美波「それでは、この中から生贄になる人を決めましょう」 (19)


***

あなた達は『欠落した』人間である。
あなたたちは、『異端者』を探さなければならない。
『異端者』はあなた達の中に潜んでいる。
『異端者』は『一人』を殺した。
『異端者』はあなた達の中に潜んでいる。
あなたたちは『欠落した』人間である。

『生贄』を与えなさい。
『生贄』はあなた達から与えられる。
『生贄』を与えなさい。
『生贄』が『一人』を作る糧になる。

***


美波「ん……」

美波「ここは……」

美波(見覚えのない部屋、それになんだか肌寒い……)

美波「どうして、私はこんな場所で寝ていたんだろう?」

美波(部屋には、薄汚れたベッドと、どこかに続く扉があるだけ……)


美波「……これは、封筒かしら」

美波(何か入ってる、取り出して中を見てみようかな)

美波「……ええっと、なになに」


* * *


[luxuria / lust]

色欲の者、あなたは、周りの人間を魅了する力を持っている。

あなたは、その恐るべき力に脅された他の人間から、疑われることになるだろう。

あなたは、何の憂いもなく、ただ無実を証明すればいい。

あなたは、選ばれた六人のうちのひとりだ。

あなたは、隠された真実を暴く。


* * *


美波「書かれていることは、よく意味が分からないけど……」

美波(だけど、すこし気味が悪いと感じるのはなぜかしら?)

美波「……無実、ね」

美波(何かの罪に問われるようなことがあったのかしら……でも、それって)


「だから……そうじゃない……って……言ってる……」


美波「? なにかしら、声が聞こえるみたいだけど……」

美波「声の主は向こうに続く扉からね……怖いけど、行ってみましょうか」


ガチャ

みく「だーかーらー! 杏ちゃんもちゃんと考えてって言ってるでしょー!」

杏「んもー、だから考えてるって言ってるじゃん。だよね? かな子ちゃん」

かな子「えっとー……」

みりあ「みりあも考えたいー! ねえ、ねえ!」


美波(……ここには、事務所の子たちも来ていたのね。でも、何か揉めているみたい……)


凛「あれ、美波さんもここにいたんですね」

美波「凛ちゃん、これ、一体なにがあったの?」

凛「んー……何から説明したらいいか分からないけど」


みく「美波ちゃんも、考えてほしいの! みく達ここに閉じ込められちゃったんだよ!」

美波「閉じ込められた?」

美波(……部屋には、扉が六つあるみたいだけど。あれは出口じゃないってことなのね)

美波(私の出てきた部屋に続く扉を除けば、みんなはそれぞれ、他の扉から出てきたということかしら)

美波(……まだ理解があまり追い付いていないみたいね)

杏「説明がたりてないよ、みくちゃん……」

美波「杏ちゃん、もう少し詳しく説明してくれる?」

杏「んー、まあ、美波さんがそういうなら……」


杏「まず、みくちゃんがさっき言ったみたいに、杏たちはここに閉じ込められてる」

美波「ええ、そこまでは大丈夫」

杏「閉じ込められてるってことは、まず考えられるのは、杏たちはここに連れてこられたってこと」

美波「連れてこられた?」

杏「うん。たぶん、杏たちの知らない誰かに」

美波(杏ちゃんの言うことが本当だとすれば、これは誘拐事件ということになる)

美波(……でも、それはいったい何のために?)

杏「それが何のためにっていうのは、一旦、置いておいて。重要なのはこの本なんだ」

美波「……それは?」

美波(杏ちゃんの手にあるのは、テキストブックのような黒い本。あれは一体……?)

ちょっとずつ書いてきます。
後半にグロテスクなシーンあります。


かな子「……この本には、ここからの脱出方法が書いてあるんです」

美波「脱出方法?」

杏「うん。まあ、一応ね」

凛「……」

美波(かな子ちゃんの言い分が正しければ、私たちのやるべきことは、あの本を頼りにここから脱出すること)

美波(だけど、杏ちゃんを含めて、みんな浮かない顔をしてる)

美波(それに、脱出方法という言い方にひっかかりを感じるのはなぜかしら)

美波(……そうよ。だって“脱出方法”なんて、そんな言い方は、まるで――)


みく「美波ちゃん。みくを含めた六人は、今、ゲームのプレイヤーなんだよ」

美波「ゲーム……?」

みく「うん。ここに書いてあったのはね、つまり、こういうことなの」

美波(みくちゃんが見せてくれた紙切れには、こんなことが書かれていた)


***

あなた達は『欠落した』人間である。
あなたたちは、『異端者』を探さなければならない。
『異端者』はあなた達の中に潜んでいる。
『異端者』は『一人』を殺した。
『異端者』はあなた達の中に潜んでいる。
あなたたちは『欠落した』人間である。

『生贄』を与えなさい。
『生贄』はあなた達から与えられる。
『生贄』を与えなさい。
『生贄』が『一人』を作る糧になる。

***


美波「これは、どういうこと……?」

美波(この文章の意味は、正直に言って、よく理解できないわ)

美波(まず、最初の文章。『欠落した』という言葉の意味)

美波(私たちは、何かを失っている――という意味なのかしら。だけど、それは一体何を……?)

美波(それに、『異端者』という言葉)

美波(私たちのなかに、『異端者』が潜んでいる? この六人の中で……?)

美波(そして、最後に書かれた内容)


美波(『生贄』を与えなさい――それは、つまり……)


七つの大罪なら

憤怒 (モバP、巴辺り?)
傲慢 (マキノ、礼子辺り?)
暴食 (パンキチドナキチおなかな子)
嫉妬 (まゆ)
強欲 (ちひろ、亜子辺り?)
色欲 (美波他多数)
怠惰 (杏)

だったはず
色欲に該当しないモバマスキャラがいない希ガス


美波「……この『生贄』というのは、どういうことなのかしら?」

杏「美波ちゃんが来る前に、杏達が話していたのは、そのことなんだよ」

みりあ「ねえねえ、かな子ちゃん。いけにえ、ってどういう意味なのー?」

かな子「んー……それは、えっとー……」


杏「美波ちゃんは、この部屋に入った時に、違和感はなかった?」

美波(……違和感? どういうことかしら)

美波(……部屋の壁には、骨を象った装飾品が飾ってある。どれも悪趣味なものばかり)

美波(私たちの部屋には大きな円卓を囲むように、六つの椅子が置かれてある)

美波(どれも気にはなるけれど――特に目に留まったのは……)


美波「もしかして、杏ちゃんが言ってるのは、あの断頭台のこと?」

杏「……まあ、そういうことになるね」


美波「……これ、もしかして本物なの?」

美波(刃物はぎらぎらと鈍色に輝いている。とても、レプリカのようには見えない)

美波(『生贄』そして断頭台。これが意味することはつまり……)

杏「さっき見せたテキストブックには、いうなれば、ここからの脱出方法のルールが書いてあったんだよ」

杏「で、まとめるとこんな感じだった。美波ちゃんも見てもらえる?」

美波「……ルール、ね」

美波(あまり見たくないけど、私がそんなことを言ってはられないわね)



 『サクリファイス』 -ルール説明―


①この中には一人、『異端者』がまぎれている。
 無実の五人に悪意を向ける『異端者』を除かなければならない。

 ・ゲームの勝利条件: 『異端者』を見つけ出し、殺害すること


②『異端者』の候補は、毎ターン“一人”を選択し、『裁判』にかける。
裁判にかけられたプレイヤーは『生贄』となり、次のターンからはゲームに参加できなくなる。


③ゲームはターン制である。
 一人の『生贄』が選ばれた後は、どちらかの選択肢に移る。

 ・『異端者』の殺害に成功 ⇒ゲームクリア
 ・『異端者』の殺害に失敗 ⇒ゲームの続行

 次のターンに移るための条件:
 『生贄』となったプレイヤーの『身体の一部』を差し出すこと


④プレイヤーにはゲーム開始前から、『特殊アイテム』が与えられている。
 アイテムの内容は各プレイヤーによって異なる。
 ゲームの進行に応じて、使用できる。

 また、『生贄』となったプレイヤーが残したアイテムは、
 誰が使用しても問題はない。


⑤ゲームの敗北条件: 『異端者』と『潔白者』が同じ人数になること


憤怒 みりあ(ラース)
傲慢 みく (プライド)
暴食 かな子(グラトニー)
嫉妬 凛  (エンヴィー)
強欲 ちひろ(グリード)←死亡
色欲 美波 (ラスト)
怠惰 杏  (スロウス)

人狼ゲームみたいだしこうじゃね?

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