーちゃん、かわいい……!!」パァァ
美玲「いや、これ可愛いって思うのコウメだけだと思うぞ……」
輝子「フヒ、ヒ……シャグマアミガサタケみたいな、頭だな……」
みく「……………………」
杏「よっ、ほ、よいしょっ」
周子「ちょわぁっ!? 今のハメじゃないん!?」
杏「ハメじゃなくてコンボだよーだ」
紗枝「この『ふぉっくす』はんいうんは、うちにはちょぉ難しいかもしれまへんな~……ぴゅんぴゅん速ぉて……」
蘭子「漆黒と硝煙を纏いし魔女!(ベヨネッタかっこいい)」
みく「………………………………」
あきら「あ、はい今動画撮ってマス。Pサンに確認してオッケーなら仙tubeに上げるつもり。みんな見たがってるんだよね」
イヴ「これに映ってるんですか~? いぇ~い♪」ブイブイ
こずえ「いえーい……」ブイブイ
みく「なんでフツーに遊びに来てるのにゃっ!!?」
響子「まあまあ、いいじゃないですかみくちゃん♪ みんなー、ご飯できたよーっ」
あきら「あ、頂いていきマス」
紗南「やたっ! 響子さんの料理おいしいんだよね~♪」
杏「杏いつもはお菓子とかカップ麺しか食べないからねー」
響子「もう、ちゃんとお野菜も食べなきゃ駄目ですよっ!」
みく「しかも完全に胃袋捕まれてるし!!」
あきら「あ、みくサンこれ」
みく「え?」
あきら「〇INE、交換しときましょ。また裏面迷い込んじゃったら大変だし、自分助けに行くんで」
みく「あきらチャン……」
あきら「それに……なんだかんだで、結構楽しかったでしょ?」ニカッ
みく「ん、ん~~~~~~~…………」
みく「まあ……そう、かも?」
あきら「ほら。遊びに来たくなったら迎えに行きマスよ」
みく「い、いやいや! さすがにあんなよくわかんない空間はゴメンにゃ! 普通に遊ばせて!」
響子「みくちゃん? あきらちゃーん?」
美穂「今日のごはんクリームシチューだってー!」
みく「あ、はーいっ今行くにゃーっ!」
みく(……まあ、なんだかんだで)
みく(新しい友達ができたってことで、いいオチだったのかもしれないにゃ)
あきら「あ、みくサンにんじん好きデス? よかったら自分の分けてあげるんではい」ヒョイヒョイ
みく「に゙ゅあっ!? ダメにゃーっ! ちゃんと自分で食べなさーい!!」
あきら「#しかるねこ」
杏「草」
みく「草じゃにゃーーーーいっ!!」
~ オワリ ~
おしまいです。お付き合いいただきありがとうございます。
そろそろこひな誕の準備ばせんばいかん……
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