モバP「よっしゃ、暇だし自殺するか!」 (70)

モバマスSSです。
沢山の人が出る予定ですが、完璧に見切り発車です。
あとキャラ崩壊とか地の文とかありますので色々よろしくお願いします

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P「仕事もある程度区切りついたし、やることなくなったなぁ……」

P「よーしドッキリでもしてアイドル驚かしてやろ!!!」

P「何しようっかな~誰が来るかな~????」

P「スケジュール表確認! これから来るのは……」

P「……へぇ、このアイドルか。じゃ、ちょっと手の込んだドッキリでもするか!」

美優「……今日は確か、お昼過ぎから雑誌の撮影がありましたね……」

美優「少し事務所に辿り着くのは早いですけど……」

美優「うふふ……」ガチャ

P「……」

(天井から垂れ下がった千切れたロープ)

(倒れた椅子)

(横たわるPの体)

(首に巻き付いた千切れたロープ)

美優「……????????」

美優「え……ちょ、ちょっと……え?」

美優「は……?」

 ――その場に立ち尽くす美優。やけに冷たい冷房が、彼女の焦燥をなんとか食い止めていた。
 思わず腕に掛けていたバッグを落としてしまった。鈍い音がする。聞こえなかった。
 彼女の耳には、音が届いていなかった。感覚さえも今では鈍い。視界が狭まる。舌が痺れる。埃の匂いが、鼻に染みついて抜けない。

美優「……え?」

 横たわるPに駆け寄る。体に触れる。
 寝ているフリだろうか――首にロープをかけて?
 触れた手がやけに冷たい気がする……きっと冷房が効きすぎているんだろう――首にロープをかけて?
 先ほどから呼吸音が聞こえない……浅い眠りだからだろうか、それともうつ伏せだからだろうか――首にロープをかけて?

 どうみても、これはもう、そういうことだった。
 少なくとも、美優にはそうとしか思えなかった。

 いや、無論“そういうこと”ではある。P自身の手の込んだドッキリの内容ではあるのだが――如何せん、手が込みすぎていた。
 やけに寒い部屋。冷房をガンガン利かせた狭い室内――悪寒にも似た条件付けが彼女の動悸を促進する。倒れた椅子には片方の靴が乗っており、天井からぶら下がっているロープは僅かに揺れている。
 つまり、今まさに起きた出来事なのだという実感と、襲い来る非現実感の隙間で、美優の意識を完璧に奪い取っていた。

美優「……」

 声が出ない。足が動かない。落としたバッグを拾って、救急車を呼ぶことすら、今では敵わない。ところで119って何番だっけ――朦朧とした視界の中で、美優はそんなことを考えている。
 完全に、静止していた。

美優「ぷ、Pさん……」

 かろうじて動いた舌を、強引に引っ張って動かす。
 ボイストレーニングと同じだ。何ら変わりはない。同じ要領、同じ行動。
 だというのに、美優の舌は動かなかった。
 もちろん声が出ていたとしても、出ていなかったとしても同じことだ。
 結局、Pは起き上がることをしない。

美優「なっ……んで……」

 絞り出すように窮屈な声。吐き出すように熾烈な声。追い込むように暗澹たる声。
 明らかに、美優の限界を超えた出来事だった。

美優「なんでですかっ!」

 溢れ出した感情は激流のように。
 漏れ出した激情は雪崩のように。
 美優の舌を動かした。

美優「なんで……なんでなんでなんで……っ!?」

 出てきたのは疑問と焦燥。己を保つための言語。己を守るための言語。理論で以た武装であって理屈にならない言語。
 それが、淡々と漏れていた。

美優「わかりません……わかりません……何か……ダメでしたか? ……私……」

美優「私がこんな性格だから? 貴方を失望させてしまいましたか? 私じゃダメだったんですか? 何か足りなかったんですか? 何があればよかったんですか? 何が貴方をそうさせてしまったんですか? 私の何が――私が……ダメだったんですね……」

P「……」

 ……流石にこの独白には、若干Pの内心にも申し訳なさを纏った罪悪感が出てきた。もっと泣き叫んだところで起き上がって「てへへー実は生きてたよん♪ ごめんね美優さん♪」とか言って許してもらう作戦を考えていたのだった。
 しかしこうなってしまうともうどうしようもない。完全に作戦が行き過ぎてしまった。
 ありていに言って、ネタバラシのタイミングに困っていた。

P(どっ……どうする俺!? なんていうか……後には引けない感じ! このままだと美優さん、何をしでかすかわかったもんじゃ……)

P(し……しかもやべぇ! まだ色々ギミックを用意したままだ! このまま俺がネタバラシしなかったら、美優さんは気付いてしまうんじゃないだろうか……そうなったら、マジでもうどうしようもなくやばいッ!)

美優「Pさんの……卓上……手紙……?」

P(ゲーッ!? マジィ!?)

美優「いや……遺書……」

P(めっちゃ口調暗い……暗くない? も、もうそろそろ起き上がるか……)

美優「読む……読みましょう……」

P「……み、みy」

美優「……」ナミダドバー

P(な、泣いてるーっ!? 別に一文ちょっと書いただけじゃん!? そんな号泣するほどの遺書だっけ!?)

遺書「お疲れさまでした」

美優「Pさん……Pさん……」

 手紙を抱きかかえるようにして俯く。涙は下る。もう、他の人間は遺書を読むことは出来ないのではないだろうか……涙で滲んでしまって、文字が歪んでいる。
 けど、それでいいような気もした。
 Pさんは疲れていたのだろう。それが何かはわからない。けれど、何かに対して疲れを感じていたことは確かだ。それが自分かもしれないと思うと……美優は頬の熱を抑えられなかった。
 寒風を割いて涙が落ちる。跳ねる宝石のように煌めいて――砕けた。
 
美優「お疲れさまでした……」

 文字みたいに掠れた声。
 そっと、絞りだした。

P「あの、すいません……」

美優「……はい?」

P「ごめんなさい。死んでません……」

美優「……え?」

P「ドッキリです……」

美優「きゃ――――っ!? 動いてる――――っ!?!?!?」

美優「だ、だって……体だって冷たくて……」

P「この部屋の冷房、20℃まで下がってますし服の中に保冷剤詰めてます……美優さんが触るであろう左手は重点的に冷たくしたんですけど、後から考えると天井のロープが揺れてるのに体が冷たいのは、時間のつじつまがあっていませんね……」

美優「い、遺書……」

P「どうせ書くならもっと色々書きます」

美優「し、死んだはずじゃ……」

P「残念だったな、トリックだよ」

美優「…………」

P「ご、ごめんなさい……ふざけすぎました……」

美優「カメラはありますか?」

P「いえ、企画立案並びに演者は俺だけです」

美優「……」

P「すいませんでしたぁーっ! まさかこうなるとは……許してください本当にごめんなさい!」

美優「じゃあ……生きてるんですね……」

P「あ……はい。しばらくは死ぬつもりもありませんよ」

美優「しばらく……?」

P「80まで生きるつもりなんです。だからあと50年弱は生きてます」

美優「じゃあ、これは、全部、嘘……」

P「そういうことになります……」

美優「良かった……良かったです……Pさん、いなくなっちゃうのかと……」

P「いやー20代で死ぬのは勿体ないですよ」

美優「そう……そうですね……ふふ……」

P「み……美優さん?」

美優「私、凄く怖かったです。泣いちゃいました。貴方がいなくなったらと思うと、怖くて怖くて潰れてしまいそうでした。まるで海底に沈む空き缶の気分でした」

P「いやぁ申し訳ない……なんと申せばいいか……」

美優「責任、とってくださいね……」

P「え?」

P「なんかめっちゃ迫られて怖かったけど週末に美優さんの洋服を見に行くことで手打ちになったぞ!」

P「さっきのは流石にやりすぎだったな!」

P「次はもうちょっと柔らかいドッキリにするぞ!」

P「勿論まだ続けるぞ!」

P「俺はめげない!」

P「さて、次に来るアイドルは……」

P「……じゃ、どういうドッキリにしようかな!」

茜「おはようございまーす!」

茜「おや、誰もいませんね!?」

茜「Pが席を外すなんて珍しいですね!」

茜「あ、窓があいてますよ! エアコンもついてるのに!」

茜「よーし窓を閉めるだけにも全力行きますよぉおおおお!!!!!!!」

茜「……靴?」

茜「窓際に靴?」

茜「なんでこんなところに脱いである靴が置いてあるんでしょうか?」

茜「窓は……開いてて……カーテン――……たなびいてる……P……席を…………外して……」

 ――――ゾクリ、と。
 背筋を昇るように、鋭い悪寒が極めて鋭敏な煌めきを示した。
 悪い予感がした。何か、よくないことが起こるような――否、もう既に、起こっているような……。

 カーテンは風になびいて揺れている。窓から流れ込むぬるい風が、茜の頬を撫でる。
 赫い焦燥。相反するは背中を纏う蒼い絶望。
 暑さにやられたのだろう……茜は、しばしその場にかたまっていた。
 体震える。末端が凍えるように冷たい。体のいたるところが、焦っていた。狂ってしまった。狂ってしまっている。そんな気がした。

茜「ぷ……」

 体が凍る。足が留まる。肉体が拒絶する。
 ――ソレを見るのを、躊躇う。
 
茜「……あ……」

 怯える。舌が震える。歯がかじかむ。指先が痺れる。

茜「……か……っ」

 呼吸さえもが嫌悪を示す。全身が嫌悪している。
 ――だが、精神が求めていた。
 純粋な好奇心。圧倒的なまでの知識欲にも似た野次馬根性。それに似た感情が、無意識化でゆっくりとカタチを為していた。

茜「……っ!」

 だが動かす。無理に見る。見たかった。
 それは強いて言えば、想像の最悪の結果の予防策を作るために動いたとか、嘘だと思って動いただとか、そういった善意ある行動ではなかった。むしろ逆の行為だった。
 好奇心。見てしまいたいという人間が自身をシメコロスに当たって最も純粋で純朴で、最悪な感情だった。
 だから、言ってしまえばそれは、因果応報。相応の報いにも等しい、バツだった。

 ――――そこには、グチャグチャになった何かが、空から落っこちていた。

 思わず目を離した。
 窓を閉めた。
 カーテンが巻き込まれた。
 激しく閉めた。
 激しい音がした。
 衝撃で窓が少し空いた。
 もう一度。
 衝撃で少し空いた。
 もう一度。
 衝撃で少し。
 もう一度。
 衝撃。
 もう。
 衝撃。
 いちど。

茜「ハッ――――ハ―――ァ……ァッ……」

 吐く。
 吸っているのかすらわからない。
 吐く。
 今吸ったっけ?
 わからない。
 呼吸が出来ない。
 息が詰まる。
 前にも後ろも。
 動かない。
 渋滞している。
 混雑している。
 呼吸が無難に応対している。
 窓があいている。

 ――閉めなくちゃ。

茜「ァ……ッ……ハ……ハァ……――ァ……」

 なんとか視界が保つ。
 意識は霞が掛かったように白濁。
 現実は霧が掛かったように混濁。
 幻想は神が掛かったように汚濁。

茜「なん……ぇっ……で……っ」

 鮮烈な吐き気。鋭いまでの胃液の煮沸。腹をかっ割いて、今にも出て来そうなほどに――アツい。

 理解が思考を超える。
 解体が現実を越える。
 視界が幻想と肥える。
 夢想が理想と乞える。

茜「ぷ……ぇ……嘘……嘘です……っ!」

 ――だがそこまで甘くない。

 事実として茜の目にはそう映った。どう自分を誤魔化そうと、それは茜にとっての現実だった。
 飛び降り自殺……少なくとも茜にはそう思えた。脳裏に映った最悪の惨状がフラッシュバックする。
 真っ赤な何かが飛び散っていて、中央には、解体途中の肉片が多少。
 どうみても、元人間だった肉だった。

茜「嘘……嘘……嘘ッ」

茜「なんでですか――――プロデューサーッッッ!!!!」

茜「何が貴方を……っ! なんで……っ! 私……っ!」

 絞り出すように零れる吐息が数度。
 言葉にならない――理論にすらならないような言葉を上げては、消えていく。
 無残にも、薄れていく。
 茜の声は、そういうものだった。

茜「あああああああああ――――――ッ!!!!!」

 悲痛な絶叫。
 悲劇的な光景。
 膝が砕け、その声を悔いる様に涙が溢れて来る。
 そういう状況下で――

 ――――ロッカーに隠れていたPは、再び困っていた。

P(さてさてどうしたもんか……アイツ泣き崩れてるぞ……)

P(そろそろ出ていかないといけないよなー……)

P(っていうか、もしかしてうちのアイドルってみんなあんな感じなのかな……心に闇抱えてるっていうか)

P(まあいいや。そろそろネタバラシと行くかぁ)

茜「ッァアアッ!」バァン!

P(!?)

P(ロッカー殴って来たんですけどォ!? 狙ってんのォ!?)

茜「何が……何が原因で……」

P(ヒューッ! マジに「プッツン」してるヤツだぜ……)

茜「……」

P「なあ茜、知ってるか?」

茜「……!?」

P「ここは事務所の三階なわけだが……三階っていうと高い建物でも10メートルくらいなわけだが……五点着地とかをやれば骨を折ることなく着地出来るそうだ。まあ頭から落ちればああもなるかもしれないけど……自殺の場所として選ぶにはちとリスキーすぎるな。折角なら屋上から飛ぶべきだ」

茜「ぷ……プロデューサー!?」

茜「死んだはずじゃ……」

P「残念だったな、トリックだよ」

茜「……じゃあ、プロデューサーは死んでないんですね!」

P「まあここにいるしな。ドッキリってやつ。ごめん」

茜「プロデューサー!」ダキッ

P「ぐぇっ!!!」バキッ

茜「良かったです……良かった……生きてて……」

P「ってか……俺が言うのもなんだけど、よく一目で俺が自殺してるって思ったね?」

茜「最近プロデューサー、お仕事ばっかりであんまり休んでいないようなので、お疲れかなと……それが原因かな、って」

P「……」

茜「他にも色々理由はありますけど……やっぱり、私たちが迷惑かけてるのが原因かなって思いました」

P「……安心していいよ、お前らが原因で仕事を辞めることなんて早々ないから」

茜「……プロデューサー」

P「どこの世界に子を捨てる親がいるんだよ。いや、いるにはいるかもだけど……ともかくそういうこと」

茜「子供……」

P「じゃ、俺は小道具の片付けに行ってくるから」

茜「あ、プロデューサー!」

P「なんぞ?」

茜「絶対、死んじゃダメですよーっ!」

P「……」


P「……あいよ。頑張る」

P「次でラストにしよう。もうそろそろ疲れたし、小道具の片付けも思ったより大変だ」

P「というか、普通に良心が痛むんだよな……」

P「さて、次に来るアイドルは……」

P「……」

P「……」

P「……マジ?」

P「……いや、やるよ? やりますやります、やりますけどね?」

P「これは……」

まゆ「おはようございます」

まゆ「プロデューサーさん……いらっしゃらないのかしら……」

まゆ「いつもこの時間は事務所にいるはずなんだけど……」

まゆ「トイレ、とかですかね……?」

まゆ「……」

まゆ「…………」

まゆ「……………………」

 眼下には死体。首に残酷な引っかき傷のついた亡骸。
 溢れ出す真っ赤な液体が、真っ白なタイルの格子を埋め尽くしていく。

まゆ「……うふ♪」

まゆ「なるほどなるほど……」

まゆ「そういうことですかぁ」

 その表情は暗く輝いている。
 足元に横たわる男を見ながらも、ゆっくりと腰を下ろす。
 じっと見つめる。
 ただ、見つめる。

 ふと、頬に手を添える。冷たい。

まゆ「プロデューサーさん……まゆに言わずに先に行ってしまうなんて……酷い人……」

 あたりを見回すと、プロデューサーの卓上に白い封筒が見えた。
 明らかに遺書だった。

まゆ「『先立つことを許してほしい。そして、もしまゆがこの手紙を読んでいるのならば……どうか悲しまないでほしい。そして、もしよければ許してほしい』……」

まゆ「プロデューサーさん……」

まゆ「貴方はまゆの全てなんです。貴方がいなければまゆはまゆではなく、私は私足りえません。ピースの欠けたパズルという話ではないのです。貴方がパズルそのもの……ピースが一個残らずなくなってしまえば……もはやそのパズルはパズルではなくなってしまう。でしょう? 貴方がまゆにとっての全てなのです」

まゆ「貴方のための人生」

まゆ「貴方のための約束」

まゆ「全部全部、貴方がいなくちゃいけないの……」

まゆ「うふ……でも、もういいんです」

まゆ「貴方がまゆに全てなんだから、貴方のいない世界に意味なんてないんです」

まゆ「少なくともまゆは、パズルの入っていない額縁に芸術性は感じませんからぁ……」

まゆ「人生は人生ではなく……」

まゆ「約束は約束ではないのです」

 バッグに手を突っ込む。
 筆箱を取り出す。
 開ける。
 取り出す――カッター。

P(うおおおおおッ!? マジかいややっぱりという感じだがッ! マジでやばいッ!)

まゆ「ごめんなさいプロデューサーさん。また後で会いましょう」

P(やばいッ! 止めなくてはッ!! ドッキリでまゆを死なせるわけには――――)

P「ちょ――スト……!!」

まゆ「……食紅」

P「……え」

まゆ「食紅と片栗粉。それに水」

P「……」

まゆ「血糊ですね?」

まゆ「普通床を浸すほどの血が出ていれば濃厚な鉄の匂いがします……つまりこれは血糊です。案外安価で作れるので、少し凝ってみるともう少し粘度や酸化を真似たモノにできます」

まゆ「そして実際に首元の傷跡……こと傷跡のメイクは見事なものです。思わず吃驚してしまいました。信じそうでした」

まゆ「ですが傷跡の場所が悪い。ここは頸動脈です。本当に頸動脈に何らかの刃を突き立てたのならば、大体1メートルほどは血飛沫が飛ぶと言われています。だとすればこうも粘度のあるとろりとした出血はしない」

まゆ「加えて近くに刃物の類がなかったのも不自然ですね。首を切ったのならばほぼ動けないまま即死するでしょうに……凶器がないときた」

まゆ「そしてこの遺書も中々奇妙なモノですね。首に刃物を突き立てるような自殺者が書く遺書にしては少し落ち着きがありすぎます」

まゆ「以上のことから察するに……ドッキリでしょうか? 性質の悪いことをしますね……うふふ」

P「……」

P「ごめんなさい」(平謝り)

まゆ「いいんですよぉ、気にしていませんから」

まゆ「あ、そうだ。実際に血糊を作るときは、酸化させた鉄片を加えるのはどうでしょうか。それっぽくなりますよ」

P「許してください」(平謝り)

まゆ「遺書ももっとそれっぽくすると良いですね。時間がなかったのでしょうか……ワードを使ったりして、丁寧に仕上げると良いです」

まゆ「刃物は、カミソリでも置いておけば良いかと思います」

P「私が悪かったです。もう二度としません」(平謝り)

まゆ「なんでさっきから怯えているんですかぁ?」

P「だって目に光がないし、淡々と話すし……」

まゆ「はい。まゆ、怒ってるんですよ」

P「ひぇ……」

まゆ「……まあいいです。許します。まゆも乗っかっちゃいましたしね」

P(ほっ……)

まゆ「けどそれはそれとしてお願いがあります」

P「はいはい。なんでしょうか」

まゆ「片付けをしながらお話しましょうか」

P「……それで、お願いって?」フキフキ

まゆ「二度とこんなことしないでください」フキフキ

P「……」フキフキ

まゆ「お仕事で、ドッキリを持ってくるのはまだ我慢します。けど……もし企画が全力でまゆを騙そうとすれば、きっとまゆは簡単に騙されちゃいますから」

まゆ「そうなったら、きっと壊れちゃいます。今回はすぐわかったのでよかったですけど……もし信じて……信じ込んでしまったら、きっとまゆはダメになります」

まゆ「さっきプロデューサーさんに言った言葉、覚えていますか?」

まゆ「……アレはまゆの本心です。プロデューサーさんがいないと、まゆはダメなんです」

P「ごめん……」

まゆ「いいんですよ」

P「それと……一つ聞きたいんだけど、いつ俺が自殺してるって思った? まず俺の光景を見たら、他殺の可能性もあり得ただろう? 俺を見た瞬間に悲鳴でもあげるかと思ったのにそうじゃなかったし、遺書を見る前に自殺ってわかってた風だったよね」

まゆ「あ、それは……」

P「それは?」

まゆ「最近プロデューサーさん、忙しそうにしていたので……疲れているのかなって……」

P「……」

P「俺ってそんなに自殺しそう?」

まゆ「まあ、イエスかノーで言えば、イエスですね」

P「……」

P「有給、使うか……」

おしまいです。
ここまで付き合って頂きありがとうございました。
皆さんも有給休暇を有意義にコミケに浪費していきましょう

>65、66
顔真っ赤にして必死すぎだろキチガイサイコパス作者様

>>67
顔真っ赤はどっちだよ(笑)
必死なのはお前じゃん(笑)
騒いでるのはお前だけで人を必死(笑)とか

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