P「ある日突然、俺が美少女になってしまった話」 (163)


このスレで安価をするのは、最初で最後、この1回きりです。どうぞご協力ください。


ー・-・-・-



>>5

・美少女となったPはどうする? あるいは、どうなる?

・なるべく簡潔に一言で、「~する。」「~った。」というふうにお願いします。

・不適切な書き込み(「ksk」など)は安価下とします。



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ピヨに相談


それでは、今後のことも安価で決めてもいいでしょうか?
「スレ内の安価は一度きり」というのは、上の文章で終わったということにして……

安価スレマナーとか暗黙の了解とかに則ってくださると助かります。

安価の内容次第で、続きにするか新しい時間軸にするか、なども決めたいと思います。





>>31

・美少女となったPはどうする? あるいは、どうなる?

・なるべく簡潔に一言で、「~する。」「~った。」というふうにお願いします。

・不適切な書き込み(「ksk」など)は安価下とします。

765プロを裏切った




※前回のPとは別人です。なので性格もキツめです。

※また961プロに行くんじゃ芸がないので、オリキャラ・オリプロをもりもり出します。ご了承ください。




P「こら、亜美、真美!!」

亜美「兄ちゃんが怒ったぞ→!」

真美「逃げろ→!」

P「お前ら、中学生なんだからもっと落ち着きを持て!!」

P(……くそ、あいつら……これ油性じゃないか)ゴシゴシ

律子「事務所で寝る方も悪いと思いますよ」

P「やっと徹夜仕事がひと段落したんだから、少しくらい寝させてくれよ。っていうか、あいつらの面倒みてくれよ」

律子「亜美はともかく、竜宮小町以外の面倒を見るキャパはありませんよ」

P(それを言ったら、俺一人に仕事が集中しすぎだろ!)

P「音無さんも仕事してくださいね」

小鳥「は、はい!? 妄想なんてしてませんよ!?」ビクッ

P(この大人は……)

P「おい美希、もうそろそろレッスンじゃないのか?」

美希「あふぅ。あのダンスもう覚えたからいいの」

P「レッスンしなくていいなんて、そんなわけに行くか。他の子のモチベーションに関わる。おい雪歩、連れてってくれ」

雪歩「はひゃい!? わ、わかりましたぁ……」ビクビク

P「……今はいいが、仕事では男とか犬は我慢してくれよな。死ぬわけじゃないんだからさ」

雪歩「は、はいぃ……」

春香「プロデューサーさん、そうカリカリしないでください。そんなときは、はい! クッキーですよ、クッキー!」

P「ありがとう春香。でもいい加減、職場仲間でも男に愛想を振りまきすぎるのはやめろって言ったろ。それは春香のいいところでもあるが、いつかトラブルも呼びかねない。信用してくれるのは嬉しいが、それでも勘違いさせるようなことは控えてくれ」

春香「うっ……はい」シュン

P「おい、千早もレッスンだろ」

千早「……」シャカシャカ

P「……春香」

春香「千早ちゃん、レッスンだよ!」ポン

千早「……ええ、わかったわ」

春香「えっと、あ、そうだ!、レッスン終わったらみんなでご飯食べに行こ?」

千早「ごめんなさい、今日は早く帰りたいから……」

春香「そ、そっか」

P「千早、ストイックも結構だし、早く帰りたい理由もあるんだろうが、社会じゃ協調性も必要だからな」

千早「……はい」



やよい「っくちゅん!」

P「やよい、風邪か?」

やよい「えへへ、だいじょーぶです!」

P「体調管理も仕事の内だからな。忙しいのはわかるが、しっかり休むんだぞ」

やよい「ごめんなさい……」シュン

P「いや、怒ってるわけじゃないが……」

真「それよりプロデューサー! 次のお仕事はもっとキャピっとしたのがいいって言ったじゃないですか!」

P「もっとお前が普段から女の子らしくしてれば、好きなだけキャピらせてやるんだがな。とりあえず昼飯に松屋の特盛はやめろ。ファンにツイートされてたぞ」

貴音「プロデューサー。お言葉ですが、わたくしも次の仕事には少なからず不服が。わたくしのいめぇじと違うように思うのです」

P「俺なりにいろいろ考えた結果がお前なんだ、貴音。わざわざ説明させないでくれ」

伊織「私は仕事よりも、あのディレクターが嫌よ! あの豚に会うくらいなら、あの仕事はいらないわ!」

P「豚って、お前なぁ……」

響「こればっかりは伊織に賛成だぞ。なんだかあのディレクター、すごく感じ悪いもん」

P「間違ってもそれを態度に出すんじゃないぞ、お前ら。社会ってのはそういうもんなんだ。伊織は歯に布着せて、目上の人間を敬うこと。響はちゃんとした敬語を使うこと。いいな?」

響「うぅ、でもなぁ……」

伊織「ふんっ!」プイッ

P(こいつら……学生気分か!?)

P「あれ、あずささんはどこ行った?」

貴音「さきほど、亜美と真美を連れ戻すと言い残して外へ」

亜美「え? 亜美たち会議室にいるんだけど」ガチャ

真美「あずさお姉ちゃん、遅すぎない? 迷ってるんじゃ……」

P(何度教えれば事務所近辺の地理を把握するんだあの人は!!)


P(もしも俺がアイドルだったら、もっと普段からアイドルとして自覚ある生活をしているぞ……!?)


―――――――――

――――――

―――





チュンチュン…


P「……あふぅ」

P(久しぶりにちゃんとベッドで寝たな。なんだか体がすごく軽い)

P(……小便)テクテク

P(なんだ? ズボンがずり落ちる……ゴムが切れたかな)

P(まあいいや、とりあえずトイレだ)

ガチャ

P(今日も仕事だ。はぁ……なんか最近、仕事が楽しくないなぁ。あいつら、アイドルとしての自覚が足りなすぎるし。意識を変えようにも、俺の話なんて聞いちゃいない。完全にナメられてるんだろうな、これ)

P(……ん?)

チョロ……ビチャビチャ

P「うおおおおおおっ!? くそ、パンツに引っかかってたか!?」グイッ

P「あれ……なんだこれ!? 俺の……俺のが“ない”ぞ!?」

ビチャビチャビチャ……

P(なんの奇病だ!? もげたのか!? 小便も止められない!)

P「あれ? これ……胸……?」ムニュ

P「っていうか、この声……」

P「……」

……ピチョン。

P「…………」

P「うわああああああああッ!? おおお俺、お、女に……!?」





『原因不明の奇病のため、無期限休業させてください。 P』


P「送信、と。……追及が面倒だから、携帯のバッテリーを抜いておこう」

P「……さて、どうするか」

P(隣の住人から壁ドンを食らうまで騒ぎまくって、ようやくパニックが収まった。今は自分でも驚くほど冷静だ)

P(いろいろ試してみたが、とりあえず女になってしまったこと、夢ではないことは……間違いないようだ)

P(意味が分からない現象だが、なってしまったものはしょうがない。いつ元に戻れるかわからんが、とにかく服が必要だ)

P(身長も20センチくらい縮んでしまった。持ってる服は全部サイズが大きすぎるが、そのくせ胸はキツイ。)

?「あの、キミ……!」

P(免許証も保険証も使えない。外見年齢は高校生。味方は皆無で天涯孤独。これでどうやって暮らして行けばいいんだ……)

?「ちょ、あの! 無視しないで! キミだよ、そこのワンピースのキミ!」

P(今頃、事務所はてんやわんやかもな。それとも、口うるさいだけでナメられてる俺なんか、いなくてせいせいするとか思われてたりして)

?「あの!」グイッ

P「うおっ!?」

?「あ、ごめん! 声かけても聞こえてないみたいだったから……」

P(なんだこの若い男、背高いな!? ……あ、俺が縮んでるのか。ワンピースって……このデカイTシャツのことか?)

P「お金は持ってませんよ」

?「え、いやいや! カツアゲじゃないよ! それにナンパでもない。僕はこういう者です」スッ

P「……叡智芸能プロダクション プロデューサー、沖名 源一郎?」

沖名「アイドルたちにはジーさんって呼ばれてるよ。えっと、それで、芸能プロダクション……アイドル事務所として、是非キミをスカウトしたいんだ!」

P「はぁ。まあ確かに経験はありますけど」

沖名「本当かい!?」

P「でもあんまり才能ないと思いますよ。事務所の子たちにナメられまくってますし」

沖名「とんでもない! きっと君には才能が眠っているはずさ! ちょっとだけでいいから、これからウチの事務所に来てくれないか!?」

P(……無期限休業したいとは言ったが、元の姿に戻れる見込みもない。765プロは実質クビになったも同然だよな。……それに一度、他の事務所の様子を見てみたい)

P「ええ、まあ(見るだけなら)いいですよ」

沖名「本当かい!? やったぁ! 初めてアイドルのスカウトに成功したぞ!!」

P「は? アイドル?」

沖名「よぉし、事務所に案内するよ! ついて来てくれ!」グイグイ

P「ちょ、ちょっと! アイドルって何ですか!? プロデューサーじゃなくて!?」



沖名「事務所のメンバーを紹介するよ。右からアイドルの、榮倉、美井坂、椎名、泥門、飯森、それから事務員の江文さんだ」

沖名「さて、以上がうちの事務所のメンバーなんだが、質問はあるかい?」

P「あの……」

沖名「おお、なんだい!?」

P「事務所まで付いて行くとは言いましたけど、まだこの事務所に所属するなんて言ってないんですが」


沖名「……」

沖名「…………え?」


泥門「Gさんのことだから、んなこったろうと思ったよ」

椎菜「うわぁ、見るに堪えないよ。同じ事務所に所属してるのが恥ずかしいよ」

飯森「Gさん、いっつも早いのよねぇ、いろいろと。初めてだから、しょうがないけど……うふ」

沖名「くっ……そ、それなら今からもう一度お願いするだけだよ! Pちゃん、この事務所で僕たちと一緒に、トップアイドルを目指してくれ!!」

P「……」



P(俺は……元の姿に戻れるんだろうか? もし戻れない場合、以前の俺は……765プロのプロデューサーだった俺は死んだことになる。そして今の俺は、ちゃんとした戸籍すらない、完全な天涯孤独だ。働かなければ生き残れない)

P(でも、それなら765プロで働けばいいんだ。高木社長ならティンときてくれるかもしれない)

P(むしろ他の事務所でアイドルをやるっていうのは、765プロへの“裏切り”に他ならない。だから俺はここで断るべきなんだが……)

P「……」

P(けど……俺はあの事務所で、あのアイドルたちとやっていけるのか? 仕事に文句ばっかり言ったり、事務所でイタズラなんかしたり、レッスンをサボりだがるようなアイドルたちと……)

P(あの子たちにとっても、俺は必要ない……んだと思う。むしろ俺のせいであの子たちはダメになっていってるんじゃないだろうか? 年下の律子率いる竜宮小町が、今やトップランカーなのに、俺が面倒見てる子たちは未だにアイドルランクが低いままだ)

P(俺という存在は、あの事務所にとって……)

翁「……Pちゃん!? ど、どうしたんだい!?」

P「え?」ポロポロ

P「いえ……べつに。ちょっとこの体、涙腺が緩いみたいです」ゴシゴシ

翁(……この体?)

P「あの、お世話になります。よろしくお願いします」ペコッ

翁「え……。ってことは……!」

P「はい」


P「俺……この事務所でアイドルやります」




美希「…………」

真美「兄ちゃん、もう3日も来てないよ……」

春香「ほんと、どうしちゃったんだろう」

小鳥「……」

千早「音無さん、なにか聞いてませんか? プロデューサーが連絡を怠るとは思えないのですが」

小鳥「え!? あ、うん、そうね……大丈夫よ、きっと」

真「携帯に電話したって繋がらないし、もしかしてなにか事件に巻き込まれて……」

雪歩「ひぃ!? え、縁起でもないよ、真ちゃん!」

響「でもいくらなんでもおかしいぞ。もしかして、自分たちのこと嫌いになっちゃったのかな……?」

貴音「思えば失踪の前日、皆でプロデューサーに迷惑をかけていたように思います」

春香「そんな……」

小鳥「な、なにか事情があるのよ、きっと。大丈夫、プロデューサーさんは、あなたたちを放ってどこかに行ったりはしないわ」

真「そう、ですね」

千早「……プロデューサーが帰ってきたときに仕事がないのでは話にならないわ」

貴音「そうですね。千早の言う通りです。しかし……」

美希「しかしじゃないの。美希たちだけで、営業をするべきだと思うな」

真美「ええ!? で、できるのかなぁ、そんなの」

雪歩「テレビ局の人たちとお話しするなんて、無理だよぉ……!」

響「でも、やるしかないぞ! 自分たち、プロデューサーに頼り過ぎてたと思うぞ」

春香「そ、そうだね! プロデューサーさんの負担を減らすために、そしてどこかにいるプロデューサーさんの目に入るように、頑張ってお仕事しよう!」

小鳥「……」

小鳥(あのメールのことは、まだ律子さんにしか伝えてない……。そのうち捜索願を出そうかって話にもなってる)

小鳥(奇病ってなんなんですか、プロデューサーさん……今、どこで何をしているんですか……?)



泥門「ちょっと榮倉、何回同じとこでミスんの? いい加減にしてくんない?」

榮倉「はぁ、はぁ……ごめんって! どうしてもここのターンが上手くいかなくって!」

泥門「勘弁してよね、マジで」

榮倉「うぅ、泥ちゃんがイジメる! Pちゃん、おっぱい揉ませてー」

P「何言ってるんだお前。……泥門も、何回やっても上手くいかないこともあるんだから、そうイラつくなよ」

泥門「そういうアンタは、レッスン中にレッスンもせずに何やってんの?」

P「江文さんが読めない書類を預かってきたから目を通してたんだ」

榮倉「あー、江文さんフランス人だもんね。難しい漢字は読めないよね。おっぱい」

泥門「ウチだけ榮倉のダンスに付き合ってんのアホじゃん。マジ何やってんの?」

P「ああ、ごめん。榮倉の指導は俺が引き継ぐよ」

泥門「あっそ。ヨロ~」スタスタ

P「帰るのか?」

泥門「ちげーし、シャワーに決まってんじゃん。うざ」

榮倉「むふふふっ、やっと2人っきりになれたね、Pちゃん。おっぱい」

P「いいか、ターンのコツは、その前のステップでしっかり素早く移動して……」

榮倉「聞いちゃいねぇ! でもそんなところも愛してるよっ!」

泥門「あ、そだ。この後カラオケ行くけど、アンタどーする?」

P「いや、俺は事務所に戻らないといけないから」

泥門「ふーん、あっそ。付き合い悪っ」スタスタ

榮倉「Pちゃんは忙しいねぇ。ジーさんよりずっと働いてるんじゃない?」

P「そうか? 最近は3時間も寝れてるから健康そのものだよ」

榮倉「Pちゃんはナポレオンだったんだねっ! ますます興奮してきたよ!」

P「お前は睡眠が足りてないから頭が残念なのかな?」

榮倉「やめろよ照れるだろ!」///



P「戻りました」ガチャ

江文「ボンジュール♪」

P「ええ、ボンジュール。江文さん、頼まれてた資料です」バサッ

江文「オー、アリガト、Pサン!」

P「難しい漢字にはフリガナと意味を、こっちのプリントにまとめましたので」

江文「Pサンはほんとーに敏腕デカですネ! ジーさんみたいに優しくていっぱいお仕事してマス!」

P「そんなことありませんよ。それから、デカっていうのは刑事って意味ですよ」

P(……江文さんは、たった5人の事務作業に、一日のほとんどを使ってるな。遊んだりもしてないし真面目なんだけど、ぶっちゃけ俺がやった方が早い気さえする……)



あずさ「みんな、営業を始めたって聞いたんだけど……順調?」

千早「いえ、じつはあまり……やはりコネがほとんどない状態から始めるのは難しいようです」

美希「そう? 美希は結構、お仕事もらってるよ?」

千早「美希は偉い立場の人にも臆せず突っ込んでいけるから」

あずさ「なにか私にできることがあったら言ってね。なんだか竜宮小町だけ楽してるようで、気が重いもの」

美希「そんなの気にしなくていいと思うな。悪いのは急にいなくなっちゃったプロデューサーだもん」

あずさ「本当に、どこに行っちゃったのかしら」

千早「恐らく音無さんや律子は事情を知っていそうだけど、あえて言わないということは……」

美希「そういう難しいことは考えちゃダメなの。いつも通り、楽しくやってれば、そのうちひょっこりとプロデューサーは帰ってくるって思うな」

あずさ「……そうね。美希ちゃんは強いわね」

美希「プロデューサーが帰ってきたら……ちょっとだけ、おにぎり分けてあげるの」

あずさ「ふふ、きっと喜んでくれるわ」

千早「プロデューサーに言われたように、私もカラオケとかに付いて行ってみようかしら……」

あずさ「それじゃあ、今日にでも行ってみない?」

美希「賛成なの! こういう、じめーっとしちゃったときは、歌って吹っ飛ばしちゃうのが一番なの! それに、千早さんの歌も聞きたいな!」

千早「……ええ。じゃあ、今日のお仕事が終わったら、事務所に集合しましょう」

あずさ「楽しみだわ~♪」

美希「なの♪」

小鳥「はいはーい、みんな、そろそろ出発するから車に乗ってね」

美希「はーい、なの」

あずさ「ごめんなさい小鳥さん、お仕事だってあるのに」

小鳥「気にしないで。脳内世界に旅立ってる時間の方が多いから!」

千早「……それでどうして仕事がちゃんと終わるのかしら」

美希「ほんとに不思議なの」



P「ひぃい!? や、やだ! だめだっ!! 無理ぃ!!!」

沖名「うわ、こんなにヌルヌルだぞ」ヌチョ

P「ひゃあ!? さ、触るなぁ! 汚いだろ!!」ゾクゾクッ

沖名「こらこら、みんなが見てるんだから大人しくしてろ。カメラだって回ってるよ」

P「こんな撮影聞いてないし! ぜったい無理だから!! は、離れろ!!」

沖名「うーん、ウチのアイドルたちはこういうの、全然平気なんだけどなぁ。もしかして、こういうの初めて?」

P「アイドルの俺にこんな汚い仕事させるなんて、プロデューサーとしておかしいぞ!!」

沖名「まあまあ、すぐに気にならなくなるからさ。ほら、Pちゃんも触ってみて」グイッ

P「いやだぁ!! 離せ! こんなことするくらいなら、死んだ方がマシだぁ!!」ジタバタ

沖名「……うーん……しょうがない。すみません、ここの下りはカットできますか?」

D「んー、まあ仕方ねーわな。後で声だけ当ててくれればいいや」

沖名「すみません、ありがとうございます」

P「ありがとうございますっ! ありがとうございます!!」ポロポロ



響「失礼しました!」ガチャ

P「!!」

響「」スタスタ

P(……どうして響がディレクターのところに?)

P「失礼します」コンコン

D「はいどうぞー」

P「あの、今日は本当に申し訳ありませんでした!」ペコッ

D「うんうん、Pちゃんはしっかり者だねぇ。とてもあの事務所のアイドルとは思えないよ……おっと、ごめんよ」

P「……いえ」

D「でもまさか、Pちゃんにあんな弱点があったとはねぇ。いつもニコニコ礼儀正しい完璧超人だと思ってたのに」

P「ああいうのはどうしても駄目なんです……昔、トラウマがあって……」

D「ああいうのっていうのは、つまりさっき触れなかった台所の排水溝のこと?」

P「台所に限らず風呂場でもどこでも、あんな感じのヌメヌメには絶対触れません……家では、ヌメる前に徹底的に掃除するようにしてますので……」

D「そっかそっか。でもやっぱりあそこの映像流していいかな? すごく可愛かったからさ!」

P「……あれに触るくらいなら、ぜひどうぞ」

D「ありがと! ところで、お宅のプロデューサーさんは?」

P「申し訳ありません、どうやら別の現場へと呼び出されたようでして」

D「ありゃ、そうなの? 次のお仕事の話をしようと思ってたのになぁ」

P「本当に申し訳ありません。あの、差支えなければ、私が代わりに伺ってもよろしいでしょうか?」

D「うーん。……まあ、Pちゃんならいいか! この資料、なにが描いてあるかわかる?」

P「はい、舞台の見取り図と次のOP配置ですね。今までよりも左右に開けていて、ゲストが映えるようにしてるんでしょうか」

D「うお、流石だねぇ! あのプロデューサーさんよりも優秀なんじゃないの?」

P「ははは……」

D「でもやっぱり、アイドルは元気いっぱいが一番だと思うけどね。ほら、さっき出てった我那覇響ちゃん。わかる?」

P「はい」

D「やっぱり若い子は、あれくらい元気があった方がいいね。なんだか最近は無理に敬語を使おうとして縮こまっちゃってる感じがあるけど……もったいないなぁ」

P「……」

D「Pちゃんも歳相応にはしゃいだりとかした方がいいよ。……なんて、説教臭くなっちゃったねぇ。お仕事の話を始めようか」

P「は、はい!」



響「うがー、営業ってテレビよりも緊張するし疲れるぞ……」

真美「ほんとだYO!」

亜美「そうなんだ。大変ですな→」

真美「うあうあ→、全力で他人事だよ!」

響「すっごいむかつくぞ……」

亜美「あ、あはは、ジョークジョーク。でもそれを9人分もやってたなんて、兄ちゃんもやり手ですな」

響「こんなのやってたら、そりゃイライラもするぞ」

真美「兄ちゃん、やんなっちゃってどっか逃げちゃったのかな?」

亜美「律っちゃんが言うには、兄ちゃんは事務所に来たくても来れないんじゃないか、だってさ」

響「律子は何か知ってるのか!?」

亜美「ううん、知らないって言ってた。でも、なーんか匂うんだよね→」

真美「そ→そ→、匂いますな。クンクン。おや、これは獣の匂い……?」

響「気にしてるんだからやめろー!」

亜美「もー、真美ってば。イタズラは卒業って言ったじゃーん!」

真美「そうだった! もー、これじゃあイラストレーションが溜まっちゃうYO!」

亜美「ちかたないね、兄ちゃんのワガママ聞いてあげなくちゃね」

響「ワガママって……でも、良い心がけだと思うぞ。自分も敬語使えるようにがんばってるし! ……あと多分フラストレーションな」

亜美「これで兄ちゃん帰ってくるかな?」

真美「帰ってこなかったらオシオキですな!」

響「今度、イヌ美たちに探させてみようかなぁ」

雪歩「あの……響ちゃん」

響「ん?」

雪歩「今度、イヌ美ちゃんに会わせてもらってもいいかな……?」

亜美「え!? あの犬嫌いの雪ぴょんが!?」

真美「世界が終わる前触れだ!」

響「……雪歩も、変わろうとしてるんだな」

雪歩「……っ」コクッ

響「よしわかった、今度連れてくるぞ! 大丈夫、イヌ美はおっきいけど絶対噛まないから、練習にはうってつけだと思うよ!」

雪歩「あ、ありがとうっ!」



美井坂「さて、ではパパのところに行ってきますので」

P「パパ?」

椎菜「援交相手のことだよ」モグモグ

P「はぁ!?」

美井坂「失敬な。それでは私が不潔のようではありませんか。あくまで手を繋いで一緒に街を歩いたりご飯を食べたりして、お金をもらうだけです」

P「アイドルが何やってんだ!? バレたらどうするんだ!」

美井坂「むしろオープンにして商売してますが。べつに性交渉をしているわけでもありませんし、隠す必要なんてありませんわよ」

椎菜「あー、Pちゃん。コイツこういうヤツだから、止めたって無駄だよ。根っからのビッチ脳なんだよ」モグモグ

美井坂「今はクリーンな商売に絞っていますわ。それに、おデブさんに言われたくはありませんわ」

椎菜「デブじゃねーし!! 標準体重だっつーの!!」

美井坂「日がな一日中、お菓子を貪っている貴女が標準体重? ふふ、お笑いですわ」

椎菜「クソ売女め……」

美井坂「おデブさん」

椎菜「雌豚」

美井坂「おデブさん」

椎菜「おい!!」

P「……お前らなぁ」

椎菜「おい、道端で潰れてるカマキリを見るような目はやめろよ。それで喜ぶのは変態の榮倉だけだよ」

P「俺から見れば五十歩百歩だよ! 椎菜にグラビアの仕事が来ない理由とか、美井坂がバラエティに呼ばれない理由を考えてみろ!」

椎菜「ふ、太ってないよ……自分だって男口調のくせに……」

美井坂「私は失言などいたしませんが」

P(アイドルに取ってきた仕事の意図をちゃんと伝えてないのか、あのプロデューサーは……!!)

P「とにかく普段からアイドルとしての自覚を持て!」



貴音「もっと背筋を伸ばしましょう。顎を引いて、足は軽く交差させるつもりで、前へ」

真「こ、こうかな……」

貴音「まだぎこちないですが、最初よりは随分女性らしい所作になったと思いますよ」

真「へへ、やーりぃ!」

貴音「しかし突然、女性らしい所作を教えてほしいとは……もしやプロデューサーの言葉を気にしてのことですか?」

真「うん。確かにボクって、キャピっとしたいって口で言ってるくせに、普段はズボラなところがあるなって思って」

貴音「それもまた個性ですから、無理に変わろうとする必要はないと思いますが」

真「ううん、理想のためには妥協をしちゃいけないんだ。これからは毎日夕飯にサラダを食べるよ!」

貴音「そうですが。ではわたくしも、らぁめんは週に3回に減らしましょう」

真「減ってるの、それ?」

貴音「断腸の思いで、半分に減らしました」

真「毎日食べてたんだ……」

貴音「プロデューサーが帰ってくるようにという願掛けも込めてのことです」

真「あ、それいいね! よぉし、ボクもプロデューサーが帰ってくるまではランニングを半分にするよ!」

貴音「きっとこれで、あの方も帰ってきてくださるはずです」

真「うん! それまでは自分で仕事を取ってくるし、ばっちり女の子らしくなってみせるよ!」

貴音「わたくしも、どのような仕事でも選り好みせず、自然にこなせるようなアイドルを目指します」



沖名「Pちゃんは本当にすごいね! ウチに来てから早1ヶ月……あっという間にウチの事務所の稼ぎ頭だよ!」

飯森「一応私のほうが先輩なのに、恥ずかしいわ。……まあ、恥ずかしいのは好きだけど。うふ」

沖名「やっぱりPちゃんにはアイドルとしての才能が眠っていたんだね!」

P(アイドルとしての才能が眠っていたら、今頃もっと上にいるはずだろ。俺がいろんな番組に出れるのは、プロデューサー時代のノウハウでセルフプロデュースに注力してるからだよ……)

P(しかも沖名Pがだらしないから、他の子のプロデュースもこっそりしてあげてるしな。おかげで三徹目だぞ……)

P「……あ」クラッ

沖名「Pちゃん!?」ガシッ

P「す、すいません。ちょっと眩暈が」

飯森「あら、足腰立たなくなっちゃうくらいがんばってたのね。私のマッサージで癒してあげるから、そこに寝て」

P「いえ、お構いなく……」

沖名「でも最近は本当に忙しいからね。Pちゃんが疲れるのも無理はない。僕も昨日は徹夜で、今にも倒れそうだ」

P「……」イラッ

飯森「それならプロデューサーさんもソファに寝て。揉んだり擦ったりは得意なの」

沖名「そうかい? それじゃあお願いしようかな。もしかしたらそのまま寝ちゃうかも」

飯森「それがいいわ。そのまま流れで寝ちゃいましょう」

沖名「じゃあ、お言葉に甘えるかな」

P「そんな時間はないだろ」

沖名「……え?」

P「今日中に終わらせないといけない仕事がまだたくさんあるんだ、今日は寝てる場合じゃないだろ」

沖名「いや、でも疲れたまま仕事するよりは……」

P「徹夜で疲れ切ってるなら、好きな時間に起きられるわけないだろ。そんな寝ぼけたまま仕事するよりは、疲れてる方がまだマシだ。仕事がひと段落するまでは寝れるだなんて思うんじゃない」

沖名「う……」

P「というか一徹くらいでフラフラって、そんなわけないだろ。おじいちゃんじゃないんだぞ。二徹三徹くらい、社会人なら当たり前だろう。明日は午後まで休みなんだから、あと数時間くらい起きてちゃんと仕事を終わらせろ! 俺の前の職場は、休みなんてなかったぞ」

沖名「……ご、ごめんなさい」シュン

飯森「Pちゃん、さすがに言い過ぎじゃ……」

P「……すみません、どうしても我慢できなかったので。それでは仕事がありますから、これで」

沖名「か、体には気を付けてね!」



律子「やよい、ちゃんとしっかり休んでる?」

やよい「はい! プロデューサーに言われた通り、体調管理もばっちりです!」

伊織「確かに元気そうね。あのバカも、たまには役に立つのね」

律子「こら、伊織」

伊織「……わかってるわよ。アイツが私たちのための頑張ってくれてたことくらい」

やよい「!! えへへっ、伊織ちゃん!」

伊織「だ、だから特別に、今は休ませてあげてるんだから! か、帰ってこなかったら承知しないんだからね!」

やよい「大丈夫だよ! 私たち、プロデューサーの言う事ちゃんと聞いてるもん。だからきっと帰ってきてくれるよ!」

伊織「……そうね」

律子(…………。)

伊織「それで、律子は何を知ってるわけ?」

律子「えっ!?」

やよい「律子さん、プロデューサーのこと何か知ってるんですかぁ!?」

律子「え、そ、そんなことないわよ! 何も知らないわ!」

伊織「本当に何も知らないなら、もっと真剣にアイツのことを探そうとするはずよ。事務所の未来がかかってるんだから。それに、なにも知らないなら別のプロデューサーを雇おうとするはず。それがないってことは……」

やよい「探す必要が、ない……?」

伊織「そういうこと。もうどこにいるのか知ってるとか、あとは…………探す必要がない、とか」

律子「……時期が来たら、話すわ」

伊織「その“時期”を作ってあげたんだけど」

律子「……」

やよい「あの、もしかして、もうプロデューサーに会えないんでしょうか……?」ジワッ

律子「そんなことはないはずよ……それならあんなメールは寄越さないはず。辞表を提出してどこかへ消えるとかするはずよ。あのメールの文面からして、帰ってくる望みはあるはずなのよ……」

伊織「メール? どういうこと?」

律子「……ここだけの話にしなさい。いいわね?」

伊織「……ええ」

やよい「……っ」ゴクリ



P「戻りました」ガチャ

沖名「zzz」スヤスヤ

P「……」

P(おいおい、まだ仕事してたのか。居眠りしてるけど。……っていうか、まだ結構残ってるな)

P「はぁ、しょうがないな」



沖名「……んん……。……あれっ!?」ガバッ

P「やっと起きましたか」

沖名「Pちゃん……!?」

沖名(あ……毛布、かけてくれたのか)

P「ちょうど、こっちに積んであった書類は片付けておきました。それから、江文さんは先に帰しましたよ」

沖名「え、あ……ありがとう?」

P「ほら、沖名Pのよだれが垂れたその書類が最後ですよ。早く終わらせてください」

沖名「ああっ!?」ゴシゴシ

P「あははっ、もう、何やってるんですか」クスッ

沖名「……っ」ドキッ

P「早く終わらせて帰りましょう」

沖名「う、うん……」

沖名(やばい、全然頭が回らない……)

P(全然頭が回らない……って感じの顔だな。もう、ほんとにしょうがないな)

P「この企画のコンセプトを要約するとですね……」ムニュッ

沖名(……ッ!? うわわ、胸! 後ろから書類を覗き込んでるから、胸が当たってるよ!!)

P「……ということで、つまりこっちの数値がこうなって……」ギュッ

沖名(手を重ねられた! あったかくて柔らかい!!)

P「……まあこの先方についてはあとでネットで調べるとして……」サラッ

沖名(髪の毛さらさらで……それに、すごく良い匂いだ)

P「……あとはここの契約にサインすればいいんです。大体わかりましたか?」

沖名「は、はい……」

P「よし、じゃあこれで仕事は終わりですね。……あの、ところで」

沖名「な、なにかな!?」

P「さっきはすみません。少し体調が悪くって、イライラしてたんです。それでついカッとなって……」

沖名「いや、僕が悪いんだから気にしないで! むしろ仕事手伝ってもらっちゃってありがとう!」

P「一応、あとで俺がやった書類は再確認しておいてくださいね。それじゃあ、帰りましょうか」

沖名「うん…………あの、さ」

P「なんですか?」

沖名「僕、ここのすぐ近くに住んでるんだけど、良かったら泊まっていかない?」

P「え……」

沖名「……」

P(アイドルとしてはそこそこ露出も増えてきたし、そういうのは避けた方がいいんだろうけど……でもこんなフラフラで家まで帰るのは本当にしんどい。まあ、帽子とフードを深くかぶって、マスクすれば大丈夫かな)

P「そういうことなら、是非お願いします」

沖名「!!」

沖名(やった! えっと、つまりこれって、そういうこと、だよな……)



春香「……」ピッ

春香「今日も電話にでんわ……なんちゃって」

春香「はぁ……」

春香(もう1ヵ月ですよ……いま、どこにいるんですか、プロデューサーさん?)

春香(無事、なんですよね……? 便りがないのは良い便りっていうか……ほら、なにかあったんなら警察から連絡来るだろうし)

春香(私たちは、なんだかんだで仕事を自分で取ってこれるようにもなってきましたよ。だから、プロデューサーさんが徹夜することもなくなるかも)

春香「……だから、帰ってきてくださいよ……こんなお別れ、あんまりですよ」

春香(私がお菓子で男に愛想を振りまくなんて、そんなことないんですよ……?)

春香(感謝とか、親愛とか、そういう気持ちを込めてしかお菓子は渡さないんですからね)

春香「……も、もしかしたら今なら繋がったりして」ピポパ

春香「……。」

春香「……そんなわけないかぁ」ピッ



P「ちょっと、飲み過ぎですよ。早く寝た方が……」

沖名「うぅん……大丈夫大丈夫」フラフラ

P「全然大丈夫には見えませんが」

沖名「大丈夫だよぉ」スッ

グイッ

P「……? ……??」トサッ

沖名「いいんだよね?」

P「はい? うわ、ちょ、なにやってるんですか! 近いですよ!!」

沖名「何言ってるの、あんなにあからさまに胸を押し付けて……それに最近、ずっと発散してなかったから」

P「胸……? あっ!」

沖名「男の家に上がるってことは、そういうことなんだろう?」

P「ち、違っ! これはただ……!!」

沖名「……」ググ…

P(ひっ!? 力が強い! だめだ、この細腕じゃ全然敵わない……!!)

P(俺のせいなのか? 俺が無防備だったから? 毛布かけたり、密着したりしたからいけないのか?)

P(勘違いさせるようなことをしたから……)


P『ありがとう春香。でもいい加減、職場仲間でも男に愛想を振りまきすぎるのはやめろって言ったろ。それは春香のいいところでもあるが、いつかトラブルも呼びかねない。信用してくれるのは嬉しいが、それでも勘違いさせるようなことは控えてくれ』


P「……っ」ポロポロ

沖名「!!」ハッ

P「す、すいません……俺が悪かったです……だから許してください」ポロポロ

沖名「ご、ごめん!! うぅ……くそ、僕はなにを……!!」バッ

P「……」ガタガタ

沖名「ほんとにごめん! も、もう寝るよ!! そ、それじゃあ!」

P「……はい……」



P『こら、亜美、真美!! お前ら、中学生なんだからもっと落ち着きを持て!!』

P『響はちゃんとした敬語を使うこと。いいな?』

―――D『やっぱり若い子は、あれくらい元気があった方がいいね。なんだか最近は無理に敬語を使おうとして縮こまっちゃってる感じがあるけど……もったいないなぁ』

P『何度教えれば事務所近辺の地理を把握するんだあの人は!!』

―――P『何回やっても上手くいかないこともあるんだから、そうイラつくなよ』

P『千早、ストイックも結構だし、早く帰りたい理由もあるんだろうが、社会じゃ協調性も必要だからな』

―――泥門『ふーん、あっそ。付き合い悪っ』

P『体調管理も仕事の内だからな。忙しいのはわかるが、しっかり休むんだぞ』

―――沖名『か、体には気を付けてね!』

P『レッスンしなくていいなんて、そんなわけに行くか。他の子のモチベーションに関わる』

―――泥門『そういうアンタは、レッスン中にレッスンもせずに何やってんの?』

P『仕事では男とか犬は我慢してくれよな。死ぬわけじゃないんだからさ』

―――P『いやだぁ!! 離せ! こんなことするくらいなら、死んだ方がマシだぁ!!』

―――D『でもやっぱりあそこの映像流していいかな? すごく可愛かったからさ!』

P『もっとお前が普段から女の子らしくしてれば、好きなだけキャピらせてやるんだがな』

―――椎菜『……自分だって男口調のくせに……』

P『俺なりにいろいろ考えた結果がお前なんだ、貴音。わざわざ説明させないでくれ』

―――P『アイドルに取ってきた仕事の意図をちゃんと伝えてないのか、あのプロデューサーは……!!』

P『社会ってのはそういうもんなんだ。伊織は歯に布着せて、目上の人間を敬うこと』

―――P『明日は午後まで休みなんだから、あと数時間くらい起きてちゃんと仕事を終わらせろ!』



P(アイドルはロボットじゃないんだ、完璧じゃなくていい。大きな問題さえ起こさなければ、ちょっとくらいの欠点は、チャームポイントにさえなるんだ)

P(むしろそれをサポートするのが俺の仕事のはずなんだ。なのに俺は、いざ自分が同じ立場になったらできもしないことを偉そうに……)



P『やっと徹夜仕事がひと段落したんだから、少しくらい寝させてくれよ。っていうか、あいつらの面倒みてくれよ』

P『音無さんも仕事してくださいね』



P(音無さんは、12人分の事務仕事を一手に引き受けて、しかもしっかり仕事を終わらせている。多少ボーっとしていても、きちんと仕事は終わらせてるんだから、それを俺なんかがどうこういうのはお門違いじゃないか)

P(律子は、むしろ未成年なのに3人もアイドルの面倒を見れるというのがすごいことなんだ。それに俺が無責任に仕事を放り出したせいで、今は全員の面倒を見ているはずだ。それなのに、765プロが傾いたなんていう話は全く聞かない)


P(……そうか、俺って本当に……足を引っ張るだけの要らない奴だったんだな)



美希「zzz」スヤスヤ


真「もう月が替わっちゃったよ……」

千早「小鳥さん、捜索願は出したんですか?」

小鳥「……いえ。でも、今週中には出そうと思ってるわ」

真美「もう、遅すぎっしょ→!」

春香「ううん、だって捜索願を出しちゃったら……それで、結果が出ちゃったら……」

雪歩「そうだよね……事件や事故なら私たちにも連絡が来るはずだし、それがないってことは、プロデューサーが自分で姿を隠してるか……」

真「ちょ、ちょっと! 2人とも!!」

春香「あ、ごめん……」

雪歩「ごめんなさい……」

千早「どこかの穴に落ちて出られない……みたいな、遭難してるような状況なのだとしたら捜索願を早く出すべきだったのだけど」

小鳥「ごめんなさい、こういう時は私がそうすべきなのに……」

真美「な、なんか怖くなってきちゃったよ……」

TV『続いては、昨日未明に東京都○○区で遺体が発見された事件です』

全員「―――ッ!?」バッ

TV『発見されたのは高校生くらいの少女で、死因はビルからの転落死。争った形跡もなく、靴が揃えられていたことから自殺とみられています。現在身元の特定が急がれており……』

春香「な、なぁんだ……あはは、びっくりしちゃった。不謹慎だけどさ」

真美「あはは……もう、はるるんってば、すごい勢いで振り返ったからびっくりしちゃったYO!」

真「真美だって」

雪歩「お、おしっこ出ちゃいそうになりましたぁ……」

千早(優……)キュッ

小鳥「大丈夫よ、みんな。プロデューサーさんがこの事務所に必要不可欠なのは、プロデューサーさんだってわかってるはずよ。だから私たちを残して……」



ガチャッ

全員「!」クルッ



P「……」コソッ



真「えっと、誰?」

雪歩(かわいい……)

真美「ピヨちゃん、もしかして新しいアイドルの子?」

小鳥「え!? 私聞いてないけど……」

春香「なんか、プロデューサーさんに雰囲気似てない?」

千早「ええ。もしかして、妹さんとか……」

P「……うん、どこも変わってないな」キョロキョロ

小鳥「あの、どういったご用件でしょうか?」

真美「ああっ! わかった! 叡智プロからこの前出てきた、新人の……!」

真「うわ、ほんとだ!! 髪下ろしてるから気づかなかったよ!」

雪歩「この前YouTubeの動画で亜美ちゃんが見せて回ってた……」

千早「ああ、あのヌメリの子……」

春香「千早ちゃん、その覚え方はどうなのかな……」

P「すみません、ちょっと様子を見てみたかっただけですから。もう帰ります」

真美「ほほう、敵情視察ってやつですな? なかなかやりますな→!」

小鳥「もしよければ上がっていかない?」

P「え、いや、でも……」

真美「んっふっふ→、敵陣に乗り込んできてタダで帰れると思うてか! マコさん、ユキさん、やってしまいなさい!」

真「え!?」

雪歩「む、無理やりはよくないよ……」

春香「でも、わざわざここまで来たってことは、何かあったんじゃない? 上がっていってもらおうよ!」

千早「そうね、せっかく来たのだから」

P「……じゃあ、ちょっとだけ」



P(……本当に、変わりないようで安心した。まさかセルフプロデュースなんて始めてるとは思わなかったが)

P(こんな子たちを1ヵ月以上も放っておくなんて、つくづく自分の屑っぷりに嫌気がさすよ)

P(元の姿に戻っても、これなら帰ってきてもむしろ邪魔だな)

春香「そしたらね、その時プロデューサーさんが……!」

P(俺のことをそんなに楽しそうに話してくれるのを見ると心が痛む……彼女たちは良い子だから、俺なんかのことでも心配してくれるんだろう)

P(もう、帰ろう。ここに俺の居場所はない)

P「すみません、そろそろ……。長居しすぎましたね」

真美「え→? もっとゆっくりしていけばいいのに」

千早「仕方ないわ、彼女にも都合があるのだから」

真「そうだね。お話できて楽しかったよ! またいつでも来てね!」

P「……ええ。それから、なにを言い出すんだと思われるかもしれませんが……」

春香「?」

P「きっともう、あなたたちのプロデューサーさんは帰ってきません。ですから、新しいプロデューサーを雇った方がいいですよ」

雪歩「……え」

真美「ちょ、いきなり何言ってるの!?」

千早「なにか知ってるんですか?」

P「死んではいません。ですが、もうプロデューサーさんはいないんです」

真「……どういうこと?」

P「でも、この事務所の足を引っ張っていた彼がいなくなったことを気に病むことはありません。きっとそれは因果応報ですから」

春香「そんな……そんなことないよ! プロデューサーさんは足なんか引っ張ってないし、みんなのために夜も寝ないで頑張ってくれてたよ!」

美希「……」スタスタ

真「あれ、美希……?」

真美「起きたの、ミキミキ?」



パシンッ!!


P「……え」ヒリヒリ

雪歩「ひっ!?」

千早「美希!?」

小鳥「美希ちゃん!!」

美希「なんにも知らないくせに、そういうこと言うのは卑怯だって思うな」

P「……」

真「……殴るのはいけないけど、美希の言う通りだよ。ボクたち、プロデューサーのおかげで今こうして楽しくお仕事できてるんだ」

雪歩「うん。私、男の人はダメだけど、プロデューサーはちょっとずつだけど、平気になっていってるし」

千早「いなくなるまで、プロデューサーの大切さに気付けなかったのが恥ずかしいけれど」

真美「そ、そーだよ! 兄ちゃんはお仕事以外でも遊んでくれたりするし!」

春香「私たちの大事な人を、悪く言わないでほしいな……って」

小鳥「みんな……」

P「……」

P(この子たちは、本当に……)

P「……ごめん……ほんとにごめんな……みんな」ポロポロ

美希「えっ。そ、そんなに強く叩いたつもりじゃなかったの……」



ガチャッ


律子「ただいま。みんなを拾ってきたわよー。……って、あれ?」

亜美「あー!! ヌメリの!!」

あずさ「亜美ちゃん、そういう覚え方はよくないわよ」

P「……律子……みんな」ポロポロ

貴音「っ!! ……プロデューサー、ですか……?」

P「!!」ビクッ

真「え!?」

真美「なになに、ど→ゆ→こと!?」

響「すんすん。……確かに、プロデューサーと同じ匂いがするぞ」

亜美「ちょっ、ひびきんってば……」

伊織「それが、原因不明の奇病ってことなのかしら?」

P「!?」

やよい「あっ! メールの……!」

小鳥「え、まさか……!」

律子「いや、でもそんな……!」

伊織「いろいろ調べさせてもらったわ。どこに住んでるとか、デビュー時期とか、その他の経緯とか、全部ね」

P「……そうか。どうせハッタリだろうが、まあ言い逃れする意味もないな」ゴシゴシ

伊織「……」

小鳥「え、それじゃあ本当に……!」

真美「ちょっと! 真美たち置いてけぼりなんだけど! どういうこと!?」

P「俺は裏切り者だ。もう765プロに戻ってくるつもりも、ない」

やよい「ど、どうしてですか……私たちのこと、キライになっちゃったんですか……?」

P「そんなわけないだろ。お前たちには、俺は必要ないからだ。俺がいると、マイナスになる」

律子「何言ってるんですか、そんなわけ……」

伊織「それならプラスになる努力でもしたらいいでしょ! いなくなっちゃったら、ゼロになるだけじゃないの!! このバカプロデューサー!!」

雪歩「プロ……!?」

真「え、まさか……!!」



P「プラスになったら、帰ってくる……それじゃあ、駄目かな」

小鳥「……今は、叡智プロにアイドルとして所属しているんでしたよね」

P「あそこを放り捨てて戻ってきたら、それこそマイナスのままだ。だから、あっちで一人前になることができたら……」

伊織「……絶対戻ってきなさいよね。まだまだアンタに言いたいことはたくさんあるんだから!」

やよい「ゆ、指切りしましょうっ!」

あずさ「本当に、プロデューサーさんなんですか……?」

春香「言われてみれば、いろいろとプロデューサーさんっぽかったような……」

美希「あのっ、あの! 叩いちゃってごめんなさいなの……」

P「おかげで目が覚めたよ、美希。でもやっぱり、レッスンはサボったりしちゃだめだぞ?」ナデナデ

美希「!!」

真美「ほ、ほんとに兄ちゃん!? ……っていうか姉ちゃん!?」

貴音「……プロデューサー」

P「こんな俺なんかを、大切だと言ってくれてありがとう」


P「それじゃあ……またいつか」




これでおしまいで。

オリキャラ出してごめんなさい。あからさまにモブっぽい名前にはしましたが……

モバマスキャラにしようかと思ったんですが、下手に貶めると怒られそうなのでやめました。


構想段階でボツにした方はギャグ系路線で、完全にクソくだらない逆恨みで裏切って765プロアイドルたち相手に1人で戦うバカプロデューサーだったんですが……

もしやそっちの方がよかったのでしょうか……?


お目汚し失礼しました!


以前、勇者魔王の安価スレをいくつかやって鍛えられてると思うので、よほどぶっ飛んでない限りは対応できると思います。

『宇宙より襲来してきた生命体と戦う』程度のものなら無茶ぶりだとは思いません。面白くなるかはわかりませんが。

エロもグロも鬼畜もギャグもイチャイチャも鬱もやったことはあります。



ただし安価でやってほしくないことは……

・他の人を不快にさせかねない一般受けしない展開
・味付けが薄すぎるお題
・アイマスでやる必要がない
・Pが美少女になった意味がない

ぐらいでしょうか。

経験上、日中の安価は甘くて、深夜の安価は容赦ないんですが、お手柔らかにお願いしますね……。




>>82

・美少女となったPはどうする? あるいは、どうなる?

・なるべく簡潔に一言で、「~する。」「~った。」というふうにお願いします。

・不適切な書き込み(「ksk」など)は安価下とします。

普通にP兼アイドルとして働く



亜美「兄ちゃん兄ちゃん! コーヒー淹れてあげたYO!」

真美「日頃の感謝を込めて、真美たちの愛情たっぷりコーヒーだYO!」

P「ええっ!? お前たち……そうか、ありがとう! 大事に飲むよ!!」

亜美・真美「大事に全部飲んでね」ニヤリ

―――

真「またあの2人、変なこと企んでるね……」

千早「プロデューサーもいい加減、そんなことありえないって学習しないのかしら」

真「基本、ほんとに純粋な人だからね」

伊織「馬鹿の間違いでしょ」

―――

P「こういう時、本当にプロデューサーやっててよかったってつくづく思うよ! ありがとう、亜美、真美!」

亜美「さ→さ→」

真美「グイっとどうぞ!」

P「そうだな、味わって頂くよ!」グビッ

P「マッズ!!」ブフーッ!!

亜美・真美「あはははっ!!」

―――

真「あーあ、案の定だよ」

千早「この後律子に告げ口されて2人が正座させられるまでがテンプレね」

伊織「……バッカみたい」



亜美・真美「逃っげろ→!!」

P「こら!! 待て2人と……も……」ヨロッ

P「」バタッ

亜美・真美「……え?」

P「ゴボッ……ぐぎゃああああああああッ!!」ジタバタ

亜美・真美「えええっ!?」

真「え、どうしたんですかプロデューサー!?」

千早「きっと演技よ」

伊織「でしょうね。まったく、アイツも子供なんだから」

P「ぐばっばばばッ、ぐひぎィィィィ!?」ブクブク

亜美・真美「ひぃぃぃっ!?」ガクガク

真「え、あれホントに演技なの!? 白目剥いて泡吹いてるけど!!」

千早「演技……なのよね?」

伊織「し、知らないわよ! あの2人が青酸カリでも入れたとかじゃない限りは……!」

亜美「塩しか入れてないよ!」

真美「そ→だよ! 塩コーヒーはマズイって、パパが言ってたから……!」

P「……ッ……ッッ」ビグンビグン

真「もう声すら発さなくなったよ……」

千早「どうするのよこれ……死ぬんじゃないかしら」

真「伊織、救急車呼んで!」

伊織「救急車ぁぁーーっ!!」

真「ちょっと落ち着きなよ伊織!!」

亜美「パパに電話しようか……」

真美「ちょ、怒られるよ絶対」

亜美「いやでも兄ちゃん死んじゃう……」

P「―――」ドクンッ!!

全員「!!」



P「」ピッカァァァ!!

真「プロデューサーが光り出した!?」

千早「ちょ、水瀬さん顔あっちに向けて!」

伊織「どういう意味よ!?」

亜美「兄ちゃんが進化しちゃうYO!!」

真美「BBBBBBBB!!」


 バシュゥゥンッ!!





P(♀ 推定二十代前半)「……」シュゥゥ…




亜美「兄ちゃんが……女の人になっちゃった」

真美「え、これ兄ちゃん!?」

亜美「兄ちゃん……なんじゃない?」

真美「そっか、兄ちゃんか……」

亜美「うん、たぶん……これどうする?」

真美「もっかい飲ませれば戻るんじゃない?」

亜美「そっか、まだコーヒー3分の2くらい残ってるしね」

真美「うんうん、まだ変身を2回くらい残してそうだよね」

亜美「亜美が口開けるから、真美はコーヒー流し込んで」グイグイ

真美「リョ→カイ」ダバーッ

P「ゴグバッ!? ひぎぃぃぃぃ!?」ガクガク

真「はっ!? ボクは一体何を……」

千早「一瞬気を失ってたわ」

伊織「ちょ、また飲ませたの!? 今度こそ死ぬわよ!!」

亜美「いやもっかい飲ませたら戻るかなーって……」

P「ぎゃぼぼぼぼッ、ごびぎががっががががあみまみころすっ……!!」ビグンビグン

伊織「今すごいこと言った気がする!!」

亜美「戻さない方がいいかも……」

真美「うん、今のうちにトドメを……」

P「―――」ドクンッ!!

P「」ピッカァァァ!!


 バシュゥゥンッ!!





P(♀ 推定十代後半)「……」シュゥゥ…




亜美「うあうあ→!! もっと縮んじゃった!!」

真美「やばいコレ戻らないヤツだYO!!」

伊織「アンタたち、もう絶対コーヒーに触るんじゃないわよ!!」

千早「……」

P「」ドタプーン

真「……」

P「」ボン キュッ ボン

千早「ねぇ、もう一度飲ませればきっと元に戻ると思うわ。いえ絶対に」

真「うん、ボクも同感かな。よし千早、押さえとくから残りのコーヒー全部流し込んで」グイグイ

千早「まかせて」

伊織「ちょ、なにやってんのよ!? ダメに決まってるでしょ!!」

千早「どいて水瀬さん!! これはプロデューサーのためなのよ!」ググ…

伊織「その濁った目がどこに向かってるかなんて見なくてもわかるわよ! ちょ、力強い……!?」ズリズリ

千早「そぉい!!」ダバー

伊織「ああああああああっ!!?」

P「ぐひぎばばばばあばばばば」ビグンビグン



―――――――――

――――――

―――




律子「アンタたちねぇ……!!」

亜美(正座)「……」

真美(正座)「……」

千早(正座)「……」

真(正座)「……」

伊織(正座)「……」

律子「プロデューサー殿がこんなになっちゃったじゃないの! どうするつもりよ!?」

p(♀ 推定十代前半)「……」ボイン

千早「くっ……!!」

伊織「千早……見苦しいわよ」

律子「亜美と真美は14時間正座。千早と真は12時間正座。伊織も監督責任として1時間正座ね」

小鳥「ただし若返りコーヒーの製法を教えてくれたら1000万円あげます」

律子「」バンッ!!

小鳥「ぴぃ!?」ビクッ

律子「ではプロデューサー殿、そのダボダボスーツでは動きづらいでしょう。やよいに服を持ってきてもらってますので、こちらに来てください」

p「……うん」トテトテ

千早「プロデューサー! お姉ちゃんって呼んでください!!」

p「」ペッ

千早「」ビチャッ

律子「カメラで監視してるから、一瞬でも足を崩したらファミチキにするからね」



春香「この子、ほんとにプロデューサーさんなんですか!?」

律子「本当よ。監視カメラの映像も確認したわ」

貴音「面妖な……」

響「え、監視カメラって初耳なんだけど……」

美希「ハニー!! こんなになっちゃって、可哀想なの!」ギュゥ

p「美希、くるしい……」

雪歩「プロデューサー、ちっちゃくてかわいいですぅ……!」

p「うぅ……」///

やよい「でも私の服、胸のところが苦しそうです……おへそも出てますし……」

p「いや、そんなことないさ。ありがとな、やよい。お礼に今度服を買ってあげるよ」

あずさ「……なんだか背徳的ねぇ」キュンキュン

響「ねえ、監視カメラってどういうこと?」

小鳥「プロデューサーさん、是非アイドルをやるべきですよ!!」

p「勘弁してくださいよ、音無さん。俺は裏方の人間なんですから」

律子「いえいえ、余裕で行けますって! プロデューサー殿って何気に歌も上手ですし、口も達者ですから」

p「うぅ、社長に見つかったら本当にアイドルにされそうでいやだな……」

社長「やぁおはよう諸君!」ガチャ

p「あっ」

社長「ティンと来たッ!!」ティン

>律子「カメラで監視してるから、一瞬でも足を崩したらファミチキにするからね」

Lチキじゃないのかよw



p「まあ、プロデューサーの仕事もやらなきゃいけないわけですが」カタカタ

春香「すごい、中学生が高速ブラインドタッチしてる!」

あずさ「仕事してる時の顔は、すっごく引き締まってるのよねぇ」

p「律子、明日の件はどうなってる?」カタカタ

律子「オールオーケーです。最終チェックも通りました」カタカタ

p「うん、抜かりないな」カタカタ

律子「そういえばプロデューサー殿、営業もその姿のままやるつもりですか?」

p「戻らない以上は仕方ないな。下手に実験して小学生になっても困るし」

律子「でも車は運転できませんよ?」

p「……タクシーで行くしかないか」

小鳥「では経費で落としておきますね」

p「ありがとうございます。そういえば音無さん、先方から返信はありましたか?」

小鳥「いえ、それがまだ」

p「では催促のメールを送っておいてください。今日の夕方までに返信がなければ、俺が直接電話しておきます」

小鳥「先方がビックリするといけませんから、私が電話しますよ」

p「そうですが、ではお願いします」

小鳥「中学生に使われるなんてキュンキュンしますね!」

あずさ「アンバランスな感じが、とっても素敵ねぇ」

春香「なんだか母性をくすぐられちゃいますよね!」

p「好き勝手言いやがって……」ぐぬぬ…

>>98
あやっべ。間違えましたごめんなさい。全国のローソンさんごめんなさい。ファミチキ大好物です。



p「ふぅ、ちょっと休憩。なんかすごい肩が凝るな……なんでだろ」コキコキ

響「プロデューサー、自分の膝の上に座るといいぞ!」

雪歩「ええっ、ずるいよぉ響ちゃん!」

p「お前らよく思い出せよ。俺は二十台のおっさんなんだぞ」

響「でも今は、やよいみたいにちっちゃい女の子だぞ?」

雪歩「今なら、プロデューサーともっと仲良くなれる気がしますっ!」フンス

p「いつになく雪歩が強気だ……まぁ今の俺じゃ、体格的にも絶対勝てないしな」

響「肩凝っちゃうのは当たり前だぞ。さっきからぷるんぷるんしてるしな」

雪歩「うぅ……それに引き換え、私は貧相で貧乳で……」

会議室< ガァン!!

雪歩「ひゃうっ!?」ビクッ

p「正座組がお怒りだから、それ以上はやめときなさい雪歩」

響「これから営業もあるんなら、ノーブラにトランクスにヘソ出しはちょっとアレだと思うぞ」

p「そうだな。仕方ない、あとでスーツと下着を買って来よう」

雪歩「下着を買う時は、女の子と一緒に行った方がいいですよ」

p「そうか。ありがとう雪歩、響」ニコッ

雪歩「!」キュン

響「!」キュン

雪歩「……えいっ」グイッ

p「おおっ?」ポスッ

響「あーっ! ずるいぞ雪歩! 次は自分な!」

雪歩「えー、どうしよっかなぁ♪」ギュゥゥ

p「雪歩、くるしい」ペシペシ




小鳥「(REC)」ジー

律子「」バンッ!!

小鳥「はいっ!!」



美希「ハニー♪」ギュッ

p「こら美希、くるしいって」

美希「いつもこれくらいの力だよ?」

p「すまん、いつもより筋肉とか無いからかな」

美希「あ、そっか。ごめんねハニー」

p「いや、わかってくれればいいよ。……それより貴音は何やってるんだ?」

貴音「件のコーヒーの成分を調べております」

p「そんなのわかるのか?」

貴音「さんぷるが少なくて何とも言えませんが、同じこぉひぃを作ることは可能かと」

p「作らんでよろしい。あれは下手すれば死ぬ。作れるってことも内緒だからな」

貴音「あなた様がそう仰るのであれば」

美希「小鳥が知ったら発狂するの」ギュゥ

p「うん。ところで美希、歩きづらいから離れてくれないか?」

美希「だめなの♪」ギュゥ

p「そっか、だめなのか。頭の上に顎を乗っけられると重いんだがなぁ……」

貴音「……」ウズウズ

p「あ、そうだ貴音」

貴音「はい!」パァ

p「この前言ってたオーディションに出れることになったからな」

貴音「……はい」シュン

p「?」



p「何やってるんだ、伊織?」

伊織「う、うっさいわね……」プルプル

やよい「伊織ちゃん、ソファまでもうちょっとだからね」

p「俺も肩を貸すよ」スッ

伊織「……ありがと」プルプル

p「ごめんな、伊織。俺が三途の川を行ったり来たりしてた時、伊織がみんなを止めてる声は聞こえてたよ。ありがとな」

伊織「べ、べつにいいわよ、そんなのっ」プイッ

やよい「よい、しょっと」

p「よっこいしょういち」

伊織「……」ストッ

やよい「痺れが収まるまで、ここでじっとしてようね!」

伊織「ええ」

p「そうだ、やよい。あとで俺の下着を買わなくちゃいけないんだが、ついて来てくれないか? 俺じゃわからなくってさ」

やよい「いいですよー! 安くていーっぱい買えるところ、知ってますからー!」

p「そうか、助かるよ!」

伊織「わ、私も付いて行ってあげてもいいけど……?」

p「ほんとか? ありがとな、伊織!」ニコッ

伊織「」ズキューン

やよい「……伊織ちゃん?」

p「どうかしたか?」ツンッ

伊織「うにゃあああああっ!?」ビリビリ

やよい「あっ、だめですよぉプロデューサー! まだ足が痺れてるんですから!」

p「すまん、つい」

伊織「あ、アンタ……あんまり笑うの禁止だから!」

p「?」



p「え、えへっ」ニコ…

カメラマン「うーん、まだ表情が固いねぇ」パシャッ

p「そ、そうですかね……」

カメラマン「なにか楽しいことを考えようか! スイーツ食べ放題っ、みたいな!」

p「そう言われましても……」

カメラマン「うーん、まあ宣材写真だし、クール系で行ってもいいんだけどねぇ」

p「そうですね、微笑むくらいでいいでしょうか」

カメラマン「よし、それで行こうか!」

ガチャッ

律子「プロデューサー殿! 765プロオールスターライブの会場、第一案で通りました!!」

p「ほんとか!?」パァァ!!

カメラマン「あ、すごいイイ表情! こっち見て! 今どんな気分!?」パシャパシャパシャ

p「すごいいい気分ですよ! やったぁ!! すごいぞっ!! あはは!!」ピョンピョン

カメラマン「へぇ、どうすごいの!?」パシャパシャ

p「どうもこうも、前回よりもさらに大きな箱を押さえられたんですよ! これもあの子たちの活躍が世間に認められた証拠です!!」

カメラマン「プロデューサーちゃんの腕が良かったんじゃなーい?」パシャパシャ

p「そ、そんなことないですよぉ……///」テレテレ

カメラマン「ああもうすごいっ! すごいよぉ!! 今の喜びを全力で……はい、ピース!」パシャパシャパシャ

p「いえーい、ぴーす♪」

カメラマン「うっひょー!!」パシャパシャパシャ




律子「……社長、もし第一案通らなかったらどうするんですか……」

社長「多分大丈夫だよ……うん」

律子「社長が言い出したんですから、社長がプロデューサー殿に「ウソでしたー★」って伝えてくださいね」

社長「さぁて、私は事務所に戻っているからね!」スタスタ

律子「おい」



p「なんだろう、この場違い感……っていうか高そうな店だな」ソワソワ

伊織「キョロキョロするんじゃないわよ、今は女の子なんだから」

p「でも下着売り場はさすがに恥ずかしいんだが。それにこんな下着を俺が履いたら変態じゃないか?」

やよい「だいじょうぶですよ! 今のプロデューサーは、すーっごくかわいいんですから!」

p「……まぁ無難なのを頼むよ」

伊織「これとか?」ピラッ

p「そういうのはあずささんだろ!!」///

やよい「じゃあこれとかですか?」

p「それもあずささんだよ!!」///

やよい「え、でもこの前伊織ちゃんが……」

伊織「やよい、静かに」

やよい「え? あ、うん」

p「やよいと同じのでいいよ。やよいのはどういうのだ?」

やよい「ヴぇえ!? ……ええーっと……」///

伊織「ちょっと、デリカシーないわよ!」

p「うぅ……えっと、じゃあこれでいいや。うん」

伊織「ベージュって……ちょっと地味すぎない?」

p「そうか? まぁ誰に見せるものでもないし」

伊織「スカートとかの場合、普段から気を付けてないと結構見えちゃってたりするもんよ?」

p「そうなのか?」

やよい(そうなの!?)ガーン

伊織「アンタは、紺色とか黒でいいんじゃないの?」

p「じゃあ、これとか?」

伊織「だから地味すぎるわよ……おばあちゃんじゃないんだから。こっちのレースにしときなさい」

p「ちょっとピンクのライン入ってるぞ……派手じゃないか?」

伊織「これくらいでいいのよ! ほら、これ持って店員に採寸と試着って言ってきなさい」

p「わ、わかったよ……。でもこのパンツ小さくないか?」

伊織「意外と伸びるから平気よ」

p「そうなのか……じゃ、行ってくる」

伊織「ちゃんとペーパーショーツくださいって言うのよ」

やよい(ぺーぱーしょーつってなに!?)ガーン

伊織「さ、この間に他の下着も見繕っちゃいましょ」

やよい「う、うん! そうだね!?」アタフタ



美希「あーっ!! ハニーがすっごくハニーしてるの!!」

p「頼むから日本語喋ってくれ。言いたいことはわかるけどさ」

あずさ「あらあら~、その服を選んでくれたのは伊織ちゃんね?」

p「え、なんでわかるんですか?」

美希「一緒に服買いに行くことが多いと、結構わかったりするよ?」

あずさ「竜宮小町でよくショッピングに行ったりしますから」

p「へぇ、そうなのか。女子ってすごいな」

あずさ「それにプロデューサーさんが選んだのなら、ミニスカートなんて履くとも思えませんし」

美希「さすがデコちゃんって言いたいところだけど、美希の方がもーっとハニーをキラキラさせられる服を選べると思うな!」

p「はは、じゃあ次はお願いしようかな。スーツ買いに行ったのに、私服だけで買い物が終わってしまったよ」

美希「えいっ」ピラッ

p「なっ!?」///

美希「ちゃんと女の子の下着履いてるみたいで安心したの!」

あずさ「あらあら♪」

p「お、怒るぞ……」///

あずさ「男性用下着よりは、履き心地いいですよね?」

p「トランクスはかなり股に食い込んで痛かったですしね。この股布……クロッチだっけ? それが綿製なのとか、すごく快適です」

美希「そういえば、バスト採寸したんだよね? 何センチだったの?」

p「83」

美希「!」

あずさ「あら」

p「いまいち数字がピンとこないんだが、これはどうなんだ?」

あずさ「中学生で響ちゃんと同じくらいっていうのは、結構すごいですよ」

美希「うーん、早くハニーを一日中着せ替えたいの! 奢ってあげるから、早く行こ?」

あずさ「じゃあその次は私が予約しちゃうわ~♪」

p「そ、そのうちな!」



スタッフ「休憩でーす!」



春香(あばばばば……)グルグル

雪歩(はうぅ……)ジワッ



律子「クイズ番組なのに、1問も答えられてませんよあの子たち……どうするんですか?」

p「春香はテンパってて、雪歩は緊張で頭真っ白って感じだな……」

律子「さすがに春香の面白回答でもカバーしきれませんね。スタッフにも白い目で見られてます。これはまずいのでは?」

p「司会さんも苦笑いしかできない圧倒的点差だもんなぁ。最終問題でひっくり返すのも憚られる点数だぞ」

律子「今からでも私たちが出れば、多分勝てそうですけどね」

p「そりゃそうかもしれんが、さすがに俺たちが出るのは無理だろ」

司会「じゃあ、よかったら出てみる?」

律子「えっ!?」

p「いや、俺たちアイドルじゃ……あれ、アイドルか」

律子「プロデューサー兼アイドルですね。私は違いますが」

p「律子も同じようなもんだろ」

司会「ぶっちゃけこのままだとマズイからさ、前半戦でも別のアイドルチームがメンバー交代したし、765さんもどう?」

律子「えっと、じゃあ、ちょっとだけお願いします」

p「おーい、春香! 雪歩! ちょっと来てくれ!」



春香「プロデューサーさん、律子さん、ほんとぉ~~に、ありがとうございました!!」ペコッ

雪歩「ありがとうございましたぁ……」グスッ

p「ごめんな、さすがに優勝はできなかったよ。あー疲れた……」

律子「回答権をスポーツで得るっていうスタイルじゃなければ圧勝だったんですけどね」

p「すまん、俺の体力の無さが足を引っ張ったよ」

春香「そんなことありませんよ! プロデューサーさん、すっごく頭良いんですね!」

p「他のアイドルたちのレベルが低かっただけだよ。俺は普通に大学出てるしさ」

律子「春香と雪歩のテンパり具合でバラエティ的には美味しかったし、私たちは面白味はないけど追い上げてたから、バランスは取れてたんじゃない? それに代打の私たちが勝っちゃったら、それはそれで冷める展開だし」

雪歩「うぅ……すみません、緊張しちゃって……」

p「なぁに、結果オーライだよ。そのうち慣れるさ、気にしない気にしない!」ナデナデ

雪歩「……あ、ありがとうございますっ」///

p「春香の珍解答も良かったぞ。あざとかったけどな」

律子「あざとかったわね」

春香「わ、わざとじゃありませんからね!?」

p「それじゃあ、俺はお偉いさんにも挨拶回りしてくるから、律子は2人を連れて車に戻っといてくれ」

律子「気を付けてくださいね」

p「はいはい……子供じゃないんだから」



p(ふぅ……ちょっと間に合わないかと思って焦ったぞ)

シュル……

p(女性ばっかりの職場だと、トイレを使わない習慣になるからな……つい癖で我慢してしまった)

p(でもさっきの番組のスポーツで、ちょっと出そうになった時はやばかったな……尿道が短いのか)

チョロ……プシャァァ

p(おお……意外と勢いよく出るんだな。全然イメージと違った)

p(な、なんか自分のだとわかってても恥ずかしいぞ、これ。何がとは言わんが)///

p(……)

p(かなりたくさん出るな……えらい長いぞ)

p(うわわ、垂れてる! なんか尿切りもうまくいかない! 早く拭いてしまおう)カラカラ

p(う、やわらかい……ぷにぷにしてるな)ゴシゴシ

p(だけど自分のだからかな、まったく興奮とかはしない。不思議だ)

p(ええい、余計なことは考えるな。仕事モード、仕事モード……!)

p(……汚物入れからいろいろ見えてる。女性トイレってこんな感じなのか)



p「今日はありがとうございました!」ペコッ

D「うん、こちらこそありがとね! 番組プロデューサーがキミたちのこと絶賛してたよ」

p「恐縮です。こちらの都合で番組の構成を変更して頂き申し訳ございません」

D「いやいや、気にしないでって。はは、小さいのにしっかりしてるなぁ。765プロのプロデューサーさんなんだって?」

p「はい。プロフィールは非公開ですが、プロデューサーとしてはそれなりに経験を積んできているつもりです」

D「そっかそっか。それじゃあお仕事の話をしても大丈夫かな?」

p「はい、是非ともよろしくお願いします!」

D「それからプロデューサーさんにするお話のほかに……キミ、アイドルも兼任してるんだよね?」

p「はい」

D「僕も含めて、番組スタッフがキミのことすごく気に入っててね。番組プロデューサーも、キミをアイドルとして使いたいってさ」

p「本当ですか! ありがとうございます!」

D「まあ忙しいだろうけど、頑張ってよ。それじゃあ、プロデューサーさんとしてのキミにお話するから、座って座って」

p「失礼します!」



p「あと30秒くらいかなぁ」

響「プロデューサー、カップラーメンばっかりだと体に悪いぞ?」

p「プロデューサー友達に栄養ドリンク貰ってるから大丈夫だよ。カップラーメンは一人暮らしの男の友さ」

響「もう、今は女の子なんだから、そんな不摂生してちゃダメだぞ!」

p「まあ、それもそうか。ところでさ、響」

響「なに?」

p「食べづらいから俺を降ろしてくれないか? 響は椅子じゃないんだからさ」

響「えー?」

p「えーじゃなくて」

響「むー。もう、わかったぞ」ヒョイ

p「ありがとう」

貴音「……」ジー

p「で、貴音はラーメンが欲しいのか?」

貴音「それもありますが、わたくしはあなた様を……」

p「はい、あーん」スッ

貴音「!?」

響「え、いいなーっ!! 貴音ズルいぞ!!」

p「なんて、俺もちょっと恥ずかしいな……やっぱりやめ―――」

貴音「っ」パクッ

p「あ」

貴音「……ふふ。真、美味でした」ニコッ

p「そっか」ニコッ

響「自分にもちょーだい!」アーン

p「いや俺の分が無くなっちゃうからさ」

響「じゃあスープだけ! スープだけならいいでしょ!?」

p「なんでそんなに必死なんだお前は……ほら」

響「やった!」

貴音「あなた様、その、わたくしにも……」

p「ほんとに俺の分がなくなるから!!」



p「みんな帰っちゃったし、寂しいなぁ……」カタカタ

小鳥「私がいるじゃないですか」

p「えー、音無さんはちょっと……」

小鳥「どういう意味ですか!?」

p「はは、すみません、冗談です」

小鳥「もう、年上をからかうもんじゃありませんよ?」

p「そうですね、特に今は2倍も―――」

小鳥「おい」

p「なんでもないです」

小鳥「もう、すぐそうやってからかうんですから……」スッ

p「すみません、音無さんの反応がかわいくって、つい……」

小鳥「そ、そんなこと言っても誤魔化されませんから! ……よっと。あれ、届かない」ピョンピョン

p「ああ、そこの棚は高いですよね。俺が取りますよ」スッ

小鳥「ありがとうございます」

p「いえ、お構いなく」ピョンピョン

小鳥「……」

p「……」

小鳥「私より頭1つ小さいですよね」

p「完全に忘れてました。すみません……」

小鳥「えっと、じゃあ椅子を押さえてますから取ってもらっても良いですか?」カラカラ

p「はい、任せてください! どの箱をを取ればいいんですか?」ギシッ

小鳥「えっとですね…………ッ!? ……黒ッ!?」

p「黒? 黒い箱ってどれですか? ちょっと見えないんですけど」セノビー

小鳥「ふわあああっ!? 食い込んでます!!」///

p「食い込んでる? 黒い箱がどこに食い込んでるんですか?」ピョンピョン

小鳥「あ、やばい鼻血出そう……」///

p「音無さん、さっきから何言って……ああっ!? ちょっと黒っていうのはもしかして!!」///

小鳥「ふ、不可抗力ですので!!」バッ

p「ちょ、いきなり離したら……!!」グラッ

小鳥「あっ、危ない!!」バッ

p「うわあああ!?」

ムニュッ



真「……」ズル…ズル…

千早「……」ズル…ズル…

p「おいお前たち、這って出て来るなよ怖いだろ」

真「12時間も正座したせいで、足が痺れを通り越して、もはや一切の感覚がないんですよ……」

千早「太ももから先が人形みたいです……1ミリも動かせません」

p「あー、それわかるな。足組んでずっと仕事してると、立ち上がった時、義足みたいな感覚になるよな。すぐに痺れが襲ってくるけど」

真「あの、コーヒーの件はすみませんでした。ボクたちあの時はどうかしてたんです」

千早「コーヒーのように漆黒な心の闇に支配されていました」

p「まぁ過ぎたことはいいさ。なんだかんだでどうしても困るってこともないみたいだし、何かあったらお前たちがサポートしてくれればな」

真「任せてください!」

千早「今のプロデューサーなら、どんな命令でも聞きますよ」

p「無駄に頼もしいな。じゃあ半径2メートル以内に近づかないでくれ」

千早「ところでプロデューサー、その服が高槻さんが持ってきたという服なんでしょうか?」

p「いや、これは伊織とやよいが選んでくれた服だよ。下着を買いに行ったついでに選んでもらったんだ」

千早「ッ!? ……くっ……先を越された……!!」

p「お前に頼む予定はなかったけどな」

真「あの、プロデューサー。胸のところに血が付いてますけど、どうしたんですか?」

千早「まさか怪我を!?」

p「いや、これは音無さんの血だよ」

真「あっちのソファで鼻血出して寝てますね」

千早「ついに殺ったんですか?」

p「そんなわけないだろ。ついにってなんだ、ついにって。パンツ見られた直後に音無さんにダイブしてしまって、俺の胸が音無さんの顔に直撃しつつ、そのまま床に叩きつけたんだ」

真「だからあんな幸せそうな顔で気絶してるんですね」

千早「トドメを」

p「やめなさい」

真「元は男性であるプロデューサーがそんな胸を手にするのは卑怯ですよ! 不公平です!!」

千早「分けるか揉ませるかすべきだと思います」

p「そろそろ足の痺れも良い頃合いかな」バシンッ

真「ぎゃあああああああっ!!」ビリビリ

千早「ひぃぃいいいいいっ!?」ビリビリ



亜美「亜美ふっかーつ!!」バーンッ

真美「真美ふっかーつ!!」バーンッ

p「お前ら、14時間も正座してたのに元気だな……」

亜美「んっふっふ→。イタズラ常習犯の亜美たちは、当然怒られ常習犯なのだよ兄……姉ちゃん!」

真美「当然、足が痺れない正座の仕方も習得してるってわけなんだよね→!」

p「まあそんなことだろうとは思ってたさ。もう遅いから帰りなさい」

亜美「そりゃないYO! せっかく姉ちゃんになった兄ちゃんにイタズラかまさなきゃ、帰るに帰れない!」

真美「というわけで、おりゃー! 姉ちゃんの携帯を奪ったぞ!」パシッ

p「あ、こら!!」

亜美「姉ちゃんがロックかけないのは知ってるしね→。ここは姉ちゃんに成りすましてイタズラメールを送っちゃいまSHOW!」

真美「誰にしよっかなー! 千早お姉ちゃんにプロポーズとか?」

p「こら、ほんとにやめろって! 社会人の携帯で遊ぶな!」ピョンピョン

亜美「姉ちゃん背が低いなー! やよいっちみたい! ヘイパース!」

真美「イジメ甲斐がありますなー! ヘイパース!」

p「おい、ほんとにやめろって……」

亜美「やめろと言われても~♪」

真美「今では遅すぎる~♪」

p「やめ……やめろよぉ……」グスッ

亜美「え……兄ちゃん?」

真美「う、うそっ!?」

p「ただでさえ不安なんだからぁ……こういうのやめろよぉ……」ポロポロ

亜美「ご、ごめんね! ちょっと亜美たち調子に乗っちゃった!」

真美「ほら、携帯! ほんとにごめんなさい、兄ちゃん!」

p「……ヒック……もうかえれよばか……にどとくるなよ……」グスッ

亜美「そ、そんなこと言わないでよぉ! ごめんなさい! もうしないからぁ……」ナデナデ

真美「そうだよね、急に女の子になっちゃったら不安だよね……なにかあったら何でも言ってね!?」ギュッ

p「グスッ……もういいから、遅いから帰れよ」ゴシゴシ

亜美「う、うん……じゃあ兄ちゃん、また明日ね?」

真美「ま、真美たち、明日も来ていいよね……?」

p「……ちこくするなよ」

亜美・真美「うんっ!」ホッ



小鳥「プロデューサーさん、みんなの前では顔に出しませんでしたけど、本当は不安だったんですね」ムクッ

p「あ、起きてたんですか、音無さん」カチカチ

小鳥「ええ、ついさっき…………あれ? プロデューサーさん、それ亜美ちゃんと真美ちゃんの携帯じゃないですか?」

p「“うっかり忘れて行った”みたいです。困った子たちですねぇ……」ニヤニヤ

小鳥「さっきから、2人の携帯を弄ってなにしてるんですか?」

p「オシオキの正座が終わった直後に、律子にこんな挑戦的なメールをするなんて勇気がありますねぇ」ニタァ…

小鳥(あっ……これはおこですわ)

p「文字設定をアラビア語にしちゃうなんて、なんて勉強熱心な子たちなんでしょうねぇ」ニタァァ…

小鳥「……そうですね」

p「ロックパスを自分の誕生日にしとくなんて不用心ですから、ここはあの子たちのために安全なパスに変えといてあげましょうねぇ」ニタァァァ…

小鳥「……さすが大人ですね」

p「ふふふ、褒めないでくださいよ。当然のことをしたまでですから」




小鳥「……。でも、ほんとに不安だったら言ってくださいね。私たち、いくらでも力になりますから」

p「……」コクッ



p「それじゃ、帰りますか」ガチャッ

小鳥「ええ。もうすっかり遅くなっちゃいましたね」

p「そういえば俺、車運転できないんだった。歩くか……」

小鳥「そ、そんなことさせられませんよ! プロデューサーさんは今、女の子なんですから!」

p「プライベートだからタクシーはちょっと……毎日はさすがにキツイですし」

小鳥「それじゃあ、それも経費で落とします! 大人として、深夜の1人歩きは許しません!」

p「……すみません、それじゃあお言葉に甘えますね」

小鳥「ええ、そうしてください」ニコッ

p「さすがは大人のお姉さんですね」

小鳥「なんなら私の家でもいいんですよ?」ピヨヘヘ…

p「もう! 一言余計ですよっ!!」



p「おはようございます!」ガチャ

小鳥「あ、おはようござっ……!?」

美希「おは……ハニー!? その絶望的なファッションセンスはなんなのなの!?」

p「えっ……」

響「中学に上がって急に色気づいたけどファッションド素人です、みたいな服装だぞ……」

春香「そういえばプロデューサーさんって、いつもスーツだよね……」

雪歩「改造……しましょうッ!」ギラリ

美希「賛成なの!!」ガバッ

p「ちょ、おま……!?」

美希「小鳥、衣装借りるの!」グイグイ

雪歩「ほらプロデューサー! こっちですっ!!」グイグイ

春香「さあさあ、観念してください! あ、寝癖もひどいですよ!」グイグイ

p「響、助けてくれー!」

響「合掌……だぞ」ナム

―――

小鳥「(REC)」ソロー…

律子「」バンッ

小鳥「わっほい!?」ビクッ

―――

亜美(宙吊り)「」

真美(宙吊り)「」



p「うぅ……こ、こんなピンクでフリフリな服装なんて……///」モジモジ

小鳥「ぴよー!!」パシャパシャパシャ

p「やめてください! 通報しますよ!」

雪歩「プロデューサー、今度はこっちの衣装にしましょうか……ハァハァ」

美希「美希的にはこっちの方がいいと思うな!」

春香「隊長!! ジョークグッズの中にブラジリアンビキニを発見しました!!」

小鳥「でかした!!」ガタッ↑

p「……」ジー

小鳥「はい」ストン↓

p「春香、次のグラビア覚悟しておけよ」

春香「プロデューサーさん、職権乱用ですよ、職権乱用!!」

p「美希、いい加減離れなさい」グイッ

美希「やなの!」

p「やじゃないの!!」

美希「むー」パッ

p「ほら雪歩も!」

雪歩「や、やですっ」

p「やじゃないです!」

雪歩「うぅー……」ギュゥ

p(……そういえば雪歩は犬が苦手だったな)

p「雪歩、見ろ!」バッ

雪歩「?」


p「わんっ!」


春香「」

美希「」

小鳥「」

雪歩「」パッ

p「ったく。もう着替えるからな!」トテテ…



p「やよいー、洗濯のことで聞きたいんだけどー」トテテ

やよい「伊織ちゃーん、今度のお泊りのことなんだけどー」トテテ

伊織「プロデューサー、寝癖立ってるじゃないの!」トテテ

p「やよいー、仕事の打ち合わせするぞー」トテテ

やよい「伊織ちゃーん、このダンスってこんな感じでいいのかなー?」トテテ

伊織「プロデューサー、帰るついでに近くまで送ってあげても……いいわよ」トテテ

―――

小鳥「美しい三角形だわ……ここをロリータ・トライアングルと名付けましょう」ゴクリ

千早「あらゆる者が道を踏み外す、魔の海域ね……恐ろしいわ」ゴクリ

貴音(何を言っているのか全くもってわからない……日本語とは難解なものなのですね)

―――

p「なんか最近、やよいが話を聞いてくれない……」トボトボ

やよい「うぅー、伊織ちゃぁん……」トボトボ

伊織「ちょっとプロデューサー……私のことも頼りなさいよぉ……」トボトボ

―――

貴音「……む? この胸の高鳴り……これは一体!?」トクン…

小鳥「ついに扉を開いたようね、貴音ちゃん」

千早「ようこそ」

貴音(しまった、道を踏み外したという直感……! これが魔海域、ろりぃた・とらいあんぐる……!?)ハッ

すみません、お風呂休憩です。今日中に全部投下し終えます。



千早「もっとお腹から声を出すように。まだ胸で呼吸をしています」

あずさ「まずはゆったり腹式呼吸で深呼吸しましょう」

p「す~~っ、はぁ~~……」

千早「歌詞の解釈は……プロデューサーですから必要ありませんね。歌詞を暗唱できますか?」

p「ああ、問題ないよ」

あずさ「ではまず音域チェックをしますから、ピアノと同じ音を出してくださいね~」

千早「単音だけでは正確な音域は測れませんから、いくつかの音のつながりで声を出していきましょう」

p「あ、ああ」

千早「しっかり口を大きく開けて、喉の動きを意識しながら発声してくださいね」

あずさ「一気にやると全部おざなりになっちゃいますから、1個ずつ習得してもらったほうがいいんじゃないかしら?」

千早「プロデューサーなら大丈夫だと思いますよ」

あずさ「う~ん、それもそうね~」

p(2人とも、ボーカルレッスンをお願いしたら、とても熱心に教えてくれている。事務所ではみんなに悪乗りしてふざけているだけで、本当は真面目な子たちなんだよな……)

千早「喉を傷めてはいけませんから、1セットごとに休憩して温かい飲み物で喉を潤してください」スッ

p「ありがとう、千早」

千早「レッスン中は千早お姉ちゃんでしょうっ!」

p「は、はいっ! 千早お姉ちゃん!」ビクッ

千早「よろしい」

あずさ「……」ニコニコ

p「……あずさお姉ちゃん」

あずさ「は~い♪」

p(ふ、ふざけてるだけなんだよな……?)



真「ワン・ツー! ワン・ツー!」パンパン

p「ふっ、ふっ、ふっ……」タン、タタン、タン

真「ストップ! やっぱりそこでステップを意識しすぎると腕の動きが雑になりますね。もっと体全体の動きまで把握して動かしましょう」

p「はぁ、はぁ……やっぱり人のをチェックするのと、自分で踊るのは、違うな……」ゼェゼェ

響「当たり前だぞ。けど真、そろそろ休憩させた方がいいんじゃない?」

真「まだまだ! 腕が上がらなくなってからが本番だよ!」

響「プロデューサーに何か恨みでもあるのか……?」

真「はいワン・ツー! ワン・ツー!」

p「わん、つー、わん、つー」プルンプルン

真「ワン・ツー、ワン・ツー……」

p「わん、つー、わん、つー」ボインボイン

真「……響、ちょっと気分悪いから外の空気を吸ってくるよ……」ヨロヨロ

響「最近メンタル弱すぎじゃないか!?」

p「?」



p「……」カチカチ

p「!!」

『昨日のクイズ番組に出てた765プロ新人アイドル(?)がヤバイ件』

p「!?」ガーン

小鳥(プロデューサーさん、顔真っ青……)

p「!」カチカチ

『体力なさすぎかわいい』

『これほんとに中学生? 走るとおっぱいバルンバルンやんけ』

『こけかたがあざとい。はるかっか2号』

『この子はパンチラしてるから天然。春香さんはパンチラなんてしない』

『↑パンチラ画像はよ!!!!!』

『春香さんはあざとくないですよ!!』

『↑春香さんチーッス』

p「……!?」///

小鳥(プロデューサーさん、顔真っ赤……)

春香「……~~~っ」カチカチカチカチカチ

小鳥(春香ちゃんも顔真っ赤……)



伊織「ねえちょっと、プロデューサー」

p「なんだ?」カタカタ

伊織「今、仕事中なのよね?」

p「見ればわかるだろ。書類作成中だ」カタカタ

伊織「真面目なお仕事なのよね?」

p「そりゃそうだ。真面目じゃないお仕事なんてないぞ」カタカタ

伊織「じゃあどうして、犬耳カチューシャなんて付けて仕事してるのよ……?」

p「俺の後ろを見てみろ」

伊織「後ろ?」クルッ

雪歩「……」ジー

美希「……」ジー

p「獲物を狙うハンターの目をした雪歩と美希がいるだろう?」

伊織「なんて適切な比喩表現なのかしら」

p「しかし……。 わんっ!」

雪歩「きゃーこわいですー」ヒョコッ

美希「たべられちゃうのー」ヒョコッ

p「……とまぁこんな風に。いつもは俺を攫ってバービー人形のごとく着せ替えて遊ぶ2人だが、この犬モードだと怖がって近づいてこないんだ」(どやっ)

伊織「……ねぇあんた、“まんじゅうこわい”って知ってる?」

p「そりゃ知ってるさ。本当は饅頭が好物な男が饅頭怖いって言うことによって、嫌がらせで饅頭を押し付けてくる輩から饅頭をせしめたという笑話……」

伊織「……」

p「……」チラッ

雪歩「」ダッ

美希「」ダッ

p「待てこら」ダッ



律子「プロデューサー殿は異様なスペックを持っているのに、なぜかアイドルとしての露出は慎ましんですよね」

p「そうか? まあ新人だしこんなもんだろ」

律子「うーん、私がプロデュースしたらもっとドカンと売り出せるような気がするんですが……!」メラメラ

p「はは、勘弁してくれ」

p(……じつは向こうから持ち掛けられた仕事以外は取ってなくて、こっちから俺を売り出すことは避けてるなんて言えないな)

p(だって俺は裏方人間! 根っからのプロデューサー! 俺が出るくらいなら、他の子たちに枠を譲るさ)

社長「やあおはよう!」ガチャ

p・律子「おはようございます」

社長「その姿での営業は順調かね?」

p「はい、皆さんこんな姿でも真面目に仕事の話をしてくださって、これまで通り仕事を取ってくることが出来ています」

社長「いやいや、そっちじゃない。キミ自身の仕事のことだよ」

p「あ、はい……えっと、まあぼちぼちでしょうか。新人ですからね」

社長「ほほう! そうだと思って、じつはキミのために仕事を取ってきたんだよ! 日朝特撮の準ヒロインと、旅番組のリポーターと、ドキュメンタリー映画のナレーションだ! 喜びたまえ!」

p「無駄に有能すぎる!! しかもどうしてそんな枠を俺にあげちゃうんですか!?」

律子「……やっぱり自分の営業には手を抜いてたんですね」ジトッ

p「はっ!?」

律子「社長、プロデューサー殿のプロデュースは私に一任して頂けないでしょうか?」

社長「もちろん許可しよう! がんばってくれたまえ!」

p「うおおおいっ!!」



p「はい、列を乱さないようにしてくださーい! 歩道の通行の妨げにならないように端に寄ってくださーい!」

ファン1「春香ちゃん、応援してます!」ギュッ

春香「ありがとうございます!」ニコッ

ファン2「真さまぁ!! 私と結婚してください!!」キラキラ

真「はは……ボク女の子だから」ギュッ

ファン3「雪歩ちゃん、これからもがんばってください!!」

雪歩「あ、ありがとうございますぅ……でも、あの……握手会なのに握手しなくていいんですかぁ……?」オドオド

ファン3「それが我らの掟ですので!」

真「雪歩のファンは、なんていうか、すごいよね……」

春香「それ真が言う……?」

ファン4「春香さん、踏んでください!」

雪歩「春香ちゃんのファンもすごいけどね……」

真「あれ、列の途中に人だかりが……」

春香「ほんとだ。なんだろう?」

―――

p「あの、俺の握手会じゃありませんので……!」

ファン5「そんなこと言わないで! 先っちょだけ! 先っちょだけだから!」

p「いや別に俺なんかの握手でよければ好きなだけいいんですが、これは3人の握手会ですから、それが終わった後でですね……」

春香「プロデューサーさんもこっち側に来たら良いじゃないですかー!」フリフリ

真「そうですよ、一緒に握手会しちゃえばいいじゃないですかー」

p「ええっ!?」

ファンs「うおおおおおおおっ!!」

雪歩「握手会が過去最高のヒートアップを見せてますぅ……」



亜美「1076……1077……」カチカチカチ

真美「1078……1079……」カチカチカチ

やよい「亜美、真美、なにやってるの?」

亜美「やよいっち、ベルリンの壁は分厚いですぜ……」カチカチカチ

真美「けれどいつしか姉ちゃんの暴政を止めてみせるよ……」カチカチカチ

亜美「あ、5回間違えたから締め出された……」

真美「30秒休憩だね……」

p「反省したか?」ヒョコッ

亜美「あ、姉ちゃん!! んっふっふ→……亜美たちを舐めてもらっちゃ困るYO! こんな事態は亜美たちだけの手で……」

真美「反省しましたごめんなさいっ!」バッ

亜美「ちょっ―――!?」

p「ロックパスは9989な」

亜美「ああああああッ!! 後ろからやればよかった!!」

真美「よし、さっそく入力……あれ!?」

亜美「なにこの文字!? ロックパスの時からおかしいなとは思ってたけど、携帯の文字設定変わってるYO!!」

p「ググれば解除の仕方でてくるぞー」

亜美「いや携帯使えないと調べようがないよ!!」

p「それもそうだな。ほら真美、貸してみろ」カチカチカチ

真美「おお→、直った!」

亜美「姉ちゃん、亜美のは!?」

p「えー、亜美は反省してないっぽいしなー」

亜美「してるしてる! 超してるよ!」

p「はいはい」カチカチカチ

亜美「直ったーっ!!」

p「これに懲りたら、大人をからかうんじゃないぞ」

亜美「もう、姉ちゃんってば大人げないYO!」

p「大人じゃないもーん」ピース

真美「くっ、憎たら可愛い……!」

亜美「大人をからかうのが駄目なら、まだ大人じゃない未成年の律っちゃん軍曹を狙うっきゃないね! な~んちゃっt」

律子「」ヒュンッ


メコッ



p「お前たち、765プロオールスターライブに向けてのレッスンは順調か?」

伊織「ふん、あったりまえじゃない!」

真「前回以上に仕上がってますよ!」

貴音「皆、全身全霊で臨むべく鍛錬は欠かしておりません」

やよい「うっうー! 準備万端でーっす!」

p「そうかそうか。それならいいんだ」

美希「でもハニーこそ大丈夫なの?」

亜美「そ→だよ姉ちゃん! ちゃんと練習してんの?」

真美「ライブに出るなら生半可なカクゴじゃやってけないっしょ→」

p「は? 俺はライブには出ないぞ?」

全員「ええっ!?」

p「ええっ!? こっちがびっくりだよ! アイドルなり立てで片手間アイドルがそんなポンとライブに出れるほど甘くないよ」

雪歩「え、でも、あの、オールスターですし、プロデューサーもいないと……」

あずさ「そうですよ、プロデューサーさんを含めて、みんな、なんですから」

p「そりゃあ、トークくらいならするけど。でも歌とかダンスは、お金を払って見に来てくださってるファンの方々に付け焼刃の中途半端なものを見せるわけにはいかないだろう?」

千早「それまでに仕上げればよいのでは?」

春香「そうですよ、精一杯練習すれば……!」

響「プロデューサー筋がいいから、ライブまでに頑張れば間に合うと思うぞ!」

p「それこそ付け焼刃だろう。それに、俺はプロデューサーとしてライブ前にもライブ中にもたくさん仕事があるんだ。レッスンなんてやってる時間はほとんどないんだよ」

律子「ただいま戻りましたー」ガチャ

p「ああ、ちょうどいいところに。律子からも、俺はライブに出れないって説明してやってくれよ」

律子「は? 何言ってるんですか?」

p「え?」

律子「当然プロデューサー殿もライブには出ますよ?」

p「……え?」

律子「今、プロデューサー殿のための曲とダンスが完成したところです。みんな軌道に乗ってますからプロデュース業はしばらく休止して、アイドルとしてのレッスンに集中してくださいね」

p「え、あの、ちょっ……」

律子「ライブに関しての業務は社長が全面的に協力してくださるそうなのでご心配なく。それにもうプロデューサー殿のライブ参加は発表してしまいましたし」

p「!?」

律子「それじゃ、竜宮小町は打ち合わせに行くわよー」スタスタ

p「ちょ、ちょっと待ってくれ律子!」

亜美「んっふっふ→、楽しみにしてるよキミィ」ポン

伊織「律子の方が一枚上手だったみたいね。せいぜい頑張んなさい。にひひっ」ポン

あずさ「プロデューサーさんの新曲、楽しみにしてますね~♪」ポン

p「……こ、こんなはずじゃ……」ガクッ



p(こうして俺の猛特訓が始まった)

―――

千早「これ以上は声が枯れてしまうかもしれませんね」

p「……はぁ、はぁ……」コクッ

千早「それでは、今日はここまでにしましょう」

p「はい、千早お姉ちゃん!」

千早「もっと大きな声で!」

p「千早お姉ちゃん!!」

千早「もっと大きな声で!!」

p「千早お姉ちゃん!!!」

千早「もっt」

p「声が枯れちゃうだろうが!!」ゲシッ

―――

p(千早との血のにじむようなボーカルレッスンを成し遂げた)

―――

真「よし、今日はここまでです!」

p「うぅ……」パタッ

真「シャワー浴びて汗を流さないと風邪ひいちゃいますよ?」

p「そんな、体力は、ない……」ゼェゼェ

真「……」

真(……うーん、おかしいなぁ。これだけ運動してるのに胸の脂肪が減らないなんて」

p「心の声が漏れてるぞ!!」

―――

p(真との胸の詰まるようなダンスレッスンにも耐え抜いた)

―――

春香「プロデューサーさん、特製スタミナお弁当ですよ!」

p「おお、ありがとな……これで午後も乗り切れそうだよ……」グッタリ

雪歩「プロデューサー、特製スタミナお茶ですぅ」

p「おぉ……ありがとな……でもこの浮いてるのは何?」ゲッソリ

やよい「プロデューサー、特製スタミナハイターッチ!」

p・やよい「イェイ!!」パチン

p「いや待て何かおかしい!!」

―――

p(みんなの手を借りながら、精一杯日々の試練に耐え抜いた)

p(様々な形で支えてくれるアイドルたちに感謝しながら、俺はメキメキと上達していった)

p(最近なぜか貴音が目を合わせてくれなくなった)

p(それから俺は“俺っ娘アイドル”ということで世間に認知された)

p(あと生理が始まった)






p(そしてついに、765プロオールスターライブ当日を迎えたのだった……!!)






真「ん? なんか揺れてない?」

亜美「ほんとだ、地震かな?」

伊織「いや違うでしょ……あれを見なさい」スッ



p「」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ



真美「ちょっ……姉ちゃんがマナーモードになってるYO!」

春香「プロデューサーさん、機内モードにしてください!」

雪歩「ハ、ハーブティーですぅ!」カチャ

p「」ビチャビチャビチャビチャ

美希「飲んでないのに全部なくなったの……」

あずさ「あの、タオルどうぞ……」

p「」モグモグ

春香「プロデューサーさんそれは食べ物じゃないです!! 千早ちゃん、取り上げて!!」

千早「ぐっ、このっ……! 力が強すぎるわ!」ググッ…

p「」モグモグ

響「一体どうしたんだ、プロデューサー!?」

貴音「恐らく、極度の緊張によって混乱状態に陥ってしまっているのでしょう」

真美「混乱っていうか狂乱……」

伊織「正気に戻りなさい!」バシッ

p「はっ、俺は何を……!?」ビクッ

雪歩「元に戻りましたぁ!」

真「斜め45度のチョップだね!」

亜美「いや昔のテレビじゃないんだから……」

春香「プロデューサーさん、緊張するのはわかりますけど気を確かに持ってください」

千早「いつもはプロデューサーがみんなを勇気づける立場じゃないですか」

響「一生懸命練習したんだから、絶対大丈夫だぞ!」

p「みんなを送り出すのと自分がやるのは全然違うんだな……もう頭真っ白だよ……」

あずさ「何かあっても、私たちがサポートしますから」ニコッ

美希「そうなの! それにハニーならちょっとくらい間違えた方が可愛いって思うな!」

p「ちょっとどころか全部吹っ飛びそうなんだよ……」

千早「……春香、ちょっと早いけどアレをやりましょう」

春香「あっ、そうだね!」

p「?」



あずさ「あらあら、私もじつはやってみたいと思ってたの~♪」

亜美「んっふっふ→、ついに亜美もアレデビューの時が来ましたな!」

伊織「べ、べつに私はどうだっていいんだけど……プロデューサーのためにどうしてもって言うならやってあげないでもないわよっ!」

春香「それじゃあみんな、集まって肩を組んで!」

p「!!」

春香「それじゃあ、いくよぉ!」







春香「765プロ~~~っ、ファイトぉー!」


全員「おおーっ!!」








春香「どうですか、プロデューサーさん。これでちょっとは元気出してもらえますか?」

p「……ああ、これなら頑張れそうだ」

春香「ふふっ」ニコッ

p(1人じゃない、みんながいる)

p(だから頑張れる!!)





p「よぉし、行くぞぉ!!」






―――――――――

――――――

―――





p(765プロオールスターライブは、トラブルもなく、みんなが笑顔で、すべてを出し切り、そうして大成功を収めた)

p(現在はみんなで楽屋に集まっているが、みんな興奮冷めやらぬといった様子だ。頬を上気させ、胸を弾ませ、抱き合ったりしている)

p(俺もその輪に加わって年甲斐もなくはしゃいでいたが……)

p(その時、俺の体に異変が起こったのだ)




p「ぐっ……うァァァあああああああっ!?」ビキビキ

春香「プロデューサーさん!?」

雪歩「ど、どうしたんですかぁ!?」

伊織「!! これってもしかして!」

真「うん、きっとそうだよ!」

亜美「姉ちゃんが兄ちゃんに戻るっぽいよ!」

響「え、こんな苦しそうに変身するのか……!?」

貴音「………………。」

p「うごぉおおお!! ぐばっががががぎぎぎ!?」ジタバタ

あずさ「あ、泡吹いてるけど大丈夫なのかしら……?」

千早「前はもっと酷かったから、きっと大丈夫です。そうよね、真美」

真美「最後、のけぞり過ぎて中国雑技団みたいになってたもんね」

p「ひぎぃぃぃぎぎぎぎゴギガガガギゴ……!!」ビッタンビッタンッ!!

やよい「衣装はそのまま戻るんですか?」

美希「そういうのは考えたら負けなの」

p「―――」ドクンッ!!

全員「!!」



p「」ピッカァァァ!!



 バシュゥゥンッ!!





P(♂ 推定二十代前半)「……」シュゥゥ…




全員「…………」

春香「うん、とりあえず……元に戻るってのはわかったね」

美希「これで一安心なの」

伊織「時間で戻るのかしら」

やよい「すーっごく嬉しい気持ちになったから戻ったのかも……?」

千早「……まあ今は、それは別にいいわ」

全員「…………」

あずさ「ほ、ほんとうにやる……のかしら?」

亜美「あずさお姉ちゃんだって賛成してたじゃーん!」

真「で、でもいざとなると……ね」

真美「若さってのはね、振り向かないことなんだよまこちん……」

響「うぅ、罪悪感半端ないぞ……」

雪歩「で、でも、プロデューサーが可愛すぎるのがいけないと思いますぅ……」

亜美「というわけで、お姫ちん」

真美「例のブツは?」

貴音「…………こちらに」

亜美「前金のらぁめん回数券は、使い切っちゃったかい?」

真美「まあこいつでまたらぁめんライフを楽しんでおくんねせぇ。ほら、握った握った」クシャッ

貴音「うぅ……! あなた様、欲に溺れたわたくしを、どうかお許しください……!!」シクシク

亜美「らぁめんには勝てなかったよ……」

真美「というわけで……」

全員「……」ゴクリ







―――――――――

――――――

―――







「……うっ……ここは……」

「そうだ、俺は確かライブが終わってすぐに倒れて……」

「あの感覚は、苦しさは、まさか元の姿に……!!」ガバッ





p(♀ 幼女)「……」





p「なんじゃこりゃぁああああっ!!!!!」








おしまい。


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 17:46:07   ID: JOmqRUg0

作者さん、話の構成うまいですね。他の作品も知りたいな。

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