女「これだとストーカーじゃん!」 (129)
女「暑い…暑すぎる……」
女「完全に失敗した…」
女「気分転換に、図書館で勉強しようとしたら休館日だし」
女「しょうがないので回り道しながら帰ろうとしたらスマホの充電が切れて道に迷うし」
女「喉が渇いたのにコンビニどころか自販機すらないし」
女「路面がモヤモヤして蜃気楼?みたいなのが見えるし」
女「モヤモヤしてる先の丁字路を男君が横切っているように見えるし…」
女「はぁ…砂漠の中でオアシスが見えるのってこんな感じなのかな……」
女「今日は全然ついてないな……そんな日に運よく男君が…男君が…」
女「嘘!なんでこんな所を?男君が歩いてるの???」
女「夏休みの間は会えないっと思ってたのに…」
女「どうしよう!どうすればいいの!」
女「んー、取り合えず後をつけよう!」
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女(思わず後をつけてしまった…)
女(そもそも本当に男君だろうか…横顔をチラッと見ただけだし…)
女(いや大丈夫!自分を信じないと!いつも学校で見てるじゃん)
女(でももし他人だった場合、見ず知らずの人の後をつける不審者じゃん私!)
女(いやいやまてまて!男君だったとしてもストーカーじゃん私!!)
女(でもでも、好きな人事が気になるのは仕方ない…そう!仕方ない事だよ)
女(せっかく、会えたのにこのまま終わらせるのは勿体ない)
女(買い物袋を持っていることから察して買い物の帰りかな)
女(じゃあなに、男君が家に帰ると…ご自宅がわかるって事!ますますストーカー的な思想になってる…)
女(ここは一つ偶然を装い話しかけてみたらどうだろうか?)
女(無理無理無理!学校でもちょっとしか話したことないのに…)
女(でもこのままではダメだ!私は変わらないといけない!)
女「この時こそ天が我に与えし千載一遇の好機なり!!このまま夏の扉を開け夏のヒロインに躍り出てひと夏の思い出とともに大人の階段を昇る!!!」
女(なにアホな事を高らかに宣言しとるんだ私は)
男「ん?」ピタ
女(ヤバイ、男君が立ち止まった!!と、とりあえずゴミ捨て場の裏に隠れとこ!」
男(なんだ今、至極アホで大胆な宣言が聞こえた気がする)クル
男「誰もいないか…」
男「幻聴か?こうも暑いとダメだな~早く帰ろ」
女「ちょっと、待って!行っちゃう!」
ドンがらガッシャーン!!!!!
男「うぉ!」
男「おいおい、なんだよさっきから」クル
男「うわー派手に転んでんなー痛そー」
男(さてどうしたものか…声をかけるべきか否か?こんな状況じゃ恥ずかしだろうな…でもご近所さんだったら印象悪くなるだろうしな…まぁ、あっちも気づいて無さそうだしこっちも気づかない方向でい…)
女(痛っいいー何をやってるんだ私はこんなんで気づかれでもしたら…)
男(あれ?)
女(あっ)
女&男(目が合っちゃった)
男(同じクラスの女さんじゃ…)ジー
女(メッチャ見られてる!)
男(さすがに無視するわけにもいかんわな、夏休み明けが怖い)テクテク
女(凄い近づいてくる!!)
女(どうしよう!どうしよう!逃げなきゃ!!!)アタフタ
男「女さんだよね?」
女「えっあの…その…いやー夏ですね」アタフタ
ファーストコンタクト失敗
男「確かに夏だが……まぁその…大丈夫か?」
女「な、何がでしょうか…?」
男「凄くド派手に転んだよね?」
女「わ、私が転倒したと?無様に滑稽に?フッ!笑わせてくれる!」
女(や、ヤバイ!テンパりすぎて私の中の変なキャラが出てきよる)
男「ほぅ…両手両足を灼熱のアスファルトの上に置いてる理由が他にあると?」
女(えっ…男君が私のキャラに乗ってきているだと!!)
女「た、確かに客観的にみると私は転倒しているといえるが…その説は……熱い!!ここ熱いです!!!」
男「だろうね…立てるか?」つ
女(男君が私めにその尊いお手を差し伸べられて下さっている様に見える!だがしかし、アスファルト上に手を置いた事により尋常じゃない手汗をかいているこの状況下でそのお手を握る事がこの乙女の私にできるだろうか!!!!!)
女「大丈夫です!大丈夫!自分で立てますかr い、痛い…痛いです……」
男「ほら無理するなって」つ
女「で…ではお言葉に甘えまして…」つ
女(ああ~私の体汗腺から分泌された大量の液体が今まさに男君と交わろうとしている!!)
男「よいしょっと」
女(これもう夏の扉を開けちゃったね、このまま私をどこか連れて行って!)
男「うぉお!いやいやいや大丈夫かよ!」
女「何がですか?」
男「膝を見てみろよ両膝!滝のように血が出てるんだが」
女(うわぁすごい!これ日本百名滝だったら流水量で日本一ってぐらいでよる!)
いやそんなには出てない
男「早く手当したほうがいい」
女(確かにこれは早く手当てしたほうがいい)
女(ん?まてよ偶然見かけた男君の後をホイホイ追いかけ不注意でド派手に転倒し男君に気づかれたあげく、両膝からの大量の出血を見られているこの状況…ものすごく恥ずかしい気がする)
女「……」
男「どうした?」
女「出てないです」
男「はぁ?」
女「だから出血してないです」
男「へっ?」
女「なので大丈夫です」
男「いや現に血が…」
女(どうしよう!どうしよう!誤魔化さなければ!)
女「生理ですよ生理!今日は女の子の日なんです!!」
女(はぁ?????????何言ってんだ私は?????????)
男「……」
女「……」
男「いや、その、両膝から血が…」
女(聞かなかった事にされてる!無かった事にされてる!}
女「そうですよ、私は無様に滑稽にド派手に転倒して両膝からナイアガラの滝の如く絶えず血を流してるのですよ!何か文句ありますかっ!」
女(私のバカバカバカ、なんで逆ギレしてるのよ)
男「とにかく手当てしよう」
女「こんな道端でどうするって言うですかっ!」
女(なんでまた逆ギレしるの……もうダメだ…完全に頭がおかしい子だと思われるぅ…)
男「すぐそこのあの家が俺の家だから」
女「へっ」
男「家で手当てしよう」
女「は…はい」
女(まさか男君の家とか、もう昇るしかないよ大人の階段を!)
この物語は、夏空の下で偶然出会った少年と少女の物語のはずだった… つづく
男宅 -玄関-
ガチャ
男「おーい!双1いるか?」
双1「はいはい居ますよー、兄さん外は暑かったでしょう」
女(おぉなんとショートヘア美人な妹さんだと!しかもクールな感じなのにエプロン姿で両手にボールと泡だて器とかなにその女子力!ご飯よりお風呂より君を咀嚼したい!!!)
女「お邪魔します…」
双1(買い物から帰ってきた兄さんが女の子をお持ち帰りしてきた…へぇ~最近のスーパーは何でも売っているんだな~と一通り感心したところでさてさてどうしたものでしょうか?
長すぎもせず短すぎもしないセミロングの髪型は兄さんの好きなタイプ
可愛いこの手の顔は笑うと優しそうな感じが出て兄さんの好きなタイプ
母性溢れ何事も優しく包み込む寛容性さえ感じるその大きさの胸は兄さんの好きなタイプ
服がルーズではっきりと分からないがその二の腕から察するに男が好きなほどよい肉つきであることが予測されるこれも兄さんの好きなタイプ、裏を返すと体型を気にして服で隠そうとする奥ゆかしいその性格もまた兄さんの好きなタイプ、80年代のセクハラ親父が触りたくなるような安産型のヒップも兄さんの好きなタイプ、両膝から流血して赤く染まった脚は……これが兄さんの好きなタイプ??なワケがない!!)
【ここまで0.03秒】
双1「怪我をされてるじゃないですかっ!」
女「転んじゃいまして……」
双1「それは大変です!すぐ手当てしますので」
女「ありがとうございます…」
双1「大丈夫ですか?上がれますか?」
女「その…血で床を汚しちゃうかも…」
双1「そんなのは、後で拭けばいいのです」
女「すみません…」
双1「先ずは傷口を綺麗にしないと浴室へ行きましょう!」
双1「でも無理してはダメですよゆっくりでいいですからね」
女「はい…」
双1「兄さんはリビングから救急セットと椅子を持って来てください」
男「椅子?」
双1「いいから早く」
男「わかった」
-浴室-
双1「段差に気を付けてくださいね」
女「はい…」
双1「濡れちゃうといけないのでスカートの裾を上げてもらえますか?」
女「はい…」
双1「もっとですね思いっきり上げちゃってください」
女「わかりました…ハイどうぞ」バサ
双1(ほぅ良い太ももですな~これも兄さんの好きなタイプっと)
女「あの…」
双1「おっとすみません、じゃあ水をかけますよ~しみますよ~」ニコニコ
女「痛っ」
双1「すぐに終わりますからねー」ニコニコ
男「持ってきたぞー」
双1「ちょっと兄さん入ってこないで下さい!」
男「そなんつもりはなくてだな」
双1「いいから脱衣所に置いといて!」
男「椅子とその上に置いとくからな」
双1「すいません、甲斐がない兄で」
女「そんなん事ないです…」
双1「これで良しっと、見た感じ傷は深くない様で良かったです」
双1「濡れた脚を拭きますね」
女「自分でやりますから…」
双1「いえいえ、やりにくいでしょう私がやりますので」
双1(ほどよい柔らかさ…やはり私の見立て通りかと)サワサワ
-脱衣所-
双1「ではこちらにお座りください」
双1「痛かったら言ってくださいねー」
女「はい…」
女(手際良いなーしっかりさんだなーこんな子が妹だったらなー)
双1「早く治りますように」膝をナデナデ
女「えっと何を…」
双1「早く治って欲しいので」テレテレ
女(なにそのあざとさ、あざとかわゆすぎるでしょ!もうこの子買う!言い値で買うから!)
女「いくらですか?」
双1「何がでしょうか?」
女「はっ!何でもないです!何でもないです!」
双1「?」
-廊下-
双1「兄さん兄さん」チョイチョイ
男「ん?」
双1「申し訳ないのですが膝用のサポータを買ってきてもらえますか?」ヒソヒソ
男「サポーター?」
双1「はい、手当てした所が剥がれるも嫌なので」ヒソヒソ
男「買いに行くのはいいが、そこまでする必要があるか?」
双1「女の子が怪我してるんですよ傷跡が残ったらどうするつもりですかっ!」ヒソヒソ
男「わかったわかった」
双1「通気性が良いメッシュのサポーターをお願いしますね」ヒソヒソ
男「メッシュ状のやつだな、ってかなんでそんなヒソヒソ声なのよ」
双1「女さんに気を使わせてしまうでしょう、なんでわかんないかなー」ヒソヒソ
男「すいやせんね、気が利かなくて」
双1(さてこれで、三十分は戻ってこないっと)
-ダイニング-
双1「こちらへどうぞー」
女「失礼します…」
双1「ちょうど今ですね、ミルフィーユをつくっていたことろなんですよー」
女「そうでしたか…」
双1「もうすぐできますので食べて行ってくださいな」
女「そんな…手当てして頂いた上に悪いです…」
双1「安静にする時間も必要ですから~」
女「お気遣いありがとうございます…」
双1「いえいえ、お飲み物はどうしますか?紅茶、緑茶、麦茶、アイスコーヒー、オレンジジュースその他もご用意できますよ」
女「アイスコーヒーで…あっブラックで大丈夫です…」
双1(大人だ!大人がいる!)
双1「アイスコーヒーですね、わかりました」
女(よーし!これを機に双1ちゃんと仲良くなるぞ!あわよくば男君とも…)
女(いや待て待て待て、それだと双1ちゃんを出しに使う感じではないかっ!)
女(違うの違うの!私は純粋に双1ちゃんと仲良くなりたいの!でも男君とも仲良くなりたい…これはソクラテスもビックリな難題だ!)
双1「どうぞー」コトン
女「ありがとう」
双1「それにしても災難でしたね」
女「私の不注意ですから…」
双1「用事か何かでこちらの方に?」
女「あの、その…話すと長くなるのですけど恥ずかしい話、道に迷いまして…」
双1「この辺りは、似たような景色が多いので仕方ないですよ」
女「偶然…そう偶然、男君とお会いしたので助かりました」
双1「兄がお役に立ててよかったです」
女「もちろん、双1ちゃんのおかげでもありますよ」
双1「えへへ、そんな大したことじゃないですよー」
女「美味しい!これ美味しいよ!!双1ちゃんもうパティシエだね!!!」
双1「いやー照れますな~」テレテレ
女「お菓子作りはよくすのかな?」
双1「そうですね、お菓子作りもですけど料理全般はよくやりますね」
女「じゃあ、夕飯作ったりとか?」
双1「はい、母と一緒にいつも作ってますよ」
女(ええ子やーこの子メッチャええ子やなぁ~母上様、今までごめんなさい私も心入れ替えます。そして双1ちゃんと一緒に料理がしたいです)
双1「兄さんも時々、手伝ってくれますし」
女「えっ男君が…」
双1「意外ですよね」
女「い、いえそんな事は…う~ん、ごめんなさいちょっと意外です」
双1「兄さんはレパートリーは少ないですけど多利薄売で美味しいですよ」
女「ほぅ、その話くわしく」
双1「兄さんの場合、凝り性でこれだと思うと一極集中型でとことん追求するんです」
女「ふむふむ」
双1「最近も毎日お昼は炒飯作ってましたよ」
女「炒飯をですか?」
双1「たまたま入った中華料理屋さんの炒飯に感動したらしくて」
女「でも毎日だと飽きません?」
双1「兄さんも二週目あたりで飽きてきたと言ってましたけど…」
女「けど?」
双1「私達に本物の炒飯を食べさせるとかなんとか」
女(かーーーーーーー何と妹思いなことですかっ!私も食べてみたいよその本物炒飯とやらを)
双1「その集中して物事に取り込む姿勢は見習いたいのですが、度が過ぎるの玉に瑕かなっと」
双1「ほかの料理も大体同じ感じですね、そういった下地があるので料理するのは苦じゃないのかな~って思います」
双1「料理以外でも、あそこにある棚は兄さんが作ったんですよ」
女「これをですか?凄い!売り物みたい!」
双1「最初の頃はギコギコトントンとやってたんですけど、父を引きずり込んで電動工具も揃えてました」
女「おー本格的だね……もし、そのもしもでいいだけれどもどこのメーカー使ってるのかわかるかな~って…いや分からないよねごめんごめん」
双1「RY○BIです」
女(わかるんかいっ!)
なんでお前もそれを聞くんかいっ!
女「日〇さんでもマキ〇さんでもなく?」
双1「工具買う前は『俺は敢えて電気屋御用達のパ〇でいく』とか言ってましたけどなぜかRY○BIです」
女(RY〇BIさんか…男君は日〇さんってイメージだったのに少し残念……でもまて国内シェア第三位で木工工具の評判も良く主にDIYに使用するとなると値段も手ごろなRY〇BIさんはベストチョイスかもしれない…男君やりよるな!!)
女「ベストチョイスです!」
双1「べ、ベストチョイスですか?」
女「はい、ベストチョイスです!!」
双1「それとコードレスの工具はあまり好きじゃないようで」
女「なんで!便利なのに!!」
双1「基本的にガレージで作業するので電気が取れるのとバッテリ関係はあまり信用していないみたいです」
女「電力会社も蓄電設備を導入し始めてるのに?」
双1「次の蓄電関係の技術革新が起きて全世界に普及し価格が下がるまでは信用しないと言ってました」
女「それは先が長そうな話だね、今の技術でも十分に役立ってるのに…」
双1「あとみんなが当たり前にモバイルバッテリーを持つ様になったことも危惧してました」
女「なんで?普及することは悪いことじゃないと思うけど?」
双1「スマートフォンやコードレス家電に電気自動車等の爆発的な普及により需要と供給のバランスが崩れると」
女「でもそれは、一時的なことだと思う」
双1「私もそう思いますしそうやって技術が進歩するのに…」
双1「兄さんそういったことを嫌うんですよ、主に価格に反映されますし一度上げるとなかなか下がらないですから」
女(あぁものすごく現実的な思想の持ち主だったのか男君は…でもその堅実さ好きです!お金の管理は男君がませてもいい!それは結婚してからの話か…バカ!何言ってんの私は!!)
話が脱線してすみません、感嘆符が多くてすみません、更新が遅くてすみません
次回『最強の刺客!双2登場か!?』お楽しみに…
あぁわたしのこころはしくしく泣いてる どうして復活してしまったのか どうしてデータも生きているのか
夏の話がいつの間に秋になっているの
しばしお待ち下さい
忘れられた頃に復活じゃい!
双1(それにしても不思議な方です)
双1(しっかりしてそうで少し抜けているところがあり)
双1(マジメそうなのにフレンドリーで)
双1(裏表ない素直な性格は男女問わず好かれるでしょう)
双1(育った環境がそうさせるのでしょうか?それとも天性のものでしょうか?)
双1(はぁ……どちらにしても私とは大違い……)
双1(っと少し落ち込み気味に感傷に浸る私にを演じたところで…)
双1(問題はその胸ですよ!私の真正面に鎮座するその胸!)
双1(えっ!どういう事ですか?何なんですか?ケンカ売ってるんですか?)
双1(別にですね、私だって好きで平均以下の胸してるわけじゃないんですよ!)
双1(イジメですか?表現の暴力ですか?)
双1(こんな私の胸でも双2よりは大きいのですよ!!!)
双1(……)
双1(多少ですけど……)
双1(やれやれ、女さんの胸のせいで私はすっかり疲れてしまいましたよ!)
双1(腹癒せにその巨乳といった言葉だけでは表せない胸に対し新たな名前を付けてあげましょう!)
双1(古今東西、大きな胸に対し様々な名前がありましたがどれもこれも女さんのイメージとは違うのです)
双1(とは言っても、ボキャブラリーの乏しい私に名づけることができるのでしょうか…)
双1(いいえ諦めてはダメですよ双1!女さんの胸により受けた私の心の傷は山より高く海より深いのですよ!そう簡単に癒せはしない!)
双1(まずはちゃんと女さんを観察しまして女さんのそのもうぶっちゃけて言いますよその大きいおっぱいに最適な名前を考えなくては!!)ジー
シーン
女(どうしよう会話が途切れちゃったな…)
女(双1ちゃんの気を悪くしちゃったかな…)
女(やっぱりそうだよね…突然、お宅にお邪魔して初対面で…)
女(うんん!ダメ!ここで諦めてはダメよ女!双1ちゃんと仲良くなるって決めたじゃない!)
女(双1ちゃんと向き合わないと!双1ちゃんの目をちゃんと見て!)
双1 ジー
女(ものすごく見られてる!)
双1 ジー
女(こっちが見たいのにものすごく見られてる!)
女(なんだろう、胸の内を見透かされる感じがする!)
双1(んーそうですね……女さんは誰にでも分け隔てなく優しく接してくれそう…)
双1(なんだろう…無償の愛と言いますか……無償の愛…聖母マリア?)
双子(そう母親のように!)
双1(そうだ!『お母さんおっぱい』と!『お母さんおっぱい』と名づけましょう!)
双1(でもこれだとおっぱいが大きいことが伝わらない!)
『お母さんおっぱい(巨乳)』
双1(いやいやこれだと乳が重複しているので)
『お母さん(巨乳)』
双1(違う!そうじゃない離れすぎ)
『お母さん(巨乳安産型)』
双1(さらに離れましたが、女さんのイメージに近づいた気がする)
双1(いやお母さんと言ってもですね私が幼少の頃に感じた母の胸であり愛であり母性の総称ですからまかり間違っても子育を終えたマダムや熟女の方々の胸を表しているわけではなく…だからと言ってそういった方々の胸を否定してるわけではないのですよ私もいずれ歳をとり…いやいや歳をとるといった言い方もよくないですね……人生経験豊富なと言い換えましょう)
双1(そもそも女さんに対してお母さんとは失礼では?)
さらに話が脱線してすみません、感嘆符が多くてすみません、更新が遅くてすみません
次回 『次も双2は出ないようです!』 なんとか近日中に書きますので…
うああああああぁぁああぁぁあああぁ!よし!
シーン
双1(そうですよね……女さんも『お母さん(巨乳安産型)』と言われたら嫌でしょう)ウンウン
双1(私の場合は母に対して尊敬と憧れがあり将来は母の様な家庭的な女性になるのが夢なので『お母さん』と言った呼称は好意的なのですけれど)
双1(世間一般的に皆々様が私と一緒の考え方とは限りませんし)
双1(奥さんやお嫁さんと違いお母さんといった呼称の場合、どうしても子供とワンセットになってしまいますので)
双1(晩婚化や高齢出産といった言葉が叫ばれるこのご時世にうら若き乙女である女さんに用いるのは適切ではないと考えます)
双1(以上を踏まえ女さんの年齢も加味し改めて呼称を考えますとお母さんの次点で言いますところのお姉さん…いや『お姉ちゃん』となるわけですヨ!)
双1(まぁ、私も姉ではあるのですが双子の姉なんぞあってないようなものですし)
双1(これで、女さんにも妹さんか弟さんがいらっしゃるのであれば『実録!!リアルお姉ちゃん(巨乳安産型)ヒロインは実在した!!』となるのですけど)
双1(あっ!今時、巨乳安産型ヒロインなんざ流行らねーよ!!っと思ったそこの貴方!!)
双1(貴方は大きな間違いを犯しています!子々孫々までその間違いを悔いる事になるでしょう!)
双1(流行らないから何だというのでしょうか?魅力がなくなったわけではないのですよ!)
双1(気づかないだけなんです!私が証明させますよ!!!)
双1(ん~)
双1(いやさすがに意味不明すぎますよね、後半なんて女さん関係ないですし第三者が出てきそうでしたし)
双1(まぁ、これも女さんという存在がさせたこと私は悪くない!うん悪くない!)
シーン
女(しばしの沈黙、時折見せる双1ちゃんの悲しいそうな表情と私を見つめる視線から推測するに)
女(突然訪問した私に対して本来の目的外に提供せざるを得なくなった手作りスイーツ!)
女(そう!生クリームたっぷり双1ちゃん手作り出来立てのミルフィーユを私が食べている事がこの沈黙の原因ではないだろうか!)
女(本来食べる予定であった人の笑顔とそれを見て喜ぶ双1ちゃんの笑顔を私が奪ってしまったから……)
女(双1ちゃんにはもっと笑顔でいて欲しい、笑顔にしてあげたい!)
女(でもね、これはあげられないの!だって双1ちゃんの手作りで私が頂いたのだから!!)
女(だがしかし!作ったのが双1ちゃんなのだから!所有者は双1ちゃんで、私はいうなれば使用者となるのでは?)
女(もし双1ちゃんが返還請求権を行使した場合、私はどうしたらよいのだろうか!もう半分食べちゃったし)
女(いっそ一気に食べてしまい存在を抹消するしか方法はないのでは……)
女(いやダメです!お行儀が悪いですしなにより食いしん坊キャラが定着する可能性がありますから!)
女(あぁ??どうしましょうか……もう食べかけですけどお返しするしか…)
女(いやいや、そっちのほうが非常識でしょうに…八方塞がりです……)
女「はぁ~」
双1「ん?どうかしましたか女さん?」
女(あれ?無意識に溜息出ちゃった?)
女「あのね、今更なんだけどせっかく双1ちゃんが手作りしたスイーツを急に来た私が食べちゃって良かったのかな~って」
双1「それはもちろんですよ!女さんに食べて頂きたいからお出ししたまでで……お口に合いませんでしたか?」
女「そんな事はないです、大変おいしゅうございます」
双1「美味しいって言って頂くと私も嬉しいのです」ニコニコ
双1「実のところ、食べてくれる人がいないので」
女「なんで!こんなに美味しいのに!!」
双1「それがですね夏休みに入ってからほぼ毎日、何かしら作っていまして」
女「うんうん」
双1「最初のうちは家族とか友達とか美味しい美味しいと食べてくれていたのですが」
女「ほうほう」
双1「美味しいと言って頂くと私も調子乗っちゃいまして作る量が増えちゃったものですから」
双1「皆さん、甘いのに飽きちゃったみたいで最近は食べてくれないのですよ」
双1「だったら作る頻度と量を減らせばいいのですけどついつい作っちゃうのですよね?」
女(なにその女子力の塊みたいな理由)
双1「ですので今日、女さんがお越しにならなければ一人寂しく食べる事になったでしょう」
双1「だから私は女さんと一緒に食べれて幸せなのですよ!」ニコニコ
女「あぁ~私にもこんな妹がいたらな??」
双1「女さんはご兄弟はいらっしゃらないのですか?」
女「うん、私は一人っ子だよ」
双1「そうなのですか、私は兄だけでなく双2っていう妹がいるのですけど双子ですからあまり妹って感じじゃないですけどね」
女「へぇー双子さんなんだ!!」
女(双1ちゃんがもう一人この世に存在するってこと?何それつよい!)
女「じゃあやっぱり似てるのかな?」
双1「んーどうでしょうか?見た目は多少は似てるかなって感じですけど」
双1「性格や趣味とか好みだったり得意不得意は全然違いますね」
女(現実世界にパラレルワールドの双1ちゃんが存在するってこと!何それ会いたい!)
女「そーなんだ!双2ちゃんにも会ってみたいなー今日は何処かへお出かけされてるのかな?」
双1「もうそろそろ帰ってくるはずなので会えると思いますよ」
女「是非お会いしたいな?私ね人生で双子の人に会ったことないんだ?」
双1「そうだったんですか」
女「それに双1ちゃんと似てるんでしょう?」
双1「髪型とかは違いますけど顔はまぁ似てはいますね」
女「だったら、双1ちゃんと一緒で双2ちゃんも絶対に可愛いじゃないですかっ!」
双1「いやいやそんなことないですよ」
女「またまた、謙遜しちゃって」
双1「そうおっしゃるのであれば女さんなんてモテモテでしょう!」
双1「彼氏だけでも複数人いらっしゃると仮定しますと」
双1「彼氏同士のケンカも絶えず仲裁するのも大変でしょうに」
女「か、仮定が斬新だね……」
女「でもね双1ちゃんの期待を裏切って悪いけど、今まで一度も付き合ったことないんだ」
双1「はぁあああああああ?嘘ですよね!!!!!」
女「そんなに驚かなくても…」
双1「てっきり、彼氏の一人や二人ぐらいいるものだと……」
女「もし、いたとしても一人だけだよ」アセアセ
双1(女さんに彼氏がいないとなると兄さんが女さんと付き合える可能性が!いやいや、女さんにも好みがあるでしょうし)
双1(そもそも兄さんなんて対象外だとは思いますが……念のために揺さぶっときますか)
双1「じゃあ、兄さんはどうでしょうか?」
女「へっ?」
双1「女さんの彼氏に兄さんはいかがでしょうか?」
女「か!かっかか!!彼氏!?男君が!?私なんかの!!!いやいや滅相もないことでございます!!!」アタフタ
双1(赤面した顔の前で両手をバタバタと激しく振りながらアタフタするベタベタであざと可愛い事を実際に行う人間がこの世に存在するとは!)
双1(それだけ大きいとおっぱいまで激しく動くのですね……フッ…本当…勉強になりますよ…)
双1(しかしそのような事をされると、兄さんに好意を持っていると間接的に認めている様にしか見えません)
双1(女さんが狙ってやっているとも思えず…そもそも妹の私にする理由がないわけで)
双1「では兄さんには全く興味などなく彼女になるご予定も存在しないと?」
女「いや…その…私なんかが……」アタフタ
双1「あくまでも予定であり例えばの話ですから」
女「な、無きにしも非ず……かな…わーーわーー何を言ってんだろ私…」///
女「あぁ?もう、顔真っ赤だよね私…恥ずかしー」パタパタ
双1(まったく!赤く火照った頬を手で仰ぐなどとは素であざと可愛い事を連発するのいい加減にしてほしいものです!)
双1(いや~それにしても兄さんのどこが良いのでしょうか?)
双1(特別イケメンでもない平和ボケしたジャップ代表みたいな顔してますし……)
双1(でもたま?にたま?にですけど何か真剣に取り組む際の顔は凛々しく妹の私から見てもカッコよく見えない事もない様な気がするかもですけど)
双1(普段もですね自分が何者でもない事に気づかず公園でうろつく鳩みたいにのほほーんっと過ごしてますし)
双1(でもですねここぞの時の馬力はすさまじく頼りになるんですよねこれが!)
双1(掴んだら手繰り寄せて決して離さない!!みたいな……もうちょっと強引すぎですって兄さん!)キャッ!キャッ!
双1///
双1(……まぁ、好みは人ぞれぞれですので女さんが兄さんの事を好きであっても構いませんし)
双1(『お姉ちゃん』が『お義姉ちゃん』になるのも悪くないのですが)
双1(残念なことに、兄さんに彼女なんてまだ早いのです!いやー残念ですな?)
双1(あぁ?残念です!私も丁度、お姉ちゃんが欲しかったところなんですが)
双1(こればかりはいかんともしがたい)ウンウン
双1(……)
双1(わ??どうしよう!兄さんに彼女が出来ちゃうよ!!)
双1(だって女さんに彼氏がいないとか兄さんに気があるとかそんなの想定外だもん!!!)
双1(それでもって女さんは兄さんの好みどストライクなわけですから!!)
双1(どちらかが『付き合ってください!』と言ったら『はい!喜んで!』じゃん!!!どうしようもないじゃん!!!)
つづく
女(顔どころか全身が熱くて手まで真っ赤だし双1ちゃんに聞こえてるんじゃないかってぐらい心臓がバクバクとなってる)
女(双1ちゃんの前でこんな状態なら男君の前だと死ぬかもしれない)
女(ど、どうしましょう!!男君に好意があるのバレバレじゃないですかっ!)
女(こんなつもりではないのです私はただ双1ちゃんと仲良くなりたかっただけなのに)
女(双1ちゃんの雰囲気にのまれたといいますか、ほだされたといいますか)
女(でもでも、これがきっかけとなり男君と……いやいやそんなまさか!)
女(しかし!万が一という事も…でもこんな状態の私には……)
女(いや何を恐れる必要があるでしょうか ?私はこの夏に変わると誓ったじゃないですかっ!)
女(もっとポジティブに考えないと!)
女(ほらそう考えてみますと)
女(夏休み中は会えないと思ってた男君と会えましたし)
女(双1ちゃんとも仲良くなれそうですし)
女(極めつけは男君のお宅にお邪魔までしていると!)
女(ほら!出だしは好調ですからこのままの流れで…流れで…)
女(……ん?)
女(なんだろう?この違和感…)
女(何か重要なことから目を背けている気がする…)
女(少し冷静に今日を振り返ってみますと…)
女(今日の前半は全くツイてなく炎天下の中を一人さまよい)
女(偶然見つけた男君に気づかれぬよう後をつけ)
女(派手に転倒して怪我したところを見られ狼狽し)
女(荒唐無稽な事を言って男君を困らせた挙句に)
女(弁解不可の見事な逆切れを披露し今に至る)
女(あれ?醜態を晒しただけでは?)
女(……)
女(このままでは『米軍基地にバンザイ突撃を敢行してみた』とか『後期高齢者内でバズってる道路逆走をやってみた』を企画・実行しちゃうユーチューバと同等のクレイジーガールに認定されてもおかしくない!!)
女(まずい!これはまずいです!!)
女(どうにかこうにか汚名返上せねば!)
女(んーしかし具体的にどうすれば良いのでしょうか?)
女(先に言わせて頂きますが!!)
女(今の精神状態では恥ずかしすぎて男君の顔を見れそうにありませんし)
女(また変な事を言ってしまいそうで普通に会話できる自信もない)
女(もう完全に恋する乙女モード全開の私はこのアウェイから逃げ出したい!)
女(好スタート!好ダッシュ!そのままハナに立ちグイグイ加速!!相手を突き放し影も踏まれぬまま最後の直線で更に突き放す!!!)
女(逃げ馬の様に!!大逃げを打ちたい!!)
女(でもまだ、双2ちゃんと会ってない!)
女(双2ちゃんに会うまで私は帰れない!!)
女(その理由だけで何とか逃げずに踏ん張ってます)
女(そうだ!今のうちに双1ちゃんを味方に引き込むのはどうでしょうか?)
女(いや双1ちゃんを利用すような事は…あぁ!!どうしよう)
女(焦っても仕方ないでしょうに!呼吸を整えて心を落ち着かせ)ヒーヒーフー
女(幸いに男君が外出されているので戻ってくるまでになんとか対策を練る!)
男「ただいまー」
女(もーうーだーめーだぁー)
つづく
双1(おっと!この状況の元凶である人の声が聞こえましたよ!)
双1(全く…こちとら兄さんの事で色々と大変だというのに)
双1(何も知らずマリファナでキマッたヒッピー見たいな顔して呑気に帰ってきたことでしょう!!)
双1(女さんなんて見てくださいよ…おぉ!)
女(わわわわわわどどどどどどどどどしししし)アタフタ
双1(想像以上に動揺してる!)
双1(しょうがないですね~ここはワンクッション挟みますか)
双1「兄さんが帰ってきたみたいなので出迎えに行ってきますね」
女「えっ、あ…うん」コクコク
?玄関?
双1「お帰りなさいませませ」
男「買ってきたやつこれでよかったか?」
双1「どれどれ?」
双1「バッチリです!ありがとうございます!」
男「いや~それにしもて暑い、こんな日は外出るもんじゃねぇな」
双1「あれー?それは買い物に行かせた私への当て付けですかー?」
男「さてどうでしょうか?」
双1「ふ~ん、まぁいいでしょう」
双1「ところで兄さん、暑さのせいですか?その大量の汗から冬眠中の熊と一緒に寝たんですか?ってぐらいの獣臭がしますね~」ニコニコ
男「そこまで酷くないと信じたいが」
双1「ほら、男は狼なのよ~っと言いますでしょう?」
男「それはまた意味が違ってくると思うが」
双1「シャワーでも浴びられたらいかがでしょう?」
男「イマイチ納得しがたいが、汗は流したい」
双1「そうでしょうそうでしょう」
男「じゃあ、ちょっとシャワー浴びてくるわ」
双1「どうぞごゆっくり~」
-ダイニング-
ガチャ
女 ビクッ
女(あっ!なんだ…双1ちゃんか……)
双1(ビクッてした所も可愛いですな~)
女 ソワソワ
双1(女さんの心の中って表情や言動からだだ漏れですよね)
双1「兄さんならシャワー浴びてますよ」
女「あぁーそうなんだ…」
女(あれ?なんで分かったんだろ?)
双1「さてここに取り出したるは、純白の膝用サポーターメッシュタイプが二組」
双1「手当てした所がはがれないよう女さんのおみ足に私がはかせます」
女「そんな気を使わなくても良かったのに…ん?いま双1ちゃんがはかせるって言わなかった」
双1「さぁ!」
女「えっいや自分ではけるから大丈夫だよ大丈夫」
双1「さぁ!!」
女「えっとそのこの歳ではかせてもらうのちょっと…恥ずかしいな~」
双1「さぁ!!!」
双1「じゃあこうしましょう!女さんは右脚を!私は左脚を!!」
女「それだとあまり意味がないような…」
双1「もうこれ以上の譲歩はできませんよ」バンバン
女「えぇ~そう言われてもな~ん~~っと…はぁ~分かりましたそれでお願いします」
女(結局、双1ちゃんに押し切られてしまった)
双1「ではですね左脚をこちらに向けてください」
双1(やはり近くで見ますと綺麗な脚でございますこと)
双1(特にこの少しふっくらとしていて、もっちりとした肌質)ウットリ
双1(そしてこの程よい柔らかさ、いや~本当に良いものですね)サワサワ
女「…あの双1ちゃん?くすぐったいから…」
双1「おっとすみません、ついうっとりしてしまいました」
女「うっとり?」
男(シャワーから戻ってきたら妹が恍惚な表情で人の脚を擦ってやがる)ナニコレ
男「何やってたん?」
双1「見ればわかるでしょう!女さんの御膝にサポーターを着けていたところですよ」
男(そうは見えなかったが)
女「……」
双1(さっきまで、女さんのコロコロ変わる表情が凄く可愛かったのに)
双1(兄さんが戻ってきたら借りてきた猫みたいになっちゃいましたね)
双1(そんなチョコンと椅子に座ってるだけ女さんも可愛いですけど)
男「脚の状態はどう?」
女「……」
男「ん?」
女「……わ、私ですか?」
男「そりゃ、脚を怪我してるのは女さんだけだしな」
女「ご、ごめんなさい…」
男「いや、謝ることはねえよ」
男「ただちょっと気になっただけだから」
女「えっと…双1ちゃんのおかげで…痛みも落ち着いてきました……」
男「そりゃよかった」
女「…あと……その…」
男「あと?」
女「い、いえ…何でもないです……」
女(男君にもお礼を言わないと……あぁ~でも恥ずかしい…)
双1(兄さんと目が合わせず俯き加減の女さんも可愛いですけど兄さんを意識してるのバレバレですよね)
双1(学校でも女さんは兄さんの前でこの状態なのでしょうか?)
双1(もしそうなら、女さんの好意に気づかない兄さんはどれだけフシアナなのでしょうか?いやもうフナムシですな」
双1(いや本当は兄さんは女さんの好意に気づいているが気づかない振りをしているのでは?)
双1(そうだとするととんだ最低野郎ですね、兄さんはそうでないことを信じたいですけど…)
双1「兄さん、何か飲みますか?」
男「そうだな、炭酸系がいいな」
双1「双2のコーラならありますけど?」
男「双2のか…じゃあ、いいよ麦茶で」
双1「はぁ~あぁ~兄さんは双2に甘いですよね」
男「そうか?」
双1「それはもう甘々ですな~」
男「そんな事を無いと思うんだがな」
双1「はい、麦茶」コトン
男「こりゃどうも」
双1「これはもうあれですな、妹は双2だけで良かったのではないでしょうか?」
男 ゴクゴクコ コトン
男「女さんが居る前でこんな話をするのもなんだが」
女「わ、私の事はお気になさらず……」
男「あのな世間様から見ると俺らは仲の良い兄妹らしい」
双1「そ、それはよく私も友達から言われますので否定しませんけど…」
男「仲良いに越した事はねえが、じゃあなんで俺らは仲良いんだ?」
双1「ん~なぜでしょうか?考えた事もなかったです」
男「だろ?意識的に仲良くしようとかやってないわけよ、だから考える事もないの」
双1「言っている意味はわかりますけど…」
男「たぶんな俺らが意識していない所で気が合い一緒にいて落ち着くし楽しいから仲良いんだろうなと俺は思うし」
男「そんな奴と会いたくとも友達になりたくても普通はなかなか巡り合わないわけで」
男「そんな中、俺らは家族で半ば強制的に時間を共有しなければならないが、それが仲良いお前らと一緒に過ごせるって幸せな事じゃねぇのかなと思う」
男「もし嫌いな奴が家族だったらどうするよ?ずっと一緒だぜ?縁を切りたくてもなかなか切れないしな最悪だろ?」
双1「兄さん!」
男「分かってくれたか?」
双1「女さんもいらっしゃるのにそんな恥ずかしい事いけしゃあしゃあと語りやがる姿を見て実の兄ながら気持ち悪いと思いました」
男「凄く辛辣!」
双1「そもそも兄妹の間柄が良好で親密であり全世界の兄妹達が指を食わて羨ましがるほどの理想的な関係を築き上げているという話ではなく」
男「そこまでは言ってない」
双1「私達の接し方に対して明らかに著しい差異が見受けれると」
双1「双2に対しては脱サラして飲食店経営に手を出すが失敗し自己破産した人が立てる見通し並みに甘く」
双1「私には41歳平社員独身男性がスーパーの半額弁当をボロアパートで一人食べる並みに冷たい」
男「例えが悲惨!」
双1「お弁当をチンして物理的に温かくとも心は冷たいの!分かる?この気持ち!」
男「今時の子は電子レンジで温めることを”チン”って言わないんじゃないか?」
双1「そんな事は今はいいの!」
男「そうですよねー」
つづく のか?
双1「とにかく!兄さんには今まで私に行ってきた様々な所業を直ちに反省し謝罪と改善する事を要求します!!」
男「……」
男「双1の心情を傷つけ悩ませてしまった事、すべて私の不徳の致すところです」
男「大変申し訳ございません」
男「双2の普段の言動が幼く見える分、双1を大人の女性として接していた部分がありました」
男「双1であれば言葉にせずとも分かるだろうと、理解してくれるだろうと勝手に決めつけてしまい」
男「相手を思いやり寄り添える優しい性格の双1に私が甘えてしまいました」
男「今後は、二度と同じ過ちを繰り返さぬよう双1双2共に真摯に向き合い、双子の良き兄となれるよう努力することをここお誓い申し上げます」
男「誠に申し訳ございませんでした」
双1「ずるいです……突然、真面目な顔して謝るんですもん」
双1「私が本当に怒っているわけでもない事も」
双1「ちょっと意地悪を言っただけって事もわかってるくせに……」
双1「でも謝罪としては落第点ですね!」
双1「主な理由として相手を持ち上げる言葉の多さと改善策の乏しさがあげられます」
男「酷評!」
双1「ですが、相手を尊重し思いやり理解し寄り添える心穏やかで優しい性格の私は」
男「増えてる増えてる」
双1「兄さんの謝罪を受け入れここで手打ちとします、でないとあまりの居心地の悪さに女さんが世に潜む悪漢どもを静粛する旅に出てしまう可能性がありますので」
女「そ、それだけはないと思うな……」
双1「ではでは、思春期特有の情緒不安定さで場を乱してしまったお詫びをしたいので」
双1「兄さんこちらへどうぞ」
男「結構ですが」
双1「遠慮なさらずこちらへおいでなさいな」トントン
男「お気持ちだけで結構です」
双1「……」トントン
双1「……」ドンドン
男「へいへい何でしょうか双1さん?」
双1「両手の手のひらを私に向けて突き出してください」
男「こうですか?双1さん」
双1「もっと指を開いていただけますか?」
男「こんな感じですか?双1さん」
双1「はい!結構です!」
双1「ではそこに私を手のひらを合わせます」
男「それで?」
双1「少し指をずらしまして指同士が交互になるように手を握ります」
男「ほうほう」
双1「完成しました恋人つなぎです」
男「えっ?」
双1「恋人つなぎ?い!」
男「はぁ?」
双1「恋人つなぎ??い!」
男「えっとこれにはどういった意味があるのでしょうか?」
双1「兄さんはカッコよくもなければ器量もないので、まったくと言っていいほどモテないじゃないですかっ!」ニコニコ
男「満面の笑みで言うことではないぞ」
双1「このままでは兄さんが異性と触れ合うこともなく人生を終えてしまうのではないかと私は心配でたまらないのです」
男「結論ありきで発言するのもよくないぞ」
双1「そこで私と恋人つなぎをする事で兄さんに異性と触れ合う喜びとドキドキを
感じて頂きたいのです」
男「そもそもこれは恋人つなぎではないと思うぞ」
双1「ではなんと?」
男「えっとな、この向き合って両手を掴みあう事を何て言ったっけな……ん~」
女「……手四つ」ボソ
男「あぁ~~そうそう!手四つだわ!ってか詳しいね」
女「あっ…いえ……友達にプロレスが好きな子が居まして」
男「ってことでだな、これは手四つと言ってプロレス等で力比べを行う体勢であり断じて恋人つなぎではない」
双1「そんなの分かってますよ!全然ときめかないですから」
男「わぁ~理不尽!」
双1「ではちゃんとした恋人つなぎを致しましょう」
男「別にしなくてもいいじゃない?」
双1「早く!早く!」
男「……」
男「はいはい、これで良いですか」ギュット
双1「どうです?ドキドキしますか?」
男「いや、実の妹と手を握ったとk
双1「ほらほら、こうやって腕を組んでみたりして」
男「だからさぁ、妹とt
双1「もう抱きついてみたりして」ギュー
男「あのな、実の妹にされてもドキドキしないの」
双1「ほぅ~そうですかそうですか、私では役不足と」
男「役不足というよりも、そもそも妹を異性と意識してないのよ」
双1「なら、仕方ありませんね」
双1「女さんとならドキドキしますか?」
男「まぁ、そりゃねぇ」
双1「であるならば、女さんと手をつなぎましょう!」
女「……」
女「えっ?」
女(えええええええええええええええええええええええええええええええええぇ!)
自分のモチベーションが無くなる前に書ききれば良い事に気づきましたので、つづく
男「女さんを困らせるなよ」
双1「そんな事はないですよね女さん!」
女「えっ…いや……その…」
男「ほら見ろ、めちゃくちゃ困惑しとろうが」
双1「これは困惑されているのではなく、兄さんの境遇があまりにも不憫で居た堪れなくなりその将来を悲観された表情です」
男「マジかっ!」
女「えっ…えっ…」
双1「そしてこちらは兄さんの為に一肌脱ごうと断腸の思いで決意された表情です」
女「ひ、人肌を…脱ぐなんて」///
双1「いえ、想像されてる漢字が違うと思いますが……この際、良いでしょう!」
双1「せっかく、女さんと手を繋げるチャンスをふいにするとはアホデスカ?」
男「あのな、俺らのノリに女さんを巻き込むなよって話であってな」
双1「そんな事を言ってますと、私以外の異性と手も握る事もなく道頓堀川の底にたまったヘドロとして生まれた方がまだマシだと思える惨めで救いのない人生を送る羽目になりますよ」
男「そこまで言うか?」
双1「ですが安心してください、今まさに人生の転換点が訪れようしているわけです!」
男「手を握ったぐらいで変わるわけないだろ」
双1「はぁ?そんな事は彼女を作って恋人つなぎの一つでもしてから言いやがってください」
男「現実を突き付けていくスタイル!」
双1「人生は現実と共に過ぎ行くわけです、現実から目を背けている暇などありません」
双1「ほら女さんを見てください!全く隙がなく完全に臨戦態勢へ移行され今か今かと待ち望まれていますよ」
女「ひ、人肌を…脱ぐなんて」///
男「隙だらけだし、これ手を繋ぐかどうかの話だよな?」
双1「そうですよ」
双1「ただ手を繋ぐだけの事、何をためらう必要があるのでしょうか?」
男「手を繋ぐのが俺と双1ならいいのよ兄妹だから」
双1「もう、兄さんったら~いきなり何を言うのですかっ!」
男「何が?」
双1「手を握りたいのは私だけとか…」///
男「あれ?おかしいな…兄妹だからの部分が抜けてない?」
双1「あーそうですか」フン
男「なぜ怒る?」
双1「別に~怒っていませんけど~」フン
男「はぁ~女さんからも何か言ってやってよ」
女「ひ、人肌を…脱ぐなんて」///
男「それはもういいから」
女「はっ!私は何を……」
女「え~っとですね、私はですね、男君とですね、手を繋ぐのはですね、全然、構わないと言いますか」アセアセ
女「その…男君の将来がですね、良い方向へ向かうのであれば……」
男「えっ!本当に俺が悲惨な人生を送ると思われてるの?」
双1「あと、兄さんは17年後に毛根が死滅します」ボソ
女(嘘!男君、禿ちゃうの?)
男「えっ!俺、禿るの?」
双1「新薬に期待するしかないですね」
男「そこまで言うのなら分かった!俺は絶対に女さんと手は繋がないぞ!」
女(えええええええええええええええええええええええええええええなんで!なんで!!)
男「証明してやんよ!俺は手を繋がなくとも幸せな人生を送れる事を!」
双1「何十年かけるつもりですか、さっさと手を繋いじゃえば良いものを」
男「何とでも言っていいぞ!双1がおっしゃいます、旧郵政省並みに訳の分からない論理は俺に通用しないからな!」
女(なんでこうなるの!はぁ~せっかく男君と恋人繋ぎができるはずだったのに……)
男「……いや待て、女さんと手を繋いでたわ」
双1「はぁ?いつ?どこで?なんで?」
男「女さんが家の近くで転倒した時、体を起こす為に」
女(確かにそうだけど、それは恋人繋ぎじゃないもん!)
双1「そうですか、ならOKです!これで、兄さんも人間としてのスタートラインに立てました!」
女(ええええええええ良いの?それで良いの?双1ちゃん?)
つづく
女(はぁ~あぁ~勇気を出して男君と手を繋ごうとしたのに……)
女(もっと積極的に行けばよかったのかな?)
女(えぇ~自分から言うの~『恋人繋ぎをしましょう』なんて無理!ムリだよ……)
女(そんな冗談を一つや二つ言える間柄だったらこんな事で悩んでないだろうし)
女(そもそも男君は私と手を繋ぎたくなかっただけかも……)シュン
双1(手を繋ぐ前後のリアクションから兄さんが女さんをどう思っているか分かるかなっと思ったんですけ中々、思った通りには事が運びませんねぇ~)
双1(でも、さすがに最後のは女さんに意地悪しちゃいましたかねぇ~)
女 シュン
双1(もの凄く落ち込んでる!)
女 シュン
双1(あぁ~~そんなつもりでは!!)
双1(ん~~っと、どうしましょう……そうだ!!)
双1「兄さんは先ほど私と手を繋いでもドキドキしないって言いましたよね」
男「その話を蒸し返すのか?」
双1「言ったか言ってないかを聞いてるだけですから~」
男「それならいいが」
双1「それで言いましたよね」
男「言ったな」
双1「でも女さんとなら……可愛い女さんとなら」
双1「ドキドキするって言いましたよね」
男「あぁ、言ったな」
双1「そうですよねー」
双1「女さんはとっても可愛いので恋人繋ぎなんかしちゃうと」
双1「ドキドキしちゃいますよねー」
双1「ねー兄さん!」
双1「ですよねー兄さん!」
男(何故そんなに同意を求めてくる!)
双1「ねー」
男「あぁ、そうだな」
女 にぱ~!
双1(よし!)
女(わわわぁわわわあぁわわあわあああああ~~~~)
女(男君に!男君に!!)
女(かかっかわいいって言われちゃった!!!)
言われてはいない!
女(うぁ~~~~もう、どうしましょう!顔のにやけが止まらないよ~)ニヤニヤ
女(これって、相思相愛ってパターンでは?)
女(ななな、何言ってるの!そんな訳ないない!)
女(あぁ~完全に乙女思考になってるよ~~落ち着かなきゃ!)
女(まだ、男君にとっても可愛いって言われただけなのに~)
言われてはいない!!
双1(何とか女さんの機嫌回復に成功しました)
双1(やっぱり、女さんには笑顔が似合いますからね~)
双1(その愛くるしくて素敵な笑顔は純粋無垢で裏表のない性格の良さが滲み出てますよね~)
双1(まぁ、今は笑顔と言うよりもニヤニヤですけどね)
女 ニヤニヤ
双1「女さん、飲み物のおかわりはいかがですか?」
女「ありがとう!でも私は大丈夫だよ」
双1「兄さんはどうですか?」
男「じゃあ、もらうわ」
双1「また麦茶?それとも飲んじゃいます?双2のコーラ」
男「いいよ、麦茶で」
双1「麦茶ですね」
男「勝手に飲んで双2を怒らせると面倒くさいからな」
双1「そうですか?ギャーギャー煩いだけでしょう?」
男「そういった解釈もあるわな」
???「ただいまー」
双1「噂をすると帰ってきましたね」
男「だな」
女「もしかして、双2ちゃんが帰ってきたのかな?」
双2「そうですよー」
女(長かった~長かった~やっと!お会いすることができるのですね!)
女(五ヶ月ほど経過した気がしますが、実際は一時間もたってませんので!)
ドタドタ
双2「双1いる??ウチさぁシャワー浴びてくるからコーラ冷凍庫に入れといて?」
シーン
双2「ねぇ?聞いてるー?」ヒョコ
双1「はいはい、聞いてますから」
双2「ん?」ジー
女「お、お邪魔してます」ペコリ
双2 ペコリ
女(な、なんという事でしょう!ゆるふわロングの可愛い子ちゃんが双2ちゃんだと!汗で頬に張り付いた髪が何ともエロい…エロいのに可愛い、可愛いのにエロいこの矛盾!これで勝つる!!)
双1(ねぇ?双1、どちらさん?)
双1(兄さんのクラスメイトさんですぅー)
双2(はぁ?なんでクラスメイトってだけの女が家に居んの?)
双1(怪我をされたので手当てをしたからですけど!)
双2(なんで!怪我したら家で手当てしてやらんといけんのさぁ?)
双1(家の近くで怪我されたらしいですよーだ!)
双2(なにそれ?なんで家の近くで怪我すんのさ~!)
双1(そんなの私が知るわけないじゃないですかっ!)
女「あの~どうしちゃったの二人とも、黙って見つめあって…」
男「あれはいつもの事だから」
女「???」
つづく
-訂正-
>>100
誤:双2「双1いる??ウチさぁシャワー浴びてくるからコーラ冷凍庫に入れといて?」
正:双2「双1いる~?ウチさぁシャワー浴びてくるからコーラ冷凍庫に入れといて~」
まぁどうでもいいか
冷凍庫でいいのか?
ホントに冷凍庫でいいんだな?
出てくる頃にキンキンに冷えてるようにじゃないかなと
双2(どうやら双1に聞いたウチが馬鹿だったようですね申し訳ございません)
双1 イラ
双2(しかし不思議だよね~体育と家庭を除いた成績はウチの方が上なのに……)
双1 イライラ
双2(無駄に大量においしく作りすぎて過剰摂取の原因となっている料理・お菓子作りと)
双2(見た目に反して類稀なる身体能力と運動神経にステータス全振りされているので)
双2(双1の頭が少し弱いのは致し方ない事ですけど、ウチが馬鹿とはこれ如何に?)
双1 イライライラ
双1(もしかして、双2さんは私にケンカを売ってらっしゃるのかしら?)
双2(ウチはそこまで馬鹿じゃないよ~まだ死にたくないし)
双1 イライライライラ
双1(話が変わりますけど、実はこちらの女さんと兄さんは付き合っているみたいです)
双2(はぁ?はぁ~~あ?ちょっと!意味わからないですけど!!クラスメイトだって言ったじゃん!!)
双1(二人の仲睦まじい様子を拝見いたしまして、もう恋人同士にしか見えなかったものですから~)
双2(なにそれ?そんなの主観ありきの論理的思考を欠いた推測にすぎないじゃん!)
双1(確かにそうですね、でも女さんをよく見てください兄さんの好きな女性のタイプそのものですよね~)
双2(急に何?別に兄ちゃんの好みとか興味ないし…こんなおっぱい大きくて可愛い人が兄ちゃんを相手するわけないじゃん!)
双1(それがなんと!女さんは兄さんに対して絶大なる好意を寄せていることが判明いたした次第で)
双1(このまま二人が付き合うのも時間の問題かと……)
双2(そんな都合の良い話があるわけないじゃん!そ、それに!兄ちゃんに彼女とかまだ早いし!)
双1(どこの娘を持つ父親ですか貴方は?)
双2(もういい!双1の戯言に付き合ってられんし)
双2「シャワー浴びてこよ~っと」トテトテ
双1(逃げた!)
双2(シャワー浴びるって言ってるじゃん!)
男「おいおい、喧嘩するなよな」
双1「えっ!もしかして声に出ちゃってました?」
男「いや、お前らが黙って見合ってる時はろくなことを言ってないぐらい経験でわかる」
女「???」
男「あぁ~そっか…女さんには分からんわな」
男「えっとな、どうも妹達は喋らなくとも会話が可能らしい」
女「えぇ!!そのような事が可能なのですか?驚きです!!」
双1「それほど大したものじゃないですよ」
双1「相手の表情や仕草から気持ちを察する事の延長線みたいな感じですかね」
女「となると、具体的な会話は成立しないと考えていいのでしょうか?」
双1「さすがに超能力者ではないので……」
女「そうですか…」
双1「例えば、先ほど双2が話していた内容ですけど」
双1「え~今日、双2が降りた駅の一番端の自動改札機だけ盛り塩がしてあったらしく」
男「いやいや、さすがに嘘だろ?」
双1「そこを人が通ろうとしたけど扉が開かず、駅員さんが小声で『やっぱりだめか』っと言っていた為」
男「その駅員は病んでるのか?」
双1「双2が駅員さんに盛り塩ではなくお相撲さんの様に塩をまいた方が良いのでは?と申告したところ」
男「なぜ?積極的に関わろうとするの双2は?」
双1「その駅員さんが手のひらいっぱいの塩を高らかに
男「ちょっと待って!」
双1「なんですか?ここからが盛り上がるところなのに」
男「何だよ盛り上がるって!」
男「その無駄に具体的な内容を意思疎通できるのなら、それはもう超能力だし」
男「そもそも話に無理があるし年頃の女の子がする話でもない」
男「それにその内容を二人だけで共有する理由がわからない!」
男「よって作り話だと断定できる」
女「えっ!作り話だったのですか?」
男「えっ!信じる要素ある?」
女「なかなかアクティブな駅員さんだな~っと…」
男「そんな駅員がいたら嫌だよ」
双1「妹を信じる心を失うとは兄として失格ですね…」
男「でも作り話でしょう?」
双1「うん」
男「だろ?身近に超能力者がいるわけねぇよな」
双1「当たり前じゃないですかっ!」ニコニコ
でもテレパシーが使えないとは言ってない
-浴室-
ジャー
双2(さてさて、双1の言っている事がどこまで本当なのか?)
双2(実際に怪我をされているので家で手当てしたのは本当だとしても)
双2(そこまでに至る経緯が不明ですし両膝を負傷するとはなかなか特殊かと)
双2(この近所の環境を考慮するとそのような怪我をする状況が考えにくいので)
双2(通常では考えられない状況に遭遇したか行動したかのどちらか……)
双2(たとえば、女さんとやらが兄ちゃんを監視・追跡を行っている最中に気づかれそうになった為に激しく動揺し慌てて隠れたか逃げたかした際に……)
双2(いやいやいや、それただのストーカーじゃん!!)
双2(さすがに飛躍しすぎだよね……これじゃあ双1の事は言えないし~)
双2(何はともあれ我が家に上り込んだ事実には変わりなく)
双2(ここは一つクラスメイトと妹との圧倒的な違いを叩き込むしかないかなっ!)
ドタドタドタドタ
双2「兄ちゃん!いつのもやって~」
女(お風呂上がりの火照った身体と濡れた髪にきゃきゃきゃきゃわいいキャミソールだと!!そのスラっとした手足に身体!!ご飯ちゃんと食べてるの?もうお義姉ちゃんが食べさせちゃうから!!!)
双1「ちょっと、なんて格好してるのですか!」
双2「別に~いつも通りじゃんか~」
双1「はしたないっと言っているのです!」
双2「ウチは気にしないし」
双1「お客様がいらっしゃるのに!時と場合を考えなさい!」
女「私の事は気にしなくて大丈夫だよ、急にお邪魔したのは私の方だし」ジュルリ
双1(ジュルリ?)
双2「ほら、気にしてないって」
双2(括目せよ!無駄を限りなくそぎ落とし完成されたパーフェクトボディを!!)
双1(はぁ?笑わせてくれますね『貧相な』の間違いではないでしょうか?)
双2(これは異な事をおっしゃる)
双1(ただ痩せてるだけで、女性としての魅力は皆無と言ってますの~)
双2(ご忠告有難うございます勉強になりましたわー)
双1(いえいえ、お役に立てることができ光栄です~)
双2(双1さんの場合はスイーツの過剰摂取により全身を皮下脂肪でコーディングされてらっしゃいますものねー)
双2(知ってらっしゃいますか?それ、ぜい肉って呼ばれてますのよー)
双1(へぇ~ぜい肉ですか?どうやら誤解されてらっしゃるようですが)
双1(わたくし全身にではなく主に胸の方へそのぜい肉とやらが付いてますのよお気づきで?)
双2「兄ちゃん!兄ちゃん!!」
双1(無視すんな!)
双2「髪やって」
男「さすがに今日は自分でしろよ~」
双2「いつもやってくれるじゃんか~」
双2「なんで…そんな意地悪するん……」
男(えぇ~そう来る?)
男「ほらもう子供じゃないだろ?自分でだな……」
双2「ウチ、まだ子供だもん」
男「…おぉ、確かに間違ってねぇな……」
男「しゃーねぇな~ほらそこに座れ」
双2「うん!」
双1 チッ
女(何が始まるんだろ?男君がドライヤを手に…あぁ!乾かしてあげるんだ双2ちゃんの髪)
女(いいな~私も双2ちゃんの髪を乾かしたいな~)
双1「ちょっとどうかなって思いますよね、この歳で兄が妹の髪を乾かすなんて」
女「そんな事ないよ凄くいいと思うな~仲良しさんなんだね」
双1「どうですかね、兄さんが双2に甘いだけかと…」
双2(見よる見よる!視線を感じますな~)
双2(これが信頼と絆が最高潮に高まった純粋な妹だけが許さる特権じゃい!!)
双2(目の前で繰り広げられる兄妹の仲睦まじい姿を突き付けられ)
双2(そのデカい胸に刻まれたであろう己の所業を反省し原稿用紙二十枚にしたためてから出直してこいやっ!)
双1(何かと思えば、考えが幼稚なんですよ双2は)
双2(うっさい!勝手に心を読むな)
つづく
やってられんわ
これが現実化…
辛いよね生きるのは
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