早坂美玲「雨宿りに失敗した」 (34)
美玲「…」
http://i.imgur.com/74yhcju.jpg
ざー
美玲「…」
美玲「…」
美玲「…」
美玲「……」ぷらぷら
・シリーズ
・ゆるい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395339273
ぱしゃ
楓「…ふぅ」ガサ
http://i.imgur.com/5Tca4U9.jpg
楓「少しぬれちゃった…ふるふる」
楓「…?」
友紀「ほっ」
http://i.imgur.com/56d5dL7.jpg
すとっ
友紀「うーん。今日の試合は中止かー。キャッツじゃないとはいえ唯一の試合だったのになー…」トコトコ
友紀「たいくつだなー」
ガチャ
友紀「おっ」
美玲「ん」
楓「こんにちは」
友紀「楓さんに美玲ちゃんだ。こんにちは!」
・・・・・
友紀「いやー。ここに来て主力に怪我が続いてるんだよね…でも大丈夫!新戦力に期待だよ!」
楓「そうなんだ」
美玲「…」ぷらぷら
美玲(楓、髪はねてる……もふもふだ)
美玲(…さわりたい)ウズウズ
友紀「この試合がさー」
楓「うんうん」
美玲「…」
美玲「…」ぷらぷら
美玲「……」ぼー・・
美玲「……」ぷらぷら
友紀「楓さん髪の毛少しぬれてるね。拭いてあげよっか」ゴソ
楓「へ…ああ、ほんと…。さっき払ったつもりだったんだけど…」
美玲(…犬みたいで可愛かったなー…)
友紀「キャッツタオルだよー」ポフ
楓「んぷ」
美玲「…」
友紀「へへーわしわしっと」
美玲「…」
美玲「ふん」プニプニ
友紀「あっくすぐ…あれっ美玲ちゃんどーしてあたしのことひっかくの!?」
楓「……」クス
美玲「べつになんでもない」プイ
友紀「すねちゃった」
美玲「すねてないッ」ガオッ
友紀「えいえい」プニプニ
美玲「あっこら。ウチのツメだぞッ勝手に使うなッ」
友紀「これ気持ちいいね」
美玲「だろ!…ハッ、ちが」
友紀「ん?」ニコ
美玲「…いや…うん。だ、だよな。へへッ…」
友紀「うん」
友紀「この素材でボールを作ったら室内でも安全にキャッチボールができたりしないかなー」モニモニ
美玲「なんでも野球につなげるなよ…」
楓(……雨、やまないな…おふとん干したい…おひさま、でろー…なんて)フフ…
友紀「雨はいやだねー。野球も中止になっちゃうし、キャッチボールもできないし」ぷらぷら
美玲「ふーん」ぷらぷら
友紀「あ、でも中止になったときの選手っていまのあたしと同じ気持ちなのかな!?ベンチからこうやって、あー、雨止まないなーって」
楓(ベンチちがい…ふふ…)
美玲「さぼれてラッキーとか思ってんじゃないの?」
友紀「き、キャッツの選手にそんな人いないもん!」
美玲「キャッツ限定かよ…」
楓(…ねこ限定…お昼寝スポットかしら…)
美玲「じゃあ、なに考えてんだ?」
友紀「…さ、さあ。あたしはプロの選手じゃないから分かんないよ…」
美玲「だったら友紀のさっきの台詞はうそだな」
友紀「……うぅ。そんな言い方しなくてもー…」シュン・・
美玲「…?」
友紀「ぐす」
美玲「えっ」
美玲「いや、ま、待って。待て泣くなよ!ウチが言うのもなんだけど、中学生に言い負かされるって、どうなんだ…オマエ」オロオロ
友紀「うわーん!美玲ちゃんがいじめるよぉ楓さーん!」ガバッ
楓「わっ」
美玲「…友紀、オマエ二十歳すぎてるよな…?」
友紀「そうだけど…まだ二十歳だもん!」
美玲(もんって。いやウチも言うけど…)
楓「ふふ。よしよし」なでなで
楓「こら。美玲ちゃん、友紀ちゃんをいじめたら、めっ、だよ」
美玲「ご、ごめんなさい…?」
友紀「うえーん」
美玲「酔ってんじゃないか?」
友紀「の、飲んでないよー!」
楓「めっ」プニ
美玲「あう」
美玲「わ、分かった。ウチが悪かった」
美玲「きっと友紀と同じで、野球選手も、今日はホームランが打てそうだったのにッくそぉーとか、思ってるよな。うん…」
友紀「……ただの野球選手?」グス
美玲「お、おう。キャッツのな」
友紀「…」ゴシゴシ
友紀「う、うん。そうだよね…キャッツの選手だってきっと、たいくつだし、くやしいよね。あたしと同じで」
美玲「そ、そうそう。オマエと同じで」コクコク
友紀「…へへ。うん!」パァ
楓「美玲ちゃんはあやしかたが上手だね」パチパチ
美玲(……なにやってんだろ)ハァ
友紀「えへへ」ニコニコ
友紀「ちなみにいまあたしはねー。あそこの水たまりにヘッスラすると気持ちよさそーかなって!」
美玲「怪我するぞ、ぜったい」
美玲「…具体的なあたまのなかみはぜったいちがうな。そんなこと考えてるわけないだろ」
友紀「…」
楓「……」ナデナデ
美玲「…あぐッ…また…ご、ごめ」
友紀「ふふ」ニヤ
友紀「ふふふ。ふふーん。それが考えてるんだなー」
美玲「……」
美玲「…」プニプニ
友紀「あっいたい、やめて、な、なんで」
美玲「そっちこそどや顔やめろ」プニプニ
楓「……」クスクス
友紀「はう…ちくちくする…」サスサス
美玲「ふんだ」
友紀「ご、ごめんごめん…」
友紀「でもねー。きっと考えてるんだよ?あのホームプレートの水たまりにつっこむと派手に水飛沫があがるだろうなぁって」
美玲「…?」
友紀「…」ニコ
友紀「きっとわあって歓声があがるんだろうなーって」
友紀「あたしがまだ小さいころ観に行った試合で一番思い出に残ってるんだー。戦ってもないのにね」
美玲「……」
楓「そうなんだ」
友紀「はい」ニコ
美玲「…」
美玲「…」フン
美玲「まだもなにも、オマエはいまでも小さいけどな。いろいろ」
友紀「えっ。美玲ちゃんひどいよー…むぎゅ」プニッ
美玲「…なんか…ごめん。う、ウチが悪かった」
友紀「……」ポカン…
美玲「…」プイ
友紀「…えへへ」
友紀「ううん。いいよーお姉さんやさしいから!しかし美玲ちゃんが素直だなんてめずらしいなー可愛いなーうりうりー」
美玲「うぐあッ…こ、こらあ!ふーどがとれ…あぁっもう!がんたいがずれるッやめろぉ!」ザシュッ
友紀「あぎゃあっ」
楓(楽しそうね)フフ
友紀「……」イタイ…
美玲「そ、それは謝らないからなッ」フシュー
友紀「え、えへへ…う、うん。ごめん…」サスサス
友紀「……」
ざああ
友紀「…だから、うん」
友紀「あたし雨の日ってけっこう好きだったり、きらいだったりなんだ」
友紀「やっぱり試合で魅せられなかったって、選手の気持ちは分かるし」
美玲「…ん」コク
楓「……」
友紀「ふふふ」プニ
美玲「みゅ…にゃ、にゃんだよ」
友紀「うん。美玲ちゃんなら分かってくれるんじゃないかなと思ったんだ」
友紀「今日もランニング行くつもりだったんでしょ?」
美玲「……」
美玲「……うん」
友紀「うん」
友紀「まあまだライブまで時間あるしねー。焦らずのんびりしまっていこーよ」
美玲「しまるのはオマエだけで十分だけどな」
友紀「ええっ。し、しまっていこーという心構えはなにごとにも通じるよー!」
美玲「初めて聞いたぞ」
友紀「じゃああたしが布教して行こう!キャッツといっしょに!」
美玲「キャッツってもうそこら中ファンだらけじゃん」
友紀「あーばれたかー。えへへーそうなんだよねぇ!」
美玲(…うざ)プニプニ
友紀「ふにぷ」
楓(……あれ今日おふとんちゃんとしまって来たっけ…)ハテ
・・・・・
ざー
美玲「なにか用事があって出て来たんじゃないのか?」
友紀「あっそうだった!あたしおなかが空いてるんだった!」ハッ
美玲「ばーか」
友紀「ち、ちがうってば!」
友紀「楓さん。よかったらいっしょになにか買いに行きませんか?」
美玲「…」
楓「ごめんなさい。私ちょうどお昼は買って来たところなの」
友紀「あーそっか…」
楓「ごめんね」
友紀「いえいえっ。じゃあ二人で行こっか美玲ちゃん!」
美玲「…なんでウチと行くのは決まってるんだよ」
友紀「ふふん。あたしが楓さん誘ったときちょっとあれッウチは誘われないのかッて思ったくせにー」プニプニ
美玲「思ってないッ」プニプニー
楓(ぷにぷに合戦……)キモチヨサソウ…
美玲「う、ウチは人を待ってるから、行けないんだよッ」ブニ
友紀「あうっ。うー…あ、そうなんだ。すねてたんじゃなかったんだ」
美玲「そうだって言ってるだろッ」
友紀「ぷふ。美玲ちゃんは素直じゃ――」
美玲「だ、だから、ごめん。誘ってくれたのは嬉しいけど…」
友紀(素直だっ)
美玲「…な、なんだよ」
友紀「…ううん」
楓「なでなで」
美玲「…なんだよぉ…」
楓「ふふ」
友紀「ふふふ」
友紀「美玲ちゃんは可愛いなぁ」
友紀「どうせなら美玲ちゃんがキャッツのマスコットになったらどうかな!」
美玲「ねこっぴーはどうするんだよ」
友紀「同じポジションで競わせて行こう!」
美玲「ベテランに厳しい球団なんだな…」
友紀「なーんて。へへっ」
友紀「じゃあ二人に振られたあたしは一人ぼっちでお昼ごはんを買いに行こうかなー」
楓「気をつけてね」
友紀「はい!」
美玲「ってかさはどうしたんだよ」
友紀「ん?今日はもってないよ。あ、でもフードかぶれば平気だよっ。そこのコンビニだし」
美玲「…」
美玲「…いや」
すっ
美玲「じゃあ、貸すから差してけ」
友紀「えっ…でも」
美玲「いいから」ジリ
友紀「い、いいよ!それビニール傘とかじゃないし、――とっ」
たたっ
美玲「あっ」
友紀「ふふー。美玲ちゃんはここまで来れないでしょ!」
美玲「とりあえずフードしろよ」
友紀「野球選手だって雨の中試合をすることはあるしね。マネージャーのころだってぬれることはよくあったもん。あたし、だからなんだか雨を浴びるのもそんなにきらいじゃないんだって!」
美玲「子どもか」
友紀「大人だよーだ」
美玲「…」ハァ
美玲(…そこ出たらぬれるし…でも)
美玲「ふん」
ざあああ
友紀「…」
美玲「…」
美玲「ん」
友紀「あ…うん」
美玲「ちゃんと持て」
友紀「う、うん」
美玲「…」
美玲「ばーか」
友紀「ち、ちがうよぉ」
美玲「へへ」
友紀「…あはは」
楓「ばかは二人です」ペチ
美玲「あうッ」
友紀「いたい」
楓「風邪ひくよ。もう」
友紀「はーい」
美玲「…いや、楓もかさ差してないじゃん…」
楓「…?あ、ほんとだ」
美玲「えぇー…」
友紀「三人ともばかだ!」アハハ
美玲「ウチをカウントしないで欲しい」
楓「ほ、ほら。私はタオルがあるから…」
美玲「タオルがあるからぬれてもいいって聞いたことのない理屈だな…」
友紀「しかも楓さんそれあたしのタオル」
楓「て、てへ…」
美玲(かわいい…)
友紀(かわいい。ずぶぬれになりつつあるけど)
楓「…ふふふ」ニコニコ
友紀「…あはは」
美玲「……へへ」
友紀「ま、まあとにかく…ありがと美玲ちゃん。じゃあ…借りるね」
美玲「おう」
美玲「…たまになら付き合ってやるよ。ぬれるの」
友紀「うん。ありがと」クス
美玲「うん」
友紀「じゃあ二人ともまたあとで!」パシャ
美玲「おー」
楓「気をつけてね」
・・・・・
ぱしゃっ
友紀「♪」
友紀「うん。やっぱり雨の日って好きだな、あたし…えへへ」
友紀(…美玲ちゃんのかさ、可愛いから、ち、ちょっと恥ずかしいんだけど…)
友紀「…たまにはいいかなこんなのも。うん。ふふ」
・・・・・
ガチャ
楓「…」ガサ
P「…あ、楓さ…って」
P「どうしたんですか。すごくぬれてますが」
楓「あ、これはその……」
楓「ふふ。たまには雨をわーって浴びてみるのもいいかなって…」
P「いいわけないです」パサ
楓「わぷ」
P「風邪ひきますよ」わしわし
楓「はーい。えへへ。ありがとうございます」
P「…反省してなさそうなので今日はおやつ抜きです」
楓「ええっ。そ、そんなぁ…」
比奈(おやつとか出てたんだ…)
・・・・・
美玲「…」ぷらぷら
もふもふっ
美玲「……お」
仁奈「はぷ…ふあ」ハー
仁奈「美玲おねーさん…お、おくれてもうしわけねーですよー…はふー…」
美玲「ううん。…お、おつかれ。大丈夫か?そんなに急いで来ることなかったのに…」
仁奈「…」
美玲「…なんだよ」
仁奈「みれーおねーさんがやさしいでやがりま…いてーですいてーです」プニプニ
美玲「ふん」
美玲「よけいなこと言うな」
仁奈「…す、すいませんです」
仁奈「…?あれ。おねーさんなんだかぬれてやがりますよっ。仁奈がふいてあげるです」ゴソゴソ
美玲「あ、うん。ありがと」
仁奈「モフルの出番でやがりますね!」パンパカパーン
美玲「原形をとどめてないな」
仁奈「失礼しやがりました。失礼しやがります」モフモフ
美玲「うん。う、くすぐった…ふふ」
仁奈「……」モフモフ
仁奈「おねーさん。今日はなんだかうれしそーですね」
美玲「…。そうか?」
仁奈「はい。とっても笑顔でやがりますよー」
美玲「…………」
美玲「そっか」ニコ…
仁奈「…」
仁奈「わあ。おねーさんがすなおでやが――いてーですいてーです」
美玲「怒るぞー」プニプニ
仁奈「もうおこってるですよ」うえーん
美玲「…へへッ。ま、そうかもな」
美玲「……雨もいいかも。なんかさっぱりするし。へへ」
・・・・おしまい
おわりん
相変わらず平和な話でした
今回のみれーちゃんすごい可愛い楓さんうつくしい
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