千夜「おい、お前」モバP「ぐすっ…」 (14)

千夜「!?」

モバP「お前って言わないでよ…」

千夜「えっ!?」

モバP「年端もいかない若女にお前とか言われたら情けないんだよ…」

千夜「ごめん…」

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千夜「ごめんって…」

モバP「だってさ…こんな頑張って一生懸命やってんのにさお前とか言われてさ…悲しいよ」

千夜「これはそのお前に向けて別に立場とか気にせず接しているだけで…」

モバP「ほらまた言ったじゃん…イヤだよ」

千夜「ごめん」

モバP「何でそんなん言うの…」

千夜「いやお前が…」

モバP「またお前って言ったじゃん」頬に涙

千夜「あ…その…」

モバ P「直した方がいいよ…グスッ…年端もいかん若人(わかんちゅ)にはさ…分からんでしょうね」

ちとせ「だめですよ~モバPさんは繊細なんですから」

千夜「繊細?そんなことでプロデューサーが務まるとでも…」

モバP「なんでそんな態度とるんだよ?なんで人に対してグサグサする言葉を使うんだよ」

千夜「ではどんな態度をとれと?」

モバP「成人(じょうびと)とあなたは若者(じゃくじゃ)なんだから仕方ないだろ?もしかしてチクチク言葉とか学校とかで習わなかったのか?」

千夜「そんなくだらないこと…」

モバP「モラルって世界で生きていく上で欠けてはならないんだよ?貴女(きめ)はないよ…柔心(じゅうしん)がないんだよ…?」

↑すみません。ちひろでした
ちとせ→ちひろ

ちひろ「やっぱり繊細な方ですから…」

千夜「そんなこと戯言に過ぎません。さっさと働き蟻としてお嬢様との仕事を」

モバP「ふっ!へっぶぅぅし」

千夜「ヒィッ!?」

モバPの鼻水は粘りを持っていた。白雪千夜の手袋と薄く平たい胸部(左心房)辺りにネットリと水飴のような伸びを見せてへばりついた。どうも怪しい鼻水らしく緑色と黄色の間のような変な色をしていた。大量だった。白雪千夜は変な色のめっちゃ汚い鼻水及び粘液を見たのは初めてだったため、気持ち悪さに震えた。これが人間の業か。

ちひろ「モバ Pさん。鼻かめますかー?」

モバP「うっぇぶぅしっずるっべっすぅげべっずっずずッ」

ちひろ「けっこう止まらないですね」

千夜「うわ、と、止めてお前止めろ!その粘液を飛ばすのを止めろ!」

モバP「鼻汁(びじゅう)が苦しくって悲しくなるんだよ。悲しいよ。自分(おのずとぶ)は悲しくなる」

千夜「もう鼻から出るおぞましいものがが水たまりになっているのが分からんのか!」

モバP「貴方(たかとぼう)には分からないでしょうね。ずるずると流れるこれは私(し)の人生の苦しみだ」

※なぜ白雪千夜が鼻水と言わないかというと、黒埼ちとせがいない場であっても汚い言葉を言わないようにしているからです

千夜「気持ち悪いッまとわりつくな!散れッ」

ちひろ「ダメですよ~千夜ちゃん。ここではPさんの心を落ち着かせることが調和に繋がるんですよ~」

千夜「貴方も…この気色の悪いものを拭くなり止めるなりしないのか!これではおさまりがつかない!」

モバP「これは止まらない円環だ。取り込まれる定めである」

ちとせ「僕…ちゃん…」

千夜「お嬢様?お嬢様の声がこの汚水の中からする…?」

ちとせ「早く…この人に逆らわない方がいい…そうでないと…僕ちゃんも…」

千夜「お嬢様!!」

鼻水からズルリと流れてきたのはちとせの声だった。千夜はキッとモバPを睨み付けるが、モバPはすでに人間としての意思はなかった。
千夜の声が聞こえていないかのように鼻水を止めどなく流しながらどこかへ歩いていく。
千夜が気がつくと鼻水は足元を覆っていた。

千夜「貴様ッお嬢様に何をした!」

モバP「かの者は理に従ったのみ。であればすでに答えは出ている。永遠に行き着いたのだ」

モバPの言葉は人間の状態を保っておらずまるで別の生き物のような振る舞いを見せた。
千夜は鼻水をかき分けながらどうにかドアを蹴破り外に出た。
驚愕したのち、絶望が襲った。

千夜「外も…汚水の覆われて…」

既に外も鼻水にまみれた世界と化していた。
千川ちひろのみが笑みを浮かべ鼻水の海へ溺れていく人々を見下ろしている。

千夜「何なんだこれは…」

ちひろ「そしてまた繰り返していくのです。すべては御心のまま」

絶望している千夜にちひろは声をかける。それも千夜には機械的な声に聞こえた。
振り返るとちひろは消えており、ほとんど緑色の流動体となったモバPのみがそこに在った。

モバP「氷河期を知っているか?」

モバPはそう言い残し、周囲は光に包まれた。

ちとせ「もー僕ちゃん。お寝坊さんだよー」

千夜「お嬢様…?」

ちとせ「ふふっ、珍しいこともあるんだね」

千夜はベッドから起き上がると、朝日が差し小鳥の鳴く外を見た。そして千夜に笑いかけるちとせの元気な姿を見ていつもの日常だと分かった。
嫌な夢を見ていた気がする。
だがそんなことを思う暇などない。自分は僕であり、ちとせを守るのが務めであるのだから。
いつもの日常が今日は嬉しく感じるのはなぜだろう。



⁇「あの~アイドルとか…興味ありませんか?」
END

あくびをすると鼻水が止まらないのとエアコンをつけると鼻が詰まるので書きました。
プロデューサーがよく分からないものになりました。
ありがとうございました

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