【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 五隻目【安価・コンマ】 (962)

安価・コンマスレになります。
艦娘と提督の相性や好感度をコンマで決めていく&既出の艦娘のSSらしきものを書いていくスレです。
50を平均として01に近いほど相性が悪く、100に近いほど相性がよくなります。(00は100扱いとします)
また提督or艦娘の相性度が10以下or90以上の場合は好感度コンマを行います。


阿武隈 ↓コンマ以下が8 感情度8
提督  ↓↓コンマ以下が72 感情度72

↓阿武隈の感情度度が10以下なので再度、好感度コンマ

阿武隈 ↓コンマ以下が92 好感度92
提督   ↓↓コンマ以下が00 好感度100

どうやって提督への第一印象最悪の阿武隈を提督が攻略したかのエピソード。

こんなふうに進めていきます。

【注意】
当スレはいちじるしいキャラ崩壊を含みます! また端役としてオリジナルキャラクターが登場いたします。
感想やスレの予測など雑談などはOKとなっています。
以上、ご了承いただければ幸いです。


↓1スレ目 【コンマ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」
【コンマ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 - SSまとめ速報
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↓2スレ目 【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 二隻目【安価・コンマ】
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 二隻目【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
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↓3スレ目 【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 三隻目【安価・コンマ】
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 三隻目【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
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↓4スレ目【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 四隻目【安価・コンマ】
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 四隻目【安価・コンマ】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532094565


一応のコンマ目安表


【感情度目安】

01~10→顔も見たくない
11~20→できればもうあいたくない
21~30→この人にはついていけそうにないorこの人、大丈夫か?
31~40→苦手なタイプ
41~60→普通
61~70→いい人そう
71~80→また会いたい
81~90→尊敬できそうな人
91~100→これからもずっと一緒にいたい


【好感度目安】

01~10→大嫌い
11~21→嫌い
21~40→苦手
41~60→普通
61~75→仲良し
75~85→好き
86~100→大好き

これ2スレ目にしかなかったよね
ヤンデレ→どちら一方の感情度が50以下、艦娘の好感度が86以上
ヤンデレ(強)→提督からの感情度が40以下かつ艦娘の感情度が60以上、艦娘からの好感度が91以上
共依存→二人の感情度が80以上かつ好感度が61以上
共依存(強)→二人の感情度が90以上かつ好感度の90以上
爆弾→艦娘からの感情度が90以上かつ、好感度の合計が50以下
絆→上記に当てはまらない形で両者の好感度が81以上
強い絆→『絆』以外に当てはまらない形で両者の好感度が90以上

現在、新規の艦娘選択によるコンマか既出の艦娘を使ったお話を安価で決めています。
既出の子のお話は後述のお品書きを参考にどうぞ。
()内がメインのキャラになります。

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せⅡ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室Ⅲ(弥生、川内)
3、赤城日記Ⅱ(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
6、羽黒と加賀Ⅲ(羽黒・加賀)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅲ(提督、グラーフ)
8、あきつ丸VS提督Ⅱ(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅Ⅱ(加賀)
11、霞の不覚(霞)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をⅡ(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶⅡ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅣ(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界Ⅱ(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音Ⅱ(鈴谷)
25、提督ラヂオⅢ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件Ⅲ (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡Ⅳ(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸・神威)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
43、胡蝶乱舞(蒼龍)
44、降涙恋慕(赤城・鳳翔)
45、萩風提督観察日記(萩風、川内、赤城)
46、哀絶霖雨(川内、神通、那珂)
47、あの航路へと(隼鷹、飛鷹)
48、鎮守府料理大会(川内or由良or神通)
49.彼岸花の私(瑞鶴)
50.鹿島が来りて笛をふく(鹿島)
その他、新艦好感度コンマ(記名)


【未開放】

ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・国後・占守の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【日向・朝霜の感情度コンマで解放】
UV【特殊コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯Ⅱ【鳥海の感情度コンマで解放】
パラワン水道の作戦会議【武蔵・山城・扶桑の感情度コンマで解放】
オフィーリア【扶桑の感情度コンマで解放】
青葉の鎮守府新聞禄【青葉の感情度コンマで解放】
静夜の思ひ【山城の感情度コンマで解放】
ダス・ゲマイネ【扶桑・山城・陸奥の感情度コンマで解放】

当スレは好感度コンマスレなのですが大きなストーリーの終了条件をコンマが満たすと今までのコンマの総決算というべき終章フェイズに突入します。現在、第四部を進行中です。
今までの結果は以下の通りです。

1部終章『サーモン海の戦い』→鎮守府後方の基地司令官 少将の戦死。サーモン海の制海権を一時的に確保。
2部終章『我らこそ海戦の華』→連合艦隊旗艦 長門の更迭。水雷戦隊のクーデター(?)失敗。
3部終章『レイテの怪』→レイテ湾に展開した敵の大艦隊を壊滅させる。 提督が負傷。

オリジナルキャラクター紹介

提督
鎮守府司令長官。階級は中将。堅物、海の乃木さん。特技は艦隊指揮、手品、声真似。モデルは石原莞爾・東条英機などいろんな人の悪い所を凝縮した結果。 料理スキル77、武道スキル67、芸術スキル55、音楽スキル63、釣りスキル24、運23 。

少将
提督の同期。仕官学校次席。最終階級は少将。艦娘思いのやさしい人物であったが、自信過剰が仇となり第1部最終編『サーモン海域の戦い』で敵の魚雷攻撃を受け戦死。兵站や組織運営を得意とした。

女提督
提督の後輩。階級は大佐。少将の後任として基地司令官に就任した。

指揮官
艦娘による航空艦隊初代司令長官。最終階級は大将。提督の元上司。前線で指揮をとっていた際に敵空母の空襲を受けて戦死した。

将校
海軍との融和を目指す陸軍の少将。年齢は提督よりもすこし上。

元帥
大日本帝国海軍の首魁。軍部を覆う暗黒星雲、常勝将軍の異名をとる。モデルは木村義雄先生、大山康晴先生、坂田栄男先生など。

南方海域司令長官
現在の提督の直接の上官。階級は大将。飲む、打つ、買うの三拍子を病的に愛する無頼派。モデルは藤沢秀行先生、升田幸三先生、米長邦雄先生など。

西方海域司令長官
過去、提督の上官だった。階級は大将。穏やかな性格だが、規律に関しては非常にうるさい。趣味はボードゲーム全般。モデルは森内俊之先生、原田泰夫先生、花村元治先生など

中部海域司令長官
新進気鋭の若手。元帥の護衛などを務める。階級は大将。モデルはバジリスク甲賀忍法帖の甲賀弦之介。

警備隊司令
提督の同期。階級は大佐。卒業時の成績は三番目。冷徹な女傑。

今までにいただきましたすばらしい支援絵。
>>1は毎日拝んでニヨニヨしてます。

↓2スレ目の704でいただきました最高に格好良い提督。
ttps://i.imgur.com/iQfi9IS.jpg

↓3スレ目の232でいただきました金剛。かわいい……かわいい……
ttps://i.imgur.com/W7M9DyS.jpg

↓3スレ目の455でいただきました赤城。ふふ……怖い……
ttps://i.imgur.com/mCK7srK.jpg

↓4スレ目の639でいただきました武蔵。首おいてけ!
ttps://i.imgur.com/hZcCxQs.jpg


以上、テンプレートでした。
おくればせながら5スレ目突入!
読んでいただいてる皆様にはありったけの感謝を。
これからもどうぞ当スレをよろしくお願いします。

4スレ目の埋めネタはまた折をみてsageで投稿していきます。
予告した通り曙が主役、金剛が準主役。題名は『昇る落日』になります。

>>3
補足ありがとうございます!

それでは安価から更新スタートさせていただきます。

おしながきは>>4をご参照ください。
既出のお話は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、ジャービスは下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4

早きこと島風のごとし
書き込んで戻ってきたらもう埋まってて草生える。

今後の流れですが

羽黒と加賀Ⅲ→五十鈴のなく頃にⅢ→昏冥流亡Ⅳ→ガンビアベイ→択捉→空谷の跫音Ⅱ

になります。次回安価は択捉の更新前を予定しております。

では、本編投下していきます。

※いままでのコンマまとめですが、あまりにもみにくくなってきたのでまとめ方を変えて本日の更新の後に投下します。


 XX14年 5月

 ――17:30――

 鎮守府周辺の町 商店街

漣「お、バラさいてんじゃーん!」

曙「ええ、綺麗ね。手入れ大変らしいけど、もやしとか三つ葉だけじゃなくてこういうのも育ててみたいわよね」

漣「あ、いや、マジな感じはやめて」

曙「はぁ?」

加賀「……」スタスタ

羽黒「……」トボトボ

羽黒(どうして、こうなっちゃったんだろ……)

加賀「どうかしましたか?」

羽黒「い、いえ! なんでもないです」

加賀「そうですか? 目当てのお店までもう少しです、急ぎましょう」

羽黒「は、はい」


 XX14年 5月

 ――16:00――

 鎮守府 重巡洋艦寮 談話室


羽黒「……へぇ」ペラ

鈴谷「はぁ……おつかれさーん」

羽黒「! お、お疲れ様です!」サッ

鈴谷「ん? そんなに慌ててどうしたの、羽黒っち」

羽黒「な、なんでもないです! 本当です!」

鈴谷「お、おう、そうなんだ。さて、仕事終わりのジュース、ジュースっと……」

羽黒「ほっ……」

鈴谷「隙あり!」

羽黒「へ? あ、あぁぁぁ!!」

鈴谷「どれどれ、隠してなに読んで――って、ただの週刊誌の占いページじゃん」

羽黒「うぅ……か、返してください」

鈴谷「あ、うん、なんかごめんね? それにしても週刊誌なんて読むんだ、意外」

羽黒「謝るならやらないでくださいよ……それに占いが気になったから足柄姉さんに借りただけです」

鈴谷「うん、それはそうなんだけど気になっちゃって……。ていうか、なんで隠したの?」

羽黒「だ、だって、こういうのに頼ってるって思われたら恥ずかしいじゃないですか……」

鈴谷「いやいや、あの提督だってそんなことであれこれいわないって。羽黒っちは可愛いなぁ!」

羽黒「わ、わわわ……!」

鈴谷「うわっ! なにこれ、すっごい卵肌!」

羽黒「や、やめて……やめてくださーい!」

加賀「……」ポリポリ

鈴谷「よいではないか、よいではないか。ねぇねぇ、これどうやってお手入れしてるの?」

羽黒「て、手入れなんか特にしてないですぅ!」

鈴谷「えぇ!? マジで!?」

羽黒「は、はひ……」

加賀「……」ポリポリ

鈴谷「ん、さっきからポリポリってなんの音――うわぁ!?」

羽黒「ひゃ!?」

加賀「……騒々しいわね」


鈴谷「か、加賀さん、いたなら声かけてくださいよ……心臓に悪いなぁ、もう」

加賀「は? 気付かなかったあなたが悪いんでしょ?」

鈴谷「そ、それはそうかもしれないけど……」

羽黒「ほっ……」

加賀「それより私はさそり座です」

鈴谷「??」

羽黒「え?」

加賀「占いでしょ? 星座ではないのですか? 血液型は多分、AB型です。赤城さんがそういってました」

鈴谷「あぁ、なるほど。羽黒っち、加賀さんに見せてあげなよ」

羽黒「は、はい」

加賀「ありがとう。ふむ……」

鈴谷「どうです?」

加賀「……今週の運勢は12位でした」

羽黒「うっ……」

鈴谷「あ、あはは……」

加賀「別に気にしていません。なんといってもラッキカラーが青です。これは私のイメージカラーです。私が私でいるだけで運が上昇するんです、素晴らしいじゃないですか。それに特に大事な争事は慎重になせば成るとでています。それ方角も西が悪いとしか書いていないし、病気は気を付ければ無し。他にも――」ブツブツ

鈴谷「……めっちゃ気にしてるね」ヒソヒソ

羽黒「は、はい」ヒソヒソ

加賀「――というわけです。どうです? 気にする必要などないでしょ?」

羽黒「あ、はい」

鈴谷「そ、それより加賀さん、重巡洋艦寮までどうしたんですか?」

加賀「羽黒をおご飯に誘いに来たのよ」

羽黒「え?」

鈴谷「へぇー、羽黒っちと加賀さんって仲良かったんですね」

加賀「別にそういうわけでもないのだけれど」メソラシ

鈴谷「?」

加賀「なんです?」

鈴谷「あ、いや、なんでもないです! そ、それじゃあ、私はこのあと用事あるから行くね?」

 バタン

加賀「さぁ、漣たちがまっているわ。私たちも行きましょう」

羽黒「え? わ、私まだ……」

加賀「……なにか問題がありますか?」

羽黒「い、いえ……」


 XX14年 5月

 ――17:30――

 鎮守府周辺の町 商店街

羽黒(はぁ……今日はこのあとお部屋でゆっくりしてようとおもってたのになぁ。で、でも、よく考えれば私なんかを誘ってくれるなんて嬉しいかも……)

羽黒「えへへ……」

曙「ど、どうしたんです? 急に笑い出して」

羽黒「へ!? あ、ご、ごめんなさい!」

曙「い、いえ……」

漣「それより加賀さん、おいしいお店ってまだー?」

曙「さ、漣! あんたねぇ、上官にその口の利き方は……!」

漣「それ、ご主人様にああいう言い方するぼのたんだけには絶対に言われたくないわぁ……」

曙「うぐっ……! あ、アレはいいの!」

漣「えぇ?」

加賀「曙、気づかいは嬉しいのだけれど口調ぐらいは構わないわ」

漣「(゚∀゚)キタコレ!!」

曙「こ、この……!!」

加賀「それよりも今日は遠慮なんかせずにたくさん食べなさい」

羽黒「……」ジッ

羽黒(なんていうか、加賀さんも赤城さんみたいに駆逐艦には優しいんだ。意外だなぁ)

加賀「? 私の顔に何かついていますか?」

羽黒「い、いえ、なんでもないです!」

加賀「……そう」


 XX14年 5月

 ――17:35」――

 鎮守府周辺の町 商店街 洋食屋

店長「らっしゃい! お、なんだ加賀さんじゃねぇか。今日はほかの子もつれてきてくれたのかい?」

加賀「ええ、部下の子と……えっと、知り合いです」

店長「そうかい、そうかい。がはは……艦娘の子が来るとこのぼろい店が華やかになるな」

加賀「……」

羽黒「あぅ……」

店長「ははは……加賀さんも少しは反応してくれてもいいじゃねぇか」

加賀「それよりも早く席に案内してください」

店長「おっと、わりぃ、わりぃ。それじゃあ奥のテーブル席好きに使ってくれよ」

加賀「ありがとう。こっちです」

漣「漣、一番乗り! よいっしょっと……えっと、加賀さん、おすすめ教えてください!」

加賀「いい質問です。ここはステー――」

曙「ちょっと待ちなさい!」

加賀「……」

曙「か、加賀さんにいったわけじゃないです! 漣、あんたにいったのよ!」

漣「へ? どったの?」

曙「あんたねぇ……その席からすぐにたちあがりなさい」

漣「?」

曙「上座。浮かれすぎよ」

漣「あ……すっかり忘れてた……」

加賀「……あ」

曙「? どうかしましたか?」

加賀「い、いえ、なんでもないわ。今日は無礼講よ、そういうことは気にしないでいいわ」

曙「え」

漣「え」

曙「どうおもう……?」ヒソヒソ

漣「加賀さんだからなぁ……ほんとうに気にしてなさそうだけど……」ヒソヒソ

曙「でも、上官の無礼講だよ? 一番、信用できない奴じゃん」ヒソヒソ

漣「う、うーん、そうなんだよねぇ……それに羽黒さんもいるしなぁ」ヒソヒソ

羽黒「え、えっと、私、こっちの席でいいですか……?」

曙「え? で、でも、そっち下座ですよ?」

羽黒「ううん、いいの。こっちのほうがおひさま入ってきて暖かそうだし。ね?」

加賀「それでしたら、私もそちらにしましょう」

曙「は、はぁ……」


漣「え、えっと、それじゃあ、気を取り直しておススメってなんなんですか?」

加賀「ステーキです。勿論、いいお肉を使ってますし、それに加えて焼き加減もソースも絶品よ」

漣「へぇ……じゃあ、それキボンヌ!」

曙「私も」

羽黒「私も……それで」

加賀「店長、注文を」

店長「いつもどおりステーキセットかい?」

加賀「ええ」

店長「それなら四人ともステーキセットでいいのかい?」

加賀「? なんでわかったんですか?」

店長「はは……士官は俺も俺もというものなりって、な。ちょっと待ってってくれよ、すぐにあつあつのやつもってくるから」

加賀「ああ、なるほど」

漣「ステーキ! ステーキ!」

曙「ちょっと、お行儀悪いわよ!」

漣「えー?」

加賀「……」

羽黒「え、えっと……加賀さん」

加賀「なんですか?」

羽黒「あの、今日は誘っていただいてありがとうございます」

加賀「……別に。それにお礼を言わなければならないのは私です」

羽黒「へ?」

加賀「そんな気がしたのよ。曙、あなたにも」

曙「え!? い、いや、わたし、加賀さんにお礼をいわれるようなことはなにも……」

加賀「そう。だけれどそんな気がしたのよ。素直に受け取って頂戴」

曙「は、はぁ」

漣「あ、それなら漣にもなんかそういうのあるんですか?」

加賀「え? ……あなたにはそういうのはとくにないわね。ちょうどいいところにいただけよ」

漣「しどい!」

加賀「む……それなら普段からお世話になっているお礼ということにしておきましょう」

漣「えっと、なんかそうあらためていわれると……えへへ……」

加賀「ふふ……」

?「へぇ……楽しそうですねえ」

加賀「!?」バッ!


赤城「どうも」

曙「お、お疲れ様です!」ガタッ

漣「お疲れ様です!」ガタッ

加賀「あ、赤城さん、ど、どうしてここに!?」

羽黒「へ? へ!?」

赤城「……お休みの日に私がどこにいようが問題ないでしょう? ちがいますか?」

加賀「い、いえ、仰る通りだと思います」

赤城「非番の日まであれこれとは言いたくはありませんが、一つ気になったので聞きたいのですが、曙、漣、そちらは上座ですねぇ?」

曙「あ、あう……ご、ごめんなさい」

漣「うぅ……」

赤城「普段から礼儀に関してはうるさく言ってきたつもりですが、もう少し厳しく言わなければいけないみたいですねぇ」

羽黒「え、えっと……赤城さん、わたしがこっちの席のほうが良かったので無理をいって……はい」

赤城「へぇ……そうですか」

羽黒「は、はい」

赤城「……部下が失礼しました」

羽黒「い、いえ……」

赤城「私はここで失礼します」クルッ

加賀「あ、あのぅ……よろしければこちらでいっしょにどうですか?」

赤城「いえ、上官が一緒では気も休まらないでしょうし、私はひとりで結構です」

加賀「はぁ」

赤城「……」スタスタ

曙「び、びっくりしたぁ……でも、やっぱり赤城さんは凛々しくてかっこいいなぁ……」

漣「え……? い、いやぁ、うん、そだね。ああいう時の赤城さんはご主人様とおなじベクトルかもね……」

曙「な!? なんで、そこでクソ提督の名前が出てくるのよ!」

漣「えー? 隠してるつもりなの? あれで?」

曙「キィー!!」

 ワイワイ……ギャーギャー


加賀「……」

羽黒「あ、あの、加賀さん……」ヒソヒソ

加賀「? なにかしら?」

羽黒「あの、赤城さんなんでご機嫌悪かったんでしょう……ひょ、ひょっとしてわたしなにかお気に障ることしたりしたんでしょうか……」

加賀「非番の日の赤城さんはいつもあんな感じよ。あの人は戦うことが一番の人だから」

羽黒「は、はぁ……」

羽黒(そうなんだ……いつもニコニコしてて優しそうだったから意外だなぁ)

店長「はい、ステーキセットお待ち! 加賀さんはいつもどおり食べ終わったらおかわりの肉焼いていいんだな?」ガラガラ

加賀「ええ、おねがいします」

漣「? 一気にジューって焼いちゃダメなんですか?」

加賀「ええ、一気に焼くと最後のほうは冷めてしまうの。せっかくおいしいものを食べるんです、一番、おいしく頂かないといけないわ」

漣「はぁ、なるほど、なるほど」

加賀「これ一枚で300gですが、あなたたちもおかわりしますか?」

曙「い、いえ、大丈夫です」

加賀「……たくさんたべないと大きくなれないわよ?」

曙「うっ……そ、それじゃあ、一回だけ」

漣「んー、ぼのたんがおかわりするなら漣もしよっかなぁ……」

加賀「そうなさい」

羽黒「ふふ……」

羽黒(なんか、こうみてると加賀さん、お母さんみたい)

加賀「? 羽黒はどうしますか?」

羽黒「え!? あ、えっと、それじゃあ、わ、私もお願いします……」

加賀「そういうことです。店長、よろしくお願いします」

店長「了解だ。頃合いは見てるけど先に欲しくなったらいってくれよ?」

加賀「ええ」

店長「それじゃあ、残りのセットメニューもすぐにもってくるな」ガラガラ

加賀「……さて、それではいただきましょう」

漣「キタコレ! いただきまーす!」パク

曙「……いただきます」ハム

羽黒「いただきます」ハムッ


曙「あ、おいしい……」

漣「うぉぉお! ホントだ! 口から光線出るほどおいしい!」

羽黒「口から光線……? でも、本当においしいなぁ。えへへ……」フニャ

加賀「……」パクパク

漣「あ、そういえばこの後ってどうするんです?」モグモグ

加賀「……む。あそこに行く予定です」

羽黒「あそこ、ですか?」

加賀「ええ。詳しいことはついてからのお楽しみで内緒です」

羽黒「そうなんですか……え、えっと、なら三人で楽しんできてくださいね」

加賀「は? あなたはいかないつもりなの?」

羽黒「え? で、でも、私、ご飯に誘われたんですし……私が行ってもおじゃまですし……」

加賀「そんなことはないわ、今日はお礼のつもりなんです。最後までつきあってもらえるとありがたいのだけれど……あ、い、いえ、無理にとはいいませんが……」ゴニョゴニョ

曙「……」

漣「……」

羽黒「うっ……か、加賀さんがいいならもちろんご一緒させてもらいます……!」

加賀「そ、そう?」

羽黒「は、はい!」

加賀「ならよかったわ」

羽黒「え、ええ」

曙「ほっ……」

加賀「そうと決まればしっかりと腹ごしらえをしますよ。店長!」

店長「あいよ! すぐにおかわり焼くから待っててくれよ!」

加賀「ええ」ニコ

羽黒「ふふ……」

 羽黒と加賀Ⅱ 艦

羽黒と加賀Ⅱ 艦です。
たまにはほのぼのと薬にも毒にもならない感じです。
昨日の寝落ちは>>1も悪いけど、下水流選手が悪いと思うんです。なんやあの完璧なあたり。魂抜けたわね。
……すみませんでした。

明日の更新ですが、帰り次第はじめていきます。
ここのところちょっと仕事がトラブってるので時間が読めず申し訳ありません。

それではおやすみなさい。


300gおかわりとは駆逐艦でもよう食べるんやなぁ

おつおつ
ほんと体にだけは気をつけてね…

赤城さん提督いない所だと素と言うか元の戦闘機械っぽいんだなまだ
やっぱり提督は諸悪の根源(錯乱)


こういうの好き

羽黒と加賀の関係はなんかいいな……


赤城は加賀達の後をつけてきたのかな

戦闘機械がステーキを喰う…
刃牙やな

イッチ大丈夫だろうか

まだ1週間も経ってないし慌てずに待ちましょうや

5ができてる、気づかなかった…

多分、今日帰れそうなので帰り次第更新します。
申し訳ありませんでした

休んでもいいのよ?

着替えのストックも尽きてやっと帰ってこれました……10日ぶりの自宅とか草も生えない。
一番の修羅場も越えたとおもうので、有給とりました。本日ですがこの後、一旦、寝させていただいてお昼ぐらいから更新していきます。
お待たせして申し訳ありません。

>>28
確かに見た目から考えると燃費悪いですね……エンゲル係数すごそう(小並感)

>>29
ご心配いただきましてありがとうございます。
MI作戦前なので赤城さんはまだデレて無い感じですね。まさに戦闘機械。

>>30
ありがとうございます。こういう感じのお話も増やしていきたいです。

>>31
二人ともあんまりコミュ力高くないからこそ手探りな感じ

>>32
赤城さんの行動についてはほかのお話と連動する予定です

>>34
刃牙は草

>>35>>36>>39-40
ご心配おかけしました。温かいお言葉ありがとうございます。

>>37
報告が分かりにくくて申し訳ありませんでした


XX12年 01月 ――日

日本 提督私室

提督「うぐっ……放して……くれ」

五十鈴「大丈夫、大丈夫だから。提督? もう少しで楽になるわよ」

提督「や、やめ……」

 パーン!

五十鈴「へぇ……」

下士官A「今の銃声はなんだ!?」

下士官B「提督殿の部屋から聞こえたぞ!」

五十鈴「そ――んだ……――」

提督「ち、違! ゲッホ……私の話を……聞いてくれ!」

五十鈴「……そんなに取り繕わなくても。大丈夫よ、だって一番、私が――」

少将「おい! なんの騒ぎだ!! ちっ! とにかく艦娘を拘束せよ!」

提督「ま、まってくれ! 違うのだ! 私の話を聞いてくれ!」

五十鈴「うふ……うふふ……あははは……!!」


 XX11年 2月 11日

 ――20:00――

 日本 霞が関 バー

提督「……」チビチビ

 カラン

マスター「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」

少将「いや、連れが先に来ているのだが」

提督「こっちだ」

少将「おう。マスター、飯は食べてきたからジンでなにか作ってくれ」

マスター「かしこまりました」

少将「よこいしょっと……それで今日はどうした?」

提督「相談したいことがあってな。悪いが付き合ってもらえないか?」

少将「ああ、もちろん構わんさ。それでどうしたんだ?」

提督「うむ……なんといえばいいものかな……」

少将「明日は余裕がある。ゆっくりとでいいぞ」

提督「すまんな」

少将「うむ」

提督「……」

少将「……」

マスター「おまたせしました。マティーニです」

少将「ありがとう」

マスター「それではごゆっくり」

少将「ああ」

提督「……あれだ、ずっと一緒にいてくれないかと言われた」

少将「ん? んんん? 待て、待て。さすがに理解が追いつかないぞ」

提督「すまん」

少将「いや、謝らなくてもいいが……うーむ、まずそれを言ってきたのは女性なのか?」

提督「女性といえば女性だな」

少将「ほう! 貴様から色恋沙汰の相談を受けるとはな、驚いたぞ」

提督「……そういうものではないとおもう」

少将「は?」

提督「言ってきたのは部下の艦娘だ」

少将「……また艦娘か。一応聞くが独逸でもいったように彼女たちは女性という前に兵器だということはわすれてないよな?」

提督「それは勿論だ」

少将「ならいいんだ。で、色恋ではないというとどういうことだ?」

提督「言葉通りの意味さ。私の指揮下にいたいということだろうよ」

少将「……本気か?」

提督「……ああ」


少将「ふむ、それならなんで私に相談したんだ?」

提督「む……どういうことだ?」

少将「本当にそれだけの意味ならば貴様だけで処理できただろ。それ以上の意味があると思ったから私を呼んだ、違うか?」

提督「……そうなのかもしれん。貴様にはかなわんな」

少将「ハハハ……そうだろう、そうだろう」

提督「なぁ、それでどうすればいい?」

少将「どうするもなにも……ふーむ、難しいな。下手なことを言ってしこりを残すのは問題だし、手を出すのはもっと問題だしなぁ」

提督「そうだろうな」

少将「むむむ……ちなみに貴様はどうしたいんだ?」

提督「?」

少将「いや、そんなキョトンとされても……つまりその艦娘と恋仲になりたいのか、うまくかわしたいのかどちらなのだ?」

提督「……その二択であればかわしたいほうが近いな」

少将「なるほどな。まぁ、その方が賢いさ」

提督「……」

少将「そう暗い顔をしなさんな、貴様の対応は間違ってはいない」

提督「そうか」

少将「うむ」

提督「……」

少将「……黙りこくっていても仕方が無いな。まずその艦娘はどんな子なんだ?」

提督「そうだな……髪型はこう両側で結んでいて、背は――」

少将「馬鹿」

提督「は? な、なんだいきなり」

少将「誰が姿かたちのことを聞いた? 性格のことにきまってるだろ」

提督「あ、ああ、そうか。そうだな、すまん」

少将「まったく……いくら貴様がアレだといってもそれはないだろ。一つ一つでいいからちゃんと話してくれ」

提督「うむ……性格か、そうだな。まずは負けず嫌いで気が強いな」

少将「なるほどな。陽気な子なんだな?」

提督「陽気……うーむ、そうかもしれん」

少将「続けて」

提督「ああ。それと努力家だな」

少将「努力家ねぇ……まぁ、負けず嫌いで怠け者ということもあるまい。ほかはどうだ」

提督「以上だ」

少将「は?」

提督「だ、だから、彼女の性格を表す言葉とすればそれ以上に思いつかん」

少将「……よくそれでそんな風に言われたものだな」

提督「私もそう思う」


少将「う、うむ……難しいな。ちなみに貴様とずっと一緒にいたいといわれたときなんと返したのだ?」

提督「何も」

少将「あ?」

提督「いや、だから、あれだ、頭が真っ白になってなにも言っていない! 俺だって混乱することぐらいあるんだ!」

少将「……驚いたな」

提督「何がだ」

少将「貴様が”俺”だなんていうのははじめて聞いた」

提督「……それでどれだけ混乱しているか察してくれ」

少将「あ、ああ……しかし、なにも答えなかったって……まさか逃げたのか?」

提督「いや、しばらく言葉を捜していたら向こうから冗談だといってきた」

少将「なんだ、解決してるじゃないか。そのままにしておけば問題ないだろ」

提督「……」

少将「納得がいかないか?」

提督「ああ……あんな悲壮な笑顔で言われて、そのままというのはどうにも……」

少将「難儀なやつだな」

提督「……すまん」

少将「はぁ……最後に誤魔化したんだ、相手も駄目もとでの言葉だったんだろうよ。はっきりとずっと一緒というのは無理だ、というのが吉だろうな」

提督「う、うむ……しかし、それではそのあとが気まずくないか?」

少将「あのなぁ、それが嫌なら何も言うな」

提督「しかし、それでは不誠実だろ」

少将「そうだな。しかし、誠実でありたいなら仕方が無いだろ。何かを取るなら、何かは捨てねばならん」

提督「うっ……」

少将「はぁ……マスター、サイドカーを作ってくれ」

マスター「かしこまりました」

少将「……さて、それでどうする?」

提督「……明日、もういちど五十鈴とはなしをしてみるよ」

少将「そうしろ、そうしろ。ただな――」

提督「?」

少将「相手は一度ひいているんだ、それを誠実でありたいからといって話を蒸し返す。それはお前のエゴだ。それを忘れるなよ? 黙っていれば、おそらくだが貴様もその艦娘も楽しかったセピア色の記憶だけもって分かれるということは出来る」

提督「……そうだな」

少将「ああ」

提督「ところで、ずいぶんとくさい言い回しをするな」

少将「う、うるさいな! ……別にいいだろ」

提督「ああ……ありがとう」

少将「うむ」


 XX11年 2月12日

――18:00――

 日本 軍令部 提督執務室

 コン、コン

提督「……入ってくれ」

五十鈴「失礼します。それで、いきなりどうしたの? 明日の訓練の話?」

提督「い、いや、違うんだ。あれだ、うむ、まずはソファにでも座ってくれ」

五十鈴「?」ストン

提督「お茶でいいか?」

五十鈴「え、ええ……どうしたの? なんか、変よ?」

提督「そんなことはない。私はいつもどおりだ」

五十鈴「いやぁ、それはちょっと無理があるでしょ」

提督「うぐっ……いや、あれだ、この前の話ことだ」

五十鈴「この前の話って……あれは冗談だって言ったじゃない」

提督「いいから、聞いてくれ」

五十鈴「……わかったわよ」

提督「私は君を尊敬しているんだ。最初はあれだけ嫌がった対潜訓練もちゃんとやってくれているし、成果も上がっている」

五十鈴「……」

提督「なにごとに関しても努力は大切だし、尊いものだと思う。特に苦手なものに取り組むというのはなかなかに大変なことだ。しかし、君はそれをしっかりとやってくれている」

五十鈴「……別に私はあなたが夜も寝ないでいろいろ考えてくれてるのを見て、それに応えようとしただけよ」

提督「それでも、だ」

五十鈴「……そう」

提督「そんな君とともにいられるのは私としてもうれしいことだと思う」

五十鈴「! なら――」

提督「しかし、私たちは軍人なのだ。辞令が下ればそれに逆らうことはできない」

五十鈴「……わかってるわよ、そんなの」

提督「ならいいんだ」

五十鈴「で、話はそれだけ?」

提督「ああ」

五十鈴「そう。なら私はこれで――」

提督「まぁ、あと、あれだ……どれぐらいの期間、君と過ごせるのかは知らないが残った時間も今まで通りにやっていければと思う」

五十鈴「――ええ、五十鈴もそう思うわ」

提督「……そうか」


 ――19:30――

 日本 軍令部 艦娘用食堂

鹿島「えっと、おとなりいいですか?」

五十鈴「構わないわ」

鹿島「ありがとうございます。よいしょっと……」

五十鈴「……」モグモグ

鹿島「あれ? 随分と怖い顔してますけどどうかしましたか?」

五十鈴「別に。なんでもないわよ」

鹿島「はぁ、そうですか」

五十鈴「気のない返事はやめて」

鹿島「あはは……すみません」

五十鈴「……」

鹿島「そういえば五十鈴さんは今日の訓練はどんなことしたんですか?」

五十鈴「あのねぇ……随分と馴れ馴れしいけどなんなの? 五十鈴はあなたの艦名も知らないのだけれど」

鹿島「え? あの……ご、ごめんなさい。おそくなりましたけど、私は練習巡洋艦の鹿島です」

五十鈴「ふん、別に謝らなくてもいいわよ。私は長良型2番艦の五十鈴よ」

鹿島「? えぇ、知ってますけど……」

五十鈴「……ちょっとは空気読みなさいよ」

鹿島「??」

五十鈴「はぁ……それでなに? 練習巡洋艦が五十鈴に用でもあるの?」

鹿島「いえ、用というほどのこともないんですけど……最近、対潜訓練なさってるのをよくみるのでお声掛けさせていただいたんです」

五十鈴「別に好きでやってないわよ。あの人が色々と頑張ってくれてるからやってるだけ」

鹿島「あのひと……?」

五十鈴「なんでもないわ」


鹿島「は、はぁ。えっと、実はですね、私、対潜掃討艦も務めていたことがあって、今回もそういった方面で活躍できないかなって色々と調べたりしてるんです」

五十鈴「へぇ。それじゃあ対潜水艦はお手の物ってわけね」

鹿島「いえさすがにそこまでではないですよ、あはは……」

五十鈴「……」モグモグ

鹿島「えぇ……」

五十鈴「なに? ほかにもあるの?」

鹿島「あっ、はい。むしろ本題はここからなんですけど、五十鈴さんってなんであんなふうに爆雷を投射するんですか?」

五十鈴「爆雷の投射?」

鹿島「ええ、普通、潜水艦がいるであろう場所の近くまで行ってからばら撒くのに、五十鈴さんは文字通り投げてるじゃないですか。あれじゃうまく当たらないとおもうんです」

五十鈴「……魚雷を撃たれるまえに沈める。そのためよ」

鹿島「んー……確かにその方が安全かもしれないですけど効率悪くないですか?」

五十鈴「一発もらって中破撤退するよりもいいわよ。それに精度は訓練でカバーしていく」

鹿島「なるほど。でも、五十鈴さんって意外と体育会系なんですね。もっとクールな人だと思ってました」

五十鈴「ふん、五十鈴はこうみえても長良姉の妹なのよ?」

鹿島「ああ、すごい納得……」

五十鈴「なら良かったわね。五十鈴はもう行くけどほかになにかある?」

鹿島「え? 他にですか……うーん……」

五十鈴「別にないならそれで結構よ」

鹿島「あはは……そうですよね、ごめんなさい」

五十鈴「ちっ、なんか調子狂うわね……それじゃあね」

鹿島「あ、よければまたお話ししましょうね」

五十鈴「……ええ」

 五十鈴のなく頃にⅢ 艦

五十鈴のなく頃にⅢ 艦です。
お待たせしてしまい申し訳ありませんでした、少しはお話動いたかなって感じていただければ幸いです。
当初は鹿島のとこと龍驤だったんですが、変えた方がいいかなと変更しております。

このまま4スレ目の埋めネタ進める予定だったのですが、呼出しあったので会社行ってきます。
途中で切れて申し訳ないです……

それでは失礼します。

>>1です。更新が途絶えていて大変申し訳ありませんでした……
落ち着いたといった仕事のほうでヤバいミスが発覚したりと色々とありまして死にかけてました。
追い付いたというレスやありがたい感想までいただいているのに、このような体たらくで重ね重ね申し訳ありません。

続いて更新のことについてなのですが、>>1もついに遅めのお盆休みとることに成功しました。
まとまった時間も取れたことですので明日中には埋めネタのほう終わらせてしまえればと思っています。
この前は嫌な予感したのでsageでぽつぽつとやってたら案の定呼び出し食らいましたが、今回は京都行くといっておいたのでそれもないはず……
とりあえずこのまま寝落ちするまで埋めネタ落として続きは明日起きてからやっていきます。

最後にスレとは関係ないんですが艦これも二期になってマップがかなり変わったんですね……
さっきログインして演習で夕雲と白露の改二実装されてるの確認したのもあってかなり驚きました。
伊勢改二もまだだし休み中籠っていろいろとやってみます。

すみません、用事ができてしまったので一旦出掛けてきて戻り次第再開します。
多分、21から22までには戻れると思います。

おひさしぶりです。
復旧したのでこちらで本編の投稿再開していきます、

落ちてる間はこちら↓で関係改善編を投稿しておりました。よろしければこちらお付き合いいただければ幸いです。

本日ですが、上記のほうで導入部の投稿と4隻目の埋めネタ進めます。


 ――27:00――

 日本 霞が関 路地裏


提督(……わたしはまちがっていたのか?)フラフラ

提督(どうすればいい? どこに向かえばいい?)フラフラ

提督(仕方ないじゃないか、知らなかったんだ。慕われるということがあんなにも不気味なものだと)

提督(また殺してしまうのが怖かったんだ……だから、あか――)

?「天誅!!」

提督「は?」

パーン!

提督「グフッ……!? ゲッホ、ゴッホ……!!」

戦隊司令官「大逆不逞の輩! 死ね!」

パーン!

提督「ガハッ……!」バタッ!

戦隊司令官「は、はは……やった! やったぞ! 本当に護衛もつれずに出歩いているなんて! やはり天は私に味方してたんだ!」

提督「はぁはぁ……」

提督(死ぬのか……? 今まで国に尽くしてきた私がこんな汚い路地裏で……?)

提督「いや……似合いの最後……か……」

戦隊司令官「これで予定通り大将がクデーターを起こしてくださる! 私たちのように真の忠臣が今一度、軍の実権を握るのだ!」

 パーン!

戦隊司令官「は?」

提督「?」

戦隊司令官「ゴホ……なんで、わた、しが撃たれるの、だ……?」バタッ

?「うふふ……提督、こんにちは」

提督「あ、かぎ……」

赤城「はい。あなただけの赤城ですよ?」

提督「お、まえが戦隊司令官に私の居場所を、ゲホ……」

赤城「そうですよ? あれにあなたが護衛もつれずに出かけたと教えたのは私です」

提督「な、んのつもりだ……?」

赤城「くっくっく……あははは……!! その眼です! その眼で私だけを見てほしかったんです!! あのバカな巡洋艦もクソ生意気な駆逐艦も、それどこらか誰にもむけられたことのないその眼で!!」

提督「……」

赤城「ああぁ、初めて私だけを見てくれていますねぇ。憎しみでも愛でもなんでもいいんです。私だけを見てください!! 一航戦でも艦娘でもない私を! そして一瞬だけでも私だけのモノになってください! !」

提督「お、まえはなぜそこ、まで……」

赤城「それは内緒です。もう時間もないのです、余計なことは考えないで私を見てください。ね。提督?」

提督「……」パクパク

赤城「もう話す力もありませんか? ああ、脈もどんどん弱くなってますね」

提督「……」トクン、トクーー

赤城「うふ……ありがとうございました、提督」


 バタバタ!!

曙「クソ提督! え――」

赤城「あら、おそかったですね、曙? ――それと加賀さんも」

加賀「……赤城さん、なにをしているんですか?」

赤城「見てのとおりです。提督を看取っていました」

曙「嘘……」

赤城「嘘? 目の前にあるのは真実ですよ?」

曙「嘘よ! 絶対に嘘よ……!!」

赤城「ふふふ……聞き分けのない子。さて、私もそろそろ提督のおともに向かいましょうかねぇ」カチャ

加賀「赤城さん! やめてください!」

赤城「ああ、そうだ。最後に一つ曙みたいな子たちに行っておきたいことがあったんです」

曙「はぁはぁ……」

赤城「ざまぁみろ。最後は私が勝つんですよ」

 パーン!


 ――1週間後――

 ――13:00――

 日本 大本営 東郷神社境内


曙「……」

加賀「……やっとみつけました。さがしましたよ」

曙「……さっき鈴谷さんと話してきたんです」

加賀「鈴谷と?」

曙「……鈴谷さん、周りの子を妹だって提督が思うようになれば絶対にとられないって思ったからって――」

加賀「そこまでにしなさい……その話は私は聞けないわ。あの人を想っていたあなたたちの中で消化なさい」

曙「……はい。私って提督にとってなんだったんですかね。本当にあの時言ってたみたいに妹の生まれ変わりかなんかだと思ってたのかなぁ」

加賀「……」

曙「なら、指輪なんかくれなきゃよかったのに……」

加賀「……指環はつよい絆で結ばれた人間と艦娘だけが装備できる艤装よ。絆っていうのはそんな一方的なものじゃないはず、だと思うわ……」

曙「……」

加賀「……」

曙「ひっく……ぐす……」

加賀「……」


 
 『昇る落日』 艦


 XX17年 10月 29日

 ――23:00――

 鎮守府 執務室


提督「……妹か。それならば割かしまっとうに艦娘にも接することができるようになるかもしれん、鈴谷に相談して政界だったな」

コン、コン

提督「? 入れ」

赤城「失礼します」

提督「赤城か……こんな時間に何の用だ?」

赤城「さきほど面白い話が廊下まで聞こえていたので、私も一つご提案をしようかと」

提督「いらん。帰れ」

赤城「まぁまぁ、そういわずに。妹さんだと思って、ね?」

提督「ちっ……いってみろ」

赤城「その前に一つ。なんで川内や神通が提督のことをしたっているかごぞんじですか?」

提督「? 知らんな」

赤城「ああ、それはまずいですねぇ」

提督「……なにがだ」

赤城「人に好かれるっていうのは重いんことなんですよ? 逆もまたしかりですけど」

提督「なにがいいたい?」

赤城「想像してみてください、あなたのことを信頼して慕ってくれている艦娘を」

提督「う、うむ」

赤城「それにあなたは死ぬように命令をしてしまうんです」

提督「ふん……私はだれも犠牲を出さずに勝つために命令を出すのだ。思い違いをするな」

赤城「ええ、ええ、そのとおりですねぇ。けど、戦争で絶対に沈まないなんてあり得るんですか?」

提督「……」

赤城「ちょっとした手違いであなたの命令は死ぬようにいったことになるんですよ?」

提督「詭弁だ。それに私たちは軍人なのだ、そんなことを恐れているわけがないだろ」

赤城「なるほど、なるほど。しかし、本当に提督はそんなに割り切った考えをできますか?」

提督「うるさい!」

赤城「それで私の提案です。ただ妹さんだと思って対応するのではなく、艦娘はあなたの妹があなたを罰するために生まれ変わった存在だと考えてみたらどうでしょう?」

提督「は? 意味が分からん」

赤城「後悔なさってるんですよね? 空襲の中、妹の手を放してしまったことを」

提督「……!」

赤城「一度、殺してしまった存在が返ってくる上に今度は絶対に守り切ればいい、一人にしなければいい。そうすれば罪滅ぼしにもなりますし、あなたのことを慕っている子を間違っても沈めることなんかなくなるでしょう?」

提督「話にならんな」

赤城「それは失礼しました。最後に……この鎮守府の子たちはみんな、提督のことを慕っていますから誰でも構いませんが、あなたのことを慕う子があなたの名前を叫びながら沈む所を想像してみてください。耐えられますか?」

提督「……だまれ! でていけ!」

赤城「ふふ……はい、それでは失礼します」

バタン

提督「ぐっ……誰もが私を慕っている……ありえない……ありえないんだ」

提督「しかし、カメラは確かに高い数字ばかり――くそっ!」

提督「はぁはぁ……なんでわたしなんかを……」

更新止まってしまって申し訳ありませんでした……

仕事の状況が急転してしまい、デスマーチしてました……
ただこれでずっと抱えてたやっかいな仕事一つ終わりましたので、耳の調子がおかしいこともあって5日間ほどお休み取りました。
なので2日までは毎日更新いたします。

明日の更新ですが、お昼(12時)に安価で次の更新先を決定して夜に安価で決まった話を投下いたします。
ご参加いただければ幸いです。

最後になりましたが、前スレがご要望をおききすることなく埋まってしまいましたので、遠い話ではありますが5隻目の埋めネタの要望などお書きいただければ幸いです。

乙でした
まさか金剛がきっかけで真実に気付くとは、最初の場面でちゃんと話せていればルート変わったかもしれん。
耳の調子が悪いと大変ですね、お大事にしてください。

おつおつ
まーた赤城が勝利したのか
こいつが負ける所は…正史に取っておくとして、if案はドイツで禍根無く立ち回れた提督のお話とかどうだろ
加賀さんがちょっとだけ有能になったのはすこです

突難はほんとに辛い、ご自愛下さい

乙です
鈴谷も聖人君子ってわけじゃないからなー

寝過ごしました……
更新先の安価取らせていただきます。

1、本編(昏冥流亡Ⅳ)
2、番外編(まるゆ編イベント3)

↓~↓×3の多数決で決定。

×3いくまえに2票で番外編に決定ですね。

本日、24:00よりおーぷんのほうで番外編の更新いたします。
流れとしては

本編→次回の好感度上昇値決定→更新先の決定安価

こんな感じを想定しています。
よろしければどうぞお付き合いください。


>>96
金剛が提督のこと好きだと誤魔化したのが原因といえば原因になります。
番外編のほうか金剛の個別シナリオで詳しく書きますが提督からすると金剛から一方通行の好意を持たれるというのは精神的に大きな負い目になっていました。
耳に関しては聞こえにくい程度なので、薬飲んで休んでれば治るとおもいます。
ご心配おかけして申し訳ありません。

>>97
IFの仲では今回が赤城さんとしては一番、幸福な結末だったかと思います。
ご要望ありがとうございます。ドイツでとちらない提督編……オチが用意できないのでほのぼの短編集みたいなのでやってみるのもありかなぁ。
加賀さんが普段、アレっぽいのは個別編で書いていきます。
耳に関してはめまいもついてきてるのでそれがちょっと辛いですが、薬飲んでればすぐ治ると思います。
お気遣いありがとうございます。。

>>98
鈴谷も提督のこと好きな女の子ですからね、ちょっとした思い付きで言っちゃった形です


 XX06年 6月 19日

 ――12:25――

 日本 西方海域総司令部 司令長官執務室

西方海域司令長官(以下、西方)「……どうしたものかね」

西方金剛「難しい顔をしてどうしたんデース? それよりも一緒にお昼行きましょう?」

西方「あ、いや、うん……」

西方金剛「?」

西方「あ、どうもね、大規模な深海棲艦の空母機動部隊が本土へ向けて進撃してるらしい。その一波が結構な距離に分散しているようでその対処を考えていたんだ」

西方金剛「ヘェー、でも問題Nothing ! ワタシたちがそんなのどうとでもしてみせるからテートクは大船……金剛に乗ったつもりでいるネー!」

西方「ははは……しかし、うちだけではどうも手がなぁ」

西方金剛「うー……それなら機動部隊に援護を頼んでみたどうデース? Better leave it to a specialistネー」

西方「……」

西方金剛「テートク?」

西方「あ、うん、考慮しておく。お昼もすぐに合流するから先に行っておいてくれ」

西方金剛「ハイ! ちゃんとすぐに来るんですヨー?」

西方「ああ」

西方金剛「それじゃあ、失礼しマース!」

西方「ああ、うん」

 バタン

西方「……さて、本当にどうしたものか」


 ――14:30――

 日本 軍令部 機動部隊司令部

指揮官「――なるほど。君の考えはよくよく分かった。私としてはこの訓練を取り入れる根拠となる資料も十分だと思う」

提督「ハッ! ありがとうございます!」

指揮官「しかし艤装との会話か……わたしたち上層部は誰一人としてこんなことは考えてもみなかったぞ。お手柄だな」

提督「過分なお言葉ありがとうございます!」

指揮官「それで報告は以上ということでよかったな?」

提督「はい! 以上です!

指揮官「それでは下がって――」

?「あ、ちょっと待っていただいていいですか?」

指揮官「――なんの用か? 出来れば少し待っていてもらいたいのだが」

西方「や、失礼した。少しこちらの作戦に君たちも協力をしていただこうと思ってね」

指揮官「協力……? 貴様のところにか」

西方「ああ、元帥にもご許可頂いている作戦だよ」

指揮官「……分かった。それでは私はこいつと打合せがあるので、提督君は執務に戻ってくれ」

提督「かしこまりました」

西方「あ、いや、提督君にも作戦の立案に携わってほしいのだが」

指揮官「彼は忙しい。作戦立案は私と貴様の二人だけで構わんだろ? なぁ?」

西方「……あ、ああ、けれど、二人では見落としていうこともあるだろうし――」

指揮官「細かいことをグダグダいうな! 貴様、それでも日本男児か!」

西方「あ、はい」

指揮官「うむ! よし! すさまじい作戦を考えるぞ!」

西方「ああ……そうだな」

 バタン

提督「同期の桜か」ボソッ

提督「……戻ろう」


 ――15:00――

 日本 軍令部 練兵場

龍驤「ほんでな、そのから揚げがめっちゃうまかったんや」

零式艦戦52型『――』

龍驤「へぇ、キミもそうおもうん? うちもや」

阿武隈「あ、あのぉ……」

龍驤「あ? うちになんか用あるん?」

阿武隈「え、えっとぉ……はい」

龍驤「ふーん……阿武隈と話すからちょいまってってな」

零式艦戦52型『――』

龍驤「ああ、うん、了解や。どっこいっしょっと――で、どうしたん?」

阿武隈「いえ、それって訓練なんですよね?」

龍驤「せやで。艤装との連携をたかめるんや」

阿武隈「はぁ、なるほどぉ。そ、それで、その方法って魚雷とか主砲でもできるんでしょうか?」

龍驤「さぁ?」

阿武隈「えぇ……部隊は違うけどおんなじ艦娘なんだし教えてくださいよぉ」

龍驤「いや、本当にわからんのや。すまんな」

阿武隈「そうですか……残念だなぁ。こういう訓練ならみんなの危険も少しはへるかなぁと思ったんですけど……」

龍驤「まぁ、しゃーないわ。実験的なもんやし、こんなんやってんの空母でもうちだけやで?」

阿武隈「うーん、私もやるだけやってみようかなぁ……。あ、訓練中にお邪魔しましたぁ」

龍驤「別に気にしてへんで。そっちも頑張ってな」

阿武隈「はい!」タッタッタ……

龍驤「さて、えっと……どこまで話ったけ? ああ、そや、から揚げのはなしやったな」

零式艦戦52型『――』


龍驤「そんで『こんな美味しいならまた釣りに行きたいなぁ』っていったら、司令官がまたお休み合わせて連れってってくれるっていうんよ。え? キミもいきたいん? んー、ちょっと無理かもしれんなぁ」

提督「頑張ってるようだな」

龍驤「うん、まぁな。それで報告ってもうおわったん?」

提督「ああ、上々であったぞ。君のおかげで私の評価も上がっているようだ」

龍驤「ほーん、そりゃあウチも鼻が高いわ」

提督「くくく……ああ、草加越谷千住の先というものだな」

龍驤「相変わらず酷薄に見える笑顔やなぁ……」

提督「……」

龍驤「あ、ごめん。ごめんって」

提督「別になにもいってないだろ。それよりも夕食だ、豪勢にいくぞ」

龍驤「豪勢って……焼肉とか?」

提督「ん? 焼肉がいいのか?」

龍驤「いや、打ち上げっていえばそんなかんじなんかなぁって」

提督「別にそれでも構わんが……問題は今からだとあそこの店の予約が取れるかだな」ブツブツ

龍驤「んーん、別に司令官が用意してくれてたんでええよ」

提督「……そうか。まぁ、楽しみにしておいてくれ」

龍驤「うん!」


 ――16:20――

 日本 軍令部 練兵場

提督「さて、なにかいい魚でもあればいいのだが……いや、肉も野菜も用意してやらんとな……くくく……」ブツブツ

?「なにをブツブツ言ってるんだい?」

提督「!? こ、これは司令官、失礼しました」ビシッ!

第六戦隊司令官「そんなに慌てなくてもべつに構わないよ。それにしても久しぶりだね、元気そうでよかったよ」

提督「はい! おかげさまで日夜、任務に全力であったっています」

第6戦隊司令官「僕が言うのもなんだけど、君は相変わらず堅いね」

提督「そういう性分ですので……。しかし、司令官も前回お会いした時は胃腸のほうがよろしくないと仰っていましたがお元気そうで何よりです」

第6戦隊司令官「おお、やはりそうみえるかい? いや。最近はね、秘書艦の子が色々と世話を焼いてくれるおかげですこぶる調子がいいんだよ」

提督「なるほど」

第6戦隊司令官「あはは……しかし、こうも密に接すると必要以上に情がうつってしまうものだね。なかなかああいう出来た子っていうのはいないからね、戦地に送るのは心苦しくてしょうがないんだよ」

提督「失礼とは思いますが、そのお考えは……」

第6戦隊司令官「だけれど、あの姿かたちだからねぇ。僕のようなおじさんにはどうしても大きな娘が出来たように感じてしまってね」

提督「……」

第6戦隊司令官「はは、無駄話が過ぎたね。すまない」

提督「いえ、こちらこそ司令官のお考えに異を唱えるような真似をしてしまい申し訳ありませんでした」

第6戦隊司令官「別に謝ることじゃないさ。僕みたいな事務屋上がりが未来の上官に頭を下げさせたとあっては報復が怖いからね、はは」

提督「未来の上官など……冗談が過ぎます」

第6戦隊司令官「本気――」

?「司令官―! どこですかー!」

第6戦隊司令官「おお、青葉、ここにいるぞ! それで、そんなにあわててどうしたんだい?」

第6戦隊青葉「どうしたんだい、じゃないですよ! 一緒にご飯食べるっていったじゃないですか! ずっと探してたんですよ!」

第6戦隊司令官「……ああ! 急きょ、会議に呼ばれて失念してた」

第6戦隊青葉「もう! 青葉との約束はともかく毎食ちゃんと食べるように言ってるじゃないですか!」

第6戦隊司令官「はは、すまん、すまん。よし、食堂に今から行くのもアレだし外に食べにいくか」

提督「……それでは私はこれで――」

第6戦隊司令官「ああ、待った、待った。紹介しておこう、これがさっきから話してたうちの秘書官の青葉だよ」

第6戦隊青葉「えっと、第6戦隊旗艦の青葉です。よろしくお願いします」

提督「機動部隊指揮官傘下の空母運用実験部隊の――だ、よろしく」

第6戦隊青葉「恐縮です」

第6戦隊司令官「ほら、いい子だろ?」

第6戦隊青葉「なんか子ども扱いしてません?」

第6戦隊司令官「私から見たら君たちは子供みたいなものだから」

第6戦隊青葉「うーん……この反応は……うーん……」

提督「……」

第6戦隊司令官「ああ、失礼したね。それでは私たちはこれからご飯を食べに行ってくるよ。はは、こういう時は出世しておいてよかったと思うね」

提督「どうぞお気をつけてください」ビシッ!

第6戦隊司令官「ありがとう。さて、青葉は何がたべたい?」

青葉「えっと、うーん……司令官にお任せします!」

第6戦隊司令官「そうか、そうか。はは」

提督「……子供か。私は――」


 ――17:30――

 日本 軍令部 艦娘用食堂調理場

提督「……」トントン

間宮「あら、こんにちは」

提督「……ああ」トントン

間宮「えっと、おっきいカレイですねぇ。どうなさるんですか?」

提督「煮魚にしようとおもっている」

間宮「ああ、いいですねぇ! もう旬って言ってもいいでしょうし私も食べたいなぁ」

提督「……悪いが今日は無理だ」

間宮「えぇ、そうですよねー。だって龍驤さんと一緒に食べるんですもんね? 」

提督「は? なんで知ってる?」

間宮「え? うーん……勘です」

提督「勘でそこまでわかってたまるか」

間宮「あはは……でも、本当に勘ですよ? 他に何か知る方法ってあるんですか?」ニコニコ

提督「うっ……そ、そうだな、うむ」

間宮「それにしても提督と龍驤さんって仲良しですよね」

提督「艦娘との信頼関係は重要だからな」

間宮「ええ、その通りですよね!」

提督「……なぜ君はそんな嬉しそうなのかね」

間宮「えぇ? またそういう風に意地悪いうんですからぁ。だめですよ?」

提督「う、うむ……」

間宮「うふふ、よろしければ私もお手伝いしますよ?」

提督「……結構だ」

間宮「そんな遠慮しないでくださいよぉ」

提督「うぐっ……いや、言いにくいのだが黙ってみていてくれ」

間宮「えぇ、わっかりましたぁ!」

提督「お、おう」

提督(相変わらずわけの分からん奴だな……)


 ――19:00――

 日本 軍令部 空母寮 龍驤と鳳翔の部屋

鳳翔「え……? 今日もご飯外で食べてくるの?」

龍驤「うん! 司令官がご褒美でええもんたべさせてくれるんやって!」

鳳翔「……」

龍驤「ん? どないしたん?」

鳳翔「うんん。なんでもない」

龍驤「いやいや、大丈夫って感じやないやん。しゃーないなぁ、お姉さんが相談のったる」

鳳翔「ふふ……いえ、怒らないでほしいのだけれどあなたが羨ましいなぁって思って」

龍驤「羨ましい? ウチのことが?」

鳳翔「ええ。だって、ここのところ毎日楽しそうにしているじゃない」

龍驤「……せやね。まぁ、楽しくやってるわ」

鳳翔「それが羨ましいなぁって」

龍驤「け、けど、機動部隊だっていろいろあって楽しいってこの間はいってたやん? ほら、赤城とか加賀のこととか」

鳳翔「うっ……」

龍驤「ん? どないしたん?」

鳳翔「あの、その、こんなことを私が言うのはどうかと思うのだけれど、その二人のことでちょっとあって……」

龍驤「その様子じゃ、だいぶ参ってるようやね」

鳳翔「……あの、最近、赤城がちょっと怖いの」

龍驤「はぁ? 怖いってどういうことなん?」

鳳翔「……この間、あの子たちの初出撃について行った」

龍驤「ほーん、なんや轟沈しかけたとかか?」

鳳翔「近いかもしれないわ……」

龍驤「そういう向こう見ずなところが怖いんか。なるほどな、それなら目を離さんように――」

鳳翔「違うの! そうじゃないの……」

龍驤「お、おう」


鳳翔「自分がいくら攻撃を受けても楽しそうにしてるの」

龍驤「……艦娘にはそういうのもおるって。それでも元が軍艦なんや、上官の命令が絶対っちゅうことはわかってるはずや。そんなに心配する必要ないんとちゃうかな?」

鳳翔「……そう、よね」

龍驤「鳳翔は色々と考えすぎなんよ。ウチとウチの司令官を見てみぃ、毎日、思い付きで生きとやん? って、それじゃダメか、あはは……」

鳳翔「ふふ……ごめんなさいね。気を使わせてしまって」

龍驤「別にかまへんて。ウチと鳳翔の仲やん」

鳳翔「ありがとう。あなたがお友達で本当によかったわ」

龍驤「ちょっとやめてぇな。照れてまうやん」

鳳翔「ふふ……」

龍驤「ふふ……」

 コン、コン

龍驤「! あ、司令官や! 鳳翔、行ってくるな!」

鳳翔「ええ、気を付けてね」

龍驤「うん!」

ガチャ

龍驤「おまたせ!」

提督「ああ、随分と待ったな」

龍驤「え……?」

提督「あ、いや、冗談だ。おかしいな、あいつの時は……」ブツブツ

龍驤「それならもっと笑っていってや。ホンマに怒ってるかと思って損したわ」

提督「むむむ……すまん」

龍驤「ウチは寛大やからね。許したるわ」

提督「そ、そうか。しかし、自分でそういうことを言うのはどうかと思うぞ?」

龍驤「いや、冗談やって……」

提督「……分かっていた」

龍驤「嘘ついたらあかんで?」

提督「うぐぐ……」

龍驤「あはは……」


 ――19:20――

 日本 軍令部 提督私室

龍驤「ふぁぁ! すっごい! なにこれ! 全部、キミが作ったん?」

提督「ああ。しかし、打ち上げという意味なら外に連れて行ったほうが良かったかもしれんな」

龍驤「えー? そんなことないで? ウチ、めっちゃ嬉しいもん」

提督「そ、そうか? ならよかった」

龍驤「うん!」

提督「……ああ」

龍驤「よっしゃ! いっぱい食べるでー!」

提督「色々と用意したんだ栄養を考えて食べるように」

龍驤「なぁなぁ、なにがおすすめなん?」

提督「お前、人の話を聞いてたか? ――まぁ、いい。魚屋でな、いいカレイをみつけたんでな、煮つけにしてみた」

龍驤「ハムッ! あ、マジやん、めっちゃ美味しい!」

提督「くっくっく……そうか、そうか」

龍驤「だからその笑い方は――あー、うん、まぁええか。それよりも今はご飯やもんね」

提督「……まぁ、いいさ。パクッ……しかし、どうも自分で作った料理というのは粗が目立つな」

龍驤「えー? そうなん?」

提督「ああ、もっとうまくできるのではないかと思ってしまう」

龍驤「それは自分に厳しすぎるんとちゃう? 十分やと思うけどなぁ」

提督「そんなことはない。なんにしても現状に満足してはならんのだ」

龍驤「はぁ、なるほどなぁ」

提督「いいか、君も常に向上心を忘れないようにしてだな――」

龍驤「あ! いや! ほら! しっかし、あれやね。司令官は本当にいろんなことが出来て凄いわ!」

提督「……そんなことはない、私なんて軍人にしかなれなかった男だ。過大評価だよ」

龍驤「ううん? そうかなぁ? これだけ作れるんやからコックさんとか、えっと、あとは……せや! 案外、学校の先生とか向いてたんやちゃう?」

提督「調理師はともかく、教師か……考えてみたこともなかったな」

龍驤「似合うと思うで! なぁなぁ、司令官はなんで軍人になったん?」

提督「……どういう意味だ?」

龍驤「え? いや、その……あの……」

提督「……いや、すまなかった。別に面白いことなどない、私が軍人になった理由などありふれたつまらないものだ。気にしないでくれ」

龍驤「……うん」

提督「はぁ……家族がな、この戦争で死んだのだ」

龍驤「ご、ごめん」

提督「別に構わんさ。さぁ、そんなことは気にしないで食べてくれ」

龍驤「う、うん! あ! これとかめっちゃ美味しいわ! 鳳翔にも負けてへん!」

提督「そうか、そうか、それは良かった。ところで君はどうなんだ?」

龍驤「え? ウチ?」

提督「ああ、鳳翔と二人で生活しているというなら君も料理ぐらいしているだろ?」

龍驤「あ、あはは……」

提督「……察した。結構だ」


龍驤「や! あれやで!? たこ焼きとかもんじゃとか得意や!」

提督「もんじゃ? ああ、そうか、そうだよな」

龍驤「い、今のなし! ウチはお好み焼きが得意なんやで?」

提督「ああ……しかし、みごとに粉ものだな」

龍驤「うぐっ……!? ええやん! 粉もんおいしいやん!」

提督「美味いのは認めるがそれだけだと――くっくっく、大きくなれないぞ」

龍驤「じゃかあしいわ!キミがセクハラとかするとはおもわんかったわ!」

提督「はぁ? セクハラ?」

龍驤「せや! 誰がまな板やっちゅうねん! ちゃんと凹凸ぐらいあるわ!」

提督「……背のことだったのだがな」

龍驤「ふぁ!?」

提督「……」

龍驤「……」

提督「そ、そういえば、あれだ、近々大規模な戦いが起こるかもしれんので留意しておいてくれ」

龍驤「大規模な戦い?」

提督「ああ、どうも硫黄島あたりがきな臭くなっていると噂で聞いたのでな」

龍驤「ほーん、硫黄島に――って、それやばいんとちゃうん?」

提督「ああ、ヤバいなどと簡単な言葉で言い表せないほどにまずい。おまけに敵は空母を主体とした機動部隊だというからな、本土まで空襲が来る可能性がある。空母運用の研究という実験的な部隊である私たちにも出撃の要請が来る可能性が高い、ゆめゆめ用意は怠らないように」

龍驤「……いやぁ、司令官なり話題変えようとしてくれたんかもしれんけど、この話題は重すぎるわ」

提督「すまん。しかし、そういううわさが出ているのも事実なのだ。伝えておかねばと思っていてな」

龍驤「ああ、うん……えっと、まぁ、この龍驤さんに任しとき! 司令官が驚くような大戦果あげてみせたる!」

提督「はっはっは……! 頼もしい限りだ。しかし、無理はするなよ」

龍驤「う、うん。あのな、し、司令官も無理せんでな? な、なんてな、エヘヘ……」

提督「……」

龍驤「司令官?」

提督「ああ、分かった」

龍驤「あの、どうし――」

 ジリジリジリリン……

提督「ん? 内線だ。ちょっと待っててくれ」

龍驤「あ、うん」


提督「はい、――です」

西方『ああ、もしもし? お疲れさま。西方海域司令長官の――だけれど』

提督「! お、お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!」

西方『あ、いや、大丈夫だよ。それで用件なんだけど、1週間後に硫黄島方面に展開している深海棲艦の機動部隊を叩くために出撃することになった。君と龍驤にも出てもらうつもりだから装備の点検など入念に用意をしておくように』

提督「かしこまりました。身命を賭してお国のために働く所存です」

西方『あはは……うん、そうしてくれると彼も助かると思う。訓練の成果をよくよく見せてくれ』

提督「はい!」

西方『作戦の詳細は現地で指揮を執る指揮官から招集がかかると思うから、そこで聞くように』

提督「はい!」

西方『さて、それでは武運を祈っているよ。それではね』

提督「ありがとうございました!」

西方『はは……』

 ブチッ――ツー、ツー……

龍驤「あの、なにかあったん?」

提督「……さきほど言ったとおりだ。硫黄島近海で大規模な敵機動部隊敵が発見されたとのことだ」

龍驤「うん……」

提督「そんな不安そうな顔をするな、訓練はしたじゃないか。大丈夫だ、大丈夫。」

龍驤「そういうわけじゃなくて……司令官も気ぃ付けてな」

提督「私がか? ああ、分かった」

龍驤「約束やで?」

提督「……ああ」

龍驤「ちゃんと目を見て言って」

提督「ああ、大丈夫だ、大丈夫」


昏冥流亡Ⅳ 艦


  予告

太平洋硫黄島の海原に唸る巨砲
叢雲を散らす深海からの殺風
相容れぬ憎悪に震える背に、添う三白眼が映すは、苦悶
無明の淵に立つ者たちの魂が咽び、祈り、やがて、震える刃となる
次回 昏冥流亡・終

次回じゃない次回予告。
アレだし次回予告はやめてたんですが、バジリスク系のタイトルだけはパロディというか改変的なものを入れます。

大変、お待たせして申し訳ありませんでした。
お待ちいただいていた方がいっらしゃればありがとうございます。
仕事忙しかったのも勿論あるんですが、12月中盤からはTwitterで呟いてたように艦これのアーケードに夢中になってました。
……詐欺ばっかりはたらいて本当にすみませんでした。

次回の更新ですが、本日の20時からコンマ取らせていただいて、明日には投稿できるようにしたいと思ってます。
番外編の方も明日一緒にできたらやる予定です。

それではゲーセン行ってきます。失礼しました。

先ほどの更新ではすっかり忘れておりましたが、明けましておめでとうございます。
喪中のかたには失礼しました。
そう言えばお正月で休みなんですよね……ボケかな?

それではコンマいきます

提督からガンビアベイへの感情度 ↓コンマ以下
ガンビアベイから提督への感情度 ↓↓コンマ以下

ご協力ありがとうございます!
平和なコンマですね。それに妥当感が半端ない数字な気がします。

提督からガンビアベイへの感情度:58
ガンビアベイから提督への感情度:35

久しぶりに現在の病院からスタートになります。
中章の行き先安価は明日の更新でとります。

もしもしからなのでレス返出来ませんがいただきましたレスはありがたく読んでおります。
久しぶりの更新にも関わらずレスして本当にいただいてありがとうございます。

それではこれだけで申し訳ないのですが失礼します。

更新始めていきます。
途中までできているのでそこまでは一気にやって、その後はのろのろ更新していきます。


 XX18年 1月

 ――12:30――

 ルソン島 海軍病院 入口付近

ガンビアベイ「ま、まってくださいー!」

アイオワ「んー、あっちに面白そうなものがある気がするわ! Follow me Gambier Bay!」

ガンビアベイ「ふぇー! あ、Iowaさーん、そんなことよりも、は、はやくAdmiralにあいさつ行かないといけないんじゃ?」

アイオワ「いいの、いいの! せっかくここまで来たんだから楽しまないと損よ!」

ガンビアベイ「えぇー! そ、そんなぁ……」

アイオワ「? そんなに早くAdmiralにあいたいの?」

ガンビアベイ「そ、そういうわけじゃなくて、えっと、早くしないと怒られちゃいませんか……?」

アイオワ「It's OK!」

ガンビアベイ「ふぇ!?」

アイオワ「let's go!」

ガンビアベイ「えぇー!?」


 XX18年 1月

 ――12:30――

 ルソン島 海軍病院 中央病棟

鈴谷「ね、大丈夫? 肩、貸そっか?」

提督「いらん」コツン、コツン

鈴谷「もー、怪我してるんだからそんな無理しなくてもいいのに」

提督「栄えある帝国軍人がこうして松葉づえをつけば歩けるのに女性の肩を借りるなどみっともない真似ができるか」

鈴谷「はい、はい。まぁ、面子も大事にしないといけないのは分かるけど療養のほうが大事だってことはわかってるよね?」

提督「勿論だ」

鈴谷「それならいいけどさぁ……」

提督「なんだその不安そうな言い方は。いいか? 私も鎮守府が心配なのだ。本来ならば今すぐにでも戻りたいぐらいだが、こうして療養しているではないか。私の代行をしているのが少将ならともかくアレではおちおち寝てもいられんというのに……」ブツブツ

鈴谷「んー。女提督さんも頑張ってると思うけどなぁ」

提督「はっ! 頑張ってるねぇ……」

鈴谷「結果が上がらなきゃダメなのはわかるけど、そういういい方はやめた方がいいよ?」

提督「う、うむ」

鈴谷「ねね、それよりもそこ曲がると売店あるから何かかってこうよ?」

提督「ああ、そうだ――」

?「ふぇんんんー! どこですかー!?」

提督「なっ!?」

?「あ!」

鈴谷「あ、危な――!」

ドンガラガッシャーン!

提督「うぐぐ……!? お、おぉぉぉぉ!! うごごごご……!!」

鈴谷「ちょ、ちょっと!? ものすごい勢いでぶつかったけど、だ、大丈夫!?」

提督「だ、大丈夫だ、大丈夫。問題など、な、ない……」

鈴谷「いやいや、すっごい顔してるよ!?」

ガンビアベイ「い、痛い……。う、うえ、えっと、その……あわわ……」

鈴谷「ちょっと! 病院で走るなんてあなた何考えてんの!」

ガンビアベイ「ひう!?」


提督「か、構わん……大声を出すな」プルプル

鈴谷「け、けど……」

提督「い、いいかね? こういうことがあるから気をつけねばいけないぞ?」ギロッ

ガンビアベイ「ひぃ!?」

ガンビアベイ(very scared……!! Probably this guy is Japanese mafia! u、um Yakuza!?)

提督「ど、どうかしたかね?」

ガンビアベイ「あわわ……I’m sorry!! ご、ごめんさーい!!」ビューン

提督「あ、待て! だから、走るなと――」

鈴谷「行っちゃったね……」

提督「あ、ああ……」

鈴谷「それより提督、ああいうときは相手が女の子でもちゃんと怒らないとダメだよ!」

提督「し、しかしだな。あまり民間人をどなっては我々大日本帝国海軍の心証が悪くなるだろ」

鈴谷「いまは患者衣着てるんだからそんなことわかんないでしょ?」

提督「馬鹿。ここは軍人病院だぞ」

鈴谷「あ、そっか」

提督「分かったなら……あの、その、だな……」ボソボソ

鈴谷「ん? どうしたの?」

提督「……立たせてくれ」

鈴谷「いや、けが人なんだからそんなに恥ずかしがることじゃないって」

提督「うぐぐ……!!」

鈴谷「はぁ……えっと、松葉づえ持てる?」

提督「持てる。持てるから早くしてくれ!」

鈴谷「うん。よいしょ、よいしょっと……じゃあ、力入れるね?」

提督「うむ……」

鈴谷「えいしょっと」

提督「……クソ。ひどい目にあった」

鈴谷「そう思うならちゃんと注意しないとダメじゃん。また提督みたいにぶつかる人出てくるかもしれないんだよ?」

提督「むむむ……」

鈴谷「『むむむ……』じゃないでしょ、『むむむ……』じゃ」

提督「案外に似てるな」

鈴谷「はぁ?」

提督「私の声真似だ」

鈴谷「あのさぁ、そんなこといってる場合じゃないでしょ?」

提督「う、うむ、すまん……」

>>1です。
長らく放置してしまいまして申し訳ありません。
骨盤の腸骨という部分をおって現在、入院しております。あと二週間ほどはベッドを起こせないのですが、書きたいことはつもっていくばかりなのでスマホから更新再開いたします。
レスの速度が亀になりますが、ちょろちょろとまたやっていきますのでよろしければお付き合いください。

最後になりましたが報告が遅くなって申し訳ありませんでした。


ーー13:00ーー

ルソン島 海軍病院 2階談話室

負傷兵「――ということがあったのです」

アイオワ「Fortune favors the bold! It’s Great!」

負傷兵「?」

アイオワ「えっと……あなたってすっごいのね! とっても勇敢だから生き残れたのだと思うわ!」

負傷兵「い、いや、私は命令に従っただけで……」

アイオワ「ううん、そんなことないよ! Great よ!」

負傷兵「あ、ありがとうございます」

アイオワ「? お礼を言われる――」

ガンビアベイ「ふぅふう……や、やっと見つけましたぁ……」

アイオワ「んー? あら、Gambier Bay どうしたのそんなに息を切らして?」

ガンビアベイ「私のことIowaさんがおいっていっちゃったんじゃないですかぁ……」

アイオワ「あー……Sorry!」

ガンビアベイ「うぅぅ……怖い人にぶつかっちゃうし、Admiralに会いにいかないといけないし、もう無理、本当に無理、絶対に無理……」

アイオワ「怖い人?」

ガンビアベイ「あ、あの、おっかない人にアイオワさん探してる途中にぶつかちゃったんです……あううう……」

アイオワ「ちゃんとあやまったの?」

ガンビアベイ「うっ……は、はい……」

負傷兵「……その、ぶつかったのはどんなひとですか?」

アイオワ「ん? どうしたの?」

負傷兵「いや、いま入院してる方にニトログリセリンと呼ばれている方がいるので。その人だったらまずいかと思ったので」

ガンビアベイ「ニ、ニトログリセリンって、あの、その……」

負傷兵「それぐらい激烈な性格をなさっているということです」

ガンビアべイ「うぅぅ……」

負傷兵「まぁ、それほど怒られたようではないので違うとは思いますが。くふふ……私が言ってる人なら病院中に響くぐらい怒鳴ると思いますよ」

ガンビアベイ「そ、そうですよね!」

負傷兵「ええ、ええ」ニコニコ

アイオワ「……あの、ごめんなさい。その人のName教えてもらってもいい?」

負傷兵「? えっと、たしか――中将だったかな。今は――鎮守府の鎮守府司令官をなさっているはずですよ」

アイオワ「Oh……」


ガンビアベイ「あ、あの、急に頭抱えてどうしたんです?」

アイオワ「……それ、MeたちのAdmiralのことね」

負傷兵「!? こ、このことはどうか内密に……」

アイオワ「OK,OK。もちろんよ」

負傷兵「ほっ……」

ガンビアベイ「ひぃぃ……あの、そんなに怖い人なんですか……?」

アイオワ「んー……Meはそんな風に思わないけどね。本家と違ってなんでもかんでも揉み消すことなかれ主義者ってわけじゃないし」

ガンビアベイ「本家……?」

アイオワ「Ernest Joseph Kingのことでしょ?」

ガンビアベイ「あー!」

アイオワ「!」

ガンビベイ「あの、急にそんな顔してどうしたんです?」

アイオワ「シー!」

ガンビアベイ「はぁ」

アイオワ「ゴホン、Meたちの英雄を蔑称みたいにつかわれるのは気持ちよくないわね」

負傷兵「あ、いや、その……すみません。あなたがたに配慮が足りませんでした」

アイオワ「ぷっ……」

ガンビアベイ「へ? あ、あの、どうかしたんですか?」

アイオワ「AHAHAHA……! ご、ごめんなさい、さっきのはJokeよ。It`s Joke.」

負傷兵「はぁ?」

アイオワ「Ernest についてはBullだってChesterだって悪く言ってるんだし、そんなことでMeは怒らないわ。And they are excellent Persons! まぁ、性格はアレだけどね」

負傷兵「はぁ……驚きましたが怒ってらっしゃらないようならよかった」

アイオワ「ふふ……MeたちのAdmiralを悪く言った罰よ」

負傷兵「はは……きつい冗談だなぁ」

アイオワ「よっこいっしょっと。いろいろとお話しできて楽しかっわ! Thank you!」

負傷兵「ええ、私も女性と話せて久しぶりに楽しかったです」

アイオワ「また会いましょうね、Bye!」

ガンビアベイ「ふぇ!? え、えっと、その、ありがとうございました!」

負傷兵「ええ、あなた方にご武運を」


――13:40――

ルソン島 海軍病院 提督病室

提督「くそ、打ったしりがまだ痛い」

鈴谷「はい、はい」

潮「あの、なにかあったんですか?」

提督「なんでもない!」

潮「ご、ごめんなさい」

鈴谷「はぁ……潮ちゃんにあたらないでよ」

提督「あたってない! 事実を告げたまでだ!」

鈴谷「もう! 子供じゃないんだから――」

潮「あ、あの、鈴谷さん、大丈夫ですから」

鈴谷「駄目だって。潮ちゃんは提督に甘すぎるんだよ」

潮「そ、そんなことは……」

バーン!

アイオワ「Hey! Admiral お見舞いにきたわよ!」

提督「……おい、ここはどこだ?」

アイオワ「? え、スズーヤ、Admiralって頭にもけがしてたの?」

提督「してない! 病院なのだからドアを開けるにしても静かにしろといっているのだ!」

アイオワ「アー、Sorry! それよりも元気そうでなによりよ!」

提督「うぐぐ……!! ちょっとは反省という――あん?」

アイオワ「? どうかしたの?」

提督「おい、お前の横にいる子だがどうしたのだ? 誘拐でもしてきたか?」

アイオワ「HAHAHA……! Nice Joke! ほら、挨拶して」

ガンビアベイ「あう……あの、その、きょ、今日から着任したGamb――」

提督「待て!」

ガンビアベイ「ひぃう!?」

提督「いま、着任といったか?」

ガンビアベイ「は、はい」

提督「ということは君――いや、お前は艦娘ということだな?」

ガンビアベイ「?」

提督「返事は早くしろ!」

ガンビアベイ「は、はい! そ、そうですぅ……」

提督「……」プルプル

鈴谷「はぁ……あの、耳ふさいだ方がいいよ?」

ガンビアベイ「へ? あの、どういう――」

提督「こんの……なにを考えているのだ、この馬鹿!!!」

ガンビアベイ「ひゃああ……!! ひぃぃぃ……!!」

提督「なんだお前に常識というものはないのか!? 病院で走るなどいまどき子供でもせんわ!! 海の底に常識――いや、頭の中身を忘れてきたというならばすぐに取りに行け!! いや、私がとりにいかせてやる!!」

潮「あわわ……あの、落ち着いてください」

提督「うるさい! こんな間抜けが私の部下になるなど耐え切れん! 砲塔に詰め込んですぐに亜米利加に送り返してやる! 覚悟しろよ!!」

ガンビアベイ「ひぃぃぃ……Sorry!!」

提督「なんだお前は密偵か何か!? 私の血管をきれさせることでの謀殺でも企んでいるのか!? 素直に言えば10年の独房送りで許してやるぞ!」

鈴谷「あ、あの、提督、落ち着いて?」


提督「これがおちついていられるか!」

ガンビアベイ「うぅぅ……ご、ごめんなさい……」

アイオワ「はぁ……Admiral!」

提督「はぁはぁ……あ? なんだ?」

アイオワ「Gambier Bayも謝ってるんだし、それぐらいでいいでしょ? ね?」

提督「そんなわけがないだろ! いいか、私だったからいいもののほかの病人にぶつかっていたらどうしたつもりなのだ!? 極端なことを言うが、取り返しのつかないことになっていた可能性もあるのだぞ!」

鈴谷「だから、あの時もちゃんと怒れっていったのに」ボソッ

提督「注意はした! しかし民間人ではなく私の部下ともなれば、あの程度で済ませるか! 徹底的に教育してやる! 覚悟しろよ、この馬鹿が!!」

Gambier Bay「うぅぅぅ……うううう……」

提督「ん?」

Gambier Bay「――うぇぇぇぇんん……!!!」

提督「!?」

鈴谷「あーあ、泣かせちゃった……」

提督「ば、馬鹿! ぐ、軍人がこの程度、泣くなど――う、潮!」

潮「は、はい!」

提督「何とかしろ! いや、なんとかしてくれ!」

潮「なんとかっていっても……あの、うーん……」

提督「うぐぐ……よし、分かった! 鈴谷、ココアでもいれてやれ!」

鈴谷「えー、提督が責任とっていれてあげなよ」

提督「この状態でどうしろというのだ! よし、分かった言い過ぎたかもしれん! よし、分かった! 飴をやろう!」

ガンビアベイ「うぅ……」

提督「ほっ……泣き止んだか……」

ガンビアベイ「ぐすっ……うぅぅ……ご、ごめんなさい……」

提督「……う、うむ」

アイオワ「Oh……これが雨降って地固まるってやつね!」

提督「うるさい!!」

ガンビアベイ「ひぃぃ……」

提督「いや、おまえにいったわけじゃない! よし、ほら煎餅を食え!」

潮「へぇ……」

提督「な、なんだ」

潮「あ、いえ、なんでもないです」

提督「うぐぐぐ……なぜこうなるのだ……!」


――15:50――

ルソン島 港付近

アイオワ「ほら、あんまり怖くなかったでしょ?」

ガンビアベイ「あう……お菓子はいっぱいもらえたけど、怖かったです……」

アイオワ「うーん……意見の相違ね」

ガンビアベイ「あの……私、こんなのでちゃんとやっていけるんでしょうか……?」

アイオワ「hummm……鎮守府の子は皆優しいし、大丈夫よ」

ガンビアベイ「ほっ……よかったぁ……」

アイオワ「あ。一人、怖い子がいるわよ!」

ガンビアベイ「え……だ、誰なんですか!?」

アイオワ「空母のアカーギ。絶対に怒らせちゃだめよ?」

ガンビアベイ「く、空母……」

アイオワ「でも大丈夫。あなたに怒ったりすることはないと思うから」

ガンビアベイ「ほんとうですか……?」

アイオワ「Yes!」

ガンビアベイ「よかったぁ……」

アイオワ「あ……」

ガンビアベイ「え? こ、今度はどうしたんです!?」

アイオワ「もうこんな時間。もうすぐ船が出ちゃうわ! Hurry up!」

ガンビアベイ「へ? えぇぇぇ……!! ま、待ってくださーい!」

――15:50――

ルソン島 海軍病院 提督病室

提督「くそ……散々な目にあった。潮、これで何か甘いものでも買ってきてくれ」

潮「は、はい。えっと……」ウルウル

提督「? 早くいけ」

潮「……はい」

提督「あ、待て」

潮「! はい!」

提督「急ぐのはいいが走るなよ?」

潮「……はい」

提督「?? なにをあいつは残念そうな顔をしているのだ」

鈴谷「はぁ……教育に悪いなぁ」

提督「なんのことだ?」

鈴谷「別になんでもないよ」

提督「そうか。はぁ……しかし随分と骨を折らされた」

鈴谷「あー、うん、自分が蒔いた種だったけど大変だったね」

提督「まったくだ」

鈴谷「じゃあ、お疲れ様のココア入れてあげるね」

提督「うむ、頼むぞ」

鈴谷「素直でよろしい! けど意外だったなぁ、提督なら泣かれようが何しようが怒ったら怒りっぱなしだと思ったから」

提督「ふん……あれほど泣かれると普通の子供の相手をしているような気がしてしまってかなわん」

鈴谷「あはは……提督も人の子ってことか」

提督「お前なぁ……私をなんだとおもってるのだ!」

鈴谷「え? 私の大切な人……なーんちゃって!」

提督「……」

鈴谷「ちょ、ちょっとそんなあきれた顔しないでよ! ちょー恥ずかしいじゃん!」

提督「ははは……では、どういう顔をしろというのだ?」

鈴谷「うー、もう! 意地悪!」

提督「そんなこっぱずかしいことをいわれれば、こういう反応にもなるだろ!!」

ワー、ワー、ギャーギャ

 ガンビアベイ編 艦

そういえば択捉の前に安価募集だったような

なんだと……?
そういえば幼い感じの艦娘には割かし好かれてるんですよね……

択捉から提督への感情度が90を超えています!
好感度コンマに移行します!

提督から択捉への好感度 ↓コンマ以下
択捉から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

>>522
更新の時間がかかりすぎたので人がいるかなぁって思ったんですが、コンマの速さ的にできそうですね……
ただツイッターの方で報告しただけだったので、知らない人もいるだろうし明日にいつもどおりの5つ分で安価とります。
グダグダで申し訳ありません……

>>524
なら大変だと思いますがいつ頃更新かだけ教えてもらえれば…

あれ? これ爆弾じゃね?って調べたら案の定、爆弾ですね。
しかもこれ提督からの感情度低いから表現が悪いけどストカー型の爆弾ですね……
この数値はさすがに予防線張っておきますがこのスレの択捉はこの鎮守府の択捉です。皆さんのところの択捉じゃないからね……

提督から択捉への感情度:25  提督から択捉への好感度:18

択捉から提督への感情度:100  択捉から提督への好感度:10

>>527
更新自体はお昼ぐらいから初めて安価は20:00からとらせていただきます。
こちらの不適際でグダグダになってしまったのにお気遣いいただきありがとうございます。


読んでいただいてありがとうございます! それでは寝ます!おやすみなさい!

おつおつ
いっちお大事にね

>>1です。
昼からすると言った更新ですが、現状、人に見せられる出来になってないのでもう少しお待ちください。
なんかとんでもな感じが拭えず……なんとか今日中に形にしたいと思います。

安価は時間通り20:00に行いますのでこれからお品書き投稿いたします。
よろしければご参加ください。

>>534
ありがとうございます。
ここ2年は胃潰瘍、骨折と付いてないです……

現在、新規の艦娘選択によるコンマか既出の艦娘を使ったお話かを安価で決定しています。
既出の子のお話は後述のお品書きを参考にどうぞ。
※ ()内がメインのキャラになります。

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せⅡ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室Ⅲ(弥生、川内)
3、赤城日記Ⅱ(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
6、羽黒と加賀Ⅲ(羽黒・加賀)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅲ(提督、グラーフ)
8、あきつ丸VS提督Ⅱ(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴、択捉)←改
10、加賀の鎮守府ぶらり旅Ⅱ(加賀)
11、霞の不覚(霞)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をⅡ(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶⅡ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅣ(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界Ⅱ(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音Ⅲ(鈴谷)
25、提督ラヂオⅢ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件Ⅲ (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡・終(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸・神威)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
43、胡蝶乱舞(蒼龍)
44、降涙恋慕(赤城・鳳翔)
45、萩風提督観察日記(萩風、川内、赤城)
46、哀絶霖雨(川内、神通、那珂)
47、あの航路へと(隼鷹、飛鷹)
48、鎮守府料理大会(川内or由良or神通)
49.彼岸花の私(瑞鶴)
50.鹿島が来りて笛をふく(鹿島)
51、舞鶴鎮守府殺人事件←NEW
52、父の背におわれて(金剛)←NEW
その他、新艦好感度コンマ(記名)

【未開放】

ドイツ組と観劇【プリンツの感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【国後・占守の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【日向・朝霜の感情度コンマで解放】
UV【特殊コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯Ⅱ【鳥海の感情度コンマで解放】
パラワン水道の作戦会議【武蔵・山城・扶桑の感情度コンマで解放】
オフィーリア【扶桑の感情度コンマで解放】
青葉の鎮守府新聞禄【青葉の感情度コンマで解放】
静夜の思ひ【山城の感情度コンマで解放】
ダス・ゲマイネ【扶桑・山城・陸奥の感情度コンマで解放】
鉄のロバ【サラトガの感情度コンマで解放】←NEW
張耳と 陳余【次回中章終了で解放】←NEW

北号作戦に注目してたが金剛の追加シナリオも気になる

>>538
追加の内容はTwitterで呟いた提督が空襲をうけるまえのお話になります

時間となりましたので安価とらせていただきます。

お品書きの番号もしくはコンマとる場合は艦娘の名前をご入力お願いします。
それでは先着で5つ採用となります


↓×2
↓×3
↓×4
↓×5

久しぶりだったので埋まるかなと思っていたのですが、凄まじい速さで驚きました。
いや、本当にありがとうございます

今後の流れですが

空谷の跫音Ⅱ→五十鈴のなく頃にⅣ→阿賀野→羽黒と加賀Ⅲ→日向→佐渡

になります。次回安価は日向の更新前あたりを予定しております。
それでは択捉編書くのに戻ります!


ここの空母と対潜部隊はヤバい

給糧艦もヤバいんだよなぁ

提督がなんとか恋仲の頃程とまではいかなくとも誤解が解けたらいいなと思いつつ、安価が早すぎてプリンツ解放できない現実

>>552
それ言ったら球磨型解放したいのにって俺も思ってるよ

阿賀野かぁ
安価次第なのはわかってるんだけど、
この提督相手だと性格がヤンデレか大嫌いかの極端な結果になりそう

あがのんは尽くす女になりそうな気がする

更新していきます。

祝・赤城改二決定

>>550>>551
対潜部隊には癒し枠で由良と神風がいるから大丈夫、大丈夫。
きゅ、給糧艦についてはまだ伊良湖がいるし……

>>552
プリンツのコンマで90overを出すと……?(攻略本風)

>>553
球磨型はのこり多摩ですね。ほかの姉妹が低いし、どういうコンマが出ても面白そう。

>>554>>555
現状だと尽くすタイプは鈴谷とか、間宮さんとかですかね? ここに割って入れるかは期待。
なんとなく阿賀野のヤンデレを想像してみたんですが……ポンコツそう

……まぁ、赤城さんも蒼龍もヤンデレになっても怖くなさそうな人たちではありますが

カッコイイ人。

それが私の司令に対する第一印象だった。

いつも背筋を伸ばして、自信の塊みたいな人で何をするにしても間違っているとは微塵も考えてないのがありありと伺えた。
そのせいなのか所作の一つ一つにも覇気が宿っている気がして、気づけば私はあの人のことを目で追いかけるようになっていた。
それからしばらくの間は私にとっては素晴らしい時間が流れた。
こんな素敵な人のもとで戦えるのが本当にうれしかったのだ。
きっと司令もそんな私のことを――してくれていたのだ。だから、つらい訓練も出撃もきっとはすべてが信頼の裏返しだったんだ。
だから私も必至でそれに応えた。
あの日までは。


ーー14:00ーー

XX17年 8月

鎮守府 執務室

蒼龍「あっつい……」

霧島「ええ……」

提督「……」ペラ

蒼龍「うぅ……こういう日は潜水艦の子たちと一緒に海で遊んでたいのになぁ」

霧島「私は空調のきいた部屋で本を読んでいたいです……」

提督「……」イラッ

蒼龍「あー、提督、空調の修理ってまだかかるんですか?」

提督「……あと3日間はこの調子だと聞いている。第一、冷房の調子が悪くなって昨日の今日ではないか。がまんしろ」

蒼龍「うへー……」

霧島「はぁ……」

提督「……」イライラ

霧島「しかし、こうも暑くては執務もままなりませんね……」

蒼龍「ほんとうにそうだよねぇ……」

提督「……」イライライラ

蒼龍「ねぇ、提督、どっか涼しいところ連れて行ってくださいよー」

霧島「ええ、ええ、いい案かと」

提督「……」イライライライラ

赤城「提督」

提督「……なんだ?」

赤城「麦茶をお持ちしました」

提督「ご苦労」

蒼龍「赤城さん、私の分って?」

赤城「無駄口ばかりで仕事もしない子に持ってきてるわけないでしょ? 自分で取りに行きなさい」

蒼龍「えー」

提督「……蒼龍、霧島」

蒼龍「あ、はい、どうかしましたか?」

霧島「はい」

提督「やる気がないなら出ていけ」

蒼龍「え、い、いや、やだなー。そんなことないですって、あ、アハハ……」

霧島「は、はい。蒼龍のいうとおりです」

提督「ならばそのやかましい口を閉じてさっさと目の前の書類をやっつけろ!! 暑いと思ってるのはお前たちだけじゃないんだ!」

蒼龍「ご、ごめんなさい……」

霧島「す、すみません……」

提督「ちっ……! ならば私はこれから対潜部隊の演習を見てくるが、それまでに書類を終わらせておけ」

蒼龍「それでしたら私が護衛だったはずなんで――」

提督「うるさい! 赤城、お前がついてこい! 黙々と作業をしていたお前ならばだいたい片付いているだろ」

赤城「ええ、大丈夫、大丈夫ですよ」


提督「ふん! そういうことだ!」

蒼龍「け、けど……」

赤城「蒼龍、耳を貸しなさい」

蒼龍「へ? いきなりどうしたんですか?」

赤城「いいから」

蒼龍「えっと、はぁ」

赤城「いいですか――」ヒソヒソ

蒼龍「――なるほど」ヒソヒソ

赤城「ということです。私の方が適任かと思いますがどうでしょう?」

蒼龍「うーん……分かりました……。今回は譲りますよ」

提督「なにをぐずぐずやってるんだ、早くしろ! このあとも予定はあるのだぞ!」

赤城「ええ、ええ、わかっております。けれど納得してことにあたらねば結果というのは上がらないと思ったので」

提督「ふん、一理あるがあの説明で了解できないのであれば私の中で蒼龍に対する評価を下げねばならんな」

蒼龍「あはは……いやだなぁ、ちゃんとわかってましたって……」

提督「どうだか」

赤城「ふふ……とにかくお待たせしてしまってすみませんでした、この赤城が提督のお供をいたしますね」

提督「ああ」

申し訳ありません。
先日、投稿してからどうしてもこの状況が時系列的に起こり得ないことに気づいてしまい、なんとかすり合わせできないかと悪戦苦闘していたのですがどうしてもそれが出来ませんでした。
なので上の3レスはお蔵入りということにさせていただいて、新しく書き直したものを投稿いたします。
読んでいただいて方には方には本当に申し訳ありません……

1年ちょっともやって1スレ目のでXX17年10月に赤城が秘書艦に就任して、ここまでで作中時間3ヶ月しかたってないのをすっかり書いてる途中は失念したました……

ながらくあけてしまい申し訳ありませんでした。
ツイッターのほうでぶつぶつとやっていましたが、あらかた勉強しなおして出張からも戻りましたので更新再開していきます。
とりあえず昨日から5日までお休みなのでストックの放出も兼ねてGW中は毎日更新できるとおもいます。

再開いたします。



 ーー14:00ーー

 XX17年 8月


 鎮守府 執務室


提督「……む」

蒼龍「? どうかしたんですか?」

提督「お前が気にすることではない」

蒼龍「えー、そんなふうに言わないで教えてくださいよ」

提督「ちっ……赤城、このあとの予定はどうなっていた?」

赤城「確認いたしますので少々お待ちください。――はい、ヒトサンサンマルより対潜部隊の訓練の視察となっています」

提督「そうか。たしか護衛の手配はお前に任せていたはずだがどうなっている」

赤城「ええ、ええ、大丈夫、大丈夫ですよ。鉄壁の布陣をご用意しております」

提督「……護衛の選出ぐらいならとお前に任せたのだ、くれぐれも私の信頼を裏切るなよ」

赤城「勿論です」

提督「……」

蒼龍「あー、それよりも提督が予定をわすれるなんて珍しいですね」

提督「先ほどから言っているが余計なことは気にせず、お前はお前の仕事をしろ」

蒼龍「大丈夫です! 手はちゃんと別に動かしてますから」

提督「はっ! だまれと言っているのだ。そんなこともわからんとはな」

蒼龍「あー、もう怒らないでくださいよ。心配してるんだから」

提督「おまえにあれこれと心配されるほど落ちぶれたつもりはない! いいから仕事に戻れ!」

霧島「提督、ひとつよろしいでしょうか?」

提督「……なんだ」

霧島「蒼龍のいうように提督がご予定を失念されたことなど私の記憶にはありません」

提督「で、なにがいいたい?」

霧島「いえ、お疲れなのではないかと。よろしければ対潜部隊の視察に関しては私と蒼龍でいってきますのではおやすみをとられたほうがいいのではないでしょうか?」

提督「むーー」

赤城「いけません」

霧島「……赤城さんとはいえ、上官のことばをさえぎるというのは少し不敬なのでは?」

赤城「ふふ……いえ、あなたがあまりにおかしなことを言ったのでつい」

霧島「どういうことでしょう?」

赤城「理由は3つあります。対潜部隊の中にも提督に普段の成果をみていただこうと今日という日を待ちに待っている艦娘もいるかもしれません。そういった娘の士気を下げるようなことをするべきでないというのが一つ」

提督「そんなものがあそこにいるとはおもわんがな」ボソッ

蒼龍「? 提督、どうかしましたか?」

提督「なんでもない!」

蒼龍「あ、はい」

赤城「……二つ目に指揮下の艦娘の練度はしっかりと提督自身の目で確かめておくべきということです。そして最後に私の手配した護衛部隊にも提督をお守りするという経験を積んでほしいということです」

霧島「なるほど、あなたのいう理由は分かりました。しかし提督のおからだが第一です」

赤城「ええ、ええ、私もそうおもいます。心から」

霧島「……」

提督「もう結構だ。霧島、予定を失念していたのは別に疲れからなどではない。このあとは予定通り対潜部隊の視察に向かう」

霧島「……かしこまりました」

赤城「ふふ」



 ――13:25――

 鎮守府 第二演習場 観覧席席付近


朝潮「本日はご足労ありがとうございます! 対潜部隊一同、普段の努力の成果をお見せできるように励む所存です!」ビシッ

提督「うむ、期待している」ビシッ!

朝潮「あの、ところで……なぜ二水戦の方たちが……?」

神通「はい。本日は私たち二水戦が身命をかけて提督の護衛に当たることになっています。対潜部隊の方々もよろしくお願いします」ビシッ!

提督「護衛任務にお前らが適当であるとは微塵も思わんがな。赤城」

赤城「いえいえ、こういったこともいい経験になるかと思いまして」

提督「……余計な考えを起こすな。私は二水戦にそういったことをもとめてはいない。こいつらは敵ののど笛に食いつければそれでよいのだ。それ以上でもそれ以下でもない。一人か二人を置いて、ほかは普段の訓練に戻せ」

赤城「しかし、二水戦は艤装をはずした格闘戦でも一番成績がいいんですよ? それをもてあますなんてもったいないじゃないですか」

提督「ちっ……護衛なんぞに第二水雷戦隊の全てを振り分けることはないと言っているのだ。不知火と陽炎でことが足りるであろう」

赤城「提督のおっしゃるとおりではあるかと思いますが、訓練場が湾内にあるとはいえ海に面している以上は一定の警戒は必要ですし、さきほども言ったように陸地でのこういった任務も訓練の一環としてもいいのではないかと思いまして」

神通「……秘書艦もたまにはいいことをおっしゃりますね」

赤城「ええ、ええ、そうでしょう、そうでしょう。ふふ」

神通「……提督、大変申し上げにくいことですが白虹日を貫くという言葉があるほどに部下といっても油断ならないございます。鎮守府の中だからといってご油断なされるべきではないかと愚考いたします」

提督「馬鹿!」

神通「え、あの、そのーー」

提督「いいか!? 帝國では日といえば陛下をさすのだ!! 引用といえども不愉快だ! そんなことばは今後一切つかうな!」

神通「も、申し訳ありません。し、しかし、獅子身中の虫というのは――」

提督「もういい! 好きにしろ! 付き合っておれん! 陽炎、不知火、行くぞ! 朝潮も詳しい説明は歩きながらせよ!」

陽炎「はい!」

不知火「はっ!」

朝潮「は、はい!」

提督「まったく……なんということをいうのだ、あの馬鹿は……」ブツブツ

赤城「ふふ、怒られてしまいましたね」

神通「…・・・私の失言でした。提督のお怒りはごもっともです」

赤城「そうですねぇ。ただ気をつけてくださいね? これ以上、提督の血圧をあげてしまうのはご遠慮願いたいですし」

神通「あなたがいなければ私もあんなことをいう必要はなかったのですが」

赤城「はて? どういうことでしょう? 私ほど懸命に提督を支えている艦娘なんていないと思いますけれど?」

神通「よくもぬけぬけと……、まさにウサギに祭文というものですね。私は部隊全体の指揮をとるのでこれで失礼します」

赤城「ええ、ええ、がんばって下さいね。私はあなたがどうなろうとなんとも思いませんが、提督の御身は本当に大事に思っているんですから。せいぜい、死んでも提督をお守りして下さい」

神通「私も同じ気持ちです」スタスタ



 ――13:25――

 鎮守府 第二演習場 観覧席


朝潮「――以上が本日の訓練内容になります!」ビシッ!

提督「ご苦労。ところで不知火、お前から見て何か改善案などあるか?」

不知火「はっ! …・・・え? あ、あの、不知火に落ち度を探せと?」

提督「そこまで言ってない。お前も駆逐艦であるのだから、なにか思いつくことも有るかと思って聞いただけだ」

不知火「は、はぁ。そうですね……うーん……むむむ…・・・」

提督「・・・・・・もういい。それと対潜部隊全体の指揮はお前ではなく、五十鈴に任せていたと思うがアレはどうしたのだ?」

朝潮「五十鈴さんでしたら下で訓練の内容を再度確認しているかと」

提督「そうか、それならばそれでいい」

朝潮「? なにかご懸念ありましたか?」

提督「あれのことだからな、体調を崩したなどと偽って出てこないかと思ったが杞憂であったようで何よりだ」

朝潮「さ、流石にそのようなことはないかと思います」

提督「ふん、それよりも時間が惜しい。朝潮、行動を開始せよ」

朝潮「はっ! それでは失礼します!」ビシッ

提督「……まずは潜水艦と協力しての索的訓練だったな。不知火、二水戦ではこのような形式での訓練はどの程度の頻度で行っている」

不知火「あれがこうだから……」ブツブツ

陽炎「ちょっ!? 不知火!? あ、あの、二時間の訓練を週に二度おこなっています!」

提督「はぁ……わかった。いくら切り込み部隊とはいえ、それではあまりに時間が少ないな。砲雷撃戦だけでなく、対潜にももう少し力を入れさせるべきか」

陽炎「えっと、それは神通さんじゃないと判断が・・・・・・」

提督「何も答えんのは論外だがな、独り言にまであれこれと答える必要は無い」

陽炎「うぇ……!? あ、あの、すみません」

提督「別に構わん。さて、それでは――」

不知火「・・・・・・はっ! 思いつきました! 」

提督「・・・・・・いいだろう。聞くまでも無いと思うが、一応は聞いてやる」

不知火「はい! 先ほどの説明を聞くに休憩時間が多すぎると思います!」

提督「そうか、そうか」

不知火「……? あの、不知火になにか落度でも?」

提督「お前に聞いた私のミスだ。気にする必要は無い」

不知火「??」

陽炎「うわぁ・・・・・・」

不知火「あの、不知火に何か落ち度がありました……?」ヒソヒソ

陽炎「あんたも神通さんもよっぽどよね……」

不知火「??」



 ――13:40――

 鎮守府 第二演習場 観覧席



択捉「ふぁあああ……」

霞「? さっきからなにみてんのよ」

択捉「わっ!? え、えっと……」チラッ

霞「観覧席? ――ああ、そういうこと。あんなのみてなにが楽しいのかしらね」

択捉「あ、あんなのってそんないいかたはないとおもいます! 司令、格好いいじゃないですか!」

霞「……別にだれもあのクズのことなんて言ってないじゃない。それよりもちゃんと艤装の点検しておきなさいよ」

択捉「うぅぅ……それは分かってますけどどうしても緊張したりいろいろしちゃって……」

霞「はぁ、赤城さんもよくいってるけど私たちは女学生じゃないの。ちゃんとそこらへん理解しているのかしらね」

択捉「も、もちろんです! 艤装だってちゃんと確認しましたもん!」

霞「ふーん、それならいいけどね」

択捉「むー」

五十鈴「ちょっと、そこちゃんと話聞いてた?」

択捉「ご、ごめんなさい!」

霞「ふん」

五十鈴「いや、そうじゃなくて話を聞いてたかどうかを――」

朝潮「失礼します! 五十鈴さん、司令への説明をしてきました」

五十鈴「ご苦労様。すぅ――対潜部隊総員、傾注! 行動を開始する!」

対潜部隊一同「はい!」

赤城改二来ましたね
このスレの赤城さんのヤバさも増しそう



 ――15:05――

 鎮守府 第二演習場 観覧席


提督「……」イライラ

不知火「……あ、あの」

提督「……なんだ」

不知火「い、いえ、失礼しました」

提督「……陽炎、お前はいま目の前で繰り広げられている金のかかったお遊戯をどう思う?」

陽炎「は、はい! あまりに集中力にかけていると思います!」

提督「だ、そうだ。対潜部隊の責任者の一人である朝潮はどうおもう?」

朝潮「……もうしわけありません」

提督「わたしはもう叱咤をとばす気力もうせているが、敵が飛ばしてきた砲弾や艦載機もあの無様さで消え失せることを祈っている」

不知火「っぷ……」クスッ

陽炎「馬鹿っ!」

不知火「はっ!?」クチオサエー

陽炎「今更、遅いのよ!」

提督「はぁ……不知火」

不知火「は、はい!」


提督「なにがおもしろかった? ちっともこの状況を楽しめていない私にぜひともご教授願いたいのだがね」

不知火「い、いえ、随分と司令がうまいことをおっしゃると思ったので……」

提督「ははは……そうか、そうか」

不知火「はい!」

陽炎「……あちゃー」ボソッ

不知火「へ?」

提督「馬鹿者! なにも面白くない! むしろこんなにも気分が悪いのは久しぶりだ!」

不知火「ひぃう!?」

提督「さきほどまでの組はまだマシになっていたが。今の組の動きはなんだ! 建造されたばかりの新兵以下だ! 朝潮、いつから対潜部隊は託児所になった!? 即刻、答えろ!」

朝潮「は、はい」

提督「はい!? 返事なんぞ求めていない! 私の質問に答えよ!:

朝潮「……お言葉ですが、あの組の4人も普段の訓練や出撃ではしっかりと成果を上げています。もう少しすれば調子を取り戻すかと思います」

提督「実戦であの見るだけで情けなくなる動きをされれば、それが一時のことだろうが即座に全線が崩壊するわ! それとも訓練でおこったことが本番ではおきんとでもおもっているのか!? だとすればお前の頭の中にはさぞ素晴らしい花畑が広がっているのだろうな!」

朝潮「……そ、それはおっしゃるとおりだとおもいますが」


提督「あたふたとするだけでろくに部隊を掌握できていない旗艦の神風! それにつられてフラフラと漂っているだけの朝風! 連携をあきらめて好きに動いている霞! そして極めつけは訓練をする気がないのか旗艦の指示をきかずに一人で部隊の動きを阻害している択捉! なんだこの組は!? 私の血管を破裂させるために五十鈴が送り込んだ暗殺部隊か何かか!?」

朝潮「……」

提督「即刻やつらを後方へ飛ばしてやる! あんな練度でこの鎮守府においておけるか!」

朝潮「……そのご意見に朝潮は頷くことはできません! 彼女たちは対潜部隊の中では珍しく普段の成果を提督にご覧になっていただくのを心待ちにしていた艦娘たちです。やる気がから回っているだけだと思います!」

提督「はっ! 私が欲しいのは心意気ではなく、結果だ!」

赤城「提督、それは流石に全体の士気にかかわるご発言かと」

提督「む……うるさい!」

赤城「失礼しました」


提督「朝潮、お前は奴らに次の砲撃訓練のあとに転属願いを書くようにつたえてこい! これがおわり次第、受理してやる!」

陽炎「……」

提督「返事はどうした!」

朝潮「……はい、了解しました」

提督「ふん!」

陽炎「あ、あの、司令、一つよろしいでしょうか?」

提督「……いってみろ」

陽炎「一度、護衛部隊の状況を確認するために神通さんと連絡をとってきもよろしいでしょうか?

提督「好きにしろ。護衛なんぞ赤城と不知火がいれば問題あるまい」

陽炎「ありがとうございます! それでは失礼します! ほら、朝潮、あんたもいくわよ!」

朝潮「……失礼しました」

バタン

提督「ちっ!」

赤城「……」

不知火「? どうかしましたか?」

赤城「いえ、大丈夫です、大丈夫。なにもあなたが心配するようなことはありません。提督の護衛を務めることだけに集中していなさい」

不知火「はっ!」



 ――15:30――

 鎮守府 第二演習場 観覧席前通路


朝潮「……」

陽炎「あのさ、朝潮、ちゃんと受けた命令の中身分かってるわよね?」

朝潮「? もちろん私でも日本語で下された命令ぐらい理解しているつもりですが?」

陽炎「……じゃあ、ちゃんとあの子たちをちゃんと激励してくるのよ。提督が次までは我慢するって言ってくれてるんだから」

朝潮「!?」

陽炎「余計なお節介だったみたいだし、それじゃあね」

 ガシッ

陽炎「へ?」

朝潮「今の話どういうことですか!? 朝潮は彼女たちに転属願いを書くように言われたはずです!」

陽炎「……やっぱりきてよかったみたい」


朝潮「このままでは私がうまく説明ができなかったせいで対潜部隊の皆さんにご迷惑をかけてしまうんです! 先ほどの言葉が嘘でないならそう判断する理由を教えてください!」

陽炎「まず言っておくけど対潜部隊全体の訓練内容としては提督、ほめてるってのはわかる?」

朝潮「は、はぁ。しかし、注意は他の組もいただいていますが」

陽炎「それはアドバイス。総評としては『マシになった』って言ってたじゃない。いいわよね、練度がそんなに高くないところはすぐに結果が出るから」

朝潮「色々と言いたいことはありますが……『マシになった』というのはそれほど褒めていただいているようには感じないのですが……」

陽炎「はぁ? 褒めてるわよ! 最上級ではないけど、それなりに成果を認めてるとき以外はつかわないもん!」

朝潮「えぇ……」

陽炎「それを念頭に考えればもう一度、チャンスをくれたってわかるんじゃない?」

朝潮「さっぱりです」

陽炎「……ちょっとは自分で考えて欲しいんだけど。私だって弥生にお菓子あげたり、司令の行動観察したりって努力はしてるのよ」

朝潮「いえ、今は時間が惜しいので」

陽炎「むー。仕方ないわね」



陽炎「いい? 『砲撃訓練を終わった後に転属願いを書け』って言ってるんだから、次の砲撃訓練までは提督も我慢するってことなのよ。それが終わってから転属願いを書けってことはまだチャンスはあるから書かせないように朝潮が叱咤激励して来いってこと」

朝潮「……にわかにしんじられません。ただ顔を真っ赤にして 怒っていらしたようにしか思えないのですが」

陽炎「甘いわね。私は弥生の次ぐらいには提督のいってることが正確に理解できるのよ!」

朝潮「むむむ……」

陽炎「なにが『むむむ……』よ! 悩むまでもなく私の言ってることはあってるの!」

朝潮「しかしどうして私にこのことをおしえてくれたのですか? 先日の満潮と不知火さんの一件もありましたし、陽炎型の皆さんは私たちのことを嫌っているのかなと思っていたのですが」

陽炎「あの件については理屈はともかく喧嘩買っちゃったうちの不知火にも問題があるとおもったからそのお詫びに、ね。それに駆逐艦の長女同士、仲良くやっていくべきだとも思うし」

朝潮「……」

陽炎「信じる、信じないは勝手だけど後ろ向きで伝えたくない命令よりもわたしの解釈した命令のほうがいいでしょ?」

朝潮「……そう、ですね。陽炎さん、ありがとうございます。お礼に今度間宮さんの羊羹をご馳走させてください」

陽炎「うん。楽しみにしてるわ」


朝潮「……私はあなたを大勢の姉妹の長女なのに調子がよくて小心もので提督や神通さんに『はい』としか言えないのに二水戦であることを鼻にかけるばかりの艦娘だと思っていました。すみませんでした!」

陽炎「はぁ!? い、いや、そ、その評価が覆ったのなら伝えた甲斐があったわ……」ヒキツリ

朝潮「はい! それでは失礼します!」ビシッ

陽炎「あ、うん」ビシッ

 タッタッタ……

陽炎「はぁ……私ってそんな風にみんなに思われてるのかなぁ……」

陽炎「冗談じゃないわよ!?」

神通「? なにをさわいでいるんですか?」

陽炎「!? は、はい! なんでもないです!」

乙でした
陽炎強く生きろ


陽炎カワイソス



 ――15:20――

 鎮守府 第二演習場 第二会議室


霞「さっきのはどういうつもりよ!」バンッ!

択捉「うっ……ご、ごめんなさい」

霞「あやまるぐらいなら最初からまじめにやんなさいよ!!」

神風「霞、そこまでにして。あなたの行動だって褒められたものではなかったのよ?」

霞「はぁ!? そのどっちもどっちみたいな言い方やめてくれない! 私が一人で動いたのは旗艦のあんたがこの海防艦にかかりっきりになって指揮をおろそかにしたせいじゃない!」

朝風「なによそれ! 指揮云々言ってるけど貴女、神風姉さんの制止をきかなかったじゃない!」

霞「ふん! それに従ってたらあんたと同じように訓練時間一杯ふらふらと海の上で浮かんでるだけで終わったでしょうね」

朝風「なっ!? 失礼よ!」

霞「本当のことでしょ? 図星疲れたからって顔真っ赤にしてんじゃないわよ! でこっぱち!」

朝風「うぐぐ……」

神風「……とにかく、いったん落ち着きましょう。怒鳴りあってもなにも解決しないわ」

霞「ふん!」


神風「はぁ……まず択捉、なんで訓練中にあんな浮足立っていたの?」

択捉「そ、それは……」

神風「いいづらいようだったら――」

霞「あのクズのことずっと見てたせいでしょ! ふざけるんじゃないわよ!」

神風「――なんどきいてもその呼び方はどうかと思うのだけれど」

霞「今はそんなこといってる場合じゃないでしょ。それに私はそう呼んでもいいっていわれてるんだから! あんたとはちがうのよ!」

神風「それもそうね。はぁ……択捉、本当なの?」

択捉「あ、うっ……はい……」

神風「それは――流石にどうなのかしら」

択捉「わかってるんです。でも、司令が私をみてくれれると思うとどうしても……」

霞「自意識過剰ね」

択捉「そんなことないです!」

朝風「そうね。一人で訓練できると思ってる霞にいわれても説得力無いわよね」

朝潮「あ、あのぉ……」

霞「はぁ!? なによ、それ! 喧嘩なら言い値で買うわよ!」

神風「二人ともいい加減にしなさい! 怒鳴るだけで何が解決するの! それよりも話し合いましょう」


霞「ふん! この際、旗艦殿に教えてあげるけど、こういうのは教え諭すんじゃなくて鉄拳であろうが言葉であろうが徹底的に叩きのめして自分がなにをしたか分からせないとおんなじことを繰り返すのよ!」

神風「そんな乱暴なやり方はできません!」

霞「これだから対戦部隊なんてあまちゃんなところにくるのはいやだったのよ! 胃を空にするまで自身を追い込んで、何も考えられなくなるほど上官に怒鳴られるのが訓練っていうものなの!」

神風「それが通用するのは二水戦だけです! 私たち駆逐艦は未成年の体を模して誕生しているのだから、オーバーワークは避けるべきという論文もあります!」

霞「はっ! そんなわけないでしょ!」

神風「その論拠はなんですか!?」

霞「経験よ!」

神風「そんな乱暴な――」

朝潮「ご、ごほん! あの少し宜しいでしょうか!!」

神風「――なんですか? 朝潮さんは司令官に訓練の説明を行っているはずだと思いましたけど?」

朝潮「その司令官からお言葉を預かってきました」

択捉「!! 司令からですか! やった!」

朝潮「え? いや、その喜ぶようなことではないかと……」

神風「うっ……やはりお怒りでしたか?」

朝潮「それはそのとおりですが――」

択捉「そんなはずないです!」

霞「……はぁ?」

択捉「司令が択捉のことを怒るなんて絶対に無いんです!」

霞「あのねぇ……あんたの頭の中どうなってるわけ?」

択捉「だって司令は私を――」」

朝潮「と、とにかく! 提督からのお言葉を皆さんにお伝えします! 『この度の訓練では――』」

朝風「? いきなりつっかえてどうしたのよ?」

朝潮「えっと、その『――まことに遺憾ながら諸君の本来の力が出し切れていないように思われる。次の砲撃訓練は奮励努力し実力以上のものをみせてくれることを期待する』以上です!」

霞「……あんまり朝潮にこういうこといいたくないけど嘘くさいわね」

朝風「なっ!? なんていうことをいうんですか! ちょっと言葉は違いますがこういう意味だと聞いてます!」

霞「……」

朝潮「そ、そうだ! 霞、姉の言うことぐらい信じてください。それにそう喧嘩腰ではなかなか相手のことも見えなくなってくるものです。うん、不肖の姉も今日勉強したばかりですが先入観というものは時に――」

神風「朝潮さん、すみませんがそれぐらいで」

朝潮「あ、すみません」


神風「ごほん、みんな、たしかに朝潮さんのいうことはちょっと腑に落ちないけど提督が挽回を期待してくれているというのは間違いないとおもうの。次の砲撃訓練ではちゃんといつもどおりの結果を出しましょう!」

択捉「りょ、了解です!」

朝風「了解!」

霞「……了解」」

朝潮「うん、うん。是非とも次の訓練で先ほどの失点を挽回できることを祈ってます!」

霞「せっかくの空気に水を差すけど、私はそれだけじゃ納得しないわよ」

神風「……ええ、分かってるわ。択捉、司令官が気になるのは分かるけどあの人はあなたが一生懸命やっている姿を見られればとっても喜ぶと思うの。気にしないでというのは難しいかもしれないけど、それをしっかりと覚えておきなさい」

択捉「は、はい! 司令が喜んでくれるなら絶対に今回みたいなことはしません!」

朝風「神風姉さんも択捉もアレのどこがいいのかしらね?」

霞「ふん、まったくね」

朝潮「? 霞も提督のことは――」

霞「勘違いしないでわたしはこいつらみたいになよなよとした思いなんか微塵も持ち合わせて無いわよ」

朝潮「む。なるほど」

神風「そうときまったら艤装の点検を再度――」

コン、コン

神風「? はい」

伊26「ごめんくださーい。五十鈴さん、いますか?」

択捉「!?」ビクッ


神風「五十鈴さんなら第一会議室のほうにいるはずですが」

伊26「あー、やっぱりそっちかぁ。ちぇ、近くにいてくれたほうがありがたかったんだけどなぁ。あーあ、残念」

朝潮「? なにか潜水艦の方たちのほうで問題がありましたか?」

伊26「んーん、そういうわけじゃなくてちょっと細かい打ち合わせしたかったんだ。訓練は提督が支持してくれないからちゃんとつめないと間違っちゃうかもしれないからね」

神風「綿密な打ち合わせは大事ですからね。立派な心がけだと思います」

伊26「えへへ……そうでしょう? それじゃあ私はもういくね」

朝潮「はい! お疲れ様です!」

伊26「あ……択捉」

択捉「な、なんですか?」

伊26「さっきの訓練、どうしたの? あんなんじゃ違うよ。なんにも正しくない」

択捉「そ、それは……」

伊26「またあそこに帰りたいのならそれでもいいとおもうよ? だって、いわれた正しいことが出来ないなら提督の部下でいてもしょうがないもんね」

択捉「違います! 司令はそんなこと絶対にしない! 私をあそこから助けてくれた人だもん!」

伊26「……私だってあそこから転属してきたけど、そうは思わないなぁ。いい子だから、間違ってないから私たちはここにこられただけだよ。それに提督はいつも正しいからこそそんな優しいだけのことはしないよ、絶対に」

択捉「違う! 違うもん!」

伊26「はぁ、しょうがないなぁ。択捉がそう思うんなら、そうなんだろうね。択捉の中では」

択捉「……」

伊26「うん、おせっかいだったみたい。それじゃあね、ばいばい」

択捉「……はい。さようならです」

 バタン


朝潮「あ、あのそれでは私も提督の下にもどります。皆さん、ご健闘をいのってます!」

 バタン

神風「……択捉、いまはあなたと彼女の間になにがあったかは聞きません。ただ一回顔でも洗って心を落ち着かせなさい。酷い顔してるわ」

択捉「え……そ、そうですか?」

霞「ええ、。この世の終わりみたいなしみったれた顔してるわよ」

択捉「ご、ごめんなさい! えっと、ハンカチ、ハンカチ……」

霞「あー、もう! ほら、ハンカチなら貸してあげるからさっさっと顔洗って気tなさい」

択捉「え? い、いいんですか?」

霞「はぁ?」

択捉「すっごい怒ってたから……」

霞「私だってすきでおこってんじゃないわよ。あんたがちゃんとやればこんなこといわなくてすんだんだからね! そこんところよく考えなさい!」

択捉「は、はい!」

担乙
ニムちゃん闇が深くて怖い

ここよりひどい地獄ってどんなとこだよ……

この鎮守府は別にブラックではないでしょ
ただ上司が口下手で冗談のセンスが致命的で直情的なだけやし

提督より同僚が……

ヤン・デレ……?

やっぱこのSS好きだわ~

E2軽量編成だと全然割れない
友軍を待つべきか重量に切り替えるべきか迷う


 ――15:55――

 鎮守府 第二演習場 観覧席前通路


陽炎「うぅ……散々な目にあった……」

朝潮「? なにかあったのですか?」

陽炎「ああ、朝潮も戻ったのね。どうだった?」

朝潮「最後に気になることもありましたが、おかげさまで士気も上がりました。陽炎さん、改めてありがとうございます」

陽炎「あはは、べつにいいって」

朝潮「それでさきほどの散々な目というのは?」

陽炎「あの後、神通さんにみつかちゃって『護衛中に提督のおそばを離れるとは!』って怒られたのよ」

朝潮「それはご迷惑をおかけしてしまいました」

陽炎「別に好きでやったことだし気にしないでいいわよ」

朝潮「恐縮です」

陽炎「あはは……」

朝潮「ふふ……」

陽炎「……ねぇ、朝潮って提督のことどうおもう?」

朝潮「? 上官としては申し分ない方だと思いますが。私も一つ大切なことを教えていただきましたし」

陽炎「それならちょっと私の提案を聞いて欲しいのだけれ――」

 ドーン!!

陽炎「!?」

朝潮「!? な、なんの音ですか!?」

陽炎「え、いや、わ、わかんない!」


朝潮「わ、私はこの音の元を確認してきます! 陽炎さんは提督の護衛に!」

陽炎「そ、そうね!」

赤城「それでしたら私も陽炎とともに提督のところに戻りますので、朝潮は状況が判明次第、報告に来なさい」

陽炎「! あ、赤城さん! こんなところにどうして?」

赤城「いえ、少し花を摘みに。それよりも音の正体が不明な今は提督の御身をお守りするのが最優先です。陽炎、ついてきなさい」

陽炎「は、はい!」


 ――15:58――

 鎮守府 第二演習場 第二会議室前通路


五十鈴「無事な子たちは負傷者の救助にあたりなさい!」

由良「皐月ちゃんは明石さんと秋津洲ちゃんをよんできて!」

皐月「了解!」

神通「二水戦は崩壊の危険とほかの爆発物の有無を調べます! 雪風の第一班は2階を、長波の第3班は1階をそれぞれ探索なさい!」

雪風「了解です! 皆さん、雪風についてきてください!」

長波「おう!」

五十鈴「ちっ……なんでこんなことに……」

朝潮「はぁはぁ……い、五十鈴さん! 状況は!」

五十鈴「遅い! 見ればわかるでしょ! 爆発よ、爆発!」

朝潮「そ、そんな……。提督に現状をおしらせします! 被害状況を教えてください!」

五十鈴「神風、朝風、択捉、霞の4名が意識不明! 近くにいた扶桑さんほか5名の艦娘が軽傷! 爆心地はたぶん第2会議室よ“」

朝潮「ま、まってください! 霞の行方も不明というのは――」

五十鈴「妹が心配なのはわかるけど今はそれよりも任務を優先なさい!」

朝潮「……了解!」

?「し、司令、お待ちを! 危険です! 観覧席にお戻りに――」

提督「はぁはぁ……うるさい! 口よりも足をうごかせ! なんだこの惨状は!」

五十鈴「……朝潮、説明は任せたわよ」

朝潮「はい! 提督!」

提督「朝潮か! なにがあった!!」

朝潮「爆発とのことです!」

提督「詳細を!」

朝潮「爆心地並び原因の詳細は不明! 扶桑ほか5名が軽症! 神風、朝風、択捉、霞の4名が行方不明! 現在、対潜部隊および第二水雷戦隊が周囲の警戒・救助にあたっています!」

提督「不知火、私の護衛を中断し、神通と合流して周囲の状況を把握することにつとめよ!」

不知火「し、しかし……」

提督「いけ!」

不知火「……了解!」

>>613
誤字です。

【誤】
五十鈴「神風、朝風、択捉、霞の4名が意識不明! 近くにいた扶桑さんほか5名の艦娘が軽傷! 爆心地はたぶん第2会議室よ“」


【正】
五十鈴「神風、朝風、択捉、霞の4名が行方不明! 近くにいた扶桑さんほか5名の艦娘が軽傷! 爆心地はたぶん第2会議室よ」


提督「ほかには――」

朝潮「提督、意見具申します! まだ爆発物がある可能性もあります! 提督はすぐに退避するべきです!」

提督「鎮守府内で爆発がおこったのだ! 退避した先も安全という保証はない! 時間が惜しい、ここで全体の報告を待つ!」

朝潮「し、しかし……」

提督「しかしもかかしもない! おまえも五十鈴の指揮下に戻り救助並びに周囲の警戒にあたれ!」

朝潮「は、はい! 了解しました!」

提督「うむ。総員、焦らずに周囲を探索せよ! 怪しいものは見つけ次第、各部隊の旗艦に報告せよ!」

赤城「……提督、観覧席にいらっしゃらなかったので心配しました」

陽炎「す、すみません! 陽炎、戻りました!」

提督「遅い!」

赤城「申し訳ありませんでした。それよりも不知火の様子が見えませんが……」

提督「二水戦のもとに返した。陽炎、お前もすぐに神通の元に戻り指示を仰げ」

陽炎「はい!」

提督「赤城は私とともにこの場で待機。報告を待つぞ」

赤城「意見具申いたします」

提督「許す」

赤城「すぐに神通と五十鈴から部隊の指揮権を返上させて提督御自ら指揮をとられるべきです。指揮系統を二分しては混乱を招きます」

提督「いまは何よりも速度を優先する。加えて今更、私が指揮を執っては命令の重複などで大きな混乱が予想される。却下だ」

赤城「……それでしたら執務室にお戻りになって報告をお待ちになった方がよろしいのではないでしょうか?」

提督「事態は一刻を争う可能性がある! いちいち、報告に誰かをやっていてはそれこそ時間と労力の無駄だ」

赤城「畏まりました。一航戦・赤城、身命を賭して提督をおまもりします」

提督「うむ」


 ――16:08――

 鎮守府 第二演習場 第二会議室前通路


明石「報告します。神風、朝風、択捉、霞の行方不明者4名ともに第2会議室で倒れているところを発見しました」

提督「そうか。容体はどうなのだ?」

明石「神風ちゃんと朝風ちゃんは意識こそ失っていますが、それほどの傷ではないと思います。ただ択捉ちゃんと霞ちゃんは高速修復材を使用しても出撃までは一週間ぐらいかかりそうです……」

提督「むぅ……了解した。それで原因は判明したのか?」

明石「え、えっと、それがですね……」

提督「わかっているとおもうが鎮守府の大事だ。はっきりと答えよ」

明石「……まだちゃんとしたことはいえませんが、択捉ちゃんの主砲が内部からひしゃげていました」

提督「は?」

赤城「暴発の可能性があるということではないでしょうか?」

明石「はい。その可能性もあるかと……」

提督「馬鹿な! 冗談じゃない! 艤装の暴発など艦娘が現われてから一度も報告されていないのだぞ!? ありえない! あるはずがないではないか!!」

赤城「可能性を切り捨てるべきではないと思います」

提督「し、しかし……私の考えでは装備が艦娘を攻撃するはずがないのだ」

赤城「なにごとも例外というものは存在するということです」

提督「ぐぅ……択捉の装備と思われるものは破片の一つも残さずに回収せよ! 原因がどこにあったかが分かるまでは絶対に復元させるな!」

明石「そうなると結構な期間で出撃、訓練ともに参加できなくなってしまいますけど……大丈夫ですか……?」

提督「大丈夫も何もこんな状態の艦娘を運用できるか! パラワン水道の潜水艦掃討作戦に不安を残すがやむをえないだろうな」

明石「了解しました」


提督「……それと北上と秋津洲を工廠に回すので改修作業を遅らせることのないように」

明石「そ、それは夕張ちゃんも回していただけても厳しいと思います……」

提督「むむむ……」

赤城「意見具申いたします。旧型の第六水雷戦隊はこの際、解散させて対潜部隊などに振り分けてしまってもよろしいと思います」

提督「いや、あれはあれで便利な部隊だ。……わかった、夕張は第六水雷戦隊旗艦のまま工廠での任務に従事させよう。その期間の水雷戦隊旗艦としての実務は代役を立てる」

明石「はい、私もそうしたほうがいいとおもいます。旗艦を外しちゃうと夕張のことだから期間が終わってもずっと工廠に入りびたりになると思いますし……」

提督「とにかくレイテ方面に怪しい動きがある今、装備の改修を疎かにするわけにはいかん。ゆめゆめそのことをわすれるなよ」

明石「うーん……ちょっと不安ですがやるだけのことはやってみます」

提督「期待している」

赤城「それと択捉の主砲は鎮守府で開発されたものだったんですか?」

明石「へ? それはどういう意味でしょう――」

赤城「択捉はほかの鎮守府から異動してきた艦娘だったはずです。それであれば暴発を起こした主砲がこの鎮守府で開発されたものとは限らないのではということです」

提督「……異動、か。まさか――」ボソッ

赤城「提督? どうかなさいましたか?」

提督「……なんでもない。明石、優先順位は治療を最優先としろ。処置が済み次第、装備の開発場所の確認をし報告せよ。暴発を起こしたと思われる装備の調査はその後で構わん」

明石「わかりました。それでは私はこれで作業に戻りますね」

提督「ああ」

 バタン

赤城「……さきほどからなにか気にしていらっしゃっるようですが、なにかご懸念が?」

提督「ふん、なんでもない。第一お前が気にすることではない」

赤城「ふふ……提督のなんでもないほど信じられないものもありませんねぇ」

提督「うるさい! 少し一人で考えたいことがあるのでお前は蒼龍と霧島を呼んで来い!」

赤城「畏まりました」



――18:20――

 鎮守府 本棟 医務室


択捉「……ううっ」

明石「あ! 気づきましたか?」

択捉「え、えっと……」

明石「ちょっと失礼しますね。……はい、これ何本にみえますか?」

択捉「……3本にみえます」

明石「うん、大丈夫みたいね。あなたは今まで気を失ってたのよ?」

択捉「気を失ってた……?」

明石「そう。ゆっくりでいいからなにが起こったのか思い出してみて? ただ高速修復材を使ったけれどまだ腕がちゃんと固定されたりしてないから絶対に動こうとしたりしないでね」

択捉「……」

択捉「……あ」

明石「思い出した?」

択捉「あ、あの、射撃訓練のために主砲の確認をしようとしたら急に目の前が真っ白になって、すっごい大きい音が……」

明石「ふん、ふん、なるほど。ほかになにかきづいたことはある?」

択捉「……わからないです」

明石「なるほど。これ以上のことは他の子の回復を待つしかないわね」

択捉「え? ほかの子って……」

明石「霞ちゃんたちも同じように爆発に巻き込まれたみたいなの」

択捉「そ、そんな……皆さんは大丈夫なんですか!?」

明石「ええ、安心して命に別状はないわ」

択捉「よかったぁ……」

 ガラッ!

秋津洲「明石さん! 大変かも!」

明石「どうかしたの?」

秋津洲「やっぱり択捉の主砲が原因で決まりかも! 開発場所は旅順港鎮守府で破片から変な部品がみつかったかも!」

明石「なっ!? ちょっ!?」

秋津洲「すぐに提督に報告しないとダメかも!」

明石「――」

択捉「う、嘘ですよね?」

秋津洲「き、気づいてたの? あの、その、これは……」


明石「――とにかく秋津洲ちゃんは提督に報告してきて」

秋津洲「わ、わかったかも」

択捉「待ってください!! ――痛っ!」

明石「立ち上がっちゃだめ! 傷が開くわ!」

択捉「け、けど、秋津洲さん、お願いです! 私も司令のところにつれていってください!」

秋津洲「え、え? そ、それはちょっと――。明石さん、どうするの!?」

明石「……わかったわ。択捉ちゃんも言わなきゃいけないこともたくさんあるだろうし、ベットごと移動しましょう。提督は執務室にもどってるのよね?」

北上「あー、うん。そうきいてるよ」

明石「……搬入用のエレベーターを使えば階段を使わなくてもいけるわね。秋津洲ちゃん、手伝って」

秋津洲「う、うん、了解かも」

択捉「明石さん、ありがとうございます……」

明石「ふふ、気にしないで。患者さんの心のケアも私のお仕事ってことで」

択捉「はい!」

明石「北上さん、私は二人と一緒に提督のところにいってきますのでほかの子はお願いします」

北上「ん。りょーかい」



 ――18:30――

 鎮守府 執務室


提督「……」ウロウロ

赤城「あ、あの、どうなさいましたか?」

提督「なんでもない」

霧島「なんでもないとおっしゃられましても……」

提督「……」ウロウロ

神通「も、申し訳ありません。私たちがもっとしっかりと――」

提督「うるさい! なんども同じことを言わんでいい!」

神通「も、申し訳ありません……」

提督「ちっ……!」

蒼龍「はぁ……」

 コン、コン

提督「! 入れ!」

明石「し、失礼します」ガラガラ

秋津洲「失礼しますかも」ガラガラ

提督「まっていたぞ! あの装備の開発は――ん? ベット?」

明石「は、はい。ご報告するにあたって択捉ちゃんからの話も必要かと思いまして」

択捉「はい! 司令、私は――」

提督「必要ない」

択捉「――え?」


提督「それよりもさっさと例の報告をせよ」

明石「……か、開発場所は旅順港鎮守府と判明しました。加えて内部に詳細は不明ですが、なにかの部品が――」

ドン!

明石「ひぃ」

赤城「提督!?」

提督「畜生めっ……! すぐに南方海域総司令部に連絡をとれ! 先任だろうが今度こそはあの忌々しい男を解任してやる!」

霧島「お、落ち着いてください! その部品が旅順港鎮守府で入ったものとは――」

提督「いや、こんなことをする奴は奴しかいない! 許されるなら深海棲艦の前にあの腐った果実を踏みつぶしてやりたいぐらいだ!」

赤城「お怒りはごもっともですが今は冷静になってください!」

提督「だまれ!」

赤城「し、しかし、確かな証拠がなければ逆に提督のお立場が――」

択捉「あの!」

赤城「――なんですか?」ギョロ

択捉「司令! 私の話を聞いてください! 私、主砲にそんなのが入ってるなんて知らなくて――」

提督「……択捉、どういうつもりでそうも気分が悪るくなるようなことをさえずっているのだ?」

択捉「……え?」

提督「私もお前の主砲をメンテナンスしたことはある。しかし、今回のようなことを起こすようなものが取り付けられていることは気づかなかった」

択捉「なら――!」

提督「だが、なぜ自己弁護に必死になる! 見苦しい! 今はほかにすべきことがあるのではないか!? 罪悪感が本当にあるのならば私の前に来るよりも巻き込まれた艦娘の顔を見に行くなり、謝罪するなりすべきだ!」

択捉「見苦しい……で、でも、わたし、司令に、この鎮守府に……」

提督「貴様の責任なんぞ最初から問うつもりはない! これで満足か? であれば、下がれ!」

択捉「ご、ごめんなさい……私、そんなつもりじゃ……ごめんなさい……ごめんなさい……」ポロ……ポロ……

提督「うっ……。て、帝國軍人たるものが涙を見せるなど言語道断だ! 下がれ!」

秋津洲「ジトー……」

提督「なんだその眼は!?」

秋津洲「……ひぃぅ! し、失礼したかも!」ガラガラ

 バタン


明石「提督」

提督「……それよりも報告を優先しろ。血ののぼっていた頭も少し落ち着いた、場合によってはこの事故事態を隠蔽しなければならん」

蒼龍「隠蔽って本気ですか!? 鎮守府に爆発物おくりつけられたんですよ!?」

提督「……迂闊なことはできん相手ということだ」

蒼龍「は、はぁ。赤城さん、これでいいんですかね?」ヒソッ

赤城「……」

蒼龍「赤城さん?」

赤城「……なにかしら?」

蒼龍「いえ、なんでもないです……」

赤城「そう」

厳しいと言うか正し過ぎると言うか



 ――21:40――

 鎮守府 空母寮 一航戦の部屋


赤城「……」ズ、ズー

加賀「羽黒に勧められて少し高めのお茶を買ってみたのですがどうでしょうか?」フンス!

赤城「ええ、ええ、美味しいですよ?」

加賀「そうですか。やりました」

赤城「……そういえば談話室で龍驤さんたちがアジの南蛮漬けを肴に酒宴を開いていましたね」

加賀「! ちょっと行ってきます」

赤城「ええ、ええ、そうしてください」

加賀「失礼します」

 ガラッ

赤城「……」ズー

赤城「……蒼龍、はいってきなさい」

 ガラッ

蒼龍「あ、あはは……加賀さんがすごい勢いで出てきたからびっくりしました」

赤城「そう。それよりも加賀さんがお茶を変えたらしいのよ、飲みながら話をしましょう」

蒼龍「あ、ありがとうございます」

赤城「どうぞ」

蒼龍「いただきます。――あ、美味しい」

赤城「そうなの。それは良かったわ」


蒼龍「……あの、本題なんですけど。あの爆発って――」

赤城「ええ、私が主砲の中に爆薬を仕込んで起爆させました」

蒼龍「……」

赤城「どうかしましたか?」

蒼龍「い、いえ、どうしてまたそんなことを……?」

赤城「蒼龍、あなたは蠅が目の前を飛んでたらどうする?」

蒼龍「そりゃあ、たたき落とすなりなんなりしますけど……」

赤城「そういうこと。提督に変な理想を求められるのは不快なの。別の鎮守府からの異動組だったしこういう風にしてもいいかなぁって」

蒼龍「な、なるほど」

赤城「……あなたも同じ穴の狢ということは忘れないでほしいわね?」

蒼龍「あはは……そういわれるとなんとも」

赤城「……しかし、あんなに提督が取り乱されるとは思いませんでした。あなたに何か心当たりは?」

蒼龍「いえ、残念ながら」

赤城「そう。残念ねぇ。本当に残念」

やっぱりな(白目)



 ――翌日――
 ――12:00――

 旅順港鎮守府 執務室


旅順港提督「……」カリカリ

旅順港大淀「提督、ご報告が」

旅順港提督「はい、はい。どうぞ?」

旅順港大淀「――鎮守府に異動した択捉の主砲に仕込んだ盗聴器が見つかったようです。昨日から信号を受信できません」

旅順港提督「なるほど、なるほど。それで彼はなにかいってきているんですか?」

旅順港大淀「いえ、特にそのようなことはありません」

旅順港提督「うふ……そうですね、そうですね。当然ですよ、僕はそんなことを指示していないし、実行犯はもう海の底にいるんですから。それよりも今日は――くんが出撃していたはずですよね?」

旅順港大淀「……はい」

旅順港提督「それはよかった、とてもよかった。きっと姉妹を守るためにまた悲劇が起こってしまうんでしょうねぇ、悲しくてやりきれないですねぇ。こんなにも心が痛むなんて……くふ、くふふふ……」

旅順港大淀「……一つ後学のためにご教授ください」

旅順港提督「勿論! ああ、すばらしいですね! 大淀くん、君は実に勤勉だ! なんでもきいてください! この非才でわかることならなんでもこたえますよ?」

旅順港大淀「は、はい、彼女は何をしたんですか?」

旅順港提督「……」ジー

旅順港大淀「し、失礼しました!」

旅順港提督「なぜ謝るんですか? 私は感心していたんですよ? あなたの向上心に。すばらしいですね! 本当に素晴らしいです!」

旅順港大淀「も、申し訳ありません」

旅順港提督「別に謝る必要はないんですがね? そんなまじめなあなたにこのことを話すのは気が引けますね……」

旅順港大淀「どうぞ、わたしなんかにお構いなく」

旅順港提督「いい!」

旅順港大淀「!?」ビクッ

旅順港提督「謙虚ですねぇ! 長く生きていくためにはそのこころが肝心ですよ。いいでしょう、お話しします。あまりのことに怒りで自分を忘れないように……彼女はね、私の前で笑っていたんです」

旅順港大淀「……」


旅順港提督「きっと私の矮躯をみて笑ったんでしょうね。私のこの線みたいに細い目を見て笑ったんでしょうね。きっと私の指揮能力を笑ったんでしょうね。きっと私の長いものには巻かれろという信条を笑ったんでしょうね。きっと私の鎮守府よりも前の鎮守府を懐かしんでいたからでしょうね。ねぇ、大淀くん、こんな不敬がゆるされるんですか?」

旅順港大淀「いえ、絶対に許されないことです」

旅順港提督「そうでしょう、そうでしょう。ああ、分かっているとは思いますが、もし大破して進めないなどと言ったらいつものように督戦部隊に沈めさせなさい」

旅順港大淀「……畏まりました」

旅順港提督「心が痛みますねぇ。任務とはいえこうして君たち艦娘を処分するのも。涙が止まりません。まさに滂沱のごとく。くふ、くふふふ……」

旅順港大淀「は、い」

旅順港提督「ああ、そうだ。その発見された盗聴器はなにか有益な情報をもたらしていたのですか?」

旅順港大淀「い、いえ、ほとんど動いていなかったようです」

旅順港提督「つかえない」

旅順港大淀「……」

旅順港提督「使えない。本当に救いようがない。くふ……」



 択捉編 艦

マトモじゃない奴らに挟まれるとマトモじゃなくなる
オセロかな?

乙でした
ペテ公ベースでヤベえ偉人のキメラ提督のエントリーだ!

というわけで中編規模になった【択捉編 艦】です。
分割での投稿になりましたが途中でいただきましたレスありがとうございます。
告知から随分とお待たせしました……一週間近く前に完成はしてたけどイベがね……割れそうで割れないE4とE5-1ってやつが悪いんだ……
あと新キャラがでました。
もともとニムニム一人でなんとかする予定の相手だったけど択捉も犠牲になりました。

Twitterで呟いたけどモデルは法正、范雎、フーシェ、サロトサルさんとかそこらへんの人たちです。能力は優秀。

次は鈴谷だし癒し。きっと癒し。2、3日中に公開したいです……

>>585
パワーアップしました(白目)

>>594->>596
当スレの長女は大体、不憫枠。球磨しかり、吹雪しかり……

>>603
ろーちゃんの小麦色の肌よりも深くて濃い闇ですが、何とかなる……はず……!

>>604
旅順港にある地獄。けも――やめておきます。

>>605
結構、致命的な欠陥なのでは……

>>606->>608
次の話はどうしようかなと考えると皆、勝手に動いてくれる良い子たちデス。

>>609
ありがとうございます!

>>610
今更ですが、>>1は大和幼稚園でやりました。友軍来たし、大和がスナイプすればヘーキヘーキ

>>623
それも択捉・ニム編のテーマのひとつなのかなぁーって

>>626
なぜバレた(白目)

>>629
オセロは草ァ! こういうレスができる人になりたい……

>>630
やべー奴。どれくらいやべーかっていうと最初は呉提督の予定だったけど不快な思いをする人が出るだろうから、要港部を格上げして鎮守府をでっち上げるぐらいヤバい人。
(鎮守府だった時もありました)

すみません。次回のおまけコンマ取り忘れました……
もしよろしければご協力ください。

↓提督の??判定(コンマ以下が23以下で成功)

↓↓鈴谷の??判定(コンマ以下が56以下で成功)


あと次回、自主規制しないといけないセリフ一杯あるんですが、完全にピー音で消すか2文字くらい残すかでどっちのがいいんでしょう?
年齢制限したくないんだけど……

乙です
少し残す方でいいんじゃないかしら

ありがとうございます。
すげぇ数字がはしってる……感情度とかでなくてよかったのか……?
両者ともに大成功です。

失礼しました。
それではおやすみなさい。

乙女鈴谷、提督の隣を堅守
さすがヒロインレーストップは違いますわ
赤城みてるか~?

おっつおっつ
やっぱりここの赤城さんいいわぁ

最新レス読んで思ったんだけど、赤城の味覚かなり鈍くなってるんかな

>>1
ちなみに次の艦娘安価とるタイミングって言ってたっけ?


なんかよく分からんけど新しい提督は艦娘が自分を嗤ったから[ピーーー]ことにしたわってことか……?

>1
好きなことをして、ゆっくり休んで下さい



 ――14:35――

 京〇閣競輪場


?「おま【ピー!】!! させぇ!! つっこむめ! 足がもげても行けぇ!! 踏ん張らんと46㎝砲をてめぇの家にぶち込むぞ!!」

南方陸奥「はぁ……」

提督「閣下、失礼します」

南方海域司令官(以下、南方)「うるせぇ! 今いいところ――あああああー!! ふざけんじゃねぇよ! 三万がパーじゃねぇか!! おま【ピー!】!! 陸奥、ぶっぱなせぇ!!」

陸奥「はい、はい。それよりも自分で呼んだんだから提督さんのお話をきいてあげたら?」

南方「あぁぁ!?」

提督「おひさしぶりです」

南方「おう! よく来たな坊主! 財布出せ!」

提督「……はっ。どうぞ」

南方「ひぃ、ふぅ、みぃ……結構、もってるじゃねぇか」

提督「閣下がここに私をお呼びになられたので準備はしてまいりました」

南方「へっへっへ……ものわかりのいいのは好きだぜ? そんじゃあ10万かりとくわ」

提督「ご随意に」

鈴谷「うえっ!?」

南方「あん? うるせぇぞ、ねーちゃん! ちゃんと利子付けてかえしてんだよ、外野がうだうだいうんじゃねぇ!」

鈴谷「ご、ごめんなさい……」

南方「ふん! で、なんだいこのねーちゃん。お前のこれか?」コユビ、タテ

提督「……いえ、ここにわたしが呼ばれた原因の代表です」

南方「ああ、なんだ、艦娘かよ。そりゃあだめだ。艦娘つーのは筋肉ばっかりついて抱き心地がわるくてな」

南方陸奥「悪かったわね!」

南方「はっはっは……! よっしゃ、次のレースはでかいからな、お前も賭けろ! 勝ったら一緒に風呂屋いくぞ!」

提督「……レースだけはお付き合いします」

南方「よっし! さて何番にすっかな。あれがこうきて、これがこうで……」ブツブツ

提督「はぁ……」

南方陸奥「ごめんなさいね? 嫌ならちゃんと私からいってやめさせるわよ?」

提督「余計なお世話だ。鈴谷、ついてこい」

鈴谷「う、うん」



――――――

 
 京〇閣競輪場 売店


提督「これで」

おばちゃん「あいよー」

提督「ちっ。なんで新聞まで買ってこんなことをせねばならんのだ……」ブツブツ

ワー、ワー! ……ワー!

鈴谷「……」キョロキョロ

提督「なにをしている! おいていくぞ!」

鈴谷「ご、ごめんなさい」

提督「まったく……。お前、好きな数字はあるか?」

鈴谷「え? 数字?」

提督「そうだ。つきあわんと閣下のご機嫌を損ねるからな、適当に買うぞ」

鈴谷「……お金、賭けるんですよね? そんなのもったいないと思いま――」

提督「全くだ! 馬鹿馬鹿しいことこの上ない!」

鈴谷「え? それならかわなくていいじゃn――いいんじゃないですか?」

提督「閣下のご機嫌を損ねるといっているだろ! 見た目通り、頭は空っぽか!」

鈴谷「そんな風に言わなくても……」

提督「はぁ……宮仕えのつらさというものだな。ほら数字を言え」

鈴谷「じゃあ、7で」

提督「ななぁ? ……三番人気か。まぁ、いい。あとは2と……二車単は流石にな……二車複で5000円……いや、閣下が納得せんか。一万円っと」

鈴谷(うわぁ……一万円もつかっちゃうんだ。もったいなぁ……)

提督「……なんだその眼は?」

鈴谷「!? な、なんでもないです!」

提督「……一応は公営だ。ドブに捨てるわけではない。お国のためにもなるはずだ」

鈴谷「へ?」

提督「なんだ?」

鈴谷「なんでもないです!」

鈴谷(?? なんか話してて思ったけどこの人、ちょっと考え方がズレてるのかも)

提督「それでは発券機によって帰るぞ」

鈴谷「はぁ」

提督「気のない返事をするなとなんどいわせる! はっきりとしろ!」

鈴谷「は、はい!」

提督「ふん!」

鈴谷(やっぱり普通に嫌な人だ……)



――――――


南方「おう! ……って、もう買ってきたのかよ」

提督「はい。帝國軍人たるもの即断即決が旨ですので」

南方「はっはっは……なるほどな! いいこというじゃねぇか。よっし、それならワシもそうするか。陸奥、これで買ってこい」

陸奥「……またこんな買い方するの?」

南方「おう! 勝負だ、勝負! 三連複と三連連で10万よ!!」

陸奥「はぁ……」

南方「で、お前さんは何を買ったんだよ?」

提督「2-7の二車複を一万円分です」

南方「へぇ、わかってんじゃねぇか。わっはっは……けどまぁ、小僧じゃあそんなもんだわな」

提督「恐縮です」

南方「はっはっは……で、おまえさんはどうしたい? 一応、艦娘のねーちゃんにもきいとくけどどうなんだよ?」

鈴谷「? ええっと、そのどういうこと――」

提督「……艦娘の意見など考慮する必要はないかと」

南方「はぁ……けどよ、相手が艦娘だって言っても自分たちの処遇に対しての要望ぐらいは聞いてやっても罰は当てらねぇと思うぜ?」

提督「個人の希望よりも戦局を優先すべきと愚考いたします。艦娘の希望などいちいちお耳に入れる必要はないかと」

南方「そんなんじゃ、いつまでたっても艦娘と強い絆は結べそうにねぇな」

鈴谷(うん、絶対に無理そう)マガオ

提督「……失礼いたしました」


南方「小僧も納得したようだから聞くけど、ねーちゃんはどうしたいんだ?」

鈴谷「その、話の流れが……」

南方「ああん? 話しのわかんねぇ奴だな。今後、お前さんたちはどうしたいかってことだよ」

鈴谷「どうしたいのかといわれても……あのどんな選択肢があるんでしょうか?」

南方「あ? 面倒だな。おい、小僧」

提督「はっ。一度しか言わんので心して聞くように」

鈴谷「はい」コクッ

提督「まずお前たちのもとの指揮官は北方海域司令部の所属であったので北方に行くというのが一つだ。次に閣下の南方海域司令部の直属になるという選択肢がある。最後になったが私の鎮守府にとどまるということも勿論、可能だ」

鈴谷(そういわれても――)

鈴谷「す、すみません。私にはどうするのがいいかわからないです……」

提督「やはりこいつらの頭ではそこまでのことは考えられんようですな」

鈴谷「……むぅ」

南方「なぁ、小僧、お前さんわしの話はきいてたよな?」

提督「勿論です。しかし、すぐにでてこない希望など聞く意味もないでしょう」

南方「はぁ……もういい。で、小僧の意見はどうなんだ?」

提督「はっ! このまま鎮守府の戦力として正式にすべての艦娘を配置していただければ幸いです」

南方「……そりゃあそうだわな。しかし、最新鋭の戦艦1隻に軽巡洋艦1隻。これだけでもありえないほどの増強だぜ? そこに重巡洋艦と潜水艦なんてちょっとよくばりすぎってもんじゃねぇか?」

提督「私にお預けいただいている鎮守府は最南方の要と自負しております。ブルネイ、マニラ、サーモン諸島に建設された基地の全てを援護するためには戦力はいくらあっても過剰とは言えないと思います」

南方「まぁ、西方もこっちに援軍要請するときは小僧を必ず指名するしな。二方面に展開することを前提とすれば過剰ともいえんか」

提督「ご理解いただければ幸いです」

南方「まぁ、その辺は元帥の野郎にはよくよく伝えておいてやるよ」

提督「ありがとうございます」

南方「なぁ、あんなクソ爺だってお前が戦死するのを望んでるわけじゃ――」

提督「閣下、お言葉を遮るようですが私はそのようなことは一切考えておりません」

南方「……そうか」

鈴谷「?」

鈴谷(どうしたんだろ? なんか雰囲気が変わったような――)

南方「はぁ……陸奥の奴、おせぇなぁ。なぁ、ねぇちゃんもそうおもわねぇか?」

鈴谷「!? え、ええっと」

南方「きっと屋台でなんか買い食いしてやがるんだな。腹の出る格好してるくせに馬鹿な奴だよな?」

鈴谷「そ、そんなことはないと思いますけど……」

南方「はぁ? ねぇちゃんには聞いてねぇよ。いきなりどうした?」

提督「申し訳ありません。こいつは察するということができないようでして……」

南方「そうか、そうか。それよりも小僧の車券だけど当たると思うぜ? なんたって俺の読み通りだ」

提督「ありがとうございます」

鈴谷「えぇ……」

南方「それより本当におせぇなどっかで若いの捕まえてしっぱりと――ポカッ!――あ、いてぇ!?」

南方陸奥「なんてこといってんのよ!」

南方「てめぇがおせぇのが悪いんだろ! へっ、俺ならこんだけ時間あれば女の一人二人捕まえてきてんぜ? ガハハ……!!」

南方陸奥「はぁ……はい、はい。それより買ってきたわよ」


南方「おう! へっへっへ……ここで当てて逆転よ! おま【ピー!】!!」

鈴谷「……」ゼック

南方「レース前の景気づけだ! お前らも叫べ! おま【ピー!】!!!」

提督「……」

南方「おま【ピー!】!! ……んだよ、ノリがわりぃいな」

提督「申し訳ありません。閣下のご命令とあれば何であっても努力はいたします。しかし、帝国海軍の品位を貶めるようなことはいたしかねます」

南方「ちっ! つまんねぇな。おい、陸奥、ビール買ってこい!!」

南方陸奥「……おつまみはどうするの?」

南方「唐揚げ」

南方陸奥「わかったわ。さ、あなたも一緒にいきましょう?」

鈴谷「え? 私もですか?」

南方陸奥「いくらあなたのところの提督さんがいてもこんな人と一緒にいたらセクハラされるわよ?」

鈴谷「えぇええ!?」

南方「おうよ! よけりゃあその乳、揉ませてくれや!! ガハハ……!!」

鈴谷「陸奥さんと一緒に行ってきます!」

南方「んだよ、つまんねぇ」

提督「……おい、鈴谷」

鈴谷「は、はい! な、なんですか?」

提督「これでなにか好きなものでも食べてこい」

鈴谷「え……いいの?」

提督「好きにしろ」

鈴谷「あ、はい」

陸奥「ふふ、よかったわね。それじゃあいきしょう」

鈴谷「……はい」



――――――


南方陸奥「さぁ、鈴谷ちゃんはなにがたべたいの?」

鈴谷「それよりもビール買ってすぐに帰らないと怒られるんじゃないですか?」

南方陸奥「ああ、あの人は外でお酒飲まないから買う必要ないわよ」

鈴谷「えぇぇ!? それならどうして――」

南方陸奥「あなたの提督さんと二人でお話がしたいってこと。ふふ……人払いぐらいは海軍らしくスマートにしたいらしいわよ?」

鈴谷「は、はぁ……」

鈴谷(だから、あの人もお金くれたんだ……)

南方陸奥「ふふ……あの人たちといるの大変だったでしょ?」

鈴谷「そ、そんなことないですよ……あはは……」

南方陸奥「笑顔、ひきつってるわよ」

鈴谷「うっ。ちょっと大変でした……」

南方陸奥「ふふ、正直な子ねぇ。なにか買ってから私たちもお話しして時間つぶしましょう?」

鈴谷「は、はい」



――――――


鈴谷「……」ハムハム

南方陸奥「このドーナッツ、美味しいわね」

鈴谷「は、はい」

鈴谷「……」

陸奥「……」

鈴谷(き、気まずい。海域司令部の秘書艦さんとなには話せばいいのかなんてわかんないし……)

南方陸奥「……ああ、そうだ。金剛は元気にしてる?」

鈴谷「え? 金剛さんとお知り合いなんですか?」

南方陸奥「ええ、建造されたのがほぼ同期なのよ。そろそろあのテンションもおちついたのかしら?」

鈴谷「あ、ははは……金剛さんはいつも元気いっぱいですね」

南方陸奥「ふふ、それは良かったわ。あの子も……」ボソッ

鈴谷「? ごめんなさい。最後のほう、聞こえませんでした……」

南方陸奥「ううん、なんでもないわ。気にしないで」

鈴谷「は、はぁ」


南方陸奥「ふふ……それよりもあなたのところの提督さんって可愛いわよね」

鈴谷「は、はぁ――ん? えぇぇ!?」

南方陸奥「うふ、冗談よ、冗談」

鈴谷「そ、そうですよね。ちょーびっくりしたぁ……」

南方陸奥「そんなに驚くことかしら。子供のときなんかは本当にかわいかったのよ? いっつも――」

鈴谷「子供の時のことなんて知らないですけど、今はこれっぽちも可愛くないです! いっつも私のことも馬鹿にするし……」

南方陸奥「男の子っていうのは素直じゃないのよ? 案外、あなたのことが気になってるだけだったりして」

鈴谷「いや、そういう次元じゃないですって……」

南方陸奥「あらあら」

え、こんな話題が出るってことは子供の頃からの知り合いなのかこの人達……

南方陸奥さん一つ上の代から現役なのか



――――――


 一方、そのころ


ワー!ワー! ソコダー!

南方「そこだ! そのまま! そのまま! 余計な事すんじゃねぇぞ、おま【ピー!】野郎ども!! おま【ピー!】!!!!」

提督「……そのままだ、そのままいけ」ボソッ

 ワー! ワー! ワー!

南方「おっしゃあ!!!」

提督「……馬鹿な」

 ワー! ヤッター! フザンケンナー! ワー!! ワー!!

南方「ざまぁみやがれぇ!! こん畜生!! おま【ピー!】!!!!! ガハハ……!!!」

提督「当たった……?」

南方「んだよ、小僧もあたったんだろ? 喜べよ!」

提督「は、はい」

南方「嬉しいならなんでもいいから叫べぇ!」

提督「は、はい! う、うおー!」

南方「ちいせぇ!!」

提督「うわぉー!!!」

南方「ガハハ……!!」



――――――


南方陸奥「そろそろレースも終わっただろうしかえりましょうか。ほうっておくとあの人、なにするかわからないし、ね」

鈴谷「えっと、大変ですね」

南方陸奥「ええ。本当に大変なのよ」

鈴谷「あ、はは……」

南方陸奥「……まぁ、でもあんな人でもいいところもあるのよ?」

鈴谷「! そ、そうですよね。ごめんなさい、調子にのっちゃって……」

南方陸奥「ううん、私こそ責めるようなことをいってごめんなさい。そういうつもりでいったんじゃないのよ?」

鈴谷「は、はい」

陸奥「……私が建造されたときっていうのは艦娘の運用についてまったく確立されてなかったの。だから、全部が手探り」

南方陸奥「いきなり人類の前に現れた妖精さんが作った兵器」

南方陸奥「それも今までの兵器を無効化してしまう深海棲艦という敵に対して唯一、有効打を与えられる感情を持った兵器」

南方陸奥「そんな私たちがどんなふうに扱われたと思う?」

鈴谷「うっ……そ、それは――」


南方陸奥「ふふ……ごめんなさい。意地悪しちゃったわね」

鈴谷「――え?」

南方陸奥「あなたがきっと想像したようなひどい目には私たちは合わなかったのよ」

鈴谷「ほっ……よかったです……。昔は艦娘をつかった実験があったなんて話きいてたから、つい」

南方提督「ええ、そういう事実もあったかもしれないわね。でも私と同じころに作られた子たちは今の元帥さんやうちの人がいろいろと頑張ってくれたから沈むにしても満足して笑顔で散っていったわ」

鈴谷「満足して沈む、ですか?」

南方陸奥「ええ、刀折れ矢尽きても剣林弾雨を掻い潜って最後まで国民だったり好きな人のために戦えたから」

鈴谷「……」

南方陸奥「うふふ……納得いかなそうな顔してるわね?」

鈴谷「ごめんなさい……。でも、またあのくらい海の底に帰るのに笑顔でなんて想像できなかったから……」

南方陸奥「そうでしょうね。私もずっとあの人と馬鹿やっていられるのならきっとそれが一番、幸せだと思うわ」

南方陸奥「でもね、わたしもあの人を守るためならきっと迷いなくこの身を投げ出せるわ」

南方陸奥「……あんな人だからどんなふうにいい人なのか説明しづらかったから私の気持ちを話しちゃったけれど、あの人が少しは『いい人』なのかとなのか少しわかったかしら?」

鈴谷「……はい。陸奥さんみたいにすごい艦娘でもそんなふうにおもえるような人なんだってわかりました」

南方陸奥「ふふ……それはよかったわ」

鈴谷「……」ポー

南方陸奥「あら? 私の顔に何かついているかしら?」

鈴谷「いえ、きれ――」

南方「お! 居やがった! おい、探したぞ! 陸奥! 大当たりだ! かえって酒飲むぞ!」

南方陸奥「はぁ……ごめんなさいね。また後でお話ししましょう」

鈴谷「は、はい」

南方「当分は豪遊だな! 豪遊! 好きなもん買っててやるぞ!」

南方陸奥「はい、はい。どうせすぐに溶けちゃうと思うから期待しないで待ってるわね」

南方「ガハハ……!!」

鈴谷「……」


提督「……どうした?」

鈴谷「きゃ!?」

提督「上官に声をかけられてその対応というのはどうかと思うがな」

鈴谷「ご、ごめんなさい!」

提督「それで閣下のほうをじっと見ていたがどうした?」

鈴谷「え? その、いいなって思って……」

提督「……異動したいということか?」

鈴谷「そういう意味じゃないし……」

提督「は? では、どういうことだ」

鈴谷「陸奥さん、楽しそうだなって思っただけだs――です」

提督「慣れん言葉遣いはやめろ。私ははきっりと喋れば艦娘の言葉遣いなど気にせん」

鈴谷「え? おこらない?」

提督「くどい。龍驤のおかげで慣れん敬語を使われても気分が悪くなるだけだと分かったからな」

鈴谷「は、はぁ」

提督「言葉遣いはどうでもいいといったが、そのようなあいまいな返事はやめろとなんどもいっているだろ!」

鈴谷「うっ……ご、ごめんなさい」

提督「この程度で委縮するな。面倒な奴だ」

鈴谷「ぶー……そういうふうにいうのがわるいんじゃん……」ボソッ

提督「で、先ほどの言葉だがどういう意味でいったのだ」

鈴谷「いや、あの二人がとっても仲良さそうだから……いいなって――思ったんです」

提督「だから、そのとりつくったようないいかたを止めろといっているだろ! ちっ、まぁいい。しかしそういうことか」

鈴谷「さっきも陸奥さんすっごい綺麗だったんで――だよ……」

鈴谷(私もあんなふうに誰かのために頑張れるようになれるのかな……?)

提督「私はあれは好かんがな」ボソッ

鈴谷「え? どうしてです――」

提督「……」ギロッ

鈴谷「――どうして?」

提督「……忘れろ。余計なことをいった」

鈴谷「う、うん」


提督「はぁ、帰るぞ。説明は終えた」

鈴谷「あの、それなら私たちってどうなるの?」

提督「ご納得いただけたようなので残念ながらお前たちは私の鎮守府に残留することになるだろうな」

鈴谷「そうなんだ」

提督「今更、嫌だなどというなよ」

鈴谷「別にそういうわけじゃないし……」

提督「なら黙って――」

南方「小僧!」

提督「――はい。いかがいたしましたか?」

南方「雀荘いくぞ! 雀荘!」

提督「……畏まりました」

南方「ワシの豪運を見せつけてやるから楽しみにしてろよ! ガハハ……!!」

提督「閣下のご武運をおもいますとお手柔らかにお願いします」

南方「おうとも! しかし、こうも大きく勝った日は普通に金を賭けるのはおもしろくねぇな」

提督「?」

南方「さて、どうすっかな……よし決めた!」

提督「私に出せるものは限られております――」

南方「お前、この艦娘賭けろ」

提督「は?」

鈴谷「え?」

提督「し、失礼しました! か、閣下、しかし、先ほどのお話では――」

南方「お前は中将。俺は大将。しかも直属の部下だ」

提督「そ、それはそうですが……賭け事で戦力の分配を決めるなどあってはならないかと」

南方「馬鹿言うなよ。それをきめんのは俺だ」

提督「うぐっ……ぐぐぐ……」

南方「……おい、返事は一つしかねぇだろ? 違うか?」

提督「か、かしこまりました……」

鈴谷「ちょっ!?」


 空谷の跫音Ⅱ 艦

空谷の跫音Ⅱ 艦です。

正直、麻雀編まで突っ込むか迷ったけど文字数も文字数だし切りました。
申し訳ありません……。

遅くなって大変、恐縮ですがいただいたレスに返事させていただきます。

>>635
ご意見、ありがとうございます。少しだけ残しました。
【ピー!】こんな多用するキャラはもう増えないはず……

>>637
赤城見てると3スレ目のIF編が本編にっ……!

>>638
(かわ)いい

>>639-641
味覚は赤城編で掘り下げていきます。

>>642
ツイッターで呟きましたが日向編の前に安価やります。

>>644
轟沈関係するブラック鎮守府はアレな描写なのでできるだけぼやかしてますが、そういうことです。

>>645
ありがとうございます! 八月からのこと思うといろいろと胸が躍ります!

>>654
そういうことです。
金剛編で詳しくやる予定。

>>655
鈴谷からすると20年近く前に建造されてるのでだいぶ上の世代ですね。

乙でした
運も実力の内ってやつか


上司と麻雀とか勝っても負けても面倒くさそう過ぎて心底ご遠慮したいわ……私的なつながりがある分提督はまだマシなんだろうけど

>>1です。
本日の更新ですが、22時からをよていしています。
投下前に阿賀野のコンマとりますのでご協力いただければ幸いです。

>>662
?「運を引き込むのは力。力を引き出すのは運。力と運ってのは 言わばコインの表と裏さ」

>>663
うちの場合は案外、上司と卓をかこむのも楽しかったです。……レートはいいなりになるけど。
本編では私的なつながりがあるからこそってなる予定。

それでは更新していきます。

提督から阿賀野への感情度↓コンマ以下
阿賀野から提督への感情度↓↓コンマ以下

うーん、揃って低調。挽回なるか。
感情度が20以下です。好感度コンマに移行いたします。

提督から阿賀野への好感度↓コンマ以下
阿賀野から提督への好感度↓↓コンマ以下

ご協力ありがとうございました。。
これは……スレタイ通りの関係になりましたね。

阿賀野にこの数値出されるってなにしたんや……。


提督から阿賀野への感情度:13
提督から阿賀野への好感度:19

阿賀野から提督への感情度:15
阿賀野から提督への好感度:31

五十鈴編書いててこの世界の海軍の組織図がいるのかなと思ったので作りました。
本編はちゃんと書いてるのでこっちが手抜きなのは許してください!
()がSS内で登場した際の名前表記、【】がその組織の簡単な担当説明です。

ttps://kennakuteitoku.imgur.com/all/?third_party=1

リンク間違ってませんか?

組織図のリンクを間違えていました。
大変申し訳ありません。

正しくはこちらになります↓
ttps://i.imgur.com/iZCgAdU.jpg


>>677
ご指摘ありがとうございます!

>>1は個人的に加賀さんが好きって話は前に見たけど、この作品の登場する艦娘で一番気に入ってる娘はどの娘ですか?

>>679
皆、色々と思いれもありますので好きですので一番といわれるとちょっと難しいかもです。
ただあえて挙げるなら現状では陽炎ですね。そのせいでちょこちょこ無理くりねじ込んでます。

余談ですがまだ書けてないところまで含めるなら金剛、神通、間宮さんあたりです。
コンマ取ってないけど設定は作ってる子までいれると青葉とか扶桑姉さまです。


 XX11年 5月

 ――19:15――

 日本 軍令部 提督執務室


提督「……」ウロウロ

五十鈴「……」

提督「あ」

五十鈴「……こんどはなに?」

提督「お茶請けを用意し忘れていた。間宮のところに行ってなにかもらってくるので待っていてくれ」

五十鈴「はい、はい」

提督「うむ。すまないな」

五十鈴「……嬉しそうにしちゃってバカみたい」ボソッ

提督「? なにかいったか?」

五十鈴「何にもいってないわよ! それよりも早くお茶菓子持ってこないと鹿島が来ちゃうよ!」

提督「う、うむ。しかし、君があの鹿島と知り合いだったとは驚いた」

五十鈴「別に。向こうが一方的に話しかけてくるだけだっていってるじゃない」

提督「はは……そうか、そうか」

五十鈴「何がおかしいのよ。それよりも約束の時間まであと10分だけど?」

提督「ああ、そうだな。私のことは気にせず二人で談笑でもして待っていてくれ」

五十鈴「……」

提督「ああ、お茶の場所は――」

五十鈴「わかってるわよ! 早くいきなさいって!」

提督「はっはっは……すまん、すまん」

 バタン

五十鈴「……こんなことになるなら来てもいいなんて言わなきゃよかった」



 ――――――



 同日

 ――12:15――

 日本 軍令部 艦娘用食堂


五十鈴「……」モグモグ

鹿島「今日もお隣いいですか?」

五十鈴「……好きにして」

鹿島「はい!」ニコニコ

五十鈴「それにしてもあなたも物好きよね。五十鈴と一緒にご飯食べても面白いことなんて一つもないでしょうに」

鹿島「そんなことないですよ? いっつもためになるお話聞かせてもらってますし」

五十鈴「そう」

鹿島「はい!」

五十鈴「……」モグモグ

鹿島「あ、そういえば今日、五十鈴さんの訓練見てたのって――」

五十鈴「! あの人が五十鈴の提督よ」

鹿島「――え? それならいつも五十鈴さんがお話ししてたのってあの人なんですか?」

五十鈴「そうよ。色々と五十鈴のために考えてくれてるの、すごいでしょ?」

鹿島「は、はぁ」

五十鈴「なによ、その期のない返事」

鹿島「いえ、その……」

五十鈴「はっきりいいなさいよ」

鹿島「……わたしも昔、あの人の指揮下にいたことがあったので」

五十鈴「そうなの?」

鹿島「ええ、その時はまだ少佐でしたけど」

五十鈴「ふーん……。ねぇ、それならあなたからみたあの人ってどんな風なの?」

鹿島「どんな風っていわれても……」

五十鈴「あの人のことだからきっと色々とあったんでしょ? 教えなさ――」

鹿島「やめてください!!」

五十鈴「え……」

 ざわ、ざわ……ざわ……

鹿島「ご、ごめんなさい! あの、その、私、その――」

五十鈴「べ、別に構わないけれど……」

鹿島「うぅ……」

愛想のある提督とか天変地異の前触れか!?と思ったが名前欄見て納得した

>>683
本編から7年前の出来事ですのでまだ提督もまともなころです

陽炎を描いてみました
イメージを損なう可能性があるので、閲覧にはお気をつけ下さい

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1901562.jpg

めっちゃ簡易な差分
ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1901563.jpg


提督を語ってる時の陽炎めっちゃ可愛い

あ、今までにスレに貼った画像は>>1さんなら好きに使ってもらって大丈夫ですよ
わざわざアイコンにして頂いて嬉しかったです
これからも更新楽しみにしてます!


いつの間にか更新増えてて嬉しい
やっぱこのSSは俺にとって癒しなんやな、って再確認

結構な期間開けてしまい申し訳ありませんでした。
今の会社辞めることになりましてその引継ぎとかでバタバタしていました……
10月までは無職になりますので8月3日からは日曜以外は日曜以外は毎日更新できればと思っています。

>>687>>688
ありがとうございます……ありがとうございます……!
感謝の言葉が大変、遅れてしまい申し訳ありませんでした。
……その上、図々しいお願いではあるのですが拝見出来なかったのでもう一度上げていただければ本当にありがたいです。
冗談でもなく私にできることであればなんでもしますから!

アイコンのご許可ありがとうございます! 本当にいただきましたものは家宝です。

>>691
そんなふうにおっしゃっていただけると……本当にありがたいです。
癒し要素薄い作品ですがこれからものぞいていただければ幸いです。



 ――13:00――


  日本 軍令部 艦娘用食堂前


鹿島「五十鈴さん、さっきはごめんなさい……」

五十鈴「別にいいわよ。気にしてないわ」

鹿島「……」ジーッ

五十鈴「な、なによ?」

鹿島「あの――ですか?」ボソッ

五十鈴「? 小さくて聞こえなかったんだけれど」

鹿島「あ、いえ、その――」

五十鈴「はっきりいいなさいよ」

鹿島「うっ……そ、それじゃあ――あの、五十鈴さんって提督さんになにか弱みでも握られてるんですか?」

五十鈴「はぁ!?」

鹿島「だっておかしいじゃないですか! あの提督さんですよね!?」

五十鈴「そ、そうだけど……」

鹿島「だったらなんであなたみたいにまじめで優しい人があんな人を褒めえうんですか? おかしいですよ……」

五十鈴「むっ……! あなたのいってることのほうがよっぽどおかしいわよ! あの人は五十鈴のためにいろいろとしてくれて本当に感謝しているんだから!」

鹿島「……そんなはずありません」

五十鈴「決めつけないで! あなたに私とあの人の何が分かるのよ!」

鹿島「……」

五十鈴「……」

?「邪魔です」

鹿島「え……ひぃ……」

加賀「どきなさい。そこにたっていられると食堂に入れな――」

赤城「……もういいです。やっぱり面倒です」

加賀「し、しかし……お食事ぐらいはしっかりととった方が……」

赤城「いりません。戦場だけあれば結構」

五十鈴「はぁ?」

赤城「……なんですか?」

五十鈴「ちゃんと食べないと戦闘なんてできないでしょ。なにいってるのよ」

赤城「くふ……あなたのご武運をお祈りしてますよ」スタスタ

加賀「あ、赤城さん、まってください! あ、あなたたち、赤城さんをここに連れてくるまでどれだけ苦労したか――」

赤城「行きますよ」

加賀「は、はい……」

五十鈴「……なによあれ」

鹿島「い、一航戦のお二人ですよ。本当にびっくりしたぁ……」

五十鈴「ふーん」

鹿島「ふーんって……」

五十鈴「空母ってあの人が運用について色々と功績あったのしってる?」

鹿島「え、ええ」


五十鈴「だからかなんか親近感あるのよね。私の対潜技術もそんなもんだし」

鹿島「……」

五十鈴「なによ、その顔」

鹿島「……やっぱりなんであんな人にそこまで肩入れするのが分からないんです」

五十鈴「あー、もう! なんどおなじやりとりするのよ! それなら今日の任務が終わった後にでも本人に会ってみればいいじゃない!」

鹿島「え?」

五十鈴「あってみればわかるわよ! 強面だけどいい人――うっ、あ、あなたが思ってるよりもいい人だって!」

鹿島「……分かりました」

五十鈴「へ?」

鹿島「今日の夜でしたら私も時間があります。ぜひ、もう一度だけお会いさせてください」

五十鈴「さ、さっきのは言葉の綾というか――」ゴニョゴニョ

鹿島「やっぱりなにかひどいことされたりしてるんですか?」

五十鈴「どうしてそうなるのよ!」

鹿島「だって私をあわせたくないんですよね?」

五十鈴「そ、そういうわけじゃないわよ。ただあの人の夜の予定を知らなかったから……」

鹿島「でしたら、確認して艦娘寮の364号室まで内線をください。ヒトハチマルマル以降でしたらお部屋にいますから」

五十鈴「……急に押しがおしがつよくなったじゃない」

鹿島「私は心配なんです。あなたがあの子みたいになるんじゃないかって」

五十鈴「わけわかんないわよ」

鹿島「わかっていただけなくても結構です」

五十鈴「うっ……わ、わかったわよ……」

鹿島「約束ですよ? お友達として」

五十鈴「……ええ」



 ――15:30――

 日本 軍令部 提督執務室


提督「今日の夜の予定?」

五十鈴「そうよ。空いてる?」

提督「少し待ってくれ。ふむ……どうしてそんなことを聞く?」

五十鈴「理由なんてどうでもいいじゃない」

提督「そういわれてもな。友人と飲みにいくことになっている」

五十鈴「ほっ……それならあなたに会いたいって子がいるんだけど断っておくわね」

提督「私に? 龍驤ならこの間、飯を食いに行ったばかりだし――」

五十鈴「ちょっと」

提督「なんだね?」

五十鈴「ねぇ、龍驤ってだれ?」

提督「あ、ああ、昔、指揮を執っていた艦娘で――」

五十鈴「ふーん。今度からその娘に会うときは私をつれていくこと」

提督「? なぜ?」

五十鈴「い・い・か・ら!」

提督「う、うむ……。それで私に会いたいというのは誰なんだ? すまないが心当たりがない」

五十鈴「鹿島ってしってる? その子よ」

提督「……鹿島」

五十鈴「?」

提督「わかった。予定を空けておく」

五十鈴「!? ちょ、ちょっといいわよ、無理しないで」

提督「いや、あれ以来、会っていないからな。私から話をしておきたいこともある」

五十鈴「……」

提督「よければわたしのほうで返事をしておこう」

五十鈴「いいわよ! 私がする!」

提督「そ、そうか。すまないな」

五十鈴「ふん!」



 ――――――


 ――19:25――

 日本 軍令部 艦娘用食堂


提督「すまない。間宮はいるか?」

間宮「はーい――って、提督さんじゃないですか! どうかしたんですか? ひょっとして私に会いに来てくれたんですか?」ニコニコ

提督「あ、いや、その、艦娘の舌に会うような茶菓子はないかと……」

間宮「ああ、それでしたらいくつもありますよ。なにがいいですか?」

提督「かんたんなものでいい」

間宮「そうですか? せっかくご一緒に食べるんですから豪華なもののほうがいいかなぁって思ったんですけれど」

提督「は?」

間宮「ああ、こっちのお話ですのでお気になさらず」

提督「う、うむ」

間宮「それなら間宮特性の羊羹があります! どうぞ」

提督「すまないな」

間宮「いえいえ」ニコニコ

提督「……それでは失礼する」

 バタン

間宮「ああ、私と提督のお茶会に誰が来るのかしら? 龍驤さんですか? それとも北号組の皆さん? あ、鹿島さんだったりします?」

間宮「楽しみだなぁ」

伊良湖「お皿片付けおわりま――? 間宮さん、嬉しそうですけれどどうかしたんですか?」

間宮「んー? 内緒」

伊良湖「??」

おつです
提督が(比較的)まともだった頃か……すでにやべーのやべーみたいだが


地雷原でタップダンスしてたらそら色々と歪むわな……

あらら、時間切れでしたか...申し訳ない;

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1910877.jpg

ttps://dotup.org/uploda/dotup.org1910878.jpg


勝手に描かせて頂いているので見返りだなんてとんでもない!
これからも楽しみにしていますねー!

乙です
その、これからが大変だから頑張れ……提督にしろ、イッチにしろ

再開します。

>>698
赤城さんと加賀さんは今とは別ベクトルですが、間宮さんはこのころから間宮さんです。
さすがは無線検知艦だぜ!

>>699
現在進行形で同じようなことしてるから毎回、IFで死んでしまうという……

>>700
本当にありがとうございます!
可愛い! 今後ともこんな焦った顔をどんどんして欲しいです。(ゲス顔)

>>701
ありがとうございます。とりあえず次の職場行くようになるまでは全力で更新します!
提督は……うん、そうねぇ……

ふと思ったけど
間宮さんの盗聴器がフル活動出来てると言う事は
この鎮守府は防諜対策が皆無なのかも



 ――19:30――

 日本 軍令部 提督執務室


 コン、コン

五十鈴「! どうぞ」

鹿島「失礼しま――あれ?」

五十鈴「あの人ならお茶菓子とりにいってるわよ」

鹿島「そうですか……」

五十鈴「え、ええ……」

鹿島「……」

五十鈴「……座ったら?」

鹿島「あ、はい。ありがとうございます」

五十鈴「別に。立って居られても落ち着かないでしょ」

鹿島「あはは……」

 ガチャ

提督「戻っ――もう来ていたか……」

五十鈴「遅いのよ、もう!」

提督「う、うむ」

五十鈴「? どうかしたの?」

提督「い、いや、そうだ、あれだ、うん……ひ、久しぶりだな」

鹿島「ー……はい、お久しぶりです提督さん」ニコ

提督「……うむ」

五十鈴「??」

提督「お茶を入れるので羊羹をくばっておいてくれ」

五十鈴「ええ、わかったわ」

提督「うむ」

提督「……」スタスタ

鹿島「……」ジーッ

五十鈴「……ねぇ」ヒソヒソ

鹿島「え!? は、はい!」

五十鈴「ちょっ!?」

提督「! ど、どうした!?」

五十鈴「な、なんでもないわ!」

提督「なんでもないという感じの声でも――」

五十鈴「いいから! ね!?」

鹿島「は、はい。なんでもないです」

提督「あ、ああ、そうか……」

五十鈴「なんて声出してんのよ!」ヒソヒソ

鹿島「ご、ごめんなさい」ヒソヒソ

あんまり無理しないでね


五十鈴「……まったく。でも、わかったでしょ? ちょっと挙動不審だけど普通の人よ、普通の人」ヒソヒソ

鹿島「……」

五十鈴「あなたが疑うみたいに私を脅したりしないわよ」

鹿島「……」

五十鈴「……あなたねぇ! いい加減にーー」

提督「ど、どうした!? さきほどから様子がおかしいがなにかあったのか?」

五十鈴「様子がおかしいのはあなたでしょ! なにをそんなに動揺してるのよ!」

提督「ど、動揺など――」

五十鈴「してるじゃない!」

提督「うぐっ……先ほど言ったように鹿島に伝えたいことがあるだけだ……」

五十鈴「なら、さっさっといえばいいじゃない」

提督「……そういうがな」

五十鈴「……なによ? それともわたしがいるまえじゃ言えないようなことなの?」

提督「そ、そういうわけではない」

五十鈴「なら、はっきりという!」

提督「う、うむ……」

鹿島「……」

提督「……あの、ときは酷な命令を出した。すまなかった」

五十鈴「??」

提督「つらいものはあったと思うが私も苦渋の――」

鹿島「今更……」ボソッ

提督「! い、いや、違う――!」

>>703
そこらへんについては本営時代は間宮編の提督との出会いあたりでやる予定です。
鎮守府は防諜対策してる艦娘が間宮さんなので……救いはないね……!

>>705
ありがとうございます。
無理のない範囲でやっていきます!


鹿島「今更、そんな言い訳なんてしなくて結構です!」

提督「そういうつもりでは――」

鹿島「沈んだ子を悼むこともしなかったのに! 薄っぺらな言葉はやめてください!」

五十鈴「ちょ、ちょっと!」

鹿島「五十鈴さんは口を挟まないでください!」

五十鈴「うっ……」

鹿島「あなたが謝らないといけないのは私ですか!? 提督さん、もう一度私の目をみて同じことがいえますか!?」

提督「……すまない。あの子にも君にもそう思っている」

鹿島「本当に、本当にそうおもってるんですか?」

提督「ああ」

鹿島「……それなら優しいふりをするのをやめてください。私たちに期待をさせないでください……」

鹿島「きっと、この人ならなんとかしてくれるって思ったのに……約束信じてたんですよ……?」

提督「!」

鹿島「裏切らないでください……私たちを……」

鹿島「優しくなんてしてくれなければよかったのに……!!」

提督「……」

五十鈴「……ちょっといいかしら?」

提督「ど、どうした?」

五十鈴「鹿島が言ってるのはただの甘えよ」

鹿島「な!?」

五十鈴「いい? 被害を少なくできるならなんでもしなくちゃいけないの。それで少数を助けられなかったとしても、ね」

提督「い、五十鈴、そこまでに……」

五十鈴「私が見てきた人たちは悩みながらもそうしてきたわ。だってそれこそが名将の条件じゃない」

鹿島「……それでまだ新兵だったあの子が沈んだんですよ?」

五十鈴「そう」

鹿島「そ、そうって……」

五十鈴「うだうだというぐらいならその場で命令に従わなければよかったのよ。私はそうするわ」

鹿島「……」

提督「五十鈴、そこまでだ。命令違反を教唆するような発言は看過できない」


鹿島「……私、帰ります」

提督「あ、ああ」

鹿島「五十鈴さん、きっとあなたもその人に裏切られますよ?」

五十鈴「その時は力づくでも裏切れないようにするし、私はそうならないように努力するだけよ」

鹿島「……」

 バタン

提督「五十鈴」

五十鈴「なによ」

提督「あのような言い方はどうかと思う」

五十鈴「いい? 私は今まで名提督を輩出したって前世の誇りがあるわ。あなたもきっとそうなる」

提督「……」

五十鈴「そんな苦り切った顔しないの! どんな偉大な戦術家でも全部を救えるなんてありえないよ」

提督「そんなことは――いや、そうなのかもしれない、な」

五十鈴「だから、その、あれよ――そんなに引きずるべきじゃないのよ!」

提督「しかしだな、あれは私の――」

五十鈴「しかしもかかしもないの! 何があったかは詳しくはわからないけれどあなたは正解を選べてるの」

五十鈴「すくなくても五十鈴はあなたの出した命令は苦渋の決断だったんだって――」

五十鈴「――そしてそれが正しかったって信じてあげる」

提督「いや、私の指示など――」

五十鈴「絶対にその先を言わないで。戦争の中で命を懸けてあなたを信じているのよ? だからせめては五十鈴のまえではどんなことがあっても胸を張ってなさい」

提督「……そうだな。失言ばかりだな、今日は」

五十鈴「わかればよろしい」


提督「……せっかく淹れたがすっかり茶も冷めてしまったな」

五十鈴「そうね。残念だけどその羊羹は明日、二人で食べましょう。お茶淹れなおして」

提督「ああ、そうしよう」

五十鈴「それじゃあ五十鈴も部屋に戻るわね。なんか疲れちゃった」

提督「そうしてくれ。わたしと鹿島の問題に巻き込んでしまったな、すまない」

五十鈴「別にいいわよ。なんたってあなたは五十鈴の自慢の提督だもの」

提督「……なにか気恥ずかしいな」

五十鈴「ここまでいってあげたんだから素直に喜べばいいのに」

提督「そういう性分ではないんだよ」

五十鈴「ふふ……おやすみなさい」

提督「ああ、おやすみ」

五十鈴「……ああ、そうだ」

提督「なんだね」

五十鈴「この前、これからもよろしくね。それだけ」

提督「ああ」

 バタン


提督「……いったか」

提督「しかし、『優しくしないで』か――」

提督「ままならんものだな。私も、艦娘も」


五十鈴のなく頃にⅣ 艦

五十鈴のなく頃にⅣ 艦です。
なんというかこの先まで行く予定でしたが作中の時間が飛ぶので今回はここまで。次回の五十鈴編は過去での強敵〇驤さん襲来予定です。
全4回とはなんだったのか……多分、あと2回で五十鈴のなく頃にも終わると思います。今回のは鹿島の安価でほぼ生えた内容だからね、仕方ないね。
詐欺ばっかりはたらいてるけど許して!

次回の更新は阿賀野編。
他の登場キャラは球磨姉と神通あたりを予定しています。

それでは寝ます。おやすみなさい。



 XX18年 1月

 ――12:30――

 ルソン島 軍港


神通「私はこれから提督にご報告をしてきますので駆逐艦の子たちの指揮をお願いします」

阿賀野「はーい……」

神通「不満そうですがなにか異論がありますか?」

阿賀野「別にそんなことないです」

神通「はぁ……球磨さん、あとのことはお願いします」

球磨「あ、あはは……了解クマー」

神通「不知火、陽炎はついてきなさい」スタスタ

陽炎「はい!」

不知火「はい!」


阿賀野「むー……」

球磨「そんなに不満気にされると球磨も困っちゃうクマ」

阿賀野「ご、ごめんなさい。でも、不満そうになんてしてないよ?」

球磨「そうクマ?」

阿賀野「うん」

球磨「……それじゃあそれでいいクマ。おーい、ちびっ子たちは球磨ちゃんに注目するクマー」

雪風「はい!」

球磨「おお、雪風は素直でいい子クマ」

雪風「えへへ……」

球磨「それじゃあこの軍港の中なら好きにしてていいクマ。ただ2時間後には怖い神通が戻ってくるからそれまでにはここに戻ってくるようにするクマー」

駆逐艦一同「はーい」

長波「あー、疲れた。雪風、どうすんの?」

雪風「加賀さんからお小遣いをもらったのでお菓子を買いに行きます!」

長波「あー、じゃあ、あたしもついてくわ」

時津風「あたしも、あたしも!」

 ワー、ワー、キャッキャ……


阿賀野「……」

球磨「はぁ……駆逐艦は元気でいい――ん? 阿賀野、元気ないクマ?」

阿賀野「えっと……つかれちゃっただけだから大丈夫、大丈夫!」

球磨「本当クマ? 球磨でよければ相談ぐらいは聞けるクマ」

阿賀野「きらりーん! へーき、へーき」

球磨「……それなら球磨から阿賀野へお悩み相談したいクマ」

阿賀野「もっちろん大丈――へ?」

球磨「ふっふっふ……よかった、よかったクマ。それじゃあこっちにくるクマ」

阿賀野「え!? ちょ、ちょっと待ってー!」



――――――


 ――12:50――

 ルソン島 海軍病院 提督病室


提督「……」ペラペラ

神通「……」

潮「え、えっと、お茶いれてきました。どうぞ」

鈴谷「ふーん、ふーん♪ リンゴももうすぐ皮むきおわるからね」

神通「ありがとうございます」

潮「は、はい。あ、陽炎さんたちもどうぞ」

陽炎「うん、ありがとう」

不知火「……」ズズズー


提督「……ふむ」

神通「なにかお気になる点がありましたか?」

提督「軽巡の出撃だが阿賀野型が多すぎる。具体的なことはこちらで指示を出すが、減らすように女提督へ伝えておけ。わずかといえども燃費も悪いものを無理に使う必要はない」

神通「畏まりました」

鈴谷「はーい! 出来た! ほら、提督のは特別にうさぎさんにしてみました!」

提督「……」

鈴谷「ちょっ!? 無言で耳おろうとしないでよ! せっかく可愛くできたのに!」

提督「ふん……しかし、阿賀野型か……」シャリシャリ

神通「ご懸念が?」

提督「お前が気にすることではない」

神通「……失礼しました」

提督「ふん。今回だが阿賀野もこちらへ来ているとあったがま間違いないか?」

神通「? はい、私の補佐として球磨さんといっしょにこちらへきています」

提督「そうか。帰り道はアレのことをくれぐれも注意してみておけ」

陽炎「阿賀野さんをですか?」

提督「そうだ。あれほどのぬけさくを運用するというならそれなりに対処をしておかなければならん」

不知火「なるほど、了解しました。しっかりと見張っておきます」

陽炎「あ、あはは……りょ、了解しました」

陽炎(この子、よくこんなに自信満々に言えるわよね……)


神通「……お言葉ですが一つ意見具申させていただきたいことがあります」

提督「ん? いってみろ」

神通「提督のご懸念も尤もかと思いますが阿賀野型にもそろそろ経験を積ませていくべきかと思います。経験が足りないからこそ甘さが抜けないように思います」

提督「……今、鎮守府を預けている女提督にそこまでさせるのは無理がある。私が戻り次第、お前の提案も考えてみよう」

神通「ありがとうございます」



――――――


 ――14:00――

 ルソン島 軍港内食堂


球磨「――というわけで実は大井と北上があんまり仲良くなさそうなんだクマ」

阿賀野「へぇー、全然、そんなふうに思わなかったなぁ」

球磨「球磨がお願いしてるから表では仲良さそうにしてくれてるけどどこかぎくしゃくしてるみたいクマ」

阿賀野「うーん、姉妹仲かぁ……。色々とお話しきいたけど難しいなぁ」

球磨「せっかく会えたのに川内のところみたいになるのは嫌なんだクマ……」

阿賀野「……」

球磨「どうしたクマ?」

阿賀野「あ、いや……」

球磨「ふむ、やっぱり川内型が気に食わないみたいクマね」

阿賀野「そ、そこまでおもってないよ!」


球磨「まぁうちの鎮守府は軽巡っていえば実戦は川内型か阿武隈がほとんどだから球磨も阿賀野の気持ちはよくわかるクマ」

阿賀野「……」

球磨「提督はアレだし、妹たちがいなかったら球磨も別の鎮守府に行きたいぐらいクマ」

阿賀野「ううぅ……阿賀野はそんなこと思ってないもん!」

球磨「そうクマ? まぁ、球磨も他の鎮守府に行きたいってのは冗談クマ」

阿賀野「ただ最新鋭軽巡なのにやっぱり出撃ぜんぜんさせてもらえないし、提督さんはいっつも意地悪言うから嫌いなだけ!」

球磨「それなら川内型のことは別に嫌いじゃないクマ?」

阿賀野「へ? う、うん、ちょっと厳しいとは思うけど別に嫌いじゃないよ」

球磨「それならなんで神通にあんな態度なんだクマ?」

阿賀野「あんな提督さんのこと尊敬してるのが不思議だなぁって考えてただけなの! 別に不満とかそういうのは関係ないの!」

球磨「なんだ、そういうことクマ。それなら球磨ちゃんからはとくにいうことはないクマ」

阿賀野「えぇ……?」

球磨「球磨は艦娘はみんな仲良くするべきだとおもうけど提督のことはどうでもいいクマ」

阿賀野「な、なるほど」

?「ゴホン……」

阿賀野「!?」


神通「なにが『なるほど』ですか。それにあなたたちには駆逐艦のことを頼んだと思うのですが?」

球磨「幼稚園児じゃあるまいし、すこしぐらいは好きにさせてあげるべきクマ」

神通「はぁ……もういいです」

球磨「ぬぅはっはっは……!」

神通「阿賀野さん」

阿賀野「え、えっと、はい」

神通「提督にあなたのことをもう少し用いるように進言してきました。だからあなたも努力はするように」

阿賀野「へ?」

球磨「阿賀野の出撃が増えたら神通の出番が減るかもしれないけどいいの?」

神通「いいのです。軽巡洋艦の層も厚くしていかなければこの先、深海棲艦に不覚をとることになるかもしれません」

球磨「ご立派クマ。そんな神通には球磨からコーヒーをおごってあげるクマ」

神通「それはありがとうございます」

球磨「ふっふっふ……ちょっとまってるクマ」


神通「……阿賀野さん」

阿賀野「え!? は、はい!」

神通「私はあなたに期待してるんです。これからも努力を怠らないように」

阿賀野「? は、はい、わかりました」

神通「……少しお花をつんできますので球磨さんには待っているように伝えておいてください」

阿賀野「わ、わかりました」

阿賀野(努力ってなんのこと言ってるのかな……?)

阿賀野「でも、これからもいつもみたいにしてればいいってことだよね? うん、がんばろ」

 阿賀野編 艦

書き溜め作ってたら遅れてしまいました。申し訳ありません。
阿賀野編については一応の伏線は張れた感じ。
やっぱり阿賀野はアホの子になっても元気でいて欲しいです……

次回の羽黒と加賀ですが明後日を予定してます。
明日はべつに立ててあるSS完成までやっちゃいたい感じです。

乙です
何て言うか、この提督は信頼と信用と期待が全く別だから面d……大変なんだな
そして阿賀野の場合はさほど期待されてない


もうこの提督は両手両足をへし折って五十鈴と二人きりの鎮守府でも作って閉じ込めとけばいいんじゃないかな


轟沈だけは辞めて下さい

鈴谷かわいい
これは嫁ですわ

更新していきます。
……また詐欺を働いて申し訳ありませんでした。全然、落ちないセイバーモニュメントが悪いんや!


>>726
本人は公平にしようとしてるんだろうけど、ただひたすらに面倒なだけになっているという……。
全部そろってるのは曙とか龍驤、蒼龍あたりですね。赤城さんとか信頼はクッソ薄いだろうし……

>>727
なんか邪悪なものを封印してるみたいで草

>>728
艦娘は全員、大切に扱っていく所存です

>>729
鈴谷は素材通りにかわいくなれ、かわいくなれと念じながら書いています。
本当にこのSSで希少なキャラだと思う。



 XX14年 5月

 ――18:50――

 鎮守府周辺の町 商店街


曙「ふう……ごちそうさまでした」

漣「ごちになりました!」

羽黒「え、えっと……その……ごちそうさまでした」

加賀「ええ、それじゃあいきましょうか」

羽黒「あの! やっぱり私の分くらいは……」

加賀「結構です。それよりも早く銭湯に――あ」

羽黒「せ、戦闘ですか!?」

加賀「ええ、腹ごなしにちょうどいいのよ。それに今日は菖蒲なので」

羽黒「……」(絶句)

加賀「本当は内緒にしておいて驚かせたかったんだけれど……。(菖蒲湯は)初めてでしょ?」

羽黒「い、いえ、この前、ご一緒しましたよ……」

加賀「?? おかしいわね」

羽黒「そ、それよりも提督には許可をいただいているんですよね? この時間から加賀さんが銭湯なんて……」

加賀「許可がいるの

>>731
すみません。途中で送信しました……
申し訳ありませんでした。



 XX14年 5月

 ――18:50――

 鎮守府周辺の町 商店街


曙「ふう……ごちそうさまでした」

漣「ごちになりました!」

羽黒「え、えっと……その……ごちそうさまでした」

加賀「ええ、それじゃあいきましょうか」

羽黒「あの! やっぱり私の分くらいは……」

加賀「結構です。それよりも早く銭湯に――あ」

羽黒「せ、戦闘ですか!?」

加賀「ええ、腹ごなしにちょうどいいのよ。それに今日は菖蒲なので」

羽黒「……」(絶句)

加賀「本当は内緒にしておいて驚かせたかったんだけれど……。あなた(菖蒲湯は)初めてでしょ?」

羽黒「い、いえ、この前、ご一緒しましたよ……」

加賀「?? おかしいわね。この前は漣たちしか連れてきてないわよね?」

漣「う、うーん、そのはずです」

加賀「そうよね」

羽黒「そ、それよりも提督には許可をいただいているんですよね? この時間から加賀さんが出るのは……」

加賀「許可がいるの?」

羽黒「ないと大問題ですよ!?」

加賀「そ、そうなの?」

羽黒「はい!」


加賀「おかしいわね……」

羽黒「まさか今まで許可いただかないで出撃してたんですか!?」

加賀「しゅ、出撃……? 銭湯に行くのよ?」

羽黒「え……? ですから、戦闘ですよね?」

加賀「??」

羽黒「??」

曙「あの……多分、羽黒さん、勘違いしてますよ」

漣「……ああ、そういうことかー」

羽黒「え? どういうこと?」

曙「お風呂屋さんにいくんですよ。ほら、銭湯ってこっちの漢字――」カキカキ

漣「ぼのたん、相変わらずごっつい手帳つかってるぅ!」

曙「う、うっさい! 別にいいでしょ!」

漣「ご主人様とおそろいだもんねー。いいなぁ、今度は漣も一緒に連れて行ってよー」

曙「な、なんでしってるのよ!」

 ギャー、ギャー

加賀「この子たちのことは置いておくとして……ごめんなさい。紛らわしい言い方をしてしまったわね」

羽黒「い、いえ、こちらこそ変な勘違いをしてしまって……あう……」

加賀「……行きましょうか」

羽黒「……はい」



――――――


 XX14年 5月

 ――19:10――

 鎮守府周辺の町 商店街 銭湯


 カポーン

加賀「ふぅ……」

漣「生き返るぅ……」

曙「本当にねー……」

羽倉「はぅう……」

加賀「クンクン……やっぱり菖蒲湯はいいですね……。こう、落ち着きます……」ポケー

羽黒「本当にそうですよね……」ポケー

漣「ねぇねぇ、ぼのたん」

曙「……なによ」

漣「ねぇねぇ、サウナでいこうよー。我慢比べ」

曙「嫌よ」

漣「えー?」

曙「こういうときぐらい落ち着きなさいよ……」

漣「ちぇー。それじゃあ、漣はジャグジー行っちゃうもんねー」

曙「はい、はい」

漣「むぅ……加賀さんもジャグジーいきましょうよ」

加賀「私はもうちょっとこっちでゆっくりするわ」

漣「えー」

曙「えー、じゃないわよ! 加賀さんにまたそうやってめいわくかけるんだから!」

漣「そんなことないし!」

 キャー、キャー


羽黒「……加賀さんって駆逐艦の子にとっても慕われているんですね。知りませんでした」

加賀「……」

羽黒「す、すみません。つい失礼なことをいってしまって――」

加賀「いえ。いいんです」

羽黒「あう……」

加賀「……あの、本当にそう見えたの?」

羽黒「え? あ、はい。お姉さんと妹みたいだなぁって」

加賀「ふふ、うふふ……そう。そうね、私がお姉さん……」

羽黒「?」

加賀「――キリッ。二人とも静かにしないとほかのお客さんに迷惑になってしまうわ。帰りにコーヒー牛乳を買ってあげますから大人しくなさい」

曙「ご、ごめんなさい……」

漣「コーヒー牛乳! キタコレ!」

曙「漣」

漣「……ごめんなさい」

加賀「わかればいいんです。なんといっても私はお姉さんなんですから。ね?」ムフー

羽黒「は、はい」

曙「? どういうことか分かる?」

漣「さっぱりでござる」



 ――20:10――

 銭湯 脱衣場


加賀「ふぅ……いいお湯だったわ……」

羽黒「本当に……」

漣「うー、やっぱりお風呂入ったあとに同じ服はべとべとする……」

加賀「……着替えを持ってくるべきでしたね。ステーキを食べたら臭いが付くと思ったけれど、失敗だったわ」

漣「あー、なるほど、なるほど」

曙「スン、スン……うん、加賀さんのいうとおりね」

羽黒「そ、そうだね。色々と気を使っていただいてありがとうございます」

加賀「そ、そう? それならいいのだけど……」

?「あっれー!? 加賀さんにはぐはぐだ! こんばんわー」


羽黒「な、那珂ちゃん……」

加賀「どうも」

那珂「奇遇だねー。あ、駆逐艦の子もいる! みんなでお買い物に行った帰りとか?」

漣「ご飯の帰りなのであった」

那珂「へぇー、そうなんだ。いいなぁ」

羽黒「あの、那珂ちゃんはどうして……?」

那珂「うん、近くの孤児院でライブしてその帰り」

曙「鎮守府でライブしてないと思ったらそんなことしてたんですか……」

那珂「うん。みんな笑顔になれるし、最高の舞台なんだー」

加賀「それは……なんというか、立派なことですね」

那珂「えへへ……加賀さんも今度一緒にやってみる? 楽しーいよー、みんなで踊って歌って!」

加賀「わ、私は演歌専門なので……」

那珂「そっかー。残念」

加賀「ホッ……」


那珂「それじゃあ、はぐはぐは?」

羽黒「わ、私もちょっと……」

那珂「えー、つれないなー。んー、バックダンサーは四水戦の子たちにお願いしてるけど、曙ちゃんたちも一緒にやる?」

曙「え!? いや、ちょっと……ね?」

漣「う、うん」

那珂「あはは、冗談、冗談」

那珂「那珂ちゃんも痛くないお腹を赤城ちゃんにあんまり勘繰られたく無いしねー」ボソッ

加賀「……ゴホン、私たちはこれで帰りますが時間は大丈夫なんですか? あと一時間ほどでお風呂に入って鎮守府に帰るのは厳しいと思いますけど」

那珂「え? あ、う、うん! へーき、だよ? 那珂ちゃんの足なら鎮守府まで3分もあればついちゃうもん」

加賀「なんという早さ……さすがは四水戦旗艦……」

曙「いやいや、絶対に無理ですよ!?」

羽黒「う、うん。でも、歩いて帰るのは大変だよ? 帰り道はタクシーつかったほうがいいとおもうよ?」

那珂「うぐっ!? そ、そうするね! ありがとう、はぐはぐ!」

漣「……怪しい。この味は! 嘘をついてるあじだぜ!」

那珂「な、なんのことかなぁ? それじゃあ那珂ちゃんはお風呂行くから!」

漣「あ! 待っ――」

那珂「待たないもんねー!」

 ガラガラッ――ピシャ!


漣「逃げられたか……」

曙「なにが逃げられたかよ」

漣「でも、怪しかったのはホントじゃん。絶対になにか隠してたよ、アレは」

曙「うっ……そ、それはそうだろうけど……」

加賀「そんなことよりもコーヒー牛乳です。早く着替えて休憩所にいくわよ」

漣「はーい」

曙「はい!」



 ――20:20――

 銭湯 休憩所


曙「あ、この雑誌占い載ってる」

漣「え? 本当? みして、みして」

曙「ちょっとあんまりくっつかないでよ」

漣「いいじゃん、いいじゃん。ほら、ギュー!」

曙「暑苦しい!」

加賀「……」

羽黒「……えっと、二人とも可愛いですね」

加賀「そうね。本当にそう思うわ」


羽黒「……」ゴクゴク

加賀「……今日は付き合わせてしまったわね。ごめんなさい」

羽黒「い、いえ、とっても楽しかったです」

加賀「そう? なら、いいのだけれど……」

羽黒「はい。ステーキも美味しかったし、お風呂も気持ちよかったです」

加賀「そう。それならお礼が出来たようでなによりです」

羽黒「お礼?」

加賀「ええ、あなたと曙、それに叢雲にはお礼をしておかなければならない気がしたんです」

羽黒「私と曙ちゃんに叢雲ちゃん……? あ……」

加賀「どうかしましたか?」

羽黒「あの、加賀さん、あのお話をきいたんですか?」

加賀「?? あのお話し?」

羽黒「提督のことです」

加賀「特には」

羽黒「えぇ……? それなのにお礼なんですか?」

加賀「ええ、そんな気がしたの」

羽黒「なんというか……すごいですね……」

加賀「?」

加賀「……! そんなに褒めていただいてもなにもでませんよ?」

羽黒「うぇ!? そ、そうなんですね」

加賀「ええ!」

羽黒「あ、あはは……」



 ――21:10――

 鎮守府正門前


曙「加賀さん、今日はありがとうございました」

漣「ありがとうございました!」

加賀「いえ、また行きましょう」

曙「はい。それじゃあおやすみなさい」

漣「たのしみにしてますねー!」

曙「ちゃんと挨拶!」

漣「えー? したじゃん」

曙「してないわよ!」

 ワー、ワー、ギャーギャー


羽黒「あはは……それじゃあ、加賀さん、私もこれで失礼しますね」

加賀「ええ」

羽黒「本当にきょうはありがとうございました」

加賀「お礼はいいわ」

羽黒「えっと、はい。それじゃあ、おやすみなさい」

加賀「……おやすみなさい」

羽黒「……」スタスタ

加賀「――あ、あの!」

羽黒「へ!? は、はい!」


加賀「……えっと、その、また羽黒も一緒に出掛けましょう。まだいろいろとお店を知っているんです」

羽黒「え? い、いいんですか?」

加賀「ええ。そ、それとも嫌だったり――」

羽黒「そ、そんなことないです!」

加賀「そ、そう……?」ホッ……

羽黒「あ、あの、またご一緒させてください」

加賀「……ええ、楽しみにしていて」

羽黒「はい!」



 ――21:20――

 鎮守府 重巡洋艦寮 妙高型の部屋


羽黒「た、ただいまー」

足柄「あら、おかえんなさい」

羽黒「あれ? 那智姉さんは?」

足柄「いつも通りよ。鳳翔さんのところ」

羽黒「そ、そうなんだ」

妙高「……なにか嬉しそうね?」

羽黒「え? そ、そうかな?」

妙高「ええ。姉さんにもその幸せをお裾わけして欲しいわ」

羽黒「え、えっと……」

足柄「あー、なになに? 私にも聞かせなさいよ」

羽黒「えへへ……えっと、うん。実はね、今日は加賀さんたちと――」


 羽黒と加賀 艦

羽黒と加賀 艦です。
ほのぼの。阿賀野も割かしほのぼのでしたのでほのぼの二連投。
次回からこの二人については改題して新シリーズになります。今度は五航戦も出る予定。

日向のコンマですが、時間が時間なので本日22:00に取ります。
宜しければお付き合いください。
……荒れそう。霞以外の北号組はやべぇもん。

一つお伝え忘れていました……すみません。
安価ですが、前回は日向編の前といいましたが曖昧ですのでしっかりと時間きめておきます。

次回の安価は

8月8日22;00

になります。奮ってご参加いただければ嬉しいです。
多分、4つお願いするかなぁって。

乙ほのぼのいいよね


平和だなあ嵐の前の静けさかもしれないが


恩を勘で返す加賀さんすごい

おっつおっつ
加賀さんマイペースでかわいいなww

乙でした
仲良し羽黒と加賀好き

なんか加賀の間抜けっぽさは
赤城との距離を確保する為にわざとしている感が出て来たね

乙。この2人好きです
改題後はどんなタイトル(内容)になるか気になります

前回もたくさんの乙ありがとうございます!
それでは日向のコンマとっていきます。

>>749
ほのぼのがないと赤城さんが無双始めちゃいますからね……
重要

>>750
今日のコンマに期待がかかります

>>751
野生の勘の凄まじさ

>>752
なにごとにも動じない強さがあります
……提督と赤城さん以外には

>>753
>>1もこの二人は書いてて楽しいです

>>754
そこに気づくとは……
そういった疑惑は赤城日記とか加賀の鎮守府ぶらり旅とかで明らかにしていきます。

>>755
毎回、ゲストといっしょに何かをするほのぼのした感じにしていければと思ってます。
ここは地雷じゃなくて安牌で通す予定です。

それでは日向のコンマやっていきます。

提督から日向への感情度 ↓コンマ以下
日向から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

ん……? これは……ついにでるかな?
両者の感情度が80overです。
つづいて好感度のコンマに移ります。

提督から日向への好感度 ↓コンマ以下
日向から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

なんだこれはたまげたなぁ……
提督=瑞雲ってはっきりわかんだね。
……というかやっとまともに好かれてる戦艦出ましたね。

本編はこの後、ご飯食べたりしてからダラダラやっていくよていです。
書き溜めないのはしょうがないね

提督から日向への感情度:90
提督から日向への好感度:80

日向から提督への感情度:84
日向から提督への好感度:100

特別な関係→共依存

共依存出たのでお品書き『UV』が解放されました。

追加は↓です。
51、UV(霧島、日向)

お品書き落としていきます

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せⅡ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室Ⅲ(弥生、川内)
3、赤城日記Ⅱ(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
6、白鷺の声(羽黒・加賀)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅲ(提督、グラーフ)
8、あきつ丸VS提督Ⅱ(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴、択捉)←改
10、加賀の鎮守府ぶらり旅Ⅱ(加賀)
11、霞の不覚(霞)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をⅡ(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶⅡ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅤ(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界Ⅱ(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音Ⅳ(鈴谷)
25、提督ラヂオⅢ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件Ⅲ (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡・終(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸・神威)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
43、胡蝶乱舞(蒼龍)
44、降涙恋慕(赤城・鳳翔)
45、萩風提督観察日記(萩風、川内、赤城)
46、哀絶霖雨(川内、神通、那珂)
47、あの航路へと(隼鷹、飛鷹)
48、鎮守府料理大会(川内or由良or神通)
49.彼岸花の私(瑞鶴)
50.鹿島が来りて笛をふく(鹿島)
51、舞鶴鎮守府殺人事件
52、父の背におわれて(金剛)
53、UV(日向、霧島)
その他、新艦好感度コンマ(記名)

【未開放】

ドイツ組と観劇【プリンツの感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【国後・占守の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【朝霜の感情度コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯Ⅱ【鳥海の感情度コンマで解放】
パラワン水道の作戦会議【武蔵・山城・扶桑の感情度コンマで解放】
オフィーリア【扶桑の感情度コンマで解放】
青葉の鎮守府新聞禄【青葉の感情度コンマで解放】
静夜の思ひ【山城の感情度コンマで解放】
ダス・ゲマイネ【扶桑・山城・陸奥の感情度コンマで解放】
鉄のロバ【サラトガの感情度コンマで解放】
張耳と 陳余【次回中章終了で解放】

それでは安価とらせていただきます。

お品書きの番号もしくはコンマとる場合は艦娘の名前をご入力お願いします。
それでは先着で4つとなります。


↓×2
↓×3
↓×4

ご協力ありがとうございます!
毎度、早くて驚きます。本当にありがとうございます。

次回以降の流れですが

佐渡→中編→風雲→提督~追想の刻・独逸編~Ⅲ→白鷺の声→昏冥流亡・終

となります。
次回の安価は白鷺の声のあとにやりますのでよろしければまたご協力ください。

あとUVはパラノイアというTRPGからとってます。
元妻の名前を愛機につける人とか、胃潰瘍は関係ない……はず、です……

ZAP! ZAP!

共依存楽しみ
赤い城さんや蒼い龍さんが黒くなりそう



 XX18年 2月

 ――09:30――

 ルソン島 海軍病院 提督病室

提督「……」

鈴谷「どうしたの? 難しい顔して」

提督「手持無沙汰だ。もう体も十分に治ったというのにいつまでこんなところにいなければならんのだ」

鈴谷「最近、そればっかりいってるけどたまのお休みだとおもってゆっくりすればいいのに。ねぇ、潮ちゃん」

潮「え!? は、はい。提督もずっとお仕事していたんですからお休みも必要だとおもいます」

提督「それならばすこしは体を動かしたいものだ。これでは監禁されているのと変わらん」

鈴谷「いやいや、監禁されてるならこんな可愛い女の子二人もついてないよ?」

提督「はっ」

鈴谷「ちょっと鼻で笑わないでよ!」

提督「私は自分に素直に生きるようにしているのでな」

鈴谷「ひどーい! ねぇ、潮ちゃん」

潮「え、えっと、その……」

提督「……」ブスッ


鈴谷「うーん、そんなに暇なら散歩でも行く? 近場ならもう出歩いても大丈夫って話だし」

提督「散歩ねぇ……」

鈴谷「私も潮ちゃんもずっと病院にいたからあんまり回り見てないんだよねー。いこ?」

提督「うむ……」

鈴谷「提督、どうかしたの?」

提督「いや、なんでもない。それよりも散歩ならば一人でいきたいのだが」

鈴谷「ダメに決まってるでしょ! 鈴谷たち一応護衛も兼ねてるんだから」

提督「……ならいい」

鈴谷「もう、急にすねちゃうんだから」

提督「すねてない!」

鈴谷「はい、はい」

提督「むむむ……いいか、私は――」

 コン、コン


提督「――ちっ。どうぞ」

日向「失礼するよ」

提督「は?」

日向「人の顔を見るなりその反応はどうかと思うがね」

提督「いや、貴様……どういうことだ?」

日向「どういうことと言われてもお見舞いだよ。二日ほどお休みを頂いたのでね」

日向「ほら、ちゃんと果物も持ってきた、冷蔵庫にでも入れておいてくれ」

鈴谷「あ。えっと、ありがとうございます」

日向「うむ」

提督「……鎮守府でなにかあったのか?」

日向「別に」

提督「そうか……」

鈴谷「えっと、日向さんは緑茶と紅茶どっちが――」

提督「……少し日向と出てくる」

鈴谷「へ? いや、せっかく来てもらったんだから座って一緒にお茶でも――」

日向「いや、別に私は構わないよ。彼に振り回されるのにも慣れている」

提督「そういうことだ。散歩も日向とならば問題ないだろ?」

鈴谷「う、うん」

提督「では着替えるので退出していろ」

鈴谷「一人で大丈夫?」

提督「ああ」

鈴谷「それじゃあ外で待ってるから終わったら声かけてね?」

提督「……分かった、分かった」



 ――09:40――

 ルソン島 海軍病院 廊下


鈴谷「……」

潮「……」

日向「……」

鈴谷「あの、日向さん」

日向「ん? どうかしたかい?」

鈴谷「せっかくお見舞いに来てもらったのにあんな感じですみません」

日向「なに、君が謝ることはない。ふふ……」

鈴谷「? あの、なにか?」

日向「いや、彼の奥さんのようだなとおもってね。他意はないさ」

鈴谷「お、奥さんってそんな……」マッカ

日向「くくく……初心だな。潮もお似合いだと思うだろ?」

潮「えっと、はい……」

日向「ふむ。どうも君の中にはほかの候補がいるようだ」

潮「うぅ……あの、曙ちゃんなんて、どうかなぁって……」

日向「それは……うむ……」

鈴谷「あ、あはは……」

潮「ご、ごめんなさい! へ、変でしたよねぷ」

日向「いや、別に構わないさ。しかし、曙か、なるほど」

潮「? あの?」

日向「いや、こっちのことだ」

潮「はぁ」

 ガラッ


提督「準備が出来た。行くぞ」

日向「ふむ、もう少し女性だけで話をしていたかったのだがね」

提督「帰ってきてからにしろ。確認したいことがある」

日向「それでは仕方ないな」

提督「行ってくる。少し時間がかかるかもしれんのでお前たちも出かけて構わんぞ」

鈴谷「うん、わかった。けど無理はしないでね? 疲れたらちゃんと休むこと」

提督「……ああ」スタスタ

日向「それではまた後で」

鈴谷「ええ、お気を付けて」

鈴谷「……」

潮「? あの、どうかしましたか?」

鈴谷「ううん。なんかちょっと提督が変だったかなぁって思って」

潮「そうですか? 私にはちょっとわからなかったです……」

鈴谷「ううん。多分勘違いだから。それよりも私たちも散歩いこっか?」

潮「は、はい」



 ――10:00――

 ルソン島 ショッピングール


提督「……鎮守府は本当になにもないのか」

日向「ああ。君がいないならいないなりに鎮守府は回っているよ。不思議なことに、ね」

提督「そうか。貴様が来るなど何か一大事を知らせに来たと思ってしまってな」

日向「ふふ……お見舞いに来ただけだといったじゃないか」

提督「うむ。しかし、貴様にはいろいろと頼んでいたこともあったからな」

日向「安心したまえ。艦娘になにかあればかならず君の耳に入れるようにしているさ」

提督「……貴様だから言うが私には艦娘が何を考えているかさっぱりわからんのだ。鎮守府の運営のためだ、これからも頼む」

日向「ああ」


提督「そうだ、赤城や蒼龍はどうしている」

日向「おや、あの二人の名前が一番に上がるとは思わなかった。……なにか思うところでも?」

提督「いや私が負傷した時に取り乱していたのでな」

日向「……よくやっているよ。君の代理を必死に支えて朝から晩まで執務室にこもり切っている」

提督「そうか。私が戻ってからもそれだけやってくれればよいのだがな」

日向「ふっ……」

提督「ほかの艦娘はどうだ? 元気にやっているか」

日向「ああ。伊勢も君が帰ってくるのを首を長くして待っているよ」

提督「そ、そうか? しかし例の写真を撮ろうとしたときは避けられてしまったのだが……」

日向「その時は化粧をしていなかったのだろう」

提督「は? 確認のために写真を撮るだけだぞ。そんなことを気にするものなのか?」

日向「まったく……。君はいくつになっても乙女心というものが分からないとみえる」

提督「……反論はせん」

日向「くっくっく……」

提督「笑うな。それよりもまだ聞きたいことがあるのだ」

日向「ふむ。聞こう」

提督「あれだ、なんだ……」

日向「……」

提督「……」ゴニョゴニョ


日向「はっきりと言ってくれ。さっぱり聞こえない」

提督「うぐ……外にも出ずに看病してくれていたあれらに何か買ってやりたいのだ。何がいい?」

日向「鈴谷にということだな。それであれば――」

提督「違う! 潮もだ! ほかにも、鎮守府で励んでいる者がいればそれにもなにかやりたい」

日向「はぁ……」

提督「なんだ、そのため息は」

日向「いや、やはり難儀な性格だと思ってね」

提督「ほざけ」

日向「しかし、急にどうしたんだい? 病院というのは毒気も抜けるものかと思ってしまったよ」

提督「別に。なにかしたいだけだ」

日向「なるほど。それならばありきたりではあるが装飾品というのはどうだ?」

提督「ふむ。貴様がそういうならそれで構わん」

日向「待て、待て。自分で言っておいてなんだが予算もそれなりにいるがいいのか?」

提督「ああ、金はあるからな。寝たきりでも給金は出ている上に入院費は私が払っているわけではない」

日向「そうか。まぁ、高いものがいいというわけでもないしな」


提督「それよりも早く詳しいことを教えてくれ」

日向「あまり私がいっては君からの贈り物ではなくなってしまうと思うのだがね。女性は値札や見栄えも大事にするものだが、送った人間の心も見ているものだ」

提督「私は不慣れなことをして間違えたくないのだ。餅は餅屋というだろう。その玄人を選んだのは私だ。であれば貴様がなにを選ぼうと私が選ぶのとかわらん」

日向「ふむ……その信頼はありがたくは思うよ。しかし、一つだけ、言っておこう」

提督「聞きたくない」

日向「忠告は素直に聞くものだ。いいか? 君ももう女性をただ蹂躙して、自身の利益を追求しているような年ではないだろ。そろそろ本当の残酷さというのをしるべきだとおもうよ」

提督「……小説の言葉など引用しても無駄だ。私はお前たちを率いる限りはその本当の残酷さとやらを知ることはない」

日向「はぁ……君は本当にどうしようもない」

提督「……知っているからお前を頼っているのだ。もういい、さっさっと行くぞ」

日向「ふふ……」



 ――10:10――

 ルソン島 ショッピングール ジュエリーショップ


提督「……おい」

日向「どうかしたかな?」

提督「なにがいいのかさっぱりだ。装飾品がこんなにもあることを忘れていた」

日向「それなら指環はどうだ?」

提督「指環か……。なるほどな」

日向「……冗談だ。さすがにこれには反論してもらいたかったな」

提督「む……つまらん真似はよせ。貴様を餅屋と恃んでいるのだぞ」

日向「それはありがたいことだ。では本命を言うと時計がいいんじゃないか。送る意味も上官から部下にならばぴったりだ」

提督「時計か……。それではこれなどはどうだ?」

日向「ごつい。男性用なうえにいささか成金趣味に見える」

提督「むむ……では、こっちはどうだ?」

日向「こんどは少しやすっぽいな。そう極端に選ばず、ゆっくりとみるべきだと思うよ」

提督「……難しいな」


日向「はぁ……アドバイスを少ししよう。まず送る人間にあったものにすること。最初の時計は君がつけるのであれば問題ないが、鈴谷がつけていては違和感しかないだろ?」

提督「そんなものか。時計など気にしてみたことがないから分からん」

日向「……君のファッションは恩賜の一言だからな、なにも言うまい」

提督「うむ! そうだろう、この時計も素晴らしいものでな――」

日向「長くなりそうだから後にしてくれ。次の注意点は機能性だ」

提督「それはもっともな大事なことだと思う。防水性能と電波受信機能あたりは必須だな」

日向「……いや、あまり機能性を重視するのはやめろということだ。遊び心というものを考えなくてはいけないということだ。たとえばこの時計をどうおもう?」

提督「あ? こんな文字盤が読みにくいものは使いにくいだろ。却下だ、却下」

日向「……君に任せていてはGショックでも買いかねないな。私がこれというのをまずは選ぶからその中から君が再度選ぶにしよう」

提督「ああ、それはいい。私は曙にやるものを見繕ってくるのでその間に頼む」

日向「わかった。……ちなみに曙には何を?」

提督「ハンカチにしようと思っている」

日向「……止めておくべきだろうな。彼女を悩ませたくないなら」

提督「? うむ、ではほかのものを考える」

日向「そうしてくれ」



 ――20分後――


提督「買ってきたぞ。貴様のほうはどうだ?」

日向「ああ、大体選び終わったよ。……一応、聞くけれどその袋の中身は?」

提督「香水だ。懐中時計を確認するさいに近づくのでな、使っているかすぐわかる」

日向「独占欲が強いな」

提督「は? どういう意味だ」

日向「いや、いい。それよりもこれの中から選ぶといい。こっちが鈴谷用で、こっちが潮用だ」

提督「そうか、そうか。それならこれとこれでいいだろ」

日向「もう少し悩んだ方がいいと思うがね」

提督「お前が選んだのだろ? ならばどれでも問題ない。他は木曽たちあたりにやることにするさ」

日向「そうあっさりといわれるとどうもすわりが悪い」

提督「人の信頼は受け取って、応えるべきだな。私は常にそうしている」

日向「……」

提督「なんだ?」

日向「いや、どの口が言うのかと思って」

提督「……会計をすましてくる」

日向「くっく……ああ」



 ――13:30――

 ルソン島 海軍病院 


提督「うむ、貴様のおかげで今日は助かった。もう少し話したいことがあるからな茶でも飲んでいけ」

日向「いや、それは後日君が退院したらにしよう。帰りの予定の船がもうすぐなのでね、今日はここで失礼するさ」

提督「む……そうか」

提督「ゴホン……! わかっていると思うがくれぐれも時計のことはやる艦娘以外には内密にするように」

日向「ちゃんと理解しているよ。確認のためにもう一度聞くが時計は蒼龍と霧島、木曽、伊勢、叢雲、那珂でいいんだな?」

提督「うむ。お前があうと思うのをそれぞれやってくれ」

日向「了解した」

提督「それでは気を付けてな」

日向「ああ。君も色々と気を付けるように」

提督「はっ……寝ているだけなのに何を気をつけろというのだ。ああ、それと曙にやる香水の袋に貴様への物も入っている。気に入れば使え」

日向「……」

提督「な、なんだ?」

日向「いや、やはり奇襲は君の得意分野だと感心した」

提督「そ、そうか。それならばいい」

日向「何が入っているか知らないが大事にすることにしよう」

提督「……ああ、そうしてくれ」



――――――


 ――20:00――

 鎮守府 戦艦寮 談話室


霧島「……」ペラッ

霧島(ああ、この運用はいいかもしれない。提督がお戻りになったらそれとなく進言してみましょう)

日向「こんばんは。もう執務はいいのか?」

霧島「……ええ。それよりも昨日からのお休みは随分と羽を伸ばせたようですね」

日向「ああ。羨ましいかい?」

霧島「別に」

日向「君も素直になったほうがいいな。それよりも前に座っても?」

霧島「どうぞご勝手に。邪魔をしなければという条件は付いていますが」

日向「安心してくれ。そんなに邪魔にはならないはずだ」

霧島「少しでも邪魔になるならどこかに行ってほしいものですね」

日向「手厳しいな」


霧島「で、何の用ですか? わざわざあなたが私に話しかけてくるなんてよっぽどのことだと思いますけれど」

日向「うむ、驚天動地のことだ」

霧島「もったいぶらずさっさっとどうぞ」

日向「ふむ……これを提督から預かってきた。霧島への感謝の品だそうだ」

霧島「! そ、そうですか。提督が私に……」

日向「久しぶりに笑っているところ見たな。女提督君の前ではずっと仏頂面だったのに現金なものだ」

霧島「……私がお仕えしているのは提督です。あんな愚物に指示を受けてへらへらしている道理がありません」

日向「なるほど」

霧島「それよりもこんなものを配って歩くなんて随分と余裕ですね」

日向「確かに切羽詰まってはいないな」

霧島「ふん……」

日向「さて、ほかにも配らないといけないのでね。ここらへんでお暇させてもらおう」

霧島「ええ。もう暗くなってますのでせいぜい足元にはお気をつけて」

日向「……」

霧島「……なんですか?」


日向「……彼にはもう甘い夢をみせてあげるべきだと私は思うな。真実がどうであれ、当人の認識こそが絶対だ。霧島もそうするべきとは思わないか?」

霧島「なにをバカげたことを。現実こそがすべてです。見えるすべてを統制し、制御することだけが提督を合理性という幸福の中にとじこめることができるはずです」

日向「そうか、残念だ。本当に」

 バタン

霧島「ふん……負け犬め。」


 日向編 艦

乙でした
最後の会話で何となく霧島のスタンスが分かった気がする

日向編 艦です。
おませして申し訳ありませんでした。FGOやったりラノベ読んだりしてました……言い訳のしようもない。
対立軸がまた増えました。さすがに解決していかないとね……

余談ですが提督にマジカルアンバーな設定ありましたが、流石にまずいし誰得と思って削除しました。
ラノベのおかげ。

>>785
その謎の光線銃の音大好き

>>786
その二人は次回以降に絡む予定です。今回は影の薄かった霧島さん

>>804
霧島さんは割かし危険度が高いのが伝われば何よりかなぁって。
今までは普通にいい人ぽかったので……

うーん
霧島の病んでる感じは最後で漂って来たけど
日向と提督は共依存って感じじゃなかったなぁ
どちらかと言うと[同志]とか[親友]みたいな距離感に思えた

おつおつ
いい距離感を保ちつつも子離れの出来ない親ポジかな

今までのものを読みやすいようにまとめなおしているんですが、どういう風にすればいいのか……なにか案ありましたらご教授お願い致します……

いきなりコンマ取ってネタが出せるか不安になってきたので、佐渡のコンマ投げておきます。
よろしければご協力をお願いします。

>>806
少しづつ違和感を出して行って、最終的に「あっ……」ってなる感じにしていけたらと思います。
今回もちょっとだけ変なこと言ってる……はず……

>>807
親ポジは蒼〇のが近かったり、遠かったり。
実は初期の設定死んでないです。


提督から佐渡への感情度 ↓コンマ以下
佐渡から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

やっぱ小さい子は安全牌なんだなぁって。
ご協力ありがとうございます。今回はほのぼの!

提督から佐渡への感情度:62
佐渡から提督への感情度:41

今日は10時から書き溜め無しのゆっくりな更新を予定しています。

名前欄のタイトル修正、本編はそのまま、外伝は分けて時系列順にまとめると良いと思います
改稿、誤字修正はエターフラグなので避けるべきですね


書き直しの類いは最低限全部終わってからでないとほぼ確実に途中で力尽きてるのしか見たことないな
少なくとも今やるのはやめておいた方が無難だと思う

>>808
読みやすいように……あらすじ程度なら、時系列順に出来事纏めるのは?
余裕があれば提督とその時のメイン艦娘の心持ちを一言添えれば長々とせず見易くなると思う
前まではそう纏めてたんだが、消えて心が折れたから誰か頼む

提督は赤城さんにはお礼の品を贈らないのかね…
いや、映画の割引券ぐらい贈るかな?

提督は赤城がモノに執着しないのを知ってるから何も贈らないのか
それともただ赤城には何も贈りたくなかっただけなのか…

下手にプレゼントしたら怖いからな。いろいろ曲解してヤンデレに磨きがかかりそうだし
まぁ「あの子とあの子にはプレゼントがあるのに私にはナシですか、そうですかそうですか」となっても怖いんだが

更新していきます。
……昨日は帰ってきたら寝てしまいました。本当に嘘つき野郎で申し訳ありません。

>>813
ありがとうございます。
ご提案通りPIXIVのほうで本編時系列順にコピペしたものをあげていこうと思います。
基本書き直しなしで、誤字と脱字だけは流石に読んでいてヤバい頻度で有るので目についたものだけ修正します。

>>814
書き直しではなく、読みやすいようにまとめたいなぁって。
エタは入院もPCのぶっ壊れも乗り切ってきたので今回もフラグ折るはずです……うん。

>>815
やってみます。
来月の中ごろまでになんとか形にできればなぁ……って。

>>816
(贈ら)ないです。
提督としては公平に扱ってるつもりでも、かなり私情が入るというか……
だからみっちに殺されかけたりします。
モデルの東条さんの悪いところがもろに反映されてる感じ。

>>817
後者の方が近いと思います。
赤城さんは『頑張ってる艦娘』って対象には入るけど、『ものを贈る』って対象には入らない感じ。

>>818
どっちにしても詰んでる……

そうやって爆弾が積みあがっていったし、これからもいくのがこの鎮守府ですね。
ヤバい(確信)



 XX18年 2月

 ――10:00――

 ルソン島 海軍病院 提督病室


提督「くふ……ゲヒヒ……」

鈴谷「……」

潮「あの、御茶淹れてきました」

鈴谷「あ、うん、ありがとう。提督」

提督「そちらにおいておけ。私はもう少し勲章を磨いている」

鈴谷「……冷めちゃうよ?」

提督「構わん。ぐふふ……この輝きの素晴らしさよ。ああ、こうしているときだけが心が休まる」

鈴谷「はぁ……そういえば今日は鎮守府から報告書持ってきてくるれる日だったよね?」

潮「はい。今日は佐渡ちゃんがきてくれることになってたと思います」

鈴谷「あー、佐渡ちゃんかぁ。私はあんまり知らない子だなぁ」

潮「鈴谷さんは海上護衛任務にあんまり縁がないから仕方ないですよ。うーん、えっと、なんていうか――」

提督「ぐふ……クソガキだな」

潮「す、すみません!」

提督「あ? なんだ急に」

潮「い、いえ、だって……」


提督「ふむ、訳の分からんことをいっているが今日は機嫌がいいので許してやる。それで佐渡だが私の目から見ると『クソガキ』の一言がピタリとくる」

潮「クソガキって……そういうことかぁ……。ほっ……」

鈴谷「……提督、佐渡ちゃんのこと嫌いなの?」

提督「別に。対潜部隊の中では割かし好んでいるほうだな。他がそろいもそろってアレなだけだがな」

鈴谷「うーん、確かに対潜部隊ってなんか知らないけど提督と相性悪い子多いかもね」

提督「ふん! 旗艦の教育の賜物だろうな! あのわんぱく小僧ぐらいならばまだマシだ!」

 ガラッ!

佐渡「でさぁ、そのクソガキが来てやったわけだけどさ。ニヒヒ、なんかご褒美とかあんの?」

提督「……ノックはどうした?」

佐渡「いひっ、べつにいいじゃん。かたいこといいこなしだって」

提督「茶は出してやるから勝手にしろ。ほれ」

佐渡「おう。あ! 冷めてんじゃん」

提督「それほどでもないだろ。文句をいうな」

佐渡「ちぇ……」


潮「あの、御煎餅出してきますね」

提督「待て。鬼あられにしろ。馬公の鎮守府司令官からいただいた奴だ。あれは旨かった」

潮「は、はい」

佐渡「クソガキはどっちだっつーの……」ボソッ

提督「はっ! 私は好き放題にやっていても許されるだけの地位があるんだよ! 羨ましければお前も努力することだな! 佐渡大将になれば顎で私を使えるぞ! まぁ、無理だろうがな、はっはっは……!!」

佐渡「にひっ、覚えておけよ、その言葉。目にものみせてやっかんな」

提督「そのころには私は元帥だな。いや、墓の下かもしれ――」

鈴谷「はい、はい。それぐらいにしておいたほうがいいよ?」

提督「む」

潮「お待たせしました。えっと、どうぞ」

佐渡「ん。あんがと」

潮「えっと、はい」

提督「おい! 私に一番に渡すのが道理だろ! どういうつもりだ!」

潮「え……えっと、その……」

鈴谷「はぁ……その前に勲章片付けろってこと。クズついたらまた大騒ぎするんだから」

提督「馬鹿者め、もう片付けているわ」

鈴谷「……」

佐渡「食い意地はってんなぁ……」

潮「す、すみません。どうぞ」

提督「うむ」ボリボリ


提督「ズズズー……それよりだ、4月にも相撲大会はするつもりなのでちゃんと練習しておくように」

佐渡「ひひっ……! 今度も絶対に優勝してやんよ」

提督「いや、今回は不知火がお前に土をつける。覚悟しておけ」

鈴谷「……あのちびっ子相撲またやるんだ」

提督「勿論だ。ある筋からの情報では私が企画した行事の中ではあれが一番、評判がいい」

鈴谷「……前回は龍驤さん出そうとしてグダグダだったじゃん」

提督「あれは五十鈴のやつが余計なこと言うからだ! 今回は不知火と陽炎にちゃんと基礎を教えてやったので問題ない!」

鈴谷「本当に負けず嫌いというかなんというか……」

佐渡「ひひっ。佐渡様的にはそういうとこ『だけ』は尊敬できるわ! 軍人は敢闘精神が大事だもんな」

提督「うむ」ズズズー



――――――


 XX17年 11月

 ――09:00――

 鎮守府 執務室


叢雲「はい、これ」

提督「久々に顔を見せたと思ったらなんだこれは」

叢雲「あのねぇ、あんたがいったんでしょ!? レクリエーションしたいから意見聞いて来いって!」

提督「む……ああ、ここのところ色々とあったのでな。空母と戦艦の馬鹿どもには参ったものだ」

叢雲「……あんたの責任でもあるんだからね」

提督「派閥云々が私の責任だと?」

叢雲「当たり前でしょ?」

提督「むむむ……」

叢雲「なにが『むむむ……』よ!」

提督「……今月は増援として涼月と佐渡が着任したな。ちょうど、歓迎の意味も兼ねられるな。一石二鳥というものだ」

叢雲「はぁ……本当についてない……。なんで私、こんなところにまだいるのかしら」

提督「ふん! ほかの鎮守府がお前を欲しがるとは思えんから、永遠にここにいるだろうよ」

叢雲「さいっあっく!」


提督「お前とじゃれあっているよりも今は書類だ。ふむ……」ペラッ

叢雲「……なにか気になることあった?」

提督「いや、艦娘というわりに男のような要望が多いとおもってな」

叢雲「そうかしら? お料理大会なんて女の子らしくていいじゃない」

提督「そうだな。しかし、運動系の要望のほうが多いじゃないか。サッカー、野球。珍しいところではラグビーや相撲か」

叢雲「ああ、一応要望あったからいれておいたけど、艦種が違うと試合にもなんないしそういうのはダメなんじゃない?」

提督「いや、今回は駆逐艦と海防艦のみでレクリエーションを行うつもりなのでその点は問題ない」

叢雲「……は? なんで?」

提督「艦娘の数がここまで多くなると鎮守府全体で行事というのは難しいのだ。それゆえ、こうした活動も今後は艦種を分けて行っていく」

叢雲「ふーん……それってあんまり交流になんないんじゃない?」

提督「仕方あるまい。加えて下手に艦娘同士で上下の結びつきを強めるべきではないということが今回の件でも明らかになった」

叢雲「むむむ……」

提督「なにが『むむむ……』よ!」叢雲ボイス

叢雲「……相変わらず腹立つ奴よね」

提督「はっはっは……!!」


提督「しかし、どうしたものかな。野球やサッカーのようにチーム分けがあるものはそれだけで面倒になりそうだしな。個人競技がいい」

叢雲「それなら卓球とか?」

提督「どこから道具を用意するのだ。もう少し考えて話せ」

叢雲「うぐっ……それなら料理大会で――」

提督「お前は私を殺す気か!? お前たちが作れるものなど、せいぜい泥団子ぐらいだろ!?」

叢雲「……あっそ。それなら相撲大会でもしたら? 用具もいらないし、いいんじゃない?」

提督「相撲ねぇ……」

叢雲「今度はなによ?」

提督「悪い案ではないが、怪我をされると困る」

叢雲「はぁ……そんなこといったら何にもできなでしょ? それにいざとなったら高速修復剤ぶっかければいいじゃない」

提督「……こんなことで国家の資源を使えるか」

叢雲「それでどうするの?」

提督「うむ……そうだな、相撲大会でいいだろう。詳しくはこちらで決めて掲示板にて報告する。その前段階としてお前から告知をしておけ」

叢雲「はい、はい。青葉に頼んでおけばいいのよね?」

提督「うむ」



 ――翌日――

 ――06:40――

 鎮守府 食堂


佐渡「お!」

大鷹「佐渡ちゃん、朝からどうしたんです? あとご飯食べてるときに新聞読むのはお行儀が悪いですよ?」

佐渡「そんなことよりもこれ! 見て!」

大鷹「あら……駆逐艦、海防艦でお相撲大会するんですね」

佐渡「うひひー! 叢雲になにかレクリエーションでやりたいことあるかって聞かれたから答えといたんだけど良かったぜ! いひっ、優勝者には豪快景品ってあるし!」

大鷹「佐渡ちゃん、お相撲得意なんですか?」

佐渡「いひひ! もっちろん! 絶対に優勝するにきまってるじゃん!」

大鷹「そうなんですねぇ。頑張ってね」

佐渡「おうよ! 当日は大鷹さんも見に来てくれよ」

大鷹「はい。五十鈴さんに頼んでおきますね」

佐渡「えへへ! 楽しみだなぁ!」

大鷹「ふふ……」


 佐渡編 艦

佐渡編 艦です。
相撲大会までやれよって話だけどそこまでやると……個別でやります。
ちなみに相撲大会は史実からとってきました。排水量とか、馬力は関係ないです。

次回は中編です。
3回ぐらいに分割投下するかもしれません。1万文字ぐらいで納めたい……(願望)
少将が久しぶり(?)に登場。

それでは少し寝てから雀荘行ってきます。


背中が煤けて帰ってくるんですね分かります

次回の中編で赤城と蒼龍の冷戦が見れるのかな?
提督も赤城に何かプレゼント渡していれば…

乙でした

>>1です。
今回の中編で四人ぐらい退場させようかと思ってたんですが、あんまりにも話が鬱になりそうなので生死はコンマで決定することにしました。

22時半からやりますのでよろしければご参加ください

鈴谷死ぬんか……

>>836
基本的に名前明確にした艦娘は死なせないです

4人も赤城さんが食べちゃうなんて

どうしてもシナリオの都合上しかたなく退場するなら納得できるけど、そうじゃないなら今一度考え直して欲しいなぁ
もし明確な理由があって退場するならコンマ取らずに退場させた方が良い気もするし...

いつぞやの埋めネタみたいにモブ艦娘なら気にならないがそうじゃないだろうな

帰ってきました。
レス返して22:30からコンマとります。

あとレスの指定ミスってました……
>>835>>834への返事になります。

>>830
麻雀やめて上田に鯉食べに行ってました。
美味しかった(小並感)

>>831
それどころか色々と爆発する予定です。

>>832
ありがとうございます。

>>836
赤城さんはそれほど絡んでこない……かも……

>>837
本当ならここで退場と決めてあったんですが、>>1も書いてるうちに愛着沸いきてどうしようかなって状態です。
多数決はあれだし、どうするかコンマ神に聞いてみようと。
優柔不断で申し訳ないです……

>>838
明確に名前上げると内容分かるので伏せますが、それほど登場回数は多くない人たちです。

それではコンマとります。
偶数で生存、奇数で退場になります。
名前明かすとアレですので伏せてのコンマになります。その人物の生死が確定した次のレスで???を明かします。
???の中はこちらで操作できないように階級順で決めてあります。

↓???のコンマ

↓↓???のコンマ

↓↓↓???のコンマ

↓↓↓↓???のコンマ

ああ艦娘以外の可能性もあるのか

ご協力ありがとうございました。
ちょっと考えてみると多分これが理想形だと思います。

>>846
明言しますが全部艦娘以外です。
艦娘は名無しであっても「どうしようもないorIF編」以外では退場しません。



 XX18年 2月13日

 ――20:00――

 本土 陸軍参謀本部


将校「……ふむ」ペラ

 コン、コン

将校「入れ」

参謀「失礼いたします!」

将校「ん、ご苦労様。なにかあったかね?」

参謀「いえ、海軍の――鎮守府司令長官から快気祝いが届きましたのでお届けに上がりました」

将校「なんだ、もう退院したのか」

参謀「そのようです。どうぞ」

将校「うむ、ありがとう。それでは退院祝いを贈らねばならんな。なにがいいとおもう?」

参謀「いつもどおりお酒でよろしいのではないですか?」

将校「うーむ、そろそろ芸がない奴だと思われるのではないか? ――ん、向こうも酒だったか。考えることは同じということだな、はっはっは……!!」

参謀「ふん、葡萄酒ですな。海軍はお上品なことで」

将校「そういうな。よし、飲むか」

参謀「……仕事中ですが」

将校「かたいことを言うな。なんだ、お前も飲むか?」

参謀「結構です」

将校「はっはっは……!! そうか、そうか。ではラッパでいただくとするか!」グビグビ

参謀「……」

将校「ん?」

参謀「? どうかしましたか?」

将校「いや、なにか変な――ぐっ!?」

参謀「閣下!?」

将校「うぐぐ……!? あがっ……ゲッホ、ゴッホ……!」ビシャビシャ

参謀「あ、あああ……軍医! 軍医はどこだ!!」

 バタン

将校「ゲッホ……嵌められたか……」

将校「気を……つけろ……よ……。友よ……」



 XX18年 2月 15日

 ――10:00――

 ルソン島 海軍病院 入口


提督「んー……やっと退院だな。こんなにすがすがしい気分は久しぶりだ!」

鈴谷「ふふ……長いようであっという間だったね。ね、潮ちゃん」

潮「は、はい」

提督「馬鹿を言うな。長かった、本当に長かったではないか!」

鈴谷「えー? そうかな?」

提督「そうなんだよ! 一日千秋だったわ!」

潮「あ、あはは……」

あきつ丸「……ご出所おめでとうございます」

提督「ん? なんだ、お前が出迎えか」

あきつ丸「車の運転は誰かさんのおかげでなれているせいであります」

提督「はっはっは……!! 感謝しろ」

あきつ丸「なにを馬鹿なことを……。それよりも早く乗ってほしいものでありますな」

提督「うむ。いくぞ」

鈴谷「はーい」

 ガチャ、バタン


あきつ丸「話したいことがあり――シートベルトはちゃんと閉めていただきたい。陸軍が切符を切られるなどあってならないことであります」イライラ

鈴谷「あ、ご、ごめんなさい。すぐにしめるね!」

あきつ丸「まったく……」ブツブツ

提督「細かいことをぐちぐちいうな。で、話とは?」

あきつ丸「むぅ……鈴谷殿、潮殿もこの話は一切口外しないでほしいのであります」

鈴谷「え? う、うん、いいけど。どうし――」

あきつ丸「問答無用であります」

提督「ふむ……鈴谷、潮、いいな?」

鈴谷「う、うん」

潮「は、はい」

提督「ということだ、話せ」

あきつ丸「……将校殿が毒を飲まされたのであります」

提督「は? どういう――いや、奴は無事なのか!?」

あきつ丸「なんとか山はこえたとのことであります」

提督「そ、そうか……」ホッ……


???(?)94→生存

将校(中将・参謀次長)68→生存

???(?)31→退場

???(?)14→生存


あきつ丸「ご安心しているところ申し訳ないのでありますが、提督殿にも嫌疑がかかっているのであります」

提督「は!? なぜ、そうなる!」

あきつ丸「毒が入っていた葡萄酒は提督殿のお名前で贈られてきたとのことであります」

提督「ばか! わざわざ毒を自分の名前で送りつける奴がいるか!!」

鈴谷「て、提督、落ち着いて」

提督「これが冷静でいられるか! 私が奴に毒を盛るなど――あー! クソ! あきつ丸! すぐに本土へ行くぞ!」

あきつ丸「そんなに騒がなくても提督殿への嫌疑は一応というレベルであります。自分としても提督殿が犯人とは思えないと報告しているのであります」

提督「む……」

あきつ丸「提督殿は毒など迂遠な真似をせずに浅野内匠頭のようにその場で切り付けてくるような人とちゃんといったのであります」

提督「そんな短慮を起こすわけがないだろ! 馬鹿! 陸軍というのは頭空っぽか!」

あきつ丸「む……! かばったというのになんという言い草!」

提督「お前なんぞがなんといっても私が犯人になるわけないだろ!」

あきつ丸「それならば――」

鈴谷「提督! なんてこというの! あきつ丸さんがせっかく助けてくれたのに!」

提督「……い、いや、別に助けられてなど――」

鈴谷「むー……」ジー

提督「うぐっ……」

あきつ丸「ほう」

提督「な、なんだ」

あきつ丸「なんでもないのであります。ピュー、ピュー……」

提督「おい、口笛ふけてないぞ」

あきつ丸「そうでありますかー。くふふ……」

提督「ぐぐぐ……とにかく、すぐに鎮守府に戻らなければならん。できるだけ早くしろ」

あきつ丸「交通法規の中で頑張るであります」

提督「ちっ……」

あきつ丸の悪友みたいな関係好き

まあ自分の名前入りで毒酒送るバカなんているわけがないわな普通に考えたら

まずは身内の潔白を証明しないと話が進まんからな

頼む...南方司令官は生存していてくれ...俺あの人好きなんだよ...
南方陸奥を泣かせないでくれ...

更新していきます。
今日は回想に入るまでやりたいなぁって……

>>854
かなり元のあきつ丸から遠くなってしまっていますが、そう言っていただけると嬉しいです。

>>855
絶対に走査線に上がるのでそんな奴いない(確信)
ただこのあとの進行については政治力学というか……うん……

>>856
ミステリーというよりもオリキャラが織りなすどろどろの政治劇を艦これでやっていいのか割かし悩みました。
許して……許して……

>>857
そこらへんが明らかになるまで今日は進めたいです。


 プル……プルル……

あきつ丸「電話、鳴っているでありますよ」

提督「わかっている、いちいち余計なことを言うな。 ――はい、もしもし」

西方『あ、もしもし。私だけれど』

提督「!? お、お久しぶりです! あの、いかがなさいましたか?」

西方『あ、いやね、大したことではないんだけれど僕のところに退院祝いを贈ってきたかな?』

提督「! それは飲んではなりません!」

あきつ丸「! ひょっとしてまたでありますか!?」

提督「うるさい! 静かに!」

あきつ丸「む」

提督「閣下、その酒ですが毒が入っている恐れがあります!」

西方『あ、うん。ありがとう』

提督「実は――」

西方『あ、その先はもう知っているから結構。それにこいつに毒が入っていることも先刻承知していたよ。こういうことはそれなりに鼻が利くのでね』

提督「さ、然様でしたか……。御見それしました」

西方『あ、世辞はいいんだ。それよりもこれの意図を君は理解しているかな?』

提督「奴だけでなく、閣下にも同じものが贈られていたということでおおよそのことは理解しました……」

西方『あ、そう。それならいいのだけれど』

提督「……」


西方『そう落ち込むことはない。僕の予想だとこんなこともあと2年ぐらいの辛抱だと思うしねぇ』

提督「それはどういうことでしょう?」

西方『あ、いや、そこらへんは自分で考えてくれるとありがたい。それよりも君には他にも親しくしている人がいるだろうし、そっちへ注意を促すほうが先決だと思うけれど』

提督「それは……」

西方『私の伝えたかったことは以上だよ。うまくやりなさい』

提督「……ありがとうございました」

西方『それではね』

提督「はい」


提督「……」

鈴谷「……あの、どうしたの?」

提督「いや、お前が気にすることではない。あきつ丸」

あきつ丸「……なんでありますか?」

提督「女提督はどこにいる」

あきつ丸「代理殿でありますか? それでしたら――あ」

提督「なんだ、その不穏な『あ』は?」

あきつ丸「いや、実はさぷらいずで提督殿の退院祝いをやろうという話になっておりまして――」

提督「そんなことをいっている場合ではない!」

あきつ丸「――わかっているであります、だから話しているというのに……もう……。この時間であれば代理殿は南方海域総司令部がある町の『魚克楼』という料亭にいるはずであります」

提督「南方海域総司令部……ということは司令長官がからんでいるのだな!」

あきつ丸「まぁ、そうであります。提督殿が退院したらその足で総司令部に連れて行って、さぷらいずの宴会の予定だったのであります」

提督「ちっ! 間に合えよ!」


 プル……プルル……

提督「早くでんか! あのバカ、クズ! おたんこなす!」

あきつ丸「……罵倒も子供みたいなものしか出ないとは本当に焦っているようでありますなぁ」

鈴谷「あ、あはは……」

潮「あわわ……」

提督「早くでろと言っているのに――」

女提督『あ、もしもし! せ、先輩! た、助けてください!』

提督「! 何があった!」

女提督『そ、それが……ちょっ!? や、やめてください!!』

提督「おい! どうした!? 落ち着いて現状を報告しろ!」

女提督『そ、それが……』


?『いいじゃねぇか! おま【ピー!】、見せろってんじゃねぇんだからよぉ! 尻撫でられるぐらい、女の勲章だっつーの!』

提督「……閣下だな」

女提督『そ、そうなんです! 助けてください!』

南方『ガハハ……! 乳でも構わねぇぞ! それともなんだワシの46㎝砲と一戦、交えてみるか!』

提督「……」

女提督『やめてくだ――やめろー!』

南方『うわっはっは……!!』

提督「何とかしてやる。代わってくれ」

女提督『は、はい! 南方海域司令長官! お電話ですよ!』

南方『あ? いいとこだったのよ、んだよ』

女提督『全然、よくないです! 先輩が代われって!』

南方『はぁ? せっかくのサプライズが台無しじゃねぇか……』ブツブツ

女提督『それよりもどうぞ!!』

南方『はぁ……はい、はい。ワシだけど。なんだ夢【ピー!】でもしたところを鈴谷の嬢ちゃんに見られたか?』

提督「閣下、冗談を言っている場合ではありません! すぐにその場を離れて南方海域司令部にお戻りを!」

南方『あ? ……なんだ、お前、なんか知ってんのか?』

提督「陸の友人と西方の閣下に毒酒が私の名前で送られたのです! 閣下にも危険が迫っていると思い――」

南方「……ふーん、そっか。あいつもそこまでおちちまったかぁ」

提督「はぁ!?」


南方『いや、なんでもねぇ。ただ安心しろ。こっちは難を逃れた』

提督「ということはなにかあったのですか?」

南方『おう! ワシのお気に入りの料亭が大爆発だよ! 悲しみで叫びてぇぐらいだ、おま【ピー!】って』

提督「けが人はどれほどの数が……?」

南方『んなもん、いねぇよ。なんか嫌な予感がしたんでな、強権ふるって非難させてみたらドッカーン!ってなもんだ』

提督「……なんとも常人離れした勘ですな」

南方『ワッハッハ……!! すげぇだろ! で、そっちの件は陸奥に任せて別の料亭に来てるわけだ! 安心しろや、親父として手前の退院祝いぐらいは首だけになってもやってやらぁ!』

提督「退院祝いなど結構です。それよりもお気を付けください。私もすぐにその場に向かいますゆえ」

南方『相変わらずかてぇな。かたいのはアソコだけに――』

 プチッ……ツー、ツー

提督「……あきつ丸、急げ。交通法規の中で」

あきつ丸「それはもうやっているのであります。それでなにかあったのですか?」

提督「物的にな、ひどいことがあったそうだ。とにかく南方海域司令部に向かうぞ」

あきつ丸「了解したであります」

鈴谷「……」

提督「……そう心配そうな顔をするな、大丈夫、大丈夫だ」

鈴谷「う、うん」

提督「……」


南方(大将・南方海域司令長官)94→生存

将校(中将・参謀次長)68→生存

???(?)31→退場

女提督(大佐・基地司令)14→生存


 ――同時刻――

 西方海域総司令部 執務室


西方「はぁ……」

 ガチャン

西方金剛「どうもお疲れみたいデース」

西方「あ、うん、まぁねぇ」

西方金剛「でしたら、このワインをグイっと一杯なんてどうネー!」

西方「ははは……ナイスジョークだ。ぐっすりと眠れそうだものね、もう起きられないだろうけど」

西方金剛「けど、彼にも困ったものデース。テートクにこんなに迷惑かけるなんて信じられないデース」

西方「いやいや、彼には感謝しないとならないよ。防波堤としてうまくやってくれているのだからね。先のないご老人の妄念というものほど怖いものはない」

西方金剛「防波堤?」

西方「ああ。本人にはその気はないだろうけどねぇ」

西方金剛「難しい話はさっぱりネー」

西方「あ、そうだね。その方が金剛は可愛くていい」

西方金剛「むー……バカにしてますネー?」

西方「いやいや、そんなことはない」

西方金剛「信じられないデース」

西方「あはは……参ったな、こりゃ」

西方金剛「今度、あのレストランに連れて行ってくれたら許してあげマース」

西方「それぐらいなら構わないがね。さてとそれでは予定をたてようか」

西方金剛「Yes!」

すみません。意識がやばいので今日はここまでで許してください……
もう少しで回想なんだけど……うん、無理そう……

明後日には完結させたい……

おつ
タイトルが不穏だね
トロイラスとクレシダみたいな提督と艦娘もいたのかな……

乙でした

良かった...マジで良かった...南方司令官と陸奥が一緒に...なんて最悪の事態まで想像してしまってソワソワしてた...
....え?ってことは....?

乙です、これでまた提督は凹む
……それはそれとして何だかんだで赤城さんは喜びそうだけど

意識がヤバい……
なんとかここまでに書き溜めた分、一気に投下して寝ます。
終わらなかったよ……すまねぇ……すまねぇ……

>>868
タイトルの意味が明解になるまで進みたかったのですが、その手前で力尽きました……

>>870
ありがとうございます。

>>871
当初の予定では爆発に巻き込まれてました。こっちのがキャラから考えると『らしい』ですね。

>>872
確実に凹みます。
赤城さんの行動ですが前回の失態があるので今回はちょっと精彩を欠いてます。



 ――11:00――

 ルソン島 軍港


あきつ丸「ふぅ……やっと到着であります」

提督「うむ!」

 バタン!

赤城「提督、退院おめでとうございます。鎮守府の艦娘を代表して私たちがお迎えにあが――」

提督「そんなことはどうでもいい! すぐに船をだせ!」

蒼龍「えっ……あの、どうかしたんですか?」

提督「問題が発生した! 南方海域司令部に向かうぞ!」

蒼龍「?? あの、さっぱり――」

提督「説明は移動中にする! 寸暇を惜しめ!」

赤城「……畏まりました。すぐに船を出すようにつたえなさい」

漣「あらほらさっさー!」

赤城「……」

漣「す、すみません……」

赤城「結構です」

提督「なにをくだらんことをしている! 急げ!!」

赤城「失礼しました」



 ――11:30――

 船中 会議室


提督「ここにいるものたちに現在起こっていることを説明したい。静聴せよ」

赤城「ゴホン……鈴谷、潮、あなたたちは部屋に戻っていなさい。提督、よろしいですね?」

提督「ああ、そうだな。鈴屋、潮、ご苦労だった。部屋で休んでくれ」

鈴谷「わ、私もここにいる! なにかお手伝い――」

蒼龍「ふん……あるわけないでしょ」

提督「蒼龍の言うとおりだ、これからのことはお前たちが知る必要はない。部屋に戻っていろ」

鈴谷「……」

赤城「あきつ丸、案内してあげてください」

あきつ丸「了解であります。さ、鈴谷殿、潮殿」

鈴谷「……うん」

 バタン


提督「ゴホン……現状を簡潔に言えば『軍内の政争に巻き込まれた』以上の一言に尽きる」

蒼龍「政争ですか? なんでまた?」

提督「それを説明する必要性を感じない」

蒼龍「けど、そこらへんがはっきりしないことには――」

赤城「それよりも具体的な被害はあるのですか?」

提督「……うむ、まず陸軍の将校と西方海域司令長官に私の名で毒酒が送られた。あとはお前たちも知っていると思うが今日の退院祝いで使う予定だった料亭が爆破された」

蒼龍「ちょつ!? 待ってください!?」

提督「は? なんだ?」

蒼龍「聞いてないですよ! ねぇ、赤城さん」

赤城「……私たちには爆発があったという報告は来ておりません」

提督「む……」

霧島「これは南方海域司令部がその陰謀に加わっているということでは――」

提督「そんなわけがあるか!! 二度とそのようなことはいうな!」

霧島「し、失礼しました」

提督「……とにかく今は閣下と合流して善後策を講じるべきだと考えている。異論はあるか?」

赤城「私からは特には。蒼龍はどうです?」

蒼龍「私も特には」


提督「そうか。では次の行動だが――」

蒼龍「ちょっと待ってください! あの、ひょっとして犯人のめぼしってついてたりするんですか?」

霧島「は? そんなわけないでしょ」

蒼龍「いやいや、なんか提督がちょっと変だからもしかしたらって。それでどうなんですか?」

提督「……それを知ってどうする?」

蒼龍「わかってるんですね? それならすぐにその犯人の元へ艦隊を向かわせましょうよ! 焼き払って――」

提督「馬鹿! そんなことができるか!!」

蒼龍「け、けど、ほっといたら提督が危険です!」

霧島「料亭に爆弾を仕掛けた犯人は戦果を確認するためにも付近にまだ潜伏しているはずです。これだけでも排除するべきかと」

赤城「霧島の言う通りでしょう。南方海域司令部には第一水雷戦隊が代理の護衛として入っています。ネズミ掃除であれば十分に可能かと」

提督「む……いや、向こうを刺激したくない。今後の方針を決めるまでは何もするな」

赤城「畏まりました」

蒼龍「……納得いきません!」

提督「お前が納得する、しないでものごとをきめてなどいない」

蒼龍「むー……!」

提督「ふん!」


提督「それよりも本来のこの後の予定はどうなっていた?」

霧島「少々お待ちください。 ――はい、ヒトナナマルマルまで退院祝いの宴会。そののちはすぐに鎮守府へ戻ることになっていました」

提督「それだけか? ほかにどこかに移動するなどの予定はなかったな?」

霧島「はい。そのはずです」

提督「……であれば、これ以上は南方海域司令部には仕掛けはないか」

霧島「おそらく。あと何かを仕掛けてくるとしたら鎮守府に、でしょうね」

提督「女提督が南方海域司令部にいるということは鎮守府の指揮は誰がとっている?」

赤城「龍驤さんですねぇ」

提督「アレか、不幸中の幸いだな。よし、それであれば奴に艦娘を指揮させて危険物を捜索させろ」

霧島「畏まりました。すぐに連絡してきます」

提督「うむ。蒼龍、南方海域司令部周辺の地図を用意しろ。狙撃などの可能性を排除したいので移動ルートを策定する」

蒼龍「はい! すぐに持ってきますね!」

提督「艤装は?」

赤城「私共三人の分は船に積んできております」

提督「であれば、奴らが戻り次第、全員艤装を装着しておけ。ないとは思うが、海で襲撃を受ける恐れもある」

赤城「畏まりました」

提督「……艦娘が相手になるかもしれんということだが。その、なんだ、大丈夫か?」

赤城「? ええ、大丈夫、大丈夫ですよ? 艦娘であろうが薙ぎ払って御覧に入れます」

提督「……」

赤城「?」



 ――12:00――

 南方海域司令部周辺の町 教会


?「……どうか私たちの愚かさの犠牲になったあの子たちが安らかに眠れるよう」

旅順港鎮守府提督(以下、旅順港)「おや、お祈りですか? あなたが基督教徒だったとはしりませんでした。洗礼はいつお受けに?」

?「……」

旅順港「おや? もしもーし! 聞こえてますかー?」

?「邪魔だ。うせろ」

旅順「おお、上官に向かってその態度。感心できませんねぇ、実に感心できない」

?「……」

旅順港「無視とは酷い。涙が出てきそうだ。ねぇ、大淀くん」

旅順港大淀「え、ええ。仰る通りかと」

旅順港「は? 本当に? そんなに悲しいものですかねぇ? ひょっとして僕のことを馬鹿にしている、とか?」

旅順港大淀「めっそうもありません! 尊敬している提督にそのような態度をとられてはご本人以上に回りが悲しくなるものだと、お、思います……」

旅順港「はぁ……! なるほど! ナルホド! あなたのいうとおりでしょうねぇ」

?「くだらんな」

旅順港「は? どういうことですか?」

?「私は私のやりたいようにやらせてもらう。それがお前の望んだ結果になるとは限らんがな」

旅順港「それは困りますねぇ」

?「言ってろ」

旅順港「……ああ、そうだ。聖書には復讐というのは神に任せるべきだとあるそうですよ? 私が言うのもなんですが今ならやめられますよ?」

?「私は私が進むためにもアレとは決着をつけるだけだ。お前たちの脅しなどきっかけにすぎん」

旅順港「くふ……くふふ……ナルホド! それでは私はただ成功を祈っております」

?「……」

 バタン!



 ――14:00――

 南方海域司令部 軍港


提督「ここからの異動はどうなっている」

赤城「車を手配しております。先ほど決めたルートで南方海域司令部に向かわせましょう」

提督「よし。それでは降りる――」

赤城「提督、私の後ろに」

提督「……なんだ」スッ

赤城「あちらの倉庫の陰に何者か潜んでいます。霧島」

霧島「はい! すぐに制圧してまいります!」

提督「待て! 手を出すな!」

霧島「し、しかし……」

提督「聞き分けろ。赤城、相手は銃を持っているか?」

赤城「……いえ、目に見える範囲では」

提督「であれば、無視していくぞ。拳銃で狙える距離ではない」

蒼龍「し、しかし――」

提督「私には私なりの考えがある。命令だ」

蒼龍「……」グッ

赤城「蒼龍」

蒼龍「……はい」


提督「よし、それではいくぞ。くれぐれも私から離れるなよ、死にかねん」

赤城「くふっ……」

提督「なにがおかしい?」

赤城「ゴホン……いえ、なんでもないです」

提督「であれば気を引き締めろ」

赤城「すみませんでした」

提督「ちっ……」


赤城「提督、こちらの車です。すぐにご乗車を」

提督「ああ」

?「待て」

提督「――やはり最後は貴様なんだな」

警備隊司令「そういうことだ」

提督「……」

警備隊司令「同期のよしみだ、退院おめでとうとだけはいっておく」

提督「うむ。 ……それで何の用だ? すまないが今は忙しいのだ。話ならばあとに――」

警備隊司令「とぼけるなよ。私が何でここにいるかなどはわかっているだろ?」

提督「……知らんな。貴様がその腰に帯びている軍刀を抜かなければ何もなかったことにする。向こうに伏せている奴と一緒に今は消えろ」

警備隊司令「……そうか。残念だ」カチャッ

提督「あ?」

赤城「提督! お下がりください! 鯉口を――」

 パーン!

赤城「――は?」


警備隊司令「ゴホっ……!?」

警備隊司令「ふ、ふふ……そ、狙撃手を伏せていたか……やはり、貴様はちゃっかりしてる……」

提督「ち、違う!! おい、誰が撃った!? すぐにやめさせろ!!」

赤城「そ、それが、その……」

提督「ええい! それよりも医者だ!」ダッ

警備隊司令「そう、か……」グググッ……

提督「……おい! 動くな! すぐに医者を呼ぶ! まだ助かるはずだ!」

警備隊司令「無駄……だ……」グググッ……

提督「いや、そんなことがあるはずがない! あってたまるか! 助かるはずだ! だからじっとしていろ!」

警備隊司令「なぁ……提督……お前もこれで、少しは……苦しんで――」

 パーン

 ……パーン

警備隊司令「……」

 バタッ

提督「……おい、なんだこれは!? 誰が撃てといった!? 赤城、お前の手配か!?」

赤城「いえ、これは――」

?「そうですよ。あなたの命を助けて差し上げたのは私ですよ?」

提督「お前……!」

旅順港「こんにちは! ご機嫌いかがですか? いやぁ、危ないところでしたねぇ」

提督「……」


旅順港「まさか三羽烏なんて言われていたお友達から殺されそうになるなんて、どんな気分なんでしょうね! ぜひ、教えて欲しいものです」

提督「……今回の件はお前がすべて仕組んだのか、元帥からの指示か。答えろ」

旅順港「え? なんで私がそんな風にいわれるんです? わかりますか、大淀くん?」

旅順港大淀「い、いえ」

提督「御託はいい! ここまでやる必要があったのか!?」

旅順港「さて、あなたの話はさっぱりだ。見るべきものは見ましたし、私はこれでおうちに帰ることにしましょう」

提督「ふざけるな!! 逃がす――」

旅順港「どうぞ? ぜひ、その激情のままに行動してください。ただ私に手を出せば、どうなるかぐらいは賢いあなたはおわかりでしょう?」

提督「ぐっ……」

旅順港「くふっ!! その顔! いいですねぇ! あの物陰で動かなくなってる艦娘もそういう表情でしたよ!」

提督「……」ギリッ

旅順港「これで懲りたでしょ? これからは自分の身の程というものを考えて行動するように。それではアデュー」

提督「……」

赤城「……提督」

提督「……警備隊司令の遺体を船に。南方海域司令部に向かう」

赤城「はい」

今日はここまでになります。
正直、地の文ないのがここまでキツイことになるとは思いませんでした。パーンのむなしさよ。
警備隊司令についてはもう少し本編で触れらればよかったんですが……。鹿島編の最後にちょろっと顔出しただけでこの始末は……ううむ……

最後になりましたが、ツイッターでまとめを作成していただけるというDMいただきました。
本当にありがとうございます!
なにか不明な点があればレスかDMいただければすぐにお答えしたいと思います。


南方(大将・南方海域司令長官)94→生存

将校(中将・参謀次長)68→生存

警備隊司令(大佐・提督と同期)31→退場

女提督(大佐・基地司令)14→生存


深海棲艦という分かりやすい外敵がいるのに人類同士で殺し合いとか余裕ぶっこいてんなこいつら……

>>887
旧帝国陸軍「ほんそれな」
旧帝国海軍「意識が足りていませんね」

乙でした


人類同士で内ゲバしないなんてそれこそ人類じゃないぜ!

乙です
個人的には西方さんが生き残ってくれてよかった

確かに南方提督は謀略にはめられて退場する様な玉じゃあないなぁ

個人的な南方提督のここ好きポイントは艦娘の抱き心地を知ってるところ
外では飲まないってのを陸奥が知ってるってことは....色々と妄想が捗るなぁオイ!!!
イッチが書くキャラは魅力的なキャラが多くてほんますこ

乙 なまじ顔をだしたばっかりに・・・

袂を分かつ運命の分かれ道はどこにあったんだろうね>三羽烏
伏せてる艦娘は既に制圧されているということかな

友人を信じられなくなったときじゃねえかな
提督はアレな人だけど最後まで信じようとしたよ友人


>>887
戦争が終わらないことを望んでる人もいたり、いなかったり……
ここらへんも今回の中編で明らかにしていきたいです。

>>888
予算の関係で陸軍と海軍はどこの国も険悪だから……(震え声)

>>889
ありがとうございます!

>>890
歴史的に内ゲバはクッソ多いですね

>>891
西方さんは規律第一のまじめな人だけど、こういう謀略に対する政治力高めです

>>892
ありがとうございます!
当初は避難誘導中に民間人庇って……という形でした。
キャラについてそういう風に言っていただけると本当にうれしいです!

>>893
本来はもっとがっつりいろんなところに顔を出してたはずなんですが……

>>894
>>895の方がいうように信じられなくなったのが大きいと思います。これから詳しくやってきます。
艦娘は……うん……最後にその……

>>895
提督は一定以上親しくなるとかなり対応変わってきますね。
そこも含めてアレではありますが……



――――――――――



――XX16年 9月 10日――

 南方海域司令部隷下〇〇鎮守府 対空部隊管制室


警備隊司令「撃って、撃って、撃ちまくれ! とにかく弾幕を張って敵を威嚇せよ!」

警備隊艦娘一同『了解!』

警備隊司令「いい返事だ! 海上に奴らの居場所がないことを教えてやれ!」

警備隊艦娘A「し、失礼します!」

警備隊司令「ん。どうした? それよりも敵の空襲が激しい。お前も今回は出てもらうぞ」

警備隊艦娘A「は、はい!」

警備隊司令「しかし敵も暇なものだ。こんな辺境の鎮守府を襲うとは、ね」

警備隊艦娘A「し、司令、それが本部より連絡が来まして……」

警備隊司令「……上は言いにくい状況ということだな」

警備隊艦娘A「は、はい。鎮守府司令長官が第二波の空爆で秘書艦の方ともども戦死なさったと報告が来ました」

警備隊司令「そうなると鎮守府全体の指揮を私がとることになっていたな」

警備隊艦娘A「そ、そうなんです! こっちもこんな調子なのに指示を出せって本部の子たちが――」

警備隊司令「慌てても事態は好転しない。出撃している艦娘を下げるように指示をだしておけ、この鎮守府で籠城戦を行う」

警備隊艦娘A「え……そんなことせずに各地で迎撃を続行すべきじゃ……」

警備隊司令「私はこれから本部に向かうのだぞ? 現状を継続するのは不可能だ。戦局の立て直しを優先する」

警備隊艦娘A「わ、わかりました。 え、えっと――」

警備隊司令「落ち着いて行動しろ。急いてもいい結果になるとは限らんぞ。深呼吸!」

警備隊艦娘A「……スゥ―。はい! 本部に艦娘を警戒させながら退却させるように伝えます!」

警備隊司令「よし!」

警備隊艦娘A「失礼しました!」

 バタン!




――XX16年 9月 15日――

 鎮守府 執務室


提督「……」

大淀「提督、失礼します。南方海域総司令部よりも連絡がきています」

提督「……閣下か?」

大淀「はい。南方海域司令長官です」

提督「はぁ……回せ」

大淀「畏まりました」

提督「うむ……ガチャッ……はい。――鎮守府司令長官の提督です」

南方『おう! ワシだけど。調子はどうよ?』

提督「はい、閣下のおかげさまで健やかにすごしております」

南方『ワシはお前にそんなことをしてやったおぼえはねぇけどな! ガハハ……!』

提督「…… それで今回はどのような御用でしょうか?」

南方『あんまり早い男は嫌われるもんなんがな。まぁ、今はその方が都合がいいや』

南方『で、○○鎮守府ってのはわかるだろ?』

提督「はい。同期が警備隊司令として赴任しております」

南方『ああ、知っている。それでな、本題はここからだ。その鎮守府が深海棲艦に5日前から包囲されてやがる、お前さんにその救援を頼みたい。マニラにいる第5戦隊と合流して早急に鎮守府を包囲してる敵さんをおちょくってくれ』

提督「畏まりました。一つ意見具申よろしいでしょうか?」

南方『ん』

提督「私の麾下の艦隊と第5戦隊では報告で上がっている敵の撃破は困難かと思います。さらなる増援をいただければ幸いです」


南方『まぁ、そうなるわな。ワシも艦隊を率いて向かうつもりだが、お前たちが到着してからさらに一週間ほどかかる。その間に鎮守府が落とされないように奴さんにちょっかいをかけ続けてくれればいい』

提督「畏まりました」

南方『……それとこの救援作戦だがどうもくさい。戦死した鎮守府司令長官は攻撃を受けた際、ワシではなく本土へ連絡を入れている。そのせいで初動がかなり遅れた』

提督「では相当に急を要する作戦という認識でよろしいでしょうか?」

南方『いや、件の鎮守府は戦力も備蓄も十分に揃ってる。慎重さをもって進めるべし――って言うのが本土の連中の指示だ。けどな、これはワシの勘では急がなきゃやべぇってでてるんだよ』

提督「……」

南方『つうわけで最速で救援に向かえ。できれば10日以内だ。辺境とはいえそれなりの規模の鎮守府が落とされると大規模作戦の勝ちにケチがついて、流れが変わりかねん』

提督「はっ! 1週間で出撃の準備を整えさせます!」

南方『それでいい。それとわーってるとおもうけど、今回は引いたり押したり恋愛ごっこみたいにやらにゃならん。この部隊の責任者は軍歴で第五戦隊司令官になるとおもうが、あれにこういう駆け引きは厳しいだろうから小僧がちゃんと手綱を握れ』

提督「はっ!」ビシッ!

南方『よっしゃ! 露払いは任せたぞ!』ビシ

 ブチッ


提督「――大淀、私はこのまま奴と敵艦隊迎撃の編成を練る。お前は第一並びに第三水雷戦隊へ出撃の命令を出しておけ。ほかの艦娘も即時出撃が可能なように準備だけはさせておけ」

大淀「先ほど見た敵の編成からは空母がいないと非常に難しい戦いになると思いますが?」

提督「ふん! そんなことは先刻承知している! そちらは向こうとのすり合わせの後に決める。お前ごときがアレコレと考える必要はない!」

大淀「チッ……了解しました」

提督「わかったのならばよろしい。さっさっとやるべき事をしろ!」

大淀「……はい」

 ピ、ポパ……プルル、プルル……ガチャ……

提督「こちら――鎮守府司令長官」

少将『――もしもし。こちら――基地司令、少将』

提督「随分と出るのが早いな」

少将『ははは、貴様と違って暇があるのでな』

提督「それは貴様の仕事が早いからだろうな」

少将『お世辞は結構。それでどうかしたか?』

提督「うむ。○○鎮守府が深海棲艦に包囲されたとのことだ。それの救出に向かわねばならん」

少将『む……そうか。どれだけの艦娘を出せばいい?』


提督「敵の大攻勢を防ぐためのかく乱が目標だ。作戦の性質を考えれば少数精鋭で臨みたい」

少将「なるほどな。そちらはどれほどの艦娘を動かすのだ?」

提督「うむ、まずは水雷戦隊3つと空母4隻。あとは重巡洋艦を数隻といった予定だな」

少将「空母か……誰を出すんだ?」

提督「? 五航戦と二航戦を出撃させる予定だが。なにか問題があるか?」

少将「いや、そんなことはないさ。ただ練度的には一航戦のほうがいいのではないかと思ってな。敵に食いつかれず一撃離脱というのは高い練度が必要だろ?」

提督「なるほどな、速度よりも練度か。二航戦に代わって一航戦を出そう。では、つづいてそちらの編成だが――」

少将「いや、待ってくれ。かく乱といってもあまり火力がなくては敵の注意をひけないのではないか? 金剛型も用いるべきだと私は思うが」

提督「――そうか? うむ、それでは金剛と霧島を出そう。ほかにもなにか意見はあるか?」

少将「そうだな。本隊を守る部隊であれば多少の鈍足でも構わないだろ、防衛戦力として戦艦も少数編成すべきではないか?」

提督「う、む……」

少将「ほかにも包囲している敵を破るならば超長距離からの砲撃も有効かもしれん。敵の砲撃が届かない距離から一方的に主砲で攻撃し、近づいてきたところを半月陣形を組んだ水雷戦隊で迎え撃ちつつ包囲していくのだ。おお、これならば敵を撃滅することが可能なのではないか?」

提督「……検討しておこう」

少将「そうか、そうか。ここ数回の戦いで私もそれなりに戦場の機微というものが分かってきた気がするのだ。今度はお前のところの艦娘だけが称えられるなどということはないだろうな」


提督「……それはそうと補給線なのだが」

少将「うむ。そこらへんの手配は任せろ。200隻までならばいつまでも作戦行動を継続させてやる」

提督「頼もしい限りだ。先ほどの提案はこちらで有効性を考えてみるので、貴様は水雷戦隊を率いて一週間後にこちらへきてくれ」

少将「うむ、了解した。それではな」

提督「ああ」

 ガチャッ

提督「……どういった意味での提案だったのだ? 分からん」

提督「私は所詮、そこまでということか……」

提督「フッ……」



――XX16年 9月 15日――

 南方海域司令部隷下〇〇鎮守府 鎮守府司令長官執務室


提督「……」

警備隊艦娘A「食料がそこをつきかけています……」

警備隊艦娘B「このままでは士気にも影響がでます。余力のあるうちに吶喊して敵中を突破するべきかと」

警備隊司令「……そんなことをすればすりつぶされて終わりだ。こちらのまともに戦える戦力を考えてくれ。食料の件はギリギリまでほかの艦娘に気づかれないようにするならばどれぐらいもつ?」

警備隊艦娘A「そうなると1週間ほどが限界だと思います。切り詰めていっても10日ほどになると思います。それ以上は……」

警備隊司令「うむ、それであれば量を減らすなどのことはするな。士気の低い籠城戦など話にならん。援軍もその時期には到着する手はずだ」

警備隊艦娘A「……」

警備隊司令「そんな顔をするな。いざとなれば山狩りをして食べるものを得よう。私たちがわずかに食つなぐ動物ぐらいはいるだろ」

警備隊艦娘A「……今回の襲撃は不運が重なりすぎてます。海域総司令部から輸送物資が運ばれる直前に鎮守府司令長官が戦死するほど苛烈な攻撃があった上に、援軍が本土の手違いで送れるなんてまるで――」

警備隊司令「そこまで。それ以上はいったところでどうにもならん」

警備隊艦娘A「はい……」

警備隊司令「とにかく、今は耐えよう。つらいとは思うが奮斗するよりほかにない」



 ――XX16年 9月 23日――

 マニラ島 軍港 第五戦隊旗艦 司令官私室


提督「――鎮守府司令長官の提督です。この度は援軍としてまいりました。足を引っ張らないように奮励努力所存であります」

第五戦隊司令官「ゲホ、ゲホ……知らない仲じゃないし、そんなに畏まらなくていいよ。私は先任ということぐらいしか能がないしね」

提督「そんなご謙遜を」

第5戦隊司令官「いやいや、本音だよ。この任務は少し荷が重く感じられてどうしようかと途方に暮れていたからね」

少将「……」

提督「……失礼ですがお体の具合がよろしくないのですか?」

第5戦隊司令官「情けないがどうも風邪をひいてしまったようでね。秘書官の青葉も随分と心配してくれているのだけれど、なかなか治らなくて参っているんだ」

少将「それでしたらどうぞお休みになっていてください。作戦は私たちが立案してご報告します」

第5戦隊司令官「といってもこの部隊の主将はわたしだからねぇ。なに座っているぐらいなら平気だよ」

少将「そうでしたか……。どうぞご自愛ください」

第5戦隊司令官「ありがとう。それで、あれだ、うん。先にもらっていた報告書を見ると提督君は随分と艦娘を連れてきたみたいだね?」

提督「……はい」


第5戦隊司令官「君のことだからなにか考えはあるのだろうけど……うん……その、どういった意図が?」

提督「そ、それは――」

少将「それは私の提案でそういった編成となりました。これで敵を撃滅することも可能かと」

第5戦隊司令官「ゴッホ……失礼。しかし、決戦は私たちの任務では――」

少将「いえ、私には秘策があります! 必ずや敵を打ち破ってみせます!」

第5戦隊司令官「……そ、そうか。そこまで自信があるのならば君に任せ――てもいいのかな?」

提督「……」コクリ

第5戦隊司令官「……それでは少将君、作戦立案は頼むよ」

少将「はい! お任せください!」

第5戦隊司令官「あ、うん。私はやっぱり少し横になるよ、申し訳ないけれど提督君は肩を貸してもらっていいかな?」

提督「かしこまりました。さぁ、どうぞ」

第5戦隊司令官「ありがとう」

少将「それではお大事になさってください」

第5戦隊司令官「う、うん」

 バタン


第5戦隊司令官「……」

提督「……」

第5戦隊司令官「……彼は、その、なんだ? 大丈夫なのかね?」

提督「はい、知勇兼備の名将と私は信じています。必ずや目的を達成するかと」

第5戦隊司令官「私みたいな愚将がいうのもなんだが、どうにも空回りしているように見えてしまってね……」

提督「奴は先日行われたカレー洋の海戦では獅子奮迅の活躍を見せました。ご安心ください」

第5戦隊司令官「う、うむ……」

申し訳ありません。今日はここまでになります。
いろんなフラグが立ちました。次回で一気に結果を出していきます。

すみません、ご無沙汰しております……
風邪が異様に長引いて新しい会社への準備がばたついてしまいました。
なんとか仕事のいろいろが落ち着いて来ましたので明後日までには再開します。

イベントですが、おしゃぶりのレビュー聞きながら全甲で完走しました。
御倉とジャービスは掘ってる時間ありませんでしたので安価不可になります……
申し訳ありません


――XX16年 9月 25日――

 南方海域司令部隷下〇〇鎮守府 鎮守府司令長官執務室


警備隊司令「食料がそこをついたか……」

警備隊艦娘A「はい……申し訳ありません……」

警備隊司令「なに、お前が謝ることではない。とにかく食料の調達部隊を増員するしかあるまい。食べれるものならばネズミだろうが、木の根だろうがなんでももってこさせろ。それにしても海に囲まれているというのに釣りもできんとはな」

警備隊艦娘A「……」

警備隊司令「ん? どうした?」

警備隊艦娘A「その、援軍が到着する日はまだ――」

警備隊司令「不明だ。私からも艦娘たちを鼓舞してみるがお前もそのように動いてくれ。生き残るためには耐えるしかあるまい。そうだろ?」

警備隊艦娘A「……畏まりました。それでは私は持ち場に戻ります」

警備隊司令「ああ」

 バタン

警備隊司令「……食料は尽き、防衛の要の戦艦、重巡洋艦は全滅」

警備隊「ふん、あとどれほどもたせられるかな……」



 ――XX16年 9月 26日――

 第五戦隊旗艦 艦橋


第5戦隊司令官「いよいよ敵との距離が縮まってきたわけだが……本当に彼の意見を丸呑みしていいものかね?」

提督「はっ。少将の提案するものであれば間違いないでしょう」

第5戦隊司令官「そうはいうが……彼には実績がない。これだけの兵を預かる私としては百戦錬磨である君の案も聞いておきたいものなんだがね」

提督「いえ、お言葉ではありますがそれは機会に恵まれていなかっただけです、奴はこの戦いでもちまえの軍才を大きく羽ばたかせ名声は四海に響き渡るようになるでしょう」

第5戦隊司令官「君がそこまでいうほどかね。それは期待をすることにしよう」

 コン、コン

第5戦隊司令官「入れ」

少将「はっ! 失礼します! 早速ですが作戦の概要をご説明させて――」

第5戦隊司令官「ゴホン! ……青葉」

第5戦隊青葉「はい! なにか御用ですか?」

第5戦隊司令官「申し訳ないけれどお茶を淹れてきてくれないかな? お茶請けはお煎餅がいいかな」

第5戦隊青葉「了解です! すぐにもってきますね!」

第5戦隊司令官「いや、ゆっくりでいい。少将君も少し落ち着いた方がいい。僕みたいに鈍いのは捲し立てられても理解が及ばないからね、子供に説明するつもりでやってくれ」

少将「――む」

第5戦隊司令官「それでは青葉が戻ってくるまで、うちの娘のことで相談に乗ってほしいのだけれどいいかね?」

提督「私どもでよければお話を伺います」

第5戦隊司令官「うむ。実はそろそろ青葉が建造されて4年になるのだけれど、なにか贈り物をしようとおもうんだ。なにがいいか――」

少将「司令官! 失礼ですがそんなことを話している場合ではないかと愚考いたします! 味方は今も戦っているのかもしれないのですよ! すぐさま策定し、艦娘たちに作戦を周知させるべきです」

提督「お、おい」

少将「なんだ! 私はなにか間違っているか!?」

提督「……」

第5戦隊司令官「まるで新兵だな」ボソッ

少将「失礼、なにかおっしゃいましたか?」

第5戦隊司令官「いや、大したことじゃない。随分と気合を入れて策を練ってきてくれたようで感心していただけだ。随分と苦労しただろう」

少将「それは……前線で戦う味方を思えばいかほどのものでもありません」

第5戦隊司令官「嘘はいけない。目の下のクマをみれば君の苦労が浮かばれる」

少将「……」

第5戦隊司令官「優秀な君の気宇壮大な案をまるで回ってきた寿司を食べるように無造作に聞くわけにはいくまい? 私のような凡人には心の準備というものがいるのだよ、すまないね。だろ? 提督君」

提督「私としては司令官も非凡な指揮官だと尊敬しております」

第5戦隊司令官「……それはありがたい評価だ。しかし君はぶれないね」

提督「?」

第5戦隊司令官「まぁ、というわけだ。少将君、このおじさんに少し落ち着く時間をいただきたい」

少将「……失礼しました」

第5戦隊司令官「それでは話を戻して、贈り物なのだけれど――」

 コン、コン


第5戦隊司令官「はぁ……入れ」

第5戦隊青葉「失礼します。お茶お持ちしました!」

蒼龍「失礼します」

第5戦隊司令官「ありがとう。それと随分と早いと思ったら提督君のところの子に手伝ってもらったのかい?」

第5戦隊青葉「はい」

第5戦隊司令官「提督君、すまないね」ズズズー

提督「いえ」

少将「……それではお茶も来たのですから、作戦の説明をさせていただいても宜しいでしょうか?」

第5戦隊司令官「ああ、うん、頼むよ」

少将「ゴホン! それでは私の考えた案は敵本体から数部隊を引き離して逐次撃破するというものであります。まず快足の水雷戦隊によるアウトレンジからの魚雷攻撃を行い、敵を陽動。そののちに航空機、戦艦の火砲を集中させ敵を撃滅していきます。これを数度繰り返せば敵の戦力を大きく削ることが可能です。すでに各艦娘の布陣についてもこちらにまとめてあります」

第5戦隊司令官「……なるほどね。提督君はどうおもう?」

提督「……い、いや、うむ、よろしいかと思います」

第5戦隊司令官「本気で言っているのかね」

提督「……はっ」

第5戦隊司令官「そうかね……。少将君、まるでその作戦は敵が戦力を逐次投入することを前提として考えられているように思うが、わずかに抑えを残した敵が反転して私たちを一気に攻めるということはないのかね?」

少将「? こちらの布陣図をご覧ください。陽動の水雷戦隊は軽巡洋艦1隻、駆逐艦5隻の6隻の予定です。これにそれほどの戦力を割くというのはあまり考えられないかと。それに我らに敵が大挙して押し寄せてくるとなれば、大変結構なことではないですか」

第5戦隊司令官「そういう意味で言っているのでは――は? 敵が押し寄せてきて良いとはどういう意味だね」

少将「これは包囲を受けてる鎮守府の備蓄状況でありますが、弾薬・糧食ともに不安はありません。であれば我らの姿を見れば反攻でるでしょうから、抑えを打ち破って前後から挟撃することができます。簡単にはいかないでしょうが敵を撃滅することも可能かと」

提督「……流石に戦力差が大きすぎる。挟撃できたとしてもそれぞれすり潰される可能性のほうが高いだろうな」

少将「そういうものか? では、逐次撃破のみに徹すればいいではないか」

提督「う、む……」

少将「司令官、いかがでしょうか? 完璧な作戦であるとおもいますが」

第5戦隊司令官「む……まだ疑問がある。魚雷によるアウトレンジというがそんな距離で売っても戦果なぞのぞめないぞ。敵が陽動に乗らなければどうするつもりだ?」

少将「はっ! その際は状況に応じて臨機応変に対応すべきかと思いまして、いくつかの案をまとめています!」

第5戦隊司令官「……そうかね。提督君、この作戦でよいのかね?」

提督「はっ……少将の提案でありますからうまくいくとおもいます」

第5戦隊司令官「そうか……では、陽動に乗らなかった際の案については提督君と打ち合わせをしてから結果だけを私に報告してくれ。少し具合が悪くなったので少し横になってくるから。青葉」

第5戦隊青葉「はい。お供しますね、あ。肩どぞ」

第5戦隊司令官「いや、そこまではいい。それじゃあ二人とも頼むよ」

少将「畏まりました」

提督「……畏まりました」



 第五戦隊旗艦 司令官私室前


第5戦隊司令官「……なぁ、青葉」

第5戦隊青葉「どうかしましたか? えっと、やっぱり肩を――」

第5戦隊司令官「いや、違うんだ。さっきの作戦をどう思う?」

第5戦隊青葉「へ? あの、すみません。難しいことはちょっと……で、でも! 司令官がいいと思うなら良い案なんだろうなっていうのはわかりますよ!?」

第5戦隊司令官「ははは……いや、こちらこそすまない。私はね。ずっと人事畑だったから艦娘の指揮や作戦の立案という能力がまずいものだっていう自覚があるのだけれどね。こんなにも昏いとは思っていなかったんだ」

第5戦隊青葉「むむ……もしさっきの作戦も司令官が違うと思っているのなら愚策なんですよ。間違いありません! 戻って作戦を練り直させましょう」

第5戦隊司令官「うん、うん。けどね、提督君は絶対に私よりもそこらへんの能力はある男なんだよ。少将君の姿も最初は功に逸っていると思ったけれど、彼が言うならばあれも才気あふれる者の自信というものなかもしれないね」

第5戦隊青葉「いえ、司令官はこの艦隊の責任者なんですよ? あなたの意見が一番正しいんです。もっと自信をもってくださいよ:

第5戦隊司令官「いやいや、私は自分の身の程を知っているさ。提督君が肯定しているのに私みたいなのがずっと反対しているわけにはいかないだろ。すっかりと自信がなくなってしまった、これ以降は彼らに任せるべきなんだろうね。彼らなら本当に敵を撃破してしまうかもしれないよ?」

第五戦隊青葉「そんなわけ――」

第五戦隊司令官「いや、いい。私は少し寝るからあとは自由にしてくれ」

第五戦隊青葉「……はい」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年08月05日 (日) 08:58:41   ID: iDfiKSm8

もう安価スレというより悲惨な労働環境に苦しむ>>1を見守るスレになりつつある

2 :  SS好きの774さん   2018年09月19日 (水) 20:20:58   ID: 0VM5PUtp

>>1が過労死しそうで怖い

3 :  SS好きの774さん   2018年10月01日 (月) 14:11:58   ID: bJnTkhm7

元スレ行かれへんねんけどどうしたらええのん??

4 :  SS好きの774さん   2018年10月02日 (火) 07:31:51   ID: LIBk7Z9M

vipの鯖がクラッシュしてるから復旧待ち。
復旧までおーぷんで関係改善編やるってTwitterで言ってたよ

5 :  SS好きの774さん   2018年10月29日 (月) 07:15:02   ID: NzAQYbW9

追いついた!
今一番楽しみにしてる連載です〜
無理せずご養生下さいね(汗)

6 :  SS好きの774さん   2023年05月14日 (日) 19:41:50   ID: S:weDoqy

面白いからもっと見たいなぁー⋯なんて⋯

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