prrrrrrrrrrr

P「はいもしもし」

七尾父「もしもし、七尾です」

P「あぁお久しぶりです。どうされましたか？」

七尾父「娘は、百合子は劇場にいますか？」

P「はい居ますよ、変わりますか？」

七尾父「いえ、変わらないで下さい」

P「？？」

P「娘さんはいつも通り事務室で読書してますが･･･」

七尾父「実は、百合子が･･･」



七尾父「百合子が、グレてしまったんです･･･！」

P「！？」

P「そのようには見えませんが･･･」

七尾父「実は今朝ですね･･･」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


七尾父「なぁお母さん」

七尾母「なに？」

七尾父「最近、百合子可愛くなってないか？」

七尾母「は？」

七尾父「いや、百合子は元々可愛いんだが、最近一層可愛くなったような」

七尾母「親バカもたいがいにしておきなさいよ」

七尾父「え、だって百合子可愛いでしょ」

七尾母「まぁ可愛いけど」

七尾父「もしかして、『恋』してるのか･･･？」

七尾母「は？」

七尾父「こんなに急激に可愛くなるのは怪しい。まさか百合子のヤツ･･･」

七尾母「良い歳なんだから好きな人の一人や二人いるでしょ」

七尾父「二人！？　私は百合子をそんなふしだらな娘に育てた覚えはないぞ！？」

七尾母「あーもうめんどくさい」

七尾母「そんなこと言ってたら百合子に嫌われるよ」

七尾父「なっ！？　それだけは、それだけは･･･」

七尾母「はいはい」

百合子「おかあさーん、タオルこれ使って良いやつ？」

七尾母「あれ百合子今日のレッスン午後からって言ってなかったっけ」

百合子「暇だからもう行こうかなって」

七尾母「昼ご飯は？　持っていく？」

百合子「なんかある？」

七尾母「おにぎりで良い？」

七尾父「･･･」

七尾父「なぁ百合子」

百合子「なに？」

七尾父「化粧変えた？」

百合子「は？」

百合子「え、なに急に」

七尾父「いや、化粧、変えた？」

百合子「いや意味わからないんだけど」

七尾父「悪い、なんでもない」

七尾母「やめなさいよ気持ち悪い」

七尾父「今日はアイドルのレッスンしに行くんだよな？」

百合子「うん、夜ご飯までには帰るよ」

七尾父「その割にはお洒落だな･･･」

百合子「は？」

百合子「いや、どうしたの」

七尾父「オシャレだなぁ･･･って」

百合子「お母さん、何か変な話した？」

七尾母「お父さん、百合子が可愛くて心配なんですって」

百合子「え？　なにそれ」

七尾父「いや･･･」

七尾父「百合子、好きな人とか出来たか？」

百合子「は？」

百合子「い、いないよそんな人！」

七尾父「怪しい･･･」

百合子「いたとしてもお父さんには言わないからね！絶対！」

七尾父「なっ！？」

七尾母「お母さんにはこっそり教えてね。お父さんには言わないから」

百合子「うー･･･、それは･･･」

七尾父「なんだその反応！？」

七尾父「もしかして本当にいるのか！？」

七尾父「ハッ！？まさか既に恋人が！？」

百合子「いないから！　もうお父さんうるさい！」

七尾父「･･･まさか、そんなにオシャレして劇場に行くのも･･･」

百合子「えっ」

七尾父「劇場に好きな人がいるのか！？」

百合子「げ、劇場にはプロデューサーさんと社長さんしか男の人いないし･･･！」

七尾父「おとなのおとこだとぉ！？」

七尾父「そんな歳の離れた男性なんて、お父さん許さないからな！」

百合子「もうっ！違うから！」

七尾父「プロデューサーか！？　あの女性だらけの職場で働いてるヤツか！？」

百合子「ち、違うもん！プロデューサーさんのことなんか、」

百合子「ことなんか･･･」

百合子「お父さんのバカ！　もう知らない！　行ってきます！」

七尾父「おいおいおい百合子今の反応はどういうことだおおーい百合子おぉぉぉ！！！！！」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


七尾父「というわけなんです」

P「全面的にお父さんが悪いです」

P「えーっと･･･百合子に変わりますか？」

七尾父「いえ、大丈夫です。ただ一言だけ」

P「はい？」



七尾父「娘は渡しませんからね」

P「は？」

ｶﾞﾁｬ

ﾂｰﾂｰﾂｰ

P「･･･なぁ百合子」

百合子「なんですか？」

P「百合子のお父さんって、百合子みたいだな」

百合子「えっ！？」



おわり