美玲「舞網チャンピオンシップ?」(350)

遊戯王ARC-V及びアイドルマスターシンデレラガールズのクロスオーバー作品です。
遊戯王ARC-Vの原作改編を含みます。
リンクモンスターは存在せずフィールドもマスタールール3のものを採用していますが、カードプールは最新のものを採用。
1はデレステPなのでモバマスネタわかりません。

2年前にエタったSSのリベンジです。どうかお付き合いください


P「そうさ。これからのライブをより良くできるようにって勧められたんだ」

美玲「おお……!デュエルの大会なんてウチ、初めてだッ!」

P「ただ、参加資格取得のための条件があるんだ」

美玲「条件?」

P「公式戦の勝率が6割を越えている場合、もしくは公式戦を6連勝した場合だね」

美玲「6割……ね、プロデューサー。ウチの勝率って……」

P「公式戦の勝率は……5割だね」

美玲「足りてない……ッ!」

P「母数が少ないから仕方ない。でも美玲の腕は確かさ、6連勝も狙える。時間はまだあるし公式戦の手配を進めるよ」

美玲「……おうッ!」

美玲「今日も公式戦だなッ!」

P「前回の勝利で5連勝だし、今日勝てば資格ゲット。油断しないようにね」

美玲「ああッ!……って、うわッ!?」

???「!?うわわ、あ、危なーい!」ドシン

美玲「ぎゃあッ!?」ドシン

P「美玲!大丈夫!?」

美玲「うぅ……大丈夫、でもお尻がちょっと痛いカモ……」

???「ご、ごめん!慌ててたから……」

マテー!サカキユウヤー!

???「げっ、来た……!」

P「君、追われてるのか!なら……こっちだよ」グイッ

???「えっ、ちょっと、何?」

美玲「プロデューサー!?」

P「美玲も、早くこっちへ!」

美玲「えッ、あ、ああッ!」ダッ

???「ちょっとあんた、何処へ行くんだよ!」

P「なんで追われてるかは知らないけど、とりあえず大通りまで出るよ!」ダッ

???「え?ちょ、ちょっと~!」ダッ

~数十秒後~


P「よし、追っ手は撒いたみたいだね」

???「……どうして突然会った俺に協力を?」

P「君、榊遊矢だろう?」

遊矢「そ、そうだけど。なんで俺の事……」

美玲「あッ!榊遊矢って、確かウチの対戦相手……!」

遊矢「えっ、それじゃあ君が早坂美玲?」

美玲「そう!ウチが早坂美玲だッ!」

遊矢「そっか。ごめん、公式戦に遅れちゃうかな?」

P「今から走れば間に合うよ。さあ、遊矢。君のホームグラウンドに案内してくれるかな?」

遊矢「ああ!じゃあ、ついてきて」

美玲「急ぐぞッ!」

~遊勝塾~


ニコ「あっ、遊矢君。もう何処にいたんですか~?」

遊矢「ごめん、色々あってさ。でも対戦相手と合うことはできたよ」

ニコ「ええいつのまに……」

P「遅れて申し訳ありません。346プロダクション所属の早坂美玲、そしてそのプロデューサーです」

ニコ「あ、どうも。元はストロング石島の、今では遊矢君のマネージャーを務めますニコ・スマイリーです」

美玲「ユウヤ!今日のデュエル、ウチは必ず勝つッ!」

遊矢「ああ。俺も全力で俺のデュエルを貫くさ!」

修造「いよーし遊矢!今日も熱血デュエルだ!アクションフィールドオン!フィールド魔法、《星明かりの舞台》!」

美玲「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達がッ!」

遊矢「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

美玲「フィールド内を駆け巡る!」

遊矢「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」

皆「アクショーン……!」

「「デュエル!」」

美玲「ウチのターン!手札から『激昂のミノタウルス』を召喚だッ!」

《激昂のミノタウルス》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1700/守1000
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

美玲「そしてカードを1枚セットして……ターンエンド!」ダッ

遊矢「!!アクションカードか……俺のターン!」

遊矢「俺は手札から『EM(エンタメイト)ウィップ・バイパー』を召喚!」

《EMウィップ・バイパー》 (アニメ効果)
効果モンスター
星4/地属性/爬虫類族/攻1700/守 900
(1):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示の
モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで入れ替える。

美玲「攻撃力はミノタウルスと互角だな……」

遊矢「そしてウィップバイパーのモンスター効果発動!ミノタウルスを選択し、ターンの終わりまで、その攻撃力と守備力を入れ換える!」

美玲「んなッ……!あった、アクションカード!」パシッ

美玲「守備力が攻撃力になるのなら、その前に発動だッ!アクションマジック、『ケミカルライト』!ミノタウルスの守備力を、ターン終了まで800アップさせるッ!」

《ケミカルライト》(SSオリジナル)
A魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの守備力はターン終了時まで800アップする。

遊矢「何……!」

アユ「せっかくウィップバイパーの方が攻撃力が高くなると思ったのに、守備力を上げられたから上回られちゃったぁ」

遊矢「それなら……こっちも!」パシッ

遊矢「バトル!ウィップバイパーで、ミノタウルスを攻撃!」

遊矢「この瞬間アクションマジック、『スポット・スター』を発動!」

《スポット・スター》(SSオリジナル)
A魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで300アップし、
このターン、コントローラーのフィールドの
対象モンスター以外のモンスターは効果の対象にならない。

遊矢「これでウィップバイパーの攻撃力が上回る!」

美玲「やられた……ぐぅッ!」LP4000→3900

フトシ「アクションカードの応酬!しびれちゃうぜ……」

遊矢「俺はカードを2枚伏せ、ターン終了だ!」ダッ

美玲「すかさずAカードを取りに行く気か……負けないぞッ!ウチのターン!」

美玲「手札から『妖海のアウトロール』を召喚!」

《妖海のアウトロール》
チューナー・効果モンスター
星3/水属性/獣戦士族/攻1000/守1300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
この効果を発動するターン、自分は獣戦士族モンスターしか特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
自分の墓地の獣戦士族モンスター1体を対象として発動できる。
このカードの属性・レベルはターン終了時まで、そのモンスターと同じになる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
このカードと同じ属性・レベルを持つ獣戦士族モンスター1体を手札から特殊召喚する。

遊矢(Aカードは何処にある……?)

美玲「アウトロールの効果発動ッ!召喚に成功したことで、墓地の獣戦士族……激昂のミノタウルスと同じレベル4・地属性になる!」

美玲「追加で効果発動だッ!1ターンに1度、手札からアウトロールと同じレベル・属性の獣戦士を呼び出せる!」

遊矢「ってことはつまり、ミノタウルスと同じレベル4・地属性の……」

美玲「そう!ウチはレオンタウロスを特殊召喚!」

《レオンタウロス》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1500/守1600
(1):このカードが通常モンスター以外のモンスターと戦闘を行うダメージステップの間、
このカードの攻撃力は500アップする。

美玲「バトル!レオンタウロスでウィップバイパーを攻撃!」

遊矢「ウィップバイパーの方が攻撃力は上だ!」

美玲「ふふんッ!レオンタウロスは通常モンスター以外とバトルする時、攻撃力が500アップするッ!」

遊矢「ええっ!?俺通常モンスターなんか持ってないよ~!」

遊矢「……あ、あった、照明の上にAカード!頼むウィップバイパー!」

ウィップバイパー「シェア!」

柚子「遊矢を投げた!?」

遊矢「よし取った!」パシッ

遊矢「(……ダメだ、このカードじゃ攻撃はしのげない!)ぐあッ!」LP4000→3700

タツヤ「ああ!遊矢兄ちゃんが落ちちゃう!」

遊矢「トラップ発動!『EMリバイバル』!俺のモンスターが破壊されたとき、手札か墓地からエンタメイト1体を特殊召喚できる!」

《EMリバイバル》
通常罠
(1):自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
自分の手札・墓地から「EM」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

遊矢「戻ってこい、ウィップバイパー!」

ウィップバイパー「シャア!」パシッ

遊矢「ふぅ……危ない危ない」

美玲「くッ、アウトロールじゃ追撃はできない……カードを1枚伏せて、ターンエンドッ!」

遊矢「俺のターン!……レディースエーンジェントルメーン!」

遊矢「さあ皆様!これから世にも珍しく不思議なものをご覧に入れましょう!」

美玲「!?なんだ、コイツ……」

P「あれが榊遊矢の十八番、エンタメデュエルだ」

美玲「エンタメ……?」

遊矢「私はスケール2のEMインコーラスと、スケール8の時読みの魔術師で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

《EMインコーラス》
ペンデュラム・効果モンスター
星3/風属性/鳥獣族/攻 500/守 500
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「EMインコーラス」以外の
「EM」カード、「魔術師」カード、「オッドアイズ」カードの内、
いずれかが存在する場合に発動できる。
このカードのPスケールはターン終了時まで7になる。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘で破壊された場合に発動できる。
デッキからPモンスター以外の「EM」モンスター1体を特殊召喚する

《時読みの魔術師》 (アニメ効果)
ペンデュラム・効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1200/守 600
【Pスケール:青8/赤8】
(1):1ターンに1度、自分のPモンスター1体を対象として罠カードが発動した時に発動できる。
そのカードの効果と発動を無効にする。
その後、その罠カードは墓地へ送らずそのままセットする。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分または相手のPゾーンのカードを対象として魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その効果を無効にする。

美玲「な、なんだそれ……ペンデュラム!?」

P「ペンデュラムモンスターは魔法カード扱いでペンデュラムゾーンに発動することができ、2枚のペンデュラムスケールの間に存在するレベルのモンスターをペンデュラム召喚で同時に特殊召喚することができるそうだ」

美玲「難しくてサッパリだぞッ!?」

P「つまり、遊矢君は今からレベル3から7のモンスターが同時に召喚可能になった。気を付けろ!」

遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム。天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、俺のモンスター達!」

遊矢「レベル3!『EMファイア・マフライオ!』」

《EMファイア・マフライオ》 (アニメ効果)
ペンデュラム・効果モンスター
星3/炎属性/獣族/攻 800/守 800
【Pスケール:青5/赤5】
(1):自分フィールドのPモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。
Pゾーンのこのカードを特殊召喚する。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分のPモンスターが
相手モンスターを戦闘で破壊したダメージ計算後に発動できる。
その自分のモンスターは、バトルフェイズ終了時まで攻撃力が200アップし、
もう1度だけ続けて攻撃できる。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

遊矢「そして!雄々しくも美しく輝く二色の眼!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」

《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》 (アニメ効果)
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
【Pスケール:青4/赤4】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。
【モンスター効果】
(1):このカードがレベル5以上のモンスターと戦闘を行う場合、
このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。

美玲「な、なんかエースっぽくてカッコイイのが出てきたぞ……!」

遊矢「世にも珍しき二色の眼を持つ龍、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでございます!」

遊矢「バトル!オッドアイズでレオンタウルスを攻撃!」

美玲「オッドアイズは効果モンスター、攻撃力は500上がるッ!」

美玲「さらに罠カード発動、『幻獣の角』!これをレオンタウルスに装備して、攻撃力を800アップする!」

《幻獣の角》
通常罠
(1):自分の獣族・獣戦士族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
このカードを攻撃力800アップの装備カード扱いとして、そのモンスターに装備する。
(2):このカードの効果でこのカードを装備したモンスターが
相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローする。

タツヤ「ああ!攻撃力がオッドアイズを上回った!」

フトシ「このままじゃオッドアイズがやられちゃう~」

遊矢「心配御無用!アクションマジック、『突撃』!自分のモンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動でき、そのモンスターの攻撃力はバトル中600アップします!」

《突撃》
A魔法
(1):自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
その自分のモンスターの攻撃力はそのダメージ計算時のみ600アップする。

美玲「んな、攻撃力3100……ぐあッ!」LP3900→3600

遊矢「さらにここでファイア・マフライオのモンスター効果!Pモンスターが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力を200アップさせ、もう一度攻撃できる権利を与える!」

美玲「おおっ、火の輪潜り……凄い……ッ、じゃない、Aカードを探さなきゃ……」ダッ

遊矢「いけオッドアイズ!2回目の権利でアウトロールを攻撃、螺旋のストライクバースト!」

アユ「いっちゃえー遊矢お兄ちゃん!」

美玲「……よし、あった!」パシッ

美玲「効果も当たりッ!アクションマジック、『神秘』を発動!戦闘または効果ダメージを半分にするッ!」LP3600→2750

《神秘》(SSオリジナル)
A魔法
(1):このターン、自分が受けるダメージを1度だけ半分にする。

遊矢「私はこれにてターンエンドです!」

P「美玲、大丈夫?」

美玲「どうってことないッ!私のターン!」

美玲「……ユーヤ!オマエがペンデュラム召喚なら、ウチは……シンクロ召喚だ!」

遊矢「なんだって!?」

柚子「シンクロ召喚って……!」

美玲「ウチの場にモンスターが存在しないことで、手札から『カイザー・ブラッド・ヴォルス』を特殊召喚!」

《カイザー・ブラッド・ヴォルス》
効果モンスター
星5/闇属性/獣戦士族/攻1900/守1200
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。
このカードの攻撃力は500アップする。
(3):このカードが戦闘で破壊された場合に発動する。
このカードを破壊したモンスターの攻撃力は500ダウンする。

美玲「永続トラップ、リビングデッドの呼び声!墓地のモンスター……アウトロールを攻撃表示で特殊召喚するッ!」ダッ

《リビングデッドの呼び声》
永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

遊矢(走り出した、ってことはAカード……!)ダッ

美玲「レベル5のカイザー・ブラッド・ヴォルスに、レベル3のアウトロールをチューニング!」

美玲「逆巻け、そして思考を支配しろッ……シンクロ召喚!レベル8、『メンタルスフィア・デーモン』ッ!」

《メンタルスフィア・デーモン》
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/サイキック族/攻2700/守2300
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
そのモンスターの元々の攻撃力分だけ自分のLPを回復する。
(2):サイキック族モンスター1体のみを対象とする魔法・罠カードが発動した時、
1000LPを払って発動できる。
その発動を無効にし破壊する。

遊矢「攻撃力2700……これが美玲のエースか!」

美玲「バトルだ!メンタルスフィアでオッドアイズ・ペンデュラムに攻撃!ダークスフィア・スクラッチ!」

遊矢「くっ……あった!アクションマジック、『回避』!相手モンスターの攻撃を無効にする!」

《回避》
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃を無効にする。

フトシ「出た!遊矢兄ちゃんのアクション防御だ!」

美玲「させない、ウチはメンタルスフィアの効果を発動!サイキック族1体のみが魔法・罠の対象になった事でライフを1000払ってその発動を無効にする!」LP2750→1750

遊矢「ぐっ、オッドアイズ……!」LP3700→3500

美玲「さらにメンタルスフィアは戦闘でモンスターを墓地へ送った時、その元々の攻撃力分ライフを回復……って、アレ?」

P「美玲。ペンデュラムモンスターは普通のモンスターとは違って、フィールドから墓地へはいかずにエクストラデッキに送られる」

P「加えてペンデュラム召喚は、エクストラデッキに送られたモンスターも呼び出せるらしい」

美玲「ぐっ、だから先に言えってば……まあ、アクションカードも拾えたし。カードを1枚伏せて、ターンエンドッ!」

遊矢「俺のターン!今一度揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!エクストラデッキから蘇れ!」

遊矢「レベル7、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!そして手札からレベル4、EMホタルクス!」

《EMホタルクス》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/昆虫族/攻1200/守1600
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃宣言時に
自分フィールドの「EM」モンスター1体をリリースして発動できる。
その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの「EM」モンスターまたは「オッドアイズ」モンスターが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。

遊矢「いくぞ、オッドアイズ!」サッ

美玲「あッ、ユーヤがオッドアイズの背中に乗った!」

P「狙うはスピーカーの所のアクションカードか!」

美玲「くっ……メンタルスフィア・デーモン!妨害だッ!」

フトシ「あのモンスター、飛べるから追いつかれちゃうよ~!」

遊矢「フッ……狙いはこっちさ!」バッ

美玲「え、降りた!?」カンコーン

修造「足元の方にアクションカードが……それを狙っていたのか!」

遊矢「アクションマジック、スポット・スター!オッドアイズの攻撃力を300アップさせる!」

美玲「攻撃力を上回られた……!」

美玲(でも、攻撃宣言時に今伏せている『波動障壁』を使えば守備力分のダメージ。それにこのアクションマジック『チアーアップ・ガード』を加えれば……)

《波動障壁》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールドのSモンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールドのモンスターを全て守備表示にする。
その後、攻撃モンスターの守備力分のダメージを相手に与える。

《チアーアップ・ガード》(SSオリジナル)
A魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター2体を対象として発動できる。
ターン終了時まで対象のモンスター1体の守備力は、
もう1体の元々の攻撃力の半分の数値分アップする。
この効果の発動後このターン、相手が受ける戦闘ダメ―ジは半分になる。

美玲(3650のダメージで、ウチの勝利だッ!)

遊矢「バトルだ!オッドアイズで、メンタルスフィア・デーモンを攻撃!」

美玲「来た、トラップ発――」

遊矢「いや、ここでEMホタルクスの効果!EMかオッドアイズが攻撃するとき、相手は魔法・罠カードを発動できない!」

美玲「な、何だとッ……!?」

遊矢「そしてオッドアイズの効果!レベル5以上のモンスターとの戦闘で与えるダメージを2倍にする!リアクション・フォース!」

美玲「たった100増えただけじゃんかぁ……」LP1750→1550

遊矢「ファイア・マフライオの効果で、攻撃力を200上げて再度攻撃を可能にする!」

遊矢「これでフィナーレ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでダイレクトアタック!螺旋のストライク・バースト!」

美玲「う……うわあーッ!!」LP1550→0 ピーッ

遊矢「これが榊遊勝直伝のエンタメデュエルでございました!」

P「美玲、大丈夫?」

美玲「べ、別にヘーキだし……」

P「しかし彼のエンタメデュエル。初めて見たが、なかなかいいものだったね」

美玲「……ウン。悔しいけど、楽しかった」

P「さて!5連勝が途切れたからって、次また6連勝する必要はない」

P「5連勝のおかげで勝率は5割を超している。あともう少し頑張ろう、美玲!」

美玲「プロデューサー……。ああ!ウチはまだ止まらない!」

美玲「目指せ、舞網チャンピオンシップッ!」

~レオ・コーポレーション~


零児「中島。榊遊矢のデュエルデータは?」

中島「たった今、映像・デュエルログともに完了しました」

零児「そうか……ご苦労だった。」

零児(それにしてもこの対戦相手。早坂美玲……か)

零児(LDS以外でのシンクロ召喚使用者)

零児(浦月プロダクション所属の新人アイドル)

零児(活動の幅を広げるために舞網チャンピオンシップ優勝を狙い、日々デュエルを精進中……)

零児(興味深い。彼女についても今後の動向を探るとしよう)

零児「それはそうと。例の連続襲撃事件についてはどうなっている?」

中島「はっ。それが――」

とりあえず今回はここまで
何か感想や不可解な点など有れば、伝えてもらえると嬉しいですし、励みになります

~一週間後~


美玲「プロデューサー、今日の相手はどんなだ?」

P「相手は九庵堂 栄太。クイズ番組で大活躍中の少年だよ」

美玲「クイズ番組……」

P「彼の知識量は波の大人も悠々と超えるほどだ」

P「知識があるからデュエルが強い、というのは話が別だけど。知識が豊富という事は、それだけこちらの動きに対抗する策が多いという事だ」

P「脅かすようになってしまったけど、大丈夫。美玲ならきっと勝てるさ」

美玲「プロデューサー……わかった!ウチはやるぞッ!」

栄太「僕は九庵堂栄太。君が今日の対戦相手だね」

美玲「ああッ。よろしくな!」

栄太「お互いにとって良きデュエルにしようじゃないか……まあ、勝者はこの僕だがね」

美玲「フン、そんな事言ってられるのも今のうちだッ!絶対に勝つ!」

P「アクションフィールドオン!フィールド魔法、『ユニバース・ライブラリー』!」

美玲「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が、モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

栄太「フィールド内を駆け巡る。見よ、これぞデュエルの最強進化系。アクション――」

「「デュエル!!」」

栄太「先攻はこの僕。『クイズーモンキー』を召喚!」

《クイズーモンキー》(テキスト未確定により独自解釈)
星1/闇属性/獣族/攻0/守0
(1):このカードが相手モンスターに攻撃される攻撃宣言時に発動できる。
相手は0から5の数字を宣言する。
このバトルフェイズ終了時、自分フィールドに存在する「クイズー」モンスターの数が
宣言された数字と同じ場合、相手は10000LP回復する。
違った場合、このカードが墓地にいる場合は特殊召喚し、相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。
その後、このカードの攻撃力・守備力は、破壊したモンスターの元々の攻撃力・守備力と同じになる。

美玲「攻撃力0のモンスター……」

栄太「ゼロとはすべての始まりであり、またすべての終結点でもある」

栄太「すなわちゼロとは無限の可能性。僕はカードを1枚伏せてターンエンドだよ」

P「気を付けて、どんな効果を持っているかわからない」

美玲「わかってるッ、ウチのターン!」

美玲「『ウィングド・ライノ』を召喚!」

《ウィングド・ライノ》
星4/風属性/獣戦士族/攻1800/守500
(1):罠カードが発動した時に発動できる。
フィールドの表側表示のこのカードを持ち主の手札に戻す。

美玲「バトルだッ!ウィングド・ライノでクイズーモンキーを――」

栄太「クイズーモンキーの効果発動。このカードがバトルする時、相手は、バトルフェイズ終了時の僕のフィールドのクイズーモンスターの数を宣言する!」

栄太「宣言通りなら早坂さんのライフは1000回復」

栄太「違っていたら、自身が墓地にいれば特殊召喚したのち、相手モンスター1体を破壊して、そのモンスター攻撃力・守備力を得る」

美玲「えっ……?」

栄太「クイズーモンキーを破壊できるなら0体、破壊できないなら1体。そう宣言すればいいだけさ」

美玲「……その効果を使うってことは、その伏せカードはこの攻撃を防ぐカードってことだな」

美玲「乗ってやるッ!ウチの宣言は0体だ!いけ、ウィングド・ライノ!」

栄太「永続トラップ発動。『ですが!』。1ターンに1度、クイズーモンスターの破壊、およびその戦闘で発生するダメージを無効にする」

《ですが!》
永続罠
(1):自分フィールドの「クイズー」モンスターが戦闘を行う場合、
そのモンスター1体を対象としてこの効果を発動できる。
1ターンに1度、そのモンスターはその戦闘では破壊されず、
そのモンスターの戦闘で発生する戦闘ダメージは0になる。

美玲「ドンピシャか、でもウィングド・ライノの効果!トラップが発動した時、このカードを手札に戻すことができる!」

栄太「なるほどね……僕のクイズーモンスターは1体」

栄太「クイズは不正解だが、キミのモンスターはいない。よって破壊が行えず、攻撃力は0のままだ」

美玲「カードを3枚伏せてターンエンド!」

栄太「僕のターン。折角のがら空きだ、攻めに転じよう」スッ

P「あれはアクションカード……いつの間に」

栄太「アクションマジック、『虎の巻』。これでクイズーモンキーの攻撃力を500アップするよ」

《虎の巻》(SSオリジナル)
A魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップする。

栄太「そしてバトルだ。クイズーモンキーでダイレクトアタック!」

美玲「ウチもアクションカードだッ!」ダッ

栄太「では僕は、その隙に二の矢三の矢を手に入れるまで」タッ

美玲「あった!……でもこれじゃないッ……!」LP4000→3500

栄太「不正解のカードを引いてしまったようだね。この瞬間、手札の『スフィンクイズー』の効果!」

《スフィンクイズー》(テキスト未確定により独自解釈)
効果モンスター
星5/光属性/岩石族/攻1000/守1000
(1):自分の「クイズー」モンスターが戦闘で相手にダメージを与えた場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分フィールドに他の「クイズー」モンスターが存在する場合、
このカードは攻撃対象にならない。
(3):自分フィールドの「クイズー」モンスターが相手モンスターに攻撃される攻撃宣言時に発動できる。
相手はフィールドの表側表示モンスター1体を選ぶ。
そのモンスターがフィールドの最も高い攻撃力を持つモンスターだった場合、
そのモンスターを破壊し、コントローラーはそのモンスターの攻撃力分のダメージを受ける。
違った場合、バトルフェイズを終了する。

栄太「クイズーモンスターが戦闘ダメージを与えた時、このカードを特殊召喚できる!」

美玲「モンスターが増えたか……」

栄太「さらに……」パシッ

栄太「アクションマジック、『龍の巻』。モンスターの攻撃力の変化を移し替える。僕はクイズーモンキーからスフィンクイズーへと、攻撃力を再配置!」

《龍の巻》(SSオリジナル)
A魔法
(1):フィールドの元々の攻撃力より高い攻撃力を持つ
表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
フィールドのモンスター1体を選ぶ。そのモンスターの攻撃力は、
対象のモンスターの元々の攻撃力と攻撃力の差の数値分だけアップする。
その後、対象のモンスターの攻撃力を元々の攻撃力に戻す。

美玲「んなあ……」

P「彼、このフィールドのアクションマジックを知っているかのように……」

栄太「アクションデュエリストなら、アクションフィールドについての知識を付けるのは当然だろう?スフィンクイズーでダイレクトアタック!」

美玲「ぐっ……」LP3500→2000

栄太「その分だと、君の引いたカードは『奇跡』あたりじゃないかな?カードを1枚伏せてターンエンドだ」

美玲「(当たってるし……)ウチのターン!」

美玲「モンスターがいない事で、カイザー・ブラッド・ヴォルスを特殊召喚!」

美玲「さらにウィングド・ライノを召喚!」

P「なるほど。モンスターが2体いれば、クイズーモンキーの効果に1体と宣言して破壊を回避できる!

美玲「バトルだ!ウィングド・ライノでクイズーモンキーを――」

栄太「クイズーモンキーの効果発動!バトルフェイズ終了時、僕の場のクイズーモンスターの数は何体でしょう?」

美玲「1体を宣言!いけウィングド・ライノ!」

栄太「おっと。この瞬間、スフィンクイズーの効果も発動!」

美玲「げ、ソイツもか……」

栄太「クイズーモンスターが攻撃を受けるときに発動でき、フィールドで1番攻撃力が高いモンスター1体を選んでもらう」

栄太「正解すればそのそのモンスターを破壊し、コントローラーに攻撃力分のダメージを与える」

栄太「不正解ならば、バトルフェイズは強制終了だ」

P「攻撃を通すためにはカイザー・ブラッド・ヴォルスを手放して、ライフを1900削る必要がある……」

美玲「でもモンスターを失うだけじゃなく、大ダメージも受けてしまうわけにはいかないッ……」

栄太「シンキングタイムは終わりだ。答えをどうぞ?」

美玲「……クイズーモンキーだ」

栄太「そうか……残念だけどクイズは不正解。スフィンクイズーの効果でバトルは終了!」

栄太「そしてクイズーモンキーの問題には1体と宣言したが、僕のフィールドには2体。これも不正解!」

美玲「くっ……」

栄太「ペナルティとしてカイザー・ブラッド・ヴォルスを破壊!その攻撃力をクイズーモンキーは得る」

美玲「……カードを1枚伏せてターンエンド!」

栄太「追い詰められてるね。僕のターン!」

栄太「バトル。クイズーモンキーでウィングド・ライノに攻撃!」

美玲「アクションマジック、『奇跡』!戦闘破壊を無効にし、ダメージを半分にする!」LP2000→1950

《奇跡》
A魔法
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージは半分になる。

栄太「フン、やっぱりね。トラップ発動、『カイシュート』!レベル4以下のクイズーモンスターの攻撃力を、別のクイズーモンスターに移し替える」

《カイシュート》(テキスト未確定による独自解釈)
通常罠
(1):自分フィールドのレベル4以下の
「クイズー」モンスター1体を対象として発動できる。
フィールドの表側表示モンスター1体を選ぶ。
そのモンスターの攻撃力は、対象モンスターの攻撃力分アップする。
その後、対象モンスターを持ち主の手札に戻す。

栄太「クイズーモンキーの攻撃力1800分、スフィンクイズーの攻撃力をアップ!そしてクイズーモンキーは手札に戻る」

美玲「攻撃力3300……!?」ダッ

栄太「おっと、そっちのアクションカードはいけないね……」パシッ

栄太「スフィンクイズーでウィングド・ライノを攻撃!」

美玲「あった!アクションマジック、『豹の巻』!墓地の魔法カード1枚につき300、モンスターの攻撃力を下げる!」

《豹の巻》(SSオリジナル)
A魔法
(1):モンスターが戦闘を行うダメージ計算時、
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は、ダメージステップ終了時まで
お互いの墓地の魔法カードの数×400ダウンする。

美玲「これで1200ダウンだ。さらにトラップ発動、『幻獣の角』!これでウィングド・ライノの攻撃力を800アップするッ!」

栄太「そうはいかないよ。アクションマジック、『武の巻』!モンスターの戦闘破壊を無効にするかわりに、バトルするモンスター同士のの攻撃力を入れ替える」

《武の巻》(SSオリジナル)
A魔法
(1):モンスター同士が戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
その戦闘でお互いのモンスターは破壊されず、
そのモンスター2体の攻撃力をダメージ計算時のみ入れ替える。

美玲「んな……!?」

栄太「これでこちらは2600、そちらが2100だ」

美玲「ぐぅ……」LP1950→1250

栄太「2体の攻撃力は元に戻り豹の巻の効果も消える」

栄太「そして速攻魔法『泣きのもう1回!』!クイズーモンスターがモンスターを破壊できなかった時、攻撃力を1000アップしてもう1度攻撃できる!」

《泣きのもう1回!》(SSオリジナル)
速攻魔法
(1):自分の「クイズー」モンスターの攻撃で相手モンスターが破壊されなかったダメージステップ終了時に発動できる。
その自分モンスターの攻撃力は1000アップし、このバトルフェイズ中もう1度だけ攻撃できる。
この時、そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

美玲「攻撃力4300でもう1度……!?」

栄太「とどめだ。スフィンクイズーでウィングド・ライノを攻撃!」

美玲「くっ……こうなったら!飛べ、ウィングド・ライノ!」

栄太「?今さら何を……」

栄太「はっ!そうか、このフィールドは天井に1枚だけアクションカードがある!」カンコーン

26
美玲「間に合ったッ!!アクションカード、『アンコール』!墓地のアクションマジック――奇跡の効果を使用する!」

《アンコール》
A魔法
(1):以下の効果から1つを選択して発動する。
●自分の墓地のA魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードの効果を発動する。
●このカードを破壊する。

栄太「く、だが半分でもダメージは受けてもらう!」

美玲「大したことない!さあどうだッ、まだバトルフェイズは続行か?」LP1250→150

栄太「終了するよ。僕はクイズーモンキーを召喚。泣きのもう1回の効果は終了し、ターンエンド!」

美玲「よし、これなら行ける!私のターン、ドロー!」

美玲「装備魔法、ビッグバン・シュートをスフィンクイズーに装備!攻撃力が400アップする」

栄太「僕のモンスターに……」

美玲「チューナーモンスター、『柴戦士タロ』を召喚!レベル4のウィングド・ライノに、レベル2の柴戦士タロをチューニング!」

《柴戦士タロ》
チューナー(効果モンスター)
星2/地属性/獣戦士族/攻 800/守 600
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。

栄太「これは、シンクロ召喚……!?」

美玲「振り翳せ、そして自分を取り戻せッ!シンクロ召喚!レベル6、『獣神ヴァルカン』ッ!」

《獣神ヴァルカン》
シンクロ・効果モンスター
星6/炎属性/獣戦士族/攻2000/守1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した場合、
自分及び相手フィールドの表側表示のカードを1枚ずつ対象として発動する。
その自分及び相手の表側表示のカードを手札に戻す。
このターン、自分はこの効果で手札に戻したカード
及びそれらの同名カードの効果を発動できない。

美玲「ヴァルカンの効果発動、お互いのフィールドの表側表示カードを1枚ずつ手札に戻すッ!ビッグバン・シュートとですが!を選択!」

栄太「そのカードがフィールドを離れたとき、装備モンスターは除外される。うまいコンボだね」

栄太「そしてシンクロ召喚。知ってはいたが、実際に見たのは初めてだよ」

美玲「それはどうも!バトルフェイズ、ヴァルカンでクイズーモンキーを攻撃!」

栄太「クイズーモンキーの効果発動!」

美玲「関係ないッ!0体だ!」

栄太「……まあそうだよね」LP4000→2000

美玲「トラップ発動、『戦線復帰』!モンスター1体を墓地から守備表示で特殊召喚する。蘇れ、柴戦士タロ!」

《戦線復帰》
通常罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

栄太「でも、守備表示で出しても追撃はできない!」

美玲「ああ。だからこうする!トラップ発動、『緊急同調』!バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う!」

《緊急同調》
通常罠
(1):自分・相手のバトルフェイズに発動できる。
Sモンスター1体をS召喚する。

栄太「な……何!?」

美玲「レベル6のヴァルカンに、レベル2のタロをチューニング!」

美玲「逆巻け、そして思考を支配しろッ!シンクロ召喚!レベル8、『メンタルスフィア・デーモン』ッ!」

栄太「攻撃力2700……そんな……」

美玲「これで終わり!メンタルスフィア・デーモンでダイレクトアタックだッ!ダークスフィア・スクラッチ!」

栄太「馬鹿なあああ……っ!」LP2000→0 ピーッ

美玲「どうだッ!これがウチの実力だー!」

P「おめでとう、美玲!これで勝率は6割!舞網チャンピオンシップ出場資格獲得だ!」

美玲「いやったぞー!」

栄太「いやあ、見事なデュエルだったよ」

美玲「エイタ……」

栄太「僕のクイズーコンボを、シンクロモンスターの効果で突破するとは。僕の知識不足を嘆くばかりだ」

美玲「オマエだって、面白いコンボを見せてくれた。気を落とすなって!」

栄太「Merci du fond du coeur。本戦も頑張ってくれ給えよ」

美玲「め、めるし……何て?」

栄太「フフ。さて問題です。今僕は何と言ったでしょうか?」

美玲「わ……わかるかーッ!」

P(これでやっと本戦出場だ。ここで好成績を出すことができれば、今後の活動もより良くなるだろう)

P(共に頑張っていこう、美玲!)

~某場所~

?「全員揃ってる?」

??「重役出勤ご苦労様、リーダー」

?「うるさい」

???「首領。まだお嬢様がいらしていません」

????「大方、今日も猫漁りであろう」

?「全くしょうがないわね……」

??「そこが素敵なんじゃん。ああマイプリンセス、早く来ないかな~」

?????「お待たせ。今日も五着かぁ」

???「……噂をすれば。霧絵様。おはようございます」

霧絵「おはよう。というわけで、5人全員揃った――揃いました。首領」

?「まあいいわ。今日の会議を始めましょう」

?「今日はこの男……榊遊矢について!」

~数週間後~

P「美玲!準備はいい?」

P「楽しみ過ぎて夜寝られなかったりしなかった?」

美玲「何の心配をしてるんだ……大丈夫!」

P「分かっていると思うが、舞網チャンピオンシップについて改めて説明しよう」

美玲「おうッ!」

P「この大会はジュニア、ジュニアユース、ユースの3部門に分けて行われる」

P「美玲はジュニアユース。これに優勝すると自動的にユースクラスに昇格できるんだ!」

美玲「ウチは絶対に負けない!どんな相手でも勝ち上がって見せるッ!」

P「その意気だ。今年は遊矢のいる遊勝塾や主催レオ・コーポレーション直属のLDS、前年度準優勝者を擁する梁山泊塾も出場する」

P「それだけじゃない。この大会には日本中、いや世界中のデュエリストが参戦している!」

P「強敵揃いだが、またとない絶好の機会だ。存分に力を発揮しよう!」

P「さあ出発だ!しっかり捕まっていてよな!」

美玲「ああ!行くぞッ!」

レポーター「ご覧ください!舞網市内はまさにデュエル一色!」

レポーター「そうです。今日からこの街最大のイベント、舞網チャンピオンシップが始まるのです!」

レポーター「なんといってもこの舞網市はリアル・ソリッド・ヴィジョンシステムを開発したレオ・コーポレーションのお膝元!」

レポーター「この大会も世界最大級のデュエル大会として注目されており、海外からも多数のデュエリストが参加」

レポーター「さらには観戦目的の観光客も大勢この舞網市を訪れています!」

美玲「す、凄い盛り上がりだな……」

P「さすがはレオ・コーポレーションといったところか……」

美玲「出かけはなんともなかったけど、緊張してきたぞ」

P「ガチガチだと足元を掬われるし、そう緊張しないで。ね」

美玲「そうだけどサ……」

柚子「遊矢はいた!?」

フトシ「何処にもいないよ~」

美玲「ん?あれってユウヤの……」

アユ「あ!この前のお姉ちゃん!」

美玲「早坂美玲だ。ユウヤがどうかしたのか?」

柚子「早坂さん。実は遊矢がまだ来てなくて……」

美玲「はぁ!?もうすぐ開会式だぞッ!」

P「わかった。俺達も探してみよう、美玲」

柚子「え、いいのにそんな……」

美玲「一度デュエルしたらもう他人じゃないし。早く探すぞッ!」

柚子「……ありがとう!早坂さん!」

美玲「美玲でいいよ。ウチもユズって呼んでいい?」

柚子「ええ!じゃあ美玲、またここで!」

素良「ねえ、今の誰?」

タツヤ「前に遊矢兄ちゃんと戦ったんだ。シンクロ召喚を使うデュエリストだったよ」

素良「シンクロ召喚……」

P「駄目だ。これだけ探し回ってもいないってことは、会場内にはいないんだろう」

柚子「全く、どこで何やってるのよ……」

サカキユウヤガニゲタッテサ
エェ!?チチオヤトオナジジャン!

美玲「なんだ……?」

アユ「柚子姉ちゃん、どうしよう……」

遊矢「あ、いたいた!おーい柚子!みんな!」

柚子「遊矢!?」

遊矢「おまたせ」

柚子「こんなに心配させてどこウロウロしてたのよ!?」

遊矢「ごめんごめん、ちょっと用事があってさ。そろそろ入場だろ?並びに行こうぜ!」

柚子「アンタって人は……」

遊矢「まあまあ。ってあれ、美玲とそのプロデューサー?」

P「俺達も遊矢を探していたんだよ」

美玲「そうだぞッ」

遊矢「そうだったのか……悪かったよ」

P「まあ、間に合ったのなら大丈夫さ」

遊矢「ん?ということは美玲も参加資格を……」

美玲「ふふん、一回負けただけじゃウチは折れない!また戦えるのを楽しみにしてるぞッ!」

遊矢「ああ。お互い勝ち抜こう!」

暗黒寺「久しぶりだな、弱虫!」

遊矢「お前は!?」

暗黒寺「大事な大会前だからてっきり逃げ出したと思ったぜ。お前の親父みたいに」

遊矢「何……!?」

美玲「なあプロデューサー……どうしてユーヤはあんなに?」

P「……彼の父親・榊遊勝は、有名なプロデュエリストだったんだ」

P「だがストロング石島との試合の時、遊勝さんは会場に姿を現さなかった」

P「それ以来遊勝さんは試合から逃げた臆病者のレッテルを貼られ、息子である遊矢も臆病者呼ばわりだ」

美玲「なんだって……そんなの不当だッ、親が本当に臆病者だったとしても、ユーヤをそう決めつけるのはおかしい!」

P「一度根付いたイメージは、そう覆らないものなんだ」

P「後になって遊矢はそのストロング石島とのデュエルに勝利したが、未知の力・ペンデュラム召喚はズル呼ばわり」

P「それに挫けず、彼はエンタメ・デュエルで人々に笑顔を届けようとしている。美玲と同い年なのに、立派だよ」

美玲「ユーヤ……そんな過去があったのか」

P「おっと。だからと言って、美玲が劣っているわけじゃない。全力でデュエルを楽しもう!」

美玲「……うん。大丈夫。ウチが遊矢のエンタメに応えて、会場を盛り上げればいいんだッ!」

権現坂「そこまでだ、暗黒寺ゲン」ガシッ

遊矢「権現坂!」

暗黒寺「ヘッ、兄弟子を呼び捨てか」

権現坂「アンタはもう兄弟子ではない」

暗黒寺「……」

権現坂「……」

美玲「うわ、ただならぬ雰囲気……」

P「これは彼らが自分で解決する問題だ。あちらは彼に任せて、俺たちは整列しよう。まもなく入場だ」

美玲「……ああッ!」

~開会式~
ニコ「大変ながらくお待たせいたしました。年に一度のデュエリスト達の祭典、舞網チャンピオンシップの開幕です!」

ニコ「開会式の進行はこのニコ・スマイリーがあい務めさせていただきます!」

美玲「あの人がやるんだ……」



P「あのナイトオブデュエルズというチーム、海外参加なだけあって手強そうだったね」

美玲「全身甲冑はどうかと思うけどなー」

P「まあ、デュエルの腕には関係ないと思うよ」



美玲「遊矢のところは皆出場できるんだなッ!」

P「さすが遊勝塾。修造さんも頑張ってるなー」

美玲「プロデューサーはあの塾長を知ってるのか?」

P「彼もまたプロデュエリストだったんだよ」



美玲「遊矢が宣誓を!?」

P「打ち合わせなしで任せるとはたまげたな……」

ニコ「ではさっそく1回戦の組み合わせを発表いたします!」

ニコ「選手の皆さんは登録カードを各自ディスクにセットしてくださ~い」

美玲「へ~、このカードをセットすると対戦相手が表示されるんだな!」

P「さすがレオ・コーポレーションと言ったところか……」

美玲「プロデューサー、それさっきも聞いたぞ」

P「ところで、対戦相手は誰だったんだ?」

美玲「うーんと……デュエルっ子クラブの斜芽美枝代」

P「アイドルデュエリスト対決か。ここで勝ってファンを新規獲得しよう!」

美玲「おう!それに早速今から試合だ。頑張るぞッ!」

ナナメー!

美伎代「右よ!」

ウオオオオオオオオ!!

美伎代「ファンのみんな、来てくれてありがとー!」

美伎代「今日もみんなのハートを特殊召喚!」

ワアアアアアアアア!!

美玲「す、凄いファンの勢い……」

P「気圧されちゃダメだ。美玲は美玲の力でぶつかって行け!」

美玲「モチロンだ!アイドル早坂美玲の力を見せてやる!」

ニコ「アクションフィールドオン!フィールド魔法、『天空の聖域』!」

美玲「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

美伎代「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

美玲「フィールド内を駆け巡る!」

美伎代「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」

ニコ「アクション――!」

「「デュエル!!」」

美伎代「私の先攻。手札から『勝利の導き手 フレイヤ』を召喚!」

《勝利の導き手フレイヤ》
効果モンスター
星1/光属性/天使族/攻 100/守 100
(1):自分フィールドに「勝利の導き手フレイヤ」以外の
天使族モンスターが存在する場合、
相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの天使族モンスターの攻撃力・守備力は400アップする。

美玲「天使族モンスターか……」

美伎代「さらに永続魔法、『コート・オブ・ジャスティス』発動!」

《コート・オブ・ジャスティス》
永続魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。
この効果は自分フィールドにレベル1の天使族モンスターが存在する場合に発動と処理ができる。

美伎代「このカードはレベル1の天使族がいる時、手札から天使族モンスター1体を特殊召喚できる」

美伎代「その効果で、手札から『ジェルエンデュオ』を特殊召喚!」

《ジェルエンデュオ》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1700/守 0
(1):天使族・光属性モンスターをアドバンス召喚する場合、
このカードは2体分のリリースにできる。
(2):このカードは戦闘では破壊されない。
(3):自分が戦闘・効果でダメージを受けた場合に発動する。
フィールドの表側表示のこのカードを破壊する。

美伎代「そしてフレイヤがいる限り、天使族モンスターの攻撃力・守備力は400アップしまーす!」

美玲「攻撃力は2100か……守備表示だけど」

美玲「しかもフレイヤは攻撃対象にできなくて、ジェルエンデュオは戦闘で破壊されないんだろ」

美伎代「その通り。私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

美玲「ウチのターン!よし、手札から『幻獣ワイルドホーン』を召喚ッ!」

《幻獣ワイルドホーン》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1700/守 0
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

美玲「このカードは貫通効果持ちだ。そしてジェルエンデュオはダメージを受けた時破壊されるッ!」

美伎代「なるほど、でも通すわけにはいかない……」ダッ

美玲「アクションカード、取られる前にバトルだッ!ワイルドホーンでジェルエンデュオを攻撃!」

ウワー!アブナイ!ミキヨチャーン!

美伎代「心配ありがとー!でも大丈夫!トラップ発動、『光子化』!」

《光子化》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、
攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃を無効にし、自分フィールドの光属性モンスター1体を選ぶ。
そのモンスターの攻撃力は、自分のターン終了時まで攻撃モンスターの攻撃力分アップする。

美伎代「ワイルドホーンの攻撃力は無効、そしてその攻撃力1700をフレイヤの攻撃力に加える☆」

美玲「くっ……カードを2枚伏せてターンエンド!」

美伎代「アクションカードも手に入っちゃったし、全然問題ない!私のターン!」

美伎代「コート・オブ・ジャスティスの効果を発動!レベル7、『翼を織りなす者』を特殊召喚!」

《翼を織りなす者》
通常モンスター
星7/光属性/天使族/攻2750/守2400
6枚の翼をもつハイエンジェル。人々の自由と希望を司っている。

美玲「フレイヤと合わせて、攻撃力3150……!?」

美伎代「まだまだこれから!手札から2体目のフレイヤを召喚!」

美玲「んなっ……」

P「相手の総攻撃力は……9550!?まずいぞ!」

美玲「このまま負けるかッ!永続トラップ、『安全地帯』!」

《安全地帯》
永続罠
フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
その表側表示モンスターは、相手の効果の対象にならず、
戦闘及び相手の効果では破壊されず、相手に直接攻撃できない。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。

美玲「これでワイルドホーンの戦闘破壊を無効にし、ダメージを軽減する!」

美玲(そして万が一に備えて、アクションカードを探す!)ダッ

美伎代「それでも大ダメージは与えられる。ジェルエンデュオ、フレイヤ、翼を織りなす者でワイルドホーンを攻撃!」

美玲「ぐぅぅぅぅ!」LP4000→3200→2300→450

P「美玲!大丈夫!?」

美玲「へーきだし……!」

美伎代「悪いけど、ここで終わってもらおうかな!」

美伎代「アクションマジック、『ライト・ライン』!これで2体目のフレイヤも直接攻撃ができる!」

《ライト・ライン》(SSオリジナル)
A魔法
(1):自分フィールドの、最も攻撃力が低い
攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは直接攻撃できる。

P「2体目のフレイヤの攻撃力は900、これが通れば……まずい!」

美玲「(あった、アクションカード!)うおーッ!」バッ

ドカーン!

ヤッター!ミキヨチャーン!

P「美玲……!」

美伎代「これで私の勝利――!?」

美玲「フン、アクションマジック『ダメージ・バニッシュ』!」

《ダメージ・バニッシュ》
A魔法
(1):自分が戦闘ダメージを受ける場合に発動できる。
その戦闘ダメージを0にする。

美伎代「戦闘ダメージを0にするカード……!」

P「ほっ……」

美伎代「それでも、私の方が有利。ターンエンド!」

美玲「私のターン、ドロー!『突撃ライノス』を召喚!」

《突撃ライノス》
効果モンスター
星3/地属性/獣戦士族/攻1500/守1500
(1):1ターンに1度、隣の使用していないメインモンスターゾーンを指定して発動できる。
このカードをそのメインモンスターゾーンに移動する。
(2):このカードが同じ縦列の相手モンスターに攻撃する場合、
このカードの攻撃力はダメージステップの間500アップする。

美玲「さらに『ダウンビート』発動ッ!モンスターをリリースし、種族・属性が同じでレベルが1つ低いモンスターを特殊召喚する!」

《ダウンビート》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターと元々の種族・属性が同じで
元々のレベルが1つ低いモンスター1体をデッキから特殊召喚する。

美玲「チューナーモンスター、柴戦士タロを特殊召喚!」

美伎代「チューナー……シンクロ召喚!」

美玲「慌てるなって。ウチは2枚目の安全地帯を、ジェルエンデュオを対象として発動!」

美伎代「私のモンスターを……?」

美玲「行くぞッ!レベル4のワイルドホーンにレベル2のタロをチューニング!」

美玲「振り翳せ、そして自分を取り戻せッ!シンクロ召喚!レベル6、『獣神ヴァルカン』ッ!」

美玲「ヴァルカンがシンクロ召喚に成功した時、お互いの表側表示カードを手札に戻す!翼を織りなす者と、安全地帯を選択ッ!」

美伎代「あっ、安全地帯はフィールドを離れると対象モンスターを破壊する……!」

美玲「そして魔法カード、『シンクロキャンセル』!ヴァルカンをエクストラデッキに戻し、シンクロ素材モンスター――ワイルドホーンとタロを墓地から呼び戻すッ!」

《シンクロキャンセル》
通常魔法
(1):フィールドのSモンスター1体を対象として発動できる。
そのSモンスターを持ち主のEXデッキに戻す。
その後、EXデッキに戻したそのモンスターのS召喚に使用した
S素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、
その一組を自分フィールドに特殊召喚できる。

美伎代「!まさかもう1度ヴァルカンを!」

美玲「いや、ヴァルカンの効果は1ターンに1度。ウチはレベル4のワイルドホーンに、レベル2のタロをチューニング!」

美玲「顧みろ、そして未来を切り刻め……シンクロ召喚!レベル6、『サイコ・デビル』ッ!」

《サイコ・デビル》
シンクロ・効果モンスター
星6/風属性/サイキック族/攻2400/守1800
チューナー+チューナー以外のサイキック族モンスター1体以上
(1):1ターンに1度、発動できる。相手の手札をランダムに1枚選び、
そのカードの種類(モンスター・魔法・罠)を当てる。
当たった場合、このカードの攻撃力は次の相手ターンの終了時まで1000アップする。

美玲「サイコ・デビルの効果発動。相手の手札のカード1枚の種類を言い当てる!」

美玲「でもまあ、ヴァルカンの効果で戻した翼を織りなす者だから。当然モンスターカードッ!」

美伎代「そんなコンボが……」

美玲「当たったことで、サイコ・デビルの攻撃力を1000アップだッ!」

美玲「そしてフィールドにはフレイヤしかいない、攻撃対象にできる。バトルだ!サイコ・デビルでフレイヤを攻撃ッ!」

美伎代「くっ……でもコート・オブ・ジャスティスの効果で次のターン展開できる!」LP4000→1500

美玲「オマエに次のターンは来ない!アクションマジック、『ダブル・バンキング』発動!」

《ダブル・バンキング》(漫画効果)
A魔法
(1):手札を1枚捨てて発動できる。自分フィールドのモンスターは、
このターン戦闘で相手モンスターを破壊した場合にもう1度だけ攻撃できる。

美伎代「いつの間に!?」

美玲「さっき取ったとき、近くにあったのさ!」

美玲「手札を捨てることで、戦闘破壊したモンスターは追加攻撃できる!」

美伎代「そんな……」

美玲「これでフィナーレだッ!サイコ・デビルで残ったフレイヤを攻撃!サイコ・スパイク・エッジ!」

美伎代「キャーーーー!!」LP1500→0 ピーッ

ミキヨチャーン!

ニコ「け、決着ゥー!1回戦第1試合、アイドルデュエリスト対決の勝者!浦月プロダクション、早坂選手ー!」

美玲「ブイッ!」

P「やったね美玲!1回戦突破確定だ!」

美玲「ああ、ウチはやったぞッ!」

美伎代「私より強いアイドルがいたなんて。驚いたし、清々しいわ」

美玲「ミキヨ……」

美伎代「きっと、貴女ならアイドル界を牽引できるって期待してる」

美玲「……ああ、オマエの想い受け取った。絶対勝ち上がって優勝するッ!」

P「さて。今日の試合は終わったけど、美玲はどうする?」

美玲「そうだなァ……」

美玲「他にやることもないし、試合の観戦しかないよなッ!」

P「よし。それなら今から始まるアユちゃんの試合はどうかな」

美玲「アユって、遊勝塾の?」

P「そう、ジュニアクラスで彼女の試合がまもなく開始されるんだ」

美玲「よーし、決まりだなッ。行くぞプロデューサー!」

P「合点承知の助!」

美玲「よし、ここだな」

P「お、やはり遊矢たちが応援に来ているようだぞ」

美玲「本当だ。おーい、ユーヤーッ!ユズーッ!」

遊矢「美玲!アユの応援に来てくれたのか?」

美玲「応援というか、まあ観戦だなッ。一応ウチらはライバルなわけだし」

美玲「なんか偵察みたいでちょっと悪いけど」

遊矢「別にいいって。美玲もアユの晴れ舞台見て行けよ」

美玲「ああッ!」

権現坂「お前が早坂美玲か!」

美玲「あ、さっきの厳ついやつ……」

権現坂「俺は権現坂昇。遊矢の親友だ」

美玲「そうだったのかッ、ウチはその通り早坂美玲。よろしくなッ!」

美玲「ところで、デュエルの状況は?」

柚子「アユちゃんの先攻1ターン目が終わったところで、これから相手のターンよ」

美玲「相手は……LDSのレイラってやつか」

零羅「僕は手札からマジックカード、『ペルソナ・シャッター・レイヤー1』を発動――」

~十数分後~

零羅「『CCC武融化身ウォーター・ソード』が攻撃する時、他の水属性モンスターすべての攻撃力をこのカードに加える!」

権現坂「『アクアアクトレス・アロワナ』の攻撃力2000が加わり、攻撃力は4400!」

柚子「それじゃアユちゃんは……!」

アユ「うっ……うわぁー!!!!」LP1900→0

遊矢「アユ!大丈夫か!?」

アユ「みんな、ごめんね、私……頑張ったけど負けちゃった……」

遊矢「アユ。負けたら明日勝てばいい」

遊矢「明日の勝利を信じて、一歩踏み出すんだ!」

美玲「ユーヤ……」

権現坂「そうだ。かくいう遊矢もこの男権現坂にどれだけデュエルで負けた事か」

遊矢「って余計な事言うなよ!せっかくいい感じに決めてたのに!」

アユ「フフッ……アハハ!」

レポーター「それではみごと勝利を収めた零羅君にインタビューしてみましょう!零羅君、今のお気持ちは?」

零羅「……」

レポーター「え、えーと……勝利者インタビューをですね……」

零羅「……」スタスタ

レポーター「えっ、えぇ~……」

タツヤ「あ、あの……キミ、融合召喚も使えるんだ」

零羅「……」スタスタ

タツヤ「すごい……ね……」

零羅「……」

零児「その調子だ」

零羅「兄様……」

美玲「凄いデュエルだったな、プロデューサー」

P「そうだな。アユちゃんも強い動きだったが、零羅君はそれを凌ぐ強さだった」

美玲「LDSはジュニアクラスにも凄いデュエリストを抱えてるんだな……」

P「LDSといえば、この後は柚子ちゃんの試合がある。対戦相手はLDSの融合使いらしいよ」

美玲「ユズがLDSと?」

P「アユちゃんの仇を取ると言っていた。しかしそれだけじゃなく、なにか因縁のある対決らしい」

美玲「そうかッ。それなら、その試合も観ておこう!」

P「ああ。絶対面白いデュエルになるはずだ」

~試合後~

ニコ「アクションカードの取り合いが勝敗を分けたこのデュエル!」

ニコ「制したのは遊勝塾・柊選手ッ!」

美玲「まさか、ユズも融合召喚を使えるなんてな」

P「遊勝塾に最近加入した、紫雲院素良という子が実は融合召喚使いらしいんだ」

美玲「ということは、そのソラってやつが柚子に融合を教えたのか」

P「まあそういうことだろうね。今朝、柚子ちゃんと一緒にいた青髪の子だよ」

美玲「そういえば、確かにいたっけな……」

P「うちでは融合召喚は扱ってないから、使い手と当たると不利になるかもしれない」

P「美玲は第一試合だったから、明日まで試合はない。特訓だ!融合使いとの戦い方を一緒に学んでいこう!」

美玲「……ああッ!ウチはもっと強くなってやるぞッ!」

~レオ・コーポレーション~

零児「中島。早坂美玲のデュエルデータは?」

中島「たった今、映像・デュエルログともに完了しました」

零児「そうか……ご苦労だった。」

零児(彼女のデュエルも、順調に成長しているらしい)

零児(二回戦の結果次第で、最終的に我々への利害を判断することになるだろう)

零児「引き続きデータ収集を任せる」

零児「それと、ペンデュラムカードは間に合いそうか?」

中島「はっ、問題ありません。ただいまテストルームにて使わせております」

零児「そうか……ペンデュラムは我々の武器になり得る存在だ。絶対に成功させなければならない」

中島「承知しております」

~翌日~

P「魔法カード、『融合』を発動。手札の『セイント・バード』と『スカイ・ハンター』を融合素材として墓地へ送る」

《融合》
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドから、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

《セイント・バード》
通常モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守1100
非常に尾の長い鳥。全身から聖なる光を発する。

《スカイ・ハンター》
通常モンスター
星4/風属性/鳥獣族/攻1550/守1200
羽に隠し持っているナイフを空から降らせて攻撃する。

P「融合召喚!レベル6、『紅陽鳥』!」

《紅陽鳥》
融合モンスター
星6/炎属性/鳥獣族/攻2300/守1800
「セイント・バード」+「スカイ・ハンター」

美玲「リバースカードオープン!罠カード、『ヘル・ポリマー』!『セイント・バード』をリリースし、『紅陽鳥』のコントロールを得る!」

《ヘル・ポリマー》
通常罠
(1):相手がモンスターの融合召喚に成功した時、自分フィールドのモンスター1体をリリースし、
その融合召喚された表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターのコントロールを得る。

P「それを伏せてたか……ターンエンド!」

美玲「ウチのターン!」

美玲「バトルだ、プロデューサー!『紅陽鳥』でダイレクトアタックだッ!」

P「負けた……!」LP2000→0 ピーッ

P「これで融合召喚、及び融合モンスターについては理解できた?」

美玲「ああッ。もう怖いものじゃないぞ」

P「私自身もこれで融合の基礎はマスターできたはずだ」

美玲「これで安心だなッ!」

P「基礎中の基礎だし、古いカードだからまだ油断はできないよ」

P「昨日の柚子ちゃんの試合のように、手札と場に融合素材がなくなったとしてもデッキから融合できるカードも存在する」

美玲「ああ。ユズも、融合魔法を使わない融合召喚をしていたしな」

美玲「あとはウチのプレイング次第。二回戦も頑張ろうッ!」

P「……お、どうやらそろそろ遊矢の試合が始まるらしい」

美玲「なんだって!それは観に行くしかないッ!行くぞプロデューサー!」

~会場~

美玲「相手は沢渡シンゴってやつかッ」

P「LDSの新鋭だ。実力は未知数だが……」

~~~~

美玲「んなッ、相手もペンデュラムカードを……!?」

P「流石LDS……ペンデュラムまで開発を進めていたのか!」

美玲「しかしペンデュラム召喚の応酬……熱いなッ!」

~~~~

P「遊矢は手札にもフィールドにもカードがない……まずいな」

美玲「いや、ユーヤはきっとこのドローで逆転するつもりだッ!」

遊矢「次のドローが全てをかけたディスティニードローとなります。見事引き込めましたらご喝采!」

遊矢「ドロオオオオオ!!!!」

遊矢「『トランプ・ウィッチ』のペンデュラム効果発動!バトル中にモンスターを融合召喚する!」

P「やはり遊矢も融合召喚を!」

美玲「ペンデュラムの効果で融合召喚……凄い!」

~~~~

遊矢「『ビーストアイズ』がモンスターを破壊した時、融合素材とした獣族モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」

美玲「『ドラミング・コング』は攻撃力1600……!」

沢渡「ぐわーーーーっ!!!!」LP1200→0 ピーッ

ニコ「決まりましたー!第二試合、勝者は榊選手!」

美玲「うおおおおお!!」

P「なんて熱い攻防……私は今とても感動している!」

美玲「凄かったなッ!ユーヤとシンゴのペンデュラム合戦!」

P「ああ。彼らこそまさに真のエンターテイナーだ!本物の輝きを見せてくれた!素晴らしい攻防だった……!」

美玲「プロデューサー、表現が被ってるぞ」

P「それくらい感動しているんだ。遊勝さんの現役時代を思い出すよ」

美玲「榊遊勝、か……」

美玲「それから、ユーヤもやっぱり融合召喚を使ってたよな」

P「ああ。優勝できるかどうかには、融合対策の成功が深くかかわってくるかもしれない」

P「……この後、紫雲院素良くんの試合があるから、それを観戦したらまた練習をしようか」

美玲「ユーヤとユズに融合を教えたやつか……了解だッ!」

黒咲「かつて俺の故郷でもデュエルは最高のショーだった」

黒咲「そうだ、最高の……」

黒咲「大人も子供も誰もがそれを無邪気に楽しみ、デュエリスト達はみんなの憧れの的だった」

黒咲「――あの日までは」

黒咲「あの日突如として襲い掛かってきた敵によって俺たちの街は、戦場と化した」

素良「敵?戦場?」

美玲「オイオイオイ……なんだアイツ?」

P「一体何を……?」

黒咲「これで貴様のモンスターの攻撃は終わった。その効果も消えたという事だ」

素良「何だと!?」

黒咲「速攻魔法、『RUM-ラプターズ・フォース』発動!」

黒咲「この戦闘で破壊された『ライズ・ファルコン』を特殊召喚し、ランクが1つ高いレイド・ラプターズにランクアップさせる!」

美玲「ランクアップ!?」

P「なんだその召喚は!?」

黒咲「獰猛なる隼よ。激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろォ!ランク5!『RR-ブレイズ・ファルコン』ッ!」

黒咲「貴様達はいつも笑いながら俺の仲間たちを襲い続けた」

黒咲「だが、もはや俺達は無抵抗で打倒される獲物ではない!」

素良「はぁ?余裕がない?」

素良「冗談言うなよ。こんなデュエル、キャンディ舐めながらだって僕にはできる!」バキッ

素良「遊びさ。本気でやるわけないじゃん!」

素良「僕の仲間だってそう。みんな遊びで君達を狩ってるんだ」

素良「だって君達は僕らにとって、ハンティングゲームの獲物なんだから!」

美玲「ソラ……!?」

P「一体何を……!?」

素良「マジックカード、『魔玩具融合』を発動!」

素良「悪魔宿りし非情の玩具よ。歯向かう愚民を根こそぎ滅ぼせ!」

素良「現れろ、全ての玩具の結合魔獣!『デストーイ・マッド・キマイラ』!」

美玲「な、なんだこのモンスターッ!?」

P「ヒェッ……」

~~~~

黒咲「仲間は、必ず奪い返す!速攻魔法、『RUM-レボリューション・フォース』!」

黒咲「誇り高き隼よ。英雄の血潮に染まる翼翻し、革命の道を突き進めッ!」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろォ!ランク6!『RR-レボリューション・ファルコン』!ッ」

美玲「またランクアップ……!」

P「どれだけ進化するんだ!」

黒咲「『レボリューション・ファルコン』の効果発動!このカードがレイド・ラプターズを素材としてランクアップした時」

黒咲「相手が特殊召喚したモンスター1体を破壊し、そしてその攻撃力の半分のダメージを与える!」

黒咲「革命の火に焼かれて、散れェェ!!!!」

素良「ッ――――!」LP1300→0 ピーッ

……

ニコ「ん、お……か、勝ったのは黒咲選手!」

美玲「あ……」

P「……!」

美玲「なんだよ、アレ……」

P「……今まで見た中で最も凄絶なデュエルだった」

P「デュエルモンスターズの域を超えて、まるで戦場のような……」

美玲「ユーヤとシンゴの時と、全然違う……」

美玲「それにハンティングゲームだとか、戦場だとか……もうわけがわからないッ!」

P「……美玲、落ち着こう」

P「取り敢えず、素良くんの事が心配だ。医務室へ向かおう」

~医務室前~

美玲「……あ、ユーヤ」

遊矢「美玲、そしてプロデューサー。来てくれたんだ」

P「遊矢の友達があんな怪我だ。放っておくわけにはいかない」

修造「ですが、素良は応急処置後にレオ・コーポレーション本社に移されるようです」

修造「LDSには優秀な医療チームもあると聞きますし……恐らく心配ないでしょう。我々には無事を祈る事しかできません」

P「そうですか……」

アユ「もしフィールド魔法が消える前に建物のガレキが当たってたりしたら……」

遊矢「黒咲隼……ッ!」

美玲「……」

修造「それじゃあ俺と洋子さんは子供たちを送っていくから、素良の事頼んだぞ!」

修造「では、失礼します」

P「ええ。こちらはお任せください」

P「じゃあ私はプロダクションに連絡を取るから、美玲とみんなは少し待っててね」

遊矢「……」

美玲「なあ、ユーヤ。あの黒咲隼っていう奴の事、知ってるのか?」

遊矢「えっ?どうして……」

美玲「さっきの様子で、そんな気がしたから」

権現坂「俺も気になっていた。知っていることを教えてくれ」

遊矢「ああ……黒咲はLDSを何度も襲った襲撃犯だ」

遊矢「俺は目の前でトップチームがやられてるのを見たし、柚子は……」

柚子「その襲撃犯を追ってた真澄が襲われそうになってるのを見たわ……でも、真澄は――」

権現坂「追っていた敵を、仲間だと!?」

美玲「どういう事だよ、ソレ……」

柚子「真澄がなぜそんなことを言ったのかはわからない」

柚子「でも、LDSを襲うのは仲間を救うためだってユートが言ってた」

遊矢「ユート……?」

美玲「誰のことだ?」

柚子「前に、私が沢渡とデュエルしようとした時――」

権現坂「ではそのユートという男が沢渡を襲った犯人!」

権現坂「なぜ今まで黙っていた?柚子が真実を語れば濡れ衣を着せられることも……」

権現坂「まさか疑っていたのか!?遊矢を!」

柚子「そんなことない!だって遊矢はエクシーズを使わないし」

柚子「でも……」

美玲「おいおいおい!ノボルもユズも落ち着けって」

遊矢「ユート……俺にそっくりな男。柚子のブレスレットが光ると消えてしまうという男か」

美玲「消える!?」

柚子「なぜこのブレスレットが光ると、ユートがいなくなるのかはわからない」

柚子「遊矢が変装してるのかもと思ったけど、そんなことする理由がない」

権現坂「遊矢がLDSを襲う理由もな……」

遊矢「襲うのは敵に捕らわれた仲間を救うための手段」

柚子「ええ。ユートはそう言ったわ」

権現坂「敵とは誰だ。LDSとは違うのか?」

柚子「それは――」

美玲「融合は、敵?」

権現坂「そう言ったのかユートは?」

柚子「うん」

遊矢「黒咲はユートの仲間。だからあいつはあんなにも素良に敵意を」

権現坂「お前達、素良がどこから来たか聞いているのか?」

柚子「いいえ」

遊矢「訊いてもあいつすぐごまかすし」

権現坂「何か因縁があるのかもしれん。黒咲とユート、そして素良の間に」

美玲「因縁?」

権現坂「黒咲達はエクシーズ使い。素良はそれと敵対する融合塾の一員だったとか」

遊矢「まさか黒咲やユートが救いたいという仲間って素良達に――」

権現坂「仲間とは、黒咲の妹!?」

柚子「ええ。ユートはそう言ったわ」

遊矢「もし本当に素良の仲間が黒咲の妹を、その瑠璃って子を連れ去ったのだとしたら」

遊矢「奴の素良への敵意はわかる。けど……」

美玲「じゃあシュンはソラと戦うためにLDSに?」

権現坂「いや、やつは以前からLDSだと真澄は言った。――ならばなぜ妹を取り戻すための手段としてLDSを襲う?」

権現坂「……うおおおわからん!一体どういうことだ!?」

美玲「ウチも全然だッ!頭がこんがらがってきたぞ」

遊矢「融合とエクシーズ……ただの塾同士の争いとは思えない。何かもっと大きな力が――」

イタカ?イエ、コチラニハ

ドコニイッタ?ムコウヲサガシマス!

権現坂「ん?何の騒ぎだ?」

モウソトニデテシマッタノカモシレン

スグニホンシャニレンラクヲ!シウンインソラガニゲダシタト!

美玲「なんだって……!」

遊矢「素良が!?」

P「なんだなんだ、どうした?」

美玲「プロデューサーッ!ソラがいなくなったって!」

柚子「お父さんもすぐ駆けつけるって」

美玲「よし、それじゃあ手分けして探すぞッ」

権現坂「俺は海の方へ」

遊矢「それじゃ俺は中央公園の方へ」

柚子「私は向こうへ行くわ」

美玲「じゃあウチは残ったこっちだな。行くぞプロデューサー!」

P「見つかったら連絡するんだぞ!」

美玲「ソラの奴、あんな怪我で何処へ……?」

美玲「どうだ、ソラはいたかッ!?」

P「駄目だ、見つからない。他の3人がいる方に居るのかも」

美玲「でも連絡は無いし、まだ誰も見つけてないってことなんじゃ」

P「まあそういうことだろうけど……」

美玲「あ、ユズから連絡だ!見つかったのかな」

柚子『美玲、権現坂、今すぐ中央公園に来て!遊矢が倒れてる!』

美玲「な、なんだってッ!?」

P「大変だ。今すぐ中央公園に行こう――」

~2日後~

美玲「もしもし、ユズか?」

美玲「ああ、ユーヤの事なんだけど……」

美玲「……そっか。今日のレッスンが終わったら、ウチも向かうよ」

美玲「それまでユーヤの事は頼む。じゃあなッ」ピッ

P「遊矢の容態は?」

美玲「もう2日も経つのに、まだ目を覚まさないって」

P「今日も駄目か……素良君も見つからないし、どうしたものか」

美玲「ユーヤの事は心配だッ。けど、ウチにもやることがある」

美玲「気を取られて負けるようじゃ、カッコ悪いもんな!」

P「美玲……強くなったね」

美玲「ウチはいつでも強いぞッ」

P「じゃあ、レッスンを再開しよう!」

~榊家~

洋子「いらっしゃい!あなたが美玲ちゃんね」

美玲「洋子さん。遊矢の容態は……?」

洋子「それがね、遊矢はさっき目を覚ましたんだよ」

美玲「なんだってッ!」

美玲「遊矢ーッ!」バタッ

遊矢「……え、美玲!?」

柚子「お見舞いに来るって言ってたのよ」

美玲「ああ、良かった……」

美玲「ユーヤ!二日も目を覚まさないってどういうことだよッ!」

遊矢「わ、悪かったよ……」

柚子「よかったね、美玲」

遊矢「ところで大会は?どうなってる?」

美玲「ジュニアユースは今日で一回戦が終わりだッ」

柚子「ちょうど今あの占い塾の方中ミエルが……」

美玲「ミエル?」

遊矢「ああ。俺が予選で戦った相手だよ」

柚子「儀式召喚とリバースモンスターを使用する珍しいデュエルスタイルなのよ」

美玲「へー!そんなデュエリストもいるんだなッ!」

柚子「……あれ?ミエルの試合は?」

柚子「終わってる……」

美玲「え?」

柚子「風魔塾の月影って人に、ワンターンキルで……!」

~数分前、会場~

ミエル「深い眠りに就かせてやるわ。永遠にね!」

月影「……!」

ミエル「ミエルのターン!儀式魔法、『高等儀式術』発動!」

《高等儀式術》
儀式魔法
儀式モンスターの降臨に必要。
(1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、
デッキから通常モンスターを墓地へ送り、
手札から儀式モンスター1体を儀式召喚する。

ミエル「デッキから『占い魔女スィーちゃん』と『占い魔女アンちゃん』を墓地へ送る!」

《占い魔女スィーちゃん》(アニメ版)
通常モンスター
星4/水属性/魔法使い族/攻 0/守 0
このカードをドローした今日のあなたの運勢は、ちょっと悪いかも。
ラッキーナンバーは、4。
ラッキーカラーは、青。
ラッキーアイテムは、傘。
東に向かうと運が向いてくるかもね。

《占い魔女アンちゃん》(アニメ版)
通常モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
このカードをドローした今日のあなたの運勢は、アンハッピ~。
ラッキーナンバーは、5。
ラッキーカラーは、紫。
ラッキーアイテムは、サングラス。
落し物に注意して!

ミエル「これにより『聖占術姫タロットレイ』の儀式召喚を執り行うことが可能となる!」

ミエル「全てを見通す太古の巫女よ。古の秘術によりて今よみがえれ!儀式召喚!レベル9!聖占術姫タロットレイ!」

《聖占術姫タロットレイ》(アニメ版)
儀式・効果モンスター
星9/光属性/天使族/攻 2700/守 1200
「聖占術の儀式」により降臨。
(1):1ターンに1度、発動できる。
自分フィールドのリバースモンスターを全て裏側守備表示にする。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
(2):相手ターンに1度、発動できる。
自分フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側攻撃表示にする。

ミエル「さらに魔法カード、『二重召喚』。これでミエルは1ターンに2度の通常召喚ができるわ」

《二重召喚》
通常魔法
(1):このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

ミエル「これで私はモンスターを2体裏側守備表示で召喚。ミエルはこれでターンエンドよ」

月影「拙者のターン。手札から魔法カード『忍法 朧分身の術』を発動!」

《忍法 朧分身の術》(未OCG)
通常魔法
(1):手札からレベル4以下の「忍者」モンスター1体を特殊召喚する。

月影「これにより手札から『黄昏の忍者-シンゲツ』を特殊召喚!」

《黄昏の忍者-シンゲツ》(アニメ版)
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻 1500/守 100
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はこのカード以外の「忍者」モンスターを攻撃対象にできない。

月影「さらにシンゲツをリリースし、『黄昏の中忍-ニチリン』をアドバンス召喚!」

《黄昏の中忍-ニチリン》
効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2300/守1000
このカードはルール上「忍者」カードとしても扱う。
(1):1ターンに1度、手札から「忍者」モンスター1体を捨て、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
この効果は相手ターンでも発動できる。
●このターン、自分フィールドの「忍者」モンスター及び
「忍法」カードは戦闘・効果では破壊されない。
●自分フィールドの「忍者」モンスター1体を選び、
その攻撃力をターン終了時まで1000アップする。

月影「ニチリンは忍者モンスターとして扱う。よって拙者は『幻影忍法-朧手裏剣』を発動!」

《幻影忍法-朧手裏剣》(未OCG)
永続魔法
自分フィールドに「忍者」モンスターが存在する場合にこのカードを発動できる。
(1):「忍者」モンスターが自分フィールドに存在しない場合、このカードを破壊する。
(2):自分がカードを手札に加えた場合にこの効果を発動できる。
そのカード1枚を墓地へ送り、300ダメージを相手に与える。

月影「このカードは忍者の存在なくして存在することは出来ぬ」

月影「しかし拙者がカードを手札に加える度、それを墓地へと送ることにより、300のダメージを発する事が出来る」

ミエル「カードを手札に加える……まさか!」カンコーン

月影「そう。アクションカードを手札に加え、それを墓地へ送ることで、其方のライフをこのターンで0にする」

ミエル「そうはいかないわ。タロットレイの効果!相手ターンに1度、すべての裏守備モンスターを攻撃表示にする!」

ミエル「『深淵の暗殺者』のリバース効果!これでニチリンは破壊よ!」

《深淵の暗殺者》
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻 200/守 500
(1):このカードがリバースした場合、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを破壊する。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地のこのカード以外のリバースモンスター1体を対象として発動する。
そのモンスターを手札に加える。

月影「ニチリンの効果発動!手札から2体目のシンゲツを捨てることにより、このターン忍者と忍法は破壊を免れる」

ミエル「そんな……」

月影「アクションカードを14枚も、拙者には容易い。風魔一族の朧手裏剣を受け散るがいい!」

ミエル「きゃああああ!!!」LP4000→…→0 ピーッ

~現在~

遊矢「ミエルが?やっぱりレベル高いな、舞網チャンピオンシップは」

遊矢「俺達が知らない実力者もたくさん出てるんだ」

柚子「ジュニアクラスではもう二回戦に入ってて、昨日フトシ君がLDSの零羅君と戦ったんだけど」

遊矢「零羅って、あのアユに勝った?」

美玲「ああッ」

美玲「あの時は融合召喚を使ったけど、今度は――」

~1日前~

フトシ「オレのターン!よーし、痺れさせてやるぜ!」

フトシ「『らくがきじゅう-ぱきけ』の効果!このカードはモンスターがいないプレイヤーのフィールドに特殊召喚できる!」

《らくがきじゅう-ぱきけ》(SSオリジナル)
星4/地属性/岩石族/攻1300/守1300
(1):このカードはモンスターをコントロールしていない
プレイヤーのフィールドに手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
手札から「らくがきじゅう」モンスター1体を特殊召喚する。

フトシ「このぱきけをお互いのフィールドに特殊召喚だ!」

零羅「……」

フトシ「そしてこのカードはらくがきじゅう1体でアドバンス召喚ができる。オレはぱきけをリリース!」

フトシ「アドバンス召喚だ!来い、レベル8!『らくがきじゅう-てらの』!」

《らくがきじゅう-てらの》(未OCG)
効果モンスター
星8/地属性/恐竜族/攻 2400/守 1200
このカードは「らくがきじゅう」モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、ターン終了時まで、
このカードの攻撃力はその破壊したモンスターの攻撃力の半分だけアップする。

フトシ「てらのの効果発動だ!相手モンスターを破壊して、その攻撃力の半分をもらう!」

フトシ「ぱきけを破壊して、その攻撃力の半分の650をてらのに加えるぜ!」

フトシ「それだけじゃないぜぇ!ぱきけが破壊されたことで、オレは手札から『らくがきじゅう-すてご』を特殊召喚!」

《らくがきじゅう-すてご》(効果未判明による魔改造)
星6/地属性/岩石族/攻1200/守2500
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はこのカード以外の「らくがきじゅう」モンスターを攻撃・効果の対象に選択できない。
(2):攻撃表表示のこのカードがこのカード以下のレベルの攻撃表示モンスターと戦闘を行うバトルステップ時、
自分の墓地の「らくがきじゅう」モンスター1体を除外して発動できる。
このカードとそのモンスターを守備表示にする。

フトシ「最後に『らくがきちょう-せんこうは』を発動!このターン攻撃できない代わりに、てらのの攻撃力の半分の……あー……1525ダメージだぜ!」

《らくがきちょう-せんこうは》(SSオリジナル)
通常魔法
このカードを発動するターン、自分は攻撃宣言できない。
①:自分フィールドの「らくがきじゅう」1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

零羅「……!」LP4000→2475

ニコ「フトシ君、鮮やかなコンボで先制パンチを決めたーっ!」

フトシ「すてごがいる限りてらのは攻撃と効果の対象にできないし、このカード以下のレベルのモンスターと戦闘するときはお互いに守備表示にできる!」

フトシ「簡単には痺れはしないぜ?オレはこれでターンエンドだ!」

零羅「僕のターン、ドロー」

零羅「……『CC隻眼のパスト・アイ』を召喚」

《CC隻眼のパスト・アイ》(未OCG)
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻 1400/守 1000
①:このカードを融合召喚・S召喚・X召喚の素材とする場合、
他の素材は自分フィールド以外のモンスターでなければならない。

フトシ「あれはアユの時の……ってことは融合召喚!?」

零羅「僕は速攻魔法、『パスト・チューニング』を発動。すてごのレベルを6から3にしてこのカードに移し替え、チューナーとしたパスト・アイとこのカードとでシンクロ召喚する」

《パスト・チューニング》(未OCG)
速攻魔法
①:自分フィールドに「CC隻眼のパスト・アイ」が存在する場合、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターのレベルはこのターンのエンドフェイズまで、以下の数値になる。
●レベル1~4のモンスター:レベル1
●レベル5~6のモンスター:レベル3
●レベル7以上のモンスター:レベル5
その後、このカードをモンスターとして扱い、
このカードの種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を対象のモンスターと同じにする。
また、自分フィールドの「CC隻眼のパスト・アイ」1体をチューナーとして扱い、その効果を無効にする。
さらにその後、このカードの効果でモンスター扱いとしたこのカードと
チューナー扱いとした「CC隻眼のパスト・アイ」のみを素材としてS召喚する。
この効果でS召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。


フトシ「え!?シンクロ!?」

零羅「描き出されし古代の剣竜よ、我が目と調和しその力捧げよ。シンクロ召喚!」

零羅「現れよ、全てを撃ち抜く精巧なる銃!レベル6、『CCC撃調化身ロック・シューター』!」

《CCC撃調化身ロック・シューター》(一部未判明により捏造)
融合・効果
星6/地属性/悪魔族/攻2200/守2400
「CC隻眼のパスト・アイ」+チューナー以外の地属性モンスター1体以上
(1):このカードの攻撃力は、相手フィールドの全ての
地属性モンスターのレベルの合計×200アップする。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を
対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は1000ダウンする。
この効果は相手ターンでも発動できる。

フトシ「すてごのレベルが下がったから効果が発動できない……!」

零羅「ロック・シューターの効果。すてごの攻撃力を1000ダウン下げる」

零羅「さらにこのカードの攻撃力は、相手の地属性モンスターのレベル×200上がる」

フトシ「てらのとすてごは合計11、つまり2200アップして……攻撃力4400!?」

零羅「バトルだ。ロック・シューターですてごを攻撃!」

フトシ「しびれるうううううーーー!!!」LP4000→0 ピーッ

~現在~

遊矢「シンクロを!?」

美玲「ああッ」

柚子「ジュニアと言ってもあの子もLDSだし、もしかしたらあの赤馬零児みたいに」

柚子「融合、シンクロ、そしてエクシーズも使えるのかも」

遊矢「融合……シンクロ……エクシーズ……」

美玲「ユーヤ、どうしたんだ?」

遊矢「あの夜、ユートに会った」

柚子「ユート……!」

遊矢「あいつが言ってたんだ。この世界は4つの次元に分かれてるって」

柚子「4つの次元?」

遊矢「融合、シンクロ、エクシーズ次元。そして俺達が住むスタンダード」

遊矢「素良は融合、黒咲とユートはエクシーズ次元から来て、その2つの次元は戦っている」

遊矢「そして素良は俺の目の前でユートと戦って――消えた」

美玲「消えた!?」

遊矢「融合次元に戻されたんだって、ユートは言ってた」

遊矢「そしてその後、ユーゴが来て」

柚子「ユーゴって?」

遊矢「ユーゴも俺とそっくりな、もう1人の男。そいつはバイクのような物に乗って現れた」

遊矢「ユーゴはおそらくシンクロ次元のデュエリスト」

美玲「シンクロ……?ユートは融合と戦ってるんじゃないのか?攫われたルリを救うために……」

遊矢「その攫った敵がユーゴかもしれない。ユートはシンクロには融合の手先がいると言っていた」

遊矢「2人は前も戦っているらしい。もしかしたらその時に……」

遊矢「……」ピラッ

美玲「ん、そのカードは?」

遊矢「……『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』」

柚子「それは!どうしてユートのカードを遊矢が!?」

遊矢「あいつは、俺を庇い、その時にこれを託された」

遊矢「その時に気絶したみたいで、その後のことは何も。ユートがどうなったのかも」

遊矢「だけどなぜ、俺にこのカードを?ユートはデュエルで笑顔をって俺に言った」

遊矢「そしてこのカードを俺に。どうしてそんなことを……」

遊矢「わからない……!ユートだけじゃない」

遊矢「ユーゴってのも何者なんだ?なぜあいつらは俺にそっくりな顔をしているんだ!?」

美玲「なあ、落ち着けって!」

遊矢「……わからない。なんなんだよいったい、ユートもユーゴもどうして……」

柚子「遊矢だけじゃないわ。私にもそっくりな人が」

遊矢美玲「「えっ?」」

柚子「瑠璃よ。彼女は私にそっくりだってユートが」

遊矢「なんだって!それは本当か!?」

柚子「うん。最初は驚いたって。だから私のことを瑠璃って」

美玲「なんだよそれ……ユーヤはユートとユーゴにそっくりで、ユズはルリとそっくり?どういうことなんだッ」

遊矢「――黒咲なら」

柚子「え?」

遊矢「黒咲はユートの仲間だ。素良もユートもいなくなった今、話を聞けるのはあいつしかいない」

遊矢「次元のことや俺達にそっくりな人たちのこと。それに瑠璃……あいつは瑠璃のお兄さんなんだろ?」

柚子「うん……」

遊矢「母さん、ちょっと出かけてくる!」

洋子「ちょっと。出かけるってどこに?」

遊矢「センターコート!」

柚子美玲(無言の会釈)

洋子「まったく、2日も寝てたのに……」

洋子「思い立ったらすぐ行動に移さないといけないなんて」

洋子「ますますあなたに似てきたかもね」

~モニター前~

北斗『エクシーズ召喚!『セイクリッド・プレアデス』!』

北斗『エクシーズ召喚!『セイクリッド・トレミスM7』!』

タツヤ「急ごう!」

セレナ「……」

アユ「あ……あれ?」

タツヤ「アユ、何してるの?」

アユ「今あそこに柚子お姉ちゃんが……」

フトシ「いるわけないだろ~」

タツヤ「今頃みんなセンターコートに着いてるよ」

フトシ「グズグズしてると置いてくぞ!」

アユ「あ!待って!」

~センターコート~

権現坂「うおおおお!!遊矢ー!!この男権現坂、これほど嬉しいことはない!!」ダキッ

遊矢「そんな大げさな……」

修造「いやいや、みんな本当に心配したんだぞ?遊矢が二度と目を覚まさなかったらどうしようって」

アユ「遊矢おにいちゃ~ん!」

タツヤ「よかった、無事で!」

フトシ「嬉しすぎて痺れちゃうぜ!」

遊矢「みんな、ありがとう」

フトシ「これで後は素良さえ戻ってくれば!」

アユ「遊勝塾もすっかり元通りね!」

P「そうさ。まだ浮かれるわけにはいかない」

遊矢柚子美玲「……」

修造「すまん遊矢。あれから探し続けているんだが、素良の行方は今も……」

遊矢「あっ、あの――」

フトシ「ゴメン!」

遊矢「え?」

フトシ「本当は俺も浮かれてる場合じゃないんだ。実は昨日負けちゃって……」

遊矢「聞いたよ。あの零羅って子に今度はシンクロ召喚決められたんだろ?」

フトシ「うん……まさかシンクロ召喚まで使うなんて。驚きすぎてしびれちゃったよ」

遊矢「だったら次はフトシが痺れさせろ!」

遊矢「次の大会まで一年。遊勝塾でエンタメデュエルをしっかり鍛えて――」

素良『次なんてない!本当の戦いに、次なんてないんだ!』

遊矢「――!」

フトシ「遊矢兄ちゃん?」

権現坂「どうした、遊矢?」

遊矢「い、いや……」

ミエル「ダーリン……!目覚めたのね!」

遊矢「ミエル。……!」

ミエル「ミエルの体を張ったお祈りが、命を懸けたお祈りが通じたんだわ~!」トツゲキ

遊矢(無言のスルー)

ミエル「あれ?いや~!」ドシン

北斗「なんだ、見に来てたのか。どうだい?僕の本当の力を目の当たりにした感想は。遊勝塾で戦った時はまぐれで――」

遊矢「黒咲に会いたい。あいつに話があるんだ」

真澄「話って?」

柚子「ええ。それは彼に直接言うわ」

真澄「あっ、柚子……」

美玲「シュンに会わせてほしい。色々聞きたいことがあるんだッ」

刃「無理だな。黒咲さんはお前らなんか相手にしねえよ。俺達だってめったに話せないんだから」

刃「ま、せっかく来たんだし見とけよ。俺と勝鬨勇雄の戦いだ、損はさせねえぜ」

~会場~

ニコ「いよいよジュニアユース選手権1回戦最後の試合でございます!」

ニコ「この戦いの勝者が2回戦で進む32人目の勇者となるのです!」

刃勝鬨「「デュエル!!」」

遊矢「……」

遊矢「……!?なんだ、これ……」

勝鬨「フッ!」バキッ

刃「ぐわあああ!!!」

勝鬨「フン!」ドゴォ

刃「ぐほっ……!!」

勝鬨「セイッ!」ズガァ

刃「がああああ!!!」

遊矢「ひどい……これが梁山泊のデュエル……」スクッ

遊矢「……!」ギリギリ

美玲「ユーヤ?」

刃「……」LP…→0 ピーッ

ニコ「こ、これにて……一回戦の試合はすべて終了いたしました」

ニコ「続いて二回戦の組み合わせを発表いたします」

ニコ「勝ち上がった皆さんは登録カードをセットしてください!」

権現坂「俺は明日の第一試合、相手はビックリ塾の種子島有蔵だ」

柚子「私は二日目の第二試合、対戦相手は……えっ、美玲!?」

美玲「ウチとユズが対戦か……見てろユーヤ、勝つのはウチだッ!」

柚子「それはどうかしら。私も負けるつもりはないわよ!」

タツヤ「遊矢兄ちゃんは?……あっ、勝鬨勇雄!」

アユ「そんな……」

美玲「ユーヤ……」

遊矢「ユートは俺に、デュエルで笑顔をと言った。あいつが本当に伝えたかったのは何なのかはわからない」

遊矢「けど、俺は自分の信じたデュエルをやる!それがユートの思いに応えることになると思うから!」

柚子「!……うん!」

遊矢(勝鬨勇雄.俺はお前のデュエルは認めない)

遊矢(デュエルは人を笑顔にするもの。俺のデュエルでお前に笑顔を取り戻してみせる!)

~翌日~

権現坂「そこだ!ダイレクトアタック!」

種子島「な、なんでわかったあああ!!!」LP400→0 ピーッ

権現坂「何の此れ式!」

ニコ「変幻自在のトリックデュエル、破れたり!権現坂道場・権現坂昇選手、ビックリ塾の種子島有蔵選手を下しました!」

アユ「やった、勝った……」

タツヤ「次は遊矢兄ちゃんの番だね……」

修造「おいおい、見てるお前たちが緊張してどうする?」

柚子「だって今日の対戦相手は、あの勝鬨勇雄よ」

フトシ「しびれるくらい凄まじかったぜ」

修造「デュエルに笑顔は禁物。それが武闘派・梁山泊の流儀だからな」


美玲「せっかくユーヤが戻ってきたってのに、あのイサオってやつの相手だなんて」

P「彼なら大丈夫だよ。あの白熱した1回戦を観ただろう?」

美玲「でもそれは、シンゴがエンタメデュエルに応えたから盛り上がっただけだろ?」

美玲「今回、あいつは付き合ってくれそうにないぞッ」

P「そうだね……とはいえ、昨日の試合を見てから遊矢は張り切っている」

P「きっと勝鬨勇雄も笑顔になれるようなエンタメを見せてくれるさ」

遊矢勝鬨「「デュエル!!」」

イイゾユウヤ! カッコイー!

遊矢「アハハハ!」

修造「遊矢のやつ、相手が誰だろうといつも通りだ!」

柚子「いつも通り……」

美玲「昨日のこと、ユートの事や次元の事で動揺してないはずないってのに……」

柚子「なのに遊矢は自分が向き合わなきゃいけないことに、ちゃんと向き合ってる」

勝鬨「自分はマジックカード、融合を発動。」

勝鬨「天翔ける星。地を飛び。今一つとなって、悠久の覇者たる星と輝け!」

勝鬨「融合召喚!来い、覇勝星イダテン!」

P「融合召喚だと!?昨年のデータには使用した記録はなかった……」

美玲「今年の優勝を目指して進化してきたってことか」

美玲「……それにしても。レイラ、マスミ、ユズ、ソラにイサオ。融合使いが多いんだなッ」

P「やはり融合の勉強はしておいて正解だった。社長には頭が上がらないよ」

美玲「え、あの融合カードって社長が用意してくれてたのか……」

遊矢「あれは絶対もらう!」

勝鬨「させん、バトルだ!自分はイダテンでビーストアイズを攻撃!」

勝鬨「ビーストアイズの攻撃力は0になる。勝利の風は、本当の闇を見た者だけに吹く!」

遊矢「諦めて……たまるかあああああ!!」

ニコ「ああっと榊選手!アクションカードを取られることは阻止したが、大ダメージで残りライフは100!」

美玲「ユーヤッ!」

勝鬨「首の皮一枚で繋がったが、お前の闇はすぐそこだ」

勝鬨「ひたすら暗い闇の中に落ちるがいい」

遊矢「……!ぐっ……!」

遊矢「があっ……!」

美玲「な、なんだ?どうしたんだユーヤのやつ……」

P「様子があきらかに尋常ではない、何が……?」

遊矢「揺れろ、魂のペンデュラム。天空に描け光のアーク!」

遊矢「ペンデュラム召喚!出でよ、我がしもべのモンスター達よ!」

美玲「怖いぞ、遊矢……?」

遊矢「俺はレベル4のラクダウンとシルバー・クロウで、オーバーレイ!」

P「な、あの動きはなんだ!?」

美玲「レベル4……まさか!?」

遊矢「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙。今降臨せよ!」

遊矢「エクシーズ召喚!現れろ、ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!」

勝鬨「なんだと!?」

美玲「やっぱり、あれは昨日の……!」

遊矢「バトルだ。ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで、覇勝星イダテンを攻撃!」

勝鬨「イダテンの効果発動!このカード以下のレベルのモンスターと戦闘を行う場合、相手モンスターの攻撃力は0になる!」

遊矢「エクシーズモンスターはレベルを持たない。よって効果は無効」

勝鬨「何、レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」

遊矢「反逆の、ライトニング・ディスオベイ!」

勝鬨「ぐああああああ!!!!」LP4000→0 ピーッ

観客「……」

美玲「なに、これ……」

P「……」

ニコ「……しょ、勝者は榊選手です……」

修造「あ、い、いいぞー遊矢ー……」

フトシ「しびれるくらいこええ……」

タツヤ「……別人みたい」

遊矢「……はっ!勝鬨!」

遊矢「だ……大丈夫か?」

勝鬨「!フン!」バシッ

遊矢「え……」

梁山泊勢「……」ゾロゾロ

勝鬨(無言の辞儀)

遊矢「え……なんなんだ?この感じは……」

?「――これが榊遊矢の二回戦のデュエルよ」

???「なんとも狂暴で荒々しい姿ですね……」

??「会場は唖然としてるけど、私らにとっちゃ朗報だよね」

???「ええ。我々の使命がより明確になりますわ」

????「碧葉よ。お前はどう思う?」

碧葉「もちろん朱里・素直と同意見よ。これで私達のモチベーションも上がるというものじゃない」

霧絵「うん。特に碧葉は本当にこれでいいのかしらって悩んでたし、よかったね」

碧葉「うるさいわね。あと会議中は首領と呼べって言ったでしょう」

霧絵「ごめんね、首領」

素直「それでは引き続き、私と深玄は榊遊矢の周囲の人間を調査しますわ」

深玄「ああ。何か繋がることがあれば報告しよう」

朱里「それで私と霧絵たそが本人の動向を探る。今までと変わらないなあ」

碧葉「嫌なら『フォース』から抜けてもらうけど」

朱里「あーはいはい。首領様の仰せの通りに~」

~翌日~

ニコ「本日第二試合!二回戦の対戦は……遊勝塾、柊柚子選手!」

イケー! ユズチャーン!

ニコ「対するは浦月プロダクション、早坂美玲選手!」

ミレイチャーン! ガンバッテー!

タツヤ「二人とも、一回戦が白熱したからかファンが増えてるね」

アユ「柚子お姉ちゃーん!美玲お姉ちゃーん!」

フトシ「絶対しびれさせてくれよー!」

遊矢「……」

ミ!レ!イ! ミ!レ!イ!

美玲「いつの間にか、ウチの人気も高まってたんだなッ」

柚子「ええ、流石美玲ね……だけど私も遊勝塾の看板娘よ。本当のエンタメデュエルを見せてあげるわ!」

美玲「ああ。遊矢のためにも、ウチらのデュエルで会場を盛り上げてみせるッ!」

ニコ「アクションフィールドオン!フィールド魔法、『雲上のライブステージ』!」

柚子「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

美玲「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

柚子「フィールド内を駆け巡る!」

美玲「見よ、これぞデュエルの最強進化形!」

ニコ「アクション――!」

「「デュエル!!」」

美玲「ウチのターン。自分フィールドにモンスターがいないとき、カイザー・ブラッド・ヴォルスを特殊召喚できる!」

美玲「さらにチューナーモンスター、『リ・バイブル』を召喚!」

《リ・バイブル》
チューナー・効果モンスター
星1/地属性/サイキック族/攻 700/守 300
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在し、
自分のEXデッキの枚数が相手よりも5枚以上少ない場合、
2000LPを払って発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、
フィールドから離れた場合に除外される。


柚子「チューナー……1ターン目からシンクロ召喚ってわけね」

美玲「そうだッ。みんな見てろよ、これがウチのデュエルだ!」

美玲「レベル5のカイザー・ブラッド・ヴォルスにレベル1のリ・バイブルをチューニング!」

ニコ「おーっと!ここで早坂選手お得意のシンクロ召喚です!」

P「いいぞ美玲!」

美玲「行き着け、そして力を統御しろ……シンクロ召喚!」

美玲「大地を踏み均せ!レベル6、『ハイパーサイコライザー』!」

《ハイパーサイコライザー》
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/サイキック族/攻2000/守 600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカードの攻撃力より低い攻撃力を持つモンスターは攻撃できず、
このカードの攻撃力より高い攻撃力を持つフィールドのモンスターは効果を発動できない。
(2):このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合、自分の墓地の、
種族と属性が同じとなるチューナー1体とチューナー以外のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

ニコ「来たーっ!大会では初めて顔を見せるモンスターであります!」

美玲「このモンスターが場に存在すると、自分より低い攻撃力のモンスターは攻撃ができない」

美玲「逆に、攻撃力が高いモンスターは効果が使えなくなるッ」

柚子「面倒なモンスター……でもどうってことないわ」

美玲「ウチはカードを2枚伏せてターン終了だ!」

柚子「私のターン、ドロー!」

美玲「リバースカードオープン!永続トラップ、『追走の翼』をライザーを対象に発動!」

《追走の翼》
永続罠
自分フィールドのSモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、対象のモンスターは戦闘及び相手の効果では破壊されない。
(2):対象のモンスターがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターを破壊する。
対象のモンスターの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(3):対象のモンスターがフィールドから離れた場合にこのカードは破壊される。

美玲「このカードがある限り、ライザーは戦闘と相手の効果じゃ破壊されない」

美玲「さらにレベル5以上のモンスターとの戦闘は行わずにモンスターを破壊する!」

柚子「なんですって……!」

修造「これでは、攻撃力で上回っていても除去することができない!」

権現坂「それに柚子の融合モンスター。マイスタリン・シューベルトはレベル6だから、戦闘に参加させれば破壊されてしまう」

権現坂「そしてブルーム・ディーヴァは攻撃力が低い。相手の攻撃はけん制できるが、逆にこちらも攻撃を仕掛けることができない」

フトシ「縛りに縛られでしびれそうだぜ……」

柚子「……この程度じゃ私は止まらないわ。相手のみモンスターがいることで、手札から『幻奏の歌姫ソロ』を特殊召喚!」

《幻奏の歌姫ソロ》(アニメ版)
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 1600/守 1000
①:相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。

柚子「さらに『幻奏の音女アリア』を召喚!」

《幻奏の音女アリア》(アニメ版、一部効果独自解釈)
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 1600/守 1200
①:1ターンに1度、このカードの攻撃で相手が
戦闘ダメージを受けなかったターンのメインフェイズ2に発動できる。
800ダメージを相手に与える。

美玲「下級モンスターを並べるだけ……?一体何を――」

柚子「メインフェイズを終了。バトルよ!」

美玲「――んなッ!?何かある……アクションカードを!」ダッ

柚子「速攻魔法、『ピアニッシモ』発動!このターン、ハイパーサイコライザーは攻撃力が100になり、戦闘破壊されない!」

《ピアニッシモ》(アニメ版)
速攻魔法
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで100になり、このターン戦闘では破壊されない。

美玲「くっ……!攻撃力が!」

柚子「これで攻撃が可能になるわ!ソロでハイパーサイコライザーを攻撃!」

美玲「ぐっ!」LP4000→2500

柚子「続けてアリアでハイパーサイコライザーを攻撃!シャープネス・ヴォイス!」

美玲「二度も食らうもんか!」パシッ

美玲「アクションマジック、ダメージ・バニッシュ!戦闘ダメージを0にする!」

柚子「防いだわね……でも!」パシッ

柚子「こっちもアクションマジック、『ア・テンポ』!モンスターの攻撃力が変化しているとき、それをもとの数値に戻す!」

《ア・テンポ》(SSオリジナル)
A魔法
(1):フィールドの、攻撃力が元々の数値と異なるモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は元々の攻撃力の数値になる。

柚子「これでハイパーサイコライザーは攻撃力が2000に戻るわ」

美玲「効果の範囲を無理やり変えたのかッ!」

柚子「その通り。アリアの効果!相手に戦闘ダメージを与えられなかった場合、800ポイントのダメージを相手プレイヤーに与える!リゾネイト・ウェーブ」

美玲「やってくれるな……ッ!」LP2500→1700

修造「いいぞー!柚子ー!」

タツヤ「さすが柚子姉ちゃんだ。あのロックも気にせずにライフポイントを削り取ってる!」

遊矢「ハハ……」

遊矢(昨日のデュエル、なんであんなことに……)

柚子「私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

美玲「してられちゃったけど、ライザーの攻撃力は元に戻っている。ウチのターン!」

美玲(アクションカードを探しながら……)

美玲「ウィングド・ライノを召喚!そしてバトル、ハイパーサイコライザーでアリアを攻撃!ハイパー――」

柚子「トラップ発動!『分断の壁』!このターンバトルする相手モンスターの攻撃力は、相手モンスター1体につき800ダウンするわ!」

《分断の壁》(アニメ版)
通常罠
①:このターン、以下の効果を適用する。
●戦闘を行う相手モンスターの攻撃力は、
相手フィールドのモンスターの数×800ダウンする。

美玲「……!ウィングド・ライノの効果!罠カードの発動時、このカードを手札に戻す!」

柚子「それでもハイパーサイコライザーの攻撃力は1200!そしてその攻撃は止まらないわ!」

美玲「その結果は……このカードが決めてくれるさッ!」パシッ

柚子「あの足場にアクションカードがあったのね……!」

美玲「ラッキーだ。アクションマジック、『フォルツァート』!モンスターの攻撃力を500だけ上昇させる!」

《フォルツァート》(SSオリジナル)
A魔法
①:自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップする。

柚子「やるわね……」LP4000→3900

美玲「ウチはこれでターンエンド!フォルツァートの効果は終了する」

美玲「攻撃力は下がったけど、おかげで効果を発動できない範囲は広がった。どうする、ユズ!」

柚子「ライフをなかなか削れず、攻撃力も劣っている状況。その言葉をそのまま返すわ!」ダッ

美玲「言ってくれるな……!」ダッ

イイゾー!フタリトモガンバレー!

アツイゼー!ウオオオオネッケツダー!

遊矢「……!」

ユート『みんなの未来に、笑顔を……!』

遊矢「二人のデュエルで、観客達が笑顔に……」

遊矢(そうだ、これがデュエルだ……俺は何をやってるんだ!)

柚子「私のターン、ドロー!」

柚子「永続魔法、『スローテンポ』。通常召喚したターンそのモンスターは攻撃できない」

《スローテンポ》(未OCG)
永続魔法
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
通常召喚されたモンスターは、そのターンには攻撃できない。

美玲「?このタイミングでどうして……」

柚子「魔法カード、『幻奏のオーバートーン』!お互いのフィールドの表側表示の魔法・罠カードの効果をこのターン無効にする!」

《幻奏のオーバートーン》(SSオリジナル)
通常魔法
①:自分フィールドに「幻奏」モンスターが存在する場合、
お互いのフィールドの表側表示の魔法・罠カードをそれぞれ
1枚ずつ対象として発動できる。
そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。
②:墓地のこのカードを除外し、
自分フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻し、自分はデッキから1枚ドローする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

美玲「あっ……!」

柚子「これで厄介な追走の翼は効かない。バトル!ソロでライザーに攻撃!」

美玲「アクションマジック、あった!……ぐっ!」LP1700→1300

柚子「局面に合わないカードを引いちゃった?私はこれでターンエンド!」

美玲「……ウチのターン、ドロー!」

美玲「よし!魔法カード、『死者転生』!手札のウィングド・ライノを墓地へ捨て、カイザー・ブラッド・ヴォルスを手札に加える」

美玲「そして、そのまま特殊召喚するッ!」

柚子「攻撃力1900……」

美玲「悪いなユズ、これじゃ終わらない。チューナーモンスター、妖海のアウトロールを召喚する!」

柚子「また、チューナーモンスターを!」

美玲「もう1度決めてやる!レベル5のカイザーにレベル3のアウトロールをチューニング!」

美玲「逆巻け、そして思考を支配しろッ!シンクロ召喚!レベル8、『メンタルスフィア・デーモン』ッ!」

ニコ「出ました!早坂選手のエースモンスターですっ!」

柚子「私のターン……ドロー!!」

美玲「ユズ!オマエが狙ってるカードは、ウチのほうが先に届く!」

柚子「そして!アクションカードも……!」バッ

美玲「なにっ、あんな高さから飛び降りた!?」カンコーン

柚子「ふう……いよっと。頂いたわ」

ウオー!スゲー! マジストロング!

修造「柚子う……!」

フトシ「さすが柚子姉ちゃん!しびれるぅ~!」

柚子「墓地のオーバートーンの効果発動!私の場のスローテンポをデッキに戻して、カードを1枚ドローする効果」

柚子「私はこれに勝負を賭けるわ!」ドン

美玲「そっか……!ユズ!ウチに、全力を見せて勝ってみろッ!」

修造「いけー柚子!」

タツヤ「柚子姉ちゃーん!」

柚子(ここで引き当てたら、私の勝ち。でも引けなかったら、それは――)

遊矢「柚子ーーーーー!!!!」

柚子「――遊矢!?」

遊矢「頑張れ、柚子!お前のエンタメを見せてやれ!」

美玲「ユーヤ……」

柚子「遊矢、元気を取り戻したのね……うん、絶対成功させるんだから!」

柚子「これが私の……ディスティニードローッ!」シュピィ

美玲「……」

柚子「……」

柚子「私は『幻奏の歌姫ソプラノ』を召喚!」

《幻奏の歌姫ソプラノ》(アニメ効果)
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 1400/守 1400
①:融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターとして、
自分フィールドのこのカードと自分の手札・フィールドのモンスターを墓地へ送る事で、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚できる。

美玲「来るか、ユズの融合召喚!」

柚子「ここで――!」

P「……?」

柚子「――ここでアクションマジック、『純白の裏拍』!自分フィールドのモンスターと属性が同じで種族が異なる、低いレベルのモンスターを手札から特殊召喚できる!

《純白の裏拍》(SSオリジナル)
A魔法
(1):自分フィールドのモンスター1体を選び、
そのモンスターよりレベルが低く、
同じ属性で種族が異なるモンスター1体を手札から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは効果を発動できない。

柚子「私はレベル2、光属性・岩石族『クリスタル・ローズ』を特殊召喚!」

《クリスタル・ローズ》(アニメ版)
効果モンスター
星2/光属性/岩石族/攻 500/守 500
①:フィールドのこのカードは融合モンスターカードに記された
融合素材モンスター1体の代わりにできる。

美玲「あれはマスミが使ったカード!」

柚子「このカードは融合素材モンスターの代用にできる。私はこのカードを『幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト』扱いとする!」

美玲「そしてソプラノは、融合カードなしで融合する効果がある!」

柚子「私はソプラノとモーツァルト扱いのクリスタル・ローズを融合!天使のさえずりよ!至高の天才よ!タクトの導きにより力重ねよ!」

柚子「融合召喚!今こそ舞台に、勝利の花を!『幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ』!」

《幻奏の花歌聖ブルーム・ディーヴァ》(アニメ版、一部独自解釈)
融合・効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻 1000/守 2000
「幻奏の歌姫」モンスター+「幻奏」モンスター
①:このカードが特殊召喚された相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
このカードはその戦闘では破壊されず、その戦闘によって自分が受ける戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。
ダメージステップ終了時、その相手モンスターを破壊する。

ウオオオオ! シンクロニユウゴウ、モエルゼ!
ナニアレナニアレ! キレイナモンスター!

美玲「会場が、さらに盛り上がってる……」

柚子「美玲、『覚えてる?』ブルーム・ディーヴァは戦闘ダメージと戦闘破壊を跳ね返す!」

美玲「ああ……わかってる。来い!」

柚子「バトル!ブルーム・ディーヴァでメンタルスフィア・デーモンを攻撃!」

美玲「……残念だったな!トラップ発動、『波動障壁』!シンクロモンスター、メンタルスフィアをリリースしてブルーム・ディーヴァを守備表示にする」

美玲「そして攻撃モンスターの守備力分のダメージを相手に与える!」

遊矢「ブルーム・ディーヴァの守備力は2000、そして柚子のライフも2000……」

フトシ「柚子姉ちゃーん!」

美玲「これでウチの勝ちだッ!」

柚子「……残念だったわね!」

美玲「へ?」

柚子「トラップ発動、『幻奏のイリュージョン』!自分のバトルフェイズに相手が発動したトラップを無効にする!」

《幻奏のイリュージョン》(アニメ版)
通常罠
①:自分のバトルフェイズ中に相手が罠カードを発動した場合、
自分フィールドの「幻奏」モンスター1体を対象として発動できる。
その罠カードの効果を無効にする。
さらに、このターン対象のモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

美玲「なんだって……!」

柚子「さらに、このターン幻奏モンスターは2回攻撃できる!」

権現坂「流石だ柚子ー!」

柚子「そして。ここにアクションマジック、『アクション・リユース』を発動!相手の墓地のアクションカードを使うことができる!」

《アクション・リユース》
A魔法
①:相手の墓地のA魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードの効果を発動する。

美玲「な……!まさか、さっき少し止まっていたのって」

柚子「そう、これを見つけたから!美玲の墓地のスターライト・アップを発動!ブルーム・ディーヴァの攻撃力は600アップ!」

美玲「……はは。ユズ!完敗だ!ウチの、そしてミキヨの分まで頑張れよ!」

柚子「!……ええ!ブルーム・ディーヴァで2回のダイレクトアタック!イリュージョン・ダブル・シャウト!」

美玲「うわああああああ!!!!」LP2900→1300→0 ピーッ

ニコ「ついに、ついに決まりました!勝者は遊勝塾、柊選手!」

ニコ「本当に本当に、素晴らしいデュエルでした!」

柚子「ふふっ」

修造「うおおおお!燃えた、燃えたぞ!熱血だー!」

タツヤアユフトシ「やったー!」

遊矢「柚子……美玲……二人のおかげで、俺は前を見つめなおせたよ」

遊矢「最高のデュエルをありがとう……!」

P「美玲。お疲れ様」

美玲「プロデューサー。ゴメン……負けちゃった」

P「いいデュエルだったよ。昨日の会場の雰囲気を覆す盛り上がりだ」

美玲「でも、優勝どころかベスト32……こんな結果じゃ社長もガッカリしてるだろッ」

P「社長が舞網チャンピオンシップを勧めたのは、美玲の活動の幅をより広げるためだ」

P「この柚子ちゃんとの試合は、世界中でも注目されたはず。その影響で今後の仕事も良くなるというわけだ」

美玲「ホントに……?」

P「それに、この敗北の悔しさで美玲はさらに強くなれるはずだよ」

美玲「!別に悔しくなんかッ――」

美玲「――いや、ホントは悔しい。今日はウチが勝ちたかった」

P「とりあえず、明日は事務所に戻って報告しよう」

美玲「ああッ」

~翌日、浦月プロダクション~

P「社長。失礼します」

「はい、どうぞ」

P「早坂美玲、及びプロデューサーです。ご存知かとは思いますが、舞網チャンピオンシップの結果をご報告いたします」

「ご苦労様です」

P「一回戦。デュエルっ子クラブの斜芽美技代との一戦では、連続攻撃で大ダメージを受けるも、連続シンクロ召喚を成功させみごと勝利しました」

P「二回戦。遊勝塾の柊柚子との一戦では、ロックを掻い潜られましたが、エースモンスターのシンクロ召喚でライフを逆転します」

P「しかしその後融合召喚を許し、結果的にそのモンスターの攻撃により敗北しましたですが!それは美玲のデュエルが不甲斐ないものであったというわけではなく――」

「わかっていますよ。貴方も美玲も、健闘しましたね」

P「――!」

「どちらの試合も、会場を大いに盛り上がらせてくれました」

「そしてわがプロダクションのデュエルモンスターズの実力も、しっかりと知れ渡りました」

「当初の目的の通り、これからのライブはより良いものになるでしょう」

P「社長……!ありがとうございます!」

P「よかったね。社長には好印象だ」

美玲「ああ。ウチはこれでよかったんだな」

P「デュエルというのは、勝敗がすべてじゃない」

P「もちろん勝利することは喜ばしいが、勝利さえあれば何をも捨てていいわけじゃない」

P「どうせデュエルをするなら、楽しくいかなきゃだ」

美玲「それ、ユーショーって人の言葉か?」

P「……バレたか!」

美玲「前もそんなこと言ってただろッ」

P「しょうがないでしょ?好きなんだから」

P「そんなことよりだ。今日からは今までより踏み込んだトレーニングをするぞ!」

美玲「踏み込んだって?」

P「ああ。以前やった融合に加えてエクシーズ召喚を、そしてペンデュラム召喚を学ぶ」

美玲「おおッ!できるのか!?」

P「今回もプロダクションがカードを用意してくれた。まずはエクシーズだ!」

~後日、デュエルルーム~

美玲「レベル5となった『ゼンマイソルジャー』と『ゼンマイドッグ』でオーバーレイ!」

《ゼンマイソルジャー》
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻1800/守1200
(1):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度、発動できる。
ターン終了時まで、このカードのレベルは1つ上がり、
攻撃力が400アップする。

《ゼンマイドッグ》
効果モンスター
星3/地属性/獣族/攻1200/守 900
(1):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度、発動できる。
ターン終了時まで、このカードのレベルは2つ上がり、
攻撃力が600アップする。

美玲「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ、ランク5!『始祖の守護者ティラス』!」

《始祖の守護者ティラス》
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/光属性/天使族/攻2600/守1700
レベル5モンスター×2
(1):このカードがX素材を持っている限り、このカードは以下の効果を得る。
●このカードは効果では破壊されない。
●このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):自分エンドフェイズに発動する。
このカードのX素材を1つ取り除く。

美玲「いけ、ティラス!ダイレクトアタックだ!」

P「トラップ発動、『Vain-裏切りの嘲笑』!ティラスはこのターン攻撃できない!」

《Vain-裏切りの嘲笑》
永続罠
(1):相手のXモンスターの攻撃宣言時、
そのモンスターを対象としてこのカードを発動できる。
対象のモンスターは攻撃できず、果は無効化される。
そのモンスターがフィールドを離れた場合にこのカードは破壊される。
(2):対象のモンスターがモンスターゾーンに存在する場合、相手エンドフェイズに発動する。
相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。

美玲「カウンター罠、『エクシーズ・リフレクト』!その発動を無効にして800ダメージを与える!」

《エクシーズ・リフレクト》
カウンター罠
(1):フィールドのXモンスターを対象とするモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
その後、800ダメージを相手に与える。

P「くっ……」LP3000→2200

美玲「ティラスの攻撃は続行!行け!」

P「負けたよ……」LP2200→0

P「これでエクシーズも習得できたみたいだね」

美玲「ああッ。融合もエクシーズも敵じゃないぞ!」

P「それじゃ次はペンデュラムを――」プルルルル

P「ん、通信だ。もしもし、浦月プロの……」

P「……え。はい、はい。すぐ向かいます」ピッ

美玲「どうしたんだ、プロデューサー?」

P「社長がお呼びだ。特訓は中止、すぐに向かおう」

美玲「社長が?何だろ……」

~社長室~

P「二人ともそろっております」

「トレーニング中にごめんなさい。しかし緊急の連絡なのです」

美玲「緊急?」

「たった今、レオ・コーポレーションの社長から直々に連絡を受けました」

P「レオ・コーポレーションの赤馬零児が?」

「はい。今、大会で何が起こっているのか」

「そしてこの世界の真実。全て話してくださいました」

美玲「真実って……?」

「ええ――」

~少し前~

「社長。お電話です」

「堀川。ありがとうございます、どちらから?」

堀川「レオ・コーポレーションです」

「?……わかりました」パッ

頼絵「こちら、浦月プロダクション。社長の浦月頼絵です」

零児『ご多忙の折恐れ入ります。赤馬零児です』

頼絵「あら。わざわざ社長の貴方が電話だなんて、どうかいたしましたか?」

零児『浦月社長は、現在開催されている舞網チャンピオンシップの現状をご理解いただけているでしょうか』

頼絵「はい。なんでも三回戦からは急遽トーナメントから舞網市内でのバトルロイヤルとなったと」

頼絵「そして中継カメラの回線不良で、現在はジュニアクラスの決勝戦以外の模様は不明。ですよね」

零児『その節は非常に申し訳ありません。しかし、これは市民のパニックを軽減するために必要な処置なのです』

頼絵「それは、中継されていない裏側にて尋常ではない事態が起きている、ということでしょうか?」

零児『話がお早くて助かります』

零児『実は信じがたいことに、この世界には別次元からの侵略者が多数存在しています』

頼絵「別次元……」

零児『そこでユースクラスの上位8名を対抗組織「ランサーズ」と称し、ジュニアユースのバトルロイヤルに紛れて迎撃に向かわせました』

零児『ところが、彼らでは侵略者たちの実力には及ばず、一人を残して全滅してしまいました』

零児『現在、迎撃を行っているのはジュニアユースの選手たちですが、これも劣勢に陥っています』

零児『つきましては、貴社が誇る新世代のデュエリスト、早坂美玲の力をお借りしたい』

頼絵「うちの美玲を。それはどうしてでしょう」

零児『異次元の力には、昔の技術で太刀打ちはできません』

零児『しかし彼女を含む世代、称するなら「榊遊矢世代」は、ペンデュラム召喚に抵抗なく順応して、新たな武器を手にした』

零児『そのうえで彼女は、美玲は必要な存在なのです。どうかお力添えいただけないでしょうか』

頼絵「話はわかりました。ところで、その侵略者とやらの迎撃に成功したあと、貴方はどうするつもりですか?」

頼絵「異次元の住人だというのなら、今来訪した者を倒したところで、一方的に侵略しに現れるだけです」

頼絵「こちらは異次元に手出しすることは不可能なのでしょう?」

零児『迎撃に成功したメンバーでランサーズを再結成します。そして我々の技術で開発した次元移動装置を使い、侵略者の次元へと向かう予定です』

頼絵「ということは、美玲も貴方の装置を使って別次元へ行くというのですか?」

頼絵「それは、まだ14歳の女の子を戦争の道具として死地に送り込むことを意味しているのではないですか?」

零児『我々は戦争をしに向かうのではありません。戦争を止めるために向かうのです』

頼絵「戦争を止めるための戦争が正義だとおっしゃるのですか」

零児『戦争を用いずに戦争を止める方法があるとしたら……?』

頼絵「何ですって?」

零児『榊遊矢の「エンタメデュエル」。それは人々に笑顔をもたらす最高のショーです』

零児『たとえそれが悪人であってもね』

頼絵「侵略行為を働く敵が、エンターテインメントを真に受けて侵略をやめるでしょうか。にわかに信じられませんね」

頼絵「それに榊遊矢といえば、二回戦で相手を打ちのめす残忍なデュエルをしたと聞きました。なおさら信用できませんが……」

零児『一回戦、そしてバトルロイヤル中の試合の情報は入っていないのですか?』

零児『一回戦では沢渡シンゴと熱い攻防を繰り広げ、バトルロイヤルではデニス・マックフィールドとのタッグで華麗な勝利を収めました』

零児『今名を挙げた2人は、どちらもエンタメデュエルに感化された者です』

頼絵「わかりました。しかし、戦争の道具ではないとしても死地に送り込むことは確かなはず」

頼絵「あなたに戦地で、それに異次元で美玲の安全が保障できるのですか?」

零児『我々にはアクションデュエルという武器があります。他次元のデュエリストには優位性があるでしょう』

零児『そして榊遊矢世代の秀でた順応力なら、他次元の情勢も問題ありません。早坂美鈴もその一人だ』

頼絵「はぁ……そこまでおっしゃるのでしたら、認めざるを得ませんね」

頼絵「ですが、それは私の一存では決めかねます。美玲と、そしてそのプロデューサーが受け入れれば、美玲は晴れてランサーズの一員です」

頼絵「2人をそちらに向かわせましょう――」

P「な……なんだって?別次元の侵略者!?」

美玲「まさか、融合次元の……ッ!」

P「融合次元?美玲、何か知ってるのか」

美玲「!やば……」

頼絵「美玲。あなたは別次元が存在することを知っていたのですね」

美玲「あ、あはは……」

頼絵「その融合次元かどうかはわかりませんが、話した通り貴方たちには至急レオ・デュエルスクールに向かってもらいます」

頼絵「車は用意しました。どうするかは貴方たちがあちらに伝えなさい」

美玲「……はい」

P「いきなりで呑み込めませんが……わかりました。向かいます」

~レオ・コーポレーション~

沢渡「おせーぞ、早坂美玲!」

美玲「な、オマエはシンゴ!どうしてここにいるんだ!?」

沢渡「俺もお前も同じだ!アカデミアをぶっ倒してランサーズになるためにここにいる!」

P「アカデミア……?」

美玲「ユートの言ってたヤツか。ってことは、やっぱり融合次次元なんだなッ!?」

沢渡「そうさ。アカデミアの精鋭、オベリスクフォースってヤツらが来ている」

P「それが侵略者たちの名前ということか……」

沢渡「詳しいことは赤馬零児に聞け!俺は行くぜ!」

美玲「な、おいシンゴ!どこ行くんだ!」

美玲「行っちゃったし……」

P「アカデミアとやらの場所をすでに聞いていたのかもしれない。俺たちも話を聞こう」

~管制室~

零児「よく来てくれた。早坂美鈴、そしてプロデューサー」

零児「経緯は浦月社長に話した通りだ。早坂美玲、君の力を借りたい」

美玲「ウチの……」

美玲(まさか、舞網がそんなことになってるなんて……)

美玲(……アカデミアは、ユートとシュンの敵でソラの所属だ)

美玲(エクシーズ次元を壊滅させたら、今度はこっちを、スタンダードを襲うのか?)

美玲(ユートとシュンを追って?それとも別の目的がッ?)

美玲(……考えたってわからないッ!でも、この次元も壊滅させられるのを黙って見過ごすわけにもいかない)

P「……考え込んでるね。美玲」

美玲「そりゃそうだッ。いきなりで頭がぐちゃぐちゃになりそう」

美玲「……でも、ウチはこの舞網が好き。ユーヤ、ユズ、みんなのいるこの街を守りたいッ!」

美玲「赤馬零児。ウチの力が必要なら、オベリスクフォースっていう奴らを倒してやるッ!それでスタンダードを守るんだッ!」

零児「スタンダード……榊遊矢から聞いたのか」

P「美玲……!わかった。俺は美玲の意見を尊重する」

P「でも、社長さん。俺は担当プロデューサーとして美玲を守る義務がある」

P「俺も別次元とやらに、美玲と一緒に向かわせてもらいたい!」

美玲「プロデューサー……」

零児「……良いだろう。契約成立だ」

零児「それに当たって、早坂美鈴。君にプレゼントがある」

美玲「プレゼントって?」

零児「ああ。中島、あれを」

中島「はっ!早坂美鈴、君のためのペンデュラムカードだ。受け取れ」

美玲「ペンデュラムカード……!」

零児「浦月プロダクションに差し上げたペンデュラムカードはバトルロイヤル用と同じ量産型だが、それはオリジナルのものだ」

零児「使うも使わないも自由だが、君に渡しておく」

美玲「ふふ、こんなありがたいことはないぞッ。これでウチはより強くなる」

P「それはいいけど、ペンデュラムの学習はまだだったはず。練習もなしに使える?」

美玲「あ、そーいえばそうかッ……」

零児「それならばここのデュエルルームを使うといい」

~デュエルルーム~

美玲「行くぞッ、ペンデュラム召喚!レベル6、『暗黒のマンティコア』!」

《暗黒のマンティコア》
効果モンスター
星6/炎属性/獣戦士族/攻2300/守1000
(1):このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズ、
自分の手札・フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
墓地のこのカードを特殊召喚する。

美玲「そしてレベル6のマンティコアにレベル2のタロをチューニング!」

美玲「シンクロ召喚!メンタルスフィア・デーモンッ!」

美玲「よし……できた!ペンデュラム召喚!」

P「これならバッチリなはずだ。いいぞ美玲!」

零児「流石だ。ペンデュラムに容易に順応した」

美玲「さあ、オベリスク・フォースの居場所に案内してもらうぞッ!」

零児「いや、その必要はない。沢渡シンゴの乱入により、オベリスク・フォースとは決着が見えてきた」

美玲「んなッ!練習に時間をかけすぎたか……」

零児「現在は、榊遊矢と紫雲院素良のデュエルが行われている」

美玲「ソラが!?」

零児「彼はバトルロイヤル中、オベリスク・フォースと共に現れた」

零児「その後はデュエルによって黒咲隼を手負いにし、風魔日影をカードにした」

P「カードにした……?どういうことなんだ」

零児「融合次元、アカデミアのデュエリストは人間をカードにする装置を使用している」

零児「このカードは、バトルロイヤルに参加していたデュエリスト2人のものだ」ピラッ

P「……!これは……カードに封じ込められているのか……?」

美玲「うええ……」

零児「そして、この次元に来ているのは彼とオベリスク・フォースだけではない」

零児「柊柚子とそっくりな少女、セレナ。彼女もまたアカデミアのデュエリストだ」

美玲「!柚子にそっくりなヤツが、瑠璃以外にも……」

零児「元はと言えば、侵略者は全て彼女を連れ戻すための人員だ」

零児「彼らはその過程でこの街を襲っているに過ぎない」

美玲「じゃあ、そのセレナを引き渡せばいいんじゃ……」

零児「彼女は我々にとって有力な交渉材料。渡すことはできない」

零児「それに彼女がアカデミアに戻されようとそうでなかろうと、この次元が危険に晒されることに変わりはないのだから」

P「そんな……」

零児「そのためにランサーズが必要だったのだ。我々がアカデミアを止める」

零児「それにセレナは柊柚子の説得で、アカデミアの思想から離反の動きを見せている。彼女もランサーズの一員として戦ってもらう」

美玲「ユズが……」

零児「その柊柚子も、すでにこの次元にはいないが……」

P「柚子ちゃんもアカデミアに……!?」

零児「いや、柊柚子はカード化されてはいない事は明白。アカデミアに連れ去られてもいない」

零児「だがそれを今榊遊矢に伝える事はない」

美鈴「何だって?」

零児「私はこれからジュニアユースの彼らと合流し、榊遊矢とのデュエルに持ち込む」

零児「柊柚子への想いの強さを引き出し、彼の兵士としての能力を向上させよう」

美鈴「そんな真実を隠して遊矢を利用するような真似させるかッ!」

零児「アカデミアは強大な組織。我々が今よりもパワーアップしなければ対抗は不可能だ」

零児「そのために必要な工程だと言えよう。違うか?」

美鈴「……間違ってるッ!」

P「よせ美鈴!」

零児「早坂美鈴。君は直情的だ。自らの発言の筋道が無い」

零児「感情をむき出しにするようでは、戦場ではいの一番に狩られることになるだろうな」

美鈴「……レージ。ウチとデュエルだッ!ウチが勝てば遊矢に真実を伝えて、兵士として利用するのをやめると約束しろッ!」

零児「ほう、私に挑むか……いいだろう。君が勝てば約束は守ろう」

P「落ち着け美鈴!」

零児「アクションフィールド展開!フィールド魔法、『絶海の孤島』!」

美鈴「こ……これは?」

零児「この景色は融合次元、アカデミアを再現したものだ」

P「ということは、アカデミアに行ったことがあると!?」

零児「さあ、始めよう」

美鈴「……ああッ!」

「「デュエル!」」

零児「私のターン。手札の『DDスワラル・スライム』の効果を発動!」

《DDスワラル・スライム》(アニメ版)
効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/攻 200/守 200
(1):手札のこのカードと手札の「DD」モンスターを、
融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターとして墓地へ送り、
その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚できる。

零児「このカードを含む手札のモンスターを素材に、DDD融合モンスターを融合召喚する!」

美鈴「融合カードなしの融合召喚……!」

零児「スワラル・スライムと『DD魔導賢者コペルニクス』を融合!」

《DD魔導賢者コペルニクス》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
【Pスケール:青1/赤1】
(1):自分は「DD」モンスターしかP召喚できない。
この効果は無効化できない。
(2):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
自分にダメージを与える魔法カードの効果が発動した場合、その効果を無効にできる。
その後、このカードを破壊する。
【モンスター効果】
「DD魔導賢者コペルニクス」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「DD魔導賢者コペルニクス」以外の「DD」カードまたは「契約書」カード1枚を墓地へ送る。


零児「自在に形を変える神秘の渦よ、世界を覆す賢者よ。今ひとつとなりて新たな王を生み出さん!」

零児「融合召喚!生誕せよ、レベル6!『DDD烈火王テムジン』!」

《DDD烈火王テムジン》
融合・効果モンスター
星6/炎属性/悪魔族/攻 2000/守 1500
「DD」モンスター×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在し、
自分フィールドにこのカード以外の「DD」モンスターが特殊召喚された場合、
自分の墓地の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、
自分の墓地の「契約書」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

零児「さらにチューナーモンスター、『DDナイト・ハウリング』を召喚。このカードが召喚に成功したことで、墓地のコペルニクスを特殊召喚する!」

《DDナイト・ハウリング》
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻 300/守 600
(1):このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、
そのモンスターが破壊された場合に自分は1000ダメージを受ける。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。

美鈴「チューナー……シンクロ召喚も使えるのかッ」

零児「コペルニクスの効果発動!召喚または特殊召喚に成功した時、DDか契約書を墓地に送ることができる。『DDバフォメット』を墓地へと送る!」

《DDバフォメット》
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 1400/守 1800
(1):1ターンに1度、「DDバフォメット」以外の自分フィールドの「DD」モンスター1体を対象とし、
1~8までの任意のレベルを宣言して発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで宣言したレベルになる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「DD」モンスターしか特殊召喚できない。

零児「私はレベル4のコペルニクスにレベル3のナイト・ハウリングをチューニング!」

零児「闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ!シンクロ召喚!生誕せよ、レベル7!『DDD疾風王アレクサンダー』!」

《DDD疾風王アレクサンダー》
シンクロ・効果モンスター
星7/風属性/悪魔族/攻2500/守2000
「DD」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在し、
自分フィールドにこのカード以外の「DD」モンスターが召喚・特殊召喚された場合、
自分の墓地のレベル4以下の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

零児「この瞬間、テムジンのモンスター効果発動!DDモンスターが特殊召喚された事で、墓地のDDバフォメットを特殊召喚する!」

零児「アレクサンダーも同じく、バフォメットの特殊召喚をトリガーとして墓地のDDを復活させる。DDスワラル・スライムを特殊召喚!」

零児「バフォメットのモンスター効果も発動。スワラル・スライムのレベルを2から4に変更する」

P「レベル4のモンスターが2体……!これは!」

零児「私はレベル4となったスワラル・スライムとバフォメットで、オーバーレイ・ネットワークを構築!」

零児「この世の全てを統べるため、今世界の頂に降臨せよ!エクシーズ召喚!生誕せよ、ランク4!『DDD怒濤王シーザー』!」

《DDD怒濤王シーザー》(アニメ版)
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/悪魔族/攻2400/守1200
悪魔族レベル4モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このターンに破壊されたモンスターをバトルフェイズ終了時に、
自分の墓地から可能な限り特殊召喚する。
次のスタンバイフェイズ、自分はフィールドに存在する
この効果で特殊召喚したモンスターの数×1000ダメージを受ける。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「契約書」カード1枚を手札に加える。

美鈴「融合……シンクロ……エクシーズ……ッ!」

P「なんてことだ。赤馬零児はすべての召喚法を操れるというのか!」

零児「最後に永続魔法、『独占封印の契約書』を発動!」

《独占封印の契約書》(未OCG)
永続魔法
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):自分フィールドに融合・S・X・Pモンスターの内、
いずれかが表側表示で存在する限り、
相手はそのモンスターと同じ種類のモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できない。

零児「このカードがある限り、私はエクストラデッキからの特殊召喚が封じられるが、私のフィールドのモンスターの種類と同じモンスターを相手は呼べなくなる!」

零児「つまり融合召喚とエクシーズ召喚、そして――君の得意とするシンクロ召喚も封じられた」

美鈴「んなッ……なんだって!?」

零児「私はカードを1枚伏せてターンエンド。さあ、私を超えてみろ」

P「まずい……まずいぞ!」

美鈴「……ウチのターン、ドロー」

美鈴「スケール2の『ドラコニアの獣竜騎兵』とスケール7の『ドラコニアの海竜騎兵』で、ペンデュラムスケールをセッティング!」

《ドラコニアの獣竜騎兵》
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分の通常モンスターが
戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。
デッキからレベル4以上の通常モンスター1体を手札に加える。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の陸兵部隊。
鳥銃と鉄槍によるコンビネーション攻撃には隙が無く、
レプティア皇国などの周辺国から恐れられている。

《ドラコニアの海竜騎兵》
ペンデュラム・通常モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 200/守2100
【Pスケール:青7/赤7】
「ドラコニアの海竜騎兵」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分または相手のモンスターが戦闘で破壊された時に発動できる。
手札から通常モンスター1体を特殊召喚する。
【モンスター情報】
龍人族の国、ドラコニア帝国が有する竜騎士団の海兵部隊。
深海から音も無く忍び寄る隠密作戦に長けている。
対岸のディノン公国兵とは、領海を巡り小競り合いが続いている状態である。

美鈴「ペンデュラム召喚!現れろッ、ウチのモンスター達!」

美鈴「レベル3、『妖海のアウトロール』!レベル4、『ジェネティック・ワーウルフ』!レベル5、『カイザー・ブラッド・ヴォルス』!」

《ジェネティック・ワーウルフ》
通常モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻2000/守 100
遺伝子操作により強化された人狼。
本来の優しき心は完全に破壊され、
闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。
その破壊力は計り知れない。

美鈴「バトルだッ!ジェネティック・ワーウルフでテムジンを攻撃!」ダッ

P「アクションカードか!」

美鈴「この戦闘は相打ちだ。ケド、獣竜騎兵のペンデュラム効果発動!通常モンスターが相手モンスターを破壊したダメージ計算後、デッキからレベル4以上の通常モンスターを手札に加えられる!」

美鈴「そしてモンスターが戦闘で破壊されたとき、海竜騎兵のペンデュラム効果が発動!手札から通常モンスターを特殊召喚できる!」

P「なるほど!この2枚のコンボでデッキから即座に通常モンスターを呼び出せるのか!」

美鈴「来いッ、『スパイラルドラゴン』!」

《スパイラルドラゴン》
通常モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2900/守2900
海流の渦をつくり出し人々を襲うと伝えられる海竜。
巨大なヒレから放たれるスパイラルウェーブは全てを飲み込む。

零児「攻撃力2900……」

美鈴「いけ、スパイラルドラゴンでアレクサンダーを攻撃!スパイラルウェーブ!」

零児「……」LP4000→3600

美鈴「……!今の衝撃で。見つけたッ!」パシッ

美鈴「カイザー・ブラッド・ヴォルスでシーザーを攻撃!」

零児「迎え撃て、シーザー!」

美鈴「アクションマジック、突撃!カイザー・ブラッド・ヴォルスの攻撃力を600アップさせるッ!」

零児「……!」LP3600→3500

美鈴「戦闘が終わると突撃の効果は終了するけど、この戦闘破壊に成功した事で攻撃力は500上がる!そしてアウトロールでダイレクトアタック!」

零児「くっ……!」LP3500→2500

零児「シーザーの効果発動。フィールドから墓地へ送られたことで、『地獄門の契約書』をデッキから手札に加える」

《地獄門の契約書》(アニメ版)
永続魔法
(1):自分スタンバイフェイズに発動する。
自分は1000ダメージを受ける。
(2):1ターンに1度、この効果を発動できる。
デッキからレベル4以下の「DD」モンスター1体を手札に加える。

P「いいぞ!相手モンスターを一掃した!」

美鈴「ああッ、これでシンクロ召喚も――」

美鈴「――なッ……なんで破壊したはずのモンスターがフィールドに居るんだ!?」

零児「私は破壊される直前、怒濤王シーザーの効果を発動していた」

零児「オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、バトルフェイズ終了時にこのターン戦闘破壊されたモンスターを全て特殊召喚することができる」

美鈴「ッ……!これじゃシンクロ召喚ができない……カードを1枚伏せてターンエンド。突撃の!」

零児「ただしその代償に、次のスタンバイフェイズに私は1体につき1000のライフを失う」

P「自ら3000ダメージを受けるつもりか!」

零児「フ……まさか。トラップ発動。『DDDの人事権』!この3体をエクストラデッキに戻し、デッキから『DD魔導賢者ニュートン』と『DDD壊薙王アビス・ラグナロク』を手札に加える」

《DD魔導賢者ニュートン》
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
【Pスケール:青10/赤10】
(1):自分は「DD」モンスターしかP召喚できない。
この効果は無効化されない。
(2):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
自分にダメージを与える罠カードの効果が発動した場合、その効果を無効にできる。
その後、このカードを破壊する。
【モンスター効果】
このカード名のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨て、「DD魔導賢者ニュートン」以外の自分の墓地の、
「DD」カードまたは「契約書」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。

《DDD壊薙王アビス・ラグナロク》
ペンデュラム・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2200/守3000
【Pスケール:青5/赤5】
「DDD壊薙王アビス・ラグナロク」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分が「DD」モンスターを特殊召喚した場合、
自分の墓地の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、自分は1000ダメージを受ける。
このターン、相手が受ける戦闘ダメージは半分になる。
【モンスター効果】
「DDD壊薙王アビス・ラグナロク」の(1)のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
自分の墓地の「DDD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの「DD」モンスター1体をリリースし、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。

美鈴「デメリットを回避するカードも用意してたのか……ッ」

零児「そして私のターン、ドロー。永続魔法、地獄門の契約書を発動し、この効果で『DDオルトロス』を手札に加える」

《DDオルトロス》
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 600/守1800
【Pスケール:青3/赤3】
(1):1ターンに1度、フィールドの魔法・罠カード1枚と、
このカード以外の自分フィールドの「DD」カードまたは
「契約書」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
【モンスター効果】
(1):自分が戦闘・効果でダメージを受けた時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが特殊召喚に成功したターン、
自分は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。

零児「そして私はスケール3のDDオルトロスと、スケール10のDD魔導賢者ニュートンでペンデュラムスケールをセッティング。これでレベル4から9のモンスターが同時に召喚可能!」

美鈴「レージもペンデュラムを……」

零児「DDオルトロスのペンデュラム効果発動!フィールドの魔法・罠カードと、他のDDか契約書を共に破壊する」

零児「私が選択するのは君の伏せカードと、独占封印の契約書!」

美鈴「くっ、破壊される前に永続トラップ発動!『ビーストライザー』!獣族・獣戦士族モンスターを除外することで、別の獣族・獣戦士族に攻撃力を移し替える!」

《ビーストライザー》
永続罠
(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側表示の獣族・獣戦士族モンスター1体を除外し、
自分フィールドの獣族・獣戦士族モンスター1体を対象として発動できる。
その自分の獣族・獣戦士族モンスターの攻撃力は、
この効果を発動するために除外したモンスターの元々の攻撃力分アップする。

美鈴「アウトロールを除外し、攻撃力1000をカイザー・ブラッド・ヴォルスに加える……!」

零児「だが攻撃力が上がっても3400。対処は簡単だ」

P「独占封印の契約書が無くなったことで、エクストラデッキからの特殊召喚が解禁された……!」

零児「我が魂を揺らす大いなる力よ。その身に宿りて、闇を引き裂く新たな光となれ!ペンデュラム召喚!現れろ、私のモンスター達よ!」

零児「エクストラデッキからレベル4、DD魔導賢者コペルニクス。レベル4、『DDリリス』!そしてレベル8!DDD壊薙王アビス・ラグナロク!」

《DDリリス》
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 100/守2100
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
●自分のEXデッキから、表側表示の「DD」Pモンスター1体を手札に加える。

零児「DDリリスの特殊召喚に成功したことで、墓地からDDナイト・ハウリングを手札に加える」

零児「さらにコペルニクスの効果により、デッキから『DDネクロ・スライム』を墓地へ送る!」

《DDネクロ・スライム》(アニメ版)
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 300
(1):墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分フィールドから、「DDD」融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

零児「レベル4のコペルニクスとリリスでオーバーレイ!再び現れよ、怒濤王シーザー!」

零児「さらにDDナイト・ハウリングを召喚し、墓地のDDバフォメットを特殊召喚!」

零児「レベル4のバフォメットにレベル3のナイト・ハウリングをチューニング。再び現れよ、疾風王アレクサンダー!」

美鈴「またさっきのが……」

零児「そして墓地のDDネクロ・スライムの効果!このカードを墓地から除外し、融合召喚を行う!」

美鈴「また融合カードなしの融合召喚!?」

P「しかも、ペンデュラム召喚からの融合召喚……!」

零児「シーザーとアビス・ラグナロクを融合。神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで新たな世界を切り開け!」

零児「融合召喚!出現せよ!極限の独裁神、レベル10!『DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク』!」

《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》
融合・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻3200/守3000
「DDD」モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードが戦闘を行う攻撃宣言時に、
このカード以外の自分フィールドの「DD」カードまたは
「契約書」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻し、このカードと戦闘を行うモンスター以外の
相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んで
装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードの攻撃力は、
このカードの効果で装備したモンスターの元々の攻撃力分アップする。

美鈴「攻撃力3200……それならまだ大丈夫!」

零児「バトルフェイズ。カエサル・ラグナロクでアウトロールを攻撃!」

美鈴「ッ!?何かある。アクションカードだ!」ダッ

零児「攻撃宣言の瞬間、カエサル・ラグナロクの効果発動!DDか契約書を手札に戻すことで、攻撃対象以外の相手モンスターを装備する」

零児「地獄門の契約書を手札に戻し、スパイラルドラゴンを装備する!さらにカエサル・ラグナロクの攻撃力は、スパイラルドラゴンの攻撃力の2900分アップする!」

P「攻撃力6100!?」

美鈴「ぐあッ……!?」LP4000→1300

P「美鈴ッ!」

零児「終わりだ。疾風王アレクサンダーでダイレクトアタック!レイジ・オブ・ガスト!」

美鈴「カードは……あった!……くっ、このカードじゃ――」

美鈴「――うわああああああ!!!!」LP1300→0

P「美鈴ー!大丈夫!?」

美鈴「ぐ……!」

零児「私の勝ちだ。ペンデュラム召喚の使いこなしは見事だが、やはりまだ甘い。榊遊矢とのデュエルは予定通り進行する」

零児「君達にも着いてきてもらうが、話はすべて私が行う。黙って見ているがいい……中島、ハートランドの用意と会場説明の準備を頼む」

中島「はっ!」

美鈴「く……くそッ……!」

P「赤馬零児……やけに美鈴を煽り立てるような言動が目立った」

P「遊矢と同じように力を引き出すためか……?」

~市街地~

零児「君たちのデュエル、見せてもらった」

遊矢「赤馬零児!……それに美玲とプロデューサー!?」

美玲「……ッ」

沢渡「いいところに来た。俺はお前に言われた通りアカデミアの連中を追っ払った」

沢渡「これで俺もランサーズの一員になれたってことだよな?」

権現坂「ランサーズ?なんだそれは!」

沢渡「このバトルロイヤルは、デュエル戦士選抜のための試験だったってことだよ」

遊矢「試験……?どういうことだよ!答えろ赤馬零児!」

遊矢「お前は融合次元のやつらが現れることも、最初からわかっていたのか!?」

零児「ああ、わかっていた。だからこそ私はジュニアユースの3回戦を街中でのバトルロイヤルに変更し」

零児「君たちの力で敵を撃退しようと考えたのだ」

遊矢「俺達で?どうしてプロやユースじゃなくてまだジュニアユースの俺達を……」

沢渡「ユースも戦ってたぜ。1人を残して全滅させられちまったがな」

権現坂「全滅!?」

沢渡「だからこそこの俺、そして早坂美玲が投入されたんだ」

零児「私の見込み通り、君たちはアカデミアの撃退に成功した」

零児「まさに対・アカデミアのためのデュエル戦士――ランサーズの名にふさわしい力を示したというわけだ」

遊矢「ふざけるな!何がランサーズだ……そんなことのために未知夫は!鉄平は!ほかの皆もカードにされて――」

遊矢「――柚子も!お前のせいで柚子は……!」

美玲(……ユズは今、この次元にも融合次元にもいない)

美玲(それがシンクロ次元か、エクシーズ次元か……後者なら、柚子は変わらずアカデミアに狙われているはず)

零児「君は勝ち、そして生き残った。今我々に必要なのはその強さだ!」

零児「敗れ去った者に心を残すより、強敵とのデュエルに勝ったという事実を誇りに思うがいい!」

遊矢「黙れ!何が誇りだ、お前が俺達を戦わせたりしなかったら……」

遊矢「柚子を……みんなを返せえええ!」グーパン

零児(無言の受け止め)パシッ

零児「君もデュエリストなら、怒りを拳ではなくデュエルで表せ!」

遊矢「やってやる。カードにされた柚子や仲間たちに代わって、お前を這い蹲らせてやる!」

零児「いいだろう。私が負ければ、君の気が済むまで懺悔すると約束しよう」

零児「アクションフィールドオン!未来都市ハートランド発動!」

セレナ「ハートランド。エクシーズ次元の……」

黒咲「そうだ。俺の、俺たちの――故郷だ!」

零児「黒咲よ、柊柚子の意志を受け入れ語るがいい。ハートランドで何が起こったのかを」

黒咲「クッ……!」

零児「言葉にできないほどの屈辱がよみがえったか……ならば私から言おう」

零児「バトルロイヤルの最中君たちに襲い掛かってきた融合次元のアカデミアは――」

遊矢「やめろ!……やめてくれ!」

ミエル「ダーリン……」

権現坂「遊矢!」

零児「彼らはここに来る前に――」

遊矢「やめろ……」

零児「既にエクシーズ次元を――」

遊矢「やめろ!」

遊矢ユート「「それ以上は言わせない!!」」

美玲「……!?今のは……」

遊矢「すぐにお前を叩きのめして懺悔させてやる!」

遊矢零児「「デュエル!」」

黒咲「柊柚子に何を聞いた……アカデミアの人間が何を知りたい!」

セレナ「……元々私がこの次元に来たのは、エクシーズの残党がいると聞いたからだ」

セレナ「それを倒すことで、私をいつまでも前線に出さないプロフェッサー――赤馬零王に実力を示す。そのつもりだった」

セレナ「私は、アカデミアが他次元を統一するために戦っていることは正義だと思っている。その戦いで武勲を立てることを誇りに思っている」

セレナ「だが我々の仲間がエクシーズ次元で、正義に悖るようなことをしていると柚子は言った」

セレナ「まるでハンティングゲームをするかのように楽しげに……笑いながら人々に襲い掛かっていたと」

セレナ「柚子が私に語ったこと。それは本当なのか?」

黒咲「……本当だ。ヤツらは無防備な市民たちをまさにゲームのように狩り続けた」

黒咲「あの顔、あの笑い声。今でも俺の目や耳に刻み込まれている。決して忘れることなどできない」

セレナ「ならば妹が連れ去られたというのも?」

黒咲「事実だ。だがなぜお前も瑠璃とそんなに似ている?」

零児「烈火王テムジンでダイレクトアタック!」

遊矢「ぐっ……LP4000→2000」

零児「恐らくここまでは君の読み通り。ここからが本番、そう思っているのだろう」

零児「ペンデュラムの先は既に見つけている。さあ、それを私にも使うがいい。君が手に入れた新しい力を」

遊矢「なんでもお見通しか。さすが天才と呼ばれるデュエリストだな、赤馬零児」

遊矢「その頭脳でバトルロイヤルの展開も読んでいたのか。何人やられて何人生き残って……予想通りの結果で満足したか?」

遊矢「俺達はお前の人形じゃない!未知夫や鉄平、カードにされたやつらも、みんな同じ人間だ!柚子だって……!」

遊矢「柚子がいてくれたから俺は!俺がペンデュラムの先を見つけることができたのも、柚子が強くなろうと頑張っていたから!だから俺もって……」

美玲「ユーヤ……」

遊矢「俺はマンモスプラッシュとオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを融合!」

遊矢「二色の眼の龍よ。巨獣の飛沫をその身に浴びて、新たな力を生み出さん!融合召喚!いでよ、野獣の眼光りし獰猛なる龍。ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

権現坂「おお!あれぞ俺とのデュエルで初めて姿を現した融合ドラゴン!」

遊矢「星読みの魔術師の効果で、素材となったオッドアイズを特殊召喚。さらにトランプ・ウィッチのペンデュラム効果で、オッドアイズと星読みの魔術師を融合!」

遊矢「神秘の力操りし者、眩き光となりて龍の眼に今宿らん!融合召喚!いでよ、秘術振るいし魔天の龍。ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」

ミエル「今度はミエルとのデュエルの時に現れた融合ドラゴン!」

遊矢「ビーストアイズもルーンアイズも、どちらも柚子からヒントをもらったから呼べたモンスター」

遊矢「LDSに勝ちたいと思って素良から――!」

零児「ほう、紫雲院素良から。知らなかったとはいえアカデミアのデュエリストから融合召喚を習っていたとはな」

遊矢「お前は知っていたのか。素良がアカデミアだと!」

零児「ああ。彼の召喚エネルギーはLDSの者達とは桁外れの強さを持っていた」

零児「なるほど……その影響が君にも及び、新たなドラゴンを呼び出す力の発現を促したのかもしれない」

遊矢「素良の力が。柚子から俺に?俺がビーストアイズやルーンアイズを呼び出せたのもアカデミアの力だって言うのか!」

零児「一つの仮説だ。まだ証明されたわけではない」

遊矢「俺は柚子の、LDSに勝ちたいというあいつの思いに感動して……」

遊矢「だから俺も、どうしてもお前に勝つ!」

P「今の遊矢は……もはやエンタメデュエリストではない」

P「文字通り怒りをぶつけているだけだ。このデュエルの勝敗も見えるよ」

美玲「ああッ。感情をむき出しにすると、いの一番に狩られる――レージの言っていた事も、痛いほどわかる」

零児「君がペンデュラムから融合への道を見つけた過程には、柊柚子への思いが強く影響していたことはよくわかった」

零児「だが思いの強さだけで進化してもデュエルには勝てん!」

零児「ランサーズは対アカデミアのための実戦部隊。実戦では詰めの甘さが命取りになることを覚えておけ」

遊矢「俺はランサーズなんかなるつもりはない!」

零児「――柊柚子を助けたくはないのか?」

権現坂「何!?」

遊矢「柚子が……生きているのか!?」

セレナ「オベリスクフォースに捕らわれたというのか!それをお前は見ていたと?」

デニス「えっ!?」

零児「さあターンエンドしろ。次は私が本気を見せる番だ。アカデミアを倒し柊柚子を助けたくば、まずは私を乗り越えていけ!」

零児「私は怒涛壊薙王カエサル・ラグナロクでビーストアイズを攻撃!ジ・エンド・オブ・ジャッジメント!」

遊矢「ビーストアイズ!くっ……」LP2000→1800

零児「これが君の本気か?」

遊矢「なんだと!?」

零児「まだすべて出し切ってはいないはずだ。私もまだ全力ではないぞ……まったくな」

零児「さあ君のターンだ。私に全力を出させたければ、出し惜しみせず君のすべてを見せるがいい」

柚子「柚子はアカデミアに捕らわれているんだな?知ってるなら答えろ!」

零児「ならば私を倒せ。私を這い蹲らせるんじゃなかったのか?」

零児「柊柚子さえ無事なら、ほかのカードにされた仲間のことなど……どうでもいいと?」

遊矢「ッ!ぐあっ……!」

権現坂「遊矢!なぜだ……なぜ赤馬零児はこんなにも遊矢を挑発する!?」

遊矢「俺はレベル4となった星読みの魔術師とペンデュラム・マジシャンでオーバーレイ!」

遊矢「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙。今降臨せよ!エクシーズ召喚!ランク4、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!」

黒咲「ユートのドラゴン!」

零児「……よし」

零児「見事だった。またひとつ君のペンデュラムのその先を見せてもらった」

零児「ペンデュラム融合が柊柚子との絆により生まれたとするなら……今のペンデュラムエクシーズは誰との絆で?」

遊矢黒咲「「……!」」

美玲「それは……」

零児「まあいい。それも追々明らかになるに違いない」

零児「ペンデュラム召喚!DDD死偉王ヘル・アーマゲドン!」

権現坂「あれは!前の戦いの時も、遊矢はあのモンスターによって崖っぷちまで……」

零児「双暁王カリ・ユガでダーク・リベリオンを攻撃。ツイン・ブレイク・ショット!」

遊矢「うわあああ!」LP1800→800

零児「どうした、もう終わりか?私を這い蹲らせると言った勢いはどうした。さあ!」

遊矢「くっ……」

零児「懺悔させたいんじゃないのか?」

権現坂「もう見ておれんわ!」

ミエル「ミエルが助太刀するわ!」

遊矢「邪魔するな!!これは俺のデュエルだ……俺と柚子と――ユートの!」

美玲「ユート……!」

遊矢「俺は……どんなことをしても柚子を助ける。そして――ユートとの約束を守る!」

遊矢「だから俺は負けるわけにはいかないんだ!俺達を勝手に戦わせようとするやつに……デュエルで人を傷つけるやつなんんかに……!」

遊矢「絶対に負けちゃ、ダメなんだ!!」

遊矢「俺はレベル7となったダーク・リベリオンとオッドアイズで、オーバーレイ・ネットワークを構築!」

遊矢「二色の眼の龍よ。その黒き逆鱗を震わせ、歯向かう敵を殲滅せよ!エクシーズ召喚!」

遊矢「いでよ、怒りの眼輝けし龍!ランク7、覇王黒龍オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!」

美玲「な……なんだこのモンスターッ!?」

零児「フフフフ、これだ……私が見たかったものは!」

遊矢「いけ、オッドアイズ・リベリオンでカリ・ユガを攻撃!」

零児「トラップ発動、護封の契約書!ミスディレクションの翼の効果を無効にする」

零児「さらにトラップ発動、再契約の契約書!今無効にしたミスディレクションの翼の効果を、私自身が使用する!」

遊矢「なんだって!?」

零児「バトルは継続中だ。さあカリ・ユガよ、オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンを返り討ちにしろ!」

遊矢「ぐわああああああ!!」LP800→0 ピーッ

ミエル「そんな……」

権現坂「遊矢……!」

零児「やはり詰めが甘い。そんなことでは柊柚子を助けることなどできない!」

遊矢「くっ……」

零児「だが君にはまだ見込みがある。バトルロイヤルを生き残った諸君にもだ」

零児「ペンデュラム召喚を受け入れた君たちの力は、現在のLDSトップチームをもしのぐ!」

零児「だから私は君たちをランサーズに選び、ともに次元を超えていくことを決意したのだ」

沢渡「次元を超える?」

遊矢「今のままじゃダメだ……俺はもっと、今よりももっと強くなって、絶対に柚子を助ける!」

遊矢「柚子うううううう!!!!」

~数時間後~

美玲「舞網チャンピオンシップは中止か。ま、そりゃそうだよなッ……」

P「しかしランサーズの事、ここまで正直に話すとは思わなかったな。てっきりパニックになると思っていたが」

美玲「アカデミアを撃破した映像と、レージの熱弁で納得させられてた。やっぱりアイツは凄い」

P「そうだね……」

美玲「……ん?あれはレージとユズ――じゃなくてセレナか」

P「服が元に戻っている。もう服を返した後なのかな」

美玲「おい、セレナ!」

セレナ「……?確かお前は、赤馬零児と一緒にいた女」

美玲「なあ。ウチとデュエルしろよッ」

P「えっ……」

セレナ「いいだろう。私もランサーズの一員であるお前の実力を見てみたいと思っていた」

美玲「ウチも同じだ、アカデミア仕込みのデュエルってやつを見せてくれよなッ。いいだろレージ?」

零児「構わない。同じランサーズの味方として協力する以上、戦術の把握は高度な連携に直結する」

P「美玲、いきなりどうしたんだ?」

美玲「……言った通りだって。セレナのデュエルが見たい」

P「……」

~デュエルルーム~

セレナ「零児はアクションカードはランサーズの武器になると言った。その訓練にもなるだろう」

美玲「ウチがアクションデュエルを叩き込んでやるッ!」

零児「アクションフィールドオン!フィールド魔法発動、絶海の孤島!」

セレナ「これは……デュエルアカデミア。悪趣味な奴め」

美玲「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が、モンスターと共に地を蹴り宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」

セレナ「……?なんだそれは」

美玲「アクションデュエルの口上だッ。アクショーン――!で開始だぞ」

セレナ「これがスタンダードの文化……」

美玲「見よ、これぞデュエルの最強進化形!アクション――」

「「デュエル!!」」

美玲「ウチのターン。ジェネティック・ワーウルフを召喚!」

美玲「そしてカードを2枚伏せてターンエンド!」ダッ

P「開始早々アクションカードを……手札があまり良くなかったか」

セレナ「私のターン、ドロー!手札から『月光翠鳥』を召喚!」

《月光翠鳥》
効果モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1200/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
手札から「ムーンライト」カード1枚を墓地へ送り、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、
自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、
「月光翠鳥」以外のレベル4以下の「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

セレナ「このモンスターの召喚及び特殊召喚に成功した場合、手札のムーンライトを墓地へ送って1枚ドローできる。私は『月光紅狐』を墓地へ送り、カードをドロー!」

《月光紅狐》
効果モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1800/守 600
(1):このカードが効果で墓地へ送られた場合、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで0にする。
(2):自分フィールドの「ムーンライト」モンスターを対象とする
魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、
墓地のこのカードを除外して発動できる。
その発動を無効にし、お互いのプレイヤーは1000LP回復する。

セレナ「カード効果で墓地へ送られたことで、紅狐の効果発動。ジェネティック・ワーウルフの攻撃力をこのターンの間0にする」

美玲「んなッ、攻撃力が!?……でも、アクションカードは発見した」

セレナ「そしてマジックカード、『融合』を発動。フィールドの翠鳥と、手札の『月光蒼猫』を融合!」

《月光蒼猫》(アニメ版)
効果モンスター
星4/闇属性/獣戦士族/攻1600/守1200
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、
自分フィールドの「ムーンライト」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで倍になる。

P「来たか、融合……!」

セレナ「翡翠の翼持つ鳥獣よ、青き闇を徘徊する猫よ。月の引力により渦巻きて、新たなる力と生まれ変わらん!」

セレナ「融合召喚!現れ出でよ、月明かりに舞い踊る美しき野獣!『月光舞猫姫』!」

《月光舞猫姫》(アニメ版)
融合・効果モンスター
星7/闇属性/獣戦士族/攻2400/守2000
「ムーンライト」モンスター×2
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズ1に
このカード以外の自分フィールドの「ムーンライト」モンスター1体をリリースして発動できる。
このターン、このカードは全ての相手モンスターに2回ずつ攻撃できる。
この時、相手モンスターは1度目の戦闘では破壊されない。

P「これが本場の融合召喚か……」

セレナ「翠鳥のもう1つの効果を発動。カード効果で墓地へ送られたことで、墓地の蒼猫を効果を無効にして特殊召喚!」

セレナ「そして舞猫姫の効果を発動!蒼猫をリリースすることで、このターンこのカードは全ての相手モンスターに2回攻撃でき、1度目の戦闘での破壊を無効にする」

美玲「えッ?ってことは……」

P「2400の2回攻撃が、攻撃力0のワーウルフを襲い、4800ダメージ……1ターンキルだ!」

セレナ「ゆけ、舞猫姫!ジェネティック・ワーウルフに攻撃!フルムーン・クレスタ!」

美玲「待った!アクションマジック、『グローリアス・フラッシュ』!ワーウルフをリリースし、その攻撃力の2000だけ舞猫姫の攻撃力をダウンさせる!」

《グローリアス・フラッシュ》(SSオリジナル)
A魔法
(1):自分フィールドのモンスターをリリースし、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、対象のモンスターの攻撃力は、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分ダウンする。

セレナ「墓地の紅猫を除外して、モンスター効果発動!ムーンライトモンスターを対象としたカードを無効にし、お互いのライフを1000ポイント回復する」LP4000→5000

美玲「防がれたけど、モンスターがいなくなった。受ける攻撃は1度だけだッ!」LP4000→5000→2600

P「効果の適用前にリリースしたことで、発動が無効になっても関係ない。上手いぞ美玲」

セレナ「フン。カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

美玲「ウチのターン、ドロー。突撃ライノスを召喚!」

美玲「さらにレベル3モンスターがいることで、チューナーモンスター、『サイコウィールダー』を特殊召喚ッ!」

《サイコウィールダー》
チューナー・効果モンスター
星3/地属性/サイキック族/攻 600/守 0
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「サイコウィールダー」以外のレベル3モンスターが存在する場合、
このカードは手札から守備表示で特殊召喚できる。
(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合、
このカードをS素材としたSモンスターより低い攻撃力を持つ
フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。

美玲「そしてレベル3のライノスにレベル3のウィールダーをチューニング!」

美玲「天焦がせ、そして大地を噛み砕け!シンクロ召喚!出でよ、レベル6。『天狼王 ブルー・セイリオス』ッ!」

《天狼王 ブルー・セイリオス》
シンクロ・効果モンスター
星6/闇属性/獣戦士族/攻2400/守1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターの攻撃力は2400ポイントダウンする。

セレナ「これがシンクロ召喚……!実際に目にするのは初めてだ」

美玲「まだまだ。このカードは墓地の獣戦士族2体を除外して特殊召喚できる!ライノスとワーウルフを除外し、来い!『ピューマン』!」

《ピューマン》
特殊召喚・効果モンスター
星6/地属性/獣戦士族/攻1500/守1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から獣戦士族モンスター2体を除外した場合に特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、手札から獣戦士族モンスター1体を捨て、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードの攻撃力はターン終了時まで倍になる。
●このターン、このカードは直接攻撃できる。

美玲「ピューマンの効果発動!手札の獣戦士族のモザイク・マンティコアを捨て、このターン攻撃力倍化か直接攻撃ができる。攻撃力倍化を選択!」

P「攻撃力3000!舞猫姫を上回ったぞ!」

セレナ「アクションカードはこのタイミングか……?」ダッ

美玲「バトル!ピューマンで舞猫姫を攻撃!ピューマ・スラッシュ!」

セレナ「くっ……だがトラップ発動、『月光輪廻舞踊』!舞猫姫の破壊をトリガーに、デッキから『月光虎』と『月光狼』を手札に加える」LP5000→4400

《月光輪廻舞踊》(アニメ版)
通常罠
(1):自分フィールドの「ムーンライト」融合モンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「ムーンライト」モンスターを2体まで手札に加える。

《月光虎》(アニメ版)
ペンデュラム・効果モンスター
星3/光属性/獣戦士族/攻 1200/守 800
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、自分の墓地の「ムーンライト」融合モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、その効果は無効化され、
攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。
【モンスター効果】
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分の墓地から「融合」魔法カード1枚を選んで手札に加える。


《月光狼》(アニメ版)
ペンデュラム・効果モンスター
星6/光属性/獣戦士族/攻 2000/守 1800
【Pスケール:青1/赤1】
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから「ムーンライト」融合モンスターカードによって
決められた融合素材モンスターを除外し、
その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
【モンスター効果】
(1):このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「融合」魔法カード1枚を手札に加える。

美玲「あの2体はペンデュラムモンスター……セレナもレージから受け取っていたのか」

美玲「だが関係ない!ブルー・セイリオスでダイレクトアタック!ウルフズ・ファング!」

セレナ「アクションカード、これだ!」パシッ

セレナ「なんだこれは!この場面では使えないアクションカード……」LP4400→2000

美玲「そんな時もある。ウチはこれでターンエンドッ!」

セレナ「私のターン!私はスケール1の月光狼とスケール5の月光虎でペンデュラムスケールをセッティング!」

セレナ「手札から『月光黒羊』を召喚!」

《月光黒羊》(アニメ版)
効果モンスター
星2/闇属性/獣戦士族/攻 100/守 600
(1):自分フィールドのこのカードが融合素材として墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを手札に戻す。

セレナ「月光虎のペンデュラム効果を発動。よみがえれ、舞猫姫!」

セレナ「さらに月光狼のペンデュラム効果発動!手札・フィールドのモンスターを除外して、融合召喚を行う!」

美玲「ペンデュラム融合……!」

セレナ「舞猫姫と黒羊を融合。月明かりに舞い踊る美しき野獣よ、漆黒の闇に潜む獣よ。月の引力により渦巻きて、新たなる力と生まれ変わらん!」

セレナ「融合召喚!現れ出でよ、月光の原野で舞い踊るしなやかなる野獣!『月光舞豹姫』!」

《月光舞豹姫》
融合・効果モンスター
星8/闇属性/獣戦士族/攻 2800/守 2500
「月光舞猫姫」+「ムーンライト」モンスター
(1):このカードは相手の効果では破壊されない。
この効果は無効化されない。
(2):このカードは相手モンスター全てに2回ずつ攻撃できる。
この時、その相手モンスターは1回目の戦闘では破壊されない。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動する。
このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで200アップする。

美玲「融合モンスターを素材に融合召喚かッ!」

セレナ「まだだ。ペンデュラム召喚!レベル4、月光蒼猫。このカードが特殊召喚に成功した時に効果発動!舞豹姫の攻撃力を2倍にする!」

美玲「んなッ……攻撃力5600!」

P「ピューマンの攻撃力は下がっている。この攻撃を受けたら終わりだ!」

セレナ「バトルだ!舞豹姫でピューマンを攻撃!フルムーン・エヴァ!」

美玲「トラップ発動、『ドレイン・シールド』!攻撃を無効にし、攻撃力分のライフを回復する!」LP2600→8200

美玲「これに合わせて、アクションカードで防ぐ!」

セレナ「だがまだ2回目の攻撃が残っている。やれ!」

美玲「ぐあッ……!」LP8200→5300

セレナ「2度目の攻撃は破壊する。さらに舞豹姫の効果発動!モンスターを破壊した場合、バトルフェイズ終了時まで攻撃力を200アップさせる!」

セレナ「そしてブルー・セイリオスを攻撃!」

美玲「アクションカードは……クッ!」LP5300→1900

美玲「……!よし、あったッ!」パシッ

セレナ「これで終わりだ。舞豹姫で2回目の攻撃!」

美玲「効果もOKッ!アクションマジック、『勲章の威光』!ブルー・セイリオスをリリースする。舞豹姫の攻撃力の半分のダメージを受けろッ!」

《勲章の威光》(SSオリジナル)
A魔法
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃対象となったモンスター1体をリリースして発動できる。
そのモンスターの攻撃力の半分の数値のダメージを相手に与える。

セレナ「ここで使う時が来たか。アクションマジック、『撤退』!自分のモンスター1体をデッキに戻す!」

《撤退》(SSオリジナル)
A魔法
(1):自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻す。

美玲「逃げられた……!でも、これでオマエのモンスターはいなくなったし!」

セレナ「それはどうかな?永続トラップ、『闇次元の解放』を発動!除外されている舞猫姫を特殊召喚する!」

《闇次元の解放》
永続罠
(1):除外されている自分の闇属性モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊され除外される。
そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。

美玲「嘘だろ……」

セレナ「今度こそとどめを刺してやる。舞猫姫でダイレクトアタック!フルムーン・クレスタ!」

美玲「うわああああああ!!」LP1900→0 ピーッ

P「美玲、大丈夫!?」

美玲「うう……ウチ最近負けてばっかりじゃないか?」

セレナ「これがアクションデュエル……!面白かったぞ、美玲」

美玲「……!それなら良かった。これでウチ達はランサーズの仲間だ!」

美玲「……本当のことを言うと。ウチは疑ってた。改心したふりをして、実はやっぱりアカデミアの手先なんじゃないかって……」

セレナ「そう思うのも当然だ。実際に私はアカデミアの戦士だったのだから」

セレナ「……しかし。柚子と黒咲の話でもう決めた。私はアカデミアに、赤馬零王に反旗を翻す」

セレナ「柚子がアカデミアに捕らえられているのだとしたら、私は彼女を救うために全力を尽くす。ランサーズの一員としてアカデミアと戦う!」

美玲「そっか……セレナ。お互い頑張ろうな!」

セレナ「ああ。次に会う時はこの次元を越える時だ」

翌日~

美玲「とうとう今日は融合次元に出発か……」

P「バトルロイヤルに参加していないから、アカデミアの実力がどれほどのものかはわからない」

美玲「ああ、わかってる。でもなんとしても侵攻は食い止めてみせるぞッ」

P「その意気だ。俺も美玲の近くで常にサポートするつもりだよ」

P「……っとと。赤馬零児の言っていた場所はここだな」ガチャ

セレナ「来たか」

美玲「あ、セレナ――と。お前は」

月影「拙者は風魔の月影。零児殿よりセレナ殿を護衛する依頼を仰せつかっていたが、今はランサーズの一員。よろしく頼もう」

美玲「あ、ああッ……よろしく、ツキカゲ」

P「風魔というと、あの風魔一族の……赤馬零児はそんなところにまで手を伸ばしていたのか」

美玲「それから今居るのは、シュンと……あいつは?」

セレナ「デニス・マックフィールド。腑抜けたデュエルをするエクシーズ使いだ」

美玲「腑抜けたデュエルって……」

デニス「酷い言いようだなあ。あの時は手札が良くなかっただけだよ」

美玲「んあ、オマエいつの間に!」

デニス「僕はデニス・マックフィールド。LDSブロードウェイ校の留学生さ!」

デニス「遊矢のお父さん――榊遊勝のエンタメデュエルに感動しちゃって、それ以来はエンターテイナーの道を歩んでいるんだ」

P「!君も遊勝さんのファンなのか!」

デニス「そうさ。美玲ちゃん、これからよろしく☆」

美玲「お、おうッ。よろしく、デニス」

沢渡「俺様、到着ー!」ガチャ

美玲「あ、シンゴだ」

デニス「沢渡君!1回戦でのキミと遊矢とのデュエル最高だった!」ズイッ

沢渡「うわっ、なんだお前!?」

デニス「あんないいデュエルそう見られたものじゃない、僕すっごく興奮しちゃったよ!」

デニス「キミもペンデュラム召喚を使えるんだろう?ぜひ僕とエンタメデュエルショーを……」

沢渡「ええい離れろ、そして落ち着けー!だいたい今はデュエルする時間はねえだろ」

デニス「それもそうか。それじゃ、全部終わった後にやろうよ」

美玲「癖が強いヤツだな……」

P「マイペースな子なんだね。面白いじゃないか」

美玲「そしてあと来ていないのは、ノボルとユーヤだけか」

遊矢「ここだな」ガチャッ

沢渡「おせーぞ榊遊矢。この俺様を待たせるとは10万年はええんだよ!」

デニス「その例え、早いんだか遅いんだかよくわからないね」

沢渡「うるせえな、茶々入れんじゃねえよ!」

P「権現坂君。その顔のケガは?」

権現坂「道場の親父殿と真剣勝負のデュエルをした。俺の決意を示すためにな」

美玲「ユーヤは……元気になった?」

遊矢「昨日は母さんに叱咤激励されたから、もう大丈夫だ。絶対に柚子を助け出そう」

美玲「ああッ」

零児「揃ったか」

美玲「レージ……!」

沢渡「フン、社長さんは最後にお出ましか」

デニス「ランサーズのメンバー9人全員揃っております、隊長殿!」

零児「9人ではない」

デニス「おっとこれは失礼。体調を含めて10人――」

零児「11人だ。零羅も連れていく」

P「零羅君を!?一体どうして……」

黒咲「俺たちは遊びに行くんじゃない。そんなガキと一緒にアカデミアと戦えるか?足手纏いだ!」

零羅「……」

零児「零羅の能力は君たちに匹敵する。決して足手纏いにはならない」

沢渡「俺たちに匹敵?」

デニス「へぇ~、隊長にそこまで見込まれるなんてすごいね。キミ何歳?」

沢渡「どう見ても小学生だろうが。まだジュニアクラスのやつに、俺らペンデュラムを極めた沢渡世代と同等の力があるとはとても信じられねえな」

権現坂「誰が沢渡世代だ!ペンデュラムを最初にやったのは遊矢だ。自分が見つけたような顔するな」

黒咲「とにかく俺は認めん。そんなガキと一緒にアカデミアに乗り込めるか!」

零児「アカデミアには行かない。我々が目指すのはシンクロ次元」

美玲「えッ!?」

黒咲「シンクロ?融合ではないのか!?」

遊矢「どうして!?」

零児「シンクロ次元にはいまだ次元間の争いが波及していない。そこで仲間を募る」

零児「我々スタンダードとの絆を結び、ともに融合次元に対抗する同盟関係を築くのが最大の目的」

権現坂「同盟だと!?」

黒咲「そんな悠長なことを言っている場合ではない。俺たちは一刻も早く融合次元に乗り込みアカデミアを叩き潰すんだ!」

黒咲「そのためのランサーズだろうが!」

美玲「おいッ、落ち着けよシュン」

零児「私は勝てる勝負しかしない。勝つにはそれに向けての十分な準備が必要だ」

零児「今の段階でアカデミアに戦いを挑んだところで、我々に勝算はない」

黒咲「……貴様と手を組んだのは間違いだった。俺は一人でアカデミアに乗り込み瑠璃を救い出す!」

セレナ「一人では無理だ。アカデミアは融合次元全体からデュエリストを集め、高度な教育を施し、実践に耐えうる強靭なデュエル戦士を日々生み出している」

セレナ「そこにたった一人で乗り込んだところで何ができる!」

セレナ「私は零児の計画に賛同する。今我々は戦力をととのえ、勝つための準備をするときだ」

セレナ「大丈夫、プロフェッサーは瑠璃に手荒なことはしない。私への扱いを見ればわかる。私と瑠璃はそっくりなんだろう?」

セレナ「それに柚子とも……。プロフェッサーはなぜか私に似ている者たちを集めようとしている」

セレナ「瑠璃がアカデミアにさらわれたのも私が連れ戻されそうになったのも、彼の命令。おそらく柚子もそうだ」

デニス「……」

セレナ「彼が私たちを集めて何をしようとしているのかはわからない。だが私たちは彼にとって大事なものらしい」

セレナ「だから瑠璃も、きっと大事にされているに違いない」

遊矢「柚子は?柚子に手荒な真似は――」

セレナ「柚子はアカデミアにはいない。そうだろ?零児」

遊矢美玲「「えっ!?」」

セレナ「彼は見ているそうだ。柚子がシンクロ次元のデュエリストと共に消えたのを」

デニス「えええええ!?」

美玲「本当かッ!?本当にユズがシンクロ次元に!?」

零児「本当だ。彼女はシンクロ次元のデュエリストと共に消えた……そしてそのデュエリストは、オベリスク・フォースと呼ばれるアカデミアのデュエル戦士を殲滅した」

零児「その時私は確信したのだ。シンクロ次元は味方になりうると」

セレナ「柚子はシンクロ次元にいる、間違いない。柚子は私の恩人……アカデミアに渡すわけにはいかない」

セレナ「瑠璃を確実に救い出すためにも、シンクロ次元との同盟は必要だ!」

黒咲「……フン、不本意だが……」

P「彼を説得するなんて。やはり妹に似ているという相手では仕方がないか」

零児「これは我々が新たに開発した、次元移動装置を搭載したデュエルディスクだ。エクシーズ次元のものを参考にした」

黒咲「エクシーズ次元のを……ユートのディスクか!」

黒咲「貴様、ユートからカードを託されたと言ったな。本当は力ずくでデュエルディスクまでも!」

黒咲「……なんとか言ったらどうだ!」

ユート『信じるんだ』

黒咲「!?」

ユート『遊矢は俺が信頼する仲間だ。俺たちを裏切るような真似は絶対にしない』

黒咲(ユート……!?)

遊矢「ど、どうした?」

黒咲「あ、いや……」

零児「話を続けよう。このデュエルディスクには、黒咲とセレナのディスクにも同じ処理を施した」

零児「我々にとってペンデュラム召喚とアクションカードは最大の武器。それを存分に生かせるようにした」

零児「では配布したカードを用意してくれ。これにはシンクロ次元の座標データが入力済みだ。各自ディスクにセットし、私の合図で発動せよ」

美玲「それがこのカードか……」ピラッ

P「まさかシンクロ次元に行くことになるなんて、想像できなかったよ」

美玲「でもウチのやるべきことは決まってる。シンクロ次元と同盟を結んで、柚子を助け出して、アカデミアを倒す!」

P「さらば、スタンダード。絶対に生きて帰ってくるぞ」

美玲「いくぞッ!プロデューサー!」

零児「では出発する。シンクロ次元に向けて――ディメンションムーバー、発動!」

――――シュン――――

~同時刻、スタンダードの何処か~

朱里「今日、碧葉ちゃんに緊急招集を掛けてもらったのは他でもありまセーン!榊遊矢の動向について非常に重要な情報をゲットしたよ」

碧葉「言っておくけど、その情報を得たのは貴女だけじゃないわ」

朱里「わかってますよーだ、その場のノリだよ」

深玄「改めて共有しよう。結論から言うと、榊遊矢はランサーズとやらの一員となり、次元を超えることが発覚した」

素直「はい。この『次元』という所……私達の『神』に繋がる重大なキーワードのようです」

朱里「これまでの調査で、この世界に『次元』が4種類存在することが発覚してる」

朱里「しかも、私と霧絵たそは中央公園で榊遊矢と瓜二つの男を目撃してるし、見えてきたね」

霧絵「うん。恐らくだけど、4つの次元それぞれに対応する榊遊矢がいる」

霧絵「そして次元を移動するなら、私達も付いて行って次元を超える必要があるよ」

碧葉「でも、私達は次元を移動する手段なんて知らなかったわ。そんな時に榊遊矢がレオ・コーポレーションに入るのを見た」

深玄「次元移動の技術。それはレオ・コーポレーションに存在するとみて間違いないだろう」

素直「首領様。こうなればすることはただ一つにございます」

碧葉「ええ、勿論……突入よ!」

朱里「よっ!待ってました!」

~レオ・コーポレーション~

朱里「やって来ました某企業。この建物の構造はもう調べが付いてるから、侵入は楽勝でござんした!」

深玄「どうやら榊遊矢も、その仲間もここにはいないようだ。既に次元を超えたあとといったところか」

朱里「そんで、その技術が隠されている部屋も恐らくはここってこと」

碧葉「さすがね。密偵や潜入だけは一流なんだから」

朱里「デュエルも一流だし!さあ突入するよ!」バン

社員A「!?なんだお前ら、どこから来た!」

朱里「教えてしんぜよう。ただし、どこから来たのかをではなく、どこへ行くのかをね!」

素直「朱里様、お上手ですわね!」

碧葉「いや別に何も上手くないわよ……」

社員B「社長は今は不在……ここは我々が守り抜く!」

社員C「侵入者よ、我々とデュエルしなさい!」ジャキッ

深玄「まあ、そうなるな……霧絵、相手してやるといい」

霧絵「え、私が?自信無いな……」

素直「私達で一番デュエルが強いのはお嬢様でしょう。何も問題ありませんわ」

霧絵「全然そんなことないけど……まあ、いいよ。3人まとめて片付けてやる」ジャキッ

社員B「先攻は我々3人のターン、ドローとバトルは無し」

社員C「その後貴様のターンはドローもバトルも許しましょう!」

朱里「なんだ、超有利じゃん。これなら何の心配もないね」

「「「「デュエル!」」」」

社員A「俺のターン!『ヴォルカニック・カウンター』を召喚!」

《ヴォルカニック・カウンター》
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻 300/守1300
(1):このカードが墓地に存在し、自分が戦闘ダメージを受けた時に発動する。
墓地のこのカードを除外し、
自分の墓地に「ヴォルカニック・カウンター」以外の炎属性モンスターが存在する場合、
自分が受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを相手に与える。

社員A「さらにカウンターを墓地へ送り、『トランスターン』を発動!レベルが1つ高い炎族・炎属性、『ヴォルカニック・ロケット』を特殊召喚する!この特殊召喚に成功したことで、デッキの『ブレイズ・キャノン・マガジン』1体を手札に加える」

《ヴォルカニック・ロケット》
効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1900/守1400
(1):このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
自分のデッキ・墓地の「ブレイズ・キャノン」カード1枚を選んで手札に加える。

《ブレイズ・キャノン・マガジン》
永続罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのカード名は、魔法&罠ゾーンに存在する限り
「ブレイズ・キャノン-トライデント」として扱う。
(2):自分及び相手メインフェイズにこの効果を発動できる。
手札の「ヴォルカニック」カード1枚を墓地へ送り、
自分はデッキから1枚ドローする。
(3):自分及び相手メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「ヴォルカニック」カード1枚を墓地へ送る。

社員A「俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」

社員B「私のターン!フィールド魔法『炎王の孤島』!その効果で手札の『炎王獣 キリン』を破壊し、『炎王獣 ガネーシャ』を手札に加える」

《炎王の孤島》
フィールド魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分メインフェイズにこの効果を発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、
デッキから「炎王」モンスター1体を手札に加える。
(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこの効果を発動できる。
手札の鳥獣族・炎属性モンスター1体を特殊召喚する。
(3):フィールドゾーンの表側表示のこのカードが、
墓地へ送られた場合または除外された場合に発動する。
自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

《炎王獣 キリン》
効果モンスター
星3/炎属性/獣族/攻1000/守 200
(1):自分フィールドの表側表示の「炎王」モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから炎属性モンスター1体を墓地へ送る。

《炎王獣 ガネーシャ》
効果モンスター
星4/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドに存在し、モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、このカード以外の自分の手札・フィールドの炎属性モンスター1体を選んで破壊する。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
「炎王獣 ガネーシャ」以外の自分の墓地の炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。

社員B「キリンが破壊された時にモンスター効果発動、デッキから『炎王神獣ガルドニクス』を墓地へ送る」

《炎王神獣 ガルドニクス》
効果モンスター
星8/炎属性/鳥獣族/攻2700/守1700
(1):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」以外の「炎王」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動できる。
墓地のこのカードを特殊召喚する。
(3):このカードが(2)の効果で特殊召喚に成功した場合に発動する。
フィールドのこのカード以外のモンスターを全て破壊する。

社員B「ガネーシャを召喚。カードを1枚伏せてターンエンド!」

社員C「僕のターン!『風帝家臣ガルーム』を捨てて、『炎帝家臣ベルリネス』を特殊召喚する!」

《風帝家臣ガルーム》
効果モンスター
星3/風属性/鳥獣族/攻 800/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのアドバンス召喚されたモンスター1体を持ち主の手札に戻して発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
このターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合に発動できる。
デッキから「風帝家臣ガルーム」以外の攻撃力800/守備力1000のモンスター1体を手札に加える。

《炎帝家臣ベルリネス》
効果モンスター
星3/炎属性/炎族/攻 800/守1000
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札を1枚捨てて発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
このターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(2):このカードがアドバンス召喚のためにリリースされた場合に発動できる。
相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んでエンドフェイズまで除外する。

社員C「ベルリネスをリリースし、『炎帝テスタロス』をアドバンス召喚!」

《炎帝テスタロス》
効果モンスター
星6/炎属性/炎族/攻2400/守1000
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動する。
相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
捨てたカードがモンスターカードだった場合、
そのモンスターのレベル×100ダメージを相手に与える。

社員A「ベルリネスがアドバンス召喚でリリースされたとき、相手の手札を確認して1枚をエンドフェイズまで除外できる!」

社員B「そしてテスタロスがアドバンス召喚に成功した時、相手の手札をランダムで捨て、モンスターならレベル×100ダメージを与える!」

霧絵「なるほどね。私の手札はこれだよ」

社員C「魔法カード1枚、モンスターカード4枚。これは好都合!魔法カードを除外する!これで確実にモンスターを捨てられる」

社員C「……レベル6モンスター!600ダメージを受けなさい!」

霧絵「いいダメージだね」LP4000→3400

社員C「さらに魔法カード、『二重召喚』を発動し通常召喚をもう1度行えるようにします」

社員C「そしてテスタロスをリリースし、『爆炎帝テスタロス』をアドバンス召喚!」

《爆炎帝テスタロス》
効果モンスター
星8/炎属性/炎族/攻2800/守1000
このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。
(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動する。
相手の手札を確認し、その中から1枚を選んで捨てる。
捨てたカードがモンスターカードだった場合、
そのモンスターのレベル×200ポイントダメージを与える。
このカードが炎属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、
その時の効果に以下の効果を加える。
●1000ダメージを相手に与える。

社員C「このカードはアドバンス召喚したモンスター1体のみでアドバンス召喚できる。そしてその召喚時、相手の手札1枚を選んで捨て、モンスターならレベル×200ダメージを与える」

社員C「さらに炎属性モンスターをリリースしたことで追加で1000ダメージを与えます。そして捨てるのはレベル7のモンスター!」

霧絵「なかなか上々、かな」LP3400→2000→1000

社員C「これでターンエンド、ベルリネスで除外された手札はお返しします。かかってきなさい!」

霧絵「3人相手だからどんな状況になるかと思ったけど、少しライフが削られただけか。大したことなかったね……私のターン、ドロー!」

霧絵「ガネーシャが邪魔だなあ。『禁じられた聖杯』を発動!攻撃力を上げ、モンスター効果を無効にする」

《禁じられた聖杯》
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで、攻撃力が400アップし、効果は無効化される。

社員C「なかなか引きが強いようですね……」

霧絵「それはどうも。私はスケール4の『黒方従騎リンカン』とスケール8の『青方従騎リンシン』でペンデュラムスケールをセッティング!」

《黒方従騎リンカン》(SSオリジナル)
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1950/1000
【Pスケール:青4/赤4】
(1):自分フィールドのP召喚されたモンスターの攻撃力は200アップする。
(2):自分が闇属性モンスターのP召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「方従騎」モンスター1体を墓地へ送る。
【モンスター効果】
(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが戦闘で破壊された時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。

《青方従騎リンシン》(SSオリジナル)
ペンデュラム・効果モンスター
星4/水属性/戦士族/攻1700/1400
【Pスケール:青8/赤8】
(1):相手フィールドのP召喚されていないモンスターの攻撃力は200ダウンする。
(2):自分の水属性モンスターを含むモンスターのP召喚に成功したターン、
相手は魔法・罠カードを発動できない。
【モンスター効果】
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターン、
相手は墓地で発動する効果を発動できない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手は手札で発動する効果を発動できない。

社員B「何?ペンデュラムは榊遊矢のオリジナルと、我々の開発したものしか存在しないのではないのか!?」

霧絵「さらに墓地に送られている『方従騎カンジン』と『方従騎リゴ』のモンスター効果。P召喚可能なスケールが揃っている場合、墓地から手札に戻すことができる!」

《方従騎カンジン》(SSオリジナル)
効果モンスター
星6/水属性/戦士族/攻2100/守2400
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できず、
(2)の効果はデュエル中1度しか使用できない。
(1):このカードがP召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「方従騎カンジン」以外の「方従騎」モンスター1体を手札に加える。
(2):このカードが墓地に存在し、
自分のPゾーンに存在するカード2枚がレベル6をP召喚可能な場合に発動できる。
このカードを手札に加える。

《方従騎リゴ》(SSオリジナル)
効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2500/守2400
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できず、
(2)の効果はデュエル中1度しか使用できない。
(1):このカードがP召喚に成功した場合に発動できる。
このターン、自分はバトルフェイズ中に「方従騎」モンスター1体を召喚できる。
(2):このカードが墓地に存在し、
自分のPゾーンに存在するカード2枚がレベル7をP召喚可能な場合に発動できる。
このカードを手札に加える。

社員A「なんだと……!」

深玄「ふふ、テスタロスで破壊する手札を間違えていたということだ」

霧絵「揺るぎなき我らが4つの魂よ、進むべき道と真実を示せ……ペンデュラム召喚!現れろ、私のモンスター達!レベル6、方従騎カンジン!レベル7、方従騎リゴ!」

霧絵「カンジンはペンデュラム召喚に成功した時、デッキから同名以外の方従騎モンスターを手札に加える事ができる。私は『黄方従騎リン』を手札に」

霧絵「さらに永続魔法、『方従騎輪』を発動。P召喚された方従騎モンスターは戦闘ダメージを半分にする代わりに直接攻撃が可能になる」

《方従騎輪》(SSオリジナル)
永続魔法
(1):自分フィールドのP召喚された「方従騎」モンスターは以下の効果を得る。
●このカードは直接攻撃できる。
その直接攻撃で相手に与えるダメージは半分になる。
(2):自分フィールドの通常召喚された「方従騎」モンスターは以下の効果を得る。
●このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
1000ダメージを相手に与える。

霧絵「バトルフェイズ!」

社員A「待った!その前に永続罠、ブレイズ・キャノン・マガジンを――!?何、発動できないだと!?」

社員B「私も永続罠、強制終了を――あれ?これも発動できない!?」

素直「ふふ。青方従騎リンシンのペンデュラム効果ですわ。水属性モンスター、方従騎カンジンのペンデュラム召喚に成功したことで、あなた方はこのターン魔法罠カードは発動できません」

社員C「卑劣な手を……」

霧絵「カンジンでガネーシャの人を、リゴでテスタロスの人を、直接攻撃!リンカンのペンデュラム効果で攻撃力は200上がっているよ」

社員B「うわああ!」LP4000→2850

社員C「ぐぬぬ……」LP4000→2650

霧絵「そして、リゴのモンスター効果。バトルフェイズ中に方従騎1体を召喚できる……カンジンとリゴをリリース!」

霧絵「輝く希望の剣を振るい、闇をも照らす光となれ!アドバンス召喚!レベル8、黄方従騎リン!」

《黄方従騎リン》(SSオリジナル)
効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻3000/守2100
(1):このカードは相手モンスター全てに1度ずつ攻撃できる。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分はこのカードでしか攻撃宣言できない。
(3):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。
自分のPゾーンの「方従騎」カードの数×800ダメージを相手に与える。

霧絵「このカードは全てのモンスターに攻撃できる。ロケット、ガネーシャ、テスタロスを攻撃!」

朱里「しかもリンがダメージを与えると、方従騎ペンデュラムカード1枚につき800ポイントのダメージぃ!」

碧葉「ダメ押しに、方従騎輪は通常召喚された方従騎が戦闘でモンスターを破壊した時、1000のダメージが与えられるわ」

霧絵「そういうことだから、散れ!光神霊剣 ライトニング・ブレイクソード!」

社員A「なんじゃそりゃああああ!!!!」LP4000→2600→1000→0

社員B「うわああああ!!!!」LP2850→1850→250→0

社員C「馬鹿な……!」LP2650→2250→650→0 ピーッ

霧絵「ふう……よし。これで次元移動の技術が手に入るよね」

碧葉「相変わらず霧絵は、人が変わったようなデュエルをするわね」

霧絵「そんなことないよ碧葉。私はただデュエルが楽しくて楽しくて……」

素直「そういうところもお嬢様の魅力でございます」

朱里「それな!!!!……お、さっきの伸びちゃった人らが守っていたのは、このデュエルディスクかあ」

深玄「このような形状のディスクは見たことが無い。警備が張られていたことも考慮すると、別次元由来のものという答えが妥当だろうか」

朱里「もしかしたらこのディスクで次元を移動できるかもしれないね。ちょっと弄ってみよっと」カチャカチャ

碧葉「あ、ちょっと朱里。未知のものをそんな軽率に弄ったら……」

朱里「物は試しだよ。お、なんか画面が出てきた」

霧絵「よくわからない文字が並んでるね……」

素直「何かのソースコードのようですが、このような文字列を見たのは初めてでございます」

朱里「素直でもわからないんじゃ、これを解読するのは無理そうだね。こうなったら力業よ。拙者はここを押すでござる!」ポチッ

碧葉「朱里!?また何も調べずに貴女は――って、何この光!?」

深玄「まさか、これが次元移動……?」

朱里「ほら成功したじゃん!朱里さまを敬いたまえよ!」

霧絵『ふふ、計画通りだね』

碧葉「何が計画通りよ!完全に行き当たりばったりで、榊遊矢の向かったところに行けるかも不明なのに!」

霧絵「計画通りって何のこと?」

素直「今、お嬢様がおっしゃったではございませんか」

霧絵「え!?私何も言ってないよ?」

碧葉「ああーもう!こうなったら同じところに行けるのを願うだけだわ!フォース、出動よ!」

――――シュン――――

>>1です。
ここまでで書き溜めを全て消化しました。ここまでの文、ストーリー・セリフ・デュエル構成などについてご意見ご感想なんなりとお申し付けください。

さて、改めてこのSSのタイトルを見てみましょう。「舞網チャンピオンシップ」とありますね。
美玲は2回戦で敗退ですし、しかも大会は本編同様中止されています。シンクロ次元でのお話を書いているとタイトルと完全にかけ離れた展開になりますよね。
このままこのスレッドに書くか、タイトルを変えて新しいスレッドを作るか……悩んでいます

そこで、拙作を呼んでいただいている方(がいるかはわかりませんが)へ。宜しければ今後の方針をどうするかについてご意見ご感想いただきたいと思います。
何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。

~シンクロ次元・下層~

遊矢「ここがシンクロ次元か?」

美玲「……次元の移動って、ちょっと気持ち悪いなッ」

P「どんな技術なんだ、全くわからない……」

セレナ「寂れた町だ。こんなところに強いデュエリストがいるというのか?」

沢渡「ここで立ち止まって話してても仕方ねえよ。まずは情報収集しようぜ?」

美玲「それしか無さそうだな……」

遊矢「……って、あれ?零児や他のみんなは?」

セレナ「今ここにいるのは私達だけ。異なる座標へと移動してしているのだろうな」

P「何。つまりそれは赤馬零児が配布した座標カードは、1種類ではなかったということになる」

美玲「レージのことだし、何か狙いがあるんだろうなッ」

コモンズA「……」

遊矢「すみません!ちょっとお話良いですか?」

コモンズA「ん?……あっ!ユーゴじゃねえか!お前さっきはよくやったなあ!」

遊矢「ユーゴ……!?ユーゴと知り合いなんですか?」

コモンズA「何言ってんだお前?そんなことよりさ。さっきのデュエルは最高にスカッとしたぜ!」

美玲「ユーゴはユーヤと同じ顔のシンクロ使い。ここはシンクロ次元で間違いなさそうだなッ」

沢渡「遊矢と同じ顔……????」

美玲「ああ。エクシーズ使いのユートもいる」

沢渡「エクシーズ?……!いや、まさか……な」

コモンズA「お、リンも居たか。お前はさっきのデュエルを間近で見てたろ?羨ましいぜ」

セレナ「リン……なるほど。私とそっくりな少女のうちの1人」

遊矢「混乱すると思うけど、俺はユーゴじゃないんです。俺は榊遊矢。別次――」

P「遊矢。それは言わない方がいいんじゃないか」

遊矢「――え?ああ、うん。俺は榊遊矢です」

コモンズA「なんだ?そりゃ偽名か何かか」

美玲「……話になってないじゃないか」

P「顔がそっくりなんだ。こうなっても仕方がないだろう」

セキュリティA「容疑者を発見!今度こそ確保に移ります!」

遊矢「な、なんだ!?」

コモンズA「セキュリティ!?どうしてここに……」

セキュリティB「痛い目を見たくなければ、無駄な抵抗はやめて大人しく投降したまえ!」

セレナ「セキュリティ……治安維持組織か?丁度いい。退屈していたところだ、お前をデュエルで倒し、情報を訊き出してやる!」ジャキッ

遊矢「な、セレナ!闇雲に挑むのは危険だ!」

セレナ「先の男からはこれ以上訊き出せる事は無い。今現れたセキュリティの2人は絶好の情報源だ」

セレナ「そして今までの話を整理すると、恐らくはユーゴとリン――いや、リンはアカデミアに捕らわれている。つまりそれは柚子だ」

遊矢「何だって!?」

美玲「ユズが……!」

セレナ「ユーゴは柚子と行動を共にしている。そして何らかの理由でセキュリティに追われ、交戦して勝利した」

セレナ「そして顔のそっくりな遊矢と私のことを発見し、確保しようとしている」

セレナ「沢渡、美玲とそのプロデューサーは容疑者ではない。ならばすでに容疑者扱いの私達2人が応戦するしかあるまい」

遊矢「でも、それは誤解だろ。俺は何もしてない!」

セレナ「急げ遊矢。私達が戦わなければ、周囲に危害が広がる!」

遊矢「……わかったよ!仕方ない。タッグデュエルだ!」ジャキッ

沢渡「俺様がデュエルしたかったが、しょうがねえな……アクションフィールド、オン!」

フィールドマホウ、クロスオーバー

セキュリティA「……?なんだこれは!?」

沢渡「知らねえのかよ?これはアクションデュエル。デュエルの開始と共にアクションカードがばらまかれ、拾って使えば戦略が広がるんだよ!」

セキュリティB「ほう……?それはいい事を聞いた」

美玲「シンゴ!これはウチらの武器だぞッ!言うなって!」

沢渡「え?あっ!しまったー!!」

「「「「デュエル!」」」」

遊矢「俺のターン!手札から『EMオールカバー・ヒッポ』を召喚!」

《EMオールカバー・ヒッポ》(アニメ版)
効果モンスター
星3/地属性/獣族/攻 800/守 800
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
手札から「EM」 モンスター1体を特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、発動できる。
自分フィールドのモンスターを全て守備表示にする。

遊矢「このカードが召喚された時、手札のEM1体を特殊召喚できる。EMインコーラスを特殊召喚!」

遊矢「さらにオールカバー・ヒッポは1ターンに1度、俺のモンスター全てを守備表示にできる。そしてカードを1枚伏せてターンエンド!」ダッ

セキュリティA「逃がすか。私のターン、ドロー!『ヴィジランテ・ゼニー』を召喚する!」

《ヴィジランテ・ゼニー》(未OCG)
効果モンスター
星4/地属性/戦士族/攻 1600/守 1200
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードの攻撃力を0にし、
手札からレベル3以下の「ヴィジランテ」モンスター1体を特殊召喚する。

セキュリティA「このカードの攻撃力を0にする事で、手札からレベル3以下のヴィジランテを特殊召喚できる。出でよチューナーモンスター、『ヴィジランテ・ガーター』!」

《ヴィジランテ・ガーター》(未OCG)
チューナー・効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻 800/守 800
(1):このカードが特殊召喚に成功したターン、
このカードは戦闘では破壊されない。

遊矢「チューナー……!」

セキュリティA「レベル4のゼニーに、レベル3のガーターをチューニング!もつれた疑惑の黒い霧切り裂き、真実を解き明かさん!」

セキュリティA「シンクロ召喚!いでよレベル7!『スナイピング・ヘイジ-タイプ0』」!

《スナイピング・ヘイジ-タイプ0》(未OCG)
シンクロ・効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻 2400/守 2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):手札を1枚墓地へ送り、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、相手に400ダメージを与える。
(2):このカードがフィールドから離れた場合に発動できる。
このカードのS召喚に使用したS素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、
その一組を特殊召喚する。

遊矢「これがシンクロ次元のシンクロ召喚!」

セキュリティA「このカードの効果は、手札1枚を墓地へ送り相手モンスター1体を破壊。さらに相手に400ポイントのダメージを与える」

セキュリティA「確かこのフィールドには、アクションカードとやらが散りばめられていたな?」

遊矢「!?まさか!」

セキュリティA「早速、あったな。このカードを墓地へ送り、オールカバー・ヒッポを破壊する!」

遊矢「くっ……ヒッポ!」LP4000→3600

セキュリティA「もう1枚発見。モンスター効果を発動!今度はインコーラスを破壊する!」

遊矢「ぐあっ!」LP3600→3200

セキュリティB「バトルだ!スナイピング・ヘイジ-タイプ0でダイレクトアタック!」

遊矢「これ以上ダメージは受けられない!トラップ発動、『EMコール』!そのダイレクトアタックを無効にし、デッキから『EMユニ』と『EMドラミング・コング』を手札に加える!」

《EMコール》(アニメ版)
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃を無効にする。
その後自分は、守備力の合計が攻撃を無効にした相手モンスターの攻撃力と同じになるように
「EM」モンスター2体を自分のデッキから選んで手札に加える。
この効果で手札に加えたモンスターを召喚・特殊召喚する場合、
そのターン自分はEXからモンスターを特殊召喚できない。

《EMユニ》
効果モンスター
星4/光属性/獣戦士族/攻 800/守1500
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンの自分メインフェイズに1度だけ発動できる。
手札からレベル3以下の「EM」モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。
(2):相手ターンに、自分の墓地からこのカードと
「EMユニ」以外の「EM」モンスター1体を除外して発動できる。
このターン自分が受ける戦闘ダメージを1度だけ0にする。

《EMドラミング・コング》(アニメ版)
ペンデュラム・効果モンスター
星5/地属性/獣族/攻1600/守 900
【Pスケール:青2/赤2】
(1):1ターンに1度、自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に、
その自分のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで600アップする。
【モンスター効果】
(1):お互いのフィールドにモンスターが存在しない場合、
このカードはレベル4モンスターとして手札から特殊召喚できる。
(2):1ターンに1度、自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に、
その自分のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで600アップする。

セキュリティA「防いだか。私はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

セレナ「私のターン、ドロー。私は月光翠鳥を召喚!そのモンスター効果により、月光紅狐を墓地へ送ってカードを1枚ドローする!」

セレナ「さらに紅狐のモンスター効果!スナイピング・ヘイジ-タイプ0の攻撃力を、このターン0にする!」

セキュリティA「なんだと!攻撃力が……」

セレナ「魔法カード、融合!翠鳥と手札の『月光白兎』を融合!翡翠の翼持つ鳥獣よ、月光に映え躍動する兎よ。月の引力により渦巻きて、新たなる力と生まれ変わらん!」

セレナ「融合召喚!現れ出でよ、月明かりに舞い踊る美しき野獣!月光舞猫姫!」

セキュリティA「融合召喚……!?」

セレナ「翠鳥のもう1つの効果により、墓地から白兎を特殊召喚!そして白兎をリリースし、舞猫姫のモンスター効果を発動!このターン、相手モンスターは1度だけ戦闘で破壊されず、舞猫姫は全てのモンスターに2回攻撃できる!」

セレナ「攻撃力0のモンスターに2回攻撃すれば、これでお前のライフは尽きる。バトルだ!舞猫姫の攻撃!」

セキュリティA「させん!トラップ発動、『ナイトメア・デーモンズ』!スナイピング・ヘイジ-タイプ0をリリースして、お前のフィールドにナイトメア・デーモン・トークン3体を攻撃表示で特殊召喚する!」

《ナイトメア・デーモンズ》
通常罠
(1):自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールドに「ナイトメア・デーモン・トークン」
(悪魔族・闇・星6・攻/守2000)3体を攻撃表示で特殊召喚する。
「ナイトメア・デーモン・トークン」が破壊された時に
そのコントローラーは1体につき800ダメージを受ける。

セレナ「私のフィールドに……!?」

セキュリティA「そしてスナイピング・ヘイジ-タイプ0の効果を発動!このカードがフィールドを離れたことで、このカードのシンクロ素材モンスター一組、ゼニーとガーターを守備表示で特殊召喚する!」

セレナ「ライフを守ったか。だが舞猫姫で2体に2回攻撃!フルムーン・クレスタ!」

セレナ「そしてナイトメア・デーモン・トークンでダイレクトアタック!」

セキュリティA「もう1枚のトラップを発動。『リジェクト・リボーン』!墓地からガーターとヘイジを特殊召喚し、バトルフェイズを終了させる!」

セキュリティB「ナイトメア・デーモン・トークンは破壊されたとき、コントローラーに800ダメージを与える。ヘイジの効果で破壊すると1200ダメージ、3体を破壊してお前達は終わりだ!」

セレナ「く……カードを2枚セットし、ターンエンド!」

セキュリティB「フン、負けを覚悟したか。俺のターン!アクションカードを含むカード3枚を墓地へ送り、トークンを破壊する!」

遊矢「アクションマジック、『クロスカット』!このターン受ける全てのダメージを半分にする!」LP3600→3400→3000→2800→2400→2200→1800

《クロスカット》(SSオリジナル)
A魔法
(1):このターン、お互いが受ける全てのダメージは半分になる。

セレナ「遊矢……!」

セキュリティB「ライフが残ったか……さらにアクションカードを墓地へ送り、舞猫姫を破壊する!」

セレナ「墓地の紅狐を除外して、効果発動!ムーンライトを対象とした効果を無効にし、お互いのライフを1000回復する!」LP1800→2800

セキュリティB「だが発動に制限はない。もう1枚のカードを墓地へ送り、今度こそ破壊する!」LP4000→5000

セレナ「……」LP2800→2600

セキュリティB「そしてゼニーを召喚。レベル4のゼニーにレベル3のガーターをチューニング!シンクロ召喚、スナイピング・ヘイジ-タイプ0!」

セレナ「フン、お前もそのカードか。ワンパターンだな」

セキュリティB「バトルだ!2体のヘイジでダイレクトアタック!」

セレナ「くっ……!」LP2600→1400→200

セキュリティB「ターンエンド。諦めて投降したまえ!」

美玲「やばい、このままじゃ2人が捕まっちゃうぞ……」

P「いや、遊矢にはさっき手札に加えたモンスターがいる。それにあの顔は、諦めた顔じゃない」

遊矢「…」

沢渡「笑ってやがる……あの顔は、俺様とのデュエルでも見たぜ」

遊矢「レディース!エーン!ジェントルメーン!今宵は世にも珍しいものをお目にかけましょう!」

セキュリティ「……?」

遊矢「私達のライフはわずか200。絶望的状況ではありますが、このドローで全てが決まります!私のターン、ドローッ!」

遊矢「私はスケール2のEMドラミング・コングとスケール5の『EMバラクーダ』でペンデュラムスケールをセッティング!」

《EMバラクーダ》
ペンデュラム・効果モンスター
星3/地属性/植物族/攻 500/守1100
【Pスケール:青5/赤5】
(1):1ターンに1度、自分の「EM」モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。
その相手モンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力との差分だけダウンする。
【モンスター効果】
「EMバラクーダ」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つ「EM」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、その元々の攻撃力との差分だけアップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。

セキュリティA「何だこれは……!?」

沢渡「ペンデュラムモンスターは魔法カードとしてフィールドに発動できる!そしてそのスケールの数字の間のレベルのモンスターを好きなだけ特集召喚できるんだよ!」

セキュリティB「何だと!アクションカードといい、ペンデュラム?といい、貴様ら何者なんだ!?」

遊矢「これにてレベル3から4のモンスターが同時に召喚であります!揺れろ、魂のペンデュラム。天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、俺のモンスター達!」

遊矢「レベル4、EMユニ!レベル4、『EMターントルーパー』!そしてエクストラデッキからレベル3!EMインコーラス!」

《EMターントルーパー》
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1200/守1200
(1):自分バトルフェイズ開始時に発動できる。
このカードにカウンターを1つ置く(最大2つまで)
(2):このカードは、このカードのカウンターの数によって以下の効果を得る。
●1つ:1ターンに1度、相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃を無効にする。
●2つ:このカードをリリースして発動できる。
発動後2回目の相手エンドフェイズまで、フィールドのモンスターを全て除外する。

セキュリティA「エクストラデッキからも……!破壊されたペンデュラムモンスターはエクストラデッキに収納されるのか!」

遊矢「そしてレベル4のユニとターントルーパーで、オーバーレイ・ネットワークを構築!漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う、反逆の牙!今降臨せよ!」

遊矢「エクシーズ召喚!現れろ、ランク4!《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》ッ!」

《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》(アニメ版)
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
レベル4モンスター×2
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、
相手フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、
その数値分このカードの攻撃力をアップする。

セレナ「ペンデュラム・エクシーズ……!」

セキュリティB「見た事のない召喚法……」

遊矢「そしてこのカードが、このフィールドを輝かせる一番の目玉!マジックカード、『スマイル・ワールド』を発動!」

《スマイル・ワールド》
通常魔法
(1):フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、
フィールドのモンスターの数×100アップする。

遊矢「全てのモンスターに笑顔を与えるカードでございます。フィールドのモンスターの数かける100ポイント、モンスターの攻撃力をアップ!」

P「凄い……モンスターが笑顔になった!」

セキュリティA「ハハハ!私達のモンスターさえも強化して何になる!」

遊矢「ダーク・リベリオンのモンスター効果を発動!オーバーレイ・ユニットを1つ使い、レベル5以上のモンスターの攻撃力の半分を自らに移し替える!トリーズン・ディスチャージ!」

遊矢「この効果は素材の数だけ使用できます!2つのオーバーレイ・ユニットを使い、2体のヘイジの攻撃力の半分をそれぞれいただきます!」

セキュリティB「攻撃力……5700!」

遊矢「バトル!インコーラスで1体目のヘイジを攻撃!」

セキュリティB「馬鹿め!攻撃力はこちらが上だ!」

遊矢「この瞬間、バラクーダのペンデュラム効果発動!EMと戦闘する相手モンスターは、攻撃力が元々の攻撃力との差分だけダウンします!」

美玲「ヘイジの攻撃力は1400、元々の攻撃力は2400!1000ダウンして400だッ!」

セキュリティA「何!?ぐっ……!」LP5000→4500

遊矢「そしてダーク・リベリオンで2体目のヘイジを攻撃!この瞬間、ドラミング・コングのペンデュラム効果!攻撃宣言したダーク・リベリオンの攻撃力を600アップさせる!」

セレナ「これで攻撃力は6300!!」

遊矢「熱きタッグデュエルはこれにて終幕!反逆のライトニング・ディスオベイ!」

セキュリティAB「「ぐあああああああ!!!!」」LP4500→0 ピーッ

遊矢「これが榊遊勝直伝、遊勝塾のエンタメデュエルにございました!」

セレナ「流石だ遊矢。さっきは助かった」

遊矢「良いって。それよりこのセキュリティ達、完全に伸びちゃったぞ」

セレナ「む……これでは情報を聞き出すことができない」

沢渡「じゃあこうしよう。こいつらの身柄を拘束して、目を覚ましたら尋問で――」

セキュリティC「今だ!突入ー!」

ウオオオオオオオ!!!!

美玲「な、なんだなんだ!?」

セキュリティC「我らセキュリティを甘く見るな、コモンズ共!一斉検挙の時間だ!」バシュッ


沢渡「ぐわっ!?な、なんじゃこりゃ!蜘蛛の巣!?」

P「リアル・ソリッド・ビジョン……!?アクションデュエルでもないのにどうして……」

セレナ「身動きが取れん……!」

遊矢「離せ、俺達が何をしたって言うんだ!」

セキュリティC「君達にはトップスの居住エリアへの不法侵入と傷害の罪がかかっている。大人しく投降しなさい」

遊矢「そんなこと知らない!俺達はついさっきここに来たばかりで……」

セキュリティC「話は取調室で聞かせてもらう!」

遊矢「くっ……」

~護送車~

セキュリティD「野郎はこっちだ!さっさと入れ!」ドンッ

沢渡「ぐあっ!……何しやがる!この不当な扱い断じて許せねえ!俺は次期市長の――ぐえっ」

P「くっ……あれがこの次元の警察機構。乱暴な奴らだ」ドサッ

沢渡「って重い!俺の上から降りろー!」

遊矢「セレナと美玲は別の護送車か……」

P「美玲……!すまない!」

???「ん?ユーゴじゃねえか!お前も捕まっちまったのか?」

遊矢「え……誰だ?」

クロウ「おいおい、この鉄砲玉のクロウ様を忘れちまったのか?薄情な奴だぜ」

シンジ「俺はシンジだ。わかるだろ?」

遊矢「いや、実は――」

クロウ「――へえ、ユーゴと間違われて逮捕!そりゃ災難だぜ」

シンジ「まあ、知己の俺達から見てもお前はユーゴにしか見えないんだ。仕方ないさ」

クロウ「そんでお前たちは、別の世界からやってきたと……おかしな話だが、信じるしかねえな」

P「信じてもらえないと思って話さないようにとしていたんだが。話が早くて助かったね」

遊矢「二人もセキュリティとやらに逮捕されてこの護送車に?」

クロウ「ああ。俺達コモンズはトップスの犬であるセキュリティに目を点けられてるしな」

沢渡「さっきのセキュリティ共も言ってたが、トップスとかコモンズとかってなんだそりゃ?」

シンジ「そうか、別の世界だもんな。この世界の人間はトップスとコモンズという2種類の人間に分別される」

シンジ「トップスは1%の富裕層。にも関わらず、この街の99%の富を独占しシティの上層部で生活している」

シンジ「残り99%のコモンズは、下層地域で非常に苦しい生活を強要されている現状だ」

クロウ「生活に困った俺達はガキ共のために街で飯を盗み出したが、セキュリティに見つかってこのザマさ」

P「……この次元はひどい格差社会というわけか」

シンジ「ある日、コモンズ達はバイクに乗ってデュエルを行うライディング・デュエルというものを生み出した。それが俺達の自由の象徴だった」

遊矢「バイク……!確かユーゴもバイクに乗ったままデュエルしてた」

クロウ「ところだどうだ。それもトップスに目を付けられて、セキュリティの追走劇に使用される。それも全国に実況中継され、トップスの娯楽に成り下がった」

シンジ「昨日はユーゴがセキュリティとのライディング・デュエルに勝利し、逃走に成功していたよ」

遊矢「それって……!実は俺達はこの次元で仲間を探しに来たんだ。どうやらこの次元の、リンって少女に顔がそっくりなんだけど」

シンジ「遊矢がユーゴとそっくりなように、リンとそっくりな子もいるってのか!?」

沢渡「俺達の仲間にはもう1人、別でリンって奴とそっくりな奴もいる。そいつはセレナだ」

クロウ「同じ顔が3人……!?わけがわからねえぜ」

P「未だに不思議だけど、そういうことであるとは認識してもらうしかない」

シンジ「ああ……しかし、セキュリティに逮捕されちまった以上それは無理な話だぜ。お前ら、この車の向かう先を知っているか?」

遊矢「知らないけど……取調室?」

シンジ「この世の地獄、収容所さ」

~少し前~

碧葉「ここが……榊遊矢の着いたところかしら?」

朱里「わっかんないね。情報が無いなあ」

碧葉「貴女は何も情報がないままディスクを弄ったからこうなってるのよ!反省しなさい!」

霧絵「まあまあ、その辺で……」

深玄「ここは……高級住宅地?」

素直「高いビルが多く立ち並んでいますわね」

朱里「とまあ、ひとまず聞き込みして――ん?」

トップス1「見慣れない顔だな。君達はコモンズだろう!」

トップス2「ここはトップス居住区域だぞ!セキュリティ!早く来てくれーっ!」

朱里「え。なんかヤバそう。ヤバイわよ!」

碧葉「よくわからないけど……逃げるわ!」ダッ

トップス3「あっ、こら待て!」

霧絵「なんなの、さっきの人達……?」

素直「分かりかねます。私達はこの次元の情勢等何も存じませんわ」

深玄「セキュリティとやらが来るぞ。今は逃げるのみだ」

セキュリティE「そこの者達!止まりなさい!繰り返す!止まりなさい!」ブーン

霧絵「え、バイク!?」

朱里「あかんこれ、私らは足で相手は車輪や!」

深玄「朱里、正面を見ろ。我々は既に包囲されている」

朱里「おたくの警察は優秀ですね!?迅速な対応お疲れ様です!?」

セキュリティE「取り押さえろ!」

素直「きゃっ……!女性を扱う時はもっと低調にお願いしたいですわ」

碧葉「もう、何なのよ……!不幸だわ!」

朱里「フォース 捕まる!完」

~護送車~

深玄「デュエルで抵抗する暇もなく取り押さえられてしまった……不覚!」

素直「首領。どうします?これでは計画が……」

碧葉「私もこんな事になるとは思ってなかったし……どうしよう」

朱里「刑務所に榊遊矢がいればいいのになあ」

碧葉「変な希望を抱くんじゃないの。はあ、困ったわ」

霧絵「……ん。車が止まったよ。着いたのかな」

セキュリティC「女はこっちだ!さっさと入れ!」

美玲「くぅ……プロデューサー!ユーヤ!」

セレナ「デュエルの勝敗を無視するとは、誇りの無い奴らめ……」

碧葉「!!!!あれは……」ヒソヒソ

霧絵「早坂美玲と、柊柚子!ってことは、行先は合ってたんだ」ヒソヒソ

朱里「しかも捕まってるよ。じゃあ、やっぱり刑務所に榊遊矢も来るんじゃ……」ヒソヒソ

碧葉「そんな馬鹿な……」ヒソヒソ

深玄「我々も次元を超えてきたことは隠しておくべきだろう」ヒソヒソ

素直「うまく隠し通せるでしょうか……」ヒソヒソ

美玲「……なあ、オマエらも捕まっちゃったのか?」

碧葉「え!あはは、そうなのよ。セキュリティ?も乱暴でいけないわね~」

朱里「(ヤバ、バレそう)うんうん。ちょっとトップス居住区域に侵入しちゃったくらいでさあ」

セレナ「トップス……?なんだそれは」

朱里「え、知らないの?この街は富裕層のトップスと貧乏なコモンズの2種類の人間がいるんだ」

朱里「トップスはセキュリティを従えてやりたい放題。コモンズは虐げられて苦しい生活を強いられているんだ!」ペラペラ

霧絵「朱里、まだあまり知りもしないし確定してないことなのに、よくあれだけ頭と口が回るね……」ヒソヒソ

碧葉「あれは昔からこうだったのよね……」ヒソヒソ

美玲「この次元は格差社会が凄いんだなッ」

朱里「次元って?」

美玲「ああッ。……え?え、それは、その……」

セレナ「なるほど。それより、この車は一体どこへ向かっている?」

霧絵「えっと――」

朱里「セキュリティに連れていかれたら、行く場所はもちろん1つだよ」

セレナ「まさか……収容所!」

素直「本当に、言動が完全にこの次元の人間のようですわ」ヒソヒソ

深玄「詐欺師に向いているな……」ヒソヒソ

美玲「収容所ッ!?そんな……これじゃユズを探すのも仲間を募るのもできないぞ!」

セレナ「落ち着け美玲。こうなれば脱獄を狙うしかないだろう」

霧絵「え。今、柚子を探すって言った?今そこにいるのが柊柚子じゃないの?」ヒソヒソ

朱里「自分探しって意味とか?私らが知ってる柊柚子とは口調が違うみたいだし。知らんけど」ヒソヒソ

美玲「あっそうだ。ウチは早坂美玲だッ!オマエらの名前は?」

碧葉「えっと。私は辰巳碧葉(たつみあおば)よ」

朱里「私は涼宮朱里(すずみやあかり)」

素直「西寅素直(にしとらすなお)です」

深玄「武田深玄(たけだみはる)だ」

霧絵「そして私が浦月霧絵。よろしくね」

美玲(ん、浦月……?)

セレナ「私はセレナ。よろしく頼む」

霧絵「柊柚子じゃないんだけど……」ヒソヒソ

素直「偽名、の可能性も無くはありませんが……」ヒソヒソ

セレナ「……と言っても、収容所での生活を共にするだけになりそうだが」

深玄「だが、少しでも知己が多いと心強い。こちらこそよろしく頼む」

美玲「……ああ。みんなよろしくなッ。アオバ、アカリ、スナオ、ミハル、キリエ」

~収容所~

看守A「デュエルディスクは没収。ここでの勝手なデュエルは禁止だよ」

美玲「デッキは没収しないのか?」

看守A「それはここでは命の次に大事なもの……まあ、せいぜい大切にすることだね」

看守A「……それから。お前は特別房行きだ」

セレナ「……!」

美玲「セレナが……?どうしてッ!」

看守A「お前に知る権利はない。大人しく雑居房で暮らしなさいな」

セレナ「心配するな。その時になったら、また会おう」

美玲「セレナ……!」

看守A「さあ、ようこそ。ロクデナシ達の吹き溜まりに」

美玲「これが収容所……!」

霧絵「うわあ……なんか嫌なところだね」

素直「思っていた以上に劣悪な環境のようですわね」

美玲「うーん……とりあえず、囚人らしく働くしかないよなッ」

看守B「この雑居房がアンタらの楽しい我が家よ。落ちこぼれ同士仲良くする事ね。ウフフ」

碧葉「何が我が家、よ。ふざけたことを……」

朱里「うーん。やっぱり美玲の言う通り、労働に従事するしかなさそうだね」

霧絵「屈辱って感じだ……」

~後日~

美玲「うーん……」

霧絵「美玲。どうしたの?」

美玲「ああ、キリエ……なんでもないぞッ」

霧絵「そうなの?なんだか元気が無いように見えたけど……」

霧絵「まあ場所が場所。作業も厳しいものだったし、当然かもね」

朱里「いや、私にはわかるよ。寂しいんだね~美玲ちゃんは」

美玲「んなッ!べ、別にそんなことないし!」

碧葉「うん。あのセレナって子は隔離されてしまったし、私らとは初対面。そして収容所という場所にいるのだし、誰だってそうなるわ」

朱里「そうだよ。恥ずかしがることじゃないぜ」

美玲「うぅ~……」

素直「それにしてもここは劣悪な環境ですわね」

深玄「まさか、カードが貨幣のような扱いがされいたとはな。デッキを没収しなかったのも、そういうことなのだろう」

碧葉「労働の免除に使ったり、使わなければひどく少ない食事になるし。全く最低よ。蟲図が走るわ、全く」

美玲「……ウチら、もう二度と外に出ることなくここで死ぬのかッ?」

深玄「我々としてもそれは御免だ。決して大きな声では言えないが、脱獄の計画を立てているところだ」

美玲「脱獄!」

朱里「当然ながら脱獄は重罪。失敗して捕まった囚人、その後二度と姿を見た者はいないと聞いたね」

朱里「さらにその囚人が共に過ごしていた仲間は、脱獄に関与していたか否かを問わずして同じ目だ」

里「私達4人は当然仲間だけど、美玲ちゃんはここでの初対面。脱獄が失敗した時のことを考えると、あまり仲良くするべきではない」

美玲「わかってる。ケド、せっかく知り合った友達は見捨てられないし、ウチは勿論ここから出たいッ」

霧絵「ともだち……」

美玲「その計画、ウチも協力させてくれよ。一緒にこの地獄から抜け出そう」

素直「――と言っていますが、首領様。いかが致しますか?」

碧葉「あら、素直らしくない愚問ね。答えはもちろんYESよ。改めてよろしく、美玲!」

美玲「アオバ……ああッ!」

朱里「いい話だな~」

朱里「さて、ここで我々の能力を整理しよう。私は隠密とか潜入とか、なんかそういう事するのが得意だよ」

素直「私は機械工学やハッキングが出来ますわ」

深玄「私は格闘戦ならばかなりの自信がある」

霧絵「私は……デュエルが一番強いんだっけ?」

碧葉「そして私はリーダーなので。統率力に優れ、適材適所に人員を配置する能力に秀でているわ!」

朱里「ほんとかぁ?」

美玲「そうなのか……。ウチは何が得意なんだろ」

美伎代『きっと、貴女ならアイドル界を牽引できるって期待してる』

P『いいデュエルだったよ。昨日の会場の雰囲気を覆す盛り上がりだ』

頼絵『どちらの試合も、会場を大いに盛り上がらせてくれました』

美玲「――ウチにできること。それは多分、デュエルを盛り上げる事だ」

霧絵「デュエルを盛り上げる……か」

朱里「おー、いいじゃん!それじゃあ、これを踏まえて作戦は碧葉と私で考えよう」

碧葉「そうね。貴女達!完璧な計画を期待しておきなさい!」

美玲「頼もしいぞッ!アオバ!」

~翌日・収容所トイレ~

看守B「フン、今日もあんたらはカード無しか。ちゃんと綺麗にするんだね」スタスタ

美玲「フン!誰がオマエらなんかに渡すかよ」

深玄「この清掃の時間は他に誰もいなくなる。絶好の機会と言えるな」

朱里「そんな機会にふさわしい作戦をしっかり用意してきているよ。朱里様を褒めれ褒めれ?」

素直「ふふ。流石の手腕でございますわ」

碧葉「今から説明するわ。まずここから脱出するためには、大広間の換気扇の所の道を通る必要がある」

美玲「大広間っていうと、あの中央から牢屋を見渡せるところか……」

朱里「そう。逆に言えば、周りからも丸見えなわけね。普通に考えたら脱出は不可能だ」

霧絵「じゃあ、どうするの?」

朱里「色々考えたんだけども、一番良さそうなのは周りの注意・視線を引き付けている間に脱出するってことだぜ」

素直「注意を引き付ける、ですか」

碧葉「まあ具体的に言えば、大広間でデュエルするのよ。これで注意を釘付けにしてやるわ」

霧絵「!ということは、ここで美玲の出番?」

美玲「え、ウチ?」

朱里「そゆこと!デュエルを盛り上げるのが得意なんでしょう?」

美玲「あ、ああッ……そうだけど」

深玄「しかしデュエルしようにも、我々のデュエルディスクは没収されているだろう?」

朱里「それはご心配なく。私一人なら余裕でここを出られるんで、素直から預かった機械を使って保管庫の扉を――」

???「何やら楽しそうな話をしているじゃないか」

碧葉「――ッ!?誰!」

朱里「やあ。待ってましたよー囚人のボスさん?」

美玲「えっ、ボスってッ!?」

素直「朱里様……!」

ボス「へえ。恐ろしい脱獄計画、それをあたしに聞かれても構わないってのか」

ボス「……いや、本当は態とあたしに聞かせていたんだろ。違うか?」

朱里「伊達にボスは努めていないみたいだね。そこまでわかるなら、その理由まで辿り着けるでしょ?」

霧絵「理由って?」

ボス「ああ、あたしを舐めるんじゃない。要するに、ボスの権限を使ってディスクを取り返したいんだろ」

朱里「そゆこと。でも、タダで協力してもらおうってわけじゃないし」

美玲「え。まさか、アカリもカードで買収を……!」

深玄「そういえば。収容所のボスは囚人中からカードを巻き上げ、その大量のカードで囚人らしからぬ待遇を受けていると聞いたが……」

ボス「ああ。あたしにカードを献上しなければ、お前達の待遇はどん底になるよ?さあ、カードを渡すがいい」

朱里「まさか。我々が差し出すのはカードじゃなくて、デュエルだよ」

ボス「……デュエルだと?」

朱里「我々はお前にデュエルを挑む。我々が勝利したら、大人しく協力してもらうとして、負けた時は、大人しく従おう」

朱里「あ。勿論4人全員で挑むわけじゃないから、安心しなよー」

碧葉「朱里……あなたそんな事まで考えてたの」

ボス「へえ……あんた、面白いじゃないか。ボスのあたしに全く物怖じせず、まさか挑んでくるとはね」

ボス「あたしにそのデュエルを受ける義理はないが……いいだろう。完膚なきまでに捻じ伏せてやるよ」

美玲「おおー。計画がうまく進んでるな」

ボス「このデュエルだけは、勝敗に関係なくディスクを用意させてやる。大広間で待っているよ」ザッ

朱里「感謝するよ。じゃあ、また後で向かう」

霧絵「……朱里、凄いね」

朱里「えー、そう!?いやー参ったなー、朱里様の手腕で今回も円満解決だ」

深玄「こういうところがお前の頼もしく、恐ろしい所だ。誇りに持っていいんだぞ」

朱里「さらっと酷い事言う~」

碧葉「負けたら大人しく従うって言っちゃったけど、大丈夫なの?」

朱里「え?ああ、大丈夫大丈夫。その時はちょっと強引な手段で脱出するし……」

朱里「まあ、彼女が勝てば労せず脱獄が成功するだろうし、それに越したことはないけど」

碧葉「はあ……まあ、いいわ。デュエルに備えましょう」

朱里「じゃあよろしくね、美玲ちゃん」

美玲「えッ!――ああ、そうだなッ」

素直「美玲さん、期待しておりますよ」

霧絵「私達のこれからは美玲に懸かってるよ!」

美玲「ちょ、ちょっと……あんまりプレッシャーになるようなコト言うなよなッ」

~大広間~

キイタ?ココノボスガデュエルスルラシイワヨ

エーマジ?アイテハ?シンイリ?ドウシテ?

深玄「このデュエルの事は既に知れ渡っているようだな」

朱里「絶好の機会だ。盛り上げてこ!」

美玲「なんか緊張してきたぞ……ッ」

霧絵「大丈夫。自身を持って!」

ボス「ほう、相手をしてくれるのはあんたか。あたしに負ける覚悟はできたか?」

美玲「ウチは絶対に負けない。最高のデュエルにしてやるから、覚悟しろッ!」

ボス「威勢がいいねえ。ほら、これでこの子のディスクを持ってきてやんな」シュッ

看守E「え!これは『灰流うらら』!超レアカード……今すぐに持ってきます!」ダッ

美玲「やっとディスクが戻って来た……久し振りだな、この感じ」

美玲「いくぞッ、アクションフィールドオン!」

フィールドマホウ、ホシアカリノロード

ボス「む……なんだこれは?」

ナニコレ!? キレイナホシゾラー

霧絵「え、これってアクションフィールド……どうして!?」ヒソヒソ

素直「恐らく……レオ・コーポレーションの技術で、投影機をディスクに埋め込んでいると思われますわ」ヒソヒソ

朱里「なんとまあ。赤馬零児はそんなことまでできるんだ」ヒソヒソ

美玲「この前は教えない方がいいって言ったけど……それじゃ、フェアじゃないよな」

美玲「これはアクションフィールド。デュエル開始と同時にアクションカードがばらまかれる」

美玲「そして、お互いにそれを拾って使用することが出来る。同時には1枚しか持てないッ!」

ボス「へえ……娑婆のデュエルは今こんなことになってるのかい」

ヤッチャエーボス! ソンナヘンナヤツタオシテクダサーイ!

美玲「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が、モンスター共に地を蹴り宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」

ボス「……?」

美玲「……これはアクションデュエルの口上だ、気にするなよッ……アクショーン――で開始だからなッ!」

ボス「あ、ああ。……変なとこもあんのね」

美玲「見よ、これぞデュエルの最強進化系!アクショーン――」

「「デュエル!」」

ボス「あたしの先攻。『ヴァイロン・ペンタクロ』を召喚!」

《ヴァイロン・ペンタクロ》
ユニオンモンスター
星4/光属性/機械族/攻 500/守 400
(1):1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドの「ヴァイロン」モンスター1体を対象とし、
このカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。
装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。
●装備されているこのカードを攻撃表示で特殊召喚する。
(2):装備モンスターが戦闘でモンスターを破壊した時、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

ボス「さらに魔法カード『機械複製術』を発動。攻撃力500以下の機械族モンスター――ペンタクロを選択し、同名モンスター2体をデッキから特殊召喚するよ!」

《機械複製術》
通常魔法
(1):自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象として発動できる。
デッキからその表側表示モンスターの同名モンスターを2体まで特殊召喚する。

美玲「レベル4のモンスターが3体……?」

ボス「さらに永続魔法『ヴァイロン・エレメント』を発動し、装備魔法『静寂のロッド-ケースト』をペンタクロに装備!」

《ヴァイロン・エレメント》
永続魔法
(1):自分フィールドの表側表示の「ヴァイロン」装備魔法カードが破壊された時にこの効果を発動できる。
破壊された数まで、デッキから「ヴァイロン」チューナーを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターをS素材とする場合、「ヴァイロン」モンスターのS召喚にしか使用できない。

《静寂のロッド-ケースト》
装備魔法
(1):装備モンスターの守備力は500アップする。
(2):このカードが装備されている限り、装備モンスターを対象とする魔法カードの効果を無効にし破壊する。

ボス「ペンタクロの守備力は、500アップ。そして装備魔法、『ヴァイロン・セグメント』もペンタクロに装備!」

《ヴァイロン・セグメント》
装備魔法
「ヴァイロン」モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターは相手のモンスター及び罠カードの効果の対象にならない。
(2):フィールドの表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ヴァイロン・セグメント」以外の「ヴァイロン」魔法カード1枚を手札に加える。

ボス「この瞬間、ケーストの効果。このカードがある限り、装備モンスターを対象にした魔法カードの効果を無効にし破壊だ」

美玲「えッ、自分で自分のカードを破壊……?」

ボス「さらに『ヴァイロン・セグメント』の効果発動。デッキから『ヴァイロン・コンポーネント』を手札に加える」

《ヴァイロン・コンポーネント》
装備魔法
「ヴァイロン」モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
(2):フィールドの表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ヴァイロン・セグメント」以外の「ヴァイロン」魔法カード1枚を手札に加える。

ボス「ヴァイロンの装備魔法は共通して表側表示の自身が墓地へ送られることで、同名以外のヴァイロン装備魔法をデッキから手札に加えられるのさ」

ボス「それだけじゃない、エレメントの効果も発動!ヴァイロン装備魔法が破壊されるたびに、ヴァイロンのチューナーをデッキから特殊召喚できる!」

美玲「なッ!?」

ボス「あたしはデッキの『ヴァイロン・プリズム』を特殊召喚!」

《ヴァイロン・プリズム》
チューナー・効果モンスター
星4/光属性/雷族/攻1500/守1500
(1):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、500LPを払い、
自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する。
(2):このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、
装備モンスターが戦闘を行うダメージステップの間、
そのモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

霧絵「ケーストを装備したペンタクロに装備魔法を装備して自壊させ、新たに装備魔法をサーチすると同時にチューナーを展開……」

朱里「装備魔法がデッキにある限り何度も効果を使うことが出来る……なかなかやるじゃん」

ボス「そしてコンポーネントを装備し、ケーストの効果で破壊、エレメントの効果を発動。今度は『ヴァイロン・フィラメント』を手札に加え、『ヴァイロン・テトラ』を特殊召喚だよ!」

《ヴァイロン・フィラメント》
装備魔法
「ヴァイロン」モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターが攻撃する場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(2):フィールドの表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ヴァイロン・セグメント」以外の「ヴァイロン」魔法カード1枚を手札に加える。

《ヴァイロン・テトラ》
チューナー・効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻 900/守 900
(1):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、500LPを払い、
自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する。
(2):このカードを装備したモンスターが破壊される場合、
代わりにこのカードを破壊する事ができる。

素直「モンスターゾーンが埋まりましたわね。そろそろ、シンクロ召喚の時間でしょう」

ボス「わかってるじゃないか……あたしはレベル4のペンタクロに、レベル4のプリズムとレベル2のテトラをダブルチューニング!」

美玲「ダブルチューニング……ッ!?」

碧葉「これは、見た事も無いシンクロ方法!」

ボス「審判を司る機械仕掛けの黄金卿、今天より降臨せよ。そして世界よ、あたしを中心に回れ!シンクロ召喚!レベル10、『ヴァイロン・オメガ』!」

《ヴァイロン・オメガ》
シンクロ・効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻3200/守1900
チューナー2体+チューナー以外の「ヴァイロン」モンスター1体
(1):このカードがS召喚に成功した時に発動する。
フィールドの表側表示の通常召喚されたモンスターを全て破壊する。
(2):1ターンに1度、自分の墓地の「ヴァイロン」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(3):効果モンスターの効果が発動した時、
このカードの装備カード1枚を墓地へ送って発動できる。
その発動を無効にし破壊する。

ボス「この瞬間、墓地のプリズムとテトラの効果発動。500ライフを払い、オメガに装備カード扱いで装備される!」LP4000→3500→3000

ボス「プリズムはバトル中オメガの攻撃力を1000アップさせ、テトラはオメガの破壊の身代わりになることができる」

ボス「それだけじゃないよ!オメガは1ターンに1度、装備カードを墓地へ送ってモンスター効果の発動を無効にし破壊できるのさ」

美玲「くっ……厄介なモンスターめ!」

ボス「そしてフィラメントを装備して破壊。『ヴァイロン・マテリアル』を手札に加え、『ヴァイロン・キューブ』を特殊召喚!」

《ヴァイロン・マテリアル》
装備魔法
「ヴァイロン」モンスターにのみ装備可能。
(1):装備モンスターの攻撃力は600アップする。
(2):フィールドの表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ヴァイロン・セグメント」以外の「ヴァイロン」魔法カード1枚を手札に加える。

《ヴァイロン・キューブ》
チューナー・効果モンスター
星3/光属性/機械族/攻 800/守 800
(1):このカードが光属性SモンスターのS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから装備魔法カード1枚を手札に加える。

ボス「まだまだいくよ。レベル4のペンタクロにレベル3のキューブをチューニング!」

ボス「防御を司る天の使者よ、有象無象を力で統治せよ――シンクロ召喚!レベル7、『ヴァイロン・デルタ』!」

《ヴァイロン・デルタ》
シンクロ・効果モンスター
星7/光属性/天使族/攻1700/守2800
チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上
(1):このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する場合、
自分エンドフェイズに発動できる。
デッキから装備魔法カード1枚を手札に加える。

ボス「この瞬間、光属性のシンクロ素材になったキューブの効果。デッキから装備魔法を手札に加える」

ボス「マテリアルをペンタクロに装備して破壊。またコンポーネントを手札に加え、プリズムを特殊召喚!」

ボス「コンポーネントを装備して破壊。『ヴァイロン・マター』を手札に加え、『ヴァイロン・スフィア』を特殊召喚!」

《ヴァイロン・マター》
通常魔法
(1):自分の墓地の装備魔法カード3枚を対象として発動できる。
選択したカードをデッキに加えてシャッフルし、
以下の効果から1つを選択して適用する。
●自分はデッキから1枚ドローする。
●相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する。

《ヴァイロン・スフィア》
チューナー・効果モンスター
星1/光属性/機械族/攻 400/守 400
(1):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、
500LPを払い、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。
(2):装備カード扱いのこのカードを墓地へ送り、
このカードを装備していたモンスターが装備可能な自分の墓地の装備魔法カード1枚を対象として発動できる。
このカードを装備していたモンスターに対象のカードを装備する。

ボス「レベル4の『ペンタクロ』にレベル4の『プリズム』をチューニング!」

ボス「信条を司る天よりの使者よ、悪しき魔の者断罪せよ――シンクロ召喚!レベル8、『ヴァイロン・エプシロン』!」

《ヴァイロン・エプシロン》
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻2800/守1200
光属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカードの装備カードは効果の対象にならない。
(2):1ターンに1度、このカードの装備カード1枚を墓地へ送り、
相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。

ボス「さらにレベル8のエプシロンに、レベル1のスフィアをチューニング!」

ボス「外交を司る天よりの使者よ、軍勢を纏め上げる黄金卿となれ――シンクロ召喚!レベル9、『ヴァイロン・アルファ』!」

《ヴァイロン・アルファ》
シンクロ・効果モンスター
星9/光属性/機械族/攻2200/守1100
「ヴァイロン」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがS召喚に成功した時、
自分の墓地の装備魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードをこのカードに装備する。
(2):装備カードを装備したこのカードは、
装備カード以外の魔法・罠カードの効果では破壊されない。

美玲「連続シンクロ召喚ッ!」

ボス「前の2体と同様に、スフィアの効果発動。500ライフを払い、アルファに装備するよ」LP3000→2500

ボス「そして装備カードになっているスフィアを墓地へ送ることで、墓地の装備魔法と交換できる。マテリアルを装備し、攻撃力を600アップだ」

ボス「さっきサーチしたマターを発動。墓地のケースト・コンポーネント・フィラメントをデッキに戻し、1枚ドローする」

ボス「オメガのさらなる効果発動!墓地のヴァイロンモンスター――スフィアを自身に装備。再びスフィアを墓地へ送って効果を使い、セグメントを装備!」

ボス「これでオメガはモンスターとトラップの効果の対象にはならない。そしてアルファは装備カードを装備していると魔法・罠カードの効果では破壊されないのさ」

ボス「カードを1枚セットして、ターンエンドだよ」

ボス「だがこのエンドフェイズにデルタの効果発動。デッキから装備魔法1枚を手札に加える……さあ、あんたのターンだよ」

深玄「相手の場には、シンクロモンスターが3体。モンスター効果を1度無効にされ、耐性も持っている……この盤面は手強いぞ」

美玲「ああ、わかってるッ。ウチのターン!突破はできるけど、アクションカードを拾いに行かなくちゃッ」ダッ

ボス「そうか……アクションカードとやらがあるんだったね。あたしも拾うとするか」

美玲「よし。ウチは突撃ライノスを召喚。さらにレベル3モンスターがいることでチューナーモンスター、サイコウィールダーも特殊召喚だッ!」

ボス「これでシンクロ召喚か。さあ来な!」

美玲「いや。その前に装備魔法、ビッグバン・シュートをヴァイロン・アルファに装備する!」

美玲「そしてレベル3のライノスにレベル3のウィールダーをチューニング!振り翳せ、そして自分を取り戻せッ!シンクロ召喚!レベル6、獣神ヴァルカンッ!」

美玲「ヴァルカンの効果発動、お互いのフィールドの表側表示カードを1枚ずつ手札に戻すッ!ビッグバン・シュートとオメガを選択!」

美玲「そして同時に、サイコウィールダーの効果も発動!素材になったシンクロモンスター以下の攻撃力のモンスター――デルタを破壊する!」

ボス「使わざるを得ないね。オメガの効果を発動!サイコウィールダーの効果は無効だよ!」

美玲「でも、ヴァルカンの効果は通る。オメガはエクストラデッキに戻り、ビッグバン・シュートが場を離れた事でアルファは除外するッ!」

朱里「一見硬い耐性に見えても穴だらけ。うまくすり抜けて2体も除去できたのは上手いよね」

ボス「フン。だがここでそれぞれに装備されていたマテリアルとセグメントの効果。マターとコンポーネントを手札に加える」

ボス「エレメントの効果も発動!同時に2枚が破壊されたことで、スフィアと『ヴァイロン・ステラ』を特殊召喚する!」

《ヴァイロン・ステラ》
チューナー・効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻1400/守 200
(1):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合、
500LPを払い、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。
(2):このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、
装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に発動する。
その相手モンスターを破壊する。

美玲「さらに速攻魔法『緊急テレポート』!レベル3以下のサイキック族――『幽鬼うさぎ』をデッキから特殊召喚!」

《緊急テレポート》
速攻魔法
(1):手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される。

《幽鬼うさぎ》
チューナー・効果モンスター
星3/光属性/サイキック族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのモンスターの効果が発動した時、
またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、
手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
フィールドのそのカードを破壊する。

美玲「レベル6のヴァルカンに、レベル3の幽鬼うさぎをチューニング!」

美玲「蘇れ、そして集いし力で噛み砕け――シンクロ召喚!レベル9、『飢鰐竜アーケティス』!」

《飢鰐竜アーケティス》
シンクロ・効果モンスター
星9/水属性/魚族/攻1000/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。
そのS素材としたモンスターの内、チューナー以外のモンスターの数だけ、
自分はデッキからドローする。
(2):このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×500アップする。
(3):手札を2枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

美玲「アーケティスの効果発動ッ!このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数、つまり1枚ドローする!」

美玲「そして、アクションカードもゲットだ。アーケティスの攻撃力は、手札1枚につき500アップする!」パシッ

素直「美玲さんの手札は5枚。よってその攻撃力は3500!デルタを上回っていますわね」

美玲「いくぞッ、バトルだ!アーケティスでデルタに攻撃!」

ボス「フン、こういう時にアクションカードを使うんだろう?」パシッ

ボス「アクションマジック、回避を発動!その攻撃を無効にする」

美玲「へー……やるジャン。カードを1枚伏せてターンエンド!」

玄「手札が1枚減った事で、攻撃力は3000にダウンか」

ボス「あたしのターン。ヴァイロン・マターを発動!墓地のコンポーネント・マテリアル・セグメントを戻して、アーケティスを破壊する!」

美玲「くッ……効果処理時にドローか破壊かを選ぶ効果だから、処理を挟めない」

ボス「装備魔法、『継承の印』を発動。墓地に同名モンスター3体が存在する、ペンタクロを特殊召喚する!」

《継承の印》
装備魔法
(1):自分の墓地に同名モンスターが3体以上存在する場合、
その内の1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時にそのモンスターは除外される。

素直「これでまた、チューナーとチューナー以外のモンスターが揃いましたわ!」

ボス「あたしはレベル4のペンタクロに、レベル3のステラをチューニング!」

ボス「塔を司る天よりの使者よ、世界の去就を監視せよ――シンクロ召喚!レベル7、『ヴァイロン・シグマ』!」

《ヴァイロン・シグマ》
シンクロ・効果モンスター
星7/光属性/天使族/攻1800/守1000
光属性チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上
(1):自分フィールドに他のモンスターが存在しない場合、
このカードの攻撃宣言時に発動できる。
デッキから装備魔法カード1枚をこのカードに装備する。

ボス「さらに『ヴァイロン・チャージャー』を召喚し、装備魔法『団結の力』を装備する!」

《ヴァイロン・チャージャー》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1000/守1000
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
自分フィールドの光属性モンスターの攻撃力は、
このカードの装備カードの数×300アップする。

《団結の力》
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールドの表側表示モンスターの数×800アップする。

朱里「団結の力はモンスター1体につき800アップするカード。これでチャージャーの攻撃力は3400!」

ボス「さらにチャージャーの効果もあるよ!あたしの光属性モンスターは、自身が装備したカードの数×300アップする!」

ボス「もう1度、レベル7のデルタにレベル1のスフィアをチューニング。シンクロ召喚、エプシロン!そしてスフィアをチャージャーに装備だ!」LP2500→2000

霧絵「これでチャージャーは3200、エプシロンが3400、シグマが2400……!」

美玲「やば……!」ダッ

ボス「そしてバトル!シグマで攻撃し、効果を発動!デッキから装備魔法、『閃光の双剣-トライス』を装備だ!」

《閃光の双剣-トライス》
装備魔法
手札を1枚墓地に送って発動できる。
(1):装備モンスターの攻撃力は500ダウンする。
(2):装備モンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

深玄「あれは、攻撃力がダウンする代わりに2回攻撃するカードか!」

美玲「ぐっ……」LP4000→2100

朱里「2回攻撃できるってことは、ライフを削られるだけじゃない……もう1度効果が使える!」

ボス「そうさ。2回目の攻撃宣言し、シグマの効果!デッキから『魔導師の力』を装備!」

《魔導師の力》
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力・守備力は、
自分フィールドの魔法・罠カードの数×500アップする。

深玄「そしてあれは、魔法・罠カード1枚につきステータスを500アップするカード!」

ボス「今私の魔法・罠カードは、エレメント・スフィア・団結の力・トライス・魔導師の力の5枚。よって攻撃力が2500アップ!」

碧葉「この攻撃を受けたら美玲は!」

美玲「あった、アクションカード……!トラップカード、リビングデッドの呼び声!蘇れ、ヴァルカン!」

美玲「さらにアクションマジック、『スターライト・ヴェール』!手札を捨てて、このターンの戦闘ダメージを半分にし、シンクロモンスターの破壊を無効にする!」

《スターライト・ヴェール》(SSオリジナル)
A魔法
(1):自分フィールドにSモンスターが存在する場合、手札1枚を捨てて発動できる。
このターンは自分フィールドのモンスターは戦闘・効果で破壊されず、
自分が受ける全てのダメージは0になる。

美玲「これじゃ足りない。アクションマジック、スポット・スター!ヴァルカンの攻撃力をこのターン300アップするッ!」LP2100→1050

ボス「アクションカードの重ね掛けか。なかなかやるじゃない。だがチャージャーとエプシロンの攻撃を受けな!」

美玲「ヴァルカンは破壊されないッ……!」LP1050→600→50

素直「ライフポイントが、僅か50に……!?」

ボス「ターンエンド。さあ、あんたのターンさね」

美玲「ウチは……負けないッ!ウチの――ターンッ!!!!」シャキーン

霧絵「……!」

玲「チューナーモンスター、『マジカル・ハウンド』の効果発動。ヴァイロン・エレメントをお前の手札に戻し、このカードを特殊召喚する!」

《マジカル・ハウンド》
チューナー・効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 500/守 800
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、
相手フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻し、このカードを特殊召喚する。

ボス「あたしのカードを……?」

美玲「さらに『トランファミリア』を召喚だッ!」

《トランスファミリア》
効果モンスター
星1/闇属性/サイキック族/攻 0/守 0
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターの位置を、
他の自分のメインモンスターゾーンに移動する。

美玲「レベル1のトランスファミリアに、レベル1のマジカル・ハウンドをチューニング!」

美玲「燃え上がれ、そして星を繋ぐ力となれッ!シンクロ召喚!レベル2、シンクロチューナー!『焔紫竜ピュラリス』!」

《焔紫竜ピュラリス》
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/炎属性/爬虫類族/攻 800/守1400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
相手フィールドの全ての表側表示モンスターの攻撃力は500ダウンする。

ボス「シンクロ……チューナーだとぉ!?」

霧絵「ということは……まさか!?」

美玲「いくぞッ!ウチはレベル6のヴァルカンにレベル2のピュラリスをチューニングし、同じ属性のモンスター2体を素材とする!」

美玲「舞い降りろ、そして天をも焦がし燃え盛れッ――シンクロ召喚!来い、裁きの翼!レベル8!『熾天龍 ジャッジメント』!」

《熾天龍 ジャッジメント》
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードをS召喚する場合、S素材モンスターは全て同じ属性のモンスターでなければならない。
(1):自分の墓地にチューナーが4種類以上存在し、このカードがS召喚されている場合、
1ターンに1度、LPを半分払って発動できる。
このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はドラゴン族モンスターしか特殊召喚できない。
(2):自分エンドフェイズに発動する。
自分のデッキの上からカードを4枚除外する。

素直「シンクロモンスター2体での、シンクロ召喚……素晴らしいですわ!」

ボス「これは……見た事ないシンクロモンスター!」

美玲「この瞬間、ピュラリスの効果で相手モンスター全ての攻撃力は500下がる。が、関係ないねッ!ジャッジメントの効果発動!」LP50→25

美玲「墓地のチューナーが4種類以上の場合、ライフを半分払うことでこのカード以外のカードを全て破壊するッ!」

朱里「美玲ちゃんの墓地のチューナーはウィールダー・幽鬼うさぎ・ハウンド・ピュラリス。条件は満たしてる!」

ボス「私のモンスターが……全滅……!!」

美玲「バトルフェイズ……ジャッジメントでダイレクトアタック!」

ボス「――!あそこにアクションカードが2枚!」ダッ

美玲「……アクションカード、ウチが先に頂く!」パシッ

ボス「ならば、これに賭けるとするかね!」パシッ

ボス「よし。アクションマジック、アクション・リユース!あんたの墓地のアクションマジック、神秘を発動!1度だけダメージを半分にする!」

美玲「アクションマジック、『シャイニー・ハーフアップ』!ジャッジメントの攻撃力は、その半分の数値分変化する――つまり1500アップする!」

《シャイニー・ハーフアップ》(SSオリジナル)
A魔法
(1):モンスター同士が戦闘を行うダメージ計算時、
フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの元々の攻撃力の半分の数値分、対象モンスターの攻撃力を上げる、または下げる。
この戦闘のダメージステップ終了後、ターン終了時までお互いが受ける全てのダメージは0になる。

ボス「……つまり、手に入れたカードが逆ならばこのターンの決着は決まっていなかったってわけかい!」

ボス「――フフ……ハハハハ!アッハッハッハ!最高だよ……あんた、名前は?」

美玲「!――ウチの名前は、早坂美玲だッ!覚えておけよオマエら!」

美玲「終わりだ!ジャッジメントで、ダイレクトアタック!ジャッジメント・オブ・レイ!」

ボス「早坂美玲……うおおおお!!!!」LP2000→0

ウオオオオオ!!!ボスガマケタアアアア!!!!

ウソデショ!?アノサイキョウムハイノボスガ!?

霧絵「やったね、美玲ー!」

美玲「ああッ!ウチの勝利だ!」パンッ

碧葉「とてもいいデュエルだったわね。シンクロモンスターのみのシンクロ召喚、最高に痺れたわ」

ボスー!ダイジョウブデスカ!?

ボス「ハハ……最高に清々しい気分だよ、早坂美玲!」

美玲「囚人のボス……」

ボス「そこのあんた、約束は守るよ。何を求めているんだい?」

朱里「サンキュー。我々4人分のデュエルディスク、あともう1つ持ってたデュエルディスクも没収されたからそれを返してほしいね」

霧絵「この次元に来た時のディスクか……忘れてた」ボソッ

ボス「そんなことかい。ほら看守、これで用意してやんな」ピッ

看守F「こっ、これはグングニール、ブリューナク、トリシューラ!?はいただいまー!!」ガチャガチャ

深玄「さすがはボスの権限だ。いとも簡単に取り戻すことが出来た」

素直「これも美玲さんが勝利してくれたおかげですわ」

美玲「え、えへへ、それほどでもないケドッ」

朱里「そしてこれだけじゃない。脱獄の話は聞いたよね?」

ボス「ああ……そうだね。いいだろう、あたしの牢屋についてきな」

~ボスの牢屋~

美玲「……これが牢屋?こんな広々としてるし、フカフカのソファもあるぞッ!?」

ボス「これがボスのあたしの待遇さ。脱獄さえ考えてなければ、勝利した美玲、あんたがボスになっちゃえばいいんだけどね」

ボス「……さて置き。部下達には人払いをさせているから誰にも聞かれない。これも見な」

深玄「!!これは……床の下に、扉が!?」

ボス「これが秘密の通路さ。ここの囚人どもは勿論、看守どももこの存在を知らないようだ」

ボス「昔ここにいたやつが作った抜け道らしくてね。その存在は隠されていたが、これを使えば外に出られるはずだ」

ボス「ま、中は虫だらけだったり道がかなり狭かったりするけどね。そこは我慢してくれるね」

碧葉「収容所暮らしのせいで、不本意だけど汚れるのには慣れたわ……」

素直「しかし、こんな抜け道を知っていながら、どうして貴女はずっとここで暮らしているんですの?」

ボス「脱獄に失敗したら、強制労働施設に送られるのさ。そんなリスク犯してまで出るより、囚人ども相手にふんぞり返ってた方がいい生活ができるからね」

美玲「強制労働施設ッ!?そんな場所が……」

ボス「ま、あたしは行ったことないから噂でしか知らないけどね。最低限の食事だけ与えられ、死ぬまで使いつぶされるそうだ」

深玄「脱獄に失敗した者が戻ってこないという話の種は、そういうわけであったか……」

朱里「収容所暮らしも、強制労働も。私はどちらもごめんだね……お世話になったね、ボス様」

碧葉「さあ……行くわよ!みんな!」

美玲「応ッ!」

霧絵「がってんだ!」

~抜け道~

美玲「うええ、暗くて何も見えないし、なんか体にくっついてる……」

霧絵「ここまで来たら我慢して。絶対にここから脱出するんでしょ」

美玲「そうだけど……ほんとにこの道で外出られるのかッ?」

霧絵「わからないけど、もう信じるしかないよ。さあ早く進んで!」

美玲「くそ~ッ!!絶対帰ってシャワー浴びたいッ!」

美玲「……ん!光が見えた!これ出口だろ!出口だよなッ!?」

霧絵「本当?やったね!」

美玲「出口だ!いくぞ!」

~収容所・外~

美玲「!ここは外だ!」

朱里「追い付いたね。美玲ちゃん、霧絵たそ」

霧絵「そのたそっていうのはやめてよね……しかし、やっと外に出られたんだ」

碧葉「うー、慣れたとはいえやっぱりきつかったわ」

素直「我慢した甲斐あって、ようやく娑婆ですわね」

深玄「さて、首領、朱里。外に出たはいいが、その後はどうする?」ヒソヒソ

碧葉「我々の目的は榊遊矢よ。美玲は榊遊矢の仲間だし、彼女の気持ちに従うことになっているわ」ヒソヒソ

玲「ウチだけが脱獄しても意味がない。セレナを、そしてもう1つの収容所からみんなを助け出さないと!」

朱里「よし、ならまず同じ女子収容所のセレナだね。私の見立てでは彼女はここの最上階にいる。ここの壁を登ろう」

美玲「えッ、これを……?」

朱里「私のディスクには色々仕込んであってね。ほら、この鉤縄で登れる」ヒュッ

霧絵「出た、朱里の謎アイテム」

朱里「脱獄がいつ発覚するかわからない。纏まって行動した方がいいから、皆も早く!」ダッ

碧葉「ええ。行くわよ皆!」

美玲「うー、アクションデュエルだったらモンスターに乗って移動できるのに~」

朱里「オッケー深玄。このドアを破って」

深玄「ふふ、ようやく活躍の時だ。任せろ……っ!」ドゴォ

美玲「セレナ!無事か!?」

セレナ「美玲!?それにお前達……!」

デニス「あ、美玲ちゃん。無事だったんだね!でもその子たちは一体……」

美玲「オマエは確か……デニス!オマエもセレナを助けに来てたんだなッ」

デニス「……いや、説明は後で!実は僕たち脱獄したんだ。早く遊矢達と合流しよう!」

美玲「なに!ユーヤも脱獄を!?わかった!」

朱里「榊遊矢達も助けるつもりだったけど、手間が省けたね」ヒソヒソ

素直「でも壁を登るのはかなりの手間でしたわ……」ヒソヒソ

~下水道~

デニス「こっちだよ!」

美玲「あれは……シュン!?」

黒咲「エクシーズモンスターはレベルを持たない。よって捕縛されない」

捕縛隊A「なんだと!レベルを持たないとは、レベル0という意味ではないのか!?」

黒咲「全ての敵を引き裂け!ブレイブクロー・レヴォリューション!」

捕縛体ABC「ぐあああああ!!!」LP4000→0

デニス「ヒューッ。流石だね、彼のデュエルは」

美玲「あ。後ろにはユーヤと、プロデューサーと、皆!……あと知らないヤツら」

P「美玲!無事だったんだね!よかった……!」

美玲「プロデューサー!寂しかったぞッ!」

霧絵「やっぱり寂しかったんじゃん」

遊矢「美玲、セレナ。お前達も無事でよかったよ……」

美玲「ユーヤ……ああッ。ウチひとりじゃどうしようも無かったけど、みんなに助けてもらったんだッ」

朱里「どーもー、我々がその『みんな』だよ」

遊矢「ああ、ありがとう。俺達にも、脱獄を手助けしてくれた人達がいるんだ」

P「護送車で一緒になって意気投合した、クロウ・ホーガンとシンジ・ウェーバー」

P「さらにその仲間、デイモン」

P「そして遊矢のエンタメデュエルに感化された、元収容所のボス。徳松長次郎」

美玲「なんだか人が沢山出てきて、わけわかんなくなってきたぞッ……」

権現坂「美玲。俺も同じような気持ちだ」

美玲「あ、ノボル!オマエも一緒だったのか……レイジや他のヤツは?」

権現坂「わからん。だが収容所にいなかったことは確実だ」

遊矢「零児、零羅、月影……何をしているんだ?」

沢渡「今頃、仲間を募るとかしてるんじゃねーの?」

遊矢「あ、そうだ。美玲、セレナ。少しだけど柚子の情報が得られたんだ」

セレナ「何!?それは本当か!」

権現坂「ああ。どうやらビラ配りや呼びかけなどを行い、次元間戦争の危険を訴えているらしい」

P「遊矢にそっくりな、ユーゴも一緒にいる事がわかっている。彼らとその仲間に間違われ、我々捕まってしまったようだ」

美玲「そうなのか。ユズ……絶対助けるぞッ!」

クロウ「脱獄にしては随分大所帯になっちまったが、俺らの計画通りに進めるしかねえな」

朱里「そっちも脱獄計画があるの?」

デイモン「ああ。俺達の仲間のトニーが下水道の先で待っている。あいつらの手引きで、さっさとここからずらかるのさ」

碧葉「外に仲間を用意しているとは、なかなか手際がいいじゃない」

シンジ「ああ。あとはこの水を泳いで超えるだけだ!」

徳松「10年振りの娑婆か……変わっちまってるだろうな」

遊矢「待ってろよ、柚子!今行くからな!」バシャァ

カッ!カッ!ピカッ!

遊矢「ぐっ!?」

トニー「シンジ……デイモン……すまねえ……!」

デイモン「トニー!?まさか――」

素直「これは……罠ですの!?」

「おや。今日は収容所内でデュエル大会が開かれると聞いていましたが……水泳大会の間違いでしたか?」

クロウ「!アイツは……」

「申し遅れました……私はこのシティの治安を預かる責任者」

ロジェ「治安維持局長官の、ジャン・ミシェル・ロジェと申します。ようやくお会いできましたね――皆さん?」

シンジ「クソッ……また収容所に逆戻りかよ!」

零児「それはどうかな?」

美玲「!?あ……レイジ、レイラ、ツキカゲ!」

ロジェ「……どちら様ですか?」

零児「あなたに教える義理はない。だが……今の我々は、行政評議会の使いであると言っておこう」

ロジェ「評議会だと?」

遊矢「評議会ってなんだ?」

シンジ「ああ……シティの最高意思決定機関さ」

『そういうことです。ロジェ長官』

ロジェ「ホワイト・タキ議長……!」

P「あれは……ホログラムか?」

グール『彼らとのやり取りを経て、そこの囚人達の身柄は我々評議会が一旦預かるものとする』

アスール『そして、彼らにはフレンドシップカップに出場してもらうものとします』

グレイ『例外はない。これは評議会の総意です』

ボルドー『そういうことです。ですな、議長』

ホワイト『はい。ご理解いただけるかな?』

美玲「なんだなんだ、また人が沢山……!」

ロジェ「お待ちください。彼らはシティで騒乱を引き起こさんとする不穏分子」

ロジェ「それに、囚人の身柄は我々セキュリティの管轄。手出しはしないでいただきたい」

ホワイト『治安維持局は、評議会の下部組織に過ぎません。お忘れなきよう』

ロジェ「……しかし、なぜ彼らを大会に出場させると言うのですか?」

ホワイト『シティではデュエルは全て。民衆は勝者を信じ、敗者を信じない』

ホワイト『赤馬零児らは、この次元に侵略者が現れると言っていました。私らはそれを信じられるものかを確かめたいのですよ』

ホワイト『あなたにとっても悪い話ではないはずです。もし彼らを断罪したいのならば、あなたは選りすぐりのより優れた選手を出場させればいい』

ホワイト『そうすれば、実力主義のこのシティはあなたの尖兵を信じ、あなたを支持することでしょう』

ロジェ「……なるほど、そうですね。では、そのように致しましょう。異論はありません」

ホワイト『はい。脱獄囚の皆さん、こんばんは。改めまして、我々は行政評議会です』

ホワイト『あなたがたには我々の管理する宿舎で生活してもらい、そしてフレンドシップカップに出場してもらいます』

美玲「フレンドシップカップってなんだ?」

クロウ「年に一度、シティで最大の規模のライディング・デュエルの大会だ」

遊矢「ライディング・デュエル……!前に言っていたやつか」

デイモン「またトップスどもの見世物にされるのはごめんだぜ……!」

シンジ「待てデイモン。ここで従わなければ、あのロジェとかいうおっさんに収容所に戻される」

シンジ「脱獄囚が今までと同じ扱いのはずがない。それに、出場すればガキ共に元気な姿を見せてやれる」

デイモン「シンジ……」

ホワイト『そう。このフレンドシップカップ、エンジョイ長次郎がきっかけで出来上がったものなのです』

徳松「え。俺かい?」

ホワイト『ええ。あんたが捕まってから、コモンズの若者が暴動を起こし始めた。それを取り締まるために組織されたのが、デュエルチェイサーズ』

ホワイト『だが取り締まりをきつくすればするほど混乱は大きくなるばかり』

ホワイト『そこで考え出されたのが、コモンズとトップスとの融和を目的としたデュエル大会、フレンドシップカップ』

ホワイト『その優勝者は、トップス・コモンズ双方のキングとして栄誉を称えられる。今のジャック・アトラスのように』

クロウ「何が双方のキングだ……ふざけやがって」

ホワイト『そして大会を勝ち抜いたものにはキングへの挑戦権があたえられ、勝利すれば新たなキングとなるのです』

ホワイト『……では職員の方々、皆さんを宿舎まで案内しなさい』

職員A「はい。では皆さん、この車にお乗りください」

~車内~

零児「ようやく、ランサーズが全員集合したな」

遊矢「零児。どうして俺達が出てくる場所がわかったんだ?」

零児「簡単な事だ。月影を使わせて、君達の収容所生活は監視させてもらっていた」

月影「……」

黒咲「フン。それでキサマは安全な場所で高みの見物をしていたわけか」

美玲「レージ。どうして評議会ってヤツらと知り合ってたんだ?」

零児「そうだな、私達がこの次元に移動してからの話をするとしよう」

碧葉「……ここまで色々あったわね」

朱里「脱獄してからは、なんだかトントン拍子で事が進んじゃったね~」

霧絵「このフレンドシップカップって大会も、流れで参加することになってしまったね」

深玄「さて、これからどうしたものか。我々の目的は、榊遊矢に会えば達成されたわけではない」

碧葉「わかってるわ。今の目的は、榊遊矢と瓜二つの男を探す事よね」

素直「我々の住む次元の他に融合・シンクロ・エクシーズがあり4つの次元がある、という話でしたね」

素直「そして今いるこの次元は、シンクロ次元で間違いなさそうですわ」

朱里「しかもさっきの会話で、この次元には間違いなく榊遊矢と同じ顔の男がいることもはっきりした。当面の課題はそれを見つける事だね」

零児「――ということがあり、私は職員3人とのデュエルに勝利した」

零児「これによってホワイト議長の信頼を勝ち取り、コンタクトに成功したというわけだ」

デニス「へえ~、隊長も色々策を巡らせていたんだね」

遊矢「でも、俺達の様子を見てたなら助けてもらっても……」

零児「クロウ・ホーガンとシンジ・ウェーバー。彼らとの出会いは必要不可欠だった」

零児「シンクロ次元の情勢、ユーゴという男と柊柚子の情報、脱獄の手引き……それらは彼らなくしては手に入らなかった」

遊矢「それは、そうだけど……」

零児「女子収容所でも、思わぬ出会いがあったのだろう?」

美玲「ああッ。4人とウチはもうみんな友達だ」

セレナ「私が隔離されている間に、色々なことがあったんだな」

トニー「お前が榊遊矢か?」

遊矢「え、ああ。そっちは……トニーって言ったっけ」

トニー「ああ。俺がヘマやらかしたせいで、お前達も巻き込んじまったな」

遊矢「トニーも治安維持局に泳がされていたんだろう?気にしてないって、別に」

シンジ「しかしいつから計画が漏れていたんだ?」

トニー「多分、お前たちが捕まった時から、仲間の俺はマークされてたんだろう」

デイモン「いやー、俺も実は監視されてたのかね」

クロウ「……」

遊矢「あ、クロウ。ジャック・アトラスっていう奴について何か知ってるか?」

クロウ「あ?何故それを俺に訊く」

遊矢「いや。その名前を出されてから不機嫌だなって思ってさ」

美玲「え、そーなのッ?」

クロウ「ばれちまってたか……仕方ねえ。話すぜ」

クロウ「ジャックは俺達と同じコモンズ出身の仲間だったが、フレンドシップカップで優勝し、キングとなった」

クロウ「コモンズの生まれながらデュエルの腕一つでトップスに成り上がたヤツを、コモンズの希望の星と称するヤツもいる」

クロウ「だが、アイツはトップスになった途端に俺達コモンズを見下し、傲慢に振る舞うようになった。俺からすれば、あいつは俺達コモンズの裏切り者だ」

遊矢「裏切り者……」

クロウ「コモンズはジャックのファンと、ジャックのアンチに二分されている」

クロウ「だがヤツのデュエルだけは、不思議と立場を超えて盛り上がるんだがな」

美玲「遊矢のエンタメデュエルみたいだなッ」

シンジ「エンタメか。そういえばジャックも、自分のデュエルはエンターテインメントであると称していたな」

遊矢「エンターテインメントか……」

クロウ「もし遊矢が勝ち抜いてジャックへの挑戦権を得た時は、あいつをぶっ倒してほしい」

遊矢「俺が、ジャックに?」

クロウ「……ま、だからって俺が負けるつもりはないがな」

遊矢「!ああ、俺もだ。この大会、正々堂々と戦おう」

~宿舎・1号室~

遊矢「この部屋は俺と沢渡と零羅か……」

零羅「……」

遊矢「えーっと、零羅。零児はいないけど大丈夫だ。俺たちがついてる」

沢渡「なあ。ここは4人部屋だって聞いたんだが……俺達3人だよな?」ガチャッ

ユーゴ「ん?」

遊矢「あ!お前は……ユーゴ?」

ユーゴ「あ!お前、エクシーズ使いの!」

ユーゴ「……いや、なんかあの時、同じ顔のやつもう一人いたんだっけ?」

遊矢「じゃあ、お前がユーゴなんだな!」

ユーゴ「ああ。でもなんで俺の名前知ってんだ?」

沢渡「思い出した!お前、もしかして俺を襲ったエクシーズ使いか!?」

ユーゴ「あ?何の話だよ、それ」

遊矢「沢渡!彼はユートじゃない、ユーゴだ!」

沢渡「え……あ、そういえば。エクシーズ使いとシンクロ使いがいるって話だったか?」

沢渡「すまねえな……えーっと、融合」

ユーゴ「俺は融合じゃなくてユーゴだ!間違えてんじゃねえよ」

零羅「……」

遊矢「ユーゴ。柊柚子って子を知らないか?」

ユーゴ「柚子?お前柚子を知ってんのか」

遊矢「やっぱり知っているんだな!」

遊矢「俺は榊遊矢。柚子は俺の……大切な友達だ!」

ユーゴ「へえ……」

ユーゴ「柚子もこのフレンドシップカップに参加するため、この宿舎の中さ。安心しろよ」

~宿舎・2号室~

権現坂「この部屋は俺とデニス、黒咲、クロウの4人か」

デニス「いやー。まさかデュエル大会に参加することになるなんてね」

デニス「黒咲隼。もしキミと当たったら、あの地下での続きをやろうよ」

黒咲「望むところだ。今度こそキサマを叩きのめす!」

クロウ「黒咲隼……か」

権現坂「あいつは俺達とも、こことも違う別次元からやってきたデュエリストだ」

権現坂「黒咲の住むエクシーズ次元は、融合次元によって侵略を受けてきた」

クロウ「エクシーズ?融合?なんだそりゃ」

~宿舎・3号室~

美玲「ウチらの部屋は、ここか」ガチャ

柚子「ん……え!美玲!?」

美玲「な、ユズ!?無事だったんだなッ!」

セレナ「柚子。まだアカデミアには連れ去られていなかったか」

柚子「セレナも!どうしてここに?遊矢は?」

美玲「それは後でゆっくり説明する。ユーヤもこの宿舎に来てるぞッ」

柚子「よかった……」グスッ

霧絵「感動の再会、ってやつなのかな」

セレナ「ああ……そういうことだ!」

~宿舎・4号室~

トニー「えー!じゃあ、本物のエンジョイ長次郎!?」

徳松「おうともよ!なら見せてやろうか?」ザッ

トニー「この構え…!!」

徳松「エン……ジョオオオオオイ!!!!」シュピィ

デイモン「おおおお!!生エンジョイ来たぜ!!」

トニー「凄えー!まるで夢みたいだぜ!」

シンジ「全く、お前ら子供みたいにはしゃぎやがって」ウズウズ

徳松「お前さんも、この前は大はしゃぎしてたろうに」

~宿舎・5号室~

素直「霧絵様とだけ、離れ離れになってしまいましたね」

朱里「あかりちゃん、とってもつらいよ」

碧葉「仕方ないでしょ、これが評議会の意向だって言うんだし……」

深玄「しかし、32人が参加するというのにうち20人はほぼ知り合いのようなものだぞ」

碧葉「私達が1回戦から当たる可能性もある。そうなったら全力でぶつかって、勝利した方が優勝を目指すのよ」

朱里「仮にキングになれたら、その権限を使って榊遊矢シリーズを見つけることが出来るかもしれない」

碧葉「何よ、榊遊矢シリーズって……」


~評議会室~

零児「評議会の皆様。我々の我儘を通してくださって、まずはお礼を申し上げます」

ホワイト「ほっほっほ。構わないよ?」

グール「ロジェに言ったのは方便ではなく、我々の真意なのですから」

アスール「彼らの実力を見極めて、信用に値するかどうかを確かめたいのです」

グレイ「例外はない」

ボルドー「ですな、議長?」

ホワイト「はい」

零児「それもありますが……フレンドシップカップのライディング・デュエルと、我々のアクション・デュエル」

零児「この2つをシンクロさせた新たなるデュエル、ライディング・アクション・デュエル。これを採用していただけたことにも感謝したい」

ホワイト「いいんですよ。面白そうじゃないか」

P「ホワイト・タキ議長……絶やさないその笑顔の裏に何も見えない、不気味な人だ」

~宿舎・3号室~

美玲「――ってことがあったんだッ」

柚子「そうなの……大変だったのね」

セレナ「私は一人で隔離されているだけで、デュエルもできなかった。あれほどの退屈はない!」

柚子「あはは。セレナもアカデミアに捕まったんじゃないかって思ってたけど、無事でよかったわ」

柚子「えっと。霧絵さん?も、美玲を助けてくれてたみたいで、ありがと」

霧絵「別に呼び捨てでいいよ。よろしくね」

柚子「ええ。じゃあ、霧絵」

美玲「なあ、話はもうこれくらいでいいだろ?収容所から出られたんだし、そろそろシャワーを浴びたいんだけど」

柚子「ええ。ごめんね、美玲」

霧絵「私もだいぶ汚れちゃったしね……そうだ。一緒に入ろうよ」

美玲「えッ!えー……うん……まあ、いいけど」

霧絵「決まりだね。じゃ、早速入ろ」

美玲「おい、ちょっと!まだ準備が……」

柚子「……押しの強い子ね」

セレナ「そのようだな。私は隔離されていたから、知らなかったが」

~宿舎・1号室~

ユーゴ「美味っ!なんだこれ、超美味いじゃねえか!」ガツガツ

沢渡「おいおい、意地汚い食べ方してんじゃねえよ」

ユーゴ「ああ?うるせえ、こんな豪華な食事見て大人しくしてられっかってんだ」

零羅「……」

遊矢「零羅。食べないのか?」

零羅「……」

遊矢「う。えーっと……そうだ。お菓子もあるぞ」

零羅「!」

零羅「……」

遊矢「あ、おい……」

ユーゴ「そういえば、この大会はライディング・デュエルだぜ。あの零羅ってやつ、運転できんのか?」モグモグ

遊矢「いや……俺達はほとんど運転できないんだけど」

ユーゴ「はあ!?それでなんで出場できんだよ」

沢渡「ぶえっ!口の中に物がある時に叫ぶんじゃねえ!」

遊矢「それは、わからない。俺達は出場を強いられているんだ」

ユーゴ「強いられてる?どういうことだよ」

遊矢「勝利者でいないと、ここでは話を聞いてもらえないらしい。俺達には訴えたいことがあるんだ」

ユーゴ「ああ、それは柚子の言ってた次元間戦争ってやつの話か……」

ユーゴ「あ。そういえばD・ホイールには、デュエル外にもオートパイロットが付いてるやつもあったな」

ユーゴ「評議会の奴等が貸し出してくれんだろ。それなら大丈夫だな」

遊矢「そうなのか。ユーゴは詳しいのか?」

ユーゴ「まあ、な。俺のD・ホイールは俺とリンの二人で作ったんだ」

遊矢「リン……!柚子と顔がそっくりっていう少女のことか」

ユーゴ「けどリンは……俺とそっくりな顔のアイツに攫われて、そいつには逃げられた」

遊矢「あいつ……ユートのことか?」

ユーゴ「その後、コイツのカードが光り出して……気が付いたら、戦場のようなところにいた」

遊矢「コイツ?」

ユーゴ「ああ、『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』。俺のエースだ」

遊矢「シンクロ・ドラゴン……」

ユーゴ「そこでそいつとまた会ったから、デュエルして……」

ユーゴ「どのくらい経ったかわからねえ。しばらく探してたが、また飛ばされたと思ったら、あの公園だった」

ユーゴ「それでまたアイツに会ったから、俺はリンを取り返すために――」

遊矢「待ってくれ。あの時、公園で闘ってた相手はユートだ」

ユーゴ「ユート?」

遊矢「彼はエクシーズ次元のデュエリスト。戦場のような場所は、融合次元の侵略を受けたエクシーズ次元だ」

ユーゴ「エクシーズ?融合!?なんだそりゃ」

遊矢「ええと。召喚法だよ。ほら、これが融合モンスターで、これがエクシーズモンスター」ピラッ

ユーゴ「えーと。『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』に、『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』――」

ユーゴ「――って、このダーク・リベリオンってアイツが使ってたモンスターじゃねーか!なんでお前が?」

遊矢「ああ。それは――」

ユーゴ「――じゃあ、そのユートって奴がお前の中に?」

遊矢「どうやらそうみたいなんだ。あいつと会話できるわけじゃないみたいだけど」

ユーゴ「なんだかわかんねえ話だぜ」

ユーゴ「……ん?リンを攫ったやつはお前でもユートでもねえんだろ」

ユーゴ「じゃあ、俺達にそっくりな奴がもう1人いるのか!?」

遊矢「ユーゴとの会話でわかってきた。そいつは融合次元のデュエリスト」

遊矢「それに、アカデミアの手先とみて間違いないだろうな……」

ユーゴ「クソ、そうなのか!許せねえアカデミア……」

ユーゴ「……だが、このフレンドシップカップに出場することは俺達の夢だったんだ」

ユーゴ「アカデミアへの行き方もわからねえし、今はまだ待っててくれリン!」

沢渡「何の話してるか知らねえが。この大会で優勝するのはこの俺、沢渡シンゴだぜ」

ユーゴ「はっ、てめえなんか一回戦敗退がお似合いってもんだ」

遊矢「沢渡。零羅は?」

沢渡「どっか行っちまった。お兄様、のところに行ってるとかじゃねーの?」

遊矢「零児か……そういえば、あいつもどこかの部屋で宿泊してるのか?」

遊矢「ちょっと、探しに行ってくる」

~宿舎・廊下~

遊矢「零羅……今ここを離れたら、あのロジェってやつに何されるかわからないのに」

遊矢「俺達を連れてきた評議会ってやつらも、何を考えているのかわからないし……」

遊矢「ん?ドアが開いた……あれは、3号室?」

美玲「ああッ、1号室だ。行くんだろ――あッ!噂をすればユーヤッ!」

遊矢「美玲か。どうしたんだ?」

柚子「え、遊矢が!?」チラッ

遊矢「――!柚子……!」

柚子「遊矢……!!」

遊矢「柚子ーッ!」ガバッ

柚子「え、ちょっと……いきなり!?美玲もいるのに……」

遊矢「よかった……柚子が無事で、本当によかった!俺、俺……!」グスッ

柚子「……遊矢」

美玲(ユーヤ、ユズ……やっと会えたんだもんな。良かったよ)

美玲「そういえば、ユーヤはどうして外に?ユズと会いにかッ?」

遊矢「……ああ、そりゃ勿論会いたかったけど。今は零羅を探しに来たんだ」

美玲「レーラ?ああ、レージの弟の」

柚子「え?零羅君って、ジュニアユースの。アユちゃんやフトシ君が負けた、あの?」

美玲「ああッ。あいつもランサーズの一員なんだってサ」

遊矢「零児曰く、実力は俺達に匹敵するらしいけど。あんな小さい子供も戦場に連れていくのは理解できない」

柚子「戦場……確か、シンクロ次元で仲間を募って、アカデミアに乗り込むって」

美玲「アカデミアと言えば。ユズは確かアカデミアから追われてたんだよな?」

柚子「ええ。セレナと服を交換した後、遊矢とそっくりな人とデュエルしてたんだけど」

遊矢「なんだって!?」

柚子「私はとても敵わなかった……でも、負けそうな時にユーゴが現れて。このブレスレットの力でどこかに行っちゃった」

柚子「それからまた、このブレスレットが光って。気が付いたら、二人ともシンクロ次元に」

遊矢「やっぱり、いるんだな……俺とそっくりな、4人目の男が!」

柚子「プロフェッサーの命令で、瑠璃やリンを攫ったって言っていたわ」

遊矢「そういうことか……」

遊矢「俺は柚子を助けるためにランサーズに加わって、このシンクロ次元に来た」

遊矢「その目的は果たされた。だけど……このまま2人だけで帰っていいとも思っていない」

遊矢「俺はシンクロ次元に残り、ランサーズと共に行動する。次元間戦争を止めるんだ」

遊矢「アカデミアは許せない。けど……力任せに捻じ伏せていては、俺もやってることは同じになってしまう」

遊矢「エンタメデュエルで、アカデミアを、プロフェッサーを笑顔にして、戦争を止めるのが俺の夢だ」

美玲「ユーヤ……」

遊矢「でも、アカデミアも、そしてこのシンクロ次元も、想像以上に危険な場所なんだ!」

遊矢「柚子だけでもスタンダードに戻って、塾長達と一緒に――」

柚子「ありがとう。でも、遊矢が戦ってるのに私だけ戻れない」

柚子「それに、私はプロフェッサーっていう人に狙われてる。もしまた、あの時の男に襲われたらと思うと、余計にそう思うわよ」

遊矢「柚子……そうか。ごめんな、今度は俺が付いてる。今度こそ俺が柚子をアカデミアに連れて行かせはしない!」

遊矢「柚子がここに来てからのこと、ユーゴから聞いたよ。次元間戦争の脅威を訴えてくれてたんだってな」

柚子「ええ。でも、みんな耳を貸してくれなくて」

美玲「……このシティでは、デュエルこそが全て。勝者を信じ、敗者を信じない」

遊矢「ああ、それ評議会が言ってたやつ」

柚子「評議会って?」

美玲「ああッ。シティの最高意思決定機関らしい」

遊矢「多分、俺達が何かを訴えかけるためには、誰かを動かすためには、勝者であり続ける必要があるみたいだ」

遊矢「フレンドシップカップ。最初は無理やり出場することになって困ってたけど、これは絶好の機会だ」

遊矢「次元間戦争の脅威を伝える場であると同時に、父さんから受け継いだエンタメデュエルを皆に見てもらうんだ」

美玲「なるほどー……いい考えだなッ!」

柚子「私も賛成。デュエルでみんなを笑顔にして、訴えかけていきましょう!」

遊矢「そうだ。このフレンドシップカップ、どうやらライディング・デュエルの大会らしいんだけど」

美玲「あー、そういやそんなこと言ってたっけかッ」

柚子「え?バイクの運転なんて私できないのに……」

月影「それについては問題ないでござる」シュッ

美玲「うわッ!?いつの間に!?」

柚子「あなたは……そうだ、バトルロイヤルに参加してた、風魔塾の!」

月影「拙者は零児殿に仕える忍、風魔月影」

美玲「シノビ……」

月影「……零児殿が話を付けた故、評議会の計らいでオートパイロットのD・ホイールが貸し出されるでござる」

月影「そして大会が始まる前日――要するに明日。デュエル場での練習走行が許可されている」

遊矢「やっぱりそうなのか。ありがとう、月影」

月影「もう1つ。零羅殿は拙者が零児殿の元へ連れて行った故、心配いらない。それでは御免!」シュッ

遊矢「え。それもありがと――!……消えた」

美玲「やっぱりあいつも変なヤツだな……」

柚子「……それじゃあ、また明日ね。遊矢」

遊矢「ああ。美玲も、ありがとう」

美玲「……ウチは何もしてないぞッ」

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