お久しぶりです
7人目は上崎裡沙です
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男学生「橘、今の講義どうだった?」
橘「あ~…今日は前の方に座ったけど、やっぱり教授の声が聞き取りにくくて」
男学生「あの教授、声小さいからなぁ…」
橘「うん、困ったもんだよな」
男学生「あ、そうそう!」
男学生「今日さ、コンパがあるんだけど橘も来ないか?」
橘「…先週もそんな話してなかったか?」
男学生「今週は一味違うんだよ!」
男学生「相手はフライトアテンダントだぞ!な?どうだ?」
橘「おいおい、知ってるだろ?僕にはちゃんと…」
上崎「あ、何してるの?」
上崎「ふふっ、こんにちは」
男学生「こんちは、上崎さん」
男学生「橘には裡沙ちゃんがいるもんなぁ」
上崎「えっ、何の話?」
橘「コンパに誘って貰ったんだけどさ…」
男学生「すっぱりと断られたんだよね~」
上崎「え?どうして?」
男学生「いやいや!それは裡沙ちゃんがいるからでしょ」
男学生「まあ、学内でもラブラブで有名なカップルだし…来ないと思ったけどさ」
上崎「えっ?別に行ってもかまわないのに」
橘「そうなの?」
上崎「一緒に行くから」
男学生「よしてくれよ、コンパにカップルで来るなんでさ…」
橘「行かないって…」
男学生「やれやれ…」
橘「あはは」
男学生「そうそう、二人はえらくお似合いだけど、知り合ったきっかけって何なの?」
上崎「えっと…高校2年の時…」
橘「小学生の時に裡沙ちゃんが転校してきてね…」
男学生「へぇ~…いいなぁ」
男学生「俺にもそんな素敵な出会いがあれば、毎週のようにコンパなんか行かずにすむのになぁ…」
橘「あはは、そうだな」
上崎「大丈夫だよ、きっかけがあれば、きっと」
数年後
橘「……」トボトボ
上崎「橘君!」
橘「裡沙ちゃん」
上崎「えへへ、こんなとこで会うなんて奇遇だね」
上崎「今仕事終わったの?」
橘「うん、裡沙ちゃんも?」
上崎「そうだよ、どこか寄ったりする?」
橘「いや、このまま帰ろうと思ってる」
上崎「そっか、じゃあ一緒に帰ろ」
上崎「あれ、今日の橘君なんか元気ないね」
上崎「また怒られたの…?」
橘「うん…上司と先輩に…」
上崎「そうなんだ…」
橘「……」
上崎「……」
上崎「橘君、ごはんまだ食べてないよね」
上崎「先に帰って待ってて、買い物して帰るから」
橘「う、うん…わかった」
―――――――
ピンポーン
橘「あ、裡沙ちゃんかな」
ピンポーン ピンポーン
橘「おかしいな、鍵は持ってるはずなのに、何で入ってこないんだ?」
ガチャ
美也「もう、いるのわかってるんだからすぐ出てよね」
橘「み、美也!?なんでお前が」
美也「友だちと遊んでたらもう遅くなっちゃったから今日は泊めてよね」
橘「いや、お前な…」
―――――――
ピンポーン
橘「あ、裡沙ちゃんかな」
ピンポーン ピンポーン
橘「おかしいな、鍵は持ってるはずなのに、何で入ってこないんだ?」
ガチャ
美也「もう、いるのわかってるんだからすぐ出てよね」
橘「み、美也!?なんでお前が」
美也「友だちと遊んでたらもう遅くなっちゃったから今日は泊めてよね」
橘「いや、お前な…」
ガチャ
上崎「お待たせ~」
上崎「橘君、今おいしいものいっぱい作るから…」
上崎「ってなんで美也ちゃんがいるの」
美也「遊んでたら遅くなったから、今日は泊めてもらうんだよ」
上崎「遅くって…全然遅くないでしょ!」
上崎「まだまだ電車はあるし、なければタクシーでも使って帰ればいいじゃない」
美也「何怒ってるの?もう泊まるって決めたもん」
上崎「橘君、いいって言ったの?」
橘「いや、まだ何も言ってないよ…」
ガチャ
上崎「お待たせ~」
上崎「橘君、今おいしいものいっぱい作るから…」
上崎「ってなんで美也ちゃんがいるの」
美也「遊んでたら遅くなったから、今日は泊めてもらうんだよ」
上崎「遅くって…全然遅くないでしょ!」
上崎「まだまだ電車はあるし、なければタクシーでも使って帰ればいいじゃない」
美也「何怒ってるの?もう泊まるって決めたもん」
上崎「橘君、いいって言ったの?」
橘「いや、まだ何も言ってないよ…」
上崎「じゃあ帰らせた方がいいよ」
上崎「美也ちゃんももう子どもじゃないんだから、いつまでも橘君にベッタリしないの」
美也「裡沙ちゃんが決めることじゃないでしょ」
上崎「ここは橘君の部屋であると同時にあたしの部屋でもあるんだよ」
上崎「それにあたしは美也ちゃんのねぇねなんだよ」
上崎「ねぇねの言うことは聞かなきゃだめでしょ」
美也「美也は裡沙ちゃんをねぇねとは認めてないもん」
橘「まあまあ二人とも…」
美也「にぃにはどっちの味方なの?」
橘「えっ?」
上崎「そうだよ、橘君の意見はどっち?」
橘「え、えっと…」
橘「ぼ、僕にとって二人とも大事だから、僕は両方の味方だよ」
美也「……」
上崎「……」
美也「じゃあにぃにの意見は何?」
橘「……」
橘(うーん…)
橘(二人の気を悪くさせずに済む方法はないものか…)
橘(裡沙ちゃんは他の女の子に対しては寛容になったけど、美也だけに対してはなぁ…)
橘(仕方ない…)
橘「な、なあ美也…今日は本当済まないけど、僕も裡沙ちゃんも明日早いんだ」
美也「……」
橘「だから今度の休みなら…な」
美也「はぁ、しょうがないな、絶対だよ」
橘「裡沙ちゃんもいいよね?」
上崎「橘君が言うなら…」
美也「じゃあ今日は帰るけど、次の休み絶対だからね!」
橘「ああ、悪いな」
美也「裡沙ちゃん、えっちなこともほどほどにね!」
橘「なっ…」
上崎「ほ、ほっといてよ!」
バタンッ
橘「…ごめんね裡沙ちゃん」
上崎「ううん、あたしこそ」
上崎「橘君を元気づけようと思ってたのに、気を使わせちゃったね…」
橘「いや、裡沙ちゃんと美也見てたらちょっと元気が出たよ」
上崎「ほんと?」
橘「うん、ありがとう」
上崎「そんな、お礼を言われるようなことなんて何も」
上崎「あっ!ごめん!」
橘「え?何?」
上崎「ごはん作ってなかった…」
橘「ああ、そういえばまだだった」
上崎「すぐ作るね!」
橘「いいよいいよ、僕が作るからお風呂入りな」
上崎「でも…」
橘「裡沙ちゃんに迷惑かけた分だよ、僕はもう入ったし任せて」
――――――
橘「あれ、もう出たの?」
橘「もっとゆっくりしてていいのに」
上崎「元はあたしが作る予定だったから、任せっぱなしってのも悪いかなって思って」
上崎「一緒に作ろっ」
橘「うん」
橘「ほんと美也がごめんね」
上崎「まだ言ってるの?全然いいよ」
上崎「…美也ちゃんはきっと橘君のことが好きなんだよ」
橘「はは…美也は妹だよ」
上崎「あたしのスキと美也ちゃんのスキはまたちょっと違うよ」
橘「そう?」
上崎「そうだよ、あたしの妹はあたしに懐いてくれるけど、家族としてだもん」
橘「家族としてか…」
橘「そういえば裡沙ちゃんにも妹がいたんだよね」
上崎「うん、まだちゃんと紹介はしてなかったね」
上崎「真詩っていうんだけどね、ちょっと年が離れてるの」
橘「へぇ、どんな子なの?」
上崎「あたしと真逆かな…」
橘「真逆…何が?」
上崎「あ、会えばわかるよ、今度紹介するね」
橘「うん」
橘「裡沙ちゃんはその真詩ちゃんと仲はいい?」
上崎「もちろん、家を出るってなったときちょっと泣かれちゃったぐらい」
上崎「もう会えなくなるってわけじゃないのにね」
上崎「でも、姉とはいえ自分の好きな人が次の日からいなくなると、やっぱり嫌というか、悲しいというか…」
橘「そうか…美也ももしかして…」
上崎「うん、美也ちゃんはもう大学生で時間も行動力もあるから頻繁に来ちゃうんじゃないかな」
上崎「美也ちゃんがここに来る事情はだいたいわかってるんだけどね…」
上崎「やっぱり、橘君との二人の時間は誰にも邪魔されたくないの」
上崎「わがままだってことはわかってるけど…」
橘「そんなことないよ」
橘「僕も同じだから…」
橘「美也や他の友だちも大切だけど、僕にとって一番大事なのは裡沙ちゃんと過ごす時間だから」
橘「今すごく楽しいよ」
上崎「橘君…」
上崎「えへへ」
数日後
美也「うーん、昼過ぎまで出かけてるって言ってたし、ちょっと早かったかな」
美也「まあ、いなくても合鍵はもらったし、中で待ってればいいか」
美也「あれ、誰かいる」
???「……」ピンポーン
???「……」
???「いないのかなぁ…」
美也「……」
美也「あ、あの…何かご用ですか?」
???「うわわわわっ!」
美也「!?」
???「あっ、ご、ごめんなさい」
???(あれ、この人がここの部屋の人…?)
???(じゃあ間違えてる…!)
???「す、すみません間違えました!」ぴゅーん
美也「あ…」
美也「…なんだったんだろう」
???「どうしよう、お姉ちゃんの部屋間違って覚えてたみたい…」
???「このまま帰るわけにもいかないし…」
???「あれ?」
上崎「そういえば、今日は美也ちゃんが来るのよね」
橘「うん、約束したからね」
???「あっ!」
上崎「えっ」
???「お姉ちゃん!」
上崎「真詩!?」
上崎「どうして真詩がここに…?」
真詩「お母さんに届け物頼まれたの」
真詩「部屋に行ったはいいけど、間違えて覚えちゃってたみたいでどうしようかと思ってたの」
上崎「そ、そう」
真詩「…この人お姉ちゃんの彼氏?」
上崎「そ…そうだけど」
上崎「あっ橘君紹介するね、あたしの妹の真詩、この前言ってたでしょ」
橘「うん、はじめまして、僕の名前は橘純一、よろしくね」
上崎「ほら、挨拶しないとだめでしょ」
真詩「あっご、ごめんなさい、上崎真詩です!」
橘「なんかいつもよりピシッとしてるような…」
上崎「い、妹の前ではちゃんとしたお姉ちゃんでいたいから…」
橘「へぇ、なんだか嬉しいな、また新しい裡沙ちゃんが見られて」
上崎「そういうことは二人だけのときに…その、照れてなんだか…」
真詩「お姉ちゃん?」
上崎「!…な、なに?」
真詩「どうしたの、お姉ちゃん?」
上崎「なんでもないよ、いつも通り」
上崎「そうだ、せっかく来たんだから部屋まで来ない?」
上崎「いいよね?」
橘「うん、いいよ」
――――――
上崎「ここよ、覚えた?」
真詩「あれ、ここってさっき違う人がいたけど…」
上崎「え?宅配の人とかじゃないの?」
真詩「ううん、何かご用ですかって言ってたもん」
橘「?」
上崎「?」
橘「まあ、たぶん大丈夫だよ」
ガチャ
上崎「あっこの靴…」
橘「なんだ、美也か」
橘「おーい美也、いるのか?」
美也「あ、にぃにお帰りー」バリッ
橘「自分の家みたいなくつろぎ方してるな…」
美也「いいじゃん、別に、にしし」
上崎「あー!それあたしの煎餅!なに勝手に食べてんのよ!」
美也「もう、そんな怒らなくても」
上崎「人のもの勝手に食べといて何よその態度!」
橘「り、裡沙ちゃん…真詩ちゃんもいるからここは落ち着いて…」
上崎「あっ…」
上崎「真詩、い、今のは…演技!そう、演技だからね!」
真詩「演技…?」
美也「あ、さっきの」
真詩「え?」
美也「誰?」
橘「ああ、この子は裡沙ちゃんの妹の真詩ちゃんだよ」
美也「裡沙ちゃんの!?」
美也「……」じーっ
美也「嘘だ」
上崎「なんでよ」
美也「ここ」ぽんぽん
上崎「……」
美也「……」
上崎「……」
美也「……」
上崎「美也ちゃん…」
美也「うん、ごめん…」
美也「でも、信じられないよ、裡沙ちゃんにこ~んな妹がいるなんてさ」
橘「うん…それは確かに…」
上崎「橘君!?」
橘「は、はは、冗談だよ」
上崎「あたしだって本当はもっとこう…橘君好みに…」
橘「何言ってんの、僕の好みは裡沙ちゃんだよ」
上崎「ほんと…?」
橘「うん」
上崎「胸だって全然ないよ」
橘「全く気にしないよ」
上崎「えへへ」
真詩「お、お姉ちゃん…」
美也「にぃに、裡沙ちゃん…そういうのは二人だけのときにしてよね」
橘「あ…」
上崎「そ、その…だからね…」
上崎「……」
橘(ここにいたらちゃんとしたお姉ちゃんってのは厳しいんじゃないかな…)
上崎「橘君、それはひどいよ」
橘「え…何も言ってないよ」
上崎「何考えてるかわかるよ…」
橘「裡沙ちゃんに隠し事はできないな」
上崎「今のはあからさまだったから」
橘「どっちにしろ僕は裡沙ちゃんに隠し事はしないよ」
橘「裡沙ちゃんの前では正直でいたいから」
上崎「あたしも同じ、えへへ」
美也「……」ずいっ
上崎「!」
橘「わっ、な、なんだ美也近いぞ」
美也「二人とも…今さっき言ったばっかだよね」
美也「もう一度だけ言ってあげるけど、今は美也も真詩ちゃんもいるんだよ」
橘「わ、わかってるよ…ねえ」
上崎「う…うん」
美也「はぁ…真詩ちゃんも美也と同じで上のせいで苦労したんだね」
橘「なんでだよ」
上崎「あたしは家だとちゃんとしたお姉ちゃんなんだよ!」
美也「ほんとかなぁ…」
美也「裡沙ちゃんはいつもにぃにの…」
上崎「それは昔の話でしょ!」
真詩「……」
真詩(この人たち…私の知らないお姉ちゃんを知ってる…)
真詩(お姉ちゃん、ああいいう顔もするんだ)
真詩(厳しいとこもあるけど、優しいお姉ちゃん…外だと違うのかな…)
真詩(興味あるな~)
美也「そういえば、あとあんなのもあったなー」
上崎「もっ、もういいでしょ!」
真詩「……」じーっ
上崎「はっ…!」
真詩「お姉ちゃん」
上崎「な、なに…真詩?」
真詩「お姉ちゃんすごく楽しそう」
上崎「…そうかな?」
真詩「うん、だって家じゃ見られない表情…顔してるもん」
上崎「え…」
真詩「お姉ちゃんがあのお兄さんを好きなのがよくわかるよ」
真詩「あっお兄さんじゃなくて、もうお義兄さんって言った方がいいのかな?」
上崎「まっ…真詩!?」
――――――
美也「もうこんな時間かー」
美也「お腹すいたー、裡沙ちゃん何か作って」
上崎「何であたしが美也ちゃんに…」
上崎(…と、真詩の前では冷静に…)
橘「美也、裡沙ちゃんを困らせるんじゃない」
美也「仕方ない、じゃあ美也が作ってあげますか」
橘「や、やめろ!それはだめだ!」
上崎「真詩はもうお昼食べた?」
真詩「ううん、まだ」
真詩「お姉ちゃんが作るの?」
上崎「うん、そうよ」
真詩「わぁ、楽しみ」
真詩「あっ、私も手伝うよ」
上崎「橘君、今ごはん作るからちょっと待っててね」
美也「美也もいるんだけど」
上崎「…うん」
美也「ねえにぃに」
橘「裡沙ちゃんの妹もいる前でにぃにはやめてくれよ」
美也「いいじゃん」
橘「…それで、なんだ?」
美也「にぃにって今の裡沙ちゃんのどういうところが好き?」
橘「な…なんでそんなこと妹に言わなきゃならないんだ」
美也「裡沙ちゃんのことは好きなの?」
橘「当たり前だろ」
美也「じゃあどういうところが好き?」
橘「……」
美也「もしかして好きなところないの?」
橘「いや、たくさんある」
橘「ありすぎて困る」
美也「じゃあ一つぐらい教えてよ」
橘「……」
橘「優しいところ」
美也「適当に答えないで、もっと具体的に」
橘「何が不満なんだ、裡沙ちゃんは優しいぞ」
美也「…知ってるよ」
橘「具体的にか、そうだな…」
橘「僕のプレゼントに喜んでくれることかな」
美也「…何それ?」
橘「アクセサリーみたいなものでもケーキみたいな食べ物でも喜んでくれる」
橘「それが僕はうれしいんだよ」
美也「うーん、プレゼントもらって喜ぶのは普通じゃないの?」
橘「まあ、何気ないことでも裡沙ちゃんといればうれしくなれるってことだよ」
上崎「真詩、そこの下にフライパンがあるからとって」
真詩「えっと…あ、ここか」
上崎「ありがとう」
真詩「好きな人に作る料理ってどう?」
上崎「ぶっ!」
真詩「大丈夫?お姉ちゃん」
上崎「うん…ちょっと驚いただけ」
真詩「それでどうなの?」
上崎「それはもちろんおいしく食べてもらいたいから頑張るし…」
上崎「おいしいって言ってもらえるとうれしいし…」
上崎「橘君のこと考えてるだけでも楽しいし…」
真詩「お姉ちゃんってそういう可愛いところもあるんだね」
上崎「も、もうっ何言ってるの、あんまりからかわないで」
真詩「だって今日だけで、今まで知らなかったお姉ちゃんを見ることができたんだもん」
上崎「……」
上崎「真詩から見て、あたし変だったかな…?」
真詩「ううん、そんなことないよ」
真詩「お姉ちゃんのことは大好きだったけど、もっと大好きになったもん」
上崎「なら…よかった」
真詩「でも、お姉ちゃんが一番好きなのはあのお義兄さんなんだよね」
上崎「お、お義兄さんって言い方はちょっと…早いんじゃないかな…」
上崎「いずれはそうなってほしいけど…」ぼそっ
真詩「え?」
上崎「なんでもない」
真詩「それでお姉ちゃんはお義兄さんのどういうところが好きなの?」
上崎「いっぱいあるけど…」
上崎「いつもあたしを気に掛けてくれることとかかな」
真詩「優しいんだね、すごく誠実そうだしね」
上崎「誠実…うん、間違ってはいない…そうだね」
上崎(たしかに橘君は誠実…これは間違っていない)
上崎(でも…いや、これは真詩に言うべきじゃないよね)
上崎(あたしは橘君の大好きなところの一つだから気にしないけど、他の人はいい印象を持たないかも…)
真詩「難しい顔して…もしかして何かお義兄さんの嫌なところがあるの?」
上崎「ううん、そんなことない、橘君はすごく…紳士だよ」
―――――――
真詩(お義兄さんにも話を聞いてみたいけど…)
上崎「それでね…」
橘「うんうん」
真詩(お姉ちゃんの邪魔しちゃ悪いよね)
美也「……」じー
真詩「……」
真詩(美也…さんっていったっけ?お義兄さんの妹さんよね)
真詩(お姉ちゃんとお義兄さんが仲良くしてるのを呆れてるような、つまらなさそうな目で見てる…)
真詩(きっとお義兄さんのこと好きなんだろうな、よくわかる…)
真詩(でも、なんなんだろう…たまに私の方見てくる…)
真詩(でもたしかに二人があんな感じだとちょっと気まずいよね…)
美也「まんま肉まん…」ぼそっ
真詩「…?」
真詩(今何か言ったような…)
真詩「……」
真詩(美也さんって可愛いな、年は私よりちょっと上ぐらいかな?)
美也「……」ととと
美也「……」じーっ
真詩「あ、あの…」
美也「本当に…裡沙ちゃんの妹なんだよね…?」
真詩「は、はい…そうですけど」
美也「あ…あやからせろ~!」
真詩「み、美也さん!?」
上崎「ちょっと美也ちゃん!真詩になにしてるの!」
美也「だってあやかりたいもん」
橘「美也、無駄なことはよせ」
美也「無駄って何よ!」
橘「今のお前が何よりの証拠じゃないか」すかっすかっ
ブシャッ ギシャッ
上崎「橘君!?」
橘「平気…いつものことだから…」
美也「ふんっ、バカにぃに」
美也「裡沙ちゃんだって変わらないでしょ」
上崎「美也ちゃんよりは大きいよ」
美也「大きいって言えるほどでもないくせに」
上崎「なっ…」
上崎「い、いいもん!橘君はこれが好きって言ってくれるんだから」
美也「む~…」
美也「じゃあにぃには同じような体型の美也も好きってこと?」
橘「どういう思考をすればそうなるんだ…?」
橘「……」
橘「い、妹としてな」
橘「ごほんっ…その、そ、そういう意味で好きなのは裡沙ちゃんだけだ」
上崎「橘君」ぱぁぁ
美也「…はぁ、そうだね」
美也「似た者同士の二人だしお似合いだよ」
――――――
真詩「お姉ちゃん、私そろそろ帰るね」
上崎「え、もう帰るの?」
真詩「うん、夕方には帰るって言っちゃってるから」
上崎「そっか…」
上崎「じゃあ送るわ」
上崎「橘君、真詩を駅まで出かけるね」
上崎「あっ、ついでに買い物もしてくるけど、何かほしいものある?」
美也「まんま肉まん!」
上崎「美也ちゃんには聞いてない」
橘「買い物するなら僕もついていくよ」
橘「美也はお留守番しててくれ」
美也「まんま肉まん」
橘「わかったわかった」
駅
上崎「じゃあ真詩、気をつけて帰るのよ」
真詩「うん」
真詩「お姉ちゃんもね」
上崎「あたしは橘君がいるから大丈夫よ」
真詩「それならお義兄さん、お姉ちゃんをお願いしますね」
橘「うん」
橘「…お義兄さん?」
上崎「ま、真詩…!」
真詩「あっもうそろそろ電車来る時間だ」
上崎「…まったく」
部屋
橘「ただいま」
美也「おかえり~」
美也「だいぶ早かったね」
橘「早く帰って来ないとせっかくの肉まんが冷めちゃうだろ」
美也「行きに買ったの?」
橘「いや、帰りだよ」
美也「…てっきり二人でどこか行ってから帰ってくるんじゃないかなって思ってたのに」
橘「うーん…僕はそうしたい気持ちもあったけど、裡沙ちゃんが美也がお腹すかせてるだろうからって真っすぐ帰ってきたんだよ」
美也「裡沙ちゃんが?一体どういう…」
橘「あとは僕のお腹がピンチなのもあったんだけど…」
上崎「そんな変なこと?」
美也「うん」
上崎「たまには美也ちゃんにもねぇねが優しいってこと見せてあげないと」
美也「まあ、お腹すいてたしありがたいけどね」
上崎「ふふ、そうでしょ」
美也「後はすぐ怒ったりしなければ、もう少しマシになるんじゃない?」
上崎「怒ってるつもりはないけど…とういうよりほとんど原因美也ちゃんでしょ…」
美也「あ、それと周りをもう少し見れるようになった方がいいよ」
上崎「美也ちゃんがそれ言うの…?」
美也「真詩ちゃん、びっくりしてたよ」
上崎「それは…」
上崎「うう…せっかく今まで立派なお姉ちゃんでいたのに」
美也「そんなこと言うならもっと落ち着いて行動すればよかったのに」
上崎「誰のせいだと思ってるの」
美也「裡沙ちゃん」
美也「主な原因としては絶対裡沙ちゃんがにぃににデレデレしてたことだもん」
上崎「う…」
美也「あの時は美也も真詩ちゃんもいたからあんなものだったかもしれないけど、普段はどうなってるの?」
美也「不安で仕方ないよ」
美也「全く、やっぱりにぃにには美也がついてないとダメだね」
上崎「なっ…橘君にはあたしがいるもん」
美也「だから心配なんだよ」
上崎「どういう意味!?」
上崎「だいたいもういい加減橘君にベッタリしてないで、他の人探しなよ」
上崎「いつまでもそんなんじゃこの先どうするの」
美也「別にいいもん」
美也「二人が面倒見てくれるでしょ」
上崎「見ないよ」
美也「え、ケチ」
上崎「普通でしょ」
上崎「でも、やっと美也ちゃんがあたしをねぇねと認めてくれたってのは悪い気はしないね」
美也「なんで?認めてないよ」
上崎「認めてないって何よ…」
上崎「さっき二人がって言ったじゃない」
美也「ああ、あれね」
美也「ねぇねにならなくても美也の将来の面倒ぐらい見てくれるでしょ」
上崎「どんな自己中心的発言!?」
上崎「ねぇねじゃないのなら完全他人じゃない」
上崎「他人が美也ちゃんの面倒見るわけないでしょ」
上崎「…まあ、どうしてもって言うならねぇね…として少しぐらい見てあげてもいいかな」
美也「ねぇねじゃないとダメなの?」
上崎「え、話聞いてくれてた?」
美也「他人じゃないでしょ、友だちじゃない」
上崎「えっ友だち…あたしのこと友だちって言ってくれるの?」
美也「当たり前でしょ、裡沙ちゃんはそう思ってくれてないの?」
上崎「美也ちゃん…ありがとう…」
上崎「……」
上崎「いや、友だちでも将来の面倒見るのはおかしくない?」
数日後・東寿司
橘「どうもー」ガラガラ
梅原「ヘイラッシャイ!」
梅原「お、大将か」
梅原「今日は一人なのか?」
橘「今日は裡沙ちゃんが遅いからどこかで食べて来てって…」
梅原「なるほどね」
梅原「さっ、じゃあまずは何食う?」
橘「…と思ったんだけど、ここに来て持ち帰ったらちょうどいいぐらいかなと思って」
梅原「なんだよ、せっかくなんだから食べて行けばいいのに」
橘「悪いな、それはまた今度二人で来るよ」
梅原「上崎さんとは最近どうなんだ?」
橘「毎日楽しくやってるよ」
梅原「そうか、やってるのか」
橘「いや、違うよ、そういう意味じゃない」
梅原「え?何がだ?」
橘「絶対正しく僕の意思が伝わってないもの」
梅原「じゃあどういう意味なんだ?」
橘「まともな方で考えてくれ」
梅原「はいよっ、二人前とちょっとおまけしといたぞ」
橘「ありがとう」
橘「あっ、ちゃんとイカは入ってるか?」
梅原「おう、入ってるぞ」
梅原「お前そんなイカ好きだったのか?」
橘「うーん…なんとなく…かな」
梅原「まあいいや」
梅原「じゃあまた来てくれよな」
橘「ああ」
―――――
橘「裡沙ちゃん喜んでくれるかな」
カランッ
橘「ん?」
橘「なんだ空き缶か」
橘「まったく…誰だよポイ捨てなんて」
橘「えっと、ゴミ箱は…」
橘「あった」
橘「ん?あの人何してるんだ?」
橘「まあ、いいやこれ捨てて早く帰ろ」
ガンッ
橘「えっ!?」
女性「ほんっとありえないっ!」
橘(な、なんだあの人…ゴミ箱を襲ってる…)
女性「どれだけあたしに頼れば気が済むのよ」
女性「自分の事は自分でしなさいよね!」
ガンッ ガンッ
橘(う、うわぁ…ゴミ箱の形が…)
女性「仕事でしょ?それで稼いでるんでしょ?」
女性「まったく能無しなんだから!!」
ガッシャーーーン
女性「もうっ!何で倒れんのよっ、最悪!」
女性「もっとちゃんと地面に打ち付けておきなさいよね」
女性「あたしが安心して蹴れないじゃない!」
橘(そ、そんな滅茶苦茶な…)
女性「……」
橘(あ、でも自分で拾うんだ…)
橘「……」
橘(散らかってしまった空き缶をゴミ箱に戻してるみたいだけど…)
橘(…て、手伝った方がいいのかな?)
橘「……」
橘(どうにも出て行く雰囲気じゃないよな)
橘「……」
橘(うん!見なかったことにしよう)
橘(それがいい!まったく問題ない!)
カラン
橘(うわっしまった!)
女性「誰っ?誰かいるの?」
橘(ど、どうしよう…)
女性「えっ…あなたもしかして橘君?」
橘「えっとその…」
橘「!」
橘「あ…絢辻さん…?」
橘「……」
絢辻「……」
橘「そ、そっか…絢辻さんだったのか」
橘「たまたま通りかかったら、絢辻さんがあき缶を片付けてて…」
絢辻「え?あ、そう…なんだ」
橘「僕も手伝うよ」
絢辻「あ、ありがとう…」
橘「よし、これで最後だな」
絢辻「そうね、本当ありがとう」
橘「ううん、別に大したことじゃないし」
絢辻「……」
絢辻「ねぇ、橘君…」
橘「何?」
絢辻「えっと、さっきのことなんだけど…」
絢辻「もしかして私が空き缶を拾う前に…な、何かしてるとこ見てたかな~なんて」
橘「え…」
橘(何かって…多分あれのことだよなぁ)
橘「う~ん、そう…言われてもな…」
絢辻「あ、えっと、見てないなら別にいいの」
橘「そ、そっか」
絢辻「うん、ごめんね、変なこと聞いちゃって」
橘「う、ううん、別にいいよ…」
橘(誰に言うわけでもないしいいよな…)
橘「そ、それにしても偶然だね…絢辻さんに会うなんて」
橘「よく僕のこと覚えてたね」
絢辻「今までクラスメイトだった人はほとんど覚えてるわよ」
橘「へ、へぇ、すごいな僕は半分覚えていられるかどうか…」
絢辻「私のことは覚えててくれたのね」
橘「うん、絢辻さんは高校の時すごかったからね」
絢辻「私はただ真面目に過ごしてただけよ」
絢辻「さて、あんまり長話してたら橘君に悪いわ」
絢辻「待ってる人がいるんでしょ」
橘「え?」
絢辻「そのお寿司」
絢辻「一人で食べるにはちょっと大きいようだから、誰かと食べるのかなって思って」
橘「ま、まあその…彼女と…」
絢辻「ふーん」
絢辻「時間とらせてごめんね、彼女さんのためにも早く帰ってあげて」
橘「う、うん、それじゃ」
絢辻「……」
絢辻(わたしの分も幸せにね…)
1か月後
ピンポーン
上崎「はーい」
ガチャ
美也「……」
上崎「美也ちゃん…どうしたの?」
美也「…うん」
美也「…今裡沙ちゃんだけ?」
上崎「そうだけど」
美也「あの…話たいことがあって…」
上崎「?…まあ、中に入って、話しはそれから」
美也「……」
上崎「何かあったの?」
上崎「橘君じゃなくてあたしに話があるなんて」
美也「……」
上崎「無理に言わなくていいよ、落ち着くまでここでゆっくりしたらいいわ」
美也「……」
美也「裡沙ちゃん…」
上崎「なあに?」
美也「美也…社会に出て…これからどう生きていけばいいのかな…」
上崎「え…?」
上崎「ど…ど、どうしたの美也ちゃん!?」
美也「…なんだか自信がなくなっちゃって」
上崎「ちょっと待って…!」
上崎「どういうことなのかよくわからないよ、詳しく話して」
美也「……」
美也「この胸でどうやって生活していけばいいの…!?」
上崎「え…ええ…?」
美也「だって、こんな胸なの美也以外じゃ裡沙ちゃんと逢ちゃんしかいないもん!」
上崎(それ単純に美也ちゃんが大きな胸の人しか見てなかっただけじゃないのかな…)
上崎(あと、あたしの胸は美也ちゃんよりは大きい!…少しだけ)
上崎(まあそれは言わないでおくけど…)
上崎「えっと…美也ちゃん?」
上崎「あのね、女の人はここだけじゃないからね」
上崎「ほら、橘君だってこれでいいって言ってくれるし」
美也「だってにぃには裡沙ちゃんのことが好きなんだもん」
美也「それに変態だし」
上崎「別に小さいのが好きな人=変態ってわけじゃないよ…」
上崎「とにかく…なに?」
上崎「美也ちゃんの悩みって胸が小さいから、この先不安ってこと?」
美也「うん…」
美也「だから裡沙ちゃんは美也より小さいのに、どうやって社会に出て生活してるのかなって思って…」
上崎(いや、美也ちゃんよりはあるってば!)
上崎「そもそも美也ちゃん…社会に出た後どういう風に考えてたの…」
上崎「心配なのは仕方ないけど、こ…この小さいのが社会で通用しないなら就職なんてできてないよ」
上崎「ほら、美也ちゃんも決まったんでしょ?」
美也「うん…」
上崎「たしかにあたしも最初は不安だったよ」
上崎(胸では思わなかったけど…)
上崎「でも安心して、美也ちゃんにはお兄さんがいるでしょ」
美也「にぃに…」
上崎「それに、あたしもいる」
上崎「あたしたちはいつも美也ちゃんのそばにいるし、いつでも味方だからね」
美也「裡沙ちゃん…」
上崎「…だからあたしのことをねぇねって呼んでいいんだよ」
美也「ありがとう裡沙ちゃん、なんかちょっと元気出てきた」
橘「ただいま」ガチャ
橘「あれ、なんだ美也来てたのか」
美也「うん、でももう帰ろうかなって思ったところ」
美也「またね、にぃに、裡沙ちゃん」
橘「…なんだったの?」
上崎「ちょっと話をしてただけ」
上崎「…さて、お風呂もごはんも準備できてるよ、橘君」
数年後
裡沙「はぁ…今日は月が綺麗だな…」
裡沙(今日、あたしの初恋の人の結婚式があった…)
裡沙(昔からずっと好きだった人…)
裡沙(今日の式で彼を見ても、今でも気持ちは変わらない)
裡沙(彼と結婚できた人は幸せ者だよ)
裡沙「……」
裡沙(今日起きたことは全部本当なんだよね…現実なんだよね)
裡沙(写真もう一度見てみよ…)
裡沙(あーあ、せっかくの式なのに泣いちゃってる)
裡沙(よっぽど嬉しかったんだね)
裡沙「……」
橘「ふぅ…サッパリした」
橘「あれ、それ今日の写真?」
裡沙「うん」
橘「僕にも見せて」
橘「ふーん…あっこれ美也が撮ったやつだな」
裡沙「わかるの?」
橘「裡沙ちゃんがいい笑顔で撮れてる、プロでもこんな笑顔はなかなか撮れないよ」
橘「うん、この新郎は幸運だな」
橘「だってこんなかわいい人と結婚できたんだから」
裡沙「きっと新婦の人も同じ考えだよ」
橘「それはうれしいな」
裡沙「ねえ純一君」
橘「なに?」
裡沙「でぇーじしちゅんさー」
終わり
前回からだいぶ期間が空いてしまいました
まだもう少し続けるつもりですが、次回からは早くするようがんばります
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