【航空機内・客席】
承太郎「……」
ジョセフ「……」
アヴドゥル「」Zzz…
花京院「」Zzz…
ブブーン ブブブーン ブブブブブ
花京院「……ん?」
アヴドゥル「む? ……!」
承太郎「カ……カブト……いや」
花京院「カブト虫か!?」
承太郎「クワガタ虫だ!」
花京院「なんだ……クワガタ虫か……!!」 Zzz…
承太郎「オラァッ!」
花京院「ぐぶっ」
ジョセフ「アヴドゥル、スタンドか? 早くも新手のスタンド使いか!?」
アヴドゥル「在り得る。虫の形をしたスタンド……!」
花京院「虫の形をしたスタンド! そういうのもいるのか」
ブブーン
ジョセフ「ええーい……座席の陰に隠れたぞ」
アヴドゥル「ど……どこだ……?」
承太郎「……」
花京院「はっ! 承太郎!! ハイエロファントグリーン!!」 バンッ
承太郎「!?」
花京院「君のアタマの横にエメラルド・スプラッシュウウウウウウゥゥ!!」
ドッババババババーッ
承太郎「うおおおおお!?」ビシビシビシビシッ
灰塔『!?』 ブブーン
花京院「ちっ、外したか」
承太郎「オルァッ!」
花京院「ぐはっ」
ブブーン
ジョセフ「で……でかい! やはりスタンドだ!」
ジョセフ「その虫は、スタンドだ! もう一度言う、その虫はスタンドだーッ!」
承太郎「気持ち悪ぃな……だが、ここは俺に任せろ」
アヴドゥル「き、気をつけろ」
アヴドゥル「人の舌を好んで引きちぎる虫の、スタンド使いがいるという話を聞いた事がある……!」
承太郎「スタープラチナ!」バンッ
花京院「ハイエロファントグリーン!」バンッ
アヴドゥル「マジシャンズレッド!」バァン!
ジョセフ「ハ、ハーミットパープル!」バッ
承太郎「俺に任せろっつってんだろうが!!」
承太郎「スタープラチナ!」
星の白銀『』ヒュッ
灰塔『』ブンッ
承太郎「!」
アヴドゥル「か、かわした!? し、信じられん!」
アヴドゥル「弾丸をつかむほど素早く正確な動きをする、スタープラチナより速い!!」
花京院「も、もしかしてその虫はスタンドなのか!?」
ジョセフ「どこだ……どこにいる! こいつを操る使い手は、どこに潜んでいる!?」
アヴドゥル「こ、攻撃してくるぞ!」
灰塔『』ビシャアア
星の白銀『!』ガッ
承太郎「……ぐぐ……」
花京院「大丈夫か承太郎ォォォーッ!!」
ジョセフ「歯で悪霊クワガタの口針を止めたのはいいが……」
アヴドゥル「承太郎のスタンドの舌を食いちぎろうとしたこいつは……やはり奴だ!」
アヴドゥル「タロットでの『塔』のカード」
アヴドゥル「破壊と災害、そして旅の中止の暗示をもつスタンド――」
アヴドゥル「『タワー・オブ・グレー』!!」
灰塔『キキーッ』 ブオォォォオオォ
花京院「タロットでの『糖』のカード……」レロッ
アヴドゥル「『タワー・オブ・グレー』は、事故に見せかけて大量殺戮をするスタンド……」
アヴドゥル「昨年300人が犠牲になったイギリスでの飛行機墜落も、こいつの仕業と言われている」
アヴドゥル「噂には聞いていたが、こいつがディオの仲間になっていたのか……!」スッ…
ジョセフ「飲んどる場合かーッ」バシ ガシャン
承太郎「オォルァッ!」
星の白銀『オラオラオラオラオラオラオラオラァ!』
灰塔『』ブーンwwwww
アヴドゥル「か、かわされた! しかも心なしか両腕を広げて煽るかのようにッ!!」
アヴドゥル「片手ではない、両手でのスピードラッシュまでもかわされた……!」
アヴドゥル「な、なんという速さだ!」
灰塔『ヘッヘ』
灰塔『例えここから、1cmの距離より10丁の銃から弾丸を撃ったとして』
灰塔『俺のスタンドには触れることさえ出来ん! もっとも、弾丸でスタンドは殺せぬがな……』
ジョセフ(必ず近くにいるはずだ……どいつだ? スタンドを操っている本体はどこにいる!?)
ジョセフ(この乗客の中の誰だ? 本体さえ……そいつさえ分かればッ……!)
灰塔『 』シュンッ
承太郎(またしても消えた!)
ブブブブーンブブブーン
花京院「! あそこに移動したぞ!」
花京院「二三人乗客の舌を一気に引きちぎる気だな、そうはさせん! ハイエロファントグリーン!」
灰塔『な、何! 読まれてる!?』
法皇の緑『エメラルド・スプラッシュウウウウウゥゥゥゥ!!』ドッバ~ッ
灰塔『ヘッヘ、貴様のスピードでは俺を捉えることはできん!」
花京院「ふっ。後ろを良く見てみろ」
灰塔『何? はっ!? 壁に穴が!?』
花京院「そして私の目的は!!」
【Masako!】
マサコ! その意味は! 現在の皇太子妃の名前!(敬称略)
承太郎「や、やりやがった! 壁に穴を……!」
灰塔『キ、キサマ……!』
アヴドゥル「ええい、もうお前には任せておけん!」
アヴドゥル「マジシャンズレッド!!」バァッ
魔術師の赤『ケェー』
ジョセフ「待て! 待つんじゃアヴドゥル!」
花京院「エメラルドォォォ」
承太郎「テメェももうすっこんでろ!!」デュクシ
爺「」Zzz…
爺「……んんっふ……なんか騒々しいのう。何事かな」
ブブブーン
花京院「危ない!」
爺「トイレでも行くかな……」
爺「ん? なんじゃこのデコボコは……」
爺「!? ぬっはー!? 穴!? 機体に穴が……!?」
花京院「当て身!!」
ド ス ッ
爺「うぐっ!! ぐああ!!」ガクガク ビシシ…
花京院「ん? まちがったかな……」
ジョセフ「い、今すごい音がしたぞ」
承太郎(おそろしく速い手刀。俺でなきゃ見逃しちまうね)
花京院「他の乗客が気付いてパニックを起こす前に、奴を倒さねばなりません」
アヴドゥル「いや……何かもうすでに我々が半分パニックなんだが……」
花京院「だがアヴドゥルさん」
花京院「あなたのマジ赤い『動』のスタンドでは、飛行機までも爆発させかねないし」
花京院「ジョジョ。君のパワーも機体壁に穴でも開けたりしたら大惨事だ」
承太郎「テメェ後ろをよく見てみろ」
花京院「ん」 ヒュゴオオオォォォー……
花京院「……ふっ」
花京院「そこでここは私の『超動』のスタンド――」
花京院「ハイエロファントグリーンこそ、奴を始末するのに相応しい!」
アヴドゥル「お前の言う大惨事じゃないのか今!!」
灰塔『へ……ヘッヘッヘ。か、花京院典明か……』
灰塔『ディ、ディオ様から聞いてよーく知っているよ……』
ブブブ……ブン……
ジョセフ「お、おい。こいつ心なしかさっきより弱ってないか?」
承太郎「なんだ、さっきの爺が本体か」
灰塔『やめておけ。さっきも言ったろう』
灰塔『貴様のスピードでは、俺を捉えることは出来ん!』
花京院「そうかな?」ズァッ
花京院「エメラルド……」ギュルルルル
法皇の緑『スプラッシュウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ!!』
ドババババババババババババババババババババババババババババ
灰塔『ヘッ』
灰塔『ヘッヘエエーイッ!』ブブブーン
灰塔『ファハハハハハハ! おまえなあ!』
灰塔『数撃ちゃ当たるという発想だろうが、ちっとも当たらんぞ!』
アヴドゥル「まずい! やはりあのスピードにかわされた!」
承太郎「いや待て。なにか今、Eスプラッシュの速度が高まっているような気がしたが」
星の白銀『マッハ1 マッハ10 マッハ35 マッハ120』
承太郎(間違いない、確かに速くなっている。しかしこのままどこまでも高まっていけば……)
花京院「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!」
法皇の緑『』ドバババババババババババババババババババババババ
灰塔『!?』
灰塔『バ、バカな! Eスプラッシュが無数の光にかわった!!』
灰塔『これは光速弾!!』
灰塔『こ、こんなもの一発でも当た』
ボシュッ
爺「ぎゃあああああああっ」ジュッ
バリーン ガシャーン ドゴゴォ!!
アヴドゥル「うおおおっ!?」
ジョセフ「き、機体がもたん!!」
花京院「エメラルド・スプラッシュウウウウウウウゥゥゥゥッ!!」
承太郎「オルァッ!」
花京院「ううううぶべっ」
承太郎「あれを見やがれ」
爺「」
花京院「むっ。なんだあの消し炭のようなものは」
承太郎「さっきのジジイが本体だった。テメェが終わらせたんだよ」
花京院「ふんっ。そういうことだったのか」
花京院「おぞましいスタンドには、おぞましい本体がついているものよ」
アヴドゥル「この惨事を見ろ! どう始末をつける気だ!」
客「キャー!」
客「ヒイイィー!!」
客「ンジャコリャー!?」
花京院「うっ、室内が大パニックに! 一体なぜ」
承太郎「オラァッ!」
花京院「ぐぶっ」
承太郎「おいどうすんだジジイ」
ジョセフ「機体も傾いている! コックピットへ急ぐぞ!」
アヴドゥル「ええい客が入り乱れてうまく進めん!」 ワーワー
いったんここまで
スタープラチナは白金じゃなかったっけ
>>17
すまん、初歩的なミスの指摘サンクス
残り少ないけど投下
ワーワー
CA「お、お客様、どちらへ?」
CA「この先はコックピットで、立ち入り禁止です!」
ジョセフ「知っている!」ドン
CA「お、お客様!」
承太郎「……」スタスタ
CA(!)
CA(まぁ、素敵な方!)
承太郎「どけアマ」ドン
CA「きゃあ」ドンッ
花京院「!? 新手のスタンド使いか!?」
アヴドゥル「な、何だと!?」
CA「スタ……ンド……?」
花京院「ハイエロファントグリーン!」バァン
アヴドゥル「マ、マジシャンズレッド!」バァン
承太郎「いい加減にしやがれ!!」オララァッ
【コックピット内】
⊂手====== バーン
ジョセフ「うおお!? なんてこった! してやられた!」
ジョセフ「もぬけの空じゃ! 先に脱出されておる!」
承太郎「緊急用パラシュートが取り出されている」
承太郎「このパイロット共、飛行機の不調を知るやテメェらで逃げ出したようだ」
アヴドゥル「うおっ! 脱出口から風が!」
花京院「なんて自分勝手な!」
承太郎「テメェが言う資格はねえ」
ジョセフ「……くっ、降下しているな」
ジョセフ「自動操縦装置も破壊されている。この機は墜落するぞ!!」
花京院「ならばハイエロファントグリーン!!」バァン!
アヴドゥル「な、何をする気だ?」
花京院「いや! 何か手はないのか!?」
ジョセフ「無意味にスタンドを出すクセをやめろ!!」
爺「ばばばあ~!!」ぶるるるるあああぁぁぁ
承太郎「何!」
爺「ワシは、事故と旅の中止を暗示する『塔』のカードを持つスタンド~。
お前らはディオ様のところへは行けん!
例え、この機の墜落から助かったとて、エジプトまでは1万キロ!
その間、ディオ様に忠誠を誓った者共が、四六時中キサマらを付け狙うのだ!
世界中には、お前らの知らん想像を超えたスタンドが存在する!
ディオ様は、スタンドを極めるお方。ディオ様は、それらに君臨できる力を持ったお方なのだ!
辿り着けるわけがなぁい! 貴様らは、エジプトへは決して行けんのだああぁ!!」
承太郎「よし終わったな」
花京院「待ちわびたぞ! ハイエロファントグリーンンン!!」
星の白金『オォォラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ』
魔術師の赤『クロスファイヤー・ハリケーン!!』
隠者の紫『波紋失踪(オーバー・ドライブ)!!』
法皇の緑『エメラルド・スプラッシュウウウウウウゥゥゥゥゥ↑↑!!』
爺「 」ドグシャアッ
『灰の塔』――再起不能! とどめは花京院典明!!
CA「ハッ! し、死んでいる……!」
CA「う……うろたえるんじゃあないッ! 客室乗務員はうろたえないッ!」
承太郎「さすがはプロ中のプロ。悲鳴をあげないのはうっとおしくなくて良いぜ」
承太郎「そこで頼む。このジジイがこの機を、これから海上に不時着させる」
ジョセフ「ワシィ?」
承太郎「他の乗客に救命具つけて、座席ベルト締めさせな」
CA「ははっ!」シュバッ
承太郎「ジジイ」
ジョセフ「ふーむ。プロペラ機なら経験あるんじゃがのう」
カーズ『 』ヘックシ
ジョセフ「じゃが承太郎、これでわしゃあ三度目だぞ」
ジョセフ「人生で三回も飛行機で墜落するなんて、そんな奴あるかなあ?」
承太郎「二度と……二度とテメェとは一緒に乗らねえ」
アヴドゥル「私も」
花京院「ふっ……やれやれだな!」ズアッ
♪そして集いし スターダスト!
100年目の目醒めに 呼ばれて!
花京院たちは向かう!
時の砂を越える Splash!
筋のよう連なる 絡み合う触脚(アーム)!
閃緑(ひかり)を放つ 法皇(ファント)!
Splash! Splash! Splash!
撃ち込むのは!
Emerald! Emerald! Emerald!
翠玉のBullet!
Ahoin! Ahoin! Ahoin!
飛び道具放つ!
脳リア筋! Emerald Splash!!
終わり
花京院「この機内に敵スタンドがE・スプラッシュウウウ!!」
花京院「この機内に敵スタンドがE・スプラッシュウウウ!!」 - SSまとめ速報
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誤爆。スルーで。それでは
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