「今どき、バンドをやっているからヤンキーなんて古いですよアリス」
「UKでも学生バンドはいっぱいですよネー」
「で、でもメイクして、黒い服を着て、悪魔みたいだったよ!」
「う、うそっ・・怖い」
「アリスも綾もオーバーだなあ、アハハ」
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「ヤンキー?」
「ヤンキーは、金髪がいても普通だろ」
「違うって。外人の、しかも女の、金髪のヤンキー!長いスカート穿いて、駅前をウロウロしてた!」
「珍しいわね。律っちゃん、私も見たかったわ」
「みなさーん!早く練習しましょう!・・ってなんですかその格好!」
「あずさ~。今度はデスメタルをやるって言っただろ~」
「あずにゃんもメイクして、早く着替えて!」
「そんな、死鬼隊みたいな格好は嫌です!」
(死鬼隊・・・?)
数日後 駅前
綾「まったく!みんな遅いわね・・ん?・・・掲示板になにか張ってある」
綾「軽音部・・・ライブ?アリスが言ってたのって、これのことかしら」
綾「うっ、確かに怖そうなファッションね・・・本当に私たちと同じ高校生かしら」
動物の着ぐるみの女たち「よろしくお願いしまーす!」
綾「きゃっ!?」
動物の着ぐるみの女たち「私たち、今度ライブやるので、よろしくおねがいしまーす!」
綾(えっ、この人たちがあのメイクしてライブするの・・・!?)
忍のお母さん「忍、ちょっといい?」
忍「はい?」
忍のお母さん「そろそろ、受験を考えないと、、いつまでもお友達と遊んでいて赤点ばかりじゃ・・・」
忍「友達のせいじゃないです!私がいけないんです・・・」
忍のお母さん「それとね通訳者っていうのはね・・・本当に頭の回転が早くて、ひとにぎりの凄い人がなるものなの、、」
忍「・・・・・」
アリス(シノ・・・)
カレン「そんなことがあったんですカ~」
アリス「うん・・・声をかけようにも、言葉が見つからなくて」
カレン「アリスはどうするデスカ?・・・卒業しても、いつまでもシノと一緒にはいられないデスヨ」
アリス「・・・え」
カレン「私の家族も、またどこかの国で新しい生活をしたいかも知れませんネ~」
カレン「アリスは今後はどうしたいデス?」
アリス(私が、日本語を勉強して、イギリスの友達を捨てて、日本に来て、これからも日本にいる意味・・・・・)
陽子「そっか・・・でもそれは、、他人がなんとか言える問題じゃないよなあ」
綾「そうね・・・ごめんなさいアリス、、、」
アリス「ううん、いいの。シノに合うことに夢中で、これからのことを、全然考えてなかった・・・自分の人生は、自分で考えないと。」
綾(これからのことを、全然考えてなかった・・・それは私も同じだわ)
綾(これからも、陽子の後ろをついていくだけ・・それじゃ、、ダメ)
綾(引っ込み思案の自分を、少しでも変えないと)
(ゆっくり、まったり進行)
綾「ここがライブハウスね・・・やっぱり見た目、いかつい男女が多いわ」
綾(ここで怖がって帰ったら、何も出来ない気がする。同じ女子高生が歌ってるのを見たいから、ここに来たのに)
DJ「続いては、放課後ティータイム!」
綾(来たわ、あの悪魔みたいなメイクのグループ・・・!)
唯・澪「どうもー放課後ティータイムでーす」
綾(え・・・・?ワリと普通の格好。悪魔メイクもしてないし、それにかわいい)
澪「ミラクールータイムくだーーさい♫おきにいりのうさーちゃんだいてーーえ、こんやーはーおーやすみ♫」
綾(上手ね・・・同じ高校生でも、私たちとは全然違う。ちゃんと自分がやりたいことを探して、形にしてる)
綾(私たち、というのは失礼か・・・何も掴めていないのは、私だけかも知れないのに)
唯「放課後ティータイムでした!どうもありがとーー!」
ワァーーーー
綾「どんな子たちなのかな・・・楽屋、訪ねてみようかしら」
綾(ここが控え室かあ・・・でもどうやって入ろうかしら、差し入れみたいな物もないし・・・)
綾(うーん、どうしよう。緊張するわ・・・)
梓「あの~」
綾(うーん・・・)
梓「すいませ~ん」
綾「えっ!?はいっ!?」
梓「そこ、通るんですけど・・・先輩たちのお知り合いですか?」
綾「ち、ちがいますっ!」
綾(ど、どうしよう)
ガチャ
唯「あずにゃん、どうしたの?」
梓「あ、先輩ー!この人が、部屋の前で立ってたので。お知り合いですか?」
唯「えっ・・・みんなの知り合いかな?」
澪「私は知らないなあ」
紬「私も」
綾(あわわわ・・・どうしよう!)
律「まあいいじゃん。とりあえず入りなよ。一緒にお茶をしよう!」
綾「えっ、そんな」
唯「いいからいいから♫」
陽子「あれ?綾は?」
アリス「今日は寄るところがあるから、先に帰るって」
忍「綾ちゃん、また美容室にいったんですかね」
カレン「前髪が短くなってこまってましたネ」
陽子「あはは・・・」
紬「そうなの・・・」
律「自分たちの進む道がわからない、か・・・」
綾「はい・・・」
澪「うーん、でも私たちも、そんな熱心に練習をしているわけじゃないんですよ」
唯「少しだけ練習をして、あとはお茶とお菓子を」
梓「私はもう少し練習をして欲しいんですけどねえ・・・」
律「まあ、深く考えないで。今を楽しんでいるんならいいんじゃないかな」
綾「えっ」
律「そんな顔してても、どうせ解決しないからさ」
綾「そうですね・・・」
唯「そうそう」
梓「先輩たちはなんにも考えなさすぎですー!」
一同「アハハ・・・」
綾(律さん、か・・・心なしか、陽子に似てるわね。)
綾(それで結局・・・あれから談笑したあと、律さんの携帯の番号を聞いてしまった。)
忍「綾ちゃん?」
アリス「どうしたの?」
綾(どうするつもりなのよ。陽子というものがありながら、私は・・・)
カレン「アヤ?」
綾(でも田井中・・・律さん、、あの人もいいよね)
陽子「おーい、なに瞑想してんだよ~」
綾「ひっ!ごめんなさい!」
一同「???」
烏丸先生「小路さん、珍しいわねえ、授業中に居眠りだなんて」
カレン「アハハ~」
綾「す、すいません!!」
綾(うーん・・・授業にも集中できないわ)
綾(ううっ・・・・・よし)
綾「すいません、先生、今日は早退します。」
忍「朝から綾ちゃん、調子悪いみたいなんですよ」
烏丸先生「そうね・・・わかるわ。・・・帰り道、気をつけてね」
綾「さ、さようならっ!」
綾(こ、これから、桜が丘高校にいくっ・・・律さんに合いに行く!)
律(ん・・・メール。小路綾・・・?――ああ、ライブハウスに来てた子かあ)
律(えーっ?今から会いたい!? ――おいおい、授業中だぜ?早退してきたってこと?)
律(こっちに向かってるって?緊急の用事かな・・・しゃーない、あの子、切羽詰ってたしなあ)
律「さわちゃーん、、今日は帰るわ。ちょっと体調が良くない。」
山中さわ子「そうは見えないけど?」
律「あはは、じゃあそういうことで・・・みんな、お先」
唯「また明日ね~」
紬「お大事に~」
澪(うーん・・・なんか律らしくないな。あの慌てぶり。それに顔色から見て、体調不良じゃない。――あれは絶対に何かある!)
カチャッ
律「さすがに、この時間に喫茶店は来たことがなかったな・・・」
綾「ご、ごめんなさい、急に呼び出したりして!」
律「まあいいって。たまには学校を抜け出すってのも、悪くないかな。それにしても、ここのミルクティー、美味いんだなあ~」
綾「実は私も、学校を抜け出したのは、今日が初めてでした。」
律「だろうね。どうだった?」
綾「え?」
律「学校をサボるって、結構気持ちが良いもんだろ?」
綾「そうですね・・罪悪感もあったけど、開放感というか、心が背徳感を楽しんでいるのかも知れません。」
律「アハハ、難しいことを言うね。」
紬「いい雰囲気ね~」
唯「まるでデートだねぇ」
澪「くそ~!律のやつ!そういうことだったのか!」
梓「み、澪先輩、落ち着いてください!バレちゃいます!」
穂乃花「お客様・・・ご注文はいかがなさいましょうか?」
一同「わっ!?」
紬「と、とりあえずミルクティーを4つおねがいしますわ」
穂乃花「かしこまりました~」チラッ
澪「ううっ・・律のやつ!私というものがありながら!」
梓「澪先輩っ!!!」
穂乃花(ふふっ綾ちゃん、面白そうなことになってるわね・・・)
律「さて、綾ちゃん落ち着いたみたいだし、そろそろ出ようか」
綾「あっ・・えっ(もう少し一緒にいたいなあ・・・)」
律「!・・・映画、、でも観ていこうか。どうせ今日は軽音部の練習もないから、暇なんだよね~。」
綾「は、はい!!(やった・・・)」
綾(やっぱり、陽子と律さんは似ているけど、律さんの方が、なんというか思いやりがある・・・陽子は私の思いに気づいてもくれない)
律「今日は、カチューシャ外していくか・・・」
綾「ドキッ・・・」
律「あれ?どうした?」
綾「そ、そっちの方が素敵です!!」
律「そっか、ありがと」
穂乃花「ありがとうございました~」
穂乃花(ふーん、陽子ちゃんに負けず劣らず、という感じね・・・綾ちゃん、、心配しなくても、告げ口なんてしないから、気にしないでね)
綾(映画館に来るの、久しぶりだわ・・・わっ、平日の昼間でもカップルいるのね)
律「席・・・この辺でいいかな。綾ちゃん?」
綾「えっ、そうですねっ!」
律「映画ってさ、ブザーがなるじゃん?始まる前に。あの時が一番、ワクワクするんだよなあ♫」
綾「ふふっ・・(やっぱり、どことなく陽子に似てるわ)」
律「?」
紬「二人とも楽しそうね~」
唯「わたしたちは、りっちゃんの調査のために映画館にまで乗り込んだのです!」
澪「うぬぬ・・・・・」
梓「澪先輩!」
忍「陽子ちゃん、実は」
カレン「アヤ、早退したデス。ヨーコ!アヤ、どうかしたんでしょうカ…!?」
アリス「綾が!?」
忍「なんだか最近、悩み事があるみたいです。そのせいかも知れませんが体調も悪いみたいでした。」
陽子「うーん。そっか、、そんなことが・・・」
陽子「まあ、綾にだって悩み事くらいあるんじゃないかな。今日はゆっくり休んで、明日には元気になってるさ!」
忍「でも、思い詰めているみたいで・・・陽子ちゃん、電話してあげてくれませんか・・・?」
陽子「ほっとけばいいさ。いつまでも、私の後ろをついて回る犬じゃ、綾だって困るだろ」
アリス「そ、そんな・・・」
カレン「ヨーコ、冷たいデス・・・」
陽子「・・・・・・」
梓「それにしても、律先輩どういうつもりなんでしょうか」
唯「あの子を元気づけてやりたいんだろうねぇ」
澪「そ、そうだよなっ!それだけだよなっ!?」
紬「本当にそれだけかしら・・・?」
梓「どういうことです?」
紬「可愛い他校の後輩を思いやる気持ちが、いつの間にか、もうワンステージ階段を登ってしまうんじゃないかって」
唯「おおっ」
澪「そんなわけないだろ!」
紬「ふふっ、本当にそうかしら?」
澪「ぐっ」
澪(そんなわけ・・・ないよな?律?)
このSSまとめへのコメント
落ちたのか…
いい感じになりそうだったのにちょっともったいない