・きんいろモザイク × となりの吸血鬼さん ss 前作の続きです。
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【となりの吸血鬼さん】忍「あの後ろ姿は……」
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【となりの吸血鬼さん】 アリス「あの後ろ姿は……」
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1 友達の友達
ひなた「今日も散歩日和だなー」
綾「よ、陽子!こ、こんなところで偶然ね。どこに出掛けるの?」
ひなた「…?あなた、誰?」
綾「陽子じゃない…?ごめんなさい、友達と間違えてしまいました」
ひなた「いやいや、良いよ良いよ。その陽子って人と私、そんなに似てるの?」
綾「こうして話してみると別人よ、でも後ろ姿だと体型と髪型がそっくりでつい間違えてしまったわ」
ひなた「私も以前、灯とよく似た人に声を掛けてしまいそうになったし良くあることかもねー」
綾「灯?」
2 仲良きことは
綾「その灯って、もしかして天野灯のことかしら?」
ひなた「…え?なんで灯のこと知ってるの?」
綾「以前ソフィーのお家に本を借りに言ったことがあって、その日に偶然知り合ったの」
ひなた「ソフィーのことまで知っていたなんて…名前を聞いても良い?」
綾「私は小路綾、あなたは灯の友達なの?」
ひなた「私は夏木ひなたって言うんだ。灯とは長年の付き合いで好きな食べ物から服の趣味でもなんでも答えられるよ!」
綾「随分親しいのね」
ひなた「ち、ちがっ!これは、その…一緒に過ごす時間が増えるとつい覚えてしまうことであって…」
綾「ふふ、灯と仲良しなのね」
ひなた「…はぁ。やっぱり変なのかなー」
3 体験談
綾「そんなこと無いわよ、親しい人のことを知りたいと思うのは当然のことよ?」
ひなた「そうかなー…?小路さんは同じような経験あるの?」
綾「綾で良いわよ。そうね…これは友達の友達の話なんだけど。その女の子はある友達に素直なれないけど、本当はその人のことを誰よりも知りたくて堪らないらしいわ」
ひなた「随分詳しいね。その友達の友達って前置きは大抵自分自身の体験を…
綾「違うわ!?断じて私と陽子のことを言ったわけでは無いわ」
ひなた「ふ~ん…わかった!綾はその陽子のことが気になるんだね?」
綾「そ、そ、そんなわけあるわけ無いじゃない…わ、私は陽子の友達以上でも以下でも何ともないわよ」
ひなた「その慌てっぷり、灯が同居したと聞いた時の私と似てるな~」
綾「うぅ…ひなたは意地悪ね…」
4 助言
ひなた「でも、油断してるといつのまにか他の子と親密になるから気を付けてね?」
綾「…そうね。陽子は太陽みたいな存在だから誰にでも優しくて私なんかより他の女の子に…
ひなた「ストップ、ストップ。いくらなんでもネガティブに考え過ぎだよ!」
綾「あなたは平気なの?灯は殆どソフィーに一途よ?」
ひなた「思うところが無いわけではないよ。でもね、いつかまた昔のように姉妹の距離感に戻れればそれで良いや」
綾「帰る場所も姉妹の座もソフィーに取られてないかしら…?」
ひなた「?っ…。た、頼れるお姉さん枠を狙うから大丈夫…!」
綾「姿形はアリスのような妹的存在だけど、精神は誰よりもお姉さんよ」
ひなた「灯の理想を体現したような容姿はズルいよ…」
5 コーディネート
綾「仕方ないわよ、それにソフィーもなりたくて吸血鬼になった訳ではないと思うわ」
ひなた「そうだけど、このままじゃ灯を取られちゃう…」
綾「落ち込んでる場合じゃないわ!ひなたがソフィーより魅力的になって見返してやれば良いのよ?」
ひなた「そ、そんなこと言っても…私はそんな可愛さとは無縁だから…」
綾「つべこべ言わないで、まずはその服装から変えていきましょう?男の子が着ても違和感ないわよ」
ひなた「私が選ぶとこういう組み合わせになってしまうと言うか…」
綾「それでは勿体無いわ、私が選んであげる」
ひなた「それじゃあ、お願いしようかな?」
綾「任せなさい、勇さん直伝のファッションセンスをあなたに教えてあげるわ」
ひなた「ほ、ほどほどにね…?」
6 思い立ったが吉日
綾「となり町まで行くけど大丈夫かしら?」
ひなた「ひょっとして新しくオープンした所かな?一度行ってみたかったんだ」
綾「知っているのなら話は早いわ、早速いきましょう」
ひなた「たおやかな子だと思っていたけど、なかなかアグレッシブだね?」
綾「自分でも驚いてるぐらいよ?そうね…強いて言うなら恋する人を応援したかったから?」
ひなた「そんな理由で初対面の人にここまで協力してくれるんだ」
綾「確かに変かもしれないわね。だけどね、友達に必要なのって過ごした時間なの?一緒の時間が短かったら他人なの?」
ひなた「それは…違うと思う」
綾「私はある友達の好みでも長年一緒に居た訳でもないのに、友達として居られるってことが実感できた時。凄く嬉しかったわ」
ひなた「良い友達に出会えたんだね」
綾「ええ、本当に。いつまでも一緒にいたいぐらいにね」
7 連絡手段
綾「吹き抜けから全体が見渡せそうね」
ひなた「これだけ広いとどこで買うか迷ってしまいそう」
綾「一つの店舗をじっくり見るより色々見て行って気に入った服を選別していきましょ?」
ひなた「そうだね。それにしても人通りが多いなぁ、逸れたら合流するのも一苦労だ」
綾「それなら連絡先を交換しない?もし迷っても階層と店名から探し出せるわ」
ひなた「良いよー。もし私が逸れたらその時はよろしくね」
綾「なんでひなたが迷う前提なのよ…私だってここに来たのは初めてなのよ?」
ひなた「なんでだろう、綾はしっかりしてるし迷うってイメージ湧かないんだよね~」
綾「迷う時は誰だって迷うわよ…。そこまで心配ならこうして手を繋げば良いじゃない」
ひなた「え~!?そ、そうだね。これなら迷わないね」
8 鉢合わせ
ひなた「うぅ…灯と鉢合わせないか不安だ」
綾「ソフィーのことを考えると日中にここまでの遠出はよっぽどの理由じゃなきゃしないと思うわ?」
ひなた「行動まで合わせてくれるなんてソフィーが羨ましいなぁ…」
朔夜「あれ?ひなたかな」
夕「そうだね、灯がいないのは珍しいかも」
ひなた「夕と朔夜じゃん!?2人も服を買いに来たの?」
朔夜「開店セールで割引されてるし、この機会に普段着を新調するの」
夕「私は朔夜に誘われてここまで来た。そちらの方は?」
綾「私は小路綾よ。ひなたとは今日知り合ったの」
朔夜「そうなんだ!小路さんってとても綺麗だね」
綾「そ、そう?」
夕「そうだね。可愛らしいと思うよ」
朔夜「むっ…夕は褒めちゃダメだよ!」
夕「同意しただけなのに…」
9 初々しい
朔夜「ひなたは灯一筋かと思ってたけど、他の女の子とも仲良いんだね?」
ひなた「こ、これは…迷子にならないようにしてるだけで特に深い意味はないよ!」
綾「朔夜さん、で良いかしら…?あなた達も手を繋いで回ったらどう?」
朔夜「ええ!?そんな手を繋ぐだなんて…わ、私は別に迷わないから必要ないけど、夕がどうしてもと言うなら…」
夕「私はどっちでも良いかな?」
朔夜「そんなー…」
夕「でもどちらかといえば繋ぎたいかも」
朔夜「し、仕方ないな。夕が逸れたら困っちゃうからな~。今回だけだよ?」
夕「…ふふ、ありがと」
綾「微笑ましいわ…」
10 理由
朔夜「せっかくだしみんなで回らない?」
ひなた「良いよー!みんなで見て回ろっか」
綾「朔夜はそれで良いの?なんだか私たちが邪魔したみたいだけど」
朔夜「あはは…そんな些細なことで心は揺れ動かないよ?むしろこの機会に綾ちゃんの技能を教わりたいの」
綾「ひなたにファションを教えてあげる予定だったけど、私に技能なんて無いわよ?」
朔夜「ちがうよ~。私が求めているのは仲良くなる方法、現に二人とも初対面のはずなのに手を繋いでる」
綾「これは成り行きみたいなもので、特別なことはしてないわ、けれども、知り合いに似ていたから少し積極的になっていたかも」
ひなた「私、そんな理由で振り回されていたんだ…」
11 オカルトサークル
綾「みんな、同じ学校に通っているのよね?部活とかもしているの?」
朔夜「私はオカルトサークルに入ってるんだ~。こうみえて部長だよ」
綾「オカルトサークルって主にどういった活動をするの?」
朔夜「そうだねー…伝承や過去の文献から今も残ってそうな伝説の存在に目星をつけて現地に赴き、取材や調査をしてるかな」
綾「な、なんだか想像以上に凄い部活なのね…もっと黒魔術で召喚とかしてるイメージだったわ」
ひなた「召喚って…。そっちの方が色々と凄そうだけど…」
夕「朔夜、流石に盛りすぎだよ」
朔夜「ごめんね、見栄を張り過ぎちゃた。情報源なんてほとんどサイトの噂話からだよ?」
綾「そうだったのね。でも火がないところに煙は立たないと言うし中には事実が紛れ込んでいそうね」
ひなた「あ、綾?この話はそ、その辺にしといた方が助かるなー…」
12 火の無い所に煙は立たぬ
朔夜「この地域では夜な夜な髪が伸びる人形や、雨の日に捨てられたこけしが有名で…」
ひなた 綾「「その辺で止めて欲しい!!」」
朔夜「まだまだあるのに~」
夕「ひなたは相変わらずだけど綾も苦手なのね、怖い話」
綾「いないはずなのに、幽霊とか目撃者が多くてね。本当にいるかもしれないと思ったら一気に怖くなったの」
ひなた「そう言われてみればより一層怖くなってきたかも…」
朔夜「こんなに怖がってくれるなんて嬉しい!今度お泊り会しない?」
夕「また百物語をする気?」
綾「泊まるのは…ま、またの機会にね?」
朔夜「もう!夕ったら、ネタバレしたら面白くないよ~」
13 忍ぶ者
ひなた「綾はどんな部活に入っているの?」
綾「私は…しの部に所属しているわ」
朔夜「しのぶ?聞いたことない部活動名だね~」
夕「名前からして諜報とかしてそう」
綾「正解ね。この部活はある人物の素性を調べる為に結成したの。対象の人物に気付かれず隠密に周辺環境を調査し、未公表情報を収集するのが目的よ」
朔夜「と言うことは…しの部って、世にしのぶもの…。忍者のことだったんだ!」
ひなた「いやいや!そんな部活が成立するわけないでしょ!?」
綾「もちろん申請も上げてないから非公式よ、でもメンバーは4人以上居るわ」
朔夜「オカルトサークルより多い!?」
ひなた「本当にあるんだ…」
綾「信じちゃダメよ。半分は嘘だから」
14 しの部
ひなた「綾が真面目に言うと冗談に聞こえないよ」
綾「ごめんなさい、朔夜に対抗してみたかったの」
夕「半分ってことは部自体は実際に存在しているの?」
綾「部活動と言うよりもファンクラブね。私の友達の大宮忍についてもっと詳しくなる為の活動をしていたわ」
朔夜「そんなに謎に包まれた人なんだ~」
綾「一緒に過ごす時間は多いけど、思考が読めず少々謎めいているから本人から聞き出したりしたわ」
ひなた「いったいどんなことを聞き出したんだろう…」
綾「好きな柄はドット柄、嫌いなもの強いて言えば虫、あと吠える犬。以上よ。」
ひなた「情報少な過ぎない!?」
夕「それだけじゃ見当もつかないよ」
15 家族みたい
綾「ひなたは一度会ったことがあると思うわ?」
ひなた「そうだっけ?記憶に無いんだけど…」
綾「以前灯とよく似た人に声をかけそうになったんでしょ?その子が多分しのよ」
ひなた「そうなんだ!?まさか綾の知り合いだったとは思わなかったよ」
夕「ひなたが灯と見間違えそうになるなんて、よっぽどだね」
朔夜「そんなに似てるんだ?大宮さんってどんな子なの?」
綾「この写真の中央に座っているのがしのよ。しとやかな性格で滅多に怒ったことはないわ。特技にコスプレ洋裁、気配を消す、持久力があるなどもあるわね。そして何より金髪少女に目がないわ」
朔夜「みんな可愛いね!忍ちゃんと灯が並んだら姉妹に見えそう~」
ひなた「あ、灯だって可愛いよ。女子力の高い裁縫、料理とかできて可憐だし…人形を愛でる感情が人より強いけど」
夕「わざわざ対抗しなくても…」
16 後押し
ひなた「やっぱりこれかなぁ?」
綾「それでは今着ている服とほとんど変わらないわ。折角アピールするんだからこっちの服にしない?」
ひなた「わ、私に可愛い服は似合わないよ…」
綾「似合う、似合わないは自分ではなく人に判断してもらった方が良いわよ?私はこの服をひなたが着たら綺麗だと思うわ」
ひなた「そ、そうかな?試着してみる」
朔夜「綾ちゃん、私の服も選んで欲しいな?」
綾「私よりもあなたの事を知ってる人に頼んだ方が良いかもしれないわ」
朔夜「そんなんじゃないってば!…でも頼んでみるね」
綾「ごめんなさい、少しお節介過ぎたわね」
朔夜「後押しされないと踏み出し辛いから綾ちゃんには感謝しているよ?ありがとね」
17 イメージチェンジ
ひなた「ど、どうかな…?」
綾「良いじゃない!素材が良いんだから活かさなきゃ勿体ないわよ」
朔夜「なんか服装が違うといつもと雰囲気も違うね~」
夕「にぎやかそうなひなたから一転、しとやかな印象ね」
ひなた「うぅ…やっぱり私のイメージじゃないよね」
朔夜「違うよ~。そういう意味で言ったんじゃなくて、本当に似合ってるよ」
夕「そうだね、いつもと違う一面をみれて嬉しいよ」
ひなた「そうなんだ…そうだね。これにするよ」
綾「あと10着は目星をつけているんだから、それで終わりではないわよ?」
ひなた「そんなにあるの!?…でも、灯のために頑張るぞ!」
綾「その意気よ」
18 一緒に歩いていきたいから
朔夜「ごめんね、みんな。そろそろ帰らなきゃいけないの」
綾「わかったわ。私はもう少しひなたと見て回ってから帰るわ」
夕「1人じゃ危ない。私が付き添うよ」
朔夜「でも本当に良いの?まだ時間はあるけど」
夕「心配なのと、私は朔夜と一緒にいたいから。だから大丈夫」
朔夜「夕…!ありがとう!!」
ひなた「ひょっとしてあのシチュエーション狙って二手に?」
綾「……偶然よ」
19 シロツメクサの約束
ひなた「今日は服選びに付き合ってくれてありがとう」
綾「半ば押し付けがましかったから少し心配だったわ。気に入ってくれて良かった」
ひなた「これで灯も振り向いてくれるかな?」
綾「一度、恋に落ちた相手を振り向かせるのは難しいかもしれないわね」
ひなた「そんな~!それじゃあ私は一緒独身…」
綾「けれどね、例え可能性が低くても行動する限りチャンスは訪れるわ。逆に戸惑っていて踏み出さないと、機会を逃してしまうのよ?」
ひなた「スゴい説得力…。よし!私だって可愛いってことを灯に証明してくる」
綾「何かあったらいつでも連絡してね?話を聞くことぐらいできるし、また遊びましょう」
ひなた「そうだね、次は灯とソフィーも一緒にみんなで遊ぼうよ!」
綾「ええ。楽しみに待ってるわ」
20 星空の下は
綾「あの後ろ姿は……陽子!!」
陽子「綾じゃん!どしたの?大きな声で」
綾「い、いえ。特に用は無いわよ。たまたま見かけただけなんだから」
陽子「そうなんだ。でも、この時間に出歩くのは危ないよ?」
綾「こんな満天の星が見える日に出歩かないのは損よ。一面舞踏場みたいだわ」
陽子「たしかに今夜は綺麗だね、それにこんな時期に流れ星なんてちょっと珍しいかも」
綾「陽子は何か願いごととかある?」
陽子「私はいつまでもみんなのとなりで笑っていたい…かな。綾はどんなこと願った?」
綾「誰にも言えない内緒のヒミツよ」
陽子「え~なにそれ!?ズルーい!」
内気なアヤヤも良いけどひなたを引っ張る積極的なアヤヤを書きたかった。
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