【ジョジョ】承太郎「『なろう小説』?」 (14)
花京院「承太郎、見ろッ!日本の本がこんな国で売られているぞ」
承太郎「随分とカラーな表紙だぜ。漫画か?」
ジョセフ「ンンー?『転生したら柱の男でした』ァ?なんじゃこのなげータイトルは」
アヴドゥル「ジョースターさん、ご存知ないのですか?これは最近流行りの『なろう小説』と言うやつですよ」
承太郎「『なろう小説』?」
花京院「あぁ。『小説家になろう』というサイトで連載されてる小説の総称さ」
ジョセフ「ほォ、小説なのか。どれどれ、ワシはこー見えても実は小説は結構読むほうでの……んん?」
承太郎「どうかしたかジジイ」
ジョセフ「ンー……この小説、文字が多すぎるんじゃあないのか?ワシの知っとる日本の小説はもっと小難しい漢字を並べとるもんだったが」
アヴドゥル「それが『なろう小説』のいい所なんですよ、ジョースターさん」
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ジョセフ「どういうことじゃアヴドゥル」
アヴドゥル「なろう小説はいわゆるライトノベルのライト版で、とても会話数が多く読みやすいのが特色なのです」
花京院「他にも挿絵を多用したり、文字を大きくしたりして漫画的な表現を増やしたりと、とにかく読みやすさに特化しているのです」
ジョセフ「ohー…つまり難しめの絵本と言ったところか?」
花京院「確かにそういう捉え方も出来ますが……」
承太郎「やれやれ、くだらねェー話ばっかしてんじゃねえぜ」
アヴドゥル「お、承太郎。今のはヤレヤレ系主人公のモノマネか?」
承太郎「……?」
花京院「ヤレヤレ系というのはですね、常に自分からは動かず、何かしらの出来事に巻き込まれて初めて動くような主人公の事を言うのですよ」
ジョセフ「誰かに巻き込まれるから『ヤレヤレ系』という事か」
承太郎「少しだけ興味が湧いたぜ。どんな話なんだ?」
アヴドゥル「承太郎、なろう小説とは総称の事で、小説の名称ではないぞ」
花京院「どんな話か……そうだな、やはりこの転柱の様に異世界転生物が多いな」
承太郎「異世界転生?」
花京院「そう。冴えない主人公が不慮の事故で死んで、異世界にとんでもない能力を貰って転生しハーレムを築く……」
ポルナレフ「ハーレムゥ?」
花京院「ポルナレフ」
ポルナレフ「ハーレムと聞いたら俺が出てくるしかねーよなァー。それでどんなハーレムを築くんだ?」
イギー「ヴァウッ」(俺も興味があるぜッ!)
花京院「どんなと言っても、小説によって様々だからな。貴族だったり、奴隷だったり、村人だったりと、ありとあらゆる女性でハーレムが形成されているぞ」
ポルナレフ「俺だったらそうだなァー。やっぱり一途な女の子がいいぜ!俺以外に目移りしないよーなフィーリングぴったしな子がよォー」
アヴドゥル「ポルナレフ、異世界転生するのならまずはチート能力を得るべきだぞ」
花京院「それは早計じゃあないか?『Re:ゼロへ向かっていきたい』や『この素晴らしい結婚を祝福しろ』は基本的に主人公は無能力だぞ」
アヴドゥル「リゼロの主人公は回転という特性を持っているし、このすばは転生特典として性別が変わっているじゃあないか」
ジョセフ「ちょ、ちょっと待てッ!2人だけで話すんじゃあないッ!」
花京院「すみませんジョースターさん」
ポルナレフ「その転生特典ってのは一体なんなんだ?」
花京院「簡単な話だ。異世界に転生する時、普通じゃあ持てないとんでもない力を得ることがある。例えば身体能力が凄いという特性もあれば、物を増やしたりだとか、近未来的なアイテムを持っていく物もあるな」
アヴドゥル「『不慮の事故で死んで可哀想なのでチート能力をあげます』というのがセオリーだな」
ポルナレフ「なるほどォー。つまり物凄い力で女の子にモテモテって事だなッ!」
承太郎「興味ねえぜ。そんな力があったら余計アマどもがうっおとしくなるだけだ」
ジョセフ「流石普段からモテとる男は違うのォ」
???「そうそう、モテモテになりたいのなら世界観についても考えなければなりませんよね」
花京院「そうだな。魔物蔓延る世界よりも、平和でゆったりとした世界の方が心にも余裕が生まれる───!?」
承太郎「誰だテメェッ!『スター……」
???「ま、待って下さい!私は話がしたいだけです!」
ナローシュ「私の名は『ナローシュ』。さすらいのなろう小説家です。以後お見知り置きを」
ポルナレフ「なろう小説家ァ?そんなもんがあるのか?どーにも怪しいヤツだぜ」
アヴドゥル「まあ待て、実際なろう小説はいくつも書籍化されている。数で言えば、外国を旅するなろう小説家がいてもおかしくはない」
ナローシュ「ありがとうございます。所で話題を戻しますが、やはり世界観は大切。特に異世界物はそれの構築が重要ですよね」
花京院「ああ。僕も書こうとしたことがあるが、どうにも上手く世界観が構築できずにエタってしまった」
ポルナレフ「世界観って言っても、例えばどんなのがあるんだ?」
ナローシュ「例えば中世ヨーロッパ風の物や、既存の作品に似たような世界観があったりするんです。他にも女の子ばかりとか、そういう」
ポルナレフ「女の子ばかりぃ?そりゃーいいぜッ!もし転生するのならそーゆー世界に行きたいねェー」
ナローシュ「そうですよね、分かりました!」
ポルナレフ「?」
ナローシュ「『リンカーネイト・トゥ・アンダーワールド』」ドンッ
ポルナレフ「……………」
花京院「ポルナレフ?オイ、どうしたんだッポルナレフッ!」
ジョセフ「返事をせんかァーッ!ポルナレフ!」
イギー「ヴァウ!ヴァウ!」(どうしたこの平面やろーッ!)
アヴドゥル「貴様、スタンド使いかッ!喰らえ!『マジシャンズ」
ナローシュ「やめといた方がいいぜ」
アヴドゥル「──!?」
ナローシュ「今、ポルナレフの魂だけを転生させている。私を攻撃して見ろッ!ポルナレフは完全に異世界に取り残される事になるぜ」
ジョセフ「ひ、卑怯なヤツめッ!」
ナローシュ「なろうで連載してる小説を総称したり絵本だとか言うテメーらに言われたくねーッ!」
ナローシュ「私はテメーらの能力は全て知っている。意味のねえ事だがな。だがテメーらは私の能力を知らねぇッ!」
花京院「くっ……」
ナローシュ「だがよォ~~それじゃあつまんねーんだよなァー。だから3つだけ教えてやるぜ!いいか、3つだ!それ以上は話さねぇ!」
ナローシュ「1つ ポルナレフは女の子だらけの世界に転生した」
「2つ 誰かががその世界で役目を果たしたら帰って来れる」
「3つ チート能力はそいつの半生に従って付与される」
ナローシュ「つまりよォ~~わざわざ俺のスタンド能力に引っ掛かってくれる間抜けがいたら助かる可能性は高まるという訳だッ!」
花京院「………」
ジョセフ「………」
アヴドゥル「………」
イギー「………」
承太郎「………」
花京院「僕が行きます」
ジョセフ「花京院ッ!」
花京院「元々なろう小説の話題を出したのは僕です。それなら、僕にポルナレフを助ける責任がある」
アヴドゥル「待つんだ花京院。それなら私にも責任がある。私が説明をしなければ良かったのだ」
ジョセフ「それならばワシにもあるッ!ワシもポルナレフを助けに行くぞッ!」
イギー「ガウ!」(俺はくだらねー事に巻き込まれたくはねーが……あいつに死なれたら目覚めが悪ぃぜッ!)
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