陽子「All Of Me」 (27)
ある日の放課後
綾「色んな事をしていたらすっかり遅くなってしまったわ」
綾「外はもう夜になりかけているし」
綾「早く陽子を迎えに行かないと」
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C組教室前
綾「陽子、こんな時間まで待っててくれたかな?」
綾「もし、いなかったり、怒ったりしていたら…」
綾「…」ジワッ
綾「いや、そんな事は無いわ。きっと陽子は怒らずに静かに待っているはずだわ」
綾「じゃあ、教室に入るわよ」
綾「陽子、こんな時間まで遅くなって…」
「…君の全てを愛してる」
綾「えっ!」
綾「い、今、言った言葉って…」///
「優しい君から 尖った君 完璧な君から 不器用な君まで愛してる」
綾「えぇぇぇぇーーーー」///
綾「こ、これってプロポーズの言葉だよね」///
綾「まさか…」///
「君の全てが欲しい」
「僕の全てを君に捧げるから」
綾「////」
綾「まさか陽子がプロポーズの練習をしているなんて…」
綾「でも、相手は誰なんだろう?」
綾「でも、陽子が作ったプロポーズの言葉が気になるからこっそり聞き続けましょう」
「君は僕の始まりと終わり」
「もし負ける時があっても僕は勝者でいられる」
「だって僕は君に全てを捧げたら 君も僕に全てをくれるから」
綾「////」
綾「聞いているだけでも顔が赤くなってしまう」///
綾「もし、これが私に向けてのプロポーズの言葉だったら…」
陽子『何回教えればいいんだろう』
陽子『綾は泣いている時もかわいいんだよ』
陽子『どんな辛い事があっても 私がいつも綾のそばにいるよ』
陽子『私は綾の全てを愛してる』
陽子『私は綾に全てを捧げるから』
陽子『綾も私に全てを捧げて』
綾「」ボンッ
陽子「わっ、今、何か変な音がしたぞ」
陽子「あっ、教室の外で綾が倒れてる」
陽子「待ってろ!すぐに助けてやるぞ!」
陽子「倒れている綾の顔を見たけどゆでダコみたいになっているな」
陽子「おーい、綾、聞こえるか?」
陽子「おーい、綾、私の声が聞こえるか?」
綾「」
陽子「ダメだ、反応が無い」
陽子「とりあえず保健室まで連れて行くか」
陽子「ちょうどそこに台車があるからそれに綾を乗せて運ぼう」
少し経って
綾「うーん、あれ?」
陽子「目が覚めたか」
綾「よ、陽子!あれ、ここは?」
陽子「ここは保健室だよ」
陽子「教室の外で変な音がしたから見たら綾が倒れてたからここまで運んだんだよ」
綾「陽子が私を運んだの?」
陽子「うんっ」
綾「(もしかしてお姫様…)」///
陽子「そこの台車に乗せて」
綾「」
陽子「どうして綾は教室の外で倒れてたの?」
綾「そ、それは…」
綾「(ど、どうしよう… 妄想が原因で倒れたなんてとても言えないわ)」
綾「ひ、貧血で倒れたのよ」
陽子「その割には顔が赤かったけど」
綾「ち、血が流れていたのよ」
陽子「血なんか全く流れていなかったけどな」
綾「そ、そんな陽子こそ教室で何をしていたのよ」
陽子「もしかして聞こえてた?」
綾「よ、陽子のプロポーズなんかき、聞こえなかったわ!」///
陽子「プロポーズ?」
綾「だって、陽子、プロポーズの練習を」
陽子「ああ、あれは洋楽の和訳を読んでいた所だよ」
綾「えっ」
陽子「最近気になった洋楽があってさ、カレンに和訳してもらったんだよ」
綾「プロポーズの練習じゃなくて洋楽の歌詞の和訳を聞いて気絶したなんて…」
綾「///」カアー
帰り道
陽子「何だ、読んでいる所を聞いていたのか」
綾「もう恥ずかしい… 洋楽の歌詞の和訳を聞いて気絶するなんて…」///
陽子「それくらいいい歌詞だろ」
綾「うん、凄いいい歌詞だったわ」
陽子「「綾をKOさせた歌詞」として歌詞を見たり曲を聴いたりする度に今日の綾を思い出すな」
綾「そんなの思い出させないでよ!」///
綾「この曲って何という曲名なの?」
陽子「「All Of Me」だよ」
綾「この曲って、最後はどういう歌詞になっているの?」
陽子「サビの終わりとだいたい一緒だけど」
『僕の全てを捧げるから』
『君も僕に全てを託して』
綾「…」
陽子「綾?」
綾「その歌詞、陽子にそのまま返すわ!」
綾「私の全てを陽子に捧げるから」
綾「陽子も私に全てを託して!」
陽子「全てを捧げるって…」
綾「私は陽子の事が好きなの!」
綾「大好きな陽子だから全てを捧げるの!」
綾「明るい陽子からおバカな陽子まで全ての部分を私は愛してるの!」
綾「猪熊陽子全てを私は愛してるの!」
綾「だから…」
ギュッ
陽子「分かったよ。私の全てを綾に捧げるよ」
綾「陽子…」
陽子「私も綾の全てが大好きだよ」
陽子「小路綾の全てが大好きだよ」
綾「陽子…」ポロポロ
陽子「泣いたり、怒ったり、照れたり、笑ったり、沢山の表情や感情を見せるそんな綾が大好きだよ」
綾「陽子…」ポロポロ
陽子「泣いている綾もすごくかわいいよ」
綾の家
綾「」ボー
綾「陽子からプロポーズされたなんてまだ信じられないわ…」
綾「あの後、誓いのキスを互いにしたなんて夢みたいだわ…」
綾「でも、これは夢じゃなくて現実…」
綾「…」
綾「今日から私と陽子は友達を越えて恋人なのかぁ…」
綾「信じられないわ…」
綾「」ボー
陽子の家
陽子「まさか歌詞を読んでいただけなのに綾と恋人になるなんて」
陽子「歌詞の力って凄いな」
陽子「暇だからラジオを聞こう」
陽子「あっ、タイミング良く「あの曲」が流れて来た」
綾の家
綾「ずっとボーっとしててはいけないからラジオでも聞きましょう」
綾「んっ、これは日本語で歌っていないから洋楽かな」
綾「」ズキン
綾「あれ、聞いているだけで胸打つ…」
綾「これってもしかして…」
♪モンダイナンカナニモナイヨ~
綾「あっ、電話だわ。もしもし」
陽子『もしもし綾』
綾「陽子!」
陽子『今、何をしているの?』
綾「今、洋楽を聴いているわ」
陽子『今聴いている曲名は』
綾「もちろんあの曲よ!」
陽綾「せーの!」
「All Of Me!」
おしまい
使用曲:
John Legend「All Of Me」
ttps://www.youtube.com/watch?v=450p7goxZqg
このSSまとめへのコメント
あまあい