コメディです
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~事務所~
ガチャ
本田未央「おつかれさま~。いやあ、最近冷えてきたね~」
渋谷凛「み、未央? お、お疲れ様……!」サッ
未央「んん? しぶりん、何か今隠さなかった?」
凛「そ、そんなことないけど?」
未央「いやいや、じゃあその後ろに隠した右手を見せてよ」
凛「ほ、本当に何も持ってないって!」
未央「本当に~?」
凛「も、もちろん! ウソだったら針千本飲ますよ!」
未央「罰がこっちにくるのおかしくない?」
――――――――――――――――――――
前作
渋谷凛「暑さをどうにか」本田未央「凌ぎたい?」
渋谷凛「暑さをどうにか」本田未央「凌ぎたい?」 - SSまとめ速報
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未央「まあ、見せたくないなら別にいいけど……」
凛「……」ホッ
未央「ーーと見せかけて!」バッ
凛「うわっ!?」
未央「これは……ゲーム?」
凛「……バレちゃったならしょうがないか」
未央「しぶりん、ゲームとかやるんだね? 意外かも……!」
凛「まあ……たまには」
未央「ふーん? あれ、しかもこれ……もしかして”ギャルゲー”っていうやつじゃない?」
凛「……流石は未央だね」
未央「いやいや、クラスの男子がやってるの見たことあるってくらいだよ」
凛「私はその辺にいるクラスの男子と同レベルって言いたいんだね」
未央「受け取り方が卑屈すぎるよ……」
未央「けっこう有名な作品なの?」
凛「いや……有名ではないかな……?」
未央「お? じゃあ隠れた名作ってやつ?」
凛「そういうわけでもなくて……」
未央「え? なんか要領を得ないというか……噛み合わないんだけど……」
凛「だってこれ……卯月が作ったゲームだし……」
未央「……そうきたか」
凛「あれ? あまり驚いてないね?」
未央「しまむーがやったことに驚かなくなった自分に驚いてるとこだよ」
未央「でも、どうして急にしまむーはゲームなんて作ったの?」
凛「……さ、さあ?」
未央「むむっ! しぶりんの目が泳いでるということは……しぶりんが頼んだの?」
凛「ギクッ!」
未央「このご時世、図星を突かれた時にわざわざ”ギクッ”って言ってくれるのはしぶりんくらいだよ」
凛「ま、まあまあ、理由なんてなんでもいいでしょ?」
未央「あ! わかった!」
凛「!」
未央「しぶりん、この前はみんなと仲良くなるためにあだ名を考えたりしてたし、今回もゲームで仲良くなる方法を学びたいとか考えたんじゃないの~?」
凛「ふう……未央は本当にお見通しだね……」
未央「ふふん!」
凛「でも、”ゲームなんかに頼らずに現実で仲良くなれよコミュ障”までは言わなくてよくない?」
未央「言ってないよ!?」
凛「でもさ、なかなか上手くいかないんだよね……こういうゲーム、やったことないし」
未央「まあ、けっこう難しそうだよねー」
凛「あ、せっかくだから未央、お手本みせてくれないかな?」
未央「わ、私? でも、私だってこういうゲームは初めてだし……」
凛「でも、未央にはそのクソコミュ力があるでしょ?」
未央「いちいち腹が立つ言い回しだよね」
凛「何人の友達を泣かせてきたのか知らないけど、ゲームでも発揮できるんじゃないの?」
未央「しぶりん、私をなんだと思ってるの?」
凛「まあまあ、細かいことはいいからさ?」
未央「自信ないけどなあ……」
凛「NEW GAMEを選んで……名前はどうする?」
未央「あー、でも、主人公は男の子だよね? 本田……どうしようかな」
凛「ちなみにこのゲーム、ミドルネームが3つまで設定できるよ」
未央「うん、どうでもいい」
凛「さっき、『渋谷・アイオライト・サファイア・ロドリゲス・凛』で始めたらね、転校生の女の子が『あー! あんたは今朝のロドリゲス!』とか言い出して、10分くらい笑っちゃった」
未央「ちょっと面白いのが腹立つな……!」
未央「それはギャルゲの楽しみ方とは違う気がするけど……」
凛「名前は決まった?」
未央「でもしぶりんは男にもありそうな名前だからいいよね……。あ、じゃあ”本田 凛”にしておこうかな? なんて」
凛「こっ子供は何人ほしい!?!?!?」
未央「想像の100倍は酷いリアクションだ」
未央「まあ、本田ミオでいいかな。『ミオくん』とかはちょっと恥ずかしいけど……」
凛「わかった。次に、身長と体重を入力して」
未央「え? こういうゲームって、そんなの入れるんだっけ?」
凛「卯月の説明だと、身長が低いと高身長のヒロインに頭を撫でられたり、身長が高いと荷物を取ってあげたり、イベントが増えるみたい」
未央「へえ、こだわってるんだね。体重も?」
凛「うん、体重が重いとキャッチャーにコンバートされたり、体重が軽いとトラックに轢かれた時に吹っ飛びやすくなったりするよ」
未央「何の話?」
凛「入力は終わった?」
未央「終わったけど……」
凛「じゃあ、冒険に出る前に最初のポケモンを選んで」
未央「これホントにギャルゲ???」
凛「冗談だよ。はい、それじゃあ始めようか」
未央「不安だなあ……」
ミオ『俺は本田ミオ。近くの高校に通う、高校2年生だ』
ミオ『今日から新学期が始まる。空は晴天に恵まれ、カーテンから差し込む光が心地よい』
ミオ『コーヒーを飲みながら、朝食の時間だ』
ミオ『ふと、時計を確認する……10時を指していた』
ミオ『やれやれ……』
ミオ『寝坊したようだ』
未央「いきなりクズ!!!」
凛「これは数パーセントの確率で起きるイベントだね」
未央「運悪いな! どういう効果があるの?」
凛「うん、新学期の初めから遅刻するような人間に女の子を落とせるはずもなく、卒業まで異性と言葉を交わすことなくエンディングを迎えるみたい」
未央「詰んだ!?!?」
凛「リセットするしかないね」
未央「面倒なの引いちゃったなあ……」
ミオ『俺は本田ミオ。近くの高校に通う、高校2年生だ』
ミオ『今日から新学期が始まる。空は晴天に恵まれ、カーテンから差し込む光が心地よい』
未央「ここまで一緒なの、心臓に悪いんだけど」
凛「流石に連続はないんじゃないかな」
ミオ『コーヒーを飲みながら、朝食のじかコーヒー熱っっっっ!!!!!!』
ミオ『……』
ミオ『学校へ行く気力がなくなった』
ミオ『二度寝しよう』
未央「こいつなんなんだ!!!!!」
凛「コーヒーの熱さ程度で心が折れる人間に女の子を落とせるはずもなく、卒業まで」
未央「詰んだのはわかったからもういいよ! せめて家から出させてよ!!!」
ミオ『俺は本田ミオ。近くの高校に通う、高校2年生だ』
ミオ『今日から新学期が始まる。そしてここは……どこだ?』
ミオ『必死に記憶を辿る……昨日は、確かに自分の部屋で……うっ……頭痛が酷い……』
ミオ『扉には鍵がかかっている。窓もないようだ』
ミオ『さて、どうやって脱出するか……』
未央「家から出ることを主題にしろとは言ってないよ!!!!!」
凛「落ち着いて」
未央「まだ女の子の1人にも出会えてないのおかしいでしょ!?」
凛「私の時はすぐだったんだけどな……」
~~~~~~~~~~~~~~~
ミオ『さて、そろそろ家を出るか』
未央「ようやく登校してくれそうだよ……」
『もう! 遅いよっ!』
未央「あ! もしかして」
凛「うん、ヒロイン候補だね。家の前では”幼馴染”ポジションの娘と会えるの」
未央「長かったよ……。こういうのって、まずはストーリーを進めてヒロインの紹介とか導入を一通り見て、そこから個別のルートに入るんだよね?」
凛「うん、そんな感じだと思うよ」
『置いて行っちゃおうかと思ったんだからっ』
ミオ『はは、悪い悪い』
未央(……あれ? こ、このキャラデザイン……も、もしや)
ミオ(こいつは幼馴染の尾形チエリだ)
未央「いやいやいやいや、見覚えしかない名前と顔なんだけど!?」
チエリ『今日も冴えない顔だねっ』
未央(セリフも見覚えある……)
凛「あれ? 言ってなかったっけ?」
未央「な、何が?」
凛「このゲーム、ヒロインはウチの事務所のアイドルをモデルにしてるんだって」
未央「ええ!?」
凛「データを作る度に、それぞれのポジションにランダムでアイドルが配役されるみたい」
未央「そういうシステム!? ってか売りなよ! 絶対売れるよ!」
凛「未央はお金儲けのことばっかり……そんなんじゃ卒業まで異性と言葉を交わすことなく」
未央「その脅し文句はもういいから!」
凛「それじゃあ、ゲームに戻ろうか。ほら、選択肢出てるよ」
未央「いいけど……ちえりん落とすの難しそうだなあ……」
1:おはよう。今日もかわいいな
2:おはよう。冴えないだなんて……酷いな
3:(無視する)
4:うぇーいwwwwww
未央「なんかパリピ混じってない!?」
凛「どうする?」
未央「3と4は流石に論外でしょ……無難に1でいいや……」ポチッ
ミオ『おはよう。今日もかわいいな』
チエリ『かっ……!?』
ミオ『?』
チエリ『かっかかかかかかわいいだなんて言われてもうううう嬉しくないんだからっ!!!』チョップ!!!!!!!!!!
ミオ(チエリのチョップだ! コマンド入力で避けろ!)
未央「え? ええ!?」
凛「ほら! 画面のコマンドを入れて!」
未央「そ、そんなこと急に言われても!!!」
ミス!
ミオ『くっ! 避けられない!!!』
ザシュッ!!!!!!
未央「え? ど、どうなるの!?」
ミオ『チエリのチョップで俺は全治10か月の大怪我を負った。女の子のチョップも避けられないような人間に女の子を落とせるはずもなく、卒業まで異性と言葉を』
未央「詰むのかよ!!!!!」
凛「残念だったね……」
未央「いや無理でしょ急にあんなの!」
凛「でも大丈夫。このゲームには”巻き戻し”機能があるんだ」
未央「巻き戻し?」
凛「うん、任意のところまで時を戻せるの。デバッグ機能に近いかな」
未央「それは助かるけど……」
凛「卯月は『今の世代はこういう機能がないとすぐにゲームを投げちゃいますからね! 甘やかす機能も必要です!』って」
未央「いちいち煽るよね」
凛「巻き戻しで、チョップ避けゲームから再開しようか」
未央「まあ、クリアできたルートを見たいし……」
凛「じゃ、やってみて」ポチッ
ミオ(チエリのチョップだ! コマンド入力で避けろ!)
未央(落ち着け……! 落ち着けばこれくらいは……!)カチカチカチカチ
クリア!
未央「よし!」
チエリ『ぜ、全部避けられちゃった……』
チエリ『ふふっ……わたしも修行が足りないね』
チエリ『決めた! わたし、修行の旅に出るよ』
チエリ『次こそ当ててみせるから、せいぜい首を洗って待っててねっ』
ミオ(そう言ってチエリは去って行った……恐らく、もう会うことはないだろう……)
~チエリルート・完~
未央「……」
凛「……」
未央「……」
凛「おめでとう」
未央「おかしくない!?!?!?」
未央「初手で褒めたらもう詰みじゃん!!! どうすればいいのさ!」
凛「巻き戻しで、他の選択肢を選んでみようか」
ミオ『おはよう。冴えないだなんて……酷いな』
チエリ『じゃあ、目を覚まさせてあげるねっ』チョップ!!!!!!!!!!
ミオ(チエリのチョップだ! コマンド入力で避けろ!)
未央「結局チョップが飛んでくるんだけど!?!?」
凛「いっそ無視するのは?」
ミオ『……(無視)』
チエリ『な、なんで無視するのっ』チョップ!!!!!!!!!!
ミオ(チエリのチョップだ! コマンド入力で避けろ!)
未央「ほらもう無理だよ!!!!!」
凛「まだパリピがあるよ!」
未央「パリピでどうにかなる女の子を攻略したくないよ!!!!!」
ミオ『うぇーいwwwwww』
チエリ『えっ……さ、先に学校行ってるね。疲れてるなら……休んだ方がいいよ……?』タッタッタッタ
凛「セーフだったね!」
未央「ドン引きだったじゃん! 一般的にはアウトだよ!!!」
ミオ(チエリの好感度が20下がった。知力が20下がった。常識力が20下がった)
未央「ほらステータスもダダ下がりじゃん!!!」
ミオ(統率が20下がった。武勇が20下がった。政治が20下がった)
未央「そんでこの信長の野望みたいなステータスはいつ使うの!?」
凛「学校が落城して野武士になった時とかに大切だよ」
未央「2018年のギャルゲに必要な想定じゃないよね!?」
凛「じゃ、進めようか」
未央「1人目で既に疲れたよ……」
ミオ『おっと、俺も急がなきゃな。初日から遅刻なんてしたら笑えないぞ』タッタッタッタ
ミオ『そこの交差点を突っ切れば、学校はすぐだ!』タッタッタッタ
未央「交差点……もしかして」
凛「うん、ここもポイントだね。確か、転校生だったかな?」
未央「まあ、定番だよね」
ドシン!!!
ミオ『大きな音を聞いた俺は、思わず立ち止まっていた』
未央「……え? 自分がぶつかったんじゃないの?」
ミオ『ふと目の前の交差点を見ると、まさに黒髪短髪の女の子が、トラックに轢かれて数十メートルの距離を吹っ飛んでいるところだった!』
未央「ほたるん!!!!!」
凛「落ち着いて未央。まだほたると決まったわけじゃないでしょ?」
未央「ほたるん以外なら死んでるに決まってるじゃん!」
凛「トラックに轢かれて生還する勘定ができるアイドルもどうなの……?」
ミオ(思わず駆け寄る)
ミオ『だ、大丈夫か!?』
『いたたた……はい、大丈夫です』
ミオ『って、あ……』
1:その……パンツが……
2:その……首の骨が……
未央「なにこの二択!?」
凛「首の骨がどうなってるんだろ……」
未央「さ、流石に選ぶ度胸はないよ……!」
ミオ『その……パンツが……』
『へ……? き、きゃああああ!!!』
ガシャァァァァァァァン!!!!!!!!
ミオ(薄れゆく意識の中で俺が見たのは……恥じらう女の子の表情と……植木鉢の欠片だった……)
~完~
未央「どうすりゃいいんだ!!!!!」
凛「ってことは、首の骨が正解だね」
未央「怖いよ……聞きたくないよ……」
ミオ『その……首の骨が……』
『へ……? あ、すみません、よくあるんです……お恥ずかしい……』ゴガギグゲゴギッッッッ
未央「ほらもう人体からは発生しえない音が鳴ったもん……!」
『すみません、急ぎますので。……心配してくださったんですよね? ありがとうございます』タッタッタッタ
ミオ(そう言うと、少女は走っていった)
ミオ(???の好感度が10上がった。度胸が2上がった。不眠症になった)
未央「ちょっと体調崩してるじゃん」
~学校~
未央「ようやく登校できたよ……」
凛「大冒険だったね」
未央「学校ではまず、誰が出てくるの?」
凛「まずは……先生かな」
未央「マトモな人だといいんだけど」
凛「ランダムだからね」
ミオ(俺は始業のチャイムギリギリで席に着くことができた)
ミオ(何人かの友人に笑われてる気もするが、まあ気にしないでおこう)
『ホームルームを始めますよ~』
ミオ『そう言いながら教室に入ってきたのは、鷹九時カコ先生だ』
未央「お! 茄子さん!」
凛「年齢的にも悪くないね」
未央「うんうん」
凛「ちなみにさっき私は遊田コズエ先生を引いて、攻略しようとしたら通報されて終わったよ」
未央「挑むなよ」
カコ『今日からこのクラスに、なんと転校生が来るんです!』
ミオ(先生の突然の発言に、クラスが心なしかざわつく。……ま、あんまり興味ないけど)
カコ『では、ホタルちゃん、どうぞ~』
『え、ええと……百菊ホタルです……よろしくお願いします……』
カコ『はい! よろしくお願いしますね~』
ホタル『あの……』
カコ『どうかしましたか?』
ホタル『私……その……』
カコ『?』
ホタル『わ、私に近づくと不幸になるので……みなさん……近寄らない方がいいです……よ』
カコ『あらあら、そうなんですか? でもそれなら、このクラスにピッタリですね~』
ホタル『……え?』
カコ『だって私、日本一の幸運教師ですもの♪ ホタルちゃんも一緒に幸せにしちゃいますよ~』ギューッ
ホタル『せ、先生……!? は、恥ずかしいです……!』
ミオ(突然のかこほたにクラスは大盛り上がりだ!)
ホタルルートが閉じました。カコルートが閉じました。
かこほたを眺めるルートに入りますか?
未央「……」
凛「……」
未央「……」
凛「おめでとう」
未央「なんなの!?!?!?」
凛「特定のコンビが登場人物に含まれると、強制的に百合ルートに入るんだって。配慮が行き届いてるね。流石は卯月」
未央「それで救われる人はそもそもギャルゲを買うなよ!!!」
凛「次は自由行動だね。中庭で後輩キャラ、生徒会室で先輩キャラ、屋上で留学生キャラと会えるよ」
未央「もうなんでもいいよ……適当に中庭に……」
~中庭~
ミオ(中庭にいくと、ベンチに女の子が座っていた。その横にはフランスパンが空高く積み上がっている)
ミオ(……みるみるうちにパンが減っていく)
ミオ(すごい、なんだあれは。ブラックホールか)
未央「はい退散!!! 生徒会室行こう!」
凛「せめて話しかけてあげなよ」
未央「お金がいくらあっても足りないよ。ゲームオーバーが目に見えてるよ」
~生徒会室~
ミオ(せっかくの学生生活だし、生徒会に入るのもいいかもしれないな)
ミオ『お邪魔します!』
『ん? 見ない顔だけど……お、もしかして、生徒会に入りたいのか?』
ミオ『は、はい!』
未央「も、もしかして……!」
『そっか、あたしは書記の加治屋ナオってんだ。よろしくな』
未央「かみやん~~~~!!!!」
凛「うわ、びっくりした……!」
未央「決めた! 私はかみやん……もとい、かじやんを落とすよ……!!!」
凛「……未央」
未央「へ?」
凛「その書記のキャラは攻略対象じゃないんだ」
未央「ええ!? じゃあ攻略対象は……」
『生徒会長の美城だ』ドーン
未央「リセッッッッッッット!!!!!」ポチー
凛「未央、いきなりのリセットは感心しないよ」
未央「むしろあの人が後輩で出ることもありえるんだよね!? 怖っっっ!!!」
凛「念のため、屋上も行っておこう?」
未央「どうせろくでもない人選でしょ……?」
ミオ(屋上で黄昏れていると、いきなり誰かに話しかけられた)
『ハーイ☆ お元気しるぶぷれ~?』
未央「あー、なるほどね」
『アタシはフレデリカ! フランスからの留学生なんだ~。フレちゃんって呼んでね!』
未央(でもなんかフレちゃんは安心できるなあ……)
フレデリカ『そしてこっちはブラジルからの留学生の……』
『ナターリアだゾ! よろしく!』
未央「……あれ?」
未央「り、留学生枠は2人なんだ。珍し……」
ナターリア『こっちがドバイからやってきタ……』
ライラ『ライラさんですよー。こちらは中国からの……』
フェイフェイ『ふぇいふぇいだヨー! こっちがイギリスからの』
ケイト『ケイトデス! こちらは』
未央「待って待って多い多い!!!」
凛「外国人受け入れ政策の結果かもね……!」
未央「そんな社会風刺をギャルゲに!?」
キャシー『そしてあたしは台東区からやってきたキャシー!』
未央「台東区は国内だろ!!!!!」
ガチャ
卯月「私のゲームはどうですか未央ちゃん!」
未央「ゲームが悪いのか私の運が悪いのか判断しかねてるよ」
凛「急に現れた卯月にはノータッチなんだね」
未央「慣れてきたからね」
卯月「おかしいですね……」
未央「しまむーの頭が?」
凛「今日の未央、ちょっと攻撃的だね」
卯月「いえ! 私のテストプレイの時は、最初の会話で全員を落とせたんですが……」
未央「ギャルゲにあってはならないバグでしょ」
未央「ちなみにこれって、しまむーも出るの?」
卯月「はい! もちろんです!」
未央「まあ、しまむーを落とすって……見当もつかないけど」
卯月「そんなことないですよ? でも、そう簡単には」
凛「ううん、名前を”渋谷凛”にするだけで落とせるよ」
未央「いやいやそんなわけ……」
卯月「……り、凛ちゃん、試したんですか?」モジモジ
未央「あれ?」
凛「いや、カマかけただけだけど……図星みたいだね」フフッ
卯月「ええっ!? り、凛ちゃんのいじわる~」ポコポコ
凛「ふふっ、痛いよ卯月。全治10か月になっちゃうから」グキゴキグキ
未央「なんでイチャイチャしてるの……」
未央(ってか無敵に見えるけど、しまむーの弱点はしぶりんなのかもね)
凛「未央、落ち込まないで。私の予想が正しければ”本田未央”でも落とせるよ」
卯月「凛ちゃん~!!!」ポコポコポコポコ
凛「痛いってば……」346コンボ!!!
未央「いや太鼓の達人みたいなコンボ数積み上がってるけどしぶりん大丈夫?」
卯月「みねうちです~!!!」ポコポコポコポコ
未央「いや素手じゃん」
未央「ちなみにしぶりん、自分のデータでは誰を攻略したの?」
凛「1回目は幼馴染の未央と後輩の乃々が同時に出てきちゃって、選べなくて泣きながらリセットした」
未央「感情を入れ込みすぎだよ……嬉しいけど……」
凛「2回目は玄関出たら幼馴染の拓海が立ってて、”殺られる!!!”って思ってリセットした」
未央「そこは頑張ろうよ」
凛「3回目はコーヒーが熱くてゲームオーバー」
未央「あれしぶりんも当たってたんかい!!!」
卯月「このゲーム、売れるでしょうか……?」
未央「節々にある理不尽をなくせば絶対売れるよ」
凛「というか売るつもりはあるんだ」
卯月「理不尽なんてありましたか?」
未央「急にチョップ避けアクションゲームが始まることを理不尽と呼ばないなら、この世に理不尽なんて存在しないね」
卯月「なるほど! 急じゃなければいいんですね!」
未央「……はい?」
ーーその後、島村氏は迫りくるアイドルのチョップを避けまくる斬新なゲームを作成し、これが大ウケ。
発案者の本田、共同開発者(見てただけ)の渋谷とともに、ゲーム史に名を刻んだーー
HAPPY END
卯月「ぶいっ!」
未央「もうどうでもいいよ……」
おわり
ありがとうございました
直近の過去作
藤居朋「智絵里ちゃんがペットの犬をほたるちゃんって呼んでいる」
【モバマスSS】奪え!なおかれん!
日野茜「文香ちゃんは魔法使いですか!!!」鷺沢文香「違いますが……」
アナスタシア「教えてミナミィ」
などもよろしくお願いします
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