野崎「セイバー、ここベタして」セイバー「奏者、ベタとは一体……?」 (30)

野崎「ああ、そういえばちゃんと説明してなかったな」

野崎「ベタというのはこのマークがある部分を黒く塗りつぶす事だ」

セイバー「ほうほう……ようするに余が彩るというわけだな」

野崎「そういう事だ」

セイバー「よし! ここは芸術家の余にまかせるがよい奏者!! 」

セイバー「余が今からこの原初の火を使って華麗に塗り潰してくれよう!!」

野崎「すまない、その赤いのがペンではなく剣にしか見えないのだが」

セイバー「……おっと、余とした事が間違えた。 こっちで塗り潰せばいいんだな」

野崎(普通間違えるか……?)

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セイバー「できたぞ奏者!!」

野崎「おお、初めてにしては上手だな」

セイバー「ほうほうそうか/// もっと褒めても良いのだぞ?///」

セイバー「……しかしアレだな、この鈴木とマミコもまた……愛を育んでいるのだな」

野崎「ああ」

セイバー「……奏者、この二人の愛、余は納得できぬ」

野崎「!? ダメだしか!!?」

野崎(彼女は生前、愛について語っていたらしいな……ここは参考にすべきか?)

野崎「ど、どこがいけないんだ……?」

セイバー「どうしてこの二人は余の事を好きではないのだ!!」

野崎「……お前が生前市民に追われたのがなんとなく分かる気がする」

ピンポーン

セイバー「? 誰だ」

野崎「! 佐倉か」

セイバー「佐倉!? あの可愛い娘か!!」

ガチャ

佐倉「こんにちは野崎くん!! お邪魔しまーす!!」

セイバー「娘ーーー!!!」ギュウウ

佐倉「わーーーーー!!!?///」

セイバー「会いたかったぞ娘よ!! 其方は本当に小さくて可愛いな!!」

佐倉「ちょ、セイバーさん……近い!! 胸当たってる!!///」

セイバー「当てておるのだから当然だろう!!」

野崎(胸の差を強調する為に当ててるのか? 女同士の戦いは恐ろしいな……)












佐倉「ベタ終わった!!」

セイバー「ほう、綺麗なベタではないか娘……」

セイバー「だが甘い!! これが余の描いたベタだ!!」

佐倉「!! す、凄い上手!!」

セイバー「フッフッフッ……これでベタポジションは余の物だな!!」

佐倉「え!!?」

セイバー「分かっておるぞ娘、其方が奏者を狙っているのは」ボソッ

佐倉「!!!!///」ドキッ

セイバー「すまぬが奏者は余が頂く。 そして其方も余が頂く!!」

佐倉「の、野崎くんは譲れないし、私もセイバーさんの物にはならないもん!!」

野崎「お茶ができ……ん? どうした二人とも」

佐倉「な、なんでもないよ野崎くん!!」

セイバー「気にするでない奏者! さぁ次はどこを塗ればよいのだ!?」

野崎「……とはいうが二人が頑張ってくれたお陰で今月のベタはもう終わりなんだが」

セイバー・佐倉「え」

佐倉「……あれ、そういえばみこりんは?」

セイバー「みこりん……あの美少年か」

野崎「……御子柴ならさっき電話があってな」













御子柴『わりい野崎!! 限定の玉藻ちゃんフィギュア買わねえといけねえから今日は行けねえ!!!』














野崎「だそうだ」

佐倉「あはは……みこりんらしい理由だね」

セイバー「あやつめ……フィギュアよりも可愛い美少女がいるというのに」

野崎「しかし参ったな……御子柴がいないと花が描けない」

セイバー「フッフッフッ……奏者、心配はいらぬ」

セイバー「其方の目の前に……花を描ける人物がいるではないか!!」

佐倉「え、それって……セイバーさんの事!!?」

セイバー「余は芸術家!! 花を描くなど容易い!!」

カリカリカリカリ!!

野崎「……!! そうか、皇帝特権か!!」

佐倉「な、何それ?」

野崎「本人が主張すれば短期間だけその力が獲得できるというものだ」

佐倉「えええ!!?」

セイバー「見よ!! これが余の描いた薔薇だ!!」

佐倉「!!! み、みこりんが描いたみたいだよセイバーさん!!!」

野崎「……セイバー、凄いのは分かる。 だがな」

セイバー「?」

野崎「同時に部屋の周りに薔薇ばら撒くのはやめてもらえないか?」

セイバー「其方芸術家のくせに薔薇の美しさが分からぬというのか!!?」



セイバー「奏者、其方の家の湯は非常に気持ちよかったぞ」ホカホカ

野崎「なら良かった、じゃあ次は俺が風呂に入るか」

ガチャ

野崎「……」












野崎「セイバー」

セイバー「どうした奏者」

野崎「昼にばら撒いた薔薇を風呂に入れるのはやめてくれないか?」

セイバー「其方芸術家のくせに薔薇の美しさが分からぬというのか!!?」

次の日

野崎「頭が痛い……徹夜で描いたからだろうな」

セイバー「余も頭が痛い……」

野崎「そういえばお前も昨日は起きて俺に付き合ってくれてたな。 ありがとう」

セイバー「頭痛持ちスキルの所為でな……」

野崎「紛らわしい」

野崎「じゃあ学校に行ってくる」

セイバー「奏者!! 余も行くぞ!!」

野崎「何!!?」

セイバー「学校とは可愛い男女が沢山いるのだろう!!?」

野崎「ちやほやされたいのが目的か……だが先生達にはどうやって説明するんだ?」

セイバー「日本は頻繁に転校生がやってくるのだろう!!? 其方が持ってる少女漫画は全てそうではないか!!」

セイバー「だから余がやってきても珍しくもなんともない!!」

野崎「それは漫画での話だ!! これは現実だ!!」

セイバー「……余が学校に行けば転校生ネタも描けるであろう?」

野崎「……!!!」

セイバー「そしていいネタができれば其方の尊敬する剣とやらに褒められるのではないか?」

野崎「……」

セイバー「……」

野崎「……よし、学校に来てもいいぞセイバー」

セイバー「うむ、分かればよい♪」










野崎「着いたぞ」

セイバー「おおお!! どこを見ても美少年に美少女ではないか!!///」

\キャーーー素敵ーーー!!/

セイバー「フフ……早くも余に黄色い声援が……」ドヤァ

野崎「ドヤ顔してる所申し訳ないが今の声援はあいつに向けてのだぞ」

セイバー「『あいつ』……?」

野崎「ほら、あそこにいる……」











女子「鹿島くーーん!!! カッコいいーーーーー!! 素敵ーーーー!!!///」

鹿島「ありがとう、そういう君も素敵だよ」

セイバー「奏者!! 美少年だ!! 美少年がいるではないか!!」

野崎「いや、あいつは女だ」

セイバー「何!? あのような美少年が女!!?」

鹿島「あ、野崎おはよー……」

鹿島「……ってその隣にいる子は誰!!?」

セイバー「余はセイバー!! 奏者のサーヴァントである!!」

鹿島「さ、さー?ぁんと……?」

野崎「……俺の知り合いだ」

野崎(サーヴァントだの聖杯戦争だの言っても信じてもらえないだろう)

鹿島「野崎に外国人の知り合いがいたなんてねー……」

セイバー「ううむ……余と同じ男装女子がいるとは……」

鹿島「あはは……びっくりした? お姫様」

セイバー「何!!?」サササッ

野崎「セ、セイバー?」

セイバー「余の事を姫と呼ぶでない!!」

鹿島「あ、あれ? 嫌だった? ごめんね……」

鹿島「えっとじゃあ……セイバーちゃんって呼べばいいかな?」

セイバー「子どもっぽい。 セイバーと呼ぶがよい」

鹿島「うん分かった。 じゃあよろしくねセイバー。 私は鹿島遊だよ」

セイバー「うむ! カシマだな!! 覚えたぞ!!」

セイバー「カシマ、余は其方の男装が見てみたい」

鹿島「あ、じゃあ放課後部活に来る? その時に着るからさ」

セイバー「うむ! そうしよう!!」

鹿島「じゃあまた後でねー」タッタッタッ

セイバー「さらばだカシマよ!!」

野崎「……二人とも意気投合しているな」

セイバー「……奏者!!」

野崎「なんだ?」

セイバー「余はこれから皇帝特権を使って校長になり今の時間を放課後にする!!」

野崎「頼むからやめてくれ」

校庭

セイバー「……」
















セイバー『授業など参加しない!! 余は遊びたいぞ!!』

セイバー『というわけで娘やカシマに会ってくる!!』

野崎『……』サッ

セイバー『!!! 奏者、それは……!!』












セイバー「ううむ……奏者に令呪を使われてほかの教室に乱入できなくなってしまった」

セイバー「というわけで仕方なく校庭に来たが……運が悪く外で体育はやってない……誰もいない」

セイバー「……はぁ」

タッタッタッ

セイバー「……ん? 向こうから誰かが……」

瀬尾「やっベー、遅刻だ遅刻」タッタッタッ

セイバー「!! あれは……余に引けを取らぬ立派な胸を持ってるではないか!! そして可愛い!!!」

瀬尾「……ん? 誰あんた」

教室

先生「であるからしてー……」

野崎(セイバーは騒ぎを起こしてないだろうか……)

野崎(まぁ令呪を使ったし誰かに迷惑をかける事もないだろう)

野崎「……」チラッ

野崎(……ん? 校庭で誰かが……)










セイバー・瀬尾「あはははは!!!」

野崎「!!?」

瀬尾「いやーなんかさっきから面白い話ばっかだなーあんた!! 気に入った!!」

セイバー「うむ!! 余も其方のようなアグレッシブな女子は嫌いではないぞ!!」

先生「こらー! 授業サボって何してる!!」

瀬尾「やべ、先生だ!!」

セイバー「ユヅキとやら!! ここは余に任せて逃げるがいい!!」

瀬尾「マジ!? 足止めしてくれるの!? サンキューセイバー!!」

セイバー「ふん!!」ブン!!

先生「ぐあああああああ!!!」

瀬尾「すっげー!! カッケー!!!」











セイバー「というわけで余はカシマだけでなくユヅキとも仲良くなったぞ!!」

野崎「……よく仲良くなれたな」

セイバー「可愛ければそれでよいのだ!!」

セイバー「……しかしすまなかったな奏者、余が暴れた所為で連帯責任として其方も怒られるとは」

野崎「……流石にもうあんな事はしないよな?」

セイバー「うむ!! 奏者が怒られる姿は見たくないからな!!」

セイバー「……と、気づけば昼食の時間か……奏者!! 余は提案がある!!」

野崎「?」

女子「御子柴くーん!! 一緒に弁当食べよー!!」

女子「食べよ食べよーー!!」

御子柴「一緒に……そんなのゴメンだな」

女子「ど、どうして!!?」

御子柴「だってよ、一緒に弁当なんて食べてたら……」

御子柴「……お前らまで食っちまいそうだからな☆」

女子「キャーーーーーーーー!!!///」

御子柴「……つうわけで俺は一人で食ってくるぜ」ダッ

御子柴「……」

御子柴(女子に囲まれながら弁当食って会話するなんて無理に決まってんだろ!!///)

御子柴「……ふぅ、撒いた」

御子柴「やっぱここは屋上で一人で弁当を……」

御子柴「……!!」









瀬尾「千代ー、私の桜でんぶあげるー」

佐倉「ありがとう結月!!」

セイバー「うむ、こうして美少女達に囲まれて食事をするのも乙な物だな!!」

鹿島「こういうのもありだねー」

セイバー「余は非常に満足しておる!!」

御子柴「……」

セイバー「!! 誰かと思えばみこりんではないか!!」

御子柴「……何やってんだよ」

セイバー「見れば分かるだろう!! 女子会である!!」

御子柴「……ああ、だから野崎がうさ耳つけてんのか」

野崎「うふふ、そうよ(棒読み)」

御子柴「もっと感情込めろよ!!!」

野崎「御子柴、これは貴重な女子会だ。 ネタにできるチャンスなんだ」ヒソヒソ

御子柴「メシ食ってる時も漫画脳かよお前……」

セイバー「さぁ!! みこりんも女子なら一緒に食べようではないか!!」

御子柴「誰が女子だ!!!」

セイバー「しかしみこりん……余は悲しいぞ」

御子柴「?」

セイバー「余と遊ぶ約束を断り……玉藻と言う女に会いに行くとは……」

御子柴「!!!! ばっ、言うんじゃねえ!!」

鹿島「ええっ!? 御子柴、こんな可愛い子との約束断ったの!?」

瀬尾「こんな面白い奴なかなかいないぞ?」

佐倉「みこりん最低!!」

御子柴「な、なんだよ……お前ら揃いも揃って……」

御子柴「フィギュア買うのが……そんなに悪いかよぉ」ポロ

瀬尾「あ、泣いた」

御子柴「馬鹿!! 泣いてねえよ馬鹿!!」

野崎(泣いてるマミコ!! これは絵になる!!)スラスラ

御子柴「野崎!! 俺そんなに悪いか!!?」

野崎「悪い、泣いて詫びろ(資料の為に)」

御子柴「誰一人俺の味方いねえのかよ!!」

御子柴「……まぁドタキャンしたのは俺に非があるな……悪かった」

セイバー「うむ、これからはちゃんと来るのだぞ」

瀬尾「あ、そうだ! ねえセイバー、今日一緒にバスケ部行こうぜ!!」

セイバー「さっき其方の話に出てきたワカとやらに会いに行くのだな? うむ、よいぞ!!」

鹿島「あれ? でも今日は演劇部見に来るんじゃ……?」

セイバー「!! そ、そういえばそうだった……」

瀬尾「バスケ部来るだろ?」

鹿島「演劇部だよね?」

セイバー「ううむ……余はなんて罪な女なのだ……」

野崎「どっちにも行かないでアシスタントしてくれないだろうか」

佐倉「野崎くん!?」

セイバー「……放課後には答えを出すから待ってくれぬか?」

瀬尾「オッケー」

鹿島「分かった!!」















放課後

セイバー「……よし!! 余は決めたぞ!!」

御子柴「どっちにすんだよ?」

セイバー「余にはどっちかは選べぬ!! カシマもユヅキも好きだからな!!」

セイバー「だから余は……アレを使うぞ!!」

佐倉「『アレ』……?」














パッ

鹿島「わっ!!?」













パッ

瀬尾「ん?」
















佐倉「あれ!? ここどこ!!?」

御子柴「なんで学校が劇場になってんだよ!!?」

野崎「まさかセイバー……宝具を使ったのか!!?」

セイバー「その通り!!」

セイバー「どっちにしかいけないのなら……どっちも来させればよいのだ!!」

堀「おいおい、どうなってんだこりゃ……」

若松「何があったんですか!!?」

セイバー「うむ、生徒は全員いるな……ならば始めよう!!」

セイバー「我が才を見よ! 万雷の喝采を聞け!」

セイバー「座して称えるがよい…… 黄金の劇場を!! 」














終演後

\ワーーーーーーーーー!!!/

佐倉「凄い!! 大盛況だよ野崎くん!!!」

野崎「ああ、言葉じゃ表せないような凄さだった」

堀「セイバー!! お前の演技には感動した!!!」

堀「もし良かったら演劇部に入らないか!!?」

若松「凄い歌声でした……感動しました!!」

若松「貴女が……俺が探していた……ローレライさんだったんですね!! 貴女は俺にとっての女神です!!」

瀬尾「いや若、ローレライは……いやなんでもない」

鹿島「セイバーが堀ちゃん先輩に気に入られてる!! いいなー!!」

\セ・イ・バー!! セ・イ・バー!!/

佐倉「セイバーさん人気者だね!!」

野崎「ああ、そうだな」

帰り道

セイバー「奏者!! 余は非常に満足しておる!!」

セイバー「余が生前求めていた愛とはこれだったのだ!!」

野崎「……そうか、ならよかった」

セイバー「……」

セイバー「……奏者、余はまた学校に行ってはダメか?」

セイバー「今回限りという約束だったが……」

野崎「……」

セイバー「……」

野崎「……迷惑かけなければ来てもいいぞ」

セイバー「本当か!!?」

野崎「ああ、佐倉も御子柴も……鹿島も堀先輩も……瀬尾も若松も……みんなお前に会いたがってたしな」

セイバー「ありがとう奏者!! 其方は本当に優しいな!!///」ギュウ

野崎「いきなり抱きつくのはやめてくれ」

野崎「……ん?」

野崎(どこからか視線を感じる……)














佐倉「……」ジー

御子柴「……いつまでストーキングしてんだよ。 普通に話しにいけよ」

佐倉「でも……二人の邪魔したら悪いし……」

佐倉「……うわあああああああん!!! みこりん!! 私もサーヴァントになりたいよーーーーーーー!!!」

御子柴「無茶言うなよ……」

別の日

野崎「剣さん、この間言っていた外国人の転校生ネタできました」

宮前「どれどれ……」















『クラウディウス様ーーーー!!!』

『クラウディウス様可愛いーーーー!!!』

鈴木『可愛いなぁクラウディウス』

マミコ『そんな……鈴木くんが……』

マミコ『……私も負けてられない!!!』














宮前「展開自体は特に悪い所はないですね」

野崎「ありがとうございます!!」

宮前「けど一ついいっすか?」

野崎「……なんですか?」

宮前「なんでなんの説明もなくこいつらいきなりローマにいるんですか」

野崎「あ」

~終わり~

4年前に書いたやつ↓
野崎「セイバー、ここベタして」
野崎「セイバー、ここベタして」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414893027/)

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