伊織「ええ、そうよ」
P「どうして急に…伊織ならそんなことしなくても充分売れているだろう?」
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伊織「…こんな時期だからこそよ、ライブも出来ない、イベントも開けない…家で不安になってるファンの人のためにも何かできることがあるんじゃないかって…」
P「伊織ぃぃぃぃい!?」ダキッ
伊織「ちょっ!?何よ!?抱きつくな!変態!ド変態!変態大人!」
P「伊織…いや、ここはあえていおりんと呼ばせてもらおう…」
伊織「いや、そこはどっちでもいいわよ」
P「ところでデコちゃんは…」
伊織「いおりんじゃないの!?」
P「あぁ…すまない…ところで伊織はどういう路線でいくのかはもう考えているのか?」
伊織「路線?」
P「ターゲットを誰にするのか、どんな企画をするのか決めないといけないことはたくさんあるぞ?自分自身の能力とファン層をしっかり分析する必要がある」
伊織「なるほどね…意外にしっかり考えてくれてるじゃない…」
P「どうだ?他のメンバーのYouTubeチャンネルを見てみるというのは?」
伊織「え?そんなのあるの?」
P「あぁ、流石に全員ではないが希望してきたメンバーには事務所公認の公式チャンネルを作っている」
伊織「そうだったんだ…知らなかった…」
P「例えば亜美真美なんかは律子と一緒にゲーム実況のチャンネルを作っている…これだ…」
亜美『ここはこうしたら…』
律子『こら!もう一時間過ぎたでしょ!今日はおしまい!』
真美『そ、そんな…あとちょっと!セーブするまで!』
律子『このゲームはオートセーブでしょうが!』
伊織「何これ…」
P「一日一時間しかできないという縛りプレイだ」
伊織「縛りプレイってそういうのだっけ!?」
P「別名香川プレイとも言う」
伊織「やめときなさいよ!」
P「けどこの母娘のような掛け合いが好評でな、コメント欄を見てみろ」
『りっちゃんマジお母さん!』
『亜美真美尊い!』
『香川県の条例は、本来ならばこのように家庭内でのしつけによってなされるべき案件であり…』
伊織「だからやめときなさいよ!『アイドルに会社の意見を代弁させるな!』って叩かれるわよ!?」
P「ともかく、亜美真美、そして律子の関係性とファン層ならこのようにゲーム実況は好評になるわけだ」
伊織「それはわかったけど…」
P「他にも以前の番組でやった企画をYouTubeでもう一度やっていることもあるぞ?」
伊織「え?そうなの?」
P「例えばやよいだ…えっと…ほら、これだ」
やよい『高槻やよいの!お料理さしすせそ!』
伊織「本当ね…私と一緒にやってた番組じゃない…」
P「テレビでは改編やスケジュールの都合でできなくなった企画でもYouTubeで個人的になら行いやすいというメリットがある…」
伊織「なるほどね…それにしても、このチャンネルにあげてる動画数は凄いわね…百を超えてるじゃない…」
P「収益化しようとしたらどうしても毎日投稿は義務みたいなもんだ…まあ撮り溜めも可能だが、やよいの場合毎日の夕飯作りを動画にしてるだけだからな…」
やよい『第一回の今日はもやし炒めを…』
やよい『第五回はもやし鍋!まずは…』
やよい『第二十三回!もやしのすき焼きです!』
やよい『記念すべき第百回はもやし祭りで…』
伊織「もやしばっかりじゃないの!?」
P「この後やよいのチャンネルに大量のスパチャ(スーパーチャット、投げ銭のこと)が送られた。その次の放送がこれだ…」
やよい『今日はちょっと贅沢して高級もやしを…』
伊織「…ねえ、スパチャってどうやってやるの?」
P「違う、やよいはもやしが好きなんだ…だから大丈夫だ…」
伊織「やよい…」
P「過去の企画で言うと、響なんかも人気の企画だな」
響『響チャレンジチャンネル!』
伊織「あの計画性皆無の企画をYouTubeでやるの!?」
P「大丈夫だ。このチャンネルではそこまで無茶な企画はしない」
伊織「それならそれで何が売りになるのよ?」
P「まあ、見ていればわかる」
響『さあて、今日のチャレンジは…ジャジャン!「赤坂五丁目ミニマラソンのコースを走ってみよう!」…なるほどな!本番に呼ばれた時の練習にもなるぞ!』
伊織「ほら見なさいよ、パンチに欠けるじゃない」
響『それじゃあ早速…って、え?み、水着で走るのか!?』
伊織「は?」
響『うぅ…こ、こんな際どい水着で…』
伊織「ちょっと待ちなさいよ!何よこれ!?」
P「別に何もおかしなことはしていないただ響に際どい水着を着せて屋外を走らせているだけだ」
伊織「それが大問題だって言ってんのよ!」
P「響は恥ずかしがる姿がたまらん」
伊織「それあんたの性癖じゃないの!?」
P「違う!俺だけじゃない!現に再生回数は二千万回だ!」
伊織「バカじゃないの!?あんたも視聴者も!」
P「逆に再生数が伸び悩んでいるのが…」
真『まっこまっこり~ん♪まこりんチャンネルにようこそ♪』
P「…これだ」
伊織「あぁ…」
真『今日はぁ…まこりんと一緒にぃ…』クネクネ
伊織「くねくねするな!」
P「驚くべきことに1ヶ月前に投稿したこの動画の再生回数は三十二回だ」
伊織「ひっく!?何してんのよコイツは!」
P「このように、需要と供給を見誤るとこんなことになるというわけだ…」
伊織「なるほどね…」
P「逆によくわからないのがこれだ…」
美希『zzz…』
伊織「あら、美希もやってたのね…」
美希『zzz…』
伊織「あいつはどんなことやってるのかしら…」
美希『zzz…』
伊織「…」
美希『zzz…』
伊織「…ねえ、気のせいかしら?さっきからずっと寝てるんだけど…」
P「ああ、その通りだ。美希のチャンネルはただただ寝続けてるだけの映像を流すチャンネルだ」
伊織「はぁぁぁぁあ!?そんなんで再生されるわけないでしょうが!?」
P「そう思ってたんだが、最初の投稿で登録者数が百万人を突破した…」
伊織「本○翼か!?だからあいつが世の中舐め腐るのよ!甘やかすな、世間!」
P「事務所公認のYouTubeチャンネルは以上だ…」
伊織「ん?ちょっと待って、何か関連動画に雪歩のチャンネルが出てるわよ?」
P「何?雪歩のチャンネルなんて聞いてないぞ?」
伊織「ひとまず再生してみましょう」
雪歩『菊地真改造チャンネル~!』
伊織「ちょっと!何か物騒なタイトルで始まったわよ!?」
雪歩『今回真ちゃんに着てもらうブランドは…こちら!「クロムハーツ」ですぅ!』
P「ガチなブランド指定して来やがった!?」
雪歩『それでは…真ちゃん…どうぞ!』
真『僕の行き先かい?あの太陽にでも聞いてくれ…』
雪歩『きゃぁぁぁぁあ!?』
伊織「ヤバいヤバいヤバいヤバい!?」
真『ガイアが僕にもっと輝けと囁いている…』
雪歩『真ちゃん良すぎぃぃぃぃい!?』
P「メンズナックルか!?」
伊織「これあんた知らなかったの!?」
P「あぁ…再生数も十万を超えている…」
伊織「真の公式チャンネルより稼いでるじゃない!?」
P「やっぱりこっち路線の方が…」
伊織「ちょっと待ちなさいよ!こんな風に他のやつにも非公認チャンネルあるんじゃないでしょうね!?」
P「関連動画を探して…あっ…」
伊織「何!?」
P「こ、これって…」
??『いーとたかねの大食い探訪』
P「いや、貴音だろこれ!?」
いーとたかね『今回は、谷やんこと、谷崎鷹人殿とのこらぼで…』
伊織「一丁前にコラボするな!」
P「ん?なんだこれは?」
亜美真美裏ちゃんねる
P「こ、これは…」
伊織「嫌な予感しかしないわね…」
P「サムネだけでも見てみるか…」
『説教されてるのに昼寝するやつ』
『バラエティ番組で無理やり新曲歌うやつ』
『何もないところでコケるやつ』
P「ジャ○ジャルか!?」
伊織「なんでアイドルがコント垂れ流してるのよ!?バッカじゃないの!?そんでこれほとんど実話じゃない!」
P「おい…待て…これは…まさか!?」
??『どーもー、新米YouTuberはるるんです♪』
P「春香…なのか?」
はるるん『最近、765プロの天海春香さん?に似てるってよく言われます♪』
伊織「あんたそれ、リボン外してるだけじゃないの!?」
はるるん『今日は「お風呂場で歌ってみた」です!それでは、さっそく…どうぞ!』
『蒼い~鳥ぃ♪』
P「ちょっと待て!?これ千早だろう!?」
伊織「隠し撮りしてんじゃないわよ!何の誤魔化しなのよそれ!」
P「画面の猫がまた…あざといな…」
伊織「もう無茶苦茶してるやつばっかりじゃないの!」
一週間後
P「結局あれからYouTubeは諦めたのか?」
伊織「ふふふ…バカにしてもらっちゃ困るわよ!これを見なさい!」
『いおあずちゃんねる』
P「いおあずちゃんねる?」
伊織「そうよ!私…伊織とあずさでいおあずちゃんねる…まともなチャンネルを作るためにはそれしかないわ!」
P「なるほどな…それでどんな内容なんだ?」
伊織「単純よ、私とあずさが温泉に入ってリポートするのよ」
P「おいおい、この時期に宿泊施設の利用は避けるべきだろ…」
伊織「…って言われると思ったから全て水瀬グループ系列の店を貸し切ってロケをしたわよ」
P「なるほど…考えたな…今は外出ができない人に擬似的にでも温泉旅館の気分を味わえる上に、やり方が伊織ならでは…更にはあずささんのお色気も…」
伊織「本当にあんたは自らの欲望を隠さないわね…でもまあいいわ、記念すべき一回目の配信よ!」
P「伊織のTwitterについてるこのURLを読み込めばいいのか?」
伊織「ええ、存分に楽しんじゃって!」
P「それじゃあ早速…って、あれ?」
伊織「どうしたの?」
P「いや、それが…YouTubeに繋がらずに…ニコニコ動画に…」
伊織「は?」
P「も、もう一回やってみるぞ!あれ?今度はInstagramに…」
伊織「ちょっとかして!ここをタップしたら…どうして961プロの公式ホームページに繋がるのよ!?」
P「ちくしょう!もう一回…ダメだ…今度はmixiに繋がる…あずささんの迷子能力がこんなところにまで…」
伊織「もうYouTuberはこりごりよ!」
終わり
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