【ガルパン】みほ「直下さん」 エミ「小島だよ!!」 (83)


みほ「はぁ……」

みほ「早退しちゃった……」

みほ「みんなの目が怖い……」

みほ「仕方ないよね……」

みほ「私のせいで、10連覇を逃しちゃったんだもん……」

みほ「……すごく……期待されてたもんね……」

みほ「家に帰る車の中で、お母さん、ため息69回もしてたし……」

みほ「途中から数えたから本当はもっと多かったのかもしれないけど……」

みほ「……お家帰ったら連覇祝勝会の準備を大慌てでみんなが片付けてる最中で、地獄だったな……」

みほ「天井から折り紙で作った輪っかの装飾ぶら下がってたし……」

みほ「おめでとうV10達成の垂れ幕とか片付けきれてなかったもんね……」

みほ「それ見て意地になってるのか、そのままでいいですとかお母さん言っちゃうし……」

みほ「ケーキとか、いろんな所に連覇って言葉入ってたなぁ……」

みほ「あの浮かれポンチディナー、黙々と真顔で食べるはめになったの、辛かったな……」

みほ「……でも、それだけ、期待されてたし、当然できると思われてたんだよね……」

みほ「…………」

コンコン

みほ「ひゃいっ!」 ビックゥ

みほ「ど、どうぞっ」

みほ(わわ、思わずどうぞって言っちゃった……)

みほ(お母さんだったらどうしよう……)

みほ(昨日のお夕飯のことを怒りにきたのかなあ……)

みほ(気まずい空気に門下生みんな祝勝会から逃げ出したし、私もすぐ部屋に戻っちゃったし……)

みほ(あれ、お母さん一人で食べたのかな……)

みほ(真顔で三角のパーティー帽子被ってただけでも怖かったのに、想像したくない絵面だな……)

ガチャ

エミ「あ、えと……こんばんは」

みほ「あ……確か……」

みほ「直下さん」

エミ「小島だよ!!」

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みほ「ご、ごめんなさい……」

みほ「まだ全員は覚えられてなくて……」

エミ「あー、まあそうだよね」

エミ「先輩覚える方が優先度高いだろうし」

エミ「……副隊長さっさとレギュラー入りしてたもんね」

エミ「私みたいなレギュラー落ちは覚えてないかあ~」

みほ「あ、ええと、あうう……」

エミ「あはは……冗談冗談」

エミ「まーでも、将来は隊長になるんだし、みんなの名前とかは真っ先に覚えるといいかも」

エミ「やっぱ覚えてもらってると嬉しいものだし」

みほ「……うん。ありがとう」

みほ「来年には……実践できるようにしたいな」

エミ「応援するよ」

みほ「……」

エミ「……」

エミ(うおおおおおおおおお気まずーーーーーーい!!)

エミ(分かっちゃいたけどあんまり喋るタイプじゃないよね副隊長ッッ)

エミ(どうしようどうしよう、やっぱり荷が重いですって隊長~~~~~~!!)


☆  ★  ☆  ★  ☆

【回想】

エミ(うわーーーーーー)

エミ(最悪だあ、私何かした?)

エミ(隊長に部屋に呼び出されることなんてある???)

エミ(基本的にいい人ではあるんだけど、怖いんだよなあ……)

エミ(あの人口下手だもんなー……)

エミ(オブラートに包んで優しくとかやれない人だけに呼び出しが怖い……)

エミ(まあ副隊長や一年まとめ上げてる逸見さんも大概だけど)

エミ(ええい! まもなく呼び出された時間!!)

エミ(遅れる方がやばい!)

エミ(行くぞ!!)

コンコン

エミ「っつれいしまーーーーーーす!!」 ガチャッ

まほ「」 ビックゥ

エミ「一年小島エミです!!!」 ガバッ

まほ「あ、ああ……そのなんだ、軍隊でも体育会系でもないんだ」

まほ「もう少し楽にしていい」

エミ「っりがとうございます!」

エミ(いや無理だって、声荒げてないのに全面から威圧感漂ってますやん!!)

エミ(一手対応ミスるだけで事故にみせかけてヤークトの履帯を頭上に落とされそう……!) ビクビク

まほ「それで、ええと、子鹿さんだったかな」

エミ「小島だよ!!」

まほ「ん?」

エミ「あ、いや……その……」 ビクビク

エミ「何でもないです……隊長様の仰る通り私は愚かなバンビでございます殺さないで」 ドゲザー

まほ(どうしようエリカとは違う意味で扱いにくい……) オロオロ


まほ(やはりエリカを間に挟まないと後輩と上手くコミュニケーションが……)

まほ(いや、そんなことを言っている場合ではないな……)

まほ(……大事な妹のことなんだ……)

まほ「すまないが……早速本題に入らせてもらいたい」

エミ「は、はい」

まほ「……みほの――――妹のことだ」

エミ「副隊長の……?」

まほ「……まあ、そうとも言えるし、そうとも言えない」

エミ「?」

まほ「……みほは……先日のV逸以来、元気がない」

まほ「黒森峰女学園の副隊長としては、当時の行動も今の状態も失格だ」

まほ「……だが……」

まほ「姉として、非常に心配をしている」

まほ「……とても大きな、そして何より初めての挫折だ」

まほ「直接の原因となったこともあり、きっとかなり気に病んでいると思う」

まほ「……私も、黒森峰女学園隊長として失格だが、妹のことが気になってしまって、な」

エミ「そ、そんなことありません!」

エミ「妹さんや、後輩のことを気にかけてくれる隊長はとても素晴らしい人です!」

まほ「……・そうだろうか」

エミ「それに、お一人で二十四時間年中無休で完璧な黒森峰隊長をしなくてもいいと思います!」

エミ「エリカさんもよく言ってますよ、隊長の力になりたいって!」

まほ「そうか……」

エミ「私だって同じ気持ちです!」

エミ「私にできることがあれば何だって言ってください!」

まほ「そうか!」

エミ「はい!」

まほ「では今夜みほの様子を見てきてほしい」

エミ「はい!」

エミ「…………」

エミ「はい?」


エミ「いやいやいや、え、なんで私が……」

まほ「嫌なのか?」

エミ「嫌っていうか……」

エミ「私、正直副隊長とはまともに会話したことが……」

まほ「……だからいいんだ」

エミ「え?」

まほ「みほは優しい子だ」

まほ「仲のいい友人が話しを聞こうとしても、気を使うだろう」

まほ「親しい者であればあるほど、打ち明けられない子なんだ、みほは」

まほ「以前も家族の目を盗んでは毎日ノートに何かを書いていたことがあってな」

まほ「深夜に人目を盗むようにしてやっていたから、一度狸寝入りをして声をかけたんだ」

まほ「何を書いているのか……何か困っているのか……とな」

まほ「だが、『なんでもない!なんでもないから!』と誤魔化されてしまったよ」

まほ「どう見ても何でもなさそうな表情だったし、後日ノートを燃やしていたくらいなのにな……」

まほ「結局あれから何事もないように暮らしてはいるが、あの時何に悩み深夜に人目を盗んでいたのか、真相は闇の中だ」

エミ(本命ポエム対抗愚痴ノート大穴自作の官能小説……)


まほ「とにかく、だ」

まほ「みほの様子を見てきて、どんな感じか報告してほしい」

まほ「……色々と言う者もいるだろうが、みほは必要な人材だ」

まほ「身内の贔屓目抜きに、来年勝利を奪還するには不可欠な存在だと思っている」

まほ「どうか、力を貸してほしい」 フカブカー

エミ「ちょ、頭を上げてください!」

エミ「きょ、協力はいいですし、理由もわかりましたけど……」

エミ「でも正直、自信はないですよ」

エミ「もっと喋りが上手い人とかいるでしょうし……」

まほ「……いや……君じゃないと駄目なんだ」

まほ「さっきも言ったとおり、みほは気を使うからな」

まほ「あまり近い者もだが、上級生も難しい」

まほ「そしてみほと繋がりが薄い者の中で――」

まほ「君が頭抜けてケータイ中毒だと聞いた」

エミ「ふえ!?」

エミ「だ、誰から……」

まほ「エリカだ」

まほ「彼女もネットサーフィンをよく隙間時間にやっているらしいが……」

まほ「君はメールをよくしていると聞く」

エミ「まあ、はい……」

まほ「どうやら、画面を見ずともメールを打てる猛者だと聞くが」

エミ「そ、それはー……そのぅ……」

まほ「……授業中は程々にしておく方が良い。いつかバレる」

エミ「はい……」


エミ「……」

エミ「ん?」

エミ「メールを画面見ないで打てることがどう関係……」

まほ「……」

まほ「あの子は、人見知りはするが……本来かなり口が回る」

エミ「え?」

まほ「……よく大人達をいいように操っていたよ」

エミ「想像つきませんね……」

まほ「……昔はかなりやんちゃだったからな」

まほ「よくいたずらの責任をなすりつけられたよ」

エミ「そんな時代もあったんですねぇ」

まほ「お母様の式典用スーツに切れ目を入れて脱げるようにするイタズラの犯人にされかけて本気の喧嘩になったこともあったな」 フフ

エミ「楽しげな思い出風に笑ってますけどそれ着る前に気づかれたんですよね?イタズラ成功して地獄絵図がどこかで展開されてないですよね?」


まほ「まあとにかく……」

まほ「みほは口が上手いし、愛されやすい存在みたいなところがあるからな……」

エミ(姉馬鹿……)

まほ「気を悪くしたらすまないが、様子を見に行ってみほの虜になる可能性も否定しきれない」

まほ「大きな感情は時に目を曇らせる」

エミ「でしょうね……」

まほ「後から話を聞くと、主観でねじ曲がっている恐れもあるだろう」

まほ「だから――」

まほ「実況のような形で、逐一どういう状況下を報告してほしい」

エミ「……やっぱそういう話ですよねー」

まほ「通話だと聞き取れないとかもあるだろうからな」

まほ「こまめにメールでブラインドタッチしながら報告してほしい」

エミ「んー……」

エミ(どうしよう、断りたいけど……)

まほ「君にしか頼めないんだ」

エミ(そう言われると弱いんだよなあ……)

エミ「わかりましたよ……」

エミ「でもあんまり期待しないでくださいね?」


エミ「とりあえず、最新受信メールを押して返信ポチっとして……」

エミ「本文書いてここで送信っ」

まほ「上手いな……」

エミ「誤変換とかは画面見る暇ないでしょうから勘弁いただければ……」

まほ「ああ」

まほ「会話しながらポケットで打ってもらうんだ、そのくらい文句は言わない」

エミ「それと、多分画面見る余裕ないですし、宛先を選ぶ暇がないので……」

まほ「む、分かった」

まほ「私からメールを送ろう」

エミ「ありがとうございます」

エミ「それと、隊長からの命令が出ているって周囲に伝えていいでしょうか」

エミ「最新メールに返信するって動作になるので、誰かからメールが来ると計画狂っちゃうので」

まほ「……やむをえまい」

エミ「ありがとうございます」

エミ「とりあえず、アドレス交換した全員に隊長命令って添えて、しばらくメールはしないよう伝えておきます」

まほ「ああ、助かる」

エミ「……」

エミ(うーん、安請け合いしちゃったかなあ)

【回想終了】

☆  ★  ☆  ★  ☆

エミ(安請け合いだよ私の馬鹿ッッ) 


エミ「……その、さ……」

みほ「……」

みほ「ごめんなさい」

エミ「え?」

みほ「心配……かけちゃってるかな……って」

みほ「私のせいで……皆も苦しんでるのに……」

エミ「そ、そんなこと……」

みほ「世間の目とか、周囲の反応とか……」

みほ「全部、私のせいだから……」

エミ「……」

エミ(結構本気で苦しんでるっぽい……)

エミ(この話聞きながら送るの、心苦しいなあ……) メルメルメル

エミ(えーっと、『自分をえ』……) メルメルメル

エミ(あっ、この感覚、あ行を連打して送信ボタン押しちゃったっぽ……)

※ガラケーでは「あ行」を押すつもりで発信ボタンを押したり、「さ行」を押すつもりで電源ボタンを押してメール閉じちゃう事故が多発していたのである。

エミ(ええと続き続き……)

エミ(えっと、『延々責めてます』……っと) メルメルメル・・・ソウシンッ


【時間は少々遡る……】

エリカ「……」 ウロウロ

エリカ「……」 ウロウロ

ガチャッ

小梅「わっ!」

小梅「び、びっくりした……」

小梅「どうしたの……私の部屋の前で……」

エリカ「な、何よ……意外と元気そうじゃない」

小梅「!」

小梅「……心配してくれてたんだ……」

エリカ「……フン」

エリカ「1年でレギュラー掴んだ戦力に、一回の挫折程度で辞められたら困るもの」

エリカ「そのくらい当然よ」

小梅「ふふ……」

小梅「……」

小梅「本当は……まだあんまり大丈夫じゃないんだけど……」

小梅「でも、私がずっと塞ぎ込んでたら、みほさんはきっともっと苦しむことになるだろうから……」

小梅「私も、私なりに逃げずにちゃんと前を向かないと」

小梅「それで……みほさんに、ありがとうって言いたいから……」

エリカ「……フン」

エリカ「ありがとうより先に、ごめんなさいを山程言うことになるわよ」

エリカ「あんたらのせいで優勝のがしたのは事実なんだから」

小梅「……うん。分かってるよ」

エリカ「ったく……まあいいわ」

エリカ「アンタは辞めなさそうだし……問題はあの子よね」

小梅「副隊長の椅子が空く、とか言わないんだね」 クス

エリカ「……あの子がいないと張り合いがないもの」


小梅「あ、そういえば、みほさんなら、なんとかなるかも」

エリカ「?」

小梅「なんか、隊長の命令で、エミさんが様子を見に行ってるって」

エリカ「エミ……って、あのパンターの?」

エリカ「なんであの子が……」

小梅「そこまでは……」

エリカ「……まあいいわ」

エリカ「心配なさそうだし、私はさっさと部屋に戻って日課のボクササイズでもするわ」

エリカ「……明日はちゃんと練習来なさいよ」

小梅「……うん。ありがとう」

エリカ「おやすみ」

小梅「おやすみなさい」


エリカ「……」

エリカ「そうは言ったけど……気になるわよねえ……」

エリカ「……」

エリカ「そういえば……」 ポチポチポチ

エリカ「あった。このメールだ」

エリカ「隊長、全員のアドレスを宛先にブチ込んでるから、全部見れるのよね……」

エリカ「えーっと……」

エリカ「これかしら」

エリカ「emi.kojima@softtank.ne.jp……名前をまんま使うなんて……」

エリカ「まあいいわ」

エリカ「……今どんな状況なのか、ちょっとメールしてみましょうか……」


エリカ「えーっと……」

エリカ「『こんばんは』……『逸見です』……と」 メルメルメル

エリカ「……『小耳に挟んだんだけど、副隊長の部屋を訪問してるって本当?』……」 メルメルメル

エリカ「……単刀直入に聞こうかしら」

エリカ「そうね……『今、どんな状況?』……と」 メルメルメル・・・ソウシンッ

エリカ「……」

ヴヴヴヴヴヴヴ(バイブ音)

エリカ「!」

エリカ「返事早いわね……」

エリカ「もう慰め終わったのかしら……」 ポチッ


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 延々責めてます



エリカ「!?!?!?!?!?!?!?!?!」

エリカ「何やってンのあいつ!?!?!?!?」


エリカ「待って待って待って」

エリカ「えっ、マジで何してんのあいつ!?」

ヴヴヴヴヴヴヴ

エリカ「またきた……」


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 泣き出しちゃいました


エリカ「当たり前でしょ!!!」

エリカ「ええ!? なんで!? どうしたらそうなるわけ!?」


エリカ「あの馬鹿何やってるわけ!?」 メルメルメル


to : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : あんた何考えてるの!?


エリカ「あああああ……もうっ!」 ソウシンッ

エリカ「くそっ、意味わかんないわ……」

エリカ「もう直接部屋行った方がいいかしら……」

ヴヴヴヴヴヴヴ


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 全部私のせいだよねって……


エリカ「まったくよ!!」

エリカ「ええ……何これ……コイツどんな感情でコレ送って来てるのよ……」


エミ「……」

みほ「ぐすっ……」

エミ(色々こらえてたのかな……)

エミ(急に堰を切ったように泣き始めて……)

エミ(心配かけないように、とかやってたなら、そりゃ私程度の距離感の人間が選ばれるかあ)

エミ(心配かけないように、隊長にもちゃんと報告しないとなあ……) メルメルメル

エミ(でもちゃんと真面目に抱きしめてもあげたくなるなぁ……)


エリカ「あーもう!」

エリカ「こうなったらあの子の部屋に乗り込んで――」

ヴヴヴヴヴヴヴ

エリカ「今度は何よ!」


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 今、副隊長を優しく抱いてます


エリカ「!?!?!?1?!?!?!?!?」

エリカ「なんて???????????????????????」


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 色々慰めてあげたいなーと


エリカ「何?自分で気付つけてその後持ち上げるの?ヤクザ?」

エリカ「わかんない、何やってんの???」

ヴヴヴヴヴヴヴ


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 大きな声をあげてないてます。服もびしょびしょになってきました。


エリカ「…………」

エリカ「ん?」

エリカ「こいつ、もしかしてナニやって……」

エリカ「……いやいやまさかそんな……」


エリカ「ええい、うだうだするのは性に合わないわっ」

エリカ「聞いてやるッ」

エリカ「えーっと、『アンタまじで何をやってるの』……っと」 メルメルメル・・・ソウシンッ

ヴヴヴヴヴヴヴ

エリカ「っと、早いわね……」


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 色々と溜まってるみたいです!


エミ(あーあー、洋服が涙や鼻水でベタベタ……)

エミ(……冷たい目、いっぱい向けられてたもんねえ)

エミ(それから庇おうとしてくれる周囲にも申し訳無さがあったみたいだし)

エミ(うーん、あれかな、ロバ耳ホール的な存在が必要だったてことかな) メルメルメル

エミ(まあ、泣くことですっきりするならいいことだよね……) ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : 私なんかでいいなら、溜まってるものをスッキリさせてあげたいなって思って、優しく抱きしめながら撫で回してます


エリカ「…………………」

月末が思ったより忙しかったですが、月変わるまで引っ張りたくないのでサクッと投下します


みほ「……」 グスッ

エミ「お、落ち着いた?」

みほ「うん……」

みほ「ごめんね……こんなとこ見せちゃって……」

エミ「ううん、全然」

みほ「その……このこと、みんなには……」

エミ「わかってるって」

エミ(ごめーーーーーーん!! 貴女のお姉さんに実況してる!) メルメルメル・・・ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : 今日のことは、二人だけの秘密ってことになってるので、そのへんよろしく


エミ「じゃあなんで送ってきたのよ! 寝取られビデオレター感覚!?」


みほ「……」 グスッ

エミ「お、落ち着いた?」

みほ「うん……」

みほ「ごめんね……こんなとこ見せちゃって……」

エミ「ううん、全然」

みほ「その……このこと、みんなには……」

エミ「わかってるって」

エミ(ごめーーーーーーん!! 貴女のお姉さんに実況してる!) メルメルメル・・・ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : 今日のことは、二人だけの秘密ってことになってるので、そのへんよろしく


エリカ「じゃあなんで送ってきたのよ! 寝取られビデオレター感覚!?」


エミ「まあ……みんなに心配かけさせられないっていうのはよくわかるし」

みほ「うん……」

みほ「それに……多分私のこと、本当に怒ってると思う人もいるから……」

エミ「それって……」

みほ「うん……」

みほ「逸見さん……」

エミ「あー……」 メルメルメル

エミ「ライバル!って感じでここまできてたもんねぇ」 ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : どうやら逸見さんのことが気になってるみたいです


エリカ「「えっ!?」

エリカ「……」

エリカ「えっ!?!?!?」

エリカ「な、なによ急に……」 ドキドキ


みほ「……それに……」

みほ「逸見さん、誰よりも”西住流”だから……」

みほ「お母さんに忠実だし……」

エミ「あー……」

エミ(確かに、ある程度あのときの行動に批判的だったなあ)

みほ「ずっと支えてくれてたのに、裏切っちゃった形になるから……」

みほ「言わなきゃいけないことは沢山あるのに」

みほ「……結局……何も言えてないや……」

エミ「副隊長……」 メルメルメル・・・ソウシンッ



エミ「まあ……みんなに心配かけさせられないっていうのはよくわかるし」

みほ「うん……」

みほ「それに……多分私のこと、本当に怒ってると思う人もいるから……」

エミ「それって……」

みほ「うん……」

みほ「逸見さん……」

エミ「あー……」 メルメルメル

エミ「ライバル!って感じでここまできてたもんねぇ」 ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : 逸見さんに色々なことを想ってるけど言う勇気がないって感じです


エリカ「「なっ、なによ」

エリカ「あんたらさっきまで寝てたんでしょ!?」

エリカ「そ、そんな思わせぶりなこと、急に言われても……」


みほ「……それに……」

みほ「逸見さん、誰よりも”西住流”だから……」

みほ「お母さんに忠実だし……」

エミ「あー……」

エミ(確かに、ある程度あのときの行動に批判的だったなあ)

みほ「ずっと支えてくれてたのに、裏切っちゃった形になるから……」

みほ「言わなきゃいけないことは沢山あるのに」

みほ「……結局……何も言えてないや……」

エミ「副隊長……」 メルメルメル・・・ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : 逸見さんに色々なことを想ってるけど言う勇気がないって感じです


エリカ「「なっ、なによ」

エリカ「あんたらさっきまで寝てたんでしょ!?」

エリカ「そ、そんな思わせぶりなこと、急に言われても……」

思ったより脳みそダメダメでミス連発してるので申し訳ないですが中止します
月が変わっちゃいますが週末に終わらせますので……


エリカ「……」

エリカ「……」 モヤモヤモヤモヤ

エリカ「……」

エリカ「……」 メルメルメルメルメル

エリカ「……ぐう……」

エリカ「……」

エリカ「……」 ソウシンッ


to : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 何よソレ、どんなことを想っているっていうのよ?
     はっきりと具体的に言ってくれないとわからないんだけど。


エリカ「……」

エリカ(ああ~~~~~! 送っちゃった送っちゃった送っちゃった……!) バタバタバタ


みほ「……友達に……なりたかったのにな……」

みほ「……」

みほ「でも……」

みほ「もう、無理、かなぁって……」 グスッ

エミ「副隊長……」

エミ(こ、これは何を言えば……)

みほ「……あ、ううん、ごめんね、暗い感じにしちゃって」 アワアワ

エミ「あ、ううん、大丈夫」

エミ「……何かあったら言ってね」

みほ「……ありがとう」

みほ「でも、本当に大丈夫」

みほ「……」

みほ「どうしても考えすぎちゃうし……」

みほ「ごめんね、できればその、逸見さんの話はもう……」

エミ「うん……そういうことなら……」 

エミ(逸見さんのこと、これ以上はもう話したくないって感じかな……) メルメルメルメルメル・・・ソウシンッ


to : its_me_sensyado@bocomo.ne.jp
本文 : 逸見さんのこと、もう離したくないみたいです!!


エリカ「!?!?!?!?!?!?


まほ「……遅いな……」

まほ「さすがに遅すぎる」

まほ「催促のようで悪いが……」 メルメルメルメルメル・・・ソウシンッ


to : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 今どうなっている?


エミ「そういえば、隊長とは……」

みほ「……お姉ちゃんやお母さんとも、正直、少し気まずくて……」

エミ「……ほんと、大変だね……」

みほ「うん……」

みほ「それでも、私は――――」


みほ「……それでね……」

エミ(なんだかんだで家族に対し、すごい愛情はあるんだなあ)

エミ(ちょっと考え方が違ってて苦しんでるみたいだけど……)

エミ(ちゃんと家族としての愛は持ってるんだ……)

エミ(戦車道への姿勢の違いとか、重圧とかで、素直になれないんだろうなあ……) メルメルメルメルメル

エミ(……あっ) ゴソウシンッ

エミ(わー、また「あ」行の連打ミスって送っちゃった……)


to : nishizumi_style@panzergmail,com
本文 :家族についても色々喋ってくれてます。
    やっぱり思うところもあるみたいで、複雑な気持ちが強いみたいです
    だけど、それでも副隊長は、ご家族みんなのことを


エミ(えーっと、続き打たなきゃ……)


エリカ「離したくはない……」

エリカ「つ、つまり、そういうことよね……?」

エリカ「いや、でもまさか……」

エリカ「からかってるだけでしょ……」

エリカ「…………」

エリカ「ええいっ、諦めるよりも信じることに賭けてみるッ」 メルメルメルメルメル・・・ソウシンッ


to : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 私のことを恋愛対象に見てるってこと?


エリカ「……」

エリカ「いやまあ、別に私はにソッチの気はないのだけど」

ヴヴヴヴヴヴヴ

エリカ「来た!」


to : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 愛しているって言ってます


エリカ「~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!」

寝落ち申し訳ない……投下します


エミ(…………)

エミ(ヒビの入ったダムみたいに色々漏らし始めてるけど……)

エミ(重い、重いよぉ……) メルメルメルメルメル

エミ(罪悪感もあるし、そろそろ逃げてもいいですか隊長~~~~!) ソウシンッ


to : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : そろそろ限界っぽいです


エリカ「げ、限界って何が……」

エリカ「あっ、また来た」


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 私じゃもう相手できそうにないんで、代わってもらっていいですか?


エリカ「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

エリカ「……」

エリカ「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?」


エリカ「か、変わる……!?」

エリカ「えっ、な……どういう……」

エリカ「……!」 ハッ

エリカ「まさか寂しさや悲しさを埋めるためにあいつに抱かれてたけど……」

エリカ「私への想いがあふれて抑えきれなくなったみたいな……?」

エリカ「いや、でも、そんな……」


from : emi.kojima@softtank.ne.jp
本文 : 多分、今は優しく抱きしめてあげるのがいいと思います。
     つらそうだし、多分それを一番本人も望んでいるかと。


エリカ「……!」

エリカ「くっ、そ、そこまで言われたら、私は――――ッ!」 ダッ



エミ「それじゃあ……」

みほ「うん……ありがとう」

エミ「う、ううん、いいの」

エミ(こ、心いったーーーーーーーーい)

エミ「じゃあまたあしたね」

バタン

エミ「……はぁ~~~~」

エミ「隊長、ちゃんと副隊長のこと優しく抱きしめてくれるかなあ」

エミ「やっぱり家族の愛って大事だもんねぇ



エミ「とりあえず背後から見られてもまずいし、部屋に戻って隊長からの返信を……」

ドンッ

エミ「あたっ」

エリカ「悪いわね、急いでたから――」

エリカ「って、小島!」

エミ「小島だよ!!」

エリカ「ん?」

エミ「ん?」

エミ「あ、ごめ、ちょっと色々あったせいでテンパってて……」


エリカ「色々って……」

エリカ「あ、そうだ、丁度いいわ」

エリカ「あんたに聞きたいことがあるのよ」

エリカ(悪質な冗談の可能性だってあるし、念には念を……)

エリカ「さっきさ、副隊長の部屋に居たのってホント?」

エミ「!」

エミ(もう話が伝わって……?)

エミ(あっ、隊長の腹心みたいになってるし、それでかな)

エミ「うん、本当だけど……」

エミ(……あっ)

エミ(ひょっとして、隊長はすぐには来れないから、逸見さんに頼んだのかなあ)

エミ「……行くの? 副隊長の部屋」

エミ(まあ、逸見さんの話もしてたし、メールでも伝えてあるし、ありではある……のかなあ)


エリカ「そ、そんなわけ……」

エミ「……」

エリカ「……ッ」

エリカ(この顔……本気のヤツじゃないの……)

エリカ(これでも戦車道に憧れて、ずっと戦車に乗ってきた……)

エリカ(誰より真剣に、常にガチでやってきたからこそ、私には分かる……)

エリカ(本気なのか、そうじゃないのか……)

エリカ(この目は、間違いなく本気のソレッ)

エリカ「…………」

エリカ「さっき聞いた話が本当なら……」

エリカ「正直、まあ……」

エリカ「……行ってもいいかな、って思ってるわ」

エミ「!!」

エミ(ああ! ああ! とうとう二人が歴史的な和解を!?)

エミ(やだ、普通に同級生として嬉しいかも!)


エリカ「……冗談じゃ、ないのよね?」

エミ「あ、当たり前じゃん!」

エミ「私だって、やっていい冗談と駄目な冗談くらいわかってるつもりだよ!」

エミ「ましてやさっき連絡してたヤツとか、他人の人生を左右するような大事なやつなんだよ!?」

エリカ「う、そ、そうよね、悪かったわよ……」

エリカ(やっぱり……本気の目だわ……)

エリカ(ってことは……みほは私のことを……)

エリカ(……)

エリカ(正直本命は隊長だったけど、でも隊長はアイドルのような高嶺の花……)

エリカ(本当は……隣に並び立つあの娘のことが好きだったような気がしてきたわね……)

エミ(逸見さんの中で、私は隊長に冗談の報告するようなヤツなのかなあ……) ショボン


エミ「……一応確認だけど……」

エミ「逸見さんも、その、冗談とかじゃないよね?」

エリカ「ハァ!?」

エリカ「こんなこと冗談で言うわけないじゃない」

エリカ「ちょっと考えたら分かるでしょ」

エミ(今しがた同じようなこと言われたんだけど。怖いから言わないけどさァ……)

エミ「まあ、それならいいんだけど……」

エミ「あっ、このことは他の皆には内緒だよ?」

エリカ「わかってるわよ」

エリカ「っていうか広められたら私も困るし、あんたも忘れなさい」

エリカ「何なら今すぐメールボックス全部消しなさい、どうせ消えたら困るものなんてないでしょ」

エミ「え、ええ~……」


エリカ「……まあいいわ」

エリカ「あんまり待たせてもまずいだろうし、私は行くわよ」

エミ「うん、それがいいと思う」

エミ「……色々限界で溢れ出してたし、ベッドとか湿りまくってるだろうしね……」

エリカ「……」 ムラッ

エリカ「じゃ、じゃあ、いくわ」 タッタッタッタッ

エミ「うん、副隊長のこと、よろしくねー!」

エミ「まだちょっと怯えてるし、優しくしてあげるんだよー!」

エリカ「……ふん。絶対に優しくシてやるとは言えないけど、努力くらいはしてあげるわ」

連日眠気から逃げ切れず申し訳ない
投下します


みほ「……ふぅ」

みほ(ちょっと、取り乱しちゃったな……)

みほ(ああやって吐き出せること、なかったし……)

みほ「……」

みほ(友達って、いいなぁ……)

みほ(小島さんとも、もっと早くに仲良くなれていたらよかったのかな……)

みほ「……」

みほ「名前とか、覚えているといい、かぁ……」

みほ「そうだよね……名前とか、あと祝われたら嬉しいお誕生日とか……」

みほ「血液型とか、色々、知っていかなくちゃ」

コンコン

みほ「はっ、はひゃいっ」

みほ(ひゃう、変な声出た……)

エリカ「……入るわよ」 ドキドキドキ

みほ「逸見さん……」

みほ(ど、どうしよう……今一番気まずくて今一番愛たくない人なのに……)

エリカ「あー……その、何……」

エリカ「小島から聞いてさ」

みほ「!」

みほ「そ、そうなんだ……」

みほ(全部話されちゃったんだ……)

みほ(でも……)

みほ「でも、丁度いいかも」

エリカ「え?」

みほ(ずっと逃げるわけにはいかなかったし……よかったのかも……)

みほ(どうも苦手だったけど、仲良くなって、その苦手意識をすてなくちゃ……!)

みほ「私も丁度――逸見さんとお話がしたかったし」

エリカ「!!」

エリカ「そ、それってどういう……」

みほ(そう、仲良くなるために、まずは――)

みほ「逸見さんのこと、イロイロと、知りたいなって」

エリカ「~~~~~~~~~///!!」


エリカ「し、仕方ないわね」

エリカ「そこまで言うなら、めくるめく世界を教えてあげるわっ」

みほ「本当?」 パァァァァ

みほ「嬉しいなあ……」

エリカ(この笑顔も本物としか思えない……)

エリカ(つまり、本当に私のことを……)

エリカ「……ふっ」

エリカ「たっぷりと新世界を教えてあげるわ」

エリカ「まあ、私も知らない世界だけど」 ヌギヌギ

みほ「えっ、なんで脱――」

みほ「ま、待って! 目がこわ――」

みほ「らめえええええええええええええええええええええええええええええ」

今夜終わらせようかとおおったんですが、眠気がピークでまた寝落ちしそうなので、
今日は一旦中断して、その代わり明日きっちりやりますので許してください……

投下します


しほ「ふぅ……」

しほ「疲れたわね……」

しほ「まさかこれほどまでに苦情の電話が来るなんて……」

しほ「スポンサーのお偉方は暇なのかしら」

しほ「特に西住流の老婆連中……」

しほ「音の反響で頭下げてるか分かるなんてバケモノね……」

しほ「おかげでペコペコ頭下げながら自然に中指が立つ身体になっちゃったわ……」

しほ「……」

しほ「胃が痛い……」

しほ「十連覇記念パーティーを連日する予定だったから大量に用意した食料を一人で食べているのもあるけど……」

しほ「……はあーーーーーーー……」

しほ「陸に戻りたいわ……」

しほ「あの人に会いたい……はー……」

しほ「……」

しほ「まったく、こんな姿、人には見せられないわね」

しほ「学園艦にも自分用の家を購入しておいてよかったわ」

しほ「部外者に見せられない資料とかもあるからだったけど……」

しほ「こうして緩みきれる場所は貴重ね……」

しほ「まあ、あの人がいないのは寂しいけど」

しほ「あの子達は寮住まいだし、急に帰ってでもこない限り、だらけててもいいのが――」

ガラガラ

しほ「!?!?!?」

しほ(だ、誰か来た!? ま、まずいわ、ちゃんと服を着てそれから……) アワワ

しほ(いや、それよりも、娘以外が押しかけてきてる最悪のパターンもあるし、まずは誰が帰ってきたのか確認を――)


みほ「……」

しほ「み、ほ……?」

しほ(えっ、どうしたの……)

しほ(そんな生気のない目……)

しほ(最近元気はなかったけど、あの目は、そう)

しほ(まるで常夫さんのpixiv検索履歴にあった『レイプ目』そのもの……)

しほ(洋服も乱れているし、まるで何かから逃げてきたかのような――)

みほ「……」 プイッ

しほ「あっ……」

しほ(し、しかも、一声もかけずに、部屋へ……)

しほ(休日は帰ってきていいように部屋は用意してあるけど、実家や寮ほど物もない……)

しほ(よほどのことがないと、ここにわざわざアポ無しでなんてこないはず……)

しほ「……」

しほ(でも直接聞くのは躊躇われる……ここは……) ピッポッパッ

しほ(まほに電話して、学校で何かあったのか聞いてみましょう) トォルルルルルルン


まほ「……」

まほ「遅い……」

まほ「メールも中途半端なやつしかこないし、何かあったのか……?」

ヴヴヴヴヴヴヴ

まほ「ん?」

まほ「この番号……」

まほ「ま、まさか!」

まほ「……」 ヴヴヴヴヴ

まほ「……」 ヴヴヴヴヴ

まほ「……」 ヴヴヴヴヴ

まほ「……はぁ」 ピッ

まほ「はいもしもし」 キリッ

しほ『間がありましたね、まさか出ないでフェードアウトしようという腹では』

まほ「気のせいです」

まほ(西住流の中年以上は全員エスパーか・・・?)


しほ『それよりも、みほのことです』

まほ「!!!」

まほ(まずい、今の状況を素直に言えば、みほを苦しめるようなことを言い出しかねないっ)

まほ「みほ、は……意外と元気にやってますよ……」

しほ『嘘をおっしゃい』

まほ「嘘というわけでは……」

しほ『母の目は誤魔化されませんよ』

しほ『私はこの目でみほを見たのですから』

まほ「!!!!!!」

まほ(馬鹿な……そ、それは一体――)

まほ(そ、そうか!)

まほ(学園の様子を、ひいてはみほの様子を見に来ていたのか!)

まほ(謝罪電話ばかりで飽きたとか、現状説明のため色々確認にきたとか、理由には困らない)

まほ(みほの様子の報告連絡が途絶えたのも、それなら説明がつく……)

まほ(V逸直後のお母様の前でこっそり携帯をいじれる者など、この世のどこにも居ないだろうからな……)


しほ(……あの子に何かが起きているなら、言葉のチョイスは配慮すべきかもしれない)

しほ(でも、今はそれも分からない……)

しほ(ならば単刀直入に、何かあったのか聞くのが一番)

しほ『……みほ、どうかしたの?』

まほ「!!!!」

まほ(みほの頭がどうかしたのか聞いてくるなんて……)

まほ(こんなことは初めてだ……)

まほ(皮肉にしろ本気にしろ、下手な対応はまずい……)

まほ(V逸の反動で暗黒期突入など、あってはならない……)

まほ(ここは慎重に……)

まほ「どうもはしてないです」

まほ「少なくとも心配するほどでは」

しほ『あれで????』

こたつで寝落ちするから疲れが取れずに翌日も寝落ちするのでは、と気付いたものの、
普通に明日からしばらく投下できないので、いけるとこまでいきます


しほ『まほ、貴女本気で言っているの?』

しほ『どう見てもどうかしちゃってたわよ』

まほ「そ、そんなことは……」

しほ『早急に対処する必要があります』

まほ(この口ぶり、やはりお母様は『母』ではなく『黒森峰を率いるもの』としてみほに鉄槌を下そうと……)

まほ「待ってください」

まほ「何もしないわけにはいかない、というのはわかります」

まほ「ですが、みほは正気です」

まほ「あの子は強い子です」

まほ「我々が何かをしなくても……」

しほ『……』

しほ(そんな強い子があんな感じになっていたのに……)

しほ(まほは気付いていないのかしら……)

まほ「……」

まほ(少し大げさに言ってでも、まずはお母様の厳罰からみほを守る)

まほ(あの子を守るためならば、私はなんだって出来る)

まほ「みほなら本当に大丈夫です」

まほ「さっきも笑顔で楽しそうに乗ってましたよ」

しほ(……あの子の状態を見るに、直接的な原因はおそらく戦車ではない……)

しほ(まほが見た後で、誰かに襲われた……?)

まほ「あの子は戦車を愛してますし、見守るのも愛です」

しほ(……っと、考え事に集中して、まほの話がおろそかになっていたわね)

まほ「好きじゃなきゃ、あんなに色々行かないですよ」

まほ(具体的にどこに行ってるかの明言は、矛盾を避けるために控える)

まほ(これならばいくらでも言い訳がきく)

しほ『色々イく……?』

しほ(……あのみほの状態……)

しほ(そして、みほが『喜んで乗って、色々イっていた』)というまほの情報……)

しほ『まほ……まさか貴女が……!』

まほ「はい?」


しほ『……』

しほ『正直に答えなさい』

まほ「ッ」

まほ(電話越しにも伝わるこの圧……ッ)

まほ(まさか、嘘が見抜かれ――!?)

しほ『貴女が……みほに、その、それをおこなったの?』

まほ「……」

まほ(駄目だ……これ以上の下手な嘘は、みほにも迷惑をかける……)

まほ(素直に謝ろう……罰があっても、受け入れるしかあるまい……)

まほ「……すみません……」

しほ『…………』

しほ『そう……』

しほ『…………』

しほ(ど、どうしよう……愛娘二人が揃って黄金期になるはずが、どうしてこんなことに……)


まほ「ところで……」

まほ「黒森峰敗退の原因となったみほの処遇についてですが……」

しほ『……聞くだけ聞くわ』

まほ(もはや私もみほもお咎めなしとはいかないだろう……)

まほ(元々処罰を待つのみだったが……)

まほ(しかし、もしお母様が言うくらい、みほが大会を引きずり落ち込んでいるのだとしたら……)

まほ(厳格なお母様の処罰に、みほの繊細な心は耐えられないかもしれない)

まほ(こうなれば……)

まほ(先にこちらから処罰の内容を提言する)

まほ(甘くなさすぎる処罰で、体裁が保てる)

まほ(それでいて、みほが追い込まれすぎないような罰則)

まほ(即ち――)

まほ「罰として、謹慎させるというのはどうでしょう」

しほ『近親!?!?!?!?!?!』


まほ「そんなに驚かずとも……」

しほ『驚くに決まっているでしょう』

まほ「はあ……」

まほ「私は身内であっても他と変わりなく接していたつもりでしたが……」

まほ「そこまで妹には甘く見えてたのでしょうか……」

しほ『正直、妹に大分甘いとは思っていました』

しほ『でも、でもまさかこんな……』

まほ(謹慎処分を提案しただけでそこまで驚かれるとは……)

しほ(近親相姦だけでもアレなのに、よもや罰則としてソレを提案してくるなんて……)


しほ『…………』

しほ(私には……西住流を背負う義務がある……)

しほ(まほも、みほも、大切な娘)

しほ(だけど……)

しほ(西住流の未来を想うなら……)

しほ『まほ……』

しほ『例え一度優勝を逃したとしても、貴女は黒森峰に――』

しほ『いえ、西住流に必要不可欠な存在よ』

しほ(……例え、妹に手を出すくらい、人間性に難があったとしても……)

しほ『……そんな貴女とみほを並べておきたかったけれど……』

しほ『常にそうして二人を並べてしまったことが、過ちを呼んだのかもしれないわね……』

まほ「お母様……」

しほ『……』

しほ(こんな形でしか貴女を守れない愚かな母だと笑いなさい……)

しほ『みほは――転校させます』

まほ(転向か……確かにもう車長としてはイップスになってるかもしれないし、砲手あたりに転向するのはありかもな……)


<みほの自室>

みほ「……」

みほ(汚されちゃった……)

みほ(ボコは……ボコボコにされても立ち上がるけど……)

みほ(パコパコはされてないから、立ち上がれるのか分からないや……)

コンコン

みほ(……)

しほ「……ドアを開けたくないというなら、それでも構いません。そのまま聞きなさい」

みほ「……」

しほ「みほ、貴女を破門とし、転校させます」

みほ「……」

しほ「……とはいえ、すぐに転校させては、バッシングも増えるというもの」

しほ「転校自体は切りよく来年からとします」

しほ「……それまで、転校したい学校を決めておきなさい」

しほ「学校には……適当に言っておくから、部屋を出たくないのであれば、ずっとそこにいなさい」

しほ(みほに性的に手を出してる者がいるならとっ捕まえたいけど……できるとは思えない)

しほ(オトナの気配に敏感で、すぐさま行為を中断できるのが高校生というもの……)

しほ(かつて私がそうであったように……)

しほ(しっぽを掴むのが難しいのなら……せめて、辛い思いはしなくていいように……)

みほ「……」

みほ(転校……)

みほ(……)

みほ(どうせなら……もう、戦車道とは離れられたらいいなぁ……)

終わらせれる直前に寝落ちるとは……ちょっと予定があるのでタイムオーバーになるかもしれませんが投下します。終わらせたい。


☆  ★  ☆  ★  ☆

【翌日】

エリカ「えっ、みほ、来てないんですか?」

まほ「ああ……」

まほ「今はお母様の手引で実家に戻っている」

まほ「早い話が謹慎処分だな」

エリカ「そうですか……」

エリカ(昨日は結局最後の最後で突き飛ばされちゃったし、焦りすぎたことを謝りたかったけど……)

エリカ(謹慎が解けたらゆっくりと仲を深めたらいいわよね) フフフ

まほ(今日のエリカはいつにも増して気持ち悪いな……)

エリカ「ところで、謹慎っていつまでなんですか?」

まほ「そういえば聞いていなかったな……」

まほ「まあ、そんなにかからないだろう」

まほ「傷を癒やすいい機会だし、傷が癒えたら戻ってくるさ」

エリカ「はい」

エリカ(もう、折角なんだから、私を頼ってくれてもいいのに……) カノジョヅラ


☆  ★  ☆  ★  ☆

【翌日】

エリカ「何か全ッ然みほ帰ってこないんですけどォ!?」

まほ「いや、それが、長いなと思って私も今日お母様に聞いたんだが……」

まほ「みほは何か転校したと……」

エリカ「!?!?」

エリカ「何ですかソレ!」

エリカ「黒森峰から脱出成功イリュージョンなんて笑えませんよ!」

小梅「落ち着いて逸見さん多分それ天功だよね転校の話だよ何でか会話が成り立ちそうだけど!」

まほ「それが……」

まほ「みほが、黒森峰で戦車道をやれる精神状態じゃないと言ったらしい……」

エリカ「!」

まほ「それで……お母様も、今のみほの精神状態で黒森峰の戦車道に身を置かせることはできない、と……」

エリカ「そんな……」

エリカ(恋人に何の相談もなく、そんな勝手に……)

エリカ(酷い……許せない……!) ギリィッ


みほ「あ~~~~~~~」

みほ「なんだろう、黒森峰を出ただけで、空気が美味しい……」

みほ「何か引くほど元気になってきたな……今なら笑いながらヤスリで乾布摩擦出来そう……」

みほ「あの酷い事件の前から馴染めてなかったし、これでよかったのかも……」

みほ「それにしても、大洗女子かぁ」

みほ「戦車道のない学校がすんなり見つかってよかったな」

みほ「……昔は好きだったけど、もう戦車は見たくないし……」

みほ「早く見つかったから、mixiで結構在校生の情報予習できたし」

みほ「結構皆本名で登録してるんだ……」

みほ「私は絶対やめろってお母さんに口を酸っぱくして言われてたもんね……」

みほ(それで腹を立てて昔作ったお母さんの捏造淫乱エピソードの暴露コミュニティ、まだ動いててちょっと引いたなぁ)

みほ「……それでもネットに個人情報流れてる一部の人しか覚えれてないし、向こうについたら頑張らなきゃ」

みほ「まず最優先はクラスの皆だよね」

みほ「……黒森峰では、友達出来なかったし、あんな酷いこともされちゃったもんね……」

みほ「今度からはちゃんとお友達を作って孤立しないようにしないと、また……」 ブルブル

みほ「……ううん、だめだめ」

みほ「折角黒森峰を出たんだから、今度は前向きに、楽しくいかなきゃ」


みほ「小島さんも言ってたもんね……」

みほ「やっぱり名前くらい覚えてる方が印象いいって……」

みほ「今度は友達たくさんできるように、生年月日や血液型、あらゆる情報を覚えないとなあ……」

みほ「うん、がんばって、戦車道と関係ないお友達を作らなくちゃ……」

みほ「小島さんとは、お友達になれそうだったのに、なれないまま逃げてきちゃったし……」

みほ「次は……繋がりを、大切にしなくっちゃ」

みほ「そして今度は、絶対にもう逸見さんみたいな人とは関わらないようにしなくちゃ!」



~ 小島い ~



エミ「小島の読みは『オシマ』じゃなくて『コジマ』だよ!!!!!」

終わりです。
一発ネタですらこんなにかかるとは思ってませんでした。
お付き合いありがとうございました。

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