春香「あずささんがタクシー運転してる…」 (13)
こんにちは、みんな大好き清純王道アイドルの、天海春香です!
まだまだ暑い日々が続きますね!皆さんも、体調管理には気を付けてくださいね!
さて、私は今お仕事の移動時間です、次の現場にタクシーで向かっています。
外にいると暑いですが、エアコンの効いた車内は快適!気持ちいい陽のひかりが入り込んできます!
ラジオからはJ-W●VEのフュージョン特集が流れていて、夏にぴったりの音楽がかかっています。
一昔前のフュージョン、いいですよね!海に行きたくなるなぁ!
そんな陽射しと音楽に癒されながら、カバンから凍らせておいたスポーツドリンクを取り出します。
ほどよく溶けていてとっても美味しいです!染みるぅ~!
そんな感じで、真夏のタクシーは、とってもリラックスできる、良い空間です!
運転手があずささんじゃなかったら、の話ですが
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春香「ちょっとあずささん!何してるんですか!」
あずさ「あら、あなたは…アイドルの天海春香さんですね!あずさ…はて…」
春香「いやいやいや、苦しいと思いますよ?春香さん、さすがに事務所の仲間の顔は見間違えないですよ!」
あずさ「そう言われましても…本当に分からないんですよ…」ウーン
あずさ「あ、飴食べますか?」チラッ
春香「うわああああ運転中に後ろ向かないでください!!」
あずさ「あらあら~」
春香「何なんですかこれ…」
~事務所~
P「案の定、すぐにバレたな」
律子「春香は生きた心地がしないでしょうね」
P「まあまあ、この企画はここからが本番だから」
律子「ええ、ドッキリ風の、最新自動運転システムのPR動画ですからね」
P「ある意味あずささんは適任だよなぁ…これで目的地に無事にたどり着いたら、完全にシステム信用しちゃうもの」
律子「逆に機械を信頼されすぎて、それはそれで危なくなるかもしれないですけどね」
あずさ「さすがにバレちゃいましたね、うふふ」
春香「うふふじゃないですよ!あずささん、免許持ってるんですか…?」
あずさ「免許は持ってるわよ、短大時代にちゃんと取ったんだから」
春香「そうですか、それならよかったです……あの、ちなみに運転経験は?」
あずさ「うーん、そうねえ。教官さん無しで運転するのは初めてだと思うわぁ」
春香「いやああああおろして!今すぐおろしてください!私まだ死にたくないです!」ドンドン
あずさ「でも春香ちゃん、私だって気付くまでは快適なタクシーだと思ってたでしょう?」
春香「……!!た、たしかに、そうですね…あずささん、運転したこと無いのに、なんで…??」
あずさ「それはね、このクルマには最新のヒミツの装置がついているからよ!」
春香「ナ、ナンダッテー!?」
あずさ「ふふふ、そのヒミツがこちら!」ドーン
あずさ「あら、カメラこっちじゃなかったわ…こちら!」ドドン!
春香「ああああああもう!運転しながらあっちこっち見ないでください!胃薬…胃薬が欲しい…」
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春香「へえ!じゃあその、オートクロイジングシステムってやつが運転してくれているんですね!」
あずさ「そうなのよ、カーナビにリンクして、目的地までの交通量と…えっと…色々を考えて、スイーって行ってくれるのよ!」
後付けナレーション(cv.如月千早)『オートクロイジングシステムは、クロイ社の最新技術がつぎ込まれたオートクルージング機能です。交通量や道幅、制限速度から信号まで全てを識別し、的確に搭乗者を目的地まで送り届けます。同社のカーナビを搭載していれば、更新の必要も無し!古いカーナビに案内されたら、見えない…壁……にぶつかった!くっ!なんてことも起きません。』
春香「すごいですね!渋滞を先読みして裏路地を完璧に進んでます!」
あずさ「ここはどこなんでしょうかねぇ…」
春香「あ!子供が飛び出してきた!危ない!」
キキィィィィィ
かすみ「あ、あぶなかった…」
長介「飛び出しちゃダメだろ!えっと…おーと…くろいしすてむが無かったら大変だったんだぞ!」
かすみ「よかった!おーとくろいしすてむがあって!」
長介「ああ、これも、クロイ社のおかげだな!さすが、クロイ社!」
長介「……こんなんでいいのかな、姉ちゃん」
やよい「あとはへんしゅーの人がなんとかしてくれるよ!」
ナレ千早『オートクロイジングシステムには、最新鋭の対物センサーも搭載されており、感知から0.072秒……で緊急ブレーキが作動します。急な飛び出しにも対処可能です。』
春香「あぶなかった…あずささん、平気ですか!」
あずさ「大丈夫よ、エアバッグも作動したみたいでよかったわぁ」
ナレ千早『それはエアバッグではなくおっぱいです………あの、このナレーションいらないですよね?ちょっと、さっきからなんなんですかこれは、あの』プツン
あずさ「さあ、目的地についたわよ~」
春香「ありがとうございます…(もう後半はあずささん説明放棄して普通におしゃべりしてたよね…多分PR動画なんだろうけどこれでいいのかな)」
あずさ「運賃は14万3000円ね」
春香「高い高い!ぼったくりでしょ!」
あずさ「あらあら~、そんなあなたのためだけに~!!」
春香(あっ、この機械のお値段は~的なノリだったのね)
あずさ「なんと、8月中に注文していただいた方にだけ、お値段10%ON!」
春香「ONしちゃダメ!増えてる!」
あずさ「というのは冗談で、今なら、クロイ社のカーナビ『JPT-961、冬馬ver』をお付けしても、お値段そのままですよ!そのまま!」
春香「ああん、それ私のセリフ…」
ナレ千早『……三浦あずささんでも目的地まで辿り着ける、胸囲の…脅威のハイスペックマシン、オートクロイジングシステム。皆様の快適なドライブをサポート致します、是非いかがでしょうか。』
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収録の数日後
あずさ「面白い動画になってますね!」
春香「私、このタクシー乗って生まれて初めて走馬灯が見えました」
P「まあ、一応PRにはなってるんじゃないかな」
律子「春香とあずささんを起用している時点で、先方もお堅い動画は望んでいないでしょうし…ん?」
テレビ「次のニュースです。大手自動車部品会社、クロイ社のエアバッグに不具合が多発し、新規製品の開発中止、及び倒産手続きが進んでいる模様です。代表取締役社長の黒井崇男氏は…」
律子「」
P「」
春香「私の苦労は…」
あずさ「まあまあ!楽しかったから良かったじゃない、また春香ちゃんとドライブしたいわぁ」
春香「……念のため遺書用意しておきますね」
オワリ
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