【アマガミ】橘「美也が車に乗りたそうにやってきた、仕方ない乗せてやるか」 (93)

※森島はるか編です

3人目は森島はるかです。よかったらこっちも見てください
七咲逢
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棚町薫
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美也「ま、待って待って~」

橘「ん?」

美也「遅刻しそうなの~!」

美也「学校までよろしく、にぃに!」

橘「なんだ…またかよ仕方ないな…」

橘「美也、僕が車を買ってからちょっと頼り過ぎじゃないのか?」

美也「もー、言われなくてもわかってるよ~」

美也「助かった~」

美也「ありがとにぃに!あっ、森島先輩にもよろしく言っといてね」

橘「ああ、ちゃんと勉強しろよ」

美也「いってきま~す」

橘「いってらっしゃい」

橘「……」

橘「もう隠れてなくても平気だよ」

森島「ふー、びっくりした~」

森島「美也ちゃん突然出て来るんだもん」

橘「僕の家からそのまま大学に行くのを見られるところだったね」

森島「えっ、本当に大学に行くの?」

森島「今日はこのまま海までドライブしない?」

橘「またサボり?」

森島「行きましょうよ~、ね~」

橘「わ、わかったよ…」



森島「純一~!早く早く~!」

橘「うー…さむっ」

橘「なんでそんな元気なんだ」

森島「楽しいからに決まってるじゃない」

森島「純一は楽しくないの?」

森島「私は君といるだけで楽しいけど…」

橘「僕だってはるかといるだけで楽しいよ」

森島「じゃあもっと元気だしなよ」

橘「それよりさ、今からでも大学行かない?」

森島「えー、どうしてよ?」

橘「だって前も言ってたじゃん、単位が…とか」

橘「けっこうサボってるし…」

森島「んー、たしかにピンチーとか言ったような気もするけど、そうなったらそうなったでいいと思ってるの」

橘「ええっ!?」

森島「だって今は私の方が一学年上だけど、そうなったら同級生になれるわけでしょ」

橘「でもそれは…」

森島「もちろんわざとそういうことはしないつもりよ」

森島「やるだけやって、そうなったら仕方ないって話」

森島「私さ、大学に入学したときすごいワクワクしたけど、それと同じぐらい不安で寂しかった」

森島「一年生の間は楽しかったけど、君になかなか会えなかっから…」

森島「だから純一が同じ大学に入学したときはすごくうれしかった」

森島「でもこのまま順調に進級すると、また私が一年早く卒業するわけよ」

森島「そうなると高校・大学間のときよりもさらに会える時間は短くなるでしょ」

森島「純一かっこいいし、私がいない期間に、もっといい子に言い寄られたりしたらと思って…」

橘「そんなこと言ったら僕だって不安だったし、これからだってそうだよ」

橘「はっきり言ってすぐはるかが卒業しちゃったから、高校の間はすごく浅い付き合いだった」

橘「そんな状態で大学に行ったら僕なんかすぐフラれちゃうんじゃないかって思ってた」

森島「そうだったんだ」

森島「私たち同じような考えしてたのね」

橘「そうだね、はるかもそんなこと考えてたなんてちょっと意外だったけど」

森島「だって私にとって君は…」

橘「何?」

森島「い、いや、やっぱりなんでもない」

橘「なんだよ…」

森島「そんなことより、お腹すかない?」

森島「お昼食べに行こうよ」

橘「うーん…」

橘「わかった」

森島「あ、見て見て、牛丼屋さんがあるよ」

橘「牛丼がいいの?」

森島「うん」

橘「わかった」

森島「牛丼屋さんなんて久しぶりだわ」

森島「高校のときに君と行って以来だもの」

森島「あの頃の純一は森島先輩、森島先輩~って言ってくれてたのに」

橘「いつまでも先輩呼びで敬語はやめてほしいって言ったのはそっちじゃないか」

森島「そうだっけ?」

橘「そうだよ」

森島「まあいいや、今の方が恋人同士って感じがして好きだもん」

店員「いらっしゃいませー」

森島「んー、何にしようかなー」

森島「あれ?なんだか前に来たときよりも安いような」

橘「最近はどのチェーン店も値下げしてるみたいだからね」

森島「値下げ競争ってわけか、商売って大変なのね」

森島「じゃあ私これにしよ」

橘「すみませーん」

店員「はーい」

――――

橘「……」ガツガツ

橘「ふぅ、ごちそうさま」

森島「はやいね~」

森島「あっ」

橘「ん?」

森島「動かないでよ~」ぴとっ

森島「ベタだね~君は、こんなところにご飯つぶつけて」

橘「あ…」

橘「…じゃあはるかもベタなことしてくれるのかな」

森島「ど、どうしよっかなー」

橘「……」じーっ

森島「も、もうっ…君はすぐそういう目をするんだから…」

森島「……」

森島「……」ぱくっ

森島「こ、これでいいでしょ」

橘「はは、よくできました」

森島「ねえ、次はどこ行こっか?」

橘「そうだな…もう今から大学行っても今日の分は間に合わないだろうし…」

橘「今日は思いっきり遊ぶか」

森島「そうこなくっちゃっ」

橘「何かしたいことある?」

森島「そうねぇ…あっ映画見に行きたい」

橘「映画か…ああ、あのハムスターのやつ?」

森島「違うわよ、魔法使いの映画!」

森島「私まだ見てないのよ、純一もう見た?」

橘「ああ、あれか、いやまだ見てないけど、おもしろそうだしそれにしようか」

数時間後 映画館

森島「あー、おもしろかったー」

森島「この映画ってまだまだ続くのよね、続きが楽しみだわー」

橘「原作の日本語訳だとたしか3巻まで出てたはずだよ」

橘「買って帰る?」

森島「本か…」

橘「はるかみたいなタイプは映画の方がわかりやすいか」

森島「むぅ、それどういう意味よ」

森島「その通りだけど…」

森島「純一だってきっと私と同じでしょ」

橘「…そうかも」

森島「そのうち続きも出るはずだから、また一緒に見に行きましょ」

橘「そうだね」

橘「あ…」

森島「どうしたの?」

森島「あら?このポスターの子ってたしか…」

森島「桜井リホじゃない、一番下の弟が大ファンなのよ」

橘「そうなんだ…美也も大ファンなんだって」

森島「最近すごい人気よね~」

橘「うん…」

森島「思い出した、たしかこの子って純一の幼馴染の子よね」

森島「高校のとき二人でいたの何度か見たわ」

橘「今となっては誰も僕なんかが梨穂子の幼馴染だって言っても誰も信じないだろうな」

橘「もう会うこともないだろうし…」

森島「純一はアイドルになったこの子のことをどう思ってるの?」

橘「そうだな…」

橘「あの梨穂子がアイドルになって、しかもこんな有名人になるなんて思わなかったから本当にすごいと思ってるよ」

森島「それだけ?」

橘「え?えっと…他には…うーん」

橘「な、なにを求めてるの?」

森島「いや、別に、ちょっと気になっただけ」

数時間後・車で移動中

森島「今日は楽しかった~」

橘「余計なお世話かもしれないけど、明日はちゃんと学校に行きなよ」

森島「わかってるって」

森島「純一こそちゃんと行きなさいよ」

橘「僕は真面目だから、普段からサボらず行ってるよ」

森島「おー、感心感心」

橘「何言ってるんだか…」

森島「私は君のことを…あら?」

森島「ねえ、ちょっと止めて」

橘「どうしたのさ」

森島「あそこにいるのって美也ちゃんじゃない?」

橘「ほんとだ、何やってるんだろ」

森島「なんだかしょぼくれたワンちゃんみたい」

森島「ただ事じゃなさそうね」

橘「……」

橘「ちょっと行ってくる」

森島「あ、私も行く」

橘「美也」

森島「み~やちゃんっ、どうしたの?」

美也「…にぃに…森島先輩」

橘「こんなところで何してるんだ、乗せてあげるから帰ろう」

美也「……」

美也「いいよ…一人で帰る…」とぼとぼ

橘「あ、美也…」

森島「どうしちゃったんだろ、美也ちゃん」

橘「うん…」

橘「帰ったらまた聞いてみることにするよ」

夜 橘家

コンコン

橘「美也、ちょっといいか?」

美也「なに…?」

ガチャ

美也「……」

橘「あー…その…」

橘「な、何か悩みがあるのなら誰かに相談するとちょっとは楽になるぞ」

橘「僕でよければ相手になるからさ」

美也「……」

美也「にぃに…」

美也「……」

美也「な、なんでもないよ、ちょっとテストの点数が悪かっただけだから」

美也「大した悩みじゃないよ!」

橘「そうなのか…?」

美也「ほら、いつまでレディの部屋にいるのさ、戻った戻った」

橘「お…おい…」

バタンッ

美也「……」

翌日・大学

橘「おまたせ」

森島「も~遅いよ~」

森島「私お腹ペコペコだもん」

橘「ごめんごめん、授業が長引いちゃって」

森島「そうなんだ」

森島「まあいいや、早くご飯食べよ」

橘「あのさ、ちょっと聞いてほしいことがあるんだけどさ」

森島「なになに?」

橘「美也のことなんだ」

森島「ああ、昨日…結局どうだったの?」

橘「美也はテストの点数が悪かったからって言ってたけど、どうもそう思えないんだよ」

橘「兄妹だからなのか、違うってなんとなくわかるんだよ」

橘「もっとこう…そんなことじゃなくて本気で悩んでるって感じがして…」

橘「でも僕には言ってくれないんだよ」

橘「もしかしたら僕が男だから言いにくいってこともあるからさ」

橘「はるかから聞いてみてくれないかな」

橘「僕の方でもできる限りのことはするから」

森島「うん、いいわよ、まかせて」

数時間後 輝日東高校校門前

森島「……」こそこそ

森島(完璧な変装!)

森島(これなら美也ちゃんに警戒されることなく近づけるわ)

女子生徒「ねえ、あそこにいる人なんか怪しくない?」

男子生徒「ほんとだ、何してるんだろ」

女子生徒「ハートのサングラスに異様にでかいヒゲつけてるし…変な下駄、不審者だよ、先生に言わないと」

男子生徒「でも雰囲気美人だよな…」

森島(誰にも怪しまれてないようね、それにしても美也ちゃんまだかな)

高橋「ちょっとそこのあなた!」

森島「た、高橋先生!?」

高橋「?」

高橋「私のこと知ってるの?」

森島「あっ…そ、そのー…」

森島「し、失礼しまーす!」

高橋「あっ!待ちなさい!」

森島(走りにくいっ!)ぽろっ

森島「あっサングラスが」

高橋「捕まえたわよ、警察に…」

高橋「も…森島さん?」

森島「あ…あはは…」

高橋「何してるのあなたは…」

森島「ちょっと人を待ってましてー…」

高橋「その恰好で?」

森島「念のために」

高橋「完全に不審者よ」

高橋「逆にあまりにも怪しすぎたから呼ばなかったけど、普通は警察を呼ばれるからね」

森島「すみません…」

高橋「それで、そんな恰好までして誰を待ってたの」

森島「美也ちゃんを」

高橋「橘さんなら今日は早退したわよ」

森島「早退ですか?」

高橋「ええ、なんだか気分が悪いらしくて」

森島「そうですか…」

森島「……」

森島「あの、最近の美也ちゃんってどうですか?何か変わったこととかありません?」

高橋「最近の橘さんねぇ…」

高橋「勉強もまじめにしてるし、普段の学校生活もいつも通りって感じだけど…」

高橋「何かあったの?」

森島「い、いえ、何もないならそれでいいんです、失礼します」

高橋「あっ…」

高橋「もうそんな恰好しちゃダメよー!」

森島「はーい!」

高橋「…なんだったんだろ」

翌日

橘「ごめん、美也が早退してたなんて知らなかったから…」

森島「いいのよ、そんなこと超能力者じゃないんだからわかるわけないし」

森島「そうそう、高橋先生に会って美也ちゃんのことを聞いたんだけど特に変わったことはないって言ってたわよ」

橘「そっか…学校生活の悩みじゃないのか…?」

森島「今日こそ私が美也ちゃんに聞いてみようか」

橘「うん、頼むよ」

橘「あ、そうだ、一応別の人にも聞いてみよう」

橘「状況がより詳しくわかっていた方が話も聞きやすいだろうし」

夕方 商店街

橘「ってことで商店街に来たはいいけど、目的の人物がいるかどうか…」

森島「あっ、いたわよ!」

橘「さすがご都合展開だな…っと余計なこと言う前に話かけないと」

橘「おーい七咲ー!」

七咲「え?あっバカップ…橘先輩と森島先輩…」

森島「逢ちゃん久しぶりねー」

七咲「お久しぶりです、二人もお買い物ですか?」

橘「いや、七咲に会いに来たんだ、もしかしたら放課後ここにいるかなと思って」

七咲「え?」

橘「いくつか聞きたいことがあるんだけどさ、今時間いいかな?」

七咲「ええ、ただ、まともなことでお願いしますね」

橘「真面目なことだよ」

七咲「なんですか」

橘「美也のことなんだけど、最近何かおかしなこととかない?」

七咲「美也ちゃんですか?」

七咲「……」

七咲「いつも通り…だと思います…」

七咲「美也ちゃんに何かあったんですか?」

橘「うん、最近ちょっと様子がおかしくてさ」

橘「たぶんだけど、すごく悩んでると思うんだ」

七咲「……」

七咲「やっぱりあのことかな…」

橘「なんだ、教えてくれ!」

七咲「はい、美也ちゃんラブレターもらったんです」

橘「美也がラブレター!?」

森島「美也ちゃん可愛いからね」

七咲「それも3枚もらってて、3枚とも同じ時間、全く違う場所に来てほしいって内容で…」

七咲「どうすればいいか相談されたんですが、どうすることもできなくて…」

七咲「美也ちゃん優しいから3人の誰かでも無視できないだろうし…それでだと思います」

橘「なるほど…どこかであったようなシチュエーションだな」

森島「んー…そうね」

七咲「森島先輩も似たようなことがあったんですか?」

森島「うん、あったわね」

森島「私の時は響ちゃんがいてくれたから何とかなったけど」

七咲「教えてください、私美也ちゃんの力になりたいんです」

橘「七咲…」

森島「簡単に言うとね、時間稼ぎをしてくれたの」

七咲「時間稼ぎ…ですか」

―――

橘「…って感じだったかな」

七咲「なるほど、たしかにそれなら…」

森島「ただ私のときより一人多いから、ちょっと厳しいかも…」

七咲「そこは私たちがなんとかするしかないですね」

七咲「ありがとうございます、参考になりました」

七咲「先輩、美也ちゃんのことは任せてくださいね」

橘「うん、頼むよ」

翌日 橘家

コンコン

美也「にぃに~開けるね」

ガチャ

美也「……」もじもじ

美也「その…ありがとね」

美也「逢ちゃんから聞いたよ、にぃにと森島先輩のおかげだって」

橘「なんか美也が隠してたことを知っちゃって、ちょっと複雑だけどな…」

美也「ううん、いいの」

美也「にぃにがいなかったら、ずっと悩んだまま何もできなかったもん」

美也「そうだ、にぃにと森島先輩にも何かお礼しないと」

橘「僕はいいよ、妹が困ってたら助けるのは当たり前だろ」

美也「にぃに…」

美也「じゃあにぃにには何もなしでいっか」

橘「おい、そんなあっさり…」

美也「でも森島先輩にはきっちりしないと」

美也「何がいいかな…」

橘「…はるかなら美也と遊ぶだけで喜ぶんじゃないか」

美也「え?そんな簡単なことで?」

橘「いいと思うよ」

橘「僕からも聞いとくからさ」

翌週 森島家

ピンポーン

男の子「はい」

橘「あの、橘ですけどはるか…さんいらっしゃいますか?」

男の子「ちょっと待ってください」

橘「わかりました」

橘「……」

橘「ずいぶん子どもっぽい声だったけど誰だったんだろ」

美也「弟じゃない?ほら、森島先輩って二人弟がいるんでしょ」

橘「ああ、そのどっちかかな」

ガチャ

智「……」

智「あの、もう少し待っていただけますか」

智「姉はまだ手が離せないそうなので」

橘「そうなんだ」

智「……」

智「よかったら中に入ってください、時間がかかると思うので」

橘「じゃあ、お言葉に甘えて」

智「……」じー

美也「?」

智「よかったら紅茶どうぞ」カチャ

橘「ああ、ありがとう」

智「いえ…」

美也「ありがとう」にこっ

智「!」ドキッ

智「……//」

智「ご、ごご…ごゆっくり…ど、どうぞ…」

―――

森島「ごめんねー、おまたせ!」

森島「思ったより時間かかっちゃって」

森島「あっ智、挨拶した?」

智「…いや」

森島「もう、しなきゃダメじゃない」

橘「そういえば僕たちもしてなかったな…」

森島「じゃあ紹介するわね、次男の智よ」

智「……」ぺこっ

橘「橘純一です、こっちは妹の美也」

美也「よろしくね」

智「……//」

森島「あれ、どうしたの智?」

智「な、なんでもない…」

橘「顔が赤いけど、暖房が強すぎなんじゃないのか?」

森島「うーん…あんまり強いとは思わないけど…」

森島「まあ、もうすぐお姉ちゃんたち出かけるから、体調崩さない程度にしときなさいよ」

橘「はるかがお姉ちゃんみたいなこと言ってる…」

森島「お姉ちゃんだもん」

橘「そういうイメージが全然なくて…」

美也「でも森島先輩ってみゃーのお姉ちゃんになってくれるって言ってたからみゃーにはあったよ」

橘「いつの間にそんなこと…」

橘「ん?」

美也「え?」

橘「その…美也のお姉ちゃんになるってことはだ…つまり…」

森島「あっ…こ、この話はまた今度でいいじゃない」

森島「私の用事も終わったことだし、早く行きましょ」

美也「そうだね、ほらお兄ちゃん立って」

橘「う、うん」

森島「じゃあ智、お留守番よろしくねー」

――――――

カラオケ

森島「いっしょにいたいとそう思えることが、まだ知らない明日へとつながってゆくよ♪」

美也「お~!」パチパチ

美也「森島先輩上手~!」

森島「歌はちょっと自信があるからね」

美也「次はみゃーの番だね、負けないよ!」

美也「えーっと、じゃあこれだ!」

~♪

橘「えっ!?」

美也「なに?」

橘「いや…美也のイメージと違いすぎるし、季節的にも…」

美也「にぃにでも知ってるんだ」

橘「いくら最近の曲を知らない僕でも知ってるよ」

橘「サビだけ…」ぼそっ

美也「いいじゃん、歌う曲なんて、勝手でしょ」

橘「うん…」

美也「あ、始まる」

美也「青い渚を走り~、恋の季節がや~ってくる~♪」

―――

美也「愛よ、もう一度~今、蘇る~♪」

美也「どうだ!」

橘「うっ、美也のくせに高得点…」

美也「にぃにの番だよ」

美也「この流れでいったら、もちろんにぃにも高得点だよね、にしし」

森島「この前行ったときは、調子が悪かったって言ってたけど、今日はどうなのかな~」

橘「そ…そんなこと言ったっけ?」

橘(うう、二人がすごいプレッシャーをかけてくる)

橘(どうしよう、二人みたいに最近の曲はよく知らないし…)

橘(ここはやっぱり、僕の十八番でいくしかない!)

橘「よしっ、これだ」

~♪

橘「真赤な薔薇は、あいつの唇~」

―――

橘「口笛吹いてる、男の美学~」

美也「う、う~ん」

橘「……」

森島「平均より…少し高いぐらいかな」

美也「ま、まあ、元気だしてにぃに、別に競いあってるわけじゃないんだから」

森島「そうよ、楽しむことだ一番なんだから」

美也「そうだ、デュエットするってのはどう?」

森島「オーキードーキー!いい考えよ美也ちゃん!」

森島「ね、やりましょ純一」

橘「う…うん」

橘「あの…僕の知ってる曲で頼むよ」

森島「任せて!」

森島「えっとね…純一の知ってそうな曲は…」

森島「あっ、これなんかどう?」

橘「どれどれ…えっ!?」

橘「これ…デュエットでいいのか?その、間違えてはないけど…」

橘「男女なんだからさ、歌手も男女でいいんじゃないの…?」

森島「でも高音と低音に分かれてるし、それで純一も知ってそうだから、ちょうどいいと思って」

橘「知ってるけど…」

森島「じゃあこれね」

~♪

森島「あー果てしない、夢を追い続け~」

――――――

美也「にぃに、次はみゃーと歌お!」

橘「あ、ああ…」

美也「あっ、ま、待って!」

橘「どうしたんだ」

美也「トイレ!」ダッ

橘「おいおい…」

橘「仕方ない、美也が帰ってくるのを待つ時間がもったいないし、はるか歌いなよ」

森島「ねえ、純一は楽しめてるの?」

橘「ん?うん、もちろん」

森島「……」

森島「そっか、ならよかった」

橘「だいたい、はるかといて楽しくないわけないだろ」

橘「今まで出会った誰よりも一緒に過ごす時間が楽しいもん」

森島「…キミはほんと、うれしいことを言ってくれるね」

橘「別に特別なこと言ってるわけじゃなくて、本当のこと言ってるだけだよ」

橘「はるかとならきっと老後までずっと楽しいんだろうなって思うもん」

森島「っ…!」

森島「わ、私もそう思う…」

橘「ほんと?やっぱり気が合うね」

森島「…でも最近言ってもらってないな」

森島「前はあんなに言ってくれたのに」

橘「え?なにを?」

森島「私のことをどう思ってるか」

森島「誰よりも楽しいって言うなら聞きたいな」

橘「こ、こんなところで…?美也がいつ戻ってくるかわからないのに」

森島「一言じゃない、すぐ言えるでしょ」

橘「いや、とても一言じゃ言い表せないよ」

橘「すごく時間がかかるだろうな」

森島「どれぐらい?」

橘「何十年ってとこかな」

森島「わぉ、じゃあしっかりと隣で聞いておかないとね」ぴとっ

橘「…な、なんか自分で言っておいて恥ずかしくなってきたな」

森島「ねえ、こっち向いて」

橘「ん?」

ガタッ

橘「なんだっ!?」

美也「……」じーっ

橘「な、何してるんだ、美也のやつ…」

ガチャ

美也「二人ともみゃーと一緒に来てること忘れてない?」

橘「そんなわけないだろ」

森島「そ、そうよ」

美也「完全に二人きりの空間になってたくせに」

美也「入りづらくでしょーがなかったよ」

美也「もちろん二人の関係は美也もよくわかってるけど、場所を考えてよね」

橘「うん…」

美也「森島先輩もだよ!」

森島「はーい」

美也「みゃーのねぇねになるんだから、しっかりしてもらわないと」

美也「それと二人きりのときはいいからさ、その…美也がいるときはたまには構ってよね」

森島「…美也ちゃん」

森島「かっわいいわね!このこの~!」ギュッ

美也「ふがっ!?」

美也「ふぐーっ!」バタバタ

橘「お、おい苦しそうだよ、でもちょっとうらやましい…」

森島「あっごめんね」

美也「ぷはーっ」

美也「別にいますぐってわけじゃなかったんだけど…」

森島「さっきの美也ちゃんがものすごーく可愛かったから、つい」

美也「むぅ…」

森島「そっかー、美也ちゃんのねぇねか…」

森島「うん、私今から美也ちゃんのねぇねになるわ!」

橘「えっ!?ちょ、ちょっと…僕はせめて大学を卒業してから…」

森島「へぇ、卒業してからとかそういうこと考えててくれてたんだ」

橘「う…まぁ…」

森島「でも、今はそういうことじゃなくて、呼び方だけの話」

美也「呼び方?」

森島「そう、純一ににぃにって言ってるように私にはねぇねって言うの」

森島「どうかな?」

美也「うん!ねぇね!」

美也「じゃあこれから森島先輩じゃなくて、ねぇねって呼びますね」

森島「それはいいけど、ねぇねに敬語はおかしいでしょ」

美也「あ、そっか…じゃあ今度からねぇねって呼ぶね」

森島「ベリーグーよ、美也ちゃん!」

森島「純一ズルいわ~、こんなかわいい妹がずっといるなんて」

橘「はるかと比べたらかなりだらしないけどね」

美也「なんでねぇねと比べるのさ!」

森島「私だって、ちょっとだらしないところぐらいあるわよ」

橘「うん、はるかのことはよくわかってるよ」

橘「それを踏まえて言ってるんだ」

数週間後 森島家

ピンポーン

森島「はーい」ガチャ

美也「ねぇね、あけましておめでとう!」

森島「うん、今年もよろしくね美也ちゃん」

橘「僕もいるんだけど…」

森島「もちろんわかってるわよ、キミが一番なんだから」

橘「はるか!」ギュッ

森島「純一!」ギュッ

美也「…そういうことは二人だけのときにしてよね」

美也「見てるこっちが恥ずかしい」

美也「そんなことしてる暇があるなら早く初詣行こうよ」

橘「そ…そうだな、もう午後とはいえ人がいっぱいだろうし」

――――――

美也「うわぁ…すごい人だよ」

森島「去年のこの時間はこんなにいなかったのに」

橘「まあいいじゃん」

橘「ここで止まっててもどうにもならないし、とりあえず行こうよ」

森島「それもそうね」

森島「じゃあはぐれないように手をつないでおかないと」

橘「あ…」

森島「ねっ」

橘「うん」

美也「にぃに、ねぇね!屋台よっていかない?」

橘「外でにぃにはやめてくれよ」

美也「でもお兄ちゃん、ねぇねだったらバランス悪いよ」

橘「だったらお兄ちゃん、お姉ちゃんでいいだろ」

森島「えー、私はねぇねの方がいいな~」

橘「じゃあもうバランスとかいいから…」

美也「やだ」

橘「……」

橘「じゃあお兄ちゃんお姉ちゃんで…」

森島「ねぇねでいいじゃない」

橘「バランスを気にせず」

美也「い・や・だ」

橘「……」

橘「僕が折れた方がよさそうだな…」

橘「今日だけだぞ…」

美也「わーい!」

森島「やったわね美也ちゃん!私たちの勝ちよ!」

橘「別に勝負じゃないんだけどな…」

美也「それで屋台は?」

橘「あー…それはお参りが終わってからな」

橘「食べきれないと持って行くことになるだろ」

森島「あ、そっか…残念」

橘「はるかも行きたかったの?」

森島「もちろん!」

橘「じゃあ後でね」

――――――

チャリンッ

ガラガラガラ

パンッパンッ

橘「……」

森島「……」

美也「……」

橘「よし、行こうか」

森島「純一は何をお願いしたの?」

橘「僕は…あっ」

橘「あそこにいるのってもしかして塚原先輩じゃない?」

森島「ほんとだ、おーいひびきちゃーん!」

塚原「!」

塚原「あら、あなたたちも来てたの」

橘「お久しぶりです」

塚原「そういえば橘君とは久しぶりね、でもなんだかそんな気がしないわね」

塚原「そうか、はるかが会うたびに橘君の話をしてるからだ」

森島「も、もうっひびきちゃん!わざわざ純一の前で言わなくていいでしょ」

塚原「それだけ橘君ははるかに好かれてるんだってことを言おうと思ったんだけど」

橘「なんか僕も恥ずかしいですね…」

塚原「ふふ、橘君は何かはるかのいいエピソードはないの?」

塚原「二人だけで初詣に来るぐらいなんだから、何かいいのがあるわよね」

橘「そんな…」

橘「えっ二人?」

森島「あれ、美也ちゃんがいない」

橘「…いた!」

橘「あいついつまでお願いしてるんだ」タッタッタ

―――

美也「あ、塚原先輩」

塚原「久しぶりね」

塚原「3人で来てたんだ」

森島「ずいぶん長いことお願いしてたのね」

森島「何をお願いしたの?」

美也「うんとね、胸がもっとふかふかになりますようにとか、にぃにのお宝本を集めすぎないようにとか、にぃにがもっと大人になりますようにとか…」

橘「お願いの時間でわかっていたけど多いよ」

橘「一つに絞れよ、もう遅いけど」

美也「うーん…」

美也「そうだ!にぃにとねぇねのいる大学に入学する!」

塚原「はるか、ねぇねって呼ばれてるの?」

森島「うん、いいでしょ」

塚原「…そうね、いいかもね」

森島「ひびきは何をお願いしたの?」

塚原「えっ、私!?」

森島「うん」

塚原「そ、その…かれ…無病息災ってとこかしら」

森島「へぇ、ひびきちゃんらしいわね」

塚原「……」

塚原「そう言うはるかは何をお願いしたの」

森島「純一といつまでも一緒にいられますように」

塚原「……」

塚原「橘君は?」

橘「ちょっとはるかと似てるんですけど、はるかとずっといられますようにって」

塚原「……」

森島「ねえ、私たちこれから屋台とか周ろうと思ってるんだけど、ひびきも一緒に行かない?」

塚原「…橘君たちはいいの?」

橘「はい、いいですよ」

美也「みゃーもいいですよ!」

塚原「じゃあご一緒させてもらおうかしら」

塚原「ちょっと待っててくれる?」

塚原「家族と来てるから一言言ってこないと」

――――

森島「初詣といえばおみくじよね!」

森島「ということで勝負よ、ひびきちゃん!」

塚原「おみくじって勝負するものじゃないのよ」

森島「いいじゃない、そんな堅いこと言わないでさ」

塚原「堅くはないと思うけど…」

美也「じゃあ美也はにぃにと勝負だ!」

橘「あー…うん」

美也「何よ、そのやる気のない返事は!」

森島「えっと結果は…中吉か」

森島「ひびきは?」

塚原「吉よ」

塚原「はるかのいう勝負なら私の勝ちね」

森島「むぅ~くやし~!」

塚原「そこだけ見ないで、内容も読んだら?」

森島「純一と美也ちゃんは?」

美也「にしししし!大吉なのだ!」

橘「おっ、今が今年最高の瞬間だな」

美也「むっ…」

美也「そういうにぃには何だったのさ」

橘「僕は凶だ、でもこれが一番悪い瞬間で後は上がっていくだけだ」

美也「にぃに、プラス思考はいいことだけど現実を受け止めないとだめだよ」

橘「そんなこといったら美也だってそうだぞ」

美也「ふぇ?どうして?みゃー大吉だよ」

橘「大吉だからといって、いいことばかり書いてあるとは限らない」

橘「はるかも塚原先輩もそうですよ」

橘「おみくじというのは書かれている内容を理解して、それをもとに方向転換させれば良い道が開けるっていうアドバイスみたいなものなんだから」

美也「うーんと…」

美也「けっこういいこと書かれてる」

塚原「私も悪いことは書かれてないわね」

森島「わぉ、私すっごくいいこと書かれてない?」

塚原「うん、一部だけだけどね」

森島「純一のおみくじには何が書かれてたの?」

橘「えっと…」

橘「……」

橘「それではみなさん、そろそろ屋台の方に移りましょう」

―――

美也「にぃに、これ買って!」

橘「あのな、ちょっとは自分で買おうとは思わないのか」

美也「にぃに相手には思わない」

橘「はるか、塚原先輩、あっちの方行ってみませんか」

美也「あー嘘嘘!また今度みゃーがおごってあげるから!」

橘「本当か?」

美也「本当だよ、美也嘘つかないもん」

橘「…さっき嘘嘘って言ったじゃんか、その嘘つかない発言が嘘だよ」

美也「さっきのはなし!今からスタートだよ!」

橘「……」

橘「そう何度も奢らないからな」

美也「うん!」

橘「はるかと塚原先輩は?」

森島「私もほしい!」

塚原「私はいいわ、自分で買うから」

橘「ああ、いいですよ、2つも3つも変わらないですから」

美也「あっねぇね、あれおもしろそう!見に行ってみようよ」

森島「ほんとだ!純一、ひびき~!二人も早く~!」

橘「はぁ…」

橘「すみません、うちの二人が」

塚原「私もはるかの保護者みたいなものだったから、君の苦労はよくわかるわ」

塚原「あの子、今でもよく会うけど、高校のときからあまり変わってないでしょ」

塚原「大きく変わったことといえば君がはるかの彼氏になったことぐらい」

塚原「橘君ははるかに何か変わってほしいとことかある?」

橘「えっ変わってほしいとこですか?」

橘「そうですね…」

橘「……」

橘「今は特に思いつかない…ですね…」

塚原「じゃあ君はああいうはるかのちょっと困った性格も含めて好きなの?」

橘「もちろんですよ!」

塚原「……」

塚原「よかった、橘君の方ははるかに対して不満はないようね」

橘「ええ、まあ」

橘「…!」

橘「ちょっと待ってください、橘君の方はって…はるかの方には何か…あるんですか?」

塚原「はるかと会って、あの子が話す内容は君のことばかりなの」

塚原「純一がこんなことした、純一にこんなことがあったとか」

塚原「橘君のことを話さないなんてまずないわね」

塚原「でも最近その内容にちょっと追加があってね」

塚原「本人もかなり大きな悩みみたい」

塚原「ただ正直私に相談されても、どうしようもできないってことなんだけど…」

塚原「それにこんなこと君に話ていいのかってこともあるし…」

塚原「どうする、君は聞きたい?」

橘「…はい」

塚原「そう、じゃあ…」

夕方

塚原「あ、私この辺でいいわ」

橘「じゃあそこのコンビニに止めますね」

塚原「送ってくれてありがとう」

森島「またね、ひびき!」

塚原「ええ」

森島「美也ちゃん寝ちゃったみたい」

橘「そういえば、今日はかなり早く起きてたからな」

橘「昨日正月特番を見るって言ってけっこう遅くまで起きてたのに」

橘「よっぽどはるかと初詣に行くのが楽しいだったんじゃないのか」

森島「ふふ、そうだったらうれしいわね」

森島「純一はどうだったの?」

橘「え?ああ、楽しみにしてたよ」

森島「…そう」

森島「……」

橘「ついたよ」

森島「ありがとう」

橘「…あっ、はるか」

森島「?」

橘「明日二人で会えないかな」

森島「……」

森島「いいわよ」

翌日

橘「……」

橘「よしっ、決めた!」

森島「わっ、どうしたのよ…急に大声出して」

橘「はるか!」

森島「は…はい」

橘「ごめん!」

森島「え?…え?」

森島「ちょっと、何があったの?」

橘「誤魔化しても仕方ないから正直に言うよ」

橘「昨日塚原先輩に会ったとき聞いたんだ」

橘「僕の態度がはるかを悩ませてるって…」

橘「他には以前やってたことをしてくれなくなったとか…」

森島「え…あ、ああ!あのこと!」

森島「気にしないで!あれは本気で言ったんじゃなくて、軽い冗談みたいなものだから」

橘「でもそうだとしても、塚原先輩の話を聞いて気づいたんだ」

橘「僕ってつまらなくなってるなって…」

森島「そんなことないわよ!」

橘「実際そうだよ、はるかに少しでも大人っぽく思われたかったから、そっけない態度をとっちゃったこともあったし…」

橘「やっぱり身の丈に合わないことはやるべきじゃないな…」

橘「……」

橘「ちゃんと覚えてる?付き合う前に僕たちが何をしてたか」

森島「もちろん!」

森島「思い出したらちょっと恥ずかしいけど」

橘「ああいうことってはるかが大学に行ってから全然やらなくなったよね」

橘「本当にごめん、別に冷たくしてたとかそういうことでは一切ないんだ」

橘「その…大学生になったらあんなことはもうやりたがらないと勝手に思っちゃって」

森島「私の方こそ君の気持も考えないで…私がよくても君が嫌だもんね」

橘「そんなことない、やりたいに決まってるじゃないか」

森島「……」

橘「……」

森島「ふふ、やっぱり私たちって似た者同士ね」

森島「でも純一、今回は謝ったって許さないってやつよ」

橘「っ!」

森島「許してほしい?」

橘「うん」

森島「そうね…じゃあズボンをたくしあげて」

橘「?」

橘「こう?」

森島「膝が見える高さまで上げて」

橘「はい」

森島「ふふっ今からキスするわね」

橘「へ?」

森島「……」チュッ

橘「!?」

森島「……」ちゅちゅっ

橘「は、はるか!?」

森島「……」ぺろっ

橘「ひゃっ」

森島「……」ちゅ~

橘「なっ…なんでどんどん下に…ス、ストップ!それ以上はちょっと…はるかのためにも…」

森島「私のときよりもギブアップが早いわよ」

橘「だ、だって足の臭いを嗅がれるのはちょっと…必然的にそうなっちゃうし…」

橘「そもそもこれはどういうこと…?」

森島「前に君に膝裏にキスれたことあったでしょ」

森島「今回は私がその逆で裏じゃなくて正面からキスしたの」

森島「ついでにあの時君は上に上っていってたけど、そこも逆に下がってみたの」

森島「嫌だった?」

橘「最高」

橘「だけどはるかのしたかったのってこういうことなの?」

森島「そうね…君が私にしたようなことをもっともっとしてみたいな」

橘「となるとあんなことや、こんなことを…」ごくりっ

橘「よし、僕ははるかが望むなら何でもさせてあげるよ」

森島「わぉ、すごいこと言っちゃったわね」

橘「えっ…なにかマズいことでも…?」

森島「今何でもって言ったわよね、さーてどうしようかなー」

橘「あ、あんまりひどいことはなしで…」

森島「しないわよ」

森島「君は私がそんなことをするように見えてたの?ちょっとショック」

橘「ああっ、そういう意味じゃなくて…」

森島「ふふっ慌てた姿の君は可愛いね」

森島「今までのそういう純一も好きだけど、変に飾らずちょっと大人っぽくなった君も好きだからね」

一年後

美也「ううっ…今日も寒いね~」

橘「美也…たまには電車で通ったらどうだ?」

橘「暖房がついてて、しかも人がいっぱいいるから暖かいぞ」

美也「にぃにの車の方が楽だもん」

美也「みゃーもにぃにとねぇねと同じ大学なんだから目的地は一緒でしょ、別れて行くことないじゃない」

美也「それに二人きりにさせると何があるかわからないしね」

橘「何もないよ」

森島「おはよー!」

森島「純一」

橘「はるか」

チュッ

森島「ふふっ」

橘「ははっ」

美也「む~…」

橘「ど、どうした美也?」

美也「にぃにとねぇねの仲がいいにしても毎日二人のそういうことみせられる妹の気持ちも考えてよね」

橘「これはその、別に見せつけてるとかじゃなくてだな…」

森島「そうそう、えっと…」

美也「はぁ…にぃに、さっきも言ったけどなんでみゃーがここで二人きりにさせないかわかってる?」

橘「なんでなんだよ…」

美也「朝からその続きを始める可能性があるからだよ」

森島「美也ちゃん!?」

美也「にぃに、ねぇね、美也の前でふじゅんいせーこーゆーはさせないからね」

終わり


グダグダになってしまった
すみません

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