スマホゲームに転生した件について (37)
男「本当ですか?」
神「神が言うのだから、間違いないのだよ」
男「転生したスマホゲームでシナリオクリアすれば、現実でなんでもやりたい放題というのは、にわかに信じがたいですが
神「信じなくてもいい。だが、事実は事実だ。何人もの人間がこの道を通ってきたのさ」
男「ふーむ。ということは、今まで実績はあるんですか」
神「そうだねえ。この世で成功者と呼ばれている人間の一部は、このゲームのクリアした者であることは保証するよ、神だからね」
男「胡散臭い宗教みたいな文言ですね」
神「君の中での神への認識がそうなっているのだから仕方ない、言ってしまえば、僕の存在がそれの証明さ。夢の中に生まれて、君に幸福を与える。この夢において僕は神だ。分かっているんだろう」
男「まあ、これが夢だという自覚はあります。本当の現実は明日の出張に備えて、夜9時に就寝したはずです」
男が現実の話をすると、神の肌の表面が電子レンジに入れられた卵のように、ぴしりと大きいヒビが入った。
神「おい、不用意に僕の世界を壊さないようにしてくれ。現実はあまりにも強いから、この世界には劇毒なんだ」
男「夢と現実は相反するものですか」
神「そうだねえ、相反するものだけれど元は親子さ。夢は現実によって隷属される。夢は、卵。卵は鶏がいないと生まれない。その卵の可能性は鶏によるんだ」
男「その理屈だとこんな夢を見ている私は、相当な頭パッパラパーなのですね」
神「卑下するなよ。夢に貴賤はないんだから。今はただ現実を忘れて、時間経過が現実に比べて遅いこの夢の中で、悠々自適にスマホゲームライフを楽しむといい」
男「スマホゲームライフ…私は恥ずかしながら、スマホゲームというものをしたことがないのですが、初心者でも楽しめますか?」
神「スマホゲームはひと時の退屈な時間を紛らわす、邯鄲の夢。ただ一つのことを守れれば、仲間たちとともに素敵な生活を送れるはずさ」
男「その一つとは?」
神「課金、さ」
冷たい風が、男と神の間に流れる。
男「夢の中なんですよね?」
神「夢にも秩序がある。秩序を守らなければ、スマホゲーム世界が壊れてしまう」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1606653408
神「そうだ、忘れてた。君には敵がいる」
男「敵…どんなゲームにでも出てそうですが、それとは別枠ですか」
神「そうまったくの異質の存在、チーターだ」
男「…」
神「世界を汚染し、自己の欲望のままに荒らす無法者。神の仇というか、世界の仇だ。いくつもの世界が崩壊した」
男「チーターってそんなことできるんですね」
神「ある意味で、神の力を使える存在と表現できるね。もし見かけたら、逃げたまえ。」
神「立て付けば一瞬で殺されるぞ。その場ではスタミナが減るだけだが、そのあとがしんどいだろう」
男「そのチーターには気をつけますよ」
神「さて、長話もこれでおしまい。君もそろそろ冒険が気になるだろうから、始めようか。君だけの冒険がね」
男「実際のところ、ストーリーは全ユーザー同じだと思いますが、乗っておきます」
神「一言多いんだよ。さあ君がこれから始めるゲームは、天使とはかくや。というゲームだ。簡単に言えば天使を集めて悪魔を倒す感じだね」
男「はあ」
神「君のアカウントには一万円を振り込んでおく。このお金で大体のことはできるはずさ」
男「一万円で大体のことができるとは、素晴らしいコストパフォーマンスですね」
神「いずれ、足りなくなってしまうかもね。そのときは、またお話しよう。じゃあ、いってらっしゃい」
男「では」
男は一礼して、その場を去った。やがてチュートリアルが始まるはずだ。
神「さて、始めようか。くそったれな世界への前奏曲を」
安価直下
コンマ 偶数:キャラ、奇数:武器
01~04:SSR
05~20:SR
21~99:R
追記 00はUR昇進予定のSSRキャラが手に入ります。
71…R武器
鬱蒼とした森林を、男は歩いていた。
木々の間から覗く空は雲が千々にちぎれ、その隙間から毒々しい血が幾筋も垂れている。
それがこの世界の平常とみるにはあまりにも、非現実的だと男は感じた。
早急に安全を確保する必要がある。というわけで、ガチャを引く。
男「最近のゲームは特に説明もなく、まずガチャが引けるんだ…」
それがリセットマラソン対策ということは知らない男は、早速ガチャを引いた。
ガチャリ
ガチャ券を中心として時空がゆがんで、目の前になにかが現れようとしていた。
やがて薄水色の閃光とともに、美しいトランペットが鳴り響いた。
曰く、スマホゲームのすべて。
曰く、射幸心ゆえに破産するものもいる
曰く、お金を払えば無料でガチャを引ける
ガチャとはつまりそういうもの――――人々の夢であり希望なのだ!!
あなたは R武器 権丈 を引いた。
その武器の説明には傷を癒す効果があるとかなんとか書いてある。
とりあえず男はR武器である権丈を、肩に背負った。
しばらくして肩が痛くなった。
男は権丈をその場に置いて、再び歩き始めた。
男「誰か」
男「誰かいませんか」
時折立ち止まっては声を張り上げて、耳を澄ませる。
「-----!!」
前方で、金属製の食器をすり合わせるような耳障りな音がした。
男が恐る恐る近づくと、それが巨大な口に生えた犬歯が擦れる音だと判明した。
全長5mほどもある巨大な3頭犬が、一匹の白鳥を前足で抑えていた。それまで白鳥が逃れようと暴れたのだろうか、周囲には朱が混ざった白い羽毛が一面に広がっていた。
生態系の掟といえばそれまでだが、凄惨な光景に思わず息をのむ。
反撃の手段を摘むために3頭犬は、白鳥の右翼をその巨大な犬歯で挟む。
その一瞬後、白鳥の片翼がぶちぶちと一本ずつ神経と筋肉が引き千切られた。
悲痛な鳴き声が辺りに一瞬響いて、恐ろしいほど静かになった。
男はそれからの白鳥の変化に息を飲んだ。
片翼をもがれた白鳥が人の形をなしていく。美しい純白の羽毛は銀灰色の長髪へ、黄色の嘴は薄桃色の唇へ、だがその背中から生えた翼は片方だけだった。もがれた翼が再生する様子はない。歪な、変化だと男は思った。
「おーいお前、なに見てるぴょん」
心臓が喉まで飛び上がった。3頭犬に備わった3つの頭が
6つの可愛らしいつぶらな瞳が
男を見ていた。
「次はお前だぴょんよ」
男はなにも言わずに、一歩下がろうとする。
「ぐひひひひひひひっ!」
よだれをまき散らしながら、一気に跳躍した3頭犬が男に覆いかぶさった。
「お前の翼はどこにあるぴょん???お前の瞳に映った怒りと絶望は死んだあとどこへいくぴょん??早くおしえてぴょん????」
3頭犬の爪が胴体にくいこみ、肺が空気に押し出され悲鳴をあげている。
男「…っ…」
それから、無理やりうつ伏せになるよう前足で転がされる。
「あれれ、お前、神族に近い気配があるくせに翼はないぴょん。あの方とおなじぴょんねえ。ぐひひひひひひひっ」
3頭犬は心から、おかしそうに笑った。地面が揺れるほど、しっぽを叩きつけて、哄笑した。
しばらくよだれを男の上に垂らしたあと3頭犬は、男に告げる。
「お前おもしろくなる可能性があるぴょん!!だから、それまで生かしてあげるぴょん!これから辛くて死にたくなるだろうけれど、がんばれぴょん!」
そう言い残して、3頭犬は男と「白鳥」を置いてどこかへと走り去った。
男「がんばれって言われても、な」
男はその気配がなくなったことを確認してから、ゆっくりと立ち上がった。
怪我はないし、体中からひどい臭いがするくらいだ。
そして―――もとは白鳥、今は人型となった存在は、全裸で静かに横たわっている。
見るものをはっとさせる美貌と、背中に生えた翼。
男は、起こさないようにその子へ近づいた。
玉のような柔肌には、赤いみみずばれが幾つも走っているが恐らく問題ない。
だが、あの巨大な前足で抑えられたことによる内部出血は体中にひろがっていた。おそらくこれが一番の問題だ。
男は天を仰いだ。
「えっと、今から権丈を探しますから、待っていて下さい。きっと治ります」
安価直下
果たしてその子は治るだろうか?
R武器による補正+10%
権丈による【治癒】=
ゾロ目はあったほうが面白いかな。次の安価+22%で。
途中送信したので追記
異世界から来た男は戸惑っており、うまく実力を発揮できません。あるいは生まれ持っての不器用なのでしょうか。
いずれにせよ、そのことを本人は内心苦々しく思っているようです。
男はガチャ以外の基本判定が20%、それにレア度による+補正が掛かります。
R武器による補正+10% SR:+20% SSR:+30%
権丈による【肉体の治癒】= 20+10= 30%
コンマ0~30で成功 → 成功!
権丈とは、羊飼いの用いる杖に由来する。信徒は羊にして、司教の振るう権丈によって守り導かれる。
権丈の機能の中でも【治癒】は、悪魔とその眷属によって傷つけられた信徒を癒し、その傷が広がらぬようにした。
男「こんな説明文で、顧客になにが伝わると思っているのでしょうか。この企業の製品はもう使いませんからね」
謎の子「ッ…ぁ…」
男(ひどくうなされているようだ。同情はする。いくつか手を打ってみるが、あまり効果は期待できない)
男「治れ」ブンブン
謎の子「…」
男「治ってください」ブン!
謎の子「…」
男「なんでもしますから治してください」スッ
謎の子「…」
男「聞こえていたらごめんなさい。ふざけているわけではなく、使い方が分からないのです」
男「彼の者は、迷い傷つく子羊。汝、彼の者に【治癒】の慈雨を齎せ」ピタ
権丈がぼんやりと光り始めた。
そして目の前の子に向けて、柔らかな光を注ぎ始めた。
男「おお」
すぐ光は消えた。
男「もしかして、杖で相手に触れて、詠唱し続けることが必要なのか?」
およそ30秒唱え続けた結果、権丈から出た謎の光によってその子の内部出血による赤黒い痣の色が薄まっていくのが分かった。
男「わたしは、なにしてるんだろう」
若干声が掠れてきたところで、ふと正気に返る。
この子の胸の動きから心臓は動いているようだったし、呼吸もしていたから、そのまま回復姿勢を維持させたまま助けを呼びに行った方がよかったかもしれない。
それでもこの不安定な方法に頼ってしまったのは、さきほどの化け物と出会いたくないという思いによるものだった。
男「スマホゲームのキャラはこういう状況でも平気なのだろうか」
この男は知らないことだがスマホゲームでは、序盤、事件に関わることでなにか神がかり的な能力を発揮し、仲間として見込まれることが多い。
だが、もちろんそんなことはない男は不安になり、謎の子が目覚めるまでの間
アカウントに入っている一万円の使い道を調べた。
現在解放されている使い道は主に3つ
① 初心者SSRキャラ確定1回有償ガチャ(3000円)
② スタミナ(男とその仲間の瞬間的な全体回復)
③ 10連ガチャ(キャラ武器混合)(3000円)
男「初心者って書いてあるから、①がいいのだろうか」
男は知らないことだが、多くのゲームで初期SSRはすぐにインフレに呑まれてしまい倉庫番をすることがよくある。だがこれは罠だと断ずるのは早い。SSRを手に入れることでストーリーを早く進め、育成をいち早く進めることが、ゲームクリアへの最短になりうるのだから。
謎の子「あ…あなたは…誰?」
はっと気が付くと、謎の子が目を細めて男を見つめていた。
男「失礼しました。わたしは…」
安価直下
異世界で、初対面の相手に自分自身について尋ねられた。異世界転生した気分でノリノリで答えてみよう。
① 安価自由
② 記憶喪失だ
③ 神だ(注 悲劇ルート)
男(この場合はわたしが誰かというよりは、これからどうあるべきについて話した方が生産的でしょう
スマホゲームライフを楽しみに来たとは言いづらい雰囲気ですし)
男「わたしは世界を救うものです」
謎の子「…それは…信じていいの」
男「ええ、いつの日か、叶えます」
謎の子「そのときは、私も救ってくれますか」
謎の子は、自身の胸を赤い血が流れるほどに掴んだ。
それほどに、その問いはこの子にとって大切なようだ。
わたしも種族は異なれど赤い血が流れている人間、誠実に答えよう。
男「はい、あなたを救います。世界を救ったあとでよければ」
この嘘をつくことに、一瞬躊躇った。
これを嘘にしてしまったら、きっとわたしは後悔するだろうから。
だけど、世界を救えたのに、目の前の子を救えないことなんてないだろう。
わたしは、自身が都合よく楽観的になれることを知っていた。
男「そういえば、君のことについて、聞いてもいいかい」
謎の子「私の名はルシファー。…天使だった」
謎の子、【R ルシファー】が仲間になった。
R ルシファー
パッシブスキル 【魅力】 対象技能+10%
相手の心を引き寄せやすいでしょう。この能力は、【魅力】を使用した技能に成功するたびに強まります。
安価直下
【R ルシファー】の使用する武器の種類について自由にどうぞ。
習熟の度合いについては、そのコンマ00~100までの値がその武器に関する技能の成功率としてこれから適用されます。
【R ルシファー】 は槍(49%)に適正があるようだ。
男「しかし、手持ちに武器はありませんし、この場合武器を手に入れるには、ガチャですか」
多くのゲームでは、武器を始めとした装備がガチャに入っている。
しかし、キャラと武器が混合したガチャはキャラを外れた時のぱない喪失感から総じて非難を受けやすい傾向がある。
また武器は比較的インフレしやすい傾向があり、ユーザーの主義主張による軋轢を生みかねないため、そうしたゲームは敬遠されることが多い。
こうした問題を避けるために、誰にでも入手可能なイベントなどで強武器を手に入れられるように設定しているのが昨今の流行りである。
ただ、男は無知だった。
男「ここでガチャ引いてもいいですね」
ルシファー「…がちゃ?」
男「こちらの話です。それより、服などは着られますか」
ルシファー「…天使に、服はいらなかった」
男(文化の違いによる、違和感と無意味な探り合い。ここではわたしも脱ぐべきなのでしょうか)
男がズボンに恐る恐る手をかけたところで、ルシファーが眉をひそめた。
ルシファー「あなたはしなくていい、神族は天使ではないから」
男「あ、はい」
男(少しだけ、やってみたかった気持ちはありますが、今は我慢しましょう)
男「それでは、ルシファーさん、あなたも服を着てください」
ルシファー「断る」
男「あなたの格好は目立ちます。全裸で恥ずかしくないのですか」
ルシファー「この美を誇っている。その証拠にあなたもさっきから、じっと見ている」
男「それは気になるでしょう、全裸の人がそばにいたら」
ルシファー「私は…ひと」
男「そういえば、さっき自分のことは天使ではないとおっしゃっていましたが、あれは」
ルシファー「…今は半分人間、半分天使のようなものだ」
白翼を勢いよくはためかせる。ただし、左だけ。ルシファーの右の翼は、もうない。
男「わかりました、なら下だけでも履きましょう。上は裸でいいですから」
ルシファー「それなら左右で、隠すのがいい」
男「いやいや、そんな世紀末ファッションは天使にはふさわしくありませんって。スタンダードこそ王道です」
ルシファーはなだめすかされ、ようやくその条件を飲んだ。
ルシファー「…あなたがそれを望むなら、従うことにする」
男「よかった。わたしのズボンを」スッ
ルシファー「必要ない」
ルシファーが片手をあげると、散らばっていた羽毛が瞬く間に集結し交じりあい、一枚の布を形成した。
それを腰に巻いて、不機嫌そうに男の方を向いた。
ルシファー「あなたは、これがいいのか」
男「よく似合っていますよ」
ルシファー「うるさい、あなたはズボンを履くべきだ」
あわててそっぽを向いたルシファーの表情を隠すように、白翼がルシファーに巻き付いた。
行動安価直下
① 町へ向かう
② 初心者SSR確定1回ガチャ
③ 武器キャラ混合10連ガチャ
④ 自由
また明日
一回限りのSSRキャラ確定ガチャだ…。
SSRキャラは強力なパッシブ能力と必殺技を1つずつ持っているぞ。
願わくば――――頼れる仲間を!
>>24
パッシブ能力と必殺技はなんだろう?ガチャの目玉だ!(武器自由)
>>25
どんなキャラだろう?見た目、背景や性格など、思いついたのを書き込め!ハゲでもいいぞ!
パッシブ:全味方ステータス累積バフ(時間経てば経つほど上昇パーセンテージが上がるアレ)
必殺技:相手のターンスキップ
武器は本
白髪と白い服と白い翼の天使の女性
性格は普段は気弱で引っ込み思案だがやるときはやる性格
ガチャ券から発せられた虹色の輝きが、世界を彩る。
男「こ、これがSSRか!?」
ルシファー「どうかしたの」ヒョコ
熱い、熱い!胸の鼓動が耳元で鳴っている。
男「見てください!新しい仲間が、来るんです!」
ルシファー「…これは」
目も眩むような閃光と共に現れたのは、白き少女と、黒き鳥だった。白き少女は黒き鳥の翼に守られるようにして、立ちすくんでいる。
黒き鳥「ラジエル、どうやら俺たちはこの男に召喚されたみたいだ」
ラジエル「あ、うぅ。この人、手を叩いて喜んでいる…こわい」ブルブル
黒き鳥「そして、その隣には…ルシファー。お前のような優れた天使が、なぜその男といる?」
ラジエル「ルシファー…その翼は」
ラジエルはルシファーの姿をみてひどく衝撃を受けたようだった。
ルシファーは微塵も気にかけてない様子で、後ろ髪を指で這わせた。
ルシファー「私の失敗なの」
ラジエルの表情に一瞬浮かんだのは、憐憫と疑念だった。
ラジエル「もし、この人がルシファーに何かをしたのなら―――」
ラジエルは男の方を向いた。
男「…ふふ、SSRか、不思議といい響きですね。スーパースペシャルレアなわけですから。しかもしゃべる烏までついてますよ。」
ラジエル「ひぃっ」
ルシファー「この男は悪いモノではないよ、ラジエル」
黒き鳥「ただの人間でもあるまい。天界にいる天使を呼び出すなど、高位の召喚術であろう」
ラジエル「であろー」
ルシファー「私たちは、世界を救うために協力しあっている」
男「その通りです」
ルシファー「もし、ラジエル。天界の知恵と呼ばれる、君がついてくれるなら心強いことこの上ない」
ラジエル「う」
ラジエルは居心地悪そうにもぞもぞとし始める。
ルシファー「それと君もだよ、世界の果てまで飛び、神にその知識を伝えたといわれる烏、【黒き鳥】レイヴ。君がいれば、世界は縮こまって見える
だろう」
黒き鳥「…」
ラジエル「えっと、お誘いはうれしいのですが、お断りします」
ラジエル「実は、外の世界をみたいのが本音です。レイヴから聞いた世界を自分の目で見てみたいと思います。でも、私は【封じられし大図書】、
天界の書物を守るのが、私の使…」
黒き鳥「いいだろう、ラジエルを連れていけ」
ラジエル「ほえ」
黒き鳥「戦火の上がっている天界より、こちらの方がいくらか安全だ。それに俺はこの戦争を見届ける使命がある。戦争の中で天使が一人いなく
なったところで、俺は気づかない」
ラジエル「レイヴ…」
ルシファー「レイヴ、嘘をついたら、舌を引っこ抜かれるよ」
黒き烏「言葉は罪。黙すが善」
黒き鳥はそう言って、飛び去った。
黒き鳥は、言わなかった。戦争がすでに覆しがたいほどに劣勢であることと、それが神の不在によるものであることを。
黒き鳥は、飛び続ける。神を見つけるまで。
SSR 封じられし大図書ラジエル が仲間に加わった。
パッシブ能力…神にも匹敵する知識により、味方への援護を行う。
だが、引っ込み試案の彼女からの援護は耳をそばだてる必要がある。
ラジエルがそばにいて、技能に成功した際、その技能成長判定を行う(1~10%)
必殺技…彼女の隠し持つ、恐るべき能力。その技の前には、あらゆる存在が無力である。
武器…本。大図書の番人であった彼女は、常に分厚い本を持ち歩いている。が、それはいつか外へ出た時用に、腕の筋肉を鍛えるための本である。
自由行動安価直下
①神族、戦争、悪魔について尋ねる
②ラジエルに服を着させる
③町へ向かう
④自由安価
残金 7000円
また明日
ルシファー「これから、よろしく」
ラジエルは幾度も、その角度と伏せている時間が完璧なお辞儀をした。
ラジエル「ヨロシクオネガイシマス」
男「はい、よろしくお願いします。ゆっくりと慣れていけばよいですから、分からないことがあればなんでも聞いてください」
ルシファー「…あなたは意外と親切だな」
男「いえいえ、感心されるようなことではありません。新入社員は入って数年が勝負なんですよ。成長性が決まります」
男「わたしたちのチームに入って、すぐで申し訳ないですが、一つお願いを聞いてもらえますか」
ラジエル「なんですか?」
男「これから私たちは世界を救うことを目的に行動するわけですが、それには多くの協力と情報が必要になるでしょう。
その際、私たちは人と交流することが自然と増えていくと考えられます」
ラジエルは本にメモを取りながら聞いている、素晴らしい勤務態度だ。
一方、ルシファーは前髪の枝毛が気になるようだが、男は無視して話を続ける。
男「人との交流に最も大きいのは、第一印象です。
良い印象を与えれば、それだけ有益な情報を手に入れる確率が高まります。いい印象を与えるのに、難しいことはいりません。
それは、清潔感のある服装であったり、正しい言葉遣いです。
後者に関しては、ラジエルさんは問題ないと考えられます、先輩はアレなのに、素晴らしいですね」
ラジエル「あ、あアリガトウゴザイマス」
ルシファーはくしゅんと、くしゃみをした。男は、ティッシュを滑らかに取り出し、ルシファーへ手渡した。
ルシファー「気が利くのは、男のいいところだよ」
男「さて、前者の実は清潔感のある服装について、ラジエルさんは少しだけ治してほしいところがあります」
ラジエル「ぅ」
男「心配なさらずともほんの簡単なことです…服を、着てくださいませんか。もし、どうしても着れない理由があれば、お聞きします」
ルシファーがまた、くしゃみをした。
ラジエル「えっと、一つ、聞いてくださいますか」
男「もちろんです」、
ラジエル「天使にとって裸であるということは、大きな意味があるんです。
自身が純潔、純白であることの証であり、神によって創られた「完全」の証明です。
それは人が人である理由を直立二足歩行でありことであったり、鳥が翼を持つことと同義なのです。」
男「ふむ、それでは、わたしたちと旅をするのは難しいですね
ラジエル「ひっ」
男「それは、大変お恥ずかしいのですが、わたし個人の種族としての欲求のせいなのです」
ルシファー「私の見立てでは神族と人の中間の存在だろう、あなたは」
男「その神族というのは、分かりませんが、わたしの人としての欲求です。つまり、婉曲的な言い方をするなら、チームとしての風紀が乱れる恐れがあるということです」
ルシファーは、困惑するラジエルに背後から近づき、その薄桃色の唇で、ラジエルの耳たぶを嬲る。
ラジエル「ぁ」
ルシファー「ねえ純潔のラジエル、神族と結ばれるなど、恐れ多いことだよ。
でも君がそのように裸体を晒してまでその男を誘惑するというなら、私は止めたりしないよ。
接吻を交わそうと、子を成そうと
私は寝つきが良いからめったなことでは起きないからね、だいじょうぶだ」
ルシファーはラジエルの耳元でそうささやくと、ラジエルは頬とうなじがみるみる朱色に染まっていく。
ルシファーと小声を会話を交わした後にやがて目元にうっすらと涙を滲ませて、蚊の鳴くような声をだす。
ラジエル「男さん」
男「はい」
ラジエル「少しの間、向こうを向いてください」
ラジエルは白い服を着た。フード付きのコートと長袖のセーターに、ぶかぶかのワイドパンツと、重装備である。
フードを深く被り、ぎごちない足取りで、男の前に歩いてくる。
ラジエル「どうですか」
男「ばっちりです。もう、なにも不埒なことを考える余地はありません。敬虔な聖女そのものです」
ラジエルは安堵の表情を浮かべた。そして、ルシファーとハイタッチをして、上機嫌である。
男「うん、この調子で進んでいきましょう。ところでルシファー」
ルシファー「なに」
男「ラジエルのあのファッションは君の趣味ですか」
ルシファー「そう。私はもう着れないから、着てほしかったの」
男「町で服を買いましょう。今のあなたに似合う服を必ず見つけます」
ルシファー「そこに右だけの服はあるの」
男は、無言で空を見上げた。
行動安価直下
① 敵と遭遇(敵の種類もよければどうぞ、強さはそのコンマの大きい方が強いとします)
② 町へ向かう
③ 自由安価
昨日はすまない。今日はゆっくり書く。
街、それはスマホゲームにおいては拠点になりうる。主に、経験値や強化素材の生産を行うための場所である。
冒険を快適にしていくためには、この街の発展が欠かせないものとなっている。
さて、今は3つの機能が解放されている。
鍛冶屋、ギルド、ショップである。
鍛冶屋では、武器の素材を渡すことで、その武器の生産を依頼することができる。現在、特殊能力を持った指定武器を1つ貰えるようだ。
ギルドでは、いくつかの任務が募集されており、その任務をクリアすることで物語が進行する。
ここではあなたが考えた任務を、そのまま行うことになる。
当然危険な任務を受けると失敗する可能性が高まるので注意だ。
ショップでは、アクセサリや、課金限定キャラを手に入れることができる。
安価直下
① 鍛冶屋 (槍のR武器(特殊能力付き)を一つ貰う。特殊能力を一つどうぞ)
② ギルド (受注する任務のボスと報酬について、思いついたのどうぞ。なければ次の人か私にバトンタッチをしてくれると助かります)
③ ショップ (ルシファーにアクセサリを買う。この子に似合いそうな服をどうぞ)
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