いろは「お邪魔します。あれ? 灯花ちゃんは?」
うい「灯花ちゃんは検査に行ってるよ。もうすぐ戻ってくると思うけど」
いろは「ねむちゃんは眠っているんだね」
うい「うん。ねむちゃんは眠ってるよ。昨日遅くまで何か書いてたから疲れて眠ってるみたい」
いろは「そっか。ういは? スマホを使って何かしてたの?」
うい「うんっ! 漫画を読んでるの」
いろは「えっ? スマホで漫画が読めるの?」
うい「読めるんだよ~。電子書籍って言うの。灯花ちゃんに教えてもらったんだ」
いろは「へえ。すごいねえ」
うい「お姉ちゃんも一緒に読もうよ」
いろは「うん。読ませて」
~~~~~~~~~~~~~
『こ、こらっ・・・。や、やめなさい・・・』
『この年になっても太らないなんてうらやましいっ! その体、もっとワタシに見せてくださいっ!』
~~~~~~~~~~~~~
いろは「ひゃい?!////」ドキッ
うい「どうしたの?」
いろは「はわっ/// えっ、あっ、えっと/// 大人の女の人が裸になってる?!////」
うい「そうだね。綺麗な人だよね」
いろは「ういっ。こ、この漫画は、何・・・?////」
うい「この漫画? 少女漫画の事?」
いろは「こういう漫画よく読むの・・・?」
うい「うん、面白いからよく読んでるけど」
いろは「えーっと・・・。ういにはまだちょっと早くないかな・・・? こういう漫画は・・・」
うい「そんなことないよ! わたしだってもう高学年なんだから。わたしくらいの年の子なら誰だって読んでるよ。お姉ちゃんのクラスでも流行ってない?」
いろは「あうっ・・・。ど、どうかなあ・・・。お姉ちゃん、流行りの物はよく分からなくて・・・」
うい「それじゃもっと一緒にこの漫画読もっ」
いろは「う、うん・・・・」
~~~~~~~~~~~~~
『あっ・・・。先輩っ・・・。そこは・・・・ダメ、なのっ・・・』
『何がダメなワケ? キスシーンの構図が欲しいって言ったのはアナタだヨネ?』
~~~~~~~~~~~~~
いろは「ひゃっふ?!/////」
うい「?」
いろは「う、ううう、ういっ?! これは?!////」
うい「ああ、これはね~。壁ドンっていうシチュエーションなんだって! 最近流行ってるんだよ。こうやって相手の逃げ場を無くして、その後に ちゅっ☆ ってしちゃうの! キュンキュンするよね~」
いろは「ううっ・・・! だ、ダメっ! ういにはこういう漫画はまだ早すぎるよ! 読んじゃいけません!」
うい「ええっ?! なんでっ?! 普通だよこれくらい! 普通普通! 普通だから流行ってるの! 流行は抑えておかないと時代に取り残されちゃうよ! 時代は待ってくれないの! 世界的なんだもん! 乗るしかないよ! このビックウェーブに!」
いろは「うっ、流行って言われちゃうと・・・。でも・・・」
うい「えいっ」
ほっぺに ちゅっ☆
いろは「きゃ?!////」ドキンッ
うい「ほら。わたし今お姉ちゃんにちゅうしたよ。普通でしょこれくらい」
いろは「そ、そうなのかな・・・?」
うい「そうなの。普通。だからお姉ちゃんもわたしにして」
いろは「えっ?」
うい「はやく~っ!」ズイッ
いろは「う、うんっ、わかったわかったよ。んっ」
ほっぺに ちゅっ☆
うい「えへへ~///」
いろは「・・・・////」カァ
灯花「あーっ!」
いろは「ひゃわっ?!」ビクッ
うい「あっ、灯花ちゃんお帰り。検査終わったの?」
灯花「終わったけどー、今はそんなことどうでもいいのーっ!」
うい「何かあったの?」
灯花「あったよー! たった今! ういがお姉さまにちゅーしてもらってたにゃーっ!」
いろは「ちょ、ちょっと灯花ちゃん声がおっきいよ・・・////」
うい「えへへ。いいでしょ~」
灯花「ずーるーいーっ! お姉さま! わたくしにもしてー!」
いろは「ええっ?!////」
灯花「しーてーっ! にゃー! にゃー!」グイグイッ
いろは「わ、わかったから/// 静かにしよう?」
灯花「んっ!」ズイッ
いろは「そ、それじゃあ、するよ・・・?/// んっ////」
ほっぺに ちゅっ☆
灯花「くふふっ」
うい「ねえねえお姉ちゃん。ねむちゃんを仲間はずれにしちゃだめだよ」
灯花「えーいーよー別にねむなんかー。ねむは眠ってるんだしー」
うい「良くないよ。お姉ちゃん、眠ってるねむちゃんにもちゅうしてあげて」
いろは「えっと・・・/// これ以上はちょっと、お姉ちゃんが恥ずかしいかな////」
うい「ダメっ! いいからしてあげてっ!」
いろは「ううぅ・・・/// わ、わかった、するから・・・///」
うい「うんうんっ」
いろは「・・・んっ///」
おでこに ちゅっ☆
ねむ「・・・・・・・・」
うい「ステキー! 眠り姫にキスしてるみたい!」
いろは「・・・・///」
始まりは、無邪気な友愛。
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うい「あっ、お姉ちゃん。今日も来てくれたんだね」
いろは「お邪魔します。あれ? 灯花ちゃんは?」
うい「灯花ちゃんはサーバーの部屋に行って何か難しいことしてるよ」
いろは「ねむちゃんは眠っているんだね」
うい「うん。ねむちゃんは眠ってるよ。昨日遅くまで何か書いてたから疲れて眠ってるみたい」
いろは「そっか。ところで、うい。今日はちょっと元気ないね」
うい「うん・・・。新しいお薬を飲み始めているんだけど・・・。体が重く感じるような副作用があるみたいで、それでちょっとね・・・」
いろは「そうなんだ・・・・・」
うい「お姉ちゃんも今日は元気ないね」
いろは「えっ?! そんなことないよ、元気だよ」
うい「ホント?」
いろは「うんっ。ホントホント」
うい「じーっ」
いろは「う、うい・・・?」アセアセ
うい「学校で何かあったでしょ」
いろは「えっ、べ、別に何もないよ」
うい「もしかして、また学校で シスコン って言われた?」
いろは「えっ?! な、なんでういがそのこと知っているのっ?」
うい「やっぱり。この前お母さんに教えてもらった。何日か前に学校でシスコンって言われた時に、その時はお姉ちゃんが言葉の意味を知らなくて、帰ってからお母さんに意味を聞いたんだよね。その日からお姉ちゃん、元気がないことが多いんだもん」
いろは「あっ・・・・。もうっ、お母さんったら・・・・・」
うい「悪口の意味でシスコンって言われたから落ち込んでいるんでしょ」
いろは「違うよっ! 悪口なんかじゃないよ。いつも私が放課後すぐにういの所に行っちゃうから、そう勘違いされているだけ。学校はそんなに悪口を言われるような場所じゃないから安心して」
うい「ふーん」
いろは「・・・・っ」アセアセ
うい「勘違いなの?」
いろは「えっ?」
うい「お姉ちゃんはシスコン。それは勘違いなの?」
いろは「えーっと・・・それは―――」
うい「えいっ」ガシッ グイッ
いろは「―――・・・・わっ?」フラッ....
ポフンッ
いろは「わふっ」
うい「お姉ちゃん」
いろは「うい・・・?」
うい「して」
いろは「えっ?!」
うい「お願い」
いろは「今日も・・・? だ、ダメ・・・だよ」
うい「わたしね、怖いの」
いろは「怖い?」
うい「うん。新しいお薬、今は一番少ない量だけど、これからちょっとずつ増やしていくって、お医者さんが言っていたから。それが怖いの。いつか体が石みたいに重くなって動かなくなっちゃうんじゃないかと思って」
いろは「う、うん・・・・」
うい「だから、わたし勇気が欲しいの。お姉ちゃん。お願い。して」
いろは「で、でも、灯花ちゃんが戻ってくるかもしれないし・・・」
うい「大丈夫だよ。灯花ちゃんはサーバーをいじりだしたら、夢中になってしばらく戻ってこないから」
いろは「それに隣でねむちゃんが眠ってるから・・・」
うい「ねむちゃんは眠ってるから大丈夫だよ」
いろは「でも・・・」
うい「それじゃこうして」パサ
いろは「あっ」
うい「こうして、お姉ちゃんも一緒にわたしの掛け布団に入っちゃえば、誰か来てもすぐには見られないよ」
いろは「あっ、う、うん・・・そうだけど・・・・」
うい「お姉ちゃん」
いろは「ううっ・・・」
うい「・・・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・」
うい「・・・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・わ、分かったよ、す、するね」
うい「・・・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・んっ」
うい「んっ、ふぁ」
いろは「んっ、んちゅ」
うい「んうっ。んっ」
いろは「・・・・んっ、ぷぁっ」
うい「あっ、ダメ、もっと」
いろは「えっ」
うい「もっと」グイッ
いろは「あっ・・・・んちゅ」
うい「んむっ、あむっ」
いろは「はふっ、ふっ、んっ、んくぅ・・・・」
うい「あっ、んっ、ふちゅ、れろっ―――」
いろは「んっ?! あっ、ぷあっ、だ、ダメっ、もうダメだから・・・」
うい「あっ・・・。そんな・・・・。むー・・・・」
いろは「ごめんね・・・・・・・・」
うい「ううん。いいの。いつもありがとうお姉ちゃん。すごく勇気もらえたよ」
いろは「う、うん」
うい「それとね、お姉ちゃん」
いろは「うん?」
うい「お姉ちゃんがこうして側にいてくれるからわたしはがんばっていられるの。だからシスコンは悪いことじゃないよ。今度からシスコンって言われたら、誇ってほしいな」
いろは「うい・・・。そうだね、ありがとう、うい」
うい「うんっ!」ニコッ
灯花「あーっ! お姉さま来てたんだ!」
いろは「あはゃっ!?」ガバッ
うい「灯花ちゃんお帰り」
灯花「ん~? お姉さま、ういのお布団に潜り込んでなにしてたのー?」
いろは「な、なななにもしてまひぇん!」
灯花「ひぇん? 変なお姉さまー」
友愛は、繰り返される度に徐々に深くなり―――
----------------------------------
うい「お姉ちゃん。許可もらえた?」
いろは「うん。今日だけ特別にって」
うい「やった! お姉ちゃん早くわたしの隣で寝てっ」
いろは「分かったけど、うい、静かにして。灯花ちゃんとねむちゃんはもう眠っているんだから」
うい「あっ、う、うん、そうだね、ねむちゃん最近いつも夜遅くまで起きて何か書いていたけど、今日は早く眠っているもんね・・・。ごめんなさい・・・」
いろは「そう。消灯時間は過ぎているから静かにね」
うい「えへへっ。こうして久しぶりにお姉ちゃんと寝られるなんて嬉しいっ」ニコニコ
いろは「うい・・・・」
うい「ありがとうお姉ちゃん」ニコニコ
いろは「・・・・やっぱり怖いよね」
うい「あっ・・・。う、うん・・・。あははっ・・・。無理して笑顔作っても、やっぱりお姉ちゃんには分かっちゃうよね・・・」
いろは「明日受ける手術・・・。助からなかった前例も少なくないって、お医者さん言っていたから・・・」
うい「うん・・・。でも、これ以上引き延ばしたら、もうチャンスはないし・・・」
いろは「ありがとう、うい。それでも勇気を出して手術を受けるって言ってくれて」
うい「ううん。ありがとうなのはわたしの方だよ。お姉ちゃんがずっと側でわたしを支えて勇気をくれたから」
いろは「怖いことは無理に隠さなくていいんだよ。明日もずっと、お姉ちゃん側にいるから」
うい「ありがとうお姉ちゃん。本当にありがとう・・・・」
いろは「うい・・・・・・」
うい「・・・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・」
うい「・・・・・・・・」
いろは「・・・・・・・・する?」
うい「えっ、いいの? お姉ちゃんいつも無理していそうだったのに・・・・」
いろは「それは本当に無理しているからだよ・・・。誰かに見られちゃったらどうしようとか考えちゃって・・・」
うい「そっか・・・。ごめんね・・・」
いろは「いいの。今はういのことを一番に考えなきゃだから。ういのためだったら私はなんでもするから。ういのためだったら私はどうなったってかまわないから」
うい「縁起でもないこと言わないでっ。わたしが元気になっても、お姉ちゃんが元気じゃなかったら、わたし嫌だよ」
いろは「大丈夫だから。それじゃ―――」
うい「うん―――」
いろは「んっ・・・。ちゅ・・・」
うい「ふぁ、んっ、ぁっ、へろっ」
いろは「あっ・・・。んぅ、れろ」
うい「ぴちゅ、んんんっ、れろっ。ちゅるる。・・・ぷぁ」
いろは「ぷぁっ・・・。はぁっ、はぁっ・・・。うい? もういいの?」
うい「はぁっ、はぁっ・・・。ううん・・・。もっと欲しい・・・。でもね・・・あの・・・」
いろは「お姉ちゃんなんでもするよ。言って」
うい「・・・・うん。わたし、少女漫画いっぱい読んでいてね、思ったの」
いろは「どんなことを?」
うい「漫画の中の子たちは、好きな人と一緒にいられて幸せなんだなあ、って。だから、わたしも、この子たちみたいに幸せになりたいって、思ったの」
いろは「・・・・・うん、なれるよきっと。明日の手術が成功して」
うい「ううん。今すぐ幸せになりたい。今じゃないとダメなの。明日にはもう、わたしはこの世にいないかもしれないから」
いろは「縁起でもないこと言わないでっ!」
うい「お姉ちゃんがここで一泊できる許可なんて、普通はあり得ないよ。だけど、こうしていられるのは、明日どうなるか、お医者さんもお父さんもお母さんもお姉ちゃんも、そしてわたしも、分かっているから」
いろは「・・・・・・・・・」
うい「だから、それまでに。ね?」
いろは「・・・・・・・。私、どうしたらいい?」
うい「わたしは、お姉ちゃんと愛し合いたい。お父さんとお母さんがそうしたように」
いろは「えっ・・・? あっ、うっ・・・それは・・・。本当に、好きな人同士じゃないと・・・」
うい「わたしのね、世界で一番好きな人はお姉ちゃんだよ。こんなにも好きで好きでしょうがないって気持ちになれるの、過去にも未来にもお姉ちゃん以外に絶対にいない。言い切れる」
いろは「うい・・・」
うい「お願いお姉ちゃん・・・。一生のお願い・・・。好きな人と繋がって、一つになって、これ以上ないってくらいに幸せになりたいの・・・。それを知らないまま、死にたくない・・・」
いろは「・・・・・うん、わかった。私もういが世界で一番好きな人だよ。だから、うい。もうそんなに泣かないで」
うい「ごめんね・・・。多分、この涙は止まらない・・・。だから、このまま、お願い・・・」
いろは「うん。・・・・あっ、でも、私あまり詳しくなくて・・・。うまくできなかったらごめんね」
うい「大丈夫。わたしこの時のために漫画をいっぱい読んだんだから」
いろは「あっ、そ、そうだったんだ・・・。そ、それじゃあ、まずはどうしたらいいのかな?」
うい「まずはね、服を脱いで」
いろは「ふ、服を・・・。う、うん、そうだよね・・・。ぬ、脱ぐね」
うい「それから、わたしのも脱がして」
いろは「うん。脱がすよ」
うい「あっ・・・。ふっ、んんっ・・・・」
いろは「・・・・・な、なんでだろう。汗拭く時とかに脱がせるのとは全然違う。すごく胸がドキドキするの」
うい「うん。わたしも。お姉ちゃんの肌を見ているとね、嬉しいというか・・・。ううん、それ以上だ。きっとこれが、すごく幸せってことなんだ」
いろは「幸せ・・・。そっか、これが幸せなんだ。私も初めてだな。こんなにもフワフワして、とても愛おしい気持ちになれるのは」
うい「うん。うん。好きだよお姉ちゃん」
いろは「うい。私も大好き」
うい「お姉ちゃん。手、貸して」
いろは「うん?」
うい「ここ、触って」
いろは「あっ・・・」
うい「んんっ! あっ、ふあっ」
いろは「だ、大丈夫? 痛い?」
うい「うん・・・。いいの、平気だから・・・。あっ、でも、声は我慢できそうにないから、わたしの口、塞いで」
いろは「うん。塞ぐよ。はむっ、んちゅ」
うい「んむっ、んっ、ふっ、んんっ」
いろは(このまま指を動かしたらいいのかな)
うい「んんんっっ?! ん~っ! ふっ、んむうっ!」
いろは(あっ、ちょっと苦しそう、やめた方がいいかな)
うい「んふーっ・・・。ふむー・・・っ」
いろは(・・・違う。このままで、やめない方がいいかな。いつもキスしているから、こういう時のういの気持ちがよくわかる)
いろは(ここは、むしろ逆に、一切身動きができないくらいういをもっと私の方に力強く抱き寄せて、下の指も早く動かそう)
ぐいっ さすさす
うい「んぐーっ!! はんっ! はんっ、はふっ、んーっ・・・!」
いろは(わっ、わっ・・・。す、すごい・・・。声と一緒に、下からもいっぱい溢れてきた・・・)
いろは(やだっ・・・どうしよう・・・。気持ち良さそうにしているういに触れていると、私、胸が・・・体が・・・燃えそうなくらい熱くなってくる・・・)
いろは(私ももっとういが欲しい・・・。もっと舌を絡めて・・・もっと伸ばして・・・もっと指を沈めて・・・ういのもっと奥の奥の方に触れたい・・・・。うい、うい・・・・)
いろは「はんむっ、へろーっ・・・」
うい「あっ、んっ! んむっ、はんむっ・・・」
いろは(涙が混ざった、ういの味・・・・。おいしい、おいしい・・・・。もっと、もっと・・・・・・・・・)
友愛は情愛に移り変わり、情愛は性愛に移り変わり、性愛は至極の愛へと昇華する。
姉と妹は最大の慈しみを込めて触れ合い、抱き合い、求め合う。
二人の因果は同じ愛に帰結して混ざり合い、そして一つになる。
やがて訪れる現実から目をそらすため、姉妹は夢幻の奥底へと落ちてゆく・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ねむ「という物語を書いてみたんだ」
うい「あっ/// あわっ///」
いろは「はわ/// わっ/// ね、ねむちゃん、あの時眠ってたんじゃ・・・? お、起きてたの・・・・?///」
ねむ「むしろ逆に、どうして眠っていられると思うの? あんな情事を真横で見せられ、聞かされたのに。あの時の情景は未だにこの網膜に焼き付いていて離れないよ」
桜子「 |私も視ていたよ| 」
いろは「はうっ・・・。ご、ごめんなさい・・・!」
ねむ「謝らないでほしい。むしろ感謝しているくらいだよ。お姉さんとういの相思相愛な姿を見聞したときの印象を、その日のうちに夜遅くまでかかって書き残す作業を繰り返しているうちに、僕が苦手としていたいわゆる恋愛物が抵抗なく書けるようになっていた」
ねむ「特に、僕がお姉さんに接吻された時のことを思い出すと、今でも顔がこの上なく紅潮してしまう程に感情が昂ぶる。貴重な体験だったよ。これは、その後の僕が綴る物語にも大変良い影響を与えている」
いろは「そ、そうなんだ・・・/// それは、よかったような、なんというか///」
うい「あ、あのね、ねむちゃん! こんなことお願いするのはねむちゃんに失礼かもだけど・・・。で、でも、お願いっ! 今のお話しは、ネットには載せないでっ!」
ねむ「それはできない相談だね。なぜならもう既にネットには投稿した」
うい「ええっ?!/// あっ、それじゃ、せめてすぐに消してっ!///」
ねむ「僕の投稿を削除することは可能だけど、一度ネットの海に放り投げた情報は永遠に消えないと思ってほしい」
桜子「 |灯花のサーバーにもあるよ| 」
ねむ「ちなみに言うと、この物語は既に書籍化していて、しかも増刷に次ぐ増刷で既に100万部の売り上げに至っているよ」
いろは「ひゃ、ひゃく、まん・・・・。はうっ」クラッ.....
うい「お姉ちゃんしっかりして!」
ねむ「この本を読んだ天音姉妹は、妙に環姉妹に対抗意識を燃やしていてね、自分達の物語も書いてほしいと、嘆願されたよ。それはそれで面白そうだから外伝として書くつもりだよ」
ねむ「だけど、多くの読者が望んでいるのはやはり環姉妹を書き綴った続編なんだよ。ということで、僕が今日こうしてみかづき荘に来たのは、お姉さんとういの取材のためなんだ」
ねむ「こうして一緒に暮らしているのだから、二人の情事は日常茶飯事だと思う。是非そのお話を聞かせてほしい」
桜子「 |聞かせて| 」
いろは「じょ、情事って・・・///」
うい「わたしたち、ふ、普通に暮らしてるから、別にそういうのは、な、無いかなあ・・・・///」
やちよ「そういえば昨日、あなたたち二人一緒で随分長風呂していたじゃない。妙に上ずった声もたまに聞こえてきたし。とりあえずその時のことを話せばいいんじゃないかしら?」
いろは「やちよさんっ?!//////」
うい「っ~~~?!//////」
ねむ「ほう。それは実に興味深いね」
桜子「 |興味深い| 」
いろは「何もない/// なにもないからっ/////」
うい「言えないよ~っ!/////」
ねむ「それは困るよ。ネタが何も無ければ、物語も書けない」
やちよ「それじゃ代わりに私が色々話すわ。家の中での環姉妹は私が一番よく見ているから」
いろは「ちょ、ちょっとやちよさん!/// なんでさっきからやたらとねむちゃんに協力的なんですか!///」
やちよ「だって私も早く柊先生の続編が読みたいんだもん」
桜子「 |私も読みたい| 」
いろは「ええっ?!////」
ねむ「おやっ。やちよお姉さんも僕の物語の愛読者だったんだね。これは恐悦至極の想いだよ。であれば。さ、できるだけたくさん話してほしい」
やちよ「ええ、もちろん。例えば―――」
いろは「わーっ!/// わーっ!///」
うい「わーっ!/// わーっ!///」
やちよ「なによ、話してもいいじゃない」
桜子「 |私も話したい| 」
鶴乃「ほーっ? なになにー? なに話してんのー?」
フェリシア「オレも話に入れろよー」
さな「いろはさんのことを話しているんですか? なら、わ、私も・・・!」
ねむ「これは素晴らしいね。多角的な視点から得られる情報はとても貴重なんだ。みんな、是非ともお姉さんとういについて存分に語らってほしい」
いろは・うい「「話しちゃだめーッッ!!/////////」」
やちよ「恥ずかしがっちゃって。かわいいわね。ふふっ」
ねむ「・・・・・」
ねむ(僕は自分の犯した罪を、死を以って償う覚悟があった)
ねむ(でも、その罪は許された。そのおかげで、死を前にして立てた願いを叶えることができる)
ねむ(今度こそ誰にも迷惑をかけない優しい物語を残すという願いを)
ねむ(こんなに嬉しいことはない)
ねむ(だから、とことん僕に付き合ってもらうよ。お姉さん、うい)
ねむ「むふっ♪」
おわり
ありがとうございました。
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