橘「絢辻さんが厨二病?」 (64)

アマガミSSです。今更な感じですが、楽しんでいただければ幸いです。

登場人物 橘 絢辻 棚町 梅原

※橘と絢辻メインなので、他のヒロインの出番は少ししかないです


過去作品

七咲「好きです!!」 橘「またまたご冗談を」
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橘「な、なんで僕が女の子になってるんだ!?」
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森島・絢辻・棚町・桜井・中多・七咲・上崎「あなたを私達のものにします!!」
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橘「だって薫には彼氏がいるんだろ?」薫(...裏目にでたわ)
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橘「今週末は一人で留守番か~...」 桜井(チャンス!!)
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放課後 教室

絢辻「ふう。これで今日の委員会の仕事は終わり、と」

絢辻「結構、遅くまでかかっちゃったわね...」

絢辻「いつもは橘君が手伝ってくれるんだけど」

絢辻「今日に限って『用事があるからごめん!!』だなんて...」

絢辻「あたしのことを二の次にするなんて、いい度胸してるわ。全く!!」

絢辻「明日から思いっきりこき使ってやるんだから!!」

絢辻「さて、あとは電気を消して... ってなにかしら、この本?」


絢辻「誰かの忘れ物? 小説みたいだけど... 何なの、このタイトル?」

絢辻「いわゆるライトノベルってやつかしら?」ペラ

絢辻「う~ん... 他人の趣味をとやかく言うつもりはないけど」ペラペラ

絢辻「あたしには合わないわね」パタン

絢辻「...」

絢辻(ちょっとやってみようかしら)


絢辻「くっ!! 呪われた我が右腕がうずく!!」ガバッ

絢辻「このままでは周りの皆を傷つけてしまう...」

絢辻「早く、封印しないと!!」


絢辻「...///」

絢辻(結構、恥ずかしいわね///)

絢辻「さて、さっさと帰りましょ」クル


橘「......」

絢辻「 」


橘「あの、絢辻さん?」

絢辻「...いつからいたの?」

橘「『右腕がうずく』のところからだけど...」

橘「右腕がどうかしたの?」

絢辻「...用事があったんじゃないの?」

橘「早く終わったから委員会の仕事を手伝いにきたんだけど...」

絢辻「...そう」

橘「それで右腕が」

絢辻「忘れなさい」


橘「いや、でも『周りを傷つけてしまう』って...」

絢辻「いいから!! 忘れなさい!!///」

橘「ど、どうしたの、絢辻さん!? 何かの病気なの!?」

絢辻「忘れなさいって言ってるでしょ!!///」ドカッ


・・・・・
・・・・
・・・


橘「いてて...」

絢辻「ご、ごめんなさい。橘君...」

橘「心配してるのに殴るのはひどいよ...」

絢辻「反省してるわ... でも本当になんでもないのよ」

絢辻「あなたの気持ちは嬉しいけど、大丈夫だから」

絢辻「このことはあたしと橘君だけの秘密にしておいて?」

橘「まぁ... 絢辻さんがそう言うなら」


絢辻「ありがとう、橘君」

橘「それじゃあ、一緒に帰ろうよ」

絢辻「ごめんなさい、今日はちょっと用事があるから...」

橘「そ、そうなんだ。じゃあ、また今度だね」

絢辻「せっかく誘ってくれたのにごめんね。それじゃあ」タッタッタ


絢辻(...恥ずかしくて一緒に帰ってられないわ///)

橘(絢辻さん、やっぱり病気なんじゃないのかな...)


翌朝 通学路


橘(う~ん... 絢辻さんの腕のことが気になる)トボトボ

梅原「おっす大将!! なんだか元気が無いな?」

橘「おはよう、梅原。そんなに元気ないようにみえるかな?

梅原「ああ、なんか悩みでもあるのか? 相談してくれよ、親友だろ?」

橘「...ありがとう。実はさ」

棚町「グッモ~ニン!!」ダキツキ


橘「うわぁっ!! か、薫!?」

棚町「おはよ、ダーリン♪」

橘「ダ、ダーリンって!?///」

梅原「おう、棚町。おはよう。...朝からおアツいことで」

棚町「おはよ、梅原君」ギュゥゥゥ

橘「と、とりあえず離れろ!! 周りの目が!!」

棚町「え~、せっかくこんな美人が抱きついてあげたのに!!」


梅原「おいおい大将。そんな贅沢を言ったら罰があたるぜ?」ニヤニヤ

棚町「ぐすっ... ねぇ梅原君... あたしってもう飽きられたのかしら?」ウソナキ

橘「もうどこから突っ込んだらいいか、わからないよ」

棚町「あはは!! まぁまぁ、あたしとあんたの仲じゃない」

橘「はいはい」

梅原「相変わらずだな、お前らは」


梅原「で、大将の悩みってのはなんなんだ?」

棚町「悩み?」

梅原「ああ、なんだか大将が朝から元気なかったんでな」

棚町「アンタでも悩むことがあるのねぇ」

橘「失礼な!! 僕だって悩みぐらいあるさ!!」

棚町「で、どんな悩みなの? どうせお宝本がらみだろうけど」

橘「違うよ。絢辻さんのことだよ」


棚町「絢辻さん?」ピクッ

梅原(棚町の雰囲気が変わった...)

棚町「話してみなさい」ゴゴゴゴゴ...

橘「うん、昨日のことなんだけどさ...」

梅原(大将、間違っても地雷は踏むなよ...)


説明中


橘「...というわけなんだよ」

梅原「...それって」

橘「あんな動揺した絢辻さん初めて見たからさ...」

橘「右腕が疼くなんて... 何かの病気なんじゃないかなって」

梅原「た、大将... それは多分な」

棚町「ただの厨二病じゃない」

橘「チュウニ病?」


梅原「ああ、知らないのか?」

橘「初めて聞いたよ。やっぱり病気だったのか...」


棚町・梅原「は?」


橘「隠すほどの病気なんて...」

梅原(もしかして...)

棚町(これは...)


梅原「え~とな、大将。厨二病ってのはだな...」

棚町「大変な病気なのよ、純一!!」

梅原「た、棚町!?」

橘「そ、そうなのか!? 薫、それってどんな病気なんだ!?」

棚町「様々な症状があるわ...言葉遣いがおかしくなったり...」

棚町「他人には見えないものを視たり聴いたりするし...」

棚町「腕に包帯を巻くこともあるわね...」


橘「幻覚や幻聴、外傷まで!?」

梅原「まぁ、確かにそういう行動をとるな」

梅原(説明の仕方は別として)

棚町「他人には知られないようにノートに何かを書くこともあるし...」

梅原(いわゆる黒歴史ノートってやつだな)

橘「そ、そういえば前に黒い手帳を...」


棚町「違う人格が現れることもあるみたいね...」

梅原(二重人格を演じるってやつだな)

橘「た、確かに普段は猫かぶってるし...」

橘「か、薫!! その病気って治るのか!?」

棚町「...現代医学では治療薬は無いわ」

橘「そ、そんな...」

梅原(思春期特有の行動だし、そのうち恥ずかしくなってやめるからな)


橘「もう手遅れなのか...」

棚町「しっかりしなさい、純一!!」

橘「薫!?」

棚町「諦めるなんて、あんたらしくないわ!!」

橘「そうか... そうだよな!!」

橘「僕は何を弱気になっていたんだ!!」

棚町「その意気よ、純一!!」

橘「ありがとう、薫!! ちょっと絢辻さんのところに行ってくる!!」

・・・・・
・・・・
・・・


梅原「...棚町」

棚町「な~に?」

梅原「わざとやっただろ」

棚町「だってアイツ、あたしの前で絢辻さんの心配してんのよ?」

棚町「あたしの気持ちも知らないでさ...」

梅原「棚町と絢辻さんの立場が逆でも、大将は同じ行動をとったと思うぜ?」

棚町「...わかってるわよ、そんなの」

梅原「大将も、罪な男だねぇ」

棚町「まぁ、面白くなりそうだからってのもあったんだけどね♪」

梅原「確かに、見物ではあるな」

>>18
ありがとうございます!!


教室


女生徒「おはよう、絢辻さん」

絢辻「おはよう」ニッコリ

女生徒「その右腕どうしたの? 包帯してるけど」

絢辻「うん、ちょっと転んで捻っちゃって...」

絢辻(本当は橘君に見られたのが恥ずかしくて、壁に八つ当たりしたせいだけど)

女生徒「そうなんだ、大丈夫?」

絢辻「ありがとう。でも大したことないから...」

・・・・・
・・・・
・・・


絢辻(はぁ、思い出しただけで恥ずかしい...///)

絢辻(橘君とまともに顔をあわせる自信がないわ...)

橘「絢辻さん!!」バァンッ!!

絢辻「た、橘君!?」

橘(っ!? 絢辻さんが右腕に包帯を...)

橘(薫の言うとおりだ... やっぱり病気なのか!!)


絢辻「おはよう。どうしたの、いきなり?」ニッコリ

橘(病気なのに、そんなに気丈に振舞って...)

橘(僕に心配かけまいとして...)

橘「絢辻さん!!」ガシッ

絢辻「た、橘君!? こ、こんなところで何を///」

橘「どうして言ってくれなかったんだよ!!」

絢辻「え、な、何を?///」ドキドキ


橘「僕じゃたいした力になれないかもしれない... でも!!」

橘「僕は絢辻さんを放っておけないんだ!!」

絢辻「た、橘君!!///」

橘「独りで抱え込まなくていいんだ... 僕がいるじゃないか!!

絢辻「っ!! そ、それって...///」

橘「だから、聞かせてほしいんだ...」

絢辻「橘君...///」


絢辻(私、ドキドキしてる... 橘君がこんな情熱的な人だったなんて///)

絢辻(伝えてもいいのかしら、私のこの気持ちを...///)

橘「さぁ、絢辻さん。聞かせてくれるね? 絢辻さんの...」

絢辻「...はい///」

絢辻「わ、私は... あなたのことが///」

橘「病気のことを!!」



絢辻「...は?」


橘「隠さなくてもいいんだよ... 厨二病なんだよね?」

絢辻「え?」

ザワザワ

エ-ナニナニ?

アヤツジサンッテ チュウニビョウナノ?

ザワザワ


橘「ほら、この右腕の包帯だってそうなんでしょ? 昨日、『我が右腕が疼く』って言ってたし」

絢辻「ま、待って!! それは!!」

ザワザワ

ソンナコトイッテタンダー

エー コウコウセイナノニ?

ザワザワ


橘「大丈夫!! 表の絢辻さんも、裏の絢辻さんも僕は受け入れるから!!」

絢辻「違うの!! この包帯は手首を捻ったから!! ...って何を言ってるのよ!!///」

橘「あの燃やした手帳もそうだったんだよね? 他人には知られたくないことを...!!」

絢辻「ち、ちょっと!! そのことは!!」

ザワザワ

ウラノアヤツジサン?

テチョウッテ、モシカシテ クロレキシノート?

ザワザワ


橘「今は治せないかもしれないけど、一緒に解決策を考えよう!!」

絢辻「...だ~か~ら~!!///」プルプル

ザワザワ

オハヨー ドウシタノ?

オハヨー カオル ジツハネ...

エー アヤツジサンガ チュウニビョウデスッテー?

ザワザワ


橘「さぁ、絢辻さん!!」

絢辻「...ふんっ!!」ドゴォ!!

橘「ぐはっ!!」バタ

ザワザワ

タ、タイショウ? ダイジョウブカ!?

タナマチサン!! アナタノシワザネ!!

エー ナンノコトダカワカンナーイ

ハーイ ミンナ セキニツイテー

ザワザワ

・・・・・
・・・・
・・・


保健室


橘「いてて...」

絢辻「自業自得よ、まったく」

橘「だって、厨二病の本当の意味なんて知らなかったし...」

絢辻「だからって手帳のことや、猫かぶってることまで言わなくたっていいでしょ?」

絢辻「あれほど秘密にしておくように言ったのに」

橘「はい... すみませんでした...」


絢辻「謝ったって許さない。傷ついた。すごく傷ついた。とっても傷ついた」

橘「ごめん... でも病気だって思ったらすごく心配になったんだ」

絢辻「...」

橘「絢辻さんって一人でなんでもできちゃうから、これまでは自分だけで解決してきたかもしれないけど」

橘「逆に僕は不安なんだよ。全部抱え込んじゃうから、いつかその重みで潰れちゃうような気がしてさ」

絢辻「...あたしはそんなに弱くないわ」


橘「うん。知ってる」

絢辻「じゃあ、どうしてあんなこと...」

橘「絢辻さんの力になりたいんだ」

橘「前に言ってくれたよね?『一緒にいると嬉しいし、楽しい』って」

絢辻「うん...///」


橘「僕もそうだよ。絢辻さんと一緒だと嬉しいし、楽しいんだ///」

橘「そして絢辻さんがそう言ってくれたとき、すごく嬉しかったんだ」

橘「そのときに思ったんだよ。誰かと喜びや楽しみを共有できたら、もっともっと嬉しくなるし、楽しくなるんだって」

橘「それと同じように、辛いことや悲しいことがあっても誰かと共有できたら半減すると思うんだ」


絢辻「だからなの...?」

橘「うん。絢辻さんの辛いことを少しでも楽にしたかったんだ」

橘「結局は僕の勘違いだったけどね」

絢辻「そうだったの...///」

橘「ごめんね。恥ずかしい思いをさせちゃって」


絢辻「もういいわ。そんなふうに言われちゃったら、もう怒れないじゃない」

橘「でも...」

絢辻「それでも気がすまないのなら...」

絢辻「これからもっともっと私の気持ちを知って、私を喜ばせて///」


・・・・・
・・・・
・・・


翌日 教室


棚町「おっはよー。いやー昨日は笑ったわ」

橘「おはよう、薫。お前のせいで、昨日は大変だったんだからな」

棚町「そりゃ教室であんだけの騒ぎを起こせばね~」

橘「まったく...」

絢辻「おはよう、橘君。」

橘「おはよう、絢辻さん」

>>39
読んでいただいて、ありがとうございます。


棚町「おはよう、絢辻さん。昨日は大変だったみたいね?」

絢辻「ええ、おかげさまでね」

棚町「ごめんね~。あたしの説明の仕方が悪かったみたいで~」

橘「お前、反省して無いだろ...」

絢辻「いいのよ。おかげで橘君の気持ちがわかったから♪」

棚町「純一の気持ち?」


絢辻「ええ、『私と一緒にいると嬉しいし楽しい』って言ってくれたの」

絢辻「昨日のことも私を心配してくれてのことだったから」ニッコリ

棚町「へぇ~...」イラッ

絢辻「橘君が『どれだけ私のことを大切に想ってくれてるか』わかる、いい機会だったわ」ニコニコ

棚町「ふぅ~ん、そう...」ゴゴゴゴゴ

橘(か、薫の雰囲気が...)

梅原「おっす、大将。おはよー... って、ありゃまぁ...」

梅原(修羅場ってやつか...)


ドタドタドタ…

ガラッ

森島「橘くーん!! 私も身体が疼くから何とかしてくれないかな!?」

塚原「はるか!! その言い方は誤解を与えるからやめなさい!!」

桜井「純一~!! ...そなたと我は前世より魂が繋がってるから...香苗ちゃん、やっぱり難しいよ~!!」

伊藤「桜井...あれだけ練習したでしょ。あ、正吉くん!! おはよ///」

中多「せ、先輩...我が魔翌力を注いだ供物を用意したので、約束の刻を共に過ごしませんか?」

(訳:先輩。お弁当を作ってきたので、お昼一緒にいかがですか?)

七咲「変態でしかも厨二病ですか。つくづく先輩は困ったさんですね。で、でもそういうのが趣味なら私も...///」

美也「なんで紗江ちゃんはそんなにスラスラと言えるの?」


・・・・・
・・・・
・・・

梅原「ま、いつもどおりだな」

マサ・ケン「そうか、今は厨二病がモテるのか!!」

田中「あはは... それは違うと思うよ...」



これにて終了です。ここまで読んでいただいてありがとうございました。
また機会があれば投稿させていただきますので、そのときもまたお付き合いただければ幸いです。

※一部修正
>>44
魔翌翌翌力→魔翌力 です。失礼しました。

すみません。
修正をミスってました。

魔翌翌翌力→魔翌力 です。 失礼しました。

>>1のurlてどうすりゃええんや

過去作品

七咲「好きです!!」 橘「またまたご冗談を」

橘「な、なんで僕が女の子になってるんだ!?」

森島・絢辻・棚町・桜井・中多・七咲・上崎「あなたを私達のものにします!!」

橘「だって薫には彼氏がいるんだろ?」薫(...裏目にでたわ)

橘「今週末は一人で留守番か~...」 桜井(チャンス!!)
橘「今週末は一人で留守番か~...」 桜井(チャンス!!) - SSまとめ速報
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これでいけるか?

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