凛「これって……プロデューサーの携帯?」 (193)
・モバマスSS
・遅筆
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386514042
凛「……」
凛(本当は良くないけど……ちょっとくらいなら、いいよね)
凛「……」
凛「……!?」
凛(嘘……嘘でしょ?)
凛「……」
凛「明日……問い詰めなきゃ」
―― 翌朝、事務所
モバP「おはようございまーす」
凛「おはよ、プロデューサー」
モバP「おぉ、凛。おはよう。こんなに朝早くに来てるなんて珍しいな?」
凛「ん……。ちょっとプロデューサーと話がしたくってさ」
モバP「話? 話なら別にこんな朝早くじゃなくても――」
凛「2人っきりで話しがしたいから来たんだよね。それくらいは察してほしいんだけど」
モバP「お、おぅ。悪かった」
モバP(凛、もしかして怒ってるのか? だとしたらなにか気に障ることを言ってしまったのかな……)
凛「で?」
モバP「ん? あ、あぁ。話のことだろ? じゃあ今聞こう。ちょうどここには俺たち2人しかいないし」
凛「……」
モバP「……凛?」
凛「……昨日、さ。事務所でパーティーやったでしょ?」
モバP「あぁ(2周年記念イベント終了の打ち上げのことだよな?)」
凛「その時にさ、見ちゃったんだよね」
モバP「見たって、何を?」
凛「……プロデューサーの……」
モバP「え、なんだって? すまん、よく聞こえないんだが」
凛「だから! プロデューサーの携帯! うっかり中身見ちゃったんだけど!」
モバP「えっ……」
凛「……ごめん、なにキレてんの、って話だよね。私が悪いのに」
凛「プロデューサーの携帯が、バックから落ちて床に転がってたから、バックに戻しておこうと思ったんだ」
凛「……なにもせずに戻すつもりだったんだ。でも、つい中身が気になって」
モバP「……見たのか?」
凛「うん……」
モバP「なにを見たんだ?」
凛「……」
モバP「凛!」
凛「メールと……あといろいろ」
モバP「……ってことは、《あれ》もバレちゃってるってことかぁ……」
凛「! プロデューサー、じゃあ……」
モバP「あぁ」
モバP「俺、未央と付き合ってる」
凛「……いつから?」
モバP「半年前くらいかな。夏祭りに一緒に行くはずだった相手が来れなくなったから代わりに来てよ! って言われてさ。その時に告白された」
凛「それで受けたんだ」
モバP「あぁ」
凛「デートとかも行ったの?」
モバP「お互いの仕事がない日に少しだけ。まぁ俺の休みがほとんどないから滅多にないけど」
凛「へぇ……」
モバP「……」
凛「したの?」
モバP「は?」
凛「ちょっと、女の子に2回も言わせるの?」
モバP「……まだ、してない」
凛「プロデューサー。私、画像ファイルも見たんだよね」
モバP「……」
凛「嘘つかないで。未央とプロデューサーが裸で映ってる写真、入ってたよ」
モバP「……」
凛「したんでしょ?」
モバP「……しました」
凛「ふん、変態」
モバP(返す言葉がない)
凛「未央の年齢、知ってる?」
モバP「……」
凛「ねぇ?」
モバP「……17歳、だろ?」
凛「そう、17歳。高校3年生。プロデューサーわかってる? 高校生、しかも現役アイドルに手を出したんだよ? これはマズイと思うんだけど?」
モバP「……わかってるよ、それくらい」
凛「開き直るんだ? へぇ……」
モバP「別に開き直ってなんかいないよ。お前に言われなくてもわかってるってことさ、お互いにな」
凛「お互いに? ……あぁ。未央が、ってことね」
モバP「俺も未央も納得した上で関係を持ってる。それを第三者のお前にどうこう言われる筋合いはない」
凛「第三者、かぁ……。ずいぶんな言いようだね、プロデューサー」
モバP「……」
凛「ねぇ。17歳でもマズイってことはさ」
凛「《16歳》はもっとマズイってこと、だよね?」
【注:年齢については初期設定から時間が2年経過していると想定して下さい、オナシャス!】
モバP「……お前とはもうなんでもないだろ?」
凛「そうだね。こっぴどく振られちゃったし、もう未練もないけど」
モバP(……本当に未練がないやつなら、別れてから半年もポストに血文字で『プロデューサー、どうして……?』なんてメッセージを書いた手紙なんてポストに投函しないはずなんだが)
モバP「凛、俺は――」
凛「わかってるよ。別れたのだって、私にも責任あるし」
モバP「……」
モバP(すまん凛。でも、事務所の他の女の子と話した内容を一字一句、毎日聞いてくるような女の子とは、正直付き合ってられないよ……)
凛「でもさ」
モバP「ん?」
凛「なんでよりにもよって未央なの?」
モバP「よりにもよって、って……」
凛「だってそうでしょ? 私、これからも未央と……あと卯月と、たくさん仕事しないといけないんだよ? これから何回も未央と顔合わせなきゃいけないんだよ? そんなの耐えられない……」
モバP「凛……」
凛「そうだ、いっその事バラしちゃおっか? 私とプロデューサーが付き合ってたこと。それで私が捨てられちゃったこと。それ話したら未央もプロデューサーと付き合うの、やめるかもね?」
モバP「おい凛、ちょっと落ちつ――」
凛「落ち着けって? 昔付き合ってた男が、よりにもよって自分と一番仲良しな友だちと付き合ってるって事実を知って、それでも落ち着けっていうの?」
モバP「それは……」
凛「プロデューサー。私ね、これでもかなり落ち着いてる方だと思うよ。本当だったら、今頃プロデューサーの事殴ってるかも」
モバP「……」
凛「未央に黙っててほしい? 私とプロデューサーのこと」
モバP「……黙ってて、くれるのか?」
凛「いいよ。ただし、私のいう条件を呑んでくれたら、の話だけど」
モバP「条件って?」
凛「私とまた……して?」
モバP「断る」
凛「なんで? 別にいいじゃん。付き合って、って言ってるわけじゃないんだからさ」
モバP「余計たち悪いだろ。自分がなに言ってるのかわかってるのか?」
凛「当然でしょ?」
モバP「お前なぁ……」
凛「いいじゃん。私とは付き合ってる時に、いっぱいしたでしょ?」
モバP「それは……そうだけど」
凛「ねぇプロデューサー。私別れてから、また体……少し成長したんだよ?」
モバP「……」
凛「私の体……見てみたいと思わない?」
―― 数日後
未央「プロデューサー! おっつかれー!」
モバP「おう、お疲れ未央」
未央「ねぇねぇどうだった? 今日の私のダンス?」
モバP「あぁ、すごく良かったよ。さすがは未央だ」
未央「えへへ~、そっかぁ~」
モバP「あぁ。ほんとに凄いやつだよ、お前は」
未央「ありがと! ……それでさプロデューサー、今日って早く帰れる日……だよね?」
モバP「ん? あ、あぁ」
未央「そ、それじゃあさ、今日はプロデューサーの家、行ってもいい……かな?」
モバP「んー……」
未央「あっ! む、無理なら別にいいよ!」
モバP「いや、いいよ。じゃあ今日は俺の車で一緒に帰ろうか?」
未央「……! うん!」
モバP「ご両親にはきちんと連絡しておけよ?」
未央「トーゼン!」
モバP「よし。じゃあ少し待ってて。速攻で仕事片付けてくるから」
未央「わかった! ドタキャンはダメだからね、プロデューサー!」
モバP「はいはい」
モバP「……♪」
凛「ずいぶん楽しそうだね、プロデューサー?」
モバP「うおっ!? 凛いたのか……(全然気づかなかった)」
凛「ひどいね、人を幽霊みたいにいうんだ」
モバP「そこまでは言ってないだろ……」
凛「ふん。まぁいいや。今日は仕事早く終わるんだよね?」
モバP「あ、あぁ」
凛「……じゃあさ、今日は私と――」
モバP「断る。あいにく今日は先客がいるんだ」
凛「へぇ。今日は未央とお楽しみってこと?」
モバP「……」
凛「無言は肯定とみなす、ってテレビで見たんだよね。合ってる、プロデューサー?」
モバP「……」
凛「ふふっ、まぁいいや。どうせプロデューサーは私と一緒に帰ることになるから」
モバP「おい、さっきも言ったけど今日は――」
凛「バラすよ?」
モバP「……」
凛「あはっ。この一言ですぐ黙っちゃうんだ。なんかいいね、相手の弱みを握ってるのって」
モバP「……お前、最低だな」
凛「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
モバP「……」
凛「ほら、早く未央に謝ってきなよ。今日は一緒に帰れない、ってさ」
モバP「……未央」
未央「おっ! プロデューサー早い! もう仕事終わったの?」
モバP「……すまない未央!」
未央「えっ?」
モバP「今日中に片付けないといけない仕事忘れててさ。どうやら今日は事務所に遅くまで残らないといけなくなったんだ」
未央「そ、そっかぁ……」
モバP「本当にゴメン! この埋め合わせは必ず――」
未央「いいよいいよ気にしないで! それよりお仕事あるんでしょ? 早くやらないと、またちひろさんに怒られるぞ~?」
モバP「未央……」
未央「……その代わり!」
モバP「?」
未央「次のデートでは、ケーキ食べ放題のお店、連れてってもらうからね!」
モバP「……おう任せとけ! 食べ放題でも飲み放題でも、どこへでも連れてってやるぞ!」
未央「本当に? 約束だからね、絶対だからね?」
モバP「2度も約束破るようなことはしないよ、絶対だ」
未央「……うむ、今回は信じてあげよう!」
モバP「未央……ありがとう」
未央「えへへ。……それじゃあ、今日は先、帰るね」
モバP「あぁ、気をつけてな」
未央「うん! それじゃあプロデューサー、また明日ー!」
モバP「おう! また明日なー」
モバP「これで満足か?」
凛「健気だね、未央。本当はショックなはずなのに、ずっと笑ってた」
モバP「わかってるならこんなことやらせるなよ!」
凛「怖い怖い。そんなんじゃ未央が怖がっちゃうよ」
モバP「この……!」
凛「あはは、怒ってるプロデューサーも案外可愛いね」
モバP「凛、いい加減に――」
凛「いい加減に、なに? 私を殴る? 別にいいよ。そしたらプロデューサー、アイドルに手を出したってことでクビ確定だからね」
モバP「ぐっ……」
凛「もう諦めなよプロデューサー。プロデューサーはね、私の言うことに従うしかないんだよ」
モバP「……」
凛「安心しなよ。ちゃんと未央と過ごす時間も用意してあげるから。あんまり今日みたいなことしてると、さすがに未央が怪しむからね」
モバP「……それはどうも」
凛「人の好意は素直に受け止めてほしいんだけどなぁ」
モバP「……」
凛「……まぁいいや。それじゃあ時間も勿体無いし、行こっか。プロデューサーの家」
今日はここまでです。
見てくれた人、レスしてくれた人ありがとナス!
続きは明日以降に(明日とは言ってない)
―― プロデューサーの自宅
凛「プロデューサーの家、この場所になってから来るの初めてだね。結構片付いてるじゃん」
モバP「普段飯食って風呂入って寝るだけの家だからな。散らかしようがない」
凛「私と暮らしてた頃はもっと汚かったじゃん。いろいろなもので」
モバP「あの時の俺からは成長してるってことさ。まぁ、最低限の片付けくらいはな」
凛「なるほどね。どうりでヤった後のゴミも見当たらないわけだ」
モバP「お前……」
凛「あはは、ゴメンゴメン。気悪くした?」
モバP「俺は別にいいけど……お前仮にもアイドルだろ? そういう発言はどうかと思うが?」
凛「別にいいじゃん。外で言わなきゃいいんでしょ? 付き合ってた時だってそうだったし」
モバP「それはそうだけど……っておい!」
凛「ん、なに?」
モバP「勝手に人の机の中漁ろうとするのはやめろ」
凛「別にいいじゃん。減るもんじゃないんだし」
モバP「いいわけないだろ。ほらやめろって」
凛「プロデューサー、案外ケチなんだね」
モバP「プライバシーを侵害しようとしてる奴に言われたくはないな」
凛「ふぅ、まぁ今日はこれくらいにしておいてあげるかな」
モバP「今日は、って……」
凛「別に焦る必要はないから。また何回でも来られるんだし」
モバP(できればもう来ないでほしいんだが……)
凛「そうだ。プロデューサー、夕ご飯はどうするの?」
モバP「どうするって……あぁ」
モバP(そういや冷蔵庫にはろくなもんなかったっけ。最近未央と過ごせてないせいもあるよなぁ。いつもは未央が来るときに2人一緒にスーパー寄って食材を買い込んでたから)
凛「……私、なにか作ろうか?」
モバP「気持ちは嬉しいが、あいにく冷蔵庫は空っぽでな。今日は外食でも……」
凛「ダメ」
モバP「は?」
凛「今日は外食する気分じゃないんだよね。プロデューサーの家で夕ご飯食べたいなー」
凛(外食なんて行ったらそのまま家に帰る流れになりかねないし)
モバP「って言われてもなぁ。さっきも言ったけど冷蔵庫にはほとんどなにも――」
凛「じゃあ一緒に買い物行こうよ。それで食材とか色々買えば問題ないんでしょ?」
モバP「それはそうだけど……」
凛「なんか嫌なの?」
モバP「別に嫌ってわけじゃあ……」
凛「……あ、わかった。未央に申し訳ない、とか思ってるんでしょ?」
モバP「!?」
凛「嘘言って誘いを断っただけでも申し訳ないのに、その上私と一緒に仲良く買い物するなんて……なんて思ってるんじゃないの?」
モバP「……仲良く、の部分は余計だ」
凛「つれないなぁ。ここまで来たら覚悟決めなよ。今日は未央じゃなくて私が恋人。そういうことにしておけばいいと思うけど? なんかイケナイことしてるみたいでいいじゃん」
モバP「俺は別に良くないんだが」
凛「なに言ってんの。こんな可愛い子と一緒に買い物して一緒にご飯食べられるんだからむしろ喜ばなきゃ。しかもその後でベッドインOKのおまけ付きだし」
モバP「……」
凛「……まただんまり? まぁいいや、とりあえず買い物は決定ね。そうと決まれば早く準備しようよ、プロデューサー」
モバP(普段はこういう子じゃないのになぁ。付き合いだしてからプライベートでは一気に押しが強くなってしまった……)
―― ショッピング終了後、プロデューサーの家
凛「ただいまー。疲れたね、プロデューサー」
モバP(行き帰りと買い物してる間、ずっと腕組んで歩いていればそりゃあ疲れるだろうよ。周りの視線も痛かったし)
凛「さぁ、さっさとご飯の用意しよう。その後もやることはたくさんあるんだから」
モバP「やること? 凛は今日、このあと飯食って帰るんだろ?」
凛「ふふっ。冗談きついよ、プロデューサー」
モバP「冗談のつもりはな――」
凛「もちろん泊まっていくに決まってるでしょ? プロデューサー、明日は遅出なの知ってるから」
モバP(どうして俺と未央しか知らないはずのスケジュールをお前が知ってるんだよ!)
凛「スケジュール、何で知ってるのか?って顔してるね。プロデューサーのことなんて、私がその気になったらなんでもわかるんだよ」
モバP「さいですか」
モバP(頼むから心まで読むのはやめろよ……)
―― 夕食後
モバP「ごちそうさまでした」
凛「ごちそうさま。どうだったプロデューサー、私の料理は?」
モバP「あぁ、美味しかったよ。また料理の腕上げたんじゃないか?」
凛「そうでしょ? プロデューサーと別れてからも私、ずっと料理は続けてるんだ」
モバP「へぇ、そうなのか(こういうところは普通の女の子なんだけどなぁ)」
凛「最近は料理のレパートリーもどんどん増えてさ。別に披露する相手もいないのにね」
モバP「……」
凛「でも良かった」
モバP「え?」
凛「こうやって、私の努力が披露できる相手、見つかったから……」
モバP「……」
凛「料理だけじゃないよ。私、あれからたくさん勉強したんだ。これからその成果をじっくり見せてあげるから、楽しみにしててね」
モバP「別に俺に見せなくてもいいだろ? 事務所のアイドルやってる友だちとか、プライベートの友だちとか、見せる相手は他にもいると思うんだが?」
凛「わかってないなぁプロデューサー。私が今特訓してるのは、《男を虜にする女のテクニック》。女の子に披露しても意味ないから」
モバP「あっ、そう……」
今日はここまで。見てくれた方ありがとナス!
途中でプロデューサーの担当アイドルが誰なのか?というレスがありましたが、一応ニュージェネレーションの3人を担当しているという設定にしてます。
モバP「さてと、それじゃあ――」
凛「お風呂、一緒に入ろうか?」
モバP「いやいや、違うから。お前は今日は帰れ。家まで送るから」
凛「は? 帰るわけないじゃん。今日は泊まってくってさっきも言ったよね? それにほら。着替えも持ってきてるし」
モバP「えぇ……」
モバP(やばいなぁ。こいつ明らかに泊まってく気マンマンだよ。それだけは何とか阻止しないと……)
凛「観念しなよプロデューサー。それに、今日はお母さんにも連絡済みだよ。『仕事の話したいんで友達の家に泊まるから』って」
モバP「……」
凛「懐かしいよ。プロデューサーの家に泊まるときの理由No.1だったよね? 他にもいろいろな理由、2人で一緒に考えたなぁ」
モバP「大半は俺が考えたんだけどな」
凛「それはしょうがないよ。大人と高校生じゃあ人生経験の豊富さが違うからね。こういう理由付けはプロデューサー、すごく上手だった」
モバP「素直にありがとう、と言えないのが辛いな」
凛「少なくとも私は褒めてるつもりだよ。社会的には相当マズイんだろうけど、ふふっ」
モバP「でさ、本題に戻るけど……本当に帰ってくれないのか?」
凛「プロデューサーもしつこいなぁ。今日は私、絶対ここを動かないから。それに……」
モバP「?」
凛「もし無理矢理にでも家に帰そうとするなら、明日ちひろさんに『プロデューサーに家に連れ込まれて乱暴された……』って涙ながらに報告するけど? それでもいいならどうぞ」
モバP「……冗談だよな?」
凛「冗談だと思う?」
モバP「……」
凛「私とのこと、未央に知られたくないんでしょ? ちひろさんに話せば、もちろん未央にも話は伝わる。というよりプロデューサー、下手したら逮捕されちゃうかもね?」
モバP「……俺が逮捕されたら、お前も困るんじゃないのか?」
凛「私の言うとおりにならないプロデューサーなんていらない。そんなのは私の知ってるプロデューサーじゃないし、そんな人がどうなろうと知らない」
モバP「……」
凛「ねぇ、プロデューサー? 私の前にいるプロデューサーは、私の一番大好きなプロデューサー、だよね? だったら私がどうしてほしいか、わかるよね?」
―― 入浴中
モバP(結局、凛が泊まっていくことを許してしまった……)
モバP(最初は断るつもりだったし、俺の話術でなんとかなるかと思ったんだが……凛は予想より遥かに手強かった)
モバP(凛は本気だったはずだ。もし俺が無理矢理でも家に帰そうものなら、間違いなくちひろさんに泣きついたはず)
モバP(いや、下手したらちひろさんどころか直接未央に今日のこと……いや昔のことまで全部ぶっちゃける可能性もある。それとも、直接警察に通報して本当に俺を……)
モバP(……いや、考えるだけ時間の無駄か。とりあえず凛を泊めるということが決まった時点で危険は去ったわけだし)
モバP(そうだ。別に家に泊めるだけだ。それだけ。なにも泊まる=SEXする、というわけじゃない。下半身脳にも程がある)
モバP(とにかく、同じベッドで寝るのをやんわり断ればいい。最悪同じベッドで寝ることになっても『悪い、俺今日は疲れてるんだ』とでも言ってさっさと狸寝入りしてしまえば何の問題もない)
モバP(よしよしこれだ。我ながらナイスアイディア。風呂から上がったら早速このプランを実行に――)
凛「プロデューサー、さっきからずっと黙ってるけどどうかしたの?」
モバP「ふぁえ!?」
※SEXは伏せ字入れたほうがいいだろうか……?
する必要はないと思うよ
それよりちゃんみおが気の毒で仕方ない
>>83
サンキューガッツ。
せっかくだから、俺は伏せ字を使わない方を選ぶぜ(ETZN)
凛「『ふぁえ!?』って……なんて声出してるのさ。何か考え事?」
モバP「え? あ、あぁ。えーとな、明日の仕事のことをちょっと……」
モバP(仕事のことでも考えて気を紛らわせてないとマズイんだよ! 目の前に裸の凛がいるだけでもヤバイっていうのに……)
凛「こんなときまで仕事のこと? せっかく一緒にお風呂入ってるのに、そういうのデリカシーに欠けると思うんだけど」
モバP「す、すまん」
凛「はぁ……まぁいいけどさ。それでどう? 少しは成長したと思う?」
モバP「え? あぁ、まぁ成長したんじゃないか、うん」
凛「感想が適当すぎるんだけど。真面目に答えてよ」
モバP「真面目に答えてるよ。間違いなく成長してる。うん、俺が保証する」
凛「怪しいなぁ……そうだ! それっ」
モバP「!?」
モバP(こいつ……! 俺の手を自分の胸に直接!?)
凛「んっ……ど、どうかな?」
モバP「あ、あぁ」
モバP「(やばいやばい、このままだとマジで収まりがつかなくなる……!)」
凛「ねぇ、プロデューサー?」
モバP「ん!? な、何だ?」
凛「……ここで、しちゃおっか?」
モバP「はっ!?」
モバP「お前、なに言ってるのかわかって――」
凛「当然でしょ? どうせするんだったら早い方がいいから」
モバP「いやいやいや。別にするなら風呂上がってからでもいいだろ。ほらあれだ……風呂だといろいろ面倒くさいからな」
凛「……そうやってごまかして、いざお風呂上がったら、なにもしないつもりなんでしょ?」
モバP「な、なにをおっしゃいますか凛さん。そんなことあるわけが――」
凛「さっきぼーっとしてたのだって、どうせ『どうやって凛とのSEXを回避しようかな~?』なんて考えてたんでしょ?」
モバP(ば、ばれてるぅー!)
凛「即答しないってことは図星ってことか。プロデューサー、いくらなんでもわかりやすすぎ」
モバP「……俺は何も言ってないぞ」
凛「『無言は肯定とみなす』ってさっきも言ったよね? それについてはプロデューサー、なんの訂正もしなかったけど?」
モバP「うっ……!」
凛「やっぱり。……ねぇ、そろそろ観念しなよ、ね?」
今日はここまで。
見てくれた(レスしてくれた)方、ありがとナス!
モバP「……ふ、風呂はちょっとな。後処理が面倒だし。……そ、それに今は冬だろ? 時期がよくない。風邪引くかもしれないし」
凛「……」
モバP「ほらあれだ、ここで風邪引いたら大変だろ? 色々と」
凛「……別に私は」
モバP「何言ってんだ。お前はアイドルで、俺はプロデューサー。お前には体調を整えてファンの前で仕事する義務があるし、俺にはお前を心配する義務がある」
モバP「お前もアイドル始めて2年になるんだ。そこんとこ、わかってるだろ?」
凛「……」
モバP(悩んでるな……。頼む、何とかここは抑えてくれ、凛……!)
凛「……わかった、いいよ」
モバP「! そっか、よかっ――」
凛「ただし」
モバP「へっ?」
凛「ベッドでするときは……ゴムなしでしようよ、それが条件。これを呑んでくれるなら私、お風呂ではガマンする」
モバP「」
モバP「い、いやさすがにそれは……」
凛「いいじゃん。別に初めてってわけじゃないんだし」
モバP「そ、それはそうだが……」
モバP(今は未央がいるんだからできるわけないだろ!)
凛「私、優柔不断なプロデューサーは嫌いなんだよね。早く決めてほしいなぁ。ねぇ、どっちでする?」
モバP「……」
モバP(正直言うと、どっちもいやなんだけど……)
モバP「ほ、他の案は――」
凛「ないよ。あ、でもどうしてもっていうなら、両方断ってもいいよ」
モバP「! ほんと――」
凛「そのかわり」
モバP「?」
凛「お風呂出たらすぐに、未央とちひろさんに電話かメール、しちゃおっかなぁ~?」
モバP「」
―― お風呂からあがって
凛「ふぅー、さっぱりした」
モバP「……」
凛「プロデューサーもなんだかんだ言って期待してるんじゃん。ゴムなしの方を選ぶなんて」
モバP「ははは……」
モバP(わずかでも回避可能な選択肢に賭けただけなんだけどな)
モバP(というか、さっきから俺、どんどん追い込まれてね? 上手くかわすはずが、どんどん凛の術中にハマってる気が……)
凛「プロデューサー?」
モバP「ん? ど、どうした?」
凛「……いや、何でもないよ。またぼーっとしてたからどうしたのかな、って思っただけ。また考え事?」
モバP「今回は違うよ。ちょっとのぼせかけただけだ」
凛「へぇー、そう」
凛「考えるだけ無駄なのに、ね」
モバP「何か言ったか?」
凛「別にー」
モバP「さてと……それじゃあ」
凛「しよっか?」
モバP「仕事しないとな」
凛「仕事って……今日は終わらせてきたんでしょ? 見え透いた嘘はやめてよね」
モバP「違うよ。元々、家でやる仕事が別にあったんだ。嘘ついたわけじゃない」
凛「……ふーん。それってどれくらいかかるの?」
モバP「だいたい1時間くらいかな。それより早い時もあれば遅い時もあるし、一概には言えないけど」
凛「それまで私は放置ってこと?」
モバP「悪いな。テレビでも見て時間つぶしておいてくれ」
凛「……なにか手伝おうか?」
モバP「気持ちだけもらっとく」
凛「……」
モバP(とりあえずはこれでいい。さて、仕事してる間に新しい作戦を考えなければ……)
モバP「……」
凛(プロデューサー、黙々と仕事してる。どうやら仕事があるのは嘘じゃなかったんだ)
凛(とはいえ、恐らくこの間に何かを考えているのは確実。なんとしても私とするのを避けようとするはず)
凛(一応、108くらいの言い訳パターンを想定してはいるけど、想定外のことを言われたら動揺するかも。そうなったらプロデューサーの思う壺になる)
凛(絶対に弱みは見せない。常に強気で、常に自信満々を装う。そうすれば押しに弱いプロデューサーのこと、結局は私の意見に従うはず)
凛(あぁ……早くプロデューサー、仕事終わらないかなぁ? 私、もう今から待ちきれないよ……)
凛(あぁ……プロデューサー……プロデューサー……プロデューサー……)
凛(あぁ……あぁ……)
―― 1時間後
モバP「……」
モバP(駄目だ。もう仕事終わりそうなのに全然いい作戦が思い浮かばない)
モバP(いっそもう1回ヤってしまうか……? いやいや、1回でもヤってしまえば間違いなく次を要求されるのは目に見えてる。ほらあれだ、弱みを握られた人が何回もゆすられたりする、2時間ドラマでありがちな展開だよ)
モバP(そもそもドラマだと、ゆすられた人って大抵ゆすった人を殺したりしてるんだよな……)
モバP(……)
モバP(!? 俺は今何を……)
モバP(……はぁ、頭使いすぎて考える事までおかしくなってる。いかんいかん)
モバP(とにかく、どうにかして凛から逃げないと……)
凛「……プロ、デュー、サー……」
モバP「!? り、凛!?」
今日はここまで。
見てくれた方、レスくれた方ありがとナス!
モバP「ど、どうしたんだ凛。って――」
凛「ねぇ……プロデューサー。私……もう……我慢が、でき……ない、かな」
モバP「我慢って……。いいか凛、少し落ち着――」
凛「落ち着け……るわけ……ないよ……。ほら、私のココ……こんなに……なってる……」
モバP「……!」
モバP(おいおいマジかよ……。ってことはこいつ、俺が仕事し始めてからずっと1人でしてたのか……)
凛「プロ……デューサー……」
モバP「……」
モバP(やばい、ちょっと興奮してきた……)
モバP(……ってダメだろ俺! 何とか凛から逃げる作戦を考えていたはずなのに……)
モバP(……でもさ? いくらなんでも、こんな光景見せられて意識しない男なんているだろうか、いやいない)
モバP(俺の前には……おそらく自慰をしていたであろう凛がいる。顔は火照っていて焦点が定まっていないし、秘部はグッチョリと濡れている)
モバP(これだけ無防備な姿を晒されて、興奮しない男なんていない。断言できる)
モバP(と、なれば……据え膳食わぬは男の恥、じゃないのか?)
モバP(……いや! これは間違いなく凛の考えた巧妙な罠だ。ここでヤってしまえば俺は凛の術中に嵌ってしまうことになる)
モバP(それだけは絶対避けなければならない。絶対にだ!)
モバP(だから……!)
凛「プロ……デュー……サー……」
モバP「凛、とりあえずもっかいちゃんと服を着てくれ。そうじゃないと風邪引いてしまうぞ」
モバP(そう。実は言ってなかったが、凛は下半身に何も身につけてない。下着すらも)
モバP(このまま放っておいたら確実に風邪を引いてしまうから、何かを着せてやらないといけない。ただその前に、下半身の湿りを何とかしないといけないが……)
凛「べつに……いいじゃん……。どうせ……脱ぐん……だし……」
モバP「ヤる前提で話を進めるのはやめろ」
凛「嘘……。だって……お風呂……で……言った……」
モバP「今のお前の状態じゃあ今日はムリだ。だからさ、今日はとりあえず休め。な?」
モバP(よしこれでいこう! 凛を心配しつつ本来の目的も達成できるナイス発言、これで押し切る!)
モバP「よし! そうと決まればまず――」
凛「うそつき」
今日はここまで。
更新ペースが遅くなって申し訳ナス!
あと、見てくれた方、レスくれた方ありがとナス!
土日はもう少しペースをあげられるよう、善処します(ペースをあげるとは言ってない)
モバP「えっ……がっ!?」
凛「……」
モバP「り、凛……何を」
凛「うそつき……うそつきうそつきうそつき!!!」
凛「今日するって! 今日するって言ったじゃん!!」
モバP(こ、こいつ首を……)
モバP「り、凛……落ち着け……」
凛「どうして嘘ついたの? ねぇ……ねぇ!」
モバP「り、凛……お前……体は……」
凛「あんなの演技に決まってるじゃん! ……そんなこともわからないんだね、今のプロデューサーはさ!」
凛「それよりも……どうして嘘ついたの?」
モバP「……」
モバP(どうする? 正直に答えるべきか……)
凛「どうして、って言ってるでしょ!!!」
モバP「がっ……」
モバP(や、やばいこいつ。目がマジだ。このままじゃ……)
凛「ねぇ、早く答えてよ……プロデューサー」
モバP「こ、答える、答えるから……。手を……手をどけてくれ、凛」
凛「……」
モバP(とにかく……この状況から脱出しないと……!)
凛「……嫌」
モバP「!?」
凛「そうやってまた逃げる気なんでしょ? やらないよ。それに、別にこのままでも喋るくらいはできるじゃん」
モバP(いやいや! この状況じゃかすれ声で話すのが精一杯なんですけど!)
凛「ほら、早く言わないと……どんどん締めるの強くしちゃうよー?」
モバP「がっ……ぁぁ……」
モバP(ち、力……強っ……)
凛「ほらほら早く! 早く!」
モバP(ぁっ……意識が……遠く……)
凛「早くしてって! 早くしてって言ってるでしょ!!!」
モバP(ぁ……)
モバP「……」
凛「……」
モバP「…………」
凛「……プロデューサー?」
凛「プロデューサー? ねぇ」
モバP「……」
凛「プロデューサー? ……プロデューサー!? プロデューサーってば!?」
モバP「……」
凛「起きて! ほら、もう首絞めるのやめたからさ、ほらもう起きてよ!」
モバP「……」
凛「起きてよ! 起きてってば!! ……起きてよ!!!」
モバP「……」
凛「あ……あぁ……」
凛(う、嘘……。プロデューサー……)
凛「い、いや……いや……」
凛(ど……どうしよう……どうしたらいいの……)
凛「……」
凛「……そ、そうだ! 人工呼吸、人工呼吸!」
凛「えいっ……、むぐっ……」
モバP「……」
凛(お願い……プロデューサー……、お願いだから目を覚まして……!)
モバP「……」
―― 数分後
凛「……」
モバP「……」
凛「……」
凛「……どうして?」
凛「……どうして、目を覚まさないの?」
凛「ねぇ、本当に死んじゃったの?」
凛「ねぇ、実は演技してるんでしょ? 私にドッキリでも仕掛けてるんでしょ?」
凛「ねぇ、悪い冗談はもういいからさ、いい加減目を覚ましてよ」
凛「ねぇ、プロデューサー……」
今日はここまで。
見てくれた方、レスくれた方ありがとナス!
あと2日くらいで完結できるよう、精進します。
凛「……」
凛「……逃げなきゃ」
凛(とにかく逃げないと、逃げないと……)
凛「……とりあえず、服を着なきゃ」
凛(服は……洗濯機はまだ回してないよね。ってことは洗濯カゴの中のはず)
凛「……」
凛「ごめんね、プロデューサー」
―― 洗面所
凛「……とりあえずこれでいいかな」
凛(服は着た。でも逃げる前にやらないと行けないことあるよね。えっと……)
モバP「おい」
凛「えっ――」
ガンッ
>>145
✕ 凛(服は着た。でも逃げる前にやらないと行けないことあるよね。えっと……)
◯ 凛(服は着た。でも逃げる前にやらなきゃいけないことあるよね。えっと……)
凛「……うっ」
モバP「気がついたか?」
凛「……プロデューサー…… ! プ、プロデューサー!? い、生きてたの?」
モバP「勝手に人を殺すな。あれは演技だ」
凛「……よかった、よかった……」
モバP「良かっただと?」
凛「えっ?」
モバP「演技してたとはいえ、俺はお前のせいで死にかけたんだぞ?」
凛「……」
モバP「俺はな凛、いつかこうなると思ったから、お前と別れたんだ」
モバP「付き合いだした頃は楽しかったよ。事務所の人たちにバレちゃうんじゃないかって、2人でドキドキしながら家に帰ったりしてさ。休みの日にも2人で遠くまで出掛けたっけ」
凛「……」
モバP「でもそれも最初の頃だけだった。しばらくするとお前は『あの子誰?』『あの子とどんな話してたの?』……もっとたくさんあったけど覚えてない。とりあえず2人になる度質問攻めだった」
モバP「アイドルのプロデューサーやってるんだから色んな女の子と話をするのは当然だろ? だけどお前はそれさえも許してくれなくなった。俺は常に疑われてるように感じたよ。正直、息苦しかった」
凛「……」
モバP「だから別れた。それで未央と付き合った」
モバP「未央はとてもいい子だ。明るくて無邪気だし、一緒にいて楽しい。それに、決して俺を束縛しない」
モバP「凛……俺はお前が俺と別れてから、何か変わるんじゃないかと正直、期待していた。俺がどうしてお前と別れたのか、それを考えてくれるんじゃないかと思ってた」
モバP「でも結局お前は変わらなかった。いや、変わらないどころか、余計酷くなった」
モバP「……俺に責任がないとは言わない。だけどな凛、さすがに今回はやりすぎだ」
凛「……」
モバP「……反省してるか?」
凛「えっ?」
モバP「さっきも言ったけど、俺にだって責任はある。未成年のお前に手を出してるわけだし」
モバP「……見逃してくれる、ってこと?」
モバP「あぁ。そのかわり、もう俺と未央の関係に口出すな。それなら今回のことは水に流す」
凛「えっ?」
モバP「どうだ? 危うく人殺しになりかけたやつには優しすぎる条件だと思うんだが」
凛「……」
モバP「どうなんだ、凛?」
凛「……ふふっ」
モバP「凛?」
凛「プロデューサー、わかってないね」
モバP「?」
凛「プロデューサー、私はまだ秘密を握ってる側なんだよ。確かに今日はやりすぎたと思う。でも、私の方がプロデューサーよりも有利な点は変わらないよ?」
凛「それを何? 私が動揺してると思って自信満々に『優しい条件』とか……バカみたい」
モバP「確かにそうだな。でも俺が今回の事を話せば、お前にとってもマズイんじゃないか?」
凛「……あのさぁ、未成年の、しかも自分の担当してるアイドルに手を出した男の証言なんて、誰が信じると思う?」
モバP「……」
凛「第三者から見れば私は《悪い大人に騙された可哀想な女の子》なの。そのイメージに合わせて私がちょっと《悲劇のヒロイン》を演じれば、結果はどうなるか……プロデューサーならわかるよね?」
モバP「……条件を受け入れる気はない、ってことでいいのか?」
凛「当然でしょ? 残念だったね、プロデューサー」
モバP「そうか……わかった、わかったよ」
凛「ふふっ。そう、それでいいんだよ。それじゃ――」
モバP「じゃあ、俺はお前のプロデュースから降りる」
凛「!?」
これはPが悪い
>>154
モバP「……見逃してくれる、ってこと?」
凛「プ、プロデュースから降りる……?」
モバP「俺は別に問題ない。ニュージェネは新しいメンバーを考えるし、最悪ニュージェネは解散でもいい。ニュージェネは3人とも個別に番組持ってるからな」
凛「ま、待ってよ! 何それ!?」
モバP「なんだ? お前はまだ俺より立場が上なんだろ? だったらなんとでもいえばいいし、なんとでもすればいい」
モバP「そのかわり、俺はもう二度とお前のプロデューサーにはならないし話もしない。それだけだ」
凛「そんなの……認められるわけないよ」
モバP「どうかな? ニュージェネはここ最近、思うような結果が出てない。『テコ入れのためにメンバーの入れ替えないしはユニットの刷新をしたい!』とでも言えば社長は納得してくれるだろう。社長は俺のことを買ってくれてるし。それにな……」
モバP「俺は、自分を殺そうとするアイドルの担当なんてまっぴらゴメンなんだよ! さらに言うとだな、このままずっとお前の言いなりになり続けるくらいだったら、警察でも事務所でも通報してくれたほうがマシだ!」
凛「!! いや…嫌だよ……ねぇプロデューサー」
モバP「おいおいどうした? さっきまでの余裕はどこいったんだ、凛?」
凛「だ、だって……プロデューサーがプロデュースしてくれないなんて……私、耐えられない……」
モバP「じゃあ俺と未央から手を引け。俺と未央の邪魔をするな。それならまた今までと同じようにお前のプロデュースを担当してやる」
凛「そんなの……」
モバP「選べ凛。2択だ。……もしお前が選ばないなら、俺が選ぶぞ」
凛「……」
凛「……私は」
―― 数時間後 P宅(電話)
未央『いやー、これで一安心だよ』
モバP『一安心、か。おかげで俺は危うく死にかけたんだけど』
未央『それについては謝るよ。まさかしぶりんがあそこまでするなんて思わなかったからさ。まぁそのおかげで予想以上の成果が出たわけだし。ほら、怪我の功名ってやつ?』
モバP『お前なぁ……』
未央『あはは、ゴメンってプロデューサー。……それで、体は大丈夫なの?』
モバP『あぁ。まぁいくら凛とはいえ女の子だからな。さすがに死ぬくらいまでは締められなかったみたいだ』
未央『しぶりん、大慌てだったんじゃない?』
モバP『いや、大慌てというよりは放心状態、って感じだったぞ。なんかボソボソ言ってたし』
未央『へぇ~、案外しぶりんも小心者だったってことかぁ』
モバP『あんなことになったら誰でもあんなリアクション取ると思うぞ』
未央『それもそうだね。あれ……そういえばしぶりんは結局どうしたの?』
モバP『家に送っていったよ。さすがにあの状態で俺の家に置いておくのはマズい』
未央『しぶりんのお母さんとかお父さんには何か言われなかった?』
モバP『凛のご両親には適当に理由作って話しておいた。まぁ向こうは俺を信頼してくれてるみたいだから納得してくれたよ』
未央『おー、それはよかった』
モバP『話してる最中はドキドキだったけどな。もし凛が何か言い出したら……ってずっと思いながら喋ってたし』
モバP『でもさ、本当にこれで良かったんだろうか?』
未央『? どうしたのさ急に』
モバP『いやさ、上手くいきすぎてる気がするんだよ。確かに未央の作戦通りに事は進んだ。だけどいくら凛が納得したとはいっても、あいつが警察かちひろさんにでも一言言ってしまえば俺は終わりだろ? そう考えるとやっぱり怖くてさ』
未央『大丈夫! しぶりんにとって、プロデューサーと一緒にいられなくなるなんて死刑宣告みたいなもんだからね』
未央(プロデューサーは気づいてないみたいだけど、しぶりんはプロデューサーにめちゃくちゃ依存してるもんね。『プロデュースをやめる』っていうのは切り札だったんだけど、思った以上に効いたなぁー)
モバP『でも、あいつお前やちひろさんに連絡するのにためらいはなさそうだったぞ』
未央『脅しかけてただけだよ。どうせ本気で連絡なんてする気なんてなかったって』
未央(しぶりんの性格考えたら、通報するなら別れた直後にしようとするはずだし)
モバP『そんなものかな?』
未央『んー、なにさなにさー! そんなに私の言うことが信じられないわけー!?』
モバP『いや、そんなことはないけど……』
未央『プロデューサービビりすぎ。大丈夫だって! しぶりんの《友だち》の私が言ってるんだから間違いない!』
モバP『……そうだな。すまん疑って』
モバP(友だち、の部分をやけに強調してるように聞こえたのは気のせいか?)
未央『わかればよろしい!』
モバP『……』
未央『プロデューサー?』
モバP『ん?』
未央『どうしたのさ、急に黙っちゃって』
モバP『あぁいや、未央にはいろいろ世話になってばっかりだなぁ……って思ってさ』
未央『……』
モバP『今回のことも未央は巻き込まないようにしようと思ってたんだけ――』
未央『何言ってんのさ!!!』
モバP『うおっ!? ど、どうしたんだよ急に大声出して?』
未央『……私たち、恋人でしょ? 彼氏の悩みを解決したいって思う彼女って、変?』
モバP『未央……』
未央『プロデューサー、私と付き合う前……しぶりんにずっと振り回されてたよね? 事務所でも元気なかったし』
モバP『……そうだったな。あの時は本当に凛に振り回されてて大変だった。で、そんな時に未央が相談に乗ってくれた』
未央『しぶりんはいい子なんだけど、ちょーっと周りが見えない時があるんだよね。だから一旦距離を置いた方がいい! って、あはは、今考えたら笑うよね。彼氏もいたことないのにドヤ顔で恋愛指南するとか』
モバP『でも、俺はその言葉で救われた』
未央『! プロデューサー……』
モバP『それにさ、なんていうか……その時にはもう……未央のこと好きになってたし』
未央『えぇっ!?』
モバP『そんなに驚くなよ。あの時、未央は本当に親身になって俺の相談に乗ってくれた。それで俺はこれからどうしたらいいのか、って、まるで自分のことみたいに一生懸命考えてくれたっけ』
未央『しぶりんにバレないようにこっそりとね。懐かしいなぁー』
モバP『その時間……未央と一緒に過ごしたその時間が、俺にはすごく楽しかったんだ。この時間をもっと長くしたい、もっと未央と一緒にいたい、って思ったのもその頃だった』
未央『そ、そうだったんだー。あはは……、なんかこうやって言われると恥ずかしいね』
モバP『俺もだ。自分で言っててなんだよ、って話だけどな』
未央『あはは……』
モバP『未央』
未央『んー?』
モバP『改めてになるけど、こんな俺でも大丈夫か?』
未央『今更!? ……うーん、そうだねぇー。まぁ、悪くはないんじゃない?』
モバP『はは……うん、そっか! それじゃあ、これからもよろしくな、未央』
未央『うん!! これからも、ずーっと一緒だよ、プロデューサー!!!』
おしまい
以上です。
見てくれた方、レスくれた方全てにありがとナス!
一応前に書いたやつを貼っときます。
もし良かったらどうぞー(露骨な宣伝)
前作
ありす「新しいプロデューサー・・・?」
ありす「新しいプロデューサー・・・?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385911956/)
前々作
凛「新しいプロデューサー?」
凛「新しいプロデューサー?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385733811/)
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