小日向美穂「『ひなたの天使』みほたんと！」

野々村そら「『太陽のくろーん』そらちんと！」

ライラ「『砂漠の妖精』ライラさんでー」

三人「ぽかぽかお日様☆癒し系アイドルユニット『MiSoLa♪』ですっ！」

ﾊｲｶｯﾄｰ

…………

美穂「はあ～、なんとか終わったね、私達の初仕事」

ライラ「お疲れ様でございますです」

そら「みんなぐっじょぶ☆」

美穂「緊張したなあ……二人は堂々としてて頼もしかったよ」

ライラ「いいえ、ライラさんも緊張したのでございます。今でも震えが止まりませんねー」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

美穂「本当だ。表情に出ないからわからなかったよ」

そら「ライラちん顔面そーほわいと！」

美穂「え、わかるの！？　あ、そうだ。あったかいお茶を飲んだら落ち着くかもっ」

ライラ「ライラさんはアイスを食べたいですねー」

美穂「もっと震えちゃうよ！？」

そら「ぴたっとふりーずするかも！」

美穂「心臓が！？」

ライラ「ライラさんは動きが硬いと言われたので、ソラさんがうらやましいのです」

そら「監督さんにもっとくーるだうんしてって言われちゃった！」

美穂「でもそらちゃんのおかげで、現場の雰囲気がすごく明るくてよかったよ」

ライラ「まさに太陽でございましたですねー」

そら「てれる！」

美穂「太陽だけに！？」

ライラ「？」

そら「？」

美穂「ごめんね」

…………

旦~ 旦~ 旦~

美穂「今回は関係者向けのPR映像だったけど、二人は今後、どんなお仕事したい？」

ライラ「ライラさんはアイスクリームのコマーシャルをしたいですねー」

そら「せーるすあっぷ間違いなし！」

美穂「うんうん」

そら「そらちんは英会話すくーるのいめーじがーる！」

ライラ「学力アップ間違いなしですねー」

美穂「うーん？」

ライラ「ミホさんはー」

美穂「そうだね……あ、街を散歩して、ひなたぼっこスポットを紹介する、とか」

ライラ「そこにはきっと行列ができますねー」

美穂「寝にくいよっ」

そら「最後尾はうぇいと☆えいとあわーず！」

美穂「暮れちゃうよっ」

…………

美穂「でも、アイドルの仕事はやっぱり、お客さんの前でパフォーマンス、だよね。ううっ、考えただけで緊張するなあ」

ライラ「ライラさん、知ってますですよー。そういう時は、人を三人飲むのです」

そら「れありー！？」

美穂「のっとれありー！」

ライラ「踊り食いというのでございます」

そら「そっちの方がどきどきしそう！」

ライラ「そうですねー。ライラさんだったら、アイスにしないと食べられないと思うのです」

そら「ライラちん、あいすにしたら踊らなくなるよ！」

ライラ「あー、うっかりですねー」

美穂「もう全部違うよ！」

ライラ「違うのでございますか？」

美穂「あのね……」

ライラ「……人を飲むのではなく、人という字を飲むのでございましたか」

そら「ずっとうっかりしてたね☆」

ライラ「日本語はまだまだ勉強中でございますです」

美穂「でも十分話せてるよ」

そら「そらちんより？」

美穂「……な、仲間内で比較はやめようよ、ね？」

そら「いちばん上手いのは美穂ちん！」

ライラ「なるほどですねー」

美穂（あれ、私もてあそばれてる？）

ライラ「人という字を飲むのなら、ライラさんはやっぱりアイスに書いて食べたいですねー」

美穂「本番前に？　お腹冷えちゃうよ！」

ライラ「あー」

そら「ライラちんはあいすきゃら猛ぷっしゅなう？」

ライラ「アイスはもともと大好きなのですが、プロデューサー殿が親しみやすい個性を推していけとアドバイスしてくれたのでございますですよー」

美穂「うんうん、すごくキャラ立ってるよ！」

そら「そらちんより？」

美穂「その返しはもうダメっ」

ライラ「ソラさんは何に書いて食べるのですか？」

美穂（食べる前提なんだね）

そら「えっとね、えっとねそらちんはね、あ、おむらいす！　けちゃっぷで書くの！」

美穂「本番前に？　お腹出ちゃうよ！」

ライラ「味が足りないのではございませんか？」

美穂（そこが大事なんだね）

そら「３つ書くからのーぷろぶれむ☆」

美穂（そこは大事だもんね）

ライラ「ミホさんはー」

そら「どのでぃっしゅに人って書くの？」

美穂「……手皿？」

…………

美穂「あ、プロデューサーさんからメールだ」

そら「ほわっと？」

美穂「晩ご飯食べに行くから、帰り支度ができたらエントランスに集合、だって」

そら「らじゃー☆」

ライラ「お腹ぺこぺこでございますですよー」

美穂「ふふっ、あんな話してたら、そうだよね」

ｸﾞｰｰｰ

美穂「あっ……」

そら「みんな一緒に鳴っちゃった！」

美穂「す、すごい音しちゃったね。プロデューサーさんに聞かれなくてよかったあ」

ライラ「味のある和音でございましたです」

そら「とらいはんぐり！」

美穂「演奏者が可哀想な楽器だね」

ライラ「いいえ、ライラさんは幸せでございますですよ」

そら「あいむはっぴーとぅー☆」

美穂「もうプロ意識が」

ライラ「そういえばライラさん、これも知ってるのでございますですよ」

そら「なになに？」

ライラ「お腹を鳴らすものの正体です。たしか、腹のー」

美穂「うん」

ライラ「虫のー」

美穂「の？」

ライラ「息」

美穂「餓死寸前なのかな！？」

そら「ライラちん、だうんしそうなう？　よーし、そらちんがきゃりーゆー☆」ﾋｮｲ

ライラ「おー、お姫様だっこでございますか。嬉し恥ずかしですねー」

美穂「すごい、そらちゃん力持ちだね！」

そら「のんのん、ライラちんべりーらいと！　まるで綿菓子みたい☆」

ライラ「あー、ライラさん綿菓子寸前でございましたかー」

美穂「あははっ。あ、二人のかばんは私が持つね。さあ、行こう！」

二人「「おー！」」

ｶﾞﾁｬ……ﾊﾞﾀﾝ


おしまい