※レベル1と偽ってとある高校に在籍する一方通行、本名鈴科百合子のお話です
※ギャグとシリアスごった煮、グロありになるかもしれません
※時間系列が前後することが多いと思いますがご容赦ください
※カップリング未定、百合子ちゃんprprハッピーエンドが最終目標です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1381904129
ほう。期待
小萌「今日も鈴科ちゃんは家庭の事情でお休みなのです。では出席を取りますねー」
上条(また休みか……最近多いよなぁ)ウトウト
青ピ「せんせー、カミやんが寝ようとしてまーす」
小萌「まだ一限目も始まってないのにもうですか!? 上条ちゃんは今日も居残りですよー!」プンプン
上条「え!? いや、まだ寝てないです!」
小萌「今から寝るってことじゃないですかー!」
上条「これは言葉の綾っていうかっ」アワアワ
小萌「言い訳無用ですー」
上条「ふ、不幸だ……」ガク
青ピ「ええやん、小萌先生とマンツーマンやで?」
上条「お前とは違うんだよ、俺は大人のないすばでーなお姉さんがいいの!」
土御門「まぁまぁ、いまさら言っても仕方がないにゃー」
上条「っていうかもうお前らも居残りになってくれ」グテー
青ピ「ボクぁ小テストで0点とったから居残り確定なんやけどな」ヘラ
土御門「そういう無駄な努力はいらんぜい……あ、俺は義妹がくるからパスで」
上条「裏切り者ー!」
土御門「なんとでも言うがいい!」
小萌「上条ちゃん、静かにしてくださーい!」
上条「また俺ばっかり……」グヌヌ
土御門「カミやんの不幸は留まるところを知らないにゃー」
>>2 ご期待に添えるよう頑張ります
とある研究施設。
一方通行は研究者と向かい合っていた。
「レベル5第三位、超電磁砲のクローンを2万体を2万パターンの戦闘方法で殺害することで君はレベル6になることができる。
もちろん報酬もはずもう」
提示された数字は、国の国家予算に匹敵するのではないかというほどの巨額である。
しかし一方通行はその額を見てもなんのリアクションも起こすことはない。
「レベル5のクローン2万体と戦えってェ?」
「残念ながら、クローン体ではレベル3までしか能力が発現しないことが確認されている」
「ふゥン……しかし人殺しをしろたァ、随分と愉快な話じゃねェか」
「あくまで実験動物、君が気に病む必要はない。機材さえあればいくらでも作ることのできる生き物もどきだ」
研究員は期待に満ちた瞳で一方通行を見た。
それはまるで純粋な子供のように知識欲に溢れている。
ただ、中身はひどく生臭くはあるが。
「別に人殺しだろうがクローン殺しだろうが抵抗があるわけじゃねェけどよ、ちょっと疑問はあるよなァ」
「え?」
「どうして超電磁砲のクローンなンだ? 俺のクローンのほうが効率的じゃないのか? そもそも、指先一つで死ンじまうレベル3程度の人間2万体程度でレベル6になれンのか?」
座っていたソファーから身を乗り上げ、片手を研究員に向ける。
それだけで何をされるのか察した彼は、顔を恐怖に染めた。
「ひっ……な、何をするつもりだ?」
「でもたった2万ぽっちで絶対能力者になれるならよォ、もっと殺しちまったらどうなっちゃうわけェ!? どれくらい殺せばレベル7になれンだろォな! あっはッ」
肩に軽く一方通行の細い指が触れる。
それだけで恐怖が最高潮に達したのか、研究員は固まったまま動かない。
「おいおいィ、緊張し過ぎだろ」
アンモニア臭が一方通行の鼻を突いた。
呆れたように失禁する男を見ると、顔を羞恥と屈辱で真っ赤にしている。
「オマエのこと、知ってるぜ? 借金まみれでこの実験が成功しないとヤバイってことも」
「なぜそれを……」
「実験に協力してやるよ。だがなァ、人生を賭けてるオマエと別に実験を蹴ってもイイ俺……どっちが立場は上か、わかるよなァ?」
一方通行は怯える哀れな研究者を捕食するかのように、赤い目を細めた。
「つまンねェなァ、どいつもこいつもつまンねェよ」
体は傷ついてないのに胸が痛い。
何故だろう。
その目で見ないでほしい。
そんな目で、見ないで欲しい。
何故だろう。
胸が痛い。
アイツは違うと思ってた。
アイツだけは違うと思ってた。
アイツだけは俺をそんな目で見ないと、思ってた。
違った。
違った。
違った。
違った。
木原くンだけは、俺のことをそンな目で見ないと、勝手に思ってた。
俺に馬鹿にされて無理やり強面にしようとしたようなヤツなら、きっといつもどおりだと思っていたのに。
違った。
勝手に期待して裏切られた、と思った自分も嫌だった。
もう、期待はしたくない。
百合子「高校だァ?」
研究員「将来のことを考えて協調性も身につけるべきだと、木原さんが……」
百合子(ビビってそンなこと自分じゃ言えねェからわざわざ部下に言いにこさせたってわけか)ハァ
研究員「……」ビクッ
百合子「で、どこの高校なンだ」
研究員「あ、えっとこちらの資料に……」
百合子「……常盤台高等学校、ねェ」
研究員「はい、有数のお嬢様学校ですし、英才教育も完璧だそうです。ここなら上層部も安心するということで」
研究員(木原さんが名門女子校じゃないとだめだって言ってきたんだけど……過保護すぎるよなぁ)
百合子「うるせェ、その名前を出すな」ギロ
研究員「は、はい……」
研究員(全くその思いは伝わっていないようですよ、嫌われすぎです木原さん)
百合子(お嬢様学校……似合わねェな。どォせならもっと面白いことを……)
百合子「……手続きをするのは誰だ?」
研究員「私ですが……」
百合子「ちょっと面貸せよ。いうこと聞いてくれりゃァ痛いことはしないぜェ?」ニタリ
研究員「」
研究員(強姦魔の常套句だろ、それは)
これは続けろください
>>12 ありがとうございます、頑張ります
「……」
「――ですので、これから勉学に励み――」
(眠ィ)
普通の生活に憧れがあった。
しかし、どうやら隣の芝は青かっただけらしい。
あまりの退屈さにあくびが出そうだ。
これなら実験漬けのほうがまだいい。
(人多いなァ……ちらほら寝てる奴もいるし)
さすが底辺高校。
頭が悪そうな無能力者たちが多いようだ。
少しくらい寝ててもばれそうにない。
しかし、外でスカート姿になったのは初めてなのでそこが気になった。
普段は肌を晒さない部分なので違和感がある。
<それではクラスごとに教室へ移動してください>
入学式は終わり、移動の時間になってしまったようだ。
半分寝かけていた頭を無理矢理起こし、立ち上がる。
小萌「はーい、このクラスの担任、月詠小萌です! 1年間よろしくお願いしますね!」
教卓に立っているのは、どう見ても小学生と思える身長のやたらピンクが痛い子供だった。
これが成人した大人とは、二五〇年法は完成していたのか。
どうやらクラス中が同じことを思ったらしい。
ざわめきが無くなり、教室がしんと静まり返った。
「なっ……ロリ!?」
「ロリktkr!」
「これでも私、成人はとっくにしてるのですよ!」
「合法ロリやと!?」
一部の男子が騒ぎ始める。
特に青髪のやたらチャラそうな軽薄な男が目立っていた。
あまり関わりたくない部類である。
(俺の席は……最後尾か)
席に着くと、隣の窓際に座る男が笑顔で話しかけてきた。
「俺、上条当麻っていうんだ、よろしくな」
「……おォ」
研究員から手渡されたコミュニケーションガイドブックの第一章には「挨拶は笑顔」と書かれていたが、"笑顔"の部分を無視して無表情で挨拶する。
どうせ研究で登校する日は少ないだろう。
顔をあまり合わせないのに人間関係というものをわざわざ築くのは面倒だ。
レス返しするのは良いが文章と混ぜるのは止めて欲しい
とりあえず期待
「それにしてもあの小ささで先生ってびっくりだよな」
「あァ?」
「体育館で教師陣の中に座ってた時みんななんで?って顔してたよな、まさかうちのクラスの担任だとは思わなかった」
やたらと喋りかけてくる上条当麻という男が少し目障りに感じる。
へらへら笑いやがって、幸せそうな頭をしていそうだ。
頭はとげのようにツンツンとセットされていて少し触り心地は気になるが。
「? 俺の頭になんかついてる?」
「っ、あ、いや……」
視線に気づかれていたらしい。
慌てて逸らしたが、後の祭りというやつである。
「……髪の毛、気になっただけだァ」
「ああ、髪な! 触るか?」
「へっ?」
初対面の、たかが席が隣であるというだけの相手に頭を触らせるとは。
理解し難い。
しかし触ってみたいのは事実なので、ここは甘えさせてもらうことにした。
「……硬い、だとォ」
>>17 了解です
あと最初に書こうと思って忘れてましたが
名前欄に日付を入れています
また、台本形式と地の文ありとがまぜこぜです、見づらいかもしれませんがすいません
>>11 ミスを見つけたので訂正 ついでに他のセリフも変更
研究員「はい、有数のお嬢様学校ですし、英才教育も完璧だそうです。木原さんから制服の採寸をするようにと言付かっています」
研究員(わざわざ名門女子校を選ぶなんて……コミュニケーションをとるなら共学にするべきなんだろうけど、木原さん過保護すぎるよなぁ)
百合子「うるせェ、その名前を出すな」ギロ
研究員「は、はい……」
研究員(全くその思いは伝わっていないようですけどね)
百合子(お嬢様学校かァ……似合わねェな。どォせならもっと面白いことを……)ピコン
百合子「……手続きをするのは誰だ?」
研究員「私ですが……」
百合子「ちょっと面貸せ。いうこと聞いてくれりゃァ痛いことはしねェよ」ニタリ
研究員「」
男らしい百合子にゃん可愛い
デレたときの破壊力がきっとパネェことに支援
支援
カプ未定か・・・上百合だったらパンツ脱ぐ
> 「……硬い、だとォ」
少しエッチぃな
貴重な百合子スレに期待
どんなカプでもいい
続き楽しみにしてる
違うと思ってるけど気になって仕方がない、漏らしたのって木原くン?
木原クンは娘と真っ正直から向き合うのが気恥ずかしくて目を反らしたのを百合子ちゃんに怖がってると勘違いされて涙で枕を濡らしてると予想
自給自足じゃ萌えづらいのはなぜだろう
>>22 当SSはイケメンな百合子ちゃんでお送りします
>>23 ありがとうございます
>>24 √別にいろんなキャラとのオチを作ってもいいかなーとか考えてたり
>>25 意図してなかったけどそう言われるとエロい気がしてきた
>>26 百合子SS少ないですよね…ありがとうございます
>>27-28 ごめんなさい、わかりづらかったですね…天井のつもりで書きました
>>29 うぉおおお書きたかったネタがばれてしまった…!いや、まあバレバレですけれども
高校の入学式。
だらだらと長い校長のお言葉を聞き流している最中、周りを見回す。
教師陣の中にいる小さな女の子。
青い髪の毛。
金髪でサングラス。
いろんな人間がいるもんだ。
そう思っていると、視界の端に白がかすめる。
見事に真っ白な髪の毛と、肌。
後ろ姿しか見えないが、学校指定のセーラー服から見える首はひどくほっそりとしている。
なんとなく目が離せなくなって、その姿を見つめた。
(あ、かくってなった)
眠たいらしく、先程からゆらゆらと頭が不安定に揺れている。
時折、かくりと折れ曲がってははっとしたように姿勢を正す。
首がポッキリ逝ってしまうのではないかと、少しひやひやしてしまった。
『それではクラスごとに教室へ移動してください』
体育館に響くアナウンスの声、そして生徒たちや教師陣がざわめき始める。
まどろんでいたらしい彼女は音に反応し、びくりと体を震えさせた。
その仕草が小動物を連想させるようで、俺は音に出さず笑った。
教室に入ると、黒板に人が群がっている。
どうやら席順が書かれているらしい。
後ろのほうから少し目を凝らしつつ自分の名前を探す。
俺にしては珍しく運良く、窓側の最後尾というベストポジションが割り当てられていた。
たまにはいいこともあるものだ、と機嫌よく自分の席に座る。
教室に、ピンクの小学生と思わしき少女が入ってきた。
たしか体育館で教師に挟まれて座っていた子だ。
「はーい、このクラスの担任、月詠小萌です! 1年間よろしくお願いしますね!」
担任か……ん? 担任?
もしかして大学を飛び級でーとかいう漫画でよく見るあれなのだろうか。
がた、と隣の席の椅子が音を鳴らす。
意識をそちらに向けると、体育館で見ていた白い彼女がいた。
後ろ姿ばかり見ていたので、赤い目が見えた時は新しい一面を見たような気持ちに勝手になった。
心臓が早まり、鼓動を大きくする。
さっきまで観察していた人間が近くにいると、意味もなく罪悪感と緊張感に襲われた。
気まずさを誤魔化すように(俺が一方的に感じているだけだが)、なるべく明るく彼女に話しかける。
「俺、上条当麻っていうんだ、よろしくな」
少し、間があく。
「……おォ」
女の子にしては低い、しかしスルリと耳に入ってくる声。
ぶっきらぼうに無表情で返される言葉。
外見の儚さに騙されたような、面食らったような、そんな気分だ。
しかしそれはマイナスではなく、むしろそのギャップがいい、という類のものだ。
「それにしてもあの小ささで先生ってびっくりだよな」
会話を全く続ける気がないらしい彼女に話題を振ってみる。
「あァ?」
「体育館で教師陣の中に座ってた時みんななんで?って顔してたよな、まさかうちのクラスの担任だとは思わなかった」
若干不機嫌そうな声になったが、構わず話を続けた。
赤い目は俺のことなんか眼中にないとでも言いたげで、俺は少し落胆する。
仲良くなるきはさっぱりないらしい。
しかし、彼女の目が興味深そうな色に変わりこちらを見ていることに気づいた。
「俺の頭になんかついてる?」
「っ、あ、いや……」
見ていることに気づかれないとでも思ったのか、慌てて目を逸らす。
しかしすでにその様子はしっかりと見てしまった。
そんなに上条さんの固くて太いのが気になったのか
さっきまでのクールな印象が一変、体育館での眠たげな動きを思い出させるような変わりっぷりである。
白い肌のせいか、赤く色づくのがよくわかった。
「……髪の毛、気になっただけだァ」
「ああ、髪な! 触るか?」
「へっ?」
なるほど、彼女の髪の毛はさらさらで俺のとは全く違う。
触ってみるかと提案すると、触ってみたいという気持ちと遠慮するという気持ちがあるのか戸惑い始めた。
触りやすいように少し頭を下げてみると、誘惑には勝てなかったのか白い手を俺に伸ばした。
「……硬い、だとォ」
(そのセリフは反則だろ……!)
どことなく聞いてはいけない、淫靡な響きに受け取ってしまう。
いや、もちろんそういう意味じゃないってことはわかっているけれど、思春期っていうのはどんなことでもそういう風に捉えてしまうわけであって……自分の中で言い訳するのもなんだか滑稽だ。
「そういえば名前、まだ聞いてないんだけど?」
さっきのは聞かなかったことにしよう、と話題を変えてみる。
「……鈴科、百合子」
「鈴科百合子、か。良い名前だな」
いまだに髪を興味深そうに触る鈴科に笑って告げると、きょとんと目を丸くした。
ああ、やっぱりギャップが大きい。
「いい、名前? 名前にいいも悪いもねェだろ」
「あー、うん、まあそうだけど……でも、百合子って名前似合ってると思うぞ」
「はァ?」
片眉が釣り上げられる。
どうやら機嫌が急降下したらしい。
俺に向けていた体を前に戻してしまった。
(名前、好きじゃなかったのかなぁ……失敗した)
この世界の百合子なら妹殺しは演技だろうな
「本当は殺したくなかったンだァ!」とか言ってもまだ信じられる
>>25さんからネタを拝借してみたり
>>37 百合子ちゃんはそんなふしだらな子じゃありません!
>>41 そげぶされちゃう百合子ちゃんかわいいよおお、とだけ言っておきます
百合子ちゃんは対カミジョー属性というか、色恋沙汰に発展しづらい設定
三バカ+百合子と木原+百合子が中心になりそうです
吹寄とは仲良くなれそう……胸以外は
青ピが超絶アップを
とっくにはじめてます
木原「おい、こりゃどういうことだ!」
研究員「ひっ……お、脅されてどうしようもなかったんですぅぅぅ」
木原「なんで今まで黙ってた……」
研究員「悪魔のような笑顔で『痛みなく脳みそいじくられて廃人になって死ぬか筋肉膨張させて破裂して死ぬかどっちがいい?』なんて聞かれたらいうこと聞くしかないじゃないですかぁ!」
木原「そーかそーか、よし、俺が一瞬で殺してやるから動くなよー」
研究員「前門の虎、後門の狼っていうものですね!?」
ギャアアアアアアアアア
研究員「」チーン
木原「あのクソガキが……わざわざ手の込んだことしやがってよぉ。まさかレベルを偽ってまで低レベルの学校に入るなんざ、反抗期にもほどがあるだろ」ブツブツ
ピピッ
『こちらナンシー。一方通行が高校に到着したようです』
木原「そのまま見張ってろ、もし近くに男がいたら撃ち殺しとけ」
『……了解しました』
親ばかすぎるwwwwww
人を傷つけるのが嫌いだ。
人が自分をバケモノを見るような目で見るのが嫌いだ。
俺に喧嘩を挑んで負けるやつも、研究員も、木原くんも、みんな嫌いだ。
その目が、嫌いだ。
だからレベル1だと偽って、一方通行ということを隠してまで入学したのだ。
一人だけ"人間じゃない"ことを隠して、学校の中だけでもただの一般人のように、静かに過ごせればいい――
そう思っていた時期が俺にもありましたァ。
鈴科百合子たんは静かに暮らしたい、と?
青ピ「よろしゅうな」ニコニコ
百合子「おォ」(うさンくせェやつだなァ……)
青ピ「あ、名前なんていうの?」
百合子「鈴科百合子でェす」
青ピ「ふむ……百合にゃんやな!」
百合子「にゃン!? どォしたらそうなるンですかねェ?」ゾワワ
青ピ「! もっかいにゃんって言ってみてくれへん?」
百合子「え……」ゾワゾワ
青ピ「ボクのことは好きに呼んでぇな」
百合子「あァ? ……じゃァ変人」
青ピ「あふんっ」
百合子「!?」ビクッ
青ピ「可愛い子に罵倒されるなんて鼻血モンのご褒美やわ……」
上条「おい、なんで喘いでんだ……?」
青ピ「おお、これは上条くん……カミやん!」
上条「は、はい?」
青ピ「上条やからカミやん!」
土御門「楽しそうな話してるみたいだにゃー?」ヒョコ
青ピ「男のにゃーやと……」
土御門「癖ですたい」
上条「癖ですか、そうですか」
青ピ「グラサンかっこええね」
土御門「わかる? けっこう高かったんだぜいー」
百合子(この席の周りには変人しかいねェのかァ……)
一区切り
>>43 ぼいんとつるぺたコンビ…スバラシイな、主に格差的な意味で
>>44 まあ、いいやつだったよ…
>>46 百合子ちゃんの回りに害虫がいたら駆除するのが当然だよね?ね?
>>49 手フェチか…猟奇的どころじゃないな
とうわけで、こんな感じでシリアスだったりギャグだったり進んでいきます
三バカが仲良くなった経緯がわかんないのでそこらへんはてきとうで…
おやすみなさい
百合子かわいいよ百合子
百合子だったらどんなCPでもおいしくいただけます
親馬鹿過保護木原くンとか大好物だわ
この百合子は痩せてたりひんにゅーだったりにコンプレックスあるのかな
個人的に青ピは高校入る前から上条さんと知り合いだと思うとなんとなく一巻読み返したとき思った
乙
一番の変人はあなただと思うと百合にゃんに教えてあげたい
乙
三バカが仲良くなる理由は、男達の夢(猥談)について語り合ったに違いない。
姫神はいつの間にか仲良くなってそう
>>56 どちらかというと自分の外見に頓着しない百合子ちゃんになりそうです
>>57 その可能性もありましたね…実際のところどうなんでしょうか
>>58 ズレたツッコミをする自称常識人百合子ちゃん萌え
>>59 ぜひ加わっていろいろと話したいものです
>>60 吹寄と姫神と遊びに出かけたりするんですねわかります
短いですが投下
小萌「それでは今日のオリエンテーションは終了しましたので、皆さん気をつけて帰ってくださーい!」
青ピ「なぁなぁ、クラスのみんなで遊びに行こうっていう話しとるんやけど百合にゃんも行くよな?」
百合子「遊びに?」キョト
青ピ「うはああああ、ツンツン少女が見せる無防備な表情ううううう!」
百合子「……つっこまねェぞ」
上条「鈴科は行かないのか?」
土御門「飯はデザートの種類も豊富なバイキングに行く予定なんだぜい」
百合子「あンま甘いもンは好きじゃねェ」
上条「あー、わかる気がする……」ジー
百合子「悪かったなァ女らしくなくてよォ」
青ピ「そこが百合にゃんのええところやろ!」
百合子「……え、?」
百合子(いいところってなンだよ……)//
青ピ「赤くなっとる百合にゃんマジ天使!」
百合子「うっせェェェ!」
上条「鈴科って菜食主義とか? めちゃくちゃ細いじゃん」
百合子「むしろ野菜は口に含むのもイヤだ」
土御門「これが噂の肉食系女子ですたい」
上条「確かに肉食のほうがしっくりくるな……」
百合子「? 肉は美味しいだろ、嫌いなやつなンかいねェよ」
小萌「鈴科ちゃーん」
百合子「なンですかァ?」
小萌「保護者の方が迎えに来ているという連絡があったのです! もう校門前で待ってるそうですよー」
土御門「保護者?」
上条「学園都市に保護者がいるなんて珍しいな」
百合子「……すぐいきまァす」ムス
上条(すごい嫌そうな顔してる……仲悪いのか?)
上条「なぁ、鈴科」
百合子「ン?」
上条「もしも途中からでも来れるようだったら場所教えるから、番号交換しようぜ」
百合子「え、あァ……」ガサゴソ
青ピ「ナチュラルに携帯番号を教えてもらうとは……侮りがたし、カミやん」
土御門「カミやん、恐ろしい子……!」
上条「お前までその呼び方するのかよ」
百合子「……オマエらの番号も教えろよ」
青ピ「喜んでー!」
校門前
黒服「お待ちしておりました」
百合子「……今日は実験はない日だったはずだがァ?」
黒服「スケジュールの変更があり、本日午後から前倒しで行われるそうです」
百合子(クソったれがァ……ま、入学前にバレなかっただけマシか)
黒服「今回の実験は長期に渡るため通学はしばらく難しいかと……」
百合子「はいはいわかってますよォ。さっさと連れてけ」
黒服「失礼します」バタン
ブロロロロ
土御門「……お嬢様だったのかにゃー?」
青ピ「あれベンツやでベンツ!」
上条「今日、来るのかな」
土御門「学校には来るんだから明日話せばいいんだぜい」
幼稚園の砂場。
蟻が行列をなしている。
それを踏むのが楽しかった。
じゃりじゃりと砂のこすれる音がして、黒い屍が増えていく。
――百合子ちゃん、だめでしょ?
「どうして?」
――蟻さんたちが痛い痛いって言うわよ。
「いってないよ?」
――喋れないから聞こえないだけなの。百合子ちゃんも痛いの嫌だよね?
「うン、ゆりこいたいのやだ」
――じゃあ、蟻さんたちにごめんなさいしよっか。
「ありさン、ごめンなさい」
――いい子ね、百合子ちゃんは。
「起きろ、一方通行」
「……ァ?」
「寝ぼけてんじゃねーよ、ついたから起きろ。ったく、無意識下でも反射しやがってよぉ……」
「……」
(夢、か)
ゆらゆらと意識が定まらない。
目の前の木原は倒れている黒服は邪魔くさそうに蹴っていた。
おそらく、反射を受けたのだろう。
「時間が押してる、さっさと出てこい」
「へェへェ、わかってますよ」
足早に木原は研究施設へ入っていってしまった。
"あの時"から、いつもこうだ。
昔はちゃんと来るか見張るように待っていたというのに。
「……ビビりがァ」
ドアの下に転がる黒服を踏みつけて、百合子は車から出た。
木原くンと一方ちゃんになにがあったんだ…
百合子にゃん可愛すぎにゃああええあ
>>69-70 百合子ちゃんがかわいそうな目にあうお話、とか…正直、伏線はっただけですまだ決めてませんごめんなさい
>>71 そう言っていただけると嬉しいです!
今のところ木原くんがロリコンの変態野郎になる話しか浮かばなくて苦悩中
原作の真面目にゲスな木原くんが好きなんです、本当なんです
白垣根くんと百合子ちゃんは相性良さそう
このスレでは関係ないけど
削板「おお、百合子!」
百合子「あァ? なァに親しげに人の名前呼ンじゃってくれてンですかァ?」
削板「久々だな、また細くなったんじゃないか?」
百合子「聞けやァァァ!」
削板「うむ、胸は凹んではいないようだな、いつか窪むんじゃないかと心配だぞ!」ペタペタ
百合子「お、オマエなァァ……気安く触れてンじゃねェぞォ……」ピキピキ
削板「そんなこと言いながら反射を解除してくれてるところが優しいな!」
百合子「優しいもクソもあるかァ! オマエが毎回毎回腕を血塗れにしてまで触ろうとしてくるからしかたなくだっつーの!」
削板「それはすまない、だが百合子がそのうち萎びてモヤシになるんじゃないかと心配になってな!」
百合子「なるかァ! どンだけ俺をバカにしてくれてンの!?」
削板「でもまあ、昔みたいにあばらが気持ち悪いくらい出てるよりは随分ましになったじゃないか」ペタペタ
百合子「あの頃は絶食して必要な栄養素だけ点滴で採ってたからな……」
削板「そういえばこの前毒物が入った食べ物を実験で食べさせられたんだが、死ぬところだった……」
百合子「そンなのレベル5なら誰もが通る道だぜェ? 特にオマエの能力はどこまで効果範囲があるのかわかンねェしな」
削板「だが、食べるということは人生の楽しみであり他の生物の命をいただくということだからな、吐いてしまって申し訳がない」
百合子「そンな崇高な考え持ってンのは超能力者の中でもオマエくれェなもンだろォよ」
このスレの上条のフラグって美琴と雲川と食蜂くらいかな
木原「おいクソガキ、さっさと入って……おい、第七位! 何してんだ!?」
削板「お久しぶりです、百合子の身体チェックしてます!」
木原「思いっきり腰とか触りやがって、まさかこいつをオカズにしちゃうわけ?」
削板「オカズ……? ちょっとこんなガリガリだとどこ食べればいいか……」
百合子「おい、もし肉があったら食べる気なのかよ……カニバリズムは御免だぞ」
木原「そういう意味じゃ……いや、そのままのお前たちでいてくれ」
削板「?」
百合子「?」
木原「あー、さっさと話終わらせろよ、実験立てこんでっから」スタスタ
削板「ああ、つい話し込んでしまったな」
百合子「暑苦しい、さっさと行け」
削板「気温、湿度は能力で調整してるんだろう? それに研究所内は一定の温度に保たれるようになっているから暑いなんてことは……」
百合子「オマエがいると、なンかそう感じるンだよ」
削板「よくわからんが、熱でもあるんじゃないか?」
百合子「このド天然野郎がァ……」
マテマテマテ、ソギーお前今……一方ちゃんの上半身の前側のどの部分をペタペタした……?
「おーし、実験開始だ」
部屋に入るなり、木原はガラスで仕切られた壁の向こうからスピーカーでそう告げる。
眼の前にあるのは、ぐったりとして動かない人間。
見た限り、特に外傷はない。
「この被験体は細胞器官のライソゾームに加水分解酵素が欠如しているため老廃物が分解されず老廃物が蓄積されてしまっている状態だ」
「つまり、酵素を正常な値にしろと?」
「60種類以上の酵素が関与しているから難易度は高めだぞ」
「……なるほど、時間はかかるかもしンねェがやってやるよ」
患者の皮膚に触れ、演算を始める。
問題の発生している細胞を感知。
解析、解析、解析。
人体は、ひどく繊細だ。
少しでも操作を誤れば最悪、死ぬ。
百合子は慎重に、被験体の脳を操作した。
どれだけ時間が経ったのだろうか。
集中していたため閉じていた目を開く。
「……終わったぞォ」
一人の人間の命が、救われた。
表には公表されない大きな成果である。
もしも彼女が今も"正常"であったならば、夢見た人を救うことのできる能力に喜びを感じたであろう。
ただ、そう思えるにはあまりに少女は摩耗し過ぎていた。
ソギーと百合にゃんが純粋過ぎてつらい
――どうかしたのかい?
「百合子、怪我をさせちゃった……」
――仕方がないよ、君は能力者だから。
「のうりょく?」
――普通の人とは違うってことさ。
「普通とは、ちがう?」
――すごいってことさ。
「百合子はすごいの?」
――すごいよ。でもその力をまだ制御できてないね。だから、僕達の言うことを聞いてくれるかな?
「いうこと聞いたら、誰も怪我しない?」
――それどころか大勢の人が助かるよ。
「……百合子、いい子にする」
――ありがとう、百合子ちゃん。
百合子は、研究員が差し出した手を握った。
削板と百合子で天然コンビ、後半は「超能力者の正しい使い方」にスポットを当てたお話でした。
原作では御坂がDNAマップを提供したくらいしか病気に関わる描写はなかったんじゃないかと思ったんだけど、もし違ったらごめんなさい…
始まりはきっと誰しも純粋だったんだと思います
どう成長するかはともかく
>>73 もし打ち止めが出てくるまで続いたら守る者同士で接点があるから保護者会みたいなのとか、楽しそうですね
>>76 不良に絡まれてる女の子を助けまくってるからフラグ立てまくりじゃないですかね…
>>78 百合子ちゃんのまな板…おや、こんな時間に誰か来たようだ
>>81 ソギーはナチュラルにセクハラをしてくる系熱血男子 どうしてこうなった
百合子ちゃんってなんでこんなに可愛いの?
>>1が一方ちゃんのある部分を調理の際に使うあるものに例えた瞬間、人相最悪顔面刺青強面白衣研究者が音速で駆け抜けていきやがった……
ブリーフブラザースの
曲を思い出してもうた…
とりあえずソギーは
爆発な
百合子のかわいさに木原くンが挙動不審になるのも仕方ない
和解できるといいんだがなあ
百合子ちゃんとソギーにエロさがまったくないな
>>84-85 百合子ちゃんマジ天使!
>>86 三途の川って綺麗なんだね…フフフ
>>87 やましい気持ちじゃないから許してあげてください!
>>88 百合子ちゃんも木原くんもツンギレだからしかたがないね
>>89 ソギーにも普通の人並みの性欲はあるんだろうけど、運動で発散させてそう…
小萌「あ、鈴科ちゃん! お久しぶりなのですよー」
百合子「あー、ご迷惑おかけしてすみませン」
小萌「それにしても突然お祖父様が倒れるなんて大変でしたね」
百合子「え? あァ、そうですねェ」
小萌「しかも植物人間になってしまったお祖父様の会社の後を鈴科ちゃんが手伝わないといけないなんて……もし先生にもなにか手伝えることがあったら言ってくださいね!」
百合子「はァ……」
百合子(誰がこンな設定考えたンだ……)
研究員「くしゅっ」
木原「おい、資料吹き飛ばしてんじゃねぇぞ!」
研究員「ひぃぃぃぃすみませんんんん」
青ピ「あ、ユリにゃんお久しぶりやな、大丈夫なん?」
百合子「……あァ、心配ねェ」
上条「入学式以来ずっと休みだったから上条さんたちも心配しましたよー」
吹寄「鈴科さん、休んでいたあいだのノートをコピーしてあるから、はい」
百合子「あァ、ありがとォございます……」
吹寄「クラスメイトなんだから敬語なんて使わなくていいのよ?」
百合子「あー、えっと、うン」
青ピ「戸惑うユリにゃん可愛いで!」
土御門「朝から元気がいいにゃー、ちょっと寝不足だから静かにしてくれい」
吹寄「寝不足は学生の大敵、体が資本なのよ!」
土御門「頭に響くんで勘弁してください!」
百合子(……なンだろ、一気に力抜けた)
上条「吹寄ってけっこう堅いけど頼りになるな」コソ
百合子「ふぶき?」
上条「ノートのコピーとってくれた人」
百合子「そォいや名前聞いてなかったな……」
上条「入学式の日もさ、遊びに行った時中心になっていろいろ仕切ってくれたから助かったんだぜ」
百合子「へェ、こンだけの人数を初日からまとめるとは根性あるじゃねェか」
上条「根性? 鈴科って熱血系?」
百合子「あ、いや……知り合いの口癖が移っちまっただけだァ」
上条「ほー、今時珍しい」
百合子「ただの変人だがな」
上条(鈴科も十分変人だと思うけど……)
青ピ「嫌やわカミやん、また自分だけ抜け駆けかいな」
上条「そういうんじゃねぇよ」
青ピ「じゃあボクがアタックしてもいいんやね!」
百合子「あ? 喧嘩なら買うぞォ?」
青ピ「そういうんちゃうよー」
土御門「そもそも今彼氏とかいないのかにゃー?」
百合子「かれしだァ? いるわけねェだろ、見てわかンねェの?」
青ピ「えー、ユリにゃん綺麗やし、彼氏の一人や二人や十人いてもおかしゅうないわ」
百合子「普通、彼氏って一人だろ……? 俺の知識が間違ってンの?」
上条「普通はな……っていうか十人って多すぎだろ、もはやキープじゃん」
土御門「むしろ貢がせてる可能性も……我儘なお姫様みたいな!」
青ピ「昼食のパン貢ぐから付きおうてユリにゃん!」
百合子「付きあうって……なンか用があるわけ?」
青ピ「用っていうか、告白?」
告白[名]
1 秘密にしていたことや心の中で思っていたことを、ありのまま打ち明けること。また、その言葉。
2 キリスト教で、自己の信仰を公に表明すること。また、自己の罪を神の前で打ち明け、罪の許しを求めること。
百合子「犯罪の告白かァ?」
上条「青ピ……とうとう前科者になっちまったのか」
青ピ「違うわ! ユリにゃんなんか勘違いしてへん? だから、好きだから付きあおうってことなんやけど……」テレテレ
百合子「ああ、そういう……初日にちらっと話しただけだろ、好きも嫌いもあるか」バッサリ
土御門「盛大に振られたにゃー」
青ピ「ここから挽回すればええんやろ!」
上条「純粋な鈴科は汚れてる青ピにはあげませーん」
青ピ「お父さんポジションはずるいでー」
土御門「お義父さん、どうか娘さんを俺にください!」ハイ
上条「眠いんじゃなかったのか?」
土御門「仲間はずれにされそうだったから、つい」
青ピ「はー、彼女ほしいわぁ」
百合子「彼女って、別に俺じゃなくてもいいンだろ? 顔は悪くねェンだし頑張れよ」
青ピ「……」ポカーン
百合子(あれ、俺なンか変なこと言ったか?)
青ピ「聞きましたか皆さん! ユリにゃんがボクのことをイケメンと……!」
上条「そこまで言ってないからな」
百合子「それだけポジティブなら彼女くれェ作れるだろうに」
土御門「それが別のベクトルで発揮されてるからにゃー」
百合子「っ……」
青ピ「どうかしたん?」
百合子「なンでもねェ」
百合子(突然ベクトルとか言うからびびっただろォが……)
キーンコーンカーンコーン
小萌「はーい、授業を始めるので静かにしてくださいねー!」
うおリアルタイム遭遇すぎて先走った
>>99 一旦区切りだから大丈夫です
書き溜めだったりだらだら書きながら投下だったりまちまちですいません
とりあえず青ピをぬけよろこびさせて落としたかっただけなんだけど気づいたらかなり長くなってた…
>>100
んじゃ改めて乙
好きに書いてくれていいのよ
先走り液が出た?(乱視)
吹寄ってふきよせじゃなかったっけ?
百合にゃんの聞き間違い?ハァハァ
この百合子がかわいすぎて胸が苦しい
今からこもえてんてーの
家庭訪問に胸あつに
なってますわー
どうする百合子
土御門は百合子の正体知ってんのかね
なんだこの天然子悪魔は…
>>101 ありがとうございます
>>102 かうpうわ何をするやめ
>>103 おっと間違えてた…すみません、脳内補完お願いします
>>104 ありがとうございます、百合子ちゃんprpr
>>105 カオスなことになりそうな予感
>>106 あとに本編で言及すると思いますが、一方通行=鈴科百合子ということは知らないということでお願いします
>>107 アルビノツンギレ天然小悪魔系天使です!
「パーソナルリアリティというのは自分だけの現実という意味で――」
朝の日差しを感じる。
ずっと研究所の中にこもっていた頃は感じることのできない温もりである。
心地よいまどろみに、教鞭に立つ教師の幼い声が子守唄のように聞こえてきた。
(……寝てる奴はいねェなァ)
周りがきちんと授業を受けているのに寝るのはまずいだろう、と一応自制をかけてみる。
一応初日であるし、ただでさえ休んだ分目をつけられているのだ。
だが睡魔は少女の脳を覆っていく。
かくりと、あごを支える手から頭が落ちそうになった。
「鈴科」
小さい声。
自分の名を呼ぶのは誰かと、声の方向へ首を回す。
隣の席に座るツンツン頭の男が、ノートの切れ端を差し出してきた。
疑問に思いながら受け取る。
眠いのか?
一言だけ書かれたそれに、百合子は首を傾げた。
眠いか、と問われれば眠い。
しかしこの紙切れは一体どういう意味があるのだろうか。
授業中にこっそりと雑談の書かれた紙切れを渡す――つまるところ、彼も授業が退屈なのか?
どうしたものかと上条のほうを向くと、彼もまたこちらを見ていたようだ。
視線が合う。
すると、上条の視線は紙切れに向いた。
あいにく学校にほとんど登校することのなかった百合子にとっては彼の行為の意図がわからなかった。
(……まさか、メールの代用? 手紙ってことかァ?)
ふと、可能性に思い至る。
授業中に携帯を出してメールをするよりは、ノートを広げる机にあってもさしておかしくないノートの切れ端のほうが自然だ。
なるほど、学生の暇つぶしの手段だったのか。
答えを導き出せたことに満足し、上条から渡された紙の空きスペースに返信を書き始める。
ねむい
ひらがなで書かれた単語は、几帳面そうな綺麗で小さな文字だ。
上条の男らしいといえば男らしい、大きい字とは対照的である。
小萌の目がこちらを向いていないことを確認し、百合子は紙を元の持ち主へ渡した。
上条は手元へ帰ってきた紙を見ると、顔を緩ませた。
たった一言「ねむい」とだけ書かれたそれは彼女を表すかのような綺麗な文字だ。
自分の文字と並んでいるのがなんとなくおかしい。
さらに紙切れに文字を継ぎ足す。
(そういえば、こういうやりとりを女の子とするのは初めてだな)
もしかしたら、彼女が"女の子"という感じがしないからかもしれない。
彼の中では女の子というのは可愛らしくファンシーで、ふわふわしていて甘いという認識があった。
百合子の姿は見ていると不安になってくるようなか弱い体でありながらその目はひどく鋭く、瀕死ながらなおも戦おうとする野生生物のようだ。
それが女の子どころか人間に対するイメージとしていいものではないだろうが。
書き終わりペンを置いた。
紙を渡そうと、振り向く。
(……寝ちゃったのか?)
赤い瞳は白い皮膚に覆われて見ることはできない。
開いた窓から風が入ってきて、彼女の髪の毛を揺らした。
一枚の絵のようだ、と上条は思い、見とれる。
ありふれた言葉だが、今の状況にふさわしい。
入学式のときも確か彼女は眠たそうだった。
人前でこれみよがしに寝るとは、まるで猫のようだ。
「……なに、見てンだよ」
不意に口が動いて小さな声が聞こえた。
どうやら起きていたらしい。
タイミングよく授業の終わりを告げる音が鳴った。
「はい、今日はこれで終わりです! さっき言ったところが宿題なので次の授業までにしてきてくださいねー」
しまった、話を聞いていなかった。
「すまん鈴科、宿題ってどこだった?」
「落書きに集中し過ぎじゃねェのか」
百合子が呆れたように教科書を見せた。
「このページ」
指されたページを見る。
しかし、視線は彼女の白く細い指に集中してしまう。
「折れそうだな」
「は?」
「指」
「……バカじゃねェの、そンな簡単に折れるか」
そう言いながら百合子は手を上条に差し出した。
「人間の体っつーのは頑丈にできてンだぞ?」
挑発するように言う。
上条はそっと、割れ物を扱うかのようにその指に触れてみた。
「ちゃんと食べてるのか?」
「……食べてますゥ。保護者みてェなこと言うなよ」
「細いし、白いし、俺の手と比べたらすごく違うな」
「能力のせいで日焼けとかはしねェし……でも、オマエの指、いいなァ」
「いいって?」
「なんつゥか、ごつくてかっこいい」
熱に浮かされたように百合子はほどよく日焼けした指を見ながら言う。
「なァ、触ってもいいか?」
「あ、あぁ……」
自分の指を触らせるときは何も言わなかったくせに。
自ら動くときはやけに消極的だ。
許可をとると、目を輝かせるようにして上条の指を触り始める。
「すげェ、ごつごつしてて太い」
「鈴科の手ってお箸より重いものは持ったことがないって感じがする」
「なンだそれ」
彼女の目はじっと上条の指を捉えて離さない。
なんだか蛇に睨まれた蛙のような気分になってきた。
そのうち手に噛み付きそうなほどの気迫を感じる。
「ラブラブしてるんですかにゃー、カミやーん?」
「ずるいわー」
割りこむように入ってきた声に上条ははっとした。
しかし依然と百合子はぺたぺたと手を触り続けている。
「あー、鈴科、そろそろ離してくれないか?」
「ン……すまねェ」
恐る恐る告げると、あっさりと手放した。
ずいぶん興味ありげに見えたがそうではないのだろうか。
いまいちわからない。
「カミやんみたいな手が好きなのか?」
「好きってェか、似てるンだよなァ」
「誰に似てるん?」
「……さァ」
百合子の頭に、嫌な顔をして笑う保護者の姿が思い浮かんだ。
スキンシップをとらせたくなる病
しばらくはほのぼの日常を続けたいと思います
あれ、とあるって授業中ノートって使ってたっけ?って書き始めてから考えたのは内緒です
>>118
それはラッキースケベフラグ
が…
もうイチャイチャしとる…
乙!
とあるは授業中ノートも使うし、読書感想文は原稿用紙に書くよw
意外と学園都市の学生生活はアナログが残ってる
青春ってやつですなぁ
いくら突き出されてても、触っていいともはっきり言われてないのに、恋人でもない女の子の指を触るとは
ずいぶんなナンパ野郎やないの自称不幸野郎 けっ
それはそうと、そんな感じで色々ガードが緩い百合子たんかわかわ
>>119 そりゃフラグ建築士ですからね…
>>120 傍目から見ると恋人です本当に有難うございます
>>121-122 教えてくださってありがとうございます
>>123 青春っぽさを感じていただけると幸いです
>>124 ずかずかと他人の領域に踏み込んでいけるからこそのカミジョー属性だと思ってます
本当は極端に他人との接触を拒む描写にしようと思っていたのですが、手っ取り早く距離を縮めたかったのでノーガード百合子ちゃんになりました
投下していきます
キーンコーンカーンコーン
小萌「それでは授業を終わりまーす」
土御門「やっとお昼だぜーい」
上条「俺、売店いってくるわ」
青ピ「いてらー……あれ、ユリにゃんどこ行ったん?」
土御門「授業終わってすぐ教室出て行ったみたいだにゃー」
青ピ「食堂で食べるんやろか」ガサガサ
土御門「お、それ新作か? ちょっと分けてくれてもいいんだぜい」
青ピ「今日のメインなんやから勘弁」
土御門「先っちょだけ! 先っちょだけでいいから!」
青ピ「一口だけやで? ほい」
土御門「さっすが話がわかる」ハグ
青ピ「ちょっ、多すぎやろ!」
土御門「一口は一口でふー」モグモグ
青ピ「つっちーの弁当よこし!」
土御門「舞夏の弁当は誰にもやらんぜい!」
青ピ「人のパン半分も食ってもうてよう言えるな!」
ギャーギャー
吹寄「食事の時間ぐらい静かに食べなさーい!」
青ピ「は、はい」
土御門「ごめんなさーい」
廊下
上条(パンちょっと買いすぎたかも……あ、自販機で牛乳買わねーと)テクテク
上条「あれ、鈴科?」
百合子「ン?」ピッ
上条「昼休みすぐ出て行ったと思ったら飲み物買いに来てたんだな」
百合子「コーヒー買いにな」ガコン
上条「昼飯はパンなのか?」
百合子「いや、これだけ」ガタン
上条「ちゃんと食べないとからだに悪いぞ?」チャリンチャリン
百合子「別に、一日に必要な栄養はどうにでも補えるからなァ」
上条「食べるっていうのは人生の楽しみでもあるんです、そんな不健康児鈴科さんには上条さんのパンをわけてあげませう」ピッ
百合子「いらねェよ……持ってるの菓子パンばっかじゃン」
上条「菓子パンだめか? ああ、甘いの苦手だったっけ」ガコ
百合子「一食くらい食べなくても死ぬこたァねェし」
上条「だーめ。少しでも腹に入れといたほうがいいって! それにたまたまパン多めに買っちゃったから」バタン
百合子「俺を残飯処理に付き合わそうってェのか」
上条「食べようと思えば食べれますー。鈴科のコーヒーブラックだし、多少甘いのでも大丈夫大丈夫」
百合子「むしろ苦いの飲んだあとだと余計甘く感じるだろ」
上条「逆も言える」
百合子「……ちょっとだけならもらってやるよ」ハァ
上条「交渉成立! 教室で食べるんだけど鈴科も来るだろ?」
百合子「別にどこでもいいけどよォ。普通はどこで食べるンだ?」
上条「んー? 食堂あるしそこでも食べれるな。今日は売店でパン買ってきたから教室だけど」
百合子(食べ物を持ち込む場合は教室で食べるのか)フム
上条「屋上も開放されてるらしいが、行ったことはないな」
百合子「屋上?」
上条「最近はあったかいし天気もいいし。今度上で食べてみるか?」
百合子「どこでもいいってェの」
上条「行ってみたいくせにー」
百合子「頼ンでねェよ」
上条「鈴科は淡白だからな、興味を示したものは割りとわかりやすいぞ」
百合子「……あっそ」
上条「まだ風寒い時もあるからもうちょっとあったかくなったら行ってみような」
ガラッ
青ピ「カミやん遅い……って、また鈴科さんとおるし!」
土御門「捕まえてきたのかにゃー?」
上条「おう、自販機のとこにいたから」
百合子(なンで皆机ひっつけてンだ? ……食べやすようにってところか?)キョロキョロ
青ピ「どうかしたん?」
百合子「……案外教室にいる人が少ないと思ってな」
土御門「食堂で食べる奴らが多いからにゃー」
百合子「ふゥン」
上条「鈴科も座れよ」ガタガタ
百合子「ン」
上条「えーっとこの中で甘くなさそうなのは……きなこクリームパン?」
百合子「どういうチョイスしてンだ」
土御門「カミやんと分けるのか?」
上条「鈴科が昼飯抜こうとしてたからさ。ちょっと多めに買ってたし」
百合子「俺は別にいらねェンだけど、こいつがうるせェからなァ」
土御門「ダイエット?」
百合子「さすがにこの体でダイエットしようたァ思わねェ……単に腹減ってねェだけ」パキン
青ピ「ユリにゃんはコーヒーはブラックなんやね」
百合子「甘いもン飲むようなガラじゃねェし」ゴクゴク
土御門「きなこってコーヒーと合わなさそうだぜな……」
上条「あ、そっか。じゃあチョココロネのほうがいい?」
百合子「あー、じゃそっちで」
青ピ「ボクもパン何個かあるから、たまごサンドいる?」
百合子「コロネよりはよさそォだな」
上条「サンドイッチ1個じゃ少ないからコロネも食べとけって」
青ピ「そうそう、どっちも食べたらええやん」
百合子「……明日、お返しになンか買ってくるわ」
青ピ「気ぃ遣わんでもええんやで?」
上条「そうだよ、俺達がやりたいだけだから」
土御門(エサ付け?)
土御門「でもそれだけだと栄養偏るから、俺のポテトサラダもあげるにゃー」
百合子「いや、いらねェよ」
青ピ「ボクには一口もくれんかったくせに」ジトー
土御門「青ピにはパンがあるだろ。箸反対使ってくれていいぜい」ヒョイ
百合子「だからいらねェって……」
土御門「おいしいから、な?」
百合子「……イタダキマス」モグ
土御門(押しに弱い、と)
百合子「悪くねェな」モグモグ
土御門「舞夏の手作りだから不味いはずがないぜい」ニカ
土御門「義理の妹、メイド学校に通ってるんだにゃー」
青ピ「なんやと! 義兄さん、妹さんをボクに!」
土御門「やるわけないだろ!」
上条「メイド学校か……すごいな、さすが学園都市」
百合子「メイド学校っつゥと繚乱家政女学校あたりか?」
土御門「そうですたい」
青ピ「スペシャリストを育成するっちゅー名門のメイド養育施設やないか!」
上条「そんな妹さんがいるとは……羨ましい! メイドさんにご奉仕されたい!」
土御門「舞夏は俺のものだがな」
青ピ(つっちーが一瞬)
上条(マジの顔だったような)
百合子「……コロネあっま」ムグ
お昼休みの風景をお送りしました
ところどころミスが見られますが脳内補完お願いします
あとBGM聞きながら書いてるのですが、もしよければおすすめの青春っぽい曲を教えて下さい
乙
青春狂騒曲とか
乙!
何か食ってる百合子ってどうしてこんなかわいいんだ
>>135の最初ミスって一行入れてなかったです
百合子「まいか?」
土御門「義理の妹、メイド学校に通ってるんだにゃー」
となる予定でした
>>137-138 ありがとうございます、作業用BGMに追加しました
>>139-140 そういえばどういう食べ方してるか描写してなかったことに気づいた!
ちょろっと追加
百合子「……」クピクピ
土御門(両手で缶コーヒー飲んでる……)ククク
青ピ「なに笑ってるん?」
土御門「んー?」チラ
百合子「?」クピクピ
青ピ(ああ、なるほどなぁ)ニヨニヨ
百合子「なァ、このサンドイッチどこに売ってあるンだ?」モグモグ
青ピ「ボクの下宿先パン屋なんやけど、そこのパンやで」
百合子「へェ、場所教えろよ」モグモグ
青ピ「じゃあ今日の放課後にでも寄ってみいひん?」
土御門(あけすけだにゃー)
「俺の部屋2階なんだ。上がってけよ(キラッ」
百合子「いいのか?」
青ピ「もっちろんー」
土御門「俺も行きたいにゃー」ズイ
上条「じゃあ俺も用事ないしついていくー」
青ピ「男はいらんわー」
土御門「仲良くなりたいのはお前だけじゃねーんだぜい」
上条「そういや鈴科って食べ物両手で持つんだな」
百合子「あァ?」
上条「だって、コーヒーも両手で持ってたろ?」
百合子「ふゥン? 意識してねェからよくわかンねェ」モグモグ
上条「口小さいからちびちび食べてるし、なんかリスみたいだな」ニヘ
土御門(カミやんのフラグ体質きたー)
青ピ「カミやんの女たらしぃ!」
上条「いきなりどうした!?」
土御門「堂々と口説くとはやりおるぜい」
百合子「いや口説いてねェだろ……それに齧歯類と一緒にされてもなァ」モグモグ
青ピ「齧歯類て……普通、そこは顔を赤らめるところやない?」
百合子「どこに赤らめる要素があるかわかンねェよ」
土御門「こりゃカミやんでも一筋縄ではいかんにゃー」
上条「だから何のことか上条さんにわかりやすく教えて下さいよ」
>>144 関西弁忘れてますよ!
上条さんと百合子ちゃんで鈍感天然コンビ
相性がいいのでとても書きやすいです
親子みたいな安心感がある…ラッキースケベを除けば
土御門は甘やかし役、青ピは変態枠?
いまさらだけど青ピのユリにゃん呼びってどうなんだろうか
自分で書いてて恥ずかしくなってくるというね
おやすみなさい
乙
小動物な百合にゃんかわいい!
お持ち帰りしたい!
乙
青ユリ見てて楽しい
デルタにちやほやされてる百合子かわいい
初代上条さん生存ルートならいいんだけどなぁ……またインちゃんが叩かれるよ……
インちゃんと百合子は仲良くなれそうだけどなぁ……
大天使百合子ちゃんがきっとなんとかしてくれるよ
もしかしたらイカつい人相最悪なオッサンかもしんないけど
そろそろ木原クンをだな・・・
てかインサンとアクセラは仲は
いいやろ…
とりあえずお姉さん枠は
むぎのんを推薦するわwwww
>>148 百合子ちゃんは動物で例えると猫か兎でしょうかね?
>>149 ありがとうございます
>>150 どちらかというとなつかない野良猫にちょっかい出してるような感じ?
>>151 白白コンビ大好きです
>>152 百合子ちゃんと神裂さんで格差社会の縮図を垣間見ることが…
>>153 本格的に絡んでくるのはもうちょっと後になりそうですが、ちょいちょいネタは挟んでいきたいと思います
>>155 きっと下ねた関連を教えたのもむぎのんだね!
今回も展開遅いです、投下
百合子「……」モニョ
上条「鈴科、また眠いのか?」
百合子「ンー、食った後は眠くなる」
土御門「わかる」
青ピ「昼ってなんで眠ぅなるんやろな」
上条「あ、宿題やってねぇ」
青ピ「してないんかい」
上条「うっかり忘れてた……」
土御門「そろそろ昼休み終わるぜい?」
上条「見せてください!」
青ピ「ただで見せるわけにはいかんなー」
上条「ジュースおごるからさ」
青ピ「ドトールのケーキセットくらい奢ってえや」
上条「高くないっすか!?」
土御門「カミやん、タイムオーバーだにゃー」
キーンコーンカーンコーン
百合子「……」スースー
小萌「では授業を始めますよー!」ガラッ
上条「げっ」
小萌「それではさっそく宿題を提出してもらいますね! してない人は居残りでーす」
青ピ「あー、忘れてくればよかったわぁ」
上条「不幸だ……」
百合子「……」スヤスヤ
土御門(堂々と居眠りか……)
小萌「後ろから集めてくださいー」
土御門「せんせー、宿題忘れました!」
小萌「じゃあ土御門ちゃんも居残りでーす」
上条「仲間がいた……!」
小萌「上条ちゃんも忘れたんですかー?」
(兎さン、真っ赤な兎さン)
「いいモルモットを手に入れましたね」
「あぁ、もしかするとレベル5に到達するかもしれない……より研究資金も潤沢するだろう」
「投薬の甲斐あって命令に逆らわなくなりましたし、これで心配はなさそうです」
「ああ、そういえば実験動物を殺すのをためらっていたんだったな」
「実験動物が実験動物に情けをかけるとは、実に面白い話ですよ」
(百合子も、あの兎さンと同じ――じっけンどうぶつ)
百合子「……」ハッ
小萌「では次のページにいきますー」
百合子(……授業、始まってたのか)
上条「……」グー
百合子(こいつも寝てるし)
小萌「あ、上条ちゃん! 寝ちゃダメなのですよー! 鈴科ちゃん、起こしてあげてくれますか?」
百合子「……はァい」(もう少し起きるのが遅かったら危なかったな……)
上条「刀がぁ……露出狂……」ムニャムニャ
百合子「どンな夢見てンだよ……起きろ、上条」
上条「うん? あれ、すずしな?」ボケー
小萌「上条ちゃん、宿題を忘れた上に居眠りするなんて……そんなに先生の授業がつまらないんですかー!?」
上条「そういうわけではっ」
小萌「もう、昼休み後で眠たいのはわかりますがしっかりしてくださいね」
上条「はい、すいません……」
百合子(俺も寝てたのになンか悪ィ気がしてきた……)
キーンコーンカーンコーン
小萌「ああ、終わっちゃいました……続きはまた次回にします。お疲れ様なのです!」
ザワザワ
小萌「鈴科ちゃん、放課後時間ありますか?」
百合子「ありますけど……」
小萌「休んでた分の補習をするので放課後残ってもらっていいでしょうか」
百合子「あァ、はい」
小萌「上条ちゃんももちろん補習ですからね!」
上条「わかってます!」
これはつっちーの
フラグ潰しの策か
かんざきかおりさんじゅうはっさいwww
木原くンは部下の教育ちゃんとしといてください
天使を実験動物呼ばわりとか許されざる事ですよこれは
>>164 まあ百合子ちゃんにはフラグ立ちませんけどね…
>>165 神裂さん可愛いじゃないですか! 年増可愛いじゃないですか!
>>166 わかりづらくてごめんなさい、木原くんと無関係の研究者のつもりです
当SSの百合子ちゃん経歴
5歳?:能力の発現(なんの能力かわからないためレベル測定が行えず、ここの時点で反射が確認される)
9歳?:研究所をたらい回しにされるが、能力の全容は明らかにされず。また能力がわからないため測定もされていない
10歳?:木原くんに引き取られる
10+α?歳:木原くんが「ベクトル操作」の能力だと結論付け、ようやく測定によってレベル5だと判明する
全て「昔の記憶」くくりとしてきましたが、今後はわかりやすいようもう少し細分化して書きたいと思います
百合子は補習を終え、早々に教室から出てきた。
高校どころか大学で習う範囲などとうに終えている彼女にとっては復習でしかないため、時間はさほどかからない。
問題は宿題を忘れた二人であろう。
補習の最中も何やら騒がしかったような気がするが。
「お迎えに上がりました」
黒塗りの高級車が校門前で待ち構えていた。
寄り道をさせる気はないらしい。
運転手に促されるまま車内へ入る。
「……なンでここに、オマエが」
予想外の人物が座席に座っていた事にわずかに瞠目する。
広い車内は後部席の2列が対面式になっており、その人物は百合子の座った向かいに陣取っていた。
無表情で某チェーン店で買ったであろうハンバーガーを貪りながら、口を開く。
「おかえりなひゃい、あくしぇられーた、と、みしゃかはあいしゃつしまふ」
車が、走りだした。
「しかしジャンクフードとはなかなか美味しいものなのですね、とミサカは満足気に言います」
口の端についたソースを拭きながら、少女は淡々と表情を変えず話し始める。
「誰に買ってもらったンだ」
「天井研究員です」
「へェ、そりゃ随分気前がいいなァ」
「あなたが妹達の願いを聞くようにと彼に言い含めているのでしょう、とミサカは指摘します」
「知ってたのか」
「他の研究員が話しているのを聞きました」
一方通行が実験に協力する対価として、実験の責任者である天井にいくらかの条件を出した。
その一つが、「実験動物である妹達の要求になるべく答えること」である。
もとは欲求がほとんどなかった妹達も少しずつ自我というものが芽生え始めたらく、最近では天井が忙しそうにしていたのを思い出す。
「おもしれェだろ、自分が創りだしたものに振り回される研究者なンて」
「おもしろい、ですか?」
「自分より下だと思ってる存在に、モルモットにいいようにされて笑っちまうってことだ」
「そういうものなのでしょうか……ミサカにはわかりかねます」
「で、何の用だ?」
少し、間。
ハンバーガーを包んでいた紙をぐしゃりと丸めると、泳がせていた視線を百合子に戻した。
「……いえ、特に用という用はありません、とミサカは正直に答えます」
「はァ?」
用なく、自分を殺す相手に会いに来たというのだろうか。
そんなわけがない。
一体どういう意図があるのか見極めるべく、百合子は対面する少女の話に耳を傾けることにする。
「ああ、強いて言えばあなたの制服姿を見に、でしょうか」
「自分が何言ってンのかわかってますゥ?」
「いつもミサカたちと接触するときはファッションセンスの欠片も感じられないTシャツとズボンではありませんか、とミサカは一方通行の普段着を思い浮かべます」
「そーか、今すぐ殺されてェのか」
「ミサカジョークです、とミサカは冗談であることを示します」
「ジョーク、ねェ」
笑えないジョークだ。
ミサカジョークなどというネーミングセンスも、"いつも殺されるとき"の格好をネタにすることも。
目の前のクローンが何を思ってそんなことを言っているのか、理解できない。
否、何も思っていないのかもしれないが。
「最近ではテレビや雑誌等から様々な情報を取得することができるようになり、学習装置で覚えた以外の知識も豊富になってきました」
「ですが、とここでミサカは疑問を感じます」
「このようにミサカたちが欲求を満たすということはすなわち、自我の発達を促しているということです」
「オマエらも最近は実験中の行動、表情にわずかながら変化が出てきたよなァ」
ここ数日の妹達の様子を思い浮かべてみると、あきらかに初期よりも表情が顕になってきたことが伺える。
特に一昨日の個体などは中々おもしろい悲鳴をあげていた。
「ではなぜあなたはミサカたちに自由を与えようとするのでしょうか」
「はァ、自由?」
「本来ならば研究所の一室で管理され、他のことを知るべくもないミサカたちにあなたは人間らしい行動を取らせようとしていますね」
「クローンが人間らしい行動だなンてそれこそ"ミサカジョーク"だな……天井に嫌がらせしてェだけだ、ちっとは黙ってろ」
よくよく考えてみたら一方通行ってガキの頃から14さいの形した実験動物ころしてたんだよな
「ジョークにもなりませんね、一方通行。いえ今は鈴科百合子、でしたか、とミサカは訂正します」
「オマエがその名前で、呼ぶな」
睨みつけるが、相変わらずクローンは顔色を変えず百合子を見つめている。
「なぜ、呼んではいけないのでしょうか、とミサカは質問します」
少女は身をずいとこちらに寄せた。
その目がいつもガラス玉のように薄暗く光を反射するだけの色とは、少し違う気がする。
「ミサカたちが、ただの実験動物だからでしょうか」
「……どう答えれば納得する?」
「愚問でしたね。ですがあなたのことを知りたいと思うのは、おかしいことでしょうか」
――ああ、そうだ。
――この目に宿っているのは"意思"の色だ。
「……あァ、オマエはイカれてるよ、モルモット」
「……そう、ですね、ミサカは少しテレビに影響されてしまったようです、とミサカは貴方の言葉に頷きます」
百合子の答えに、その目はただのガラス玉へ戻った。
いけないものを見てしまったような、そんな気持ちになる。
百合子はバツが悪そうな表情で、クローンから顔を背けた。
「オマエらが何を知ろうと関係ねェがな、俺に絡ンでくんな」
百合子の拒絶する言葉に、少女は言葉を紡ごうと息を吸う。
しかしタイミング良く(悪く)、タイヤが擦り切れるような音とともに車にブレーキがかかった。
外を見れば妹達を保有する研究所のそばらしい。
「それでは一方通行、また今夜」
ドアを開け、少女が外に出る。
百合子はそれに返事ができない。
「お待ちしております、とミサカは」
バタン。
百合子は彼女の言葉を最後まで聞くことなく、外との繋がりを切った。
――あなたのことを知りたいと思うのは、おかしいことでしょうか
「あは、」
自分よりもぜんぜん普通の人間らしい思考ではないか。
制服を着ている自らの体を見る。
嗚呼、なんとこの白い肌に似合わないことか。
あのクローンの最後の発言からして、十中八九今日実験に使われるであろう個体だろう。
(実験動物風情が、人間の真似事をしやがって)
そっと、引きつる頬を手で覆った。
どこまで実験はすすんで
るんだろう…
イイトコロナイノ? ア、イッコダケアッタ
木原「何見てんだ?」
百合子「この前の金曜ロードショー」ボリボリ
木原「ソファーに寝転びながらポテチ食うな」
百合子「あとからクズは掃除するからいいもン」パリ
木原「っつーかそれ俺が買ってきたやつだし」
百合子「はァ? しょうゆ味は違ェだろ、いっつも塩味じゃン」
木原「間違って買ったんだよ」
百合子「そういやこの前俺が買い置きしてたじゃがりこ食ってたろ」パリパリ
木原「あ? 俺じゃねぇよ」
百合子「オマエ以外に誰が食べるンですかァ?」パリパリ
木原「知るか、いいからポテチ寄越せ」
百合子「無理」パリパリ
木原「無理じゃねーよ、そろそろ禁断症状出るからマジで」
百合子「塩味でも買ってこい」
木原「たまにはしょうゆ食いたくなる」
百合子「あァ、わかるわそれ。でもやらねェ」パリパリ
木原「このクソガキ……」ピキピキ
百合子「ぎゃは、怒っちゃったァ?」ニヤニヤ
木原「これくらいで怒らねーし、お前とは違って」
百合子「どういう意味だァ」
木原「そのままの意味だ、牛乳でも飲んでろ。そして溺死しろ」
百合子「言っとくがカルシウムとってもキレ症は治ンねェぞ」
木原「自覚あったのか」
百合子「オマエほどじゃないけどなァ」パリポリ
木原「いいからポテチ」
百合子「……そンなに必死になっちゃって、哀れだわ」パリパリ
木原「ぶっ殺すぞ」
百合子「はいはい、くれてやるよ」
木原「上から目線がムカつく。おい、ソファー詰めろ」
百合子「テレビ見るのかよ」モゾモゾ
木原「最近忙しかったからよぉ、テレビ見る暇もなかったっつーの」ドサ
百合子「オマエが無理矢理実験詰め込んだせいでな」
木原「なんのことか知らねーな」パリパリ
百合子「お陰で第二位にも会っちまうわ散々だったわァ」
木原「あぁ、そうなるように調整したからな」パリパリ
百合子「……ほンとにブチ殺してェわ」
木原「お互い様だろ」パリパリ
木原「……なんでわざわざあの高校に行った?」パリ
百合子「はァ?」
木原「反抗期なのは構わねぇが上に言い訳するのも大変だったんだよ」
百合子「上層部には逆らえねェもンな、あっは」ケラケラ
木原「うるせー、テレビの音聞こえねぇだろ」
百合子「別に理由なンざねェけどよ、おじょーさま学校なンて堅苦しいのはごめンだったってだけだ」
木原「わざわざ、レベル1だと偽って入学するほどの理由か?」
百合子「レベル5として表に出れるような人間でもねェだろ」
木原「どっちにしろ制限は設けられることに違いねぇな」
百合子「だったらレベル1だろうが4だろうが変わンねェって」
木原「うまくやってるんだろうな」
百合子「……当たり前だろ」
木原「レベル5の第一位だってバレてみろ、めんどくさいことはお断りだからな」パリパリ
百合子「はァい」
木原「ってか何でわざわざここのテレビで見てんだ」
百合子「家にわざわざ買っても見る時間がなァ」
木原「それもそうだな」パリパリ
百合子「パリパリうっせ」
木原「そろそろ時間だろ、さっさと行けよ」シッシ
百合子「あー、めンどい、行きたくねェ」
木原「不登校児かよ」
百合子「不登校児だ」
木原「いいからさっさと実験行って来い」
百合子「それ見終わっても消すなよォ」
木原「はいはい」
「こんばんは、とミサカは本日二度目の挨拶をします」
「あァ、やっぱ相手はオマエだったのか」
「ミサカの初の晴れ舞台なのですから、前座を用意するのも粋でしょう」
「変わったなァ、オマエ」
「……あなたは変わりましたか?」
「さァ、変わってねェンじゃね」
「それでは規定の時間ですので、始めましょうか、とミサカは時間切れであることを伝えます」
「……オマエは苦しンで死にたいか? 楽に死にたいか?」
「わざわざ聞いてくれるとは、優しいのですね」
「は、殺す相手に言う言葉としては間違ってるぞ」
「苦しんで死にたいです、とミサカは正直な気持ちを吐露します」
「オマエ、イカれてンなァ」
「ああ、それと……あなたの名前は他の個体には伝えておりませんので、ご安心を」
「あァ?」
「ですから、鈴科百合子という名前を知る個体はミサカだけです、とミサカは頬を染めて告白します」
「……始めっぞ」
「せっかちなところも――」
(……あなたは人の話を遮るのが好きですね、とミサカは )
『本日の実験を終了します。お疲れ様、一方通行』
研究員「あれ、木原さん録画消しちゃうんですか?」
木原「あ?」ポチ
研究員「さっき一方通行と会話していた時、消さないように言われていたのでは……」
木原「アイツが嫌がることをしないわけがねぇだろ」ニヤニヤ
研究員「はぁ……」
木原「つーか何聞いてんだよ、プライバシーの侵害だぞ? 殺されても文句は言えねぇな」
研究員「えー、殺さないでくださいよぉ」
木原「わかったら一々口出ししてくるな」
研究員「ところで一方通行と普通に接していましたよね、いつもはほとんど接触したがらないのに」
木原「んー、いや、アイツが別のことに気が向いてる時じゃねぇとな……」
研究員「はぁ」
木原「……つーか何言わせてんだぁ!」
研究員「木原さんが勝手に話したんじゃぶへっ」
木原くんと百合子ちゃんの理想的距離感とか欠陥百合が書けて満足
このまま進むと妹達と一方通行の関係は原作通りにはならなさそうです
どうでもいいですが某携帯会社のツートップCMを一方通行とていとくんで想像するとニヤけます
あの曲かっこいい
乙ー
ていとくんはいっつーさんが百合子ちゃんなの知ってるのかな
乙
木原くんの嫌がらせの度合いが小学生のアレだな
欠陥通行はいいなぁ
>>168
ああ、ハンバーガー食いながらだったのか
一瞬8251号かと思って超ビビった
乙
二人が並んでテレビ…
シュールだわ
>>187 どうなんでしょうか…百合子ちゃんの苦手な人物、というところまでしか考えてません。今後出番があるかもわかりません!
>>188 1の頭で考えうる嫌がらせが小学生レベルなんです、ごめんなさい…
>>189 いいですよね!
>>190 意図しなかったといえば嘘になります。地の文よりセリフのほうに目がいきやすいよなーと思いつつ
>>191 お互い何か用事がないと興味ないように装うけど周囲から見ると変なところで仲よさそうに見えるくらいの距離感、みたいな
むぎのんお姉ちゃんポジションというネタで
ピピピ ピピピ ピピピ
百合子「……」モゾモゾ
ピピピ ピピピ ピピピ
百合子「ンー……」オトハンシャ
麦野「起きろぉぉぉ!」バサッ
百合子「ンァ?」
麦野「さっさと起きて支度しなさい!」
百合子「布団返せよ……」モゾ
麦野「学校行くんでしょ?」
百合子「……あァ、そうだった」
麦野「まったくこの子は……朝ごはん用意してるから、顔洗って来なさいよ」
百合子「ンー」ノソノソ
キュッキュッ ジャー
百合子「……」ジャバジャバ
キュ
百合子「……」フキフキ
百合子「……ン?」
百合子「なンでオマエがここにいるンですかァ!?」
麦野「え、気づくの遅くない?」
百合子「あまりにも自然に起こしに来たからスルーしかけるところだったわ」
麦野「あんた、頭はいいのにたまに抜けてるわよねぇ。トースト焼けたから食べなさい」
百合子「あ、あァ」
麦野「実は木原さんから頼まれて来たの」
百合子「頼まれて?」モソモソ
麦野「昨日は寝るのが遅かっただろうから時間通りに起きるか心配だったみたいよ」
百合子「余計なことを……」ボソ
麦野「案の定、起きてなかったわけだけど?」
百合子「う……ありがとうございまァす」モソモソ
麦野「……木原さんに直接言ってあげたら」
百合子「アイツに感謝はしてねェよ」ゴクゴク
妹に円周を出そう(提案)
麦野「相変わらずね、あんたたち。見てるこっちが心配よ」ハァ
百合子「あっちが先に避け始めたンだしィ」ムス
麦野「何年前のことよ……お互い避けてるんだから救いようがないっつーの」
百合子「俺は避けてるつもりない」モソモソ
麦野「……相変わらずね、その食べ方も」
百合子「も、ってなンだよ」モソモソ
麦野「さぁ、学園都市で一番の頭で考えてみたらどうかにゃー?」
百合子「うざってェ」ゴクゴク
麦野「朝から缶コーヒーなんて不健康な」
百合子「健康も不健康も俺にはねェよ」
麦野「食べ終わったんなら早く着替えなさいよ」
百合子「言われなくても。ってかオマエ学校は?」
麦野「私? あんたと違ってコミュニケーション能力に問題はないからねぇ」
百合子「……」
麦野「本当は仕事があるから行ってないだけ、そんな怖い目しないでちょうだい」
百合子「ふン」
麦野「それじゃああんたの世話も終わったし帰るわ……ふぁー」ネムネム
百合子「帰って寝るのか?」
麦野「ん、昨日徹夜だった」
百合子「そりゃおつかれさン、またなァ」
麦野「また気が向いたら朝起こしに来るわ」
百合子「来なくていいですゥ」
麦野「はいはいツンギレ」
百合子「ツンギレってなンだ?」
麦野「さあ、第二位の受け売り」
ガラッ
吹寄「あ、おはよう、鈴科さん」
百合子「おは、よう」ビク
「おはよー」「おはよう、鈴科さんー」「おはようー」
百合子「……おはよォ」
吹寄「一時限目から体育だけど着替え持ってきた?」
百合子「あァ、持ってきた」
吹寄「女子は空き教室で着替えるから、後から案内するわね」
百合子「ン」
百合子(男女別に着替えるのかァ……研究所じゃ一緒くただったから、俺は気にしねェんだけど)
「入学式のときから思ってたけど鈴科さんって髪も肌も白いよねー」
「白兎みたい、目が赤くて綺麗!」
百合子「そォか……?」
「それにすっごい細いし羨ましいなー」
「たしかに、ちゃんと食べてる?」
百合子「筋肉とかつきづらい体質だから……」
吹寄「拒食症とかじゃないわよね?」
百合子(よく知らない人と話してるなンて、変な感じだ)ムズ
百合子「たまに朝とか昼抜くけど割りと食べる方だと思う」
「食べてこれ……?」
「人間の体の神秘ってやつね……」
百合子「えっと……」
吹寄「ああ、突然ごめんなさい。昨日は三バカとばかり話してたから話しかけづらくて」
百合子「三バカ?」
吹寄「上条たちのこと」
「あの3人居残り常連だから三バカ」
百合子「あー、なるほどォ」
「そろそろ時間だから席戻るね」
吹寄「鈴科さん、移動一緒に行きましょうね」
百合子「……あァ、わかった」コクン
一区切り
そういえば女子と絡ませるの忘れてたなーということで
吹寄さん以外のクラスメイトの名前がわからなくてとりあえず空白
女子生徒Aとかにすればよかったかな?
>>196 百合子ちゃんになつく円周ちゃん…!?
乙
蒸し返す用だけど百合子ちゃんはやっぱり牛乳飲んだ方がいいと思う……主におっぱいのために(ボソッ)
ムサシノ牛乳だね!(アニレーの二年前の固法さんの胸を見ながら)
むぎのんまじオネエサンwwww
姫神さんもいますよwwww
雲川先輩も忘れないで
あげてください
>>205
この時点では姫神さんまだ来てないんじゃね?
百合子ちゃんはそのままの百合子ちゃんで居てください(貧乳派)
上条さんの女クラスメイトで名前判明してるの吹寄と姫神だけか
姫神はまだいないだろうし
意外と少ないんやな
妹に絹旗を出そう(さらに提案)
天使の妹なんだから
天使じゃなきゃまずい
だろwwww
よってミーシャwwww
妹の黒夜と母の病理さんは?
>>203 百合子ちゃんはまっ平らなのが好みなんです! 邪魔だから大きくないほうがいいだろって思ってたら可愛いな!
>>204 頭から牛乳ぶっかけてあげたい
>>205 雲川先輩の天才ぶりを描けそうに有りませぬ
>>206 やっぱり貧乳が一番ですよね!
>>207 姫神さんもまだだし、台本形式だと苦労しちゃいます
>>208 ガブリエルさん…
>>209 病理さんがお母さんとかカオスになる気しかしない
うちの百合子ちゃんは貧乳です! むしろ無乳です!
おや、こんな時間に誰か来たようだ
上条「おーっす鈴科」
百合子「おーす?」キョトン
上条「うん? ……えーっと、挨拶ですのことよ?」
百合子「挨拶……あァ、朝の挨拶代わりにも使うのか」ナルホド
上条「やっぱいいとこのお嬢様はこういう挨拶は知らないの?」
百合子「別にいいところでもお嬢様でもねェけど、なンていうか経験値が足りてねェンだよなァ」
上条「まあお嬢様だったらこの高校には来ないか……経験値って、なんだそりゃ」
百合子「俺の日常生活レベルが低いらしいからよ、こっちも地道に経験値貯めねェとなンだわ」
上条「ふうん……? わかんないことあったら上条さんに聞いてくださいな」
百合子「ンー」
百合子(敵がどこに出てくるかわかンねェのも、厄介だよな)
朝のホームルームが終わり小萌が退室した後の教室はひどくざわついている。
その会話はどうやら次の体育についての話題が大部分を占めているようだ。
周囲の雑音を聞きながら、体操着をカバンから取り出す。
「鈴科さん、移動いこっか」
一番に声をかけてきたのは、ホームルーム前に話していた中で比較的近くの席だった女子生徒だ。
彼女の言葉に頷くと、同じように着替えを持った吹寄とその連れがこちらへ向かってくる。
「あ、鈴科さんの体操着、新品の匂いがするわね」
「ほんとだ! 開けたばっか?」
「……うン」
「この匂い、あんまり慣れないなー」
「わかるわかる」
今朝開封したばかりの体操着からは、確かに特有の臭いがする。
彼女たちは着続けている間にいつの間にか消えてしまっているようだ。
自らの体操着の匂いを気にするように、百合子は体操着を握る強さを強めた。
「早く行って着替えましょ、グラウンドだから早くしないと」
「はいはーい」
教室を出る少女たちの後ろをついていく。
白い少女の姿は廊下にいる人間の注目の的になっているが、彼女自身は気づいていないようだ。
すでに話し始めた彼女たちの会話の輪に入らず、雑多な音と視線にまみれた廊下を一人静かに歩く百合子。
(俺、何でここにいるンだっけ)
ぼんやりと、前を行く少女たちを見つめる。
手を伸ばせば届く距離。
自分とは違う世界に住む人達。
百合子の正体を知れば、恐れるような目を向けてくるであろう。
まるで茶番ではないか。
いや、違った。
これはただの茶番だ。
カチリ
頭のなかが、切り替わる音がする。
実験の時にいつもする音。
外界をただの情報として捉えるための、スイッチ音。
そう考えると、ひどく安心する。
人間もただの情報に変換できると。
周りと違うことに蓋をするように、安堵感が広がる。
「鈴科さん、ここだよ」
「服は皆でわかりやすいところに固めて置いとこ、制服だとわかりづらいから」
「うン」
彼女たちは脱ぎ始める。
それに倣って服に手をかけた。
しかし衣類を脱いだ少女たちの姿を見て、百合子は愕然とする。
(……あの胸についてる布はなンだ?)
実に呆気無く、知らない情報が彼女の心を乱した。
動きに合わせて揺れる胸の脂肪。
そしてそれを包み込んでいる、布。
レースで彩られたそれに記憶を辿った。
――麦野が着用していた。
――たしか、ブラジャーといって女性用の下着だ。
――乳房を支えるためにあるため、自分には関係のないもの。
知識としてインプットされている情報を脳から引き出す。
しかし、周囲を見渡すと支える必要がないと思われる胸にもその下着は平等に付けられていた。
まさか、女性にとってブラジャーはショーツと同等ということか?
(この状況は非常に不味い)
学園第一位の頭脳が周囲の状況を把握した瞬間、結論は出る。
「……俺、ちょっと……トイレ」
「え? ああ、行ってらっしゃい」
「もうすぐ授業始まっちゃうよ?」
「そういえば鈴科さん、体弱いんだっけ」
「遅れても先生に言っておくから、気にしないで」
「……あァ、頼む」
そっと更衣室を出る。
廊下に出ると、女子生徒が何人かとすれ違う。
(アイツらも全員、胸に下着つけてンのかァ……)
危なかった、と思いながら百合子はトイレへ入る。
あのまま脱いでいたら、下着をつけていない女性――いわゆる痴女というものになってしまうところであった。
やや間違っているような、と言ってくれる相手はあいにくここにはいない。
トイレの個室へ入り鍵をかけると、百合子は自分の胸部を見下ろす。
(これじゃ人前で着替えれねェ……授業始まって全員出て行った後にするしかないな)
病弱という設定をつけたのが誰か知らないが、少なくとも役には立ちそうだ。
確かに平均と比べるとおおよそ普通とは言えない細い体を見れば誰しもが考えるだろう。
百合子は静かにため息を付きながら、授業開始のチャイムが鳴り更衣室が無人になるのを待った。
一区切り
関係ないですが体操服にカーディガンの組み合わせが好きです
わかるわー
萌えるわー
乙
何もつけないと擦れて痛くないのかな?
妊娠すればどんな無乳
だろうが巨乳になるんだ
心配無用である
おや白い影が…
>>223
二次性徴きてないんじゃね
>>225
なん……だと……
おい木原くンちゃんと保護者としてご飯食べさせときなさいただでさえまな板な百合子ちゃんのお胸が今後まで含めて絶望的なことになっちゃうじゃないか
木原くンとブラ買いに行かないとな
待て!
今まで三馬鹿はセーラー1枚の透けtkb百合子にゃんと話していたことに…!?
>>229
ヒント:4月の制服は基本冬服
なぜその事実に百合にゃんを夏服まで重要秘匿事項しなかった
>>222 同志よ!
>>223 ぺったんこでもつけないと痛いんですかね?
>>224 つ、つまり百合子ちゃんをはらmあsdfghjkl
>>225 原作見てる限りだと来てなさそうですよね
>>226 絶望的な方がいいじゃないですか! 絶壁な百合子ちゃんが好きです!
>>228 風紀委員が出動する予感
>>229 百合子ちゃんのTKBがたっていたということですか…?
>>231 冬服でもセーラーなら透けそう(小声)
>>232 さすがに木原くんに粛清されそうです
百合子ちゃんのセーラー服をすけすけ見る見るしたいです、小萌せんせー!
百合子「グラウンドは、こっちかァ……」
黄泉川「ほらあと3周ー!」
エー モウムリー シヌー
百合子「すいませン、遅れましたァ……」ソロリ
黄泉川「お、噂の病弱美少女じゃん?」
百合子「?」
黄泉川「気分が悪いなら無理しなくても保健室で休んでていいじゃんよ」
百合子「いえ、もォ大丈夫でェす」
黄泉川「それにしてもジャージぶっかぶかじゃん、中学じゃないんだし三年間ずっとそのまんまじゃん?」
百合子(じゃんじゃん言い過ぎだろ……)
百合子「そ、そォですかね」
黄泉川「袖は折ったりしてるじゃん?」
百合子「身長には合ってると思うンですけどォ」ピラ
黄泉川「確かに丈はぴったりじゃん。なるほど、細いのか……ちゃんと栄養はとったほうがいいじゃんよ」
百合子「とってますゥ」
黄泉川「とりあえず、今日はストレッチだけにしとくじゃん」
百合子「そ、そこまで気を使ってもらわなくても……」
黄泉川「病人に無理させるほど鬼じゃないじゃん!」
百合子「はァ……」
百合子(すっかり病弱にされちまったなァ)
黄泉川「こっちがゴールじゃんー」
ヤットオワリダー モウダメ
上条「やっと、おわ、ったー」ゼェハァ
土御門「けっこうきついぜい……」ハーハー
青ピ「……」グテーン
黄泉川「だらしがないじゃん?」
上条「授業中、延々と、ほぼランニング、とか……無理っす……」ゲッホ
青ピ「でもカミやん……」ムクリ
上条「ん?」
土御門「女子のほう見てみるにゃー」キラン
上条「走ってる最中もずっとグラサンかけてんのかよ……」
「つかれた……」ハァハァ
「汗やっばぁ」グテー
「春なのにジャージ脱がないといけないほどなんてねぇ……」
「あージャージ脱いだらすずしー」ジー
「やだぁ、体操服が汗でびっちょり……」パタパタ
土御門「悪いことばかりじゃないですたい」ジー
上条「ああ、そうだな」ジー
青ピ「もう復活したんかいな」ジー
百合子「ストレッチ終わりましたァ」
黄泉川「今からランニング後のストレッチするから皆と混ざるじゃん」
百合子「ま、またストレッチ……」ゲンナリ
上条「お、鈴科来てたのか」
青ピ「具合悪いんやろ? 大丈夫なん?」
百合子「オマエらか……もう大丈夫ですゥ」
百合子(もともと何もなかったけど)
土御門「ジャージけっこうぶかついてるにゃー」
青ピ「中学一年のときとか思い出すわぁ……こんなにぶかついてるのに萌え袖じゃないのは何故……?」グヌヌ
百合子「もえ袖? 袖の種類かァ?」
青ピ「こう、袖で手が隠れて指がちらっと見える感じの袖のことやで!」モエソデ
上条「お前がしても全然萌えねーよ」
青ピ「そんなんわかっとるわ」
百合子「ぶかつくのは鬱陶しいけどこれ以上小さいサイズだと丈が足りなくなるンだよなァ」グイグイ
上条「不健康な細さ故か……」
百合子「不健康言うな。こンな感じィ?」モエソデ
青ピ「うぉおおおお! ユリにゃんの萌え袖ええええ!」
百合子「な、なンだってンだよ!?」ビクッ
土御門「変態は元気がいいですたい」
百合子「ずっと走りっぱなしだったのかァ? 汗すげェぞ」モドシモドシ
青ピ「あぁ、戻すなんてもったいない……」
百合子「袖が伸びるだろォが」
上条「授業中ほとんど走りっぱだったから疲れた……」ゲッソリ
土御門「先生は根っからの体育会系だからにゃー」
黄泉川「授業終わる前にストレッチするじゃーん! 整列せいれーつ」
上条「へいへーい、と」
百合子「……」テクテク
吹寄「あ、隣ね」
百合子「吹寄さンかァ……さっきは助かった」
吹寄「それくらい気にしないで、それよりもう体調はいいの?」
百合子「ン、もともとそこまでじゃなかったしィ……」
百合子(心配、されてンのか……あンまこれからはダシにしないようにしねェと)
体育の授業が終わり、更衣室に女子が連なって入っていく。
一気に汗の匂いで満たされる部屋の中で吹寄は先程まで隣にいた少女がいなくなっていることに気づいた。
「鈴科さんは?」
「あれ? さっきまでいたよね?」
「どこ行ったんだろー」
「気分悪くなったから保健室とか」
「あ、そうかも!」
「一言言ってくれたら連れて行ったのにー」
保健室に行ったのではないか、という誰かの言葉に納得する。
次の授業時間に間に合わせるべく、彼女達は着替えを始めた。
「あー、めンどい」
百合子はトイレの中で人知れず呟く。
幸いここは教室から離れた場所に位置しているので短い休み時間の間に来る生徒はほとんどいないらしい。
予鈴がなる頃にはいなくなっているだろう、しばし待つことにする。
(そもそもアイツが一般常識を教えてねェからこンなことにだなァ)
顔の半分に刺青の入った保護者に責任転換。
と、百合子が心のなかで彼を罵倒している間に予鈴が鳴った。
ぱたぱたと慌てていることが伺える足音。
入り口から廊下を見れば、授業に間に合わなければと走る生徒たちの姿が見える。
そろそろ大丈夫そうだ。
そう判断した百合子は更衣室を目指して静かに足を進めた。
「鈴科ちゃんが戻ってきてないんですか?」
驚いて小萌は吹寄を見る。
申し訳なさそうな吹寄はひとつ頷くと言葉を続けた。
「はい、授業が終わって着替えようとした時にはいなくなってて、保健室に行ったのかと思ったんですけど……」
「いなかったわけですか……授業前にも気分が悪そうだったんですよね」
「予鈴も鳴ったし、心配になってきて」
「わかりました、授業が始まるまでに戻ってこなければ少し先生が探してくるのです」
小萌は安心させるように笑うと、不安げな表情を浮かべる少女に席へ戻るように促した。
病弱そうな少女の姿を思い出し、もしかしたらどこかで倒れていたりしていないかと自身もやや心配ではある。
「センセーボクが探してきます! 委員長やし!」
「ああ、そういえばそうでしたね」
青い髪の青年が高いテンションで声を上げた。
時計を見ると授業まであと1分もない。
廊下を見てみれば、行方知れずの生徒は戻ってくる気配もなさそうだ。
授業が始まるのに生徒に探させる訳にはいかない。
「少し見てきますから席について待っていてくださ……って、あれ?」
小萌がドアの外へ向けていた顔を教室へ戻そうとした時、学ランが視界を遮る。
ちょうど、授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。
「ボク探してきまーす!」
「俺もついていくにゃー!」
「ちょっと授業遅れまーす」
「土御門ちゃん、上条ちゃんまで……もー、三人とも補習ですからねー!」
喜んで!と、1年7組の名物デルタフォースは廊下を走って行ってしまう。
彼らが百合子とよく話している姿を見かけていた彼女としては嬉しい反面、授業をほっぽり出されたことにやや不満が残る。
諦めたように溜息をつく。
「……さて、授業始めますよー」
探し人を見つけた彼らが早く戻ることを願って、小萌は席に着く生徒たちの前に立ち教鞭を執ることにした。
土御門「とりあえず保健室にはいなかったらしいからにゃー、どこ探す?」
青ピ「もしかして迷子になってるかもしれへんけど」
上条「その可能性ありそう……なんか抜けてるっぽいし」
土御門「手分けして探したほうがよさそうだぜい」
青ピ「誰が一番早く見つけられるか、やな」
上条「じゃあ俺はこっち」
青ピ「ボクはこっちー」
土御門「じゃー俺はこっちかにゃー」
・・・
上条「いなかった」
土御門「こっちもダメだったぜい」
青ピ「おらんかったわ」
上条「どっかで倒れてたらやばいよなぁ」
土御門「さすがに人一人倒れてて誰にも見つからないってことはないと思うけどにゃー」
青ピ「そうやねぇ」
上条「もう一回保健室行って聞いてくるか?」
「……もしかしてまだ着替えとる、とか」
ぴ、と廊下の先に見える女子が着替えに使っていた教室を指さす。
「それはないない」
「さすがにないだろー」
笑って二人が否定すると、青ピは手当たり次第に行くことに決めたらしい。
ずんずん進んで扉に手を掛ける。
「ちょ、お前体育の後の汗の匂い嗅ぎたいだけだろ!」
「止めるなカミやん! 男にはやらんといかん時がある、それが今や!」
「かっこ良く言っても変態は変態だぜい!」
「目的を忘れるな青ピ!」
「騒いだら怒られるで、しー」
誰が五月蠅くさせてると思ってるんだ、と上条は青ピを止める手に力を込める。
さすがに2:1で止められると面倒に感じたのか、青ピは息を吐いた。
「じゃあ見るだけでええから、ユリにゃんが中で倒れとるかもしれんしな」
「……そうだな、とりあえず見るだけ見よう」
「匂いもかぐなよ変態」
青ピに変わって上条がドアを開ける。
別に女子高生の汗の匂いを生で嗅ごうとかいう下心は全然ありませんよ、ええ、と心のなかで言い訳。
がら。
「ほーら、誰もいな」
「あァ?」
そこにはお約束の展開が、待ち受けていた。
木原先生による制裁待ったなし
最後まで書きたかったけど眠いので断念
昨日投下分よりレスのほうが多かったので今回は少し長めに書いたつもり
>>248 ま、まだ大事なところは見てないから!
乙
木原くンあんた娘になんてもんつけさせてるんですかぁぁぁぁぁぁ!
乙
百合子ちゃん無防備すぎィ!
百合子の桃色乳首が上条さんの目に触れなくて本当によかった
しかし百合子が自分で貼ってるとこ想像したら寝られなくなったんだが
百合子がニップレスだと!
当たり前のように毎朝装着してきてるのかと思うとニヤニヤしちまう
何このオパーイスレ
>>268 さすが木原くん!そこにシビれる!あこがれるゥ まあ完全に1の趣味なんですけどね
>>272 無防備な百合子ちゃん可愛いprprしたいです
>>276 いくら上条さんといえどもそんなラッキースケベ許されません!
>>280 剥がすときにちょっと感じたrあばばばばbbb
>>281 おっぱいが嫌いな人なんていません!
申し訳ありませんがSSとあまり関係のない話は控えていただけると助かります
百合子ちゃんprprレスは大歓迎だよ!
小萌「鈴科ちゃん心配しましたよー!」ダキッ
百合子「ご迷惑おかけしました」グエ
小萌「何かあったのですか?」
百合子「ちょっと先輩に絡まれてェ……」
小萌「確かに鈴科ちゃんは少し目立つ外見ですよね……これからはなるべく一人で行動しないでお友達と一緒にいてくださいね!」
百合子「はァい」
小萌「困った事があったらいつでも先生に相談するんですよ?」
百合子「……困った、こと?」
小萌「生徒ちゃん達が安心して生活できるようにサポートするのも先生の役目ですからね」ニパ
百合子(すごいなァ……年下みたいに見えるのに、包容力があるっていうか)
青ピ「というわけで昼休みになったし食べようや」イソイソ
土御門「説明口調乙ですたい。さて今日のおかずは何かにゃー」ワクワク
上条「手作りの弁当っていいよなぁ……羨ましい」ハァ
土御門「彼女ができたら作ってもらえばいいんだぜい」
青ピ「その彼女を作るのがハードル高いんやけど」
土御門「粘土でも作れますにゃー」
上条「そういう作り方!?」
青ピ「弁当を作ってくれるような彼女がいいわ!」
百合子「……」ガサガサ
上条「今日はちゃんと持ってきたんだな。鈴科一人分にしちゃ多いような気もするけど」
青ピ「コンビニパン? コンビニで買うくらいならボクが分けたるのに」
百合子「やる」ガサ
上条「へ?」
百合子「昨日、もらったから。3人好きなの取れ」
青ピ「別に気にせんとええよ?」
上条「そうそう、わざわざお返しなんていいんだって。友達だしな」
百合子「でも……」ムゥ
土御門「あ、その量だと一人じゃ食べきれないかにゃー?」チラ
百合子「……あァ、そうだな。俺一人じゃ全部食いきれねェ。ってことで手伝え」
上条「強引だなぁ」
土御門「仰せのままに、お姫サマー。カミやんたちも遠慮したら困るのは鈴科だぜい?」
上条「……まあ、鈴科が食えないなら貰っとくよ」
青ピ「じゃ、このパンと交換でー」
百合子「交換したら意味ねェだろ……」
土御門「うまいにゃー」モグモグ
百合子(グラサン野郎にうまく誘導されたのは癪だが……ま、結果的によしとするか)ペキン
百合子「むしろ全部食ってもいいからなァ」ゴクゴク
上条「鈴科、まさか自分は缶コーヒーだけで済ませる気じゃないだろうな?」
百合子「……パンもちゃンと食べまァす」ムス
上条「うん、よろしい」
青ピ「そういえばキャンペーン中やったなぁ、シールついとるで」
土御門「集めとこうぜい」ペリペリ
上条「ゲコ太のランチプレートがもらえるのか」
青ピ「ユリにゃん集めとるん?」
百合子「別に集めてねェけど……欲しいならやる」
土御門「別にゲコ太はいらないかにゃー」
上条「どちらかというとお子様向けだもんな」ペリペリ
青ピ「ここにある分だけで応募できそうやで」ペリペリ
上条「ハガキに貼って応募するんだっけ?」
青ピ「コンビニに置いてあるんやないかな」
百合子「誰が応募するンだよ」
青ピ「せっかくシールあるんやし、ユリにゃん応募せえへん?」
百合子「いらねェ」
土御門「まーまー、皿はあっても困らないぜい」
百合子「人の話聞けよ」モグモグ
青ピ「あ、剥がしたはいいけどハガキないやん」ペリ
上条「確かに……あ、ポケットティッシュなら剥がしやすいしとりあえず貼っとく?」ゴソ
土御門「ケツポケにティッシュ持ち歩いてるとかカミやん女子力高いにゃー」ペタ
百合子「ハンカチならまだわかるけどなァ」ゴソ
青ピ「ピンクのハンカチやと……ユリにゃん雰囲気に合わず女子力高い?」
百合子「女子力高いってなンだよ。ハンカチは常識だろ」
上条「なんか鈴科が常識知ってると不安になるな……」
百合子「どォいう意味だよ!」
青ピ「なんかポケットティッシュをデコってるみたいやなあ」ペタペタ
土御門「ゲコ太マークでいっぱいだぜい」ペタペタ
上条(というかすごい普通に話してるけど、俺鈴科の着替えを見ちゃったんだよな?)チラ
百合子「……もォ腹いっぱい」モサモサ
青ピ「まだ半分も食べてないやん」
百合子「朝ごはン食ったからそンなに食べれない……」
土御門「胃袋小さそうだもんにゃー。食べて拡張してしまえー」
百合子「捨てるのも勿体ねェよなァ」
青ピ「どうしても食べれないというのならボクが代わりに食べますやん!」ハイハイ
土御門「変態は黙れ」
百合子「ンー……どォしても食べれなかったらくれてやるよ」モスモス
上条(……あれ、実は白昼夢的なものだったオチか? でも……あのセーラー服の下にはニプレスが……)
上条(いいよなぁ、なんか絆創膏とか前張り的なよさがある)モンモン
青ピ「カミやんのあの顔は卑猥なこと考えとる時の顔やで」ピコーン
百合子「そォなのか」
土御門「変なレーダーが反応しちゃってるにゃー」
上条「なななななにを言ってるんですか! 上条さんは食事中にそんなことは考えないですのことよ!?」
青ピ「キョドりすぎて逆に可哀想なくらい図星って感じやんなぁ」モグモグ
土御門「食事中に変なこと考えるのはやめてほしいですたい」モグモグ
百合子「……食べ物に欲情してンの?」ゴクゴク
青ピ「カミやん、そこまで到達してたんか……」
上条「鈴科さんはさっきのホモといいそういう繋げ方しないでください! 女の子でしょ!」
百合子「客観的事実を述べてるだけですゥ」
土御門「ちょっと真面目な言い回しをするだけで納得してしまうにゃー」
青ピ「ホモやないから、そこだけは否定しとくで」
上条「ショタもいけるヤツが何を言う……」
青ピ「ショタはいいやろ! 男の娘も全然いけるしぃ!」
土御門「ロリが一番に決まってるんだぜい!」
百合子(ショタ? 男の子? ロリ? ついていけねェ……こいつら日本語喋ってンのか?)
青ピ「はう、ユリにゃんの『なんだこいつら』と言いたげな視線が突き刺さる!」
上条「とりあえず青ピは黙って食え」
一区切り
ほのぼの日常系を書きたいのに下ネタがちょくちょく入るのは何故でしょうかね?
別に小ネタ挟みながらのほのぼの信仰でもいいんじゃないのか?
乙
>>310
ガムテープだとお肌に
悪いのでフェイスタオル
ぐらいですな
小ネタも猥談も寧ろ大歓迎だ
土御門と百合子の距離感たまらんな……
そろそろ妹達と会ってもいいのでは?とミサ
乙
まさかこれが>>1の遺稿となろうとはなぁ……
木原くン仕事しすぎです休んでください
>>312 生きてます!
>>313 夏の上条vsが終わったあとのネタなのでだめなんですよねー
>>314 ありがとうございます! バレバレなつっちーの下心
>>315 えっ、ミサカの話もっと書いていいのか!(ゲス顔)
>>316 まだまだ書きたいことが…!
>>317 この世にはなんて素晴らしいアイテムがあるんだ!
>>319 残念だが木原くんに休みはないのです
お言葉に甘えて小ネタいくつか
ほのぼのしてるかは各自のご判断で
削板「百合子、今日も細いな! ジムにでも行ったらどうだ?」
百合子「またオマエかァ……能力使ってもいいならトレーニングでも何でもするがな」
削板「それじゃ意味ないだろ、もうちょっと肉つけたほうがいいんじゃないのか?」
百合子「別に、必要ない」
削板「さすがにこの細さだと見ていて不安になる、と」メキョ
百合子「触るなっつゥの……」
削板「やっぱりお前の反射はすり抜けられないなぁ」イタイ
百合子「手ェ出せ」
削板「治してくれるのか? ありがとう!」
百合子「死ね」ベクトルソウサ
削板「おお、痛くなくなったぞ」
百合子「当たり前だァ」
むっちょおきたああ
ソギィなら木原神拳余裕そうだよな
削板「でもやっぱり筋肉はつけたほうがいいと思うぞ」
百合子「まだ言うか」イラ
削板「もし能力が使えない状況になったらどうするんだ! 反射がなければ一般人と同じだろう」
削板(それどころか一般人にも劣る、と言いたいところだがさすがにこれ以上怒らせたくないから黙っておこう)
百合子「使えない状況、か……そンときゃ俺の価値がなくなるってだけだ。"一方通行"がなくなりゃ処分されるンじゃねェの」
削板「……そういえば学園都市の外に出たいと言っていただろう」
百合子「あー、そンなこと言ったっけか」
削板「いいことを思いついたんだ!」
百合子「オマエの"いいことを思いついた"にいいことだった記憶がないンだが」
削板「まずスポーツバッグを用意する」ドサ
百合子「持ってきたのかよ」
削板「で、百合子が中に入って、誰かがこのバッグを持って学園都市の外に出る!」ジジジ カパ
百合子「いや、さすがに入らねェよ!」
削板「関節外せばいけるいける」
百合子「あー、足首どうにかしたらギリギリいける、かも?」
削板「根性でどうにかなるな!」
百合子「オマエの能力使われたらなンでも入るだろォよ……生きてるかは別として」
削板「俺の能力はそんなに物騒なものじゃないぞ?」
百合子「それ以前にバッグの中って調べられるからアウトだけどなァ」
削板「それもそうか、名案だと思ったんだが」ムゥ
百合子「迷案の間違いだろそりゃ」
削板「あ、でもこっそり出て行くより能力で無理矢理出て行くほうが早いよな」
百合子「戻ってきた時怒られるからヤダ」
削板「戻ってこなきゃいいんじゃないか?」
百合子「その通りだが……俺一人、孤島で暮らせと?」
削板「じゃあ俺が一緒に行けば解決だな!」
百合子「いや、ついてくンなよ」
削板「なんでだ? 一人は寂しいだろう」
百合子「……オマエって、バカだよなァ」
研究員「会話は全部筒抜けだってわかってるんですかね?」
木原「わかってるだろうな。だから手に追えねぇんだよ」
研究員「はぁ……一応警備を強化しておきましょうか」
木原「本当にするわけねぇだろ」
研究員「そうですかね。だって超能力者二人ですよ? 何でもできるようなもんじゃないですか」
木原「ここを出て、どこ行くってんだ。アイツらは良くも悪くも現代っ子なんだからよ」
研究員「それこそ能力でどうとでも……」
木原「能力ってのはそこまで万能じゃねぇってこった」
研究員「どういう意味ですか?」
木原「知らないなら、知る必要がないんだろ」
研究員「はぁ、そういうものですか」
削板「というわけで一回関節外してみよう!」
百合子「やらねェよ!?」
麦野「まぁた何かやってるし……」
『――――?』
麦野「え? ああ、別にこっちの話」
『――――! ――――』
麦野「何でほとんど聞こえてない声でわかるのよ、来なくていいから」
『―――』ピッ
麦野「切ってんじゃねぇよ……あーあ、めんどくさい人」
木原「今日の実験内容はこれだ」
百合子「あ? ……この臭い、牛乳じゃねェか」
木原「これを飲むのが本日の実験でぇす、ってことで飲め」
百合子「やだ」プイ
木原「嫌じゃねーよ、学園都市第一位が牛乳も飲めないなんざ笑い話にしかならねぇぞ」
百合子「第一位だとか知ったこっちゃねェ! 不味いもンを摂取したくないのは人間として当然の心理だ」
木原「牛乳の栄養価舐めんなクソガキ」
百合子「舐めたくもねェよそンな不味い液体」ベー
木原「わかった、とりあえず口つけるだけでもいい」
百合子「……つけるだけだからなァ?」
木原「つけるだけだ」
百合子「……」クン
木原「とでも言うと思ったか」グイ
百合子「ン!? ごふっ」ベチャ
木原「飲め、喉に流せ」グイグイ
百合子「も、飲めなっ……ンぐ、げほ、げほっ」
木原「垂らしてんじゃねぇぞクソガキ、今日もにんじん食わなかった罰だっての」
百合子「だからって無理矢理飲ませることねェだろ!」ケホケホ
木原「普通に飲ませたら絶対飲まねぇだろうが」
百合子「木原くンが土下座したら喜んで飲ンでやるっつゥの」
木原「はいはいさっさと飲んで大きくなれよガリガリ」グイ
百合子「ンく、~~~ッ」モガモガ
木原「早く流し込め、鼻から吹き出したいのか?」
百合子「っ、ンン……」ゴク
木原「よーし、その調子で一気に1リットルいってみろ」
百合子「!?」
木原「ついでに乳糖分解酵素いじれ、失敗したら腹下すからなー」
百合子「ンンン!」ゴクゴク
百合子(殺す! 絶対殺す!)ゴクゴク
百合子「ッぷは、飲ンだから離せ」
木原「よくできましたーっと」
百合子「……乳臭ェ」ウエ
木原「こぼしまくったからだろ。あー、検査着もびしょびしょにしやがって」
百合子「着替え……シャワー浴びるゥ」
木原「その格好で行ったらいろいろヤバいから待て」
百合子「ヤバいのは俺のストレスだ」
窓のないビルと呼ばれる建物に入ることのできる人間は少数だ。
その数少ない入ることのできる男は自らをビル内部へ連れてきた"案内人"に礼を言う。
案内人は薄く笑うと、消えた。
さて、このビルの主――否、学園都市の主と呼ぶべきか。
男とも女ともつかない逆さまにぷかぷかと浮かぶ死体のような人間に、向き合う。
すでに彼の顔からいつもの軽薄そうな雰囲気は消えていた。
「今度は何の雑用だ」
雑用。
内容は主要人の護衛から侵入者の排除まで多岐に渡る。
入り口のないビルに入ってきた男、土御門はその雑用に多く携わってきた。
「"幻想殺し"の件はすでに伝えたとおりだが……さらにもう一名、監視してもらいたい人物ができた」
「監視?」
「幻想殺しと同じ高校に通うことになるレベル1の"反有害物質"の能力を持つ女子生徒、鈴科百合子。詳細はデータを後から送ろう」
「レベル1、ね……学園都市統括理事長がわざわざ学生一個人を監視しろとは穏やかではないな」
「それだけの価値があるということだ。できるだけ友好関係を結んでもらいたい」
「友好関係……その価値とやらについて詳しく聞かせてくれる気は?」
「時が来れば嫌でも知ることになる」
無能力者でありながら特別な能力を有する幻想殺しの名を持つ対象とあまりにも違いがありすぎる。
ただの低能力者ではあるまい。
損な役回りだ、と土御門は頭が痛くなるのを感じた。
「2月」補足:最後の麦野の電話相手は垣根 近くにいた百合子の声をマイクが拾ったというものですが、蛇足だったなー
「牛乳を無理矢理飲まされる話」言い訳:どちらかというと「牛乳を無理矢理飲ませたいお話」 何で能力使わないの?って突っ込んだらだめだよ!ご都合主義だよ!
>>322 ソギーは正面突破って感じです
ちょっと忙しかったり提督業務だったりで更新ペースが遅くなります
ゲージ破壊しに逝って参ります
乙
どうせなら帝督業務で
オナシャス
てか牛乳1㍑は普通の人
でもきついで…
乙
酵素を分解できるってことは牛乳の栄養価をほぼ100%摂取できるすなわち胸が育つ
乙
無理やり白い液体を飲まされて思わず吐き出してしまう百合子ちゃん……木原くんちょっとこっち来なさい
牛乳よりはヨーグルト
と思った…
かなり出遅れたけどあなるの拡張より尿道の方がいいとあれほ、誰だこんな時間に
ダメ人間製造スレになって
きたぞォイ
追いついたー。貴重な百合子スレ
>>335 帝督業務って何するんですかねぇ…
>>336 百合子ちゃんの胸は育ちません!
>>338 ついでにお腹ぎゅるぎゅるさせたかったけど自重しました
>>339 ヨーグルトをぶっかける?(難聴)
>>340 よく漫画とかであるけど実際したら痛そうでヒュンってなる
>>342 今日も日本は平和ですね
>>344 百合子SS増えろー
おひさしぶりです
忙しい中ぼちぼち書き溜めてたのを投下します
小萌「それでは気をつけて帰ってくださいねー」
ガヤガヤ
上条「はー、今日は居残りなしでよかった」
青ピ「カミやん暇なら週末やし3人でどっか遊び行こうやー」
土御門「俺の都合まだ聞いてないのに決定事項かにゃー?」
青ピ「暇やろ?」
土御門「暇かと聞かれれば暇な程度には暇ですたい」
上条「なら言うなよ」
青ピ「カラオケ行こかカラオケ!」
土御門「さんせーい」
青ピ「あ、ユリにゃんも誘いたかったんやけど……おらんなぁ」
上条「鈴科ならもう教室出て行ったぞ」
土御門「カミやんは使えないぜよ」
青ピ「まったくやわ」
上条「何でそうなる。でも追いかければ見つけられるだろ」
土御門「じゃ、カミやんよろしく」
上条「えー……俺かよ」
青ピ「だって一番イケそうやもん」
上条「まあお前よりは仲いい自信はあるけどな」
青ピ「うわ傷ついたー。はよ行ってきいや」ゲシゲシ
上条「蹴るなって! わかったよ行ってくるよ」
上条「とは言ったものの下駄箱にはもういない……」
上条「上履きは残ってるからまだ校舎にはいるみたいだな」
百合子「失礼しましたァ」ガラ
上条「あ、鈴科ー」
上条(って、待てよ……俺着替え堂々と見たのに普通に話しかけて大丈夫なのか?)
上条(いやうん、今更だけど二人で話すのは、その、いろいろとまずいんじゃないかなーと)
上条「でもずっと気まずいっていうのも嫌だし」
百合子「何ぶつぶつ言ってンだよ」
上条「ひょわっ!?」
百合子「自分が呼んどいて驚くなよ……」
上条「いや、ちょっと考え事をしてて」
百合子「で、何の用だ」
上条「あーその……き、着替え、のことだけど……ごめん! 覗くつもりじゃなかったんだ!」
ザワザワ ノゾク?
百合子「大声で言ってンじゃねェよ……」
上条「あああごめんっ」
百合子「いいからこっち来い」グイ
上条「は、はい」
百合子「ここなら人もいねェな」キョロキョロ
上条「重ね重ね申し訳ございません……」
百合子「別に……それにそんなこといまさら気にしてねェよ」
上条「いや気にしてください」
百合子「気にして欲しいのか?」
上条「見た自分が言うのもなんだけど、気にした方がいいと思うぞ……」
百合子「別に下着なンて見せるためにあるようなもンじゃねェか」
上条「的を得ているように見えて外している!? だから、そういうのは親しい人になら見せてもいいっていうか……」
百合子「? 学友っていうカテゴリはそれなりに親しい部類だと思うンだが」
上条「そういうんじゃなくて! ほら、恋人とか!」
百合子「はァ……」
百合子「……別に見られても減るもンじゃねェだろ」ピラ
上条「スカート捲ろうとしない!」
百合子「大丈夫だって、そこまで持ち上げるつもりはねェから」
上条「だめったらだめ! 太ももが見える時点でアウト! 上条さんだって男なんですからね!」
百合子「はァ? 俺の骸骨みてェな体で欲情しますゥってか? 変態さンかよ上条くゥン」
上条「骸骨って……少なくとも、上条さんには細い女の子の体に見えますけど」
百合子「……」ポカーン
上条「え、あ、悪い……」アセアセ
百合子「そういう性癖を持っていても気にしねェぞ」ヒヤヤカナメ
上条「上条さんは至ってノーマルですけど!? その冷たい目をやめてください!」
百合子「わかったわかった、これからは気にするから大声出すな」
上条「もし見たのが青ピの奴だったら大惨事になってるところですよ……」
百合子「骸骨に腰振る変態なのか?」
上条「腰振るって……そういう下ネタ禁止!」
百合子「これも下ネタなのかァ」フム
上条「鈴科さんの基準はどうなっていらっしゃるんでしょうかね!?」
百合子「主に保護者の言動が基準」
上条「どういう親御さんなのかすごい気になる……とりあえず、そういうのは禁止な」
百合子「はァい」
上条「あ、そうだ、今日帰りにカラオケ行かないかって誘おうと思ってたんだけど……用事あるか?」
百合子「あーちょっと寄るとこあるから無理だわ」
上条「そっか。鈴科は多忙だなー」
百合子「俺にとってはまだ学校始まって二日目だけどな……なにニヤニヤしてンだよ」
上条「いや、さっき鈴科が俺のこと友達だって言ってくれたの思い出して」ニヘラ
百合子「オマエ……」
上条「うん?」
百合子「……おめでてェ頭してンな」プイ
上条「えー、まあ確かに頭は良くない方だけど……あ、鈴科って肌白いから赤くなるのよくわかるな」
百合子「ッ……ばか! 死ね! この覗き魔!」カオマッカ
上条「ちょ、何でそんなキレてるんでせうか!?」
百合子「じゃァな!」スタスタ
百合子(友達って……俺、あいつらのことそう思ってたのかァ?)
百合子「まだ会ったばっかみてェなもンだろうが……くそ、咄嗟に血流操作もできなかった」ハァ
「鈴科さん、はい」
可愛らしいオーガンジーのラッピングを施された小袋。
吹寄はにっこりと笑いながら有無をいわさず百合子の手に握らせた。
「なンだこれ?」
「ポプリっていうんだけどね、とてもいい匂いがするわよ」
ポプリ。
植物やポプリオイルなどの香料を混ぜ合わせ熟成させた室内香である。
鼻に近づけるとふんわりとした花の香りが感じられた。
あまり強くなく香水のような嫌な匂いではない。
「へェ……ラベンダーの匂いか」
「そうそう、ラベンダーの香りは快眠できるらしいから。授業中いつも寝てるでしょう」
そう言って吹寄はクスリと笑った。
バレていたのか、と少し罰が悪そうな顔で百合子はポプリを見る。
おそらく授業中に寝ているのも家で睡眠が取れていないと考えてたのだろう。
普段上条たちに対して厳格な彼女は女子には比較的ソフトだ。
まあ、デルタフォース相手なら仕方のないことではあるが。
「夜寝るときとか枕元に置いてみてね」
「……ン、ありがと」
彼女の好意を無碍にすることもできず、赤い目が手の中の袋を見つめた。
(寝るとき、か)
無意識下でも反射を行っている少女にとって寝ている時は無音無臭の空間にいる。
アロマやポプリなどを知識としてしか知らない彼女にとって、非常に興味深い物だ。
無臭の睡眠に小さな変化をもたらすその香りを、百合子はゆっくりと肺に染み込ませた。
上条「あれ、なんかいい匂いする」
百合子「あァ、ラベンダーの匂いだ。このポプリ」
上条「へー、なるほどな。でもなんだかこの匂いを嗅ぎながら日差しに当たってると……気持ちいいな」
百合子「次、数学だったか」
上条「うぐ、そうだった……一応宿題はしてきたけど、居眠りで減点されるのは避けたい」
百合子「フォローはしねェぞ」
上条「そういや鈴科って授業中けっこう寝てるけど一回も注意されたことなくないか」
百合子「そういやそうだなァ」
上条「なんで?」
百合子「……リアルラックの差だろ」
上条「ううう、上条さんは結局怒られる運命なんですよ」
ごめん眠気の限界が来てそのまま落ちちゃったけどひとまず一区切りでした
血流操作は妹達に対して使ってましたよね
血管に触れて血の流れをベクトル操作するわけです他人の血液でもふれることができればできると思われます
医療関係の仕事についてもらいたい白衣着てもらいたい診察してもらいたい「寿命あともって一年ですねェー」って言ってもらいたい
時間系列ぐちゃぐちゃにオムニバス投下
芳川「私は、あなたがこの実験を蹴ると思っていたわ」
百合子「はァ?」
芳川「だって実験動物殺すの昔から苦手じゃない、あなた」
百合子「……いい加減もう慣れたっつゥの」
芳川「相変わらず素直じゃないわね。そういうことにしといてあげるわ」
百合子「オマエこそ相変わらず甘い考え方だなァ」
芳川「優しくされる方がよかったかしら?」
百合子「端から優しくする気なンざねェくせによく言う」
芳川「する気はあるわよ、実際に優しくするかはともかくとして」
百合子「大体オマエは本気で俺が実験を蹴ると思ってたわけじゃないだろ?」
芳川「どういう意味かしら」
百合子「蹴って欲しかった、じゃねェの。まァ最初は思ってなかったかもしれねェが」
芳川「意地悪なことを言うのね」
百合子「先に意地の悪いことを言ったくせに」
芳川「私の心中を知っていてそういうことを言ってるのかしら」
百合子「オマエが何を考えてるかなンて知るか。読心能力者じゃねェンだよ」
芳川「……わかってるくせに、ひどい子」
百合子「割り切れてない者同士傷を舐め合おうだなンて、甘いンだよ。俺は惚気なンざ聞きたかねェ」
芳川「冷たいわね。誰に似たのかしら」
百合子「……嫌味かそれは」
芳川「まだ冷戦中なの? 困った親子だこと」
百合子「うるせェ独身貴族」
芳川「別に売れ残ってるわけじゃないわ。いい相手と巡り会えないだけよ」
百合子「……あァ、きっとそうだな」
芳川「懺悔の味は人生の味なり、ねぇ」ペラ
妹達「それはどういうことでしょうか、とミサカは尋ねます」ヒョコ
芳川「あなた達にはわからない苦さよ」
妹達「苦さ……ブラックコーヒーよりも、ですか?」
芳川「ええ、比にならないくらいね」
妹達「ではミサカは知らなくていいです、とミサカは正直に首を振ります」
芳川「そのほうがいいわ……病みつきになってしまったら困るもの」
―斉藤緑雨「眼前口頭」より
白く、まるで病室のような部屋だ。
百合子はぼんやりと天井を見上げる。
彼女の横たわるやはり白い寝台の脇には点滴装置があり、チューブを介して合成樹脂製バッグに充填された栄養剤を送っていた。
その他にも様々な医療装置が体を覆い身体に異常がないか常にチェックしている。
まだ10歳にも満たない幼い少女に対して仰々しすぎる設備だ。
しかしそれも当然のことである。
彼女は学園都市に7人しかいない超能力者の、その最も価値があるとされる人物なのだ。
静かな呼吸音と機材の稼動音の中、ピピ、と一際高く大きい電子音が鳴った。
部屋の唯一の出入口である扉の電子ロックが外れた音である。
百合子はその音に反応して瞳をわずかに震わせるだけで動こうとはしない。
入室してくる人間が誰であろうと同じなのだ。
「いい加減ストライキはやめる気になったか?」
しかし、どやら入ってきたこの男は例外らしい。
あからさまに百合子は気分を害したようにしかめっ面になった。
入ってきたのは研究者らしく白衣こそ羽織っているもののその下はまるでチンピラのようなラフな格好をした男だ。
金髪に染められた髪は整髪料で立てられ、体も細身ではあるが筋肉質である。
いつもと違うのは彼が引いてきたワゴンだろうか。
台の上には食卓カバーがあり家庭的な雰囲気のワゴンだが、とてもではないが引いてきた男には似合わない。
ただ少女には食卓カバーの知識はなく、また得体のしれない物を持ってきたとしか認識できていないが。
「ストライキだァ……? 食う必要がねェのに無意味だろ」
刺さった注射器を見せつけるように腕を動かす。
白い肌には痛々しい注射の跡がいくつも残っている。
どれも栄養剤の点滴をする際にできたものだ。
「食事なンざ俺には必要ねェ」
「こういう人工物だとどうしても人間の体だと効率悪ぃんだよ。それは自分でもわかってるだろ」
反論するが、反論し返されてしまった。
しかも正当な理由つきで。
百合子自身よりも百合子の体のことはすでに知られてしまっているのだ。
正論すぎて百合子は返す言葉に詰まってしまう。
おもむろに男はワゴンのカバーを外した。
ランチプレートだ。
ハンバーグ、ポテト、サラダ、山形に盛られたケチャップライス。
持ってきた男にはかなり似合わない。
ぐう、と腹の音が鳴った。
静かな部屋には響く。
しばらく忘れていた空腹感が現れ、百合子は自分が飢えていることを思い出した。
それまで遮られていた匂いが鼻孔に届くと、乾いた口の中が湿り始める。
水さえ最低限しか摂取していなかったのだ。
「うまそうだろ」
百合子の反応に得意気になった男がにやりと笑う。
その声で少女は自分の視線が食事に釘付けになっていることに気づいた。
恥ずかしいところを見られたような気持ちで顔を背ける。
「食べろよ、くだらねえ考えは捨てろ」
どきり。
心臓が跳ねた。
何を思って百合子が食事を絶っているのか、この男は気づいている。
それと同時に空腹感を超える嫌悪感がランチプレートに感じられた。
肉だ。
肉のミンチ。
そして連鎖的に頭に浮かぶ飛び散った肉片と、おびただしい量の血。
悲鳴。
今感じているものが空腹感なのか嫌悪感なのかわからなくなる。
「わかってて言ってンのかよ、頭イカれてるぞ」
「ありゃただの実験動物だろ、何を気にする必要がある?」
男の言葉は正しい。
いつだってこの男の言うことは"正論"だ。
だが、そこに倫理観は全くない。
人であるならば感じるべき節義が、道徳がない。
理解して達観して、割り切っている。
しかしそうまでして真理を求められるほど百合子は理解も達観も割り切ることもできていなかった。
だからこそ食べることができなかった。
「もとはこれだって生き物だったんだ。人間のために生まれて育てられて殺されて、食べられる」
「実験動物と何が違う?」
「実験動物はな、人間のために生まれて育てられて殺されて、研究成果になって科学を支えてる」
彼の言うことは正論だと、空腹感を感じる部分がそう告げる。
彼の言葉は正しいと、本能が告げる。
全て同じ命だ。
命の重みは平等だ。
「……俺達は、人間じゃねェのかよ」
俺達は、この実験施設に囲われた子どもたちは。
「人間じゃねえよ」
あっさりとした肯定は、言葉の軽さとは正反対の重みを持って百合子にのしかかった。
「理解しろ。納得しろ。拒むな」
命の尊さは決して平等ではない。
「食べろ、百合子」
箸を握らされる。
しばらくぶりだったせいか、手が震えてうまく指が動かせない。
無理やり力を込めて、肉に箸を刺した。
口へ運ぶ。
咀嚼音。
肉を噛み、つぶし、喉に通す音。
「……おい、し」
肉の味を刻み込む。
あぁ、そうだ。
この世界は皆が家畜を殺し食べている。
いくら口当たりのいい言葉で取り繕うと、生き物を殺していることに変わりはない。
普段、誰も言わないだけ。
誰も気づかないふりをしているだけ。
気にすることも考える必要もないと、そう思わなければ。
「食べ終わったら実験室に行くぞ」
割りきらなければ、気が狂ってしまいそうだ。
頭の片隅で昨夜彼女が肉片にした少年の悲鳴が叫び続けていた。
なんだか全体的によくわからなくなったけど書いてる最中楽しかったです
悶々してる百合子ちゃんの背中を押してあげたい
懺悔:芳川さんが百合子ちゃんに責めて欲しい話
銀の匙:小さいころの愛情の喪失(小説)と家畜の対するほにゃらら、肉が美味しい(漫画)っていうのが元ネタだけどわかりづらい
悲鳴が叫び続けるっていうのは故意の表現だったけど読み返すとアレ?ってなったのは内緒
こういうの苦手な人ごめんなさい
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