千早「ヒカルの碁?知らないわ。」 (30)

春香「またそんな昔の漫画読んできたの?久しぶりなんだから、もっと新しい流行ってるやつ読みなよ」

千早「読んでないわよ。知らないって言っているじゃない」

春香「いやこの流れは絶対知ってる時のパターンだから」

千早「本当に知らないわよ。付き合っていられないわ。もう帰るわよ」

春香「あっ待って!千早ちゃん!」

千早「何よ?」

春香「千早ちゃん…アイドル始めてどれくらいになるんだっけ?」

千早「千年b」b

春香「やっぱりヒカルの碁知ってるじゃん!」

千早「知らないわ。」

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P「いやぁ、天気予報で雨って言ってたから一応傘持ってきておいて正解だったな」

千早「ええそうですね」

P 「まぁだけど思ったよりも雨が強いから足は濡れちゃうけどな」

千早「…」

P「どうした千早?何か考え事か?」

千早「いえ、人間が月に行く時代だというのに傘は1000年前から変わらないなと思いまして…」

P「ん?言われてみればそうだな。」

春香「ヒカルの碁…」

千早「知らないわ。」

律子「こら!待ちなさーい!」

真美「逃げるぞ亜美隊員!」

亜美「ラジャ!」

千早「真美、亜美…」

真美「えっ?」

亜美「どうしたの千早お姉ちゃん?」

千早「おいたがすぎると、こうやって私みたいのが呼ばれるのよ」

亜美「うん?」

真美「どういうこと?」

春香「ヒカルの碁」

千早「知らないわ。」

春香「プロデューサーさんのおごりでカフェですよ、カフェ」

P「2人とも今日は頑張ったからな、好きなもの頼んでくれ」

春香「うーん、どうしようかな…これもいいし…」

P「はは、まぁゆっくり考えてくれ」

春香「あーでもこっちも捨てがたいなぁ…うーん…」

千早「長考かい?」

春香「…」

P「おっ、千早はコーヒーか。しかもブラック、大人だな」

千早「…」ズズ

P「ところで2人はこんなアイドルになりたいっていう目標とかあるのか?」

春香「えーと、そうですね、私は…」

千早「ははは」

春香 P「!?」

千早「へらへら笑いながら塔矢が目標?あきれるというよりは失望したわ」

P「…塔…矢?」

春香「いやまだ何も言ってないから、というか千早ちゃんやっぱりヒカルの碁知ってるよね?」

千早「知らないわ。」

貴音「なんと、そのようなことが…」

春香「そうなんですよ、それで…」カクカク

千早「…負けました」ボソッ

春香「…だからプロデューサーさんがそのあと…」シカジカ

千早「…負けました」ボソッ

春香「…って言うんですよ、笑っちゃいますよね」

千早「…負けました」ボソッ

春香「ってもう!私にしか聞こえない声で負けましたって言うのやめてくれる?別に何にも負けてないよね?千早ちゃんヒカルの碁好きすぎるよ」

千早「…知らないわ。」ボソッ

春香「あれ?見たことない人からLINE来てる」

春香「えっと、名前は…pai…」

pai『ツヨイダロ オレ』

春香「よし!ブロックですよ、ブロック」

春香「おはようございます!」

千早「ようこそ1組へ」

春香「お疲れ様でした!」

雪歩「…前から…に…ジゴ…ですよね」ヒソヒソ

千早「」ビクッ
小鳥「」ビクッ

貴音「響が…ジゴ…ないですか」ヒソヒソ

千早「」ビクッ
小鳥「」ビクッ

やよい「あのージゴr……知ら……意味ですか?」ヒソヒソ

千早「」ビクッ
小鳥「」ビクッ

春香(たぶん二人がそれぞれ思ってる言葉と違う言葉だろうけど…関わらないでおこう…)

春香「おはようございます!」

小鳥「おはよう春香ちゃん」

ワーワーガヤガヤ

春香「あれ、なんか盛り上がってますね?何かやってるんですか?」 

小鳥「あーあれは、今度各事務所対抗のデレステ大会があるんだけど、それの事務所代表を決めているのよ」

春香「へーそうなんですね」(せめてミリシタの大会出ろよ)

小鳥「今ちょうど千早ちゃんと伊織ちゃんね」

伊織「フルコンボなんて当然の結果ね!」

千早「くっ…なんでこんな強い子が同じ事務所にいるのよ、勝てるわけないわ」

やよい「うう…」

春香「あれ?やよい?どうかしたの?」

やよい「あっ春香さん…なんかトイレから変な音と声が聞こえてきて…」

春香「トイレから…?ってまさか!?」

トイレ

??「…だからあの時のこれが…そうよ間違いないわ…」トントン

春香「千早ちゃん、ヒカルの碁知ってるでしょ?」

??「…知らないわ…」トントン

春香「おはようございます!」

小鳥「おはよう春香ちゃん」

ワーワーガヤガヤ

春香「あれ、なんか盛り上がってますね?また何かやってるんですか?」 

小鳥「あーあれは、今度各事務所対抗のスクフェス大会があるんだけど、それの事務所代表を決めているのよ」

春香「いやだから、ミリシタの大会出ろよ」(へーそうなんですね)

小鳥「今ちょうど千早ちゃんと美希ちゃんね」

美希「やったのー!フルコンボなの!」

千早「くっ…なんでこんな強い子が同じ事務所にいるのよ、勝てるわけないわ」

春香「ヒカルの碁…」

千早「知らないわ。」

春香「千早ちゃん、負けちゃったけどドンマイだよ!」

千早「ありがとう、春香」

春香「それにしても、最後一気に崩れちゃったね…集中力切れたとか?」

千早「さっきの勝負?あれは、私が自ら大きなハンデを背負っていたと考えると納得がいくでしょ?」

春香「なんのために!?ていうかそのセリフ自分で言うのかなりダサいよ千早ちゃん!」

ライブ中

千早「この瞳 君の瞳に 映るどんなモノも 見極めて見せるよ 真実だけ」

千早「たとえ現実がきつく 埋もれそうでも こんな場所で終わる僕じゃない」

ライブ終わり

やよい「ちはやさんお疲れ様です!」

千早「ありがとう、高槻さん」

やよい「私すっごく感動しました!今日のライブ見て私ももっと頑張ろうって思いました!」

千早「…今分かった。神はこの一曲を高槻さんに見せるため私に千年の時を長らえさせたのね…」

春香「ヒカ…」

千早「知らないわ。」

千早の家

春香「明日休みだからってだいぶ夜更かししちゃったね。そろそろ寝ようか千早ちゃん?」

千早「そうね、でもその前に高槻さんの話をしましょう」

春香「もう千早ちゃん、ほんとそればっかり。いいけど、それ終わったら寝るからね」

カクカクシカジカ タカツキサン

千早「ああ、そうだ春香」

千早「春香」

千早「ねぇ春香…あら?」

千早「私の声とどいてる?春香」

千早「楽しか」

春香「」クークー

千早「つらい想い出とか いくつあったのかな?」

千早「どんな楽しい日を これからは大切にしていくのかな?」

春香「あーもう!あのEDに入るシーン良かったのは分かるけど、寝てるんだから歌わないで!」

千早「知らないわ。」

あずさ「困ったわ…どうしましょう…」

春香「あずささん、どうかしたんですか?」

あずさ「春香ちゃん…えぇ…大変なのよ、伊織ちゃんがいなくなっちゃったの…」

春香「えっ?伊織が?今日誕生日なのに…どういうことですか?」

あずさ「今朝、千早ちゃんと伊織ちゃんで秘密の会合をしてるときに、千早ちゃんがふと気がついたら伊織ちゃんがいなくなっていたらしいのよ」

春香「あの二人の秘密の会合って…まぁそれは置いておいて…で、千早ちゃんは?」

あずさ「伊織ちゃんは広島にいるかもしれないって広島に向かったわ。あら、ちょうど千早ちゃんから連絡が来たわ。もしもし…」

春香「貸してください。あっもしもし千早ちゃん?絶対ヒカルの碁しっ」

電話千早『知らないわ。』

事務所

千早「水瀬さん…どこにいってしまったのかしら…社長、水瀬さんがいそうな場所どこか知りませんか?」

高木「うむ、そうだね…あそこならばもしかして」

千早「心当たりがあるんですか?教えてください」

高木「ついてきたまえ…」

とある部屋

高木「この部屋だ」

千早「この部屋は…?」

高木「ここは水瀬くんが集めた古今東西の高槻くんに関する資料が保管されている部屋だ。水瀬くんはいなかったが好きなものを見るといい。では私は戻っているよ。」

千早「…」

千早「…。…。」

千早「…凄い…この高槻さんの盗撮写真、言われてみればこの瞬間しかないと思えるような撮り方…天才だわ、水瀬さん…」

千早「私はバカよ…水瀬さんの才能に気が付きもせず、高槻さんの盗撮を交代制にしたり…全部…最初から全部水瀬さんにやってもらえば良かったのよ!私もう高槻さんのこと盗撮したいなんて言いません!だから…神様!お願いよ!はじめにもどして!水瀬さんと会った一番はじめに時間をもどして!」

春香「のワの」

事務所

響「千早、久しぶりだな」

千早「我那覇さん…中国に行っていたらしいわね」

響「そうだそ。それより千早、最近盗撮サボってるらしいな」

千早「ごめんなさい、私はもう盗撮をやめたのよ」

響「やめた!?本気か!?」

千早「…」

響「千早、今から一緒にやよいを盗撮しよう」

千早「我那覇さん、私はもう盗撮はしないの。私の心配なんてしないで。」

響「違うぞ、これは千早のために言ってるんじゃなくて、自分のために盗撮してほしいんだぞ…頼む自分のために一緒に盗撮してくれ千早」

千早「分かったわ…」

春香「ここだけ見ると千早ちゃんが一般人で響ちゃんだけが超変態に見えるよ…」

響「ちょうどやよいが帰るところだ!行くぞ!お願いします。」シュッ

千早「お願いします。」シュッ

千早(…いけない。ワクワクしちゃいけない!)

響(交差点のベスポジは取られたけど自分の方が厚みで勝る。千早は妥協しない、しかもよく読んでくる。読み比べなら中国で鍛えた自分は負けない!今だ!)

千早(反発された…サバキの筋に入ったわね…だけどキリが一本入るから形勢には響かない)

響(またキカシてきた…ここは受けてはいられない…地合いで遅れるわけにはいかないぞ!)

千早(我那覇さんのポイントが浮いた!これを攻めながら裂いて出れば…)

響(ここを連絡できれば…)

千早(くっ、攻め取り…)

響(これで形成はまだ五分、まだまだ!)

千早(…我那覇さん)

響(…千早)

千早 (上手くなった)
響(上手くなった)

春香「えっ盗撮ってこんなバトル漫画みたいなことするの!?」

千早(このまま右側のポジションを確保できれば…!!…)

響「…くっ…?千早…?」

千早「…この撮り方…」

千早「水瀬さんが撮っていたのよ、こんな風に…」

千早(いた…どこを探しても居なかった水瀬さんが…こんな所にいた…)

響「…千早?」

千早(水瀬さんがいた…どこにもいなかった水瀬さんが…)

千早(私が盗撮した写真と動画の中に…こっそり隠れてた…)

千早(あなたに会うただ一つの方法は、盗撮することだったのね…)

千早(私、盗撮してもいいのかしら…?)

響「…千早」

千早「我那覇さん、私、盗撮してもいいのかもしれないわ」

響「何か…苦しんでたみたいだな、今まで…」

千早「盗撮するわ、私。これから何十回でも何百回でも何千回でも…我那覇さんや春香たちと…」

響「あぁ、自分も同じ道を歩きたいぞ」

千早「ありがとう我那覇さん。私もここから再スタートするわ」

春香「いや、本当に最低だ!ここまでずっと何も言わないで来たけど、謝れ!ほった先生と小畑先生に謝れ!」

善澤「じゃぁ最後に一ついいかい?」

千早「はい」

善澤「如月君は何故アイドルをしているのかな?」

千早「…遠い過去と遠い未来をつなげるため」

千早「そのために私はいます」

春香「ヒカルの碁」

千早「知らないわ。」

小鳥「聞いたわよ千早ちゃん」

千早「えっ何をですか?」

小鳥「千早ちゃん、ヒカルの碁読んだんですって?」

千早「いえ、別に…」

小鳥「面白いわよね。私も中学生の時読んでたわ。漫画も全巻持ってるし、今だに時々読み返しちゃうもの。ヒカルの碁の面白さって本当に凄いわよね。よく囲碁が分からなくても楽しめるって言われているけど、棋譜とかはしっかり考えられたものを使っているから囲碁が分かるとさらに楽しいのよね。そしてなんと言ってもヒカルとアキラ君のライバル関係よね。ヒカルはアキラ君を、アキラ君はヒカルの中の佐為をそれぞれ追いかける。
この関係を作り出したのが凄いわよね。なかなかライバル関係で同時期にお互いがお互いを追いかけるってないのよね。普通は片方が追い越してまた追い越されてを繰り返すのだけど。そして何を隠そう伊角くんよね。伊角くんがいたから今の私があると言っても過言ではないわ。ほんと伊角くんには色々とお世話に…」

千早「音無さん…」

小鳥「えっなにかしら?」

千早「黙れ」

小鳥「ピヨッ!?」

春香「千早ちゃん、ヒカルの碁…」

千早「知らないわ。」

春香「久しぶりに千早ちゃんとカラオケ行ったけど、やっぱり千早ちゃん上手だね」

千早「春香」

春香「えっなに?」

千早「本当はどう思ったのかしら?」

春香「いや、普通に上手いって思ったよ」

千早「他には?それだけかしら?」

春香「えっうん、だから上手いって思ったよ」

千早「他には?ほら、特に1年半前と比べてとか」

春香「…」

千早「特に1年半前と比べてとか」

春香「まぁ、その…以前の千早ちゃんの方が、それでもやっぱり上手かったような…」

千早「…」

春香「あっごめんね、気にしないで」

千早「いいえ」

千早「私もそう思うわ」ニコッ

おわり

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